説明

送液装置の接続構造体、燃料電池型発電装置及び電子機器

【課題】電気浸透流ポンプの電極より発生する気泡を確実に除去する。
【解決手段】電気浸透材51の上流側と下流側に電極が設けられた電気浸透流ポンプ50と、電気浸透流ポンプ50の上流側と下流側に液体の流路を形成する流路構造体44,45とを備える送液装置の接続構造体40である。流路構造体44,45には、電気浸透流ポンプ50の上流部と下流部において、流路の内外に通じる脱気孔44d,45dが設けられるとともに、この脱気孔44d,45dを覆うように、気泡を透過させる疎水性膜44f,45fが設けられている。電気浸透流ポンプ50の電極より発生した気泡を疎水性膜44f,45fに透過させ、脱気孔44d,45dより確実に除去するため、吸液体41,42にはスリット41c,42c、親水性膜45gの周りに環状に疎水性膜45f、流路構造体44,45に環状溝44b,45b、直線状溝44c,45cが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気浸透現象を用いた電気浸透流ポンプを備える送液装置の接続構造体、その送液装置の接続構造体を備える燃料電池型発電装置、及びその燃料電池型発電装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギー変換効率の高いクリーンな電源として燃料電池が注目されるようになり、燃料電池自動車、携帯機器、電化住宅などに幅広く実用化されてきている。燃料電池は改質方式と燃料直接方式の2つに分類される。改質方式は、燃料と水から水素を改質器で生成した後に、水素を発電セルに供給する方式であり、燃料直接方式は、燃料と水を改質せずに発電セルに供給する方式である。
【0003】
何れの場合でも、燃料や水を送液するための動力源としてポンプが用いられる。ポンプには、遠心式、容積回転式、容積往復式等といった機械的に動作するものがあるが、機械的可動部を持たずに液体を送液する電気浸透流ポンプが考案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
電気浸透流ポンプは電気浸透現象を用いたものであり、図18に示すように構成されている。図18に示すように、電気浸透流ポンプは、管材504に充填された電気浸透材502と、電気浸透材502の上流側に配置された電極501と、下流側に配置された電極503とを備える。電気浸透材502は、例えば、管材504の流れ方向に配置されたシリカ繊維等の誘電体からなる。
【0005】
電気浸透流ポンプは以下のような原理により動作する。即ち、電気浸透材502の誘電体に液体が接触すると、誘電体の表面が帯電し、その接触界面近傍には液体中のカウンターイオンが集まり、電荷が過剰となる。ここで、電極501と電極503との間に電圧を印加することで電気浸透材502内に電界が生じると、液体中のカウンターイオンが移動し、液体の粘性により液体全体が流れる。なお、電気浸透材502がシリカである場合には、シリカの表面がSi−O-となり、シリカの表面が負に帯電し、液体中には正イオン(カウンターイオン)が集まり、液体中では正電荷が過剰となるので、電極501の電位を電極503の電位よりも高くするように電圧を印加すれば、図18に示すような方向に流体が流れる。
このような原理で駆動する電気浸透流ポンプは、可動部がなく構造が単純であり、小型化が可能、無脈動、無騒音、等の利点がある。
また、電気浸透流ポンプに駆動液体の自己充填機構とガス抜き機構とを持った、電気浸透流ポンプの提案も行なわれている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2006−22807号公報
【特許文献2】特願2006−95958号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、電気浸透流ポンプによる送液を継続すると、両電極に液体の電気分解により気泡が発生する。このため、上流側の電極近傍に発生する気泡は電気浸透流ポンプの上流側に蓄積するため、電気浸透材の有効流路面積を小さくし、液体の送液効率を低下させるおそれがある。また、下流側の電極近傍に発生する気泡は液体とともに下流へ流れるため、下流に設けた流量センサが気泡の通過によって液体の正確な流量を検出できなくなるおそれがある。この問題を解決するために、筆者は特許文献2に示すように電気浸透流ポンプに駆動液体の自己充填機構とガス抜き機構とを持った、電気浸透流ポンプの提案を行ったが、電子機器用の燃料電池型発電装置において電気浸透流ポンプを搭載するためには、より送液効率を高め、且つより小型化となる具体的な実装形態を作り出すことが課題であった。
【0007】
本発明の課題は、電気浸透流ポンプの電極より発生する気泡を確実に除去することができる小型送液装置の接続構造体、その送液装置の接続構造体を用いた燃料電池型発電装置、及びその燃料電池型発電装置を備えた電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、送液装置の接続構造体において、電気浸透材の上流側及び下流側に電極が設けられた電気浸透流ポンプと、前記電気浸透流ポンプの上流側及び下流側に液体の流路を形成し、前記電気浸透流ポンプの上流部に、流路の内外に通じる脱気孔が設けられるとともに、この脱気孔に、気泡を透過させる疎水性膜が設けられている流路構造体と、前記電気浸透流ポンプよりも上流側の送液流路に設けられ、前記電気浸透材の上流側電極が設けられた面と当接して液体を吸収し、前記電極との当接面側から前記疎水性膜側に通じる気泡除去経路が形成されている吸液体と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の送液装置の接続構造体において、前記気泡除去経路は前記吸液体の流路中心側から流路の外側方向に向かって形成されたスリットであることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の送液装置の接続構造体において、前記スリットは流路中心側から流路の外側方向に向かって幅が広がる形状であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、送液装置の接続構造体において、電気浸透材の上流側及び下流側に電極が設けられた電気浸透流ポンプと、前記電気浸透流ポンプの上流側及び下流側に液体の流路を形成し、前記電気浸透流ポンプの下流部に、流路の内外に通じる脱気孔が設けられるとともに、この脱気孔に、気泡を透過させる疎水性膜が設けられている流路構造体と、を備え、前記電気浸透流ポンプよりも下流側の送液流路には、前記疎水性膜が環状に設けられ、前記疎水性膜と同一平面内の中央に液体を透過させる親水性膜が設けられている流路が配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、送液装置の接続構造体において、電気浸透材の上流側及び下流側に電極が設けられた電気浸透流ポンプと、前記電気浸透流ポンプの上流側及び下流側に液体の流路を形成し、前記電気浸透流ポンプの上流部または下流部に、流路の内外に通じる脱気孔が設けられるとともに、この脱気孔に、気泡を透過させる疎水性膜と、外面に前記脱気孔と通じる気泡除去経路となる溝が設けられている流路構造体と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、燃料電池型発電装置において、請求項1〜5のいずれか一項に記載の送液装置の接続構造体と、前記吸液体が挿入される燃料カートリッジと、前記送液装置の接続構造体により前記燃料カートリッジ内の燃料が供給される燃料電池装置と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明は、電子機器において、請求項6に記載の燃料電池型発電装置と、前記燃料電池型発電装置によって発電された電気により動作する電子機器本体と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電気浸透流ポンプの電極より発生する気泡を確実に除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0017】
〔電子機器〕
図1は電子機器1000のブロック図である。電子機器1000は、燃料電池型発電装置1と、燃料電池型発電装置1により生成された電気エネルギーを適切な電圧に変換するDC/DCコンバータ904と、DC/DCコンバータ904に接続される2次電池905と、それらを制御する制御部906と、DC/DCコンバータ904より電気エネルギーが供給される電子機器本体901と、を備える。
【0018】
燃料電池型発電装置1は後述するように、電気エネルギーを生成しDC/DCコンバータ904に出力する。DC/DCコンバータ904は燃料電池型発電装置1により生成された電気エネルギーを適切な電圧に変換したのちに電子機器本体901や制御部906に供給する機能の他に、燃料電池型発電装置1により生成された電気エネルギーを2次電池905に充電し、燃料電池型発電装置1が動作していない時に、2次電池905に蓄電された電気エネルギーを電子機器本体901や制御部906に供給する機能も果たせるようになっている。制御部906は電子機器本体901に安定して電気エネルギーが供給されるように燃料電池型発電装置1やDC/DCコンバータ904の制御を行う。
次に、燃料電池型発電装置1について詳細に説明する。
【0019】
〔燃料電池型発電装置〕
図2は燃料電池型発電装置1のブロック図である。燃料電池型発電装置1は、燃料カートリッジ2,2と、送液装置の接続構造体40,40と、流路制御部60と、マイクロリアクタ6及び発電セル20(燃料電池装置)と、エアポンプ30等とからなる。燃料電池型発電装置1は二つの燃料カートリッジ2,2を持つシステムとしている。
【0020】
流路制御部60は例えば、複数枚の基板を積層した多層基板からなり、流路制御部60には送液装置の接続構造体40,40、マイクロリアクタ6、発電セル20、エアポンプ30が表面実装されている。また、流路制御部60はマイクロバルブ33〜35、及び流量センサ36〜38を備える(内蔵している)。
マイクロバルブ33は、送液装置の接続構造体40,40から気化器7に流れる混合液の流れを開弁・閉弁することによって許容または阻止するon−offバルブである。マイクロバルブ34はエアポンプ30からマイクロリアクタ6内の一酸化炭素除去器9に流れる空気の流量を制御する制御バルブ(可変バルブ)である。マイクロバルブ35はエアポンプ30からマイクロリアクタ6内の燃焼器10に流れる空気の流量を制御する制御バルブ(可変バルブ)である。
【0021】
流量センサ36は燃料カートリッジ2,2からマイクロリアクタ6内の気化器7までの流路中に設けられ、燃料カートリッジ2,2から気化器7に流れる混合液の流量を検出する。流量センサ37はエアポンプ30からマイクロリアクタ6内の一酸化炭素除去器9までの流路中に設けられ、エアポンプ30から一酸化炭素除去器9に流れる空気の流量を検出する。流量センサ38はエアポンプ30からマイクロリアクタ6内の燃焼器10までの流路中に設けられ、エアポンプ30からマイクロリアクタ6内の燃焼器10に流れる空気の流量を検出する。
【0022】
燃料カートリッジ2内には燃料と水の混合液が貯留されている。燃料カートリッジ2,2の壁面には、燃料排出孔が形成されている。燃料排出孔には逆止弁が嵌め込まれている。逆止弁には後述する送液装置の接続構造体40の吸液体41が挿入される。
【0023】
この逆止弁は可撓性・弾性を有する材料(例えば、エラストマー)をダックビル状に形成したダックビル弁であり、そのダックビル状の先端を燃料カートリッジ2,2の内部に向けた状態で嵌め込まれている。逆止弁によって、混合液が燃料排出孔から燃料カートリッジ2の外への漏れを防止することができる。
燃料排出孔は送液装置の接続構造体40,40と対向して設けられ、燃料カートリッジ2,2が送液装置の接続構造体40,40に対して着脱可能とされている。
【0024】
送液装置の接続構造体40,40は、それぞれ吸液体41,42及び電気浸透流ポンプ50を備える。第1の吸液体41は吸液性を有し、燃料排出孔の逆止弁に挿入されて燃料カートリッジ2,2内の混合液を吸収する。第2の吸液体42は第1の吸液体41よりも軟質な繊維材料からなり、第1の吸液体41により吸収された混合液を吸収する。
電気浸透流ポンプ50は後述するように、第2の吸液体42により吸収された混合液を吸引し、マイクロリアクタ6内の気化器7へ送液する。
【0025】
マイクロリアクタ6は、図1に示すように、気化器7、改質器8、一酸化炭素除去器9及び燃焼器10をユニット化したものであり、気化器7が改質器8に通じ、改質器8が一酸化炭素除去器9に通じている。マイクロリアクタ6は真空断熱パッケージ11の中に収容されている。
【0026】
マイクロリアクタ6の流路制御部60との対向面には6つのポート12〜17が設けられている。マイクロリアクタ第一ポート12は気化器7に通じる入力ポート、マイクロリアクタ第二ポート13は一酸化炭素除去器9に通じる入力ポート、マイクロリアクタ第三ポート14は燃焼器10に通じる入力ポート、マイクロリアクタ第四ポート15は燃焼器10からの出力ポート、マイクロリアクタ第五ポート16は燃焼器10に通じる入力ポート、マイクロリアクタ第六ポート17は一酸化炭素除去器9からの出力ポートである。
【0027】
発電セル20は、触媒を担持した燃料極21と、触媒を担持した酸素極22と、燃料極21と酸素極22の間に挟持された電解質膜23とをユニット化したものである。
【0028】
発電セル20の流路制御部60との対向面には4つのポート24〜27が設けられている。発電セル第一ポート24は燃料極21に通じる入力ポート、発電セル第二ポート25は燃料極21からの出力ポート、発電セル第三ポート26は酸素極22に通じる入力ポート、発電セル第四ポート27は酸素極22からの出力ポートである。
【0029】
図2に示すように、エアポンプ30の吸引側にはエアフィルタ31が設けられており、外部の空気がエアフィルタ31を介してエアポンプ30に吸引される。エアポンプ30には排出ポート32が設けられ、エアポンプ30に吸引された空気が排出ポート32から排出され、流路制御部60内の流路を通して、各部に供給される。
【0030】
〔燃料電池型発電装置の動作〕
次に、この燃料電池型発電装置1の動作について説明する。
まず、送液装置の接続構造体40,40の作用によって、燃料カートリッジ2から気化器7へ混合液が送液される。
【0031】
一方、エアポンプ30が作動すると、外部の空気がエアフィルタ31を通ってエアポンプ30に吸引され、吸引された空気が排出ポート32から一酸化炭素除去器9、燃焼器10及び酸素極22に送られる。
【0032】
気化器7に送られた混合液は気化され、気化した燃料と水の混合気は改質器8に送られる。改質器8では、気化器7から供給された混合気から水素及び二酸化炭素が改質反応触媒により生成され、更に微量な一酸化炭素も生成される。なお、燃料カートリッジ2内の混合液がメタノールと水の混合液である場合には、化学反応式(1)、(2)のような触媒反応が改質器8で起こる。
CH3OH+H2O→3H2+CO2 … (1)
2+CO2→H2O+CO … (2)
【0033】
改質器8で生成された混合気は一酸化炭素除去器9に供給されて、エアポンプ30の排出ポート32からマイクロリアクタ第二ポート13経由で供給された空気と混合される。一酸化炭素除去器9では、混合気中の一酸化炭素ガスが化学反応式(3)に示すように選択酸化反応触媒により優先的に酸化(燃焼)されて、一酸化炭素が除去される。
2CO+O2→2CO2 … (3)
【0034】
一酸化炭素が除去された状態の混合気には水素ガスが含まれ、その混合気がマイクロリアクタ第六ポート17から発電セル第一ポート24を経由して、発電セル20の燃料極21に供給される。酸素極22にはエアポンプ30の排出ポート32から発電セル第三ポート26経由で空気が供給される。そして、燃料極21にマイクロリアクタ第六ポート17から発電セル第一ポート24経由で供給された混合気中の水素が、電解質膜23を介して、酸素極22に供給された空気中の酸素と電気化学反応することによって、燃料極21と酸素極22との間で電力が生じる。
【0035】
なお、電解質膜23が水素イオン透過性の電解質膜(例えば、固体高分子電解質膜)の場合には、燃料極21では次式(4)のような反応が起き、燃料極21で生成された水素イオンが電解質膜23を透過し、酸素極22では次式(5)のような反応が起こる。
2→2H++2e- …(4)
2H++1/2O2+2e-→H2O …(5)
【0036】
酸素極22で未反応の空気は発電セル第四ポート27から外部に放出される。燃料極21で未反応の水素が含まれる混合気は出力ポートである発電セル第二ポート25からマイクロリアクタ第五ポート16経由で燃焼器10に送られる。更に、燃焼器10にはエアポンプ30の排出ポート32からマイクロリアクタ第三ポート14経由で空気が供給される。そして、燃焼器10内では水素が酸化されることで燃焼熱が発生し、その燃焼熱によって気化器7、改質器8及び一酸化炭素除去器9が加熱される。そして、各種の生成物を含む混合気が燃焼器10の出力ポートであるマイクロリアクタ第四ポート15から外部に排出される。
【0037】
〔送液装置の接続構造体〕
ここで、送液装置の接続構造体40の詳細な構造について説明する。図3は送液装置の接続構造体40を燃料カートリッジ2側から見た斜視図、図4は送液装置の接続構造体40を流路制御部60側から見た斜視図、図5は送液装置の接続構造体40を燃料カートリッジ2側から見た分解斜視図、図6は送液装置の接続構造体40を流路制御部60側から見た分解斜視図、図7は図3のVII−VII矢視断面図である。
【0038】
送液装置の接続構造体40は、図3〜図7に示すように、電気浸透流ポンプ50と、第1の吸液体41と、第2の吸液体42と、外殻43と、インレット側流路構造体44と、アウトレット側流路構造体45と、等を接合してなる。
【0039】
図8は電気浸透流ポンプ50の分解斜視図である。電気浸透流ポンプ50は、電気浸透材51と、ホルダー52と、引き出し電極53、54とからなる。
電気浸透材51はホルダー52内に側面を密着して納められる。ホルダー52により電気浸透材51の径方向の位置が固定される。
【0040】
電気浸透材51は、誘電体の多孔質材(例えば多孔質のセラミック等)、繊維材又は粒子充填材が円板状に形成されてなり、吸液性を有する。電気浸透材51の両面には、白金等がスパッタ、蒸着等されることにより電極が形成されている。
【0041】
引き出し電極53,54は、電気浸透材51の両面の電極に接触するように配置される。引き出し電極53,54には、電気浸透材51よりも径が小さい円形の開口53a,54aが形成されている。この開口53a,54aの内周部が電気浸透材51の電極の外周部と当接する。引き出し電極53,54により電気浸透材51の軸方向の位置が固定される。
なお、引き出し電極53の開口53aの内部で第2の吸液体42と電気浸透材51とが当接する。電気浸透材51は、第2の吸液体42に浸透した混合液を吸収する。
【0042】
引き出し電極53,54の材料としては、鉄、銅合金、SUS等を用いることができ、電極及び混合液との接触による酸化反応を防止するために金メッキ処理が施されている。引き出し電極と電気浸透材51の電極面との接続は、導電性を持った接着剤(例えば藤倉化成製ドータイトFA−730、XA−819A等)を用いて行うことができる。
【0043】
図9は第1の吸液体41を燃料カートリッジ2側から見た斜視図、図10は第1の吸液体41を流路制御部60側から見た斜視図である。第1の吸液体41は、図9,図10に示すように、棒状部41aと、円板部41bとを一体形成したものである。この第1の吸液体41は硬質な多孔質構造となっており、吸液性を有する。第1の吸液体41は、例えば液体浸透処理を施したポリエチレンまたはポリプロピレン粒子を焼結してできた多孔質体等からなる。
【0044】
棒状部41aは円板部41bの中央に立設されており、強度を保つために外殻43に収納される。外殻43は筒状であり、例えばSUSなどの金属を塑性加工、切削加工等することにより形成される。燃料カートリッジ2,2が流路制御部60に装着された状態では、棒状部41aは外殻43とともに燃料排出孔の逆止弁に挿入され、燃料カートリッジ2,2内の混合液に接触する。そして燃料カートリッジ2,2内の混合液は棒状部41aの先端から第1の吸液体41に吸収される。
【0045】
棒状部41aは燃料カートリッジ2,2の交換により、燃料排出孔の逆止弁に繰り返し着脱(挿抜)されることになるが、外殻43により補強されているため、棒状部41aが繰り返し着脱(挿抜)されることによる破損を防ぐことができる。
【0046】
円板部41bの径はほぼ第2の吸液体42及び電気浸透流ポンプ50の電気浸透材51と同じであり、燃料を多孔質体の芯状部から毛管力によって座面に向かって移動させ、電気浸透材51の有効流路面積に対し、効果的に燃料を接液させるようにしている。
円板部41bには、図9,図10に示すように、放射状に3つのスリット41cが形成されている。
【0047】
第2の吸液体42は第1の吸液体41の円板部41bと電気浸透材51との間に挟まれて配置されている。第2の吸液体42は吸液性を有し、円板部41bに浸透した混合液を吸収する。第2の吸液体42は第1の吸液体41よりも軟質な繊維材料を円板状に形成したものであり、可撓性を有し、弾性変形する。このため、第1の吸液体41から電気浸透材51に伝わる衝撃を和らげることができ、また、第1の吸液体41と電気浸透材51との密着性が良くなる為、効果的に第1の吸液体41により吸収された液体を電気浸透材51に送ることが可能となる。
【0048】
このような第2の吸液体42としては、燃料や水を透湿しやすく親水性の高い材料又は水酸基を内部表面に結合させて親水性を向上させた材料を用いることができ、例えばレーヨン等の不織布やポリウレタン等のスポンジ、フェルト等から形成することができる。
【0049】
第2の吸液体42には、第1の吸液体41の円板部41bと同様に、放射状にスリット42cが刻まれている。
第1の吸液体41及び第2の吸液体42に形成されたスリット41c,42cは、電気浸透材51表面の電極から発生する気泡をポンプ外部に導く気泡除去経路となる。なお、スリット41c,42cの幅は外側に向かう程広くなっており、気泡を外側に逃げやすくしている。
【0050】
インレット側流路構造体44は電気浸透流ポンプ50に対して燃料カートリッジ2側に設けられる。インレット側流路構造体44は中央に外殻43とともに棒状部41aが挿通される導入孔44aを有し、導入孔44aの外周部が上下方向に外殻43と円板部41bとの間に挟持される。
【0051】
インレット側流路構造体44の燃料カートリッジ2側の面には、導入孔44aの周りに環状溝44bが形成され、環状溝44bから外側四方に直線状溝44cが形成されている。環状溝44bには、インレット側流路構造体44を貫通する複数の脱気孔44dが形成されている。この環状溝44b、直線状溝44c及び脱気孔44dが酸素除去経路(気泡除去経路)となる。
インレット側流路構造体44の燃料カートリッジ2側の面が燃料カートリッジ2の面と密着していても、環状溝44b、直線状溝44cが設けられていることにより、脱気孔44dが塞がれることなく、脱気孔44dから排出される気泡を確実に外部に除去することができる。
【0052】
インレット側流路構造体44の電気浸透流ポンプ50側の面には、円板部41bが収納される凹部44eが形成されている。凹部44eには複数の脱気孔44dが貫通しており、脱気孔44dを覆うように環状の疎水性膜44fが貼り付けられている。疎水性膜44fは、酸素や水素といった気体を透過させ、水、メタノールといった液体を透過させない性質を有する。
電子機器に搭載される燃料電池においては、機器の姿勢を固定できない場合がある。特に常時持ち運んで使用するラップトップPCのような機器では、燃料電池本体内に配置された送液装置もまた天地が不定となる。電気浸透流ポンプ50に配置された環状の疎水性膜44fは、電気浸透流ポンプ50の天地が不定となった場合にも、電気浸透材51表面のインレット側の電極から発生した気泡をポンプ内に澱ませることなく安定的に外部に放出することができる。
凹部44eの外周部は引き出し電極53と接合され、第1の吸液体41及び第2の吸液体42のスリット41c,42cから放出される酸素の気泡は脱気孔44dに誘導される。
【0053】
アウトレット側流路構造体45には、流路制御部60側の面の中央に接続管45aが突設され、接続管45aの内部に混合液の流路が形成されている。接続管45aは流路制御部60のマイクロバルブ33へ繋がる流路に接続される。
【0054】
アウトレット側流路構造体45の流路制御部60側の面には、接続管45aの周りに環状溝45bが形成され、環状溝45bから外側四方に直線状溝45cが形成されている。環状溝45bには、アウトレット側流路構造体45を貫通する複数の脱気孔45dが形成されている。この環状溝45b、直線状溝45c及び脱気孔45dが水素除去経路(気泡除去経路)となる。
アウトレット側流路構造体45の流路制御部60側の面と流路制御部60の面が密着していても、環状溝45b、直線状溝45cが設けられていることにより、脱気孔45dが塞がれることなく、脱気孔45dから排出される気泡を確実に外部に除去することができる。
【0055】
アウトレット側流路構造体45の電気浸透流ポンプ50側の面には、接続管45aの流路に繋がる凹部45eが形成されており、凹部45eには脱気孔45dが貫通している。凹部45eには、脱気孔を覆うように環状の疎水性膜45fが貼り付けられているとともに、接続管45aの流路を覆うように親水性膜45gが貼り付けられている。親水性膜45gは、疎水性膜44f,45fとは反対に、水、メタノールといった液体を透過させ、酸素や水素といった気体を透過させない性質を有する。
アウトレット側においても、疎水性膜45fが環状に設けられているので、機器の姿勢によらず、電気浸透材51表面のアウトレット側の電極から発生した気泡をポンプ内に澱ませることなく安定的に外部に放出することができる。
【0056】
疎水性膜44f,45fとしては、例えば最低ブレークスルーポイント(内圧を高めていったときに膜を液体が通過し始める圧力値)が280kPaのアドバンテック製T020Aを、親水性膜45gとしては、例えば最低バブルポイント(内圧を高めていったときに膜を気泡が通過し始める圧力値)が250kPaの日本ポール製SUPOR−450を用いることができる。
(親水性膜の最低バブルポイント及び、疎水性膜の最低ブレークスルーポイントはそれぞれ高いほうが親水性膜の気泡リーク及び、疎水性膜の液体リークを防止できるのだが、膜が緻密となるために親水性膜の液体通過及び、疎水性膜の気泡通過の際に圧力損失を生じポンプ性能の低下を招きかねない。従って、電気浸透材の性能に合わせた親水性膜及び、疎水性膜の設定が必要である。)
【0057】
凹部45eの外周部は引き出し電極54と接合され、陰極から発生される水素の気泡は脱気孔45dに誘導される。
【0058】
なお、インレット側流路構造体44、アウトレット側流路構造体45と引き出し電極53,54との接合、引き出し電極53,54とホルダー52との接合は接着剤を用いてもよいし、4隅に穴を設けネジ止めにする等、本発明の内容に反しない限り、接合条件、形状は自由に変えてもよい。
【0059】
〔送液装置の接続構造体の動作〕
次に、送液装置の接続構造体40の動作について説明する。
まず、燃料カートリッジ2,2を流路制御部60に装着し、棒状部41aを外殻43とともに燃料排出孔の逆止弁に挿入すると、棒状部41aは燃料カートリッジ2,2内の混合液に接触し、燃料カートリッジ2,2内の混合液が棒状部41aの先端から第1の吸液体41に吸収される。
そして、第1の吸液体41に吸収された混合液は、第2の吸液体42、電気浸透材51に浸透する。
【0060】
電気浸透材51に混合液が浸透した状態で、第2の吸液体42と接触する面の電極が陽極、反対側の電極が陰極となるように、2つの引き出し電極53,54間に電圧を印加すると、電気浸透材51内の混合液が陰極側に駆動力を得て移動し、第2の吸液体42内の混合液が陽極側から電気浸透材51内に浸透する。これにより混合液が陽極側から陰極側へ送液される。陰極側へ送液された混合液は親水性膜を透過して接続管45aに流される。
【0061】
混合液の送液を継続すると、混合液中の水の電気分解により陽極の近傍に酸素の気泡が、陰極の近傍に水素の気泡が発生する。酸素の気泡は第1の吸液体41、第2の吸液体42に形成されたスリット41c,42cに沿って外側に案内される。このときスリット41c,42cの幅が外側に向かう程広くなっているため、小さな気泡が互いに結合して大きく成長しながら外側に案内される。
【0062】
スリット41c,42cから放出された酸素の気泡は、インレット側流路構造体44内の凹部44eを経由して、疎水性膜44f、脱気孔44dを通ってインレット側流路構造体44の外側に形成された環状溝44b及び直線状溝44cから外部に放出される。
【0063】
一方、水素の気泡は、混合液により陰極の近傍より流され、アウトレット側流路構造体45内の凹部45eを経由して疎水性膜45f、脱気孔45dを通ってアウトット側流路構造体45の外側に形成された環状溝45b及び直線状溝45cから外部に放出される。なお、接続管45aの流路が親水性膜45gにより覆われているため、水素の気泡は接続管45aの流路に流れることはない。
気泡の移動経路(除去経路)を理解しやすくする為に、気泡をポンプ外部に導く除去経路を、図11、図12及び図13に示す。各図はそれぞれ図5、図6及び図7に対応する図で、図において気泡を白丸で示し、気泡の移動経路を矢印で示している。
なお、インレット側流路構造体44の燃料カートリッジ2側の面が燃料カートリッジ2の面と密着している場合は、インレット側の脱気孔44dから放出された気泡は環状溝44b、直線状溝44cを通って移動する。また、アウトレット側流路構造体45の流路制御部60側の面と流路制御部60の面が密着している場合は、アウトレット側の脱気孔445dから放出された気泡は環状溝45b、直線状溝45cを通って移動する。
燃料を多孔質体の芯状部から毛管力によって座面に向かって移動させる機能と電気浸透材の電極から発生する気泡をポンプ外部に導く気泡除去経路とがこの構造によって同時に成立していることが解る。
【0064】
このように、本実施形態の送液装置の接続構造体40によれば、電気浸透流ポンプ50の電極より発生する気泡を除去することができる。このため、上流側の電極近傍に発生する気泡が蓄積することによって起こる電気浸透材51の有効流路面積が小さくなる現象がなく、液体の送液効率を維持することができる。また、下流側の電極近傍に発生する気泡が液体とともに接続管45aの流路に流れることがないため、下流に設けた流量センサ36を気泡が通過することがなく、液体の正確な流量を検出することができる。
【0065】
また、疎水性膜が環状に形成され、脱気孔が環状に配置されているので、送液装置の接続構造体40が配置される方向に依存せずに気泡を確実に除去することができる。
そして、疎水性膜が環状に形成され、疎水性膜が設けられる同一平面内の中央に液体を透過させる親水性膜が設けられている流路が配置されているので、送液装置の接続構造体40の厚さを薄くすることができる。
【実施例1】
【0066】
疎水性膜としてアドバンテック製T020Aを、親水性膜として日本ポール製SUPOR−450を、組み合わせて用いたところ、液体は親水性膜を通って下流側流路に流れていき、気泡は内圧によって疎水性膜、脱気孔を通ってインレット側流路構造体の外側に形成された酸素除去経路、アウトレット側流路構造体の外側に形成された水素除去経路から外部に放出されることが確認された。
【0067】
<変形例1>
なお、上記実施形態においては、図9,図10に示すように、第1の吸液体41の円板部41bに3つのスリット41cを設けたが、図14,図15に示すように、さらに多く(図14,図15では6つ)のスリット41dを設け、第2の吸液体42にも同様にスリット(図示せず)を設け、より気泡を放出しやすくしてもよい。
【0068】
<変形例2>
また、図16に示すように、第2の吸液体42に、スリット42cの代わりに複数の貫通穴42eを放射状に設け、貫通穴42eより気泡が放出されるようにしてもよい。同様に、第1の吸液体41に複数の貫通穴(図示せず)を放射状に設けてもよい。
【0069】
<変形例3>
また、図17に示すように、第2の吸液体42に、放射状のスリット42cの代わりに、中心から外周方向に向かう葛折り状のスリット42fを複数形成し、この葛折り状のスリット42fから気泡が放出されるようにしてもよい。さらに、第1の吸液体41に同様の葛折り状のスリット(図示せず)を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】電子機器1000のブロック図である。
【図2】燃料電池型発電装置1のブロック図である。
【図3】送液装置の接続構造体40を燃料カートリッジ2側から見た斜視図である。
【図4】送液装置の接続構造体40を流路制御部60側から見た斜視図である。
【図5】送液装置の接続構造体40を燃料カートリッジ2側から見た分解斜視図である。
【図6】送液装置の接続構造体40を流路制御部60側から見た分解斜視図である。
【図7】図3のVII−VII矢視断面図である。
【図8】電気浸透流ポンプ50の分解斜視図である。
【図9】第1の吸液体41を燃料カートリッジ2側から見た斜視図である。
【図10】第1の吸液体41を流路制御部60側から見た斜視図である。
【図11】図5に対応する燃料カートリッジ2側から見た気泡の移動経路を示す図である。
【図12】図6に対応する流路制御部60側から見た気泡の移動経路を示す図である。
【図13】図7に対応する気泡の移動経路を示す図である。
【図14】第1の吸液体41の変形例を燃料カートリッジ2側から見た斜視図である。
【図15】第1の吸液体41の変形例を流路制御部60側から見た斜視図である。
【図16】第2の吸液体42の変形例を示す斜視図である。
【図17】第2の吸液体42の変形例を示す斜視図である。
【図18】電気浸透流ポンプ50の原理を説明するための図である。
【符号の説明】
【0071】
1 燃料電池型発電装置
2 燃料カートリッジ
6 マイクロリアクタ(燃料電池装置)
20 発電セル(燃料電池装置)
40 送液装置の接続構造体
41,42 吸液体
41c,42c スリット(気泡除去経路)
44 インレット側流路構造体
44b,45b 環状溝(気泡除去経路)
44c,45c 直線状溝(気泡除去経路)
44d,45d 脱気孔(気泡除去経路)
44f,45f 疎水性膜
45 アウトレット側流路構造体
45g 親水性膜
50 電気浸透流ポンプ
51 電気浸透材
901 電子機器本体
1000 電子機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気浸透材の上流側及び下流側に電極が設けられた電気浸透流ポンプと、
前記電気浸透流ポンプの上流側及び下流側に液体の流路を形成し、前記電気浸透流ポンプの上流部に、流路の内外に通じる脱気孔が設けられるとともに、この脱気孔に、気泡を透過させる疎水性膜が設けられている流路構造体と、
前記電気浸透流ポンプよりも上流側の送液流路に設けられ、前記電気浸透材の上流側電極が設けられた面と当接して液体を吸収し、前記電極との当接面側から前記疎水性膜側に通じる気泡除去経路が形成されている吸液体と、
を備えることを特徴とする送液装置の接続構造体。
【請求項2】
前記気泡除去経路は前記吸液体の流路中心側から流路の外側方向に向かって形成されたスリットであることを特徴とする請求項1に記載の送液装置の接続構造体。
【請求項3】
前記スリットは流路中心側から流路の外側方向に向かって幅が広がる形状であることを特徴とする請求項2に記載の送液装置の接続構造体。
【請求項4】
電気浸透材の上流側及び下流側に電極が設けられた電気浸透流ポンプと、
前記電気浸透流ポンプの上流側及び下流側に液体の流路を形成し、前記電気浸透流ポンプの下流部に、流路の内外に通じる脱気孔が設けられるとともに、この脱気孔に、気泡を透過させる疎水性膜が設けられている流路構造体と、
を備え、
前記電気浸透流ポンプよりも下流側の送液流路には、前記疎水性膜が環状に設けられ、前記疎水性膜と同一平面内の中央に液体を透過させる親水性膜が設けられている流路が配置されていることを特徴とする送液装置の接続構造体。
【請求項5】
電気浸透材の上流側及び下流側に電極が設けられた電気浸透流ポンプと、
前記電気浸透流ポンプの上流側及び下流側に液体の流路を形成し、前記電気浸透流ポンプの上流部または下流部に、流路の内外に通じる脱気孔が設けられるとともに、この脱気孔に、気泡を透過させる疎水性膜と、外面に前記脱気孔と通じる気泡除去経路となる溝が設けられている流路構造体と、
を備えることを特徴とする送液装置の接続構造体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の送液装置の接続構造体と、前記吸液体が挿入される燃料カートリッジと、前記送液装置の接続構造体により前記燃料カートリッジ内の燃料が供給される燃料電池装置と、を備えることを特徴とする燃料電池型発電装置。
【請求項7】
請求項6に記載の燃料電池型発電装置と、前記燃料電池型発電装置によって発電された電気により動作する電子機器本体と、を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−82246(P2008−82246A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263045(P2006−263045)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【出願人】(506320875)ナノフュージョン株式会社 (6)
【Fターム(参考)】