説明

送風装置

【課題】 固定する構造を持たず、しかも配線固定用のロック機構を両側に有し、そのロック機構のロック解除を解除ノブの摺動により行う端子台の固定とともにロック機構のロック解除を無闇にできないようにする。
【解決手段】 電気部品に電気的に接続された端子台1を外郭2に取付けた送風装置について、その端子台1が、固定する構造を持たず、しかも配線固定用のロック機構を両側に有し、そのロック機構のロック解除を解除ノブ4の摺動により行うものに対し、端子台1の外周を掴むクランプ部5の一端に外郭2にネジ固定する固定手段を備えた固定具8で固定し、この固定具8のクランプ部5は、端子台1の一方の解除ノブ4の摺動を拘束する機能を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外郭に外部配線と接続される端子台を備えた送風装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
送風装置等の電気機器には殆どのものに回路基板があり、この回路基板には電気的に接続された端子台を持つものがある。端子台は装置の外郭に設けられ、外部回路と接続される。この種の端子台は自体に固定する構造を持たず、しかも配線固定用のロック機構を両側に有し、そのロック機構のロック解除を行う解除ノブを備えている。端子台は門形の固定金具で中央部が抱き抱えられて装置の外郭に固定されている(なお、この種の従来技術としては特許文献1に示されているようなものがある)。
【0003】
【特許文献1】実開平5−45924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
装置の外郭に端子台を持つ送風装置では、外部配線との接続は端子台において施工業者又は利用者により行われる。この接続作業において端子台と装置との配線は操作又は外されては困るものである。従来の機器では、端子台は固定具で固定されているものの、配線固定用の両側にあるロック機構は、装置との接続部のものも、外部配線との接続部のものもいずれも自由状態にあり、そのロック機構のロック解除を行うことができる状態にある。従って、装置と端子台の接続も操作又は外すことが可能である。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題点を解決するためになされたもので、固定する構造を持たず、しかも配線固定用のロック機構を両側に有し、そのロック機構のロック解除を解除ノブの摺動により行う端子台の固定とともにロック機構のロック解除を無闇にできないようにする送風装置を得ることであり、端子台の固定機能の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、電気部品に電気的に接続された端子台を外郭に取付けた送風装置について、その端子台が、固定する構造を持たず、しかも配線固定用のロック機構を両側に有し、そのロック機構のロック解除を解除ノブの摺動により行うものに対し、端子台の外周を掴むクランプ部の一端に外郭に固定する固定手段を備えた固定具で固定し、この固定具のクランプ部は、端子台の一方の解除ノブの摺動を拘束する機能を備える手段を採用する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、端子台の装置外郭への固定とともに、端子台の装置との接続を解除する解除ノブの摺動が拘束されるため、ロック機構のロック解除が無闇にできないようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の送風装置は、送風機等の電気部品に配線接続された端子台を外郭に取付けた送風装置である。その端子台は、ネジや爪等、自体を固定する構造を持たず、しかも配線固定用のロック機構を両側に有し、ロック機構のロック解除を解除ノブの摺動により行うものである。この端子台は、その外周を掴む略門形のクランプ部の一端に外郭にネジ固定するネジ挿通孔を持つフランジを備えた固定具で外郭に固定されている。固定具のクランプ部は、端子台の装置との接続部の解除ノブに当たり、その摺動を拘束している。本発明によれば、端子台の装置外郭への固定とともに、端子台の装置との接続を解除する解除ノブの摺動が拘束されるため、設置時やメンテナンス時に触れられては困るロック機構のロック解除が無闇にできないようになる。従って、自由になっている端子台と外部配線との接続操作だけにおのずと規定されることになる。
【0009】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態の送風装置の斜視図、図2は、固定具で固定した端子台を示す斜視図、図3は、固定具を単独で示す斜視図、図4は、回り止め部材を介して固定具を固定した状態の斜視図、図5は、回り止め部材を単独で示す斜視図である。
【0010】
本実施の形態は、送風機等の電気部品に配線接続された端子台1を外郭2に取付けた図1に示すような送風装置3に関するものである。その端子台1は、ネジ締めや掛け爪等、自体を固定する構造を持たず、しかも配線固定用のロック機構を両側に有する略六面のブロック構造である。二つのロック機構のロック解除は、上面の両小口側に設けられた解除ノブ4の摺動により行うものである。端子台1自体は二連、あるいは三連、横連結されることもある(図1,図2参照)。
【0011】
この端子台1は、その外周を掴む略門形のクランプ部5の一端に装置の外郭2にネジ固定するネジ挿通孔6を持つフランジ7を備えた板金材よりなる固定具8で外郭2にネジ9により固定されている。固定具8のクランプ部5は適当な幅を有し、端子台1の装置との接続部の解除ノブ4にその片側が当たり、解除ノブ4の摺動を拘束している。
【0012】
固定具8は図4,図5に示すようなクランプ部5の回転を規制する回り止め部材10を介して外郭2に固定されている。回り止め部材10は、外郭2にネジ固定する平板構造であり、端子台1を収め込む開口部11を有し、固定具8のクランプ部5の端縁が開口部11の孔縁に収まる構成である。これにより、固定具8は回り止めされ安定良く取付けられる。固定用のネジ9も一本ずつでよく、簡素な構成で済む。この実施の形態によれば、端子台1の装置の外郭2への固定とともに、端子台1の装置との接続を解除する解除ノブ4の摺動が拘束されるため、ロック機構のロック解除が無闇にできないようになる。従って、自由になっている端子台1と外部配線12との接続操作だけにおのずと規定されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】送風装置の斜視図である。(実施の形態1)
【図2】固定具で固定した端子台を示す斜視図である。(実施の形態1)
【図3】固定具を単独で示す斜視図である。(実施の形態1)
【図4】回り止め部材を介して固定具を固定した状態の斜視図である。(実施の形態1)
【図5】回り止め部材を単独で示す斜視図である。(実施の形態1)
【符号の説明】
【0014】
1 端子台、 2 外郭、 4 解除ノブ、 5 クランプ部、 8 固定具、 10 回り止め部材、 11 開口部、 12 外部配線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品に電気的に接続された端子台を外郭に取付けた送風装置であって、その端子台は、固定する構造を持たず、しかも配線固定用のロック機構を両側に有し、そのロック機構のロック解除を解除ノブの摺動により行うものであり、この端子台の外周を掴むクランプ部の一端に前記外郭に固定する固定手段を備えた固定具で固定し、この固定具の前記クランプ部は、前記端子台の一方の前記解除ノブの摺動を拘束する機能を備えている送風装置。
【請求項2】
請求項1に記載の送風装置であって、固定具のクランプ部の回転を規制する回り止め部材を介して前記固定具を外郭に固定した送風装置。
【請求項3】
請求項2に記載の送風装置であって、回り止め部材は、外郭にネジ固定する平板構造であり、端子台を収め込む開口部を有し、固定具のクランプ部の端縁が前記開口部の孔縁に収まる構成である送風装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−148023(P2009−148023A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−320593(P2007−320593)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】