説明

通信システム及び中継装置

【課題】処理を行うリソースをネットワーク経由で利用する場合において、特定の装置に処理の負荷が集中することを抑制する。
【解決手段】VoIPゲートウェイ装置4bは、IP電話装置2aから送信されてくる、G.729方式で符号化された音声データストリームを、処理負荷の軽いG.711方式で符号化された音声データストリームへ変換し、VoIPゲートウェイ装置4aへ送信する。この音声データストリームはVoIPゲートウェイ装置4aでアナログ信号に変換されて電話機5aに届けられる。一方、電話機5aから発せられたアナログ信号は、VoIPゲートウェイ装置4aでG.711方式で符号化されてVoIPゲートウェイ装置4bに送信される。VoIPゲートウェイ装置4bの制御部41は、G.711方式で符号化された音声データストリームを、G.729方式で符号化された音声データストリームへ変換し、IP電話装置2aへ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上のリソースを利用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通話の音声信号を符号化したデータをパケットに変換してIP(Internet Protocol)ネットワーク上を伝送するためのVoIP(Voice over Internet Protocol)という技術が知られている。デジタル形式のデータが伝送されるIPネットワークとアナログ信号が伝送される電話網との間には、VoIPゲートウェイ装置と呼ばれる中継装置が設けられている。このVoIPゲートウェイ装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、コーデックまたはエコーキャンセラなどのリソースとして、自装置に予め割り当てられた最大通話数に必要十分となるようなものを備えている。例えば、CPUやDSPは、最大数の通話に関する処理を実行し得るだけの演算機能を備えている。また、G.729方式のコーデックなど、ライセンス料の発生するリソースであれば、VoIPゲートウェイ装置の販売者が最大通話数に応じた額のライセンス料をライセンサに支払っている。ところが、例えば企業内の内線通話システムなどにこのVoIPを適用した場合、そのシステム全体で見れば、全てのVoIPゲートウェイ装置が同時に最大数の通話を中継することはほとんどなく、そのときどきで稼働していないリソースが存在する。
【0003】
例えば特許文献1、2には、音声処理に要するリソースとしてのコーデックを十分に実装した専用のサーバ装置を用意しておき、ネットワーク上でコーデックの不足が生じたときには、そのサーバ装置のコーデックをネットワーク経由で一時的に利用して処理を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−295586号公報
【特許文献2】特開2004−102339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなリソースの提供専用のサーバ装置に対して処理の負荷が集中する事態が考えられ、もしその負荷によってサーバ装置が故障乃至異常を起こすと、システム全体での利用が困難になる。そして、このような事態に備えて、例えばサーバ装置を広帯域の回線に接続したり、また構成を冗長化するなどの対策が必要となるが、これらは、サーバ装置の設置コストを上昇させる原因となる。このような事情は、音声処理に要するリソースに限らず、画像処理に要するリソースなどを利用する場合であっても同様である。
【0006】
そこで、本発明の目的は、処理を行うリソースをネットワーク経由で利用する場合において、特定の装置に処理の負荷が集中することを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明は、複数の通信装置間で送受信されるデータの中継をそれぞれ行う複数の中継装置を備え、各々の前記中継装置は、一の通信装置から他の通信装置に宛てて送信されたデータを受信すると、当該データを前記他の通信装置に宛てて送信する中継処理を行う中継手段と、前記中継手段によってデータの中継処理が行われているときに、当該データに対して処理を行うリソースと、前記中継手段が前記一の通信装置から送信されたデータを受信したときに、当該データに対応するリソースがない場合には、他の中継装置に対して、当該データに対応するリソースが当該他の中継装置において空いているか否かを問い合わせる問い合わせ手段と、他の中継装置から、当該他の中継装置が受信したデータに対応するリソースが自装置において空いているか否かの問い合わせがあると、当該他の中継装置に対し、自装置における前記リソースの空き状況に応じた内容の返答を行う返答手段と、前記問い合わせの結果、前記他の中継装置において前記リソースが空いている場合には、前記一の通信装置から前記他の通信装置に宛てて送信されたデータの中継処理を当該他の中継装置が行うための準備を行う準備手段とを備え、前記準備手段によって前記準備が行われた後、前記中継手段は、前記他の中継装置において前記リソースによる処理を経て送信されてくるデータを受信すると、当該データを前記他の通信装置に宛てて送信する中継処理を行うことを特徴とする通信システムを提供する。
【0008】
本発明の好ましい態様において、前記問い合わせ手段は、自装置と各々の前記他の中継装置との間の通信速度に関する情報を記憶しており、各々の前記他の中継装置に対して前記問い合わせを行うときの順序として、前記通信速度に応じた順序を決定し、決定した順序で他の中継装置のそれぞれに対して前記問い合わせを行うようにしてもよい。
【0009】
別の好ましい態様では、前記問い合わせ手段は、各々の前記他の中継装置が備えるリソースの性能または空き具合に関連する情報を記憶しており、各々の前記他の中継装置に対して前記問い合わせを行うときの順序として、前記リソースの性能が高いと、または、リソースが空いている度合いが大きいと、早く問い合わせを行うような順序を決定し、決定した順序で他の中継装置のそれぞれに対して前記問い合わせを行うようにしてもよい。
【0010】
さらに別の好ましい態様において、前記問い合わせ手段は、各々の前記他の中継装置が、前記一の通信装置から前記他の通信装置に宛てて送信されたデータの中継を行ったときの当該中継の成功率に関する情報を記憶しており、各々の前記他の中継装置に対して前記問い合わせを行うときの順序として、前記成功率が高いと早く問い合わせを行うような順序を決定し、決定した順序で他の中継装置のそれぞれに対して前記問い合わせを行うようにしてもよい。
【0011】
上記において、前記他の中継装置において前記リソースによる処理を経て送信されてくるデータを受信すると当該データを前記他の通信装置に宛てて送信する中継処理を、前記中継手段が開始した後に、自装置の前記リソースが前記別のデータに対して行っていた処理が完了すると、前記他の中継装置による前記中継処理を終了させるための終了処理を行う終了手段を備え、前記終了手段による終了処理の後に、前記中継手段は、前記一の通信装置から前記他の通信装置に宛てて送信されたデータを受信すると、当該データを前記他の通信装置に宛てて送信する中継処理を行い、前記リソースは、当該中継処理が行われているときに、当該データに対して前記処理を行うようにしてもよい。
【0012】
また、本発明は、一の通信装置から他の通信装置に宛てて送信されたデータを受信すると、当該データを前記他の通信装置に宛てて送信する中継処理を行う中継手段と、前記中継手段によってデータの中継処理が行われているときに、当該データに対して処理を行うリソースと、前記中継手段が前記一の通信装置から送信されたデータを受信したときに、当該データに対応するリソースがない場合には、他の中継装置に対して、当該データに対応するリソースが当該他の中継装置において空いているか否かを問い合わせる問い合わせ手段と、他の中継装置から、当該他の中継装置が受信したデータに対応するリソースが自装置において空いているか否かの問い合わせがあると、当該他の中継装置に対し、自装置における前記リソースの空き状況に応じた内容の返答を行う返答手段と、前記問い合わせの結果、前記他の中継装置において前記リソースが空いている場合には、前記一の通信装置から前記他の通信装置に宛てて送信されたデータの中継処理を当該他の中継装置が行うための準備を行う準備手段とを備え、前記準備手段によって前記準備が行われた後、前記中継手段は、前記他の中継装置において前記リソースによる処理を経て送信されてくるデータを受信すると、当該データを前記他の通信装置に宛てて送信する中継処理を行うことを特徴とする中継装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、処理を行うリソースをネットワーク経由で利用する場合において、特定の装置に処理の負荷が集中することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
【図2】VoIPゲートウェイ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】通信システムの動作を説明するシーケンス図である。
【図4】変形例におけるVoIPゲートウェイ装置が記憶している管理テーブルの内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
<実施形態>
<構成>
図1は、本発明の実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。通信システムは、IPネットワーク1と、IPネットワーク1に接続された複数のIP電話装置2a,2bと、複数のアナログ電話網3a,3bと、IPネットワーク1とアナログ電話網3a,3bとをそれぞれ接続する複数のVoIPゲートウェイ装置4a,4bと、アナログ電話網3a,3bに接続された複数の電話機5a〜5dとを備えている。IP電話装置2a,2b及び電話機5a〜5dは利用者の通話に利用される通信装置であり、通話に必要なマイクやスピーカ、操作子、そして音声処理回路などを備えている。各々のVoIPゲートウェイ装置4a,4bに接続されたアナログ電話網3a,3bは、例えば企業などの組織に設けられた内線電話網であり、それぞれが或る数の電話機に対して通話サービスを提供する。VoIPゲートウェイ装置は、SIP(Session Initiation Protocol)を用いて、IP電話装置2a,2bと電話機5a〜5dとの間で送受信される双方向の音声データストリームのデータ中継を行い、それぞれの利用者間の通話を実現する。SIPとは、VoIPなどで用いられる2つ以上のクライアント間においてセッションの開始、変更、終了といった基本的な機能を実現するためのプロトコルであり、これらの基本機能を実現するために、例えばクライアントに関する情報についてはSDP(Session Description Protocol)で処理し、データ通信についてはRTP(Real-time Transport Protocol)で処理するようになっている。
【0016】
また、各VoIPゲートウェイ装置4a,4bには、それぞれが接続されているアナログ電話網3a,3bの電話機5a〜5dの最大通話数よりも少ない通話数に見合ったリソースが実装されている。したがって、各VoIPゲートウェイ装置4a,4bにおいてはリソースが不足する事態が見込まれるが、このような場合には、各VoIPゲートウェイ装置4a,4bは、他のVoIPゲートウェイ装置のリソースをIPネットワーク1経由で利用するようになっている。なお、図1におけるIPネットワーク、IP電話装置、アナログ電話網、VoIPゲートウェイ装置、及び電話機の数は、図示されている数に限らない。
【0017】
図2は、VoIPゲートウェイ装置4aの構成を示すブロック図である。VoIPゲートウェイ装置4aは、制御部41、揮発性記憶部42、不揮発性記憶部43、IPネットワーク通信部44及びアナログ電話網通信部45を備えている。制御部41は、CPU、DSP及びコーデックなど、各種処理を行うリソースを備えている。データ中継時に音声処理を行うコーデックには、G.729方式のコーデックと、このG.729方式よりも処理の負荷が小さいG.711方式のコーデックとがある。IP電話装置2a,2bは、音声データの符号化方式としてG.729方式を採用しているため、IP電話装置2a,2bから送信された音声データストリーム及びIP電話装置2a,2bを宛先とする音声データストリームを中継するにあたっては、G.729方式のコーデックが必要になる。揮発性記憶部42は、例えばRAM(Random Access Memory)であり、制御部41のCPUがプログラムを実行する際のワークエリアとなる。不揮発性記憶部43は、例えばEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリであり、制御部41のCPUが実行するプログラムや、このVoIPゲートウェイ装置4aが利用するリソースを実装する他の複数のVoIPゲートウェイ装置のIPアドレスなどを記憶している。IPネットワーク通信部44は、IPネットワーク1に接続されるインタフェースであり、アナログ電話網通信部45は、アナログ電話網3aに接続されるインタフェースである。
なお、VoIPゲートウェイ装置4bの構成は、VoIPゲートウェイ装置4aと同様である。
【0018】
<動作>
図3は、通信システムの動作を示すシーケンス図である。例えば、一の通信装置であるIP電話装置2aの利用者が他の通信装置である電話機5aの利用者との通話を希望した場合に、VoIPゲートウェイ装置4aの制御部41のリソースに空きがあれば、制御部41は、IP電話装置2aから電話機5aに宛てて送信された音声データストリームを受信すると、その音声データストリームを他の通信装置である電話機5aに宛てて送信する中継処理を行う中継手段として機能する。一方、VoIPゲートウェイ装置4aの制御部41のリソースに空きがないときには、制御部41は、VoIPゲートウェイ装置4bのリソースであるコーデックを利用する。図3はこの場合の動作を示している。
【0019】
まず、利用者がIP電話装置2aに対して電話機5aの電話番号を指定して通話の開始を指示すると、この指示に応じて、IP電話装置2aは、INVITEリクエストをVoIPゲートウェイ装置4aに送信する(ステップS1)。このINVITEリクエストは、SIPにおいて通話要求を行ってセッションを開始するためのリクエストであり、IP電話装置2aのIPアドレス及び電話機5aの電話番号を含んでいる。VoIPゲートウェイ装置4aの制御部41は、IPネットワーク1を介してこのINVITEリクエストを受け取ると、要求されている通話に必要な自身のリソースが空いているか否かを判断する。ここで、VoIPゲートウェイ装置4aの制御部41は、自身のコーデックのうち、G.729方式のコーデックが全て、他の音声データストリームを処理中で空きがないと判断した場合には、不揮発性記憶部43に記憶している他のVoIPゲートウェイ装置のIPアドレスのうち、いずれか1つを選択する。ここでは、VoIPゲートウェイ装置4bのIPアドレスが選択されたとし、制御部41は、このIPアドレスを宛先として、INVITEリクエストを送信する(ステップS2)。このINVITEリクエスト内のSDPセッション記述子の“a=”行には、VoIPゲートウェイ装置4aが利用したいリソースの名称乃至識別情報(ここでは、G.729方式のコーデックである旨)と、通話要求元のIP電話装置2aのIPアドレスが記述されている。このINVITEリクエストは、他のVoIPゲートウェイ装置に対して、自装置のリソースと同種のリソースが当該他のVoIPゲートウェイ装置において空いているか否かを問い合わせるリクエストに相当する。よって、制御部41は、問い合わせ手段として機能する。
【0020】
VoIPゲートウェイ装置4bの制御部41は、IPネットワーク1を介してこのINVITEリクエストを受け取ると、この内容を揮発性記憶部42にいったん記憶した後、SDPセッション記述子の“a=”行に記述されたG.729方式のコーデックが空いているか否かを判断する。そして、VoIPゲートウェイ装置4bの制御部41は、空いているコーデックがあると判断した場合には、200番の応答をVoIPゲートウェイ装置4aに送信する(ステップS3)。SIPにおいて200番の応答は、OK(肯定)の意味を表す。この200番の応答は、VoIPゲートウェイ装置4aに対し、VoIPゲートウェイ装置4bにおけるリソースの空き状況に応じた内容の返答に相当する。よって、制御部41は返答手段として機能する。一方、VoIPゲートウェイ装置4aの制御部41は、この200番の応答を受け取ると、VoIPゲートウェイ装置4bとの間でRTPセッションを確立する(ステップS4)。
【0021】
そして、VoIPゲートウェイ装置4aの制御部41は、RTPセッションを確立すると、IP電話装置2aに対して302番の応答を送信する(ステップS5)。この302番の応答の意味はMoved Temporarilyであり、ここでは、VoIPゲートウェイ装置4bへの音声データストリームのリダイレクトを表している。従って、この302番の応答には、VoIPゲートウェイ装置4bのIPアドレスが含まれている。IP電話装置2aは、この302番の応答を受け取ると、電話機5aの電話番号を含むINVITEリクエストを、302番の応答に含まれているVoIPゲートウェイ装置4bのIPアドレスを宛先として送信する(ステップS6)。
【0022】
VoIPゲートウェイ装置4bの制御部41は、IPネットワーク1を介してこのINVITEリクエストを受け取ると、ステップS2で受けとったINVITEリクエストの内容と照合して、このステップS6で受け取ったINVITEリクエストがVoIPゲートウェイ装置4aからの依頼に基づくものであることを認識する。そして、VoIPゲートウェイ装置4bの制御部41は、要求されている通話に必要なリソースとしてのコーデックが空いているか否かを判断するが、ここでは、既に判断したとおりコーデックが空いているはずであるから、200番の応答をIPネットワーク1を介してIP電話装置2aに送信する(ステップS7)。そして、VoIPゲートウェイ装置4aの制御部41は、IP電話装置2aとの間でRTPセッションを確立する(ステップS8)。これにより、VoIPゲートウェイ装置4aとVoIPゲートウェイ装置4bとの間、および、VoIPゲートウェイ装置4bとIP電話装置2aとの間は、それぞれRTPセッションが確立されたことになる。このようにして、IP電話装置2a及び電話機5aとの間で送受信されるデータの中継処理をVoIPゲートウェイ装置4bが行うための準備が整えられる。つまり、VoIPゲートウェイ装置4aの制御部41が行ったステップS5の処理はこの準備を行なうのに必要な処理であり、制御部41はその準備を行う準備手段として機能することになる。
【0023】
以降、VoIPゲートウェイ装置4bの制御部41とVoIPゲートウェイ装置4aの制御部41とが連携して、IP電話装置2a及び電話機5a間の双方向のデータ中継を行うが、このとき、G.729方式のコーデックを用いた処理を行うのはVoIPゲートウェイ装置4bの制御部41である。より具体的には、VoIPゲートウェイ装置4bの制御部41は、IP電話装置2aからIPネットワーク1を介して送信されてくる、G.729方式で符号化された音声データストリームを、より処理負荷の軽いG.711方式で符号化された音声データストリームへ変換して、IPネットワーク1経由でVoIPゲートウェイ装置4aへ送信する。このG.711方式で符号化された音声データストリームは、VoIPゲートウェイ装置4aを経由するときに、アナログ信号に変換されて電話機5aに届けられ、音として発せられる。一方、電話機5aから発せられたアナログ信号は、VoIPゲートウェイ装置4aを経由するときに、G.711方式で符号化された音声データストリームに変換され、IPネットワーク1を介してVoIPゲートウェイ装置4bに送信される。VoIPゲートウェイ装置4bの制御部41は、VoIPゲートウェイ装置4aから送信されてくる、G.711方式で符号化された音声データストリームを、G.729方式で符号化された音声データストリームへ変換し、IPネットワーク1を介してIP電話装置2aへ送信する。IP電話装置2aはこれを復号して音として発する。このようにして、IP電話装置2aの利用者と電話機5aの利用者との間での通話が実現される(ステップS9)。
【0024】
なお、VoIPゲートウェイ装置4bの制御部41は、要求されている通話に必要なリソースとしてのコーデックが空いているか否かを判断したときに、全コーデックの空きがないと判断した場合には、NGの旨の応答をVoIPゲートウェイ装置4aに送信する。VoIPゲートウェイ装置4aの制御部41は、この応答を受け取ると、不揮発性記憶部に記憶している他のVoIPゲートウェイ装置のIPアドレスのうち、VoIPゲートウェイ装置4b以外のIPアドレスを1つ選択する。そして、上述したステップS2と同様に、制御部41は、このIPアドレスを宛先として、INVITEリクエストを送信する。このように、制御部41は、リソースの空きがあるVoIPゲートウェイ装置が見つかるまで、不揮発性記憶部に記憶している全てのVoIPゲートウェイ装置のIPアドレスに宛ててINVITEリクエストを送信して、リソースの利用を試みる。そして、この試みの結果、全てのVoIPゲートウェイ装置においてリソースの空きが無かった場合には、制御部41は、IP電話装置2aに対し、“Busy”の旨の486番の応答を送信する。
【0025】
以上の例は、VoIPゲートウェイ装置4aがVoIPゲートウェイ装置4bのリソースを利用する場合であったが、これとは逆の場合もあり得る。例えば、IP電話装置2aの利用者が電話機5bの利用者との通話を希望した場合に、この電話機5bにアナログ電話網3bを介して接続されているVoIPゲートウェイ装置4bのリソースであるコーデックが全て稼動中であるため、VoIPゲートウェイ装置4aのリソースであるコーデックを利用する、というような場合である。
【0026】
このように、上記の実施形態では、或るVoIPゲートウェイ装置においてその装置自身のリソースが不足しているような場合に、他のVoIPゲートウェイ装置のリソースを利用するようにしているから、IPネットワーク上に複数設けられたVoIPゲートウェイ装置はお互いにリソースを利用しあうことができる。よって、VoIPゲートウェイ装置群とは別に、リソースの提供専用のサーバ装置を用意する場合と比較すると、負荷の分散を図ることができ、特定の装置に処理の負荷が集中するような事態の発生を抑制することが可能となる。
そして、上記のようにVoIPゲートウェイ装置群によって負荷分散を図っているので、各々のVoIPゲートウェイ装置4a,4bには、それぞれに接続されているアナログ電話網3a,3bの電話機5a〜5dの最大通話数よりも少ない通話数に見合ったリソースを実装すれば足りる。よって、各々のVoIPゲートウェイ装置の設置コストや管理コストを抑えられる。
【0027】
<変形例>
以上の実施形態は次のように変形可能である。また、次の各変形は互いに組み合わせてもよい。
<変形例1>
実施形態において、VoIPゲートウェイ装置4aの制御部41は、リソースの空きがあるか否かを他のVoIPゲートウェイ装置の各々に対して順番に問い合わせていたが、問い合わせの方法はこれに限らない。例えば制御部41は、不揮発性記憶部43に記憶されているVoIPゲートウェイ装置の全アドレスに対していっせいに問い合わせを行い、これらのVoIPゲートウェイ装置群から最も早く200番の応答があったものを選択してもよい。このようにすれば、リソースの利用を依頼する先となるVoIPゲートウェイ装置を早く決めることができる。
【0028】
<変形例2>
また、VoIPゲートウェイ装置4aの制御部41が、リソースの空きがあるか否かを他のVoIPゲートウェイ装置の各々に対して問い合わせるときの順番を次のような手順で決定するようにしてもよい。
ここで、図4は、VoIPゲートウェイ装置4aの不揮発性記憶部43に記憶された管理テーブルの内容の一例を示す図である。この管理テーブルには、他のVoIPゲートウェイ装置に問い合わせを行うときの順序を決定する根拠となる情報群が記述されている。この情報群には、ホップ数、通信帯域、リソースの性能、リソース稼働率及び成功率が含まれており、これらが各VoIPゲートウェイ装置のIPアドレスと対応付けて管理テーブルに記述されている。
【0029】
まず、ホップ数は、この管理テーブルを記憶しているVoIPゲートウェイ装置4a(以下、自装置という)と、他のVoIPゲートウェイ装置4b,4c・・・(以下、他装置という)とが通信を行うときに、その通信を中継するノードの数である。そして、通信帯域は、自装置と他装置との間で行う通信の通信速度(bit/second)である。自装置の制御部41は、ホップ数を調べる場合には、例えば、ネットワーク上の或るホスト装置から別のホスト装置までの経路を調べるためのtracertと同様の方法で、自装置と他装置との間の経路上に存在するノードの数を検出する。tracertの処理の方法の説明については省略する。また、自装置の制御部41は、通信帯域を調べる場合には、例えば、他装置に対して定期的に測定パケットを送信し、これに応じて他装置から送信されてくる応答パケットを受信して、その測定パケットの送信から応答パケットの受信までの時間を計測することで、通信帯域を検出する。ホップ数及び通信帯域は、他装置との間の通信速度に関する情報の一例であり、管理テーブルにはこれ以外の通信速度の指標に関する情報が記述されていてもよい。
【0030】
次に、リソースの性能は、他装置が備えるリソースの性能を10レベルで評価した値である。自装置の制御部41は、他装置に対して定期的にリソースの性能を問い合わせることで、他装置のリソースの性能を検出する。このリソースの性能は、他装置が備えるリソースの性能に関連する情報の一例であり、管理テーブルにはこれ以外の性能の指標に関する情報が記述されていてもよい。
【0031】
次に、リソース稼働率は、他装置が備えるリソースの空き具合を百分率で評価した値である。自装置の制御部41は、他装置に対して定期的にリソースの空き具合を問い合わせ、その他装置から、過去の一定期間においてリソースが空いていた時間の割合を取得することで、他装置のリソース稼働率を検出する。このリソース稼働率は、他装置が備えるリソースの空き具合に関連する情報の一例であり、管理テーブルにはこれ以外の空き具合の指標に関する情報が記述されていてもよい。
【0032】
そして、成功率は、自装置が他装置に対してリソースの利用を依頼し、これに応じて他装置がリソースの処理を行いながらデータの中継を行ったときの当該中継の成功率である。中継が失敗する場合とは、例えばネットワークの通信環境が不安定であるとか、他装置の処理状態が不安定であるような場合である。自装置の制御部41は、他装置に対してリソースの利用を依頼したときのデータ中継の成功の有無を記憶しておき、その成功率を算出する。成功率は、他装置がデータの中継を行ったときの当該中継の成功率に関する情報の一例であり、管理テーブルにはこれ以外のデータ中継の成功率の指標に関する情報が記述されていてもよい。
【0033】
自装置の制御部41は、上記のような各情報に対して重み付けを行って問い合わせの順序を決定する。具体的には、制御部41は、通信速度に関する情報に対しては、通信速度が速いほど大きな重み付けを行う。また、制御部41は、リソースの性能に関する情報に対しては、リソースの性能が高いほど大きな重み付けを行う。また、制御部41は、リソースの空き具合に関する情報に対しては、リソースが空いている度合いが大きいほど大きな重み付けを行う。また、制御部41は、データの中継の成功率に関する情報に対しては、成功率が高いほど大きな重み付けを行う。そして、制御部41は、これらの重み付けを行った結果を、各々の他装置ごとに合計して、その合計値が高い他装置から順番に上記の問い合わせを行う。
制御部41は、通信速度に関する情報、リソースの性能に関する情報、リソースの空き具合に関する情報及びデータの中継の成功率に関する情報を、上記のように組み合わせるのではなく、それぞれを単独で用いて、問い合わせ順序を決めるときの根拠としてもよい。これらの情報を単独で用いる場合も、重み付けの考え方は上記と同様である。
このようにすれば、リソースの処理やデータの中継処理が早いVoIPゲートウェイ装置に対して、リソースの処理を依頼することができる。
ただし、通信速度に関する情報に関しては、制御部41は、上記とは逆に、通信速度が速いほど小さくなる重み付けを行ってよい。
【0034】
<変形例3>
VoIPゲートウェイ装置4aの制御部41は、VoIPゲートウェイ装置4bのリソースによる処理を経て自装置に送信されてくるデータを受信し、これを本来の宛先である電話機5aに送信する中継処理(つまり図3では、ステップS9の通話処理)を開始した後に、自装置のリソースに空きが生じた場合には、VoIPゲートウェイ装置4bのリソースによる処理を終了させて、自装置のリソースを用いた処理を行ってデータ中継を行うようにしてもよい。具体的には、VoIPゲートウェイ装置4aの制御部41は、自装置のリソースが別のデータに対して行っていた処理が完了することで、そのリソースに空きが生じたことを検知すると、その旨をVoIPゲートウェイ装置4bに通知する。制御部41によって行われるこの通知処理が、VoIPゲートウェイ装置4bのリソースによる処理を終了させるための終了処理に該当する。一方、VoIPゲートウェイ装置4bの制御部41は、自装置とIP電話装置2aとの間のRTPセッションをREFERリクエストによって、VoIPゲートウェイ装置4aとIP電話装置2aとの間のRTPセッションに切り替える。SIPにおいてREFERリクエストは、データの転送を意味するリクエストである。そして、VoIPゲートウェイ装置4aの制御部41は、IP電話装置2aから電話機5aに宛てて送信された符号化音声データストリームを受信すると、そのデータストリームを電話機5aに宛てて送信する一方、電話機5aからIP電話装置2aに宛てて発せられたアナログ信号を受信すると、その符号化音声データストリームに変換してIP電話装置2aに宛てて送信する。このとき、制御部41のリソースであるコーデックは、前述したような符号化方式の変換を行う。
このようにすれば、VoIPゲートウェイ装置4aは、VoIPゲートウェイ装置4bのリソースを利用せずに、自身のリソースを利用することができる。
【0035】
<変形例4>
実施形態では、お互いのリソースを利用し合う中継装置として、VoIPゲートウェイ装置を例示したが、この中継装置はゲートウェイ装置に限らず、要するに、音声データの中継を行いつつ、その音声データに対して何らかの音声処理を行う中継装置であればよい。
また、中継装置が互いに利用し合うリソースは、G.729方式のコーデックの例に限定されず、音声処理に要するリソースであれば、例えば音声のエコーキャンセラなどであってもよい。また、画像データを取り扱う場合には、画像データのコーデックなどが考えられる。さらに、音声処理または画像処理を行うリソースに限定されることも無い。
また、中継装置がお互いに利用しあうリソースは完全同一のものでなくても、同種のリソースであればよい。例えば、同じ方式で符号化/復号を行うコーデックであってもバージョンが異なる場合には、完全に一致するリソースとは言えないが、新バージョンのリソースが独自に対応できる分野以外は、旧バージョンと同じ機能を実現するものである。同種のリソースとは、例えばこのようなバージョン違いのリソースどうしのことであるが、要するに、一方の中継装置のリソースに代えて他方の中継装置のリソースが利用できるような状態にある場合、これらの両者のリソースを同種のリソースという。
また、通信システムで用いられる通信プロトコルは、実施形態の例示以外のものであってもよい。また、通信システムにおける各中継装置のアドレスは、IPアドレス以外のもの、例えばSIPアドレスなどを用いてもよい。
【0036】
<変形例5>
変形例4においては、VoIPゲートウェイ装置などの中継装置がお互いに利用しあうリソースは同一ではなく同種のリソースでも構わないことを説明したが、これをさらに、次のような内容に拡張してもよい。
例えば、VoIPゲートウェイ装置などの中継装置に対して、その中継装置が備えていないリソースを必要とするようなデータが送信されてくる場合がある。実施形態の例で説明すると、IP電話装置からVoIPゲートウェイ装置に対して、G.729方式で符号化された音声データストリームが送信されてきたときに、そのVoIPゲートウェイ装置が、そもそもG.729方式のコーデックを備えていないような場合である。この場合、VoIPゲートウェイ装置の制御部41は、実施形態で説明した内容と同様の手順で、他のVoIPゲートウェイ装置に対し、G.729方式のコーデックの空き具合を問い合わせ、空いているコーデックを備えているVoIPゲートウェイ装置に、そのコーデックを用いた処理を依頼する。また、G.729方式のコーデックを備えているVoIPゲートウェイ装置に対して、IP電話装置から、G.729方式以外の符号化方式で符号化された音声データストリームが送信されてくる場合もある。このような場合も、VoIPゲートウェイ装置の制御部41は、他のVoIPゲートウェイ装置に対し、G729.方式以外の符号化方式のコーデックの空き具合を問い合わせ、空いているコーデックを備えているVoIPゲートウェイ装置に、そのコーデックを用いた処理を依頼する。
以上のように、VoIPゲートウェイ装置などの中継装置が、IP電話装置や電話機などの通信装置から送信されたデータを受信したときに、そのデータに対応するリソースがない場合には、他の中継装置に対して、そのデータに対応するリソースが空いているか否かを問い合わせ、その問い合わせの結果、リソースが空いていることが分かれば、他の中継装置にそのリソースによる処理を依頼する。ここでいう、「データに対応するリソース」とは、そのデータを用いた処理を行うことが可能なリソースのことであり、複数の中継装置においてデータに対して同一の処理を行う同一のリソース(実施形態で説明した内容)と、複数の中継装置においてデータに対して同種の処理を行う同種のリソース(変形例4で説明した内容)と、中継装置が備えていないリソースを必要とするようなデータが送信されてきた場合に、そのデータに対する処理を行えるような他の中継装置のリソース(変形例5で説明した内容)とを含む。
【0037】
<変形例6>
上述した実施形態におけるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で、VoIPゲートウェイ装置等の中継装置に提供し得る。この場合には、記録媒体を読み取るインターフェースをこれらの中継装置に設ければよい。また、ネットワーク経由でこれらの中継装置にダウンロードさせることも可能である。
【符号の説明】
【0038】
1・・・IPネットワーク、2a,2b・・・IP電話装置、3a,3b・・・アナログ電話網、4a,4b・・・VoIPゲートウェイ装置、5a〜5d・・・電話機、41・・・制御部、42・・・揮発性記憶部、43・・・不揮発性記憶部、44・・・IPネットワーク通信部、45・・・アナログ電話網通信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信装置間で送受信されるデータの中継をそれぞれ行う複数の中継装置を備え、
各々の前記中継装置は、
一の通信装置から他の通信装置に宛てて送信されたデータを受信すると、当該データを前記他の通信装置に宛てて送信する中継処理を行う中継手段と、
前記中継手段によってデータの中継処理が行われているときに、当該データに対して処理を行うリソースと、
前記中継手段が前記一の通信装置から送信されたデータを受信したときに、当該データに対応するリソースがない場合には、他の中継装置に対して、当該データに対応するリソースが当該他の中継装置において空いているか否かを問い合わせる問い合わせ手段と、
他の中継装置から、当該他の中継装置が受信したデータに対応するリソースが自装置において空いているか否かの問い合わせがあると、当該他の中継装置に対し、自装置における前記リソースの空き状況に応じた内容の返答を行う返答手段と、
前記問い合わせの結果、前記他の中継装置において前記リソースが空いている場合には、前記一の通信装置から前記他の通信装置に宛てて送信されたデータの中継処理を当該他の中継装置が行うための準備を行う準備手段とを備え、
前記準備手段によって前記準備が行われた後、前記中継手段は、前記他の中継装置において前記リソースによる処理を経て送信されてくるデータを受信すると、当該データを前記他の通信装置に宛てて送信する中継処理を行う
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記問い合わせ手段は、
自装置と各々の前記他の中継装置との間の通信速度に関する情報を記憶しており、
各々の前記他の中継装置に対して前記問い合わせを行うときの順序として、前記通信速度に応じた順序を決定し、決定した順序で他の中継装置のそれぞれに対して前記問い合わせを行う
ことを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記問い合わせ手段は、
各々の前記他の中継装置が備えるリソースの性能または空き具合に関連する情報を記憶しており、
各々の前記他の中継装置に対して前記問い合わせを行うときの順序として、前記リソースの性能が高いと、または、リソースが空いている度合いが大きいと、早く問い合わせを行うような順序を決定し、決定した順序で他の中継装置のそれぞれに対して前記問い合わせを行う
ことを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項4】
前記問い合わせ手段は、
各々の前記他の中継装置が、前記一の通信装置から前記他の通信装置に宛てて送信されたデータの中継を行ったときの当該中継の成功率に関する情報を記憶しており、
各々の前記他の中継装置に対して前記問い合わせを行うときの順序として、前記成功率が高いと早く問い合わせを行うような順序を決定し、決定した順序で他の中継装置のそれぞれに対して前記問い合わせを行う
ことを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項5】
前記他の中継装置において前記リソースによる処理を経て送信されてくるデータを受信すると当該データを前記他の通信装置に宛てて送信する中継処理を、前記中継手段が開始した後に、自装置の前記リソースが別のデータに対して行っていた処理が完了すると、前記他の中継装置による前記リソースの処理を終了させるための終了処理を行う終了手段を備え、
前記終了手段による終了処理の後に、前記中継手段は、前記一の通信装置から前記他の通信装置に宛てて送信されたデータを受信すると、当該データを前記他の通信装置に宛てて送信する中継処理を行い、前記リソースは、当該中継処理が行われているときに、当該データに対して前記処理を行う
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の通信システム。
【請求項6】
一の通信装置から他の通信装置に宛てて送信されたデータを受信すると、当該データを前記他の通信装置に宛てて送信する中継処理を行う中継手段と、
前記中継手段によってデータの中継処理が行われているときに、当該データに対して処理を行うリソースと、
前記中継手段が前記一の通信装置から送信されたデータを受信したときに、当該データに対応するリソースがない場合には、他の中継装置に対して、当該データに対応するリソースが当該他の中継装置において空いているか否かを問い合わせる問い合わせ手段と、
他の中継装置から、当該他の中継装置が受信したデータに対応するリソースが自装置において空いているか否かの問い合わせがあると、当該他の中継装置に対し、自装置における前記リソースの空き状況に応じた内容の返答を行う返答手段と、
前記問い合わせの結果、前記他の中継装置において前記リソースが空いている場合には、前記一の通信装置から前記他の通信装置に宛てて送信されたデータの中継処理を当該他の中継装置が行うための準備を行う準備手段とを備え、
前記準備手段によって前記準備が行われた後、前記中継手段は、前記他の中継装置において前記リソースによる処理を経て送信されてくるデータを受信すると、当該データを前記他の通信装置に宛てて送信する中継処理を行う
ことを特徴とする中継装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−216988(P2011−216988A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80853(P2010−80853)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】