説明

透過液スペーサモジュール

本発明は、スペーサと少なくとも1つの収集装置とを有する透過液スペーサモジュールであって、スペーサが、流れ空間又は流路に連結された少なくとも1つの透過液収集装置に透過液を案内する流れ空間又は流路を支持部材と挿入部材との間に形成する少なくとも1つの挿入部材によって互いに間隔を置いて配置される、透過液スペーサモジュールに関する。本発明は、透過液モジュールを有するメンブレンシステム、メンブレンシステムを動作させるプロセス、メンブレンシステムの使用、メンブレンプラント及びメンブレンプラントの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過液スペーサモジュール、メンブレンシステム、メンブレンシステムを動作させるプロセス、メンブレンシステムの使用方法、メンブレンプラント、及びメンブレンプラントの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
メンブレンを通過する流体は、メンブレンを通過する前にメンブレンまで搬送されるか、又はメンブレンに接触する必要がある。通過後、流体は排水システムに収集され、システム外に排出される。多くのメンブレンは、メンブレンへの液体の搬送またはメンブレンからの液体の搬送にスペーサを利用する。ヨーロッパ特許第11201150号、国際公開第2004/103535号、及び国際公開第2004/103536号はメンブレンスペーサを開示している。
【0003】
流体を収集する排水システムは、流体の障害物となり、それによって逆圧を発生し、圧力を低下させる可能性がある。逆圧は、メンブレンを通過する流束を制限することがあり、圧力低下はメンブレンの汚染を招き、その性能を制限する恐れがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的の一つは、排水システムの構成を改良し、メンブレンの性能を向上させることである。
【0005】
本発明の他の目的は、エネルギーバランスが改善されたメンブレンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明
メンブレンは、精密濾過、限外濾過、ナノ濾過又は逆浸透に使用することができる。精密濾過は、通常0.1〜10マイクロメートル(μm)の、メンブレン濾過クラスのうちで最も粗なクラスである。限外濾過メンブレンは、90%が膜によって保持される最小分子の分子量として定義される分画分子量(the molecular weight cut off)によって分類される。限外濾過範囲は、1000分画分子量から500000分画分子量までである。ナノ濾過メンブレンは、100〜1000の範囲の分子量を有する溶質分子を保持する。逆浸透は、最小溶質分子でさえも分離することのできる最も密なメンブレンを使用する。
【0007】
メンブレン又はメンブレンフィルムを通過した流体は、透過液として定義される。残された流体は、濃縮液又はリテンテート(retentate)として定義され、以下では濃縮液と定義される。メンブレン同士は、挿入部材、スペーサ、又はスペーサ部材によって互いに間隔を置いて配置することができる。スペーサ又は挿入部材は、流体が収集システム又は収集装置まで自由に流れることのできるようにする構造を実現する波形材料、ひだ付き材料、鋳造材料、押し出し材料又は機械加工材料で製造することができる。
【0008】
以下では、スペーサは、メンブレン又はメンブレンフィルム同士を間隔を置いて配置する部材を指し、スペーサは支持部材及び挿入部材で構成される。挿入部材は、支持部材同士を間隔を置いて配置する部材を指す。
【0009】
本発明は、スペーサと少なくとも1つの収集装置とを有する透過液スペーサモジュールであって、スペーサが、少なくとも1つの挿入部材と、支持面ユニット(13)、穿孔を有する密な材料、多孔性面材料、穿孔又は細孔又はそれらの組み合わせを有する複合面材料、穿孔又は細孔を有するサンドイッチ面材料、或いはこれらの材料の組み合わせから成る群の少なくとも1つの部材から選択される支持部材とを有し、支持部材は、透過液スペーサモジュールに連結された少なくとも1つの透過液収集装置まで透過液を案内する流れ空間又は流路を支持部材と挿入部材との間に形成する少なくとも1つの挿入部材によって互いに間隔を置いて配置される、透過液スペーサモジュールに関する。
【0010】
細孔又は穿孔の形状、細孔又は穿孔の密度或いは量は、流体の圧力範囲、粘度又は温度に応じて調整することができる。穿孔は、穴、長穴、スリット又はそれらの組み合わせであってよい。
【0011】
挿入部材は、縦長の壁、波形シート、ひだ付きシート、鋳造シート、型成形シート、押し出しシート、ダクトを有するシート、切り込み又は平坦な山を有するシート、シングルディスタンスエード(single distance aids)又はそれらの組み合わせであってよい。
【0012】
支持部材と挿入部材との間の流れ空間は、通路、流れ空間又は流路を形成している。通路、流れ空間、又は流路は、少なくとも透過液収集装置に連結するか、又は取り付けることができる。一実施態様では、通路、流れ空間又は流路同士は互いに沿って延びることができる。他の実施態様によれば、挿入部材は、互いに沿って平行に延びる、以下では流路と呼ばれる通路、流れ空間又は流路を形成している。透過液収集装置は、膨張フレーム又は透過液を収集する任意の手段であってよく、或いは透過液収集装置は管状形態又はU字形押し出し形態であってよい。U字形押し出し形態収集装置は、U字の開放端部上で流路に連結することができ、スペーサモジュールの少なくとも一方の側ですべての互いに平行な流路を覆い、流路から透過液を案内し収集することができる。管状の収集装置は、互いに平行な流路に連結することができ、透過液は、穴、スリット、長穴を通ってチューブに流入するか、又はチューブ内の任意の種類の通過手段を通過することができ、或いはチューブは、透過液スペーサモジュールとの連結を容易にしかつ流路から透過液を案内し収集するための切り込みをチューブに沿って有してよい。流路は、少なくとも1つの収集装置に垂直に取り付けるか又は連結することができる。他の実施態様によれば、少なくとも1つの収集装置をスペーサの周囲全体にわたって連結するか、又は取り付けることができ、流れ空間は、透過液が貯蔵装置に搬送されるか、又はさらに処理される前に収集されるように、少なくとも1つの収集装置と連通することができる。
【0013】
透過液スペーサは少なくとも0.1mmの厚さを有してよく、この厚さは約20mm以下程度であってよい。一実施態様によれば、厚さは少なくとも0.2mmであってよく、他の実施態様によれば、厚さは少なくとも0.5mmであってよい。他の実施態様によれば、厚さは約0.1mmから約20mmの範囲内であってよい。他の実施態様によれば、厚さは約0.5mmから約15mmの範囲内であってよい。他の実施態様によれば、厚さは約1mmから約5mmの範囲内であってよい。他の実施態様によれば、厚さは約0.1mmから約2.0mmの範囲内であってよい。他の実施態様によれば、厚さは約0.5mmから約1.5mmの範囲内であってよい。
【0014】
支持部材と挿入部材は同じ材料で製造してよく、あるいは支持材料をある材料で製造し、挿入部材を別の材料で製造してよい。材料は、金属、セラミック、プラスチック、複合材料、紙、多孔性材料、高分子材料、又はそれらの組み合わせであってよい。一実施態様によれば、ポリオレフィンエラストマ、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル三元共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、ポリウレタン、ポリブチレン、ポリブチレン共重合体、ポリイソプレン、ポリイソプレン共重合体、アクリレート、シリコーン、天然ゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリプロピレン、ポリプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリエチレン共重合体、ポリカーボネート、フルオロポリマー、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ナイロン、ポリ塩化ビニル、並びにそれらの共重合体及び混合物から成る群の材料の少なくとも1つから選択することができる。
【0015】
本発明は、メンブレン又はメンブレン膜を透過液スペーサの両側に取り付けることのできる透過液スペーサを有するメンブレンシステムにさらに関する。
【0016】
メンブレンは、スペーサ上に溶接するか、スペーサ上に接着するか、スペーサと一緒に鋳造するか、1つのメンブレンユニットとして一緒に押し出し成形するか、スペーサ上に固定するか、或いはスペーサ構成の一部であってよい。
【0017】
システムは、管状形態又はU字形押し出し形態であってよい少なくとも1つの透過液収集装置を有してよく、システムの各側は、溶接又は接着することができ、少なくとも1つの支持リスト又は支持ストリップを備えてよい。
【0018】
本発明は、以下のステップ、すなわち、
i)本発明によるメンブレンシステムを流体に接触させ、透過液をメンブレンを通過させるステップと、
ii)透過液スペーサモジュール内の通路、流れ空間、又は流路を通る透過液の流れを形成するステップと、
iii)通路、流れ空間又は流路に連結されるか、又は取り付けられた少なくとも1つの透過液収集装置内に透過液を収集するステップとを含む、透過液を収集するプロセスにさらに関する。
【0019】
このプロセスは、追加のステップ、すなわち、iv)ステップiii)で収集された透過液を静水圧によって収集タンク、容器又は井戸へ搬送するステップも含んでよい。
【0020】
本発明は、透過液スペーサと、排水、海水、地表水又は井戸水を処理するメンブレンフィルムとを有するメンブレンシステムの使用法に関する。
【0021】
メンブレンシステムは、逆浸透型の脱塩プラントの前の、たとえば、海水、地表水、又は井戸水などの水の前処理に使用することができる。メンブレンシステムは、地表水又は井戸水から飲み水を調製する際に使用することもできる。メンブレンシステムは、水の前処理又は最終処理に使用することができる。このような場合、メンブレンは、静水圧が膜間圧力、TMPとして使用されるタンク内に設置される。
【0022】
メンブレンシステムでは圧力低下が少ないので、カルシウム、マグネシウムなどの二価イオン又は農薬などの低有機分子を除去するために水をナノ濾過メンブレンで処理することが可能である。メンブレンシステムは、滅菌濾過、浄化又は高分子量の濃縮に使用することもできる。メンブレンモジュールは、ワイン、ビールの処理、フルーツジュースの濃縮、牛乳の滅菌濾過に使用することもできる。
【0023】
透過液スペーサは、メンブレンを適切に支持することができ、通路、流れ空間又は流路は、逆圧を発生させる障害物を形成することなく、自由流又は流体の流れを可能にする。透過液スペーサのサイズは、用途に適応させることができ、プレート及びフレームメンブレン、又は高透過流束率のために逆圧形成を回避すべく、透過液側の圧力低下を抑制する必要のあるメンブレンバイオリアクタ(MBR)のような様々な構成に統合することができる。
【0024】
メンブレンシステムは、精密濾過、限外濾過、ナノ濾過、又は逆浸透を含むすべての圧力範囲を含む様々な種類の構成に使用することができる。
【0025】
プレート及びフレームメンブレン構成では、透過液スペーサをメンブレン支持板として使用することができる。
【0026】
本発明は、本発明によるメンブレンシステムを有するメンブレンプラントに関し、メンブレンプラントは、収集タンク、容器又は井戸も含む。
【0027】
メンブレンプラント又はメンブレンバイオリアクタでは、メンブレンシステムを生物処理タンク内に配置することができ、かつ収集タンク、又は容器、又は井戸を生物処理タンクの外側でメンブレンシステムに連結することができる。少なくとも1つの透過液収集装置からの収集された透過液は、生物処理タンクの内側で少なくとも1つの収集装置に連結されている収集タンク、容器又は井戸に静水圧によって搬送することができる。収集された透過液は貯蔵するか又は使用のために送ることができる。
【0028】
メンブレンプラントは、収集された透過液の一部を収集タンク、又は容器、又は井戸から生物処理タンクに搬送するポンプを有してもよい。他の実施態様によるメンブレンプラントでは、処理されるべき流体の連続流内、生物処理タンクではなく、たとえば、塩分の多い海水を処理する外海であってよい処理タンク内、又は食品産業、化学プラント、紙パルプ産業などにおける他の種類の流体用の処理タンク内に配置することができる。
【0029】
本発明は、排水、海水、地表水又は井戸水を処理するメンブレンプラントの使用法に関する。
【0030】
メンブレンシステムでは圧力低下が少ないので、静水圧を使用するだけで、カルシウム、マグネシウムなどの二価イオン又は農薬などの低有機分子を除去するために水をナノ濾過メンブレンで処理することが可能である。
【0031】
他の特徴は、独立請求項及び従属請求項に指定されている。
【0032】
以下に、本発明について添付の図面によって詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図面の詳細な説明
図1は、穿孔3を備えた押し出し支持部材2を有する押し出しスペーサであるスペーサ1の斜視図を示している。この実施形態によれば、挿入部材4は、支持部材2と縦長の壁との間に流れ空間5を形成する縦長の壁である。メンブレン6はスペーサ1の両側に取り付けられている。図2は、ひだ付きシート8が、互い平行な通路10の形をした流れ空間を形成する支持部材9同士を間隔を置いて配置しているあるメンブレンシステム7の断面図を示している。支持部材9上にメンブレン9が取り付けられている。メンブレンシステム7は、少なくとも2つの側11で溶接されている。図3は、支持面ユニットとして機能する平坦な山13を有する挿入部材12の一実施形態の断面図を示している。
【0034】
図4は、本発明によるメンブレンプラントの一実施形態を示している。この実施形態によれば、メンブレンシステム14は、生物処理タンク内に配置される。メンブレンシステム14は、メンブレンシステムの3つの側を溶接することによって構成される。第4の側は、管状形態又はU字形形態であってよい収集装置15で終わっている。溶接された側にはそれぞれ、支持リスト、支持ストリップ、又はできるだけ面積を広くするようにメンブレンシステムを広げて保持する他の部材(図4には示されていない)を備えることができる。流体、すなわち、透過液及び空気は、通路(図4には示されていない)内を収集装置15まで搬送され、収集装置から、流体は、静水圧の助けによって垂直チューブ16まで搬送される。チューブ16の底部は、静水圧を発生させることができるようにメンブレンシステムより低いレベルに位置している。チューブ16の頂部は水位より上に位置し、チューブのこの端部は空気を放出するように開放されている。
【0035】
図5は、メンブレンプラントの他の実施形態を示している。メンブレンシステムは、生物処理タンク内の水位より下方に完全に水没させられている。この実施形態によれば、収集タンク又は井戸17は、生物処理タンクの外側に配置される。透過液収集装置15の出口とタンク内の水位との水位差によって、透過液収集スペーサ内のメンブレンを通過する液体流を生じさせることのできる膜間圧力を発生させるのに十分な静水圧が生じる。液体は、この透過液収集スペーサから、管状形態、U字形押し出し形態、又は他の幾何学的構成であってよい1つ、2つ、又はいくつかの収集装置15に収集される。透過液は、水位がメインタンク内の水位より低い井戸又は収集タンク17に重力によって流れる。この水位差によってメンブレンシステムを動作させるのに必要な静水圧が発生する。静水圧は、井戸17内の水位を調節することによって規制することができる。
【0036】
以下の例では、長時間にわたる流量及び流束の調査が行われ、螺旋状に巻かれた従来のメンブレンスペーサと本発明の一実施形態によるメンブレンシステムとが比較される。実施例の目的は、透過液スペーサ及び透過液システムの性能を示すことであり、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
図4に示されているメンブレンプラントを使用して試験を行った。透過液流量及び透過液流束を16日間監視した。試験時には、メンブレンシステムは、メンブレンに圧力をかけることも真空を使用することもなしに動作させることができた。静水圧は、水をメンブレンを通過させるのに十分な圧力であった。静水圧を変化させることによってメンブレンを通過する流れを規制することができる。このような変化は、タンク又は井戸内の水位によって制御することができる。メンブレンシステムの面積は3.753m2であり、試験期間中の大気温度は−5℃から5℃の間であった。結果を表1にまとめる。
【0037】
【表1】

【0038】
実施例2(比較)
この例では、収集装置に取り付けられた螺旋状に巻かれた従来のスペーサ部材を、収集装置に取り付けられた図1による透過液スペーサと比較した。螺旋状に巻かれたスペーサ部材と透過液スペーサはどちらも各側にメンブレンを備えていた。静水圧は1.2mであり、従来のスペーサの測定流束は16dm3/m2×hであり、透過液スペーサの測定流束は100dm3/m2×hであり、従来のスペーサに対する本発明の透過液スペーサの比が6.25になることが分かった。この結果による結論として、流量が少ないときでも透過液側での自由な流れが重要であり、かつ水位が高くなるにつれて上記の比が高くなっていく。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】透過液スペーサの一実施形態の概略部分図である。
【図2】メンブレンシステムの他の実施形態の概略部分図である。
【図3】挿入部材の他の実施形態の概略部分図である。
【図4】メンブレンプラントの一実施形態の概略部分図である。
【図5】メンブレンプラントの他の実施形態の概略部分図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペーサと少なくとも1つの収集装置とを有する透過液スペーサモジュールであって、前記スペーサは、少なくとも1つの挿入部材と、支持面ユニット(13)、穿孔を有する密な材料、多孔性面材料、穿孔又は細孔又はそれらの組み合わせを有する複合面材料、穿孔又は細孔を有するサンドイッチ面材料、あるいは前記の材料の組み合わせから成る群の少なくとも1つの部材から選択される支持部材とを有し、前記支持部材は、前記透過液スペーサモジュールに連結されるか又は取り付けられた前記少なくとも1つの透過液収集装置まで透過液を案内する流れ空間、通路又は流路を前記支持部材と前記挿入部材との間に形成する前記少なくとも1つの挿入部材によって互いに間隔を置いて配置されている、透過液スペーサモジュール。
【請求項2】
前記流路は、互いに平行であり、かつ前記少なくとも1つの透過液収集装置に連結されるか、又は取り付けられている、請求項1記載の透過液スペーサモジュール。
【請求項3】
前記流れ空間は、前記少なくとも1つの透過液収集装置に連結されるか又は取り付けられ、前記少なくとも1つの透過液収集装置は、前記スペーサに前記スペーサの側面の周囲全体にわたって連結されるか又は取り付けられている、請求項1記載の透過液スペーサモジュール。
【請求項4】
前記挿入部材は、縦長の壁、波形シート、ひだ付きシート、鋳造シート、型成形シート、押し出しシート、ダクトを有するシート、切り込み又は平坦な山を有するシート、シングルディスタンスエード、又はそれらの組み合わせである、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の透過液スペーサモジュール。
【請求項5】
前記支持部材は、穿孔を有する密な材料又は多孔性材料である、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の透過液スペーサモジュール。
【請求項6】
前記穿孔は穴、長穴、スリット、又はそれらの組み合わせである、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の透過液スペーサモジュール。
【請求項7】
前記支持部材及び前記少なくとも1つの挿入部材はそれぞれ、金属、セラミック、プラスチック、複合材料、紙、セルロース、多孔性材料、高分子材料、ガラス、ガラス繊維又はそれらの組み合わせから成る群の材料の少なくとも1つから選択される材料である、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の透過液スペーサモジュール。
【請求項8】
前記支持部材及び前記少なくとも1つの挿入部材はそれぞれ、ポリオレフィンエラストマ、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル三元共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、ポリウレタン、ポリブチレン、ポリブチレン共重合体、ポリイソプレン、ポリイソプレン共重合体、アクリレート、シリコーン、天然ゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリプロピレン、ポリプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリエチレン共重合体、ポリカーボネート、フルオロポリマー、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ナイロン、ポリ塩化ビニル、並びにそれらの共重合体及び混合物から成る群の材料の少なくとも1つから選択される材料で作られる、請求項7記載の透過液スペーサモジュール。
【請求項9】
前記支持部材は、互いに少なくとも0.1mmの距離だけ間隔を置いて配置される、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の透過液スペーサモジュール。
【請求項10】
前記支持部材は、互いに約20mm未満の距離だけ間隔を置いて配置される、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の透過液スペーサモジュール。
【請求項11】
前記支持部材は、約1mmから約5mmの範囲内の距離だけ間隔を置いて配置される、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の透過液スペーサモジュール。
【請求項12】
前記少なくとも1つの透過液収集装置は、膨張フレーム又は透過液を収集する任意の手段である、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の透過液スペーサモジュール。
【請求項13】
前記膨張フレームは、管状形態又はU字型押し出し形態である、請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の透過液スペーサモジュール。
【請求項14】
前記メンブレンフィルム、リーフ又はシートは、前記スペーサの両側に取り付けられる、請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の透過液スペーサモジュールを有するメンブレンシステム。
【請求項15】
前記支持部材及び前記少なくとも1つの挿入部材は、メンブレン材料で作られ、前記支持部材、前記少なくとも1つの挿入部材、及び前記透過液スペーサモジュールの両側の前記メンブレンフィルム、リーフ、又はシートは、メンブレン材料の1つのユニットとして作られている、請求項14記載のメンブレンシステム。
【請求項16】
前記システムは、少なくとも1つの支持リスト又は支持ストリップも有する、請求項14又は請求項15記載のメンブレンシステム。
【請求項17】
前記メンブレンは前記スペーサに少なくとも部分的に溶接されるか、又は少なくとも部分的に接着されている、請求項14乃至請求項16のいずれかに記載のメンブレンシステム。
【請求項18】
透過液を収集するプロセスであって、
i)請求項14乃至請求項17のいずれかに記載のメンブレンシステムを流体に接触させ、透過液をメンブレンを通過させるステップと、
ii)前記透過液スペーサモジュール内の前記流れ空間、通路、又は前記流路を通る透過液の流れを生成するステップと、
iii)前記流れ空間、通路、又は流路に連結された前記少なくとも1つの透過液収集装置内に前記透過液を収集するステップとを含むプロセス。
【請求項19】
前記プロセスは、
iv)前記ステップiii)で収集された前記透過液を静水圧によって収集タンク、容器又は井戸へ搬送するステップをさらに含む、請求項18記載のプロセス。
【請求項20】
排水、海水、地表水又は井戸水の処理への、請求項14乃至請求項17のいずれかに記載のメンブレンシステムの使用方法。
【請求項21】
滅菌濾過、浄化又は高分子量の濃縮への、請求項14乃至請求項17のいずれかに記載のメンブレンシステムの使用方法。
【請求項22】
ワイン、ビールの処理、フルーツジュースの濃縮、牛乳の滅菌濾過への、請求項14乃至請求項17のいずれかに記載のメンブレンシステムの使用方法。
【請求項23】
前記メンブレンプラントは、収集タンク、容器又は井戸も含む、請求項14乃至請求項17のいずれかに記載のメンブレンシステムを有するメンブレンプラント。
【請求項24】
前記メンブレンシステムは生物処理タンク内に配置される、請求項23記載のメンブレンプラント。
【請求項25】
前記収集タンク、前記容器又は前記井戸は、前記生物処理タンクの外側で前記メンブレンシステムに連結され、前記透過液スペーサモジュールに連結された前記少なくとも1つの透過液収集装置からの前記収集された透過液は、前記収集タンク、前記容器又は前記井戸に連結され、前記透過液は、前記透過液スペーサモジュールに連結された前記少なくとも1つの透過液収集装置から前記収集タンク、前記容器又は前記井戸まで静水圧によって搬送される、請求項23又は請求項24記載のメンブレンプラント。
【請求項26】
前記プラントは、前記透過液の一部を前記収集タンク、前記容器又は前記井戸から前記生物処理タンクまで戻すように搬送するポンプも有する、請求項23乃至請求項25のいずれかに記載のメンブレンプラント。
【請求項27】
排水又は水を処理する、請求項23乃至請求項26のいずれかに記載のメンブレンプラントの使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−531269(P2008−531269A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557967(P2007−557967)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000245
【国際公開番号】WO2006/091157
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(500515565)アルファ ラヴァル コーポレイト アクチボラゲット (90)
【Fターム(参考)】