説明

送信装置、受信装置及び伝送システム

【課題】パケット同期の確立後のフレーム同期について、その擬似同期が発生する確率を0にする。
【解決手段】送信装置2−1は、TSパケットの所定位置に、フレーム同期パターンと同じビットパターンが存在する場合、そのビットパターンを、拡散符号を用いて演算したビットパターンに置き換えてデータスロットに格納し、置き換えたことを示すデータ置き換え情報をTSMFヘッダに付与して送信する。これにより、各データスロットの所定位置には、フレーム同期パターンと同じビットパターンは存在しない。受信装置3−1は、データ置き換え情報により、データスロットの所定位置のビットパターンを、同じ拡散符号を用いて演算したビットパターンに置き換えて、元のビットパターンに復元する。これにより、パケット同期が確立した後に、必ず正しい位置でフレーム同期を確立することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同期パターンを含む制御情報を付加してデジタルデータのフレームを伝送するシステムにおいて、フレーム同期を確立させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルデータの伝送手法として、送信装置が、同期パターンを含む制御情報をデータに付加して送信し、受信装置が、受信したデータのビットストリームから制御情報に含まれる同期パターンを検出することにより、同期を確立してデータを取得するという手法が知られている。この手法では、受信装置は、受信したデータのビットストリーム内に、同期パターンと全く同じビットパターンが存在すると、誤った位置で同期を確立してしまい、データを正しく取り出すことができなくなる。以下、誤った位置で同期を確立することを、「擬似同期」という。この擬似同期を防ぐための技術として、例えば、以下に示す(1)後方保護、(2)ダミービットの挿入、(3)特許文献1、(4)特許文献2の手法が知られている。
【0003】
(1)後方保護
この手法は、一定間隔の同期パターンが付与されたデータのビットストリームから、一定間隔の同期パターンを検出することにより、疑似同期を防ぐものである。伝送するデータが連続した固定長のパケットから構成され、同期パターンが各パケットの同じ位置に存在する場合、同期パターンの間隔は一定になる。そこで、送信装置は、一定間隔の同期パターンを含む制御情報をデータに付与して送信する。受信装置は、受信したデータのビットストリームから同期パターンを検出し、予め設定された同期パターンの間隔だけ、受信したデータのビットストリームをスキップする。そして、スキップした位置で同期パターンを検出するか否かを判定する。スキップした位置で同期パターンを検出した回数が一定回数以上となった場合、その位置で同期を確立する。この手法は、一般に後方保護という。
【0004】
(2)ダミービットの挿入
この手法は、同期パターンと同じビットパターンにダミービットを挿入し、同期パターンと一致しないビットパターンを生成することにより、疑似同期を防ぐものである。送信装置は、伝送すべきデータのビットパターン内に、同期パターンと同じビットパターンを検出した場合、そのビットパターンにダミービットを挿入して送信する。例えば、同期パターンが「11111111」(「1」が8ビット連続するパターン)とすると、送信装置は、ビットストリーム内に、「1」が8ビット連続して存在するビットパターンを検出した場合、8ビット目の直前にダミービット「0」を挿入し「111111101」を生成して送信する。受信装置は、ダミービットを取り除き、元のビットパターンに復元する。このように、ダミービットを挿入したビットパターンが生成されることにより、受信装置は、受信したデータのビットストリームから、同期パターンと一致するビットパターンを検出することがない。これにより、疑似同期を防ぐことができる。この手法は、HDLC(High−Level Data Link Control)手順、MPEG等の画像符号化国際標準の規格等で広く用いられている。
【0005】
(3)特許文献1
この手法は、固定パターンと、連続するパケットにおいて異なるビット構成の変動パターンとからなる同期パターンを生成することにより、疑似同期を防ぐものである。送信装置は、固定パターンと複数種類の変動パターンとの組み合わせによって同期パターンを生成し、データに付与して送信する。受信装置は、前述した後方保護の回路を用いることにより、誤った位置で同期パターンを連続して検出することがないから、擬似同期の発生確率を低減することができる。
【0006】
(4)特許文献2
この手法は、誤り訂正の処理と同期パターンの検出処理とを組み合わせるものである。受信装置は、誤り訂正復号時の誤り検出ビット数を演算し、同期パターンと受信したビットストリームとの間のハミング距離を演算し、誤り検出ビット数及びハミング距離から、正しい同期位置を推定するものである。これにより、擬似同期の発生確率を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3783563号公報
【特許文献2】特許第3386699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述した(1)〜(4)の手法には、以下の問題がある。まず、(1)及び(3)の手法では、伝送するデータのビットストリーム内に、予め設定された同期パターンの間隔と同じ間隔で、同期パターンと同じビットパターンが存在する場合、受信装置は、誤った位置で同期パターンを連続して検出し、擬似同期が確立してしまう。
【0009】
(3)の手法では、変動パターンの種類を増やして同期パターンの種類を増やすことにより、擬似同期の発生確率を低減することができる。しかしながら、原理的に疑似同期の発生確率を0にすることはできない。また、同期パターンの種類が増えると、受信したビットストリーム内で同期パターンを順次検出する受信装置では、変動パターンの周期を把握するのに時間を要し、同期を確立するまでの時間が増大してしまう。また、同期パターンの検出を並列処理によって行う場合には、同期を確立するための回路の規模が増大してしまう。
【0010】
(2)の手法では、擬似同期の発生確率は0になるが、ダミービットの挿入により、伝送するデータのビットストリームが冗長になってしまう。また、データが連続した固定長のパケットから構成される場合には、ダミービットを挿入することによって、パケット長が変動してしまう。このため、固定長のパケットからなるフレームを伝送するシステムでは適用が困難である。
【0011】
(4)の手法では、送信装置において誤り訂正符号化処理が必須になり、受信装置において誤り訂正復号処理が必須になる。また、同期パターンの間隔が長くなると、誤り訂正の復号処理の負荷、及び正しい同期位置の推定処理の負荷が非常に大きくなり、回路規模が増大してしまう。
【0012】
そこで、本発明は、前記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、パケット同期パターン及びフレーム同期パターンを含む制御情報を付加してデジタルデータのフレームを伝送する場合に、パケット同期の確立後のフレーム同期について、その擬似同期が発生する確率を0にする送信装置、受信装置及び伝送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため、本発明による送信装置は、パケット同期パターン及びフレーム同期パターンを含むヘッダをヘッダスロットに格納し、パケット同期パターンを含む複数のデータパケットをそれぞれデータスロットに格納し、前記ヘッダスロット及び複数のデータスロットから構成されたフレームを送信する送信装置において、前記データパケットのビットパターンを監視し、前記データパケット内で、前記ヘッダ内のフレーム同期パターンと同じ位置に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが存在するか否かを判定するデータ監視部と、前記データ監視部により前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが存在すると判定された場合に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンに変換するデータ変換部と、前記データ変換部により前記データパケット内のビットパターンが異なるビットパターンに変換されたことを示す変換情報を生成し、前記変換情報を含むヘッダを生成するヘッダ生成部と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明による送信装置は、さらに、前記フレームを構成するヘッダスロット及びデータスロットのビット単位に、符号を生成する符号生成部を備え、前記データ変換部が、前記フレーム同期パターンと同じビットパターン及び前記符号生成部により生成された符号に基づいて新たなビットパターンを生成し、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記新たなビットパターンに変換し、前記符号生成部が、所定のタイミングにて、予め設定された初期値に前記符号をリセットする、ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明による送信装置は、前記データ変換部が、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンであって、前記フレーム同期パターンに対応して予め設定されたビットパターンに変換する、ことを特徴とする。
【0016】
また、本発明による送信装置は、前記データ変換部が、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンに基づいて、前記フレーム同期パターンとは異なる新たなビットパターンを生成し、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記新たなビットパターンに変換する、ことを特徴とする。
【0017】
また、本発明による送信装置は、前記データ変換部が、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンの各ビットを所定ビット数分シフトするか、または、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンのうちの所定のビットを反転することにより、新たなビットパターンを生成する、ことを特徴とする。
【0018】
また、本発明による送信装置は、前記ヘッダ生成部が、前記データ変換部により異なるビットパターンに変換されたか否かを示す変換情報であって、前記フレームを構成するデータスロット毎に1ビットの情報が割り当てられた変換情報を生成する、ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明による送信装置は、前記データ変換部が、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンであって、予め設定されたビットパターンに変換し、前記ヘッダ生成部が、前記データ変換部により異なるビットパターンに変換されたことを示す情報、及び前記データ変換部により変換されたフレーム同期パターンの種類を示す情報を含む変換情報を生成する、ことを特徴とする。
【0020】
また、本発明による送信装置は、パケット同期パターン及びフレーム同期パターンを含むヘッダをヘッダスロットに格納し、パケット同期パターンを含む複数のデータパケットをそれぞれデータスロットに格納し、前記ヘッダスロット及び複数のデータスロットから構成されたフレームを送信する送信装置において、前記データパケットのビットパターンを監視し、前記データパケット内で、前記ヘッダ内のフレーム同期パターンと同じ位置に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが存在するか否かを判定するデータ監視部と、前記データ監視部により前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが存在すると判定された場合に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンに変換する際に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが変換されたことを示す変換情報を含む新たなビットパターンを生成し、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記新たなビットパターンに変換するデータ変換部と、前記データ監視部により、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが存在すると判定された場合に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが変換されたことを示す変換情報を生成し、前記変換情報を含むヘッダを生成するヘッダ生成部と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明による送信装置は、前記データ変換部により生成される新たなビットパターンに含まれる変換情報、及び前記ヘッダ生成部により生成される変換情報を、前記データ変換部により変換されたビットパターンが格納されるデータスロットを識別するための情報とし、前記データ変換部が、前記変換情報、及び前記フレーム同期パターンの種類を示す情報を含む新たなビットパターンを生成する、ことを特徴とする。
【0022】
また、本発明による送信装置は、前記ビットパターンが変換されて格納されるX番目(1≦X≦M、Mはフレームを構成するデータスロットの最大数)のデータスロットの番号をA(X)とした場合に、前記データ変換部が、番号A(X)のデータスロットに格納されるデータパケットについて、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンに変換する際に、データスロットの番号A(X+1)を前記変換情報として新たなビットパターンを生成し、前記ヘッダ生成部が、データスロットの番号A(1)を前記変換情報として生成する、ことを特徴とする。
【0023】
また、本発明による送信装置は、前記ビットパターンが変換されて格納されるX番目(1≦X≦M、Mはフレームを構成するデータスロットの最大数)のデータスロットの番号をA(X)とした場合に、前記データ変換部が、番号A(X)のデータスロットに格納されるデータパケットについて、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンに変換する際に、データスロットの番号A(X+1)を前記変換情報とし、前記変換情報、及び、前記番号A(X)のデータスロットに格納されるデータパケットにおける前記フレーム同期パターンの種類を示す情報を含む新たなビットパターンを生成し、前記ヘッダ生成部は、データスロットの番号A(1)を前記変換情報として生成する、ことを特徴とする。
【0024】
また、本発明による送信装置は、パケット同期パターン及びフレーム同期パターンを含むヘッダをヘッダスロットに格納し、パケット同期パターンを含む複数のデータパケットをそれぞれデータスロットに格納し、前記ヘッダスロット及び複数のデータスロットから構成されたフレームを送信する送信装置と、前記フレームを受信し、前記パケット同期パターンを検出してパケット同期を確立した後に、前記フレーム同期パターンをフレーム周期で所定回数分連続して検出したときに、フレーム同期を確立する受信装置と、を備えた伝送システムにおける前記送信装置において、前記データパケットのビットパターンを監視し、前記データパケット内で、前記ヘッダ内のフレーム同期パターンと同じ位置に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが、前記フレーム周期で所定回数分連続して存在するか否かを判定するデータ監視部と、前記データ監視部により、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが前記フレーム周期で所定回数分連続して存在すると判定された場合に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンに変換するデータ変換部と、前記データ変換部により前記データパケット内のビットパターンが異なるビットパターンに変換されたことを示す変換情報を生成し、前記変換情報を含むヘッダを生成するヘッダ生成部と、を備えたことを特徴とする。
【0025】
また、本発明による受信装置は、パケット同期パターンと、フレーム同期パターンと、データパケット内にフレーム同期パターンと同じビットパターンが存在した場合に、前記ビットパターンが前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンに変換されたことを示す変換情報とを含むヘッダがヘッダスロットに格納され、パケット同期パターンと、前記異なるビットパターンに変換された場合には前記異なるビットパターンとを含むデータパケットがデータスロットに格納され、前記ヘッダスロット及び複数のデータスロットから構成されたフレームを受信する受信装置において、前記受信したフレームから前記パケット同期パターンを検出してパケット同期を確立した後に、前記フレーム同期パターンを検出してフレーム同期を確立するフレーム同期検出部と、前記フレーム同期検出部により確立されたフレーム同期のタイミングにより、前記フレームを構成するヘッダスロットからヘッダを取得し、前記ヘッダに含まれる変換情報を取得するヘッダ情報取得部と、前記フレームを構成するデータスロットに格納されたデータパケットについて、前記ヘッダ情報取得部により取得された変換情報に基づいて、前記変換されたビットパターンを、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンに復元するデータ復元部と、を備えたことを特徴とする。
【0026】
また、本発明による伝送システムは、前記送信装置と前記受信装置とを備えて構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明によれば、パケット同期パターン及びフレーム同期パターンを含む制御情報を付加してデジタルデータのフレームを伝送する場合に、パケット同期の確立後のフレーム同期について、その擬似同期が発生する確率を0にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態による伝送システム(ケーブルテレビシステム)の全体構成を示す図である。
【図2】ケーブルテレビシステムに用いるTSMFヘッダの構成を示す図である。
【図3】実施例1におけるTSMFヘッダの構成を示す図である。
【図4】実施例1における送信装置の構成を示すブロック図である。
【図5】拡散符号生成部の構成を示すブロック図である。
【図6】実施例1における受信装置の構成を示すブロック図である。
【図7】実施例1の送信装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図8】実施例1の受信装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図9】TSの例を示す図である。
【図10】TSMFヘッダの例を示す図である。
【図11】データ置き換え処理を説明する図である。
【図12】実施例2におけるTSMFヘッダの構成を示す図である。
【図13】実施例2における送信装置の構成を示すブロック図である。
【図14】実施例2における受信装置の構成を示すブロック図である。
【図15】実施例2の送信装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図16】実施例2の受信装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図17】TSの例を示す図である。
【図18】スロット情報の例を示す図である。
【図19】スロット情報の格納処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔伝送システム〕
まず、本発明の実施形態(実施例)による伝送システムについて、デジタル放送を再送信するケーブルテレビシステムを例にして説明する。以下の説明では、便宜上データをバイト単位の場合は16進数で表記し、ビット単位の場合は2進数で表記する。16進数で表記する場合はデータの先頭に0xを付し、2進数で表記する場合はデータを「」で囲むものとする。
【0030】
まず、デジタル放送により伝送する情報について説明する。デジタル放送により伝送する、映像、音声、データ等の情報は、ISO/IEC(International Organization for standardization:国際標準化機構/International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)13818-1の規格、及び電波産業会標準規格(ARIB STD-B32)に従うMPEG−2トランスポートストリーム(以下、「TS」という。)である。TSは、複数のTSパケットにより構成され、TSパケットは、188バイトの固定長パケットである。TSパケットの先頭1バイトには、パケット同期のために用いられるパケット同期パターン(0x47)が付与されている。
【0031】
TSパケットには、それぞれ16ビットのTS_id及びNetwork_idと呼ばれるIDが所定位置に付与されており、伝送する情報に応じて13ビットのPID(Packet IDentifier)と呼ばれるIDも所定位置に付与されている。
【0032】
図1は、本発明の実施形態による伝送システム(ケーブルテレビシステム)の全体構成を示す図である。このケーブルテレビの伝送システム1は、電波塔または人工衛星等の送信所4、ケーブルテレビ施設に設けられたヘッドエンド(送信装置)2、及び複数の受信装置3を備えて構成される。送信所4は、各放送局のデジタル放送波を送信し、送信装置2は、送信所4により送信されたデジタル放送波を受信して復調する。そして、送信装置2は、デジタル放送波からデジタルデータを取り出し、このケーブルテレビシステムに適したフレームを構成し、電波による伝送とは異なる変調方式に従って変調し、受信装置3へ再送信する。
【0033】
ケーブルテレビシステムに適したフレームの例としては、ITU-T Rec. J.183 “Time division multiplexing of multiple MPEG-2 transport streams over cable television systems”で勧告化されたTSMF(Transport Stream Multiplexing Frame)がある。また、ケーブルテレビシステムの変調方式の例としては、ITU-T Rec. J.83 “Digital multi-programme systems for television, sound and data services for cable distribution”のAnnex Cで勧告化された方式がある。
【0034】
TSMFは、最大15個のそれぞれ独立したTSがTSパケット単位で時分割多重化され、TSパケットと同じ188バイトの大きさのヘッダ(TSMFヘッダ)が付加されている。TSMFは、1スロット長(188バイト)のTSMFヘッダが格納されるヘッダスロットと、時分割多重化されたTSがTSパケット単位で52スロット長のTSMFペイロードとして格納されるデータスロットとにより構成される。1データスロットの大きさは188バイトであり、TSパケットと同じ大きさである。TSMFでは、伝送するTSに、相対TS番号と呼ばれる4ビットのIDが付与され、各TSは相対TS番号により区別することができる。
【0035】
〔TSMFヘッダ〕
次に、TSMFヘッダについて説明する。図2は、ケーブルテレビシステムに用いるTSMFヘッダの構成を示す図である。このTSMFヘッダは、大きさが188バイト長であり、a.パケット同期パターン(0x47)、b.「000」+多重フレームPID(0x002F)、c.「0001」+連続性指標、d.「000」+フレーム同期パターン(0x1A86/0x0579)、e.変更指示、スロット配置法、多重フレーム形式、f.後述するgの表の有効/無効+「0」、g.ts_id/original_network_idの表、h.受信状態+「0」+緊急警報指示、i.相対TS番号の表、j.private_data、k.crcにより構成される。
【0036】
ここで、a.パケット同期パターン(0x47)は、TSパケットの先頭1バイトに付与されているパケット同期パターンと同じであり、b〜kも含めてそれぞれ専用に割り当てられた制御情報である。g.ts_id/original_network_idの表は、各TSに付与した相対TS番号とts_id/original_network_idとを関連付ける表である。h.受信状態+「0」+緊急警報指示は、各TSの受信状態及び緊急警報放送が行われているか否かを判別するための情報である。i.相対TS番号の表は、相対TS番号と、その相対TS番号のTSが格納されるデータスロットの番号とを関連付ける表である。尚、フレーム同期パターンは13ビット長であり、その値は0x1A86または0x0579であり、フレーム毎に交互に使用される。フレーム同期パターンは、TSMFヘッダの先頭から36〜48ビット目に付与される。
【0037】
〔送信装置(ヘッドエンド)及び受信装置〕
図1に戻って、送信装置2は、送信所4により送信された複数の放送局のデジタル放送波を受信して復調し、複数のデジタル放送波からそれぞれに対応した複数のTSを取り出し、ビットレートに応じてTSMFペイロードのデータスロットを割り当て、複数のTSを時分割多重化してデータスロットに格納し、TSMFヘッダを付加し、TSMFを構成して送信する。
【0038】
受信装置3は、送信装置2により送信されたTSMFを受信し、ユーザからリクエストされた番組を伝送しているTSを、リクエスト情報(ユーザからリクエストされたTSを識別するための情報、例えばts_id/original_network_id)に基づいて分離する。具体的には、受信装置3は、受信したTSMFを構成するTSMFヘッダ及びTSMFペイロードに付与されたパケット同期パターンを検出してパケット同期を確立し、その後、TSMFヘッダに付与されたフレーム同期パターンを検出してフレーム同期を確立する。そして、TSMFヘッダに付与されたg.ts_id/original_network_idの表及びi.相対TS番号の表を参照し、ユーザからリクエストされた番組を伝送しているTS(リクエスト情報が示すTS)のTSパケットを取り出す。すなわち、リクエスト情報が示しているts_id/original_network_idを用いてg.ts_id/original_network_idの表を参照し、相対TS番号を取得する。そして、その相対TS番号を用いてi.相対TS番号の表を参照し、データスロット番号を取得し、そのデータスロット番号のデータスロットに格納されているTSパケットを取り出す。
【0039】
尚、ITU-T J.83 Annex Cの変調方式では、誤り訂正符号を除く1チャネルの伝送速度は29.162Mbpsであり、TSMFを伝送する場合、1チャネルで伝送できるTSの最大ビットレートは28.611Mbps(=29.162×52/53)である。
【0040】
以下に示す実施例1,2では、送信装置2が、擬似同期を防ぐために一部のビットパターンを所定の規則に従って置き換え、ビットパターンを置き換えたことを示す情報を、図2に示したTSMFヘッダ内の「private_data」(j)領域の一部に付与してTSMFを送信する。そして、受信装置3が、送信装置2により送信されたTSMFを受信し、TSMFヘッダに付与されたその情報を用いて、置き換えられたビットパターンを元のビットパターンに復元する。
【0041】
〔実施例1〕
まず、実施例1について説明する。実施例1は、TSパケットが、TSMFヘッダ内のフレーム同期パターンと同じ位置に、フレーム同期パターンと同じビットパターンを持つ場合、そのビットパターンを、拡散符号を用いて演算したビットパターンに置き換えることを特徴とする。ビットパターンの置き換え規則は、元のビットパターンと拡散符号との間でビット毎の排他的論理和(XOR)を演算して新たなビットパターンを生成し、元のビットパターン(フレーム同期パターンと同じビットパターン)を新たなビットパターンに置き換えるものとする。
【0042】
(TSMFヘッダ)
次に、実施例1に用いるTSMFヘッダについて説明する。図3は、TSMFヘッダの構成を示す図である。このTSMFヘッダは、図2に示したTSMFヘッダにおける680ビット長のj.private_dataを、52ビット長のj−1.データ置き換えフラグ(図3の下線部)、及び628ビット長のj−2.private_dataに代えて構成したものである。その他の情報は、図2に示したものと同じである。このj−1.データ置き換えフラグは、TSMFペイロードを構成する52個の各スロット内のビットパターンについて置き換えを行っているか否かを示す情報である。データ置き換えフラグは、52個の各データスロットについて1ビットがそれぞれ割り当てられ、データ置き換えを行っている場合は「1」、行っていない場合は「0」が付与される。
【0043】
(送信装置の構成)
次に、実施例1における送信装置について説明する。図4は、実施例1における送信装置の構成を示すブロック図である。この送信装置2−1は、データ監視部21−1〜21−K、データ変換部22−1〜22−K、拡散符号生成部23、ヘッダ生成部24及び多重化部25を備えている。
【0044】
送信装置2−1が、送信所4により送信されたK個のTSが含まれるデジタル放送波を受信して復調し、K個のTSを取り出すと、データ監視部21−1〜21−Kは、TS(1)〜TS(K)をそれぞれ入力する。そして、データ監視部21−1〜21−Kは、入力したTSのTSパケットに対し、フレーム同期パターンと同じ位置のビットパターン、すなわちTSパケットの先頭から36〜48ビット目のビットパターンが、フレーム同期パターン(0x1A86/0x0579)と同じであるか否かを判定する。同じでないと判定した場合は「0」、同じであると判定した場合は「1」のデータ置き換えフラグ(変換情報)(1)〜(K)をそれぞれ生成する。データ監視部21−1〜21−Kにより生成されたデータ置き換えフラグ(1)〜(K)は、データ変換部22−1〜22−Kにそれぞれ出力されると共に、ヘッダ生成部24に出力される。
【0045】
データ変換部22−1〜22−Kは、TS(1)〜TS(K)をそれぞれ入力すると共に、データ監視部21−1〜21−Kからデータ置き換えフラグ(1)〜(K)、及び多重化部25からスロット割当情報をそれぞれ入力する。また、データ変換部22−1〜22−Kは、拡散符号生成部23から拡散符号を入力する。そして、データ変換部22−1〜22−Kは、入力したデータ置き換えフラグが「1」の場合、入力したTSにおけるTSパケットの先頭から36〜48ビット目に存在する、フレーム同期パターンと同じビットパターンと、入力した拡散符号との間で排他的論理和の演算を行い、そのビットパターンを、演算結果として算出した新たなビットパターンに置き換える(変換する)。また、データ変換部22−1〜22−Kは、入力したデータ置き換えフラグが「0」の場合、ビットパターンの置き換えを行わない。データ変換部22−1〜22−Kにより置き換えが行われたTS、または置き換えが行われなかったTSは、TS(1)〜TS(K)として多重化部25に出力される。
【0046】
拡散符号生成部23は、多重化部25からフレームタイミング情報を入力し、後述するシフトレジスタを、フレームタイミング情報を入力したときに初期化し、シフトレジスタに格納されたデータを一定のクロックによりシフトする。そして、拡散符号生成部23は、シフトレジスタに格納されたデータを用いて、中断することなく常に拡散符号を生成する。拡散符号生成部23により生成された拡散符号は、データ変換部22−1〜22−Kに出力される。
【0047】
図5は、図4に示した拡散符号生成部23の構成を示すブロック図である。この拡散符号生成部23は、15ビット長のシフトレジスタ231、及び排他的論理和の演算を行う演算器232を備えている。拡散符号生成部23は、多重化部25からフレームタイミング情報を入力すると、シフトレジスタ231に、初期値「100101010000000」を格納する。そして、拡散符号生成部23は一定のクロックを入力する毎に、シフトレジスタ231の各ビットを1ビット単位でシフトする。この場合、演算器232は、シフトレジスタ231の第14ビット目のデータと第15ビット目のデータとを入力し、排他的論理和の演算を行い、その演算結果を拡散符号として出力すると共に、シフトレジスタ231の第1ビット目に格納する。このようにして出力される拡散符号は、長さ215−1の擬似ランダム信号である。また、フレームタイミング情報は、多重化部25がTSMFを生成する際に、1番目のデータスロットの先頭を処理するタイミングで出力され、このフレームタイミング情報によりシフトレジスタ231が初期化される。
【0048】
図4に戻って、ヘッダ生成部24は、データ監視部21−1〜21−Kにより生成されたデータ置き換えフラグ(1)〜(K)を入力すると共に、多重化部25からスロット割当情報を入力する。そして、ヘッダ生成部24は、データ置き換えフラグ(1)〜(K)を、図3に示したTSMFヘッダのj−1に付与し、スロット割当情報をTSMFヘッダのf、g及びiに付与し、その他の制御情報もTSMFヘッダに付与することにより、TSMFヘッダを生成する。ヘッダ生成部24により生成されたTSMFヘッダは、多重化部25に出力される。
【0049】
多重化部25は、データ変換部22−1〜22−KからTS(1)〜TS(K)を入力すると共に、ヘッダ生成部24からTSMFヘッダを入力し、TS(1)〜TS(K)のビットレートに応じてTSMFペイロードのデータスロットをそれぞれ割り当て、各TSに割り当てるスロット数及び各TSパケットに割り当てるスロット位置の情報(スロット割当情報)を生成する。多重化部25により生成されたスロット割当情報は、ヘッダ生成部24に出力される。また、各TSを、時分割多重化してTSMFペイロードの所定のデータスロット(割り当てられたデータスロット)に格納し、TSMFヘッダをヘッダスロットに格納して付加し、TSMFを生成して送信する。また、多重化部25は、1番目のデータスロットの先頭を処理するタイミングを示すフレームタイミング情報を拡散符号生成部23に出力する。
【0050】
(受信装置の構成)
次に、実施例1における受信装置について説明する。図6は、実施例1における受信装置の構成を示すブロック図である。この受信装置3−1は、フレーム同期検出部31、ヘッダ情報取得部32、分離部33、拡散符号生成部34及びデータ復元部35を備えている。
【0051】
受信装置3−1が送信装置2−1からTSMFを受信すると、フレーム同期検出部31は、パケット同期確立後のTSMFを入力し、TSMFを構成するスロットの先頭から36〜48ビット目に存在するフレーム同期パターンを検出し、フレーム同期を確立して、1番目のデータスロットの先頭を処理するタイミングを示すフレームタイミング情報を、ヘッダ情報取得部32及び拡散符号生成部34に出力する。
【0052】
ヘッダ情報取得部32は、パケット同期確立後のTSMF及びリクエスト情報を入力すると共に、フレーム同期検出部31からフレームタイミング情報を入力し、フレームタイミング情報に基づいて、入力したTSMFからTSMFヘッダを識別する。フレームタイミング情報が1番目のデータスロットの先頭を処理するタイミングを示しているから、フレームタイミング情報の入力タイミングと予め設定されているフレーム長によって、TSMFヘッダが格納されているヘッダスロットの先頭のタイミングを検知することができ、TSMFヘッダを識別することができる。そして、ヘッダ情報取得部32は、TSMFヘッダ内のf、g及びiからスロット割当情報を取得し、分離部33に出力する。また、j−1からデータ置き換えフラグを取得し、入力したリクエスト情報が示すTS(リクエスト情報により要求されたTS)についてのデータ置き換えフラグをスロット割当情報によって選定し、データ復元部35に出力する。
【0053】
分離部33は、パケット同期確立後のTSMF及びリクエスト情報を入力すると共に、ヘッダ情報取得部32からスロット割当情報を入力し、スロット割当情報に基づいて、リクエスト情報が示すTS(リクエスト情報により要求されたTS)をTSMFから分離し、分離したTSをデータ復元部35に出力する。
【0054】
拡散符号生成部34は、フレーム同期検出部31からフレームタイミング情報を入力し、送信装置2−1の拡散符号生成部23で使用する同じ初期値でシフトレジスタを初期化し、一定のクロックによりデータをビット単位にシフトする。そして、拡散符号生成部34は、シフトレジスタに格納されたデータを用いて、中断することなく常に拡散符号を生成し、データ復元部35に出力する。拡散符号生成部34の構成は、図5に示したとおりである。
【0055】
データ復元部35は、分離部33からリクエスト情報により要求されたTSを、ヘッダ情報取得部32からリクエスト情報により要求されたTSのデータ置き換えフラグを、拡散符号生成部34から拡散符号をそれぞれ入力する。そして、データ復元部35は、データ置き換えフラグが「1」の場合、入力したTSにおけるそのTSパケット(データ置き換えフラグに対応したデータスロットに格納されていたTSパケット)の先頭から36〜48ビット目のビットパターン(置き換えられたビットパターン)と、入力した拡散符号との間で排他的論理和の演算を行い(逆拡散の演算を行い)、そのビットパターンを、演算結果として算出したビットパターンに置き換えることにより、元のデータに復元して出力する。また、データ復元部35は、データ置き換えフラグが「0」の場合、入力したTSにおけるそのTSパケット(データ置き換えフラグに対応したデータスロットに格納されていたTSパケット)についてはビットパターンの置き換えを行わないで出力する。
【0056】
(動作)
次に、実施例1における送信装置2−1及び受信装置3−1の動作について説明する。図7は、実施例1の送信装置2−1による処理手順を示すフローチャートであり、図8は、実施例1の受信装置3−1による処理手順を示すフローチャートである。図9は、処理手順を説明するために用いるTSの例を示す図であり、図10は、TSMFヘッダの例を示す図であり、図11は、送信装置2−1のデータ変換部22によるデータ置き換え処理を説明する図である。
【0057】
以下、図9に示すように、TSパケット#1、・・・、TSパケット#52、TSパケット#53、・・・、TSパケット#104をTSMFにより伝送する場合を例にして説明する。説明を簡単にするために、伝送するTSは1個(K=1)、ts_idは0x1111、original_network_idは0x2222、TSのビットレートは28.611Mbpsとする。TSパケット#1〜#52は、先頭から36〜48ビット目のビットパターンがフレーム同期パターンと同じ0x1A86である。また、TSパケット#53〜#104は、先頭から36〜48ビット目のビットパターンがフレーム同期パターンと同じ0x0579である。このように、TSを構成する全てのTSパケットは、52パケット周期で、先頭から36〜48ビット目のビットパターンが0x1A86または0x0579になっている。
【0058】
この場合、0x1A86または0x0579は、TSMFヘッダの先頭から36〜48ビット目のフレーム同期パターンと同じである。このため、送信装置2−1が、図9に示したTSをそのまま多重化し、TSMFペイロードのデータスロットに格納して送信すると、受信装置3−1は、TSMFヘッダ以外のTSMFペイロードにおける任意のTSパケットにて擬似同期がかかってしまい、誤った位置で同期が確立してしまう。つまり、正しい位置でフレーム同期を確立することができないから、TSパケットを正しく取り出すことができず、元の正しいデータに復元することができない。そこで、送信装置2−1は、図7に示す処理手順により、ビットパターンの置き換えを行ってTSMFを生成し、受信装置3−1は、図8に示す処理手順により、置き換えたビットパターンを元のビットパターンに戻して正しいデータに復元する。
【0059】
(送信装置の処理)
まず、実施例1の送信装置2−1による処理手順について説明する。図7を参照して、まず、データ監視部21−1は、入力したTSのTSパケットに対し、先頭から36〜48ビット目のビットパターンが、フレーム同期パターン(0x1A86または0x0579)と同じであるか否かを判定し(ステップS701)する。フレーム同期パターンと同じであると判定した場合(ステップS701:Y)、そのTSパケットのデータ置き換えフラグ「1」を生成する(ステップS702)。一方、フレーム同期パターンと同じでないと判定した場合(ステップS701:N)、そのTSパケットのデータ置き換えフラグ「0」を生成する(ステップS703)。入力したTSにおける全てのTSパケット(52個のTSパケット)に対し、ステップS701〜S703の処理を行う(ステップS704)。
【0060】
多重化部25は、入力したTSのビットレートに応じて、TSMFペイロードのデータスロットの数及び位置を示すスロット割当情報を生成する(ステップS705)。図9に示した例では、伝送するTSは1個(K=1)であるから、入力したTSには、TSMFペイロードの全てのデータスロットが割り当てられる。また、多重化部25は、拡散符号を初期化するためのフレームタイミング情報を出力する。このフレームタイミング情報として、1番目のデータスロットの先頭の位置を示す「1」、及びその他の位置を示す「0」の情報が出力される。拡散符号生成部23は、多重化部25からフレームタイミング情報を入力し、フレームタイミング情報として「1」を入力したときに、シフトレジスタ231に初期値を格納し、一定のクロックによりシフトレジスタ231に格納したデータをシフトし、拡散符号を生成する。
【0061】
ヘッダ生成部24は、データ監視部21−1により生成されたデータ置き換えフラグ、及び多重化部25により生成されたスロット割当情報等の制御情報により、TSMFヘッダを生成する(ステップS706)。ヘッダ生成部24により、図10に示すTSMFヘッダが生成される。ここで、図9に示した例では、全てのTSパケットのデータ置き換えフラグは「1」であるから、全てのデータ置き換えフラグに「1」が付与される(図10の下線部)。尚、連続性指標を0x0、変更指示を0x0、スロット配置法を0x0、多重フレーム形式を0x1、受信状態を0x0、緊急警報指示を0x0とする。
【0062】
データ変換部22−1は、データ監視部21−1により生成されたデータ置き換えフラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS707)。データ置き換えフラグが「1」であると判定した場合(ステップS707:Y)、入力したTSにおけるTSパケットの先頭から36〜48ビット目に存在するフレーム同期パターンと同じビットパターンと、拡散符号生成部23により生成された拡散符号との間で排他的論理和の演算を行い、そのビットパターンを、演算結果として算出した新たなビットパターンに置き換える(ステップS708)。一方、データ置き換えフラグが「1」でないと判定した場合(ステップS707:N)、ビットパターンの置き換えを行わない。入力したTSにおける全てのTSパケット(52個のTSパケット)に対し、ステップS707,S708の処理を行う(ステップS709)。図9に示した例では、全てのTSパケットについてビットパターンの置き換えが行われる。
【0063】
多重化部25は、ステップS705において生成したスロット割当情報に従って、TSパケットをTSMFペイロードのデータスロットに格納し、TSMFペイロードを生成する(ステップS710)。この場合、ステップS708においてデータ変換部22−1によりビットパターンの置き換えが行われた場合も、その置き換えが行われたTSパケットが格納される。そして、多重化部25は、TSMFヘッダをヘッダスロットに格納することにより、TSMFペイロードにTSMFヘッダを付加してTSMFを生成し、送信する(ステップS711)。
【0064】
尚、図7に示した処理手順は一例であり、本発明はこの処理手順に限定されるものではない。例えば、ステップS701〜ステップS704の処理とステップS705の処理とを入れ替えてもよい。
【0065】
図11を参照して、入力するTSにおける、図9に示したTSパケット#1がTSMFペイロードのデータスロット1に格納される。この場合、TSパケット#1の先頭から36〜48ビット目のビットパターン0x1A86がフレーム同期パターンと同じであるから、データ置き換えフラグ「1」が生成される。TSパケット#2についても同様である。
【0066】
また、多重化部25により出力されるフレームタイミング情報は、1番目のデータスロットの先頭の位置を示す「1」、及びその他の位置を示す「0」の情報により構成されている。拡散符号は、拡散符号生成部23において1番目のデータスロットの先頭の位置のタイミングにおいて初期化される。拡散符号生成部23により生成される拡散符号のうち、TSパケット#1の先頭から36〜48ビット目のタイミングのときにデータ変換部22−1に入力される拡散符号は0x30B8である。データ変換部22−1は、フレーム同期パターンと同じ位置のビットパターン0x1A86と、拡散符号0x30B8との間で排他的論理和の演算を行い、そのビットパターン0x1A86を、演算結果として算出した新たなビットパターン0x0A3Eに置き換える。このようにして置き換えられたビットパターン0x0A3Eがデータスロット1に格納される。同様に、TSパケット#2については、TSパケット#2の先頭から36〜48ビット目のタイミングのときにデータ変換部22−1に入力される拡散符号は0x89E1である。データ変換部22−1は、フレーム同期パターンと同じ位置のビットパターン0x1A86と、拡散符号0x89E1との間で排他的論理和の演算を行い、そのビットパターン0x1A86を、演算結果として算出した新たなビットパターン0x1367に置き換える。このようにして置き換えられたビットパターン0x1367がデータスロット2に格納される。尚、図11では、説明を簡単にするために遅延時間を0としている。
【0067】
(受信装置の処理)
次に、実施例1の受信装置3−1による処理手順について説明する。図8を参照して、パケット同期が確立した後(ステップS801)、フレーム同期検出部31は、TSMFを構成するスロットの先頭から36〜48ビット目に存在するフレーム同期パターンを検出し、フレーム同期を確立する(ステップS802)。また、フレーム同期検出部31は、1番目のデータスロットの先頭のタイミングを示すフレームタイミング情報を出力する。フレームタイミング情報については、前述したとおりである。拡散符号生成部34は、フレーム同期検出部31からフレームタイミング情報を入力し、フレームタイミング情報として「1」を入力したときに、シフトレジスタ231に初期値を格納し、一定のクロックによりシフトレジスタ231に格納したデータをシフトし、拡散符号を生成する。
【0068】
ヘッダ情報取得部32は、フレーム同期検出部31により出力されたフレームタイミング情報に基づいて、入力したTSMFからTSMFヘッダを識別し、ヘッダスロットからTSMFヘッダを取得する(ステップS803)。ヘッダ情報取得部32により、図10に示したTSMFヘッダが識別される。そして、ヘッダ情報取得部32は、TSMFヘッダからスロット割当情報及びデータ置き換えフラグを取得する(ステップS804)。また、ヘッダ情報取得部32は、取得したデータ置き換えフラグのうち、入力したリクエスト情報が示すTS(リクエスト情報により要求されたTS)のデータ置き換えフラグを、スロット割当情報から選定する(ステップS805)。図9に示した例では、全てのデータスロットにTSが割り当てられていることを示すスロット割当情報が取得され、全てのTSパケットについて「1」のデータ置き換えフラグが取得される。
【0069】
分離部33は、ヘッダ情報取得部32により取得されたスロット割当情報を用いて、リクエスト情報が示すTS(リクエスト情報により要求されたTS)を、入力したTSMFから分離する(ステップS806)。
【0070】
データ復元部35は、分離部33により分離されたTSにおけるTSパケットのデータ置き換えフラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS807)。データ置き換えフラグが「1」であると判定した場合(ステップS807:Y)、そのTSパケットの先頭から36〜48ビット目のビットパターンと、拡散符号生成部34により生成された拡散符号との間で排他的論理和の演算を行い、そのビットパターンを、演算結果として算出したビットパターン(フレーム同期パターンと同じビットパターン:元のビットパターン)に置き換える(ステップS808)。一方、データ置き換えフラグが「1」でないと判定した場合(ステップS807:N)、ビットパターンの置き換えを行わない。入力したTSにおける全てのTSパケット(52個のTSパケット)に対し、ステップS807,S808の処理を行う(ステップS809)。尚、図8に示した処理手順は一例であり、本発明はこの処理手順に限定されるものではない。
【0071】
図11を参照して、データ復元部35は、データスロット1に格納された先頭から36〜48ビット目のビットパターン0x0A3E(データ置き換え後のTS)と、拡散符号生成部34により生成された拡散符号0x30B8との間で排他的論理和の演算を行い、そのビットパターン0x0A3Eを、演算結果として算出したビットパターン(フレーム同期パターンと同じビットパターン:元のビットパターン)0x1A86に置き換える。同様に、データスロット2については、データスロット2に格納された先頭から36〜48ビット目のビットパターン0x1367(データ置き換え後のTS)と、拡散符号生成部34により生成された拡散符号0x89E1との間で排他的論理和の演算を行い、そのビットパターン0x1367を、演算結果として算出したビットパターン(フレーム同期パターンと同じビットパターン:元のビットパターン)0x1A86に置き換える。このようにして、フレーム同期パターンと同じ元のビットパターンに置き換えられる。図8に示した処理は、TSMF毎に行われ、TSMFから元のTSが復元される。
【0072】
以上のように、実施例1によれば、送信装置2−1は、TSパケットの先頭から36〜48ビット目に、フレーム同期パターンと同じビットパターンが存在する場合、そのビットパターンを、拡散符号を用いて演算したビットパターンに置き換え、データスロットに格納し、ビットパターンを置き換えて所定のデータスロットに格納したことを示すデータ置き換えフラグをヘッダスロットに格納して送信するようにした。これにより、伝送されるTSMFの各データスロットにおいて、その先頭から36〜48ビット目のフレーム同期パターンと同じ位置には、フレーム同期パターンと同じビットパターンは存在しない。
【0073】
そして、受信装置3−1は、ヘッダスロットに格納されたデータ置き換えフラグにより、置き換えられたビットパターンを持つデータスロットを特定し、そのデータスロットの所定位置のビットパターンを、送信装置2−1における同じ拡散符号を用いて演算したビットパターンに置き換えて、元のビットパターン(フレーム同期パターンと同じビットパターン)に復元するようにした。
【0074】
これにより、受信装置3−1では、パケット同期が確立した後に、必ず正しい位置でフレーム同期を確立することができる。つまり、擬似同期の発生を防ぐことができ、その発生確率を0にすることができる。
【0075】
また、フレーム同期パターンの種類が増えた場合であっても、j−1.データ置き換えフラグの情報量が変わることがなく、同じ構成によって処理することができる。したがって、回路規模の増大を避けることができ、フレーム同期が確立するための時間も増大することがない。また、実施例1に示した、フレーム同期に対する擬似同期を防ぐための構成は、パケット同期処理等を実現する従来の構成に追加したものであるから、従来の処理に変更を加えることなく容易に実現することができる。
【0076】
〔実施例2〕
次に、実施例2について説明する。実施例2は、TSパケットが、TSMFヘッダ内のフレーム同期パターンと同じ位置に、フレーム同期パターンと同じビットパターンを持つ場合、そのビットパターンを、そのビットパターンを持つTSパケットが格納されるスロットの番号(スロット番号)、フレーム同期パターンの種類を示す情報、及び任意のビットパターンを用いて置き換えることを特徴とする。以下、スロット番号及びフレーム同期パターンの種類を示す情報を「スロット情報」、任意のビットパターンを「スタッフビット」という。ビットの置き換え規則は、スロット情報及びスタッフビットを結合して新たなビットパターンを生成し、元のビットパターン(フレーム同期パターンと同じビットパターン)を新たなビットパターンに置き換えるものとする。尚、スタッフビットは、新たなビットパターンがフレーム同期パターンと同じにならないように用意されたビットパターンである。
【0077】
(TSMFヘッダ)
次に、実施例2に用いるTSMFヘッダについて説明する。図12は、TSMFヘッダの構成を示す図である。このTSMFヘッダは、図2に示したTSMFヘッダにおける680ビット長のj.private_dataを、6ビット長のj−1.スロット情報のうち1番目のスロット番号(図12の下線部)(ビットパターンの置き換えが行われるスロット情報を構成するスロット番号のうち、1番目(最初)に置き換えが行われるスロット番号、以下、「1番目のスロット番号」という。)、及び674ビット長のj−2.private_dataに代えて構成したものである。その他の情報は、図2に示したものと同じである。このj−1.1番目のスロット番号は、複数のTSパケットのうちの、TSMFヘッダのフレーム同期パターンと同じ位置に同じビットパターンを持つTSパケットがデータスロットに格納される場合に、そのデータスロットの番号のうちの最も小さいスロット番号である。
【0078】
また、データスロット内のフレーム同期パターンと同じ位置に格納されるビットパターンは、「スロット番号」「フレーム同期パターンの種類を示す情報」「スタッフビット」である。「スロット番号」は、TSパケットのうち、TSMFヘッダのフレーム同期パターンと同じ位置に同じビットパターンを持つTSパケットが格納されるスロットの番号であり、そのサイズは、j−1.1番目のスロット番号のサイズのとおり6ビット長である。6ビット長としたのは、TSMFのデータスロット数が52であり、1スロット目〜52スロット目の番号を「000001」〜「110100」で表すことができるからである。「フレーム同期パターンの種類を示す情報」は、同期パターンが2種類であることから、1ビットの値とし、フレーム同期パターンが0x1A86の場合「0」、0x0579の場合「1」がそれぞれ付与される。また、後述する「無効なスロット番号」には「000000」が付与される。「スタッフビット」のサイズは、フレーム同期パターンのサイズが13ビット長であるから、13−(6+1)=6ビット長となる。
【0079】
すなわち、データスロット内に格納される「スロット情報」「スタッフビット」は、スロットの先頭から36〜48ビット目に格納され、スロットの先頭から36〜41ビット目に「スロット番号」、42ビット目に「フレーム同期パターンの種類を示す情報」、43〜48ビット目に「スタッフビット」が格納される。尚、前述のとおり、「スタッフビット」は、置き換え用のビットパターンがフレーム同期パターンと同じにならないように用意されたビットパターンであり、実施例2では「111111」とする。このような「スタッフビット」を用いることにより、置き換え用のビットパターンが、フレーム同期パターンと同じビットパターン0x1A86または0x0579と同じになることはない。
【0080】
(送信装置の構成)
次に、実施例2における送信装置について説明する。図13は、実施例2における送信装置の構成を示すブロック図である。この送信装置2−2は、データ監視部26−1〜26−K、ヘッダ生成部27、データ変換部28及び多重化部29を備えている。
【0081】
送信装置2−2が、送信所4により送信されたK個のTSを含むデジタル放送波を受信して復調し、K個のTSを取り出すと、データ監視部26−1〜26−Kは、TS(1)〜TS(K)をそれぞれ入力すると共に、多重化部29からスロット割当情報(各TSに割り当てるスロット数及び各TSパケットに割り当てるスロット位置の情報)を入力する。そして、データ監視部26−1〜26−Kは、入力したTSのTSパケットに対し、フレーム同期パターンと同じ位置のビットパターン、すなわちTSパケットの先頭から36〜48ビット目のビットパターンが、フレーム同期パターン(0x1A86/0x0579)と同じであるか否かを判定する。ビットパターンがフレーム同期パターンと同じであると判定した場合は、スロット割当情報に基づいて、そのTSパケットが格納されるスロット番号を特定し、特定したスロット番号、及びフレーム同期パターンの種類を示す情報(0x1A86のとき「0」、0x0579のとき「1」)からなるスロット情報(1)〜(K)を生成して出力する。一方、ビットパターンがフレーム同期パターンと同じでないと判定した場合は、スロット情報を生成しない。データ監視部26−1〜26−Kにより生成されたスロット情報(1)〜(K)は、データ変換部28にそれぞれ出力される。
【0082】
データ変換部28は、TS(1)〜TS(K)をそれぞれ入力すると共に、データ監視部26−1〜26−Kからスロット情報(1)〜(K)、及び多重化部29からスロット割当情報をそれぞれ入力する。そして、データ変換部28は、入力したスロット情報(1)〜(K)から置き換え用のビットパターンを生成し、入力したTSにおけるTSパケットの先頭から36〜48ビット目にフレーム同期パターンと同じビットパターンが存在する場合、そのTSパケットが格納されるスロット番号をスロット割当情報に基づいて特定する。そして、フレーム同期パターンと同じビットパターンを、特定したスロット番号に対応する置き換え用のビットパターンに置き換える。ここで、置き換え用のビットパターンは、スロット情報及びスタッフビットにより構成される。このスロット情報は、入力したスロット情報を構成するスロット番号の小さい順にスロット情報を並べた場合、スロット情報を構成するスロット番号を、直後のスロット情報を構成するスロット番号にシフトして生成した情報である。詳細については後述する。データ変換部28は、入力したスロット情報を構成するスロット番号から、最も小さいスロット番号を特定する。データ変換部28により置き換えが行われたTSまたは置き換えが行われなかったTSは、TS(1)〜TS(K)として多重化部29に出力される。また、データ変換部28により特定された最も小さいスロット番号は、1番目のスロット番号としてヘッダ生成部27に出力される。
【0083】
ヘッダ生成部27は、データ変換部28から1番目のスロット番号を入力すると共に、多重化部29からスロット割当情報を入力する。そして、ヘッダ生成部27は、1番目のスロット情報を、図12に示したTSMFヘッダのj−1に付与し、スロット割当情報をTSMFヘッダのf、g及びiに付与し、その他の制御情報もTSMFヘッダに付与することにより、TSMFヘッダを生成する。ヘッダ生成部27により生成されたTSMFヘッダは、多重化部29に出力される。
【0084】
多重化部29は、データ変換部28からTS(1)〜TS(K)を入力すると共に、ヘッダ生成部27からTSMFヘッダを入力し、TS(1)〜TS(K)のビットレートに応じてTSMFペイロードのデータスロットをそれぞれ割り当て、各TSに割り当てるスロット数及び各TSパケットに割り当てるスロット位置の情報(スロット割当情報)を生成する。多重化部29により生成されたスロット割当情報は、データ監視部26−1〜26−K、ヘッダ生成部27及びデータ変換部28に出力される。また、各TSを、時分割多重化してTSMFペイロードの所定のデータスロット(割り当てられたデータスロット)に格納し、TSMFヘッダをヘッダスロットに格納して付加し、TSMFを生成して送信する。
【0085】
(受信装置の構成)
次に、実施例2における受信装置について説明する。図14は、実施例2における受信装置の構成を示すブロック図である。この受信装置3−2は、フレーム同期検出部36、ヘッダ情報取得部37、分離部38及びデータ復元部39を備えている。受信装置3−2が送信装置2−2からTSMFを受信すると、フレーム同期検出部36は、パケット同期確立後のTSMFを入力し、TSMFを構成するスロットの先頭から36〜48ビット目に存在するフレーム同期パターンを検出し、フレーム同期を確立して、1番目のデータスロットの先頭を処理するタイミングを示すフレームタイミング情報を、ヘッダ情報取得部37及び分離部38に出力する。
【0086】
ヘッダ情報取得部37は、パケット同期確立後のTSMF及びリクエスト情報を入力すると共に、フレーム同期検出部36からフレームタイミング情報を入力し、フレームタイミング情報に基づいて、入力したTSMFからTSMFヘッダを識別し、TSMFヘッダを取得する。フレームタイミング情報が1番目のデータスロットの先頭のタイミングを示しているから、フレームタイミング情報の入力タイミングによって、TSMFヘッダであるヘッダスロットの先頭のタイミングを検知することができ、TSMFヘッダを識別することができる。そして、ヘッダ情報取得部37は、TSMFヘッダ内のf、g及びiからスロット割当情報を取得する。ヘッダ情報取得部37により取得されたスロット割当情報は、分離部38に出力される。
【0087】
また、ヘッダ情報取得部37は、TSMFヘッダ内のj−1から1番目のスロット番号を取得する。そして、ヘッダ情報取得部37は、取得した1番目のスロット番号が示すデータスロットの36〜48ビット目からビットパターンを取得する。このビットパターンはスロット情報及びスタッフビットである。同様に、取得したビットパターンを構成するスロット情報のスロット番号により、そのスロット番号のデータスロットからビットパターンを取得する。取得したビットパターン(スロット情報及びスタッフビット)を構成するスロット情報のスロット番号が無効なスロット番号「000000」になるまで、ビットパターン(スロット情報及びスタッフビット)の取得を続ける。そして、ヘッダ情報取得部37は、TSMFヘッダ(ヘッダスロット)から取得した1番目のスロット番号、及びデータスロットから取得したスロット情報により、元のスロット情報を生成する。ここで、元のスロット情報は、入力したスロット情報を構成するスロット番号が小さい順にスロット情報を並べた場合、スロット情報を構成するスロット番号を、直後のスロット情報を構成するスロット番号にシフトして生成した情報である。尚、TSMFヘッダから取得された1番目のスロット番号が、最初のスロット情報を構成するスロット番号となる。また、ヘッダ情報取得部37は、このようにして生成した新たなスロット情報のうち、入力したリクエスト情報が示すTS(リクエスト情報により要求されたTS)についてのスロット情報を選定する。ヘッダ情報取得部37により選定されたスロット情報は、データ復元部39に出力される。
【0088】
分離部38は、パケット同期確立後のTSMF及びリクエスト情報を入力すると共に、ヘッダ情報取得部37からスロット割当情報を入力し、スロット割当情報に基づいて、リクエスト情報が示すTS(リクエスト情報により要求されたTS)をTSMFから分離し、分離したTSをデータ復元部39に出力する。
【0089】
データ復元部39は、分離部38からリクエスト情報により要求されたTSを、ヘッダ情報取得部37からリクエスト情報により要求されたTSのスロット情報をそれぞれ入力する。そして、データ復元部39は、スロット情報を構成するスロット番号に対応するTSパケットについて、そのTSパケットの先頭から36〜48ビット目のビットパターン(置き換えられたビットパターン)を、そのスロット情報を構成するフレーム同期パターンの種類が示すフレーム同期パターン(「0」のとき0x1A86、「1」のとき0x0579)に置き換えることにより、元のデータに復元して出力する。
【0090】
(動作)
次に、実施例2における送信装置2−2及び受信装置3−2の動作について説明する。図15は、実施例2の送信装置2−2による処理手順を示すフローチャートであり、図16は、実施例2の受信装置3−2による処理手順を示すフローチャートである。図17は、処理手順を説明するために用いるTSの例を示す図であり、図18は、スロット情報の例を示す図であり、図19は、送信装置2−2のデータ変換部28によるスロット情報の格納処理を説明する図である。
【0091】
以下、図17に示すように、TSパケット#1〜#52をTSMFにより伝送する場合を例にして説明する。説明を簡単にするために、伝送するTSは1個(K=1)とする。TSパケット#2,15は、先頭から36〜48ビット目のビットパターンがフレーム同期パターンと同じ0x1A86である(図17の下線部)。また、TSパケット#8は、先頭から36〜48ビット目のビットパターンがフレーム同期パターンと同じ0x0579である(図17の下線部)。
【0092】
この場合、0x1A86または0x0579は、TSMFヘッダの先頭から36〜48ビット目のフレーム同期パターンと同じである。このため、送信装置2−2が、図17に示したTSをそのまま多重化し、TSMFペイロードのデータスロットに格納して送信すると、受信装置3−2は、TSMFヘッダ以外のTSMFペイロードにおける任意のTSパケットにて擬似同期がかかってしまい、誤った位置で同期が確立してしまう。つまり、正しい位置でフレーム同期を確立することができないから、TSパケットを正しく取り出すことができず、元の正しいデータに復元することができない。そこで、送信装置2−2は、図15に示す処理手順により、ビットパターンの置き換えを行ってTSMFを生成し、受信装置3−2は、図16に示す処理手順により、置き換えたビットパターンを元のビットパターンに戻して正しいデータに復元する。
【0093】
(送信装置の処理)
まず、実施例2の送信装置2−2による処理手順について説明する。図15を参照して、多重化部29は、入力したTSのビットレートに応じて、TSMFペイロードのデータスロットの数及び位置を示すスロット割当情報を生成する(ステップS1501)。図17に示した例では、伝送するTSは1個(K=1)であるから、入力したTSには、TSMFペイロードの全てのデータスロットが割り当てられる。
【0094】
データ監視部26−1は、入力したTSのTSパケットに対し、先頭から36〜48ビット目のビットパターンが、フレーム同期パターン(0x1A86または0x0579)と同じであるか否かを判定する(ステップS1502)。フレーム同期パターンと同じであると判定した場合(ステップS1502:Y)、そのTSパケットについてスロット情報を生成する(ステップS1503)。
【0095】
具体的には、データ監視部26−1は、スロット割当情報(各TSに割り当てるスロット数及び各TSパケットに割り当てるスロット位置の情報)に基づいて、そのTSパケットが格納されるスロット番号を特定し、特定したスロット番号、及びフレーム同期パターンの種類を示す情報(0x1A86のとき「0」、0x0579のとき「1」)からなるスロット情報を生成する。図17の例では、データ監視部26−1は、TSパケット#2について、先頭から36〜48ビット目のビットパターンがフレーム同期パターン(0x1A86)と同じであると判定し、図18に示すスロット情報(スロット番号が2、フレーム同期パターンの種類が「0」)を生成する。一方、フレーム同期パターンと同じでないと判定した場合(ステップS1502:N)、ステップS1504へ移行する。
【0096】
データ監視部26−1は、入力したTSにおける全てのTSパケット(52個のTSパケット)に対し、ステップS1502,S1503の処理を行う(ステップS1504)。図17に示した例では、データ監視部26−1は、図18に示すように、TSパケット#8について、スロット番号が8及びフレーム同期パターンの種類が「1」のスロット情報を生成し、TSパケット#15について、スロット番号が15及びフレーム同期パターンの種類が「0」のスロット情報を生成する。尚、スロット割当情報には、TSパケット#1がスロット番号1のデータスロットに、TSパケット#nがスロット番号nのデータスロットに格納されることが示されているものとする(n=1〜52)。
【0097】
ヘッダ生成部27は、ステップS1503において生成されたスロット情報のうち、1番目のスロット情報を構成するスロット番号、及び、ステップS1501において生成されたスロット割当情報等の制御情報により、TSMFヘッダを生成する(ステップS1505)。ここで、図17に示した例では、図18に示すように、1番目のスロット情報を構成するスロット番号は2であるから、TSMFヘッダのj−1.1番目のスロット番号には2が付与される。尚、ステップS1503においてスロット情報が生成されなかった場合は(ビットパターンを置き換えるTSパケットが存在しない場合は)、TSMFヘッダのj−1.1番目のスロット番号には無効なスロット番号「000000」が付与される。
【0098】
データ変換部28は、ステップS1503において生成されたスロット情報から、置き換え用のビットパターンを生成する(ステップS1506)。具体的には、データ変換部28は、図18に示したスロット情報について、図19に示すようにスロット番号をシフトし、スタッフビット「111111」を付加して置き換え用のビットパターンを生成する。図19に示すように、第1の置き換え用のビットパターンは、スロット情報において2番目のスロット番号8、1番目のフレーム同期パターンの種類「0」、及びスタッフビット「111111」から構成される。この第1の置き換え用のビットパターンは、多重化部29において1番目のスロット番号2のデータスロット2に格納される。また、第2の置き換え用のビットパターンは、スロット情報において3番目のスロット番号15、2番目のフレーム同期パターンの種類「1」、及びスタッフビット「111111」から構成される。この第2の置き換え用のビットパターンは、多重化部29において2番目のスロット番号8のデータスロット8に格納される。また、第3の置き換え用のビットパターンには、スロット情報において4番目のスロット番号が存在しないので無効なビットバターン「000000」が用いられる。第3の置き換え用のビットパターンは、無効なビットパターン「000000」、3番目のフレーム同期パターンの種類「0」、及びスタッフビット「111111」から構成される。この第3の置き換え用のビットパターンは、多重化部29において3番目のスロット番号15のデータスロット15に格納される。
【0099】
データ変換部28は、フレーム同期パターンと同じビットパターンを所定位置に持つTSパケットのビットパターンを、ステップS1506において生成された置き換え用のビットパターンに置き換える(ステップS1507)。全てのスロット情報について、ステップS1507の処理を行う(ステップS1508)。図17に示した例では、データ変換部28は、図19に示したとおり、スロット番号2のデータスロット2に格納されるTSパケット#2における所定位置のビットパターンを、第1の置き換え用のビットパターンに置き換える。また、スロット番号8のデータスロット8に格納されるTSパケット#8における所定位置のビットパターンを、第2の置き換え用のビットパターンに置き換える。また、スロット番号15のデータスロット15に格納されるTSパケット#15における所定位置のビットパターンを、第3の置き換え用のビットパターンに置き換える。
【0100】
多重化部29は、ステップS1501において生成されたスロット割当情報に従って、TSパケットをTSMFペイロードのデータスロットに格納し、TSMFペイロードを生成する(ステップS1509)。この場合、ステップS1507においてビットパターンの置き換えが行われた場合は、その置き換えが行われたTSパケットが格納される。そして、多重化部29は、TSMFヘッダをヘッダスロットに格納することにより、TSMFペイロードにTSMFヘッダを付加してTSMFを生成し、送信する(ステップS1510)。尚、図15に示した処理手順は一例であり、本発明はこの処理手順に限定されるものではない。
【0101】
(受信装置の処理)
次に、実施例2の受信装置3−2による処理手順について説明する。図16を参照して、パケット同期が確立した後(ステップS1601)、フレーム同期検出部36は、TSMFを構成するスロット先頭から36〜48ビット目に存在するフレーム同期パターンを検出し、フレーム同期を確立する(ステップS1602)。
【0102】
ヘッダ情報取得部37は、入力したTSMFからTSMFヘッダを識別し、TSMFヘッダを取得する(ステップS1603)。そして、ヘッダ情報取得部37は、TSMFヘッダからスロット割当情報及び1番目のスロット番号を取得する(ステップS1604)。図17に示した例では、図19に示したように、1番目のスロット番号2が取得される。
【0103】
分離部38は、スロット割当情報を用いて、リクエスト情報が示すTS(リクエスト情報により要求されたTS)を、入力したTSMFから分離する(ステップS1605)。図17に示した例ではTSは1個であるから、リクエスト情報が示すTSは、全てのTSMFペイロードから取り出される。
【0104】
ヘッダ情報取得部37は、1番目のスロット番号が無効なスロット番号「000000」であるか否かを判定する(ステップS1606)。ヘッダ情報取得部37は、無効なスロット番号でないと判定した場合(ステップS1606:N)、ステップS1607へ移行し、無効なスロット番号であると判定した場合(ステップS1606:Y)、データの置き換えが行われていないから、データ復元部39においてデータ復元処理は行われない。
【0105】
ヘッダ情報取得部37は、1番目のスロット番号が示すデータスロットにおける36〜48ビット目のビットパターンが置き換えられていると判定し、そのビットパターンを取得する(ステップS1607)。図17に示した例では、図19に示したように、1番目のスロット番号が2であるため、そのデータスロットから、スロット番号が8、フレーム同期パターンの種類が「0」及びスタッフビット「111111」からなるビットパターンが取得される。
【0106】
ヘッダ情報取得部37は、そのビットパターン内のスロット番号が無効なスロット番号「000000」であるか否かを判定する(ステップS1608)。ヘッダ情報取得部37は、無効なスロット番号でないと判定した場合(ステップS1608:N)、ステップS1607へ戻り、そのビットパターン内のスロット番号のデータスロットにおける36ビット〜48ビット目のビットパターンが置き換えられていると判定し、そのビットパターンを取得する。図17に示した例では、図19に示したように、ビットパターン内のスロット番号が8であるから、無効なスロット番号でないと判定される。一方、ビットパターン内のスロット番号が無効なスロット番号であると判定した場合(ステップS1608:Y)、ステップS1609へ移行する。ステップS1607の処理は、ビットパターン内のスロット番号が無効なスロット番号であると判定するまで、繰り返される。
【0107】
図17に示した例では、図19に示したように、スロット番号8のデータスロットにおける36〜48ビット目のビットパターンとして、スロット番号が15、フレーム同期パターンの種類が「1」及びスタッフビット「111111」からなるビットパターンが取得され、スロット番号15のデータスロットにおける36〜48ビット目のビットパターンとして、無効なスロット番号「000000」、フレーム同期パターンの種類が「0」及びスタッフビット「111111」からなるビットパターンが取得される。そして、スロット番号15のデータスロットにおける36〜48ビット目のビットパターンには、無効なスロット番号が含まれるから、処理はステップS1609へ移行する。
【0108】
ヘッダ情報取得部37は、ステップS1604において取得した1番目のスロット番号、及び、ステップS1607において取得したビットパターンのうちのスロット番号及びフレーム同期パターンの種類から、スロット情報を生成する(ステップS1609)。具体的には、ヘッダ情報取得部37は、図19に示したスロット番号をシフトする逆の処理を行い、図18に示したスロット情報を生成する。そして、ヘッダ情報取得部37は、スロット割当情報に基づいて、ステップS1609において生成されたスロット情報(図18に示したスロット情報)のうち、入力したリクエスト情報が示すTS(リクエスト情報により要求されたTS)のスロット情報を選定する(ステップS1610)。図17に示した例では、ステップS1609において生成された全てのスロット情報(図18に示したスロット情報)が、リクエスト情報により要求されたTSのスロット情報となる。
【0109】
データ復元部39は、ステップS1605において分離されたTSにおけるTSパケットのうち、ステップS1610において選定されたスロット情報を構成するスロット番号のデータスロットにおけるTSパケットについて、そのTSパケットの先頭から36〜48ビット目のビットパターン(置き換えられたビットパターン)を、そのスロット情報を構成するフレーム同期パターンの種類が示すフレーム同期パターン(「0」のとき0x1A86、「1」のとき0x0579)に置き換えることにより、元のデータに復元する(ステップS1611)。全てのスロット情報について、ステップS1611の処理を行う(ステップS1612)。図17に示した例では、TSパケット#2の先頭から36〜48ビット目のビットパターンが0x1A86に置き換えられ、TSパケット#8の先頭から36〜48ビット目のビットパターンが0x0579に置き換えられ、TSパケット#15の先頭から36〜48ビット目のビットパターンが0x1A86に置き換えられる。尚、図16に示した処理手順は一例であり、本発明はこの処理手順に限定されるものではない。
【0110】
以上のように、実施例2によれば、送信装置2−2は、TSパケットの先頭から36〜48ビット目に、フレーム同期パターンと同じビットパターンが存在する場合、そのビットパターンを持つTSパケットが格納されるスロットの番号(スロット番号)、及びフレーム同期パターンの種類を示す情報からなるスロット情報を生成し、そのビットパターンを、スロット番号をシフトしたスロット情報及び任意のビットパターンからなる置き換え用のビットパターンに置き換え、データスロットに格納して送信するようにした。また、そのビットパターンを持つTSパケットが格納されたスロットの番号のうち1番目のスロット番号をヘッダスロットに格納して送信するようにした。これにより、伝送されるTSMFの各データスロットにおいて、その先頭から36〜48ビット目のフレーム同期パターンと同じ位置には、フレーム同期パターンと同じビットパターンは存在しない。
【0111】
そして、受信装置3−2は、置き換えが行われたスロット番号のデータスロットからビットパターンを取得し、ヘッダスロットに付与された1番目のスロット番号、及び取得したビットパターンからスロット情報を生成し、そのビットパターンを、スロット情報を構成するフレーム同期パターンの種類が示すフレーム同期パターンに置き換えて、元のビットパターン(フレーム同期パターンと同じビットパターン)に復元するようにした。
【0112】
これにより、受信装置3−2では、パケット同期が確立した後に、必ず正しい位置でフレーム同期を確立することができる。つまり、擬似同期の発生を防ぐことができ、その発生確率を0にすることができる。
【0113】
また、フレーム同期パターンの種類が増えた場合であっても、同じ構成によって処理することができる。したがって、回路規模の増大を避けることができ、フレーム同期が確立するまでの時間も増大することがない。また、実施例2に示した、フレーム同期に対する擬似同期を防ぐための構成は、パケット同期処理等を実現する従来の構成に追加したものであるから、従来の処理に変更を加えることなく容易に実現することができる。また、実施例2に示した、擬似同期を防ぐために用いるTSMFヘッダの情報量(j−1の情報量)は、実施例1に示した情報量よりも少なくて済む。
【0114】
〔変形例〕
前記実施例1,2は、本発明の主旨を説明する一例であり、その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、以下に挙げる種々の変形例が考えられる。
【0115】
(変形例1)
実施例1では、拡散符号生成部23,34が拡散符号を初期化するタイミングは、TSMFにおける1番目のデータスロットの先頭を処理するタイミングとした。変形例1では、このタイミングの代わりに、ITU-T J.83方式等の変調方式に従ったエネルギー拡散処理またはエネルギー逆拡散処理を初期化するタイミングとする。具体的には、送信装置2−1に備えたエネルギー拡散部(図4には図示せず)が、エネルギー拡散処理を初期化するタイミングで、フレームタイミング情報を拡散符号生成部23に出力し、受信装置3−1に備えたエネルギー逆拡散部(図6には図示せず)が、エネルギー逆拡散処理を初期化するタイミングで、フレームタイミング情報を拡散符号生成部34に出力する。また、拡散符号生成部23により生成された拡散符号は、送信装置2−1のデータ変換部22−1〜22−K及びエネルギー拡散部において共通に用いるようにする。また、拡散符号生成部34により生成された拡散符号は、受信装置3−1のデータ復元部35及びエネルギー逆拡散部において共通に用いるようにする。
【0116】
これにより、フレーム同期パターンの擬似同期を防ぐためのビットパターン置き換え処理における一部の処理と、エネルギー拡散またはエネルギー逆拡散処理における一部の処理とを共通化することができる。これにより、別々に回路を設ける必要がないから、回路規模を小さくすることができる。
【0117】
(変形例2)
実施例1では、送信装置2−1のデータ変換部22−1〜22−Kは、拡散符号生成部23から拡散符号を入力し、フレーム同期パターン(0x1A86/0x0579)と同じビットパターンを、拡散符号を用いて演算したビットパターンに置き換えるようにした。これに対し、変形例2では、データ変換部22−1〜22−Kは、フレーム同期パターンの種類に応じて、予め設定された1対1に対応する置き換え規則により、固定のビットパターンに置き換える。具体的には、フレーム同期パターン0x1A86と同じビットパターンの場合、そのビットパターンを0x0000に置き換え、フレーム同期パターン0x0579と同じビットパターンの場合、そのビットパターンを0x1FFFに置き換える。この場合、送信装置2−1は、実施例1と同様に、j−1.データ置き換えフラグが付与されたTSMFヘッダを生成して送信する。このj−1.データ置き換えフラグの情報量は、実施例1と同じである。一方、受信装置3−1のデータ復元部35は、TSMFヘッダに付与されたデータ置き換えフラグを参照し、ビットパターンを、予め設定された1対1に対応する置き換え規則により、元のビットパターンに置き換え、データを復元する。具体的には、データ書き換えフラグを参照してビットパターンが書き換えられたことを判定すると、ビットパターン0x0000を元のビットパターン0x1A86に置き換え、ビットパターン0x1FFFを元のビットパターン0x0579に置き換える。
【0118】
これにより、実施例1に示した同様の効果に加え、拡散符号生成部23,34が不要になり、拡散符号を用いた演算も必要ないから、送信装置2−1及び受信装置3−1における処理負荷を低減することができる。
【0119】
(変形例3)
また、変形例3では、実施例1におけるデータ変換部22−1〜22−Kに代えて、データ変換部22−1〜22−Kは、フレーム同期パターンと同じビットパターンを、予め設定されたビット数分シフトする規則により生成したビットパターンに置き換える。具体的には、フレーム同期パターン0x1A86(「1101010000110」)と同じビットパターンの場合、そのビットパターンを1ビット右にシフトしたビットパターン0x0D43(「0110101000011」)に置き換え、フレーム同期パターン0x0579(「0010101111001」)と同じビットパターンの場合、そのビットパターンを1ビット右にシフトしたビットパターン0x12BC(「1001010111100」)に置き換える。この場合、送信装置2−1は、実施例1と同様に、j−1.データ置き換えフラグを付与したTSMFヘッダを生成し、送信する。このj−1.データ置き換えフラグの情報量は、実施例1と同じである。一方、受信装置3−1のデータ復元部35は、TSMFヘッダに付与されたデータ置き換えフラグを参照し、ビットパターンを、予め設定されたビット数分シフトする規則によって元のビットパターンに置き換えて(データ変換部22−1〜22−Kとは逆のシフトの処理を行って置き換えて)、データを復元する。具体的には、ビットパターン0x0D43を、1ビット左にシフトした元のビットパターン0x1A86に置き換え、ビットパターン0x12BCを、1ビット左にシフトした元のビットパターン0x0579に置き換えることにより、データを復元する。
【0120】
これにより、実施例1に示した同様の効果に加え、拡散符号生成部23,34が不要になり、拡散符号を用いた演算も必要ないから、送信装置2−1及び受信装置3−1における処理負荷を低減することができる。
【0121】
(変形例4)
また、変形例4では、実施例1におけるデータ変換部22−1〜22−Kに代えて、データ変換部22−1〜22−Kは、フレーム同期パターンと同じビットパターンを、予め設定された位置のビットを反転する規則により生成したビットパターンに置き換える。具体的には、フレーム同期パターン0x1A86(「1101010000110」)と同じビットパターンの場合、そのビットパターンの最上位ビットを反転したビットパターン0x0A86(「0101010000110」)に置き換え、フレーム同期パターン0x0579(「0010101111001」)と同じビットパターンの場合、そのビットパターンの最上位ビットを反転したビットパターン0x1579(「1010101111001」)に置き換える。この場合、送信装置2−1は、実施例1と同様に、j−1.データ置き換えフラグを付与したTSMFヘッダを生成し、送信する。このj−1.データ置き換えフラグの情報量は、実施例1と同じである。一方、受信装置3−1のデータ復元部35は、TSMFヘッダに付与されたデータ置き換えフラグを参照し、ビットパターンを、予め設定された位置のビットを反転する規則により元のビットパターンに置き換えて(データ変換部22−1〜22−Kと同じ規則により生成したビットパターンに置き換えて)、データを復元する。具体的には、ビットパターン0x0A86を、最上位ビットを反転した元のビットパターン0x1A86に置き換え、ビットパターン0x1579を、最上位ビットを反転した元のビットパターン0x0579に置き換えることにより、データを復元する。
【0122】
これにより、実施例1に示した同様の効果に加え、拡散符号生成部23,34が不要になり、拡散符号を用いた演算も必要ないから、送信装置2−1及び受信装置3−1における処理負荷を低減することができる。
【0123】
(変形例5)
また、実施例1では、送信装置2−1のデータ変換部22−1〜22−Kは、フレーム同期パターンと同じビットパターンを、予め設定された規則によりそのビットパターンを用いて生成した別のビットパターンに置き換えるようにし、ヘッダ生成部24は、ビットパターンを置き換えたことを示すj−1.データ置き換えフラグを、データスロット毎に1ビット割り当てて付与することにより、TSMFヘッダを生成するようにした。そして、受信装置3−1のデータ復元部35は、TSMFヘッダに付与された1ビット毎のj−1.データ置き換えフラグを参照し、送信装置2−1のデータ変換部22−1〜22−Kにより置き換えられたビットパターンを、予め設定された規則(送信装置2−1の置き換え処理に対応した規則)によりそのビットパターンを用いて元のビットパターンに置き換えることにより、データを復元するようにした。これに対し、変形例5では、送信装置2−1のデータ変換部22−1〜22−Kが、フレーム同期パターンと同じビットパターンを、そのビットパターンを用いることなく別の固定のビットパターンに置き換え、ヘッダ生成部24が、置き換えたことを示すフラグと元のビットパターンを判定可能な情報とを含むj−1.データ置き換えフラグを生成し、TSMFヘッダに付与する。そして、受信装置3−1のデータ復元部35が、TSMFヘッダに付与されたj−1.データ置き換えフラグを参照し、データ変換部22−1〜22−Kにより置き換えられたビットパターンを、そのビットパターンを用いることなく元のビットパターンに置き換えることにより、データを復元する。
【0124】
例えば、フレーム同期パターンが0x1A86及び0x0579の場合、受信装置3−1のデータ復元部35は、置き換えられたビットパターンを用いることなく、TSMFヘッダに付与されたj−1.データ置き換えフラグのみを参照して、(1)ビットパターンは置き換えられていない、(2)元のビットパターンは0x1A86である、(3)元のビットパターンは0x0579である、の3通りを判定する。すなわち、送信装置2−1のデータ変換部22−1〜22−Kは、フレーム同期パターンと同じビットパターンを、予め設定された固定のビットパターン(フレーム同期パターンとは異なるビットパターン)に置き換え、ヘッダ生成部24は、データスロット毎に2ビットのデータ置き換えフラグを割り当て、データ置き換えフラグに、ビットパターンが置き換えられていない場合は「00」を、フレーム同期パターン0x1A86を置き換えた場合は「01」を、フレーム同期パターン0x0579を置き換えた場合は「10」をそれぞれ付与して、TSMFヘッダを生成する。尚、「11」は未使用とする。一方、受信装置3−1のデータ復元部35は、データスロット毎に2ビットが割り当てられたデータ置き換えフラグを参照する。そして、データ置き換えフラグが「00」の場合、ビットパターンの置き換えを行わず、「01」の場合0x1A86に置き換え、「10」の場合0x0579に置き換えることにより、データを復元する。尚、1TSMFあたりのデータ置き換えフラグの大きさLは、L≧M×log(N+1)より、L≧83となる。Mはデータスロット数52、Nはフレーム同期パターンの種類の数2とする。前述の例の場合、L=104である。
【0125】
これにより、TSMFヘッダのj−1.データ置き換えフラグは、2(1データスロットに割り当てられるビット数)×52(1TSMFのデータスロット数)=104ビットとなるが、受信装置3−1は、送信装置2−1において置き換えられたビットパターンを用いることなく、TSMFヘッダに付与されたj−1.データ置き換えフラグのみを参照することにより、元のビットパターンに置き換えてデータを復元することができる。したがって、実施例1と同様の効果に加え、拡散符号生成部23,34が不要になり、拡散符号を用いた演算も必要なく、前述のとおり、送信装置2−1及び受信装置3−1においてビットパターンを用いて置き換え処理を行う必要がないから、送信装置2−1及び受信装置3−1における処理負荷を一層低減することができる。
【0126】
(変形例6)
実施例1,2では、TSMFヘッダの先頭から36〜48ビット目に付与されたフレーム同期パターン(0x1A86/0x0579)における擬似同期を回避するようにした。これに対し、変形例6では、このフレーム同期パターンの代わりに、TSMFヘッダの先頭から12〜24ビット目に付与された多重フレームPID(0x002F)を用いてフレーム同期を確立する場合に、多重フレームPIDにおける擬似同期を回避する。具体的には、受信装置3−1,3−2のフレーム同期検出部31,36は、パケット同期確立後のTSMFを入力し、TSMFを構成するスロットの先頭から12〜24ビット目に存在する多重フレームPID(0x002F)を検出し、フレーム同期を確立する。多重フレームPIDによりフレーム同期を確立できるのは、送信装置2−1,2−2において、TSMFのペイロードに格納される各TSパケットの先頭から12〜24ビット目に、TSMFヘッダに付与される多重フレームPID(0x002F)とは異なるPIDが付与され、誤った位置でフレーム同期が確立することがないからである。
【0127】
これにより、実施例1,2に示した同様の効果に加え、データ監視部21−1〜21−K,26−1〜26−K、データ変換部22−1〜22−K,28、拡散符号生成部23,34が不要になり、ビットパターン置き換え処理及び拡散符号を用いた演算処理等も必要ないから、送信装置2−1,2−2及び受信装置3−1,3−2における処理負荷を一層低減することができる。
【0128】
また、TS以外のデータ(但し、パケットの先頭にパケット同期パターン(0x47)を持つデータ)をTSMFにて伝送する場合には、TSMFのペイロードに格納される各パケットの先頭から12〜24ビット目には、TSMFヘッダに付与される多重フレームPID(0x002F)と同じビットパターンが存在する可能性がある。この場合、誤った位置でフレーム同期が確立してしまい、擬似同期が発生してしまう。そこで、実施例1,2に示したフレーム同期パターンと同じビットパターンを置き換える処理の代わりに、多重フレームPIDと同じビットパターンを置き換える処理を行い、同様に、データ置き換えフラグをTSMFヘッダに付与することにより、擬似同期を確実に防ぐことができ、実施例1,2と同様の効果を得ることができる。
【0129】
(変形例7)
実施例1,2では、送信装置2−1,2−2のデータ変換部22−1〜22−K,28は、フレーム同期パターンと同じビットパターンを持つ全てのTSパケットについて、そのビットパターンを置き換えるようにした。これに対し、変形例7では、受信装置3−1,3−2のフレーム同期検出部31,36が後方保護回路を備えている場合には、後方保護回路が保護する保護段数によって許容される範囲で、送信装置2−1,2−2において、ビットパターンを置き換えるTSパケットを選択する。具体的には、送信装置2−1,2−2のデータ変換部22−1〜22−K,28は、フレーム同期パターンと同じビットパターンを持つ全てのTSパケットについてビットパターンを置き換えるのではなく、連続して同じビットパターンを持つTSパケットのうちの一部のTSパケットのみを選択し、そのTSパケットのビットパターンのみを置き換える。例えば、受信装置3−1,3−2のフレーム同期検出部31,36が5段の後方保護回路を備えている場合、フレーム同期パターンと同じビットパターンが5回連続して53パケット周期(1フレーム周期)でTSパケット内の所定位置に存在するときに、フレーム同期を確立する。したがって、送信装置2−1,2−2のデータ監視部21−1〜21−K,26−1〜26−Kによって、所定位置のビットパターンが53パケット周期(1フレーム周期)で5回連続してフレーム同期パターンと同じであると判定された場合に、データ変換部22−1〜22−K,28は、そのうちの1つのTSパケットについてビットパターンの置き換えを行う。
【0130】
これにより、受信装置3−1,3−2では、最大で4回連続してフレーム同期パターンと同じビットパターンを受信する場合はあるが、5回連続して受信することがないから、擬似同期が確立することはない。したがって、実施例1,2と同様の効果を得ることができる。また、TSMFヘッダのデータ置き換えフラグは、全てのデータスロットについて用意する必要がなく、一部のデータスロットについてのみ用意すればよいから、その情報量を低減することができる。
【符号の説明】
【0131】
1 伝送システム
2 送信装置
3 受信装置
4 送信所
21,26 データ監視部
22,28 データ変換部
23,34 拡散符号生成部
24,27 ヘッダ生成部
25,29 多重化部
31,36 フレーム同期検出部
32,37 ヘッダ情報取得部
33,38 分離部
35,39 データ復元部
231 シフトレジスタ
232 演算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット同期パターン及びフレーム同期パターンを含むヘッダをヘッダスロットに格納し、パケット同期パターンを含む複数のデータパケットをそれぞれデータスロットに格納し、前記ヘッダスロット及び複数のデータスロットから構成されたフレームを送信する送信装置において、
前記データパケットのビットパターンを監視し、前記データパケット内で、前記ヘッダ内のフレーム同期パターンと同じ位置に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが存在するか否かを判定するデータ監視部と、
前記データ監視部により前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが存在すると判定された場合に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンに変換するデータ変換部と、
前記データ変換部により前記データパケット内のビットパターンが異なるビットパターンに変換されたことを示す変換情報を生成し、前記変換情報を含むヘッダを生成するヘッダ生成部と、
を備えたことを特徴とする送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の送信装置において、
さらに、前記フレームを構成するヘッダスロット及びデータスロットのビット単位に、符号を生成する符号生成部を備え、
前記データ変換部は、前記フレーム同期パターンと同じビットパターン及び前記符号生成部により生成された符号に基づいて新たなビットパターンを生成し、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記新たなビットパターンに変換し、
前記符号生成部は、所定のタイミングにて、予め設定された初期値に前記符号をリセットする、ことを特徴とする送信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の送信装置において、
前記データ変換部は、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンであって、前記フレーム同期パターンに対応して予め設定されたビットパターンに変換する、ことを特徴とする送信装置。
【請求項4】
請求項1に記載の送信装置において、
前記データ変換部は、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンに基づいて、前記フレーム同期パターンとは異なる新たなビットパターンを生成し、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記新たなビットパターンに変換する、ことを特徴とする送信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の送信装置において、
前記データ変換部は、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンの各ビットを所定ビット数分シフトするか、または、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンのうちの所定のビットを反転することにより、新たなビットパターンを生成する、ことを特徴とする送信装置。
【請求項6】
請求項1に記載の送信装置において、
前記ヘッダ生成部は、前記データ変換部により異なるビットパターンに変換されたか否かを示す変換情報であって、前記フレームを構成するデータスロット毎に1ビットの情報が割り当てられた変換情報を生成する、ことを特徴とする送信装置。
【請求項7】
請求項1に記載の送信装置において、
前記データ変換部は、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンであって、予め設定されたビットパターンに変換し、
前記ヘッダ生成部は、前記データ変換部により異なるビットパターンに変換されたことを示す情報、及び前記データ変換部により変換されたフレーム同期パターンの種類を示す情報を含む変換情報を生成する、ことを特徴とする送信装置。
【請求項8】
パケット同期パターン及びフレーム同期パターンを含むヘッダをヘッダスロットに格納し、パケット同期パターンを含む複数のデータパケットをそれぞれデータスロットに格納し、前記ヘッダスロット及び複数のデータスロットから構成されたフレームを送信する送信装置において、
前記データパケットのビットパターンを監視し、前記データパケット内で、前記ヘッダ内のフレーム同期パターンと同じ位置に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが存在するか否かを判定するデータ監視部と、
前記データ監視部により前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが存在すると判定された場合に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンに変換する際に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが変換されたことを示す変換情報を含む新たなビットパターンを生成し、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記新たなビットパターンに変換するデータ変換部と、
前記データ監視部により、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが存在すると判定された場合に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが変換されたことを示す変換情報を生成し、前記変換情報を含むヘッダを生成するヘッダ生成部と、
を備えたことを特徴とする送信装置。
【請求項9】
請求項8に記載の送信装置において、
前記データ変換部により生成される新たなビットパターンに含まれる変換情報、及び前記ヘッダ生成部により生成される変換情報を、前記データ変換部により変換されたビットパターンが格納されるデータスロットを識別するための情報とし、
前記データ変換部は、前記変換情報、及び前記フレーム同期パターンの種類を示す情報を含む新たなビットパターンを生成する、ことを特徴とする送信装置。
【請求項10】
請求項8に記載の送信装置において、
前記ビットパターンが変換されて格納されるX番目(1≦X≦M、Mはフレームを構成するデータスロットの最大数)のデータスロットの番号をA(X)とした場合に、
前記データ変換部は、番号A(X)のデータスロットに格納されるデータパケットについて、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンに変換する際に、データスロットの番号A(X+1)を前記変換情報として新たなビットパターンを生成し、
前記ヘッダ生成部は、データスロットの番号A(1)を前記変換情報として生成する、ことを特徴とする送信装置。
【請求項11】
請求項9に記載の送信装置において、
前記ビットパターンが変換されて格納されるX番目(1≦X≦M、Mはフレームを構成するデータスロットの最大数)のデータスロットの番号をA(X)とした場合に、
前記データ変換部は、番号A(X)のデータスロットに格納されるデータパケットについて、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンに変換する際に、データスロットの番号A(X+1)を前記変換情報とし、前記変換情報、及び、前記番号A(X)のデータスロットに格納されるデータパケットにおける前記フレーム同期パターンの種類を示す情報を含む新たなビットパターンを生成し、
前記ヘッダ生成部は、データスロットの番号A(1)を前記変換情報として生成する、ことを特徴とする送信装置。
【請求項12】
パケット同期パターン及びフレーム同期パターンを含むヘッダをヘッダスロットに格納し、パケット同期パターンを含む複数のデータパケットをそれぞれデータスロットに格納し、前記ヘッダスロット及び複数のデータスロットから構成されたフレームを送信する送信装置と、前記フレームを受信し、前記パケット同期パターンを検出してパケット同期を確立した後に、前記フレーム同期パターンをフレーム周期で所定回数分連続して検出したときに、フレーム同期を確立する受信装置と、を備えた伝送システムにおける前記送信装置において、
前記データパケットのビットパターンを監視し、前記データパケット内で、前記ヘッダ内のフレーム同期パターンと同じ位置に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが、前記フレーム周期で所定回数分連続して存在するか否かを判定するデータ監視部と、
前記データ監視部により、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンが前記フレーム周期で所定回数分連続して存在すると判定された場合に、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンを、前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンに変換するデータ変換部と、
前記データ変換部により前記データパケット内のビットパターンが異なるビットパターンに変換されたことを示す変換情報を生成し、前記変換情報を含むヘッダを生成するヘッダ生成部と、
を備えたことを特徴とする送信装置。
【請求項13】
パケット同期パターンと、フレーム同期パターンと、データパケット内にフレーム同期パターンと同じビットパターンが存在した場合に、前記ビットパターンが前記フレーム同期パターンとは異なるビットパターンに変換されたことを示す変換情報とを含むヘッダがヘッダスロットに格納され、
パケット同期パターンと、前記異なるビットパターンに変換された場合には前記異なるビットパターンとを含むデータパケットがデータスロットに格納され、前記ヘッダスロット及び複数のデータスロットから構成されたフレームを受信する受信装置において、
前記受信したフレームから前記パケット同期パターンを検出してパケット同期を確立した後に、前記フレーム同期パターンを検出してフレーム同期を確立するフレーム同期検出部と、
前記フレーム同期検出部により確立されたフレーム同期のタイミングにより、前記フレームを構成するヘッダスロットからヘッダを取得し、前記ヘッダに含まれる変換情報を取得するヘッダ情報取得部と、
前記フレームを構成するデータスロットに格納されたデータパケットについて、前記ヘッダ情報取得部により取得された変換情報に基づいて、前記変換されたビットパターンを、前記フレーム同期パターンと同じビットパターンに復元するデータ復元部と、
を備えたことを特徴とする受信装置。
【請求項14】
請求項1から12までのいずれか一項の送信装置と、請求項13の受信装置と、を備えて構成される伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−183419(P2010−183419A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26113(P2009−26113)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】