説明

透光性配線基板

【課題】透光性配線基板において、熱サイクル印加後に配線パターンの透光性アルミナ基板への接着を維持し、かつ配線基板の透光性が得られるようにする。
【解決手段】透光性配線基板8は、透光性アルミナ基板1と、透光性アルミナ基板1上に形成されている配線パターン2とを備える。透光性アルミナ基板1を構成する透光性アルミナにおけるSiOの含有量が150〜300質量ppmであり、MgOの含有量が100〜250質量ppmであり、SiOの含有量がMgOの含有量より多く、SiOおよびMgOを除くアルミナ純度が99.9質量%以上であり、結晶粒子径が20μm以上である。透光性アルミナ基板1の配線パターン2以外の部分の前方全透過率が50%以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透光性が高く、かつ熱サイクル後にも配線パターンの付着強度の高い透光性配線基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルミナセラミックスは電気絶縁性、化学的安定性といった特徴から電子部品用基板として広く使われている。近年では高熱伝導性といった特徴を活かし、半導体発光素子用の基板として使われるケースも増加している。ただし、一般的なアルミナセラミックスは不透明であり、半導体発光素子から出射される光のうち、直接利用できるのは片面のみであり、基板反対面側に出射する光は反射等の処置を行い利用している(特許文献1)。透光性のある基板を用いれば、こういった構造は必要なくなるが、一般的な透光性材料であるガラスや樹脂を基板として用いると熱伝導率が低いため、半導体発光素子の温度が上昇し、発光素子の発光効率そのものが落ちてしまう。
【0003】
一方、アルミナセラミックスの中でも特に高純度なものは、真空や水素といった還元雰囲気焼成を行うことで高い透光性を有するようになり、高圧ナトリウムランプやメタルハライドランプといった高輝度放電灯用の発光管として使われている(特許文献2)。
【0004】
透光性アルミナセラミックスは、透光性に加えて高い熱伝導性を持ち、これを半導体発光素子用の基板として使用することができれば、温度上昇による発光効率低下を起こすことなく、発光素子両面からの光の取出しが可能となる(特許文献3)。
【0005】
また、アルミナ基板の表面に、金属による配線パターンを形成することが行われている。ここで配線パターンとアルミナ基板との接着性を向上させるために、アルミナ基板の全面にわたってアルカリ、酸またはイオンビーム等を用いてエッチングし、次いで配線パターンを形成することが知られている(特許文献4、5)。また、アルミナ基板の表面に、アルミナ粒子よりも大きな凹凸を設ける方法が知られている(特許文献6)。なお、本出願人は、特許文献7において、均質な透光性アルミナ焼結体からなる発光ダイオード素子用拡散板を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−243717
【特許文献2】特許2780941
【特許文献3】特開2002−289925
【特許文献4】特開昭61−251589
【特許文献5】特開平5−024959
【特許文献6】特開2010−30280
【特許文献7】特開2007−258228
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アルミナセラミックス基板を半導体発光素子用の基板として用いる場合、発光素子への給電のための配線パターンを基板表面に形成する必要がある。配線パターンは通常、銀や銅のペーストを厚膜プロセスで印刷したあと、加熱処理をすることで、ペースト内に含まれるバインダー成分と基板に含まれるアルミナ以外の成分(主としてSiO)とを結合させることで密着させる。ところが、透光性アルミナセラミックスは一般アルミナに比べ高純度であり、不純物の量が極めて少ないため密着性が不足し、点灯による温度サイクルの繰り返しにより配線パターンが剥がれる等の問題が発生しやすくなる。
【0008】
アルミナ中の不純物成分を多くすれば、配線パターンへの密着性を高めることが可能であるが、透光性が低下し、発光素子から出射される光の利用が難しくなる。また、結晶粒子径を小さくすれば、密着性の改善は可能であるが、透光性が低下し、発光素子から出射される光の利用が難しくなる。
【0009】
本発明者は、この問題を解決するため、特許文献3、4、5に記載のような方法も試みてみた。特許文献3では、透光性ではないアルミナ基板を酸・アルカリによってエッチングしており、これによってアルミナ基板表面を全面にわたって微細に粗している。エッチング前後において面粗度は変わらない。次いでアルミナ基板上に配線パターンを蒸着している。
【0010】
しかし、本発明者の検討では、酸・アルカリエッチングによって透光性アルミナ基板の表面を処理しても、透光性アルミナの場合には前述のように不純物が少ない上、平滑度も高い。このため、特許文献4記載のような、面粗度が上がらないような微細なエッチングでは、配線パターンの密着性改善の効果がなく、熱サイクル後に配線パターンが剥離する。また、エッチングによって透光性アルミナ基板の面粗度を粗くすると、光の透過率が低下する。
【0011】
また、特許文献5記載のようにイオンビームを用いて透光性アルミナ基板の表面をエッチングすることも検討した。しかし、この方法でも、特許文献4と同様の問題が生ずる。
【0012】
特許文献6記載のように、アルミナ粒子よりも大きな凹凸を設ける方法も検討した。しかし、透光性アルミナの場合には、透光性を発現させるためにアルミナ粒子の平均粒径が非常に大きい。このため、アルミナ粒子よりも十分に大きな凹凸を設けると、微細なパターンや複雑なパターンを基板表面に形成することができず、配線の微細化に対応できない。このため、透光性配線基板の分野では産業上利用できない技術である。しかも、透光性アルミナ粒子よりも十分に大きい凹凸が基板表面にあると、配線パターンを基板表面にスクリーン印刷するときに、印刷用製版の損傷を引き起こす。
【0013】
本発明の課題は、透光性アルミナ基板と、この透光性アルミナ基板の表面に形成されている配線パターンとを備えている透光性配線基板において、熱サイクル印加後に配線パターンの透光性アルミナ基板への接着を維持し、かつ配線基板の透光性が得られるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、透光性アルミナ基板と、この透光性アルミナ基板上に形成されている配線パターンとを備えている透光性配線基板であって、
透光性アルミナ基板を構成する透光性アルミナにおけるSiOの含有量が150〜300質量ppmであり、MgOの含有量が100〜250質量ppmであり、SiOの含有量がMgOの含有量より多く、SiOおよびMgOを除くアルミナ純度が99.9質量%以上であり、結晶粒子径が20μm以上であり,透光性アルミナ基板の配線パターン以外の部分の全透過率が50%以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、透光性アルミナ基板の透光性を維持しつつ、熱サイクル印加後にも配線パターンのアルミナ基板表面からの剥離を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る配線基板8を模式的に示す平面図である。
【図2】透光性アルミナ基板1の配線パターン形成領域6上に配線パターン7を設けた後の配線基板8の断面図である。
【図3】平均粒径の測定方法を説明するため模式図である。
【図4】配線基板の透光性の測定法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(配線基板の形成手順)
アルミナ原料粉末を成形、焼結させることによって、透光性アルミナ基板を作製する。この時点では、透光性アルミナ基板の表面は平滑面をなしていることが好ましく、これによって基板の全透過率を高くできる。
【0018】
好適な実施形態においては、図1、図2に示すように、透光性アルミナ基板1の表面1aを平滑面とする。1bは背面であるが、平滑面とすることが好ましい。次いで、図2に示すように、配線パターン形成領域6において、基板表面1aに配線パターン7を形成する。配線パターン7は、非形成領域5には形成されていない。3ははんだ付け部分である。
【0019】
(透光性アルミナ基板)
透光性アルミナは、例えば発光ダイオード素子をマウントする基板として使用でき、これによって発光ダイオード素子の寿命を飛躍的に延長することが可能である。
【0020】
透光性アルミナ基板の厚さは0.2mm以上、2mm以下であることが好ましい。基板が薄すぎると、衝撃で割れやすくなり、あるいは直線透過光の比率が高くなりすぎ、光の拡散が不足する。基板が厚すぎると、全光線透過率が低くなり、放熱性も低下する。
【0021】
透光性アルミナ基板の可視光域の直線透過率は、光の拡散のため、40%以下とすることが好ましく、15%以下とすることが更に好ましい。透光性アルミナ基板の配線パターン以外の部分の前方全透過率は、発光効率の観点から50%以上が好ましい。
【0022】
(透光性アルミナ)
基板を構成する透光性アルミナの平均結晶粒径は、上述のような高度の透光性を得るという観点から、20μm以上とすることが好ましい。また、アルミナの結晶粒径は、基板強度を維持し、および直線透過光の比率が多くなりすぎないように、100μm以下とすることが好ましく、40μm以下とすることが更に好ましい。
【0023】
なお、ここでいう平均結晶粒径とは、以下の方法により測定された値である。
(1) 焼結体の表面の顕微鏡写真(100〜200倍)を撮影し、単位長さの直線が横切る粒子の数を数える。これを異なる3箇所について実施する。なお、単位長さは500μm〜1000μmの範囲とする。
(2) 実施した3箇所の粒子の個数の平均をとる。
(3) 下記の式により、平均粒径を算出する。
[算出式]
D=(4/π)×(L/n)
[D:平均粒径、L:直線の単位長さ、n:3箇所の粒子の個数の平均]
平均粒径の算出例を図3に示す。異なる3箇所の位置において、それぞれ単位長さL(例えば500μm)の直線30が横切る粒子32の個数が22、23、19としたとき、平均粒径Dは、上記算出式により、
D=(4/π)×[500/{(22+23+19)/3}]=29.9μm
となる。
【0024】
透光性アルミナ基板を構成する透光性アルミナにおけるSiOの含有量は150〜300質量ppmとする。この範囲内において、透光性アルミナ基板の透光性を維持しつつ、熱サイクル印加後にも配線パターンのアルミナ基板表面からの剥離を防止できることを見いだした。SiOの含有量は、200ppm以上とすることが更に好ましい。
【0025】
透光性アルミナ基板を構成する透光性アルミナにおけるMgOの含有量は100〜250質量ppmとする。この範囲内において、透光性アルミナ基板の透光性を維持しつつ、熱サイクル印加後にも配線パターンのアルミナ基板表面からの剥離を防止できることを見いだした。MgOの含有量は、150ppm以上とすることが更に好ましく、また200ppm以下とすることが更に好ましい。
【0026】
また、SiOの含有量がMgOの含有量より多いことが必要である。本発明の観点からは、SiOの含有量とMgOの含有量との差は、30質量ppm以上であることが好ましく、50質量ppm以上であることが更に好ましい。またSiOの含有量とMgOの含有量との差は、200質量ppm以下であるが、150質量ppm以下であることが更に好ましい。
【0027】
透光性アルミナにおけるSiOの含有量、MgOの含有量は、誘導結合プラズマ原子発光分析法によって各元素量を測定し、酸化物量に換算する。
【0028】
透光性アルミナにおいて、SiOおよびMgOを除くアルミナの純度が99.9質量%以上であり、これによって全透過率が向上する。アルミナに対する不純物量が少ないことによって、配線パターンとの熱サイクル印加後の接着性が低下するので、これを改善するという点で本発明が特に有効である。透光性アルミナ基板におけるアルミナの純度は99.95%以上が一層好ましい。基板のアルミナ純度は、誘導結合プラズマ原子発光分析法によって基板内のアルミニウム元素量を測定し、酸化物量に換算する。
透光性アルミナ基板に含まれる、SiOおよびMgO、およびアルミナ以外の成分としては、以下が挙げられる。基板を構成するセラミックスにおけるこれらの成分の含有量は、SiO、MgOおよびアルミナの残部であり、0.1質量%以下である。
(1) 焼結助剤として添加されるZr、Y、Sc等の元素の酸化物(300〜1000質量ppmが好ましい)
(2) アルミナ原料や基板の製造過程で混入したFe、Na,Ca、K等の酸化物や、W、Moといった金属成分
【0029】
(透光性アルミナ基板の製造)
透光性アルミナ基板の成形方法は特に限定されず、ドクターブレード法、押し出し法、ゲルキャスト法など任意の方法であってよい。特に好ましくは、基板をゲルキャスト法を用いて製造する。好適な実施形態においては、セラミック粉末、分散媒およびゲル化剤を含むスラリーを注型し、このスラリーをゲル化させることによって成形体を得、この成形体を焼結させる。
【0030】
特に好ましくは、純度99.95%以上(好ましくは99.99%以上)の高純度アルミナ粉末に対して、MgOおよびSiOを添加した原料を用いる。このような高純度アルミナ粉末としては、大明化学工業株式会社製の高純度アルミナ粉体を例示できる。
【0031】
透光性アルミナ基板の原料粉末の平均粒径は特に限定されないが、低温焼結での緻密化および透光性向上という観点からは、0.5μm以下が好ましく、0.4μm以下が更に好ましい。一層好ましくは、原料粉末の平均粒子径は0.3μm以下(一次粒子径)である。この平均粒径の下限は特に限定されない。原料粉末の平均粒子径は、SEM(走査型電子顕微鏡)による原料粉末の直接観察によって決定できる。
なお、ここでいう平均粒子径とはSEM写真(倍率:X30000。任意の2視野)上における2次凝集粒子を除く1次粒子の(最長軸長+最短軸長)/2の値のn=500平均値のことである。
【0032】
ゲルキャスト法は、以下の方法を例示できる。
(1) 無機物粉体とともに、ゲル化剤となるポリビニルアルコール、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のプレポリマーを、分散剤と共に分散媒中に分散してスラリーを調製し、注型後、架橋剤により三次元的に架橋してゲル化させることにより、スラリーを固化させる。
(2) 反応性官能基を有する有機分散媒とゲル化剤とを化学結合させることにより、スラリーを固化させる。
【0033】
次いで、還元性雰囲気下で粉末を成形体を焼結させる。この還元性雰囲気としては、H2が挙げられる。また、焼結温度は1700℃〜1900℃が好ましく、1750℃〜1850℃が更に好ましい。
【0034】
(平滑面)
好適な実施形態においては、透光性アルミナ基板の表面に平滑面が形成されており、配線パターンに被覆されていない領域に露出している。これによって、配線基板全体の透過率を向上させ、確保することができる。平滑面の面粗度Raは、全透過率の向上という観点から、0.3μm以下が更に好ましい。また、平滑面の面粗度の下限は特にないが、加工上は0.1μm以上が実際的である。
【0035】
平滑面は、配線パターンに被覆されていない領域に露出しているが、好ましくは、配線パターン領域を含む全面にわたって平滑面が露出している。平滑面の面粗度Raは、JIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さであり、JIS B 0651で規定されるような触針式表面粗さ測定器によって測定する。
【0036】
(平滑面の形成方法)
透光性アルミナ基板に平滑面を形成するには、成形金型に平滑面に対応する平滑部を設けることができる。また、透光性アルミナ基板の表面をダイヤモンドペースト等を用いて、研磨加工することによって、平滑面を形成できる。
【0037】
(配線パターン)
配線パターンを形成する方法としては、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、パッド印刷法がある。
【0038】
また、配線パターンを形成する際の熱処理温度は、500〜1000℃が好ましい。また、配線パターンの材質は、Au、Ag、W、Mo、Pt、またはこれらを含む化合物が好ましい。更に配線パターンの厚さは 本発明の観点からは、0.5〜20μmが好ましい。
【実施例】
【0039】
(実験1)
図1、図2に示すような形態の透光性配線基板8を作製した。
具体的には、透光性アルミナセラミックス基板1を、以下のようにして作製した。すなわち、アルミナ純度99.99質量%の高純度アルミナ粉末に対して、酸化マグネシウム300質量ppm、シリカ粉末350質量ppm、ポリビニルアルコール2質量%、ポリエチレングリコール0.5質量%、水50質量%を加え、1時間ボールミルによって粉砕し、混合し、スプレードライヤーで、200℃付近で乾燥させ、平均粒径約70μmの造粒粉末を得た。この造粒粉末を、2000kg/cmの圧力下でプレス成形し、基板状の粉末成形体を得た。これを大気中1200℃で仮焼し、仮焼体を得た。
【0040】
次いで、水素:窒素=3:1の雰囲気中1800℃で仮焼体を焼成し、緻密化及び透光化させた。この結果、MgO、SiOの含有量がそれぞれ250質量ppm、300質量ppmである透光性アルミナ基板を得ることができた。MgO、SiOの含有量は、誘導結合プラズマ質量分析法によって測定した。この基板の組成を誘導結合プラズマ原子発光分析を用いて測定したところ、MgO、SiOの含有量を除いたアルミナの純度は99.90質量%であった。
【0041】
得られた透光性アルミナ基板の表面に、所望の配線パターンを持つスクリーン製版を用いて銀ペーストを印刷した。その後、95℃の乾燥器で15分乾燥させ、850℃の温度で熱処理を行い、配線パターンを基板表面に密着させた。
【0042】
この配線パターン上に半田付けを行い、接着強度を測定したところ、18N/mmと十分な強さがあることがわかった。更に、−40℃と200℃を30分毎に交互に繰り返す温度サイクルを1000回行った後、接着強度を測定したところ、12N/mmと初期値よりは劣るものの、依然として十分な強さがあることがわかった。
【0043】
また、この基板の配線パターンのない部分(肉厚1mm)の前方全透過率を測定したところ、55%であった。ただし、前方全透過率は、図4に模式的に示す装置で測定した。すなわち、光源10から波長555nmの単色光を矢印Aのように配線基板8の表面1aに入射させ、背面1b側から矢印Bのように積分球12の各点に向かって放射される放射光を検出器11によって検出する。
【0044】
(実験2〜20)
実験1と同様にして透光性配線基板を作製し、各種特性を測定した。ただし、高純度アルミナ粉末に対して添加する酸化マグネシウム、シリカの添加量を種々変更することによって、得られる焼結体の組成を、表1、表2、表3に示すように変更した。結果を各表に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】

【0047】
【表3】

【0048】
表からわかるように、本発明によれば、透光性配線基板の透光性を確保しつつ、熱サイクル印加後の接着性を著しく改善することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性アルミナ基板と、この透光性アルミナ基板上に形成されている配線パターンとを備えている透光性配線基板であって、
前記透光性アルミナ基板を構成する透光性アルミナにおけるSiOの含有量が150〜300質量ppmであり、MgOの含有量が100〜250質量ppmであり、SiOの含有量がMgOの含有量より多く、SiOおよびMgOを除くアルミナ純度が99.9質量%以上であり、結晶粒子径が20μm以上であり、前記透光性アルミナ基板の配線パターン以外の部分の前方全透過率が50%以上であることを特徴とする、透光性配線基板。
【請求項2】
前記透光性アルミナが、還元雰囲気中で1700℃以上、1900℃以下で焼成された焼結体であることを特徴とする、請求項1記載の透光性配線基板。
【請求項3】
前記透光性アルミナ基板の前記配線パターンの印刷されている表面の面粗度Raが0.3μm以下であることを特徴とする、請求項1または2記載の透光性配線基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−100199(P2013−100199A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245151(P2011−245151)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】