送信専用電子商品監視システムおよび方法
電磁場を発する電子商品監視(EAS)ビーコンを利用する盗難防止セキュリティシステム。対応するセキュリティタグ応答器は、応答器に搭載された警報器を作動させるか休止状態のままにするかを判断する際、この電磁場を検出する。EASビーコンは、所望の場所に容易に設置でき地域商用電源を利用するかまたはバッテリ電力に戻すことができる自己完結型ビーコンである。特に、これによって従来のEAS台の多大な設置、較正およびメンテナンス費用ならびに作業を回避する。EASビーコンはコイルパネルを含み、このコイルパネルは細長い筐体に固定され、筐体は、何かまたは誰かがこのパネルと接触したときに損傷を避けるまたは最小限にするために屈曲させることができる。このような屈曲が生じるまたは不正が行なわれると可聴/視覚警報器が作動する。受動赤外線検出器を設けてEASビーコンがバッテリ電力で動作しているときの消費電力を減じる。このEASビーコンは既存のEASおよびRFID盗難防止セキュリティシステムでも使用でき、この場合関連するセキュリティ応答器も受動EASおよび/またはRFIDセキュリティ素子を含む。無線解除キーを用いて警報発生応答器をオフにしてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
このPCT出願は、2009年5月1日に提出され、送信専用EAS(Transmit-Only EAS)と題された、その開示全体を本明細書に引用により援用する仮出願第61/174,734号の利益を、米国特許法第119条(e)に基づいて主張する。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、概して商品セキュリティの分野に関し、より特定的には、事業環境内およびその周辺のさまざまな場所に容易に設置可能な薄型で低電力の電磁場プロジェクタを用いてセキュリティタグの警報を発生するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
小売施設内の商品の安全を確保するための1つの方法は、従来の電子商品監視(EAS)システムを使用することである。このシステムは、保護対象の各商品に取付けられた応答器と、EAS検出ゲートとを含む。米国特許第4,692,747号(Wolf)および第4,831,363号(Wolf)を参照されたい。この応答器は通常、プラスチックラベル、ペーパータグ、布製のジャケットまたは硬質プラスチックケースに封入された電磁応答素子の形態である。この応答素子は、細長い一片の強磁性材料、音響磁気歪金属ガラスの部分、キャパシタおよびインダクタで構成された並列共振回路、またはダイオードに接続されたストリップアンテナでもよい。EM、AM、RF、およびマイクロ波とそれぞれ名付けられたこれら技術は通常、規制上の理由と歴史上の理由の組合せによって決まる特性周波数で動作する。検出装置は、送信機および受信機双方に接続されたアンテナからなる。送信機は、応答器素子に刺激信号を与えるために配置される。受信機は、必要な種類の応答器素子が検出器の近くにあるか否か判断するために配置される。典型的に、検出装置は、出口地点に位置する装置によって応答器が検出された場合に警報を鳴らすために使用される。商品が購入されると、EAS応答器を、取外すか、または特別の電磁場を印加することによって非作動状態にすることができる。
【0004】
従来のEASにはいくつかの長所がある。第1に、EM、AM、およびRF EASの場合、検出装置のアンテナは、通常非常に大きいため、未遂犯を視覚的に牽制する。第2に、検出装置が出口の複数の場所に設置されている場合、小売施設の管理者は、商品を購入する前にこの施設から持出そうとすると警報が発生することが確実にわかっているので、買物客が店内で商品を自由に手に取り持ち歩くのを放置しておくことができる。
【0005】
しかしながら従来のEASにはいくつかの短所がある。検出システムの購入価格は比較的高い。そのうえ、その設置に費用がかかる可能性がある。なぜなら、設置するのに「溝掘り」すなわちコンクリートの床に溝を切込むことによって容易に電源配線を行なえるようにする必要があることが多いからである。さらに、EAS検出システムには、慎重な設置および定期的なメンテナンスが必要である。なぜなら、応答器からの信号が非常に低振幅である、すなわち、送信された電力のほんのわずかな部分しか応答器に到達せず、応答器によって反射されたエネルギのごくわずかな部分しか受信機に届かないからである。結果として、小売施設は、EAS検出ゲートを設置し維持する場所を制限することになる。
【0006】
3警報EAS応答器
ある極端な例では、EAS応答器が、商品に埋込まれた電磁応答素子だけで構成される場合がある。逆の極端な例では、応答器が、応答素子だけでなく不正検出および警報音発生機構も含む複合体である場合がある。加えて、応答器に、EAS検出ゲートの送信を検出しそれに応じて警報音を発生することが可能な検知回路が備わっていることがある。これらの特徴をすべて備えた応答器は、商品の誤った取扱いを示す警報を鳴らすための3つの手段、
(a) 応答素子が近くにあるときにEAS検出ゲートによって鳴らされる警報、
(b) 不正が検出されたときに応答器自身によって鳴らされる警報、および
(c) EAS検出ゲートが近くにあるときに応答器によって鳴らされる警報
を提供する。
【0007】
3警報応答器に関連する米国特許第7,663,489号(Scott他)、第7,538,680号(Scott他)、および第7,474,215号(Scott他)も参照されたい。これらすべての開示全体を本明細書に引用により援用する。
【0008】
これら応答器は、さまざまなやり方で商品に取付けるまたは埋込むことができる。通常のEAS応答器のように、これら応答器は、商品自体の中に埋込んでもよいし、商品のパッケージの中に埋込んでもよい。これら応答器は、永久接着剤、固定紐、リベットなどによって商品に永続的に装着してもよい。好ましくは、これら応答器は、販売前はロックされたままで販売後に顧客または関係した販売者いずれかによって取外される構造を介して取外すことができるように取付けてもよい。一般的な手段は、磁気手段または電子手段を介して開けることができるばねクラッチ機構の使用を含む。
【0009】
これら応答器には、たとえ検出装置が存在しなくても、たとえば試着室または化粧室で商品から応答器を取外そうとする不正な試みがなされると、それがどこであっても警報を鳴らすという長所がある。加えて、このような応答器は、保護されている商品が小売施設から不正に持出されようとすると、たとえ応答器からEAS検出ゲートへの戻り信号が減衰しすぎてEAS検出ゲートが警報を発生できなくとも、EAS検出ゲートの近くであることを検知することによって、この不正を検出し得る。
【0010】
これら応答器はまた、受信した刺激信号が、振幅、周波数、位相または符号変調識別子といった固有の特徴を含むときに限って警報を発するように配置できる。このような変調はベースEAS送信信号に加えることができる。
【0011】
以下の引用は、警報器がセキュリティタグ自体に含まれているセキュリティタグシステムの数例にすぎない。
【0012】
その開示全体を本明細書に引用により援用する米国特許第4,851,815号(Enkelmann)は、警報発生機構を中に含むセキュリティタグを利用する小売環境において商品を監視するためのシステムを開示している。この警報器は、(1)セキュリティタグを商品に装着しているループが切断された場合、もしくは商品のためのケースが開けられた場合、または(2)送信機からの警報コードをセキュリティタグが受信した場合に、作動する。このシステムはまた、適切なときに警報器を非作動状態にする「クリアコード」を送信するための手段も含む。
【0013】
その開示全体を本明細書に引用により援用するドイツ特許第19822670号(Rapp)は、警報器を中に含むセキュリティタグを用いて商品を監視するためのシステムの異なる3つの構成を開示している。このシステムの第1の実施の形態では、セキュリティタグの警報器は、セキュリティタグ(およびそれに関連する商品)の受信機が特定のゾーン内で特定の送信信号を一定間隔で受信している限り鳴らないままであり、このゾーンから出ると送信信号が届かないためセキュリティタグの警報器が作動する。第2の実施の形態では、別のゾーンに入るとセキュリティタグの受信機が警報器を作動させる信号を受信する。第3の実施の形態は、第1および第2の実施の形態双方の特徴を組合せたものである。
【0014】
その開示全体を本明細書に引用により援用する英国特許第2205426号(Yamada)は、商品(たとえばCD−ROM、DVDなど)を収容するための収納ケースを開示しており、この収納ケースは、取出検出器、警報器および送信機を含む。窃盗未遂犯が商品を購入せずに収納ケースから取出そうとすると、収納ケース内の警報器が作動し信号が遠隔にある受信機および警報器に送信される。加えて、窃盗未遂犯が商品を収納ケースに入った状態で購入せずに小売施設から出ようとすると、出口ゲートが収納ケースの警報器を作動させ、収納ケースも信号を遠隔にある受信機および警報器に送信する。また、もう1つの実施の形態は、この収納ケースを、商品に接続するためのループを含む要素に置換え、この要素の電子装置は、ループが切断されたときにこれを検出し警報を発生するための検出器を含む。
【0015】
利益享受の阻止
従来のEASに代わるものとして、いわゆる利益享受阻止装置の使用が挙げられる。一般的に、こういった装置は、取外すことができるように商品に装着されたプラスチックの筐体である。この筐体は商品が購入されるときに取外される。この筐体には、音声警報装置といった不正検出装置、またはインク壺といった不正阻止要素が封入される場合がある。この利益享受阻止装置を取外そうとすると、警報が鳴るか、またはインクが犯人、商品もしくはどちらにも飛び散ることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
利益享受阻止装置は確かに犯罪を視覚的に牽制する。しかしながらこういった装置には、離れた場所では電子的に検出できないという欠点がある。窃盗犯は商品を化粧室または店の隅に運びそこで特殊な道具を用いてタグを取外すことができる場合が多い。他には、窃盗犯が警報を鳴らさずに商品を店から持出した後、時間のあるときに装置を取外すことがある。
【0017】
しかしながら、上記に鑑みると、事業環境内で希望する場所のほとんどすべてに容易にかつ素早く設置できる低電力で薄型のEASビーコンを利用するEAS応答器システム/方法を実現することがまだ必要である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
発明の簡単な概要
盗難防止セキュリティシステムが開示される。このシステムは電磁(EM)場発生器を備え、EM場発生器は少なくとも1つのアンテナが結合される筐体を含み、少なくとも1つのアンテナは予め定められた周波数のEM場を生成し、筐体は1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能である。このシステムはさらに少なくとも1つのセキュリティタグを備える。この少なくとも1つのセキュリティタグは、予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、警報器とを含み、検出器は、この回路が受信したEM場を検出し、盗難防止セキュリティシステムのセキュリティゾーン設定に応じて警報器を作動させるかまたは警報器を非作動状態に保つ。
【0019】
盗難防止セキュリティシステムを構築するための方法が開示される。この方法は、電源に結合された少なくとも1つのアンテナにエネルギを供給することにより予め定められた周波数の電磁(EM)場を生成するステップを含み、少なくとも1つのアンテナは、1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能な筐体に結合される。この方法はさらに、セキュリティタグを商品に結合するステップを含み、セキュリティタグは、予め定められた周波数に同調させた回路と検出器とを含み、セキュリティタグをEM場に接触させるステップと、セキュリティタグの回路が接触したEM場を検出器によって検出するステップとを含む。
【0020】
盗難防止セキュリティシステムが開示される。このシステムは第1の電磁(EM)場発生器を備え、第1のEM場発生器は少なくとも1つのアンテナが結合される筐体を含み、少なくとも1つのアンテナは第1の予め定められた周波数のEM場を生成し、筐体は既存のセキュリティシステムのセキュリティゾーンを拡大するために1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能である。このシステムはさらに、第2の予め定められた周波数の第2のEM場を生成し第2のEM場の反射応答信号を受信する、既存のセキュリティゾーンの1対の電子商品監視(EAS)台を備え、EAS台は警報器を含む。このシステムはさらに、第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、第2の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含む少なくとも1つのセキュリティタグを備え、EAS台の警報器は、EAS台が第2の反射応答信号を検出したときに作動する。
【0021】
盗難防止セキュリティシステムを構築するための方法が開示される。この方法は、電源に結合された少なくとも1つのアンテナにエネルギを供給することにより第1の予め定められた周波数の第1の電磁(EM)場を生成するステップを含み、少なくとも1つのアンテナは筐体に結合され、筐体は1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、この方法はさらに、1対の電子商品監視(EAS)台にエネルギを供給することにより既存の盗難防止セキュリティシステムの第2の予め定められた周波数の第2のEM場を生成するステップを含み、EAS台は警報器を含み、この方法はさらに、セキュリティタグを商品に結合するステップを含み、セキュリティタグは、第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、第2の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含み、この方法はさらに、この回路が接触した第1のEM場を検出器によって検出するステップと、第2の反射応答信号をEAS台が検出したときにEAS台の警報器を作動させるステップとを含む。
【0022】
既存のEAS盗難防止システムのセキュリティゾーンを拡大するための盗難防止セキュリティシステムが開示される。このシステムは、第1の電磁(EM)場発生器を備え、第1のEM場発生器は少なくとも1つのアンテナが結合される筐体を含み、少なくとも1つのアンテナは第1の予め定められた周波数のEM場を生成し、筐体は既存のセキュリティシステムのセキュリティゾーンを拡大するために1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、上記システムはさらに、第1の予め定められた周波数の第2のEM場を生成し第2のEM場の反射応答信号を受信する、既存のEAS盗難防止システムの第2のEM場発生器を備え、第2のEM場発生器は警報器を含み、第1のEM発生器は、第2のEM場発生器の場のパターンに似るように第1のEM場を生成し、上記システムはさらに、第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、第1の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含む少なくとも1つのセキュリティタグを備え、EAS台の警報器は、EAS台が反射応答信号を検出すると作動する。
【0023】
既存の盗難防止セキュリティシステムのセキュリティゾーンを拡大するための方法が提供される。この方法は、電源に結合された少なくとも1つのアンテナにエネルギを供給することにより第1の予め定められた周波数の第1の電磁(EM)場を生成するステップを含み、少なくとも1つのアンテナは筐体に結合され、筐体は1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、この方法はさらに、1対の電子商品監視(EAS)台にエネルギを供給することにより既存の盗難防止セキュリティシステムの第1の予め定められた周波数の第2のEM場を生成するステップを含み、EAS台は警報器を含み、第1のEM場は第2のEM場の場のパターンに似るように生成され、セキュリティタグを商品に結合するステップを含み、セキュリティタグは、第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、第1の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含み、この回路は第1のEM場に接触し、この方法はさらに、EAS素子からの反射応答信号をEAS台が検出したときにEAS台の警報器を作動させるステップを含む。
【0024】
本発明について添付の図面と併せて説明する。これら図面において同様の構成要素には同様の参照番号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】EAS検出ゲートまたは「ビーコン」の等角図であり、このビーコンが鉛直方向に設置されるときにどのようにして配置されるかを示す。
【図2】EASビーコンを逆向きにしたものを示す等角図であり、以下の図面のうちいくつかはこの図から切取ったものである。
【図3】EASビーコンの部分分解図であり、受動赤外線検出器(PIR)および内部バッテリのうちいくつかを示す。
【図3A】EASビーコンの部分分解図であり、EAS検出ゲートまたはビーコンの他方の端部を示す。
【図4】図2の4−4に沿ってEASビーコンの二分の一を示す断面図である。
【図5】図4の線5−5に沿うEASビーコンの断面図であり、細長部材の旋回機構の一端の丸くされた矩形の輪郭を示す。
【図6】図4の線6−6に沿うEASビーコンの断面図である。
【図7】EASビーコンの場を検出すると警報を発生するセキュリティタグを示す第1のシステム構成を示し、EASビーコンの代替位置を点線で示す。
【図8】第1のシステム構成の機能図であり、小売環境内に設置された複数のEASビーコンを示す。
【図9】第2のシステム構成の機能図であり、商店主が売店またはキオスクなどを所有しているショッピングセンターの開放エリアで実現されたEASビーコンを示す。
【図10A】図10BとともにEASビーコンマイクロコントローラおよびコイルコマンド回路を構成する図である。
【図10B】図10AとともにEASビーコンマイクロコントローラおよびコイルコマンド回路を構成する図である。
【図11A】図11BとともにEASビーコン切換電源を構成する図である。
【図11B】図11AとともにEASビーコン切換電源を構成する図である。
【図12A】図12BとともにEASビーコンコイルドライバ回路を構成する図である。
【図12B】図12AとともにEASビーコンコイルドライバ回路を構成する図である。
【図13A】図13BとともにEASビーコン受動赤外線検出器(PIR)回路を構成する図である。
【図13B】図13AとともにEASビーコン受動赤外線検出器(PIR)回路を構成する図である。
【図14】「ゲート署名」を定めるEASビーコンのパルス図である。
【図15】本発明の例示としてのセキュリティタグ応答器および無線解除キーのブロック図である。
【図16】従来のEAS台および/またはRFID読取器とともにEASビーコンおよびセキュリティタグ応答器を使用する複合盗難防止セキュリティシステムの機能図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
発明の詳細な説明
以下で詳細に説明するように、本発明の好ましい実施の形態は、EASビーコン20(図1)およびこれに関連するセキュリティタグ応答器10(図7)を、総合EASシステム(420、図16)に含めたものであり、従来の特徴、進歩した特徴および新たな特徴を組合せて、より一層経済的なやり方で商品の不正な取扱いに対しより広く対処する。総合EASシステム420は、EAS呼掛け信号を送信するための送信手段を含むEAS検出ゲート(422)と、人または機械の認識に対して警報状態を表明するための予告手段(416)とを含む。EAS検出ゲート(422)は、EM、AM、RF、UHF、マイクロ波または等価のスペクトルの周波数を含む標準EAS周波数のうちいずれかで動作し得る。本明細書において「RF」という用語は広くEAS電磁放射スペクトルのいずれかを意味する。
【0027】
加えて、このシステムは、EAS呼掛け信号の一部を反射するための応答手段を含む受動EAS応答器(10C)を含む。また、EAS警告ビーコン信号(以下「電磁(EM)場」と呼ぶ)を送信するためのRF送信手段を含む送信専用RF EASビーコン20(以下「EASビーコン20」と呼ぶ)も含まれる。特に、EAS警告ビーコン20の動作周波数と受動EAS応答器10Cの動作周波数は、同じ周波数でも、または無関係でもよい。システム420の特定の機能各々に対して同じ周波数範囲をシステムの相互作用するさまざまな装置が使用するのであれば、どのような組合せも可能である。次に詳細に説明するように、EAS検出ゲート422と異なり、EASビーコンは、受動EAS応答器10から反射されたエネルギを受信する必要はない。したがって、EASビーコン20に検出回路は不要である。これは、設置およびメンテナンスの容易さに加え、大幅なコスト削減、複雑度およびサイズの減少、および節電に繋がる。EASビーコン20には近くのタグに結合するための大きなアンテナが不要であることも同じく重要である。実際、ほとんどどのような場所でも設置するおよび/または隠すことができる人の手の大きさほどの小さなビーコン20を構築することも可能である。これに比べて、EAS検出ゲート422のアンテナは一般的に、高さが4から6フィートで幅が1から2フィートである。
【0028】
したがって、以下の説明はEASビーコン20、その部品および動作に関する。
図1はEASビーコン20の等角図である。EASビーコン20は、電子部品および内部バッテリを含む細長部材22を備える(図3−図3A)。1対のコイル巻線24Aおよび24BがEASビーコン20によって与えられ、各々、以下でも詳細に説明するように、細長部材22に固定されたパネル26Aおよび26B(たとえば(Lexan(登録商標)といった)ポリカーボネートまたは(Plexiglass(登録商標)といった)アクリルなど)にそれぞれ収容される。しかしながら、細長部材22自体は終端ブラケット28Aおよび28Bの中に旋回可能な状態で設けられる。この終端ブラケットは、図5に示される軸34を中心として細長部材22が回転できるようにすることによって、何かがパネル部材26A/26Bに接触した場合でもパネル部材26A/26Bが傷つかないようにする。細長部材の最も端の部分には、終端キャップ30A/30Bがあり、これは、EASビーコン20へのDC電力カップリング36A/36Bにアクセスする部分を覆っている。電力カップリングを2つ設けていることによって、EASビーコン20をさまざまな向きで設置することができるとともに、近隣にある商用電源に最も好都合に結合できる。商用電源(たとえば壁のコンセント)に結合された電源コード38およびAC/DC変換器(図示せず)が設けられ、電源コードの他端はDCコネクタ40を含み、その一方は図6に示される。適当な終端キャップ30Aまたは30Bを取外すことによってDC電力カップリング36Aまたは36Bをそれぞれ露出させ、DCコネクタ40を接続してから終端キャップをもう一度設置することができる。受動赤外線検出器(PIR)32を設け、EASビーコン20がバッテリ電源を使用しているときにEASビーコン20近くの動きを検出し、したがって、近くで動きが検出されないときはEASビーコンの電力を節約できる。中央の素子またはスペーサ27が2つのパネル部材26A/26Bの間に設けられる。このスペーサ27によってコイル24A/24Bを分離することにより、近距離場におけるコイル結合(coil coupling)を減じる。
【0029】
EASビーコン20の好ましい実施の形態では2つのコイル24Aおよび24Bが示されているが、単一のコイルを用いて動作することが本発明20の最も広い範囲に含まれることが理解されるはずである。本明細書を通して使用される「コイル」という用語は「アンテナ」と呼ばれることもある。
【0030】
図3−図3Aに示されるように、細長部材22は半殻部22Aおよび22Bを含む。半殻部22Bは、PIR32、バッテリB1−B6(たとえばD型電池)、およびEASビーコン電子部品を含む回路基板42を収容し、この詳細については以下で説明する。半殻部22Aは、コイル巻線パネル部材26A/26Bに対する連結部材を含む。半殻部22A/22Bは、殻部22A/22Bを貫通する穴に挿入される不正防止ねじ(そのうち1つ31が図示される)によって互いに固定される。この穴のうち2つ29が図3に示される。図には示されていないが、バッテリを取出す/挿入するために、2つのバッテリ仕切りドアが殻部22Bに設けられる。図3−図3Aからもわかるように、パネル部材26A/26Bには、対応するスロット47(図3参照)に通されてロックする突起部分44がある。図6から最も明確にわかるように、半殻部22Bは、輪郭が丸いので、EASビーコン20が設けられた面に対して容易に旋回できる。
【0031】
本発明20の重要な特徴の1つは、EASビーコン20が、接触されると変位するまたは(たとえば屈曲ヒンジを用いて)屈曲することができる点である。このような屈曲性の1つの例示的な構成は、旋回機構を介したものである。細長部材22のこの旋回機構は、終端ブラケット28A/28B各々の中の1対の板ばねと、この板ばねの間に挟まれた細長部材の各端部の角が丸くされた矩形の先端との組合せを利用することによって得られる。特に、図3−図3Aに示されるように、第1の対の板ばね46Aおよび46Bが一方の終端ブラケット28Bに設置され、第2の対の板ばね48A/48Bが他方の終端ブラケット28Aに設置される。図5において最も明確に示されているように、細長部材22の各端部の先端の外形は、角が丸くされた矩形に似ている。特に、図5に示される先端50Bの矩形の長辺はそれぞれ板ばね46A/46Bと接触している。これは細長部材22の通常の位置であり、この場合は、図1に示されるようにパネル部材26A/26Bは細長い筐体の軸34に対して垂直である。しかしながら、パネル部材26A/26Bのうちいずれかまたは双方に対して力が加えられると(たとえばEASビーコン20の横を通過しようとする大きな荷台または物体、人など)、細長部材22が回転することにより、板ばね46A/46Bが外側に曲がる(矢印52参照)。この力がパネル部材26A/26Bに接触しなくなると、板ばねの付勢によってばね46A/46Bが内側に曲がることにより、先端50A(図3−図3A参照)および先端50Bが回転し、パネル部材26A/26Bを元の垂直の向きに戻す。図3−図3Aに示されるように、板ばね46A/46Bおよび48A/48Bはブラケット終端部品28A/28Bの中に設けられている。板ばね46A/46Bおよび48A/48Bは、ブラケット終端部品28A/28Bの中に、「熱かしめ法(heat staking)」を用いて固定される。これは、プラスチックのばね支持部品54を加熱することによってプラスチックの一部を変形させ溶かして板ばねに接続するものである。突出したアンテナ素子の損傷を減じるためにヒンジを使用することは知られているが(たとえば米国特許第7,168,668号(Coyle)参照)、本発明の旋回機構は、上記第7,168,668号特許に開示されているものほど複雑でなく露出していない。
【0032】
図5−図6からもわかるように、パネル部材26Aおよび26Bは各々、コイル24Aおよび24Bがそれぞれ巻かれているコイルレースウェイ56A/56Bを含む。図5は、コイル24Bが交差して1つの導体がコイル24Bを形成する様子を示す。図示されていないが、パネル部材24Aは同様の構成を備える。図6も、パネル部材24Aのうち一方の部分断面図を示し、このパネルは、先に説明したスロット47の中に位置するものとして示される突起部分44と一体化された内側の支持部材58を含む。
【0033】
EASビーコン20の主要な特徴の1つは、比較的容易に設置できることである。EASビーコン20は、自己完結型、すなわち、ビーコン20を接続しなければならない相手(たとえば従来のEAS検出台は床下のワイヤで互いに結合されている)が、電源接続以外になく、EASビーコン20は、店員またはメンテナンス作業員が容易に設置できる。特に、各終端ブラケット28Aおよび28Bはそれぞれ設置ブラケット45Aおよび45Bを含み(図3および図3A参照)、これを通して装着ねじまたはボルト(図示せず)を挿入し表面(たとえば壁、横木、柱など)に固定する。次に、細長部材22を挿入して先端50A/50Bが板ばねの対46A/46Bおよび48A/48Bの間に挟まれるようにして、細長部材22が旋回できるようにする。EASビーコン20を垂直位置で設置するときは、ビーコン20は図1に示される向きで設置される。この向きの場合、PIR32は下を向いてその近くの動きを検出する。EASビーコン20が節電のために商用電源ではなくバッテリ電源で動作しているとき、EASビーコン20は、PIR32が近くの動きをそれ以上検出しないときに「スリープ」または低電力状態に戻るように設計される。PIR32が動きを検出するとすぐに、ビーコンの電子部品は十分なエネルギを与えられて通常の動作を行なう。
【0034】
先に説明したようにEASビーコン20が曲がったもしくは旋回した場合、または、EASビーコン20がその設置された位置から無理に移動させられようとするかまたは不正に扱われようとした場合、ビーコン20は、外向きに付勢されているがビーコン20が表面に設置されているときは筐体22の内側に向かって駆動される屈曲/旋回検出スイッチ33(図4および図14A)を備えている。EASビーコン20が旋回しているまたはその設置場所から無理に移動させられている間、スイッチ33はこの付勢によって外向きに駆動され(図4に示される)、これにより、ビーコンの電子部品は警報器、たとえばピエゾ警報器PA(図10B)といった可聴警報器を作動させる。可聴警報器の代わりに、または可聴警報器とともに、視覚的な警報器を設けてもよい。このように、設置されたEASビーコン20が旋回させられるまたは不正に扱われて設置面から十分に変位させられるとスイッチ33が警報器PAを作動させる。
【0035】
上記電子部品はさらに、警報器の始動を遅延させて迷惑になる作動を回避するだけでなく、一定期間後に打切ることにより過剰なバッテリ消費を避け店員を煩わせないようにする、検出スイッチタイマをさらに含む。遅延時間および打切り期間を、電子部品のプログラミングを通して所望の期間に設定できる。
【0036】
EASビーコン電子部品は回路カード42(図3A)に収容される。本発明20の好ましい実施の形態では商用電源がEASビーコン20に与えられるが、これ以外の種類の電源をEASビーコン20の電源とすることができることが理解されるはずである。さらに、本明細書を通して使用される「商用電源」という用語は、EASビーコン20に「外部から供給される」電力すべてを含む。図11A−図11Bに示されるように、DC電力を、いずれかが商用電源に接続されるDCカップリング36Aまたは36Bから、切換電源に供給できる。この切換電源は、低電力を使用する電子部品に対して、12VDCおよび3.3VDCの動作電圧を供給する。ビーコン電力がバッテリ電力に戻ると(たとえば偶然でも故意にでも商用電力が失われたとき)、EASビーコン動作にロスはない。逆に、商用電源が回復すると、EASビーコン20はバッテリ電力から再び商用電力に戻り動作ロスはない。この電源切換中に動作ロスがないことは、EASビーコン動作の重要な特徴である。
【0037】
ビーコン電力がバッテリ電力に戻る場合、好ましい実施の形態では、EASビーコン電子部品は、PIR32を使用することによりできる限り多くのバッテリ電力を保存することを含み得る。上記のように、EASビーコン20がバッテリ電源で動作している状態で、PIR32は、マイクロコントローラMC(図10A)に、PIR回路(図13A−図13B)を介して、近くの動きに関する警告を与える。動きが検出されたならば、マイクロコントローラMCは、EASビーコン20を全電力動作状態に保つ。一方何の動きも検出されなければ、マイクロコントローラMCは、ビーコン電子部品を、PIR32によって動きが検出されるまで、低電力または「スリープ」モードに戻す。商用電源がEASビーコン20に電力を供給しているとき、PIR32は非作動状態にされる。なぜならこれはバッテリ動作中しか使用されないからである。
【0038】
図10A−図10Bは、マイクロコントローラMCおよびコイルコマンド回路を示し、コイル24Aおよび24Bをそれぞれの位相を互いに180°ずらして駆動するために、一方の経路はコイル24A(ドライブA)に導かれ、もう一方の経路はコイル24B(ドライブB)に導かれる。図12A−図12Bは、駆動コマンドを取込みそれに応じてコイル24A/24Bそれぞれに電力を供給する実際のドライバ回路を示す。これらコイルを180°位相をずらして駆動することによって、近距離場におけるセキュリティタグ応答器10によるEM場検出を最大にし、一方、遠距離場におけるEM場を除去または最小にすることによってFCC規定に従うようにする。マイクロコントローラMCは、12VDCおよびバッテリ電力をモニタする。
【0039】
図13Aからわかるように、コンタクトスイッチ33は、マイクロコントローラMCに、EASビーコン20が屈曲した、旋回した、または装着されている面から取外されたもしくは取外されつつあることを知らせる。加えて、2つのLED D1およびD2が「EASビーコン状態インジケータ」35を構成する。このインジケータ35は、図1および図2にも示され、店員にEASビーコン20が適切に動作しているか否かを知らせる。たとえば、インジケータ35は例として10秒ごとに点滅することによって通常動作を示し、EASビーコン35が適切に動作していないまたはバッテリB1−B6の交換が必要な場合インジケータ35は例として1秒ごとに点滅してもよい。
【0040】
EASビーコン20に電源が投入されると、マイクロコントローラMCは、フィールド発振器OSC(図10A、たとえばLTC6900といった8.2MHzの発振器)および昇圧イネーブルをオンにする。これは、バッテリB1−B6が古くなりその電圧が通常の9VDCから4VDCに降下したときにバッテリが(EASビーコン20を起動しているときに)12VDCを確実に供給するようにする(さもなければ発振器OSCはフェードアウトする場合がある)。このように、昇圧が開始され、発振器OSCがロックインし安定する可能性があると、(以下で説明する)ゲート署名ビンが送信される。最後のビンが送信された後、発振器OSCの電源を切断し、昇圧が終了し、電子部品は別のサイクルの準備を行なう。
【0041】
上記説明に基づいて、EM場60(図7)がどのようにして生成されるかを以下で説明する。先に述べたように、EM場60は、コイル24A/24Bを位相を互いに180°ずらして駆動することによって形成される。図15は、各コイル24A/24BについてEM場60のアクチベーションを示す。これは連続的に発せられるのではなくデューティサイクルで動作することがわかる。特に、EASビーコン20は、100ミリ秒ごとに「フィールドフレーム」を送信する。各フィールドフレームは複数の(たとえば15の)フィールドビンを含み、各フィールドビンは、64マイクロ秒のギャップによって隔てられたフィールド周波数(たとえば8.2MHz)の2つのバーストを含み、各バーストは約6マイクロ秒である。上記のように、8.2MHzというフィールド周波数は一例として示されているに過ぎず、これ以外のセキュリティシステム周波数(たとえば13.56MHz、900MHz、2.4GHzなど)を使用してもよいことが理解されるはずである。セキュリティタグ応答器10は、これらフィールドフレームを検出し、セキュリティタグ応答器10が1秒以内に以下「ゲート署名」と呼ぶフィールドビンを予め定められた数だけ(たとえば71のビンを)検出した場合、応答器10は、EM場60の中であると判断する。(以下で詳細に説明する)セキュリティシステムの設定に応じて、応答器10は、警報を発生するかまたは音を発しない状態を保つ。一方、応答器10が1秒以内に予め定められた数のフィールドビンを検出しなければ、応答器10はリセットし新たなカウントを待つ。EM場60の範囲は約1メートルである。
【0042】
次に、EASビーコン20を用いるなさまざまな盗難防止システムの例の動作について説明する。
【0043】
図7および図8は、EASビーコン20およびセキュリティタグ応答器10を使用する盗難防止システム120の第1の構成例を示す。セキュリティタグ応答器10は、EASビーコン20の電磁場がセキュリティタグ応答器10によって検出されると作動する搭載警報器16を含む。このようなセキュリティタグ応答器10の例は、チェックポイントシステム社(Checkpoint Systems, Inc.)によって販売される3警報タグを含む(たとえばアルファ「スパイダーラップ」(Alpha "Spider Wrap")、アルファ「ケーブルスポーツタグ」(Alpha "Cable Sports Tag")、アルファミニハードタグ(Alpha Mini Hard Tag)、アルファ「ケーブルロックス」(Alpha "Cable Loks")、アルファ「キーパー」(Alpha "Keeper")など)。ほんの一例として、図7に示されるセキュリティタグ応答器10は、商品Mに関連付けられる、たとえば商品Mに取外し可能な状態で装着されるロック手段を含み、かつ、EASビーコン20のEM場を検出するためおよびそれに基づいて可聴警報器および/または視覚警報器16を作動させるまたは非作動状態にするための関連する電子部品を含む。また、ほんの一例として、つなぎコード11を用いて応答器10を商品Mに取外し可能な状態で装着してもよい。本発明と同一の譲受人すなわちチェックポイントシステム社によって所有され、その開示全体を本明細書に引用により援用する米国特許第7,474,215号(Scott他)は、本願の図16が対応する、セキュリティタグ応答器10の一例を示している。具体的には、応答器10は、EAS共振回路12(たとえばLC共振回路)と、調整回路13と、プロセッサ14と、記憶回路15と、搭載警報回路16とを含み得る。搭載電源17も含まれる。調整回路13は、プロセッサ14によるゲート署名の検出を補助するための、検出回路と、増幅器と、パルス整形器とを含み得る。図15に示されるように、このつなぎコード11は、つなぎコード11の切断(たとえばこれによって論理状態が変化する)が検出され搭載された警報器16が作動するように、応答器10に接続される。加えて、セキュリティタグ応答器10が「ゲート署名」を検出すると、搭載されている警報器16がトリガされる。
【0044】
このロック手段に代わるものは、「自己整列差込ピンケーブルロック閉鎖(Self-alignment Bayonet Cable-Lock Closure)」と題された米国仮特許出願第61/057,604号(Conti他)において教示されている不正阻止手段を含む。ここにはロックが2段階で設けられており、第1段階のロックが不正に解除されると警報が鳴るが第2段階のロックはまだ商品の警報装置に装着されたままである。これには、窃盗犯が第1段階のロックを不正に解除しただけでは警報から逃れられないという利点がある。それどころか、窃盗犯は、商品を持ったままで小売施設から出ようとすると、まだ警報が鳴っている装置を携行しなければならない。
【0045】
図8は、一例としての小売環境REにおける第1の構成120の機能図である。レジ係は、セキュリティタグ応答器10を関連する商品Mから外すために安全取外装置122を使用できる。店員は、商品Mを自由に取扱うことができるが、セキュリティタグ応答器10を外すことはできない。このセキュリティゾーン設定においては、買物客が商品を小売店入口14の外に持出そうとすると、先に図7を参照して説明したように、ビーコン20Aがあるのでセキュリティタグ応答器10が警報を発生する。買物客が商品Mをセキュリティタグ応答器10を外そうとして隠れて化粧室RRに持ち込もうとした場合も、ビーコン20Bがあるので応答器10は警報を発生する。さらに、小売店の店員が商品Mを店員の控室SRに運ぼうとした場合は、ビーコン20Cがあるので応答器10は警報を発生する。
【0046】
図9は、盗難防止システムの第2の構成例220を示し、ここでは、セキュリティタグ応答器10AがEASビーコン20のEM場を検出している限り、搭載された応答器の警報16は非作動状態にされたままである。特に、商店主は、店舗が両側にあるショッピングセンターの開放エリア(たとえば通路または吹抜けの空間)に売店またはキオスクを配置できる。このような販売環境には買物客の移動の自由な流れを制限する壁がなく、商品Mは買物客が自由に触れることができるように配置されている。このような小売環境の商品の盗難を防止するために、このセキュリティゾーン設定において、セキュリティタグ応答器10Aは第1の構成120と逆の動作を行なうように構成される。すなわち、応答器10Aが、売店またはキオスクに配置されたEASビーコン20のEM場を検出している限り、応答器の警報器16は鳴らない。しかしながら、セキュリティタグ応答器10Aおよびこれが装着された商品Mが、EASビーコン20のEM場が届く範囲222の外に出ると、応答器10Aの警報器が作動する。商品Mが正規購入された場合のみ、レジ係は、セキュリティタグ応答器10Aを商品Mから外して、買物客が商品Mを持ってキオスク近辺から離れることができるようにする。
【0047】
第1の構成と同様、応答器10Aのつなぎコード11に対して不正が行なわれると、搭載されている警報器16が作動する。
【0048】
隣り合う盗難防止システム220間の不適切な相互作用は、各キオスク/売店固有の識別子を用いてEASビーコン20およびセキュリティタグ応答器10Aをプログラムすることによって回避できる。この第2の構成(「無線の囲い(corral)」とも呼ぶ)の利点は、保護されている商品を金属箔で裏打ちされた袋に入れて盗もうとすると、応答器10Aが「EASビーコンを聞く」ことができなくなるので、搭載されている警報が発生する点である。この第2の構成のもう1つの代替例を「無線ストラップ(lanyard)」と呼ぶ。この場合、セキュリティタグ応答器10Aは、商品Mがキオスクまたは店の区画から持出されるときに警報モードに固定されているのではなく、返却されると搭載されている警報器16が切られる。
【0049】
システム120/220をより小さくしたものが本発明の最も広い範囲に含まれ、これは、設置、較正およびメンテナンスコストのためにEASシステムの使用を今まで避けてきた小売施設にとって非常に魅力的であろうことが、理解されるはずである。最も小さい盗難防止システムでは、小売施設は、EASビーコン20およびこれに応答する関連のセキュリティタグ応答器を備えていればよい。これは、実際設置が不要でありすぐに使用できるキットの形で提供できる。最も小さい構成のもう1つの形態として、EASビーコン20を、必要に応じてセキュリティタグ応答器のプログラマまたは警報解除キーとして機能するように構成してもよい。これら最小システムを「ボックス内EAS」と呼んでもよい。なぜなら、必要な構成要素を、1人で取扱うことができる単一の箱の中に収めることができるからであり、設置用配線、工具、較正等が不要であるからである。ユーザは外部からの助けを受けずに警報システムを構築できる。
【0050】
本願に開示の8.2MHzのEASビーコン周波数は、例示に過ぎず、EASビーコン20またはこれに関連する盗難防止システム120および220の動作を制限することを決して意図していないことが理解されるはずである。たとえば、EASビーコン20は、13.56MHzを用いて、またはIEEE802.15.4プロトコルまたはIEEE802.11プロトコルに従いISM帯周波数(たとえば900MHz、2.45GHz、Bluetooth(登録商標)動作を含むもの、2.5GHzなど)を用いて動作させることができる。これらISM帯周波数での動作は、地域無線ネットワークおよび携帯電話動作からの干渉を避けるために適切なフィルタリングおよび検出機構を必要とするであろう。その開示全体を本明細書に引用により援用する米国特許第7,474,215号(Scott他)は、同様の超高周波数動作に対する解決策を開示している。
【0051】
先に述べたように、本発明の好ましい実施の形態は、EASビーコン20を既存のEASおよび/またはRFID盗難防止セキュリティシステム内で機能させて、特にセキュリティゾーンを拡大することである。たとえば、図16はこのような「ハイブリッド」システム420を示しており、ここでは、セキュリティタグ応答器10Bが、EAS素子10Cおよび/またはRFID素子10D(たとえば接触した場から電力供給を受ける受動素子)を含む。したがって、セキュリティタグ応答器10Bは、先に述べた応答器10および10Aの内容をすべて含むだけでなく、EAS素子10CおよびRFID素子10Dも含む。EAS素子10Cは、任意の周知のコイル/キャパシタ共振回路(たとえばその開示全体を本明細書に引用により援用する米国特許第5,754,110号(Appalucci他))を含み得る。RFID素子は、任意の周知のRFID集積回路およびアンテナ(たとえばダイポールアンテナ)を含み得る。これはたとえば、860MHz−960MHzでの通信のためのEPC無線周波数識別プロトコル、Class1 Generation UHF RFIDプロトコルに従うものである。加えて、1対のEAS台422(たとえばチェックポイントシステム社によるEVOLVE P10/P20の台)またはRFID読取器424(たとえば上記EPC RFID規格に従う任意のRFID読取器)は、EASビーコン20の代わりに小売環境REの入口14に配置され、これらは、EAS素子10CまたはRFID素子10Dを同調させる、対応する電磁場(EM、「呼掛け信号」とも呼ぶ)(図示せず)を発する。EAS台422またはRFID読取器424は、それぞれの受信機が、対応するEM場に応答したEAS素子422またはRFID素子424の反射信号418Aまたは418Bを検出すると作動する(視覚および/または可聴)警報器416を含む。RFID読取器が使用される場合、反射信号418Bは応答器のデータも含む。このように、ほんの一例として、セキュリティタグ応答器10BがEASビーコン20のEM場に入ると、警報器16が作動するのに対し、セキュリティタグ応答器10BがEAS台422またはRFID読取器424のEM場に入ると、EAS台またはRFIDの警報器416が作動する。加えて、EAS素子10C、EAS台422およびEASビーコン20が同一周波数に同調されているとき、セキュリティタグ応答器10BがEAS台422のEM場に入ろうとすると、セキュリティタグ応答器10の警報器16もEAS台の警報器416も作動する。
【0052】
ただし、セキュリティタグ応答器10または10Aを利用する既存のEAS盗難防止セキュリティシステムの場合、EASビーコン20は、既存のEAS設備で既に使用されているのと同じセキュリティタグ応答器10/10Aのハードウェア/ファームウェアを使用できる従来のゲートパターンを模倣するように動作する。このようにEASビーコン20を使用してセキュリティゾーンを拡大できる。
【0053】
さらに、「ステップ聴取を用いてEAS/RFIDタグを検出するシステムおよび方法(System and Method for Detecting EAS/RFID Tags Using Step Listen)」と題された米国特許第7,184,804号(Salesky他)に開示されるもの、および「EASおよびUHF組合せタグ(EAS and UHF Combination Tag)」と題された米国特許公開第2008/0150719号(Cote他)に開示される組合されたEAS/RFIDセキュリティタグのように、むしろ代替的にEASビーコン20とともに組合されたEAS/RFIDシステムを使用できることが、理解されるはずである。これら文献双方の開示全体を本明細書に引用により援用する。
【0054】
EASビーコン20と同様、EAS台およびRFID読取器ならびに対応するEAS素子/RFID素子は、特定の動作周波数に限定されず、異なる周波数帯で動作し得る。ほんの一例として、EAS台/素子は、6.78MHz、7.2MHz、8.2MHzなどで動作し得るものであり、RFID読取器/素子は、2−14MHz、850−960MHz、2.3−2.6GHzで動作し得るものである。ISM帯周波数(たとえば900MHz、2.45GHz、Bluetooth(登録商標)動作を含むもの、2.5GHzなど)での動作は、IEEE802.15.4プロトコルまたはIEEE802.11プロトコルに従う。これらISM帯周波数での動作は、地域無線ネットワークおよび携帯電話動作からの干渉を避けるために適切なフィルタリングおよび検出機構を必要とするであろう。その開示全体を本明細書に引用により援用する米国特許第7,474,215号(Scott他)は、同様の超高周波数動作に対する解決策を開示している。
【0055】
本発明についてその特定の例を引用しながら詳細に説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなくさまざまな変更および修正を行なうことができることが当業者には明らかであろう。
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
このPCT出願は、2009年5月1日に提出され、送信専用EAS(Transmit-Only EAS)と題された、その開示全体を本明細書に引用により援用する仮出願第61/174,734号の利益を、米国特許法第119条(e)に基づいて主張する。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、概して商品セキュリティの分野に関し、より特定的には、事業環境内およびその周辺のさまざまな場所に容易に設置可能な薄型で低電力の電磁場プロジェクタを用いてセキュリティタグの警報を発生するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
小売施設内の商品の安全を確保するための1つの方法は、従来の電子商品監視(EAS)システムを使用することである。このシステムは、保護対象の各商品に取付けられた応答器と、EAS検出ゲートとを含む。米国特許第4,692,747号(Wolf)および第4,831,363号(Wolf)を参照されたい。この応答器は通常、プラスチックラベル、ペーパータグ、布製のジャケットまたは硬質プラスチックケースに封入された電磁応答素子の形態である。この応答素子は、細長い一片の強磁性材料、音響磁気歪金属ガラスの部分、キャパシタおよびインダクタで構成された並列共振回路、またはダイオードに接続されたストリップアンテナでもよい。EM、AM、RF、およびマイクロ波とそれぞれ名付けられたこれら技術は通常、規制上の理由と歴史上の理由の組合せによって決まる特性周波数で動作する。検出装置は、送信機および受信機双方に接続されたアンテナからなる。送信機は、応答器素子に刺激信号を与えるために配置される。受信機は、必要な種類の応答器素子が検出器の近くにあるか否か判断するために配置される。典型的に、検出装置は、出口地点に位置する装置によって応答器が検出された場合に警報を鳴らすために使用される。商品が購入されると、EAS応答器を、取外すか、または特別の電磁場を印加することによって非作動状態にすることができる。
【0004】
従来のEASにはいくつかの長所がある。第1に、EM、AM、およびRF EASの場合、検出装置のアンテナは、通常非常に大きいため、未遂犯を視覚的に牽制する。第2に、検出装置が出口の複数の場所に設置されている場合、小売施設の管理者は、商品を購入する前にこの施設から持出そうとすると警報が発生することが確実にわかっているので、買物客が店内で商品を自由に手に取り持ち歩くのを放置しておくことができる。
【0005】
しかしながら従来のEASにはいくつかの短所がある。検出システムの購入価格は比較的高い。そのうえ、その設置に費用がかかる可能性がある。なぜなら、設置するのに「溝掘り」すなわちコンクリートの床に溝を切込むことによって容易に電源配線を行なえるようにする必要があることが多いからである。さらに、EAS検出システムには、慎重な設置および定期的なメンテナンスが必要である。なぜなら、応答器からの信号が非常に低振幅である、すなわち、送信された電力のほんのわずかな部分しか応答器に到達せず、応答器によって反射されたエネルギのごくわずかな部分しか受信機に届かないからである。結果として、小売施設は、EAS検出ゲートを設置し維持する場所を制限することになる。
【0006】
3警報EAS応答器
ある極端な例では、EAS応答器が、商品に埋込まれた電磁応答素子だけで構成される場合がある。逆の極端な例では、応答器が、応答素子だけでなく不正検出および警報音発生機構も含む複合体である場合がある。加えて、応答器に、EAS検出ゲートの送信を検出しそれに応じて警報音を発生することが可能な検知回路が備わっていることがある。これらの特徴をすべて備えた応答器は、商品の誤った取扱いを示す警報を鳴らすための3つの手段、
(a) 応答素子が近くにあるときにEAS検出ゲートによって鳴らされる警報、
(b) 不正が検出されたときに応答器自身によって鳴らされる警報、および
(c) EAS検出ゲートが近くにあるときに応答器によって鳴らされる警報
を提供する。
【0007】
3警報応答器に関連する米国特許第7,663,489号(Scott他)、第7,538,680号(Scott他)、および第7,474,215号(Scott他)も参照されたい。これらすべての開示全体を本明細書に引用により援用する。
【0008】
これら応答器は、さまざまなやり方で商品に取付けるまたは埋込むことができる。通常のEAS応答器のように、これら応答器は、商品自体の中に埋込んでもよいし、商品のパッケージの中に埋込んでもよい。これら応答器は、永久接着剤、固定紐、リベットなどによって商品に永続的に装着してもよい。好ましくは、これら応答器は、販売前はロックされたままで販売後に顧客または関係した販売者いずれかによって取外される構造を介して取外すことができるように取付けてもよい。一般的な手段は、磁気手段または電子手段を介して開けることができるばねクラッチ機構の使用を含む。
【0009】
これら応答器には、たとえ検出装置が存在しなくても、たとえば試着室または化粧室で商品から応答器を取外そうとする不正な試みがなされると、それがどこであっても警報を鳴らすという長所がある。加えて、このような応答器は、保護されている商品が小売施設から不正に持出されようとすると、たとえ応答器からEAS検出ゲートへの戻り信号が減衰しすぎてEAS検出ゲートが警報を発生できなくとも、EAS検出ゲートの近くであることを検知することによって、この不正を検出し得る。
【0010】
これら応答器はまた、受信した刺激信号が、振幅、周波数、位相または符号変調識別子といった固有の特徴を含むときに限って警報を発するように配置できる。このような変調はベースEAS送信信号に加えることができる。
【0011】
以下の引用は、警報器がセキュリティタグ自体に含まれているセキュリティタグシステムの数例にすぎない。
【0012】
その開示全体を本明細書に引用により援用する米国特許第4,851,815号(Enkelmann)は、警報発生機構を中に含むセキュリティタグを利用する小売環境において商品を監視するためのシステムを開示している。この警報器は、(1)セキュリティタグを商品に装着しているループが切断された場合、もしくは商品のためのケースが開けられた場合、または(2)送信機からの警報コードをセキュリティタグが受信した場合に、作動する。このシステムはまた、適切なときに警報器を非作動状態にする「クリアコード」を送信するための手段も含む。
【0013】
その開示全体を本明細書に引用により援用するドイツ特許第19822670号(Rapp)は、警報器を中に含むセキュリティタグを用いて商品を監視するためのシステムの異なる3つの構成を開示している。このシステムの第1の実施の形態では、セキュリティタグの警報器は、セキュリティタグ(およびそれに関連する商品)の受信機が特定のゾーン内で特定の送信信号を一定間隔で受信している限り鳴らないままであり、このゾーンから出ると送信信号が届かないためセキュリティタグの警報器が作動する。第2の実施の形態では、別のゾーンに入るとセキュリティタグの受信機が警報器を作動させる信号を受信する。第3の実施の形態は、第1および第2の実施の形態双方の特徴を組合せたものである。
【0014】
その開示全体を本明細書に引用により援用する英国特許第2205426号(Yamada)は、商品(たとえばCD−ROM、DVDなど)を収容するための収納ケースを開示しており、この収納ケースは、取出検出器、警報器および送信機を含む。窃盗未遂犯が商品を購入せずに収納ケースから取出そうとすると、収納ケース内の警報器が作動し信号が遠隔にある受信機および警報器に送信される。加えて、窃盗未遂犯が商品を収納ケースに入った状態で購入せずに小売施設から出ようとすると、出口ゲートが収納ケースの警報器を作動させ、収納ケースも信号を遠隔にある受信機および警報器に送信する。また、もう1つの実施の形態は、この収納ケースを、商品に接続するためのループを含む要素に置換え、この要素の電子装置は、ループが切断されたときにこれを検出し警報を発生するための検出器を含む。
【0015】
利益享受の阻止
従来のEASに代わるものとして、いわゆる利益享受阻止装置の使用が挙げられる。一般的に、こういった装置は、取外すことができるように商品に装着されたプラスチックの筐体である。この筐体は商品が購入されるときに取外される。この筐体には、音声警報装置といった不正検出装置、またはインク壺といった不正阻止要素が封入される場合がある。この利益享受阻止装置を取外そうとすると、警報が鳴るか、またはインクが犯人、商品もしくはどちらにも飛び散ることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
利益享受阻止装置は確かに犯罪を視覚的に牽制する。しかしながらこういった装置には、離れた場所では電子的に検出できないという欠点がある。窃盗犯は商品を化粧室または店の隅に運びそこで特殊な道具を用いてタグを取外すことができる場合が多い。他には、窃盗犯が警報を鳴らさずに商品を店から持出した後、時間のあるときに装置を取外すことがある。
【0017】
しかしながら、上記に鑑みると、事業環境内で希望する場所のほとんどすべてに容易にかつ素早く設置できる低電力で薄型のEASビーコンを利用するEAS応答器システム/方法を実現することがまだ必要である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
発明の簡単な概要
盗難防止セキュリティシステムが開示される。このシステムは電磁(EM)場発生器を備え、EM場発生器は少なくとも1つのアンテナが結合される筐体を含み、少なくとも1つのアンテナは予め定められた周波数のEM場を生成し、筐体は1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能である。このシステムはさらに少なくとも1つのセキュリティタグを備える。この少なくとも1つのセキュリティタグは、予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、警報器とを含み、検出器は、この回路が受信したEM場を検出し、盗難防止セキュリティシステムのセキュリティゾーン設定に応じて警報器を作動させるかまたは警報器を非作動状態に保つ。
【0019】
盗難防止セキュリティシステムを構築するための方法が開示される。この方法は、電源に結合された少なくとも1つのアンテナにエネルギを供給することにより予め定められた周波数の電磁(EM)場を生成するステップを含み、少なくとも1つのアンテナは、1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能な筐体に結合される。この方法はさらに、セキュリティタグを商品に結合するステップを含み、セキュリティタグは、予め定められた周波数に同調させた回路と検出器とを含み、セキュリティタグをEM場に接触させるステップと、セキュリティタグの回路が接触したEM場を検出器によって検出するステップとを含む。
【0020】
盗難防止セキュリティシステムが開示される。このシステムは第1の電磁(EM)場発生器を備え、第1のEM場発生器は少なくとも1つのアンテナが結合される筐体を含み、少なくとも1つのアンテナは第1の予め定められた周波数のEM場を生成し、筐体は既存のセキュリティシステムのセキュリティゾーンを拡大するために1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能である。このシステムはさらに、第2の予め定められた周波数の第2のEM場を生成し第2のEM場の反射応答信号を受信する、既存のセキュリティゾーンの1対の電子商品監視(EAS)台を備え、EAS台は警報器を含む。このシステムはさらに、第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、第2の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含む少なくとも1つのセキュリティタグを備え、EAS台の警報器は、EAS台が第2の反射応答信号を検出したときに作動する。
【0021】
盗難防止セキュリティシステムを構築するための方法が開示される。この方法は、電源に結合された少なくとも1つのアンテナにエネルギを供給することにより第1の予め定められた周波数の第1の電磁(EM)場を生成するステップを含み、少なくとも1つのアンテナは筐体に結合され、筐体は1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、この方法はさらに、1対の電子商品監視(EAS)台にエネルギを供給することにより既存の盗難防止セキュリティシステムの第2の予め定められた周波数の第2のEM場を生成するステップを含み、EAS台は警報器を含み、この方法はさらに、セキュリティタグを商品に結合するステップを含み、セキュリティタグは、第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、第2の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含み、この方法はさらに、この回路が接触した第1のEM場を検出器によって検出するステップと、第2の反射応答信号をEAS台が検出したときにEAS台の警報器を作動させるステップとを含む。
【0022】
既存のEAS盗難防止システムのセキュリティゾーンを拡大するための盗難防止セキュリティシステムが開示される。このシステムは、第1の電磁(EM)場発生器を備え、第1のEM場発生器は少なくとも1つのアンテナが結合される筐体を含み、少なくとも1つのアンテナは第1の予め定められた周波数のEM場を生成し、筐体は既存のセキュリティシステムのセキュリティゾーンを拡大するために1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、上記システムはさらに、第1の予め定められた周波数の第2のEM場を生成し第2のEM場の反射応答信号を受信する、既存のEAS盗難防止システムの第2のEM場発生器を備え、第2のEM場発生器は警報器を含み、第1のEM発生器は、第2のEM場発生器の場のパターンに似るように第1のEM場を生成し、上記システムはさらに、第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、第1の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含む少なくとも1つのセキュリティタグを備え、EAS台の警報器は、EAS台が反射応答信号を検出すると作動する。
【0023】
既存の盗難防止セキュリティシステムのセキュリティゾーンを拡大するための方法が提供される。この方法は、電源に結合された少なくとも1つのアンテナにエネルギを供給することにより第1の予め定められた周波数の第1の電磁(EM)場を生成するステップを含み、少なくとも1つのアンテナは筐体に結合され、筐体は1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、この方法はさらに、1対の電子商品監視(EAS)台にエネルギを供給することにより既存の盗難防止セキュリティシステムの第1の予め定められた周波数の第2のEM場を生成するステップを含み、EAS台は警報器を含み、第1のEM場は第2のEM場の場のパターンに似るように生成され、セキュリティタグを商品に結合するステップを含み、セキュリティタグは、第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、第1の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含み、この回路は第1のEM場に接触し、この方法はさらに、EAS素子からの反射応答信号をEAS台が検出したときにEAS台の警報器を作動させるステップを含む。
【0024】
本発明について添付の図面と併せて説明する。これら図面において同様の構成要素には同様の参照番号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】EAS検出ゲートまたは「ビーコン」の等角図であり、このビーコンが鉛直方向に設置されるときにどのようにして配置されるかを示す。
【図2】EASビーコンを逆向きにしたものを示す等角図であり、以下の図面のうちいくつかはこの図から切取ったものである。
【図3】EASビーコンの部分分解図であり、受動赤外線検出器(PIR)および内部バッテリのうちいくつかを示す。
【図3A】EASビーコンの部分分解図であり、EAS検出ゲートまたはビーコンの他方の端部を示す。
【図4】図2の4−4に沿ってEASビーコンの二分の一を示す断面図である。
【図5】図4の線5−5に沿うEASビーコンの断面図であり、細長部材の旋回機構の一端の丸くされた矩形の輪郭を示す。
【図6】図4の線6−6に沿うEASビーコンの断面図である。
【図7】EASビーコンの場を検出すると警報を発生するセキュリティタグを示す第1のシステム構成を示し、EASビーコンの代替位置を点線で示す。
【図8】第1のシステム構成の機能図であり、小売環境内に設置された複数のEASビーコンを示す。
【図9】第2のシステム構成の機能図であり、商店主が売店またはキオスクなどを所有しているショッピングセンターの開放エリアで実現されたEASビーコンを示す。
【図10A】図10BとともにEASビーコンマイクロコントローラおよびコイルコマンド回路を構成する図である。
【図10B】図10AとともにEASビーコンマイクロコントローラおよびコイルコマンド回路を構成する図である。
【図11A】図11BとともにEASビーコン切換電源を構成する図である。
【図11B】図11AとともにEASビーコン切換電源を構成する図である。
【図12A】図12BとともにEASビーコンコイルドライバ回路を構成する図である。
【図12B】図12AとともにEASビーコンコイルドライバ回路を構成する図である。
【図13A】図13BとともにEASビーコン受動赤外線検出器(PIR)回路を構成する図である。
【図13B】図13AとともにEASビーコン受動赤外線検出器(PIR)回路を構成する図である。
【図14】「ゲート署名」を定めるEASビーコンのパルス図である。
【図15】本発明の例示としてのセキュリティタグ応答器および無線解除キーのブロック図である。
【図16】従来のEAS台および/またはRFID読取器とともにEASビーコンおよびセキュリティタグ応答器を使用する複合盗難防止セキュリティシステムの機能図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
発明の詳細な説明
以下で詳細に説明するように、本発明の好ましい実施の形態は、EASビーコン20(図1)およびこれに関連するセキュリティタグ応答器10(図7)を、総合EASシステム(420、図16)に含めたものであり、従来の特徴、進歩した特徴および新たな特徴を組合せて、より一層経済的なやり方で商品の不正な取扱いに対しより広く対処する。総合EASシステム420は、EAS呼掛け信号を送信するための送信手段を含むEAS検出ゲート(422)と、人または機械の認識に対して警報状態を表明するための予告手段(416)とを含む。EAS検出ゲート(422)は、EM、AM、RF、UHF、マイクロ波または等価のスペクトルの周波数を含む標準EAS周波数のうちいずれかで動作し得る。本明細書において「RF」という用語は広くEAS電磁放射スペクトルのいずれかを意味する。
【0027】
加えて、このシステムは、EAS呼掛け信号の一部を反射するための応答手段を含む受動EAS応答器(10C)を含む。また、EAS警告ビーコン信号(以下「電磁(EM)場」と呼ぶ)を送信するためのRF送信手段を含む送信専用RF EASビーコン20(以下「EASビーコン20」と呼ぶ)も含まれる。特に、EAS警告ビーコン20の動作周波数と受動EAS応答器10Cの動作周波数は、同じ周波数でも、または無関係でもよい。システム420の特定の機能各々に対して同じ周波数範囲をシステムの相互作用するさまざまな装置が使用するのであれば、どのような組合せも可能である。次に詳細に説明するように、EAS検出ゲート422と異なり、EASビーコンは、受動EAS応答器10から反射されたエネルギを受信する必要はない。したがって、EASビーコン20に検出回路は不要である。これは、設置およびメンテナンスの容易さに加え、大幅なコスト削減、複雑度およびサイズの減少、および節電に繋がる。EASビーコン20には近くのタグに結合するための大きなアンテナが不要であることも同じく重要である。実際、ほとんどどのような場所でも設置するおよび/または隠すことができる人の手の大きさほどの小さなビーコン20を構築することも可能である。これに比べて、EAS検出ゲート422のアンテナは一般的に、高さが4から6フィートで幅が1から2フィートである。
【0028】
したがって、以下の説明はEASビーコン20、その部品および動作に関する。
図1はEASビーコン20の等角図である。EASビーコン20は、電子部品および内部バッテリを含む細長部材22を備える(図3−図3A)。1対のコイル巻線24Aおよび24BがEASビーコン20によって与えられ、各々、以下でも詳細に説明するように、細長部材22に固定されたパネル26Aおよび26B(たとえば(Lexan(登録商標)といった)ポリカーボネートまたは(Plexiglass(登録商標)といった)アクリルなど)にそれぞれ収容される。しかしながら、細長部材22自体は終端ブラケット28Aおよび28Bの中に旋回可能な状態で設けられる。この終端ブラケットは、図5に示される軸34を中心として細長部材22が回転できるようにすることによって、何かがパネル部材26A/26Bに接触した場合でもパネル部材26A/26Bが傷つかないようにする。細長部材の最も端の部分には、終端キャップ30A/30Bがあり、これは、EASビーコン20へのDC電力カップリング36A/36Bにアクセスする部分を覆っている。電力カップリングを2つ設けていることによって、EASビーコン20をさまざまな向きで設置することができるとともに、近隣にある商用電源に最も好都合に結合できる。商用電源(たとえば壁のコンセント)に結合された電源コード38およびAC/DC変換器(図示せず)が設けられ、電源コードの他端はDCコネクタ40を含み、その一方は図6に示される。適当な終端キャップ30Aまたは30Bを取外すことによってDC電力カップリング36Aまたは36Bをそれぞれ露出させ、DCコネクタ40を接続してから終端キャップをもう一度設置することができる。受動赤外線検出器(PIR)32を設け、EASビーコン20がバッテリ電源を使用しているときにEASビーコン20近くの動きを検出し、したがって、近くで動きが検出されないときはEASビーコンの電力を節約できる。中央の素子またはスペーサ27が2つのパネル部材26A/26Bの間に設けられる。このスペーサ27によってコイル24A/24Bを分離することにより、近距離場におけるコイル結合(coil coupling)を減じる。
【0029】
EASビーコン20の好ましい実施の形態では2つのコイル24Aおよび24Bが示されているが、単一のコイルを用いて動作することが本発明20の最も広い範囲に含まれることが理解されるはずである。本明細書を通して使用される「コイル」という用語は「アンテナ」と呼ばれることもある。
【0030】
図3−図3Aに示されるように、細長部材22は半殻部22Aおよび22Bを含む。半殻部22Bは、PIR32、バッテリB1−B6(たとえばD型電池)、およびEASビーコン電子部品を含む回路基板42を収容し、この詳細については以下で説明する。半殻部22Aは、コイル巻線パネル部材26A/26Bに対する連結部材を含む。半殻部22A/22Bは、殻部22A/22Bを貫通する穴に挿入される不正防止ねじ(そのうち1つ31が図示される)によって互いに固定される。この穴のうち2つ29が図3に示される。図には示されていないが、バッテリを取出す/挿入するために、2つのバッテリ仕切りドアが殻部22Bに設けられる。図3−図3Aからもわかるように、パネル部材26A/26Bには、対応するスロット47(図3参照)に通されてロックする突起部分44がある。図6から最も明確にわかるように、半殻部22Bは、輪郭が丸いので、EASビーコン20が設けられた面に対して容易に旋回できる。
【0031】
本発明20の重要な特徴の1つは、EASビーコン20が、接触されると変位するまたは(たとえば屈曲ヒンジを用いて)屈曲することができる点である。このような屈曲性の1つの例示的な構成は、旋回機構を介したものである。細長部材22のこの旋回機構は、終端ブラケット28A/28B各々の中の1対の板ばねと、この板ばねの間に挟まれた細長部材の各端部の角が丸くされた矩形の先端との組合せを利用することによって得られる。特に、図3−図3Aに示されるように、第1の対の板ばね46Aおよび46Bが一方の終端ブラケット28Bに設置され、第2の対の板ばね48A/48Bが他方の終端ブラケット28Aに設置される。図5において最も明確に示されているように、細長部材22の各端部の先端の外形は、角が丸くされた矩形に似ている。特に、図5に示される先端50Bの矩形の長辺はそれぞれ板ばね46A/46Bと接触している。これは細長部材22の通常の位置であり、この場合は、図1に示されるようにパネル部材26A/26Bは細長い筐体の軸34に対して垂直である。しかしながら、パネル部材26A/26Bのうちいずれかまたは双方に対して力が加えられると(たとえばEASビーコン20の横を通過しようとする大きな荷台または物体、人など)、細長部材22が回転することにより、板ばね46A/46Bが外側に曲がる(矢印52参照)。この力がパネル部材26A/26Bに接触しなくなると、板ばねの付勢によってばね46A/46Bが内側に曲がることにより、先端50A(図3−図3A参照)および先端50Bが回転し、パネル部材26A/26Bを元の垂直の向きに戻す。図3−図3Aに示されるように、板ばね46A/46Bおよび48A/48Bはブラケット終端部品28A/28Bの中に設けられている。板ばね46A/46Bおよび48A/48Bは、ブラケット終端部品28A/28Bの中に、「熱かしめ法(heat staking)」を用いて固定される。これは、プラスチックのばね支持部品54を加熱することによってプラスチックの一部を変形させ溶かして板ばねに接続するものである。突出したアンテナ素子の損傷を減じるためにヒンジを使用することは知られているが(たとえば米国特許第7,168,668号(Coyle)参照)、本発明の旋回機構は、上記第7,168,668号特許に開示されているものほど複雑でなく露出していない。
【0032】
図5−図6からもわかるように、パネル部材26Aおよび26Bは各々、コイル24Aおよび24Bがそれぞれ巻かれているコイルレースウェイ56A/56Bを含む。図5は、コイル24Bが交差して1つの導体がコイル24Bを形成する様子を示す。図示されていないが、パネル部材24Aは同様の構成を備える。図6も、パネル部材24Aのうち一方の部分断面図を示し、このパネルは、先に説明したスロット47の中に位置するものとして示される突起部分44と一体化された内側の支持部材58を含む。
【0033】
EASビーコン20の主要な特徴の1つは、比較的容易に設置できることである。EASビーコン20は、自己完結型、すなわち、ビーコン20を接続しなければならない相手(たとえば従来のEAS検出台は床下のワイヤで互いに結合されている)が、電源接続以外になく、EASビーコン20は、店員またはメンテナンス作業員が容易に設置できる。特に、各終端ブラケット28Aおよび28Bはそれぞれ設置ブラケット45Aおよび45Bを含み(図3および図3A参照)、これを通して装着ねじまたはボルト(図示せず)を挿入し表面(たとえば壁、横木、柱など)に固定する。次に、細長部材22を挿入して先端50A/50Bが板ばねの対46A/46Bおよび48A/48Bの間に挟まれるようにして、細長部材22が旋回できるようにする。EASビーコン20を垂直位置で設置するときは、ビーコン20は図1に示される向きで設置される。この向きの場合、PIR32は下を向いてその近くの動きを検出する。EASビーコン20が節電のために商用電源ではなくバッテリ電源で動作しているとき、EASビーコン20は、PIR32が近くの動きをそれ以上検出しないときに「スリープ」または低電力状態に戻るように設計される。PIR32が動きを検出するとすぐに、ビーコンの電子部品は十分なエネルギを与えられて通常の動作を行なう。
【0034】
先に説明したようにEASビーコン20が曲がったもしくは旋回した場合、または、EASビーコン20がその設置された位置から無理に移動させられようとするかまたは不正に扱われようとした場合、ビーコン20は、外向きに付勢されているがビーコン20が表面に設置されているときは筐体22の内側に向かって駆動される屈曲/旋回検出スイッチ33(図4および図14A)を備えている。EASビーコン20が旋回しているまたはその設置場所から無理に移動させられている間、スイッチ33はこの付勢によって外向きに駆動され(図4に示される)、これにより、ビーコンの電子部品は警報器、たとえばピエゾ警報器PA(図10B)といった可聴警報器を作動させる。可聴警報器の代わりに、または可聴警報器とともに、視覚的な警報器を設けてもよい。このように、設置されたEASビーコン20が旋回させられるまたは不正に扱われて設置面から十分に変位させられるとスイッチ33が警報器PAを作動させる。
【0035】
上記電子部品はさらに、警報器の始動を遅延させて迷惑になる作動を回避するだけでなく、一定期間後に打切ることにより過剰なバッテリ消費を避け店員を煩わせないようにする、検出スイッチタイマをさらに含む。遅延時間および打切り期間を、電子部品のプログラミングを通して所望の期間に設定できる。
【0036】
EASビーコン電子部品は回路カード42(図3A)に収容される。本発明20の好ましい実施の形態では商用電源がEASビーコン20に与えられるが、これ以外の種類の電源をEASビーコン20の電源とすることができることが理解されるはずである。さらに、本明細書を通して使用される「商用電源」という用語は、EASビーコン20に「外部から供給される」電力すべてを含む。図11A−図11Bに示されるように、DC電力を、いずれかが商用電源に接続されるDCカップリング36Aまたは36Bから、切換電源に供給できる。この切換電源は、低電力を使用する電子部品に対して、12VDCおよび3.3VDCの動作電圧を供給する。ビーコン電力がバッテリ電力に戻ると(たとえば偶然でも故意にでも商用電力が失われたとき)、EASビーコン動作にロスはない。逆に、商用電源が回復すると、EASビーコン20はバッテリ電力から再び商用電力に戻り動作ロスはない。この電源切換中に動作ロスがないことは、EASビーコン動作の重要な特徴である。
【0037】
ビーコン電力がバッテリ電力に戻る場合、好ましい実施の形態では、EASビーコン電子部品は、PIR32を使用することによりできる限り多くのバッテリ電力を保存することを含み得る。上記のように、EASビーコン20がバッテリ電源で動作している状態で、PIR32は、マイクロコントローラMC(図10A)に、PIR回路(図13A−図13B)を介して、近くの動きに関する警告を与える。動きが検出されたならば、マイクロコントローラMCは、EASビーコン20を全電力動作状態に保つ。一方何の動きも検出されなければ、マイクロコントローラMCは、ビーコン電子部品を、PIR32によって動きが検出されるまで、低電力または「スリープ」モードに戻す。商用電源がEASビーコン20に電力を供給しているとき、PIR32は非作動状態にされる。なぜならこれはバッテリ動作中しか使用されないからである。
【0038】
図10A−図10Bは、マイクロコントローラMCおよびコイルコマンド回路を示し、コイル24Aおよび24Bをそれぞれの位相を互いに180°ずらして駆動するために、一方の経路はコイル24A(ドライブA)に導かれ、もう一方の経路はコイル24B(ドライブB)に導かれる。図12A−図12Bは、駆動コマンドを取込みそれに応じてコイル24A/24Bそれぞれに電力を供給する実際のドライバ回路を示す。これらコイルを180°位相をずらして駆動することによって、近距離場におけるセキュリティタグ応答器10によるEM場検出を最大にし、一方、遠距離場におけるEM場を除去または最小にすることによってFCC規定に従うようにする。マイクロコントローラMCは、12VDCおよびバッテリ電力をモニタする。
【0039】
図13Aからわかるように、コンタクトスイッチ33は、マイクロコントローラMCに、EASビーコン20が屈曲した、旋回した、または装着されている面から取外されたもしくは取外されつつあることを知らせる。加えて、2つのLED D1およびD2が「EASビーコン状態インジケータ」35を構成する。このインジケータ35は、図1および図2にも示され、店員にEASビーコン20が適切に動作しているか否かを知らせる。たとえば、インジケータ35は例として10秒ごとに点滅することによって通常動作を示し、EASビーコン35が適切に動作していないまたはバッテリB1−B6の交換が必要な場合インジケータ35は例として1秒ごとに点滅してもよい。
【0040】
EASビーコン20に電源が投入されると、マイクロコントローラMCは、フィールド発振器OSC(図10A、たとえばLTC6900といった8.2MHzの発振器)および昇圧イネーブルをオンにする。これは、バッテリB1−B6が古くなりその電圧が通常の9VDCから4VDCに降下したときにバッテリが(EASビーコン20を起動しているときに)12VDCを確実に供給するようにする(さもなければ発振器OSCはフェードアウトする場合がある)。このように、昇圧が開始され、発振器OSCがロックインし安定する可能性があると、(以下で説明する)ゲート署名ビンが送信される。最後のビンが送信された後、発振器OSCの電源を切断し、昇圧が終了し、電子部品は別のサイクルの準備を行なう。
【0041】
上記説明に基づいて、EM場60(図7)がどのようにして生成されるかを以下で説明する。先に述べたように、EM場60は、コイル24A/24Bを位相を互いに180°ずらして駆動することによって形成される。図15は、各コイル24A/24BについてEM場60のアクチベーションを示す。これは連続的に発せられるのではなくデューティサイクルで動作することがわかる。特に、EASビーコン20は、100ミリ秒ごとに「フィールドフレーム」を送信する。各フィールドフレームは複数の(たとえば15の)フィールドビンを含み、各フィールドビンは、64マイクロ秒のギャップによって隔てられたフィールド周波数(たとえば8.2MHz)の2つのバーストを含み、各バーストは約6マイクロ秒である。上記のように、8.2MHzというフィールド周波数は一例として示されているに過ぎず、これ以外のセキュリティシステム周波数(たとえば13.56MHz、900MHz、2.4GHzなど)を使用してもよいことが理解されるはずである。セキュリティタグ応答器10は、これらフィールドフレームを検出し、セキュリティタグ応答器10が1秒以内に以下「ゲート署名」と呼ぶフィールドビンを予め定められた数だけ(たとえば71のビンを)検出した場合、応答器10は、EM場60の中であると判断する。(以下で詳細に説明する)セキュリティシステムの設定に応じて、応答器10は、警報を発生するかまたは音を発しない状態を保つ。一方、応答器10が1秒以内に予め定められた数のフィールドビンを検出しなければ、応答器10はリセットし新たなカウントを待つ。EM場60の範囲は約1メートルである。
【0042】
次に、EASビーコン20を用いるなさまざまな盗難防止システムの例の動作について説明する。
【0043】
図7および図8は、EASビーコン20およびセキュリティタグ応答器10を使用する盗難防止システム120の第1の構成例を示す。セキュリティタグ応答器10は、EASビーコン20の電磁場がセキュリティタグ応答器10によって検出されると作動する搭載警報器16を含む。このようなセキュリティタグ応答器10の例は、チェックポイントシステム社(Checkpoint Systems, Inc.)によって販売される3警報タグを含む(たとえばアルファ「スパイダーラップ」(Alpha "Spider Wrap")、アルファ「ケーブルスポーツタグ」(Alpha "Cable Sports Tag")、アルファミニハードタグ(Alpha Mini Hard Tag)、アルファ「ケーブルロックス」(Alpha "Cable Loks")、アルファ「キーパー」(Alpha "Keeper")など)。ほんの一例として、図7に示されるセキュリティタグ応答器10は、商品Mに関連付けられる、たとえば商品Mに取外し可能な状態で装着されるロック手段を含み、かつ、EASビーコン20のEM場を検出するためおよびそれに基づいて可聴警報器および/または視覚警報器16を作動させるまたは非作動状態にするための関連する電子部品を含む。また、ほんの一例として、つなぎコード11を用いて応答器10を商品Mに取外し可能な状態で装着してもよい。本発明と同一の譲受人すなわちチェックポイントシステム社によって所有され、その開示全体を本明細書に引用により援用する米国特許第7,474,215号(Scott他)は、本願の図16が対応する、セキュリティタグ応答器10の一例を示している。具体的には、応答器10は、EAS共振回路12(たとえばLC共振回路)と、調整回路13と、プロセッサ14と、記憶回路15と、搭載警報回路16とを含み得る。搭載電源17も含まれる。調整回路13は、プロセッサ14によるゲート署名の検出を補助するための、検出回路と、増幅器と、パルス整形器とを含み得る。図15に示されるように、このつなぎコード11は、つなぎコード11の切断(たとえばこれによって論理状態が変化する)が検出され搭載された警報器16が作動するように、応答器10に接続される。加えて、セキュリティタグ応答器10が「ゲート署名」を検出すると、搭載されている警報器16がトリガされる。
【0044】
このロック手段に代わるものは、「自己整列差込ピンケーブルロック閉鎖(Self-alignment Bayonet Cable-Lock Closure)」と題された米国仮特許出願第61/057,604号(Conti他)において教示されている不正阻止手段を含む。ここにはロックが2段階で設けられており、第1段階のロックが不正に解除されると警報が鳴るが第2段階のロックはまだ商品の警報装置に装着されたままである。これには、窃盗犯が第1段階のロックを不正に解除しただけでは警報から逃れられないという利点がある。それどころか、窃盗犯は、商品を持ったままで小売施設から出ようとすると、まだ警報が鳴っている装置を携行しなければならない。
【0045】
図8は、一例としての小売環境REにおける第1の構成120の機能図である。レジ係は、セキュリティタグ応答器10を関連する商品Mから外すために安全取外装置122を使用できる。店員は、商品Mを自由に取扱うことができるが、セキュリティタグ応答器10を外すことはできない。このセキュリティゾーン設定においては、買物客が商品を小売店入口14の外に持出そうとすると、先に図7を参照して説明したように、ビーコン20Aがあるのでセキュリティタグ応答器10が警報を発生する。買物客が商品Mをセキュリティタグ応答器10を外そうとして隠れて化粧室RRに持ち込もうとした場合も、ビーコン20Bがあるので応答器10は警報を発生する。さらに、小売店の店員が商品Mを店員の控室SRに運ぼうとした場合は、ビーコン20Cがあるので応答器10は警報を発生する。
【0046】
図9は、盗難防止システムの第2の構成例220を示し、ここでは、セキュリティタグ応答器10AがEASビーコン20のEM場を検出している限り、搭載された応答器の警報16は非作動状態にされたままである。特に、商店主は、店舗が両側にあるショッピングセンターの開放エリア(たとえば通路または吹抜けの空間)に売店またはキオスクを配置できる。このような販売環境には買物客の移動の自由な流れを制限する壁がなく、商品Mは買物客が自由に触れることができるように配置されている。このような小売環境の商品の盗難を防止するために、このセキュリティゾーン設定において、セキュリティタグ応答器10Aは第1の構成120と逆の動作を行なうように構成される。すなわち、応答器10Aが、売店またはキオスクに配置されたEASビーコン20のEM場を検出している限り、応答器の警報器16は鳴らない。しかしながら、セキュリティタグ応答器10Aおよびこれが装着された商品Mが、EASビーコン20のEM場が届く範囲222の外に出ると、応答器10Aの警報器が作動する。商品Mが正規購入された場合のみ、レジ係は、セキュリティタグ応答器10Aを商品Mから外して、買物客が商品Mを持ってキオスク近辺から離れることができるようにする。
【0047】
第1の構成と同様、応答器10Aのつなぎコード11に対して不正が行なわれると、搭載されている警報器16が作動する。
【0048】
隣り合う盗難防止システム220間の不適切な相互作用は、各キオスク/売店固有の識別子を用いてEASビーコン20およびセキュリティタグ応答器10Aをプログラムすることによって回避できる。この第2の構成(「無線の囲い(corral)」とも呼ぶ)の利点は、保護されている商品を金属箔で裏打ちされた袋に入れて盗もうとすると、応答器10Aが「EASビーコンを聞く」ことができなくなるので、搭載されている警報が発生する点である。この第2の構成のもう1つの代替例を「無線ストラップ(lanyard)」と呼ぶ。この場合、セキュリティタグ応答器10Aは、商品Mがキオスクまたは店の区画から持出されるときに警報モードに固定されているのではなく、返却されると搭載されている警報器16が切られる。
【0049】
システム120/220をより小さくしたものが本発明の最も広い範囲に含まれ、これは、設置、較正およびメンテナンスコストのためにEASシステムの使用を今まで避けてきた小売施設にとって非常に魅力的であろうことが、理解されるはずである。最も小さい盗難防止システムでは、小売施設は、EASビーコン20およびこれに応答する関連のセキュリティタグ応答器を備えていればよい。これは、実際設置が不要でありすぐに使用できるキットの形で提供できる。最も小さい構成のもう1つの形態として、EASビーコン20を、必要に応じてセキュリティタグ応答器のプログラマまたは警報解除キーとして機能するように構成してもよい。これら最小システムを「ボックス内EAS」と呼んでもよい。なぜなら、必要な構成要素を、1人で取扱うことができる単一の箱の中に収めることができるからであり、設置用配線、工具、較正等が不要であるからである。ユーザは外部からの助けを受けずに警報システムを構築できる。
【0050】
本願に開示の8.2MHzのEASビーコン周波数は、例示に過ぎず、EASビーコン20またはこれに関連する盗難防止システム120および220の動作を制限することを決して意図していないことが理解されるはずである。たとえば、EASビーコン20は、13.56MHzを用いて、またはIEEE802.15.4プロトコルまたはIEEE802.11プロトコルに従いISM帯周波数(たとえば900MHz、2.45GHz、Bluetooth(登録商標)動作を含むもの、2.5GHzなど)を用いて動作させることができる。これらISM帯周波数での動作は、地域無線ネットワークおよび携帯電話動作からの干渉を避けるために適切なフィルタリングおよび検出機構を必要とするであろう。その開示全体を本明細書に引用により援用する米国特許第7,474,215号(Scott他)は、同様の超高周波数動作に対する解決策を開示している。
【0051】
先に述べたように、本発明の好ましい実施の形態は、EASビーコン20を既存のEASおよび/またはRFID盗難防止セキュリティシステム内で機能させて、特にセキュリティゾーンを拡大することである。たとえば、図16はこのような「ハイブリッド」システム420を示しており、ここでは、セキュリティタグ応答器10Bが、EAS素子10Cおよび/またはRFID素子10D(たとえば接触した場から電力供給を受ける受動素子)を含む。したがって、セキュリティタグ応答器10Bは、先に述べた応答器10および10Aの内容をすべて含むだけでなく、EAS素子10CおよびRFID素子10Dも含む。EAS素子10Cは、任意の周知のコイル/キャパシタ共振回路(たとえばその開示全体を本明細書に引用により援用する米国特許第5,754,110号(Appalucci他))を含み得る。RFID素子は、任意の周知のRFID集積回路およびアンテナ(たとえばダイポールアンテナ)を含み得る。これはたとえば、860MHz−960MHzでの通信のためのEPC無線周波数識別プロトコル、Class1 Generation UHF RFIDプロトコルに従うものである。加えて、1対のEAS台422(たとえばチェックポイントシステム社によるEVOLVE P10/P20の台)またはRFID読取器424(たとえば上記EPC RFID規格に従う任意のRFID読取器)は、EASビーコン20の代わりに小売環境REの入口14に配置され、これらは、EAS素子10CまたはRFID素子10Dを同調させる、対応する電磁場(EM、「呼掛け信号」とも呼ぶ)(図示せず)を発する。EAS台422またはRFID読取器424は、それぞれの受信機が、対応するEM場に応答したEAS素子422またはRFID素子424の反射信号418Aまたは418Bを検出すると作動する(視覚および/または可聴)警報器416を含む。RFID読取器が使用される場合、反射信号418Bは応答器のデータも含む。このように、ほんの一例として、セキュリティタグ応答器10BがEASビーコン20のEM場に入ると、警報器16が作動するのに対し、セキュリティタグ応答器10BがEAS台422またはRFID読取器424のEM場に入ると、EAS台またはRFIDの警報器416が作動する。加えて、EAS素子10C、EAS台422およびEASビーコン20が同一周波数に同調されているとき、セキュリティタグ応答器10BがEAS台422のEM場に入ろうとすると、セキュリティタグ応答器10の警報器16もEAS台の警報器416も作動する。
【0052】
ただし、セキュリティタグ応答器10または10Aを利用する既存のEAS盗難防止セキュリティシステムの場合、EASビーコン20は、既存のEAS設備で既に使用されているのと同じセキュリティタグ応答器10/10Aのハードウェア/ファームウェアを使用できる従来のゲートパターンを模倣するように動作する。このようにEASビーコン20を使用してセキュリティゾーンを拡大できる。
【0053】
さらに、「ステップ聴取を用いてEAS/RFIDタグを検出するシステムおよび方法(System and Method for Detecting EAS/RFID Tags Using Step Listen)」と題された米国特許第7,184,804号(Salesky他)に開示されるもの、および「EASおよびUHF組合せタグ(EAS and UHF Combination Tag)」と題された米国特許公開第2008/0150719号(Cote他)に開示される組合されたEAS/RFIDセキュリティタグのように、むしろ代替的にEASビーコン20とともに組合されたEAS/RFIDシステムを使用できることが、理解されるはずである。これら文献双方の開示全体を本明細書に引用により援用する。
【0054】
EASビーコン20と同様、EAS台およびRFID読取器ならびに対応するEAS素子/RFID素子は、特定の動作周波数に限定されず、異なる周波数帯で動作し得る。ほんの一例として、EAS台/素子は、6.78MHz、7.2MHz、8.2MHzなどで動作し得るものであり、RFID読取器/素子は、2−14MHz、850−960MHz、2.3−2.6GHzで動作し得るものである。ISM帯周波数(たとえば900MHz、2.45GHz、Bluetooth(登録商標)動作を含むもの、2.5GHzなど)での動作は、IEEE802.15.4プロトコルまたはIEEE802.11プロトコルに従う。これらISM帯周波数での動作は、地域無線ネットワークおよび携帯電話動作からの干渉を避けるために適切なフィルタリングおよび検出機構を必要とするであろう。その開示全体を本明細書に引用により援用する米国特許第7,474,215号(Scott他)は、同様の超高周波数動作に対する解決策を開示している。
【0055】
本発明についてその特定の例を引用しながら詳細に説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなくさまざまな変更および修正を行なうことができることが当業者には明らかであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
盗難防止セキュリティシステムであって、前記システムは、
電磁(EM)場発生器を備え、前記EM場発生器は少なくとも1つのアンテナが結合される筐体を含み、前記少なくとも1つのアンテナは予め定められた周波数の前記EM場を生成し、前記筐体は1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、
少なくとも1つのセキュリティタグを備え、前記少なくとも1つのセキュリティタグは、前記予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、警報器とを含み、前記検出器は、前記回路が受信した前記EM場を検出し、前記盗難防止セキュリティシステムのセキュリティゾーン設定に応じて前記警報器を作動させるかまたは前記警報器を非作動状態に保つ、盗難防止セキュリティシステム。
【請求項2】
前記盗難防止セキュリティシステムの前記セキュリティゾーン設定は、前記EM場発生器を入口に設置することを含み、前記セキュリティタグは閉じられた場所から開かれた場所へまたはその逆に移動し、前記セキュリティタグの受信機が前記EM場を検出すると前記警報器が作動する、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項3】
前記盗難防止セキュリティシステムの前記セキュリティゾーン設定は、前記EM場発生器によって生成されたEM場によって定められるゾーンを含み、前記セキュリティタグの警報器は、前記セキュリティタグの受信機が前記EM場を検出している間は音を発しない状態のままである、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項4】
前記筐体は、長手方向の軸と前記長手方向の軸の両端に位置する第1および第2の端部とを有する細長い筐体を含み、前記細長い筐体の前記第1の端部および/または前記第2の端部は外部電源に結合するための電気ポートを含む、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項5】
前記EM場発生器は内部電源をさらに含み、前記EM場発生器は、切換の間前記EM場発生器の動作に損失が生じることなく前記外部電源からの電力供給と前記内部電源からの電力供給とを自動的に切換えるための手段を含む、請求項4に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項6】
前記EM場発生器が前記内部電源から電力を供給されているときに前記EM場発生器の近辺の動きを検出するための受動赤外線センサ(PIR)を備え、前記PIRは、動きが検出されなければ前記EM場発生器が低電力「スリープ状態」に切換えられるようにする、請求項5に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項7】
前記EM場発生器が前記外部電源から電力を供給されているときは前記PIRは自動的に非作動状態にされる、請求項6に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項8】
前記筐体は、前記少なくとも1つのアンテナに力が加えられたときに屈曲することができる、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項9】
前記筐体は、長手方向の軸と前記長手方向の軸の両端に位置する第1および第2の端部とを有する細長い筐体を含み、前記細長い筐体は、前記少なくとも1つのアンテナに前記力が加えられたときに前記長手方向の軸を中心として旋回することができる、請求項8に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項10】
前記第1および第2の端部は各々、前記加えられた力が取除かれると前記筐体を好ましい向きに戻すばねを含む、請求項9に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項11】
前記筐体を前記面から変位させるであろう前記筐体の前記屈曲または前記筐体に対する不正を検出すると作動する警報器をさらに備える、請求項8に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項12】
前記警報器は、設定可能な時間だけ前記警報器の始動を遅延させて迷惑になる作動を回避するための遅延手段を含む、請求項11に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項13】
前記警報器は、設定可能な時間の経過後前記警報器を非作動状態にするための計時手段を含む、請求項11に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項14】
前記EM場発生器は、前記EM場発生器および前記少なくとも1つのタグによる消費電力を削減するために間欠パルスパターンを用いて前記EM場を生成する、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項15】
盗難防止セキュリティシステムを構築するための方法であって、前記方法は、
電源に結合された少なくとも1つのアンテナにエネルギを供給することにより予め定められた周波数の電磁(EM)場を生成するステップを含み、前記少なくとも1つのアンテナは、1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能な筐体に結合され、
セキュリティタグを商品に結合するステップを含み、前記セキュリティタグは、前記予め定められた周波数に同調させた回路と検出器とを含み、
前記セキュリティタグを前記EM場に接触させるステップと、
前記セキュリティタグの前記回路が接触した前記EM場を前記検出器によって検出するステップとを含む、方法。
【請求項16】
前記セキュリティタグは警報器を含み、前記方法は、前記検出器が前記EM場を検出したときに前記警報器を作動させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記セキュリティタグは警報器を含み、前記方法は、前記検出器が前記EM場を検出しなくなったときに前記警報器を作動させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記EM場を生成するステップは、前記筐体の向きを前記複数の向きにするために前記筐体上の少なくとも2つの異なる場所に電気ポートを設けるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記EM場を生成するステップは、内部電源を含めるステップを含み、前記EM場を生成するステップは、前記外部電源からの電力供給と前記内部電源からの電力供給とを自動的に切換えるステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記EM場の近くで動きが検出されないときは常に、前記少なくとも1つのアンテナに供給される電力を低電力「スリープ状態」に減じるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記電力を減じるステップは、前記外部電源が電力を供給しているときには非作動状態にされる受動赤外線センサ(PIR)を利用する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのアンテナに力が加えられたときに前記筐体を屈曲させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記筐体を屈曲させるステップは、前記筐体を筐体の長手方向の軸を中心として旋回させるステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記筐体を長手方向の軸を中心として旋回させるステップは、ばねを用いて前記筐体の両端に付勢し、前記力が取除かれたときに前記ばねが前記筐体を好ましい向きに戻すようにするステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記筐体が屈曲すると常に警報器を作動させるステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記警報器を作動させるステップは、設定可能な時間だけ前記警報器の始動を遅延させて迷惑になる作動を回避するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記警報器を作動させるステップは、設定可能な時間の経過後停止させられる、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記EM場を生成するステップは、前記EM場および前記セキュリティタグによる消費電力を削減するために間欠パルスパターンを発するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
盗難防止セキュリティシステムであって、前記システムは、
第1の電磁(EM)場発生器を備え、前記第1のEM場発生器は少なくとも1つのアンテナが結合される筐体を含み、前記少なくとも1つのアンテナは第1の予め定められた周波数の前記EM場を生成し、前記筐体は既存のセキュリティシステムのセキュリティゾーンを拡大するために1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、
第2の予め定められた周波数の第2のEM場を生成し前記第2のEM場の反射応答信号を受信する、既存のセキュリティゾーンの1対の電子商品監視(EAS)台を備え、前記EAS台は警報器を含み、
前記第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、前記第2の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含む少なくとも1つのセキュリティタグを備え、
前記EAS台の前記警報器は、前記EAS台が前記第2の反射応答信号を検出したときに作動する、盗難防止セキュリティシステム。
【請求項30】
前記少なくとも1つのセキュリティタグは警報器を含み、前記少なくとも1つのセキュリティタグの前記警報器は、前記回路が接触した前記第1のEM場を前記検出器が検出したときに作動する、請求項29に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項31】
前記少なくとも1つのセキュリティタグは警報器を含み、前記少なくとも1つのセキュリティタグの前記警報器は、前記回路が接触した前記第1のEM場を前記検出器が検出しなくなったときに作動する、請求項29に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項32】
前記第1の予め定められた周波数および前記第2の予め定められた周波数は同一である、請求項29に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項33】
盗難防止セキュリティシステムを構築するための方法であって、前記方法は、
電源に結合された少なくとも1つのアンテナにエネルギを供給することにより第1の予め定められた周波数の第1の電磁(EM)場を生成するステップを含み、前記少なくとも1つのアンテナは筐体に結合され、前記筐体は1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、
1対の電子商品監視(EAS)台にエネルギを供給することにより既存の盗難防止セキュリティシステムの第2の予め定められた周波数の第2のEM場を生成するステップを含み、前記EAS台は警報器を含み、
セキュリティタグを商品に結合するステップを含み、前記セキュリティタグは、前記第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、第2の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含み、
前記回路が接触した前記第1のEM場を前記検出器によって検出するステップと、
前記第2の反射応答信号を前記EAS台が検出したときに前記EAS台の前記警報器を作動させるステップとを含む、方法。
【請求項34】
前記セキュリティタグは警報器を含み、前記回路が接触した前記第1のEM場を前記検出器が検出したときに前記セキュリティタグの前記警報器を作動させるステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記セキュリティタグは警報器を含み、前記回路が接触した前記第1のEM場を前記検出器が検出しなくなったときに前記セキュリティタグの前記警報器を作動させるステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の予め定められた周波数および前記第2の予め定められた周波数は同一である、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
既存のEAS盗難防止システムのセキュリティゾーンを拡大するための盗難防止セキュリティシステムであって、前記システムは、
第1の電磁(EM)場発生器を備え、前記第1のEM場発生器は少なくとも1つのアンテナが結合される筐体を含み、前記少なくとも1つのアンテナは第1の予め定められた周波数の前記EM場を生成し、前記筐体は既存のセキュリティシステムのセキュリティゾーンを拡大するために1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、
前記第1の予め定められた周波数の第2のEM場を生成し前記第2のEM場の反射応答信号を受信する、前記既存のEAS盗難防止システムの第2のEM場発生器を備え、前記第2のEM場発生器は警報器を含み、
前記第1のEM発生器は、前記第2のEM場発生器の場のパターンに似るように前記第1のEM場を生成し、
前記第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、前記第2の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含む少なくとも1つのセキュリティタグを備え、
前記第2のEM場発生器の前記警報器は、前記EAS素子からの反射応答信号を前記第2のEM場発生器が検出したときに作動する、盗難防止セキュリティシステム。
【請求項38】
既存の盗難防止セキュリティシステムのセキュリティゾーンを拡大するための方法であって、前記方法は、
電源に結合された少なくとも1つのアンテナにエネルギを供給することにより第1の予め定められた周波数の第1の電磁(EM)場を生成するステップを含み、前記少なくとも1つのアンテナは筐体に結合され、前記筐体は1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、
1対の電子商品監視(EAS)台にエネルギを供給することにより既存の盗難防止セキュリティシステムの前記第1の予め定められた周波数の第2のEM場を生成するステップを含み、前記EAS台は警報器を含み、前記第1のEM場は前記第2のEM場の場のパターンに似るように生成され、
セキュリティタグを商品に結合するステップを含み、前記セキュリティタグは、前記第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、第1の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含み、
前記回路が接触した前記第1のEM場を前記検出器によって検出するステップと、
前記EAS素子からの反射応答信号を前記EAS台が検出したときに前記EAS台の前記警報器を作動させるステップとを含む、方法。
【請求項1】
盗難防止セキュリティシステムであって、前記システムは、
電磁(EM)場発生器を備え、前記EM場発生器は少なくとも1つのアンテナが結合される筐体を含み、前記少なくとも1つのアンテナは予め定められた周波数の前記EM場を生成し、前記筐体は1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、
少なくとも1つのセキュリティタグを備え、前記少なくとも1つのセキュリティタグは、前記予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、警報器とを含み、前記検出器は、前記回路が受信した前記EM場を検出し、前記盗難防止セキュリティシステムのセキュリティゾーン設定に応じて前記警報器を作動させるかまたは前記警報器を非作動状態に保つ、盗難防止セキュリティシステム。
【請求項2】
前記盗難防止セキュリティシステムの前記セキュリティゾーン設定は、前記EM場発生器を入口に設置することを含み、前記セキュリティタグは閉じられた場所から開かれた場所へまたはその逆に移動し、前記セキュリティタグの受信機が前記EM場を検出すると前記警報器が作動する、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項3】
前記盗難防止セキュリティシステムの前記セキュリティゾーン設定は、前記EM場発生器によって生成されたEM場によって定められるゾーンを含み、前記セキュリティタグの警報器は、前記セキュリティタグの受信機が前記EM場を検出している間は音を発しない状態のままである、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項4】
前記筐体は、長手方向の軸と前記長手方向の軸の両端に位置する第1および第2の端部とを有する細長い筐体を含み、前記細長い筐体の前記第1の端部および/または前記第2の端部は外部電源に結合するための電気ポートを含む、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項5】
前記EM場発生器は内部電源をさらに含み、前記EM場発生器は、切換の間前記EM場発生器の動作に損失が生じることなく前記外部電源からの電力供給と前記内部電源からの電力供給とを自動的に切換えるための手段を含む、請求項4に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項6】
前記EM場発生器が前記内部電源から電力を供給されているときに前記EM場発生器の近辺の動きを検出するための受動赤外線センサ(PIR)を備え、前記PIRは、動きが検出されなければ前記EM場発生器が低電力「スリープ状態」に切換えられるようにする、請求項5に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項7】
前記EM場発生器が前記外部電源から電力を供給されているときは前記PIRは自動的に非作動状態にされる、請求項6に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項8】
前記筐体は、前記少なくとも1つのアンテナに力が加えられたときに屈曲することができる、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項9】
前記筐体は、長手方向の軸と前記長手方向の軸の両端に位置する第1および第2の端部とを有する細長い筐体を含み、前記細長い筐体は、前記少なくとも1つのアンテナに前記力が加えられたときに前記長手方向の軸を中心として旋回することができる、請求項8に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項10】
前記第1および第2の端部は各々、前記加えられた力が取除かれると前記筐体を好ましい向きに戻すばねを含む、請求項9に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項11】
前記筐体を前記面から変位させるであろう前記筐体の前記屈曲または前記筐体に対する不正を検出すると作動する警報器をさらに備える、請求項8に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項12】
前記警報器は、設定可能な時間だけ前記警報器の始動を遅延させて迷惑になる作動を回避するための遅延手段を含む、請求項11に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項13】
前記警報器は、設定可能な時間の経過後前記警報器を非作動状態にするための計時手段を含む、請求項11に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項14】
前記EM場発生器は、前記EM場発生器および前記少なくとも1つのタグによる消費電力を削減するために間欠パルスパターンを用いて前記EM場を生成する、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項15】
盗難防止セキュリティシステムを構築するための方法であって、前記方法は、
電源に結合された少なくとも1つのアンテナにエネルギを供給することにより予め定められた周波数の電磁(EM)場を生成するステップを含み、前記少なくとも1つのアンテナは、1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能な筐体に結合され、
セキュリティタグを商品に結合するステップを含み、前記セキュリティタグは、前記予め定められた周波数に同調させた回路と検出器とを含み、
前記セキュリティタグを前記EM場に接触させるステップと、
前記セキュリティタグの前記回路が接触した前記EM場を前記検出器によって検出するステップとを含む、方法。
【請求項16】
前記セキュリティタグは警報器を含み、前記方法は、前記検出器が前記EM場を検出したときに前記警報器を作動させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記セキュリティタグは警報器を含み、前記方法は、前記検出器が前記EM場を検出しなくなったときに前記警報器を作動させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記EM場を生成するステップは、前記筐体の向きを前記複数の向きにするために前記筐体上の少なくとも2つの異なる場所に電気ポートを設けるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記EM場を生成するステップは、内部電源を含めるステップを含み、前記EM場を生成するステップは、前記外部電源からの電力供給と前記内部電源からの電力供給とを自動的に切換えるステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記EM場の近くで動きが検出されないときは常に、前記少なくとも1つのアンテナに供給される電力を低電力「スリープ状態」に減じるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記電力を減じるステップは、前記外部電源が電力を供給しているときには非作動状態にされる受動赤外線センサ(PIR)を利用する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのアンテナに力が加えられたときに前記筐体を屈曲させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記筐体を屈曲させるステップは、前記筐体を筐体の長手方向の軸を中心として旋回させるステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記筐体を長手方向の軸を中心として旋回させるステップは、ばねを用いて前記筐体の両端に付勢し、前記力が取除かれたときに前記ばねが前記筐体を好ましい向きに戻すようにするステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記筐体が屈曲すると常に警報器を作動させるステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記警報器を作動させるステップは、設定可能な時間だけ前記警報器の始動を遅延させて迷惑になる作動を回避するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記警報器を作動させるステップは、設定可能な時間の経過後停止させられる、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記EM場を生成するステップは、前記EM場および前記セキュリティタグによる消費電力を削減するために間欠パルスパターンを発するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
盗難防止セキュリティシステムであって、前記システムは、
第1の電磁(EM)場発生器を備え、前記第1のEM場発生器は少なくとも1つのアンテナが結合される筐体を含み、前記少なくとも1つのアンテナは第1の予め定められた周波数の前記EM場を生成し、前記筐体は既存のセキュリティシステムのセキュリティゾーンを拡大するために1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、
第2の予め定められた周波数の第2のEM場を生成し前記第2のEM場の反射応答信号を受信する、既存のセキュリティゾーンの1対の電子商品監視(EAS)台を備え、前記EAS台は警報器を含み、
前記第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、前記第2の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含む少なくとも1つのセキュリティタグを備え、
前記EAS台の前記警報器は、前記EAS台が前記第2の反射応答信号を検出したときに作動する、盗難防止セキュリティシステム。
【請求項30】
前記少なくとも1つのセキュリティタグは警報器を含み、前記少なくとも1つのセキュリティタグの前記警報器は、前記回路が接触した前記第1のEM場を前記検出器が検出したときに作動する、請求項29に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項31】
前記少なくとも1つのセキュリティタグは警報器を含み、前記少なくとも1つのセキュリティタグの前記警報器は、前記回路が接触した前記第1のEM場を前記検出器が検出しなくなったときに作動する、請求項29に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項32】
前記第1の予め定められた周波数および前記第2の予め定められた周波数は同一である、請求項29に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項33】
盗難防止セキュリティシステムを構築するための方法であって、前記方法は、
電源に結合された少なくとも1つのアンテナにエネルギを供給することにより第1の予め定められた周波数の第1の電磁(EM)場を生成するステップを含み、前記少なくとも1つのアンテナは筐体に結合され、前記筐体は1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、
1対の電子商品監視(EAS)台にエネルギを供給することにより既存の盗難防止セキュリティシステムの第2の予め定められた周波数の第2のEM場を生成するステップを含み、前記EAS台は警報器を含み、
セキュリティタグを商品に結合するステップを含み、前記セキュリティタグは、前記第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、第2の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含み、
前記回路が接触した前記第1のEM場を前記検出器によって検出するステップと、
前記第2の反射応答信号を前記EAS台が検出したときに前記EAS台の前記警報器を作動させるステップとを含む、方法。
【請求項34】
前記セキュリティタグは警報器を含み、前記回路が接触した前記第1のEM場を前記検出器が検出したときに前記セキュリティタグの前記警報器を作動させるステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記セキュリティタグは警報器を含み、前記回路が接触した前記第1のEM場を前記検出器が検出しなくなったときに前記セキュリティタグの前記警報器を作動させるステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の予め定められた周波数および前記第2の予め定められた周波数は同一である、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
既存のEAS盗難防止システムのセキュリティゾーンを拡大するための盗難防止セキュリティシステムであって、前記システムは、
第1の電磁(EM)場発生器を備え、前記第1のEM場発生器は少なくとも1つのアンテナが結合される筐体を含み、前記少なくとも1つのアンテナは第1の予め定められた周波数の前記EM場を生成し、前記筐体は既存のセキュリティシステムのセキュリティゾーンを拡大するために1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、
前記第1の予め定められた周波数の第2のEM場を生成し前記第2のEM場の反射応答信号を受信する、前記既存のEAS盗難防止システムの第2のEM場発生器を備え、前記第2のEM場発生器は警報器を含み、
前記第1のEM発生器は、前記第2のEM場発生器の場のパターンに似るように前記第1のEM場を生成し、
前記第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、前記第2の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含む少なくとも1つのセキュリティタグを備え、
前記第2のEM場発生器の前記警報器は、前記EAS素子からの反射応答信号を前記第2のEM場発生器が検出したときに作動する、盗難防止セキュリティシステム。
【請求項38】
既存の盗難防止セキュリティシステムのセキュリティゾーンを拡大するための方法であって、前記方法は、
電源に結合された少なくとも1つのアンテナにエネルギを供給することにより第1の予め定められた周波数の第1の電磁(EM)場を生成するステップを含み、前記少なくとも1つのアンテナは筐体に結合され、前記筐体は1つまたは複数の面に複数の向きで固定可能であり、
1対の電子商品監視(EAS)台にエネルギを供給することにより既存の盗難防止セキュリティシステムの前記第1の予め定められた周波数の第2のEM場を生成するステップを含み、前記EAS台は警報器を含み、前記第1のEM場は前記第2のEM場の場のパターンに似るように生成され、
セキュリティタグを商品に結合するステップを含み、前記セキュリティタグは、前記第1の予め定められた周波数に同調させた回路と、検出器と、第1の予め定められた周波数に同調させたEAS素子とを含み、
前記回路が接触した前記第1のEM場を前記検出器によって検出するステップと、
前記EAS素子からの反射応答信号を前記EAS台が検出したときに前記EAS台の前記警報器を作動させるステップとを含む、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2012−525658(P2012−525658A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508794(P2012−508794)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/033243
【国際公開番号】WO2010/127293
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(508159101)チェックポイント・システムズ・インコーポレイテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】CHECKPOINT SYSTEMS, INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/033243
【国際公開番号】WO2010/127293
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(508159101)チェックポイント・システムズ・インコーポレイテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】CHECKPOINT SYSTEMS, INC.
【Fターム(参考)】
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