説明

透光性導電性薄膜の製造方法

【課題】メッシュ部分の異物が少なく、電磁波遮蔽能に優れる透光性導電性薄膜の製造方法を提供すること。
【解決手段】透明支持体にハロゲン化銀感光性層が設けられたハロゲン化銀感光材料を用い、これをフォトマスクを介して露光して、現像処理、物理現像処理することにより得られる透光性導電性薄膜の製造方法において、物理現像処理の工程でのハロゲン化銀感光材料の搬送速度が3〜10m/minであること、更には物理現像処理槽における一定時間内の液循環量が物理現像処理槽の総液量に対し0.1〜2.00Round/minであり、少なくとも1つの循環口から吹き出される循環液の流速が3〜10m/minであることを特徴とする透光性導電性薄膜の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透光性導電性薄膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
透光性導電性薄膜は、近年の電子技術の進歩により様々な分野で使用されている。特に近年、その画像の鮮やかさから出荷数量が大きく伸びているプラズマディスプレイパネル(PDP)は装置の構造上電磁波が発生するが、電磁波は人体への影響等を考慮し、装置からの放出量が厳しく規制されている。従って、PDP装置は電磁波の漏洩防止を図る必要があり、電磁波防止フィルター(EMIフィルター)を付設することで電磁波の漏洩防止を図っている。ディスプレイ前面には、画像を映し出すというその特性から透明性の高いEMIフィルターが必要で、透明支持体に導電性メッシュを付加したEMIフィルターが採用されている。
【0003】
このEMIフィルターは必要な電磁波遮蔽能を有し、且つ非常に高い透明性を要求されるため30μm以下の線幅で形成された線を100〜500μmピッチで網目状に配したメッシュが採用されている。一般的にPDP前面用のEMIフィルターは、メッシュ状の繊維に導電性物質を付着させ透明基板上に載せたり、金属薄膜を付けた透明基板をエッチング加工してメッシュを作製したりして、透光性導電性薄膜を作製することで作製されている。
【0004】
近年では、透過率を更に向上させる手段として細線化が検討され、ハロゲン化銀感光材料にメッシュ露光を行い、透光性導電性薄膜を作ることが考案されており、線幅は20μmから更には10μmへと細線化されている。
【0005】
ハロゲン化銀感光材料を用いて透光性導電性薄膜を作るためには、ハロゲン化銀感光材料を塗布したフィルムに露光、現像を行い、導電性メッシュ部を作製した後、電解メッキを行い、使用目的により要求される値まで表面抵抗率を下げることが一般に行われている。但し、露光、現像しただけでは、電解メッキを行うのに十分な値までメッシュの表面抵抗率が下がらず、現像と電解メッキの間にメッシュ部の表面抵抗率を下げるための物理現像を行うという工夫が一般的になされている。
【0006】
EMIフィルターを作製する方法で、露光後、現像−物理現像−電解メッキという処理工程によるもの(例えば、特許文献1〜3参照)が知られている。
【0007】
物理現像の基本的な仕組みは、露光、現像で銀メッシュが生成されたフィルムを銀イオンと還元剤が含まれた物理現像液に浸し、銀イオンが還元剤により金属銀に還元され、それが銀メッシュ部に選択的に付けるというものであり、処理を行って行くと時間の経過と共に過剰に還元された金属銀が処理液中に発生し、フィルムのメッシュ以外の部分(窓部)に付着したり、現像機に汚れとして付着し、それがフィルムに転写して汚れとなったり、更には現像液タンク中にスラッジとして沈殿してしまうという問題がある。また、過剰な銀ができるだけ生成しないように銀イオンの添加量を減らすと、物理現像の活性度が落ち十分な表面抵抗率低減が行えないという問題が発生する。
【0008】
更には物理現像液は処理液の寿命が短く、銀イオン含有液と還元剤含有液を混合してから数分〜数十分で失活して物理現像性能を発揮できなくなる。活性度を維持するために、銀イオン含有液と還元剤含有液を補充、添加しなければならないが、発生する金属銀が更に増え、強いては汚れがひどくなるという問題がある。このような問題点があることから、実際にはそのままでは安定的に継続して処理することは非常に難しい。
【0009】
従って、物理現像工程ではメッシュ部の表面抵抗率を均一に下げることと処理液中に浮遊しやすい銀の付着を防ぎつつ、しかも生産する上でロール状のフィルムを連続処理できる方法が望まれていた。
【0010】
処理液中に発生する銀を取り除く方法として、支持体上に銀イオンもしくは金属銀が吸着可能な有機化合物を含有する親水コロイド層を持つクリーニングフィルムで除去する方法が記載されている(例えば、特許文献4参照)。
【0011】
しかしながら、この方法は有機化合物の合成コストが高く、処理コストが高くなる問題がある。また、この方法は十分な効果を発揮させるためには、大きな面積のフィルムを通さねばならず、処理効率の点、特に時間の経過で過剰な銀が発生してしまう物理現像液に適用することには問題がある。更にこの方法はフィルム処理中に一定の間隔で実施する必要があり、ロール状のフィルムを連続処理する場合などには不適である。
【0012】
一方、現像処理の不均一を改良するための工夫として、感光材料の現像処理機に関しては、従来からエアを吹き付けて処理液を動かす方法が一般に行われてきているが、異物の付着が助長されることが分かり、現システムには適用できないことが分かった。
【0013】
液の循環について、全現像長さの内のある割合で現像液を循環し、感光材料の表面流速をある値に制御する現像装置が記載されている(例えば、特許文献5参照)。ただ、この方法でも十分な効果を得ることはできなかった。
【0014】
そこで、安定的に継続して処理するために検討を重ねた結果、搬送速度を上げ処理槽の液面を動かしつつ、循環効率上げることを検討した。しかし、搬送速度を上げすぎると必要な現像時間を得るために処理装置が膨大なものになってしまう上に、現像液の必要総液量も大量となってしまい、コスト面での弊害が出てきてしまう。従って、なるべく搬送速度を上げずに液を循環させ、更に搬送速度による液面振動とポンプによる循環方式を組み合わせることで、処理による局所的な表面抵抗値の変動、更には異物の付着についても改良できることが分かった。
【特許文献1】特開2004−221564号公報
【特許文献2】特開2006−228836号公報
【特許文献3】特開2006−332459号公報
【特許文献4】特開昭64−50047号公報
【特許文献5】特開平05−281687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、メッシュ部分の異物が少なく、電磁波遮蔽能に優れる透光性導電性薄膜の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
【0017】
1.透明支持体にハロゲン化銀感光性層が設けられたハロゲン化銀感光材料を用い、これをフォトマスクを介して露光して、現像処理、物理現像処理することにより得られる透光性導電性薄膜の製造方法において、物理現像処理の工程でのハロゲン化銀感光材料の搬送速度が3〜10m/minであること、更には物理現像処理槽における一定時間内の液循環量が物理現像処理槽の総液量に対し0.1〜2.00Round/minであり、少なくとも1つの循環口から吹き出される循環液の流速が3〜10m/minであることを特徴とする透光性導電性薄膜の製造方法。
【0018】
2.前記物理現像処理槽の少なくとも1つの循環口の直径が10〜30mmであることを特徴とする前記1に記載の透光性導電性薄膜の製造方法。
【0019】
3.前記物理現像処理槽の循環口が5〜20mmの直径の穴が少なくとも2個開いたプレート状または筒状であることを特徴とする前記1に記載の透光性導電性薄膜の製造方法。
【0020】
4.前記物理現像処理槽の2つ以上ある循環口が千鳥状に配置されたことを特徴とする前記1に記載の透光性導電性薄膜の製造方法。
【0021】
5.前記物理現像処理槽の循環装置に0.1〜30μmのメッシュを有するフィルター装置を付設させたことを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の透光性導電性薄膜の製造方法。
【0022】
6.前記物理現像処理の後、メッキ処理を行うことを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の透光性導電性薄膜の製造方法。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、メッシュ部分の異物が少なく、電磁波遮蔽能に優れる透光性導電性薄膜の製造方法を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明について詳述する。
【0025】
本発明は、透明支持体にハロゲン化銀感光性層が設けられたハロゲン化銀感光材料(以後、単に感光材料とも言う)を用い、これをフォトマスクを介して露光して、現像処理、物理現像処理することにより得られる透光性導電性薄膜の製造方法において、物理現像処理の工程でのハロゲン化銀感光材料の搬送速度が3〜10m/minであること、更には物理現像処理槽における一定時間内の液循環量が物理現像処理槽の総液量に対し0.1〜2.00Round/minであり、少なくとも1つの循環口から吹き出される循環液の流速が3〜10m/minであることを特徴とする。
【0026】
〔透明支持体〕
本発明に係る透明支持体は可視領域で透明性を有し、一般に全光線透過率が90%以上のものが好ましい。中でも、可撓性を有する樹脂フィルムは取り扱い性が優れており、ロールで取り扱うことができることなどから特に好ましく用いられる。
【0027】
透明性樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン酸樹脂、ポリエーテルスルフォン酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、等からなる厚さ30〜300μmの単層フィルムまたは前記透明樹脂からなる複数層の複合フィルムが挙げられる。
【0028】
〔ハロゲン化銀乳剤含有層〕
本発明に係る透光性導電性薄膜を形成するハロゲン化銀感光材料においては、感光性ハロゲン化銀及びバインダーを含有するハロゲン化銀乳剤含有層が透明支持体上に設けられる。
【0029】
感光性ハロゲン化銀の含有量は、銀換算で0.05g/m2以上3g/m2未満である態様が好ましく、特に好ましくは銀換算で0.3g/m2以上1g/m2未満である態様である。感光性ハロゲン化銀の含有量が0.05g/m2未満の場合、電磁波遮蔽性能を十分に得ることが困難になりやすい。これは、後述する物理現像または金属メッキ処理の触媒となる現像銀核の量が不十分となり、有効な導電性メッシュを形成しにくくなるためと推定される。
【0030】
感光材料のバインダー量は10mg/m2以上0.2g/m2以下の場合が、導電性と被膜物性の両立という観点から特に好ましい態様である。バインダー量が10mg/m2未満の場合、バインダーに対するハロゲン化銀の量が相対的に多くなるため被膜が脆弱になりやすく、十分な被膜強度を維持することが困難となる。また、バインダー量が0.2g/m2より多い場合には、感光性ハロゲン化銀粒子の粒子間距離が大きくなるため、現像銀ネットワークが形成されにくくなり、有効な導電性メッシュを形成しにくくなるとともに温度、湿度変化に対する耐久性も不十分となる。
【0031】
〔ハロゲン化銀粒子〕
本発明に係るハロゲン化銀感光材料において用いられるハロゲン化銀粒子の組成は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀、塩沃化銀等任意のハロゲン組成を有するものであってもよい。
【0032】
ハロゲン化銀粒子が現像され金属銀粒子になった後の表面比抵抗を下げ、電磁波を効率的に遮蔽するためには、現像銀粒子同士の接触面積ができるだけ大きくなる必要がある。そのためには、表面積比を高めるためにハロゲン化銀粒子サイズが小さい程よいが、小さすぎる粒子は凝集して大きな塊状になりやすく、その場合接触面積は逆に少なくなってしまうので最適な粒子径が存在する。
【0033】
ハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズは、球相当径で0.01〜0.5μmが好ましく、より好ましくは0.03〜0.3μmである。なお、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径を表す。ハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズは、ハロゲン化銀粒子の調製時の温度、pAg、pH、銀イオン溶液とハロゲン溶液の添加速度、粒子径コントロール剤(例えば、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、ベンズトリアゾール、テトラザインデン化合物類、核酸誘導体類、チオエーテル化合物類等)を適宜組み合わせて制御することができる。
【0034】
ハロゲン化銀乳剤を塗布するに際しては、塗布銀量(g/m2)を粒径(μm)で除した値が6以上25以下となる態様が好ましい。比較的粒径の小さい感光性ハロゲン化銀を多量に用いた場合にこの値が25より大きくなりやすく、この場合、フィルム断裁時のエッジ部分において、被膜からハロゲン化銀粒子の滑落などが生じやすくなる傾向にある。また、比較的粒径の大きい感光性ハロゲン化銀を少量用いた場合に、この値が6より小さくなりやすく、この場合、単位面積中の感光性ハロゲン化銀の粒子個数が少なくなるため、導電性が低下しやすい傾向となるためである。
【0035】
ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、3角形平板状、4角形平板状等)、8面体状、14面体状等、様々な形状であることができる。感度を高くするためにアスペクト比が2以上や4以上、更に8〜16であるような平板粒子も好ましく使用することができる。粒子サイズの分布には特に限定はないが、露光によるパターン形成時にパターンの輪郭をシャープに再現させ、高い導電性を維持しながら透明性を高めるという観点からは狭い分布が好ましい。感光材料に用いられるハロゲン化銀粒子の粒径分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子である。ここで、変動係数は粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義される。
【0036】
変動係数=S/R
式中、Sは粒径分布の標準偏差、Rは平均粒径を表す。
【0037】
ハロゲン化銀粒子は更に他の元素を含有していてもよい。例えば、ハロゲン化銀乳剤において、硬調な乳剤を得るために用いられる金属イオンをドープすることも有用である。特に鉄イオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオンやイリジウムイオン等の第8〜10族金属イオンは、金属銀像の生成の際に露光部と未露光部の差が明確に生じやすくなるため好ましく用いられる。
【0038】
これらの金属イオンは、塩や錯塩の形でハロゲン化銀乳剤に添加することができる。ロジウムイオン、イリジウムイオンに代表される遷移金属イオンは、各種の配位子を有する化合物であることもできる。そのような配位子としては、例えば、シアン化物イオンやハロゲンイオン、チオシアナートイオン、ニトロシルイオン、水、水酸化物イオン等を挙げることができる。具体的な化合物の例としては、臭化ロジウム酸カリウムやイリジウム酸カリウム等が挙げられる。
【0039】
ハロゲン化銀に含有される前記金属イオン化合物の含有率は、ハロゲン化銀1モル当たり10-10〜10-2モル/モルAgであることが好ましく、10-9〜10-3モル/モルAgであることが更に好ましい。
【0040】
ハロゲン化銀粒子に上述の金属イオンを含有させるためには、ハロゲン化銀粒子形成工程において、該金属化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の形成後等、物理熟成中の各工程における任意の場所で添加すればよい。また、添加においては、重金属化合物の溶液を粒子形成工程の全体、あるいは一部に亘って連続的に行うことができる。
【0041】
更に感度を向上させるため、ハロゲン化銀乳剤で行われる化学増感を施すこともできる。化学増感としては、例えば、金、パラジウム、白金増感等の貴金属増感、無機イオウ、または有機イオウ化合物によるイオウ増感等のカルコゲン増感、塩化錫、ヒドラジン等還元増感等を利用することができる。
【0042】
また、ハロゲン化銀粒子には分光増感を施すことが好ましい。好ましい分光増感色素としては、シアニン、カルボシアニン、ジカルボシアニン、複合シアニン、ヘミシアニン、スチリル色素、メロシアニン、複合メロシアニン、ホロポーラー色素等を挙げることができ、当業界で用いられている分光増感色素を単用、あるいは併用して使用することができる。
【0043】
特に有用な色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、及び複合メロシアニン色素である。これらの色素類には、その塩基性異節環核として、シアニン色素類に通常利用される核のいずれをも通用できる。即ち、ピロリン核、オキサゾリン核、チアゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリジン核及びこれらの核に脂環式炭化水素環が融合した核、及びこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した核、即ちインドレニン核、ベンズインドレニン核、インドール核、ベンズオキサゾール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール核、キノリン核等である。これらの核は、炭素原子上で置換されてもよい。
【0044】
メロシアニン色素または複合メロシアニン色素には、ケトメチレン構造を有する核として、ピラゾリン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核等の5から6員異節環核を適用することができる。
【0045】
これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組み合わせを用いてもよい。増感色素の組み合わせは、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。
【0046】
これらの増感色素をハロゲン化銀乳剤中に含有せしめるには、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、あるいは水、メタノール、プロパノール、メチルセロソルブ、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等の溶媒の単独もしくは混合溶媒に溶解して乳剤へ添加してもよい。
【0047】
また、特公昭44−23389号、同44−27555号、同57−22089号の各公報に記載のように酸または塩基を共存させて水溶液としたり、米国特許第3,822,135号、同4,006,025号の各明細書に記載のようにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤を共存させて水溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤へ添加してもよい。また、フェノキシエタノール等の実質上水と非混和性の溶媒に溶解した後、水または親水性コロイドに分散したものを乳剤に添加してもよい。特開昭53−102733号、同58−105141号の各公報に記載のように親水性コロイド中に直接分散させ、その分散物を乳剤に添加してもよい。
【0048】
〔バインダー〕
本発明に係るハロゲン化銀乳剤含有層において、ハロゲン化銀粒子を均一に分散させ、且つハロゲン化銀粒子を支持体上に担持し、ハロゲン化銀乳剤含有層と支持体の接着性を確保する目的でバインダーを用いる。用いることができるバインダーには特に制限がなく、非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれも用いることができるが、現像性向上の観点からは、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。
【0049】
感光材料にはバインダーとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じてゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができる。
【0050】
〔硬調化剤〕
本発明に係る透光性導電性薄膜においては、エッジが明瞭な導電性パターンを描くために感光材料は硬調である態様が好ましく、その方法として、塩化銀含有量を高くして粒径の分布を狭くする方法、あるいはヒドラジン化合物やテトラゾリウム化合物を硬調化剤として使用することが好ましい。ヒドラジン化合物は−NHNH−基を有する化合物であり、代表的なものを下記一般式(1)で示す。
【0051】
一般式(1) T−NHNHCO−V、T−NHNHCOCO−V
式中、Tは各々置換されてもよいアリール基、ヘテロ環基を表す。Tで表されるアリール基はベンゼン環やナフタレン環を含むもので、この環は置換基を有してもよく、好ましい置換基として直鎖、分岐のアルキル基(好ましくは炭素数1〜20のメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ドデシル基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数2〜21のメトキシ基、エトキシ基等)、脂肪族アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜21のアルキル基を持つ、アセチルアミノ基、ヘプチルアミノ基等)、芳香族アシルアミノ基等が挙げられ、これらの他に、例えば、上記のような置換または未置換の芳香族環が−CONH−、−O−、−SO2NH−、−NHCONH−、−CH2CH=N−、等の連結基で結合しているものも含む。Vは水素原子、置換されてもよいアルキル基(メチル基、エチル基、ブチル、トリフロロメチル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(ピリジル基、ピペリジル基、ピロリジル基、フラニル基、チオフェン基、ピロール基等)を表す。
【0052】
上述のヒドラジン化合物は、米国特許第4,269,929号明細書の記載を参考にして合成することができる。ヒドラジン化合物はハロゲン化銀粒子含有層中、またはハロゲン化銀粒子含有層に隣接する親水性コロイド層中、更にはは他の親水性コロイド層中に含有せしめることができる。
【0053】
特に好ましいヒドラジンの化合物を下記に挙げる。
【0054】
(H−1):1−トリフロロメチルカルボニル−2−{〔4−(3−n−ブチルウレイド)フェニル〕}ヒドラジン
(H−2):1−トリフロロメチルカルボニル−2−{4−〔2−(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニル}ヒドラジン
(H−3):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−{4−〔2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニル}ヒドラジン
(H−4):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−{4−〔2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニルスルホンアミドフェニル}ヒドラジン
(H−5):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−(4−(3−(4−クロロフェニル−4−フェニル−3−チア−ブタンアミド)ベンゼンスルホンアミド)フェニル)ヒドラジン
(H−6):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−(4−(3−チア−6,9,12,15−テトラオキサトリコサンアミド)ベンゼンスルホンアミド)フェニルヒドラジン
(H−7):1−(1−メチレンカルボニルピリジニウム)−2−(4−(3−チア−6,9,12,15−テトラオキサトリコサンアミド)ベンゼンスルホンアミド)フェニルヒドラジンクロライド。
【0055】
硬調化剤としてヒドラジンを使用するときに、ヒドラジンの還元作用を強化するためにアミン化合物またはピリジン化合物を好ましく用いることができる。ヒドラジン化合物の還元作用を促進するアミン化合物としては、分子中にピペリジン環またはピロリジン環が少なくとも1個、チオエーテル結合が少なくとも1個、エーテル結合が少なくとも2個あることが特に好ましい。
【0056】
ヒドラジンの還元作用を促進する化合物として、上述のアミン化合物の他にピリジニウム化合物やホスホニウム化合物も好ましく用いることができる。オニウム化合物は正電荷を帯びているため、負電荷に帯電しているハロゲン化銀粒子に吸着して、現像時の現像主薬からの電子注入を促進することにより硬調化を促進するものと考えられている。
【0057】
好ましいピリジニウム化合物は、特開平5−53231号、同6−242534号の各公報記載のビスピリジニウム化合物を参照することができる。特に好ましいピリジニウム化合物は、ピリジニウムの1位または4位で連結してビスピリジニウム体を形成しているものである。塩としてはハロゲンアニオンとして塩素イオンや臭素イオン等が好ましく、他に4フッ化ほう素イオン、過塩素酸イオン等が挙げられるが、塩素イオンまたは4フッ化ほう素イオンが好ましい。
【0058】
ヒドラジン化合物、アミン化合物、ピリジニウム化合物及びテトラゾリウム化合物は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-6〜5×10-2モル含有するのが好ましく、特に1×10-4〜2×10-2モルが好ましい。これらの化合物の添加量を調節して、硬調化度γを6以上にすることは容易である。
【0059】
これらの化合物は、ハロゲン化粒子を含む層または他の親水性コロイド層に添加して使用する。水溶性の場合には水溶液にして、水不溶性の場合にはアルコール類、エステル類、ケトン類等の水に混和しうる有機溶媒の溶液としてハロゲン化銀粒子溶液または親水性コロイド溶液に添加すればよい。また、これらの有機溶媒に溶けないときには、ボールミル、サンドミル、ジェットミル等で0.01〜10μmの大きさの微粒子にして添加することができる。
【0060】
微粒子分散の方法は、写真添加剤である染料の固体分散の技術を好ましく応用することができる。例えば、ボールミル、遊星回転ボールミル、振動ボールミル、ジェットミル等の分散機を使用して所望の粒子径にすることができる。分散時に界面活性剤を使用すると、分散後の安定性を向上させることができる。
【0061】
〔露光〕
本発明の対象となる露光に用いられる光源としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、電子線、X線等の放射線等が挙げられるが、紫外線または近赤外線を用いることが好ましい。更に露光には広い波長分布を有する光源を利用してもよく、波長分布の狭い光源を用いてもよい。
【0062】
可視光線は必要に応じてスペクトル領域に発光を示す各種発光体が用いられる。例えば、赤色発光体、緑色発光体、青色発光体のいずれか1種または2種以上が混合されて用いられる。スペクトル領域は上記の赤色、緑色及び青色に限定されず、黄色、橙色、紫色あるいは赤外領域に発光する蛍光体も用いられる。また、紫外線ランプも好ましく、水銀ランプのg線、水銀ランプのi線等も利用される。
【0063】
また、露光は種々のレーザービームを用いて行うこともできる。例えば、ガスレーザー、発光ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザー、または半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーと非線形光学結晶を組み合わせた第二高調波発光光源(SHG)等の単色高密度光を用いた走査露光方式を好ましく用いることができ、更にKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2レーザー等も用いることができる。
【0064】
レーザー光源としては、具体的には紫外半導体、青色半導体レーザー、緑色半導体レーザー、赤色半導体レーザー、近赤外レーザー等が好ましく用いられる。
【0065】
ハロゲン化銀乳剤含有層を画像状に露光する方法は、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービームによる走査露光で行ってもよい。この際、レンズを用いた集光式露光でも反射鏡を用いた反射式露光でもよく、面々接触露光、近接場露光、縮小投影露光、反射投影露光等の露光方式を用いることができる。露光に用いられるレーザーの出力は、ハロゲン化銀粒子の感度、露光スピード、装置の光学系により異なるが、概ね数十μW〜5W程度である態様が好ましい。
【0066】
〔現像処理〕
本発明に係る透光性導電性薄膜に用いられるハロゲン化銀乳剤含有層を有する感光材料は露光した後、現像処理が行われる。現像処理は発色現像主薬を含有しない、所謂黒白現像処理であることが好ましい。
【0067】
現像処理液としては、現像主薬としてハイドロキノン、ハイドロキノンスルホン酸ナトリウム、クロルハイドロキノン等のハイドロキノン類の他に、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン等のピラゾリドン類及びN−メチルパラアミノフェノール硫酸塩等の超加成性現像主薬と併用することができる。また、ハイドロキノンを使用しないでアスコルビン酸やイソアスコルビン酸等レダクトン類化合物を、上記超加成性現像主薬と併用することもできる。
【0068】
また、現像処理液には、保恒剤として亜硫酸ナトリウム塩や亜硫酸カリウム塩、緩衝剤として炭酸ナトリウム塩や炭酸カリウム塩、現像促進剤としてジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノプロパンジオール等を適宜使用できる。
【0069】
現像処理で用いられる現像処理液は、画質を向上させる目的で画質向上剤を含有することができる。画質向上剤としては、例えば、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、5−メチルベンゾトリアゾール等の含窒素ヘテロ環化合物を挙げることができる。
【0070】
露光後に行われる現像処理は、定着前物理現像を含むこともできる。ここで言う定着前物理現像とは、後述の定着処理を行う前に露光により潜像を有するハロゲン化銀粒子の内部以外から銀イオンを供給し、現像銀を補強するプロセスのことを示す。
【0071】
現像処理液から銀イオンを供給するための具体的な方法としては、例えば、予め現像処理液中に硝酸銀等を溶解しておき銀イオンを溶かしておく方法、あるいは現像液中にチオ硫酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウム等のようなハロゲン化銀溶剤を溶解しておき、現像時に未露光部のハロゲン化銀を溶解させ、潜像を有するハロゲン化銀粒子の現像を補力する方法等が挙げられる。現像液中に予めハロゲン化銀溶剤を溶解しておく処方を用いた方が、未露光部でのカブリ発生によるフィルムの透過率低下を抑制できるため好ましい。
【0072】
現像処理においては、露光されたハロゲン化銀粒子の現像終了後に、未露光部分のハロゲン化銀粒子を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を行う。定着処理は、ハロゲン化銀粒子を用いた写真フィルムや印画紙等で用いられる定着液処方を用いることができる。定着処理で使用する定着液は、定着剤としてチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム等を使用することができる。定着時の硬膜剤として、硫酸アルミウム、硫酸クロミウム等を使用することができる。
【0073】
定着剤の保恒剤としては、現像処理液で述べた亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸等を使用することができ、その他にクエン酸、蓚酸等を使用することができる。
【0074】
続いて行う水洗工程に使用する水洗水には、防黴剤としてN−メチル−イソチアゾール−3−オン、N−メチル−イソチアゾール−5−クロロ−3−オン、N−メチル−イソチアゾール−4,5−ジクロロ−3−オン、2−ニトロ−2−ブロム−3−ヒドロキシプロパノール,2−メチル−4−クロロフェノール、過酸化水素等を使用することができる。
【0075】
これらの現像工程は、処理対象となるフィルムを連続的に搬送する機構を有する装置で行われることが処理効率の観点から好ましい。また、処理を行う装置に循環装置や濾過装置、更には補充装置を備えることは、仕上がり品質向上の観点から好ましい態様である。
【0076】
〔物理現像処理〕
本発明の対象となる透光性導電性薄膜に用いられるハロゲン化銀乳剤含有層を有する感光材料は、上述の現像処理によって形成された現像銀同士の接触を補助し、導電性を高めるために物理現像処理を行うことが好ましい。本発明において物理現像処理とは、現像処理中、あるいは処理後に予め感光材料中に含有されていない導電性物質源を外部から供給し、導電性を高める処理のことを指す。物理現像処理は、潜像を有するハロゲン化銀乳剤を含有する感光材料を銀イオンあるいは銀錯イオンと還元剤を含有する処理液に浸漬することで、これを施すことができる。
【0077】
物理現像の現像開始点が潜像核だけでなく、現像銀が物理現像開始点となった場合についても物理現像と定義される。銀イオンあるいは銀錯イオンの供給源は特に限定されるものではないが、硝酸銀水溶液などが好ましく用いられる。
【0078】
還元剤についても特に限定されるものではないが、ハイドロキノン、ハイドロキノンスルホン酸ナトリウム、クロルハイドロキノン等のハイドロキノン類の他に、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン等のピラゾリドン類及びN−メチルパラアミノフェノール硫酸塩等、更にはアスコルビン酸やイソアスコルビン酸等を用いることができる。
【0079】
また、物理現像液には錯化剤、pH緩衝剤、pH調整剤、酸化防止剤等を単独または複数組み合わせて用いることもできる。
【0080】
物理現像処理を行う物理現像処理槽においては、物理像液中に発生する過剰な金属銀を取り除きフィルムへの汚れ付着を防止するため、物理現像液を入れた槽内の処理液を循環させる循環装置と該循環装置に連結され過剰に生成したこれら銀粒子を除去するためのフイルター装置とを具備する構造が好ましく用いられる。
【0081】
その際、銀粒子を除去するため使用するフィルターは0.1〜30μmのメッシュであることが好ましく、更に好ましくは0.5〜10μmである。また、循環量については、一定時間内の液循環量が物理現像液の総液量に対して0.1〜2.0Round/minであることが好ましく、更に好ましくは0.5〜1.0Round/minである。Round/minは1分当たりのタンク容量(物理現像液の総液量)に対する処理液の循環量の比率を指す。
【0082】
また、物理現処理は銀イオンと還元剤が混合されると、時間の経過と共に還元された金属銀が生成し活性度が下がってくるので、時間の経過または処理したフィルムの量に合わせて、銀イオン、還元剤、その他構成成分等を単独または複数組み合わせて補充することは、連続処理においても活性度を維持し、仕上がり品質を均一に保つ観点から好ましい態様である。
【0083】
循環の流速が早すぎると、処理液内で感光材料の揺れが起きて局部的に折れたり、壁面に付いて傷付けたりする可能性があり、逆に遅すぎると循環が不均一となり、処理ムラの原因になりかねない。従って、循環口が1つの場合は循環の流速としては3〜10m/minが好ましく、更には5〜10m/minが好ましい。
【0084】
また、循環口の直径はポンプの流量と循環の流速が出るのであれば、どのような長さでも構わない。但し、直径が大きいと流量や流速が不安定になってしまうし、逆に小さいと全体の循環を上げることが難しくなってくるため、10〜30mmが好ましく、更には15〜30mmが好ましい。更には循環口が2つ以上ある場合は、上記よりも直径が小さくても構わない。好ましくは5〜20mm、更には10〜15mmが好ましい。
【0085】
また、循環口を少なくとも2つ設ける場合は、プレート状または筒状に設けた穴から噴射させるのが好ましく、噴射させる方向はいずれの場合でもよい。例えば、底部または平行面から噴射させる場合は試料の巾手方向に穴を設けたり、長手方向に穴を設けたりしてもよい。また、試料の側面から噴射させる場合は上下に穴を設けたり、左右に設けたりしてもよい。更に各々の穴の開ける間隔や位置はいずれの場合でもよいが、千鳥状に開いていてもよい。
【0086】
感光材料の搬送速度については、遅すぎると生産効率が悪くなる上に物理液中に浮遊する金属銀が付着しやすくなり、逆に早すぎると装置が巨大化してしまう上に試料の揺れによる局部的な折れが生じやすくなる。従って、搬送速度としては3〜10m/minが好ましく、更には4〜8m/minが好ましい。
【0087】
〔メッキ処理〕
本発明において、物理現像処理の後にメッキ処理を行っても構わない。メッキ処理には従来公知の種々のメッキ方法を用いることができ、例えば、電解メッキ及び無電解メッキを単独、あるいは組み合わせて実施することができる。中でも、メッキ効率が高く、不要な部分へのメッキ付着による透過率の低下が発生しにくい電解メッキを好ましく用いることができる。
【0088】
電解メッキに用いることができる金属としては、例えば、銅、ニッケル、コバルト、錫、銀、金、白金、その他各種合金を用いることができるが、メッキ処理が比較的容易であり、且つ高い導電性を得やすいという観点から、電解銅メッキを用いることが特に好ましい。
【0089】
物理現像または金属メッキにより付与された金属量が、感光材料を露光、現像処理することにより得られた現像銀に対して、質量換算で10倍以上100倍以下である態様が好ましい。この値は、物理現像または金属メッキを施す前後において、感光材料中に含有される金属を、例えば、蛍光X線分析などで定量することによって求めることができる。
【0090】
物理現像または金属メッキにより付与された金属量が、感光材料を露光、現像処理することにより得られた現像銀に対して、質量換算で10倍未満である場合、導電性がやや低下する傾向となりやすく、また100倍より大きい場合には、導電性パターン部以外の不要な部分への金属析出による透過率の低下が生じやすい傾向となる。
【0091】
〔酸化処理〕
本発明に係る透光性導電性薄膜に用いられるハロゲン化銀乳剤含有層を有する感光材料は、現像処理あるいは物理現像またはメッキ処理後に酸化処理を行うことができる。酸化処理により、不要な金属成分をイオン化して溶解除去することが可能となり、フィルムの透過率をより高めることが可能となる。
【0092】
酸化処理に用いる処理液としては、例えば、Fe(III)イオンを含む水溶液を用いて処理する方法、あるいは過酸化水素、過硫酸塩、過硼酸塩、過リン酸塩、過炭酸塩、過ハロゲン酸塩、次亜ハロゲン酸塩、ハロゲン酸塩、有機過酸化物等の過酸化物を含む水溶液を用いて処理する方法など、従来公知の酸化剤を含有する処理液を用いることができる。酸化処理は、現像処理終了後からメッキ処理前の間に行われる態様が、短時間処理で効率的に透過率向上を行うことができるため好ましい態様であり、特に好ましくは物理現像終了後に行う態様である。
【0093】
〔黒化処理〕
本発明に係る透光性導電性薄膜に用いられるハロゲン化銀乳剤含有層を有する感光材料は、フィルム表面での外光反射を防止するという観点から、金属メッキ処理終了後に黒化処理を施すことが好ましい。このような黒化処理を施した透光性導電性薄膜を、例えば、PDPなどのディスプレイに用いた場合、外光反射によるコントラストの低下を軽減できるとともに、非使用時の画面の色調を黒く高品位に保つことができ好ましい。
【0094】
黒化処理の方法としては特に制限はなく、既知の手法を適宜、単独あるいは組み合わせて用いることができる。例えば、導電性パターンの最表面が金属銅からなる場合には、亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸三ナトリウムを含んでなる水溶液に浸漬して酸化処理する方法、あるいはピロリン酸銅、ピロリン酸カリウム、アンモニアを含んでなる水溶液に浸漬し、電解メッキを行うことにより黒化処理する方法などを好ましく用いることができる。
【0095】
また、導電性パターンの最表層がニッケル−リン合金被膜からなる場合は、塩化銅(II)または硫酸銅(II)、塩化ニッケルまたは硫酸ニッケル、及び塩酸を含有する酸性黒化処理液中に浸漬する方法を好ましく用いることができる。
【0096】
また、上述の方法以外にも、表面を微粗面化する方法によっても黒化処理が可能であるが、高い導電性を維持するという観点からは、表面の微粗面化よりも酸化による黒化処理の方法が好ましい。
【0097】
〔透光性導電性薄膜の構成〕
本発明に係る透光性導電性薄膜は、高い透光性と高い電磁波遮蔽性能を付与するために、格子状の細線パターンを露光により描画し、次いで現像処理等を行うことで導電性の金属パターンを形成することが好ましい。上記導電性金属パターンとしては、直交するメッシュパターンである態様が好ましく、線幅は30μm以下、線間隔は100μm以上であることが好ましい。
【0098】
また、導電性金属部は、アース接続等の目的においては線幅は30μmより広い部分を有していてもよい。また、画像を目立たせなくする観点からは、導電性金属部の線幅は18μm未満が好ましく、15μm未満がより好ましく、14μm未満が更に好ましく、10μm未満が最も好ましい。
【0099】
導電性金属部は可視光透過率の点から、開口率は85%以上が好ましく、90%以上が更に好ましく、92%以上が最も好ましい。開口率とはメッシュをなす細線のない部分が全体に占める割合であり、例えば、線幅10μm、ピッチ200μmの正方形の格子状メッシュの開口率は90%である。
【0100】
〔電磁波遮蔽層以外の機能性層〕
本発明に係る透光性導電性薄膜を、例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)用の光学フィルターと組み合わせて使う場合には、ハロゲン化銀粒子層の下に近赤外吸収染料を含む層である近赤外線吸収層を設けることも好ましい。場合によっては近赤外線吸収層を支持体に対して、ハロゲン化銀粒子層のある側の反対側に設けることもできるし、ハロゲン化銀粒子層側と反対側の両方に設けてもよい。ハロゲン化銀を含むハロゲン化銀粒子層と支持体との間に近赤外線吸収層を設けること、あるいはハロゲン化銀粒子層からみて支持体の反対側に近赤外線吸収層を設けることができるが、支持体の一方側にすると同時に塗布ができるので前者の方が好ましい。
【0101】
近赤外線吸収染料の具体例としては、ポリメチン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、金属錯体系、アミニウム系、イモニウム系、ジイモニウム系、アンスラキノン系、ジチオール金属錯体系、ナフトキノン系、インドールフェノール系、アゾ系、トリアリルメタン系の化合物等が挙げられる。PDP用光学フィルターで近赤外線吸収能が要求されるのは、主として熱線吸収や電子機器のノイズ防止である。このためには、最大吸収波長が750〜1100nmである近赤外線吸収能を有する色素が好ましく、金属錯体系、アミニウム系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジイモニウム系、スクワリウム化合物系が特に好ましい。
【0102】
近赤外線吸収染料としては、ジイモニウム化合物は、IRG−022、IRG−040(以上、日本化薬株式会社製)、ニッケルジチオール錯体化合物は、SIR−128、SIR−130、SIR−132、SIR−159、SIR−152、SIR−162(以上、三井化学株式会社製)、フタロシアニン系化合物は、IR−10,IR−12(以上、日本触媒株式会社製)等の市販品を利用することができる。
【0103】
上記近赤外線吸収染料は、メタノール、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール溶剤、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルブチルケトン等のケトン溶媒、ジメチルスルホオキサイド、ジメチルホルムアミド、ジメチルエーテル、トルエン等有機溶解して使用するか、後述する微粒子化機械で平均粒子径0.01〜10μmの微粒子にして塗布することが好ましく、添加量としては光学濃度が極大波長で0.05〜3.0濃度の範囲で使用するのが好ましい。
【0104】
なお、近赤外線吸収能を有する色素を色調補正層に含有させる場合、上記の色素の内いずれか1種類を含有させてもよいし、2種以上を含有させてもよい。
【0105】
本発明に係る透光性導電性薄膜を、例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)用の光学フィルターと組み合わせて使う場合には、PDPに用いられるネオンガスの輝線発光による色再現性の低下を防ぐために、この対策として595nm付近の光を吸収する色素を含有する態様が好ましい。
【0106】
このような特定波長を吸収する色素としては具体的には、例えば、アゾ系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、アンスラキノン系、インジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、メチン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、ピロール系、チオインジゴ系、金属錯体系等の周知の有機顔料及び有機染料、無機顔料が挙げられる。これらの中でも、耐候性が良好であることからフタロシアニン系、アンスラキノン系色素が特に好ましく用いられる。
【0107】
透光性導電性薄膜をディスプレイ画面の保護等を目的として用いる場合には、反射防止層を設けることが好ましい。反射防止層としては、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、硫化物等の無機物を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法等で単層あるいは多層に薄膜積層させる方法、アクリル樹脂、フッ素樹脂等の屈折率の異なる樹脂を単層あるいは多層に薄膜積層させる方法等を用いることができる。
【0108】
前記透光性導電性薄膜において、導電性金属パターンを有する層に対して支持体を挟んだ反対側に反射防止層を形成する場合には、最初に反射防止層を形成した後に、プロテクトフィルムを貼り合わせ、その後導電性パターン層を形成する態様が好ましい。導電性パターンを先に形成した後に反射防止層を形成する場合、反射防止層と支持体の接着性を向上させるために行うプラズマ処理やコロナ処理の効率が低下しやすい傾向にあるため、反射防止層を最初に形成する態様が好ましい。
【0109】
また、反射防止層を先に形成した場合、該層が現像及びメッキ処理などにより劣化することを防止するという観点から、予めプロテクトフィルムを貼り合わせた後、導電性パターン層を形成する態様が好ましい。
【0110】
プロテクトフィルムは、一般的に市販されているプロテクトフィルムを用いることができるが、導電性パターン形成のための感光性ハロゲン化銀乳剤層を塗工しやすくするという観点から、フィルムの厚さは10μm以上100μm以下が好ましく、特に好ましくは20μm以上60μm以下である。10μm未満の場合、フィルムの剛性が著しく低下するためプロテクトフィルムの貼り合わせの作業効率が低下しやすく、また100μmより厚い場合、フィルムの巻き取り時に巻き取り皺などの故障が発生しやすくなるためである。
【0111】
プロテクトフィルムに用いられる粘着剤の種類には特に制限はないが、反射防止フィルムを変質させることなく、また剥離時に反射防止フィルムにダメージを与えないものが好ましく用いられる。このような観点から、アクリル系またはシリコン系の粘着剤が好ましく用いられる。また、その粘着力としては0.08〜0.6N/25mmであるものが好ましく用いられる。
【実施例】
【0112】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0113】
実施例1
〔透光性導電性薄膜1の作製〕
《支持体の作製》
100μmの二軸延伸PET支持体の両面に12W・min/m2のコロナ放電処理を施し、下引き塗布液B−1を乾燥膜厚0.1μmになるように塗布し、その上に12W・min/m2のコロナ放電処理を施し、下引き塗布液B−2を乾燥膜厚0.06μmになるように塗布した。
【0114】
〈下引き塗布液B−1〉
ブチルアクリレート30質量%、t−ブチルアクリレート20質量%、スチレン25質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量%の共重合体ラテックス液(固形分30%) 50g
化合物(UL−1) 0.2g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.05g
水で仕上げる 1000ml
〈下引き塗布液B−2〉
ゼラチン 10g
化合物(UL−1) 0.2g
化合物(UL−2) 0.2g
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g
硬膜剤(UL−3) 1.0g
水で仕上げる 1000ml
【0115】
【化1】

【0116】
《ハロゲン化銀乳剤の調製》
反応容器内で下記溶液−Aを34℃に保ち、特開昭62−160128号公報記載の混合撹拌装置を用いて高速に撹拌しながら、硝酸(濃度6%)を用いてpHを2.95に調整した。引き続き、ダブルジェット法を用いて下記溶液−Bと下記溶液−Cを一定の流量で8分6秒間かけて添加した。添加終了後に、炭酸ナトリウム(濃度5質量%)を用いてpHを5.90に調整し、続いて下記溶液−Dと溶液−Eを添加した。
【0117】
〈溶液−A〉
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 18.7g
塩化ナトリウム 0.31g
下記溶液−I 1.59ml
純水 1246ml
〈溶液−B〉
硝酸銀 169.9g
硝酸(濃度6質量%) 5.89ml
純水にて317.1mlに仕上げる。
【0118】
〈溶液−C〉
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 5.66g
塩化ナトリウム 58.8g
臭化カリウム 13.3g
下記溶液−I 0.65ml
下記溶液−II 2.72ml
純水にて317.1mlに仕上げる。
【0119】
〈溶液−D〉
2−メチル−4ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラアザインデン 0.56g
純水 112.1ml
〈溶液−E〉
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 3.96g
下記溶液−I 0.40ml
純水 128.5ml
〈溶液−I〉
界面活性剤:ポリイソプロピレンポリエチレンオキシジコハク酸エステルナトリウム塩の10質量%メタノール溶液
〈溶液−II〉
六塩化ロジウム錯体の10質量%水溶液
上記操作終了後に、常法に従い40℃にてフロキュレーション法を用いて脱塩及び水洗処理を施し、溶液−Fと防バイ剤を加えて60℃で良く分散し、40℃にてpHを5.90に調整して、最終的に臭化銀を10モル%含む平均粒子径0.09μm、変動係数10%の塩臭化銀立方体粒子乳剤を得た。
【0120】
〈溶液−F〉
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 16.5g
純水 139.8ml。
【0121】
《感光材料の作製》
上述のように下引層を施した支持体上に、前述のように調製したハロゲン化銀乳剤を0.5g/m2の塗布銀量となるように塗布を行った後、乾燥して感光材料を作製した。なお、感光材料の作製においては、硬膜剤(テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン)をゼラチン1g当たり50mgの比率となるようにして添加した。
【0122】
また、塗布助剤として、界面活性剤(スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナトリウム)を添加し、表面張力を調整した。更に銀とゼラチンの質量比が0.5となるようにゼラチン量を調整した。ここで言う銀とゼラチンの質量比とは、塗工されているハロゲン化銀と等モルの銀の質量を塗工されているゼラチンの質量で除した値であり、前記塗布銀量は用いたハロゲン化銀乳剤の量を等モルの銀に換算した値で示した。
【0123】
《透光性導電性薄膜の作製》
上記方法により作製したハロゲン化銀感光材料に対して、露光機としてFL3S(ウシオ・ライティング株式会社製)を用い、−20kPaの真空吸引圧力で60秒真空吸引した後、10秒間、線幅5μm、線ピッチ250μm、バイアス角40°、メッシュ交差角90のマスク画像を介して水銀灯光源で露光した。
【0124】
露光を行ったハロゲン化銀感光材料をコニカミノルタエムジー株式会社製CDM−681現像剤、及びCFL−891定着剤を用いて、各々35℃、30秒の処理を行い、流水で90秒水洗した後、縦800mm、横1200mmのメッシュパターンが繰り返し入った試料を4本作製した。かかる試料について、下記処方の物理現像液の入った循環口の直径が25mmの100L物理現像処理槽を用いて、表1に示す条件で、30℃、10分間処理し、流水で90秒水洗した後、乾燥し、試料1〜4を得た。
【0125】
〈物理現像液処方〉
〔A液〕
純水 1000ml
クエン酸一水塩 20.57g
リン酸水素2ナトリウム 1.43g
ハイドロキノン 10.00g
28%アンモニア 3.12g
〔B液〕
純水 20ml
硝酸銀 0.77g
A液にB液を加え使用液とする。
【0126】
【表1】

【0127】
上記条件で作製した試料1〜4の各々巻外、巻き中央、巻内の3箇所のみ縦800mm、横1200mmのメッシュ部の異物をカウントし、更に100mm四方に裁断し、96分割にして、表2に示す試料1a、1b、1c〜4a、4b、4cを作製し、100mm四方の中心の表面抵抗率を測定し、平均値と標準偏差を評価した。
【0128】
【表2】

【0129】
表2より、本発明の試料は比較例に対して表面抵抗率が小さく、またそのバラツキも小さく、更に縦800mm、横1200mmのメッシュ部の異物の数も少ないことが分かる。
【0130】
実施例2
物理現像処理槽の循環口を50mmにしたものを用意して、搬送速度、循環量、循環速度を試料1に合わせてポンプを調節しながら、試料5を作製し、実施例1と同様な評価を行った。
【0131】
【表3】

【0132】
表3より、本発明の試料5は本発明の試料1に劣るものの、十分表面抵抗率が小さく、またそのバラツキも小さく、且つ異物の数も少ないことが分かる。
【0133】
実施例3
物理現像処理槽の循環口に、10mm間隔に直径15mmの穴を設けた筒状の循環筒を物理現像処理槽の底から上方に向かって液が吹き出すような装置を作製し、搬送速度、循環量、循環速度を試料1に合わせてポンプを調節しながら、試料6を作製し、実施例1と同様な評価を行った。
【0134】
【表4】

【0135】
表4より、本発明の試料6は本発明の試料1に対して、表面抵抗率、そのバラツキ、異物の数において、優れていることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明支持体にハロゲン化銀感光性層が設けられたハロゲン化銀感光材料を用い、これをフォトマスクを介して露光して、現像処理、物理現像処理することにより得られる透光性導電性薄膜の製造方法において、物理現像処理の工程でのハロゲン化銀感光材料の搬送速度が3〜10m/minであること、更には物理現像処理槽における一定時間内の液循環量が物理現像処理槽の総液量に対し0.1〜2.00Round/minであり、少なくとも1つの循環口から吹き出される循環液の流速が3〜10m/minであることを特徴とする透光性導電性薄膜の製造方法。
【請求項2】
前記物理現像処理槽の少なくとも1つの循環口の直径が10〜30mmであることを特徴とする請求項1に記載の透光性導電性薄膜の製造方法。
【請求項3】
前記物理現像処理槽の循環口が5〜20mmの直径の穴が少なくとも2個開いたプレート状または筒状であることを特徴とする請求項1に記載の透光性導電性薄膜の製造方法。
【請求項4】
前記物理現像処理槽の2つ以上ある循環口が千鳥状に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の透光性導電性薄膜の製造方法。
【請求項5】
前記物理現像処理槽の循環装置に0.1〜30μmのメッシュを有するフィルター装置を付設させたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透光性導電性薄膜の製造方法。
【請求項6】
前記物理現像処理の後、メッキ処理を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の透光性導電性薄膜の製造方法。

【公開番号】特開2009−88372(P2009−88372A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−258470(P2007−258470)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】