説明

通信システム内において往復待ち時間及びオーバーヘッドを低減するための方法及び装置

【課題】通信システムにおける往復待ち時間及びオーバーヘッド双方を低減するためのデータの送信方法。
【解決手段】無線フレームの1つのサブフレーム内にデータを配置する。データは複数のOFDM符号またはシングルキャリアFDMA符号を含む。符号のうちの2つ以上は異なる符号持続時間を有する。無線フレーム及びサブフレームの持続時間は同じである。サブフレームに含まれる符号は複数のサブキャリアを含み、サブフレームに含まれる複数の符号及びサブキャリアは、搬送波帯域幅が整数個の資源ブロックに分割されるように、資源ブロックへとグループ化される。サブフレームに含まれる2つ以上の符号のサイクリック・プレフィックスの持続時間は、最小の搬送波帯域幅に対応する1つのサンプル持続時間だけ異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システムに関する。詳細には、本発明は通信システム内において往復待ち時間及びオーバーヘッドを低減するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト(3GPP)長期的進化規格(LTE)等における無線広帯域システム開発の主な要件の1つは、ユーザ体験を改善するために、待ち時間を低減することである。リンク層の観点からは、待ち時間への主な寄与要因は、パケット送信とパケット受信の確認応答との間の往復遅延である。往復遅延は、通常、フレームの数として定義され、この場合、フレームは、スケジューリングが行われる時間的持続期間である。往復遅延それ自体は、パケットの最初の送信と後続の送信との間における遅延等の設計パラメータを含む全体的な自動再送要求(ARQ)設計、又は、ハイブリッドARQチャネル(インスタンス)の数を決定する。従って、これからの通信システムでは、ユーザ体験改善のための開発において、最適なフレーム持続時間の定義に注目した待ち時間の低減は重要である。そのようなシステムには、3GPP内において、高度進化型総合地上無線接続(UTRA)及び進化型総合地上無線接続ネットワーク(UTRAN)(EUTRA及びEUTRANとしても知られている)、及び他の技術仕様作成機関内における通信システムの進化版(3GPP2内における‘Phase2’並びにIEEE802.11、802.16、802.20、及び802.22の進化版等)が含まれる。
【0003】
残念なことに、単一のフレーム持続時間は、異なるサービス品質(QoS)特性を必要とする又は異なるパケットサイズを提示する異なるトラフィックタイプにとって、最良ではない。特に、このことは、フレームの制御チャネル及びパイロットオーバーヘッドを考慮する場合に正しい。例えば、絶対制御チャネルオーバーヘッドが、ユーザ当り資源配分当り一定であり、また、フレーム当り単一のユーザが割り当てられる場合、0.5msのフレーム持続時間は、2msのフレーム持続時間よりおおよそ4倍効率が劣る。更に、異なるフレーム持続時間が、異なる製造業者又は運用者によって好まれることがあり、業界標準規格又は互換設備の開発を困難にしている。従って、通信システム内における往復待ち時間及びオーバーヘッド双方を低減するための改善された方法に対する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記必要性に対応するために、往復待ち時間を低減するための方法及び装置を本明細書において提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
動作中、無線フレームは、複数のサブフレームに分割される。データは、無線フレームを介して複数のサブフレーム内において送信され、また、フレーム持続時間が、2つ以上の可能なフレーム持続時間から選択される。
【0006】
本発明は、通信システム内において往復待ち時間を低減するための方法を包含する。この方法は、無線フレームを介して送信されるデータを受信する工程を含む。無線フレームには複数のサブフレームが含まれる。2つ以上の可能なフレーム持続時間からフレーム持続時間が選択され、フレームは複数のサブフレームにほぼ等しい。データは複数サブフレーム内に配置され、複数のデータサブフレームが生成される。フレームは複数のデータサブフレームを有し、無線フレームを介して送信される。
【0007】
本発明は、更に、無線フレームを介して第1ユーザに送信されるデータを受信する工程を含む方法を含む。無線フレームには複数のサブフレームが含まれる。2つ以上の可能なフレーム持続時間から第1ユーザ用にフレーム持続時間が選択され、フレームは複数のサブフレームにほぼ等しい。第1ユーザ用のデータは複数サブフレーム内に配置され、複数のデータサブフレームが生成され、そして、無線フレームを介して、複数のデータサブフレームを有して、第1ユーザに送信される。無線フレームを介して第2ユーザに送信される第2データが受信される。2つ以上の可能なフレーム持続時間から第2ユーザ用に第2フレーム持続時間が選択され、第2フレームは複数のサブフレームにほぼ等しい。第2ユーザ用の第2データは複数サブフレーム内に配置され、複数の第2データサブフレームが生成される。第2フレームは、無線フレームを介して、複数の第2データサブフレームを有して、第2ユーザに送信される。
【0008】
本発明は、通信システム内においてデータを送信するための方法を包含する。この方法は、無線フレームを介して送信されるデータを受信する工程を含む。無線フレームには複数のサブフレームが含まれる。フレーム長は、複数サブフレームを含んで選択され、また、サブフレームタイプは、複数のサブフレームに対して、2つ以上のサブフレームタイプの1つから選択される。データは、複数サブフレーム内に置かれて、複数のデータサブフレームが生成され、フレームは、無線フレームを介して、複数のデータサブフレーム及びサブフレームタイプを有して送信される。
【0009】
本発明は、通信システム内においてデータを送信するための方法を包含する。この方法は、無線フレームを介して送信されるデータを受信する工程を含む。無線フレームには複数のサブフレームが含まれる。フレームが選択され、フレームは複数のサブフレームにほぼ等しい。データは、複数サブフレーム内に置かれて、複数のデータサブフレームが生成され、また、共通パイロットは、複数サブフレームの各サブフレーム内に配置される。複数のデータサブフレームを有するフレームは、無線フレームを介して送信される。
【0010】
本発明は、通信システム内においてデータを送信するための方法を包含する。この方法は、2つ以上のシステム帯域幅からシステム帯域幅を決定する工程と、無線フレームを介して送信されるデータ及びシステム帯域幅を受信する工程と、を含む。無線フレームには複数のサブフレームが含まれ、また、無線フレーム持続時間及びサブフレーム持続時間は、システム帯域幅に基づく。フレームが選択され、フレームは複数のサブフレームにほぼ等しい。データは、複数サブフレーム内に置かれて、複数のデータサブフレームが生成され、また、フレームは、無線フレームを介して、複数のデータサブフレーム及びサブフレームタイプを有して送信される。
【0011】
通信システム内においてデータを送信するための方法は、搬送波帯域幅を決定する工程と、無線フレームを介して送信されるデータを受信する工程と、を含む。無線フレームには複数のサブフレームが含まれる。フレームが選択され、フレームは、複数のサブフレームにほぼ等しく、また、各サブフレームには、資源要素が含まれ、資源要素には、複数の副搬送波が含まれ、搬送波帯域幅が、複数の資源要素に分割される。データは、複数サブフレーム内に置かれて、複数のデータサブフレームが生成され、また、フレームは、無線フレームを介して、複数のデータサブフレーム及びサブフレームタイプを有して送信される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】通信システムのブロック図。
【図2】アップリンク及びダウンリンク送信を実施するために用いられる回路のブロック図。
【図3】無線フレームのブロック図。
【図4】一連の連続した短フレームを示す図。
【図5】一連の連続した長フレームを示す図。
【図6】10ms無線フレーム並びに約0.5ms、0.55556ms、0.625ms、及び0.67msのサブフレームのテーブルを示す図。
【図7】0.5msサブフレーム及び長フレーム当り6サブフレーム(3ms)であるテーブル1の第3データ列の例を示す図。
【図8】2msの長フレーム及び0.5msの短フレームの組合せに基づく無線フレームの2つの例を示す図。
【図9】ユニキャスト送信に用い得る各々サイクリック・プレフィックス901が5.56μsでj=10のOFDM符号が含まれるサブフレームを示す図。
【図10】一斉送信に用い得る各々サイクリック・プレフィックス1001が11.11μsでj=9の符号が含まれる‘一斉送信’サブフレームを示す図。
【図11】3つのサブフレームタイプの例を有するテーブルを示す図。
【図12】全体的に一斉送信サブフレームから構成された又は全体的に通常(ユニキャスト)サブフレームから構成された長フレームを示す図。
【図13】通常又は一斉送信サブフレームのいずれかから構成された短フレーム及び1つ又は複数の一斉送信タイプの短フレームを示す図。
【図14】無線フレームオーバーヘッドの例を示す図。
【図15】同期及び制御(S+C)領域が、無線フレームの一部ではないが、無線フレームから構成されたより大きな階層フレーム構造の一部であり、(S+C)領域がj無線フレーム毎に送られる任意の大きさの代替の無線フレーム構造を示す図。
【図16】スーパーフレームがn+1無線フレームから構成されると定義される階層フレーム構造を示す図。
【図17】スーパーフレームがn+1無線フレームから構成されると定義される階層フレーム構造を示す図。
【図18】ダウンリンクサブフレームと同じ構成であるアップリンクサブフレームを示す図。
【図19】長RACH、データ、又は複合フレームタイプである0.5msサブフレームから構成された2msの長フレームを示す図。
【図20】長RACH、データ、又は複合フレームタイプである0.5msサブフレームから構成された2msの長フレームを示す図。
【図21】長RACH、データ、又は複合フレームタイプである0.5msサブフレームから構成された2msの長フレームを示す図。
【図22】幾つかのユーザ用の短フレーム周波数選択性(FS)及び周波数ダイバース(FD)資源配分をそれぞれ示す図。
【図23】幾つかのユーザ用の短フレーム周波数選択性(FS)及び周波数ダイバース(FD)資源配分をそれぞれ示す図。
【図24】幾つかのユーザ用の短フレーム周波数選択性(FS)及び周波数ダイバース(FD)資源配分をそれぞれ示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照する。同様な数字は同様な構成要素を示す。図1は、通信システム100のブロック図である。通信システム100には、複数のセル105(1つだけ示す)が含まれ、各々、複数の遠隔即ち移動ユニット101乃至103と通信を行う送受信基地局(BTS又は基地局)104を有する。本発明の好適な実施形態において、通信システム100は、次世代直交周波数分割多重(OFDM)又はマルチキャリアベースのアーキテクチャを利用するが、例えば、サイクリック・プレフィックス又はガードインターバルを備えた又は備えていないOFDM(例えば、サイクリック・プレフィックス又はガードインターバルを備えた従来のOFDM)、パルス成形を行いサイクリック・プレフィックス又はガードインターバルを備えていないOFDM(IOTA(等方性直交変換アルゴリズム)プロトタイプフィルタを備えたOFDM/OQAM)、又は、サイクリック・プレフィックス又はガードインターバルを備えた又は備えていない単一の搬送波(例えば、IFDMA、DFT拡散OFDM)等を利用する。データ伝送は、ダウンリンク送信又はアップリンク送信である。送信方式には、適応変調・符号化(AMC)を含み得る。アーキテクチャには、更に、マルチキャリアCDMA(MC−CDMA)、マルチキャリア直接拡散CDMA(MC−DS−CDMA)、1次元又は2次元拡散による直交周波数・符号分割多重(OFCDM)等の、拡散手法の使用を含んだり、あるいは、より単純な時間及び/又は周波数分割多重/多重接続手法、又は、これら様々な手法の組合せに基づいたりし得る。しかしながら、他の実施形態において、通信システム100は、これらに限定するものではないが、TDMA又は直接拡散CDMA等、他の広帯域セル方式通信システムプロトコルを利用し得る。
【0014】
OFDMに加えて、通信システム100は、適応変調・符号化(AMC)を利用する。AMCの場合、特定受信機用送信データストリームの変調・符号化フォーマットは、送信される特定のフレーム用の(受信機における)現在の受信信号品質に主として整合するように変更される。変調・符号化方式は、移動体通信システムで発生するチャネル品質変動を追跡するために、フレーム毎に変更し得る。従って、高品質のストリームには、通常、より高水準の変調速度及び/又はより大きいチャネル符号化速度が割り当てられ、変調水準及び/又は符号速度は、品質が低下するにつれて減少する。高品質に遭遇する受信機の場合、16QAM、64QAM又は256QAM等の変調方式が利用され、他方、低品質に遭遇する受信機の場合、BPSK又はQPSK等の変調方式が、利用される。
【0015】
多重符号化速度は、各変調方式が、より細かなAMC細分性を提供して、品質と送信信号特性(例えば、QPSKの場合、R=1/4、1/2、及び3/4、16QAMの場合、R=1/2及びR=2/3等)との間の整合が緊密になるように利用可能である。尚、AMCは、時間次元において実施(例えば、NのOEDM符号周期毎に変調/符号化を更新)したり、又は、周波数次元において実施(例えば、Nscの副搬送波毎に変調/符号化を更新)したり、又は両者の組合せで実施し得る。
【0016】
選択された変調・符号化は、チャネル品質測定遅延もしくはエラー又はチャネル品質報告遅延等の理由により、現在の受信信号品質のみに主に整合し得る。そのような待ち時間は、通常、パケット送信とパケット受信の確認応答との間の往復遅延に起因する。
【0017】
待ち時間を低減するために、無線フレーム(RAF)及びサブフレームは、RAFが、複数(好適な実施形態では、整数)のサブフレームに分割されるように定義される。無線フレーム内において、フレームは、データ伝送用の整数のサブフレームから構成され、2つ以上のフレーム持続時間が利用可能である(例えば、1つのサブフレームの第1フレーム持続時間、及び3つのサブフレームの第2フレーム持続時間)。
【0018】
例えば、UTRAからの10msコア無線フレーム構造は、無線フレーム当りNrfのサブフレーム(例えば、Tsf=1つのサブフレームの持続時間とすると、Nrf=20のTsf=0.5msサブフレーム)で定義し得る。OFDM送信の場合、サブフレームには、整数PのOFDM符号間隔が含まれ(例えば、Tsn=1つのOFDM符号の持続時間とすると、Tsn=50μs符号の場合、P=10)、また、1つ又は複数のサブフレームタイプは、ガードインターバル又はサイクリック・プレフィックス(例えば、通常又は一斉送信)に基づき定義し得る。
【0019】
当業者は認識されるように、フレームは、スケジュール化されたデータ送信と関連付けられる。フレームは、資源の用途(即ち、ユーザへの配分等)の制御を行う関連付けられた(恐らく一意に関連付けられた)制御構造を有するという点において、‘スケジュール化可能な’資源として又はスケジュール化可能なユニットとして定義し得る。例えば、ユーザをフレームにスケジュール化しようとする場合、フレームに対応する資源配分メッセージは、送信用のフレームに資源(例えば、OFDMシステムの場合、複数の変調符号、各々1つのOFDM符号に1つの副搬送波)を提供する。フレームのデータ送信の確認応答が返され、また、新しいデータ又はデータの再送信は、将来のフレームにスケジュール化し得る。フレームの全ての資源が、資源配分において(OFDMシステム等において)、割り当てられないことから、資源配分は、フレームの全ての利用可能な帯域幅及び/又は時間資源に及ばないことがある。
【0020】
異なるフレーム持続時間を用いて、提供されたタイプのトラフィックに基づき、待ち時間及びオーバーヘッドを低減し得る。例えば、最初の送信及び再送信が、インターネットプロトコル(VoIP)データパケットを介して、高い信頼度で音声を受信するのに必要であり、また、再送信が、1フレーム遅延の後にのみ起こり得る場合、2msフレームの代わりに、0.5msフレーム内に資源を割り当てると、高信頼度受信の場合、6ms(送信、アイドルフレーム、再送信)から1.5msに待ち時間が低減される。他の例において、0.5msフレームの代わりに1msフレーム等、断片化することなくユーザのパケットに適合する資源配分を行うと、パケットの複数の断片用の制御及び確認応答信号送信等のオーバーヘッドを低減し得る。
【0021】
連続OFDM符号等、資源の集団を反映する他の名前は、サブフレーム、フレーム、及び無線フレームの代わりに用い得る。例えば、用語「スロット」は、‘サブフレーム’に対して、又は‘送信時間間隔(TTI)’は、‘フレーム’もしくは‘フレーム持続時間’に対して用い得る。更に、フレームは、ユーザ送信固有量(ユーザ及びデータフローに関連するTTI等)と見なすことが可能であり、従って、フレームは、ユーザ間において、又は同じユーザからの送信間においてさえ、同期化や揃える必要がない(例えば、1つのサブフレームは、ユーザからの2つのデータ送信部分を含んで、第1の部分を1つのサブフレームのフレームで送信し、第2の部分を4つのサブフレームのフレームで送信し得る)。もちろん、例えば、時間が、一連の0.5ms又は2msフレームに分割され、また、全ての資源配分がこれらのフレーム内になければならない場合、1人のユーザによる送信又は複数のユーザによる送信のいずれかを制限して、フレームを同期化したり揃えたりすると、有利である。上述したように、無線フレームは、異なるサイズのサブフレームもしくはフレームの集団又はサブフレームにおける符号の数を超過するような連続OFDM又はDFT−SOFDM符号等の資源の集団を表し得るが、この場合、各符号は、搬送波帯域幅に応じて、ある数の副搬送波から構成される。
【0022】
更に、無線フレーム構造を用いて、ダウンリンク(DL)送信用の共通制御チャネル(一斉送信チャネル、ページングチャネル、同期チャネル、及び/又は表示チャネル等)が、サブフレームシーケンスに時分割多重化されるように定義し得るが、これによって、ユーザ設備(遠隔ユニット)における処理を簡素化又はバッテリ寿命を延ばし得る。同様に、アップリンク(UL)送信の場合、更に、無線フレーム構造を用いて、競合チャネル(例えば、ランダムアクセスチャネル(RACH))、共有データチャネルで時間多重化されたパイロットを含む制御チャネルを定義し得る。
【0023】
図2は、アップリンク及びダウンリンク送信を実施する基地局104又は移動局101乃至103用の回路200のブロック図である。図示するように、回路200には、論理回路201、送信回路202、及び受信回路203が含まれる。論理回路200には、好適には、これらに限定するものではないが、フリースケール(Freescale)社のPowerPC(登録商標)マイクロプロセッサ等のマイクロプロセッサコントローラが含まれる。送信及び受信回路202乃至203は、当分野で知られている一般的な通信用回路であり、公知のネットワークプロトコルを利用し、また、メッセージを送信及び受信するための手段として機能する。例えば、送信機202及び受信機203は、好適には、3GPPネットワークプロトコルを利用する公知の送信機及び受信機である。他の可能な送信機及び受信機には、これらに限定するものではないが、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.16、又はハイパーLANプロトコルを利用する送受信機が含まれる。
【0024】
動作中、送信機203及び受信機204は、上述したように、データフレーム及び制御情報を送信及び受信する。特に、データ送信は、無線フレームを介して送信されるデータを受信することによって起こる。無線フレーム(図3に示す)には、複数のサブフレーム300(1つだけ表記)が含まれ、ここで、サブフレーム301の持続時間は、ほぼ一定であり、無線フレーム300の持続時間は、一定である。一例としてのみ示すが、無線フレームには、j=10の符号からなり、持続時間0.5msのm=20のサブフレーム300が含まれる。送信中、論理回路201は、2つ以上のフレーム持続時間からフレーム持続時間を選択するが、フレーム持続時間は、ほぼサブフレーム持続時間×ある数である。フレーム持続時間に基づき、その数のサブフレームは、フレームにグループ化され、データが、サブフレーム内に置かれる。送信は、送信機202が、無線フレームを介して、その数のサブフレームを有するフレーム300を送信することによって起こる。
【0025】
上述したように、データ送信は、ダウンリンク送信又はアップリンク送信であってよい。送信方式は、サイクリック・プレフィックス又はガードインターバルを備えた又は備えていないOFDM(例えば、サイクリック・プレフィックス又はガードインターバルを備えた従来のOFDM、パルス成形を行いサイクリック・プレフィックス又はガードインターバルを備えていないOFDM(IOTA(等方性直交変換アルゴリズム)プロトタイプフィルタを備えたOFDM/OQAM)、又は、サイクリック・プレフィックス又はガードインターバルを備えた又は備えていない単一の搬送波(例えば、IFDMA、DFT拡散OFDM)等であってよい。
【0026】
フレーム持続時間
2つ以上のフレーム持続時間が存在する。2つのフレーム持続時間が定義される場合、短及び長フレーム持続時間と指定し得るが、短フレーム持続時間に含まれるサブフレームは、長フレーム持続時間のサブフレームより少ない。図4は、一連の連続した短フレーム401(短フレームの多重化)を示し、図5は、一連の連続した長フレーム501(長フレームの多重化)を示す。時間は、一連のサブフレームに分割され、サブフレームは、2つ以上の持続時間のフレームにグループ化され、また、フレーム持続時間は、連続したフレーム間で異なってよい。フレームのサブフレームは、1つのサブフレームタイプであり、通常、2つ以上のサブフレームタイプである。各短及び長フレームは、ns(n)サブフレームから構成されたスケジュール化可能な構成単位である。図4及び図5の例において、サブフレームは、持続時間0.5ms及び10符号のものであり、短フレーム401の場合、ns=1であり、長フレーム501の場合、n=6(3ms)であるが、他の値を用いてもよい。無線フレームを定義する必要はないが、定義された場合、フレーム(例えば、短又は長フレーム)は、複数の無線フレームに及ぶことがある。一例として、共通パイロット又は共通参照符号又は共通参照信号は、各サブフレームの第1符号に時分割多重化(TDM)され、制御符号は、各フレームの第1符号にTDM化される(FDM、CDM、及び組合せ等の他形態の多重化も用いてよい)。パイロット符号及び資源配分制御構成は、後述の節で議論する。ここでは、長フレーム用の制御オーバーヘッドが短フレーム用より小さいことを示すつもりである。
【0027】
無線フレーム(無線フレーム)には、短フレーム401、長フレーム501、又は何らかの組合せの短及び長フレームを含み得る。単一のユーザは、無線フレーム内において短フレーム及び長フレーム双方を有したり、1つのフレーム持続時間に制限したりできる。複数のユーザフレームは、同期又は揃っていてもよく、非同期又は揃っていなくてもよい。一般的に、フレーム(例えば、短又は長フレーム)は、複数の無線フレームに及び得る。10ms無線フレーム及び約0.5ms、0.55556ms、0.625ms、及び0.67msのサブフレーム用の幾つかの異なる長フレーム構成を、以下の図6のテーブル1に示す。本例において、短フレーム持続時間は、1つのサブフレームであり、長フレーム持続時間は、変動する。無線フレーム当りの長フレームの最大数を各構成に対して示し、また、無線フレーム当りの短フレームの最小数を示す。無線フレームオーバーヘッド多重化節において述べるように、(サブフレームにおける)オプションの無線フレームオーバーヘッドを(例えば、前述の共通制御チャネルに対して)仮定する。しかしながら、無線フレーム及び他のオーバーヘッドもまた、フレーム(データサブフレーム)内において、多重化し得る。簡潔さ及び柔軟性のために、無線フレームオーバーヘッドが、整数のサブフレームであることは、好適ではあるが、必要ではない。
【0028】
図7は、0.5msサブフレームで長フレーム当り6サブフレーム(3ms)であるテーブル1の第3データ列の例を示す。図7の例において、無線フレームは、2つの同期及び制御サブフレーム(無線フレームオーバーヘッド)701で始まり、18個の短フレーム702(1つだけ表記)又は3個の長フレーム703(1つだけ表記)のいずれかが続き、各長フレームは、6個のサブフレームから構成される。本例における追加(オプション)のパラメータは、無線フレーム当りの短フレームの最小数である(テーブル最終行)。このパラメータは、無線フレームが、幾つかの短フレームを含まねばならないかどうか判断する。無線フレーム当りの短フレームの最小数をゼロに設定することによって、無線フレームは、短フレームではなく長フレームで完全に埋めることができる。無線フレーム当りの短フレームの最小数がゼロであることから、短及び長フレームの混在は、(一般的には許されるが)無線フレームでは禁止される。
【0029】
他の選択肢として、テーブル1は、0.5msサブフレームで長フレーム当り4サブフレーム(2ms)であるテーブル入力項目も示す。図8は、2msの長フレーム及び0.5ms短フレームの組合せに基づく無線フレームの2つの例を示す。長フレーム用の可能な開始点は、無線フレーム内における既知の位置に限定し得る。
【0030】
特定のフレーム持続時間を選択する理由
一例として、フレーム持続時間は、部分的に以下に基づき選択し得る。
・ユーザ設備の能力を含む、あるフレーム持続時間が好都合な特定のハードウェア
・(要因の中でもとりわけ)配備上の好み又は利用可能な周波数範囲及び他の配備された無線システムへの近接性を含み得る運用者又は製造業者の好み
・チャネル帯域幅(1.25MHz又は10MHz等)
・1人又は複数のユーザからのユーザ条件。ユーザ条件は、速さ(ドップラ)、無線チャネル条件、セルにおけるユーザ地点(例えば、セル端)、又は他のユーザ条件であってよい。
・待ち時間要件、パケットサイズ、エラーレート、許容可能な再送信の数等の、1人又は複数のユーザのユーザトラフィック特性
・フレーム持続時間は、1人又は複数のユーザ用の最小オーバーヘッドに部分的に基づき選択し得る。オーバーヘッドは、制御オーバーヘッド、断片化オーバーヘッド(例えば、CRC)、又は他のオーバーヘッドであってよい。
・フレームにスケジュール化されるユーザの数
・システム‘負荷’及び各セルのユーザの数を含む、無線ネットワーク状態
・従来システムとの下位互換性
・搬送波の周波数及び変調分割並びに割り当てられたトラフィックタイプ。搬送波全体は、異なるサイズの2つ以上の帯域に分割され、異なる変調タイプを各帯域に用い得る(例えば、搬送波帯域幅は、CDMA又は単一の搬送波又は拡散OFDM帯域及びマルチキャリアOFDM帯域に分割される)。これにより、異なるフレームサイズは、各帯域における割り当てられた又はスケジュール化されたトラフィックタイプに対して、より良い又は(ほぼ)最適である(例えば、CDMA帯域でのVoIP及び他のOFDM帯域でのウェブブラウジング)。
【0031】
一例として、短フレーム(例えば、最大数のサブフレームより小さい持続時間のフレーム)と長フレーム(例えば、最小数のサブフレームより大きい持続時間のフレーム)との間の単一ユーザ用のフレーム持続時間を選択する場合を考える。短フレームは、最小待ち時間、最小パケット、媒体ドップラ、大きな帯域幅、又は他の理由により選択し得る。長フレームは、より小さいオーバーヘッド、小さい待ち時間、より大きなパケット、低い又は高いドップラ、セル端、小さい帯域幅、マルチユーザスケジューリング、周波数選択性スケジューリング、又は他の理由により選択し得る。一般的に、非常に厳重な規則を適用する必要はないが、このため、任意の待ち時間、パケットサイズ、帯域幅、ドップラ、地点、スケジューリング方法等が、任意のフレーム持続時間(短い又は長い)において用い得る。例えば、サブフレーム持続時間は、最小ダウンリンクフレーム又はTTIに対応し得る。複数サブフレームをより長いフレーム又はTTIに連結すると、例えば、より小さいデータ速度及びQoS最適化に対するサポートを改善し得る。
【0032】
フレーム持続時間は、複数の細分性のいずれかで選択し得る。フレーム持続時間又はTTIは、半静的な又は動的な輸送チャネル属性のいずれかであってよい。このように、フレーム持続時間又はTTIをフレーム毎に(従って、動的に)又は半静的に決定し得る。動的な場合、ネットワーク(ノードB)は、いずれか明示的に(例えば、L1ビットで)又は非明示的に(例えば、変調・符号化速度及び輸送ブロックサイズを示すことによって)フレーム持続時間を信号送信する。半静的なフレーム持続時間又はTTIの場合、フレーム持続時間又はTTIは、上位層(例えば、L3)信号送信を通して設定してよい。細分性には、これらに限定するものではないが、フレーム毎、無線フレーム内、無線フレーム間、無線フレームの倍数毎(10、20、100等)、ms又はsの数毎(例えば、115ms、1s等)、ハンドオーバ時、システム登録、システム配備、L3メッセージ受信時等、が含まれる。細分性は、静的な、半静的な、半動的な、動的な、又は他の用語で呼称し得る。フレーム持続時間又はTTIは、また、上記‘選択’特性のいずれかの変化時又はいずれか他の理由により、トリガをかけ得る。
【0033】
サブフレームタイプ
ダウンリンク及びアップリンクにおいて、少なくとも1タイプのサブフレームがあり、通常、ダウンリンク(時として、アップリンク)の場合、常に、2つ以上のタイプのサブフレームがある(各々、ほぼ同じ持続時間)。例えば、これらのタイプは、‘通常’及び‘一斉送信’(ダウンリンク送信の場合)、又はタイプA、B、及びC等であってよい。この場合、データ送信手順は、以下を含むように拡張される。
・無線フレームを介して送信されるデータを受信する工程。ここでは、無線フレームには、複数のサブフレームが含まれ、サブフレームの持続時間がほぼ一定であり、また、無線フレームの持続時間が一定である。
・2つ以上のフレーム持続時間からフレーム持続時間を選択する工程。ここでは、フレーム持続時間は、ほぼサブフレーム持続時間×ある数である。・フレーム持続時間に基づき、フレームをその数のサブフレームにグループ化する工程。・サブフレームタイプを選択する工程。ここでは、選択されたサブフレームのタイプは、サブフレーム内に適合し得るデータの量を表す。
・そのサブフレームタイプのサブフレーム内にデータを配置する工程。
・無線フレームを介して、その数のサブフレームを有するフレームを送信する工程。
示したように、フレーム中の全サブフレームは、同じタイプを有するが、一般的に、サブフレームタイプは、フレーム中に混在し得る。
【0034】
サブフレームタイプは、送信パラメータによって識別し得る。OFDM送信の場合、これには、ガードインターバル持続時間、副搬送波間隔、副搬送波の数、又はFFTサイズを含み得る。好適な実施形態において、サブフレームタイプは、送信のガードインターバル(又はサイクリック・プレフィックス)によって識別し得る。本例において、そのような送信は、OFDM送信と称するが、当分野で公知なように、ガードインターバルは、単一の搬送波(例えば、IFDMA)又は拡散(例えば、CDMA)信号にも適用し得る。より長いガードインターバルは、同期要件を緩和するために、より大きなセルでの配備、一斉送信、又はマルチキャスト送信に用いたり、アップリンク送信に用いたりしてよい。
【0035】
一例として、22.5kHz副搬送波間隔及び44.44μs(非拡張)符号持続時間のOFDMシステムについて考える。図9は、ユニキャスト送信に用い得る各々5.56μsのサイクリック・プレフィックス901を備えたj=10のOFDM符号が含まれるサブフレーム900を示す。図10は、一斉送信に用い得る各々11.11μsのサイクリック・プレフィックス1001を備えたj=9の符号が含まれる‘一斉送信’サブフレーム1000を示す。図において、サブフレームにおける符号の用途(例えば、データ、パイロット、制御、又は他の機能)を示す。明らかに、一斉送信サブフレーム用のサイクリック・プレフィックス1001は、ユニキャスト(非マルチキャスト又は一斉送信)サブフレーム用のサイクリック・プレフィックス901より(時間的に)大きい。従って、フレームは、それらのサイクリック・プレフィックス長によって、短又は長フレームとして、識別し得る。もちろん、より長いCPのサブフレームをユニキャストに用いたり、また、より短いCPのサブフレームを一斉送信に用いたりすることもあり、従って、サブフレームタイプA又はB等の呼称は、適切である。
【0036】
3つのサブフレームタイプの例が、22.5kHz副搬送波間隔及び約0.5、0.5556、0.625、及び0.6667msのサブフレームの場合について、以下の図11に示すテーブル2に提供されている。(サブフレームタイプA、B、及びC用の)3つのサイクリック・プレフィックス持続時間を、各サブフレーム持続時間に対して示す。他の副搬送波間隔も、それらに限定しないが、7−8kHz、12−13kHz、15kHz、17−18kHz等に定義し得る。また、サブフレームでは、ガード持続時間(サイクリック・プレフィックス)が異なる又は副搬送波間隔もしくはFFTサイズが異なるため、全ての符号が、同じ符号持続時間ではあり得ない。
【0037】
用いられるOFDM数理は、例示のみであり、多くの他のものが可能である。例えば、図11に示すテーブル3は、25kHz副搬送波間隔を用いる。この例に示すように(例えば、0.5msサブフレーム、5.45μsガードインターバル)、例えば、所望の符号数でサブフレーム当りのサンプル数を均等に割り切れない場合、サブフレーム内において、ガードインターバルの不均一な持続時間があってよい。この場合、テーブル入力項目は、サブフレームの符号に対する平均サイクリック・プレフィックスを表す。サブフレーム符号当りのサイクリック・プレフィックスを修正する方法の例は、スケーラブル帯域幅節に示す。
【0038】
長フレームは、一斉送信サブフレームから全体的に構成したり、あるいは、通常(ユニキャスト)サブフレーム(図12参照)又は通常及び一斉送信サブフレームの組合せから全体的に構成したりできる。1つ又は複数の一斉送信タイプの長フレームは、無線フレーム内に存在し得る。短フレームも、通常又は一斉送信サブフレームのいずれかから構成してよく、また、1つ又は複数の一斉送信タイプの短フレームは、無線フレームに存在し得る(図13参照)。一斉送信フレームは、他の一斉送信フレームとグループ化して、ユニキャスト及び非ユニキャストデータに対するチャネル予測を改善し得る(パイロット符号節参照。共通パイロットは、隣接サブフレームから用い得る)、及び/又は時間インターリーブのために、一斉送信フレーム間に非一斉送信フレームを配置してよい。図示しないが、少なくとも1つの追加のサブフレームタイプは、‘ブランク’タイプであってよい。ブランクサブフレームは、空であるか、又は、固定されたもしくは疑似的にランダムに生成されたペイロードを含んでよい。ブランクサブフレームは、干渉回避に、干渉測定に、又は無線フレームのフレームにデータが存在しない場合、用いてよい。他のサブフレームタイプも定義してよい。
【0039】
無線フレーム補助機能多重化
無線フレームの一部は、補助機能用に予約し得る。補助機能には、(共通の制御構造を含む)無線フレーム制御、同期フィールド又はシーケンス、相補無線チャネル(FDD搬送波対の一方の周波数等)上でのアクティビティに対する応答を信号送信する標識、又は他のオーバーヘッドタイプを含み得る。
【0040】
図14において、“同期・制御領域”と呼ばれる無線フレームオーバーヘッドの一例を示す。本例において、オーバーヘッドは、20のサブフレーム無線フレームにおいて、時間多重化される2つのサブフレームである。サブフレーム内において、同期及び制御を多重化する他の形態も可能である。同期・制御領域には、(セル固有セル同期符号(CSS)、2つの以上のネットワークエッジノード間で共有されるグローバル同期符号(GSS)を含む)様々なタイプの同期符号、共通パイロット符号(CPS)、ページング標識チャネル符号(PI)、確認応答標識チャネル符号(AI)、他の標識チャネル(OI)、一斉送信標識チャネル(BI)、一斉送信制御チャネル情報(BCCH)、及びページングチャネル情報(PCH)を含み得る。これらのチャネルは、通常、セル方式通信システム内に存在し、異なる名前を有するか又は幾つかのシステムには、存在しないこともある。更に、他の制御及び同期チャネルが、存在し、この範囲の間、送信し得る。
【0041】
図15は、任意のサイズの代替の無線フレーム構造を示す。ここで、同期・制御(S+C)領域は、無線フレームの一部ではないが、無線フレームから構成されたより大きな階層フレーム構造の一部であり、(S+C)領域は、j無線フレーム毎に送られる。本例では、S+C領域に続く無線フレームは、18サブフレームである。
【0042】
図16及び図17は、階層フレーム構造を示し、ここでは、スーパーフレームは、n+1無線フレームから構成されると定義される。図16において、各無線フレーム及びスーパーフレームは、それぞれ制御及び同期・制御領域を有し、他方、図17において、スーパーフレームだけが、制御領域を含む。無線フレーム制御及び同期領域は、同じタイプのものであるか、又は、スーパーフレームにおける異なる無線フレーム点に対して異なってよい。
【0043】
無線フレームの同期・制御部位は、1つ又は複数のサブフレームの全て又は一部であってよく、また、固定持続時間であってよい。また、それは、無線フレームシーケンスが内蔵される階層構造に応じて、無線フレーム間で変動することがある。例えば、図16に示すように、それは、各無線フレームの最初の2サブフレームを含み得る。一般的に、同期及び/又は制御が、複数サブフレームの全て又は一部に存在する場合、複数サブフレームは、互いに直接隣接する必要がない。他の例において、それには、1つの無線フレームに2つのサブフレームを含み、また、他の無線フレームに3つのサブフレームを含み得る。オーバーヘッドの追加のサブフレーム(1つ又は複数)を備えた無線フレームが存在する頻度は小さく、追加のオーバーヘッドは、通常の(頻度の大きい)無線フレームオーバーヘッドに隣接又は隣接しないサブフレームに存在し得る。代替の一実施形態において、オーバーヘッドは、無線フレーム内にあるが、整数のサブフレームではないことがある。このことは、無線フレームがサブフレームに等しく分割されないが、その代わり、オーバーヘッド領域プラス整数のサブフレームである場合、起こり得る。例えば、10ms無線フレームは、10サブフレームからなり、各々、0.9msの長さプラス無線フレームオーバーヘッド用の1ms部(例えば、無線フレームページング又は一斉送信チャネル)を有し得る。
【0044】
後述するように、全ての又は幾つかの無線フレームの同期・制御部位は、短/長サブフレーム構成のマップ等、無線フレームのレイアウトに関する情報を伝達するように(そうである必要はないが)構成し得る(例:無線フレームが、2つの長フレームを有し、それに続き、短フレームを有する場合、この構成は、L−L−Sと表し得る)。更に、同期・制御部位は、どのサブフレームが、一斉送信等に用いられるか指定し得る。このようにして無線フレームレイアウトを伝達すると、フレームレイアウト及び用途をサブフレーム毎にブラインド検出する必要性や、より上位層の信号送信を介して無線フレーム‘スケジュール’を出力する必要性や、有限数の無線フレームシーケンスを事前定義する(次に、これらの内の1つが、選択されて、初期のシステムアクセス時、ユーザ設備に信号送信される)必要性が、低減又は潜在的に排除される。通常のデータフレームは、層3(L3)メッセージを搬送するためにも用い得ることを認識されたい。
【0045】
フレーミング制御
加入者局(SS)101乃至103が、無線フレーム内におけるフレーミング構造(及びサブフレームタイプ)を決定できる幾つかのやり方がある。例えば、以下の通り。
・ブラインド(例えば、BSによって動的に制御されるが、信号送信されない。従って、SSは、無線フレームにおけるフレーム開始を決定しなければならない。フレーム開始は、フレーム内のパイロット又は制御符号の存在に基づき得る。)
・スーパーフレーム(例えば、次のスーパーフレームまで、1sec毎に、BSは、フレーム構成を指定する情報を送信する。)
・システム配備(基地局)及び登録(移動体)
・無線フレーム同期・制御部位における信号送信
・無線フレームの第1フレームにおける信号送信(他フレームのマップを記述し得る。)・制御割当て配分資源において
一般的に、2つ以上のフレーム持続時間及びサブフレームタイプが、無線フレームにあってよい。無線フレームにおいて、短及び長フレームの混在が変動できるように、通信システム100が構成される場合、長フレームの可能な開始点を固定して、信号送信/検索を低減し得る。信号送信/検索の更なる低減は、無線フレームが単一のフレーム持続時間だけ又は単一のサブフレームタイプを有し得る場合、可能である。多くの場合、無線フレームのフレーミング構造を決定すると、例えば、資源配分制御(次節)が、位置指定され、各フレーム(長い又は短い)の第2符号において始まる場合、無線フレーム内における制御及びパイロット情報の場所に関する情報が提供される。
【0046】
制御方法の中には、変化するトラフィック条件に対してフレーム毎に更に適応可能なものもある。例えば、指定されたサブフレーム内に無線フレーム毎制御マップ(無線フレームの最初、先行無線フレームの最後)があると、1つの無線フレームにおいて、大きなパケット(例えば、TCP/IP)を効率的に取り扱うことができ、また、他の無線フレームにおいて、多くのVoIPユーザを取り扱い得る。他の選択肢として、スーパーフレーム信号送信は、ユーザトラフィックタイプが比較的ゆっくり変動すれば、無線フレームにおける制御チャネル配分を変更するのに充分であり得る。
【0047】
資源配分(RA)制御
フレームは、ユーザに対する資源の用途(配分)制御を行う関連付けられた(恐らく一意に関連付けられた)制御構造を有する。資源配分(RA)制御は、通常、再送信をスケジューリングする際の遅延を低減するために、各フレーム及びそのそれぞれのフレーム持続時間に対して行われる。多くの場合、無線フレームのフレーミング構造を決定すると、例えば、資源配分制御が、位置特定され、各フレーム(長い又は短い)の第2符号で始まる場合、無線フレーム内における(フレーム当りの)資源配分制御の場所に関する情報も提供される。制御チャネルは、好適には、TDM(例えば、1つ又は複数のTDM符号)であり、フレームの始まりに又はその付近に配置されるが、他の選択肢として、時間(符号)、周波数(副搬送波)、又は両者のいずれかにおいて、フレーム全体に分散して存在し得る。制御情報の1次元又は2次元拡散及びコード分割多重(CDM)も用いてよく、また、システム構成に応じて、TDM、FDM、CDM等の様々な多重化方法を組み合わせてよい。
【0048】
一般的に、TDM/FDM/CDM多重化の場合のように、フレームにおいて、資源が割り当てられるユーザは、2人以上であるが、TDM等の場合のように、フレーム当り単一のユーザに限定することも可能である。従って、制御チャネルが、フレーム内に存在する場合、1人又は複数のユーザに対して資源を割り当て得る。別々の制御チャネルが、フレームにおける2ユーザ用の資源配分に用いられる場合、複数の制御チャネルが、フレームに存在してもよい。
【0049】
この制御フィールドは、そのフレーム用だけの資源配分より多くの情報も含み得る。例えば、ダウンリンクについては、RA制御は、アップリンク資源配分及びアップリンク用の確認応答情報を含み得る。個々のフレームに対応する高速確認応答は、高速スケジューリング及び最小待ち時間のために好まれることがある。追加の例は、制御フィールドが、複数のフレームの間適用可能なままである永続的な資源配分(例えば、指定された数のフレームもしくは無線フレームの間、又は異なるフレームにおける他の制御メッセージでオフにされるまで永続的である資源配分)を行い得ることである。
【0050】
無線フレームの最初のフレーム(又は先行無線フレームの最後のフレーム)における制御情報は、次の(又は更に一般的には、後の)フレーム又は無線フレームの残りのいずれかにフレーミング(従って、制御場所)を提供し得る。他の2つのバリエーションは以下の通りである。
・オーバーラッピング制御ゾーン。第1フレームの制御チャネルは、それ自体のフレームに対する割当て、また、第2フレームに対する幾つかの割当てを行い得る。また、第2フレームの制御チャネルは、第2フレームに対する追加の割当てを行い得る。この能力は、単一の無線フレームにおいて、異なるトラフィックタイプ(例えば、VoIP及び大きなパケット)を混在させるために有用なことがある。
・無線フレーム内における追加スケジューリング柔軟性(部分的あいまいさ)。第1フレームにおける制御チャネル(又は無線フレームにおけるフレーミング制御MAP)は、無線フレームに対する制御マップの若干あいまいな仕様を与え、更なるフレーム毎の柔軟性を可能にすることができる。例えば、制御マップは、確実な又は可能なフレーム/制御場所を示し得る。半ブラインド受信機であれば、確実な場所が分かるが、可能なフレーム/制御場所が有効であるかどうかブラインドに判断しなければならない。
【0051】
パイロット符号
パイロット又は参照符号は、TDM、FDM、CDM、又はこれらの様々な組合せによって、フレーム又はサブフレームにおいて多重化し得る。パイロット符号は、共通であったり(任意のユーザによって受信され用いられる)、又は専用(特定のユーザ又は特定のユーザグループ用)であったりしてよく、また、共通及び専用パイロットが、フレームに混在してよい。例えば、共通パイロット符号(CPS)参照符号は、サブフレーム(TDMパイロット)内における第1符号であってよく、これによって、無線フレーム全体においてほぼ均一に間隔を置いて配置された共通パイロット符号が提供される。ダウンリンク及びアップリンクは、異なるパイロット符号フォーマットを有し得る。パイロット符号配分は、一定であるか又は信号送信してよい。例えば、共通パイロット符号場所は、1つ又は複数のRAF用の無線フレーム制御内で信号送信してよい。他の例において、(任意の共通パイロットに加えて)専用パイロットが、フレーム用のRA制御内におけるフレームに示される。
【0052】
一実施形態において、サブフレーム定義は、共通パイロット間隔にリンクし得る。例えば、サブフレームが、単一の共通パイロット符号を含むと定義される場合、サブフレーム長は、好適には、配備されるシステム用のチャネルの最小予想可干渉時間に関係付けられる。この手法の場合、サブフレーム持続時間は、単に、共通パイロット間隔によって決定してよい(もちろん、サブフレーム長を定義する他のやり方も可能である)。共通パイロット間隔は、本来、チャネル予測性能によって決定されるが、この性能は、システムにおけるユーザの可干渉時間、速さ分布、及び変調によって決定される。例えば、パイロットは、5ボー毎に1つの間隔をあけて配置して、50μsボー(40μs有効持続時間+10μsサイクリック・プレフィックス又はガード持続時間)で120kphユーザの取扱いを可能にし得る。尚、ここで用いるボーは、OFDM又はDFT−SOFDM符号周期を意味する。
【0053】
ドップラレートが極めて低い場合、共通パイロットの全て又は一部は、或るフレーム又はサブフレームから省略してよいが、これは、この場合、先行もしくは後続のサブフレーム/フレームからの又は無線フレームの制御領域からのパイロットは、チャネル追跡のために充分であり得るためである。更に、差分/非干渉性変調が用いられる場合、パイロットは、必要ではない。しかしながら、説明を簡単にするために、各サブフレームは、パイロット符号で示した。
【0054】
アップリンク及びダウンリンク
図示した無線フレーム構成は、FDDシステムのアップリンク又はダウンリンクのいずれであってもよい。アップリンク及びダウンリンクに用いられる場合の一例を図18に示す。図18は、ダウンリンクサブフレームと同じ構成であるアップリンクサブフレームを示すが、一般的に、これらは、サブフレーム当り異なる数の符号を有し、また、異なるサブフレーム持続時間及びフレーム当り異なる数のサブフレームを有することさえある。アップリンクの変調は、ダウンリンクとは異なり、例えば、OFDMの代わりに、DS−CDMA、IFDMA又はDFT−SOFDM(DFT−拡散−OFDM)である。示したアップリンク無線フレームは、より速い確認応答を行わせることによってHARQタイミング要件を容易にするために、ダウンリンク無線フレーム構造からオフセットされているが、ゼロのオフセットもまた許容可能である。オフセットは、1つのサブフレーム、複数のサブフレーム、又はサブフレームの端数を含む任意の値であってよい(例えば、OFDM又はDFT−SOFDM符号周期のある数)。アップリンク無線フレームの第1サブフレームは、ランダムアクセスチャネル(RACH)サブフレーム等の共通制御/競合チャネルになるように割り当ててよく、また、ダウンリンク同期・制御サブフレームに対応し得る。アップリンク制御情報を搬送する制御フレーム(又はもっと一般的には、メッセージ)CQI、ダウンリンクAck/Nackメッセージ、パイロット符号等は、データフレームで時間又は周波数多重化し得る。
【0055】
代替のアップリンク 示した2つの代替のFDDアップリンク構造は、アップリンク上で1つのフレーム持続時間だけを有する。しかしながら、2つ以上の長フレームタイプを定義する。図19及び図20において、0.5msサブフレームから構成された2msの長フレームは、長RACH、データ、又は複合フレームタイプのものである。長RACHが発生する頻度は、小さく、100ms毎等である。複合フレームは、データ、制御、及び短RACHを有する。短RACHは、持続時間が、1つのサブフレームより小さいことがある。データフレーム(図示せず)は、複合フレームと同様であるが、データサブフレームで置き換えられた短RACHを備える。制御、RACH、及びパイロットは、全て示したTDMであるが、FDM又は組合せTDM/FDMであってよい。前述のように、サブフレームタイプは、RACHフレーム又はIFDM/DFT−SOFDM&OFDM切替えの場合、ガードインターバル持続時間に基づき定義される。図21は、図19及び図20と同様であるが、6サブフレーム及びタイプデータ又は複合フレームによる。複合データフレームだけが用いられる場合、制御及び短RACHが、フレーム毎に含まれる。長RACHが起こる頻度は小さく(サブフレーム当り一回示す)、サブフレームの数は、整数(好適には)又は非整数である。
【0056】
TDD
時分割二重化(TDD)の場合、システム帯域幅は、時間多重化によりアップリンク又はダウンリンクに割り当てられる。一実施形態において、アップリンクとダウンリンクとの間の切替えは、無線フレーム当り一回のように、幾つかのフレーム当り一回起こる。アップリンク及びダウンリンクサブフレームは、同じ又は異なる持続時間であってよく、‘TDD分割’は、サブフレーム細分性で決定される。他の実施形態において、ダウンリンク及びアップリンクは、双方共、2つ以上のサブフレームの長フレーム内において起こるが、長フレームの持続時間は、固定し得る。単一のサブフレームの短フレームも可能であるが、フレーム内におけるターンアラウンドは、オーバーヘッドの点で困難又は多大な費用を要する。アップリンク及びダウンリンクは、同じ又は異なる持続時間であってよく、‘TDD分割’は、サブフレーム細分性で決定される。いずれかの実施形態において、ランプアップ及びランプダウン等のTDDオーバーヘッドは、サブフレーム内又は外に含み得る。
【0057】
スケーラブル帯域幅
送信は、2つ以上の帯域幅の1つ上で起こり得るが、この場合、無線フレーム持続時間は、各帯域幅に対して同じである。帯域幅は、1.25、2.5、5、10、15、又は20MHz又は何らかの近似値であってよい。サブフレーム持続時間(従って、可能な最小フレーム持続時間)は、好適には、利用可能なフレーム持続時間の組と同様に、各帯域幅に対して同じである。他の選択肢として、サブフレーム持続時間及び複数のフレーム持続時間は、各帯域幅に対して構成し得る。
【0058】
テーブル4は、副搬送波間隔が22.5kHzである6つの搬送波帯域幅の例を示し、テーブル5は、副搬送波間隔が25kHzである6つの搬送波帯域幅の例を示す。尚、テーブル5において、サブフレームにおける符号当りのガードインターバル(例えば、サイクリック・プレフィックス長)は、サブフレームタイプ節に述べたように、一定ではない。サブフレームにおいて、全ての符号は、ガード持続時間(サイクリック・プレフィックス)が異なるために、同じ符号持続時間でないことがある。この例の場合、単一の符号が、全ての余分なサンプルに与えられ、他の例では、2つ又は3つ以上のガードインターバル値をサブフレームに対して定義し得る。他の例では、15kHz副搬送波間隔及び0.5msサブフレーム持続時間であり、7つの符号の短フレームが、平均CP〜4.7μs(マイクロ秒)を有し、6つの符号が、〜4.69μs(1.25MHzで9サンプル、より高い帯域幅に倍率変更)を有し、また、〜5.21μs(1.25MHzで10サンプル、より高い帯域幅に倍率変更)を有する。
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
ARQ
ARQ又はHARQを用いて、データ信頼性を提供し得る。(H)ARQプロセスは、サブフレームタイプ(例えば、通常及び一斉送信)間で異なる又は共有でき、また、フレーム持続時間の間で異なる又は共有し得る。特に、異なるフレーム持続時間での再送信は、許容又は禁止し得る。個々のフレームに対応する高速確認応答は、高速スケジューリング及び最小待ち時間のために好適である。
【0061】
HARQ
マルチフレーム概念は、信頼性のためにARQに、又は追加の信頼性のためにHARQに用い得る。ARQ又はHARQ方式は、ストップアンドウエイト(SAW)プロトコル、選択性繰り返しプロトコル、又は当分野で公知な他の方式であってよい。後述する好適な実施形態は、マルチフレーム動作のために修正されたマルチチャネル・ストップアンドウエイトHARQを用いることである。
【0062】
N−チャネルSAW HARQにおけるチャネル数は、往復送信(RTT)に対する待ち時間に基づき設定される。連続的に1つのユーザからのデータでチャネルを完全に占有できるように、充分なチャネルが定義される。チャネルの最小数は、従って、2である。
【0063】
ターンアラウンドタイムが、フレーム長に比例する場合、短及び長フレームは、双方共、同じNチャネル(例えば、3)を用い得る。ターンアラウンドタイムが、相対的に固定されている場合、短フレーム持続時間に必要なチャネルの数は、長フレーム持続時間のそれと同じか又はそれより大きい。例えば、0.5msサブフレーム及び短フレーム、及び3msの長フレームの場合、また、送信間で1msのターンアラウンドタイム(即ち、送信を復号し、そして、要求されるフィードバック(ACK/NACK等)に応答する実効受信機処理時間)とすれば、短フレームに対して3チャネル、長フレームに対して2チャネルである。
【0064】
1つのフレームサイズから他のフレームサイズへの切替え頻度が小さく、また、無線フレームにおけるフレーム持続時間の混在がない場合、フレームサイズの切替えに関する既存のプロセスを終了してよく、また、各フレームサイズに対するHARQ用のチャネル数及び信号送信は、独立であり得る。動的フレーム持続時間又はTTIの場合、連結されるサブフレームの数は、少なくとも最初送信に対して、また、可能性として再送信に対して、動的に変更し得る。パケットの再送信が、異なるフレームタイプで行い得る場合、HARQプロセスは、フレーム持続時間の間で共有し得る(例えば、HARQプロセス識別子は、明示的に又は非明示的に、短又は長フレームのいずれかを指すことができる)。要求されるチャネルの数は、一連の全ての短フレーム又は全ての長フレームの多重化に基づき、パケットが、相対的に固定された又は比例するターンアラウンド(例えば、復号及びACK/NACK送信)を有するかどうかを考慮して、定義し得る。固定ターンアラウンドの場合、Nは、主として短フレームの多重化要件に基づき、決定し得る。比例ターンアラウンドの場合、要求されるNは、短及び長フレーム双方の多重化に対して、おおよそ同じであり得る。短フレームと長フレームとの間の任意の切替えを取り扱うようにNを設計するには、追加のHARQチャネル(より大きなN)を必要とし得る。例えば、長フレームが、4つの短フレームに持続時間が等しい、各短又は長フレームの多重化に対するN=3要件(比例ターンアラウンド)について考える。明らかに、HARQチャネル使用のシーケンスは、制約なしに、全て短い(1、2、3、1、2、3、・・・)又は全て長い(1、2、3、1、2、3、・・・)。しかしながら、(チャネルID1の)長フレームには、チャネル1を用いて、短又は長フレームのいずれかを再送信し得る前に、等価な期間の2つの長フレームが続かねばならない。これら2つの長フレームの期間において、チャネル2及び3は、短フレームに用い得るが、その点において、チャネル2は、まだ再使用できず、また、チャネル1は、利用不可能であることから、追加のチャネル4を用いなければならない。N≦(長フレームにおける短フレーム数)である場合、要求されるチャネルの総数は、N+(N−1)であり得る。このことは、2つの長フレーム(チャネルID1及び2)に短フレームが続き、チャネル3を再使用できる前に、チャネルID3及び4及び5が必要かどうか上記例を継続すると理解し得る。本例において、5チャネルは、個々の多重化のいずれにも必要な3チャネルより多い。
【0065】
多次元(時間、周波数、及び空間)HARQ
ターンアラウンド時間のみに基づくNの定義とは対照的に、遠隔ユニット101乃至103が、与えられたフレーム又はスケジューリングエンティティ用の複数のパケットでスケジュール化されると、(例えば、符号化及び資源配分細分性の観点において)更に効率的であり得る。遠隔ユニット用のフレーム当り1つのHARQチャネルを仮定する代わりに、最大N2HARQチャネルを考慮する。従って、Nチャネル・ストップアンドウエイトHARQとすると、Nがターンアラウンド時間のみに基づく、また、各フレームも遠隔ユニット用のN2HARQチャネルを有する場合、遠隔ユニット当り最大N×N2HARQチャネルが、サポートされる。例えば、各連続長フレームは、Nチャネル・ストップアンドウエイトHARQプロトコルのNチャネルの1つに対応する。各長フレームは、‘n’サブフレームから構成されることから、各サブフレームがHARQチャネルであってもよい場合、遠隔ユニット当り最大N×nHARQチャネルを有する。従って、この場合、個別に確認応答可能な単位は、長フレームの代わりに、サブフレームである。他の選択肢として、搬送波当り‘p’個の周波数帯が定義されていると、各々、HARQチャネルであってよく、遠隔ユニット当り最大N×pHARQチャネルになる。もっと一般的には、‘s’個の空間チャネルの場合、遠隔ユニット当り最大‘n’בp’בs’בN’のHARQチャネルであり得る。サブフレーム当り‘j’OFDM符号がある場合、パラメータ‘n’は、OFDM符号ベースで定義されていれば、これより大きいことがある。いずれにせよ、チャネルは、未修正のHARQと同様に、Nに関連する時間制約が満たされるまで再使用されない。
【0066】
HARQチャネルの数を必要な大きさにする他の方法は、最大変調・符号化速度及び1500バイト(+オーバーヘッド)パケットの場合のように、フレーム上で割り当て得る最大長パケットの最大数を決定することである。より小さいパケットは、チャネルに対する最大統合パケットサイズに連結し得る。例えば、(最小往復遅延時間(RTT)に対して)N=2である場合、また、64QAM R=3/4であり、閉ループビーム形成がイネーブル状態で、4パケットをサブフレームで送信し得る場合、8=2×4チャネルが、短フレームに必要であり、32チャネルが、4サブフレームの長フレームに必要である。パケットの再送信が異なるフレームタイプ上で起こり得る場合、本例では、チャネルの数は、上記のように、更に調整し得る。
【0067】
制御信号送信は、短/長フレーム用に又はターンアラウンド時間のみに基づかないHARQチャネルの大きさ調整用に修正されたHARQ信号送信をサポートするために修正を必要とする。EUTRA用途に対応する一実施形態において、“新データ標識(NDI)”、“冗長バージョン標識(RVI)”、“HARQチャネル標識(HCI)”、及び“トランスポートブロックサイズ(TBS)”並びにACK/NACK及びCQIフィードバックの現在の用法に対する修正。他の技術仕様は、HARQに対して同様な用語を用い得る。一例において、最大‘n’又は‘p’の遠隔ユニットパケットは、1つの長フレーム送信で送ってよい。各パケットには、独特の制御信号送信属性(NDI、RVI、HCI、及びTBS)と共に、別々の周波数選択性(FS)又は周波数ダイバース(FD)資源要素を割り当て得る。周期的冗長検査(CRC)計算に遠隔ユニット識別を導入する等のカラー符号化は、各ダウンリンクパケットのCRCに適用して、対象遠隔ユニットを示し得る。HCIフィールドの何らかの拡張(例えば、ビット数=log(‘n’בN’))が、パケット送信のソフトバッファ組合せを正確に実施するために必要である。同様に、ACK/NACKフィードバックは、短又は長フレーム送信中の遠隔ユニットにおけるどの組のパケットが、肯定応答又は否定応答されているか示すために、HCIフィールド又はカラー符号化を必要とする可能性がある。
【0068】
周波数選択性配分
図22及び図23は、それぞれ、幾つかのユーザ用の短フレーム周波数選択性(FS)及び周波数ダイバース(FD)資源配分を示す。FSスケジューリングの場合、資源要素(又は資源ブロック又は資源ユニット又はチャンク)は、搬送波帯域幅が、ある数(好適には、整数)の割当て可能なREに分割されるように、複数の副搬送波からなると定義される(例えば、192副搬送波を備えた5MHz搬送波は、各々8副搬送波からなる24REを有する)。信号送信オーバーヘッドを低減し、また、代表的なチャネルのチャネル相関帯域幅(例えば、歩行者Bの1MHz及び車両Aの2.5MHz)をより良く整合するために、REは、p×8副搬送波であると定義し得るが、ここで、‘p’は、3であり、FSスケジューリングの恩恵のほとんどを達成するのに必要な解像度を依然として提供し得る。倍数の基数として用いられる副搬送波の数は、(例えば、合計REサイズは、副搬送波の数が5MHzにおいて300である場合、15又は25であるように、又は副搬送波の数が288である場合、24副搬送波であるように)、8と異なる数にも設定し得る。
【0069】
同様に、図24において、FS及びFD資源は、同じ長フレームにおいて割り当て得る。しかしながら、資源配分競合及び信号送信の複雑化を回避するために、同じ時間間隔でFS及びFD資源を割り当てないことが好ましい。
【0070】
本発明について、特定の実施形態を参照して、詳細に示し述べたが、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び細目の様々な変更をそれらにおいて行い得ることを理解されるであろう。そのような変更は、以下の請求項の範囲内に入るものである。例えば、複数の離散的な搬送周波数が含まれる送信システムの場合、信号送信又はフレームにおけるパイロット情報は、その構成している搬送周波数のいずれかに存在し、他には存在しない。更に、パイロット及び/又は制御符号は、直接シーケンス拡散又は符号分割多重の方法を介した‘帯域幅拡張’のプロセスの後、時間・周波数資源にマッピングし得る。他の例において、フレーム構造は、同時SDMAユーザに対して同じ又は異なるフレーム持続時間で、MIMO、スマートアンテナ及びSDMAにおいて用い得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システム内において、複数のサブフレームからなる無線フレームを介してデータを送信するための方法であって、
2つ以上の搬送波帯域幅を含む搬送波帯域幅の組から搬送波帯域幅を決定する工程と、
データを受信する工程と、
前記無線フレームの1つのサブフレーム内に前記データを配置する工程と、前記サブフレーム内のデータは複数のOFDM符号または複数のシングルキャリアFDMA符号を含むことと、前記サブフレームに含まれる符号のうちの2つ以上は異なる符号持続時間を有することと、
前記無線フレーム及びサブフレームの持続時間は、前記搬送波帯域幅の組の各搬送波帯域幅について同じであることと、
前記サブフレームに含まれる符号は複数のサブキャリアを含むことと、サブフレームに含まれる複数の符号及びサブキャリアは、搬送波帯域幅が整数個の資源ブロックに分割されるように、資源ブロックへとグループ化されることと、
前記サブフレームに含まれる2つ以上の符号のサイクリック・プレフィックスの持続時間は、前記搬送波帯域幅の組における最小の搬送波帯域幅に対応する1つのサンプル持続時間だけ異なることと、
決定した搬送波帯域幅により、前記無線フレームを介して前記データの配置されたサブフレームを送信する工程と、からなる方法。
【請求項2】
通信システム内において、複数のサブフレームからなる無線フレームを介してデータを送信するための方法であって、
データを受信する工程と、
前記無線フレームの1つのサブフレーム内に前記データを配置する工程と、前記サブフレーム内のデータは複数のOFDM符号または複数のシングルキャリアFDMA符号を含むことと、前記サブフレームに含まれる符号のうちの2つ以上は異なる符号持続時間を有することと、
複数の制御OFDM符号または複数の制御シングルキャリアFDMA符号を含む資源配分制御チャネルを時間多重化し、前記サブフレームの開始部に配置する工程と、資源配分制御チャネルは1つ以上の遠隔ユニットに対して少なくともダウンリンク資源配分、アップリンク資源配分、及び確認応答制御情報を含むことと、
前記無線フレームを介して、前記資源配分制御チャネルを含む前記データの配置されたサブフレームを送信する工程と、
資源配分制御チャネルは、複数のフレームの間適用可能なままである永続的な資源を配分する、永続的な資源配分の制御メッセージを含むことと、からなる方法。
【請求項3】
サブフレームは整数個のサブフレームを含むフレームの一部であり、フレームは、フレームの資源を割り当てる制御構造に関連付けられた最小のスケジュール化可能な単位である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
サブフレームはスロットであり、フレーム長は送信時間間隔(TTI)である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
OFDM又はシングルキャリアFDMA符号は、有効ペイロード部分と、サイクリック・プレフィックスとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記サブフレームに含まれ異なる符号持続時間を有する2つ以上のOFDM又はシングルキャリアFDMA符号は、サイクリック・プレフィックスの持続時間が異なり、かつ、有効ペイロード部分の持続時間が同じである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記2つ以上のOFDM又はシングルキャリアFDMA符号のサイクリック・プレフィックスの持続時間は等しくない、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
通信システム内において、複数のサブフレームからなる無線フレームを介してデータを送信するための方法であって、
データを受信する工程と、
前記無線フレームの1つのサブフレーム内に前記データを配置する工程と、前記サブフレーム内のデータは複数のOFDM符号または複数のシングルキャリアFDMA符号を含むことと、前記サブフレームに含まれる符号のうちの2つ以上は異なる符号持続時間を有することと、
複数の制御OFDM符号または複数の制御シングルキャリアFDMA符号を含む資源配分制御チャネルを時間多重化し、前記サブフレームの開始部に配置する工程と、資源配分制御チャネルは1つ以上の遠隔ユニットに対して少なくともダウンリンク資源配分、アップリンク資源配分、及び確認応答制御情報を含むことと、
資源配分制御チャネルの場所を示す標識を前記サブフレーム内に配置する工程と、
前記無線フレームを介して、前記資源配分制御チャネルを含む前記データの配置されたサブフレームを送信する工程と、からなる方法。
【請求項9】
通信システム内において、複数のサブフレームからなる無線フレームを介してデータを送信するための方法であって、
データを受信する工程と、
前記無線フレームの1つのサブフレーム内に前記データを配置する工程と、前記サブフレーム内のデータは複数のOFDM符号または複数のシングルキャリアFDMA符号を含むことと、前記サブフレームに含まれる符号のうちの2つ以上は異なる符号持続時間を有することと、
複数の制御OFDM符号または複数の制御シングルキャリアFDMA符号を含む資源配分制御チャネルを時間多重化し、前記サブフレームの開始部に配置する工程と、資源配分制御チャネルは1つ以上の遠隔ユニットに対して少なくともダウンリンク資源配分、アップリンク資源配分、及び確認応答制御情報を含むことと、
前記無線フレームを介して、前記資源配分制御チャネルを含む前記データの配置されたサブフレームを送信する工程と、
資源配分制御チャネルは、永続的な資源配分を解放する、永続的な資源をオフにする制御メッセージを含むことと、からなる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−45111(P2011−45111A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222156(P2010−222156)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【分割の表示】特願2008−504223(P2008−504223)の分割
【原出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】