説明

通信システム、ホスト装置、デバイス装置、及び通信方法

【課題】1つのデバイス装置が複数のホスト装置と通信することを可能とする。
【解決手段】相互に通信可能な通信インターフェイスをそれぞれ備えたPC2とプリンタ3とを含む通信システム1において実行される通信方法であって、PC2のUSBホスト部27とプリンタ3のUSBデバイス部36との間に通信路が設けられた際にPC2とプリンタ3との間で通信主導権合意をとる通信を行うことにより、その後の通信主導権をPC2とプリンタ3のいずれが有するかを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、ホスト装置、デバイス装置、及び通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータ装置とその周辺装置とを接続する通信方式として様々なものが用いられているが、高速、大容量転送の観点から、近年ではUSB(Universal Serial Bus)を代表とするバス構成を利用するものが主流となっている。USBでは、接続時に、通信プロトコルを主導するホストとホストに従って通信を行うデバイスとに、ロール(役割)が分けられる。一般に、コンピュータ装置がホストとなり、周辺装置がデバイスとなる。
【0003】
また、近年では、USBの物理層に無線を利用したWUSB(Wireless USB)が規定され、このWUSBに対応した機器が増えてきている。WUSBの仕様の策定、管理等は、USB Implementers Forum, Inc.(USB−IF)によって行われており、WUSBの仕様の詳細は、下記の非特許文献1として広く知られている。
【0004】
WUSBでは、装置間に物理的な接触がないので、装置間で認証を行う必要がある。この認証はアソシエーションと呼ばれており、アソシエーションの実装の仕方には幾つかの種類が存在している。
【0005】
その1つは、WUSBでの通信を開始する前に、USBケーブルを用いて機器間をUSB接続し、各機器にWUSB通信の相手を認証させる。このようにして認証した相手とだけ、USBケーブルを外した後に、WUSBでの通信が可能になる。これは、ケーブルモデル(Cable Model)と呼ばれている。
【0006】
もう1つは、ユーザが、ホストのディスプレイに表示された数字とデバイスのディスプレイに表示された数字とが一致していることを確認してボタンを押すことで認証を行い、WUSBでの通信が可能になる。これは、ニューメリックモデル(Numeric Model)と呼ばれている。
【0007】
しかしながら、USBおよびWUSBにおいて、ホスト装置側から見ると最大127台までのデバイス装置を接続可能であるが、デバイス装置側から見ると接続可能なホスト装置は1台に限られてしまう。そのため、ホスト装置(PC等)とデバイス装置(プリンタ等)とがWUSBで接続されている場合に、当該デバイス装置と他のホスト装置(PC等)とをWUSBで接続することはできないので、効率が悪い。
【0008】
このことに関連して、下記の特許文献1には、複数のUSBホストに接続および認証され、複数のUSBホストからの要求に応答して処理を実行し、USB装置間の自由度の高いデータフローを提供するデータ通信システム等が掲載されている。
【0009】
しかしながら、特許文献1に掲載されたデータ通信システム等においては、複数のUSBホストに接続するためのサブユニットを備えて切り替えを必要とし、新規なハードウェアが必要であり、利便性が低いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、1つのデバイス装置が複数のホスト装置と通信することが可能となる通信システム、ホスト装置、デバイス装置、及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる通信システムは、相互に通信可能な通信インターフェイスをそれぞれ備えたホスト装置とデバイス装置とを含む通信システムであって、前記ホスト装置の前記通信インターフェイスと前記デバイス装置の前記通信インターフェイスとの間に通信路が設けられた際に前記ホスト装置と前記デバイス装置との間で通信主導権合意をとる通信を行うことにより、その後の通信主導権を前記ホスト装置と前記デバイス装置のいずれが有するかを決定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかるホスト装置は、デバイス装置に備えられたデバイス通信インターフェイスと通信可能なホスト通信インターフェイスを有するホスト装置であって、前記デバイス装置の前記デバイス通信インターフェイスと前記ホスト通信インターフェイスとの間に通信路が設けられた際に、前記デバイス装置が通信主導権をとることができる場合には、前記デバイス装置に通信主導権を渡すことを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかるデバイス装置は、ホスト装置に備えられたホスト通信インターフェイスと通信可能なデバイス通信インターフェイスを有するデバイス装置であって、前記ホスト装置の前記ホスト通信インターフェイスと前記デバイス通信インターフェイスとの間に通信路が設けられた際に、前記ホスト装置から通信主導権をとることができる場合には、通信主導権をとって動作することを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる通信方法は、相互に通信可能な通信インターフェイスをそれぞれ備えたホスト装置とデバイス装置とを含む通信システムにおいて実行される通信方法であって、前記ホスト装置の前記通信インターフェイスと前記デバイス装置の前記通信インターフェイスとの間に通信路が設けられた際に前記ホスト装置と前記デバイス装置との間で通信主導権合意をとる通信を行うことにより、その後の通信主導権を前記ホスト装置と前記デバイス装置のいずれが有するかを決定することを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる通信方法は、デバイス装置に備えられたデバイス通信インターフェイスと通信可能なホスト通信インターフェイスを有するホスト装置において実行される通信方法であって、前記デバイス装置の前記デバイス通信インターフェイスと前記ホスト通信インターフェイスとの間に通信路が設けられた際に、前記デバイス装置が通信主導権をとることができる場合には、前記デバイス装置に通信主導権を渡すことを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる通信方法は、ホスト装置に備えられたホスト通信インターフェイスと通信可能なデバイス通信インターフェイスを有するデバイス装置において実行される通信方法であって、前記ホスト装置の前記ホスト通信インターフェイスと前記デバイス通信インターフェイスとの間に通信路が設けられた際に、前記ホスト装置から通信主導権をとることができる場合には、通信主導権をとることを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる通信システムは、相互に通信可能な少なくとも2つの通信インターフェイスをそれぞれ備えたホスト装置および相互にネットワークで接続された複数のデバイス装置を含む通信システムであって、前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方と前記デバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方との間に通信路が設けられた際に、前記ホスト装置と前記デバイス装置との間で通信主導権合意をとる通信を行うことにより、前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と前記デバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路が設けられる際の通信主導権を前記ホスト装置と前記デバイス装置のいずれが有するかを決定し、前記デバイス装置が取得した接続情報を第1保持手段に保持させ、前記ネットワーク上の他のデバイス装置から前記デバイス装置に対して接続情報の要求があると、前記第1保持手段に保持されている前記接続情報を前記他のデバイス装置に提供し、前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と前記他のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路を設ける際に、前記接続情報を用いることを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかる通信方法は、相互に通信可能な少なくとも2つの通信インターフェイスをそれぞれ備えたホスト装置と相互にネットワークで接続された複数のデバイス装置とを含む通信システムにおいて実行される通信方法であって、前記デバイス装置は、前記ホスト装置と前記デバイス装置との間のアソシエーションに必要な接続情報を取得して保持する第1保持手段を備え、前記第1保持手段が、前記ホスト装置と前記デバイス装置との間に通信路が設けられた際に前記ホスト装置と前記デバイス装置との間で通信主導権合意をとる通信と並行して、前記ホスト装置から前記デバイス装置が取得した前記接続情報を保持する工程と、前記第1保持手段が、前記ネットワーク上の他のデバイス装置から接続情報の要求があると、保持している前記接続情報を前記他のデバイス装置に提供する工程と、前記他のデバイス装置が、取得した前記接続情報に基づいて前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と前記他のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路を設ける工程と、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかる通信方法は、相互に通信可能な少なくとも2つの通信インターフェイスをそれぞれ備えたホスト装置と相互にネットワークで接続された複数のデバイス装置とを含む通信システムにおいて実行される通信方法であって、前記複数のデバイス装置の1つは、前記ホスト装置と任意のデバイス装置との間のアソシエーションに必要な接続情報を取得して保持する情報保持装置を備え、前記情報保持装置が、前記ホスト装置と前記任意のデバイス装置との間に通信路が設けられた際に前記ホスト装置と前記任意のデバイス装置との間で通信主導権合意をとる通信と並行して、前記ホスト装置から前記任意のデバイス装置が取得した前記接続情報を保持する工程と、前記情報保持装置が、前記ネットワーク上の他のデバイス装置から前記接続情報の要求があると、保持している前記接続情報を前記他のデバイス装置に提供する工程と、前記他のデバイス装置が、取得した前記接続情報に基づいて前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と前記他のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路を設ける工程と、を含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明にかかる通信方法は、相互に通信可能な少なくとも2つの通信インターフェイスをそれぞれ備えたホスト装置と相互にネットワークで接続された複数のデバイス装置とを含む通信システムにおいて実行される通信方法であって、前記デバイス装置は、前記ホスト装置と任意のデバイス装置との間のアソシエーションに必要な接続情報を取得して保持する第1保持手段を備え、前記ホスト装置は、前記デバイス装置との間の通信の際に取得した前記任意のデバイス装置の情報を保持する第2保持手段を備え、前記第2保持手段が、前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方と前記任意のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方との間に通信路を設ける際に前記デバイス装置の情報を保持する工程と、前記第2保持手段が、前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と他のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路を設ける際に前記デバイス装置の情報を提供する工程と、前記他のデバイス装置が、取得した前記デバイス装置の情報に基づいて前記任意のデバイス装置の前記第1保持手段が保持する前記接続情報を要求して取得する工程と、前記他のデバイス装置が、取得した前記接続情報に基づいて前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と前記他のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路を設ける工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、通信主導権をホスト装置とデバイス装置のいずれが有するかを決定することにより、1つのデバイス装置が複数のホスト装置と通信することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかる通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、一般のWUSBホスト装置の通信プロトコルの階層構成の例を示す図である。
【図3】図3は、一般のWUSBデバイス装置の通信プロトコルの階層構成の例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態にかかるPC2の通信プロトコルの階層構成の例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態にかかるプリンタ3の通信プロトコルの階層構成の例を示す図である。
【図6】図6は、一般のWUSBホスト装置と一般のWUSBデバイス装置との間の通信シーケンスの例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態にかかるPC2とプリンタ3との間の通信シーケンスの例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態にかかるプリンタ3の通信処理の手順の例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の実施の形態にかかるPC2の通信処理の手順の例を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の実施の形態にかかるPC2が送信するASSOCIATION_REQUESTのフォーマットの例を示す図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態にかかるプリンタ3が送信するASSOCIATION_INFORMATIONのフォーマットの例を示す図である。
【図12】図12は、一般のWUSBホスト装置と一般のWUSBデバイス装置との間の通信状態の例を示す図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態にかかる通信システムの通信状態の例を示す図である。
【図14】図14は、本発明の第2の実施の形態にかかる通信システムの構成例と制御手順とを示す図である。
【図15】図15は、本発明の第3の実施の形態にかかる通信システムの構成例と制御手順とを示す図である。
【図16】図16は、本発明の第4の実施の形態にかかる通信システムの構成例と制御手順とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる通信システム、ホスト装置、デバイス装置、及び通信方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0024】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる通信システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、この通信システム1は、PC2と、プリンタ3と、を含んでいる。
【0025】
PC(Personal Computer)2は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、HDD(Hard Disk Drive)24と、キーボード25と、ディスプレイ26と、USBホスト部27と、WUSB(Wireless USB)ホスト・デバイス部28と、USBポート(レセプタクル)29と、を含んでいる。
【0026】
CPU21は、PC2全体の制御、通信、キーボード25からの入力、ディスプレイ26における描画等を制御するコントローラであり、バスを介してROM22等に接続されている。ROM22は、PC2のシステムプログラム(BIOS、ブートローダ等)やデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリである。RAM23は、プログラム(ソフトウエア)やデータの展開用メモリ、描画用メモリなどとして用いられる。HDD24は、PC2のプログラム(OS、アプリケーションプログラム等)やデータの格納用として用いられる記録媒体である。PC2の起動時には、CPU21が、HDD24内のプログラムをRAM23内にロードし、RAM23内にロードされたプログラムを実行する。
【0027】
USBホスト部27は、USBデバイス装置(本第1の実施の形態においては、プリンタ3)がUSBケーブル4を介してUSBポート29に接続された場合に、USBポート29およびUSBケーブル4を介して、USBデバイス装置との間で、USB仕様で規定されているデータ転送を行うためのホストコントローラである。
【0028】
USBポート(レセプタクル)29は、USB仕様で規定されているシリーズ”B”のレセプタクルであり、シリーズ”B”のプラグであるUSBケーブル4の一端4aの他、様々な種類のUSB機器を接続可能である。なお、一般のUSBホスト装置(一般のPC等)においては、USBポート(レセプタクル)としてシリーズ”A”のレセプタクルが利用されるが、PC2においては、USBポート(レセプタクル)29としてシリーズ”B”のレセプタクルを利用する。
【0029】
WUSBホスト・デバイス部28は、WUSB機器(本第1の実施の形態においては、プリンタ3)との間で、WUSB仕様で規定されているデータ転送を行うためのコントローラである。なお、一般のWUSB機器においては、ホスト側、デバイス側のいずれか一方の役割(ロール)を果たすWUSBホストコントローラ、またはWUSBデバイスコントローラが利用されるが、PC2においては、WUSB仕様で規定されているホスト側とデバイス側の両方の役割(ロール)を果たすことが可能なWUSBホスト・デバイス部28を利用する。
【0030】
プリンタ3は、CPU31と、ROM32と、RAM33と、プリンタエンジン34と、オペレーションパネル35と、USBデバイス部36と、WUSBホスト・デバイス部37と、USBポート(レセプタクル)38と、を含んでいる。
【0031】
CPU31は、プリンタ3全体の制御と描画、通信、オペレーションパネル35からの入力を制御するコントローラであり、バスを介してROM32等に接続されている。ROM32は、プリンタ3のシステムプログラム(ソフトウエア)やデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリである。プリンタ3の起動時には、CPU31が、ROM32内のプログラムをRAM33内にロードし、RAM33内にロードされたプログラムを実行する。RAM33は、プログラム(ソフトウエア)やデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いられる。
【0032】
プリンタエンジン34は、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このプリンタエンジン34には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0033】
オペレーションパネル35は、プリンタ3とユーザ(使用者)とのインターフェイスを行う部分であり、LCD(液晶表示装置)とキースイッチを含んで構成され、プリンタ3の各種状態や操作方法をLCDに表示し、ユーザからのキースイッチ入力を受け付ける。
【0034】
USBデバイス部36は、USBホスト装置(本第1の実施の形態においては、PC2)がUSBケーブル4を介してUSBポート38に接続された場合に、USBポート38およびUSBケーブル4を介して、USBホスト装置との間で、USB仕様で規定されているデータ転送を行うためのデバイスコントローラである。
【0035】
USBポート(レセプタクル)38は、USB仕様で規定されているシリーズ”A”のレセプタクルであり、シリーズ”A”のプラグであるUSBケーブル4の他端4bの他、様々な種類のUSB機器を接続可能である。なお、一般のUSBデバイス装置(一般のプリンタ等)においては、USBポート(レセプタクル)としてシリーズ”B”のレセプタクルが利用されるが、プリンタ3においては、USBポート(レセプタクル)38としてシリーズ”A”のレセプタクルを利用する。
【0036】
WUSBホスト・デバイス部37は、WUSB機器(本第1の実施の形態においては、PC2)との間で、WUSB仕様で規定されているデータ転送を行うためのコントローラである。なお、一般のWUSB機器においては、ホスト側、デバイス側のいずれか一方の役割(ロール)を果たすWUSBコントローラが利用されるが、プリンタ3においては、WUSB仕様で規定されているホスト側とデバイス側の両方の役割(ロール)を果たすことが可能なWUSBホスト・デバイス部37を利用する。
【0037】
次に、PC2およびプリンタ3の通信プロトコルの階層構成について説明するが、理解の容易のため、PC2およびプリンタ3の通信プロトコルの階層構成の説明に先だって、一般のWUSBホスト装置(一般のPC等)および一般のWUSBデバイス装置(一般のプリンタ等)の通信プロトコルの階層構成の例について説明する。図2は、一般のWUSBホスト装置の通信プロトコルの階層構成の例を示す図であり、図3は、一般のWUSBデバイス装置の通信プロトコルの階層構成の例を示す図である。
【0038】
図2中の左側は一般のWUSBホスト装置の無線通信プロトコルの階層構成の例を示しており、図2中の右側は一般のWUSBホスト装置の有線通信プロトコルの階層構成の例を示している。図2中の左側に示す一般のWUSBホスト装置の無線通信プロトコルの階層構成の例において、最下層のUWB(Ultra Wide Band) PHYは、UWB通信方式の物理層であり、送信するデータを無線キャリアにのせる変調や復調を行う。その上層のUWB MACは、UWB通信方式のMAC層であり、UWB通信を行うためにフレームを生成したり、フレーム送出のタイミングを制御したりする。更にその上層のWiMedia Convergence Layerは、上位のアプリケーション層にあるUPnP、Bluetooth(登録商標)などのアプリケーションが下層の共通UWB無線プラットフォームを利用できるようにする層である。また、最上層には、WUSBホストとして動作するドライバ(WUSBホストドライバ(WUSB/Host Driver))がある。
【0039】
図2中の右側に示す一般のWUSBホスト装置の有線通信プロトコルの階層構成の例において、最下層には、USBケーブル(USB Cable)である物理層があり、その上層には、USBコントローラチップの制御層(USB Controller)がある。更にその上層には、USBホストとして動作するドライバ(USB/Host Driver)があり、その上層にはUSBを利用するアプリケーション層がある。ここでは、特に、WUSBの接続の認証の動作を行うアソシエーション(Association)モジュールが存在している。
【0040】
図3中の左側は一般のWUSBデバイス装置の無線通信プロトコルの階層構成の例を示しており、図3中の右側は一般のWUSBデバイス装置の有線通信プロトコルの階層構成の例を示している。図3中の左側に示す一般のWUSBデバイス装置の無線通信プロトコルの階層構成の例において、UWB PHY、UWB MAC、WiMedia Convergence Layer、UPnP、およびBluetooth(登録商標)は、図2中の左側に示す一般のWUSBホスト装置の無線通信プロトコルの例と同様である。なお、図3中の左側に示す一般のWUSBデバイス装置の無線通信プロトコルの階層構成の例において、最上層には、WUSBデバイスとして動作するドライバ(WUSBデバイスドライバ(WUSB/Device Driver))がある。
【0041】
図3中の右側に示す一般のWUSBデバイス装置の有線通信プロトコルの階層構成の例において、USB Cable、およびUSB Controllerは、図2中の右側に示す一般のWUSBホスト装置の有線通信プロトコルの階層構成の例と同様である。更にその上層には、USBデバイスとして動作するドライバ(USB/Device Driver)があり、その上層には、USBを利用するアプリケーション層がある。ここでは、特に、WUSBの接続の認証の動作を行うアソシエーション(Association)モジュールが存在している。
【0042】
次に、PC2、およびプリンタ3の通信プロトコルの階層構成について説明する。図4は、PC2の通信プロトコルの階層構成の例を示す図であり、図5は、プリンタ3の通信プロトコルの階層構成の例を示す図である。
【0043】
図4中の左側はPC2の無線通信プロトコルの階層構成の例を示しており、図4中の右側はPC2の有線通信プロトコルの階層構成の例を示している。図4中の左側に示すPC2の無線通信プロトコルの階層構成の例において、UWB PHY、UWB MAC、WiMedia Convergence Layer、UPnP、およびBluetooth(登録商標)は、図2に示す一般のWUSBホスト装置の無線通信プロトコルの階層構成の例と同様である。なお、図4中の左側に示すPC2の無線通信プロトコルの階層構成の例においては、WUSBのドライバとして、ホストのドライバ(WUSB/Host Driver)だけではなく、デバイスとしてのドライバ(WUSB/Device Driver)が存在している。
【0044】
また、先に説明した図2に示す一般のWUSBホスト装置の有線通信プロトコルの階層構成の例において、アソシエーション(Association)は、ホストとして対向デバイスと通信し、その結果をWUSBホストドライバ(WUSB/Host Driver)に反映する。それに対して、図4中の右側に示すPC2の有線通信プロトコルの階層構成の例において、アソシエーション(Association)は、ホストとして対向デバイスと通信するが、その結果に応じて、WUSBホストドライバ(WUSB/Host Driver)、またはWUSBデバイスドライバ(WUSB/Device Driver)に反映する。
【0045】
図5中の左側はプリンタ3の無線通信プロトコルの階層構成の例を示しており、図5中の右側はプリンタ3の有線通信プロトコルの階層構成の例を示している。図5中の左側に示すプリンタ3の無線通信プロトコルの階層構成の例において、UWB PHY、UWB MAC、WiMedia Convergence Layer、UPnP、およびBluetooth(登録商標)は、図3に示す一般のWUSBデバイス装置の無線通信プロトコルの階層構成の例と同様である。なお、図5中の左側に示すプリンタ3の無線通信プロトコルの階層構成の例においては、WUSBのドライバとして、デバイスのドライバ(WUSB/Device Driver)だけではなく、ホストのドライバ(WUSB/Host Driver)が存在している。
【0046】
また、先に説明した図3に示す一般のWUSBデバイス装置の有線通信プロトコルの階層構成の例において、アソシエーション(Association)は、デバイスとして対向ホストと通信し、その結果をWUSBデバイスドライバ(WUSB/Device Driver)に反映する。それに対して、図5中の右側に示すプリンタ3の有線通信プロトコルの階層構成の例において、アソシエーション(Association)は、デバイスとして対向ホストと通信するが、その結果に応じて、WUSBホストドライバ(WUSB/Host Driver)、またはWUSBデバイスドライバ(WUSB/Device Driver)に反映する。
【0047】
次に、PC2とプリンタ3との間の通信シーケンスについて説明するが、理解の容易のため、PC2とプリンタ3との間の通信シーケンスの説明に先だって、一般のWUSBホスト装置(一般のPC等)と一般のWUSBデバイス装置(一般のプリンタ等)との間の通信シーケンス(ケーブルアソシエーションシーケンス)の例について説明する。図6は、一般のWUSBホスト装置と一般のWUSBデバイス装置との間の通信シーケンス(ケーブルアソシエーションシーケンス)の例を示す図である。
【0048】
一般のWUSBホスト装置と一般のWUSBデバイス装置とがUSBケーブルによって有線接続されると、一般のWUSBデバイス装置は、CBAFインターフェイスディスクリプタを送信し(ステップS11)、一般のWUSBホスト装置は、GET_ASSOCIATION_INFORMATION(リクエスト)を送信する(ステップS12)。
【0049】
一般のWUSBデバイス装置は、ASSOCIATION_INFORMATION(デバイス側で生成した情報)を送信し(ステップS13)、さらにACKを送信する(ステップS14)。
【0050】
一般のWUSBホスト装置は、SET_ASSOCIATION_RESPONSEを送信し(ステップS15)、さらにHOST_INFO(CHID、LangID、HostFamilyName)を送信する(ステップS16)。一般のWUSBデバイス装置は、ACKを送信する(ステップS17)。
【0051】
一般のWUSBホスト装置は、GET_ASSOCIATION_REQUEST(リクエスト)を送信する(ステップS18)。一般のWUSBデバイス装置は、DEVICE_INFO(CDID(0:該当するCHIDのCCがない)、BandGroupLangID、DeviceFamilyName)を送信し(ステップS19)、さらにACKを送信する(ステップS20)。
【0052】
一般のWUSBホスト装置は、SET_ASSOCIATION_RESPONSE(リクエスト)を送信し(ステップS21)、さらにCC_DATA(成功時:CHID、CDID、CK、BandGroup、失敗時:失敗事由)を送信する(ステップS22)。一般のWUSBデバイス装置は、ACKを送信する(ステップS23)。
【0053】
以上説明したように、一般のWUSBホスト装置と一般のWUSBデバイス装置との間のケーブルアソシエーションにおいては、一般のWUSBホスト装置がUSBホストとなり、一般のWUSBデバイス装置がUSBデバイスとなる。
【0054】
次に、PC2とプリンタ3との間の通信シーケンスと、そのときのPC2およびプリンタ3の内部処理について説明する。図7は、PC2とプリンタ3との間の通信シーケンスの例を示す図であり、図8は、プリンタ3の通信処理の手順の例を示すフローチャートであり、図9は、PC2の通信処理の手順の例を示すフローチャートである。
【0055】
PC2とプリンタ3とがUSBケーブル4によって有線接続されると、プリンタ3は、CBAFインターフェイスディスクリプタを送信し(ステップS31、S51)、PC2は、CBAFインターフェイスディスクリプタを受信する(ステップS91)。
【0056】
図10は、本第1の実施の形態において使用されるASSOCIATION_REQUESTのフォーマットの例を示す図である。図10に示すASSOCIATION_REQUESTのフォーマットは、アソシエーションデータインデックス値、ロール(役割)交換可能フラグ、アソシエーションタイプID、アソシエーションサブタイプID、アソシエーションタイプサイズを有している。
【0057】
PC2は、図10に示すASSOCIATION_REQUESTフォーマットの中のロール交換可能フラグをONにセットし(ステップS92)、GET_ASSOCIATION_INFORMATIONを送信する(ステップS32、S93)。プリンタ3は、GET_ASSOCIATION_INFORMATIONを受信する(ステップS52)。
【0058】
プリンタ3は、ASSOCIATION_REQUESTフォーマットの中のロール交換可能フラグがONであるか否かを判定する(ステップS53)。
【0059】
プリンタ3は、ASSOCIATION_REQUESTフォーマットの中のロール交換可能フラグがONであると判定した場合(ステップS53:Yes)、USBケーブル4で接続された相手方がPC2であると判定し、ステップS65〜S81を実行する。
【0060】
図11は、本第1の実施の形態において使用されるASSOCIATION_INFORMATIONのフォーマットの例を示す図である。図11に示すASSOCIATION_INFORMATIONのフォーマットは、全データ長、アソシエーションリクエスト数、ロール交換決定フラグ、アソシエーションリクエスト列を有している。
【0061】
プリンタ3は、図11に示すASSOCIATION_INFORMATIONフォーマットの中のロール交換決定フラグをONにセットし(ステップS65)、ASSOCIATION_INFORMATION(デバイス側で生成した情報)を送信する(ステップS33、S66)。
【0062】
PC2は、ASSOCIATION_INFORMATION(デバイス側で生成した情報)を受信し(ステップS94)、ASSOCIATION_INFORMATIONフォーマットの中のロール交換決定フラグがONであるか否かを判定する(ステップS95)。
【0063】
PC2は、ASSOCIATION_INFORMATIONフォーマットの中のロール交換決定フラグがONであると判定した場合(ステップS95:Yes)、USBケーブル4で接続された相手方がプリンタ3であると判定し、ステップS106〜S120を実行する。
【0064】
プリンタ3は、ACKを送信し(ステップS34、S67)。PC2は、ACKを受信する(ステップS106)。
【0065】
PC2は、SET_ASSOCIATION_RESPONSEを送信し(ステップS35、S107)、プリンタ3は、SET_ASSOCIATION_RESPONSEを受信する(ステップS68)。
【0066】
これ以降、プリンタ3は、あたかもWUSBホスト装置であるかのように動作し、PC2は、あたかもWUSBデバイス装置であるかのように動作する。
【0067】
PC2は、あたかもWUSBデバイス装置であるかのように、CBAFインターフェイスディスクリプタを送信し(ステップS36、S108)、プリンタ3は、あたかもWUSBホスト装置であるかのように、CBAFインターフェイスディスクリプタを受信する(ステップS69)。
【0068】
プリンタ3は、あたかもWUSBホスト装置であるかのように、GET_ASSOCIATION_INFORMATION(リクエスト)を送信し(ステップS37、S70)、PC2は、あたかもWUSBデバイス装置であるかのように、GET_ASSOCIATION_INFORMATION(リクエスト)を受信する(ステップS109)。
【0069】
PC2は、あたかもWUSBデバイス装置であるかのように、ASSOCIATION_INFORMATION(デバイス側で生成した情報)を送信し(ステップS38、S110)、プリンタ3は、あたかもWUSBホスト装置であるかのように、ASSOCIATION_INFORMATION(デバイス側で生成した情報)を受信する(ステップS71)。
【0070】
PC2は、あたかもWUSBデバイス装置であるかのように、ACKを送信し(ステップS39、S111)、プリンタ3は、あたかもWUSBホスト装置であるかのように、ACKを受信する(ステップS72)。
【0071】
プリンタ3は、あたかもWUSBホスト装置であるかのように、SET_ASSOCIATION_RESPONSEを送信し(ステップS40、S73)、PC2は、あたかもWUSBデバイス装置であるかのように、SET_ASSOCIATION_RESPONSEを受信する(ステップS112)。
【0072】
プリンタ3は、あたかもWUSBホスト装置であるかのように、HOST_INFO(CHID、LangID、HostFamilyName)を送信し(ステップS41、S74)。PC2は、あたかもWUSBデバイス装置であるかのように、HOST_INFO(CHID、LangID、HostFamilyName)を受信する(ステップS113)。
【0073】
PC2は、あたかもWUSBデバイス装置であるかのように、ACKを送信し(ステップS42、S114)、プリンタ3は、あたかもWUSBホスト装置であるかのように、ACKを受信する(ステップS75)。
【0074】
プリンタ3は、あたかもWUSBホスト装置であるかのように、GET_ASSOCIATION_REQUEST(リクエスト)を送信し(ステップS43、S76)、PC2は、あたかもWUSBデバイス装置であるかのように、GET_ASSOCIATION_REQUEST(リクエスト)を受信する(ステップS115)。
【0075】
PC2は、あたかもWUSBデバイス装置であるかのように、DEVICE_INFO(CDID(0:該当するCHIDのCCがない)、BandGroupLangID、DeviceFamilyName)を送信し(ステップS44、S116)、プリンタ3は、あたかもWUSBホスト装置であるかのように、DEVICE_INFOを受信する(ステップS77)。
【0076】
PC2は、あたかもWUSBデバイス装置であるかのように、ACKを送信し(ステップS45、S117)、プリンタ3は、あたかもWUSBホスト装置であるかのように、ACKを受信する(ステップS78)。
【0077】
プリンタ3は、あたかもWUSBホスト装置であるかのように、SET_ASSOCIATION_RESPONSE(リクエスト)を送信し(ステップS46、S79)、PC2は、あたかもWUSBデバイス装置であるかのように、SET_ASSOCIATION_RESPONSEを受信する(ステップS118)。
【0078】
プリンタ3は、あたかもWUSBホスト装置であるかのように、CC_DATA(成功時:CHID、CDID、CK、BandGroup、失敗時:失敗事由)を送信し(ステップS47、S80)、PC2は、あたかもWUSBデバイス装置であるかのように、CC_DATAを受信する(ステップS119)。
【0079】
PC2は、あたかもWUSBデバイス装置であるかのように、ACKを送信し(ステップS48、S120)、プリンタ3は、あたかもWUSBホスト装置であるかのように、ACKを受信する(ステップS81)。
【0080】
このように、PC2とプリンタ3とがUSBケーブル4を介して接続された場合に、PC2とプリンタ3との間で通信主導権合意をとる制御(どちらがWUSBホストのロールとなり、どちらがWUSBデバイスのロールとなるかを決定する制御)を行う。これにより、PC2のアソシエーションモジュール(図4の右側に示すPC2の有線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)は、認証結果をWUSBデバイスドライバ(WUSB/Device Driver(図4の左側に示すPC2の無線通信プロトコルの階層構成の最上層参照))に反映する。また、プリンタ3のアソシエーションモジュール(図5の右側に示すプリンタ3の有線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)は、認証結果をWUSBホストドライバ(WUSB/Host Driver(図5の左側に示すプリンタ3の無線通信プロトコルの階層構成の最上層参照))に反映する。従って、PC2とプリンタ3との間では、プリンタ3がWUSBホストのロール(通信主導権を有するロール)となり、PC2がWUSBデバイスのロール(通信主導権を有さないロール)となる。
【0081】
また、プリンタ3は、ASSOCIATION_REQUESTフォーマットの中のロール交換可能フラグがONではないと判定した場合(ステップS53:No)、USBケーブル4で接続された相手方が一般のWUSBホスト装置であると判定し、ステップS54〜S64を実行する。これ以降、プリンタ3は、一般のWUSBデバイス装置と同様に動作する。
【0082】
プリンタ3は、図11に示すASSOCIATION_INFORMATIONフォーマットの中のロール交換決定フラグをONにセットすることなく、一般のWUSBデバイス装置と同様に、ASSOCIATION_INFORMATION(デバイス側で生成した情報)を送信し(ステップS54、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS13に対応)、一般のWUSBデバイス装置と同様に、ACKを送信する(ステップS55、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS14に対応)。
【0083】
プリンタ3は、一般のWUSBデバイス装置と同様に、SET_ASSOCIATION_RESPONSEを受信し(ステップS56、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS15に対応)、一般のWUSBデバイス装置と同様に、HOST_INFO(CHID、LangID、HostFamilyName)を受信する(ステップS57、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS16に対応)。
【0084】
プリンタ3は、一般のWUSBデバイス装置と同様に、ACKを送信し(ステップS58、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS17に対応)、一般のWUSBデバイス装置と同様に、GET_ASSOCIATION_REQUEST(リクエスト)を受信する(ステップS59、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS18に対応)。
【0085】
プリンタ3は、一般のWUSBデバイス装置と同様に、DEVICE_INFO(CDID(0:該当するCHIDのCCがない)、BandGroupLangID、DeviceFamilyName)を送信し(ステップS60、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS19に対応)、一般のWUSBデバイス装置と同様に、ACKを送信する(ステップS61、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS20に対応)。
【0086】
プリンタ3は、一般のWUSBデバイス装置と同様に、SET_ASSOCIATION_RESPONSE(リクエスト)を受信する(ステップS62、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS21に対応)。
【0087】
プリンタ3は、一般のWUSBデバイス装置と同様に、CC_DATA(成功時:CHID、CDID、CK、BandGroup、失敗時:失敗事由)を受信し(ステップS63、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS22に対応)、一般のWUSBデバイス装置と同様に、ACKを送信する(ステップS64、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS23に対応)。
【0088】
これにより、プリンタ3のアソシエーションモジュール(図5の右側に示すプリンタ3の有線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)は、認証結果をWUSBデバイスドライバ(WUSB/Device Driver(図5の左側に示すプリンタ3の無線通信プロトコルの階層構成の最上層参照))に反映する。従って、プリンタ3と一般のWUSBホスト装置との間では、プリンタ3がWUSBデバイスのロールとなる。
【0089】
また、PC2は、ASSOCIATION_INFORMATION(デバイス側で生成した情報)を受信し(ステップS94)、ASSOCIATION_INFORMATIONフォーマットの中のロール交換決定フラグがONではないと判定した場合(ステップS95:No)、USBケーブル4で接続された相手方が一般のWUSBデバイス装置であると判定し、ステップS96〜S105を実行する。これ以降、PC2は、一般のWUSBホスト装置と同様に動作する。
【0090】
PC2は、一般のWUSBホスト装置と同様に、ACKを受信し(ステップS96、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS14に対応)、一般のWUSBホスト装置と同様に、SET_ASSOCIATION_RESPONSEを送信する(ステップS97、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS15に対応)。
【0091】
PC2は、一般のWUSBホスト装置と同様に、HOST_INFO(CHID、LangID、HostFamilyName)を送信し(ステップS98、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS16に対応)、一般のWUSBホスト装置と同様に、ACKを受信する(ステップS99、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS17に対応)。
【0092】
PC2は、一般のWUSBホスト装置と同様に、GET_ASSOCIATION_REQUEST(リクエスト)を送信する(ステップS100、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS18に対応)。
【0093】
PC2は、一般のWUSBホスト装置と同様に、DEVICE_INFO(CDID(0:該当するCHIDのCCがない)、BandGroupLangID、DeviceFamilyName)を受信し(ステップS101、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS19に対応)、一般のWUSBホスト装置と同様に、ACKを受信する(ステップS102、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS20に対応)。
【0094】
PC2は、一般のWUSBホスト装置と同様に、SET_ASSOCIATION_RESPONSE(リクエスト)を送信する(ステップS103、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS21に対応)。
【0095】
PC2は、一般のWUSBホスト装置と同様に、CC_DATA(成功時:CHID、CDID、CK、BandGroup、失敗時:失敗事由)を送信し(ステップS104、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS22に対応)、一般のWUSBホスト装置と同様に、ACKを受信する(ステップS105、先に説明した一般の通信シーケンス(図6参照)のステップS23に対応)。
【0096】
これにより、PC2のアソシエーションモジュール(図4の右側に示すPC2の有線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)は、認証結果をWUSBホストドライバ(WUSB/Host Driver(図4の左側に示すPC2の無線通信プロトコルの階層構成の最上層参照))に反映する。従って、PC2と一般のWUSBデバイス装置との間では、PC2がWUSBホストのロールとなる。
【0097】
一般のWUSBホスト装置と一般のWUSBデバイス装置との間がUSBケーブルによって接続され、ケーブルアソシエーションが行われる場合、一般のWUSBホスト装置がUSBホストとして動作し、一般のWUSBデバイス装置がUSBデバイスとして動作する。そのため、図12に示すように、一般のWUSBホスト装置であるホスト(PC)100と一般のWUSBデバイス装置であるデバイス(プリンタ)101、デバイス(複合機)102、デバイス(スキャナ)103とが接続済み(ケーブルアソシエーションによる認証済み)である場合に、他の一般のWUSBホスト装置であるホスト(PC)104とデバイス(プリンタ)101とをUSBケーブルで接続しても、ホスト(PC)104とデバイス(プリンタ)101との間でケーブルアソシエーションによる認証を行うことが出来ない。
【0098】
一方、本第1の実施の形態によれば、PC2とプリンタ3との間がUSBケーブル4によって接続された場合、プリンタ3がWUSBホストのロールとなり、PC2がWUSBデバイスのロールとなる。WUSBホストは複数のWUSBデバイスと認証可能であるので、図13に示すように、本第1の実施の形態にかかるホスト装置であるホスト(PC)2と本第1の実施の形態にかかるデバイス装置であるデバイス(プリンタ)3、デバイス(複合機)5、デバイス(スキャナ)6とが接続済み(認証済み)であっても、本第1の実施の形態にかかるホスト装置であるホスト(PC)7、8とデバイス(プリンタ)3とをUSBケーブルで接続すれば、ホスト(PC)7、8とデバイス(プリンタ)3との間で認証を行うことが出来る。この認証の結果、デバイス(プリンタ)3がWUSBホストのロールとなり、ホスト(PC)7、8がWUSBデバイスのロールとなる。これにより、1つのデバイス(プリンタ)3が複数のホスト(PC)2、7、8と並行して通信することができ、1つのデバイス(プリンタ)3を複数のホスト(PC)2、7、8から利用することが可能になる。
【0099】
なお、先に説明したように、PC2が一般のWUSBデバイス装置にUSBケーブルを介して接続された場合には、PC2は、WUSBホストのロールとなって、一般のWUSBデバイス装置と認証可能である。また、先に説明したように、プリンタ3が一般のWUSBホスト装置にUSBケーブルを介して接続された場合には、プリンタ3は、WUSBデバイスのロールとなって、一般のWUSBホスト装置と認証可能である。本第1の実施の形態によれば、プリンタ3が複数(255以下)のWUSBデバイス装置とWUSB接続することが可能である。
【0100】
また、本第1の実施の形態においては、ASSOCIATION_REQUESTフォーマット内のロール交換可能フラグ(図10参照)、およびASSOCIATION_INFORMATIONフォーマット内のロール交換決定フラグ(図11参照)を用いてロールを決定するようにしているが、キーボード25、ディスプレイ26(図1参照)を用いてユーザに入力を促し、ユーザによって入力された内容を解釈してロールを決定するようにしても良い。
【0101】
なお、本第1の実施の形態のホスト装置で実行される制御プログラムは、ROM22、HDD24等に予め組み込まれて提供される。また、本第1の実施の形態のデバイス装置で実行される制御プログラムは、ROM32等に予め組み込まれて提供される。
【0102】
本第1の実施の形態のホスト装置で実行される制御プログラム、および本第1の実施の形態のデバイス装置で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0103】
さらに、本第1の実施の形態のホスト装置で実行される制御プログラム、および本第1の実施の形態のデバイス装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本第1の実施の形態のホスト装置で実行される制御プログラム、および本第1の実施の形態のデバイス装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0104】
本第1の実施の形態のホスト装置で実行される制御プログラム、および本第1の実施の形態のデバイス装置で実行される制御プログラムは、上述した各部(UWB MAC、WiMedia Convergence Layer、UPnP、Bluetooth(登録商標)、WUSB/Host Driver、WUSB/Device Driver、USB Controller、USB/Host Driver、USB/Device Driver、Association)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、UWB MAC、WiMedia Convergence Layer、UPnP、Bluetooth(登録商標)、WUSB/Host Driver、WUSB/Device Driver、USB Controller、USB/Host Driver、USB/Device Driver、Associationが主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0105】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態の特徴は、ホスト装置と任意のデバイス装置とを有線USB接続してアソシエーションした結果をデバイス装置側に保持させ、他のデバイス装置とホスト装置とがWUSB接続する際に、その保持しているアソシエーション情報を提供することによって、アソシエーションレスで無線利用が可能になる点にある。
【0106】
図14は、本発明の第2の実施の形態にかかる通信システムの構成例と制御手順とを示す図である。図14に示すように、複数のデバイス装置であるデバイス(プリンタ)201とデバイス(複合機)202とがネットワーク環境204に接続されている。また、別のデバイス(プリンタ)203は、ネットワーク環境204に接続されていない。
【0107】
まず、ホスト(PC)200がデバイス(複合機)202と有線USB接続された場合は、上記図7で説明したのと同様に、PC2とプリンタ3との間で通信主導権合意をとる制御(どちらがWUSBホストのロールとなり、どちらがWUSBデバイスのロールとなるかを決定する制御)が行われる。これにより、PC2のアソシエーションモジュール(図4の右側に示すPC2の有線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)は、認証結果をWUSBデバイスドライバ{WUSB/Device Driver(図4の左側に示すPC2の無線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)}に反映する。また、プリンタ3のアソシエーションモジュール(図5の右側に示すプリンタ3の有線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)は、認証結果をWUSBホストドライバ{WUSB/Host Driver(図5の左側に示すプリンタ3の無線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)}に反映する。従って、PC2とプリンタ3との間では、プリンタ3がWUSBホストのロール(通信主導権を有するロール)となり、PC2がWUSBデバイスのロール(通信主導権を有さないロール)となる。このように、図14に示すホスト/デバイスの役割交換アソシエーションが実施される(1)。
【0108】
続いて、役割交換アソシエーションが実施されたことにより、ホスト(PC)200からアソシエーション情報とデバイス情報とがデバイス(複合機)202に渡り、これをデバイス(複合機)202に搭載されているHDDなどからなる第1保持手段としての記憶装置202aに保持される(2)。この後は、ホスト(PC)200とデバイス(複合機)202は、WUSB上でのホスト・デバイスの役割を交換した形で接続され、通信が行われる。
【0109】
第2の実施の形態では、ホスト(PC)200をデバイス(複合機)202と同一ネットワーク環境204上のデバイス(プリンタ)201の近辺へ移動させた場合を想定し(3)、これをホスト(PC)200−1としてデバイス(プリンタ)201に対して無線アクセスを実施する(4)。ここでは、ホスト(PC)200−1は、デバイス(プリンタ)201に対して(1)で提供したデバイス情報を送信するようにする。
【0110】
これに対して、デバイス(プリンタ)201側は、受信したデバイス情報に基づいて同じネットワーク環境204上に接続されたデバイス(複合機)202に対し、ホスト(PC)200のデバイス情報を持っているか否かをネットワーク経由で問い合わせ、持っている場合はアソシエーション情報を要求する(5)。デバイス(プリンタ)201は、デバイス(複合機)202の記憶装置202aに保持されているホスト(PC)200のアソシエーション情報を取得し(6)、それをもってアソシエーションが完了したものと見なすことにより、WUSBでの接続が可能になる(7)。その結果、ホスト(PC)200−1は、デバイス(プリンタ)201とアソシエーションレスでWUSB接続が可能になる。
【0111】
また、図14に示す別の例では、ホスト(PC)200をデバイス(プリンタ)203近辺へ移動させ、これをホスト(PC)200−2としてデバイス(プリンタ)203に対してWUSBアクセスする場合を想定する。この場合、本発明の対象でないデバイス(プリンタ)203は、ネットワーク環境204に接続されていないことから、デバイス(複合機)202の記憶装置202aに保持されているホスト(PC)200のアソシエーション情報が取得できず、ホスト(PC)200−2との間でアソシエーションが完了したものと見なされないため、接続不能となり、WUSB接続は失敗する。
【0112】
このように、第2の実施の形態によれば、通常はホスト装置とデバイス装置との間でWUSB接続を行う場合、事前にアソシエーション接続する必要があるが、ネットワーク上に同様なデバイス装置が複数ある場合、各デバイス装置を一つ一つアソシエーションしなくても、一つのデバイス装置で行ったアソシエーション情報を保持しておき、それをやり取りするだけで、ホスト装置と他のデバイス装置との間でもアソシエーションレスでWUSB接続することができる。
【0113】
さらに、第2の実施の形態によれば、ホスト装置と他のデバイス装置との間でアソシエーションレスによりWUSB接続を行った場合、デバイス装置側を通信主導権の有するロールとすれば、このデバイス装置から複数のホスト装置に対してアソシエーションレスでWUSB接続を行うことが可能になる。
【0114】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態の特徴は、第2の実施の形態のネットワーク上にアソシエーションに必要な接続情報が保持可能な情報保持装置としてのサーバ装置が接続されていて、ホスト装置と任意のデバイス装置とを有線USB接続してアソシエーションした結果をサーバ装置に保持しておき、他のデバイス装置とホスト装置とがWUSB接続する際に、サーバ装置が保持しているアソシエーション情報を提供することにより、アソシエーションレスで無線利用が可能になる点にある。
【0115】
図15は、本発明の第3の実施の形態にかかる通信システムの構成例と制御手順とを示す図である。図15に示すように、複数のデバイス装置であるデバイス(プリンタ)301とデバイス(複合機)302とデバイス(プリンタ)303とがネットワーク環境305に接続されている。
【0116】
まず、ホスト(PC)300がデバイス(複合機)302と有線USB接続された場合は、上記図7で説明したのと同様に、PC2とプリンタ3との間で通信主導権合意をとる制御(どちらがWUSBホストのロールとなり、どちらがWUSBデバイスのロールとなるかを決定する制御)が行われる。これにより、PC2のアソシエーションモジュール(図4の右側に示すPC2の有線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)は、認証結果をWUSBデバイスドライバ{WUSB/Device Driver(図4の左側に示すPC2の無線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)}に反映する。また、プリンタ3のアソシエーションモジュール(図5の右側に示すプリンタ3の有線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)は、認証結果をWUSBホストドライバ{WUSB/Host Driver(図5の左側に示すプリンタ3の無線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)}に反映する。従って、PC2とプリンタ3との間では、プリンタ3がWUSBホストのロール(通信主導権を有するロール)となり、PC2がWUSBデバイスのロール(通信主導権を有さないロール)となる。このように、図15に示すホスト/デバイスの役割交換アソシエーションが実施される(1)。
【0117】
続いて、役割交換アソシエーションが実施されたことにより、ホスト(PC)300からアソシエーション情報とデバイス情報とがデバイス(複合機)302に渡り、これを複数のデバイスのアソシエーション情報を管理しているネットワーク環境305上の情報保持装置としてのサーバ装置304に搭載されたHDDなどからなる記憶装置304aに転送し、保持される(2)。なお、ここでいうサーバ装置304は、アソシエーション情報を管理する専用の装置であるが、必ずしもこれに限定されず、接続情報を保持し提供可能な機能を備えているものであれば、上記のデバイス(複合機)302やデバイス(プリンタ)301等の形態をしていても構わない。この後は、ホスト(PC)300とデバイス(複合機)302は、WUSB上でのホスト・デバイスの役割を交換した形で接続され、通信が行われる。
【0118】
第3の実施の形態では、ホスト(PC)300をデバイス(複合機)302と同一ネットワーク環境204上のデバイス(プリンタ)301の近辺へ移動させた場合を想定し(3)、これをホスト(PC)300−1としてデバイス(プリンタ)301に対して無線アクセスを実施する(4)。ここでは、ホスト(PC)300−1は、デバイス(プリンタ)301に対して(1)で提供したデバイス情報を送信するようにする。
【0119】
これに対して、デバイス(プリンタ)301側は、受信したデバイス情報に基づいて同じネットワーク環境305上でアソシエーション情報を一括管理しているサーバ装置304に対し、ホスト(PC)300のデバイス情報を持っているか否かをネットワーク経由で問い合わせ、持っている場合はアソシエーション情報を要求する(5)。デバイス(プリンタ)301は、サーバ装置304の記憶装置304aに保持されているホスト(PC)300のアソシエーション情報を取得し(6)、それをもってアソシエーションが完了したものと見なすことにより、WUSBでの接続が可能になる(7)。その結果、ホスト(PC)300−1は、デバイス(プリンタ)301とアソシエーションレスでWUSB接続が可能となる。
【0120】
上記した第2の実施の形態では、ホスト(PC)200のアソシエーション情報を持つデバイスがどれかは全てのデバイスに対して問い合わせないと分からないため、システムの規模に比例して時間がかかり、その分ネットワークトラフィックも増える可能性がある。しかし、本第3の実施の形態では、ネットワーク環境305上で管理を行うサーバ装置304を決めておき、そこに問い合わせるだけで済むため、通信システムの規模に関係無く迅速にアソシエーション情報を取得することができる。
【0121】
このように、第3の実施の形態によれば、ホスト装置と接続したい他のデバイス装置は、ネットワーク上のサーバ装置304に対してホスト装置のデバイス情報を持っているか否かを問い合わせ、持っていればアソシエーション情報を要求し、これを取得することによりアソシエーションが完了したものとしてWUSBでの接続可能となるので、ホスト装置と他のデバイス装置との間でも容易かつ迅速にアソシエーションレスでWUSB接続することができ、その際のネットワークトラフィックも少なくすることができる。
【0122】
さらに、第3の実施の形態によれば、ホスト装置と他のデバイス装置との間でアソシエーションレスによりWUSB接続を行った場合、デバイス装置側を通信主導権の有するロールとすれば、このデバイス装置から複数のホスト装置に対してアソシエーションレスでWUSB接続を行うことが可能になる。
【0123】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態の特徴は、ホスト装置と任意のデバイス装置とを有線USB接続してアソシエーションする際に、ホスト装置の記憶装置にデバイス装置の情報(ホスト情報)を保持し、他のデバイス装置とホスト装置とがWUSB接続する際に、そのホスト情報を他のデバイス装置に提供するため、他のデバイス装置はアソシエーション情報を要求する相手デバイス装置が容易にわかるという点にある。
【0124】
図16は、本発明の第4の実施の形態にかかる通信システムの構成例と制御手順とを示す図である。図16に示すように、複数のデバイス装置であるデバイス(プリンタ)401とデバイス(複合機)402とデバイス(プリンタ)403とがネットワーク環境404に接続されている。
【0125】
まず、ホスト(PC)400がデバイス(複合機)402と有線USB接続された場合は、上記図7で説明したのと同様に、PC2とプリンタ3との間で通信主導権合意をとる制御(どちらがWUSBホストのロールとなり、どちらがWUSBデバイスのロールとなるかを決定する制御)が行われる。これにより、PC2のアソシエーションモジュール(図4の右側に示すPC2の有線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)は、認証結果をWUSBデバイスドライバ{WUSB/Device Driver(図4の左側に示すPC2の無線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)}に反映する。また、プリンタ3のアソシエーションモジュール(図5の右側に示すプリンタ3の有線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)は、認証結果をWUSBホストドライバ{WUSB/Host Driver(図5の左側に示すプリンタ3の無線通信プロトコルの階層構成の最上層参照)}に反映する。従って、PC2とプリンタ3との間では、プリンタ3がWUSBホストのロール(通信主導権を有するロール)となり、PC2がWUSBデバイスのロール(通信主導権を有さないロール)となる。このように、図15に示すホスト/デバイスの役割交換アソシエーションが実施される(1)。
【0126】
続いて、役割交換アソシエーションが実施されたことにより、ホスト(PC)400からアソシエーション情報とデバイス情報とがデバイス(複合機)402に渡ると共に、デバイス(複合機)402からホスト情報がホスト(PC)400に渡る。ホスト(PC)400からのアソシエーション情報とデバイス情報とは、デバイス(複合機)402に搭載されているHDDなどの第1保持手段としての記憶装置402aに保存され(2)、ホスト情報はホスト(PC)400のHDDなどの第2保持手段としての記憶装置400aに保存される(3)。
【0127】
第4の実施の形態では、ホスト(PC)400をデバイス(複合機)402と同一ネットワーク環境404上のデバイス(プリンタ)401近辺へ移動させた場合を想定し(4)、これをホスト(PC)400−1としてデバイス(プリンタ)401に対して無線アクセスする(5)。このとき、ホスト(PC)400−1は、デバイス(プリンタ)401へ(1)で提供したデバイス情報と、ホスト(PC)400−1の第2保持手段としての記憶装置400−1aに保存してあったホスト情報も送信する。
【0128】
これに対して、デバイス(プリンタ)401側は、ホスト(PC)400−1からホスト情報とデバイス情報とを取得すると、そのホスト情報に対応するデバイス(複合機)402に対して同一のデバイス情報を持っているか否かをネットワーク経由で問い合わせ、持っている場合はアソシエーション情報を要求する(6)。デバイス(プリンタ)401は、デバイス(複合機)402の記憶装置402aに保持されているホスト(PC)400のアソシエーション情報を取得し(7)、それをもってアソシエーションが完了したものと見なすことにより、WUSBでの接続が可能になる(8)。その結果、ホスト(PC)400−1は、デバイス(プリンタ)401とアソシエーションレスでWUSB接続が可能となる。
【0129】
上記した第2の実施の形態では、ホスト(PC)200のアソシエーション情報を持つデバイスがどれかは全てのデバイスに対して問い合わせないと分からないため、システムの規模に比例して時間がかかり、その分ネットワークトラフィックも増える可能性がある。しかし、本第4の実施の形態では、取得したホスト情報からホスト(PC)400がアソシエーションしたデバイス(複合機)402がわかり、そこに問い合わせるだけで済むため、システムの規模に関係無く迅速にアソシエーション情報を取得することができ、ネットワークトラフィックも少なくすることができる。また、本第4の実施の形態では、上記第3の実施の形態のような他と異なる機能を持つ特別なサーバ装置304を用意する必要が無いため、通信システムのコストを低減することができる。
【0130】
このように、第4の実施の形態によれば、ホスト装置の記憶装置(第2保持手段)にホスト装置とアソシエーションを行ったデバイス装置の情報(ホスト情報)を保持していて、WUSBで接続したい他のデバイス装置と無線アクセスする際にホスト情報も送信することから、アソシエーション情報を要求する相手デバイス装置が容易にわかるため、通信システムの規模に関係無く、少ないネットワークトラフィックで、迅速にアソシエーション情報を取得してWUSB接続が可能となる。
【0131】
なお、本実施の形態では、本発明のホスト装置をPCに適用した例を挙げて説明したが、他の種々の装置に適用することができる。また、本実施の形態では、本発明のデバイス装置をプリンタに適用した例を挙げて説明したが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
以上のように、本発明にかかる通信システム、ホスト装置、デバイス装置、及び通信方法は、1つのデバイス装置が複数のホスト装置と通信する技術に有用である。
【符号の説明】
【0133】
1 通信システム
2、7、8、100、104 PC
3、101 プリンタ
4 USBケーブル
5、102 複合機
6、103 スキャナ
21、31 CPU
22、32 ROM
23、33 RAM
24 HDD
25 キーボード
26 ディスプレイ
27 USBホスト部
28 WUSBホスト・デバイス部
29、38 USBポート
34 プリンタエンジン
35 オペレーションパネル
36 USBデバイス部
37 WUSBホスト・デバイス部
200、200−1、200−2、300、300−1、400、400−1 ホスト(PC)
201、203、301、303、401、403 デバイス(プリンタ)
202、302、402 デバイス(複合機)
202a、304a、400a、400−1a、402a 記憶装置
204、305、404 ネットワーク環境
304 サーバ装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0134】
【特許文献1】特開2008−117289号公報
【非特許文献】
【0135】
【非特許文献1】“Wireless USB Specification Re vision 1.0”、[online]、USB Implementers Forum, Inc.、[平成21年2月9日検索]、インターネット〈URL: http://www.usb.org/developers/wusb/wus b_2007_0214.zip〉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に通信可能な通信インターフェイスをそれぞれ備えたホスト装置およびデバイス装置を含む通信システムであって、
前記ホスト装置の前記通信インターフェイスと前記デバイス装置の前記通信インターフェイスとの間に通信路が設けられた際に前記ホスト装置と前記デバイス装置との間で通信主導権合意をとる通信を行うことにより、その後の通信主導権を前記ホスト装置と前記デバイス装置のいずれが有するかを決定することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記ホスト装置および前記デバイス装置は、相互に通信可能な少なくとも2つの通信インターフェイスをそれぞれ備え、
前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方と前記デバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方との間に通信路が設けられた際に前記ホスト装置と前記デバイス装置との間で通信主導権合意をとる通信を行うことにより、前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と前記デバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路が設けられる際の通信主導権を前記ホスト装置と前記デバイス装置のいずれが有するかを決定することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方がUSB(Universal Serial Bus)であり、
前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方がWUSB(Wireless USB)であり、
前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方と前記デバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方との間がUSBケーブルで接続された際に前記ホスト装置と前記デバイス装置との間で通信主導権合意をとる通信を行うことにより、前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と前記デバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路が設けられる際の通信主導権を前記ホスト装置と前記デバイス装置のいずれが有するかを決定することを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記ホスト装置と前記デバイス装置との間で、通信主導権合意をとる通信として、どちらがホストのロールとなり、どちらがデバイスのロールとなるかを決定する通信を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記ホスト装置がデバイスのロールとなることを表す信号を前記デバイス装置に送信し、それに応じて前記デバイス装置がホストのロールとなることを表す信号を前記ホスト装置に送信することを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
デバイス装置に備えられたデバイス通信インターフェイスと通信可能なホスト通信インターフェイスを有するホスト装置であって、
前記デバイス装置の前記デバイス通信インターフェイスと前記ホスト通信インターフェイスとの間に通信路が設けられた際に、前記デバイス装置が通信主導権をとることができる場合には、前記デバイス装置に通信主導権を渡すことを特徴とするホスト装置。
【請求項7】
ホスト装置に備えられたホスト通信インターフェイスと通信可能なデバイス通信インターフェイスを有するデバイス装置であって、
前記ホスト装置の前記ホスト通信インターフェイスと前記デバイス通信インターフェイスとの間に通信路が設けられた際に、前記ホスト装置から通信主導権をとることができる場合には、通信主導権をとって動作することを特徴とするデバイス装置。
【請求項8】
前記ホスト装置が、通信主導権を前記ホスト装置と前記デバイス装置のいずれが有するかを決定する情報をユーザが入力可能な入力手段をさらに備え、
前記ホスト装置の前記通信インターフェイスと前記デバイス装置の前記通信インターフェイスとの間に通信路が設けられた際に、ユーザによって前記入力手段に入力された前記情報に基づいて、その後の通信主導権を前記ホスト装置と前記デバイス装置のいずれが有するかを決定することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項9】
複数の前記ホスト装置を含み、
前記デバイス装置が、前記複数のホスト装置の各々との間で通信主導権合意を取る通信を行うことにより、前記複数のホスト装置と通信可能であることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項10】
相互に通信可能な通信インターフェイスをそれぞれ備えたホスト装置とデバイス装置とを含む通信システムにおいて実行される通信方法であって、
前記ホスト装置の前記通信インターフェイスと前記デバイス装置の前記通信インターフェイスとの間に通信路が設けられた際に前記ホスト装置と前記デバイス装置との間で通信主導権合意をとる通信を行うことにより、その後の通信主導権を前記ホスト装置と前記デバイス装置のいずれが有するかを決定することを特徴とする通信方法。
【請求項11】
デバイス装置に備えられたデバイス通信インターフェイスと通信可能なホスト通信インターフェイスを有するホスト装置において実行される通信方法であって、
前記デバイス装置の前記デバイス通信インターフェイスと前記ホスト通信インターフェイスとの間に通信路が設けられた際に、前記デバイス装置が通信主導権をとることができる場合には、前記デバイス装置に通信主導権を渡すことを特徴とする通信方法。
【請求項12】
ホスト装置に備えられたホスト通信インターフェイスと通信可能なデバイス通信インターフェイスを有するデバイス装置において実行される通信方法であって、
前記ホスト装置の前記ホスト通信インターフェイスと前記デバイス通信インターフェイスとの間に通信路が設けられた際に、前記ホスト装置から通信主導権をとることができる場合には、通信主導権をとることを特徴とする通信方法。
【請求項13】
相互に通信可能な少なくとも2つの通信インターフェイスをそれぞれ備えたホスト装置および相互にネットワークで接続された複数のデバイス装置を含む通信システムであって、
前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方と前記デバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方との間に通信路が設けられた際に、前記ホスト装置と前記デバイス装置との間で通信主導権合意をとる通信を行うことにより、前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と前記デバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路が設けられる際の通信主導権を前記ホスト装置と前記デバイス装置のいずれが有するかを決定し、前記デバイス装置が取得した接続情報を第1保持手段に保持させ、
前記ネットワーク上の他のデバイス装置から前記デバイス装置に対して接続情報の要求があると、前記第1保持手段に保持されている前記接続情報を前記他のデバイス装置に提供し、
前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と前記他のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路を設ける際に、前記接続情報を用いることを特徴とする通信システム。
【請求項14】
前記ネットワーク上には、前記ネットワークで相互に接続された複数のデバイス装置の前記接続情報が保持可能な情報保持装置が接続され、
前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方と前記複数のデバイス装置の中の任意のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方との間に通信路が設けられた際に取得した前記接続情報を前記情報保持装置へ送信して保持させ、
前記ネットワーク上の他のデバイス装置から前記情報保持装置に対して前記接続情報の要求があると、前記情報保持装置に保持されている前記接続情報を前記他のデバイス装置に提供し、
前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と前記他のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路を設ける際に、前記接続情報を用いることを特徴とする請求項13に記載の通信システム。
【請求項15】
前記ホスト装置は、前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方と前記デバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方との間に通信路が設けられた際に取得した前記デバイス装置の情報を第2保持手段に保持させ、
前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と前記他のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路を設ける際に、前記第2保持手段に保持されている前記デバイス装置の情報を前記他のデバイス装置に提供し、
前記他のデバイス装置は、取得した前記デバイス装置の情報に基づいて前記デバイス装置に対して接続情報を要求し、前記第1保持手段に保持されている前記接続情報を取得して、前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と前記他のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路を設ける際に用いることを特徴とする請求項13に記載の通信システム。
【請求項16】
前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方がUSB(Universal Serial Bus)であり、
前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方がWUSB(Wireless USB)であり、
前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方と前記デバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方との間がUSBケーブルで接続された際に前記ホスト装置と前記デバイス装置との間で通信主導権合意をとる通信と並行して、前記接続情報を無線接続する際のアソシエーション情報としてやり取りすることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項17】
相互に通信可能な少なくとも2つの通信インターフェイスをそれぞれ備えたホスト装置と相互にネットワークで接続された複数のデバイス装置とを含む通信システムにおいて実行される通信方法であって、
前記デバイス装置は、前記ホスト装置と前記デバイス装置との間のアソシエーションに必要な接続情報を取得して保持する第1保持手段を備え、
前記第1保持手段が、前記ホスト装置と前記デバイス装置との間に通信路が設けられた際に前記ホスト装置と前記デバイス装置との間で通信主導権合意をとる通信と並行して、前記ホスト装置から前記デバイス装置が取得した前記接続情報を保持する工程と、
前記第1保持手段が、前記ネットワーク上の他のデバイス装置から接続情報の要求があると、保持している前記接続情報を前記他のデバイス装置に提供する工程と、
前記他のデバイス装置が、取得した前記接続情報に基づいて前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と前記他のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路を設ける工程と、
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項18】
相互に通信可能な少なくとも2つの通信インターフェイスをそれぞれ備えたホスト装置と相互にネットワークで接続された複数のデバイス装置とを含む通信システムにおいて実行される通信方法であって、
前記複数のデバイス装置の1つは、前記ホスト装置と任意のデバイス装置との間のアソシエーションに必要な接続情報を取得して保持する情報保持装置を備え、
前記情報保持装置が、前記ホスト装置と前記任意のデバイス装置との間に通信路が設けられた際に前記ホスト装置と前記任意のデバイス装置との間で通信主導権合意をとる通信と並行して、前記ホスト装置から前記任意のデバイス装置が取得した前記接続情報を保持する工程と、
前記情報保持装置が、前記ネットワーク上の他のデバイス装置から前記接続情報の要求があると、保持している前記接続情報を前記他のデバイス装置に提供する工程と、
前記他のデバイス装置が、取得した前記接続情報に基づいて前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と前記他のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路を設ける工程と、
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項19】
相互に通信可能な少なくとも2つの通信インターフェイスをそれぞれ備えたホスト装置と相互にネットワークで接続された複数のデバイス装置とを含む通信システムにおいて実行される通信方法であって、
前記デバイス装置は、前記ホスト装置と任意のデバイス装置との間のアソシエーションに必要な接続情報を取得して保持する第1保持手段を備え、
前記ホスト装置は、前記デバイス装置との間の通信の際に取得した前記任意のデバイス装置の情報を保持する第2保持手段を備え、
前記第2保持手段が、前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方と前記任意のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの一方との間に通信路を設ける際に前記デバイス装置の情報を保持する工程と、
前記第2保持手段が、前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と他のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路を設ける際に前記デバイス装置の情報を提供する工程と、
前記他のデバイス装置が、取得した前記デバイス装置の情報に基づいて前記任意のデバイス装置の前記第1保持手段が保持する前記接続情報を要求して取得する工程と、
前記他のデバイス装置が、取得した前記接続情報に基づいて前記ホスト装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方と前記他のデバイス装置の前記少なくとも2つの通信インターフェイスの他方との間に通信路を設ける工程と、
を含むことを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−226698(P2010−226698A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234586(P2009−234586)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】