説明

送信装置、送信方法および受信装置

【課題】ビデオデータの伝送帯域の増大を図ると共に、部屋間伝送などの新たなアプリケーションに対処可能とする。
【解決手段】第1のビデオデータ送信部の他に、第2のビデオデータ送信部を備える。第2のビデオデータ送信部は、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、DCフリーかつクロック再生可能に符号化された符号化ビデオデータを、外部機器に送信する。そのため、信号品質の改善と消費電力の低減を図りながら、ビデオデータの伝送帯域の増大を図ることができる。また、双方向伝送が可能であるので、部屋間伝送などの新たなアプリケーションに対処可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、送信装置、送信方法および受信装置に関し、特に、ビデオデータを差動信号により伝送路を介して送信する送信装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CE(Consumer Electronics)機器をつなぐ、デジタルインタフェースとして、HDMI(High Definition Multimedia Interface)が幅広く用いられており、業界でのデファクトスタンダードとなっている。例えば、非特許文献1には、HDMI規格についての記載がある。このHDMI規格においては、3データ差動ラインペア(TMDS Channel 0〜2)を用いて、デジタル信号としてビデオ、オーディオ、コントロールの各信号の伝送を行っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】High-Definition Multimedia Interface Specification Version1.3a,November 10 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、このデジタル信号の伝送速度としてHDMI規格上で決められている値は、およそ10.2Gbpsとなっている。高精細3D(3 dimension)のビデオデータや、4k2k(QFHD)などの高画質コンテンツのビデオデータの伝送に対応するためには、この帯域では不十分である。
【0005】
ところが、帯域を倍増するために伝送スピードを2倍に拡張したとすると、各チャンネルのデータレートは6.8Gbps程度となる。これだけの高周波差動信号の伝送を扱うのは、設計者に対して、大きな負担になるだけでなく、ケーブルでの高周波成分の減衰を考慮するとケーブル長が極端に短くなってしまう可能性も懸念され、ユーザの使い勝手が悪くなってしまう。
【0006】
また、また現行のHDMI規格では1方向に1データの伝送しか定義されていない。近年、ホームネットワーク対応で部屋を跨いだAV(Audio and Visual)コンテンツの楽しみ方が提案されてきている。しかし、このようなアプリケーションを、現行のHDMI接続では実現することはできない。
【0007】
本技術の目的は、ビデオデータの伝送帯域の増大を図ることにある。また、本技術の目的は、部屋間伝送などの新たなアプリケーションに対処可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術の概念は、
送信ビデオデータをDCフリーかつクロック再生可能に符号化して符号化ビデオデータを得るエンコード部と、
上記エンコード部で得られた符号化ビデオデータを、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、外部機器に、差動信号により送信するビデオデータ送信部とを備える
送信装置にある。
【0009】
本技術において、エンコード部により、送信ビデオデータがDCフリーかつクロック再生可能に符号化されて符号化ビデオデータが得られる。そして、ビデオデータ送信部により、符号化ビデオデータが、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、外部機器に、差動信号により送信される。例えば、エンコード部では、送信ビデオデータを構成する赤色データ、緑色データおよび青色データのそれぞれ4ビットデータがDCフリーかつクロック再生可能な5ビットデータに符号化される。そして、ビデオデータ送信部では、赤色データ、緑色データおよび青色データのそれぞれのDCフリーかつクロック再生可能な5ビットデータからなる15ビットデータ単位で送信が行われる。
【0010】
このように本技術においては、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、DCフリーかつクロック再生可能に符号化された符号化ビデオデータを、外部機器に送信するものである。そのため、信号品質の改善と消費電力の低減を図りながら、ビデオデータの伝送帯域の増大を図ることができる。
【0011】
なお、本技術において、例えば、一対のラインを介して、外部機器との間で、同相のコマンド信号を通信するコマンド信号通信部をさらに備える、ようにされてもよい。この場合、コマンド信号通信部は、一対のラインを介して同相のコマンド信号を通信するものであり、この一対のラインを介して外部機器にビデオデータの送信が行われている状態であっても、コマンド信号の通信を良好に行うことができる。
【0012】
また、本技術において、例えば、符号化ビデオデータの送信を開始する前に、伝送要求を、一対のラインを介して、外部機器に差動信号により送信する伝送要求送信部をさらに備える、ようにされてもよい。この伝送要求には、例えば、少なくともクロック周波数の情報が含まれる。この場合、外部機器では、伝送要求に基づいて、符号化ビデオデータの受信のための準備を行うことが可能となる。例えば、クロック周波数の情報に基づいて、クロック再生を行うためのPLL回路の状態をクロック周波数に対応した状態に予め合わせておくことができ、ロック状態にスムーズに素早く到達させることができる。
【0013】
また、本技術において、例えば、ビデオ信号送信部は、符号化ビデオデータの送信を開始する前に、一対のラインを介して外部機器にビデオタイミングを含まないランダムデータを送信し、コマンド信号通信部が外部機器からクロック情報の抽出が可能となったことを示すコマンド信号を受信した後に、符号化ビデオデータを一対のラインを介して、差動信号により外部機器に送信する、ようにされてもよい。この場合、外部機器でクロック情報の抽出が可能となってから符号化ビデオデータの送信が開始されるものであり、符号化ビデオデータを外部機器に良好に送信できる。
【0014】
また、本技術において、例えば、外部機器から、DCフリーかつクロック再生可能に符号化された符号化ビデオデータを、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、差動信号により受信するビデオデータ受信部と、このビデオデータ受信部で受信された符号化ビデオデータを復号化して受信ビデオデータを得るデコード部とをさらに備える、ようにされてもよい。この場合、ビデオデータを外部機器に送信できるだけでなく、外部機器からビデオデータを受信することも可能となり、部屋間伝送などの新たなアプリケーションに対処可能となる。
【0015】
また、本技術の他の概念は、
外部機器から、DCフリーかつクロック再生可能に符号化された符号化ビデオデータを、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、差動信号により受信するビデオデータ受信部と、
上記ビデオデータ受信部で受信された符号化ビデオデータを復号化して受信ビデオデータを得るデコード部とを備える
受信装置にある。
【0016】
本技術において、受信部により、DCフリーかつクロック再生可能に符号化された符号化ビデオデータが、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、差動信号により受信される。そして、デコード部により、符号化ビデオデータが復号化されて受信ビデオデータが得られる。
【0017】
このように本技術においては、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、DCフリーかつクロック再生可能に符号化された符号化ビデオデータを、外部機器から受信するものである。そのため、信号品質の改善と消費電力の低減を図りながら、ビデオデータの伝送帯域の増大を図ることができる。
【0018】
また、本技術の他の概念は、
第1のビデオデータを、伝送路を構成するDC結合された差動信号ラインを介して、外部機器に送信する第1のビデオデータ送信部と、
上記第1のビデオデータに関連した、あるいは上記第1のビデオデータとは独立した第2のビデオデータを、上記伝送路を構成するAC結合された差動信号ラインを介して、上記外部機器に送信する第2のビデオデータ送信部と、
上記第1のビデオデータ送信部および上記第2のビデオデータ送信部の動作を制御する制御部とを備える
送信装置にある。
【0019】
本技術においては、第1のビデオデータ送信部および第2のビデオデータ送信部が備えられている。第1のビデオデータ送信部では、伝送路を構成するDC結合された差動信号ラインを介して、第1のビデオデータが外部機器に送信される。また、第2のビデオデータ送信部では、伝送路を構成するAC結合された差動信号ラインを介して、第1のビデオデータに関連した、あるいは第1のビデオデータとは独立した第2のビデオデータが外部機器に送信される。
【0020】
このように本技術においては、第1のビデオデータ送信部の他に、第2のビデオデータ送信部が備えられる。そして、この第2のビデオデータ送信部では、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、DCフリーかつクロック再生可能に符号化された符号化ビデオデータが外部機器に送信されるものである。そのため、信号品質の改善と消費電力の低減を図りながら、ビデオデータの伝送帯域の増大を図ることができる。
【0021】
なお、本技術において、例えば、制御部は、第2のビデオデータ送信部が使用状態にないとき、AC結合された差動信号ラインを接地する、ようにされてもよい。この場合、外部機器や伝送路が第1のビデオデータ送信部のみに対応したものであるとき、互換性を確保することが可能となる。
【0022】
また、本技術において、例えば、制御部は、外部機器が第2のビデオデータ送信部に対応しているか否か、および伝送路が第2のビデオデータ送信部に対応しているか否かに基づいて、第2のビデオデータ送信部の動作を制御する、ようにされてもよい。この場合、外部機器や伝送路が第2のビデオデータ送信部に対応している場合のみ、この第2のビデオデータ送信部を用いたビデオデータの送信が行われるため、外部機器に誤ったビデオデータの送信が行われることを回避できる。
【0023】
例えば、制御部では、外部機器が第2のビデオデータ送信部に対応しているか否かを、外部機器から伝送路を介して読み出したこの外部機器の能力情報に基づいて判断する、ようにされてもよい。また、例えば、制御部では、伝送路が第2のビデオデータ送信部に対応しているか否かを、この伝送路が持つ情報提供機能を用いて判断する、ようにされてもよい。例えば、伝送路はケーブルであり、制御部は、このケーブルのプラグを接続するためのレセプタクルの所定のピンに所定の電圧を印加して、この伝送路が第2のビデオデータ送信部に対応しているか否かを判断する、ようにされてもよい。
【0024】
また、本技術において、例えば、送信ビデオデータをフレーム分割して得られた複数の分割ビデオデータを得るフレーム分割処理部をさらに備え、第1のビデオデータ送信部は、複数の分割ビデオデータのうち一部の分割ビデオデータを外部機器に送信し、第2のビデオデータ送信部は、複数の分割ビデオデータのうち残りの一部の分割ビデオデータを外部機器に送信する、ようにされてもよい。この場合、送信ビデオデータをフレーム分割して得られた複数の分割ビデオデータが、第1のビデオデータ送信部および第2のビデオデータ送信部の共働で外部機器に送信される。そのため、4K2K(QFHD)などの高画質コンテンツのビデオデータを、外部機器に容易に送信できる。
【0025】
また、本技術において、例えば、送信ビデオデータの各画素データを上位ビット側と下位ビット側に2分する画素データ分割処理部をさらに備え、第1のビデオデータ送信部は、各画素データの上位ビット側のデータを外部機器に送信し、第2のビデオデータ送信部は、各画素データの下位ビット側のデータを外部機器に送信する、ようにされてもよい。この場合、送信ビデオデータの各画素データが上位ビット側と下位ビット側に2分されて得られた上位ビット側のデータおよび下位ビット側データが、第1のビデオデータ送信部および第2のビデオデータ送信部の共働で外部機器に送信される。そのため、ディープカラー(Deep color)ビデオデータなどの高画質コンテンツのビデオデータを、外部機器に容易に送信できる。
【0026】
また、本技術において、例えば、第1のビデオデータ送信部は、左目ビデオデータおよび右眼ビデオデータの一方を外部機器に送信し、第2のビデオデータ送信部は、左目ビデオデータおよび右眼ビデオデータの他方を外部機器に送信する、ようにされてもよい。この場合、左目画像データと右眼画像データが、第1のビデオデータ送信部および第2のビデオデータ送信部の共働で外部機器に送信される。そのため、高精細3Dビデオデータ等の高画質コンテンツのビデオデータを、外部機器に容易に送信できる。
【0027】
ここで、例えば、第1のビデオデータ送信部および第2のビデオデータ送信部は、分割ビデオデータを、フレーム毎に、連結すべき他の分割ビデオデータの存在を示す第1の情報およびこの連結すべき他の分割ビデオデータとの同期をとるための第2の情報を付加して送信する、ようにされてもよい。例えば、第2の情報は、タイムコード情報と、このタイムコード情報が示すタイムコードを持つ複数フレームにおける配列順を示す配列情報とからなる、ものとされる。この場合、外部機器において、複数に分割ビデオデータをフレーム配列して受信ビデオデータを得ることが容易となる。
【0028】
また、本技術において、例えば、外部機器から、ビデオデータを、AC結合された差動信号ラインを介して、受信するビデオデータ受信部をさらに備え、制御部は、第1のビデオデータ送信部および第2のビデオデータ送信部の動作の他に、ビデオデータ受信部の動作を制御する、ようにされてもよい。この場合、ビデオデータを外部機器に送信できるだけでなく、外部機器からビデオデータを受信することも可能となり、部屋間伝送などの新たなアプリケーションに対処可能となる。
【0029】
また、本技術の他の概念は、
外部機器から、伝送路を構成するDC結合された差動信号ラインを介して、第1のビデオデータを受信する第1のビデオデータ受信部と、
上記外部機器から、上記伝送路を構成するAC結合された差動信号ラインを介して、上記第1のビデオデータに関連した、あるいは上記第1のビデオデータとは独立した第2のビデオデータを受信する第2のビデオデータ受信部と、
上記第1のビデオデータ受信部および上記第2のビデオデータ受信部の動作を制御する制御部とを備える
受信装置にある。
【0030】
本技術においては、第1のビデオデータ受信部および第2のビデオデータ受信部が備えられている。第1のビデオデータ受信部では、伝送路を構成するDC結合された差動信号ラインを介して、第1のビデオデータが、外部機器から受信される。また、第2のビデオデータ受信部では、伝送路を構成するAC結合された差動信号ラインを介して、第1のビデオデータに関連した、あるいは第1のビデオデータとは独立した第2のビデオデータが、外部機器から受信される。
【0031】
このように本技術においては、第1のビデオデータ受信部の他に、第2のビデオデータ受信部が備えられる。そして、この第2のビデオデータ受信部では、外部機器から、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、DCフリーかつクロック再生可能に符号化された符号化ビデオデータが受信されるものである。そのため、信号品質の改善と消費電力の低減を図りながら、ビデオデータの伝送帯域の増大を図ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本技術によれば、ビデオデータの伝送帯域の増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施の形態としてのAVシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】ソース機器、ケーブルおよびシンク機器の組み合わせ例を示す図である。
【図3】従来HDMI伝送システムを構成するソース機器のデータ送信部とシンク機器のデータ受信部の構成例を示す図である。
【図4】従来HDMI伝送システムにおける差動データペアの模式図である。
【図5】従来HDMI伝送システムおよび新HDMI伝送システムにおけるビデオデータのコーディング(TMDSコーディング)を示す図である。
【図6】新HDMI伝送システムを構成するソース機器のデータ送受信部とシンク機器のデータ送受信部の構成例を示す図である。
【図7】同相で伝送されるコマンド(Command)の一例を示す図である。
【図8】新HDMI伝送システムにおける差動信号ライン(データラインペア)の模式図である。
【図9】TMDS伝送データの構造例を示す図である。
【図10】従来HDMI(Type A)および新HDMIのピン配列を比較して示す図である。
【図11】従来HDMI機器および新HDMI機器におけるレセプタクルのピン配置を示す図である。
【図12】従来HDMIケーブルの構造例を示す図である。
【図13】新HDMIケーブルの構造例を示す図である。
【図14】新HDMIケーブルの他の構造例を示す図である。
【図15】制御部における新HDMI機能によるビデオデータ伝送の可否判別の手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】ソース機器の制御部の制御により表示部(ディスプレイ)に表示されるUI画面の一例を示す図である。
【図17】新HDMI伝送システムの伝送開始時および終了時における手順の一例を示すシーケンス図である。
【図18】AVシステムにおけるビデオデータ伝送例(伝送例1:4K2K、60Hz、プログレッシブビデオデータ伝送)を説明するための図である。
【図19】伝送例1を行う場合におけるソース機器およびシンク機器の構成例を示すブロック図である。
【図20】HDMI・ベンダー・スペシフィック・インフォフレームのパケット(VSIFパケット)の構造例を示す図である。
【図21】AVシステムにおけるビデオデータ伝送例(伝送例2:フルHD、60Hz、16ビットディープカラービデオデータ伝送)を説明するための図である。
【図22】AVシステムにおけるビデオデータ伝送例(伝送例3:フルHD、60Hz、フレームパッキング方式3Dビデオデータ伝送)を説明するための図である。
【図23】AVシステムにおけるビデオデータ伝送例(伝送例4:従来HDMI伝送システムと新HDMI伝送システムとで逆方向同時伝送)を説明するための図である。
【図24】AVシステムにおけるビデオデータ伝送例(伝送例5:新HDMI伝送システムのみによるビデオデータ伝送)を説明するための図である。
【図25】EDID上に新たに定義されるフラグ情報の例を示す図である。
【図26】ケーブルが新HDMIケーブルであるか否かの判断方法を説明するための図であって、新HDMIケーブルのプラグにLSIが内蔵されていることを示す図である。
【図27】ケーブルが新HDMIケーブルであるか否かの判断方法を説明するための図であって、新HDMIケーブル内LSIのEDIDデータ書換え回路の一例を示す図である。
【図28】ケーブルが新HDMIケーブルであるか否かの判断方法を説明するための図であって、新HDMIケーブルのプラグにRFタグチップ(LSI)が内蔵されていることを示す図である。
【図29】ケーブルが新HDMIケーブルであるか否かの判断方法を説明するための図であって、ケーブルの電気的特性の測定を行うことで、ケーブルが新HDMIケーブルであるか否かを判断することを説明するための図である。
【図30】ケーブルの電気的特性の測定を行うことで、ケーブルが新HDMIケーブルであるか否かを判断することを説明するための図である。
【図31】カテゴリBのケーブル(新HDMIケーブル)のプラグの構造を概略的に示す断面図である。
【図32】カテゴリAのケーブル(従来HDMIケーブル)のプラグの構造を概略的に示す断面図である。
【図33】ケーブルがカテゴリBのケーブル(新HDMIケーブル)である場合における判別時の状態を示す図である。
【図34】ケーブルがカテゴリAのケーブル(従来HDMIケーブル)である場合における判別時の状態を示す図である。
【図35】ソース機器の制御部におけるケーブル判別の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図36】ソース機器のデータ送信部およびシンク機器のデータ受信部が従来HDMI機器である場合に、これらの機器が新HDMIケーブル(カテゴリBのケーブル)で接続された場合を説明するための図である。
【図37】新HDMI伝送システムで対処可能なアプリケーションの一例を示す図である。
【図38】新HDMIのケーブルプラグ、レセプタクルの形状の他の例を説明するための図である。
【図39】従来HDMIケーブルと新HDMIケーブルのプラグの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明を以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0035】
<1.実施の形態>
[AVシステムの構成例]
図1は、実施の形態としてのAV(Audio and Visual)システム10の構成例を示している。このAVシステム10は、ソース機器110とシンク機器120とが接続されて構成されている。ソース機器110は、例えば、ゲーム機、ディスクプレーヤ、セットトップボックス、デジタルカメラ、携帯電話などのAVソースである。シンク機器120は、例えば、テレビ受信機、プロジェクタ等である。
【0036】
ソース機器110およびシンク機器120は、ケーブル200を介して接続されている。ソース機器110には、データ送信部112およびデータ送受信部113が接続された、コネクタを構成するレセプタクル111が設けられている。シンク機器120には、データ受信部122およびデータ送受信部123が接続された、コネクタを構成するレセプタクル121が設けられている。また、ケーブル200の一端にはコネクタを構成するプラグ201が設けられ、その他端にはコネクタを構成するプラグ202が設けられている。ケーブル200の一端のプラグ201はソース機器110のレセプタクル111に接続され、このケーブル200の他端のプラグ202はシンク機器120のレセプタクル121に接続されている。
【0037】
ソース機器110は、制御部114を有している。この制御部114は、ソース機器110の全体を制御する。ソース機器110のデータ送信部112は、従来HDMIの送信部に対応している。また、ソース機器110のデータ送受信部113は、新HDMIの送信部および受信部の双方に対応している。ソース機器110は、データ送受信部113を有することで、新HDMI機器を構成する。制御部114は、ケーブルおよびシンク機器がデータ送受信部113によるビデオデータの送受信に対応しているか否かに基づいて、データ送受信部113の動作を制御する。
【0038】
シンク機器120は、制御部124を有している。この制御部124は、シンク機器120の全体を制御する。シンク機器120のデータ受信部122は、従来HDMIの受信部に対応している。また、シンク機器120のデータ送受信部123は、新HDMIの受信部および送信部の双方に対応している。シンク機器120は、データ送受信部123を有することで、新HDMI機器を構成する。制御部124は、ケーブルおよびソース機器がデータ送受信部123によるビデオデータの送受信に対応しているか否かに基づいて、データ送受信部123の動作を制御する。
【0039】
ソース機器110のデータ送信部112およびデータ送受信部113の構成と、シンク機器120のデータ受信部122およびデータ送受信部123の構成の詳細については後述する。なお、ケーブル200は、新HDMI機器に対応したケーブル(以下、適宜、「新HDMIケーブル」という)である。このケーブル200の構成の詳細についても後述する。
【0040】
図2(a)の「ケース1」の構成は、上述の図1に示すAVシステム10と同様の構成を示している。ソース機器およびシンク機器は、新HDMI機器を構成し、新HDMIケーブルにより接続されている。このケースでは、ソース機器110のデータ送受信部113と、シンク機器120のデータ送受信部123との間でビデオデータの伝送(以下、適宜、「新HDMI機能によるビデオデータ伝送」という)を行うことができる。
【0041】
図2(b)の「ケース2」の構成は、ソース機器が新HDMI機器で、シンク機器が従来HDMI機器であり、新HDMIケーブルにより接続されている。このケースでは、新HDMI機能によるビデオデータ伝送は行われない。このケースでは、ソース機器側で、新HDMI機能によるビデオデータ伝送のための新データラインペアを接地レベルに落とすことにより、従来HDMI接続が実現され、従来HDMIでの接続が確保される。
【0042】
図2(c)の「ケース3」の構成は、ソース機器が新HDMI機器で、シンク機器が従来HDMI機器であり、従来HDMIケーブルにより接続されている。このケースでは、上述の「ケース2」と同様に、ソース機器側で、新HDMI機能によるビデオデータ伝送のための新データラインペアを接地レベルに落とすことにより、従来HDMI接続が実現され、従来HDMIでの接続が確保される。
【0043】
図2(d)の「ケース4」の構成は、ソース機器が従来HDMI機器で、シンク機器が従来HDMI機器であり、新HDMIケーブルにより接続されている。このケースでは、ソース機器側およびシンク機器側の双方で、新HDMI機能によるビデオデータ伝送のための新データラインペアは接地レベルに落とされ、従来HDMIと同様の構成になり、従来HDMIでの接続が確保される。
【0044】
[ソース機器のデータ送信部、シンク機器のデータ受信部の構成例]
図3は、図1のAVシステム10における、ソース機器110のデータ送信部112と、シンク機器120のデータ受信部122の構成例を示している。データ送信部112は、TMDS伝送データを、差動信号により、データ受信部122に一方向に送信する。
【0045】
この場合、データ送信部112は、有効画像区間(「アクティブビデオ区間」ともいう)において、非圧縮の1画面分のビデオデータに対応する差動信号を送信する。ここで、有効画像区間は、一の垂直同期信号から次の垂直同期信号までの区間から、水平帰線区間及び垂直帰線区間を除いた区間である。また、データ送信部112は、水平帰線区間または垂直帰線区間において、ビデオデータに付随するオーディオデータや制御データ、その他の補助データ等に対応する差動信号を送信する。
【0046】
データ受信部122は、TMDS伝送データを、差動信号により、データ送信部112から一方向に受信する。この場合、データ受信部122は、有効画像区間において、非圧縮の1画面分のビデオデータに対応する差動信号を受信する。また、このデータ受信部122は、水平帰線区間または垂直帰線区間において、ビデオデータに付随するオーディオデータや制御データに対応する差動信号を受信する。
【0047】
データ送信部112とデータ受信部122とからなる伝送システムの伝送チャネルには、以下のものがある。まず、伝送チャネルとして、差動信号チャネル(TMDSチャネル、TMDSクロックチャネル)がある。すなわち、図3に示すように、データ送信部112からデータ受信部122に対して、ビデオデータおよびオーディオデータを、ピクセルクロックに同期して、一方向にシリアル伝送するための伝送チャネルとしての、3つのTMDSチャネル#0〜#2がある。また、TMDSクロックを伝送する伝送チャネルとしての、TMDSクロックチャネルがある。
【0048】
データ送信部112のHDMIトランスミッタ81は、例えば、非圧縮のビデオデータを対応する差動信号に変換し、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で、ケーブル200を介して接続されているデータ受信部122に、一方向にシリアル伝送する。また、HDMIトランスミッタ81は、非圧縮のビデオデータに付随するオーディオデータ、必要な制御データその他の補助データ等を、対応する差動信号に変換し、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で、データ受信部122に、一方向にシリアル伝送する。
【0049】
さらに、HDMIトランスミッタ81は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で送信するビデオデータに同期したTMDSクロックを、TMDSクロックチャネルで、データ受信部122に送信する。ここで、各TMDSチャネル#i(i=0,1,2)では、TMDSクロックの1クロックの間に、10ビットのビデオデータが送信される。
【0050】
データ受信部122のHDMIレシーバ82は、TMDSチャネル#0,#1,#2で、データ送信部112から一方向に送信されてくる、ビデオデータに対応する差動信号と、オーディオデータや制御データに対応する差動信号を受信する。この場合、データ送信部112からTMDSクロックチャネルで送信されてくるピクセルクロック(TMDSクロック)に同期して受信する。
【0051】
HDMIシステムの伝送チャネルには、DDC(Display Data Channel)やCEC(ConsumerElectronics Control)ラインと呼ばれる伝送チャネルもある。DDCは、ケーブル200に含まれる図示しない2本の信号線からなる。DDCは、データ送信部112が、データ受信部122から、E−EDID(Enhanced Extended Display Identification Data)を読み出すために使用される。
【0052】
すなわち、データ受信部122は、HDMIレシーバ82の他に、自身の能力(Configuration/capability)に関する能力情報であるE−EDIDを記憶している、EDID ROM(EEPROM)を有している。データ送信部112は、例えば、制御部114からの要求に応じて、ケーブル200を介して接続されているデータ受信部122から、E−EDIDを、DDCを介して読み出す。
【0053】
データ送信部112は、読み出したE−EDIDを制御部114に送る。制御部114は、このE−EDIDを、図示しないフラッシュROMあるいはDRAMに格納する。制御部114は、E−EDIDに基づき、シンク機器120の能力を認識できる。例えば、制御部114は、シンク機器120が、新HDMI機能によるビデオデータ伝送に対応しているか否か等を認識する。
【0054】
CECラインは、HDMIケーブルに含まれる図示しない1本の信号線からなり、データ送信部112とデータ受信部122との間で、制御用のデータの双方向通信を行うために用いられる。このCECラインは、制御データラインを構成している。
【0055】
また、HDMIケーブルには、HPD(Hot Plug Detect)と呼ばれるピンに接続されるライン(HPDライン)が含まれている。ソース機器は、このHPDラインを利用して、シンク機器の接続を検出することができる。また、HDMIケーブルには、ソース機器からシンク機器に電源を供給するために用いられる電源ライン(+5VPower Line)が含まれている。さらに、HDMIケーブルには、リザーブライン(Reserve)が含まれている。
【0056】
図3に示すデータ送信部112のHDMIトランスミッタ81およびデータ受信部122のHDMIレシーバ82は、TMDSチャネル、TMDSクロックチャネルに関し、ケーブル200を構成する一対のラインにDC結合されている。
【0057】
図4は、従来HDMI伝送システムにおける差動信号ライン(データラインペア)の模式図を示している。HDMIレシーバ82側で伝送ラインにバイアス電圧を掛け、HDMIトランスミッタ81とはキャパシタを介さず、直接接続される、いわゆるDC結合での伝送が行われる。このDC結合は、シリアル信号の持つDC成分による信号品質の劣化を抑制することができるメリットを持つ。一方、このDC結合は、以下のデメリットを持つ。すなわち、伝送ラインのドライバ/レシーバとして耐圧が高いものを使用せざるを得ず、消費電力の低減やLSI(LargeScale Integration)プロセスの進化による回路サイズの縮小が困難である。また、バイアスレベルから同相ノイズが乗りやすい。さらに、長距離伝送による信号の減衰が起こりやすい。
【0058】
図5(a)は、TMDSチャネル#0,#1,#2で伝送される各色のビデオデータのコーディング(TMDSコーディング)を示している。この場合、8ビットのデータがDCフリーな10ビットのデータに変換される。このようにDCフリーな符号化ビデオデータとすることで、シリアルデータの劣化を防ぐようにされている。
【0059】
[ソース機器、シンク機器のデータ送受信部の構成例]
図6は、図1のAVシステム10における、ソース機器110のデータ送受信部113と、シンク機器120のデータ送受信部123の構成例を示している。データ送受信部113は、送信時には、TMDS伝送データを、差動信号により、データ送受信部123に送信する。また、データ送受信部113は、受信時には、TMDS伝送データを、差動信号により、データ送受信部123から受信する。この場合、データ送受信部113は、有効画像区間において、非圧縮の1画面分のビデオデータに対応する差動信号を送受信する。
【0060】
同様に、データ送受信部123は、送信時には、TMDS伝送データを、差動信号により、データ送受信部113に送信する。また、データ送受信部123は、受信時には、TMDS伝送データを、差動信号により、データ送受信部113から受信する。この場合、データ送受信部123は、有効画像区間において、非圧縮の1画面分のビデオデータに対応する差動信号を送受信する。
【0061】
データ送受信部113とデータ送受信部123とからなる伝送システムの伝送チャネルには、以下のものがある。すなわち、伝送チャネルとして、差動信号チャネル(TMDSチャネル)がある。すなわち、図6に示すように、2つの新TMDSチャネル#0,#1がある。この新TMDSチャネル#0,#1は、それぞれ、データ送受信部113とデータ送受信部123との間で、ビデオデータおよびオーディオデータを、ピクセルクロックに同期して、双方向に伝送する。
【0062】
なお、データ送受信部113とデータ送受信部123との間の伝送に関しては、TMDSクロックの伝送は省略される。受信側においては受信データからクロックを再生するセルフクロック方式が採用される。ここで、新TMDSチャネル#i(i=0,1)では、TMDSクロックの1クロックの間に、15ビットのビデオデータ(符号化ビデオデータ)が送信される。つまり、ビデオデータのデータ伝送クロックを15分周することにより、ピクセルクロックを生成することが可能になる。このセルフクロック方式を採用することにより、2つの新TMDSチャネルは、TMDSチャネル#i(i=0,1,2)と完全に独立して存在することになる。そのため、従来HDMIラインとのデータスキューの影響を除去できるだけでなく、その2つの新TMDSチャネルの間も独立して伝送することが可能になる。
【0063】
データ送受信部113のHDMI送信/受信部83は、非圧縮のビデオデータを対応する差動信号に変換し、新TMDSチャネル#0,#1のいずれか、あるいは双方で、ケーブル200を介して接続されているデータ送受信部123に、シリアル伝送する。また、その際、HDMI送信/受信部83は、非圧縮のビデオデータに付随するオーディオデータ、必要な制御データその他の補助データ等を、対応する差動信号に変換し、ビデオデータが送信されるチャネルで、データ受信部123に、シリアル伝送する。
【0064】
また、データ送受信部113のHDMI送信/受信部83は、新TMDSチャネル#0,#1のいずれか、あるいは双方で、データ送受信部123から送られてくる、ビデオデータに対応する差動信号と、オーディオデータや制御データに対応する差動信号を受信する。
【0065】
同様に、データ送受信部123のHDMI送信/受信部84は、非圧縮のビデオデータを対応する差動信号に変換し、新TMDSチャネル#0,#1のいずれか、あるいは双方で、ケーブル200を介して接続されているデータ送受信部113に、シリアル伝送する。また、その際、HDMI送信/受信部84は、非圧縮のビデオデータに付随するオーディオデータ、必要な制御データその他の補助データ等を、対応する差動信号に変換し、ビデオデータが送信されるチャネルで、データ受信部113に、シリアル伝送する。
【0066】
また、データ送受信部123のHDMI送信/受信部84は、新TMDSチャネル#0,#1のいずれか、あるいは双方で、データ送受信部113から送られてくる、ビデオデータに対応する差動信号と、オーディオデータや制御データに対応する差動信号を受信する。
【0067】
図6に示すデータ送受信部113とデータ送受信部123とからなる伝送システム(新HDMI伝送システム)において、データ送受信部113とデータ送受信部123との間で、新TMDSチャネル#0,#1を使用して、同相のコマンド信号の通信が可能とされる。図7は、同相で伝送されるコマンド(Command)の一例を示している。
【0068】
図7(a)は、レスポンス・コマンドを示す。受信側は、同相コマンドを正しく受信した際に、送信側に対して、このレスポンス・コマンドを送信する。図7(b)は、リセットフラグ・コマンドを示す。このリセットフラグ・コマンドは、受信側あるいは送信側でバス(新TMDSチャネル)を開放したい状況が発生したとき、バス開放の要求側が非要求側に送信するコマンドである。
【0069】
バスを開放したい状況として、例えば、送信データのフォーマット変更が考えられる。例えば、受信側からリセットフラグ・コマンドを受信した送信側は、即座にビデオデータの送信を停止し、使用していたバス(新TMDSチャネル)を開放する。また、例えば、送信側からリセットフラグ・コマンドを受信した受信側は、即座にビデオデータによる画像表示を停止し、使用していたバス(新TMDSチャネル)を開放する。
【0070】
図7(c)は、同期(ロック)フラグ・コマンドを示す。この同期フラグ・コマンドは、受信側で送信されてきたデータからクロック情報の抽出が可能になったとき、この受信側から送信側に送信するコマンドである。図7(d)は、ネゴシエーション要求・コマンドを示す。このネゴシエーション要求・コマンドは、伝送要求等の通信(差動信号通信)を行うために、送信側から受信側に送信するコマンドである。
【0071】
図6に示すデータ送受信部113とデータ送受信部123とからなる伝送システムにおいては、データ送受信部113とデータ送受信部123との間で、新TMDSチャネルを用いて、上述の差動信号通信を行うことが可能とされている。この差動信号通信のために、基本設定として、例えば、一方の新TMDSチャネルはデータ送受信部113からデータ送受信部123への通信に対応し、他方の新TMDSチャネルはデータ送受信部123からデータ送受信部113への通信に対応するようにされている。
【0072】
ネゴシエーション要求・コマンドは、2つの新TMDSチャネルのうち、自身の送信方向に対応している新TMDSチャネルが使用状態にある場合、差動信号通信を行うために、残りの未使用の新TMDSチャネルの通信方向を変更するために必要となるコマンドである。
【0073】
同相信号は通常、双方ともドライブせず、ハイインピーダンス状態となっている。コマンドを送信する際は、バスが10ms以上ドライブされていないことを確認した上で、図示のタイミングでドライブする。受信側はレスポンスを返すまでは次のコマンドを送信してはいけない。送信側はレスポンスの受信がなければコマンドを再送してもよい。同相信号によるコマンドのやり取りは、1本を使用中および使用しようとする際は、その新TMDSチャンネルに対して、2本が使用中あるいは2本を使用しようとする際は、その双方に対してやり取りされる。例えば、ビデオデータの伝送を2本のチャンネルで伝送する際は、両方のチャンネルからの同期(ロック)フラグが確認されてから当該伝送が実施される。
【0074】
図6に示すデータ送受信部113とデータ送受信部123とからなる伝送システム(新HDMI伝送システム)においては、上述したように、データ送受信部113とデータ送受信部123との間で、同相のコマンド信号の通信および差動信号通信が可能とされる。そのため、ビデオデータ伝送のための構成の確立、変更およびバス(新TMDSチャネル)のリセット等を、図3に示すデータ送信部112とデータ受信部122とからなる伝送システム(従来HDMI伝送システム)と独立して実行が可能となる。
【0075】
つまり、データ送受信部113とデータ送受信部123とからなる伝送システムは、データ送信部112とデータ受信部122とからなる伝送システムと同期して動作することも、独立して動作することも可能となる。したがって、従来HDMI伝送システムの部分は従来のHDMIデバイスを使用し、新HDMI伝送システムの部分は新規デバイスを使用し、同期連携するための制御をシステムで行うことにより、導入を容易にすることも可能となる。
【0076】
図8は、新HDMI伝送システムにおける差動信号ライン(データラインペア)の模式図を示している。データ送受信部113のHDMI送信/受信部83およびデータ送受信部123のHDMI送信/受信部84は、キャパシタを介して、ケーブル200の差動信号ラインに接続され、いわゆるAC結合での伝送が行われる。このAC結合により、耐圧の高いドライバ/レシーバを使う必要がなくなり、消費電力の低下、回路サイズの縮小なども可能になる。つまり、同じ1差動信号ラインを使ってビデオデータ伝送する際でも、新TMDSチャネルを使用する方が伝送スピードを上げたとしても低消費電力で動作させることが可能となる。
【0077】
図5(b)は、新TMDSチャネル#i(i=0,1)で伝送される各色のビデオデータのコーディング(TMDSコーディング)を示している。この場合、赤色(R)データ、緑色(G)データおよび青色(B)データのそれぞれ4ビットデータがDCフリーかつクロック再生可能な(セルフクロック方式の)5ビットデータに符号化される。HDMI送信/受信部83,84は、上述したように符号化されて得られた各色の5ビットデータからなる15ビットデータ単位で送信する。つまり、新TMDSチャネル#i(i=0,1)では、TMDSクロックの1クロックの間に、15ビットのビデオデータ(符号化ビデオデータ)が送信される。
【0078】
図9は、TMDS伝送データの構造例を示している。この図9は、TMDSチャネル#0〜#2、あるいは新TMDSチャネル#0,#1の2つまたは1つにおいて、横×縦がBピクセル×Aラインのビデオデータが伝送される場合の、各種の伝送データの区間を示している。伝送データが伝送されるビデオフィールド(Video Field)区間には、伝送データの種類に応じて、3種類の区間が存在する。この3種類の区間は、ビデオデータ区間(Video Data period)、データアイランド区間(Data Islandperiod)、およびコントロール区間(Control period)である。
【0079】
ここで、ビデオフィールド区間は、ある垂直同期信号の立ち上がりエッジ(active edge)から次の垂直同期信号の立ち上がりエッジまでの区間である。このビデオフィールド区間は、水平ブランキング期間(horizontal blanking)、垂直ブランキング期間(verticalblanking)、並びに、アクティブビデオ区間(Active Video)に分けられる。
【0080】
このアクティブビデオ区間は、ビデオフィールド区間から、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間を除いた区間である。ビデオデータ区間は、アクティブビデオ区間に割り当てられる。このビデオデータ区間では、非圧縮の1画面分の画像データを構成するBピクセル(画素)×Aライン分の有効画素(Active pixel)のデータが伝送される。
【0081】
データアイランド区間およびコントロール区間は、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間に割り当てられる。このデータアイランド区間およびコントロール区間では、補助データ(Auxiliary data)が伝送される。すなわち、データアイランド区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の一部分に割り当てられている。
【0082】
このデータアイランド区間では、補助データのうち、制御に関係しないデータである、例えば、オーディオデータのパケット等が伝送される。コントロール区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の他の部分に割り当てられている。このコントロール区間では、補助データのうちの、制御に関係するデータである、例えば、垂直同期信号および水平同期信号、制御パケット等が伝送される。
【0083】
ここで、新HDMI機器であるソース機器110のレセプタクル111および新HDMI機器であるシンク機器120のレセプタクル121のピン配列を説明する。新HDMI機器のレセプタクルの構造は、従来HDMI機器のレセプタクルの構造と同じくされる。そのため、新HDMI機器のために専用のコネクタを設ける必要はない。
【0084】
最初に、図10(a)を参照して、従来HDMI機器におけるレセプタクルのピン配列(タイプA)を説明する。TMDSチャネル#i(i=0〜2)の差動信号であるTMDS Data#i+とTMDS Data#i−は、差動ラインである一対のライン(2本のライン)により伝送される。ピン(ピン番号が7,4,1のピン)はTMDS Data#i+に割り当てられ、ピン(ピン番号が9,6,3のピン)はTMDS Data#i−に割り当てられている。なお、ピン番号が8,5,2のピンは、TMDS Data#i Shield(i=0〜2)に割り当てられている。
【0085】
TMDSクロックチャネルの差動信号であるTMDS Clock+とTMDS Clock−は差動ラインである2本のラインにより伝送される。ピン番号が10のピンはTMDS Clock+に割り当てられ、ピン番号が12のピンはTMDS Clock−に割り当てられている。なお、ピン番号が11のピンは、TMDS Clock Shieldに割り当てられている。
【0086】
また、制御用のデータであるCEC信号は、CECラインにより伝送される。ピン番号が13であるピンは、CEC信号に割り当てられている。また、E−EDID等のSDA(Serial Data)信号は、SDAラインにより伝送される。ピン番号が16であるピンは、SDA信号に割り当てられている。また、SDA信号の送受信時の同期に用いられるクロック信号であるSCL(Serial Clock)信号は、SCLラインにより伝送される。ピン番号が15であるピンは、SCLに割り当てられている。なお、上述のDDCラインは、SDAラインおよびSCLラインにより構成される。
【0087】
また、ピン番号が19であるピンは、HPD(Hot Plug Detect)に割り当てられている。また、ピン番号が14であるピンは、リザーブ(Reserve)に割り当てられている。また、ピン番号が17であるピンは、DDC/CECGroundに割り当てられている。さらに、ピン番号が18であるピンは、電源(+5V Power)に割り当てられている。
【0088】
次に、図10(b)を参照して、新HDMI機器におけるレセプタクルのピン配列を説明する。TMDSチャネル#i(i=0〜2)の差動信号であるTMDS Data#i+とTMDS Data#i−は、差動ラインである2本のラインにより伝送される。ピン(ピン番号が1,4,7のピン)はTMDS Data#i+に割り当てられ、ピン(ピン番号が3,6,9のピン)はTMDS Data#i−に割り当てられている。
【0089】
また、新TMDチャネル#1(i=0,1)の差動信号であるNEW TMDS Data#i+とNEW TMDS Data#i−は、差動ラインである一対のライン(2本のライン)により伝送される。ピン(ピン番号が2,8のピン)はNEW TMDS Data#i+に割り当てられ、ピン(ピン番号が5,11のピン)はNEW TMDS Data#i−に割り当てられている。
【0090】
また、制御用のデータであるCEC信号は、CECラインにより伝送される。ピン番号が13であるピンは、CEC信号に割り当てられている。また、E−EDID等のSDA(Serial Data)信号は、SDAラインにより伝送される。ピン番号が16であるピンは、SDA信号に割り当てられている。また、SDA信号の送受信時の同期に用いられるクロック信号であるSCL(Serial Clock)信号は、SCLラインにより伝送される。ピン番号が15であるピンは、SCLに割り当てられている。なお、上述のDDCラインは、SDAラインおよびSCLラインにより構成される。
【0091】
また、ピン番号が19であるピンは、HPD(Hot Plug Detect)に割り当てられている。また、ピン番号が14であるピンは、リザーブ(Reserve)に割り当てられている。また、ピン番号が17であるピンは、DDC/CECGroundに割り当てられている。さらに、ピン番号が18であるピンは、電源(+5V Power)に割り当てられている。
【0092】
上述したように、新HDMI機器におけるレセプタクルのピン配列(図10(b)参照)では、従来HDMI機器におけるレセプタクルのピン配列(図10(a)参照)でシールド端子として用いられている端子(ピン番号が2,5,8,11のピン)が、新たにデータ端子として用いられる。
【0093】
図11(a)は、従来HDMI機器におけるレセプタクルのピン配置を示している。また、図11(b)は、新HDMI機器におけるレセプタクルのピン配置を示している。なお、新HDMI機器において、新HDMI伝送システムを構成するデータ送受信部が使用状態にないとき、ピン番号が2,5,8,11のピンは接地される。これにより、相手側の機器や伝送路が従来のHDMIに対応したものである場合に、互換性を確保することが可能となる。
【0094】
図12(a)は、ケーブル200として使用される従来HDMIケーブルの構造例を示している。この従来HDMIケーブルは、3つのデータラインペアがそれぞれ特性を得るためにシールドツイストペア部として構成されている。また、クロックラインペアも、シールドツイストペア部として構成されている。
【0095】
図12(b)は、シールドツイストペア部の構造例を示している。このシールドツイストペア部は、2本の電線3と、ドレイン線4とが、シールド部材5で覆われた構造となっている。なお、電線3は、芯線1が被覆部2により覆われて構成されている。
【0096】
従来HDMIケーブルでは、データおよびクロックの各シールドツイストペア部を構成するドレイン線は、このケーブルの端部に取りつけられたプラグのピンに接続されている。この場合、各ドレイン線は、上述したレセプタクル(従来HDMIのピン配置)の各シールド端子(ピン番号が2,5,8,11のシールド用ピン)に対応したピン(端子)に接続されている。これらのシールド端子はソース機器110およびシンク機器120において接地される。そのため、データおよびクロックの各シールドツイストペア部を構成するドレイン線は、プラグがレセプタクル(現行HDMIのピン配置)に接続された状態では接地された状態となる。
【0097】
図13は、ケーブル200として使用される新HDMIケーブルの構造例を示している。この新HDMIケーブルは、6つのデータラインペアがそれぞれ特性を得るためにシールドツイストペア部として構成されている。すなわち、TMDSチャネルに対応した3つのデータラインペアがそれぞれ特性を得るためにシールドツイストペア部として構成されている。また、TMDSクロックチャネルに対応したクロックラインペアも、シールドツイストペア部として構成されている。さらに、新TMDSチャネルに対応した2つのデータラインペアがそれぞれ特性を得るためにシールドツイストペア部として構成されている。
【0098】
新HDMIケーブルは、従来HDMIケーブル(図12(a)参照)に比べて、接続すべき個々の銅線の数が増えている。この新HDMIケーブルでは、ケーブルの両端のプラグの専用ピンにて接続されていた各シールドツイストペア部を構成するドレイン線は、プラグの金属製のシェルに接続される。そのため、シールド用ピンが開放され、プラグの必要ピン数の増加が回避され、新HDMIケーブルにおけるプラグは、従来HDMIケーブルのプラグと同様のものとされる。なお、金属製シェルは従来、外部への輻射などを防止する目的で設けられているため、接続確立時に接続される機器内で接地レベルに接続されることから、これまでとの機能的な差異はない。
【0099】
このように、各シールドツイストペア部を構成するドレイン線がプラグの金属製のシェルに接続されるものにあっては、プラグが差し込まれるレセプタクルのシェルが接地レベルと接続されていることにより、差動信号ラインのシールドを確保することができる。また、この場合、ケーブルの両端のプラグの金属製のシェルはドレイン線で短絡(ショート)された状態となり、ケーブルの両端の接地レベルが共有され、同一レベルとなる。これにより、ケーブルの伝送能力やノイズ耐性などを向上させることができる。
【0100】
図14は、ケーブル200として使用される新HDMIケーブルの他の構造例を示している。この新HDMIケーブルは、断面形状を平たくしたことを除き、実質的な構造は、上述の図13に示す新HDMIケーブルと同様である。なお、このように断面形状を平たくすることで、断面積を小さくでき、また、インピーダンス整合を取りやすくなることが知られている。
【0101】
[新HDMI機能によるビデオデータ伝送の可否判別]
次に、ソース機器110の制御部114における新HDMI機能によるビデオデータ伝送の可否判別について説明する。制御部114は、ケーブルが新HDMIケーブルで、かつシンク機器が新HDMI機器である場合、新HDMI機能によるビデオデータ伝送が可能であると判断する。なお、図1に示すAVシステム10おいては、上述したように、ケーブル200は新HDMIケーブルであり、シンク機器120は新HDMI機器である。
【0102】
図15のフローチャートは、制御部114における新HDMI機能によるビデオデータ伝送の可否判別の手順の一例を示している。制御部114は、ステップST1において、処理を開始し、その後に、ステップST2の処理に移る。このステップST2において、制御部114は、ソース機器110が新HDMI機能によるビデオデータ伝送のためのデータ送受信部を備えた新HDMI機器であるか否かを判断する。制御部114は、自身が存在するソース機器110の能力情報を予め備えていることから、この判断に関しては容易に行うことができる。なお、ソース機器110が新HDMIに対応していることが明らかであるので、制御部114は、このステップST2の判断処理を省略してもよい。
【0103】
ソース機器110が新HDMIに対応していると判断するとき、制御部114は、ステップST3において、ケーブルを介して接続されているシンク機器が新HDMI機能によるビデオデータ伝送のためのデータ送受信部を備えた新HDMI機器であるか否かを判断する。この判断の詳細については、後述する。シンク機器が新HDMI機器であると判断するとき、制御部114は、ステップST4の処理に移る。このステップST4において、制御部114は、ケーブルが新HDMケーブル(図13参照)に対応しているか否かを判断する。この判断の詳細については、後述する。
【0104】
ケーブルが新HDMIケーブルであると判断するとき、制御部114は、ステップST5の処理に移る。このステップST5において、制御部114は、新HDMI機能によるビデオデータ伝送が可能であると判断する。この場合には、ソース機器110は、ケーブルを介して接続されているシンク機器との間で、従来HDMI機能によるビデオデータ伝送によるビデオデータ伝送に加えて、新HDMI機能によるビデオデータ伝送が可能となる。
【0105】
ステップST2でソース機器110が新HDMI機器でないと判断するとき、制御部114は、ステップST6の処理に移る。また、ステップST3でシンク機器が新HDMI機器でないと判断するとき、制御部114は、ステップST6の処理に移る。さらに、ステップST4でケーブルが新HDMIケーブルでないと判断するとき、制御部114は、ステップST6の処理に移る。このステップST6において、制御部114は、新HDMI機能によるビデオデータ伝送が不可能であると判断する。この場合には、ソース機器110は、ケーブルを介して接続されているシンク機器との間で、従来HDMI機能によるビデオデータ伝送のみが可能となる。
【0106】
なお、制御部114は、例えば、ステップST3でシンク機器120が新HDMI機器であると判断したとき、最終的な判断結果を、ケーブルを介して、シンク機器に送信する。この判断結果の送信は、例えば、従来HDMI伝送システムのCECライン、あるいは新TMDSチャネルに対応したデータラインペアなどを用いることで行われる。シンク機器は、このソース機器110から送られてくる判断結果に基づき、ソース機器110との間における新HDMI機能によるビデオデータ伝送の可否を判断できる。
【0107】
また、制御部114は、ステップST5で新HDMI機能によるビデオデータ伝送が可能であると判断するとき、その旨を示すUI画面を、例えば、図16(a)に示すように、表示部(ディスプレイ)に表示するように制御してもよい。このUI画面により、ユーザは、新HDMI機能によるビデオデータ伝送が可能であることを、容易に把握できる。なお、UI画面が表示される表示部(ディスプレイ)は、ソース機器110に設けられた図示しない表示部(ディスプレイ)、あるいは、シンク機器120に設けられた図示しない表示部(ディスプレイ)である。これは、以下の各UI表示に関しても同様である。
【0108】
また、制御部114は、ステップST4でケーブルが新HDMIケーブルでないと判断し、ステップST6の処理に移るとき、その旨を示すUI画面を、例えば、図16(b)に示すように、表示部(ディスプレイ)に表示するように制御してもよい。このUI画面により、ユーザは、ソース機器110およびシンク機器は新HDMI機器であるが、ケーブルが新HDMIケーブルでないことを容易に認識でき、ケーブルを新HDMIケーブルに取り替える等の対策を容易にとることができる。
【0109】
[新HDMI伝送システムの伝送開始時および終了時における手順]
次に、図1に示すAVシステム10における新HDMI伝送システムの伝送開始時および終了時における手順について説明する。図17のシーケンス図は、その手順の一例を示している。
【0110】
2つの新HDMI差動データライン(新TMDSチャネルに対応したデータラインペア)の両方が未使用である場合、新TMDSチャネル#0は従来HDMI接続におけるソース機器からシンク機器への伝送が可能となるように、新TMDSチャネル#1は従来HDMI接続におけるシンク機器からソース機器への伝送が可能になるように、予め構成されている。また、チャネル#0あるいはチャネル#1のいずれか一方が使用中で、他方が未使用であった場合は、双方の機器は、未使用新TMDSチャネルを開放しておく。
【0111】
また、同相信号の送信機、受信機は常に動作しており、送信機はバスが未使用、つまりハイインピーダンス状態にあることを確認した上でドライブし、コマンドを送信する。
【0112】
ビデオデータを伝送しようとする一方の機器は、1つしか未使用の新TMDSチャネルが存在していない場合は、他方の機器に対して、未使用の新TMDSチャンネルの同相信号としてネゴシエーション要求・コマンド(図7(d)参照)を送付する(図中(1)参照)。ここで、一方の機器は、図中および以降、「Source」と示し、必ずしも既存HDMI接続におけるソース機器とは限らない。また、他方の機器は、図中および以降、「Sink」と示し、必ずしも既存HDMI接続におけるシンク機器とは限らない。
【0113】
ネゴシエーション要求を送信した「Source」は未使用新TMDSチャネルの差動信号送受信機を送信構成にする。ネゴシエーション要求を受信した「Sink」は未使用の新TMDSチャネルの差動信号送受信機を受信構成にし、待機する。2つの新TMDSチャネルの両方とも未使用であった場合は、図中(1)の動作は必要なく、自身の送信方向に対応している新TMDSチャネルの差動信号を用いて、以降の手順を実施する。
【0114】
「Source」は、新TMDSチャネルの差動信号を用いて、伝送要求(コマンド)を「Sink」へ送付する(図中(2)参照)。この伝送においては、高速な伝送は必要とされず、受信側でのクロック同期を必要としない十分低速な信号で構わない。
【0115】
この伝送要求には、2つの新TMDSチャネルの両方とも未使用であった場合は、使用する新TMDSチャネルの本数(1または2)に関する情報が含まれる。また、この伝送要求には、既存HDMIの送信方向と同じであった場合は、既存HDMI送信との同期の有無(有または無)に関する情報が含まれる。さらに、この伝送要求には、ビデオデータ伝送時の伝送周波数(クロック周波数)に関する情報が含まれる。この伝送周波数に関する情報は、別途予め取得済の「Sink」の受信能力に関する情報(EDID)を考慮し、「Sink」の受信能力を超えないものとされる。
【0116】
伝送要求(コマンド)の送信を完了した「Source」は、実際にビデオデータの伝送を行う新TMDSチャネル(#0または#1、またはその両方)に対して、「Sink」側でクロック生成を安定して行うための、先に通知した伝送周波数の訓練用データ(ランダムデータ)を、実際に新TMDSチャネルの差動信号として伝送する(図中(3)参照)。この訓練用データは、ビデオ信号に含まれる各種タイミング信号(垂直同期信号及び水平同期信号)を含まない、クロック抽出訓練に適したランダムなパターンの信号となる。
【0117】
「Sink」側は、予め取得した伝送周波数の情報に基づき、自身のクロック抽出回路を動作させ、「Source」から送信される訓練データを用いて、クロックの抽出を試みる。「Sink」側が安定して受信データからクロック情報の抽出が可能になった段階で、受信している新TMDSチャンネルの同相信号を用いて、同期フラグ・コマンド(図7(c)参照)を送信し、「Source」側へビデオデータ受信準備完了を報告する(図中(4)参照)。この同期フラグ・コマンドの送信は、2つの新TMDSチャネルの双方を用いた伝送を行う際には、それぞれのチャネルに対して行う。
【0118】
伝送を行う新TMDSチャネルの全て(#0または#1、またはその両方)から同期フラグ・コマンドを受信後、「Source」は、新TMDSチャネルの差動信号として、ビデオデータの送信を開始する(図中(5)参照)。以上の手順で新HDMI差動データラインを用いたビデオデータの伝送が開始される。
【0119】
また、「Source」機器が、ビデオコンテンツの解像度の変更を行う際、あるいは「Sink」の電源が落とされ、ビデオコンテンツの受信が不要になった場合などにおいては、新TMDSチャンネルはリセットされ、「Source」および「Sink」から解放され、未使用となる。新TMDSチャンネルのリセットは、チャンネル毎に独立して実施されてもよい。
【0120】
新TMDSチャンネルをリセットしたい機器(図中の場合は「Source」だが、「Sink」がリセットを要求する場合もある)は、差動信号でビデオデータ伝送中の新TMDSチャネル(#0または#1、またはその両方)の同相信号として、リセットフラグ・コマンド(図7(b)参照)を相手に伝送する(図中(6)参照)。
【0121】
リセットフラグ・コマンドを受信した機器は、伝送中の自身の新TMDSチャンネルの受信機、あるいは送信機を非アクティブ状態にして、ビデオデータ伝送中の新TMDSチャネルを開放し、未使用状態とする(図中(7)、(8)参照)。再度、ビデオデータ伝送を開始する際は、上述した図中(1)からの手順を再度実施することにより、再開される。
【0122】
[ビデオデータ伝送例]
次に、図1に示すAVシステム10におけるビデオデータ伝送例を説明する。
【0123】
「伝送例1:4K2K、60Hz、プログレッシブビデオデータ伝送」
この伝送例1では、従来HDMI伝送システム(データ送信部112、データ受信部122)と、新HDMI伝送システム(データ送受信部113、データ送受信部123)とが、同等の伝送を同期して行い、4K2K、60Hz、プログレッシブビデオデータが伝送される。
【0124】
図18は、伝送例1を示している。図中、TMDSチャネル#0,#1,#2およびTMDSクロックチャネルは、従来HDMI伝送システム部分であり、従来HDMI規格に従って、4K2K、30Hz、プログレッシブビデオデータを、伝送する。この伝送は、ソース機器110のデータ送信部112およびシンク機器120のデータ受信部122により行われる。
【0125】
ここでは、1ピクセルクロック区間、つまり1TMDSクロック(TMDS Clock)サイクル当たり、各チャネルにおいて、8ビットのビデオデータが10ビットデータとして伝送される。各チャネルの伝送レートは、ピクセルクロックレート(297MHz)の10倍の2.97Gbpsとなる。この場合、1TMDSクロックサイクル当たり、チャネル#0では青色(B)の8ビットデータ、チャネル#1では緑色(G)の8ビットデータ、チャネル#2では赤色(R)の8ビットデータが伝送される。
【0126】
また、図中、新TMDSチャネル#0,#1は、新HDMI伝送システム部分であり、残りの、4K2K、30Hz、プログレッシブビデオデータを、伝送する。この伝送は、ソース機器110のデータ送受信部113およびシンク機器120のデータ送受信部123により行われる。
【0127】
ここでは、1ピクセルクロック区間、つまり1TMDSクロック(TMDS Clock)サイクル当たり、各チャネルにおいて、12ビットのデータが15ビットデータとして伝送される。各チャネルの伝送レートは、ピクセルクロックレート(297MHz)の15倍の4.45Gbpsとなる。つまり、新TMDSチャネルは、従来TMDSチャネルの1.5倍の伝送能力を持つことになる。この場合、TMDSクロックサイクル当たり、各チャネルにおいて、青色(B)、緑色(G)、赤色(R)の各データが4ビットずつ伝送される。これにより、TMDSクロックサイクル当たり、2つの新TMDSチャネルで、各色の8ビットデータが伝送される。
【0128】
図19は、上述したように、4K2K、60Hz、プログレッシブビデオデータの伝送を行う場合におけるソース機器110およびシンク機器120の構成の、より詳細な構成例を示すブロック図である。この図19において、図1と対応する部分には、同一符号を付し、適宜、その詳細説明を省略する。
【0129】
ソース機器110は、上述したデータ送信部112およびデータ送受信部113の他に、フレーム分割処理部115と、フレームバッファ116a,116bと、分周器117を有している。フレーム分割処理部115では、ビデオデータ、オーディオデータが、フレーム分割、つまりフレーム単位で分割される。そして、フレーム分割処理部115では、奇数フレームからなる第1のビデオデータおよびそれに対応した第1のオーディオデータと、偶数フレームからなる第2のビデオデータおよびそれに対応した第2のオーディオデータが得られる。
【0130】
ここで、送信すべきビデオデータは、4K2K、60Hzプログレッシブビデオデータである。このビデオデータがフレーム分割されて得られる第1のビデオデータ、第2のビデオデータは、4K2K、30Hzプログレッシブビデオデータとなる。
【0131】
フレームバッファ116aでは、フレーム分割処理部115で得られた第1のビデオデータ、第1のオーディオデータが一時的に蓄積される。フレームバッファ116bでは、フレーム分割処理部115で得られた第2のビデオデータ、第2のオーディオデータが一時的に蓄積される。分周器117では、分割前のビデオデータに対応したピクセルクロックが1/2分周されてTMDSクロックを生成され、データ送信部112およびデータ送受信部113に供給される。
【0132】
データ送信部112は、上述したように、従来HDMI伝送システムを構成している。このデータ送信部112では、ケーブル200のTMDSチャネル#0,#1,#2のデータラインペアにより、ビデオデータおよびオーディオデータが、シンク機器120のデータ受信部122に送信される。また、データ送受信部113は、上述したように、新HDMI伝送システムを構成している。このデータ送受信部113では、ケーブル200の新TMDSチャネル#0,#1のデータラインペアにより、ビデオデータおよびオーディオデータが、シンク機器120のデータ送受信部123に送信される。
【0133】
データ送信部112およびデータ送受信部113では、それぞれ、分割ビデオデータとしての第1、第2のビデオデータが、フレーム毎に、連結すべき他の分割ビデオデータの存在を示す第1の情報、および、当該他の分割ビデオデータとの同期をとるための第2の情報が付加されて送信される。第2の情報は、タイムコード情報と、このタイムコード情報が示すタイムコードを持つ2つのフレームにおける配列順を示す配列情報とからなっている。
【0134】
データ送信部112、データ送受信部113では、それぞれ、フレーム毎の第1の情報および第2の情報が、分割ビデオデータとしての第1、第2のビデオデータのブランキング期間に挿入されて送信される。例えば、データ送信部112、データ送受信部113では、第1の情報および第2の情報が、HDMI・ベンダー・スペシフィック・インフォフレームを利用して、シンク機器120に送信される。
【0135】
図20は、HDMI・ベンダー・スペシフィック・インフォフレームのパケット(以下、適宜、「VSIFパケット」という)の構造例を示している。このパケット構造は、CEA861規格にて規定されており、詳細説明は省略する。このVSIFパケットは、パケットヘッダとパケットボディで構成される。図20には、説明を簡単にするため、パケットボディの構造のみを示している。
【0136】
第5バイト(PB5)の第7ビットに、第1の情報を構成する「DualLink」が配置される。この1ビット情報が“1”である場合、連結すべき他の分割ビデオデータの存在を示す。つまり、この1ビット情報を“1”とすることで、受信側に、本分割ビデオデータと結合すべき他の分割ビデオデータの存在を認識させ、結合(フレーム配列)処理による受信ビデオデータの生成を要求できる。
【0137】
第6バイト(PB6)から第9バイト(PB9)にタイムコード情報が配置される。ここで、第6バイト、第7バイト、第8バイトおよび第9バイトは、それぞれ、タイムコードの「フレーム」、「秒」、「分」および「時」を表す。また、第10バイト(PB10)の第7ビットに、配列情報としての「Even/Odd」が配置される。この1ビット情報が“0”である場合、当該フレームは偶数(Even)フレームであることを示す。一方、この1ビット情報が“1”である場合、当該フレームは奇数(Odd)フレームであることを示す。
【0138】
シンク機器120は、ケーブル200で送られてくる各分割ビデオデータについて、それに付加されているVSIFパケットの「DualLink」の情報により、結合処理による受信ビデオ信号の生成が要求されていることを把握できる。また、シンク機器120は、各分割ビデオデータについて、VSIFパケットの第6バイトから第9バイトのタイムコード情報から同じタイムコードを持つ2つのフレームを順次認識できる。そして、シンク機器120は、「Even/Odd」の1ビット情報で示す配列順により配列して、合成された受信ビデオデータを生成できる。
【0139】
図19に戻って、シンク機器120は、上述したデータ受信部122およびデータ送受信部123の他に、制御部124と、フレームバッファ125a,125bと、フレーム配列処理部126と、逓倍器127を有している。
【0140】
データ受信部122は、上述したように従来HDMI伝送システムを構成している。このデータ受信部122では、ソース機器110のデータ送信部112からケーブル200のTMDSチャネル#0,#1,#2のデータラインペアにより送られてくる第1のビデオデータが受信される。また、データ送受信部123は、上述したように新HDMI伝送システムを構成している。このデータ送受信部123では、ソース機器110のデータ送受信部113からケーブル200の新TMDSチャネル#0,#1のデータラインペアにより送られてくる第2のビデオデータが受信される。
【0141】
上述したように、分割ビデオデータとしての第1、第2のビデオデータには、それぞれ、フレーム毎に、連結すべき他の分割ビデオデータの存在を示す第1の情報、および、この連結すべき他の分割ビデオ信データとの同期をとるための第2の情報が付加されている。
【0142】
フレームバッファ125aでは、データ受信部122で受信された第1のビデオデータ、第1のオーディオデータが一時的に蓄積される。フレームバッファ125bでは、データ送受信部123で受信された第2のビデオデータ、第2のオーディオデータが一時的に蓄積される。フレーム配列処理部126では、フレームバッファ125aに保持されている第1のビデオデータ、第1のオーディオデータと、フレームバッファ125bに保持されている第2のビデオデータ、第2のオーディオデータがフレーム配列されて合成される。これにより、フレーム配列処理部126では、受信ビデオデータおよび受信オーディオデータが生成される。
【0143】
ここで、制御部124では、第1、第2のビデオデータに付加されている第1の情報(VSIFパケットの「DualLink」の1ビット情報)により、各ビデオデータが結合対象であって、結合処理による受信ビデオデータの生成が要求されていることが把握される。そして、制御部124により、フレーム配列処理部126における配列処理が起動される。
【0144】
フレーム配列処理部126では、第1、第2のビデオデータに付加されている第2の情報(タイムコード情報、配列情報)に基づいて、フレーム配列処理が行われて、受信ビデオデータ、受信オーディオデータが生成される。すなわち、フレーム配列処理部126では、VSIFパケットのタイムコード情報から同じタイムコードを持つ2つのフレームが順次認識され、「Even/Odd」の1ビット情報で示す配列順により配列されて、合成された受信ビデオデータ、受信オーディオデータが得られる。
【0145】
逓倍器127では、データ受信部122あるいはデータ送受信部123、この実施の形態においては、データ送受信部123で得られたTMDSクロックが2逓倍されてピクセルクロックが生成される。このピクセルクロックは、シンク機器120において、受信ビデオデータ、受信オーディオデータを処理するために使用される。
【0146】
「伝送例2:フルHD、60Hz、16ビットディープカラービデオデータ伝送」
この伝送例2では、従来HDMI伝送システム(データ送信部112、データ受信部122)と、新HDMI伝送システム(データ送受信部113、データ送受信部123)とが、上述の伝送例1と同様に、連携使用される。そして、この伝送例2では、1920×1080ピクセル、60Hz、プログレッシブビデオデータ(RGBの各色情報は16ビットである)が伝送される。
【0147】
図21は、伝送例2を示している。図示のように、従来HDMI伝送路では、各色16ビットのうち、上位8ビットが伝送される。これは、24ビットの非ディープカラー(Deep Color)モードで伝送されるべき、ビデオデータとなる。また、新HDMI伝送路で、各色16ビットのうち、下位8ビットが伝送される。この新HDMI伝送路で伝送された色情報が従来HDMI伝送路で伝送された色情報と同期して用いられることにより、各色16ビットのディープカラーモードでの表示が可能となる。
【0148】
この際、上述の図19のソース機器(送信機)110中のフレーム分割処理部115は色情報分割処理部となり、フレームバッファ116aには、色情報のうち、上位8ビットが格納され、データ送信部112へ送られる。同様に、フレームバッファ116bには、色情報のうち、下位8ビットが格納され、データ送受信部113に送られる。また分周器117は使用されず、ピクセルクロックはそのままTMDSクロックとして伝送される。
【0149】
図19中のシンク機器(受信機)120では、データ受信部122にて受信した色情報の上位8ビットは、フレームバッファ125aに格納される。同様に、データ送受信部123にて受信した色情報の下位8ビットはフレームバッファ125bに格納される。フレーム配列処理部126は、この場合、色情報統合部となり、フレームバッファ125aおよびフレームバッファ125bにて受信した色情報が統合されて16ビットのデータとして成型される。この場合、逓倍器127は使用されず、受信したTMDSクロックがピクセルクロックとして後段に渡される。
【0150】
以上のようにして、伝送例2においては、従来HDMI伝送路と新HDMI伝送路を同期させて伝送することにより、高品位な色情報を持ったビデオデータの伝送が可能になる。
【0151】
「伝送例3:フルHD、60Hz、フレームパッキング方式3Dビデオデータ伝送」
この伝送例3では、従来HDMI伝送システム(データ送信部112、データ受信部122)と、新HDMI伝送システム(データ送受信部113、データ送受信部123)とが、上述の伝送例1と同様に、連携使用される。そして、この伝送例3では、1920×1080ピクセル、60Hz、フレームパッキング方式の3Dビデオデータが伝送される。
【0152】
図22は、伝送例3を示している。図中BiL[7:0]、GiL[7:0]、RiL[7:0]はそれぞれ左目用信号の青色、緑色、赤色の信号(データ)を、BiR[7:0]、GiR[7:0]、RiR[7:0]はそれぞれ右目用信号の青色、緑色、赤色の信号(データ)を示す。
【0153】
図に示すように、従来HDMI伝送路で左目用ビデオ信号(左目ビデオデータ)が伝送され、新HDMI伝送路で右目用ビデオ信号(右目ビデオデータ)が伝送される。従来HDMI伝送路と新HDMNI伝送路の双方で同期して伝送されることにより、フレームパッキング方式の3Dビデオ信号の伝送が可能になる。
【0154】
この際、上述の図19のソース機器(送信機)110中のフレーム分割処理部115は元々のビデオ信号が通常の2Dビデオ信号で、ソース機器(送信機)110内で3Dビデオ信号が生成される場合は、左目用・右目用ビデオフレーム生成部となる。元々のビデオ信号が既に3Dビデオ信号となっている場合、本ブロックは存在しなくてもよい。フレームバッファ116aには左目用ビデオ信号が格納されて、データ送信部112へ送られる。同様に、フレームバッファ116bには右目用ビデオ信号が格納されて、データ送受信部113へ送られる。ピクセルクロックは、分周器117を経由せず、直接TMDSクロックとして伝送される。
【0155】
図19中のシンク機器(受信機)120では、データ受信部122で受信された信号はフレームバッファ125aに左目ビデオデータとして格納され、データ送受信部123で受信された信号はフレームバッファ125bに右目ビデオデータとして格納される。それぞれ格納された3Dビデオ信号(左目ビデオデータ、右目ビデオデータ)はフレーム配列処理部126にてそれぞれ左目用ビデオフレーム、右目用ビデオフレームとして表示されるべく、後段へ送られる。また、受信されたTMDSクロックは、逓倍器127を経由せず、そのままピクセルクロックとして後段に送られる。
【0156】
以上のようにして、伝送例3においては、従来HDMI伝送路と新HDMI伝送路を同期させて伝送することにより、高度な3Dビデオデータの伝送が可能になる。
【0157】
「伝送例4:従来HDMI伝送システムと新HDMI伝送システムとで逆方向同時伝送」
この伝送例4では、従来HDMI伝送システム(データ送信部112、データ受信部122)によって、ソース機器110からシンク器120に、1080 60Hz、プログレッシブビデオデータが伝送される。また、この伝送例2では、新HDMI伝送システム(データ送受信部113、データ送受信部123)によって、シンク器120からソース機器110に、1080 60Hz、プログレッシブビデオデータが伝送される。
【0158】
図23は、伝送例4を示している。図中、TMDSチャネル#0,#1,#2およびTMDSクロックチャネルは、従来HDMI伝送システム部分であり、従来HDMI規格に従って、1080 60Hz、プログレッシブビデオデータを、ソース機器110からシンク機器120に伝送する。この伝送は、ソース機器110のデータ送信部112およびシンク機器120のデータ受信部122により行われる。
【0159】
ここでは、1ピクセルクロック区間、つまり1TMDSクロック(TMDS Clock)サイクル当たり、各チャネルにおいて、8ビットのビデオデータが10ビットデータとして伝送される。各チャネルの伝送レートは、ピクセルクロックレート(148MHz)の10倍の1.48Gbpsとなる。この場合、1TMDSクロックサイクル当たり、チャネル#0では青色(B)の8ビットデータ、チャネル#1では緑色(G)の8ビットデータ、チャネル#2では赤色(R)の8ビットデータが伝送される。
【0160】
また、図中、新TMDSチャネル#0は、新HDMI伝送システム部分であり、1080 60Hz、プログレッシブビデオデータを、シンク機器120からソース機器110に伝送する。この伝送は、ソース機器110のデータ送受信部113およびシンク機器120のデータ送受信部123により行われる。
【0161】
ここでは、1ピクセルクロック区間、つまり1TMDSクロック(TMDS Clock)サイクルの前半で12ビットのデータが15ビットデータとして伝送され、その後半で、12ビットのデータが15ビットデータとして伝送される。この新TMDSチャネル#0の伝送レートは、ピクセルクロックレート(148MHz)の30倍の4.44Gbpsとなる。
【0162】
つまり、新TMDSチャネ#0は、従来TMDSチャネルの3倍の伝送能力を持つことになる。この場合、TMDSクロックサイクルの前半、後半のそれぞれ、新TMDSチャネル#0において、青色(B)、緑色(G)、赤色(R)の各データが4ビットずつ伝送される。これにより、TMDSクロックサイクル当たり、新TMDSチャネル#0で、各色の8ビットデータが伝送される。
【0163】
また、図中、新TMDSチャネル#1は、新HDMI伝送システム部分であり、スリープモード(ローパワーモード)に置かれる。なお、新TMDSチャネル#0と新TMDSチャネル#1が逆の状態であってもよい。つまり、新TMDSチャネル#1により、1080 60Hz、プログレッシブビデオデータを、シンク機器120からソース機器110に伝送するようにしてもよい。また、便宜上、図中では、従来HDMI伝送システムと新HDMI伝送システムを同期しているように示しているが、両者は完全に独立しており、必ずしも同期している必要はない。
【0164】
「伝送例5:新HDMI伝送システムのみによるビデオデータ伝送」
この伝送例5では、新HDMI伝送システム(データ送受信部113、データ送受信部123)によって、ソース機器110からシンク器120に、1080 60Hz、プログレッシブビデオデータが伝送される。
【0165】
図24は、伝送例5を示している。図中、新TMDSチャネル#0は、新HDMI伝送システム部分であり、1080 60Hz、プログレッシブビデオデータを、ソース機器110からシンク機器120に伝送する。この伝送は、ソース機器110のデータ送受信部113およびシンク機器120のデータ送受信部123により行われる。この伝送レートは、図23の伝送例4と同様である。
【0166】
また、図中、新TMDSチャネル#1は、新HDMI伝送システム部分であり、スリープモード(ローパワーモード)に置かれる。なお、新TMDSチャネル#0と新TMDSチャネル#1が逆の状態であってもよい。図中、TMDSチャネル#0,#1,#2およびTMDSクロックチャネルは、従来HDMI伝送システム部分であり、スリープモード(ローパワーモード)に置かれる。従来HDMIチャンネルはDC結合の差動チャンネルを4本動作させる必要があり、消費電力が大きい。新HDMIチャンネルを用いることにより、1本のAC結合の差動チャンネルのみで伝送することが可能になり、従来HDMIの凡そ4分の1以下の消費電力での伝送が可能となる。
【0167】
「シンク機器の新HDMIへの対応判断」
制御部114における、シンク機器120が新HDMI機器であるか否かの判断の方法について説明する。この判断方法としては、例えば、以下の第1の判断方法および第2の判断方法がある。
【0168】
「第1の判断方法」
制御部114は、シンク機器からケーブルのDDCライン(SDAラインおよびSCLライン)を用いて読み出したEDIDに基づいて、シンク機器が新HDMI機器であるか否かの判断を行う。EDID自体は、フォーマット上で規定されたデータ構造になっている。このEDIDの所定の場所に、新たに、シンク機器が新HDMI(新しい伝送)に対応しているか否かを示すフラグ情報が新たに定義されるとする。
【0169】
図25は、EDID上に新たに定義されるフラグ情報の例を示している。本来、EDIDは様々なシンク機器120の能力を示すデータ構造体である。図25は、説明の簡単化のために、EDIDの、この発明に関係するバイトのみを示し、最低限に簡素化している。第2ビットに、シンク機器が新HDMI機器であるか否かを示す1ビットのフラグ情報“New Rx Sink”が記載されている。また、第1ビットに、ケーブルが新HDMIケーブルであるか否かを示す1ビットのフラグ情報“New Cable”が新たに定義される。
【0170】
制御部114は、シンク機器から読み出したEDIDに、上述の1ビットのフラグ情報“New Rx Sink”が存在するとき、シンク機器が新HDMI機器であると判断する。すなわち、シンク機器120が現行HDMI機器である場合、シンク機器120から読み出したEDIDに、上述の1ビットのフラグ情報“New Rx Sink”は存在しない。
【0171】
「第2の判断方法」
制御部114は、シンク機器との間で、ケーブルを通じて通信を行うことで、シンク機器が新HDMI機器であるか否かの判断を行う。例えば、制御部114は、CECラインを用いて、コマンドベースで、シンク機器が新HDMI機器であるか否かを確認する。また、例えば、制御部114は、伝送が有効になるまでは未使用のライン、例えばリザーブラインなどを用いて、なんらかの信号のやり取りを行って、シンク機器が新HDMI機器であるか否かを確認する。
【0172】
「ケーブルの新HDMIへの対応判断」
次に、制御部114における、ケーブルが新HDMIケーブルであるか否かの判断の方法について説明する。この判断方法には、例えば、以下の第1〜第5の判断方法がある。第1〜第3の判断方法は、ケーブルが新HDMIケーブルであるとき、このケーブルが持つ情報提供機能を用いて行う判断方法である。
【0173】
「第1の判断方法」
この第1の判断方法の場合、図26に示すように、新HDMIケーブルには、例えば、
プラグに、LSI(Large Scale Integration)が内蔵されている。例えば、ソース機器110から+5Vが供給されている状態で、シンク機器120は、HPDをLに落としている間にCECプロトコルにより、このLSIに、出力を要求する。LSIは、シンク機器120からの出力要求に応じて、このLSI内に実装されるレジスタ値(新HDMI対応である旨、および伝送可能なデータ帯域などのケーブル特性データ)を、シンク機器120に、CECプロトコルで報告する。
【0174】
シンク機器120は、LSIから報告された情報を自身のEDIDに追記する。シンク機器120は、この追記の後に、HPDをHにすることで、ソース機器110にEDIDの読み出しを指示する。制御部114は、シンク機器120から読み出したEDIDに基づいて、ケーブルが新HDMIに対応しているか否かの判断を行う。すなわち、制御部114は、ケーブルが新HDMIケーブルであるなどの情報が含まれているとき、ケーブルが新HDMIケーブルであると判断する。
【0175】
なお、上述では、シンク機器120がCECプロトコルによりLSIに出力を要求するように説明した。しかし、ソース機器110自体、CECプロトコルによりLSIに出力を要求し、LSIからレジスタ値(新HDMI機器である旨、および伝送可能なデータ帯域などのケーブル特性データ)の報告を直接受けるようにすることも考えられる。
【0176】
「第2の判断方法」
この第2の判断方法の場合にも、図26に示すように、新HDMIケーブルには、例えばプラグに、LSIが内蔵されている。ソース機器110は、例えばHPDがLからHに変化するタイミングで、シンク機器120から、その能力を示すEDIDを読み出して取得する。この場合、EDIDは、SDA/SCLのラインを使い、シンク機器120のEEPROM内に書かれているデータをシリアル伝送することにより、ソース側に通知される。
【0177】
LSIは、EDID伝送中に、EDID情報が伝送されるライン、つまりSDA/SCLの信号を観察する。そして、LSIは、ケーブルが新HDMIケーブルであるか否かを示すフラグ情報(図25の所定バイトの第1ビット)が伝送される際に、そのビット値を、ケーブル200が新HDMIに対応している状態、つまりフラグが立っている状態に変更する。つまり、シンク機器120のEDIDROM(EEPROM)上のデータは“00000100”であるが、伝送中にケーブル内のLSIがデータを書換え、ソース機器110が受信する際には“00000110”となる。
【0178】
制御部114は、シンク機器120から読み出したEDIDに基づいて、ケーブルが新HDMI機器であるか否かの判断を行う。すなわち、制御部114は、ケーブルが新HDMIに対応しているか否かを示すフラグ情報(図25の所定バイトの第1ビット)が、新HDMI機器を示す状態になっているとき、ケーブルが新HDMIケーブルであると判断する。
【0179】
図27は、ケーブル内LSIのEDIDデータ書換え回路の一例を示している。このLSIは、SCLライン上のクロックをカウントするカウンタと、このカウンタのカウント値に基づいて、SDAライン上のデータを書き換えるドライバを有している。
【0180】
「第3の判断方法」
この第3の判断方法の場合、図28に示すように、新HDMIケーブルには、例えばプラグに、新HDMI対応である旨、および伝送可能なデータ帯域などの情報を記憶したRFタグチップ(LSI)が内蔵されている。また、ソース機器110のレセプタクル111に、RFタグ読出しチップ(LSI)が内蔵される。この場合、セプタクル111のRFタグ読出しチップとプラグのRFタグチップとの間で近距離無線通信が行われ、RFタグチップに記憶されている情報が、RFタグ読出しチップにより読み出される。
【0181】
制御部114は、RFタグ読出しチップにより読み出される情報に基づいて、ケーブルが新HDMI機器であるか否かの判断を行う。すなわち、制御部114は、RFタグ読出しチップによりケーブルが新HDMIケーブルであるなどの情報が読み出されるとき、ケーブルが新HDMIに対応していると判断する。
【0182】
なお、上述では、ソース機器110のレセプタクル111のRFタグ読出しチップとプラグのRFタグチップとの間で近距離無線通信が行われ、RFタグチップに記憶されている情報がソース機器110側で読み出されるように説明した。しかし、例えば、シンク機器120のレセプタクル121のRFタグ読出しチップとプラグのRFタグチップとの間で近距離無線通信が行われ、RFタグチップに記憶されている情報がシンク機器120側で読み出され、その情報がその後に、ソース機器110側に提供される構成とすることも考えられる。
【0183】
「第4の判断方法」
この第4の判断方法の場合、制御部114は、ケーブルの電気的特性の測定を行うことで、ケーブルが新HDMIケーブルであるか否かを判断する。図29に示すように、ソース機器110の制御部114は、ピン2とピン5に対して測定・検出用のテスト信号(デジタル信号)を発信し、シンク機器120の制御部124がその信号を受信する。なお、従来HDMIケーブルではピン2とピン5に接続される一対の信号線は差動信号の送信路を構成していないが、新HDMIケーブルではピン2とピン5に接続される一対の信号線は差動信号の送信路を構成している(図10(a),(b)参照)。
【0184】
シンク機器120の制御部124は、受信したデジタル信号を、他の経路(例えば、SCL/SDAで示されるHDMIのDDCライン、あるいはCECラインやリザーブラインなど)を通じて、ソース機器110側に通知する。ソース機器110の制御部114は、シンク機器120から通知されたデジタル信号が、自身が送信したデジタル信号との一致を確認することで、ケーブルが新HDMIケーブルであるか否かを判断する。すなわち、制御部114は、受信デジタル信号が送信デジタル信号と一致するとき、ケーブルは新HDMIケーブルであると判断する。
【0185】
図30(a)に示すように、ケーブルが従来(現行)HDMIケーブルである場合、ピン2とピン5に接続される一対の信号線は、シールドツイストペア線となっていない。そのため、ケーブル200が従来HDMIに対応しているとの判断には、“高速のテスト信号は伝達することができない”ということが利用される。この際、ピン2と関連するピン1またはピン3に、ピン2とは関係ない信号を印加することにより、その干渉を利用することも可能である。この干渉により、高速のテスト信号はより伝達しがたくなる。
【0186】
一方、図30(b)に示すように、ケーブルが新HDMIケーブルである場合、ピン2とピン5に接続される一対の信号線は、シールドツイストペア線となる。そのため、ケーブルが新HDMIケーブルに対応しているとの判断には、“高速のテスト信号は伝達することができる”ということが利用される。この際、ピン1またはピン3に、ピン2とは関係ない信号が印加されていたとしても、それらは独立してシールド処理が施されており、印加された信号とピン2が干渉することはなく、テスト信号の伝達に影響することはない。
【0187】
ここで、テスト信号は、例えば、ソース機器110が出力可能な最速のデータ、かつビットエラーレートとしてHDMIが保障する10−9を評価できるだけの十分長いランダムなデータとされる。なお、シンク機器120には通常ビデオ再生のためのフレームバッファメモリが内蔵されているので、この伝送テスト専用のメモリは必要ではないかもしれない。
【0188】
なお、上述の説明では、制御部114は、受信デジタル信号が送信デジタル信号と一致するときだけケーブルが新HDMIに対応していると判断するとした。制御部114は、データの転送速度を遅くして同様のテストを行い、一致するまで上述の判断プロセスを繰り返すことにより、ケーブルの性能を確定し、新HDMIケーブルであると判断するが、その伝送スピード内で実行可能なだけの伝送を行うようにしてもよい。この場合には、従来HDMIケーブルも、新HDMIケーブルであると判断される可能性がある。
【0189】
また、上述の説明では、ピン2とピン5を用いている。しかし、これらのピンの代わりに、従来HDMIケーブルと新HDMIケーブルと間でこれらのピンと同様の関係にあるピン8とピン11を用いてもよい。すなわち、現行HDMIケーブルではピン8とピン11に接続される一対の信号線は差動信号の送信路を構成していないが、新HDMIケーブルではピン8とピン11に接続される一対の信号線は差動信号の送信路を構成している(図10(a),(b)参照)。
【0190】
また、上述の説明では、ソース機器110がシンク機器に送ったデジタル信号(テスト信号)を、それを受信したシンク機器120がソース機器110に通知し、その正否をソース機器110側で判断するものを示した。しかし、デジタル信号(テスト信号)として予め決まったパターンを伝送することにより、シンク機器120が、受信デジタル信号の正否の判定を行って、その結果のみCECなどのラインを通じてソース機器110に通知してもよいし、自身のE−EDIDにその情報を追記してもよい。
【0191】
「第5の判断方法」
この第5の判断方法の場合、制御部114は、ケーブルが、従来HDMIケーブル(以下、適宜、「カテゴリAのケーブル」という)であるか、新HDMIケーブル(以下、適宜、「カテゴリBのケーブル」という)であるかを、プラグ構造の違いから判断する。
【0192】
カテゴリA,Bのケーブルのプラグ構造について説明する。図31は、カテゴリBのケーブルのプラグ212Bの構造を概略的に示している。このプラグ212Bにおいては、金属製のシェル(シールドシェル)221の内側に絶縁体222を介して複数のピン223が配置されている。なお、各部の配設状態はモールド部224により固定保持されている。
【0193】
プラグ212Bがレセプタクル111,121に接続されるとき、この複数のピン223は、それぞれ、このレセプタクル111,121の対応するピンに接続される。このプラグ212Bにおいては、カテゴリ判別のために、複数のピン223のうち、所定のピン223Sと金属製のシェル221との間に、抵抗225が接続されている。この所定のピン223Sは、例えば、レセプタクル111の所定のピン111S、つまり、DDC/CEC Groundに割り当てられているピン番号が17であるピン(図10参照)に対応したピンとされる。
【0194】
図32は、カテゴリAのケーブルのプラグ212Aの構造を概略的に示している。この図32において、図31と対応する部分には同一符号を付し、適宜その詳細説明を省略する。このプラグ212Aにおいても、上述のプラグ212Bと同様に、金属製のシェル(シールドシェル)221の内側に絶縁体222を介して複数のピン223が配置されている。なお、各部の配設状態はモールド部224により固定保持されている。このプラグ212Aにおいては、上述のプラグ212Bとは異なり、所定のピン223Sと金属製のシェル221との間に抵抗225は接続されていない。
【0195】
制御部114は、レセプタクル111の対象ピン(所定のピン111S)に所定の電圧、例えば電源電圧を印加して、ケーブルが、カテゴリAのケーブル(従来HDMIケーブル)であるか、カテゴリBのケーブル(新HDMIケーブル)であるかを判断する。この場合、制御部114は、対象ピンを通じて流れる電流の値に基づいて、ケーブルのカテゴリを判別する。
【0196】
図33は、ケーブル200がカテゴリBのケーブル(新HDMIケーブル)である場合における判別時の状態を示している。ケーブルが新HDMIケーブルである場合、上述したように対象ピン(所定のピン223S)とシールドシェル221との間に抵抗225が接続されている。そのため、スイッチSWが閉じられてレセプタクル111の対象ピン(所定のピン111S)に電源電圧、例えば+5Vが印加されと、破線矢印で示すように、対象ピンを通じて電流が流れる。制御部114のケーブル判別部114aは、このときの電流値の測定結果から抵抗225により導通していると判断し、ケーブルはカテゴリBのケーブルであるとの判別結果を得る。
【0197】
図34は、ケーブルがカテゴリAのケーブル(現行HDMIケーブル)である場合における判別時の状態を示している。ケーブル200が現行HDMIケーブルである場合、上述したように対象ピン(所定のピン223S)とシールドシェル221との間に抵抗225が接続されていない。そのため、スイッチSWが閉じられてレセプタクル111の対象ピン(所定のピン111S)に電源電圧、例えば+5Vが印加されても、対象ピンを通じて電流が流れることはない。制御部114のケーブル判別部114aは、このときの電流値の測定結果から導通していないと判断し、ケーブル200はカテゴリAのケーブルであるとの判別結果を得る。
【0198】
図35のフローチャートは、制御部114におけるケーブルのカテゴリ判別の処理手順の一例を示している。制御部114は、ステップST11において、処理を開始し、その後にステップST12の処理に移る。このステップST12において、制御部114は、スイッチSWを閉じて、レセプタクル111の対象ピン(所定のピン111S)に電圧を印加し、この対象ピンを通じて流れる電流値を測定する。
【0199】
なお、この電流値の測定は、例えば、図33、図34においては、流れる電流の値を直接測定するように示されている。しかし、電流経路に抵抗を配置し、その抵抗による電圧降下を測定することで、間接的に電流値の測定を行うことも可能である。また、この場合における電流値の測定は、大まかな測定でかまわない。ここでは、電流値が0であるか否か程度の測定で充分である。
【0200】
次に、制御部114は、ステップST13において、導通しているか否かを判断する。制御部114は、電流値が0でないときは、導通していると判断する。導通しているとき、制御部114は、ステップST14において、カテゴリBのケーブル(新HDMIケーブル)であると判別し、その後、ステップST15において、処理を終了する。一方、導通していないと判断するとき、制御部114は、ステップST16において、カテゴリAのケーブル(現行HDMIケーブル)であると判別し、その後、ステップST15において、処理を終了する。
【0201】
なお、図36は、ソース機器およびシンク機器が従来HDMI機器である場合に、これらの機器がカテゴリBのケーブル(新HDMIケーブル)で接続された場合を示している。抵抗225が接続されているピン223Sは本来接地ピンとなっているので、このピン223Sはソースおよびシンクの機器内で接地レベルに接続される。また、金属製のシェル(シールドシェル)221もソースおよびシンクの機器内で接地レベルに接続される。そのため、ピン223Sと金属製のシェル(シールドシェル)221との間に抵抗225が接続されていても、ソース機器からシンク機器への伝送ケーブルを通してのデータ伝送に何らかの影響を及ぼすことはなく、従来通りの動作を期待できる。
【0202】
上述したように、図1に示すAVシステム10においては、従来HDMI伝送ステム(データ送信部112、データ受信部122)の他に、新HDMI伝送システム(データ送受信部113、データ送受信部123)が備えられる。そして、この新HDMI伝送システムでは、ケーブル200のAC結合された一対のライン(データラインペア)を介して、DCフリーかつクロック再生可能に符号化された符号化ビデオデータが伝送される。そのため、信号品質の改善と消費電力の低減を図りながら、ビデオデータの伝送帯域の増大を図ることができる。
【0203】
また、図1に示すAV伝送システム10において、新HDMI伝送システムでは、ソース機器110からシンク機器120へのデータ伝送の他、シンク機器120からソース機器110へのデータ伝送も可能である。そのため、部屋間伝送などの新たなアプリケーションに対処可能となる。
【0204】
図37は、アプリケーションの例を示している。部屋1と部屋2にはそれぞれテレビ受信機とHDMI接続されたDVDプレーヤが存在する。部屋1と部屋2の間は新HDMIケーブルにより接続され、部屋1のテレビ受信機がソース機器、部屋2のテレビ受信機がシンク機器とする。各部屋内のHDMI接続は従来HDMIでも新HDMIでも構わないが、従来HDMIの伝送能力を超える出力を持つソース機器であれば、新HDMI接続を用いることにより、部屋内でそのソース出力を視聴することが可能になる。
【0205】
ここで、部屋2のテレビ受信機を視聴している人が部屋1に存在するDVDプレーヤにあるビデオコンテンツを視ようとする際は、部屋1のテレビ受信機が部屋1のDVDプレーヤの出力を新HDMI接続へリピートする。部屋間の新HDMI接続中の従来HDMI部分で本コンテンツに対応するビデオデータが部屋1のテレビ受信機から部屋2のテレビ受信機へ伝送される。このようにして、部屋2のテレビで部屋1に存在するDVDプレーヤのビデオコンテンツを視聴することが可能になる。
【0206】
同様に、部屋1のテレビを視聴している人が部屋2に存在するDVDプレーヤにあるビデオコンテンツを視ようとする際は、新HDMI接続中の新HDMIデータラインで部屋2のDVDプレーヤからの本コンテンツに対応するビデオデータが部屋2のテレビ受信機からリピートされ、伝送される。このようにして、これまでは不可能であった部屋間を跨いだ非圧縮ビデオデータの双方向伝送が実現される。
【0207】
<2.変形例>
なお、上述実施の形態においては、新HDMIケーブルのプラグの形状が、従来HDMIケーブル(現行HDMIケーブル)のプラグの形状と同じであるものを示した。しかし、新HDMIケーブルのプラグの形状を、現行HDMIケーブルのプラグの形状を異ならせ、ソース機器およびシンク機器の一方が新HDMI機器でないとき、これらが新HDMIケーブルで接続されないようにすることもできる。
【0208】
図38(a)は従来HDMIケーブルのプラグの形状を示し、図38(b)は現行HDMIのみに対応したソース機器やシンク機器のレセプタクルの形状を示している。これに対して、図38(c)は新HDMIケーブルのプラグの形状を示し、図38(d)は新HDMI機器であるソース機器やシンク機器のレセプタクルの形状の一例を示している。なお、図39(a)は現行HDMIケーブルのプラグの斜視図であり、図39(b)は新HDMIケーブルのプラグの斜視図を示している。
【0209】
新HDMIケーブルのプラグには凸部(矢印Pで指し示している)が設けられている。そして、新HDMI機器であるソース機器やシンク機器のレセプタクルには、プラグの凸部に対応した凹部(矢印Qで指し示している)が設けられている。この場合、新HDMI機器であるソース機器やシンク機器のレセプタクルの形状は、新HDMIケーブルのプラグの形状に合致し、現行HDMIケーブルのプラグの形状を包含するようにされている。
【0210】
新HDMIケーブルのプラグの形状および新HDMI機器であるソース機器やシンク機器のレセプタクルの形状を上述のように設定することで、新HDMIケーブルは、新HDMIに対応したソース機器やシンク機器のレセプタクルに接続できる。しかし、新HDMIケーブルは、現行HDMI機器であるソース機器やシンク機器のレセプタクルには接続できなくなる。これにより、ソース機器およびシンク機器の一方が新HDMI機器でないとき、これらが新HDMIケーブルで接続されるということはなくなる。つまり、ソース機器およびシンク機器の双方が新HDMI機器であるときのみ、新HDMIケーブルにより、これらの接続が可能となる。
【0211】
上述したように、新HDMI機器であるソース機器やシンク機器のレセプタクルの形状は、新HDMIケーブルのプラグの形状に合致し、現行HDMIケーブルのプラグの形状を包含するようにされている。そのため、現行HDMIケーブルは、従来HDMI機器であるソース機器やシンク機器のレセプタクルだけでなく、新HDMI機器であるソース機器やシンク機器のレセプタクルにも接続できる。
【0212】
また、上述実施の形態においては、ビデオデータが赤色データ、緑色データおよび青色データで構成される例を示した。しかし、ビデオデータが、輝度データ、赤色差データ、青色差データで構成されることもある。この場合においても、本技術を同様に適用できることは勿論である。
【0213】
また、上述実施の形態において、本技術をソース機器およびシンク機器がHDMI規格のデジタルインタフェースで接続されるAVシステムに適用したものである。本技術は、その他の同様のデジタルインタフェースで接続されるAVシステムにも同様に適用できる。
【0214】
また、本技術は、以下のような構成を取ることもできる。
(1)送信ビデオデータをDCフリーかつクロック再生可能に符号化して符号化ビデオデータを得るエンコード部と、
上記エンコード部で得られた符号化ビデオデータを、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、外部機器に、差動信号により送信するビデオデータ送信部とを備える
送信装置。
(2)上記一対のラインを介して、上記外部機器との間で、同相のコマンド信号を通信するコマンド信号通信部をさらに備える
前記(1)に記載の送信装置。
(3)上記符号化ビデオデータの送信を開始する前に、伝送要求を、上記一対のラインを介して、上記外部機器に差動信号により送信する伝送要求送信部をさらに備える
前記(1)または(2)に記載の送信装置。
(4)上記伝送要求には、少なくともクロック周波数の情報が含まれる
前記(3)に記載の送信装置。
(5)上記ビデオ信号送信部は、上記符号化ビデオデータの送信を開始する前に、上記一対のラインを介して上記外部機器にビデオタイミングを含まないランダムデータを送信し、上記コマンド信号通信部が上記外部機器からクロック情報の抽出が可能となったことを示すコマンド信号を受信した後に、上記符号化ビデオデータを上記一対のラインを介して、差動信号により上記外部機器に送信する
前記(2)から(4)のいずれかに記載の送信装置。
(6)上記エンコード部は、上記送信ビデオデータを構成する赤色データ、緑色データおよび青色データのそれぞれ4ビットデータをDCフリーかつクロック再生可能な5ビットデータに符号化し、
上記ビデオデータ送信部は、上記エンコード部で符号化された上記赤色データ、緑色データおよび青色データのそれぞれのDCフリーかつクロック再生可能な5ビットデータからなる15ビットデータ単位で送信する
前記(1)から(5)のいずれかに記載の送信装置。
(7)上記外部機器から、DCフリーかつクロック再生可能に符号化された符号化ビデオデータを、上記伝送路のAC結合された一対のラインを介して、差動信号により受信するビデオデータ受信部と、
上記ビデオデータ受信部で受信された符号化ビデオデータを復号化して受信ビデオデータを得るデコード部とをさらに備える
前記(1)から(6)のいずれかに記載の送信装置。
(8)送信ビデオデータをDCフリーかつクロック再生可能に符号化して符号化ビデオデータを得るステップと、
上記符号化ビデオデータを、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、外部機器に、差動信号により送信するステップとを備える
送信方法。
(9)外部機器から、DCフリーかつクロック再生可能に符号化された符号化ビデオデータを、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、差動信号により受信するビデオデータ受信部と、
上記ビデオデータ受信部で受信された符号化ビデオデータを復号化して受信ビデオデータを得るデコード部とを備える
受信装置。
(10)第1のビデオデータを、伝送路を構成するDC結合された差動信号ラインを介して、外部機器に送信する第1のビデオデータ送信部と、
上記第1のビデオデータに関連した、あるいは上記第1のビデオデータとは独立した第2のビデオデータを、上記伝送路を構成するAC結合された差動信号ラインを介して、上記外部機器に送信する第2のビデオデータ送信部と、
上記第1のビデオデータ送信部および上記第2のビデオデータ送信部の動作を制御する制御部とを備える
送信装置。
(11)上記制御部は、上記第2のビデオデータ送信部が使用状態にないとき、上記AC結合された差動信号ラインを接地する
前記(10)に記載の送信装置。
(12)上記制御部は、上記外部機器が上記第2のビデオデータ送信部に対応しているか否か、および上記伝送路が上記第2のビデオデータ送信部に対応しているか否かに基づいて、上記第2のビデオデータ送信部の動作を制御する
前記(10)または(11)に記載の送信装置。
(13)上記制御部は、上記外部機器が上記第2のビデオデータ送信部に対応しているか否かを、上記外部機器から上記伝送路を介して読み出した該外部機器の能力情報に基づいて判断する
前記(12)に記載の送信装置。
(14)上記制御部は、上記伝送路が上記第2のビデオデータ送信部に対応しているか否かを、上記伝送路が持つ情報提供機能を用いて判断する
前記(12)または(13)に記載の送信装置。
(15)上記伝送路はケーブルであり、
上記制御部は、上記ケーブルのプラグを接続するためのレセプタクルの所定のピンに所定の電圧を印加して、上記伝送路が上記第2のビデオデータ送信部に対応しているか否かを判断する
前記(14)に記載の送信装置。
(16)送信ビデオデータをフレーム分割して得られた複数の分割ビデオデータを得るフレーム分割処理部をさらに備え、
上記第1のビデオデータ送信部は、上記複数の分割ビデオデータのうち一部の分割ビデオデータを上記外部機器に送信し、上記第2のビデオデータ送信部は、上記複数の分割ビデオデータのうち残りの一部の分割ビデオデータを上記外部機器に送信する
前記(10)から(15)のいずれかに記載の送信装置。
(17)上記第1のビデオデータ送信部および上記第2のビデオデータ送信部は、上記分割ビデオデータを、フレーム毎に、連結すべき他の分割ビデオデータの存在を示す第1の情報および該連結すべき他の分割ビデオデータとの同期をとるための第2の情報を付加して送信する
前記(16)に記載の送信装置。
(18)上記第2の情報は、タイムコード情報と、該タイムコード情報が示すタイムコードを持つ複数フレームにおける配列順を示す配列情報とからなる
前記(17)に記載の送信装置。
(19)送信ビデオデータの各画素データを上位ビット側と下位ビット側に2分する画素データ分割処理部をさらに備え、
上記第1のビデオデータ送信部は、上記各画素データの上記上位ビット側のデータを上記外部機器に送信し、上記第2のビデオデータ送信部は、上記各画素データの上記下位ビット側のデータを上記外部機器に送信する
前記(10)に記載の送信装置。
(20)上記第1のビデオデータ送信部は、左目ビデオデータおよび右眼ビデオデータの一方を上記外部機器に送信し、上記第2のビデオデータ送信部は、上記左目ビデオデータおよび右眼ビデオデータの他方を上記外部機器に送信する
前記(10)に記載の送信装置。
(21)上記外部機器から、ビデオデータを、上記AC結合された差動信号ラインを介して、受信するビデオデータ受信部をさらに備え、
上記制御部は、上記第1のビデオデータ送信部および上記第2のビデオデータ送信部の動作の他に、上記ビデオデータ受信部の動作を制御する
前記(10)から(20)のいずれかに記載の送信装置。
(22)外部機器から、伝送路を構成するDC結合された差動信号ラインを介して、第1のビデオデータを受信する第1のビデオデータ受信部と、
上記外部機器から、上記伝送路を構成するAC結合された差動信号ラインを介して、上記第1のビデオデータに関連した、あるいは上記第1のビデオデータとは独立した第2のビデオデータを受信する第2のビデオデータ受信部と、
上記第1のビデオデータ受信部および上記第2のビデオデータ受信部の動作を制御する制御部とを備える
受信装置。
【符号の説明】
【0215】
10・・・AVシステム
81・・・HDMIトランスミッタ
82・・・HDMIレシーバ
83,84・・・HDMI送信/受信部
110・・・ソース機器
111・・・レセプタクル
112・・・データ送信部
113・・・データ送受信部
114・・・制御部
120・・・シンク機器
121・・・レセプタクル
122・・・データ受信部
123・・・データ送受信部
124・・・制御部
200・・・ケーブル
201,202・・・プラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信ビデオデータをDCフリーかつクロック再生可能に符号化して符号化ビデオデータを得るエンコード部と、
上記エンコード部で得られた符号化ビデオデータを、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、外部機器に、差動信号により送信するビデオデータ送信部とを備える
送信装置。
【請求項2】
上記一対のラインを介して、上記外部機器との間で、同相のコマンド信号を通信するコマンド信号通信部をさらに備える
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
上記符号化ビデオデータの送信を開始する前に、伝送要求を、上記一対のラインを介して、上記外部機器に差動信号により送信する伝送要求送信部をさらに備える
請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
上記伝送要求には、少なくともクロック周波数の情報が含まれる
請求項3に記載の送信装置。
【請求項5】
上記ビデオ信号送信部は、上記符号化ビデオデータの送信を開始する前に、上記一対のラインを介して上記外部機器にビデオタイミングを含まないランダムデータを送信し、上記コマンド信号通信部が上記外部機器からクロック情報の抽出が可能となったことを示すコマンド信号を受信した後に、上記符号化ビデオデータを上記一対のラインを介して、差動信号により上記外部機器に送信する
請求項2に記載の送信装置。
【請求項6】
上記エンコード部は、上記送信ビデオデータを構成する色データ、あるいは輝度データおよび色差データのそれぞれ4ビットデータをDCフリーかつクロック再生可能な5ビットデータに符号化し、
上記ビデオデータ送信部は、上記エンコード部で符号化された上記DCフリーかつクロック再生可能な5ビットデータからなる15ビットデータ単位で送信する
請求項1に記載の送信装置。
【請求項7】
上記外部機器から、DCフリーかつクロック再生可能に符号化された符号化ビデオデータを、上記伝送路のAC結合された一対のラインを介して、差動信号により受信するビデオデータ受信部と、
上記ビデオデータ受信部で受信された符号化ビデオデータを復号化して受信ビデオデータを得るデコード部とをさらに備える
請求項1に記載の送信装置。
【請求項8】
送信ビデオデータをDCフリーかつクロック再生可能に符号化して符号化ビデオデータを得るステップと、
上記符号化ビデオデータを、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、外部機器に、差動信号により送信するステップとを備える
送信方法。
【請求項9】
外部機器から、DCフリーかつクロック再生可能に符号化された符号化ビデオデータを、伝送路のAC結合された一対のラインを介して、差動信号により受信するビデオデータ受信部と、
上記ビデオデータ受信部で受信された符号化ビデオデータを復号化して受信ビデオデータを得るデコード部とを備える
受信装置。
【請求項10】
第1のビデオデータを、伝送路を構成するDC結合された差動信号ラインを介して、外部機器に送信する第1のビデオデータ送信部と、
上記第1のビデオデータに関連した、あるいは上記第1のビデオデータとは独立した第2のビデオデータを、上記伝送路を構成するAC結合された差動信号ラインを介して、上記外部機器に送信する第2のビデオデータ送信部と、
上記第1のビデオデータ送信部および上記第2のビデオデータ送信部の動作を制御する制御部とを備える
送信装置。
【請求項11】
上記制御部は、上記第2のビデオデータ送信部が使用状態にないとき、上記AC結合された差動信号ラインを接地する
請求項10に記載の送信装置。
【請求項12】
上記制御部は、上記外部機器が上記第2のビデオデータ送信部に対応しているか否か、および上記伝送路が上記第2のビデオデータ送信部に対応しているか否かに基づいて、上記第2のビデオデータ送信部の動作を制御する
請求項10に記載の送信装置。
【請求項13】
上記制御部は、上記外部機器が上記第2のビデオデータ送信部に対応しているか否かを、上記外部機器から上記伝送路を介して読み出した該外部機器の能力情報に基づいて判断する
請求項12に記載の送信装置。
【請求項14】
上記制御部は、上記伝送路が上記第2のビデオデータ送信部に対応しているか否かを、上記伝送路が持つ情報提供機能を用いて判断する
請求項12に記載の送信装置。
【請求項15】
上記伝送路はケーブルであり、
上記制御部は、上記ケーブルのプラグを接続するためのレセプタクルの所定のピンに所定の電圧を印加して、上記伝送路が上記第2のビデオデータ送信部に対応しているか否かを判断する
請求項14に記載の送信装置。
【請求項16】
送信ビデオデータをフレーム分割して得られた複数の分割ビデオデータを得るフレーム分割処理部をさらに備え、
上記第1のビデオデータ送信部は、上記複数の分割ビデオデータのうち一部の分割ビデオデータを上記外部機器に送信し、上記第2のビデオデータ送信部は、上記複数の分割ビデオデータのうち残りの一部の分割ビデオデータを上記外部機器に送信する
請求項10に記載の送信装置。
【請求項17】
上記第1のビデオデータ送信部および上記第2のビデオデータ送信部は、上記分割ビデオデータを、フレーム毎に、連結すべき他の分割ビデオデータの存在を示す第1の情報および該連結すべき他の分割ビデオデータとの同期をとるための第2の情報を付加して送信する
請求項16に記載の送信装置。
【請求項18】
上記第2の情報は、タイムコード情報と、該タイムコード情報が示すタイムコードを持つ複数フレームにおける配列順を示す配列情報とからなる
請求項17に記載の送信装置。
【請求項19】
送信ビデオデータの各画素データを上位ビット側と下位ビット側に2分する画素データ分割処理部をさらに備え、
上記第1のビデオデータ送信部は、上記各画素データの上記上位ビット側のデータを上記外部機器に送信し、上記第2のビデオデータ送信部は、上記各画素データの上記下位ビット側のデータを上記外部機器に送信する
請求項10に記載の送信装置。
【請求項20】
上記第1のビデオデータ送信部は、左目ビデオデータおよび右眼ビデオデータの一方を上記外部機器に送信し、上記第2のビデオデータ送信部は、上記左目ビデオデータおよび右眼ビデオデータの他方を上記外部機器に送信する
請求項10に記載の送信装置。
【請求項21】
上記外部機器から、ビデオデータを、上記AC結合された差動信号ラインを介して、受信するビデオデータ受信部をさらに備え、
上記制御部は、上記第1のビデオデータ送信部および上記第2のビデオデータ送信部の動作の他に、上記ビデオデータ受信部の動作を制御する
請求項10に記載の送信装置。
【請求項22】
外部機器から、伝送路を構成するDC結合された差動信号ラインを介して、第1のビデオデータを受信する第1のビデオデータ受信部と、
上記外部機器から、上記伝送路を構成するAC結合された差動信号ラインを介して、上記第1のビデオデータに関連した、あるいは上記第1のビデオデータとは独立した第2のビデオデータを受信する第2のビデオデータ受信部と、
上記第1のビデオデータ受信部および上記第2のビデオデータ受信部の動作を制御する制御部とを備える
受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2013−90113(P2013−90113A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228370(P2011−228370)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】