説明

通信ゲームシステム、送信端末、受信端末、通信ゲームプログラム

【課題】ゲーム進行中にも、容易な操作でメッセージを送信することができる通信ゲームシステム、送信端末、受信端末、通信ゲームプログラムを提供する。
【解決手段】定型文記憶部121,221に、7つのカテゴリのそれぞれ複数の定型文を、テンキー111の「1」〜「7」のキーに対応させて記憶させ、同様に、感情アイコン記憶部122,222に、4つのカテゴリのそれぞれ複数のアイコンを、テンキー111の「8」〜「0」,「*」キーに対応させて記憶させ、テンキー111,211の各キーが操作される毎に、順次、定型文又アイコンを読み出し、「♯」キーの操作に応じて、対戦相手のゲーム端末のモニタ250に、メッセージを表示させるための命令に関するメッセージ命令情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信回線を介してゲームを行う通信ゲームシステム、送信端末、受信端末、通信ゲームプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話等の携帯情報端末は、文章等を送信する場合、テンキー等を操作して文章等が入力されてきた。
しかし、携帯情報端末のテンキーは、入力ボタンの数が少ないため、各キーに割り当てられている文字等の数が多いので、文章等を入力するための操作が複雑となり、手間がかかる。このため、オンラインゲーム等において、チャット等で文章等の情報を交換する場合には、プレイヤがゲームに集中できなかったり、文章等の入力中にゲームが進行してしまうことがあるという問題があった。
一方、特許文献1には、文字等の入力の手間を軽減する入力装置が開示されている。
しかし、このような入力装置を設ければ、携帯情報端末は、携帯性が損なわれてしまう。また、チャット等を行うためには、このような入力装置を、両方の端末に用意しなければならないという問題がある。
【特許文献1】特開2004−228701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、ゲーム進行中にも、容易な操作でメッセージを送信することができる通信ゲームシステム、送信端末、受信端末、通信ゲームプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、通信回線(10)を介して接続された複数の通信端末の間で、送信端末(100,200)がメッセージを送信したメッセージを、受信端末(200,100)が表示部(250,150)に表示しながらゲームを進行する通信ゲームシステムであって、前記送信端末(100,200)は、前記メッセージを読み出す少なくとも1つの操作部(111,211)と、前記各操作部(111,211)に割り当てられたメッセージを記憶する送信側記憶部(120,220)と、前記各操作部(111,211)の操作に応じて、前記送信側記憶部(120,220)から前記メッセージを読み出して、読み出した前記メッセージに関する情報であるメッセージ情報を、前記受信端末(200,100)に送信する送信側制御部(130,230)とを備え、前記受信端末(200,100)は、前記メッセージ情報の受信に応じて、前記メッセージを前記表示部(250,150)に表示する受信側制御部(230,130)を備えること、を特徴とする通信ゲームシステムである。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載の通信ゲームシステムにおいて、前記送信端末(100,200)は、前記メッセージ情報を送信する送信キー(♯)を有し、前記送信側記憶部(120,220)は、前記各操作部(111,211)に複数の前記メッセージを割り当てて記憶し、前記送信側制御部(130,230)は、前記各操作部(111,211)が操作される毎に、前記送信側記憶部(120,220)からメッセージを順次読み出し、前記送信キー(♯)の操作に応じて、前記メッセージ情報を送信すること、を特徴とする通信ゲームシステムである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の通信ゲームシステムにおいて、前記メッセージ情報は、前記受信端末(200,100)の前記表示部(250,150)に表示するように命令するメッセージ命令情報であり、前記受信端末(200,100)は、前記送信端末(100,200)の前記送信側記憶部(120,220)に記憶された前記メッセージと同様なメッセージを記憶する受信側記憶部(220,120)を備え、前記受信側制御部(230,130)は、前記メッセージ命令情報の受信に応じて、前記受信側記憶部(220,120)から前記メッセージを読み出し、前記表示部(250,150)に表示すること、を特徴とする通信ゲームシステムである。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムにおいて、前記送信端末(100,200)と前記受信端末(200,100)とは、前記ゲームの進行に関する情報を、前記ゲームに関する情報を管理する管理装置(20)を介さずに送受信すること、を特徴とする通信ゲームシステムである。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムにおいて、前記メッセージは、図形により表されること、を特徴とする通信ゲームシステムである。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムにおいて、前記操作部(111,211)の操作に応じて、メッセージをテキスト入力し、テキスト情報として送受信可能なテキスト入力モードを有すること、を特徴とする通信ゲームシステムである。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムにおいて、前記送信側制御部(130,230)は、前記ゲームの進行に応じて、前記メッセージの入力の受け付けを行うこと、を特徴とする通信ゲームシステムである。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムにおいて、前記ゲームに登場するキャラクタ(3a,3b)に応じて、前記メッセージの内容が異なること、を特徴とする通信ゲームシステムである。
請求項9の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムにおいて、前記送信端末(100,200)及び/又は前記受信端末(200,100)は、携帯情報通信端末(100,200)であること、を特徴とする通信ゲームシステムである。
請求項10の発明は、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムにおいて、前記操作部(111,211)は、テンキー(111,211)であること、を特徴とする通信ゲームシステムである。
請求項11の発明は、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムにおいて、前記送信側記憶部及び前記受信側記憶部(120,220)は、前記メッセージの内容を書き替え可能なこと、を特徴とする通信ゲームシステムである。
【0006】
請求項12の発明は、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムに用いられ、前記メッセージ情報を、前記受信端末(200,100)に送信すること、を特徴とする送信端末である。
【0007】
請求項13の発明は、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムに用いられ、前記メッセージ情報を受信し、前記メッセージを前記表示部(250,150)に表示すること、を特徴とする受信端末である。
【0008】
請求項14の発明は、通信回線(10)を介して接続された複数の通信端末の間で、送信端末がメッセージを送信したメッセージを、受信端末(200,100)が表示部(250,150)に表示しながらゲームを進行する通信ゲームプログラムであって、前記送信端末(100,200)を、前記メッセージを読み出す少なくとも1つの操作部(111,211)と、前記各操作部(111,211)に割り当てられたメッセージを記憶する送信側記憶部(120,220)と、前記各操作部(111,211)の操作に応じて、前記送信側記憶部(120,220)の前記メッセージを読み出し、前記受信端末(200,100)の前記表示部(250,150)に表示するように命令するメッセージ情報を、前記受信端末(200,100)に送信する送信側制御部(130,230)として機能させ、前記受信端末(200,100)を、メッセージ情報の受信に応じて、前記メッセージを前記表示部(250,150)に表示する受信側制御部(230,130)として機能させること、を特徴とする通信ゲームプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、各操作部の操作に応じて、記憶部に予め記憶されたメッセージを読み出し、メッセージ情報を送受信するので、容易かつ迅速にメッセージを交換することができる。また、匿名性の高い通信ゲームであっても、プレイヤ間における誹謗行為等を防止することができる。
【0010】
(2)本発明は、各操作部が操作される毎に、順次メッセージを読み出し、送信キーの操作に応じてメッセージ情報を送信するので、プレイヤは、複数のメッセージの中から、容易かつ迅速にメッセージを選択して、メッセージ情報の送信をすることができる。
【0011】
(3)本発明は、メッセージ情報がメッセージ命令情報であるので、受信側のゲーム端末における処理を少なくし、メッセージを、モニタに迅速に表示することができる。
【0012】
(4)本発明は、ゲームの進行に関する情報が管理装置を介さずに送受信されるリアルタイム性の高いゲームにおいても、送信側のプレイヤが迅速にメッセージを選択することができるので、ゲームの進行に対して遅れの少ないチャットが可能である。
【0013】
(5)本発明は、メッセージが図形により表されるので、プレイヤは、チャット時に、対戦相手に対して、感情をよりソフトに伝えることができる。
【0014】
(6)本発明は、テキスト入力モードを有するので、自由に自分の表現でチャットをすることができる。
【0015】
(7)本発明は、ゲームの進行に応じてメッセージの入力の受け付けを行うので、メッセージの入力の利便性を向上することができる。
【0016】
(8)本発明は、キャラクタに応じてメッセージの内容が異なるので、キャラクタに合わせたメッセージとすることができるため、ゲームの趣向を向上することができる。
【0017】
(9)本発明は、送信端末及び/又は受信端末が携帯情報通信端末であり、操作部の数が少なくても、複雑な操作が必要ないので、容易かつ迅速にメッセージを選択し、送信することができる。
【0018】
(10)本発明は、操作部がテンキーであり、操作部の数が少なくても、前述のように、容易かつ迅速にメッセージを選択し、送信することができる。
【0019】
(11)本発明は、送信側記憶部及び受信側記憶部のメッセージの内容を書き替え可能なので、プレイヤが好きなメッセージに変更することができる。また、既存のメッセージを、サーバ等からダウンロードしたメッセージに書き替え可能にすれば、ゲーム態様に変化を付け、プレイヤのプレイ意欲を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、ゲーム進行中にも、容易な操作でメッセージを送信することができる通信ゲームシステム、送信端末、受信端末、通信ゲームプログラムを提供するという目的を、定型文記憶部又は感情アイコン記憶部に、複数のカテゴリのそれぞれ複数の定型文又はアイコンを、テンキーの各キーに対応させて記憶させ、テンキーの各キーが操作される毎に、順次、定型文又はアイコンを読み出し、「♯」キーの操作に応じて、メッセージ命令情報を送信することによって実現した。
【実施例】
【0021】
以下、図面等を参照して、本発明を適用した通信ゲームシステムの実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、本実施例の通信ゲームシステム1のブロック図であり、図2、図3は、チャットに用いられる定型文、感情アイコンを示す表である。
図1に示すように、通信ゲームシステム1は、公衆通信網10(例えば、インターネット、携帯電話通信網等の通信回線)を介して接続されたゲーム端末及びサーバ20から構成される。
【0022】
サーバ20は、ゲームに関する情報を管理するためのコンピュータ等の管理装置であり、複数のゲーム端末が接続され、その中から所定の条件(例えば、ゲームのハイスコア、対戦履歴等)に基づいて、ゲーム端末同士を組み合わせる。図1は、サーバ20がゲーム端末100,200を組み合わせ、ゲーム端末100,200がゲームに関する情報を、公衆通信網10を介して送受信して、対戦ゲームを進行する状態を示している。
【0023】
次に、ゲーム端末100,200の構成について説明する。
なお、ゲーム端末200は、ゲーム端末100と同様な構成であるので、以下の説明及び図面において、ゲーム端末100と同様の機能を果たす部分には、末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施例のゲーム端末100,200は、ゲームに関する情報を、公衆通信網10に接続された基地局との間で電波(無線)によって送受信する、例えば、音声情報端末等の携帯情報通信端末である。
【0024】
ゲーム端末100は、操作ボタン110と、記憶部120と、制御部130と、通信回路140と、アンテナ141と、モニタ150とを備えている。
操作ボタン110は、テンキー111と、十字キー112とから構成される押しボタンである。
テンキー111の「1」〜「0」,「*」の各キー(操作部)は、記憶部120に記憶されたメッセージを読み出したり、プレイヤが電話をするときの電話番号の入力、通話履歴の確認等に用いられる。「♯」キー(送信キー)は、後述するように、読み出したメッセージに関する情報を送信するときに用いられる。
十字キー112は、ゲームに登場するキャラクタ3a,3b(図7参照)を移動させ、ゲームを進行するとき等に用いられる。
【0025】
記憶部120は、ゲーム端末100の動作に必要な情報を記憶するための半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部120は、通信ゲームプログラム、ゲームに必要な情報(例えば、ハイスコア、対戦履歴等)等を記憶している。通信ゲームプログラムは、予め記憶部120に組み込まれているのものでもよく、あるいは、サーバ20から配信され、公衆通信網10を介して、プレイヤがダウンロードするものでもよい。また、記憶部120は、テンキー111の「1」〜「0」,「*」の各キーに割り当てられ、チャットに用いられるメッセージ(図2、図3に示す定型文、図形により表された感情アイコン)を記憶するための定型文記憶部121と、感情アイコン記憶部122とを有している。
【0026】
定型文記憶部121は、図2に示すように、その内容に応じて、7つのカテゴリの定型文を、テンキー111の「1」〜「7」のキーに対応させて記憶している。同様に、感情アイコン記憶部122は、図3に示すように、4つのカテゴリのアイコンを、テンキー111の「8」〜「0」,「*」キーに対応させて記憶している。このように、定型文記憶部121、感情アイコン記憶部122は、各キーに、複数のメッセージを割り当てて記憶している。
【0027】
これらのメッセージは、予め通信ゲームプログラムに組み込まれているのものでもよく、サーバ20から、ダウンロードするものでもよい。また、既存のメッセージを、ダウンロードした新規のメッセージに書き替え可能にすれば、通信ゲームシステム1は、ゲーム態様に変化を付け、プレイヤのプレイ意欲を向上することができる。
さらに、ゲームに登場するキャラクタ毎にメッセージの内容が異なるようにすれば(例えば、男のキャラクタは、男言葉にする等)、キャラクタに合わせたメッセージとすることができ、通信ゲームシステム1は、ゲームの趣向を向上することができる。
さらにまた、感情アイコンは、静止画に限定されず、図3に示す感情アイコン2のように、静止画2a,2bを交互に表示して動きのあるものにすれば、ゲームの趣向を向上することができる。
【0028】
制御部130は、ゲーム端末100を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成され、記憶部120、通信回路140等に電気的に接続されている。制御部130は、記憶部120の通信ゲームプログラムによって動作される。つまり、制御部130と通信ゲームプログラムとは、協働して、ゲーム端末100を制御する。制御部130は、後述するように、テンキー111の操作に応じて、記憶部120からメッセージを読み出し、通信回路140を駆動して、読み出したメッセージに関する情報であるメッセージ命令情報(メッセージ情報)を、ゲーム端末200に送信する。一方、通信回路140がゲーム端末200によって送信されたメッセージ命令情報を受信した場合、制御部130は、メッセージ命令情報の受信に応じて、記憶部120からメッセージを読み出し、モニタ150に表示する。
【0029】
通信回路140は、ゲームに関する情報を、公衆通信網10の基地局との間で送受信するための電気回路である。通信回路140は、アンテナ141に電気的に接続され、ゲームに関する情報を、基地局との間で電波により送受信する。
モニタ150は、ゲームの進行を表示するための表示装置であり、例えば、LCD(液晶表示装置)等である。
【0030】
次に、通信ゲームシステム1の動作について説明する。
図4(a)〜図4(c)は、本実施例のサーバ20、ゲーム端末100,200の一連の動作を示すフローチャートであり、図5(a)、図5(b)は、チャット時のゲーム端末100,200の動作を示すフローチャートである。図6〜図8は、本実施例のモニタ150,250のゲーム時における表示画面を示す図である。
最初に、ステップS1,S101,S201において、サーバ20、ゲーム端末100,200の電源がONとされることにより、通信ゲームシステム1が処理可能な状態となる。
【0031】
ステップS102,S202において、ゲーム端末100,200は、公衆通信網10を介して、サーバ20に対して、対戦ゲームの申し込みを行う。
ステップS2において、サーバ20は、これらの対戦申し込を受け付け、ステップS3において、ゲーム端末100,200の組み合わせが可能かを判断する。なお、サーバ20には、ゲーム端末100,200以外のゲーム端末からも、対戦申し込みが行われており、サーバ20は、その中から、所定の条件に基づいて、対戦の組み合わせが可能かを判断する。
【0032】
ステップS3において、サーバ20は、ゲーム端末100,200が条件を満たさず、対戦組み合わせができないと判断した場合(ステップS3;NO)、ステップS31に進み、他のゲーム端末の組み合わせ処理を行う。一方、ゲーム端末100,200が条件を満たし、対戦組み合わせが可能と判断した場合(ステップS3;YES)、ステップS4に進む。
ステップS4において、サーバ20は、ゲーム端末100に、ゲーム端末200の端末と特定する情報(例えば、ネットワークアドレス等)を送信し、ステップS5において、ゲーム端末100,200の接続を切断する。
【0033】
ステップS103において、ゲーム端末100の通信回路140が、ゲーム端末200の特定情報を受信すると、制御部130は、公衆通信網10を介して、サーバ20を介さずに、ゲーム端末200に接続する。これにより、ゲーム端末100,200同士は、ピア・ツー・ピア(Peer to Peer いわゆる、P2P)により直接接続され、ゲームの進行に関する情報及びメッセージ命令情報の高速通信を行うことができ、応答性のよいゲーム進行及びチャットが可能となる。
【0034】
ステップS104,S204において、ゲーム端末100,200の制御部130,230は、ゲームの対戦処理を開始し、ステップS105,S205において、図6に示すように、モニタ150,250に対戦相手紹介画面を表示し、ステップS106,S206において、定型文チャット、感情アイコンによるチャットの処理を開始する。
【0035】
ここで、図5、図6を用いて、チャット時の処理について説明する。
ゲーム端末100(送信端末)のプレイヤは、「よろしくね〜」という定型文を、ゲーム端末200に送信したい場合、テンキー111の「1」キーを、3回押下げする(図2参照)。ステップS151において、制御部130(送信側制御部)は、「1」キーが押下げ(操作)される毎に、記憶部120(送信側記憶部)の「1」キーに対応している挨拶カテゴリから(図2参照)、定型文「よろしくお願いします」、「よろしく!」、「よろしくね〜」を、順次読み出し、モニタ150の所定の表示位置150aに、順次表示する。なお、「1」キーが、6回押下げされた場合には、最初の定型文「よろしくお願いします」が、再度表示される。
【0036】
ステップS152において、制御部130がモニタ150に「よろしくね〜」と表示し、プレイヤがテンキー111の「♯」キーを押下げすると、これに応じて、ステップS152において、制御部130は、通信回路140を駆動して、メッセージ命令情報を送信する。ここで、メッセージ命令情報とは、読み出した定型文「よろしくね〜」を、対戦相手のゲーム端末200(受信端末)のモニタ250(表示部)に、表示させるための命令に関する情報をいう。つまり、メッセージ命令情報は、「ゲーム端末200の制御部230に対して、図2に示すテーブルの位置情報を指示することにより、「1」キーを3回押下げしたときのメッセージを、記憶部220から読み出し、モニタ250に表示するように命令する情報」であり、テキスト情報又は画像情報そのものではない。
【0037】
ステップS251において、ゲーム端末200(受信端末)の通信回路240が、定型文「よろしくね〜」に対応したメッセージ命令情報を受信すると、ステップS252において、制御部230(受信側制御部)は、記憶部220(受信側記憶部)の定型文記憶部221から、定型文「よろしくね〜」を読み出し、モニタ250の所定の表示位置250aに表示する。なお、ゲーム端末200の定型文記憶部221及び感情アイコン記憶部222には、ゲーム端末100の定型文記憶部121及び感情アイコン記憶部122と同様な定型文、感情アイコンが記憶されている。
【0038】
モニタ250に表示されたメッセージに対して、例えば、「はじめまして」と応答する場合、ゲーム端末200(送信端末)のプレイヤは、テンキー211の「1」キーを4回押下げする(図2参照)。これにより、前述したゲーム端末100の処理と同様に、制御部230(送信側制御部)は、「1」キーが押下げされる毎に、記憶部220(送信側記憶部)の「1」キーに対応した定型文を、所定の表示位置250bに順次表示する。
ステップS253において、制御部230がモニタ250に「はじめまして」と表示し、ステップS254において、プレイヤが「♯」キーを押下げすると、これに応じて、制御部230は、通信回路240を駆動し、定型文「はじめまして」に対応したメッセージ命令情報を送信する。
ステップS153において、ゲーム端末100(受信端末)の通信回路140が、定型文「はじめまして」に対応したメッセージ命令情報を受信すると、ステップS154において、制御部130(受信側制御部)は、記憶部120(受信側記憶部)から、定型文「はじめまして」を読み出し、モニタ150の所定の表示位置150bに表示する。
【0039】
これにより、ゲーム端末100,200は、モニタ150,250に、定型文「よろしくね〜」、「はじめまして」が順次表示され、プレイヤ同士のチャットが成立する。以上の処理において、各プレイヤは、「1」キーを数回押下げ、「♯」キーを押下げすることにより、容易かつ迅速な操作で、複数のメッセージの中から、適宜メッセージを選択し、定型文を用いたチャットを行うことができる。
【0040】
なお、通信ゲームシステム1による定型文を用いたチャットでは、プレイヤは、匿名性の高い通信ゲームにおいても、対戦相手に誹謗等されることがないので、安心してゲームに参戦し、チャットをすることができる。また、チャットは、定型文のみならず図3に示す感情アイコンを用いて行ってもよい。これにより、通信ゲームシステム1は、チャットにおける趣向を向上することができ、また、図形等の画像を用いることにより、プレイヤは、対戦相手に対して、感情をよりソフトに伝えることができる。
【0041】
また、メッセージ命令情報を送受信することにより、受信側のゲーム端末は、メッセージを迅速に表示することができる。つまり、例えば、メッセージをテキスト情報として送受信する場合には、テキスト情報をシフトJISコード等の情報の集合体(例えば、ファイル等)で扱われるため、受信側の制御部は、シフトJISコード等を記憶した記憶部から、テキストを読み出し組み合わせた上で、メッセージを表示しなければならいので、処理に多くの時間を必要とする。これに対して、通信ゲームシステム1のゲーム端末100,200は、記憶部120,220が同様なメッセージを記憶しており、送受信されるメッセージ命令情報は、メッセージが記憶されているテーブルの位置情報を指示してモニタ150,250に表示するための情報である。さらに、記憶部120,220等に一時的記憶されるファイルの送受信等とは異なり、メッセージ命令情報は、受信側の制御部に対して直接命令を行う。これにより、通信ゲームシステム1は、受信側のゲーム端末における処理を少なくすることができるので、メッセージを、受信側のモニタに迅速に表示することができる。
【0042】
対戦相手紹介画面における処理が終了すると、図4,図7に示すように、ステップS107,S207において、ゲーム端末100,200の制御部130,230は、実際に対戦ゲームを開始する。
なお、図7に示すように、実際のゲームの進行中においても、プレイヤによるテンキー111,211の操作に応じて、ゲーム端末100,200の制御部130,230が定型文等を、記憶部120,220から読み出すことにより、各プレイヤは、前述した定型文等によるチャットを行うことができる。図7は、ゲーム端末100のプレイヤがテンキー111の「6」キーを1回押下げして定型文「やった!」を選択し、一方、ゲーム端末200のプレイヤがテンキー211の「6」キーを6回押下げして定型文「あわわわ」を選択し、それぞれ「♯」キーを押下げして、メッセージ命令情報を送信した場面である。
【0043】
前述したように、通信ゲームシステム1は、ピア・ツー・ピアにより情報を高速で通信することにより、タイムラグの少ないリアルタイム性の高いゲームを進行可能である。この場合においても、送信側のプレイヤは、迅速にメッセージを選択でき、受信側のゲーム端末は、高い応答性でメッセージを表示することができる。これにより、このようなリアルタイム性の高いゲームにおいても、プレイヤは、ゲームの進行に対して遅れの少ないチャットを行うことができる。
【0044】
ステップS108,S208において、ゲームが終了すると、ステップS109,S209において、制御部130,230は、図8に示すように、モニタ150,250に、ゲーム終了画面を表示する。ゲーム終了画面を表示中においても、各プレイヤは、前述した定型文等によるチャットを行うことができる。
なお、制御部130,230が、ゲーム終了時において、モニタ150,250の所定位置に、図2に示す挨拶カテゴリ3の最初の「おつかれさまでした」と表示し、プレイヤに対してメッセージの入力を促せば、通信ゲームシステム1は、メッセージの入力の利便性を向上することができる。また、ゲーム終了時に限らず、このようなメッセージの入力の受け付けを、ゲームの進行に応じて適宜行うことにより(例えば、ゲームにおける優劣が逆転したときや、ラッキーアイテムが出たときに、感情カテゴリのメッセージの入力を促す等)、通信ゲームシステム1は、より利便性を向上することができる。さらに、ゲームの状況に応じてチャットに用いる定型文等を、プレイヤが自ら設定可能にすれば(例えば、ラッキーアイテムが出たときには、自動的に定型文「やった!」を選択し、さらには、これに対応したメッセージ命令情報を自動的に送信するように設定する等)、通信ゲームシステム1は、さらに利便性を向上することができる。
【0045】
ステップS110,S210において、制御部130,230は、定型文等によるチャットの受け付けを終了し、ステップS111,S211において、対戦結果(プレイヤの名前、ゲームのスコア、勝敗等)を、サーバ20に送信し、ステップS112,S212において、ゲーム端末100,200における一連の処理が終了する。
また、ステップS6において、サーバ20は、ゲーム端末100,200が送信した対戦結果を受信すると、記憶部(図示せず)に記憶させ、ステップS7において、ゲーム端末100,200の対戦処理を終了する。
【0046】
以上説明したように、本実施例の通信ゲームシステム1は、テンキー111,211の各キー(操作部)が操作される毎に、順次メッセージを読み出し、「♯」キー(送信キー)の操作に応じてメッセージ命令情報(メッセージ情報)を送信するので、プレイヤは、複数のメッセージの中から、容易かつ迅速な操作でメッセージを選択し、メッセージ命令情報を送信することができる。また、通信ゲームシステム1は、高速通信によりリアルタイム性の高いゲームにおいても、ゲームの進行に対して遅れの少ないチャットが可能である。
【0047】
また、通信ゲームシステム1は、ゲーム端末が携帯情報通信端末であり、操作ボタン110,210がテンキー111,211である場合のように、入力キーの数が少なくても、複雑な操作を必要とすることなく、容易な操作で、リアルタイム性の高いチャットが可能である。
【0048】
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)本実施例において、ゲーム端末が送受信する情報は、メッセージを表示部に表示するように命令するメッセージ命令情報である例を示したが、これに限定されない。送受信する情報は、送信側のゲーム端末が読み出したメッセージに関する情報(メッセージ情報)であればよく、例えば、テキスト情報又は画像情報そのものでもよい。この場合にも、プレイヤは、複数のメッセージの中から、容易かつ迅速な操作でメッセージを選択し、テキスト情報又は画像情報を送信することができるので、リアルタイム性の高いチャットをすることができる。
【0049】
(2)本実施例において、プレイヤは、記憶部に記憶された定型文、感情アイコンを利用してチャットする例を示したが、これに限定されない。例えば、プレイヤがテンキーを操作して、メッセージを一文字ずつ入力して作成し、ゲーム端末がメッセージのテキスト情報を送受信できるようにしてもよく、この場合、プレイヤは、自由に自分の表現でチャットをすることができる。このように、テンキーの操作に応じたテキスト入力モードを有することにより、プレイヤ同士が、例えば、友人であり、中傷行為が行われない場合等に、プレイヤは、自由にチャットをしながら、ゲームを進行することができる。
【0050】
(3)本実施例において、記憶部の定型文、感情アイコンは、通信ゲームプログラムに組み込まれていたり、サーバからダウンロードされる例を示したが、これに限定されない。例えば、記憶部の定型文は、プレイヤが、好きなメッセージに書き替え又は登録することができるようにしてもよい。これにより、プレイヤは、自分の趣向を反映したチャットをすることができる。
【0051】
(4)本実施例において、ゲーム端末は、携帯情報通信端末である例を示したが、これに限定されない。例えば、ゲーム端末は、パーソナルコンピュータ等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明を適用した通信ゲームシステムの実施例のブロック図である。
【図2】本実施例のチャットに用いられる定型文を示す表である。
【図3】本実施例のチャットに用いられる感情アイコンを示す表である。
【図4】本実施例のサーバ、各ゲーム端末の一連の動作を示すフローチャートである。
【図5】本実施例のチャット時の各ゲーム端末の動作を示すフローチャートである。
【図6】本実施例のモニタのゲーム時における表示画面を示す図である。
【図7】本実施例のモニタのゲーム時における表示画面を示す図である。
【図8】本実施例のモニタのゲーム時における表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 通信ゲームシステム
10 公衆通信網
20 サーバ
100,200 ゲーム端末
111,211 テンキー
120,220 記憶部
121,221 定型文記憶部
122,222 感情アイコン記憶部
130,240 制御部
150,250 モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して接続された複数の通信端末の間で、送信端末がメッセージを送信したメッセージを、受信端末が表示部に表示しながらゲームを進行する通信ゲームシステムであって、
前記送信端末は、
前記メッセージを読み出す少なくとも1つの操作部と、
前記各操作部に割り当てられたメッセージを記憶する送信側記憶部と、
前記各操作部の操作に応じて、前記送信側記憶部から前記メッセージを読み出して、読み出した前記メッセージに関する情報であるメッセージ情報を、前記受信端末に送信する送信側制御部とを備え、
前記受信端末は、前記メッセージ情報の受信に応じて、前記メッセージを前記表示部に表示する受信側制御部を備えること、
を特徴とする通信ゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信ゲームシステムにおいて、
前記送信端末は、前記メッセージ情報を送信する送信キーを有し、
前記送信側記憶部は、前記各操作部に複数の前記メッセージを割り当てて記憶し、
前記送信側制御部は、前記各操作部が操作される毎に、前記送信側記憶部からメッセージを順次読み出し、前記送信キーの操作に応じて、前記メッセージ情報を送信すること、
を特徴とする通信ゲームシステム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の通信ゲームシステムにおいて、
前記メッセージ情報は、前記受信端末の前記表示部に表示するように命令するメッセージ命令情報であり、
前記受信端末は、前記送信端末の前記送信側記憶部に記憶された前記メッセージと同様なメッセージを記憶する受信側記憶部を備え、
前記受信側制御部は、前記メッセージ命令情報の受信に応じて、前記受信側記憶部から前記メッセージを読み出し、前記表示部に表示すること、
を特徴とする通信ゲームシステム。
【請求項4】
請求項1から請求項3に記載の通信ゲームシステムにおいて、
前記送信端末と前記受信端末とは、前記ゲームの進行に関する情報を、前記ゲームに関する情報を管理する管理装置を介さずに送受信すること、
を特徴とする通信ゲームシステム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムにおいて、
前記メッセージは、図形により表されること、
を特徴とする通信ゲームシステム。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムにおいて、
前記操作部の操作に応じて、メッセージをテキスト入力し、テキスト情報として送受信可能なテキスト入力モードを有すること、
を特徴とする通信ゲームシステム。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムにおいて、
前記送信側制御部は、前記ゲームの進行に応じて、前記メッセージの入力の受け付けを行うこと、
を特徴とする通信ゲームシステム。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムにおいて、
前記ゲームに登場するキャラクタに応じて、前記メッセージの内容が異なること、
を特徴とする通信ゲームシステム。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムにおいて、
前記送信端末及び/又は前記受信端末は、携帯情報通信端末であること、
を特徴とする通信ゲームシステム。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムにおいて、
前記操作部は、テンキーであること、
を特徴とする通信ゲームシステム。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムにおいて、
前記送信側記憶部及び前記受信側記憶部は、前記メッセージの内容を書き替え可能なこと、
を特徴とする通信ゲームシステム。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムに用いられ、
前記メッセージ情報を、前記受信端末に送信すること、
を特徴とする送信端末。
【請求項13】
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の通信ゲームシステムに用いられ、
前記メッセージ情報を受信し、前記メッセージを前記表示部に表示すること、
を特徴とする受信端末。
【請求項14】
通信回線を介して接続された複数の通信端末の間で、送信端末がメッセージを送信したメッセージを、受信端末が表示部に表示しながらゲームを進行する通信ゲームプログラムであって、
前記送信端末を、
前記メッセージを読み出す少なくとも1つの操作部と、
前記各操作部に割り当てられたメッセージを記憶する送信側記憶部と、
前記各操作部の操作に応じて、前記送信側記憶部の前記メッセージを読み出し、前記受信端末の前記表示部に表示するように命令するメッセージ情報を、前記受信端末に送信する送信側制御部として機能させ、
前記受信端末を、メッセージ情報の受信に応じて、前記メッセージを前記表示部に表示する受信側制御部として機能させること、
を特徴とする通信ゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−104707(P2008−104707A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291192(P2006−291192)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】