通信システムと通信端末、及びネットワーク切り替え方法
【課題】回線障害等でオンライン決済処理が困難となった場合に、回線障害が復旧するまで代替手段がなかった。
【解決手段】少なくとも二つのネットワークで、POS端末101とホストシステム122との間が接続される通信システムにおいて、通信端末は、閉域IP網108を介してホストシステム宛に送信した送信データと、一のネットワークを介してホストシステムが返信した応答データとを比較する比較手段と、送信データと応答データとが不一致の場合又は応答データを受信しない場合はISDN交換機網109に切り替える制御手段と、を備える。通信端末は、ISDN交換機網へ切り替え後に、閉域IP網を介してホストシステム宛に送信データを送り、制御手段は、比較手段が送信データと応答データとの一致を検出した場合に、閉域IP網に切り替える。
【解決手段】少なくとも二つのネットワークで、POS端末101とホストシステム122との間が接続される通信システムにおいて、通信端末は、閉域IP網108を介してホストシステム宛に送信した送信データと、一のネットワークを介してホストシステムが返信した応答データとを比較する比較手段と、送信データと応答データとが不一致の場合又は応答データを受信しない場合はISDN交換機網109に切り替える制御手段と、を備える。通信端末は、ISDN交換機網へ切り替え後に、閉域IP網を介してホストシステム宛に送信データを送り、制御手段は、比較手段が送信データと応答データとの一致を検出した場合に、閉域IP網に切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システムと通信端末、及びネットワーク切り替え方法に係わり、特に、ネットワーク切り替え機能を有する通信システムと通信端末、及びこれらに用いるネットワーク切り替え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オンライン決済処理はこれまで、公衆電話回線あるいはISDN回線(Bchダイヤルアップ/Dchパケット)において実施されてきた。
【0003】
この場合、Dchパケットを利用する場合が一番安価で1回の処理を数パケットで実施できるため、2〜3円となる。
【0004】
公衆回線、あるいはISDN回線上のBchダイヤルアップ接続では、距離による課金と通話時間によって最低でも10円前後の通話料金が必要となる。
【0005】
ADSL、光ファイバーを利用した定額なブロードバンド接続が主流となりつつある現在、他の用途で導入する定額IPネットワーク接続をオンライン決済処理でも利用することで、さらにオンライン決済処理にかかる費用を低減できる可能性がでてきている。
【0006】
このようにしてTCP/IPを利用してIP-VPN接続などのセキュリティを重視したネットワーク上でオンライン決済処理を実施する動きが高まってきている。
【0007】
しかし、現状では通信事業者の局からの距離に通信品質が依存するADSL接続や、日本全国に配備中の光ファイバー接続を利用したIPネットワークはISDN回線ほどの信頼性を確保できていないといえる。
【0008】
本発明に関連する技術としては、特許文献1に、ネットワークコントローラが、第1のネットワークで障害が発生したと判定した場合に、第2のネットワークに切り替え、復旧した場合は第1のネットワークに切り替えることの記載がある。また、特許文献2には、端末がIPパケットを送信し、ルータがDチャネルパケットに変換してホストシステムに送信し、ホストシステムからの回答用DチャネルパケットをルータがIPパケットに変換して端末に転送することの記載がある。
【特許文献1】特開平7−28726号公報(図4、図6)
【特許文献2】特開2005−020567号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
オンライン決済処理では、ブロードバンド回線、ISDN回線、公衆電話回線等をネットワークインフラとして利用しているが回線障害等でオンライン決済処理が困難となった場合に、回線障害が復旧するまで代替手段がなかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の通信システムは、少なくとも二つのネットワークで、通信端末とホストシステムとの間が接続される通信システムにおいて、
前記通信端末は、
一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信した送信データと、前記一のネットワークを介して前記ホストシステムが返信した応答データとを比較する比較手段と、
前記送信データと前記応答データとが不一致の場合又は前記応答データを受信しない場合は他のネットワークに切り替える制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明のネットワーク切り替え方法は、少なくとも二つのネットワークで、通信端末とホストシステムとの間が接続される通信システムのネットワーク切り替え方法において、
前記通信端末は、
一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信した送信データと、前記一のネットワークを介して前記ホストシステムが返信した応答データとを比較し、
前記送信データと前記応答データとが不一致の場合又は前記応答データを受信しない場合は他のネットワークに切り替えることを特徴とする。
【0012】
本発明の通信端末は、少なくとも二つのネットワークで、ホストシステムと接続される通信端末であって、
一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信した送信データと、前記一のネットワークを介して前記ホストシステムから受信した応答データとを比較する比較手段と、
前記送信データと前記応答データとが不一致の場合又は前記応答データを受信しない場合は他のネットワークに切り替える制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、障害時等の状況で自動あるいは手動でネットワークインフラの切り替えを可能とすることで耐障害性を高めたシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1はPOS端末を利用したオンライン決済システムの一例を示す図である。
【0015】
ブロードバンドルータ103はISDN交換機網109と閉域IP網(IP-VPN)108を収容するルータを選択している。
【0016】
閉域IP網108では、TCP/IPパケットを利用するために定額IP-VPNの契約している。物理的な閉域IP網との接続は、光ファイバーケーブル107を用いる。ISDN交換機網109はDchパケットを利用するためにISDN回線パケット契約をしている。
【0017】
通常のオンライン決済処理は、閉域IP網108を利用し、TCP/IPパケットを利用して行う。
【0018】
すなわち、通常時では、POS端末101より送信されたTCPパケットはブロードバンドルータ103でルーティングされ、閉域IP網108を展開する通信事業者を経由して、オンライン決済センター(ホストシステムとなる)側のブロードバンドルータ116へルーティングされる。さらにスイッチングHUB120などを経由して、オンライン決済センターホストシステム122へと転送される。この場合、オンライン決済処理における料金は、定額IP-VPNの契約によりオンライン決済処理数(パケット数)に依存しない。
【0019】
閉域IP網108に障害等発生した場合は、インフラをISDN交換機網109に切り替え、TCP/IPパケットの代わりにDchパケットを利用して、オンライン決済処理を継続可能とする。
【0020】
すなわち、傷害時には、POS端末101より送信されたTCPパケットは、ブロードバンドルータ103でDchパケットに変換され、ISDN交換機網109を展開する通信事業者を経由してISDN回線収容端末117へ転送される。このISDN回線収容端末117はDchパケットをTCPパケットに変換し、オンライン決済センターホストシステム122へと転送する。この場合、オンライン決済処理における料金は、Dchパケット数による従量課金(1パケットあたり0.4円あるいは0.8円)となる。
【0021】
図15はPOS端末101のネットワーク切替処理に係わる構成部分について売上処理ソフトウエアを例に示す図である。
【0022】
POS端末101は画面および、キー入力、タッチパネル入力などユーザーインターフェースを持つ端末であり、売上処理ソフトウエア1002においては、ユーザーインターフェース1001から起動される。
【0023】
売上処理1002はISDN通信ライブラリ1004をリンクされたクレジット処理ソフトウエアモジュール1003を内部に処理モジュールとして内包している。クレジット処理ソフトウエアモジュール1003はオンライン決済センター122とデータ通信を行うことを目的として、回線制御ソフトウエア1005を利用するために、ISDN通信ライブラリ1004をリンクしている。回線制御ソフトウエア1005はTCP/IPソケットライブラリ1006をリンクし、TCP/IPプロトコルスタック1007、LANアダプタドライバ1008、LANアダプタ1009を経由してイーサネット(登録商標)LANに接続され、物理的にブロードバンドルータ103とイーサネットLAN上でTCP/IP通信を可能とする。
【0024】
図16は売上処理ソフトウエア1002の処理ルーチンの例として、クレジット処理に関するフローを示している。画面表示、売り上げ入力、及び売上データ作成については説明を省略する。クレジットカードデータをカードリーダなどで、読み取る処理を[カード入力]1101と表現しているが、ここで入力されたクレジットカードデータを元に、[売上要求電文作成]1102が実施され、[売上要求電文]1103がメモリに格納される。
【0025】
ISDN通信ライブラリであるisdn_call関数を利用して、ホストへ発呼1104が実施され、isdn_sense関数を利用して、回線接続確認をし、isdn_status関数を利用して、データ通信状態確認をし、isdn_send関数に、先の[売上要求電文]1103を指定して[売上要求電文送信]1105が実施される。そして、isdn_receive関数を利用して、売上応答電文受信を行い、クレジット決済がOKならば売上正常で終了する。クレジット決済がNGならば売上異常で終了する(決済拒否)。
【0026】
図17はisdn_call関数の処理フローの概要を示す図である。
【0027】
[ルータのPORT=30020へ接続]1201を実施することで、ダイヤルアップルータ113から自動的に発呼される仕組みとなっている。
【0028】
[接続OK?]1202で判定され、接続処理が正常であれば、[return OK]1203の結果が呼び出し元に返却される。
【0029】
また、接続処理が異常の場合は、[return NG]1204の結果が呼び出し元に返却されることになる。
【0030】
図18は図17のisdn_call関数に回線選択の自動検出機能を加え改良したisdn_call関数を示す図である。
【0031】
[通常 or 障害]1205は現在の回線選択先を示す内部状態を検出している。
【0032】
正常時はブロードバンド回線への接続となる、[ルータのPORT=30030へ接続]1201を実施し、[接続OK?]1202の判定がOKとなった場合、[return OK]1203を呼び出し元へ返却する。[接続OK?]1202の判定がNGとなった場合、ブロードバンド回線が使用不能と判定し、[ルータのPORT=30020へ接続]1206を実施し、[接続OK?]1207の判定がOKであれば、内部状態を障害時へと変更し、[return OK]1203を呼び出し元に返却する。[接続OK?]1207の判定がNGであれば、[return NG]1204を呼び出し元へ返却し、内部状態は通常時のまま返却しないものとしている。
【0033】
図19はisdn_send関数の処理フローの概要を示す図である。
【0034】
[ルータへデータ送信]1301にて、呼び出し元から受け取った送信データを送信し、処理結果を[送信OK?]1302で判定し、OKであれば[return OK]1303を呼び出し元へ返却する。[送信OK?]1302で判定し、NGであれば[return NG]1304を返却する。
【0035】
図20は図19のisdn_send関数に図18で示したisdn_call関数による再発呼処理を加え、通常時から障害時に自動的にデータの送信先を変更する処理を加え改良したものである。呼び出しもとより要求のあった送信データを[ルータへデータ送信]1301で送信し、[送信OK?]1302で判定がOKの場合、[return OK]1303を呼び出し元へ返却するフローは同様となる。判定結果がNGとなった場合は、さらに[障害 or 通常]1305で判定を実施し、障害時となった場合は、すでに内部状態が障害時に移行しているので、ISDN回線でエラーとなったものとし、[return NG]1304を呼び出しもとに返却する。
【0036】
[障害 or 通常]1305の判定が通常時の場合は、isdn_call関数を内部で実施する、図18によれば自動的に[ルータのPORT=30020への接続]1206が実施され、障害時に以降し、OKあるいはNGを返却することになる。このisdn_callの戻り値を[OK?]1307で判定し、OKであればisdn_send関数の呼び出し元から要求のあった送信データを[ルータへデータ送信]1308で送信する。[送信OK?]1309でさらに判定し、OKであれば[送信OK?]1302と同様に、[return OK]1303を呼び出し元へ返却する。[送信OK?]1309がNGの場合は、尚、図20のisdn_send関数でのisdn_call関数の再発呼処理は従来のisdn_send関数でもリトライ処理として効果あるが、一般的にこの処理は呼び出しもとで実施されることが多く、isdn_sendに実装されることは少ない。
【0037】
このように、呼び出しもととなる図15のクレジット処理ソフトウエアモジュール1003などを変更することなく、あるいは軽微な変更で、回線の自動選択方式の導入を可能としている。
【0038】
以下、ISDN通信ライブラリの関数一覧(概要)を示す。
FRAPI-Aライブラリ
isdn_open ISDN回線制御を開始する
isdn_close ISDN回線制御を終了する
isdn_call ISDN回線で発呼する
isdn_accept ISDN回線に着呼許可する
isdn_response: ISDN回線に着呼する
isdn_release ISDN回線を解放する
isdn_send ISDN回線でデータを送信する
isdn_receive ISDN回線でデータを受信する
isdn_status ISDN回線のレイヤ3ステータス取得する
isdn_sense ISDN回線の回線状態を取得する
(動作の説明)
オンライン決済処理には、カード残高確認処理、カード売上処理、カード入金処理、取消処理などがある。ここでは、通常時のカード残高確認処理、障害時のカード売上処理を例に2つネットワークインフラを利用したデータ交換について説明する。
【0039】
図2はPOS端末101とオンライン決済センター122で交換されるカード残高確認処理201に関わるシーケンスを示している。
【0040】
通常時のカード残高確認処理201では、
まず、セッション(接続)を確立する為に、POS端末101はTCP-SYN(セッション確立のためのパケット)をブロードバンドルータ103のTCPポート番号30030へ送信する。ブロードバンドルータ103はそのまま、相手側ブロードバンドルータ116に対してTCP-SYN を転送し、オンライン決済センター122へとデータが転送される。この場合のオンライン決済センター122が待ち受けているTCPポート番号も30030となる。オンライン決済センター122は接続可能であれば、TCP-ACK-SYN(セッション確立確認応答のためのパケット)を、ブロードバンドルータ116、103を介して返信する。そして、TCP-ACK-SYN を受信したPOS端末101はTCP-ACK(確認応答のためのパケット)を、ブロードバンドルータ103、116を介して、オンライン決済センター122へ送信する。
【0041】
セッションが確立されたら、POS端末101はブロードバンドルータ103のTCPポート番号30030へ残高要求電文をデータとして送信する。ブロードバンドルータ103はそのまま、相手側ブロードバンドルータ116に対してTCPパケットを転送し、オンライン決済センター122へとデータが転送される。この場合のオンライン決済センター122が待ち受けているTCPポート番号も30030となる。
【0042】
オンライン決済センター122はネガカードデータ、カード残高データなどをもとに、要求のあったカードに対する残高確認、ネガチェック実施し、カード残高を残高応答電文にセットして返信する。残高応答電文はブロードバンドルータ116、ブロードバンドルータ103を経由して転送され、POS端末101はこの電文を受信する。
【0043】
セッションを切断する場合には、TCP-FIN(セッション終了のためのパケット)を、ブロードバンドルータ103、116を介して、接続先となるオンライン決済センター122へ送信する。オンライン決済センター122は終了を認識し、TCP-ACK-FIN(セッション終了確認応答のためのパケット)を、ブロードバンドルータ116、103を介して返信する。そして、TCP-ACK-FIN を受信したPOS端末101はTCP-ACK(確認応答のためのパケット)を、ブロードバンドルータ103、116を介して、オンライン決済センター122へ送信する。
【0044】
図3はPOS端末101とオンライン決済センター122で交換されるカード売上処理301に関わるシーケンスを示している。
【0045】
障害時のカード売上処理202では、ブロードバンドルータ103のTCPポート番号30020へ、セッションを確立する為に、TCP-SYN(セッション確立のためのパケット)を送信する。ブロードバンドルータ103は、この専用TCPポートで受信したデータをDchパケットで転送するために、ISDN交換機網109へISDN回線収容端末119の電話番号をセットして発呼要求(CRパケット)を送信する。ISDN交換機網109はISDN回線収容端末119へ着呼指示(CNパケット)を送信し、ISDN回線収容端末119はTCP-SYNをオンライン決済センター122へ送信する。オンライン決済センター122は接続可能であれば、TCP-ACK−SYN(セッション確立確認応答のためのパケット)をISDN回線収容端末119へ送信し、ISDN回線収容端末119は着呼確認(CAパケット)をISDN交換機網109へ送信する。ISDN交換機網109はブロードバンドレータ103へ接続完了(CCパケット)を送信する。接続完了(CCパケット)を受信したブロードバンドルータ103は、POS端末101へTCP-ACK−SYNを送信する。TCP-ACK−SYNを受けたPOS端末101はTCP-ACK(確認応答のためのパケット)をブロードバンドルータ103へ送信し、ISDN回線DchのVC接続を確立する。
【0046】
VC接続が確立されたら、POS端末101はブロードバンドルータ103のTCPポート番号30020へ売上要求電文(TCPパケット)をデータとして送信する。ブロードバンドルータ103は売上要求電文(DTパケット)をISDN交換機網109を経由してISDN回線収容端末119へ転送する。ISDN回線収容端末119は受信したDTパケットをTCPパケットに変換し、通常時と同様にオンライン決済センター122が待ち受けしているTCPポート番号30030へ送信する。オンライン決済センター122は売上要求電文を受信すると、ネガカードデータ、カード残高データなどをもとに、カードデータおよび売上金額を照合し、売上データを作成して売上応答電文(TCPパケット)をISDN回線収容端末119へ返信する。
【0047】
ISDN回線収容端末119は受信したTCPパケットをDTパケットに変換し売上応答電文(DTパケット)として、ISDN交換機網109を経由しブロードバンドルータ103へ転送する。ブロードバンドルータ103は受信したDTパケットをTCPパケットに変換し、POS端末101へ売上応答電文(TCPパケット)として送信することになる。
【0048】
VCを切断する場合には、TCP-FIN(VC接続終了のためのパケット)を、ブロードバンドルータ103へ送信する。ブロードバンドルータ103は復旧要求(CQパケット)をISDN交換機網109を送信する。そして、ISDN交換機網109はISDN回線収容端末119へ切断指示(CIパケット)を送信し、ISDN回線収容端末119はTCP-FINをオンライン決済センター122へ送信する。オンライン決済センター122は終了を認識し、TCP-ACK−FIN(VC接続終了確認応答のためのパケット)を、ISDN回線収容端末119へ返信する。ISDN回線収容端末119は復旧確認(CFパケット)をISDN交換機網109を介してブロードバンドルータ103へを送信する。復旧確認(CFパケット)を受信したブロードバンドルータ103は、POS端末101へTCP-ACK−FINを送信する。TCP-ACK−FINを受けたPOS端末101はTCP-ACK(確認応答のためのパケット)をブロードバンドルータ103へ送信する。
【0049】
上記の方法で述べたように、ブロードバンドルータ103はTCPポート番号30030でデータを受信した場合はTCPパケットを閉域IP網108を経由してオンライン決済センター122へ転送する。
【0050】
代替処理では、ブロードバンドルータ103はTCPポート番号30020でデータを受信した場合はTCPパケットをDchパケットに変換しISDN交換機網109を経由してオンライン決済センター122へ転送されることになる。
【0051】
このように、TCPポート番号によって通常時と障害時を区別する仕組みを実現している。
【0052】
図4に障害を自動的に検出する傷害検知処理401の機能を示す。
【0053】
POS端末101はインターネット制御通知プロトコルを利用して、ICMPメッセージの送受信で障害を検知する。
【0054】
ここでは、POS端末101のIPアドレスを192.168.0.101、オンライン決済センター122のIPアドレスを192.168.1.101とし、障害検知処理401では、エコー要求通知(ICMPメッセージ)をオンライン決済センター122へ送信する。ブロードバンドルータ103および116はこのICMPメッセージを転送する。エコー要求通知を受信したオンライン決済センター122は受信したデータを設定したエコー応答通知(ICMPメッセージ)を、ブロードバンドルータ116および103を介してPOS端末101へ返信する。このICMPメッセージが正常に転送された場合、POS端末101はこのメッセージ中の受信データとエコー要求通知でセットした送信データを比較し、一致した場合正常と判断する。正常と判断した場合にはインターバルタイマ403が30秒を経過した後に、次の障害検知処理402を行う。
【0055】
仮に、受信データが送信データと不一致の場合は障害を検知し、代替処理を行うこととなる。
【0056】
障害検知処理402において、POS端末101とオンライン決済センター122の間で何らかの障害が発生した場合、POS端末101は送信したエコー要求通知に対するエコー応答通知を受信できないので、タイムアウトする(図4では10秒後にタイムアウトする)。このタイムアウト発生によって障害検知となり、代替処理を実施する。
【0057】
障害検知処理はインターバルタイマ403で規定される時間で定期的に実施され、定常的にオンライン決済センター122を監視する。
【0058】
図5に障害復旧を自動的に検出する復旧検知処理501の機能を示す。
【0059】
POS端末101は障害時も図4と同様にインターバルタイマ503の間隔で復旧検知処理501を実施し、エコー要求通知を定期的に送信する。障害時は常に応答待ちタイマはタイムアウトするので継続的に障害は継続することになる。すなわち、障害検知処理501において、POS端末101とオンライン決済センター122の間で何らかの障害が発生した場合、POS端末101は送信したエコー要求通知に対するエコー応答通知を受信できないので、タイムアウトする(図5では10秒後にタイムアウトする)。タイムアウトが発生するとインターバルタイマ403が30秒を経過した後に、次の障害検知処理502を行う。
【0060】
POS端末101とオンライン決済センター122の間の障害が復旧した場合、復旧検知処理502によって送信されたエコー要求通知に対するエコー応答通知を受信し、データ比較を行った後一致した場合、復旧検知となり復旧処理が実施される。データ比較を行った後不一致の場合は障害検知となる。
【0061】
図4、図5は通常時、障害時の状態の区別を除けば、POS端末101として同様の手順で障害と正常を認識していることになる。
【0062】
このようにPOS端末101はオンライン決済センター122との通信状態の異常を常に監視することによって、その状態をPOS端末画面上に表示することができる。
【0063】
図6に通常時のPOS端末101の画面を示し、図7に障害時のPOS端末101の画面を示す。
【0064】
図6はPOS端末101における売上画面の一例であるが、601部分にブロードバンド回線が正常である「BB-OK」を表示している(通常時)。
【0065】
図7はブロードバンド回線が障害のため代替処理によって、701部分にISDN回線が選択されていることを示す、「ISDN」を表示している(障害時)。
【0066】
一般的にICMPメッセージを利用したエコー要求通知−エコー応答通知による障害確認は効果的な手法であるが、多大数によるICMPメッセージはインターネット上などで禁止されている場合もある。
【0067】
この場合、障害検知ができないため、オンライン決済処理がタイムアウトなどでエラー終了した場合に手動で代替処理を選択するケースも考えられる。
【0068】
そのため、POS端末101は通常時のオンライン決済処理が通信エラーとなった場合に手動で代替処理を選択するユーザーインターフェースを備えている。
【0069】
この状況を示したPOS端末101の画面を例として図8に示す。
【0070】
801の「はい(推奨)」ボタンを押下した場合、代替処理が実行される。802の「いいえ」ボタンを押下した場合は、代替処理は実行されない。このようにユーザーは状況に応じてネットワークを自由に選択することができる。
【0071】
本実施形態の構成によれば以下の効果を得ることができる。
(1)オンライン決済処理のネットワークインフラを複数収容することで、障害時でもオンライン決済処理を継続利用できる。
(2)自動的に障害を検出することで、オンライン決済処理を継続運用できる。
(3)自動的に復旧を検出することで、通常のオンライン決済処理を履行できる。
(4)適宜手動でネットワークを切り替えることも可能とし、自動的に検出できない障害にも対応できる。
(5)POS画面上などに選択しているネットワーク分類を表示可能とする。
【0072】
(第2の実施形態)
図1に示すブロードバンドルータ103を、図9に示すようにブロードバンドルータ103とダイヤルアップルータ912に分割してもよい。S/W−HUB911はイーサネットHUBとして利用している。
【0073】
図12はゲートウエイシステムA01による複数端末接続の例をガソリンスタンドのPOSシステムで示している。
【0074】
POS端末101は図9と同様にS/W-HUB A03とイーサネットケーブルによって接続され、ブロードバンドルータ103と接続している。
【0075】
屋外で使用されるPOSに相当する注文機A02(ここでは、外設POST #1〜#n)のいずれもS/W-HUB A03でブロードバンドルータ103に接続されている。オンライン決済を中継するゲートウエイシステムA01も同様にS/W-HUB A03を介してブロードバンドルータ103と接続している。
【0076】
オンライン決済処理の通信データは全てゲートウエイシステムA01で変換あるいはルーティングされブロードバンドルータ103を経由して送受信される。
【0077】
図13は通常時のゲートウエイシステムを利用したオンライン決済処理に関連するデータシーケンスとしてカード残高確認処理A21を例に示す。
【0078】
TCPポート番号が30020であることを除いて、POS端末101〜ゲートウエイシステムA01間のデータシーケンスは、図2に示すPOS端末101〜ブロードバンドルータ103間のデータシーケンスと同様の手続きである。例えば、セッション(接続)を確立する為に、POS端末101はTCP-SYN(セッション確立のためのパケット)をゲートウエイシステムA01のTCPポート番号30020へ送信する。TCP-SYNを受信したゲートウエイシステムA01はTCP-SYNをブロードバンドルータ103のTCPポート番号30030へ送信する。
【0079】
図14は障害時のゲートウエイシステムを利用したオンライン決済処理に関連するデータシーケンスとしてカード売上処理A31を例に示す。
【0080】
外設POST A02(外設POST #1〜#n)〜ゲートウエイシステムA01間のデータシーケンスは、図3に示すPOS端末101〜ブロードバンドルータ103間のデータシーケンスと同様の手続きである。
【0081】
POS端末101および外設POST A02は、ゲートウエイシステムA01に対して同一の手順でオンライン決済処理を実現できるため、オンライン処理が通常時であるか障害時であるかを認識する必要がなく自動的にゲートウエイシステムA01によって変換および転送が実施される。
【0082】
(第3の実施形態)
図1の閉域IP網108への接続を光ファイバー接続から図10のようにADSLモデム921を利用したADSL接続に変更してもよい。
【0083】
(第4の実施形態)
図1の閉域IP網(IP-VPN接続)108をプロバイダ地域IP網を経由したインターネット接続にしてもよくこの場合は図11の構成となる。
【0084】
以上説明した各実施形態の構成では、クレジットカード、デビッドカード等を用いたカード決済におけるオンライン決済処理において、2つのネットワークを利用したオンライン決済処理を可能とする機能を有し、障害時等の状況で自動あるいは手動でネットワークインフラの切り替えを可能とすることで耐障害性を高めたシステムを構成することができる。
【0085】
さらに、現在選択されているネットワークをPOS端末画面上に表示することができる。
【0086】
POS端末は専用端末を用いてもよいが、POS機能はコンピュータを用いてソフトウエアによって実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、小中規模店舗に導入されるPOS端末のオンライン決済処理やオンライン決済用専用端末に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わるPOS端末を利用したオンライン決済システムの一例を示す図である。
【図2】POS端末とオンライン決済センターで交換されるカード残高確認処理に関わるシーケンスを示す図である。
【図3】POS端末とオンライン決済センターで交換されるカード売上処理に関わるシーケンスを示す図である。
【図4】障害を自動的に検出する傷害検知処理の機能を示す図である。
【図5】障害復旧を自動的に検出する復旧検知処理の機能を示す図である。
【図6】通常時のPOS端末101の画面を示す図である。
【図7】障害時のPOS端末101の画面を示す図である。
【図8】通常時のオンライン決済処理が通信エラーとなった場合に手動で代替処理を選択するユーザーインターフェースを示す、POS端末101の画面を示す図である。
【図9】図1に示すブロードバンドルータ103を、ブロードバンドルータ103とダイヤルアップルータ912に分割した本発明の第2の実施形態の構成を示す図である。
【図10】図1の閉域IP網108への接続を光ファイバー接続からADSLモデム921を利用したADSL接続に変更した本発明の第3の実施形態の構成を示す図である。
【図11】図1の閉域IP網(IP-VPN接続)108をプロバイダ地域IP網を経由したインターネット接続にした本発明の第4の実施形態の構成を示す図である。
【図12】ゲートウエイシステムA01による複数端末接続の例をガソリンスタンドのPOSシステムを示す図である。
【図13】通常時のゲートウエイシステムを利用したオンライン決済処理に関連するデータシーケンスとしてカード残高確認処理A21を示す図である。
【図14】障害時のゲートウエイシステムを利用したオンライン決済処理に関連するデータシーケンスとしてカード売上処理A31を示す図である。
【図15】POS端末101のネットワーク切替処理に係わる構成部分について売上処理ソフトウエアを例に示す図である。
【図16】売上処理ソフトウエア1002の処理ルーチンの例として、クレジット処理に関するフローを示す図である。
【図17】isdn_call関数の処理フローの概要を示す図である。
【図18】図17のisdn_call関数に回線選択の自動検出機能を加え改良したisdn_call関数を示す図である。
【図19】isdn_send関数の処理フローの概要を示す図である。
【図20】図19のisdn_send関数に図18で示したisdn_call関数による再発呼処理を加え、通常時から障害時に自動的にデータの送信先を変更する処理を加え改良したものを示す図である。
【符号の説明】
【0089】
101 POS(Point Of Sales)端末
102 イーサネットケーブル
103 ブロードバンドルータ(ダイヤルアップルータ機能あり)
104 電話ケーブル
105 イーサネットケーブル
106 ONU(Optical Network Unit:光終端装置)
107 光ケーブル
108 閉域IP網(IP-VPN網)
109 ISDN交換機網(X.25 Dchパケット網)
110 光ケーブル
111 電話ケーブル
112 ONU(Optical Network Unit:光終端装置)
113 DSU(Digital Service Unit:加入者回線終端装置)
114 光ケーブル
115 ISDNケーブル
116 ブロードバンドルータ
117 ISDN回線収容端末
118 イーサネットケーブル
119 イーサネットケーブル
120 S/W-HUB(スイッチングHUB)
121 イーサネットケーブル
122 オンライン決済センターホストシステム
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システムと通信端末、及びネットワーク切り替え方法に係わり、特に、ネットワーク切り替え機能を有する通信システムと通信端末、及びこれらに用いるネットワーク切り替え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オンライン決済処理はこれまで、公衆電話回線あるいはISDN回線(Bchダイヤルアップ/Dchパケット)において実施されてきた。
【0003】
この場合、Dchパケットを利用する場合が一番安価で1回の処理を数パケットで実施できるため、2〜3円となる。
【0004】
公衆回線、あるいはISDN回線上のBchダイヤルアップ接続では、距離による課金と通話時間によって最低でも10円前後の通話料金が必要となる。
【0005】
ADSL、光ファイバーを利用した定額なブロードバンド接続が主流となりつつある現在、他の用途で導入する定額IPネットワーク接続をオンライン決済処理でも利用することで、さらにオンライン決済処理にかかる費用を低減できる可能性がでてきている。
【0006】
このようにしてTCP/IPを利用してIP-VPN接続などのセキュリティを重視したネットワーク上でオンライン決済処理を実施する動きが高まってきている。
【0007】
しかし、現状では通信事業者の局からの距離に通信品質が依存するADSL接続や、日本全国に配備中の光ファイバー接続を利用したIPネットワークはISDN回線ほどの信頼性を確保できていないといえる。
【0008】
本発明に関連する技術としては、特許文献1に、ネットワークコントローラが、第1のネットワークで障害が発生したと判定した場合に、第2のネットワークに切り替え、復旧した場合は第1のネットワークに切り替えることの記載がある。また、特許文献2には、端末がIPパケットを送信し、ルータがDチャネルパケットに変換してホストシステムに送信し、ホストシステムからの回答用DチャネルパケットをルータがIPパケットに変換して端末に転送することの記載がある。
【特許文献1】特開平7−28726号公報(図4、図6)
【特許文献2】特開2005−020567号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
オンライン決済処理では、ブロードバンド回線、ISDN回線、公衆電話回線等をネットワークインフラとして利用しているが回線障害等でオンライン決済処理が困難となった場合に、回線障害が復旧するまで代替手段がなかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の通信システムは、少なくとも二つのネットワークで、通信端末とホストシステムとの間が接続される通信システムにおいて、
前記通信端末は、
一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信した送信データと、前記一のネットワークを介して前記ホストシステムが返信した応答データとを比較する比較手段と、
前記送信データと前記応答データとが不一致の場合又は前記応答データを受信しない場合は他のネットワークに切り替える制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明のネットワーク切り替え方法は、少なくとも二つのネットワークで、通信端末とホストシステムとの間が接続される通信システムのネットワーク切り替え方法において、
前記通信端末は、
一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信した送信データと、前記一のネットワークを介して前記ホストシステムが返信した応答データとを比較し、
前記送信データと前記応答データとが不一致の場合又は前記応答データを受信しない場合は他のネットワークに切り替えることを特徴とする。
【0012】
本発明の通信端末は、少なくとも二つのネットワークで、ホストシステムと接続される通信端末であって、
一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信した送信データと、前記一のネットワークを介して前記ホストシステムから受信した応答データとを比較する比較手段と、
前記送信データと前記応答データとが不一致の場合又は前記応答データを受信しない場合は他のネットワークに切り替える制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、障害時等の状況で自動あるいは手動でネットワークインフラの切り替えを可能とすることで耐障害性を高めたシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1はPOS端末を利用したオンライン決済システムの一例を示す図である。
【0015】
ブロードバンドルータ103はISDN交換機網109と閉域IP網(IP-VPN)108を収容するルータを選択している。
【0016】
閉域IP網108では、TCP/IPパケットを利用するために定額IP-VPNの契約している。物理的な閉域IP網との接続は、光ファイバーケーブル107を用いる。ISDN交換機網109はDchパケットを利用するためにISDN回線パケット契約をしている。
【0017】
通常のオンライン決済処理は、閉域IP網108を利用し、TCP/IPパケットを利用して行う。
【0018】
すなわち、通常時では、POS端末101より送信されたTCPパケットはブロードバンドルータ103でルーティングされ、閉域IP網108を展開する通信事業者を経由して、オンライン決済センター(ホストシステムとなる)側のブロードバンドルータ116へルーティングされる。さらにスイッチングHUB120などを経由して、オンライン決済センターホストシステム122へと転送される。この場合、オンライン決済処理における料金は、定額IP-VPNの契約によりオンライン決済処理数(パケット数)に依存しない。
【0019】
閉域IP網108に障害等発生した場合は、インフラをISDN交換機網109に切り替え、TCP/IPパケットの代わりにDchパケットを利用して、オンライン決済処理を継続可能とする。
【0020】
すなわち、傷害時には、POS端末101より送信されたTCPパケットは、ブロードバンドルータ103でDchパケットに変換され、ISDN交換機網109を展開する通信事業者を経由してISDN回線収容端末117へ転送される。このISDN回線収容端末117はDchパケットをTCPパケットに変換し、オンライン決済センターホストシステム122へと転送する。この場合、オンライン決済処理における料金は、Dchパケット数による従量課金(1パケットあたり0.4円あるいは0.8円)となる。
【0021】
図15はPOS端末101のネットワーク切替処理に係わる構成部分について売上処理ソフトウエアを例に示す図である。
【0022】
POS端末101は画面および、キー入力、タッチパネル入力などユーザーインターフェースを持つ端末であり、売上処理ソフトウエア1002においては、ユーザーインターフェース1001から起動される。
【0023】
売上処理1002はISDN通信ライブラリ1004をリンクされたクレジット処理ソフトウエアモジュール1003を内部に処理モジュールとして内包している。クレジット処理ソフトウエアモジュール1003はオンライン決済センター122とデータ通信を行うことを目的として、回線制御ソフトウエア1005を利用するために、ISDN通信ライブラリ1004をリンクしている。回線制御ソフトウエア1005はTCP/IPソケットライブラリ1006をリンクし、TCP/IPプロトコルスタック1007、LANアダプタドライバ1008、LANアダプタ1009を経由してイーサネット(登録商標)LANに接続され、物理的にブロードバンドルータ103とイーサネットLAN上でTCP/IP通信を可能とする。
【0024】
図16は売上処理ソフトウエア1002の処理ルーチンの例として、クレジット処理に関するフローを示している。画面表示、売り上げ入力、及び売上データ作成については説明を省略する。クレジットカードデータをカードリーダなどで、読み取る処理を[カード入力]1101と表現しているが、ここで入力されたクレジットカードデータを元に、[売上要求電文作成]1102が実施され、[売上要求電文]1103がメモリに格納される。
【0025】
ISDN通信ライブラリであるisdn_call関数を利用して、ホストへ発呼1104が実施され、isdn_sense関数を利用して、回線接続確認をし、isdn_status関数を利用して、データ通信状態確認をし、isdn_send関数に、先の[売上要求電文]1103を指定して[売上要求電文送信]1105が実施される。そして、isdn_receive関数を利用して、売上応答電文受信を行い、クレジット決済がOKならば売上正常で終了する。クレジット決済がNGならば売上異常で終了する(決済拒否)。
【0026】
図17はisdn_call関数の処理フローの概要を示す図である。
【0027】
[ルータのPORT=30020へ接続]1201を実施することで、ダイヤルアップルータ113から自動的に発呼される仕組みとなっている。
【0028】
[接続OK?]1202で判定され、接続処理が正常であれば、[return OK]1203の結果が呼び出し元に返却される。
【0029】
また、接続処理が異常の場合は、[return NG]1204の結果が呼び出し元に返却されることになる。
【0030】
図18は図17のisdn_call関数に回線選択の自動検出機能を加え改良したisdn_call関数を示す図である。
【0031】
[通常 or 障害]1205は現在の回線選択先を示す内部状態を検出している。
【0032】
正常時はブロードバンド回線への接続となる、[ルータのPORT=30030へ接続]1201を実施し、[接続OK?]1202の判定がOKとなった場合、[return OK]1203を呼び出し元へ返却する。[接続OK?]1202の判定がNGとなった場合、ブロードバンド回線が使用不能と判定し、[ルータのPORT=30020へ接続]1206を実施し、[接続OK?]1207の判定がOKであれば、内部状態を障害時へと変更し、[return OK]1203を呼び出し元に返却する。[接続OK?]1207の判定がNGであれば、[return NG]1204を呼び出し元へ返却し、内部状態は通常時のまま返却しないものとしている。
【0033】
図19はisdn_send関数の処理フローの概要を示す図である。
【0034】
[ルータへデータ送信]1301にて、呼び出し元から受け取った送信データを送信し、処理結果を[送信OK?]1302で判定し、OKであれば[return OK]1303を呼び出し元へ返却する。[送信OK?]1302で判定し、NGであれば[return NG]1304を返却する。
【0035】
図20は図19のisdn_send関数に図18で示したisdn_call関数による再発呼処理を加え、通常時から障害時に自動的にデータの送信先を変更する処理を加え改良したものである。呼び出しもとより要求のあった送信データを[ルータへデータ送信]1301で送信し、[送信OK?]1302で判定がOKの場合、[return OK]1303を呼び出し元へ返却するフローは同様となる。判定結果がNGとなった場合は、さらに[障害 or 通常]1305で判定を実施し、障害時となった場合は、すでに内部状態が障害時に移行しているので、ISDN回線でエラーとなったものとし、[return NG]1304を呼び出しもとに返却する。
【0036】
[障害 or 通常]1305の判定が通常時の場合は、isdn_call関数を内部で実施する、図18によれば自動的に[ルータのPORT=30020への接続]1206が実施され、障害時に以降し、OKあるいはNGを返却することになる。このisdn_callの戻り値を[OK?]1307で判定し、OKであればisdn_send関数の呼び出し元から要求のあった送信データを[ルータへデータ送信]1308で送信する。[送信OK?]1309でさらに判定し、OKであれば[送信OK?]1302と同様に、[return OK]1303を呼び出し元へ返却する。[送信OK?]1309がNGの場合は、尚、図20のisdn_send関数でのisdn_call関数の再発呼処理は従来のisdn_send関数でもリトライ処理として効果あるが、一般的にこの処理は呼び出しもとで実施されることが多く、isdn_sendに実装されることは少ない。
【0037】
このように、呼び出しもととなる図15のクレジット処理ソフトウエアモジュール1003などを変更することなく、あるいは軽微な変更で、回線の自動選択方式の導入を可能としている。
【0038】
以下、ISDN通信ライブラリの関数一覧(概要)を示す。
FRAPI-Aライブラリ
isdn_open ISDN回線制御を開始する
isdn_close ISDN回線制御を終了する
isdn_call ISDN回線で発呼する
isdn_accept ISDN回線に着呼許可する
isdn_response: ISDN回線に着呼する
isdn_release ISDN回線を解放する
isdn_send ISDN回線でデータを送信する
isdn_receive ISDN回線でデータを受信する
isdn_status ISDN回線のレイヤ3ステータス取得する
isdn_sense ISDN回線の回線状態を取得する
(動作の説明)
オンライン決済処理には、カード残高確認処理、カード売上処理、カード入金処理、取消処理などがある。ここでは、通常時のカード残高確認処理、障害時のカード売上処理を例に2つネットワークインフラを利用したデータ交換について説明する。
【0039】
図2はPOS端末101とオンライン決済センター122で交換されるカード残高確認処理201に関わるシーケンスを示している。
【0040】
通常時のカード残高確認処理201では、
まず、セッション(接続)を確立する為に、POS端末101はTCP-SYN(セッション確立のためのパケット)をブロードバンドルータ103のTCPポート番号30030へ送信する。ブロードバンドルータ103はそのまま、相手側ブロードバンドルータ116に対してTCP-SYN を転送し、オンライン決済センター122へとデータが転送される。この場合のオンライン決済センター122が待ち受けているTCPポート番号も30030となる。オンライン決済センター122は接続可能であれば、TCP-ACK-SYN(セッション確立確認応答のためのパケット)を、ブロードバンドルータ116、103を介して返信する。そして、TCP-ACK-SYN を受信したPOS端末101はTCP-ACK(確認応答のためのパケット)を、ブロードバンドルータ103、116を介して、オンライン決済センター122へ送信する。
【0041】
セッションが確立されたら、POS端末101はブロードバンドルータ103のTCPポート番号30030へ残高要求電文をデータとして送信する。ブロードバンドルータ103はそのまま、相手側ブロードバンドルータ116に対してTCPパケットを転送し、オンライン決済センター122へとデータが転送される。この場合のオンライン決済センター122が待ち受けているTCPポート番号も30030となる。
【0042】
オンライン決済センター122はネガカードデータ、カード残高データなどをもとに、要求のあったカードに対する残高確認、ネガチェック実施し、カード残高を残高応答電文にセットして返信する。残高応答電文はブロードバンドルータ116、ブロードバンドルータ103を経由して転送され、POS端末101はこの電文を受信する。
【0043】
セッションを切断する場合には、TCP-FIN(セッション終了のためのパケット)を、ブロードバンドルータ103、116を介して、接続先となるオンライン決済センター122へ送信する。オンライン決済センター122は終了を認識し、TCP-ACK-FIN(セッション終了確認応答のためのパケット)を、ブロードバンドルータ116、103を介して返信する。そして、TCP-ACK-FIN を受信したPOS端末101はTCP-ACK(確認応答のためのパケット)を、ブロードバンドルータ103、116を介して、オンライン決済センター122へ送信する。
【0044】
図3はPOS端末101とオンライン決済センター122で交換されるカード売上処理301に関わるシーケンスを示している。
【0045】
障害時のカード売上処理202では、ブロードバンドルータ103のTCPポート番号30020へ、セッションを確立する為に、TCP-SYN(セッション確立のためのパケット)を送信する。ブロードバンドルータ103は、この専用TCPポートで受信したデータをDchパケットで転送するために、ISDN交換機網109へISDN回線収容端末119の電話番号をセットして発呼要求(CRパケット)を送信する。ISDN交換機網109はISDN回線収容端末119へ着呼指示(CNパケット)を送信し、ISDN回線収容端末119はTCP-SYNをオンライン決済センター122へ送信する。オンライン決済センター122は接続可能であれば、TCP-ACK−SYN(セッション確立確認応答のためのパケット)をISDN回線収容端末119へ送信し、ISDN回線収容端末119は着呼確認(CAパケット)をISDN交換機網109へ送信する。ISDN交換機網109はブロードバンドレータ103へ接続完了(CCパケット)を送信する。接続完了(CCパケット)を受信したブロードバンドルータ103は、POS端末101へTCP-ACK−SYNを送信する。TCP-ACK−SYNを受けたPOS端末101はTCP-ACK(確認応答のためのパケット)をブロードバンドルータ103へ送信し、ISDN回線DchのVC接続を確立する。
【0046】
VC接続が確立されたら、POS端末101はブロードバンドルータ103のTCPポート番号30020へ売上要求電文(TCPパケット)をデータとして送信する。ブロードバンドルータ103は売上要求電文(DTパケット)をISDN交換機網109を経由してISDN回線収容端末119へ転送する。ISDN回線収容端末119は受信したDTパケットをTCPパケットに変換し、通常時と同様にオンライン決済センター122が待ち受けしているTCPポート番号30030へ送信する。オンライン決済センター122は売上要求電文を受信すると、ネガカードデータ、カード残高データなどをもとに、カードデータおよび売上金額を照合し、売上データを作成して売上応答電文(TCPパケット)をISDN回線収容端末119へ返信する。
【0047】
ISDN回線収容端末119は受信したTCPパケットをDTパケットに変換し売上応答電文(DTパケット)として、ISDN交換機網109を経由しブロードバンドルータ103へ転送する。ブロードバンドルータ103は受信したDTパケットをTCPパケットに変換し、POS端末101へ売上応答電文(TCPパケット)として送信することになる。
【0048】
VCを切断する場合には、TCP-FIN(VC接続終了のためのパケット)を、ブロードバンドルータ103へ送信する。ブロードバンドルータ103は復旧要求(CQパケット)をISDN交換機網109を送信する。そして、ISDN交換機網109はISDN回線収容端末119へ切断指示(CIパケット)を送信し、ISDN回線収容端末119はTCP-FINをオンライン決済センター122へ送信する。オンライン決済センター122は終了を認識し、TCP-ACK−FIN(VC接続終了確認応答のためのパケット)を、ISDN回線収容端末119へ返信する。ISDN回線収容端末119は復旧確認(CFパケット)をISDN交換機網109を介してブロードバンドルータ103へを送信する。復旧確認(CFパケット)を受信したブロードバンドルータ103は、POS端末101へTCP-ACK−FINを送信する。TCP-ACK−FINを受けたPOS端末101はTCP-ACK(確認応答のためのパケット)をブロードバンドルータ103へ送信する。
【0049】
上記の方法で述べたように、ブロードバンドルータ103はTCPポート番号30030でデータを受信した場合はTCPパケットを閉域IP網108を経由してオンライン決済センター122へ転送する。
【0050】
代替処理では、ブロードバンドルータ103はTCPポート番号30020でデータを受信した場合はTCPパケットをDchパケットに変換しISDN交換機網109を経由してオンライン決済センター122へ転送されることになる。
【0051】
このように、TCPポート番号によって通常時と障害時を区別する仕組みを実現している。
【0052】
図4に障害を自動的に検出する傷害検知処理401の機能を示す。
【0053】
POS端末101はインターネット制御通知プロトコルを利用して、ICMPメッセージの送受信で障害を検知する。
【0054】
ここでは、POS端末101のIPアドレスを192.168.0.101、オンライン決済センター122のIPアドレスを192.168.1.101とし、障害検知処理401では、エコー要求通知(ICMPメッセージ)をオンライン決済センター122へ送信する。ブロードバンドルータ103および116はこのICMPメッセージを転送する。エコー要求通知を受信したオンライン決済センター122は受信したデータを設定したエコー応答通知(ICMPメッセージ)を、ブロードバンドルータ116および103を介してPOS端末101へ返信する。このICMPメッセージが正常に転送された場合、POS端末101はこのメッセージ中の受信データとエコー要求通知でセットした送信データを比較し、一致した場合正常と判断する。正常と判断した場合にはインターバルタイマ403が30秒を経過した後に、次の障害検知処理402を行う。
【0055】
仮に、受信データが送信データと不一致の場合は障害を検知し、代替処理を行うこととなる。
【0056】
障害検知処理402において、POS端末101とオンライン決済センター122の間で何らかの障害が発生した場合、POS端末101は送信したエコー要求通知に対するエコー応答通知を受信できないので、タイムアウトする(図4では10秒後にタイムアウトする)。このタイムアウト発生によって障害検知となり、代替処理を実施する。
【0057】
障害検知処理はインターバルタイマ403で規定される時間で定期的に実施され、定常的にオンライン決済センター122を監視する。
【0058】
図5に障害復旧を自動的に検出する復旧検知処理501の機能を示す。
【0059】
POS端末101は障害時も図4と同様にインターバルタイマ503の間隔で復旧検知処理501を実施し、エコー要求通知を定期的に送信する。障害時は常に応答待ちタイマはタイムアウトするので継続的に障害は継続することになる。すなわち、障害検知処理501において、POS端末101とオンライン決済センター122の間で何らかの障害が発生した場合、POS端末101は送信したエコー要求通知に対するエコー応答通知を受信できないので、タイムアウトする(図5では10秒後にタイムアウトする)。タイムアウトが発生するとインターバルタイマ403が30秒を経過した後に、次の障害検知処理502を行う。
【0060】
POS端末101とオンライン決済センター122の間の障害が復旧した場合、復旧検知処理502によって送信されたエコー要求通知に対するエコー応答通知を受信し、データ比較を行った後一致した場合、復旧検知となり復旧処理が実施される。データ比較を行った後不一致の場合は障害検知となる。
【0061】
図4、図5は通常時、障害時の状態の区別を除けば、POS端末101として同様の手順で障害と正常を認識していることになる。
【0062】
このようにPOS端末101はオンライン決済センター122との通信状態の異常を常に監視することによって、その状態をPOS端末画面上に表示することができる。
【0063】
図6に通常時のPOS端末101の画面を示し、図7に障害時のPOS端末101の画面を示す。
【0064】
図6はPOS端末101における売上画面の一例であるが、601部分にブロードバンド回線が正常である「BB-OK」を表示している(通常時)。
【0065】
図7はブロードバンド回線が障害のため代替処理によって、701部分にISDN回線が選択されていることを示す、「ISDN」を表示している(障害時)。
【0066】
一般的にICMPメッセージを利用したエコー要求通知−エコー応答通知による障害確認は効果的な手法であるが、多大数によるICMPメッセージはインターネット上などで禁止されている場合もある。
【0067】
この場合、障害検知ができないため、オンライン決済処理がタイムアウトなどでエラー終了した場合に手動で代替処理を選択するケースも考えられる。
【0068】
そのため、POS端末101は通常時のオンライン決済処理が通信エラーとなった場合に手動で代替処理を選択するユーザーインターフェースを備えている。
【0069】
この状況を示したPOS端末101の画面を例として図8に示す。
【0070】
801の「はい(推奨)」ボタンを押下した場合、代替処理が実行される。802の「いいえ」ボタンを押下した場合は、代替処理は実行されない。このようにユーザーは状況に応じてネットワークを自由に選択することができる。
【0071】
本実施形態の構成によれば以下の効果を得ることができる。
(1)オンライン決済処理のネットワークインフラを複数収容することで、障害時でもオンライン決済処理を継続利用できる。
(2)自動的に障害を検出することで、オンライン決済処理を継続運用できる。
(3)自動的に復旧を検出することで、通常のオンライン決済処理を履行できる。
(4)適宜手動でネットワークを切り替えることも可能とし、自動的に検出できない障害にも対応できる。
(5)POS画面上などに選択しているネットワーク分類を表示可能とする。
【0072】
(第2の実施形態)
図1に示すブロードバンドルータ103を、図9に示すようにブロードバンドルータ103とダイヤルアップルータ912に分割してもよい。S/W−HUB911はイーサネットHUBとして利用している。
【0073】
図12はゲートウエイシステムA01による複数端末接続の例をガソリンスタンドのPOSシステムで示している。
【0074】
POS端末101は図9と同様にS/W-HUB A03とイーサネットケーブルによって接続され、ブロードバンドルータ103と接続している。
【0075】
屋外で使用されるPOSに相当する注文機A02(ここでは、外設POST #1〜#n)のいずれもS/W-HUB A03でブロードバンドルータ103に接続されている。オンライン決済を中継するゲートウエイシステムA01も同様にS/W-HUB A03を介してブロードバンドルータ103と接続している。
【0076】
オンライン決済処理の通信データは全てゲートウエイシステムA01で変換あるいはルーティングされブロードバンドルータ103を経由して送受信される。
【0077】
図13は通常時のゲートウエイシステムを利用したオンライン決済処理に関連するデータシーケンスとしてカード残高確認処理A21を例に示す。
【0078】
TCPポート番号が30020であることを除いて、POS端末101〜ゲートウエイシステムA01間のデータシーケンスは、図2に示すPOS端末101〜ブロードバンドルータ103間のデータシーケンスと同様の手続きである。例えば、セッション(接続)を確立する為に、POS端末101はTCP-SYN(セッション確立のためのパケット)をゲートウエイシステムA01のTCPポート番号30020へ送信する。TCP-SYNを受信したゲートウエイシステムA01はTCP-SYNをブロードバンドルータ103のTCPポート番号30030へ送信する。
【0079】
図14は障害時のゲートウエイシステムを利用したオンライン決済処理に関連するデータシーケンスとしてカード売上処理A31を例に示す。
【0080】
外設POST A02(外設POST #1〜#n)〜ゲートウエイシステムA01間のデータシーケンスは、図3に示すPOS端末101〜ブロードバンドルータ103間のデータシーケンスと同様の手続きである。
【0081】
POS端末101および外設POST A02は、ゲートウエイシステムA01に対して同一の手順でオンライン決済処理を実現できるため、オンライン処理が通常時であるか障害時であるかを認識する必要がなく自動的にゲートウエイシステムA01によって変換および転送が実施される。
【0082】
(第3の実施形態)
図1の閉域IP網108への接続を光ファイバー接続から図10のようにADSLモデム921を利用したADSL接続に変更してもよい。
【0083】
(第4の実施形態)
図1の閉域IP網(IP-VPN接続)108をプロバイダ地域IP網を経由したインターネット接続にしてもよくこの場合は図11の構成となる。
【0084】
以上説明した各実施形態の構成では、クレジットカード、デビッドカード等を用いたカード決済におけるオンライン決済処理において、2つのネットワークを利用したオンライン決済処理を可能とする機能を有し、障害時等の状況で自動あるいは手動でネットワークインフラの切り替えを可能とすることで耐障害性を高めたシステムを構成することができる。
【0085】
さらに、現在選択されているネットワークをPOS端末画面上に表示することができる。
【0086】
POS端末は専用端末を用いてもよいが、POS機能はコンピュータを用いてソフトウエアによって実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、小中規模店舗に導入されるPOS端末のオンライン決済処理やオンライン決済用専用端末に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わるPOS端末を利用したオンライン決済システムの一例を示す図である。
【図2】POS端末とオンライン決済センターで交換されるカード残高確認処理に関わるシーケンスを示す図である。
【図3】POS端末とオンライン決済センターで交換されるカード売上処理に関わるシーケンスを示す図である。
【図4】障害を自動的に検出する傷害検知処理の機能を示す図である。
【図5】障害復旧を自動的に検出する復旧検知処理の機能を示す図である。
【図6】通常時のPOS端末101の画面を示す図である。
【図7】障害時のPOS端末101の画面を示す図である。
【図8】通常時のオンライン決済処理が通信エラーとなった場合に手動で代替処理を選択するユーザーインターフェースを示す、POS端末101の画面を示す図である。
【図9】図1に示すブロードバンドルータ103を、ブロードバンドルータ103とダイヤルアップルータ912に分割した本発明の第2の実施形態の構成を示す図である。
【図10】図1の閉域IP網108への接続を光ファイバー接続からADSLモデム921を利用したADSL接続に変更した本発明の第3の実施形態の構成を示す図である。
【図11】図1の閉域IP網(IP-VPN接続)108をプロバイダ地域IP網を経由したインターネット接続にした本発明の第4の実施形態の構成を示す図である。
【図12】ゲートウエイシステムA01による複数端末接続の例をガソリンスタンドのPOSシステムを示す図である。
【図13】通常時のゲートウエイシステムを利用したオンライン決済処理に関連するデータシーケンスとしてカード残高確認処理A21を示す図である。
【図14】障害時のゲートウエイシステムを利用したオンライン決済処理に関連するデータシーケンスとしてカード売上処理A31を示す図である。
【図15】POS端末101のネットワーク切替処理に係わる構成部分について売上処理ソフトウエアを例に示す図である。
【図16】売上処理ソフトウエア1002の処理ルーチンの例として、クレジット処理に関するフローを示す図である。
【図17】isdn_call関数の処理フローの概要を示す図である。
【図18】図17のisdn_call関数に回線選択の自動検出機能を加え改良したisdn_call関数を示す図である。
【図19】isdn_send関数の処理フローの概要を示す図である。
【図20】図19のisdn_send関数に図18で示したisdn_call関数による再発呼処理を加え、通常時から障害時に自動的にデータの送信先を変更する処理を加え改良したものを示す図である。
【符号の説明】
【0089】
101 POS(Point Of Sales)端末
102 イーサネットケーブル
103 ブロードバンドルータ(ダイヤルアップルータ機能あり)
104 電話ケーブル
105 イーサネットケーブル
106 ONU(Optical Network Unit:光終端装置)
107 光ケーブル
108 閉域IP網(IP-VPN網)
109 ISDN交換機網(X.25 Dchパケット網)
110 光ケーブル
111 電話ケーブル
112 ONU(Optical Network Unit:光終端装置)
113 DSU(Digital Service Unit:加入者回線終端装置)
114 光ケーブル
115 ISDNケーブル
116 ブロードバンドルータ
117 ISDN回線収容端末
118 イーサネットケーブル
119 イーサネットケーブル
120 S/W-HUB(スイッチングHUB)
121 イーサネットケーブル
122 オンライン決済センターホストシステム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二つのネットワークで、通信端末とホストシステムとの間が接続される通信システムにおいて、
前記通信端末は、
一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信した送信データと、前記一のネットワークを介して前記ホストシステムが返信した応答データとを比較する比較手段と、
前記送信データと前記応答データとが不一致の場合又は前記応答データを受信しない場合は他のネットワークに切り替える制御手段と、を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記通信端末は、前記他のネットワークへ切り替え後に、前記一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信データを送り、
前記制御手段は、前記比較手段が前記送信データと前記応答データとの一致を検出した場合に、前記一のネットワークに切り替えることを特徴とする通信システム。
【請求項3】
少なくとも二つのネットワークで、通信端末とホストシステムとの間が接続される通信システムのネットワーク切り替え方法において、
前記通信端末は、
一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信した送信データと、前記一のネットワークを介して前記ホストシステムが返信した応答データとを比較し、
前記送信データと前記応答データとが不一致の場合又は前記応答データを受信しない場合は他のネットワークに切り替えることを特徴とするネットワーク切り替え方法。
【請求項4】
請求項3に記載のネットワーク切り替え方法において、
前記通信端末は、前記他のネットワークへ切り替え後に、前記一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信データを送り、
前記送信データと前記応答データとの一致を検出した場合に、前記一のネットワークに切り替えることを特徴とする通信システム。
【請求項5】
少なくとも二つのネットワークで、ホストシステムと接続される通信端末であって、
一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信した送信データと、前記一のネットワークを介して前記ホストシステムから受信した応答データとを比較する比較手段と、
前記送信データと前記応答データとが不一致の場合又は前記応答データを受信しない場合は他のネットワークに切り替える制御手段と、を備えた通信端末。
【請求項6】
請求項5に記載の通信端末において、
前記制御手段は、前記他のネットワークへ切り替え後に、前記一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信データを送り、前記比較手段が前記送信データと応答データとの一致を検出した場合に、前記一のネットワークに切り替えることを特徴とする通信端末。
【請求項1】
少なくとも二つのネットワークで、通信端末とホストシステムとの間が接続される通信システムにおいて、
前記通信端末は、
一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信した送信データと、前記一のネットワークを介して前記ホストシステムが返信した応答データとを比較する比較手段と、
前記送信データと前記応答データとが不一致の場合又は前記応答データを受信しない場合は他のネットワークに切り替える制御手段と、を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記通信端末は、前記他のネットワークへ切り替え後に、前記一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信データを送り、
前記制御手段は、前記比較手段が前記送信データと前記応答データとの一致を検出した場合に、前記一のネットワークに切り替えることを特徴とする通信システム。
【請求項3】
少なくとも二つのネットワークで、通信端末とホストシステムとの間が接続される通信システムのネットワーク切り替え方法において、
前記通信端末は、
一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信した送信データと、前記一のネットワークを介して前記ホストシステムが返信した応答データとを比較し、
前記送信データと前記応答データとが不一致の場合又は前記応答データを受信しない場合は他のネットワークに切り替えることを特徴とするネットワーク切り替え方法。
【請求項4】
請求項3に記載のネットワーク切り替え方法において、
前記通信端末は、前記他のネットワークへ切り替え後に、前記一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信データを送り、
前記送信データと前記応答データとの一致を検出した場合に、前記一のネットワークに切り替えることを特徴とする通信システム。
【請求項5】
少なくとも二つのネットワークで、ホストシステムと接続される通信端末であって、
一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信した送信データと、前記一のネットワークを介して前記ホストシステムから受信した応答データとを比較する比較手段と、
前記送信データと前記応答データとが不一致の場合又は前記応答データを受信しない場合は他のネットワークに切り替える制御手段と、を備えた通信端末。
【請求項6】
請求項5に記載の通信端末において、
前記制御手段は、前記他のネットワークへ切り替え後に、前記一のネットワークを介して前記ホストシステム宛に送信データを送り、前記比較手段が前記送信データと応答データとの一致を検出した場合に、前記一のネットワークに切り替えることを特徴とする通信端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−164758(P2009−164758A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340089(P2007−340089)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】
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