説明

送風機

【課題】室内、事務所内、及び他の家庭環境において空気流を生成するための台座ファンを提供すること。
【解決手段】台座ファン(10)が、インペラ(64)と、インペラを回転させて空気流を生成するためのモータ(68)と、空気出口(14)と、空気流を空気出口に運ぶための伸縮式ダクト(18)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風機に関する。好ましい実施形態において、本発明は、室内、事務所内、及び他の家庭内(屋内)環境において気流を生成するための台座送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の家庭用(屋内型)送風機またはファンは、典型的には、軸の周りを回転するように取り付けられた一組の羽根又はベーンと、羽根の組を回転させて空気流を生成するための駆動装置とを含む。空気流の動き及び循環により「風冷」又は微風が生成され、結果として、対流及び蒸発により熱が放散されるため、ユーザは冷却効果を体験する。
【0003】
このようなファンは、種々のサイズ及び形状で入手可能である。例えば、天井ファンの直径は、少なくとも1mとすることができ、通常は天井から吊下げ式に取り付けられ、部屋を冷却するための下向きの気流を与える。一方、卓上ファンの直径は、多くの場合、約30cmであり、通常は自立型及び携帯型である。床置き型台座ファンは、一般に、駆動装置を支持する高さ調節可能な台座と、通常300l/sから500l/sまでの空気流を生成するための羽根の組とを含む。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Reba、Scientific American、第214巻、1996年6月、84−92ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このタイプの構成の不利な点は、ファンの回転羽根によって生成される空気流が、通常、均一でないことである。これは、羽根表面にわたる又はファンの外側面にわたるばらつきが原因である。このばらつきの程度は、製品ごとに異なり、個々のファン機械毎に異なることさえある。このばらつきは、結果として、一連の空気のパルスとして感じられ、ユーザにとっては不快なものであり得る、不均一な又は「不規則に変化する」空気流の生成をもたらす。
【0006】
家庭環境では、電気器具の部品が外向きに突出していること、又は、ユーザが羽根のような可動部品に触れることができることは望ましくない。台座ファンは、回転羽根との接触による怪我を防止するために、羽根の周囲にケージを有する傾向があるが、そのようなケージに入れられた部品は、清掃が困難であり得る。さらに、台座の上に駆動装置及び回転羽根を取り付けるため、台座ファンの重心が、通常、台座の上の方に位置することになる。このことは、台座に比較的広い又は重い基部が設けられていない限り、誤ってぶつかった場合に、台座ファンが転倒しやすくなることがあり、このことは、ユーザにとって望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様において、本発明は、空気流を生成するための床置き型台座ファン又は送風機を提供し、このファンは、空気流を生成するための手段と、空気出口と、空気流を空気出口に運ぶための伸縮式ダクトとを含む。
【0008】
空気流を生成するための手段は、インペラと、インペラを回転させるモータとを含むことが好ましく、インペラの下流に配置されたディフューザをさらに含むことが好ましい。ファンは、基部、好ましくは床置き型基部を含み、ダクトが、基部と空気出口との間に延びていることが好ましい。基部は、空気流を生成するための手段を収容することが好ましい。従って、第2の態様において、本発明は、インペラ及び空気流を生成するためにインペラを回転させるモータを収容する基部と、空気出口と、空気流を空気出口に運ぶための伸縮式ダクトとを含む台座ファンを提供する。
【0009】
従って、本発明において、伸縮式ダクトは、ファン組立体により生成された空気流が放出される空気出口を支持する役割、及び、生成された空気流を空気出口に運ぶ役割の両方を果たす。従って、空気流を生成するための手段は、台座ファンの基部内に配置することができ、これにより、羽根付ファン及び羽根付ファン用の駆動装置が台座の上部に結合された従来技術の台座ファンと比較して、ファンの重心が低くなり、これによりぶつかってもファン組立体が倒れにくくなる。
【0010】
モータは、摩擦損失及び従来型のブラシ式モータで使用されるブラシからの炭素ごみを回避するために、DCブラシレスモータであることが好ましい。炭素ごみ及び炭素放出の削減は、病院又はアレルギーを有する人の周囲など清浄な又は汚染に敏感な環境において有利である。一般的に台座ファンに使用される誘導モータもブラシがないが、DCブラシレスモータは、誘導モータよりもかなり広い範囲の動作速度を提供できる。インペラは、混流インペラであることが好ましい。
【0011】
基部は、インペラの下流に配置されたディフューザを収容することが好ましい。ディフューザは、該ディフューザから渦を巻く空気流の放出を結果としてもたらす、複数の渦巻き型ベーンを含むことができる。ダクトを通る空気流は、通常、軸方向又は長手方向のものであるため、ファンは、ディフューザから放出された空気流をダクトへ案内するための手段を含むことが好ましい。これにより、ファン内の伝導損失を削減できる。空気流案内手段は、ディフューザから放出された空気流のそれぞれの部分をダクトに案内するための複数のベーンを含むことが好ましい。これらのベーンは、ディフューザの上に取り付けられた空気流案内部材の内面に配置され、ほぼ等間隔で配置されることが好ましい。空気流案内手段はまた、少なくとも部分的にダクト内に配置された複数の半径方向のベーンを含み、半径方向ベーンの各々は、複数のベーンのそれぞれに隣接していることが好ましい。これらの半径方向ベーンは、各々が、複数のベーンにより定められるチャネルから気流のそれぞれの部分を受け入れる、ダクト内の軸方向又は長手方向の複数のチャネルを定めることができる。この空気流の部分は、ダクト内で合流することが好ましい。
【0012】
ダクトは、台座ファンの基部に取り付けられた基部と、ダクトの基部に取り付けられた複数の管状部材とを含む。湾曲したベーンは、少なくとも部分的にダクトの基部内に配置することができる。軸方向ベーンは、少なくとも部分的に、管状部材の1つをダクトの基部に結合するための手段内に配置することができる。結合手段は、空気管、又は管状部材の1つを受け入れるための他の管状部材を含むことができる。
【0013】
ファンは、羽根なしファン組立体の形態であることが好ましい。羽根なしファン組立体を使用することにより、羽根付ファンを使用せずに、空気流を発生させることができる。羽根付ファン組立体と比較すると、羽根なしファン組立体は、可動部品及び複雑さの両方の低減をもたらす。さらに、ファン組立体から空気流を射出するために羽根付ファンを使用しない場合、比較的一様な空気流を生成し、室内に又はユーザに向けて案内することができる。空気流は、ノズルから効果的に移動することができ、乱流によるエネルギー及び速度の損失がほとんどない。
【0014】
「羽根なし」という用語は、可動羽根を使用せずに、空気流がファン組立体から前方に放出又は射出されるファン組立体を説明するために使用される。従って、羽根なしファン組立体は、出力領域又は放出区域を有し、そこから空気流がユーザ又は室内に向けられる可動羽根は存在しないと考えることができる。羽根なしファン組立体の出力領域には、ポンプ、発電機、モータ、又は他の流体搬送装置などの種々の異なる源の1つにより生成される一次空気流を供給することができ、種々の異なる源は、空気流を生成するためのモータ回転子及び/又は羽根付インペラなどの回転装置を含むことができる。生成された一次空気流は、室内空間又はファン組立体外部の他の環境から伸縮式ダクトを通ってノズルに向かい、次にノズルの口を通って再び室内に戻ることができる。
【0015】
従って、羽根なしとしてのファンの説明は、二次的ファン機能に必要なモータなどの電源及び部品の説明まで及ぶことを意図していない。二次的ファン機能の例は、ファン組立体の照明、調整及び首振りを含むことができる。
【0016】
従って、ファンの空気出口の形状は、羽根付ファン用の空間を含むという要件に制約されない。ノズルは開口部を囲むことが好ましい。例えば、空気出口は、好ましくは200mmから600mmまでの範囲、より好ましくは250mmから500mmまでの範囲の高さを有する環状ノズルとすることができる。
【0017】
空気出口は、該空気出口から放出された空気流によってノズルの外部からの空気が引き込まれる開口部の周りに延びることが好ましい。この空気出口は、空気流を放出するための口と、ダクトから空気流を受け入れ、空気流を口に運ぶための内部通路とを含むノズルの形態であることが好ましい。従って、第3の態様において、本発明は、台座上に取り付けられたノズルを含むファン組立体を提供し、この台座は、空気流を生成するための手段と、空気流をノズルに運ぶための伸縮式ダクトとを含み、ノズルは、空気流を放出するための口を含み、且つ口から放出された空気流によってノズルの外部からの空気が引き込まれる開口部の周りに延びる。
【0018】
ノズルの口は開口部の周りに延び、かつ、環状であることが好ましい。ノズルは、ノズルの口を定める内側ケーシング区分及び外側ケーシング区分を含むことが好ましい。各区分は、それぞれの環状部材から形成されることが好ましいが、その区分を形成するために互いに結合された、又は組み立てられた複数の部材により、各区分を設けることもできる。外側ケーシング区分は、内側ケーシング区分と部分的に重なるように形成されることが好ましい。これにより、口の出口をノズルの内側ケーシング区分の外面と外側ケーシング区分の内面の重複部分の間に定めることが可能になる。出口は、スロットの形態であることが好ましく、0.5mmから5mmまでの範囲、より好ましくは0.5mmから1.5mmまでの範囲の幅を有することが好ましい。ノズルは、ノズルの内側ケーシング区分及び外側ケーシング区分の重複部分を離間させるための複数のスペーサを含むことができる。これは、開口部の周りに実質的に均一な出口幅を維持するのに役立ち得る。スペーサは、出口に沿って等間隔に配置されることが好ましい。
【0019】
ノズルは、ダクトから空気流を受け入れるための内部通路を含むことが好ましい。内部通路は、好ましくは環状であり、かつ、空気流を、開口部の周りで反対方向に流れる2つの空気流に分割するように形成されることが好ましい。内部通路はまた、ノズルの内側ケーシング部分及び外側ケーシング部分によって定められることが好ましい。
【0020】
ファンは、空気流が好ましくは60°から120°までの範囲で弧を描いて吹かれるように、ノズルの首振り手段を含むことが好ましい。例えば、台座の基部は、基部の下部に対して、ノズルが結合される基部の上部の首振り手段を含むことができる。
【0021】
ファン組立体により生成された空気流の最大空気流量は、好ましくは毎秒300リットルから800リットルまでの範囲、より好ましくは毎秒500リットルから800リットルまでの範囲にある。
【0022】
ノズルは、口に隣接して配置され、かつ、その上で口がノズルから放出された空気流を差し向けるように構成された面、好ましくはコアンダ面を含むことができる。ノズルの内側ケーシング部分の外面は、コアンダ面を定めるように形成されることが好ましい。コアンダ面は、開口部の周りに延びることが好ましい。コアンダ面とは、その上で表面に近い出力オリフィスを出る流体流がコアンダ効果を示す既知のタイプの面である。流体は、面の上に接近し、ほとんど面に「へばりつくように」又は面を「抱きこむようにして」流れる傾向がある。コアンダ効果は、一次空気流がコアンダ面の上に差し向けられる、既に証明され多く文書化された同伴方法である。コアンダ面の特徴及びコアンダ面の上の流体流の効果の説明は、Reba、Scientific American、第214巻、1996年6月、84−92ページなどの論文に見出すことができる。コアンダ面を用いて、口から放出された空気によって、ファン組立体外部から、より多くの量の空気が開口部を通って引き込まれる。
【0023】
下記に説明するとおり、空気流は、伸縮式ダクトから空気出口に入る。以下の説明においては、この空気流を一次空気流と呼ぶ。一次空気流は、空気出口から放出され、コアンダ面の上を通ることが好ましい。一次空気流は、空気出口周辺の空気を同伴し、一次空気流及び同伴された空気の両方をユーザに供給する空気増幅器としての機能を果たす。同伴された空気は、本明細書では二次空気流と呼ぶ。二次空気流は、ノズルの口を囲む室内空間、領域、及び外部環境から引き込まれ、移動により、ファンの周りの他の領域からも引き込まれ、主として空気出口により定められる開口部を通過する。同伴された二次空気流と組み合わされた、コアンダ面の上に向けられた一次空気流は、空気出口から前方に放出又は射出された合計空気流量と等しい。空気出口を囲む空気の同伴により、スムーズな全体出力を維持しながら、一次空気流が少なくとも5倍に、より好ましくは少なくとも10倍に増幅されることが好ましい。
【0024】
ノズルは、コアンダ面の下流に配置されたディフューザ面を含むことが好ましい。ノズルの内側ケーシング部分の外面は、ディフューザ面を定めるように形成されることが好ましい。
【0025】
本発明の第1の態様に関連して上述された特徴は、本発明の第2及び第3の態様に等しく適用可能であり、逆もまた同様である。
【0026】
ここで、添付する図面を参照しながら、本発明の実施形態をほんの一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ファン組立体の伸縮式ダクトが完全に伸長した構成にある、ファン組立体の斜視図である。
【図2】ファン組立体の伸縮式ダクトが収縮位置にある、図1のファン組立体の別の斜視図である。
【図3】図1のファン組立体の台座の基部の断面図である。
【図4】図1のファン組立体の伸縮式ダクトの分解図である。
【図5】完全に伸長した構成にある、図4のダクトの側面図である。
【図6】図5の線A−Aに沿って取ったダクトの断面図である。
【図7】図5の線B−Bに沿って取ったダクトの断面図である。
【図8】下部管状部材の一部が切り取られた、完全に伸長した構成にある、図4のダクトの斜視図である。
【図9】ダクトの各種部品を取り除いた、図8の部分の拡大図である。
【図10】収縮した構成にある、図4のダクトの側面図である。
【図11】図10の線C−Cに沿って取ったダクトの断面図である。
【図12】図1のファン組立体のノズルの分解図である。
【図13】図12のノズルの正面図である。
【図14】図13の線P−Pに沿って取ったノズルの断面図である。
【図15】図14に示す領域Rの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1及び図2は、ファン組立体10の実施形態の斜視図を示す。この実施形態では、ファン組立体10は羽根なしファン組立体であり、高さ調節可能な台座12と、ファン組立体10から空気を放出するための台座12に取り付けられたノズル14とを含む家庭用(屋内型)台座ファンの形態である。台座12は、床置き型基部16と、一次空気流を基部16からノズル14に運ぶための、該基部16から上向きに延びる伸縮式ダクト18の形態の高さ調節可能なスタンドとを含む。
【0029】
台座12の基部16は、ほぼ円筒形の下部ケーシング部22に取り付けられたほぼ円筒形のモータ・ケーシング部20を含む。モータ・ケーシング部20及び下部ケーシング部22は、モータ・ケーシング部20の外面が、下部ケーシング部22の外面とほぼ同一平面上にあるように、ほぼ同一の外径を有することが好ましい。下部ケーシング部22は、随意的に、床置き型円盤状基部プレート24に取り付けられ、ファン組立体10の動作を制御するための複数のユーザ操作可能ボタン26及びユーザ操作可能ダイヤル28を含む。基部16は、複数の吸気口をさらに含み、これらの吸気口は、本実施形態では、モータ・ケーシング部20内に形成された孔の形態であり、これらを通して一次空気流が外部環境から基部16内に引き込まれる。本実施形態では、台座12の基部16は、200mmから300mmまでの範囲の高さを有し、モータ・ケーシング部20は、100mmから200mmまでの範囲の直径を有する。基部プレート24は、200mmから300mmまでの範囲の直径を有することが好ましい。
【0030】
台座12の伸縮式ダクト18は、図1に示す完全に伸長した構成と図2に示す収縮した(引っ込められた)構成との間で移動可能である。ダクト18は、ファン組立体10の基部12上に取り付けられたほぼ円筒形の基部32と、基部32に結合され、そこから上向きに延びる外側管状部材34と、部分的に外側管状部材34内に配置された内側管状部材36とを含む。コネクタ37が、ノズル14をダクト18の内側管状部材36の開放上端部に結合する。内側管状部材36は、図1に示す完全伸長位置と図2に示す収縮位置との間で、外側管状部材34に対して、かつ、その中で摺動可能である。内側管状部材36が完全伸長位置にあるとき、ファン組立体10は、1200mmから1600mmまでの範囲の高さを有することが好ましく、内側管状部材36が収縮位置にあるとき、ファン組立体10は、900mmから1300mmまでの範囲の高さを有することが好ましい。ファン組立体10の高さを調整するために、ユーザは、内側管状部材36の露出部分を握り、内側管状部材36を所望の通りに上下方向に摺動させて、ノズル14が所望する垂直方向位置になるようにする。内側管状部材36が収縮位置にあるとき、ユーザは、コネクタ37を握って内側管状部材36を上向きに引くことができる。
【0031】
ノズル14は環形状を有し、中心軸Xを中心として延びて開口部38を定める。ノズル14は、ファン組立体10から及び開口部38を通って一次空気流を放出するための、ノズル14の後ろの方に位置している口40を含む。口40は、開口部38の周囲に延び、同じく環状であることが好ましい。ノズル14の内周部は、口40に隣接して配置され、且つこの上に口40がファン組立体10から放出された空気を向けるコアンダ面42と、コアンダ面42の下流に位置するディフューザ面44と、ディフューザ面44の下流に位置する案内面46とを含む。ディフューザ面44は、ファン組立体10から放出された空気の流れを助けるような方法で、開口部38の中心軸Xから遠ざかるようにテーパするように配置される。ディフューザ面44と開口部38の中心軸Xとの間に定められた角度は、5°から25°までの範囲であり、この例においては約7°である。案内面46は、ファン組立体10からの冷却空気流の効率的な送出をさらに助けるように、ディフューザ面44に対してある角度をなして配置される。案内面46は、口40から放出された空気流に対してほぼ平坦かつほぼ平滑な面を呈するように、開口部38の中心軸Xに対してほぼ平行に配置されることが好ましい。視覚に訴えるテーパ面48が、案内面46の下流に配置され、開口部38の中心軸Xに対してほぼ垂直に位置する先端面50で終了する。テーパ面48と開口部38の中心軸Xとの間に定められた角度は、約45°であることが好ましい。本実施形態においては、ノズル14は、400mmから600mmまでの範囲の高さを有する。
【0032】
図3は、台座12の基部16の断面図である。基部16の下部ケーシング部22は、図1及び図2に示すユーザ操作可能ボタン26の押下げ、及び/又はユーザ操作可能ダイヤル28の操作に応答してファン組立体10の動作を制御するための、全体的に52で示す、コントローラを収容する。下部ケーシング部22は、随意的に、遠隔制御装置(図示せず)から制御信号を受信し、かつ、これら制御信号をコントローラ52に搬送するセンサ54を含むことができる。これら制御信号は、赤外線信号であることが好ましい。センサ54は、窓55の後ろに配置され、これを通って制御信号が基部16の下部ケーシング部22に入る。ファン組立体10が待機モードであるかどうかを示すための発光ダイオード(図示せず)を設けることもできる。下部ケーシング部22はまた、基部16の下部ケーシング部22に対して基部16のモータ・ケーシング部20の首振りのための、全体的に56で示す機構を収容する。首振り機構56は、下部ケーシング部22からモータ・ケーシング部20内に延びる回転可能シャフト56aを含む。シャフト56aは、軸受により下部ケーシング部22に結合されたスリーブ56b内に支持され、該シャフト56aがスリーブ56bに対して回転することを可能にする。シャフト56aの一端は、環状結合プレート56cの中央部分に結合され、結合プレート56cの外側部分は、モータ・ケーシング部20の基部に結合される。これにより、モータ・ケーシング部20を下部ケーシング部22に対して回転させることが可能になる。また、首振り機構56は、全体的に56dで示すクランクアーム機構を動作させる、下部ケーシング部22内に配置されたモータ(図示せず)も含み、クランクアーム機構56dは、下部ケーシング部22の上部に対してモータ・ケーシング部20の基部を首振りさせる。ある部分を他の部分に対して首振りさせるためのクランクアーム機構は、一般的に周知であるので、ここでは説明しない。下部ケーシング部22に対するモータ・ケーシング部20の各首振り周期の範囲は、60°から120°までの間であることが好ましく、本実施形態では約90°である。本実施形態では、首振り機構56は、毎分約3回から5回までの首振り周期を実行するよう配置される。主電源ケーブル58が、電力をファン組立体10に供給するために、下部ケーシング部22内に形成された孔を通って延びる。
【0033】
モータ・ケーシング部20は、台座12の基部16の吸気口30を提供するように、多くの孔62が形成された、円筒形グリル60を含む。モータ・ケーシング部20は、一次空気流を孔62を通して基部16内に引き込むためのインペラ64を収容する。インペラ64は、混流インペラの形態であることが好ましい。インペラ64は、モータ68から外向きに延びる回転シャフト66に結合される。本実施形態では、モータ68は、ダイヤル28のユーザ操作及び/又は遠隔制御装置から受信した信号に応答して、コントローラ52によって可変な速度を有するDCブラシレスモータである。モータ68の最大速度は、5,000rpmから10,000rpmまでの範囲であることが好ましい。モータ68は、下部72に結合された上部70を含むモータバケット内に収容される。モータバケットの上部70は、渦巻き型羽根を有する固定ディスクの形態のディフューザ74を含む。モータバケットは、モータ・ケーシング部20に結合された概ね切頭円錐形のインペラ・ハウジング76内に配置され、これに取り付けられる。インペラ64及びインペラ・ハウジング76は、インペラ64がインペラ・ハウジング76の内面にごく接近するが、接触しないように形成される。ほぼ環状の吸入口部材78が、一次空気流をインペラ・ハウジング76内に案内するために、インペラ・ハウジング76の底部に結合される。
【0034】
台座12の基部16は、基部16からの騒音放出を低減させるための消音発泡材をさらに含むことが好ましい。本実施形態では、基部16のモータ・ケーシング部20は、グリル60の下方に配置された第1の環状発泡材部材80と、インペラ・ハウジング76と吸入口部材78との間に配置された第2の環状発泡材部材82とを含む。
【0035】
ここで、図4乃至図11を参照しながら、台座12の伸縮式ダクト18をより詳細に説明する。ダクト18の基部32は、ほぼ円筒形の側壁102と、該側壁102に概ね直交し、好ましくはこれと一体の環状上面104とを含む。側壁102は、基部16のモータ・ケーシング部20とほぼ同じ外径を有し、かつ、ダクト18が基部16に結合されたとき、側壁102の外面が、基部16のモータ・ケーシング部20の外面とほぼ同一平面上になるような形状にされることが好ましい。基部32は、一次空気流をダクト18の外側管状部材34に運ぶための、外面104から上向きに延びる比較的短い空気管106をさらに含む。この空気管106は、側壁102とほぼ同軸であることが好ましく、かつ、空気管106をダクト18の外側管状部材34に完全に挿入するのを可能にするように、ダクト18の外側管状部材34の内径より僅かに小さい外形を有する。ダクト18の外側管状部材34との締まりばめを形成し、それにより外側管状部材34を基部32に固定するために、複数の軸方向に延びるリブ108を空気管106の外面上に配置することができる。環状シール部材110を空気管106の上端部に配置して、外側管状部材34と空気管106との間に気密シールを形成する。
【0036】
ダクト18は、ディフューザ74から放出された一次空気流を空気管106内に案内するためのドーム型空気案内部材114を含む。空気案内部材114は、基部16から一次空気流を受けるための開放下端部116と、一次空気流を空気管116に運ぶための開放上端部118とを有する。空気案内部材114は、ダクト18の基部32内に収容される。空気案内部材114は、基部32及び空気案内部材114上に配置された協働式スナップ嵌めコネクタ120によって、基部32に結合される。基部32と空気案内部材114との間に気密シールを形成するために、第2の環状シール部材121が、開放上端部118の周りに配置される。図3に示すように、空気案内部材114は、例えば空気案内部材114及び基部16のモータ・ケーシング部20上に配置された協働式スナップ嵌めコネクタ123又はねじ切り式コネクタの手段により、基部16のモータ・ケーシング部20の開放上端部に結合される。従って、空気案内部材114は、ダクト18を台座12の基部16に結合する役割をする。
【0037】
複数の空気案内ベーン122が、ディフューザ74から空気管106内に放出される渦巻き状空気流を案内するために、空気案内部材114の内面上に配置される。この例では、空気案内部材114は、該空気案内部材114の内面の周りに等間隔に配置された7枚の空気案内ベーン122を含む。空気案内ベーン122は、空気案内部材114の開放上端部118の中央に集まり、従って、各々が一次空気流のそれぞれの部分を空気管106に案内するための複数の空気チャネル124を、空気案内部材114内に定める。特に図4を参照すると、7枚の半径方向の空気案内ベーン126が、空気管106内に配置されている。これら半径方向空気案内ベーン126の各々は、空気管106のほぼ全長に沿って延び、かつ、空気案内部材114が基部32に結合されると、空気案内ベーン122のそれぞれに隣接する。半径方向空気案内ベーン126は、このように空気管106内に複数の軸方向に延びる空気チャネル128を定め、その各々が、空気案内部材114内の空気チャネル124のそれぞれから一次空気流のそれぞれの部分を受け、かつ、一次空気流のその部分を空気管106を通ってダクト18の外側管状部材34内に軸方向に運ぶ。従って、基部32及びダクト18の空気案内部材114は、ディフューザ74から放出された渦巻き空気流を、外側管状部材34及び内側管状部材36を通ってノズル14に向かう軸方向の空気流に変換する役割をする。空気案内部材114とダクト18の基部32との間に気密シールを形成するために、第3の環状シール部材129を設けることができる。
【0038】
円筒形の上部スリーブ130が、上部スリーブ130の上端部132が外側管状部材34の上端部134と同じ高さになるように、例えば接着剤又は締まりばめを用いて、外側管状部材34の上部の内面に結合される。上部スリーブ130は、内側管状部材36が上部スリーブ130を通り抜けるのを可能にするように、内側管状部材36の外径よりも僅かに大きい内径を有する。内側管状部材36と気密シールを形成するように、第3の環状シール部材136が、上部スリーブ130上に配置される。第3の環状シール部材136は、外側管状部材34の上端部132に係合して上部スリーブ130と外側管状部材34との間に気密シールを形成する環状リップ138を含む。
【0039】
円筒形の下部スリーブ140が、内側管状部材36の下端部142が下部スリーブ140の上端部144と下端部146との間に配置されるように、例えば接着剤又は締まりばめを用いて、内側管状部材36の下部の外面に結合される。下部スリーブ140の下端部144は、上部スリーブ130の下端部148とほぼ同じ外径を有する。従って、内側管状部材36の完全伸長位置においては、下部スリーブ140の上端部144は、上部スリーブ130の下端部148に当接し、これにより、内側管状部材36が外側管状部材34から完全に引き抜かれることが防止される。内側管状部材36の収縮位置においては、下部スリーブ140の下端部146は、空気管106の上端部に当接する。
【0040】
図7に示すように、ダクト18の下部スリーブ140の内向きに延びるアーム154の間に回転可能に支持される軸152の周りに、主ばね150が巻き付けられる。図8を参照すると、主ばね150は、上部スリーブ130の外面と外側管状部材34の内面との間に固定的に配置される自由端156を有する鋼帯を含む。結果的に、主ばね150は、図5及び図6に示す完全伸長位置から、図10及び図11に示す収縮位置まで内側管状部材36が下げられるのに伴って、軸152から巻き戻される。主ばね150に貯えられた弾性エネルギーは、外側管状部材34に対して内側管状部材26のユーザ選択位置を維持するための釣合い重り(カウンターウェイト)として機能する。
【0041】
好ましくはプラスチック材料から形成され、下部スリーブ140の周りに周方向に延びる環状溝160内に配置される、ばね荷重式アーチ状バンド158によって、外側管状部材34に対する内側管状部材36の動きへの付加的な抵抗が与えられる。図7及び図9を参照すると、バンド158は下部スリーブ140の周りに完全には延びていず、よって、2つの対向する端部161を含む。バンド158の各端部161は、下部スリーブ140内に形成された孔162内で受け入れられる半径方向の内部161aを含む。バンド158の外面を外側管状部材34の内面に押し当てて付勢するために、圧縮ばね164がバンド158の端部161の半径方向の内部161aの間に配置され、これにより、外側管状部材34に対する内側管状部材36の動きに抵抗する摩擦力が増大する。
【0042】
バンド158は、本実施形態では圧縮ばね164の反対側に配置され、バンド158の外面上に軸方向に延びる溝167を定める、溝付き部分166をさらに含む。バンド158の溝167は、外側管状部材34の内面の長さに沿って軸方向に延びる隆起リブ168の上に配置される。溝167は、内側管状部材36と外側管状部材34との間の相対的回転を阻止するように、隆起リブ168とほぼ同じ角度幅及び半径方向深さを有する。
【0043】
ここで、図12乃至図15を参照して、ファン組立体10のノズル14を説明する。ノズル14は、環状内側ケーシング区分202に結合され、かつ、その周りに延びる環状外側ケーシング区分200を含む。これらの区分の各々は、複数の結合された部品から形成することができるが、本実施形態では、外側ケーシング区分200及び内側ケーシング区分202の各々は、それぞれ単一の成形品から形成される。内側ケーシング区分202は、ノズル14の中央開口部38を定め、かつ、コアンダ面42、ディフューザ面44、案内面46及びテーパ面48を定めるような形状にされた外周面203を有する。
【0044】
外側ケーシング区分200及び内側ケーシング区分202は協働して、ノズル14の環状内部通路204を定める。従って、内部通路204は、開口部38の周りに延びる。内部通路204は、外側ケーシング区分200の内周面206及び内側ケーシング区分202の内周面208によって境界付けられる。外部ケーシング区分200の基部は、開口部210を含む。
【0045】
ノズル14をダクト18の内側管状部材36の開放上端部170に結合するコネクタ37は、台座12に対するノズル14の傾斜のための傾斜機構を含む。この傾斜機構は、開口部210内に固定的に配置されたプレート300の形態である上部部材を含む。随意的に、プレート300は、外側ケーシング区分200と一体であってもよい。プレート300は、一次空気流が伸縮式ダクト18から内部通路204に入る円形の孔302を含む。コネクタ37は、内側管状部材36の開放上端部170を通って少なくとも部分的に挿入された空気管304の形態の下部部材をさらに含む。この空気管304は、コネクタ37の上部プレート300内に形成された円形の孔302とほぼ同じ内径を有する。必要に応じて、内側管状部材36の内面と空気管304の外面との間に気密シールを形成し、空気管304が内側管状部材36から引き抜けるのを阻止するために、環状シール部材を設けることができる。プレート300は、図12に全体的に306で示され、かつ、端部キャップ308により覆われる一連のコネクタを用いて、空気管304に枢動可能に結合される。可撓性ホース310が、空気管304とプレート300との間に延びて、これらの間で空気を運ぶ。可撓性ホース310は、環状蛇腹シール要素の形態とすることもできる。第1の環状シール部材312は、ホース310と空気管304との間に気密シールを形成し、第2の環状シール部材314は、ホース310とプレート300との間に気密シールを形成する。台座12に対してノズル14を傾斜させるために、ユーザは、単にノズル14を押したり引いたりしてホース310を曲げ、プレート300を、空気管304に対して動かす。ノズル14を動かすために必要な力は、プレート300と空気管304との間の結合のきつさによって決まり、2Nから4Nまでの範囲にあることが好ましい。ノズル14は、軸Xが実質的に水平である非傾斜位置から、完全傾斜位置まで±10°の範囲内で移動可能であることが好ましい。ノズル14が台座12に対して傾斜するに従い、軸Xは、ほぼ鉛直な面に沿って移動する。
【0046】
ノズル14の口40は、ノズル14の後方に配置される。口40は、外側ケーシング区分200の内周面206及び内側ケーシング区分202の外周面203のそれぞれ重複した部分又は対向した部分212,214によって定められる。本例では、口40は、実質的に環状であり、図15に示すように、ノズル14を通って直径方向に通る線に沿って切ったとき、実質的にU形状の断面を有する。本例では、外側ケーシング区分200の内周面206及び内側ケーシング区分202の外周面203の重複部分212,214は、口40が、一次空気流をコアンダ面42の上に差し向けるように配置された出口216に向けてテーパするような形状にされる。出口216は、好ましくは、0.5mmから5mmまでの範囲の比較的一定の幅を有する、環状スロットの形態である。本例では、出口216は、0.5mmから1.5mmまでの範囲の幅を有する。外側ケーシング区分200の内周面206及び内側ケーシング区分202の外周面203の重複部分212,214を引き離し、出口216の幅を所望のレベルに維持するように、口40の周りにスペーサを離間配置することができる。これらのスペーサは、外側ケーシング区分200の内周面206又は内側ケーシング区分202の外周面203と一体であってもよい。
【0047】
ファン組立体10を動作させるために、ユーザは、台座12の基部16上のボタン26のうち適切なものを押下げ、これに応答してコントローラ52がモータ68を起動し、インペラ64を回転させる。インペラ64の回転により、一次空気流が、グリル60の孔62を通って台座12の基部16に引き込まれる。モータ68の速度によって、一次空気流は、毎秒20リットルから40リットルまでの間となる。一次空気流は、インペラ・ハウジング76及びディフューザ74を連続して通過する。ディフューザ74の羽根の渦巻き形態により、一次空気流は、渦巻き空気流の形態でディフューザ74から排出される。一次空気流は、空気案内部材114に入り、ここで湾曲した空気案内ベーン122が、一次空気流を複数の部分に分け、一次空気流の各部分を、伸縮式ダクト18の基部32の空気管106内にある軸方向に延びる空気チャネル128のそれぞれに案内する。一次空気流の部分は、これらが空気管106から放出されるときに軸方向の空気流に合流する。一次空気流は、ダクト18の外側管状部材34及び内側管状部材36を通って上向きに通り、コネクタ37を通って、ノズル14の内部通路86に入る。
【0048】
ノズル14内で、一次空気流は、ノズル14の中央開口部38の周りを反対方向に通る2つの空気流に分割される。空気流が内部通路204を通過すると、空気はノズル14の口40に入る。口40に流入する空気流は、ノズル14の開口部38の周りでほぼ均等であることが好ましい。口40の中で、空気流の流れ方向は、実質的に逆にされる。空気流は、口40のテーパ部分で絞られ、出口216を通って放出される。
【0049】
口40から放出された一次空気流は、ノズル14のコアンダ面42の上に向けられ、外部環境、特に口40の出口216の周辺領域及びノズル14の後部付近からの空気を同伴することにより、二次空気流を生成する。この二次空気流は、ノズル14の中央開口部38を通過し、そこで一次空気流と組み合わせられて、ノズル14から前方に射出される全体的な空気流、又は、空気流を生成する。モータ68の速度により、ファン組立体10から前方に射出される空気流の質量流量は、毎秒400リットルまで、好ましくは毎秒600リットルまで、より好ましくは毎秒800リットルまでとすることができ、空気流の最大速度は、2.5m/sから4.5m/sまでの範囲とすることができる。
【0050】
ノズル14の口40に沿った一次空気流の均一な分布は、空気流がディフューザ面44の上を均一に通ることを保証する。ディフューザ面44は、制御された拡張領域を通って空気流を移動させることにより、空気流の平均速度を減少させる。開口部38の中心軸Xに対するディフューザ面44の比較的浅い角度により、空気流の拡張が緩やかに行われることが可能になる。さもなければ、激しい又は急激な発散により、空気流が分裂し、拡張領域で渦を発生させる。このような渦は、空気流における乱流及び関連したノイズの増大をもたらすことがあり、そのことは、特にファンのような家庭用製品において望ましくないものである。ディフューザ面44を超えて前方に射出された空気流は、発散し続ける傾向を有する。開口部38の中心軸Xに対してほぼ平行に延びる案内面46の存在が、空気流をさらに収束させる。結果として、空気流はノズル14から効果的に移動することができ、ファン組立体10から数メートルの距離で速やかに空気流を感じることが可能である。
【0051】
本発明は、例えば以下のような態様であってもよい。
(1)空気流を生成するための床置き型台座送風機であって、空気流を生成するための手段と、空気出口と、空気流を空気出口に運ぶための伸縮式ダクトとを含むことを特徴とする床置き型台座送風機。
(2)空気流を生成するための手段は、インペラの下流に配置されたディフューザを含むことを特徴とする送風機。
(3)空気流を生成するための床置き型台座送風機であって、インペラ及びインペラを回転させて空気流を生成するモータを収容する基部と、空気出口と、空気流を空気出口に運ぶための伸縮式ダクトとを含むことを特徴とする床置き型台座送風機。
(4)基部は、インペラの下流に配置されたディフューザを含むことを特徴とする送風機。
(5)ディフューザから放出された空気流をダクト内に案内するための手段を含むことを特徴とする送風機。
(6)空気流案内手段は、各々が、ディフューザから放出された空気流のそれぞれの部分をダクトに向けて案内するための複数のベーンを含むことを特徴とする送風機。
(7)空気出口は、該空気出口から放出された空気流によってノズルの外部からの空気が引き込まれる開口部の周りに延びることを特徴とする送風機。
(8)空気出口は、空気流を放出するための口と、該空気流をダクトから受け入れ、且つ該空気流を口に運ぶための内部通路とを含むノズルを含むことを特徴とする送風機。
(9)ノズルは、協働して口を定める内側ケーシング区分及び外側ケーシング区分を含むことを特徴とする送風機。
(10)口は、ノズルの内側ケーシング区分の外面と該ノズルの外側ケーシング区分の内面との間に配置された出口を含むことを特徴とする送風機。
(11)出口は、少なくとも部分的に開口部の周りに延びるスロットの形態であることを特徴とする送風機。
(12)出口は、0.5mmから5mmまでの範囲の幅を有することを特徴とする送風機。
(13)ノズルは、口に隣接して配置され、且つその上で口が空気流を差し向けるように構成された面を含むことを特徴とする送風機。
(14)面は開口部の周りに延びることを特徴とする送風機。
(15)ノズルは、面の下流に配置されたディフューザを含むことを特徴とする送風機。
【符号の説明】
【0052】
10:ファン組立体
12:台座
14:ノズル
16、32:基部
18:ダクト
38:開口部
40:口
42:コアンダ面
44:ディフューザ面
46:案内面
54:センサ
64:インペラ
68:モータ
74:ディフューザ
106、304:空気管
114:空気案内部材
122、126:空気案内ベーン
128:空気チャネル
200:外側ケーシング区分
202:内側ケーシング区分
204:内部通路
216:出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座上に取り付けられたノズルを含む送風機組立体であって、
前記台座は、空気流を生成するための手段と、前記ノズルを支持するとともに前記空気流を前記ノズルに運ぶための伸縮式ダクトと、を含み、
前記ノズルは、前記空気流を放出するための口を含み、且つ前記口から放出された前記空気流によって前記ノズルの外部からの空気が引き込まれる開口部の周りに延びる、
ことを特徴とする送風機組立体。
【請求項2】
前記台座は、空気流を生成するための前記手段を収容する基部を含み、前記ダクトは、前記基部と前記ノズルとの間に延びることを特徴とする、請求項1に記載の送風機組立体。
【請求項3】
空気流を生成するための前記手段は、インペラと、前記インペラを回転させるモータとを含むことを特徴とする、請求項2に記載の送風機組立体。
【請求項4】
前記空気流を前記ダクト内に案内するための手段を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項5】
前記空気流案内手段は、各々が、前記空気流のそれぞれの部分を前記ダクトに向けて案内するための複数のベーンを含むことを特徴とする、請求項4に記載の送風機組立体。
【請求項6】
前記ベーンは、空気流案内部材の内面に配置されることを特徴とする請求項5に記載の送風機組立体。
【請求項7】
前記ダクトは、前記台座の基部に取り付けられた基部と、前記ダクトの前記基部に取り付けられた複数の管状部材とを有し、前記ベーンは、少なくとも部分的に前記ダクトの前記基部内に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の送風機組立体。
【請求項8】
前記空気流案内手段は、少なくとも部分的に前記ダクト内に配置された複数の半径方向のベーンを含み、前記半径方向のベーンの各々が、前記複数のベーンのそれぞれに隣接することを特徴とする、請求項5から7のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項9】
前記半径方向のベーンは、各々が前記空気流のそれぞれの部分を受け入れるため、前記ダクト内の長手方向の複数のチャネルを定めることを特徴とする、請求項8に記載の送風機組立体。
【請求項10】
前記空気流の前記部分は、前記ダクト内で合流することを特徴とする、請求項9に記載の送風機組立体。
【請求項11】
前記ノズルは、前記空気流を前記ダクトから受け入れ、且つ前記空気流を前記口に運ぶための内部通路を含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項12】
前記内部通路は、前記受け入れた空気流を、各々が前記開口部のそれぞれの側に沿って流れる2つの空気流に分割するように形成されることを特徴とする、請求項11に記載の送風機組立体。
【請求項13】
前記内部通路は実質的に環状であることを特徴とする、請求項11又は請求項12に記載の送風機組立体。
【請求項14】
前記口は前記開口部の周りに延びることを特徴とする、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項15】
前記送風機は、羽根なし送風機組立体であることを特徴とする、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の送風機組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−50113(P2013−50113A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−269570(P2012−269570)
【出願日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【分割の表示】特願2010−68846(P2010−68846)の分割
【原出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(508032310)ダイソン テクノロジー リミテッド (286)
【Fターム(参考)】