説明

逐次SPRM/プロゲスチン治療

本発明において提供される方法は、第1の投薬期間中に選択的プロゲステロン受容体調整剤(SPRM)を投与し、および第2の投薬期間中に少なくとも1つのプロゲストゲンを投与することを含む。投薬期間は、同時に実行されてもよいし、又はSPRMもプロゲストゲンも投与されない期間を置いて、もしくはこの期間を置かずに、逐次的に実行されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の領域)
本発明は、選択的プロゲステロン受容体調整剤(SPRM)に関し、特に、月経出血を予想可能に誘導するための薬剤と組み合わせたSPRMの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
女性の性機能は、可変性の周期を特徴とする。これらの周期の開始及び終了は、子宮内膜表層の剥離及び排出(剥落)により決定される。卵巣ホルモン、主としてプロゲステロンが月経を制御しているが、プロスタグランジン(prostaglandines)及び一酸化窒素のような局所的な炎症促進性メディエーターも同様にこのイベントにおいて重要な役割を果たす。月経は、子宮内膜における螺旋状の細動脈の狭窄によって開始する。子宮からの子宮内膜表層の排出は、月経中に強度及び持続期間が増加する子宮収縮によってもたらされる。この過程には、月経中の子宮内膜における血管の破壊、血管の拡張、及び増加した線維素溶解(fibrinolitic)活性による出血が伴う。妊娠が存在しない場合、月経周期の正常な期間は28日である。妊娠中は、極めて高いエストロゲン及びプロゲステロンの濃度の存在にも関わらず、無月経期間がおよそ40週続く。分娩後に乳汁分泌が起こった場合には、これも無月経状態をさらに長引かせ得る。
【0003】
多様な治療的理由のために、正常な月経周期を改変又は中止させ、これにより無月経として知られる状態を誘導することが望ましい。無月経の誘導により改善される様々な婦人科障害のための、性腺刺激ホルモン放出ホルモン及びプロゲステロンの投与を組み合わせた治療(therapeautic)計画が知られている。しかしながら、これらの計画は、臨床的に重要な副作用と関連している。性腺刺激ホルモン放出ホルモンのアナログは、ほてり及び骨減少に関連しているエストロゲン欠乏を引き起こす。未知の理由のため、継続的な経口避妊薬及びプロゲストゲンの投与を含むホルモン計画により、完全な無月経を誘導することは、不可能であった。特徴的に、これらの計画は、かなりの割合の患者において破綻出血又は少量出血を引き起こす。慢性ホルモン計画に関連した予定外の子宮出血は、患者の受容性に対して負の影響を及ぼす。
【0004】
SPRMは、子宮内膜の増殖及び出血を抑制し、長期無月経を誘導する。SPRMの効果は、子宮内膜レベルで、即ち、卵巣のエストロゲン分泌に影響を与えることなく発揮される(Chwalisz K,Elger W,McCrary K,Beckman P,Larsen L.新規の選択的プロゲステロン受容体調整剤(SPRM)による排卵に対する効果と無関係な健常女性における月経の可逆的な抑制(Reversible suppression of menstruation in normal women irrespective of the effect on ovulation with the novel selective progesterone receptor modulator(SPRM))J867 J Soc Gynecol Invest 2002;9(Suppl)(1):Abstract 49)。しかしながら、治療的に誘導された長期無月経の認知は、文化によって異なる。さらに、この認知は、社会経済的状況及び年齢にも依存している。例えば、完全に無月経を誘導するのではなく、1年当たりの子宮出血エピソードの回数を低下させることを明らかに好む女性も存在する。SPRM療法の中止は、患者が月経周期に戻ることを可能にする。しかしながら、残念なことに、SPRM治療により誘導された無月経の終結は、様々な予測不可能な時点で起こる消退出血をもたらす。
【0005】
閉経前の女性における無月経を誘導するSPRMの効果に関する研究において(Chwalisz K,Lamar Parker R,Williamson S,Larsen L,McCrary K,Elger W.新規の選択的プロゲステロン受容体調整剤(SPRM)による子宮平滑筋腫の治療(treatment of uterine leiomyomas with the novel selective progesterone receptor modulator(SPRM))J867.J Soc Gynecol Invest 10,2:abstract 636)、自然月経周期を開始させる消退出血は、SPRM治療を中止した後90日以内に起こることが示された。大多数の対象において、月経の再開は、治療の停止から30日以内に起こった。しかしながら、かなりの数の女性が、これより長い間隔を経験した。従って、無月経を誘導する目的でSPRM療法を摂取している女性にとって、月経への復帰は可能であるが、月経周期への復帰の予測可能性は可変性である。
【0006】
従って、確実な無月経の状態及び予測可能な月経への復帰を提供する療法が、必要とされている。このような療法が、無月経を誘導するために設計された従来の療法に関連した副作用なしに、上記の目的を提供するのであれば、これはさらに望ましいであろう。
【発明の開示】
【0007】
(発明の概要)
本発明は、無月経及び続く月経への復帰を確実に誘導するために使用され得る方法及びキットを提供する。これらの方法及びキットは、患者が無月経期間の後に月経出血に戻ることを可能にする。この方法は、一般に、患者の月経周期を調節するため、および婦人科障害を治療するために使用され得る。一般に、この方法は、第1の投薬期間中に選択的プロゲステロン受容体調整剤(SPRM)を投与し、および第2の投薬期間中に少なくとも1つのプロゲストゲンを投与することを含む。投薬期間は、同時に実行されてもよいし、又はSPRMもプロゲストゲンも投与されない期間を置いて、もしくはこの期間を置かずに、逐次的に実行されてもよい。第2の投薬期間は、さらに、エストロゲンの投与を含んでいてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(発明の詳細な説明)
SPRM(「様々に、「メソプロゲスチン(mesoprogestins)」とも呼ばれる)は、動物及びヒトにおける部分的なアゴニスト活性及びアンタゴニスト活性を保持している一連のプロゲステロン受容体リガンドである。SPRMは、卵巣のエストロゲン産生を損なうことなく、高度の子宮内膜選択性及び子宮内膜機能の制御を示し、従って、エストロゲン欠損を誘導しない。SPRMは、実際、ミフェプリストン(mifepristone)(RU486)のようなプロゲステロンアンタゴニストで観察されるようにプロゲステロン作用を完全に阻止することがないため、SPRMのアンタゴニスト活性は不完全である。従って、SPRMは、高レベルの内因性アゴニスト活性も示すという事実のため、不完全なプロゲステロン受容体アンタゴニスト活性を有している。より定量的な見地からは、SPRMは、ウサギにおけるマクフェイル(McPhail)バイオアッセイにおけるスコアが、プロゲステロンより低いが、このテストにおいてアゴニスト活性を全く示さないミフェプリストン又はオナプリストン(onapristone)のようなプロゲステロンアンタゴニストよりは相当高い。マクフェイルテストは、ウサギモデルを使用してプロゲステロン受容体における化合物のアゴニスト効果及びアンタゴニスト効果を半定量的に評価するために広く使用されている。マクフェイルテストは0から4の尺度を使用しており、プロゲステロンが4という最高スコアを有している。他方、RU486は、このモデルにおいて0.5未満のスコアを有しており、従って、純粋なアンタゴニストと見なされる。マクフェイルテストは、Selye H.,Textbook of Endocrinology,1947,pp345−346に記載されている。マクフェイル試験及びインビボの特徴決定は、SPRMを同定するために容易に使用され得る。マクフェイルテストを案内として使用すると、SPRMは、一般に、0.5から3.5、より好ましくは0.5から3、最も好ましくは0.5から2のマクフェイルスコアを有している化合物として分類され得る。このような活性を有している化合物は、このような化合物を合成する方法と共に、米国特許第5,843,931号;第5,519,027号;第5,426,102号;第5,244,886号;第5,273,971号;第5,446,063号;第5,576,310号及び第5,693,628号(これらは全て参照により本明細書に組み入れられる)にも、公開番号WO01/26603;WO01/34126;及びWO01/15679を有しているPCT特許出願にも記載されている。従来J867、J900、J956、J912、J914及びJ1042と名付けられている化合物は、全て、本明細書に提供される方法による使用のため適切である。このような化合物には、[4−[17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−(1E)−オキシム];[4−17β−ヒドロキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−(1E)−オキシム];[4−17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−(1E)−[O−(エトキシ)カルボニル]オキシム;[4−17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−(1E)−(O−アセチル)オキシム];及び[4−[17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−(1E)−[O−(エチルアミノ)カルボニル)オキシム]が含まれる。
【0009】
上述のように、SPRMは、無月経を誘導することができ、例えば、子宮類繊維腫、子宮内膜症、ホルモン補充療法、月経過多、不正子宮出血、月経困難症、腺筋症及び腹膜癒着を含む、多様な婦人科障害の治療に適応されている。既述のように、本発明は、SPRM療法に起因する無月経期間の後の予測可能な月経出血の誘導を許容する。従って、この方法及びキットは、予測可能な、望まれる場合には延長される無月経期間の後に、予測可能な月経出血の周期が続く、長期の月経周期性を発生させるための手段を提供する。従って、本発明において提供される方法は、無月経が誘導され、予測可能な月経への復帰が望まれる、上記の適応症又は今後発見される適応症に関して利用され得る。この方法及びキットは、特に、子宮内膜症、類繊維腫及び子宮出血のような治療的適応症に適している。
【0010】
本発明において提供される方法によると、SPRM療法が、第1の投薬期間中に与えられる。「投薬期間」とは、本明細書において使用されるように、患者が所定の薬物療法を摂取する期間、例えば、日数、週数又は月数である。薬物療法は、1日に1回以上、与えられ得る。典型的には、第1の投薬期間は、約1ヶ月から約12ヶ月、より典型的には約3から12ヶ月の範囲、さらに典型的には約3ヶ月、約6ヶ月又は約12ヶ月であろう。有利なことに、第1の投薬期間の正確な期間は、事実上、無月経の期間を延ばすために主観的に決定される時間の長さに基づく、医学専門家又は患者の選択の問題である。従って、医学専門家又は患者は、SPRM療法が投与される期間を短縮又は延長することにより、月経出血の開始を調節し選択する機会を有している。
【0011】
第1の投薬期間中には、治療的に有効な量のSPRMが、本発明の方法及びキットにより提供される療法を必要とする患者に投与される。「治療的に有効な量」という語句は、本明細書において使用されるように、医学的治療に適用可能な合理的な利益/リスク比において所望の障害を治療するのに必要な、例えば、組成物、化合物又は製剤の十分な量を意味する。他の医薬品と同様に、本明細書に記述されたSPRM又は他の薬物の全1日使用量は、正当な医学的判断の範囲内で患者の主治医により決定されるであろうことが理解されよう。特定の患者のための特定の治療的に有効な用量レベルは、治療される障害及び障害の重度;利用される特定の化合物の活性;利用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全身状態、性別及び食事;利用される特定の化合物の投与時間、投与経路及び排泄速度;治療の期間;利用される特定の化合物と組み合わせて又は同時に使用される薬物;並びに医学分野の当業者に公知の他の要因を含む多様な要因に依るであろう。例えば、所望の治療効果を達成するために必要とされるより低いレベルの化合物の用量から開始し、所望の効果が達成されるまで、徐々に投薬量を増加させることは、充分に、当技術分野の技術の範囲内である。次いで、患者が所望の効果を受容するよう、適切に特定の患者に投薬するために、これらのパラメータが利用され得る。好ましくは、SPRMは、1日当たり0.125mgから100mg、より好ましくは1日当たり1mgから50mgの用量で単回投与又は分割投与される。
【0012】
第2の投薬期間中には、治療的に有効な量の少なくとも1つのプロゲストゲンが、本発明の方法及びキットにより提供される療法を必要とする患者に投与される。第2の投薬期間は、通常、日数単位であり、典型的には1日から30日、より好ましくは5日から20日、最も好ましくは7日から14日である。プロゲストゲンには、プロゲステロン及び合成プロゲスチンを含む、消退月経を誘導することができる化合物が含まれる。このような化合物には、メドロキシプロゲステロン、酢酸シプロテロン、ドロスピレノン、ジドロゲステロン、ジエノゲスト、ノルエスチステロン(noresthisterone)、レボノルゲストレル、ゲストデン、プロメゲストン及びトリメゲストンのようなプロゲストゲンが含まれるであろう。プロゲストゲンに加え、例えば、エチニルエストラジオール(ethinylestradiol)、結合型ウマエストロゲン(conjugated equine estrogens)、又はエストラジオール、エストリオール、エストロンもしくはこれらのエステルを含むバイオゲン(biogene)エストロゲンのようなエストロゲンが、場合により、第2の投薬期間中に投与されてもよい。
【0013】
一般に、プロゲストゲンの1日用量は、0.01mgから100mg/日の範囲内であろう。特定のプロゲストゲンのより好ましい用量には、5から10mg/日の酢酸メドロキシプロゲステロン、1から3mg/日の酢酸シプロテロン、1から5mg/日のドロスピレノン、10から20mg/日のジドロゲステロン、1から6mg/日のジエノゲスト、0.5から2mg/日の酢酸ノルエスチステロン(noresthisterone acetate)又はノルエチステロン(norethisterone)、0.05mg/日のレボノルゲストレル、0.05から0.2mg/日のゲストデンが含まれるが、これらに制限はされない。
【0014】
エストラジオールのようなエストロゲンの1日経口用量は、好ましくは1日当たり0.3mgから3.0mg、より好ましくは0.5mgから2.0mg/日;又は別の投与経路で提供されるエストラジオールの等価な用量;又は他のバイオゲン(biogen)エストロゲンの等価な用量である。結合型ウマエストロゲンは、好ましくは、1日当たり0.3mgから5mgで投薬される。他の特定のエストロゲン及びこれらの用量には、10から100μg/日、好ましくは15から30μg/日の投薬量のエチニルエストラジオールが含まれる。
【0015】
より完全に以下に説明されるように、エストロゲンは、経皮的に又は膣に投与され得る。エストロゲンの非経口投与は、好ましくは、毎日、およそ10μg/日から50μg/日の17β−エストラジオール又は生物学的に等価な量の他のエストロゲンを放出する。
【0016】
第1及び第2の投薬期間は、逐次的に実行されてもよいし又は同時に実行されてもよい。例えば、第1の投薬期間が終了し、第1の投薬期間の終了後の翌日に第2の投薬期間が開始することができる。別法として、第1の投薬期間の終了から第2の投薬期間の開始までの間に、本発明において提供される方法及びキットにより提供される療法を必要とする患者に、薬物療法が投与されないか又はプラセボが投与される日が、1日以上存在してもよい。上述のように、投薬期間は、1日以上、同時に実行され又はオーバーラップしてもよい。例えば、第2の投薬期間が、第1の投薬期間の終了より前に開始してもよい。従って、第1及び第2の投薬期間のこのようなオーバーラップの間には、SPRM及びプロゲストゲンが患者に投与されるであろう。
【0017】
SPRMもプロゲストゲンも、多様な形態で投与され得る。本発明の化合物は、経口的に、眼に、浸透圧的に、非経口的に(皮下に、筋肉内に、胸骨内に、静脈内に)、直腸に、局所的に、経皮的に、又は膣に、投与され得る。固形剤形の経口投与される化合物は、カプセル剤、糖衣錠、顆粒剤、丸剤、散剤及び錠剤として投与され得る。液状剤形の眼投与及び経口投与される化合物は、エリキシル剤、乳濁剤、マイクロエマルション、液剤、懸濁剤及びシロップ剤として投与され得る。浸透圧的及び局所的に投与される化合物は、クリーム剤、ゲル剤、吸入剤、ローション剤、軟膏剤、ペースト剤、散剤、液剤及びスプレー剤として投与され得る。非経口投与される化合物は、水性もしくは油性の液剤、又は水性もしくは油性の懸濁剤(懸濁剤は、結晶、無定形、もしくは他の不溶性の形態の化合物を含む)として投与され得る。直腸及び膣に投与される化合物は、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、軟膏剤及びペースト剤として投与され得る。
【0018】
投与の形態に依れば、SPRM及びプロゲストゲンは、医薬適合性の賦形剤と共に、又は賦形剤なしで、製剤化又は投与され得る。このような賦形剤には、吸収促進剤、抗酸化剤、結合剤、緩衝剤、コーティング剤、着色剤、希釈剤、崩壊剤、乳化剤、増量剤、充填剤、風味剤、湿潤剤、滑沢剤、芳香剤、保存剤、噴霧剤、放出剤、殺菌剤、甘味剤、可溶化剤、潤沢剤及びこれらの混合物のような封入材料又は製剤化添加剤が含まれる。
【0019】
例えば、固形剤形の経口投与される化合物のための賦形剤には、寒天、アルギン酸、水酸化アルミニウム、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、1,3−ブチレングリコール、ヒマシ油、セルロース、酢酸セルロース、カカオ脂、コーンスターチ、トウモロコシ油、綿実油、エタノール、酢酸エチル、炭酸エチル、エチルセルロース、ラウリル酸エチル(ethyl laureate)、オレイン酸エチル、ゼラチン、胚芽油、グルコース、グリセロール、ナンキンマメ(groundnut)油、イソプロパノール、等張生理食塩水、乳糖、水酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、麦芽、オリーブ油、落花生(peanut)油、リン酸カリウム塩、ジャガイモデンプン、プロピレングリコール、リンゲル液、タルク、トラガカントゴム、水、ベニバナ油、ゴマ油、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム塩、大豆油、ショ糖、テトラヒドロフルフリルアルコール及びこれらの混合物が含まれる。液状剤形の眼投与又は経口投与される化合物のための賦形剤には、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、1,3−ブチレングリコール、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、エタノール、酢酸エチル、炭酸エチル、ソルビタンの脂肪酸エステル、胚芽油、ナンキンマメ油、グリセロール、イソプロパノール、オリーブ油、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ゴマ油、テトラヒドロフルフリルアルコール、水及びこれらの混合物が含まれる。浸透圧的に投与される化合物のための賦形剤には、クロロフルオロ炭化水素、エタノール、イソプロパノール、水及びこれらの混合物が含まれる。非経口投与される化合物のための賦形剤には、1,3−ブタンジオール、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、胚芽油、ナンキンマメ油、リポソーム、オレイン酸、オリーブ油、落花生油、リンゲル液、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、U.S.P.又は等張の生理食塩液、水及びこれらの混合物が含まれる。直腸及び膣に投与される化合物のための賦形剤には、カカオ脂、ポリエチレングリコール、ロウ及びこれらの混合物が含まれる。
【0020】
本明細書において使用されるような「医薬適合性である」という語句には、正当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答等なしに、ヒト及び下等動物の組織に接触させて使用するのに適しており、合理的な利益/リスク比に相応している部分又は化合物が含まれる。
【0021】
SPRM及びプロゲストゲンは、別々に提供されてもよいし、又はキットとして包装されてもよい。有利には、キットの各化合物は、例えば、患者の遵守を増強するために各成分の1日の処方が同定され得るよう、使用グループ毎に包装され得る。化合物のセットは、多様な方式で同定され得る。例えば、化合物のセットは、化合物を含有している包装の上に同定され得る。別法として、例えば、グループを同定し、キットの成分を摂取する適切な回数を患者に指示する外的な指示が、化合物の一つ以上のセットと共に、提供されてもよい。上記のもののようなコンビニエンスパック(Convenience packs)は周知であり、例えば、米国特許第3,921,804号;第4,964,539号;第5,316,400号;及び第5,775,536号に記載されたもののような多様な形態をとる。いわゆる「ブリスターパック」は、コンビニエンスパックの一般的な型であり、一般に、固形剤形を含有するブリスターと、個々のブリスター内に剤形を維持するためにブリスター材料を密封する裏打ちシートとで形成され得る材料のシートを含む。
【0022】
当業者にとって明白な変動及び変化は、本発明の範囲内に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
月経周期を調節する方法であって、第1の投薬期間中に選択的プロゲステロン受容体調整剤を投与し、および第2の投薬期間中に少なくとも1つのプロゲストゲンを投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
第1の投薬期間が約1ヶ月から約12ヶ月である、請求項1の方法。
【請求項3】
第2の投薬期間が1日から31日である、請求項2の方法。
【請求項4】
第2の投薬期間が、第1の投薬期間が終了した後、最初の日に開始する、請求項3の方法。
【請求項5】
第1の投薬期間と第2の投薬期間とが少なくとも1日オーバーラップする、請求項1の方法。
【請求項6】
SPRMが第1の投薬期間中に1日当たり0.125mgから100mgの量で投与される、請求項1の方法。
【請求項7】
プロゲストゲンが第2の投薬期間中に1日当たり0.01mgから100mgの量で投与される、請求項6の方法。
【請求項8】
SPRMが、11β−[4−(ヒドロキシイミノメチル)フェニル]−17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)エストラ−4,9−ジエン−3−オン(アソプリスニル(asoprisnil))、11β−[4−(ヒドロキシイミノメチル)フェニル]−17β−ヒドロキシ−17α−(メトキシメチル)エストラ−4,9−ジエン−3−オン(J912)及び11β−[4−[(エチルアミノカルボニル)オキシイミノメチル]フェニル]−17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)エストラ−4,9−ジエン−3−オン(J956)並びにこれらの医薬適合性の塩からなる群より選択される、請求項1の方法。
【請求項9】
プロゲストゲンが、メドロキシプロゲステロン(medroxyprogesterone)、シプロテロン(cyproterone)、ドロスピレノン(drospirenone)、ジドロゲステロン(dydrogesterone)、ジエノゲスト(dienogest)、ノルエスチステロン(noresthisterone)、レボノルゲストレル(levonorgestrel)、ゲストデン(gestodene)、プロメゲストン(promegestone)、トリメゲストン(trimegestone)及びこれらの医薬適合性の塩からなる群より選択される、請求項1の方法。
【請求項10】
第2の投薬期間中にエストロゲンを投与することをさらに含む、請求項9の方法。
【請求項11】
第1の投薬期間にSPRMを患者に投与することを含む婦人科障害を治療する方法であって、改良が、第2の投薬期間中に少なくとも1つのプロゲストゲンを投与することを含む、前記方法。
【請求項12】
第1の投薬期間が約1ヶ月から12ヶ月であり、第2の投薬期間が1日から31日であり、および第2の投薬期間が第1の投薬期間の翌日に開始する、請求項11の方法。
【請求項13】
SPRMが、11β−[4−(ヒドロキシイミノメチル)フェニル]−17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)エストラ−4,9−ジエン−3−オン(アソプリスニル)、11β−[4−(ヒドロキシイミノメチル)フェニル]−17β−ヒドロキシ−17α−(メトキシメチル)エストラ−4,9−ジエン−3−オン(J912)及び11β−[4−[(エチルアミノカルボニル)オキシイミノメチル]フェニル]−17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)エストラ−4,9−ジエン−3−オン(J956)並びにこれらの医薬適合性の塩からなる群より選択される、請求項12の方法。
【請求項14】
SPRM及び少なくとも1つのプロゲストゲンを含むキット。
【請求項15】
SPRMが、11β−[4−(ヒドロキシイミノメチル)フェニル]−17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)エストラ−4,9−ジエン−3−オン(アソプリスニル)、11β−[4−(ヒドロキシイミノメチル)フェニル]−17β−ヒドロキシ−17α−(メトキシメチル)エストラ−4,9−ジエン−3−オン(J912)及び11β−[4−[(エチルアミノカルボニル)オキシイミノメチル]フェニル]−17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)エストラ−4,9−ジエン−3−オン(J956)並びにこれらの医薬適合性の塩からなる群より選択され;およびプロゲストゲンが、プロゲステロン及び他の合成プロゲスチン並びにこれらの医薬適合性の塩並びにこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項14のキット。

【公表番号】特表2007−530552(P2007−530552A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505056(P2007−505056)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/009317
【国際公開番号】WO2005/097193
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(502137754)タツプ・フアーマシユーテイカル・プロダクツ・インコーポレイテツド (10)
【Fターム(参考)】