説明

通信システム、移動局、およびハンドオーバ制御装置

【課題】ネットワーク内の輻輳箇所に応じて適切なハンドオーバ先を選択する。
【解決手段】通信システム1が、相異なる無線アクセス技術にて動作する複数のネットワーク20,30,40と、複数のネットワーク20,30,40と無線通信が可能な移動局10とを備える。複数のネットワーク20,30,40の各々は、ネットワーク内の輻輳箇所を示す輻輳箇所情報LCnを移動局10に送信する。移動局10は、複数のハンドオーバ先候補ネットワークを記憶する記憶部102と、輻輳箇所情報LCnを取得する情報取得部106と、輻輳箇所情報LCnに応じて優先度情報LPを生成する優先度情報生成部110と、優先度情報LPに基づいて、ハンドオーバすべきハンドオーバ先ネットワークを選択する選択部112と、ハンドオーバ先ネットワークに対してハンドオーバを実行するハンドオーバ実行部114とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドオーバを制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話(例えば2G,3G,LTE(Long Term Evolution))、公衆無線LAN(Local Area Network)、無線MAN(Metropolitan Area Network)等の様々な無線通信システムが普及している。無線通信システムにおいては、ネットワーク上のトラヒック量等に応じてサービスレベル(通信サービスの品質)が刻々と変動する。通信サービスの品質を維持するには、ネットワーク上のトラヒック量(例えば、ネットワークの輻輳状態)に応じて移動局の接続先を適切に切り替える必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、無線基地局が輻輳状態となった場合に、輻輳中の無線基地局に接続している移動局を他の無線基地局にハンドオーバさせる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−252912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、輻輳は移動通信ネットワーク上の様々な箇所で発生する。基地局で生じた輻輳を検出してハンドオーバを実行し移動局の接続先を切り替える特許文献1の技術では、基地局以外の箇所で輻輳が生じた場合に適切なハンドオーバ先を選択できない場合がある。この場合、移動局が通信セッションを維持できないことにより、移動局のユーザが所望する通信サービスの品質が確保されない可能性がある。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、ネットワーク内の様々な箇所で輻輳が生じた場合でも通信サービスの品質を確保することができる通信システム、移動局、およびハンドオーバ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る通信システムは、各々が複数のノードを含み、相異なる無線アクセス技術にて動作する複数のネットワークと、複数の前記ネットワークのうち2以上のネットワークと無線通信が可能な移動局とを備える通信システムであって、複数の前記ネットワークの各々は、当該ネットワーク内で輻輳が生じている輻輳箇所を示す輻輳箇所情報を前記移動局に送信する輻輳箇所情報送信ノードを備え、前記移動局は、前記移動局がハンドオーバによって接続することができる複数のハンドオーバ先候補ネットワークを記憶する記憶部と、前記移動局が現在接続している使用中ネットワークの前記輻輳箇所情報送信ノードから前記輻輳箇所情報を取得する情報取得部と、前記輻輳箇所情報に応じて、前記移動局がハンドオーバにて利用すべきハンドオーバ方式の優先度を示す優先度情報を生成する優先度情報生成部と、前記優先度情報に基づいて、前記ハンドオーバ先候補ネットワークから、前記移動局がハンドオーバすべきハンドオーバ先ネットワークを選択する選択部と、前記ハンドオーバ先ネットワークに対してハンドオーバを実行するハンドオーバ実行部とを備える。
【0008】
「無線アクセス技術(Radio Access Technology)」とは、無線アクセスで使用する技術の種類であり、例えば、UTRAまたはGSMである(3GPP TS 25.304 V10.0.0における定義)。
以上の構成によれば、使用中ネットワーク内で輻輳が生じている箇所に応じてハンドオーバ方式の優先度を決定し、優先度に基づきハンドオーバ先を選択するので、輻輳の有無のみに応じてハンドオーバ先を選択する構成と比較して、ハンドオーバ先がより適切に選択される。また、相異なる無線アクセス技術にて動作するネットワークをもハンドオーバ先として選択可能なので、同じ無線アクセス技術にて動作するネットワークのみをハンドオーバ先として選択する構成と比較して、サービスレベルをより高く維持することが可能である。
【0009】
本発明の好適な態様においては、複数の前記ネットワークの各々は、当該ネットワークが準拠する前記無線アクセス技術を示す情報を含む報知情報を送信する報知情報送信ノードと、当該ネットワークが前記移動局をハンドオーバさせることができる他のネットワークを示すネットワークハンドオーバ能力情報を前記移動局に送信する能力情報送信ノードとをさらに備え、前記情報取得部は、前記使用中ネットワークの前記能力情報送信ノードから前記ネットワークハンドオーバ能力情報を取得し、前記使用中ネットワーク以外のネットワークである非使用ネットワークの前記報知情報送信ノードから前記報知情報を取得し、前記記憶部は、前記移動局がハンドオーバによって接続することができる複数の潜在的ハンドオーバ先候補ネットワークと、前記潜在的ハンドオーバ先候補ネットワークのうち、前記ネットワークハンドオーバ能力情報に示されたネットワークであって前記報知情報が取得されたネットワークである実在的ハンドオーバ先候補ネットワークとを記憶し、前記選択部は、前記優先度情報に基づいて前記実在的ハンドオーバ先候補ネットワークからハンドオーバすべきハンドオーバ先ネットワークを選択する。
【0010】
以上の構成によれば、使用中のネットワークが移動局をハンドオーバさせることができるネットワークを考慮して(すなわち、ネットワークのハンドオーバ能力を考慮して)ハンドオーバ先を選択するので、移動局のハンドオーバ能力のみに応じてハンドオーバ先を選択する構成と比較して、ハンドオーバの成功確率をより高めることができる。
【0011】
本発明の好適な態様においては、前記通信システムは、相異なる複数の無線アクセスシステムを含み、前記無線アクセスシステムの各々は、1つの無線アクセス技術にて動作する1つのネットワークまたは相異なる無線アクセス技術にて動作する2以上のネットワークを含み、複数の前記ネットワークの各々は、前記移動局と直接的に接続可能な基地局ノードと、前記基地局ノードの上位に存在し、同じ無線アクセスシステム内の他のネットワークと接続可能な交換局ノードとを備え、1つの前記無線アクセスシステムに含まれる前記複数のネットワークの少なくともいずれか1つは、前記交換局ノードの上位に存在し、同じ無線アクセスシステム内の他のネットワークの交換局ノードと、インターネットとに接続可能なゲートウェイノードを備え、前記輻輳箇所情報は、前記基地局ノード、前記交換局ノード、および前記ゲートウェイノードを含む前記ノード毎に輻輳が生じているか否かを示し、前記ハンドオーバ方式は、同じ無線アクセス技術にて動作するネットワークに対してハンドオーバを実行する無線アクセス技術内ハンドオーバ方式と、同じ無線アクセスシステム内かつ相異なる無線アクセス技術にて動作するネットワークに対してハンドオーバを実行する無線アクセス技術間ハンドオーバ方式と、相異なる無線アクセスシステム内のネットワークに対してハンドオーバを実行する無線アクセスシステム間ハンドオーバ方式とを含む。
【0012】
「無線アクセスシステム(Radio Access System)」とは、無線アクセス技術の上位概念であり、複数の無線アクセス技術を内包しうる概念である。例えば、3GPP(Third Generation Partnership Project)システムは3G無線アクセス技術とLTE無線アクセス技術とを含む。
以上の構成によれば、相異なる無線アクセス技術や無線アクセスシステムにて動作するネットワークをもハンドオーバ先として選択可能なので、同じ無線アクセス技術や無線アクセスシステムにて動作するネットワークのみをハンドオーバ先として選択する構成と比較して、ネットワーク全体の輻輳やネットワーク内の最上位ノードの輻輳等を迂回して通信セッションを継続できるため、サービスレベルをより高く維持することが可能である。
【0013】
本発明の好適な態様においては、前記基地局ノードが前記無線アクセス技術内ハンドオーバ方式に対応し、前記交換局ノードが前記無線アクセス技術間ハンドオーバ方式に対応し、前記ゲートウェイノードが前記無線アクセスシステム間ハンドオーバ方式に対応し、前記優先度情報生成部は、より上位(論理的によりインターネットに近い側)に位置するノードに対応するハンドオーバ方式の優先度がより高くなるように前記優先度情報を生成する。
【0014】
以上の構成によれば、ネットワーク内のノードの階層に応じてハンドオーバ方式の優先度が定められるので、ハンドオーバ先の選択がより適切となる。
【0015】
本発明に係る移動局は、各々が複数のノードを含み、相異なる無線アクセス技術にて動作する複数のネットワークを備える通信システムにおける移動局であって、複数の前記ネットワークのうち2以上のネットワークと無線通信が可能であり、前記移動局がハンドオーバによって接続することができる複数のハンドオーバ先候補ネットワークを記憶する記憶部と、前記移動局が現在接続している使用中ネットワークから、前記使用中ネットワーク内で輻輳が生じている箇所を示す輻輳箇所情報を取得する情報取得部と、前記輻輳箇所情報に応じて、前記移動局がハンドオーバにて利用すべきハンドオーバ方式の優先度を示す優先度情報を生成する優先度情報生成部と、前記優先度情報に基づいて前記ハンドオーバ先候補ネットワークからハンドオーバすべきハンドオーバ先ネットワークを選択する選択部と、前記ハンドオーバ先ネットワークに対してハンドオーバを実行するハンドオーバ実行部とを備える。以上の移動局でも、本発明の通信システムと同様の作用および効果が奏される。
【0016】
本発明に係る他の通信システムは、各々が複数のノードを含み、相異なる無線アクセス技術にて動作する複数のネットワークと、複数の前記ネットワークのうち2以上のネットワークと無線通信が可能な移動局とを備える通信システムであって、複数の前記ネットワークの各々は、当該ネットワーク内で輻輳が生じている輻輳箇所を示す輻輳箇所情報を記憶するハンドオーバ制御ノードを備え、前記移動局は、前記移動局がハンドオーバによって接続することができる複数のハンドオーバ先候補ネットワークを、前記移動局が現在接続している使用中ネットワークの前記ハンドオーバ制御ノードに通知する通知部を備え、前記使用中ネットワークの前記ハンドオーバ制御ノードは、前記輻輳箇所情報に応じて、前記移動局がハンドオーバにて利用すべきハンドオーバ方式の優先度を示す優先度情報を生成する優先度情報生成部と、前記優先度情報に基づいて、前記ハンドオーバ先候補ネットワークから、前記移動局がハンドオーバすべきハンドオーバ先ネットワークを選択する選択部と、前記移動局を前記ハンドオーバ先ネットワークに対してハンドオーバさせるハンドオーバ実行部とを備える。
以上の構成によれば、使用中ネットワーク内で輻輳が生じている箇所に応じてハンドオーバ方式の優先度を決定し、優先度に基づきハンドオーバ先を選択するので、輻輳の有無のみに応じてハンドオーバ先を選択する構成と比較して、ハンドオーバ先がより適切に選択される。また、相異なる無線アクセス技術にて動作するネットワークをもハンドオーバ先として選択可能なので、同じ無線アクセス技術にて動作するネットワークのみをハンドオーバ先として選択する構成と比較して、サービスレベルをより高く維持することが可能である。
【0017】
本発明の好適な態様においては、複数の前記ネットワークの各々は、当該ネットワークが準拠する前記無線アクセス技術を示す情報を含む報知情報を送信する報知情報送信ノードをさらに備え、前記ハンドオーバ制御ノードは、当該ネットワークが前記移動局をハンドオーバさせることができる他のネットワークを示すネットワークハンドオーバ能力情報をさらに記憶し、前記移動局は、前記使用中ネットワーク以外のネットワークである非使用ネットワークの前記報知情報送信ノードから前記報知情報を取得する情報取得部と、前記移動局がハンドオーバによって接続することができる複数の潜在的ハンドオーバ先候補ネットワークと、前記潜在的ハンドオーバ先候補ネットワークのうち前記報知情報が取得されたネットワークを移動局ハンドオーバ先候補ネットワークとして記憶する記憶部とを備え、前記通知部は、前記移動局ハンドオーバ先候補ネットワークを前記使用中ネットワークの前記ハンドオーバ制御ノードに通知し、前記使用中ネットワークの前記ハンドオーバ制御ノードは、前記移動局ハンドオーバ先候補ネットワークのうち前記ネットワークハンドオーバ能力情報に示されたネットワークを、実在的ハンドオーバ先候補ネットワークとして記憶し、前記優先度情報に基づいて、前記実在的ハンドオーバ先候補ネットワークから、前記移動局がハンドオーバすべきハンドオーバ先ネットワークを選択する。
【0018】
本発明の好適な態様においては、前記通信システムは、相異なる複数の無線アクセスシステムを含み、前記無線アクセスシステムの各々は、1つの無線アクセス技術にて動作する1つのネットワークまたは相異なる無線アクセス技術にて動作する2以上のネットワークを含み、複数の前記ネットワークの各々は、前記移動局と直接的に接続可能な基地局ノードと、前記基地局ノードの上位に存在し、同じ無線アクセスシステム内の他のネットワークと接続可能な交換局ノードとを備え、1つの前記無線アクセスシステムに含まれる前記複数のネットワークの少なくともいずれか1つは、前記交換局ノードの上位に存在し、同じ無線アクセスシステム内の他のネットワークの交換局ノードと、インターネットとに接続可能なゲートウェイノードを備え、前記輻輳箇所情報は、前記基地局ノード、前記交換局ノード、および前記ゲートウェイノードを含む前記ノード毎に輻輳が生じているか否かを示し、前記ハンドオーバ方式は、同じ無線アクセス技術にて動作するネットワークに対してハンドオーバを実行する無線アクセス技術内ハンドオーバ方式と、同じ無線アクセスシステム内かつ相異なる無線アクセス技術にて動作するネットワークに対してハンドオーバを実行する無線アクセス技術間ハンドオーバ方式と、相異なる無線アクセスシステム内のネットワークに対してハンドオーバを実行する無線アクセスシステム間ハンドオーバ方式とを含む。
【0019】
本発明の好適な態様においては、前記基地局ノードが前記無線アクセス技術内ハンドオーバ方式に対応し、前記交換局ノードが前記無線アクセス技術間ハンドオーバ方式に対応し、前記ゲートウェイノードが前記無線アクセスシステム間ハンドオーバ方式に対応し、前記優先度情報生成部は、より上位に位置するノードに対応するハンドオーバ方式の優先度がより高くなるように前記優先度情報を生成する。
【0020】
本発明に係るハンドオーバ制御装置は、各々が複数のノードを含み、相異なる無線アクセス技術にて動作する複数のネットワークと、複数の前記ネットワークのうち2以上のネットワークと無線通信が可能な移動局とを備える通信システムにおけるハンドオーバ制御装置であって、前記ハンドオーバ制御装置が属するネットワーク内で輻輳が生じている輻輳箇所を示す輻輳箇所情報と、前記移動局から通知される、前記移動局がハンドオーバによって接続することができる複数のハンドオーバ先候補ネットワークとを記憶する記憶部と、前記輻輳箇所情報に応じて、前記移動局がハンドオーバにて利用すべきハンドオーバ方式の優先度を示す優先度情報を生成する優先度情報生成部と、前記優先度情報に基づいて、前記ハンドオーバ先候補ネットワークから、前記移動局がハンドオーバすべきハンドオーバ先ネットワークを選択する選択部と、前記移動局を前記ハンドオーバ先ネットワークに対してハンドオーバさせるハンドオーバ実行部とを備える。以上のハンドオーバ制御装置でも、本発明の通信システムと同様の作用および効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムを示す図である。
【図2】通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態の情報送信サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】輻輳箇所情報のフォーマットを示す図である。
【図5】報知情報のフォーマットを示す図である。
【図6】ネットワークハンドオーバ能力情報のフォーマットを示す図である。
【図7】第1実施形態の移動局の構成を示すブロック図である。
【図8】潜在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報のフォーマットを示す図である。
【図9】第1実施形態のハンドオーバ制御の情報フローダイアグラムである。
【図10】移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報の生成を示す模式図である。
【図11】実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報の生成を示す模式図である。
【図12】優先度情報の生成を示す模式図である。
【図13】ハンドオーバ先ネットワーク情報の生成を示す模式図である。
【図14】第2実施形態のハンドオーバ制御動作のフローチャートである。
【図15】第2実施形態の移動局の構成を示すブロック図である。
【図16】第2実施形態のハンドオーバ制御ノードの構成を示すブロック図である。
【図17】第2実施形態のハンドオーバ制御の情報フローダイアグラムである。
【図18】第2実施形態のハンドオーバ制御動作のフローチャートである。
【図19】変形例のハンドオーバ制御動作のフローチャートである。
【図20】変形例のハンドオーバ制御動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る通信システム1を示す図である。通信システム1は、移動局10と、LTEネットワーク20と、3Gネットワーク30と、無線LANネットワーク40とを備える。LTEネットワーク20はLTE通信規格にて動作し、3Gネットワーク30は3G通信規格にて動作し、無線LANネットワーク40は無線LAN通信規格(例えばIEEE 802.11n)にて動作する。すなわち、各ネットワーク(20,30,40)は、相異なる無線アクセス技術(Radio Access Technology。以下RATと称する場合がある)にて動作する。LTEネットワーク20はLTE基地局22を含む複数のLTEノードを備え、3Gネットワーク30は3G基地局32を含む複数の3Gノードを備え、無線LANネットワーク40は無線LAN基地局42を含む複数の無線LANノードを備える。なお、上述した無線アクセス技術は説明のための例示に過ぎず、例えば、通信システム1中の1つのネットワークにおいて、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の無線MANが無線アクセス技術として用いられてもよい。
【0023】
移動局10は複数の基地局(22,32,42)のそれぞれと無線通信を行うことが可能である。つまり、移動局10は複数の無線アクセス技術にて無線通信が可能なマルチモード端末であり、IEEE 802.21に規定されるMIH(Media Independent Handover)プロトコル等を利用して、相異なる通信規格に従うネットワーク間でのハンドオーバ(異種網間ハンドオーバ)を実行することが可能である。
【0024】
図2は、通信システム1の構成を示すブロック図である。3Gネットワーク30は、3G基地局32と3G交換局34とを3Gノードとして備える。3G基地局は移動局10と直接的に無線接続することが可能である。3G交換局34は3G基地局32の上位(論理的にインターネット70により近い側)に配置される。
【0025】
LTEネットワーク20は、LTE基地局22と、LTE交換局24と、P−GW(Packet Data Network Gateway)26と、情報送信サーバ28とをLTEノードとして備える。LTE基地局22は移動局10と直接的に無線接続することが可能である。LTE交換局24は、制御用交換局であるMME(Mobility Management Entity)242と、データ伝送用交換局であるS−GW(Serving Gateway)244とを備え、LTE基地局22の上位(インターネット70により近い側)に配置される。LTE交換局24のMME242は、3G交換局34(3Gネットワーク30)と接続可能である。P−GW26は、LTE交換局24の上位に存在し、3G交換局34(3Gネットワーク30)とインターネット70とに接続可能なゲートウェイノードである。情報送信サーバ28は、LTEネットワーク20に関する情報(輻輳箇所の情報等)を移動局10に送信する。
【0026】
LTEネットワーク20と3Gネットワーク30とは相異なる無線アクセス技術にて動作するが、共通の無線アクセスシステム(Radio Access System,以下RASと称する場合がある)である3GPPシステム50に含まれる。
【0027】
無線LANネットワーク40は、無線LAN基地局42と、ゲートウェイ46とを備える。無線LANネットワーク40は無線LANシステム60に含まれる。無線LAN基地局42は、移動局10と直接的に無線接続することが可能な無線LANノードであり、例えば無線LANアクセスポイントである。ゲートウェイ46は無線LAN基地局42の上位に存在する無線LANノードであり、インターネット70に接続可能である。なお、ゲートウェイ46は無線LAN交換局を兼ねており、異なる無線LANネットワーク(例えば802.11gに準拠するネットワークと802.11nに準拠するネットワーク)同士を接続することが可能である。
以上に示す通り、本発明の通信システム1は、相異なる複数の無線アクセスシステム(3GPPシステム50および無線LANシステム60)を含む。
【0028】
図3に第1実施形態の情報送信サーバ28の構成を示す。情報送信サーバ28は、記憶部282と、送受信部284と、ネットワークインタフェース286とを備える。記憶部282には、輻輳箇所情報LCnと報知情報LIとネットワークハンドオーバ能力情報LNCとが記憶される。輻輳箇所情報LCn(図4)は、LTEネットワーク20内で輻輳が生じている輻輳箇所をノード毎(LTE基地局22、LTE交換局24(MME242、S−GW244)、P−GW26)に示す情報であり、各ノードから送信される輻輳情報に応じて随時に更新される。報知情報LI(図5)は、LTEネットワーク20が準拠する無線アクセス技術(LTE)および無線アクセスシステム(3GPP)を示す情報を含む。ネットワークハンドオーバ能力情報LNC(図6)は、接続中の移動局10をLTEネットワーク20がシームレスにハンドオーバさせることができる他のネットワーク(3Gネットワーク30および無線LANネットワーク40)を示す。報知情報LIおよびネットワークハンドオーバ能力情報LNCには、ハンドオーバ制御の際に考慮される付加情報が含まれ得る。送受信部284は、輻輳箇所情報LCn、報知情報LI、およびネットワークハンドオーバ能力情報LNCをネットワークインタフェース286を介して移動局10に送信する。なお、各情報(LCn,LI,LNC)が個別に送信されてもよく、各情報の全部または一部が一括で送信されてもよい。以上に示すように、情報送信サーバ28は、輻輳箇所情報送信ノード、報知情報送信ノード、および能力情報送信ノードとして動作することが理解される。
【0029】
なお、図2では図示しないが、LTEネットワーク20の情報送信サーバ28と同等の機能を有するサーバが他のネットワーク(3Gネットワーク30および無線LANネットワーク40)にも存在する。
【0030】
図7に第1実施形態の移動局10の構成を示す。移動局10は、記憶部102と、制御CPU(Central Processing Unit)104と、LTEインタフェース130と、3Gインタフェース140と、無線LANインタフェース150とを備える。
【0031】
LTEインタフェース130にはLTEアンテナ132が接続され、3Gインタフェース140には3Gアンテナ142が接続され、無線LANインタフェース150には無線LANアンテナ152が接続される。なお、図3では便宜的に3つのインタフェースについてそれぞれ1本のアンテナが接続される構成が示されるが、移動局10が準拠する通信規格の数および種類に応じてインタフェース数およびアンテナ数が可変であることは当然に理解される。
【0032】
記憶部102は、潜在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUCを記憶する。潜在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUC(図8)は、移動局10がハンドオーバによって接続することができる複数のハンドオーバ先候補ネットワークを示す。潜在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUCには、ハンドオーバ制御の際に考慮される付加情報が含まれ得る。
【0033】
制御CPU104は、情報取得部106と、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報生成部108と、優先度情報生成部110と、選択部112と、ハンドオーバ実行部114と、通信部116とを備える。制御CPU104のこれらの要素は、制御CPU104がコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックである。
【0034】
情報取得部106は、移動局10が現在接続している使用中ネットワーク(例えば、LTEネットワーク20)の情報送信サーバ28から輻輳箇所情報LCnおよびネットワークハンドオーバ能力情報LNCを取得して記憶部102に記憶する。また、使用中ネットワーク以外のネットワーク(例えば、3Gネットワーク30および無線LANネットワーク40)の情報送信サーバ(報知情報送信ノード)から報知情報LIを取得して記憶部102に記憶する。
【0035】
実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報生成部108は、潜在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUCに示されたネットワークのうち、ネットワークハンドオーバ能力情報LNCに示されたネットワークであって報知情報LIが取得されたネットワークを、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAとして生成し記憶部102に記憶する。
【0036】
優先度情報生成部110は、輻輳箇所情報LCnに応じて、移動局10がハンドオーバにて利用すべきハンドオーバ方式の優先度を示す優先度情報LPを生成し記憶部102に記憶する。ハンドオーバ方式には、同じ無線アクセス技術にて動作するネットワークに対してハンドオーバを実行する無線アクセス技術内ハンドオーバ(Intra-RAT Handover)方式と、同じ無線アクセスシステム内かつ相異なる無線アクセス技術にて動作するネットワークに対してハンドオーバを実行する無線アクセス技術間ハンドオーバ(Inter-RAT Handover)方式と、相異なる無線アクセスシステム内のネットワークに対してハンドオーバを実行する無線アクセスシステム間ハンドオーバ(Inter-System Handover)方式とが含まれる。
【0037】
無線アクセス技術内ハンドオーバ方式は制御が容易であり、基地局ノードの輻輳回避に有効である。無線アクセス技術間ハンドオーバ方式は無線アクセス技術内ハンドオーバ方式よりも制御が困難であるが、基地局ノードの輻輳回避だけでなく交換局ノードの輻輳(すなわち、コアネットワークの輻輳)をも回避することが可能である。無線アクセスシステム間ハンドオーバ方式は無線アクセス技術間ハンドオーバ方式よりもさらに制御が困難であるが、基地局ノード・交換局ノードの輻輳回避だけでなく、ゲートウェイノードの輻輳をも回避することが可能である。また、無線アクセス技術内ハンドオーバを実行することにより確度高く通信サービス品質を維持することが可能である一方、無線アクセス技術間ハンドオーバ方式および無線アクセスシステム間ハンドオーバ方式の実行では必ずしも通信サービス品質が維持される訳ではない。以上の事情を考慮すると、輻輳箇所に応じて適切なハンドオーバ方式を選択することが通信サービス品質の維持のために必要であることが理解される。
【0038】
選択部112は、優先度情報LPに基づいて、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAから、移動局10がハンドオーバすべきハンドオーバ先ネットワークを選択し、ハンドオーバ先ネットワーク情報LHとして記憶部102に記憶する。ハンドオーバ実行部114は、ハンドオーバ先ネットワーク情報LHに基づいて(すなわち、選択部112が選択したハンドオーバ先ネットワークに対して)ハンドオーバを実行する。通信部116は、ハンドオーバ先ネットワークと通信セッションを確立して無線通信を継続する。
【0039】
図9から図13の例示を参照して、第1実施形態のハンドオーバ制御をより詳細に説明する。図9はハンドオーバ制御の情報フローダイアグラムである。図10から図13はハンドオーバ制御に用いられる各情報が生成される様子を示す模式図である。
【0040】
図10および図11は、図9の第1処理P1における実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAの生成を示す。第1処理P1での生成過程において、移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUAが生成される(図10)。
【0041】
実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報生成部108は、記憶部102に予め記憶されている潜在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUCと、移動局10が接続していないネットワーク(3Gネットワーク30および無線LANネットワーク40)から取得した各々の報知情報LIとを突き合わせて、移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUAを生成する。図10の例では、潜在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUCに示された移動局10が接続することができるネットワーク(LTE、3G、802.11g、802.11n、およびWiMAX)のうち、報知情報LIが取得されたネットワーク(すなわち、現時点で移動局10と無線通信が可能な範囲内に存在するネットワークである3G、802.11n、およびWiMAX)が、移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUAとしてリストアップされる。すなわち、移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUAにおいては、ネットワークのハンドオーバ能力は考慮されていない。なお、相互に対応する付加情報はリストアップされる際に結合される。
【0042】
次いで、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報生成部108は、生成した移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUAと、移動局10が使用中のネットワーク(LTEネットワーク20)から取得したネットワークハンドオーバ能力情報LNCとを突き合わせて、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAを生成する。図11の例では、現時点で移動局10と無線通信可能なネットワーク(3G、802.11n、およびWiMAX)のうち、LTEネットワーク20から移動局10をハンドオーバさせることが可能なネットワーク(3Gおよび802.11n)が、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAとしてリストアップされる。
【0043】
図12は、図9の第2処理P2における優先度情報LPの生成を示す。優先度情報生成部110は、使用中のネットワークから取得した輻輳箇所情報LCnと、記憶部102に予め記憶されているハンドオーバ方式順位情報LOとを突き合わせて、優先度情報LPを生成する。ハンドオーバ方式順位情報LOは、輻輳ノードとハンドオーバ方式とを対応づけるとともに、ハンドオーバ方式を選択する際の優先順位を規定する情報である。ハンドオーバ方式の優先順位は、通信サービス品質に与える影響が大きいノードに対応するハンドオーバ方式、すなわちネットワーク内でより上位にあるノードに対応するハンドオーバ方式ほど高く設定される。図12の例では、輻輳中のLTE交換局24(MME242)に対応するハンドオーバ方式は、優先順位が2位のRAT間ハンドオーバ(Inter-RAT Handover)である一方、輻輳中のP−GW26に対応するハンドオーバ方式は、優先順位が1位のRAS間ハンドオーバ(Inter-System Handover)である。したがって、優先度情報生成部110は、RAS間ハンドオーバの優先度(優先度1)がRAT間ハンドオーバの優先度(優先度2)を上回るように優先度情報LPを生成する。
【0044】
図13は、図9の第3処理P3におけるハンドオーバ先ネットワークの選択(ハンドオーバ先ネットワーク情報LHの生成)を示す。選択部112は、第2処理P2で生成された優先度情報LPと、記憶部102に記憶される使用中ネットワーク情報LLと、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAとを突き合わせて、ハンドオーバ先ネットワーク情報LHを生成する。使用中ネットワーク情報LLは、移動局10が現時点で使用しているネットワークの無線アクセスシステムおよび無線アクセス技術を示す情報である。図13の例では、最も優先度の高いハンドオーバ方式がRAS間ハンドオーバであるから、使用中ネットワークのRAS(3GPP)と異なるRASにて動作する無線LANネットワーク40が優先度1のハンドオーバ先として選択され、次に優先度の高いハンドオーバ方式がRAT間ハンドオーバであるから、使用中ネットワークのRAT(LTE)と異なるRATにて動作する3Gネットワーク30が優先度2のハンドオーバ先として選択される。すなわち、ハンドオーバ方式の優先度に従って、そのハンドオーバ方式に対応するハンドオーバ先ネットワークが順次に選択される。ハンドオーバ実行部114は、最も優先度の高い無線LANネットワーク40に対してハンドオーバを実行する。したがって、使用中ネットワーク(LTEネットワーク20)のP−GW26の輻輳が迂回されるので、移動局10とインターネット70との通信セッションを継続させることが可能である。
【0045】
選択されたハンドオーバ先ネットワークへのハンドオーバが失敗した場合、ハンドオーバ実行部114は、ハンドオーバ先ネットワーク情報LH中のより優先度の低いネットワークへのハンドオーバを順次に試行する。最下位の優先度のネットワークへのハンドオーバが失敗した場合には、ハンドオーバ実行部114は、ハンドオーバを実行せずに動作を終了する。以上の例では、優先度1の無線LANネットワーク40へのハンドオーバが失敗すると優先度2の3Gネットワーク30へのハンドオーバが試行される。3Gネットワーク30へのハンドオーバが失敗した場合には、他にハンドオーバを試行するネットワークが存在しないのでハンドオーバ動作が終了する。
【0046】
図14は、上述したハンドオーバ制御動作のフローチャートである。図9の第1処理P1が図14のステップS100からステップS108に対応し、図9の第2処理P2が図14のステップS200に対応し、図9の第3処理P3が図14のステップS300からステップS304に対応する。
【0047】
移動局10は、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAを所定時間ごとに取得する(すなわち、図9の第1処理P1は所定時間おきに繰り返される)。移動局10は、接続しているネットワークの情報送信サーバからネットワークハンドオーバ能力情報LNCを取得して記憶部102に記憶し(ステップS100)、接続していないネットワークから報知情報LIを取得して記憶部102に記憶する(ステップS102)。記憶部102内の潜在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUCと報知情報LIとから移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUAを生成して記憶部102に記憶し、記憶部102内の移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUAとネットワークハンドオーバ能力情報LNCとから実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAを生成して記憶部102に記憶する(ステップS104)。そして、移動局10は、接続中のネットワーク(情報送信サーバ)から輻輳箇所情報LCnが移動局10へ送信されたか否かを判定する(ステップS106)。輻輳箇所情報LCnは送信されていないと判定されると(ステップS106:NO)、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAを前回生成した時刻から所定時間が経過したか否かが判定される(ステップS108)。所定時間が経過していなければ輻輳箇所情報LCnが送信されるのを待機し(ステップS108:NO→ステップS106)、所定時間が経過していれば実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAを再度生成する(ステップS108:YES)。
【0048】
輻輳箇所情報LCnが送信されたと判定されると(ステップS106:YES)、移動局10は受信した輻輳箇所情報LCnを記憶部102に記憶し、輻輳箇所情報LCnとハンドオーバ方式順位情報LOとから優先度情報LPを生成して記憶部102に記憶する(ステップS200)。次いで、移動局10は、優先度情報LPと、使用中ネットワーク情報LLと、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAとからハンドオーバ先ネットワーク情報LHを生成して記憶部102に記憶する(ステップS300)。ハンドオーバ先ネットワーク情報LHに基づいて移動局10がハンドオーバを実行することにより(ステップS302)、ハンドオーバ先のネットワークと接続が開始されて無線通信セッションが継続される(ステップS304)。ハンドオーバ後、新たな接続先(ハンドオーバ先)のネットワークと移動局10とで以上の動作が繰り返される。
【0049】
以上に説明した第1実施形態によれば、使用中のネットワーク内で輻輳が生じている箇所に応じてハンドオーバ方式の優先度を決定し、優先度に基づきハンドオーバ先を選択するので、輻輳の有無のみに応じてハンドオーバ先を選択する構成と比較して、ハンドオーバ先がより適切に選択される。また、使用中のネットワークが移動局をハンドオーバさせることができるネットワーク(すなわち、ネットワークのハンドオーバ能力)を考慮してハンドオーバ先を選択するので、移動局のハンドオーバ能力のみに応じてハンドオーバ先を選択する構成と比較して、ハンドオーバの成功確率をより高めることができる。また、異なる無線アクセス技術や無線アクセスシステムにて動作するネットワークをもハンドオーバ先として選択可能なので、同じ無線アクセス技術や無線アクセスシステムにて動作するネットワークのみをハンドオーバ先として選択する構成と比較して、ネットワーク全体の輻輳やネットワーク内の最上位ノードの輻輳等を迂回して通信セッションを継続できるため、サービスレベルをより高く維持することが可能である。さらに、ネットワーク内のノードの階層構造に応じてハンドオーバ方式の優先度が定められるので、ハンドオーバ先の選択がより適切となる。
【0050】
<B:第2実施形態>
本発明の第2実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各態様において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0051】
図15に第2実施形態の移動局10Aの構成を示す。移動局10Aは、記憶部102と、制御CPU104と、LTEインタフェース130と、3Gインタフェース140と、無線LANインタフェース150とを備える。制御CPU104は、送受信部107と、移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報生成部109と、ハンドオーバ実行部114と、通信部116とを備える。
【0052】
図16に第2実施形態のハンドオーバ制御ノード29の構成を示す。ハンドオーバ制御ノード29は、第1実施形態の情報送信サーバ28に代えてLTEネットワーク20に備えられるLTEノードである。
【0053】
ハンドオーバ制御ノード29は、記憶部291と、制御CPU292と、ネットワークインタフェース298とを備える。記憶部291には、各ノードから送信される輻輳情報が随時に記憶され、また、ネットワークハンドオーバ能力情報LNCが予め記憶されている。制御CPU292は、送受信部293と、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報生成部294と、優先度情報生成部295と、選択部296と、ハンドオーバ制御部297とを備える。制御CPU292のこれらの要素は、制御CPU292がコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックである。送受信部293は、ネットワークインタフェース286を介して移動局10に報知情報LIを送信する。すなわち、ハンドオーバ制御ノード29は、報知情報送信ノードとしても機能する。
【0054】
なお、第1実施形態と同様、LTEネットワーク20のハンドオーバ制御ノード29と同等の機能を有するノードが他のネットワーク(3Gネットワーク30および無線LANネットワーク40)にも存在する。
【0055】
図17を参照して、第2実施形態のハンドオーバ制御を説明する。図17は第2実施形態のハンドオーバ制御の情報フローダイアグラムである。第2実施形態のハンドオーバ制御にて利用される各情報(LUC,LNC,LI,LCn,LUA,LA,LO,LP,LL,LH)の構成は、第1実施形態と同様である。
【0056】
移動局10Aの送受信部107は、使用中ネットワーク以外のネットワークのハンドオーバ制御ノード(報知情報送信ノード)から報知情報LIを取得して記憶部102に記憶する情報取得部として機能する。移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報生成部109は、記憶部102内の潜在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUCに示されたネットワークのうち、報知情報LIが取得されたネットワークを、移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUAとして生成し記憶部102に記憶する。送受信部107は、使用中のネットワーク(LTEネットワーク20)のハンドオーバ制御ノード29に移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUAを送信する。すなわち、移動局10Aの送受信部107は、移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUAを、使用中のネットワークのハンドオーバ制御ノード29に通知する通知部としても機能する。ハンドオーバ制御ノード29の送受信部293は、移動局10Aが送信した移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUAを受信して記憶部291に記憶する。
【0057】
実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報生成部294は、移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUAに示されたネットワークのうち、予め記憶部291に記憶されているネットワークハンドオーバ能力情報LNCに示されたネットワークを、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAとして生成し記憶部291に記憶する。
【0058】
優先度情報生成部295は、輻輳箇所情報LCnに応じて、移動局10Aがハンドオーバにて利用すべきハンドオーバ方式の優先度を示す優先度情報LPを生成し、記憶部291に記憶する。
【0059】
選択部296は、優先度情報LPに基づいて、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAから、移動局10Aがハンドオーバすべきハンドオーバ先ネットワークを選択し、ハンドオーバ先ネットワーク情報LHとして記憶部291に記憶する。ハンドオーバ制御部297は、ハンドオーバ先ネットワーク情報LHが示す優先度に基づいて、移動局10にハンドオーバ先ネットワークの指定とともにハンドオーバの実行を指示する。移動局10Aのハンドオーバ実行部114は、ハンドオーバ制御部297が指定したハンドオーバ先ネットワークに対してハンドオーバを実行する。すなわち、ハンドオーバ制御部297は、移動局10Aをハンドオーバ先ネットワークに対してハンドオーバさせる。通信部116は、ハンドオーバ先ネットワークと通信セッションを確立して無線通信を継続する。
【0060】
図18は、第2実施形態のハンドオーバ制御動作のフローチャートである。図17の第1処理P1が図18のステップS500からステップS508に対応し、図17の第2処理P2が図18のステップS600に対応し、図17の第3処理P3が図18のステップS700からステップS706に対応する。
【0061】
ハンドオーバ制御ノード29は、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAを所定時間ごとに取得する(すなわち、図17の第1処理P1は所定時間おきに繰り返される。ハンドオーバ制御ノード29が移動局10Aに移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUAの送信を指示すると、移動局10Aは、接続していないネットワークから報知情報LIを取得して記憶部102に記憶し(ステップS500)、記憶部102内の潜在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUCと報知情報LIとから移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUAを生成してハンドオーバ制御ノード29に送信する(ステップS502)。ハンドオーバ制御ノード29は、受信した移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUAと、記憶部291内のネットワークハンドオーバ能力情報LNCとから、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAを生成して記憶部291に記憶する(ステップS504)。そして、ハンドオーバ制御ノード29は、輻輳箇所情報LCnを参照して、輻輳が生じているノードがネットワーク内に存在するか否かを判定する(ステップS506)。輻輳ノードが存在していないと判定されると(ステップS506:NO)、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAを前回生成した時刻から所定時間が経過したか否かが判定される(ステップS508)。所定時間が経過していなければ輻輳ノードが生じるのを待機し(ステップS508:NO→ステップS506)、所定時間が経過していれば実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAを再度生成する(ステップS508:YES)。
【0062】
輻輳ノードが存在していると判定されると(ステップS506:YES)、ハンドオーバ制御ノード29は、輻輳箇所情報LCnとハンドオーバ方式順位情報LOとから優先度情報LPを生成して記憶部291に記憶する(ステップS600)。次いで、ハンドオーバ制御ノード29は、優先度情報LPと、使用中ネットワーク情報LLと、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAとからハンドオーバ先ネットワーク情報LHを生成して記憶部291に記憶する(ステップS700)。ハンドオーバ先ネットワーク情報LHに基づいて、ハンドオーバ制御ノード29が移動局10Aにハンドオーバの実行を指示する(ステップS702)。このハンドオーバ実行指示に基づいて移動局10Aがハンドオーバを実行することにより(ステップS704)、ハンドオーバ先のネットワークと接続が開始されて無線通信セッションが継続される(ステップS706)。ハンドオーバ後、新たな接続先(ハンドオーバ先)のネットワークと移動局10Aとで以上の動作が繰り返される。
【0063】
以上に説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が奏される。また、主としてネットワーク側でハンドオーバ制御動作を実行するので、第1実施形態の構成と比較して移動局の処理負荷が抑制される。したがって、移動局の消費電力を削減できるから、移動局の動作時間を長く維持することが可能である。他方、主として移動局側でハンドオーバ制御動作を実行する第1実施形態の構成では、ネットワーク側(情報送信サーバ等)での処理負荷が抑制される。したがって、輻輳の発生等が抑制されるので、通信サービス品質がより向上する。
【0064】
<C:変形例>
以上の実施の形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は相互に矛盾しない限り適宜に併合され得る。
【0065】
(1)変形例1
以上の各形態では、図12に示すように、使用中のネットワークから取得した輻輳箇所情報LCnと、記憶部102(記憶部291)に予め記憶されているハンドオーバ方式順位情報LOとを突き合わせることにより、優先度情報LPが生成された。しかしながら、図19のフローチャートに例示される動作で優先度情報LPが生成されてもよい。図19では、優先順位をより高くすべき上位ノードから順に(すなわち、ゲートウェイ→交換局→基地局の順に)輻輳中か否かを判定し(S800、S804、S808)、輻輳中と判定されたノードに対応するハンドオーバ方式を優先度情報LPの末尾に判定順に追加する(S802、S806、S810)。したがって、より上位のノードに対応するハンドオーバ方式ほど優先度を高めることが可能である。以上の構成によれば、輻輳箇所情報LCnとハンドオーバ方式順位情報LOとの突き合わせが不要となる。
【0066】
(2)変形例2
以上の各形態では、図13に示すように、優先度情報LPと、使用中ネットワーク情報LLと、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAとを突き合わせることで生成したハンドオーバ先ネットワーク情報LHに基づいてハンドオーバ先を選択した。しかしながら、優先度情報LPと使用中ネットワーク情報LLとに基づいて、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAから逐次にハンドオーバ先を選択してもよい。優先度情報LPが、優先度1から優先度N(Nは自然数)までのN個のハンドオーバ方式の優先度を示す場合を考える。図20のフローチャートに例示するように、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAから優先度1のハンドオーバ方式に対応するネットワークが選択され、ハンドオーバが実行される(S900、S902、S904)。優先度1に対応するネットワークへのハンドオーバが失敗すると(S906:NO)、優先度情報LPの末尾に達したか(換言すると、現在の優先度nが最後の優先度Nに等しいか、すなわちハンドオーバを試行すべきネットワークが尽きたか)を判定する(S908)。優先度情報LPの末尾に達していなければ(S908:NO)、次の優先度2に対応するネットワークへのハンドオーバが実行される(S910、S902、S904)。以上の動作が、ハンドオーバが成功するか(S906:YES)、優先度情報LPの末尾に達する(S908:YES)まで繰り返される。以上の構成によれば、ハンドオーバ先ネットワーク情報LHの生成が不要となる。
【0067】
(3)変形例3
以上の各形態では、潜在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUC、報知情報LI、およびネットワークハンドオーバ能力情報LNCから生成された実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAからハンドオーバ先ネットワークが選択された。しかしながら、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAを生成せず、例えば潜在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LUCからハンドオーバ先ネットワークを選択してもよい。すなわち、移動局がハンドオーバによって接続することができるネットワークの情報が含まれていれば、ハンドオーバ先候補ネットワーク情報の構成は任意である。ただし、実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報LAからハンドオーバ先ネットワークを選択する構成では、現時点で実際に接続可能なネットワークのみからハンドオーバ先ネットワークが選択されるので、ハンドオーバが成功しやすくなるという利点がある。
【0068】
(4)変形例4
第1実施形態では、ネットワーク内に備えられた情報送信サーバ28が、輻輳箇所情報送信ノード、報知情報送信ノード、および能力情報送信ノードとして機能したが、輻輳箇所情報送信ノード、報知情報送信ノード、および能力情報送信ノードがネットワーク内にそれぞれ別個に備えられてもよい。また、輻輳箇所情報送信ノード、報知情報送信ノード、および能力情報送信ノードとしての機能の全部または一部が、ネットワーク内の他のノード(ゲートウェイノード、交換局ノード、基地局ノード等)によって担われてもよい。
また、第2実施形態では、ハンドオーバを制御するハンドオーバ制御ノード29が他のノードと別個に備えられたが、ハンドオーバ制御ノード29としての機能の全部または一部が、ネットワーク内の他のノード(ゲートウェイノード、交換局ノード、基地局ノード等)によって担われてもよい。
【0069】
(5)変形例5
移動局10(移動局10A)は、相異なる無線アクセス技術および無線アクセスシステムにて動作する複数のネットワークと無線通信が可能な任意の装置である。例えば、移動局10(移動局10A)は、携帯電話端末でもよく、デスクトップ型パーソナルコンピュータでもよく、ノート型パーソナルコンピュータでもよく、UMPC(Ultra-Mobile Personal Computer)でもよく、携帯用ゲーム機でもよく、その他の無線端末でもよい。
【0070】
(6)変形例6
移動局10(移動局10A)およびハンドオーバ制御ノード29において、CPU(制御CPU104,制御CPU292)が実行する各機能は、CPUの代わりに、ハードウェアで実行してもよいし、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルロジックデバイスで実行してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1……通信システム、10(10A)……移動局、102……記憶部、104……制御CPU、106……情報取得部、107……送受信部、108……実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報生成部、109……移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報生成部、110……優先度情報生成部、112……選択部、114……ハンドオーバ実行部、116……通信部、20……LTEネットワーク、22……LTE基地局、24……LTE交換局、242……MME、244……S−GW、26……P−GW、28……情報送信サーバ、282……記憶部、284……送受信部、286……ネットワークインタフェース、29……ハンドオーバ制御ノード、291……記憶部、292……制御CPU、293……送受信部、294……実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報生成部、295……優先度情報生成部、296……選択部、297……ハンドオーバ制御部、298……ネットワークインタフェース、30……3Gネットワーク、32……3G基地局、34……3G交換局、40……無線LANネットワーク、42……無線LAN基地局、46……ゲートウェイ、50……3GPPシステム、60……無線LANシステム、LA……実在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報、LCn……輻輳箇所情報、LI……報知情報、LNC……ネットワークハンドオーバ能力情報、LP……優先度情報、LUA……移動局ハンドオーバ先候補ネットワーク情報、LUC……潜在的ハンドオーバ先候補ネットワーク情報。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が複数のノードを含み、相異なる無線アクセス技術にて動作する複数のネットワークと、複数の前記ネットワークのうち2以上のネットワークと無線通信が可能な移動局とを備える通信システムであって、
複数の前記ネットワークの各々は、
当該ネットワーク内で輻輳が生じている輻輳箇所を示す輻輳箇所情報を前記移動局に送信する輻輳箇所情報送信ノードを備え、
前記移動局は、
前記移動局がハンドオーバによって接続することができる複数のハンドオーバ先候補ネットワークを記憶する記憶部と、
前記移動局が現在接続している使用中ネットワークの前記輻輳箇所情報送信ノードから前記輻輳箇所情報を取得する情報取得部と、
前記輻輳箇所情報に応じて、前記移動局がハンドオーバにて利用すべきハンドオーバ方式の優先度を示す優先度情報を生成する優先度情報生成部と、
前記優先度情報に基づいて、前記ハンドオーバ先候補ネットワークから、前記移動局がハンドオーバすべきハンドオーバ先ネットワークを選択する選択部と、
前記ハンドオーバ先ネットワークに対してハンドオーバを実行するハンドオーバ実行部とを備える
通信システム。
【請求項2】
複数の前記ネットワークの各々は、
当該ネットワークが準拠する前記無線アクセス技術を示す情報を含む報知情報を送信する報知情報送信ノードと、当該ネットワークが前記移動局をハンドオーバさせることができる他のネットワークを示すネットワークハンドオーバ能力情報を前記移動局に送信する能力情報送信ノードとをさらに備え、
前記情報取得部は、
前記使用中ネットワークの前記能力情報送信ノードから前記ネットワークハンドオーバ能力情報を取得し、前記使用中ネットワーク以外のネットワークである非使用ネットワークの前記報知情報送信ノードから前記報知情報を取得し、
前記記憶部は、
前記移動局がハンドオーバによって接続することができる複数の潜在的ハンドオーバ先候補ネットワークと、
前記潜在的ハンドオーバ先候補ネットワークのうち、前記ネットワークハンドオーバ能力情報に示されたネットワークであって前記報知情報が取得されたネットワークである実在的ハンドオーバ先候補ネットワークとを記憶し、
前記選択部は、
前記優先度情報に基づいて前記実在的ハンドオーバ先候補ネットワークからハンドオーバすべきハンドオーバ先ネットワークを選択する
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記通信システムは、相異なる複数の無線アクセスシステムを含み、
前記無線アクセスシステムの各々は、1つの無線アクセス技術にて動作する1つのネットワークまたは相異なる無線アクセス技術にて動作する2以上のネットワークを含み、
複数の前記ネットワークの各々は、前記移動局と直接的に接続可能な基地局ノードと、前記基地局ノードの上位に存在し、同じ無線アクセスシステム内の他のネットワークと接続可能な交換局ノードとを備え、
1つの前記無線アクセスシステムに含まれる前記複数のネットワークの少なくともいずれか1つは、前記交換局ノードの上位に存在し、同じ無線アクセスシステム内の他のネットワークの交換局ノードと、インターネットとに接続可能なゲートウェイノードを備え、
前記輻輳箇所情報は、前記基地局ノード、前記交換局ノード、および前記ゲートウェイノードを含む前記ノード毎に輻輳が生じているか否かを示し、
前記ハンドオーバ方式は、同じ無線アクセス技術にて動作するネットワークに対してハンドオーバを実行する無線アクセス技術内ハンドオーバ方式と、同じ無線アクセスシステム内かつ相異なる無線アクセス技術にて動作するネットワークに対してハンドオーバを実行する無線アクセス技術間ハンドオーバ方式と、相異なる無線アクセスシステム内のネットワークに対してハンドオーバを実行する無線アクセスシステム間ハンドオーバ方式とを含む
請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記基地局ノードが前記無線アクセス技術内ハンドオーバ方式に対応し、前記交換局ノードが前記無線アクセス技術間ハンドオーバ方式に対応し、前記ゲートウェイノードが前記無線アクセスシステム間ハンドオーバ方式に対応し、
前記優先度情報生成部は、より上位に位置するノードに対応するハンドオーバ方式の優先度がより高くなるように前記優先度情報を生成する
請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
各々が複数のノードを含み、相異なる無線アクセス技術にて動作する複数のネットワークを備える通信システムにおける移動局であって、
複数の前記ネットワークのうち2以上のネットワークと無線通信が可能であり、
前記移動局がハンドオーバによって接続することができる複数のハンドオーバ先候補ネットワークを記憶する記憶部と、
前記移動局が現在接続している使用中ネットワークから、前記使用中ネットワーク内で輻輳が生じている箇所を示す輻輳箇所情報を取得する情報取得部と、
前記輻輳箇所情報に応じて、前記移動局がハンドオーバにて利用すべきハンドオーバ方式の優先度を示す優先度情報を生成する優先度情報生成部と、
前記優先度情報に基づいて前記ハンドオーバ先候補ネットワークからハンドオーバすべきハンドオーバ先ネットワークを選択する選択部と、
前記ハンドオーバ先ネットワークに対してハンドオーバを実行するハンドオーバ実行部とを備える
移動局。
【請求項6】
各々が複数のノードを含み、相異なる無線アクセス技術にて動作する複数のネットワークと、複数の前記ネットワークのうち2以上のネットワークと無線通信が可能な移動局とを備える通信システムであって、
複数の前記ネットワークの各々は、
当該ネットワーク内で輻輳が生じている輻輳箇所を示す輻輳箇所情報を記憶するハンドオーバ制御ノードを備え、
前記移動局は、
前記移動局がハンドオーバによって接続することができる複数のハンドオーバ先候補ネットワークを、前記移動局が現在接続している使用中ネットワークの前記ハンドオーバ制御ノードに通知する通知部を備え、
前記使用中ネットワークの前記ハンドオーバ制御ノードは、
前記輻輳箇所情報に応じて、前記移動局がハンドオーバにて利用すべきハンドオーバ方式の優先度を示す優先度情報を生成する優先度情報生成部と、
前記優先度情報に基づいて、前記ハンドオーバ先候補ネットワークから、前記移動局がハンドオーバすべきハンドオーバ先ネットワークを選択する選択部と、
前記移動局を前記ハンドオーバ先ネットワークに対してハンドオーバさせるハンドオーバ実行部とを備える
通信システム。
【請求項7】
複数の前記ネットワークの各々は、
当該ネットワークが準拠する前記無線アクセス技術を示す情報を含む報知情報を送信する報知情報送信ノードをさらに備え、
前記ハンドオーバ制御ノードは、
当該ネットワークが前記移動局をハンドオーバさせることができる他のネットワークを示すネットワークハンドオーバ能力情報をさらに記憶し、
前記移動局は、
前記使用中ネットワーク以外のネットワークである非使用ネットワークの前記報知情報送信ノードから前記報知情報を取得する情報取得部と、
前記移動局がハンドオーバによって接続することができる複数の潜在的ハンドオーバ先候補ネットワークと、
前記潜在的ハンドオーバ先候補ネットワークのうち前記報知情報が取得されたネットワークを移動局ハンドオーバ先候補ネットワークとして記憶する記憶部とを備え、
前記通知部は、前記移動局ハンドオーバ先候補ネットワークを前記使用中ネットワークの前記ハンドオーバ制御ノードに通知し、
前記使用中ネットワークの前記ハンドオーバ制御ノードは、
前記移動局ハンドオーバ先候補ネットワークのうち前記ネットワークハンドオーバ能力情報に示されたネットワークを、実在的ハンドオーバ先候補ネットワークとして記憶し、
前記優先度情報に基づいて、前記実在的ハンドオーバ先候補ネットワークから、前記移動局がハンドオーバすべきハンドオーバ先ネットワークを選択する
請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記通信システムは、相異なる複数の無線アクセスシステムを含み、
前記無線アクセスシステムの各々は、1つの無線アクセス技術にて動作する1つのネットワークまたは相異なる無線アクセス技術にて動作する2以上のネットワークを含み、
複数の前記ネットワークの各々は、前記移動局と直接的に接続可能な基地局ノードと、前記基地局ノードの上位に存在し、同じ無線アクセスシステム内の他のネットワークと接続可能な交換局ノードとを備え、
1つの前記無線アクセスシステムに含まれる前記複数のネットワークの少なくともいずれか1つは、前記交換局ノードの上位に存在し、同じ無線アクセスシステム内の他のネットワークの交換局ノードと、インターネットとに接続可能なゲートウェイノードを備え、
前記輻輳箇所情報は、前記基地局ノード、前記交換局ノード、および前記ゲートウェイノードを含む前記ノード毎に輻輳が生じているか否かを示し、
前記ハンドオーバ方式は、同じ無線アクセス技術にて動作するネットワークに対してハンドオーバを実行する無線アクセス技術内ハンドオーバ方式と、同じ無線アクセスシステム内かつ相異なる無線アクセス技術にて動作するネットワークに対してハンドオーバを実行する無線アクセス技術間ハンドオーバ方式と、相異なる無線アクセスシステム内のネットワークに対してハンドオーバを実行する無線アクセスシステム間ハンドオーバ方式とを含む
請求項7に記載の通信システム。
【請求項9】
前記基地局ノードが前記無線アクセス技術内ハンドオーバ方式に対応し、前記交換局ノードが前記無線アクセス技術間ハンドオーバ方式に対応し、前記ゲートウェイノードが前記無線アクセスシステム間ハンドオーバ方式に対応し、
前記優先度情報生成部は、より上位に位置するノードに対応するハンドオーバ方式の優先度がより高くなるように前記優先度情報を生成する
請求項8に記載の通信システム。
【請求項10】
各々が複数のノードを含み、相異なる無線アクセス技術にて動作する複数のネットワークと、複数の前記ネットワークのうち2以上のネットワークと無線通信が可能な移動局とを備える通信システムにおけるハンドオーバ制御装置であって、
前記ハンドオーバ制御装置が属するネットワーク内で輻輳が生じている輻輳箇所を示す輻輳箇所情報と、前記移動局から通知される、前記移動局がハンドオーバによって接続することができる複数のハンドオーバ先候補ネットワークとを記憶する記憶部と、
前記輻輳箇所情報に応じて、前記移動局がハンドオーバにて利用すべきハンドオーバ方式の優先度を示す優先度情報を生成する優先度情報生成部と、
前記優先度情報に基づいて、前記ハンドオーバ先候補ネットワークから、前記移動局がハンドオーバすべきハンドオーバ先ネットワークを選択する選択部と、
前記移動局を前記ハンドオーバ先ネットワークに対してハンドオーバさせるハンドオーバ実行部とを備える
ハンドオーバ制御装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−222778(P2012−222778A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89943(P2011−89943)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】