説明

透過型スクリーンおよび背面投射型表示装置

【課題】光の利用効率を高めることによって明るい画像を表示することができるとともに、軽量で利便性の高い透過型スクリーンおよび当該透過型スクリーンを備えた背面投射型表示装置を提供すること。
【解決手段】透過型スクリーン100は、背面102側から光を投写して表示面101に画像を表示するスクリーンである。このような透過型スクリーン100は、背面102側に設けられ、一方向に振動する直線偏光Lを透過し、直線偏光Lと振動方向が異なる直線偏光を反射する反射型偏光層110と、反射型偏光層110よりも表示面101側に設けられ、反射型偏光層110を透過した直線偏光Lを散乱させる光散乱層120とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過型スクリーンおよび背面投射型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばリアプロジェクションテレビなどの、スクリーンの背面側(表示面と反対側)から映像光を投射することにより、表示面に所望の画像を表示する装置が知られている。
このような装置に用いられるスクリーンとして、特許文献1に示すようなスクリーンが知られている。特許文献1のスクリーンは、光源側から、フレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシートおよび前面板を積層することにより構成されている。フレネルレンズシートは、映像光を一定の角度の範囲内になるように絞り込む機能を有し、レンチキュラーレンズシートは、フレネルレンズシートを透過した映像光を適度な角度の範囲に広げる機能を有し、前面板は、レンチキュラーレンズシートを透過した光を拡散させる機能を有している。特許文献1のスクリーンでは、このような構成とすることにより、視野角特性を向上させている。
【0003】
しかしながら、特許文献1のスクリーンは、レンズシートを2枚も使用しているため厚みがあって重く、例えばガラス窓等の比較的強度の弱い部分に貼り付けるといった配置を採用することができず、利便性に乏しいという問題がある。また、特許文献1のスクリーンは、前面板で拡散した光のうち、レンチキュラーレンズシート方向(すなわち、背面側)に拡散した光を表示として利用することができないため、光の利用効率が悪いという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−277966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、光の利用効率を高めることによって明るい画像を表示することができるとともに、軽量で利便性の高い透過型スクリーンおよび当該透過型スクリーンを備えた背面投射型表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の透過型スクリーンは、背面側から光を投写して表示面に画像を表示する透過型スクリーンであって、
前記背面側に設けられ、一方向に振動する直線偏光を透過し、前記直線偏光と振動方向が異なる直線偏光を反射する反射型偏光層と、
前記反射型偏光層よりも前記表示面側に設けられ、前記反射型偏光層を透過した直線偏光を散乱させる光散乱層とを有することを特徴とする。
【0007】
これにより、プロジェクターからの投射光が直線偏光であっても反射型偏光層へ100%入射することができ、従って無駄なく反射型偏光層を透過でき、光散乱層によって散乱して無偏光となった光のうち、表示面側へ散乱する光を画像表示に利用することができるとともに、反射型偏光層側へ散乱し反射型偏光層で反射された光も画像表示に利用することができる。そのため、光の利用効率が向上し、明るい画像を表示することができる。また、このような構成によれば、軽量化を図ることができ利便性の高い透過型スクリーンとなる。
【0008】
本発明の透過型スクリーンは、背面側から光を投写して表示面に画像を表示する透過型スクリーンであって、
前記背面側に設けられ、所定の方向に回転する円偏光を一方向に振動する直線偏光に補正する波長補正層と、
前記波長補正層よりも前記表示面側に設けられ、前記波長補正層によって補正された前記直線偏光を透過し、前記波長補正層によって補正された前記直線偏光と振動方向が異なる直線偏光を反射する反射型偏光層と、
前記反射型偏光層よりも前記表示面側に設けられ、前記反射型偏光層を透過した直線偏光を散乱させる光散乱層とを有することを特徴とする。
【0009】
これにより、プロジェクターからの投射光が円偏光であっても反射型偏光層へ入射する前に直線偏光にすることができ、無駄なく反射型偏光層を透過でき、光散乱層によって散乱して無偏光となった光のうち、表示面側へ散乱する光を画像表示に利用することができるとともに、反射型偏光層側へ散乱し反射型偏光層で反射された光も画像表示に利用することができる。そのため、光の利用効率が向上し、明るい画像を表示することができる。また、このような構成によれば、軽量化を図ることができ利便性の高い透過型スクリーンとなる。
【0010】
本発明の透過型スクリーンでは、前記反射型偏光層は、複数の線材が並設されてなるワイヤーグリッドにより構成されていることが好ましい。
これにより、反射型偏光層の構成を実現できる。
本発明の透過型スクリーンでは、前記反射型偏光層は、光学的異方性を有する少なくとも1つの第1の層と、前記第1の層と屈折率の異なる少なくとも1つの第2の層とが積層することにより構成されていることが好ましい。
これにより、反射型偏光層の構成を実現できる。
本発明の透過型スクリーンでは、コレステリック規則性を有する樹脂層を有し、該樹脂層が前記波長補正層および前記反射型偏光層を兼ねていることが好ましい。
これにより、透過型スクリーンの部品点数を削減でき、構成の簡易化を図ることができる。
【0011】
本発明の透過型スクリーンでは、前記光散乱層の厚さは、前記表示面に設定された画素の最大幅の1/2以下であることが好ましい。
これにより、より鮮明な画像を表示することができる。
本発明の透過型スクリーンでは、前記光散乱層の前記表示面側に、前記光散乱層への外光の侵入を防止する外光遮蔽部が設けられていることが好ましい。
これにより、表示された画像の視認性が向上する。
【0012】
本発明の透過型スクリーンでは、前記光散乱層のヘイズ値は、99%以上であることが好ましい。
これにより、透過型スクリーンを介して、透過型スクリーンの背後に位置する光投射装置(特にホットスポット(光が出射される部位))が観察者に視認されてしまうのを防止することができる。また、背後の物体が表示画像と重なり合ってしまうのを防止できるため、優れた画像表示特性が得られる。
【0013】
本発明の背面投射型表示装置は、筐体と、前記筐体内に設けられ、一方向に振動する直線偏光である映像光を出射するプロジェクターと、前記筐体に支持され、背面側から前記映像光が投写されることにより表示面に画像を表示する透過型スクリーンとを有し、
前記透過型スクリーンは、前記背面側に設けられ、前記直線偏光を透過し、前記直線偏光と振動方向が異なる直線偏光を反射する反射型偏光層と、前記反射型偏光層よりも前記表示面側に設けられ、前記反射型偏光層を透過した直線偏光を散乱させる光散乱層とを有することを特徴とする。
これにより、光利用効率の優れた背面投射型表示装置を提供することができる。
【0014】
本発明の背面投射型表示装置は、筐体と、前記筐体内に設けられ、所定方向に回転する円偏光である映像光を出射するプロジェクターと、前記筐体に支持され、背面側から前記映像光が投写されることにより表示面に画像を表示する透過型スクリーンとを有し、
前記透過型スクリーンは、前記背面側に設けられ、前記円偏光を一方向に振動する直線偏光に補正する波長補正層と、前記波長補正層よりも前記表示面側に設けられ、前記波長補正層によって補正された前記直線偏光を透過し、前記波長補正層によって補正された前記直線偏光と振動方向が異なる直線偏光を反射する反射型偏光層と、前記反射型偏光層よりも前記表示面側に設けられ、前記反射型偏光層を透過した直線偏光を散乱させる光散乱層とを有することを特徴とする。
これにより、光利用効率の優れた背面投射型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る第1実施形態の透過型スクリーンの使用例を示す図である。
【図2】図1に示すプロジェクターの光学系の構成を示す平面図である。
【図3】図1に示すプロジェクターの変形例を示す図である。
【図4】図3に示すプロジェクターが備える光スキャナーの部分断面斜視図である。
【図5】図4に示す光スキャナーの駆動を説明する断面図である。
【図6】図1に示す透過型スクリーンの断面図である。
【図7】図1に示す透過型スクリーンが有する反射型偏光層の平面図である。
【図8】図1に示す透過型スクリーンが有する反射型偏光層の断面図である。
【図9】図1に示す透過型スクリーンが有する光散乱層の断面図である。
【図10】図1に示す透過型スクリーンが有する光散乱層の厚さを説明するための平面図である。
【図11】図1に示す透過型スクリーンの機能を説明するための平面図である。
【図12】本発明に係る第2実施形態の透過型スクリーンに光を投射するプロジェクターの光学系を示す平面図である。
【図13】本発明に係る第2実施形態の透過型スクリーンを示す断面図である。
【図14】本発明に係る第3実施形態の透過型スクリーンを示す断面図である。
【図15】本発明に係る第4実施形態の透過型スクリーンを示す側面図である。
【図16】本発明の背面投射型表示装置の実施形態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の透過型スクリーンおよび背面投射型表示装置の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の透過型スクリーンの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る第1実施形態の透過型スクリーンの使用例を示す図、図2は、図1に示すプロジェクターの光学系の構成を示す平面図、図3は、図1に示すプロジェクターの変形例を示す図、図4は、図3に示すプロジェクターが備える光スキャナーの部分断面斜視図、図5は、図4に示す光スキャナーの駆動を説明する断面図、図6は、図1に示す透過型スクリーンの断面図、図7は、図1に示す透過型スクリーンが有する反射型偏光層の平面図、図8は、図1に示す透過型スクリーンが有する反射型偏光層の断面図、図9は、図1に示す透過型スクリーンが有する光散乱層の断面図、図10は、図1に示す透過型スクリーンが有する光散乱層の厚さを説明するための平面図、図11は、図1に示す透過型スクリーンの機能を説明するための平面図である。
【0017】
図1に示す透過型スクリーン100は、プロジェクター(光投射装置)200から出射された直線偏光(s偏光若しくはp偏光)である映像光Lの利用効率を高めることにより、表示面101に明るく鮮明な画像(例えば、コマーシャルやプロモーションビデオ等の動画)を表示することができるスクリーンである。
このような透過型スクリーン100は、例えばビル等の建物内に設置された実質的に無色透明なガラス板に貼り付けて設置するこができる。後述するように、透過型スクリーン100は、薄くて軽量であるため、ガラス板に貼り付けても、その重さによってガラス板の破壊等を招くことがなく、また、透過型スクリーン100がガラス板からほとんど出っ張らないので、観察者に違和感を与えることもない。
図1に示すように、透過型スクリーン100は、表示面101と、表示面101と反対側に位置する背面102とを有しており、背面102側にプロジェクター200が設置されている。そして、プロジェクター200から出射された映像光Lが背面102から表示面101に導かれるにより、表示面101に所望の画像が表示される。
【0018】
以下、透過型スクリーン100およびプロジェクター200について順次説明する。
(プロジェクター)
図2は、プロジェクター200の光学系の構成を示す平面図である。図2に示すように、プロジェクター200は、照明光学系210と、色分離光学系220と、平行化レンズ230R、230G、230Bと、空間光変調装置240R、240G、240Bと、光合成部であるクロスダイクロイックプリズム250とを備えている。
【0019】
照明光学系210は、光源211と、リフレクタ212と、第1のレンズアレイ213と、第2のレンズアレイ214と、偏光変換素子215と、重畳レンズ216とを有している。
光源211は、超高圧水銀ランプであり、リフレクタ212は、放物面鏡を有して構成されている。光源211から射出された放射状の光束は、リフレクタ212で反射されて略平行光束となり、第1のレンズアレイ213へと射出される。なお、光源211としては、超高圧水銀ランプに限らず、例えばメタルハライドランプ等を採用してもよい。また、リフレクタ212としては、放物面鏡に限らず、楕円面鏡からなるリフレクタの射出面に平行化凹レンズを配置した構成を採用してもよい。
【0020】
第1のレンズアレイ213および第2のレンズアレイ214は、小レンズをマトリクス状に配列して形成されている。光源211から射出された光束は、第1のレンズアレイ213によって複数の微小な部分光束に分割され、各部分光束は、第2のレンズアレイ214および重畳レンズ216によって照明対象である3つの空間光変調装置240R、240G、240Bの表面で重畳される。
【0021】
偏光変換素子215は、ランダム偏光の光束を一方向に振動する直線偏光(S偏光若しくはP偏光)に揃える機能を有しており、本実施形態では、色分離光学系220での光束の損失が少ないS偏光に揃えている。
色分離光学系220は、照明光学系210から射出された光束(S偏光)を、赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光の3色の色光に分離する機能を有しており、B光反射ダイクロイックミラー221、RG光反射ダイクロイックミラー222、G光反射ダイクロイックミラー223、および反射ミラー224、225を備えている。
【0022】
照明光学系210から射出された光束のうち、B光の成分は、B光反射ダイクロイックミラー221によって反射され、さらに反射ミラー224、261によって反射されて平行化レンズ230Bに至る。一方、照明光学系210から射出された光束のうち、G光、R光の成分は、RG光反射ダイクロイックミラー222によって反射され、さらに反射ミラー225によって反射されてG光反射ダイクロイックミラー223に至る。その中のG光の成分は、G光反射ダイクロイックミラー223および反射ミラー262に反射されて平行化レンズ230Gに至り、R光の成分は、G光反射ダイクロイックミラー223を透過して、反射ミラー263に反射されて平行化レンズ230Rに至る。
【0023】
平行化レンズ230R、230G、230Bは、照明光学系210からの複数の部分光束を、空間光変調装置240R、240G、240Bをそれぞれ照明するように各部分光束が、それぞれ略平行な光束となるように設定されている。
平行化レンズ230Rを透過したR光は、空間光変調装置240Rに至り、平行化レンズ230Gを透過したG光は、空間光変調装置240Gに至り、平行化レンズ230Bを透過したB光は、空間光変調装置240Bに至る。
【0024】
空間光変調装置240Rは、R光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。空間光変調装置240Rに設けられた図示しない液晶パネルは、2つの透明基板の間に、光を画像信号に応じて変調するための液晶層を封入している。空間光変調装置240Rで変調されたR光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム250へ入射する。なお、空間光変調装置240G、240Bの構成および機能は、空間光変調装置240Rと同様である。
【0025】
クロスダイクロイックプリズム250は、三角柱状の4つのプリズムを貼り合わせることにより、略正方形断面の角柱状に形成されたものであり、X字状の貼り合わせ面に沿って誘電体多層膜251、252が設けられている。誘電体多層膜251は、G光を透過してR光を反射し、誘電体多層膜252は、G光を透過してB光を反射する。そして、クロスダイクロイックプリズム250は、空間光変調装置240R、240G、240Bから出射された各色光の変調光をそれぞれ入射面250R、250G、250Bから入射して合成し、カラー画像を表す画像光を形成し、投写光学部260に射出する。
これにより、プロジェクター200から、直線偏光である映像光Lが出射される。
【0026】
(プロジェクター:変形例)
なお、プロジェクター200に変えて次のようなプロジェクター400を用いてもよい。図3に示すように、プロジェクター400は、映像光Lとしてのレーザー光を出射するレーザー光出射装置410と、レーザー光出射装置410から出射した映像光Lを透過型スクリーン100に2次元的に走査(照射)するレーザー光走査部700と、レーザー光出射装置410およびレーザー光走査部700の駆動を制御する制御部500を有している。
【0027】
表示用レーザー光出射装置410は、各色のレーザー光源411r、411g、411bと、各レーザー光源411r、411g、411bに対応して設けられたコリメータレンズ412r、412g、412bおよびダイクロイックミラー413r、413g、413bとを備えている。
各色のレーザー光源411r、411g、411bは、それぞれ赤色、緑色および青色のレーザー光RR、GG、BBを出射する。レーザー光RR、GG、BBは、それぞれ、制御部500から送信される駆動信号に対応して変調された状態で出射され、コリメータレンズ412r、412g、412bによって平行化されて細いビームとされる。
【0028】
ダイクロイックミラー413r、413g、413bは、それぞれ、赤色レーザー光RR、緑色レーザー光GG、青色レーザー光BBを反射する特性を有し、各色のレーザー光RR、GG、BBを結合して1つのレーザー光(直線偏光である映像光L)として出射する。レーザー光出射装置410から出射された映像光Lは、レーザー光走査部700に至る。
【0029】
レーザー光走査部700は、レーザー光出射装置410から出射した映像光Lを透過型スクリーン100の背面102の面内の第1の方向に走査する光スキャナー710と、第1の方向に直交する第2の方向に走査する光スキャナー720とを有している。以下、光スキャナー710、720の構成について具体的に説明するが、光スキャナー710、720は、互いに同様の構成であるため、以下では、説明の便宜上、光スキャナー710について代表して説明し、光スキャナー720については、その説明を省略する。
【0030】
図4に示すように、光スキャナー710は、いわゆる1自由度振動系であり、基体711と、基体711の下面に対向するよう設けられた対向基板713と、基体711と対向基板713との間に設けられたスペーサー712とを有している。
基体711は、可動板711aと、可動板711aを回動可能に支持する支持部711bと、可動板711aと支持部711bとを連結する1対の連結部711c、711dとを有している。
【0031】
可動板711aは、その平面視にて、略長方形をなしている。このような可動板711aの上面には、光反射性を有する光反射部(ミラー)711eが設けられている。光反射部711eは、例えば、Al、Ni等の金属膜で構成されている。また、可動板711aの下面には、永久磁石714が設けられている。
支持部711bは、可動板711aの平面視にて、可動板711aの外周を囲むように設けられている。すなわち、支持部711bは、枠状をなしていて、その内側に可動板711aが位置している。
【0032】
連結部711cは、可動板711aの一方側にて、可動板711aと支持部711bとを連結し、連結部711dは、可動板711aの他方側にて、可動板711aと支持部711bとを連結している。連結部711c、711dは、それぞれ、長手形状をなしており、弾性変形可能である。このような1対の連結部711c、711dが、互いに同軸的に設けられており、この軸(以下「回動中心軸J1」と言う)を中心として、可動板711aが支持部711bに対して回動する。
このような基体711は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、可動板711aと支持部711bと連結部711c、711dとが一体的に形成されている。
【0033】
スペーサー712は、枠状をなしていて、その上面が基体711の下面と接合している。また、スペーサー712は、可動板711aの平面視にて、支持部711bの形状とほぼ等しくなっている。このようなスペーサー712は、例えば、各種ガラス、各種セラミックス、シリコン、SiOなどで構成されている。
なお、スペーサー712と基体711との接合方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤等の別部材を介して接合してもよいし、スペーサー712の構成材料によっては陽極接合などを用いてもよい。
【0034】
対向基板713は、スペーサー712と同様に、例えば、各種ガラス、シリコン、SiOなどで構成されている。このような対向基板713の上面であって、可動板711aと対向する部位には、コイル715が設けられている。
永久磁石714は、板棒状をなしていて、可動板711aの下面に沿って設けられている。このような永久磁石714は、可動板711aの平面視にて、回動中心軸J1に対して直交する方向に磁化(着磁)されている。すなわち、永久磁石714は、両極(S極、N極)を結んだ線分が、回動中心軸J1に対して直交するよう設けられている。
このような永久磁石714としては、特に限定されず、例えば、ネオジウム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石などを用いることができる。
【0035】
コイル715は、可動板711aの平面視にて、永久磁石714の外周を囲むように設けられている。
また、図4に示すように、第1の光スキャナー710は、コイル715に電圧を印加する電圧印加手段716を有している。電圧印加手段716は、印加する電圧の電圧値や周波数等の各条件を調整(変更)し得るように構成されている。電圧印加手段716、コイル715および永久磁石714により、可動板711aを回動させる駆動手段717が構成される。
【0036】
コイル715には、制御部500の制御により、電圧印加手段716から所定の電圧が印加され、所定の電流が流れる。
例えば、制御部500の制御により、電圧印加手段716からコイル715に交番電圧を印加すると、それに応じて電流が流れ、可動板711aの厚さ方向の磁界が発生し、かつ、その磁界の向きが周期的に切り換わる。すなわち、コイル715の上側付近がS極、下側付近がN極となる状態と、コイル715の上側付近がN極、下側付近がS極となる状態とが交互に切り換わることとなり、これにより、連結部711c、711dを捩り変形させながら、可動板711aが回動中心軸J1まわりに回動する(図5(a)、(b)の状態を交互に繰り返す)。
【0037】
図3に示すように、上述のような構成の光スキャナー710、720は、互いの回動中心軸J1、J2が直交するように設けられている。そのため、光スキャナー710、720を互いに駆動させた状態で、レーザー光出射装置410から映像光Lを出射することにより、映像光Lが、透過型スクリーン100の背面102に対し、2次元的に走査される。
【0038】
(透過型スクリーン)
図6に示すように、透過型スクリーン100は、反射型偏光層110と光散乱層120とが積層して構成されている。このような透過型スクリーン100では、反射型偏光層110の光散乱層120と反対側の面が背面102を構成し、光散乱層120の反射型偏光層110と反対側の面が表示面101を構成する。
【0039】
反射型偏光層110は、プロジェクター200から出射された映像光Lを透過し、映像光Lと振動方向が異なる直線偏光を反射する機能を有している。このような反射型偏光層110としては、図7に示すように、透明基板111に、アルミニウム、銀、Cr等の金属線(線材)112を一定周期かつ平行に配置したワイヤーグリッド113を用いることができる。このようなワイヤーグリッド113は、金属線112に沿った方向に平行に振動する偏光成分を反射し、金属線112に沿った方向に直交する方向に振動する偏光成分を透過させる機能を有している。
【0040】
そのため、反射型偏光層110としてワイヤーグリッド113を用いる場合には、透過型スクリーン100は、プロジェクター200から出射された映像光Lの振動方向に直交する方向に金属線112が延在するように配設されている。このように、反射型偏光層110としてワイヤーグリッド113を用いることにより、反射型偏光層110の構成を簡単なものとすることができる。さらには、反射型偏光層110の厚さを抑えることもできる。
また、反射型偏光層110としては、図8に示すように、光学的異方性を有する第1の層115と、第1の層115と屈折率の異なる第2の層116とを交互に積層してなる偏光フィルム117を用いることもできる。
【0041】
第1の層115は、延伸プロセスによって延伸軸方向に振動する偏光に対する屈折率が変化して、当該変化後の屈折率と延伸軸方向に対して直交方向に振動する偏光に対する屈折率との間で複屈折を生じている。第1の層115の構成材料としては、延伸軸方向に振動する偏光に対する屈折率が変化して複屈折を生じる材料であれば、特に限定されず、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の結晶性ナフタレンジカルボン酸ポリエステル等が挙げられる。
【0042】
第2の層116は、延伸前において第1の層115の構成材料と同じ屈折率を有し、かつ延伸プロセスによっても屈折率が変化せずに第1の層115のような複屈折が生じていない。第2の層116の構成材料としては、延伸軸方向に振動する偏光に対する屈折率が変化せずに複屈折を生じない材料であれば、特に限定されず、例えば、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸又はイソフタル酸のコポリエステル(coPEN)等が挙げられる。
【0043】
このような偏光フィルム117では、隣り合う第1の層115および第2の層116の層間においては、延伸軸方向の屈折率に差が生じ、延伸軸方向に対して直交方向の屈折率には差が生じない。そのため、偏光フィルム117では、延伸軸方向に振動する偏光は、層界面において反射され、延伸軸方向に対して直交方向に振動する偏光は、層界面で反射されずに透過する。
【0044】
そのため、反射型偏光層110として偏光フィルム117を用いる場合には、透過型スクリーン100は、プロジェクター200から出射された映像光Lの振動方向に直交する方向と、偏光フィルム117の延伸軸方向が一致するように配設される。このように、反射型偏光層110として偏光フィルム117を用いることにより、反射型偏光層110の構成を簡単なものとすることができる。さらには、反射型偏光層110の厚さを抑えることもできる。
光散乱層120は、反射型偏光層110のプロジェクター200と反対側に位置している。光散乱層120は、反射型偏光層110を透過した映像光Lを散乱させる機能を有している。
【0045】
このような光散乱層120は、例えば、図9に示すように、基材121中に光散乱機能(光拡散機能)を有する粒状体122を分散させたものからなる。このような光散乱層120は、例えば、基材121の構成材料と粒状体122とを適当な有機溶剤若しくは水に溶解又は分散させた分散液をシート状に塗布し、乾燥することにより製造することができる。
【0046】
基材121としては、透光性の樹脂を好適に用いることができる。透光性の樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース、ブチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
粒状体122としては、基材121との間に所定の屈折率差を有し、透明で、基材121への分散性に優れたものを好適に用いることができる。例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂等からなる有機高分子化合物の微粒子や、シリカ等の無機化合物の微粒子などが挙げられる。
【0047】
このような光散乱層120の厚さとしては、特に限定されないが、図10に示すように、透過型スクリーン100の表示面101に設定された画素の最大幅Wの1/2以下であることが好ましい。光散乱層120の厚さを上記数値範囲とすることにより、ぼけ(ぼやけ)の無い鮮明な画像を表示面101に表示することができる。具体的には、図10に示すように、反射型偏光層110を透過し、光散乱層120へ侵入した映像光Lは、光散乱層120で等方法に散乱する。すなわち、光散乱層120の厚さ方向に散乱する映像光L(L1)があれば、光散乱層120の面方向に散乱する映像光L(L2)もある。そのため、光散乱層120の厚さが前記画素の最大幅Wの1/2より大きいと、映像光L2等が隣の画素に侵入し、隣り合う画素の色が干渉し合うことにより、鮮明な画像が表示できなくなるおそれがある。
【0048】
また、光散乱層120の散乱性能としては、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されないが、例えば、光散乱層120のヘイズ値は、99%以上であるのが好ましい。これにより、透過型スクリーン100を介して、透過型スクリーン100の背後にある物体(特にプロジェクター200)が観察者に観察されるのを防止することができる。より具体的には、例えば、透過型スクリーン100の表示面101に画像を表示している最中に、透過型スクリーン100を介してプロジェクター200(特にプロジェクター200のホットスポット)が観察者に視認されてしまうのを防止することができる。すなわち、透過型スクリーン100の背後にある物体が表示面101に表示された画像と重なり合ってしまうのを防止できるため、優れた画像表示特性が得られる。なお、本明細書における「ヘイズ値」は、JIS K7105 6.4に準拠し、ヘイズメーターを用いて測定した値である。
【0049】
以上、透過型スクリーン100の構成について説明した。
このような透過型スクリーンでは、図11に示すように、光散乱層120によって散乱して無偏光となった映像光Lのうち、表示面101側へ散乱する映像光L1を画像表示に利用することができるとともに、一旦、反射型偏光層110側へ散乱し反射型偏光層110で反射されて表示面101側へ散乱する映像光L3も画像表示に利用することができる。そのため、映像光Lの利用効率が向上し、表示面101に明るい画像を表示することができる。また、このような構成によれば、軽量化を図ることができ利便性の高い透過型スクリーン100となる。
【0050】
<第2実施形態>
次に、本発明の透過型スクリーンの第2実施形態について説明する。
図12は、本発明に係る第2実施形態の透過型スクリーンに光を投射するプロジェクターの光学系を示す平面図、図13は、本発明に係る第2実施形態の透過型スクリーンを示す断面図である。
【0051】
以下、第2実施形態の透過型スクリーン100Aについて、前述した第1実施形態の透過型スクリーン100との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の透過型スクリーン100Aは、プロジェクター200Aから出射された円偏光である映像光Lを直線偏光に補正する波長補正層130を有する以外は、前述した第1実施形態の透過型スクリーン100とほぼ同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0052】
(プロジェクター)
本実施形態の透過型スクリーン100Aに映像光Lを投射するプロジェクター200Aは、クロスダイクロイックプリズム250と投写光学部260との間に設けられた1/4λ板270をさらに有している。これにより、クロスダイクロイックプリズム250で合成された映像光Lは、1/4λ板270によって直線偏光から円偏光(左偏光若しくは右偏光)に変更された後に、投写光学部260から出射されることとなる。
【0053】
(透過型スクリーン)
図13に示すように、本実施形態の透過型スクリーン100Aは、波長補正層130、反射型偏光層110および光散乱層120がこの順で積層することにより構成されている。そして、透過型スクリーン100Aは、波長補正層130がプロジェクター200A側に位置するように設置されている。なお、反射型偏光層110および光散乱層120については、前述した第1実施形態と同様の構成であるため、以下では、波長補正層130について説明する。
【0054】
波長補正層130は、プロジェクター200Aから出射された円偏光である映像光Lを、反射型偏光層110の透過軸に沿った方向に振動する直線偏光に変更(補正)する機能を有している。すなわち、波長補正層130は、そのままでは反射型偏光層110を透過することのできない映像光Lを、反射型偏光層110を透過することのできる映像光Lに変更する機能を有している。このような波長補正層130としては、その機能を発揮することができれば特に限定されないが、例えば、1/4λ板を用いることができる。これにより、波長補正層130の構成が簡単なものとなる。
このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0055】
<第3実施形態>
次に、本発明の透過型スクリーンの第3実施形態について説明する。
図14は、本発明に係る第3実施形態の透過型スクリーンを示す断面図である。
以下、第3実施形態の透過型スクリーン100Bについて、前述した第2実施形態の透過型スクリーン100Aとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態の透過型スクリーン100Bは、コレステリック樹脂層140が波長補正層130および反射型偏光層110を兼ねている以外は、前述した第2実施形態の透過型スクリーン100Aとほぼ同様である。なお、前述した第1、第2実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0056】
図14に示すように、本実施形態の透過型スクリーン100Bは、コレステリック樹脂層(樹脂層)140および光散乱層120が積層して構成されている。また、透過型スクリーン100Bは、コレステリック樹脂層140がプロジェクター200A側に位置するように配置されている。なお、光散乱層120については、前述した第1実施形態と同様の構成であるため、以下では、コレステリック樹脂層140について説明する。
【0057】
コレステリック樹脂層140は、コレステリック規則性を有する層である。ここで、コレステリック規則性とは、一平面上では分子軸が一定の方向に並んでいるが、次の平面では分子軸の方向が少し角度をなしてずれ、さらに次の平面ではさらに角度がずれるという具合に、分子が一定方向に配列している平面を進むに従って分子軸の角度がずれて(ねじれて)いく構造である。
【0058】
そのため、コレステリック樹脂層140は、右円偏光(右回転の円偏光)および左円偏光(左回転の円偏光)のいずれか一方のみを透過し、他方を反射する性質(円偏光分離機能)を有している。さらに、コレステリック樹脂層140は、コレステリック樹脂層140を透過した円偏光を直線偏光に変更する性質も有している。すなわち、コレステリック樹脂層140は、前述した第2実施形態の透過型スクリーン100Aの波長補正層130および反射型偏光層110を兼ねている。これにより、透過型スクリーン100Bの構成を、より簡単なものとすることができる。
【0059】
本発明においては、円偏光分離機能を可視光の全波長領域にわたって発揮するコレステリック樹脂層140を備えることが好ましい。すなわち、青色(波長410〜470nm)、緑色(波長520〜580nm)、赤色(波長600〜660)nmのいずれの波長域の光についても円偏光分離機能を有するコレステリック樹脂層140であることが好ましい。
【0060】
コレステリック樹脂層140は、重合性液晶性化合物を含むコレステリック液晶組成物を重合してなる層である。かかる層は、液晶性化合物の分子配向を呈したまま硬化した非液晶性の樹脂層である。
このような第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0061】
<第4実施形態>
次に、本発明の透過型スクリーンの第4実施形態について説明する。
図15は、本発明に係る第4実施形態の透過型スクリーンを示す側面図である。
以下、第4実施形態の透過型スクリーン100Cについて、前述した第1実施形態の透過型スクリーン100との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態の透過型スクリーン100Cは、表示面101からの外光の侵入を抑制する複数の外光遮蔽部160が設けられている以外は、前述した第1実施形態の透過型スクリーン100とほぼ同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0062】
図15に示すように、本実施形態の透過型スクリーン100Cは、表示面101上に設けられ、表示面101からの外光の侵入を抑制する複数の外光遮蔽部160を有している。各外光遮蔽部160は、光不透過性の樹脂製又は金属製のプレート状ルーバであり、本実施形態では、水平方向に延在するよう設けられている。これにより、例えば、天井等に設置された照明からの光(外光)が表示面101に侵入するのを効果的に防止することができ、映り込みの無い鮮明な画像を表示面101に表示することができる。
なお、各外光遮蔽部160の表面には、光吸収処理が施されていてもよい。また、例えば外光の発生源の位置によって、外光遮蔽部160の延在方向や形状を適宜変更してもよい。
【0063】
このような第4実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上説明したような透過型スクリーンは、例えば、背面投射型表示装置(リア型プロジェクター)に好適に適用することができる。その結果、優れた表示特性を有するリア型プロジェクターを提供することができる。
【0064】
図16は、本発明の背面投射型表示装置の実施形態を示す側面図である。図16に示すように、背面投射型表示装置(リア型プロジェクター)300は、プロジェクター310と、導光ミラー320と、スクリーン330とが筐体340に配置された構成を有している。プロジェクター310から直線偏光の映像光が出射される場合(すなわちプロジェクター310として前述したプロジェクター200または400を用いる場合)には、スクリーン330として、前述した透過型スクリーン100または100Cを用い、プロジェクター310から円偏光の映像光が出射される場合(すなわちプロジェクター310として前述したプロジェクター200Aを用いる場合)には、スクリーン330として、前述した透過型スクリーン100Aまたは100Bを用いる。
このようなリア型プロジェクター300は、プロジェクター310から出射された映像光Lを導光ミラー320によって反射して、スクリーン330に投射することにより、表示面に所望の画像を表示するように構成されている。これにより、表示特性の優れたリア型プロジェクター300が得られる。
【0065】
以上、本発明の透過型スクリーンおよび背面投射型表示装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0066】
100、100A、100B、100C‥‥透過型スクリーン 101‥‥表示面 102‥‥背面 110‥‥反射型偏光層 111‥‥透明基板 112‥‥金属線 113‥‥ワイヤーグリッド 115‥‥第1の層 116‥‥第2の層 117‥‥偏光フィルム 120‥‥光散乱層 121‥‥基材 122‥‥粒状体 130‥‥波長補正層 140‥‥コレステリック樹脂層 160‥‥外光遮蔽部 200、200A‥‥プロジェクター 210‥‥照明光学系 211‥‥光源 212‥‥リフレクタ 213、214‥‥レンズアレイ 215‥‥偏光変換素子 216‥‥重畳レンズ 220‥‥色分離光学系 221‥‥B光反射ダイクロイックミラー 222‥‥RG光反射ダイクロイックミラー 223‥‥G光反射ダイクロイックミラー 224、225‥‥反射ミラー 230R、230G、230B‥‥平行化レンズ 240R、240G、240B‥‥空間光変調装置 250‥‥クロスダイクロイックプリズム 250R、250G、250B‥‥入射面 251、252‥‥誘電体多層膜 260‥‥投射光学部 261、262、263‥‥反射ミラー 270‥‥1/4λ板 300‥‥リア型プロジェクター 310‥‥プロジェクター 320‥‥導光ミラー 330‥‥スクリーン 340‥‥筐体 400‥‥プロジェクター 410‥‥レーザー光出射装置 411r、411g、411b‥‥レーザー光源 412r、412g、412b‥‥コリメータレンズ 413r、413g、413b‥‥ダイクロイックミラー 500‥‥制御部 700‥‥レーザー光走査部 710、720‥‥光スキャナー 711‥‥基体 711a‥‥可動板 711b‥‥支持部 711c、711d‥‥連結部 711e‥‥光反射部 712‥‥スペーサー 713‥‥対向基板 714‥‥永久磁石 715‥‥コイル 716‥‥電圧印加手段 717‥‥駆動手段 J1、J2‥‥回動中心軸 L、L1、L2、L3‥‥映像光 RR、GG、BB‥‥レーザー光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面側から光を投写して表示面に画像を表示する透過型スクリーンであって、
前記背面側に設けられ、一方向に振動する直線偏光を透過し、前記直線偏光と振動方向が異なる直線偏光を反射する反射型偏光層と、
前記反射型偏光層よりも前記表示面側に設けられ、前記反射型偏光層を透過した直線偏光を散乱させる光散乱層とを有することを特徴とする透過型スクリーン。
【請求項2】
背面側から光を投写して表示面に画像を表示する透過型スクリーンであって、
前記背面側に設けられ、所定の方向に回転する円偏光を一方向に振動する直線偏光に補正する波長補正層と、
前記波長補正層よりも前記表示面側に設けられ、前記波長補正層によって補正された前記直線偏光を透過し、前記波長補正層によって補正された前記直線偏光と振動方向が異なる直線偏光を反射する反射型偏光層と、
前記反射型偏光層よりも前記表示面側に設けられ、前記反射型偏光層を透過した直線偏光を散乱させる光散乱層とを有することを特徴とする透過型スクリーン。
【請求項3】
前記反射型偏光層は、複数の線材が並設されてなるワイヤーグリッドにより構成されている請求項1または2に記載の透過型スクリーン。
【請求項4】
前記反射型偏光層は、光学的異方性を有する少なくとも1つの第1の層と、前記第1の層と屈折率の異なる少なくとも1つの第2の層とが積層することにより構成されている請求項1または2に記載の透過型スクリーン。
【請求項5】
コレステリック規則性を有する樹脂層を有し、該樹脂層が前記波長補正層および前記反射型偏光層を兼ねている請求項2に記載の透過型スクリーン。
【請求項6】
前記光散乱層の厚さは、前記表示面に設定された画素の最大幅の1/2以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の透過型スクリーン。
【請求項7】
前記光散乱層の前記表示面側に、前記光散乱層への外光の侵入を防止する外光遮蔽部が設けられている請求項1ないし6のいずれかに記載の透過型スクリーン。
【請求項8】
前記光散乱層のヘイズ値は、99%以上である請求項1ないし7のいずれかに記載の透過型スクリーン。
【請求項9】
筐体と、前記筐体内に設けられ、一方向に振動する直線偏光である映像光を出射するプロジェクターと、前記筐体に支持され、背面側から前記映像光が投写されることにより表示面に画像を表示する透過型スクリーンとを有し、
前記透過型スクリーンは、前記背面側に設けられ、前記直線偏光を透過し、前記直線偏光と振動方向が異なる直線偏光を反射する反射型偏光層と、前記反射型偏光層よりも前記表示面側に設けられ、前記反射型偏光層を透過した直線偏光を散乱させる光散乱層とを有することを特徴とする背面投射型表示装置。
【請求項10】
筐体と、前記筐体内に設けられ、所定方向に回転する円偏光である映像光を出射するプロジェクターと、前記筐体に支持され、背面側から前記映像光が投写されることにより表示面に画像を表示する透過型スクリーンとを有し、
前記透過型スクリーンは、前記背面側に設けられ、前記円偏光を一方向に振動する直線偏光に補正する波長補正層と、前記波長補正層よりも前記表示面側に設けられ、前記波長補正層によって補正された前記直線偏光を透過し、前記波長補正層によって補正された前記直線偏光と振動方向が異なる直線偏光を反射する反射型偏光層と、前記反射型偏光層よりも前記表示面側に設けられ、前記反射型偏光層を透過した直線偏光を散乱させる光散乱層とを有することを特徴とする背面投射型表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−197026(P2011−197026A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60340(P2010−60340)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】