説明

送水ホース用媒介金具

【課題】送水ホースの端部の結合金具相互間もしくは送水ホースの端部の結合金具と送水設備機器の結合金具とを簡単に結合できる送水ホース用媒介金具を提供する。
【解決手段】内部に流通路16,19を形成した連結筒17,20の一端に結合部18,21を設けた一対の媒介金具本体14,15を、前記連結筒17,20で水密にかつ軸方向に伸縮可能に連結し、前記一対の媒介金具本体14,15のそれぞれの結合部18,21を、接続しようとする送水ホース12,13の端部の結合金具34.35相互間に媒介結合できるようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、消防ホース等の大容量送水ホース相互または送水ポンプと大量送水ホースとを結合する際に用いられる送水ホース用媒介金具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、石油コンビナートの石油貯蔵タンクの火災発生時のような大火災に対応できる大容量泡放射システム等に使用される大容量送水ホースあるいは洪水等の天災の発生時に排水用ポンプに接続されて使用される大容量送水ホースにおいて、特に大容量送水ホースは、例えば、口径が400mm、ホースの標準長さが150m、質量が10kg/mもある。
【0003】
大容量送水ホースは、ホース本体の両端部に結合金具が設けられ、結合金具を介して複数本の送水ホース相互または送水ポンプと送水ホースとが結合される。このような大容量送水ホースは、通常は展張車のドラムに巻回されており、展張時にはドラムを回転駆動して大容量送水ホースを地上等に這わせる繰り出し操作とホースの両端部の結合金具同士を結合する操作を行って目的の場所に展張している。
【0004】
しかし、石油コンビナートの石油貯蔵タンクに火災が発生したことを想定した場合、大容量送水が要求されることは然る事ながら、水源から石油貯蔵タンクまで数kmという遠距離になり、数十本の大容量送水ホースを結合して延伸する必要がある。
【0005】
そこで、展張車のドラムに巻回された大容量送水ホースをドラムから繰り出して地上等に這わせながらホースの端部の結合金具同士を結合しているが、結合しようとするホース相互の結合金具同士の間隔が離れている場合、つまり結合金具同士を結合しようとしても結合代以上に離れていて結合できない場合、地上等に這わせたホースを引き寄せて結合する必要がある。
しかし、前述したように、口径が400mmの大容量送水ホースになると、質量が10kg/mもあるため、いったん地上等に這わせた大容量送水ホースを人力で移動(引き寄せる)させることは極めて困難である。ホースの端部に設けられた結合金具を無理に引っ張ると、ホースと結合金具との接続部に亀裂が生じたり、折損する虞もある。
一方、消防ホース等のホースを相互に接続または液体輸送配管の配管相互の接続を行う、雌雄の区別のない一対の同一構造の結合金具本体から構成された結合金具は、本出願人が開発し、登録されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第3107507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述したように、口径が400mmの大容量送水ホースになると、質量が10kg/mもあるため、いったん地上等に這わせた大容量送水ホースを人力で移動(引き寄せる)させることは極めて困難である。ホースの端部に設けられた結合金具を無理に引っ張ると、ホースと結合金具との接続部に亀裂が生じたり、折損する虞もある。
一方、特許文献1に示す消防ホース等のホース相互を雌雄の区別のない一対の同一構造の結合金具本体を用いて接続する結合金具を採用すれば、一対の結合金具本体同士を軸方向に僅かに移動させるだけで結合できるが、一対の結合金具本体が結合代以上に離れている場合には同様な問題がある。
本発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、例えば、展張車のドラムに巻回された大容量送水ホースをドラムから繰り出して地上等に這わせた後、送水ホースの端部の結合金具同士を結合する際に、結合金具同士の間隔が離れている場合、つまり結合金具同士を結合しようとしても結合代以上に離れていて結合できない場合であっても送水ホースを引き寄せることなく結合できる送水ホース用媒介金具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1は、内部に流通路を形成した連結筒の一端に結合部を設けた一対の媒介金具本体を、前記連結筒で水密にかつ軸方向に伸縮可能に連結し、前記一対の媒介金具本体のそれぞれの結合部を、接続しようとする送水ホースの端部の結合金具相互間もしくは送水ホースの端部の結合金具と送水設備機器の結合金具間に媒介結合できるようにしたことを特徴とする送水ホース用媒介金具にある。
【0008】
請求項2は、請求項1の前記一対の媒介金具本体の結合部は、同一構造の結合金具本体であり、前記結合金具本体には、周方向に配列され軸方向に突設した複数の嵌合凸部と、これら嵌合凸部の間に形成された嵌合凹部とを備え、前記結合金具本体の嵌合凸部と嵌合凹部は互いに相手側の結合金具本体の嵌合凹部と嵌合凸部に軸方向に嵌合し、これら嵌合凸部には相手側の結合金具本体の嵌合凸部に周方向に係止して軸方向の移動を規制し、これら一対の結合金具本体を軸方向に係止する係止鉤部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3は、請求項1の前記一対の媒介金具本体の結合部は、一方の媒介金具本体の結合部が雄型結合部で、他方の媒介金具本体の結合部が雌型結合部であることを特徴とする。
【0010】
請求項4は、請求項1〜3のいずれかの前記一対の媒介金具本体の連結筒は、軸方向に伸縮可能に嵌合する二重管構造であり、伸縮長を調節する伸縮長調節機構が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項5は、請求項4の前記調節機構は、連結筒の一方に設けた雄ねじ部と連結筒の他方に設けた雌ねじ部であり、互いに螺合することを特徴とする。
【0012】
請求項6は、請求項1〜5のいずれかの前記連結筒には、前記流通路と連通する計測機器接続ポートが設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項7は、請求項6の前記計測機器接続ポート接続される計測機器は、前記流通路の圧力を検知する圧力計あるいは内圧が設定値を超えたとき、前記流通路の流体を外部に放出する安全機構や送水後の残水を抜く圧抜きバルブあるいは流量を計測する機構であることを特徴とする。
【0014】
請求項8は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の前記一対の媒介金具本体は、結合部と連結筒とが別部材からなり、前記連結筒に対して前記結合部が周方向に回転自在であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、例えば、口径が400mm、質量が10kg/mもある大容量送水ホースであっても、送水ホースの端部の結合金具相互間もしくは送水ホースの端部の結合金具と送水設備機器の結合金具とを簡単に結合できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の各実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は送水ホース用媒介金具の第1の実施形態を示し、11は送水ホース用媒介金具、12、13は例えば口径が400mm、ホースの長さが150m、質量が10kg/mの大容量送水ホースである。この大容量送水ホース12,13は、例えば石油コンビナートの石油貯蔵タンクの火災発生時のような大火災に対応できる大容量泡放射システム等に使用されるホースあるいは洪水等の天災の発生時に排水ポンプに接続されて使用されるホースを想定したものである。
【0018】
まず、送水ホース用媒介金具11について説明すると、第1の媒介金具本体14と第2の媒介金具本体15とから構成されている。第1と第2の媒介金具本体14,15は基本的には同一構造であり、第1の媒介金具本体14は内部に流通路16を形成した連結筒17の一端には結合部18が設けられている。第2の媒介金具本体15は内部に流通路19を形成した連結筒20の一端には結合部21が設けられている。第1の媒介金具本体14の連結筒17は金属管によって円筒状に形成され、この連結筒17の内部には第2の媒介金具本体15の連結筒20が嵌合されている。
【0019】
すなわち、連結筒20は連結筒17より僅かに小径の金属管によって円筒状に形成され、その外周面には雄ねじ部22が形成され、連結筒17の内周面には雄ねじ部22と螺合する雌ねじ部23が形成されている。従って、連結筒17と20とは二重管構造で、例えば、第2の媒介金具本体15を固定し、第1の媒介金具本体14を回転させることにより、雄ねじ部22と雌ねじ部23が螺合して連結筒17と20とが軸方向に伸縮するようになっている。
【0020】
さらに、連結筒20の先端部における外周面には環状溝24が設けられ、この環状溝24には連結筒17の内周面の接触するOリング25が装着され、連結筒17と20は水密に連結されている。連結筒20の基端部における外周面には計測機器接続ポート31が穿設され、この接続ポート31には計測機器として、例えば、流通路16,19の圧力を検知する圧力計32が設けられている。
【0021】
なお、流通路16,19の圧力を検知する圧力計32に代って内圧が設定値を超えたとき、流通路16,19の流体を外部に放出する安全弁や破裂弁等の安全機構を設け、送水ホース用媒介金具11及び大容量送水ホース12,13を保護するようにしてもよい。送水後に残圧が残っていると、金具の離脱がスムーズにできないので、圧抜きバルブを取付けておき、ホース内の圧力を抜いてから軽い操作で離脱できるようにしてもよい。また、流量計や各種センサ等の機器を取付けてもよい。
【0022】
また、第1と第2の媒介金具本体14,15の結合部18,21は、特許第3107507号公報で知られている結合金具と同一構造であり、連結筒17,20の端部に連結された筒本体26を備えている。筒本体26は略円筒形をなし、筒本体26の前端部には、それぞれ複数、例えば6個の嵌合凸部27が一体に突設されている。これらの嵌合凸部27は筒本体26の周方向に等間隔に配列されている。
【0023】
また、これらの嵌合凸部27の間は嵌合凹部28として形成されており、嵌合凸部27の一方の側面27aには段形鉤状の係止鉤部29がそれぞれ形成されている。これらの嵌合凸部27の他方の側面27bの先端角部は円弧状に形成されてガイド部30が形成されている。
【0024】
また、これらの嵌合凸部27の他方の側面27bには、それぞれ付勢機構33が設けられている。これらの付勢機構33は、鋼球と、この鋼球を突出方向に付勢するスプリングとから構成されており、これらの付勢機構33はこれら嵌合凸部27の他方の側面27bに埋め込まれている。従って、これらの嵌合凸部27が相手側の嵌合凹部28内に嵌合されると、鋼球が互いに当接して互いに押圧付勢し、これら嵌合凸部27の他方の側面27bを互いに離反するように付勢する。この結果、これら嵌合凸部27の一方の側面27aは互いに近接するように付勢され、これらの一方の側面27aの係止鉤部29が互いに係合するように付勢されるようになっている。
【0025】
そして、結合部18と結合部34及び結合部21と結合部35が軸方向に衝合された場合には、例えば、一方の結合部18の嵌合凸部27が他方の結合部34の嵌合凹部28内に嵌合し、また他方の結合部34の嵌合凸部27が一方の結合部18の嵌合凹部28内に嵌合し、互いに相補形に嵌合する。同様に、一方の結合部21の嵌合凸部27が他方の結合部35の嵌合凹部28内に嵌合し、また他方の結合部35の嵌合凸部27が一方の結合部21の嵌合凹部28内に嵌合し、互いに相補形に嵌合する。
【0026】
また、前記大容量送水ホース12,13の端部には第1と第2の媒介金具本体14,15の結合部18,21と同一構造の結合部34,35が設けられており、同一構造部分に同一符号を付している。すなわち、結合部34,35には後方に突出する接続管34a,35aが設けられ、接続管34a,35aには大容量送水ホース12,13のホース本体12a,13aが嵌合接続されている。
【0027】
大容量送水ホース12,13の結合部34,35は、通常、展張車のドラムに巻回されている大容量送水ホース12,13をドラムから繰り出して地上等に這わせながら延伸する場合に互いに結合されるが、結合しようとする大容量送水ホース12,13の結合部34,35同士の間隔が離れていて結合部34,35を結合しようとしても結合代以上に離れていて結合できない場合が生じる。
この場合、大容量送水ホース12,13の結合部34と結合部35との間に送水ホース用媒介金具11を介在する。そして、大容量送水ホース12の結合部34と送水ホース用媒介金具11の結合部18とを結合し、大容量送水ホース13の結合部35と送水ホース用媒介金具11の結合部21とを結合する。すると、大容量送水ホース12と大容量送水ホース13とは送水ホース用媒介金具11を介して結合され、結合しようとする大容量送水ホース12,13の結合部34,35同士の間隔が離れていても簡単に結合できる。つまり、大容量送水ホース12,13を互いに引き寄せて結合部34と結合部35とを接近させることなく送水ホース用媒介金具11によって結合できる。
【0028】
また、送水ホース用媒介金具11の連結筒17,20は雄ねじ部22と雌ねじ部23が螺合して結合されているため、例えば、連結筒20を固定し、連結筒17の引っ掛りにレンチ等を引っ掛けて回転させることにより、雄ねじ部22と雌ねじ部23が螺合して連結筒17と20とが軸方向に伸縮する。従って、大容量送水ホース12,13の結合部34と35との間隔に応じて送水ホース用媒介金具11の軸方向の長さを調節できる。
【0029】
図2は送水ホース用媒介金具の第2の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。41は送水ホース用媒介金具、42、43は例えば口径が400mm、ホースの長さが150m、質量が10kg/mの大容量送水ホースである。
【0030】
送水ホース用媒介金具41について説明すると、第1の媒介金具本体44と第2の媒介金具本体45とから構成されている。第1の媒介金具本体44は内部に流通路16を形成した連結筒17を有し、この連結筒17の一端には雌型結合部46が設けられている。第2の媒介金具本体45は内部に流通路19を形成した連結筒20を有し、この連結筒20の一端には雄型結合部47が設けられている。
【0031】
また、大容量送水ホース42の端部には第2の媒介金具本体45の雄型結合部47と同一構造の雄型結合部48が設けられている。大容量送水ホース43の端部には第1の媒介金具本体44の雌型結合部46と同一構造の雌型結合部49が設けられている。雄型結合部48及び雌型結合部49には後方に突出する接続管48a,49aが設けられ、接続管48a,49aには大容量送水ホース42,43のホース本体42a,43aが嵌合接続されている。
【0032】
大容量送水ホース42の雄型結合部48と大容量送水ホース43の雌型結合部49は、通常、展張車のドラムに巻回されている大容量送水ホース42,43をドラムから繰り出して地上等に這わせながら延伸する場合に互いに結合されるが、結合しようとする大容量送水ホース42,43の雄型結合部48と雌型結合部49の間隔が離れていて両結合部48,49を結合しようとしても結合代以上に離れていて結合できない場合が生じる。
この場合、大容量送水ホース42,43の雄型結合部48と雌型結合部49との間に送水ホース用媒介金具41を介在する。そして、大容量送水ホース42の雄型結合部48と送水ホース用媒介金具41の雌型結合部46とを結合し、大容量送水ホース43の雌型結合部49と送水ホース用媒介金具41の雄型結合部47とを結合する。すると、大容量送水ホース42と大容量送水ホース43とは送水ホース用媒介金具41を介して結合され、結合しようとする大容量送水ホース42,43の両結合部48,49同士の間隔が離れていても簡単に結合できる。つまり、大容量送水ホース42,43を互いに引き寄せて雄型結合部48と雌型結合部49とを接近させることなく送水ホース用媒介金具41によって結合できる。
【0033】
なお、前記実施形態においては、連結筒17と20とを雄ねじ部22と雌ねじ部23とで螺合し、例えば、第2の媒介金具本体15,45を固定し、第1の媒介金具本体14,44を回転させることにより、雄ねじ部22と雌ねじ部23が螺合して連結筒17と20とが軸方向に伸縮するようにしたが、これは一つの実施形態を示すものであり、限定されるものではない。
図3は第3の実施形態を示し、第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。
送水ホース用媒介金具50について説明すると、第1の媒介金具本体51と第2の媒介金具本体52とから構成されている。第1と第2の媒介金具本体51,52は基本的には同一構造であり、第1の媒介金具本体51は、結合部54と連結筒53とが別部材からなり、連結筒53に対し結合部54が周方向に回転自在に形成されている。結合部54と連結筒53の間にスラスト玉軸受があり、ホース内圧がかかっていてもスラスト玉軸受で軸加重を受けるので、スムーズに回転させられる。第2の媒介金具本体52は、連結筒53より小径の連結筒55と、この連結筒55の周方向に回転自在な結合部56から構成されている。そして、第1の媒介金具本体51の連結筒53の内部には第2の媒介金具本体52の連結筒55が嵌合されている。従って、連結筒53と55とは二重管構造で、連結筒53と55とを相対的に回転させることにより、雄ねじ部22と雌ねじ部23が螺合して連結筒53と55とが軸方向に伸縮するようになっている。
【0034】
第1の媒介金具本体51の連結筒53の端部にはフランジ部57が一体に設けられている。このフランジ部57には結合部54の内周面に設けられた嵌合凹部58が回転自在に嵌合され、連結筒53に対して結合部54が抜け止めされている。同様に、第2の媒介金具本体52の連結筒55の端部にはフランジ部59が一体に設けられている。このフランジ部59には結合部56の内周面に設けられた嵌合凹部60が回転自在に嵌合され、連結筒55に対して結合部56が抜け止めされている。
【0035】
送水ホース用媒介金具50を構成する第1の媒介金具本体51と第2の媒介金具本体52との連結筒53,55は雄ねじ部22と雌ねじ部23が螺合して結合されているため、連結筒55を固定し連結筒53を回転させることにより雄ねじ部22と雌ねじ部23が螺合して連結筒53と55が軸方向に伸縮する。従って、第1の実施形態と同様に大容量送水ホース12,13の結合部34と35との間隔に応じて送水ホース用媒介金具50の軸方向の長さを調節できる。しかも、結合部54,56は固定状態で、連結筒53と55とを相対的に回転すればよく、操作性を向上できる。
なお、前記実施形態においては、送水ホース用媒介金具を、口径が400mm、ホースの長さが150m、質量が10kg/mの大容量送水ホース用として説明したが、大容量送水ホースに限定されるものではなく、通常規格の消防ホース用としても適用できる。
さらに、大容量送水ホースの端部の結合金具相互間を送水ホース用媒介金具によって媒介結合する場合について説明したが、前記送水ホース用媒介金具は、送水ホースの端部の結合金具と送水ポンプ等の送水設備機器の結合金具間においても媒介結合できる。
【0036】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、送水ホース用媒介金具の一部を断面した側面図。
【図2】本発明の第2の実施形態を示し、送水ホース用媒介金具の一部を断面した側面図。
【図3】本発明の第3の実施形態を示し、送水ホース用媒介金具の一部を断面した側面図。
【符号の説明】
【0038】
11…送水ホース用媒介金具、12,13…大容量送水ホース、14,15…媒介金具本体、16,19…流通路、17,20…接続筒、18,21,34,35…結合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流通路を形成した連結筒の一端に結合部を設けた一対の媒介金具本体を、前記連結筒で水密にかつ軸方向に伸縮可能に連結し、
前記一対の媒介金具本体のそれぞれの結合部を、接続しようとする送水ホースの端部の結合金具相互間もしくは送水ホースの端部の結合金具と送水設備機器の結合金具間に媒介結合できるようにしたことを特徴とする送水ホース用媒介金具。
【請求項2】
前記一対の媒介金具本体の結合部は、同一構造の結合金具本体であり、前記結合金具本体には、周方向に配列され軸方向に突設した複数の嵌合凸部と、これら嵌合凸部の間に形成された嵌合凹部とを備え、前記結合金具本体の嵌合凸部と嵌合凹部は互いに相手側の結合金具本体の嵌合凹部と嵌合凸部に軸方向に嵌合し、これら嵌合凸部には相手側の結合金具本体の嵌合凸部に周方向に係止して軸方向の移動を規制し、これら一対の結合金具本体を軸方向に係止する係止鉤部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の送水ホース用媒介金具。
【請求項3】
前記一対の媒介金具本体の結合部は、一方の媒介金具本体の結合部が雄型結合部で、他方の媒介金具本体の結合部が雌型結合部であることを特徴とする請求項1記載の送水ホース用媒介金具。
【請求項4】
前記一対の媒介金具本体の連結筒は、軸方向に伸縮可能に嵌合する二重管構造であり、伸縮長を調節する調節機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の送水ホース用媒介金具。
【請求項5】
前記調節機構は、連結筒の一方に設けた雄ねじ部と連結筒の他方に設けた雌ねじ部であり、互いに螺合することを特徴とする請求項4記載の送水ホース用媒介金具。
【請求項6】
前記連結筒には、前記流通路と連通する計測機器接続ポートが設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の送水ホース用媒介金具。
【請求項7】
前記計測機器接続ポート接続される計測機器は、前記流通路の圧力を検知する圧力計あるいは内圧が設定値を超えたとき、前記流通路の流体を外部に放出する安全機構や送水後の残水を抜く圧抜きバルブあるいは流量を計測する機構であることを特徴とする請求項6記載の送水ホース用媒介金具。
【請求項8】
前記一対の媒介金具本体は、結合部と連結筒とが別部材からなり、前記連結筒に対して前記結合部が周方向に回転自在であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の送水ホース用媒介金具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−271049(P2007−271049A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−100356(P2006−100356)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(391001169)櫻護謨株式会社 (40)
【Fターム(参考)】