説明

通信システム及び通信方法

【課題】不感エリアにおいてMFPを利用してデータを取得することができる通信システム及び通信方法を提供すること。
【解決手段】基地局1と携帯電話3との通信状態が悪化した場合には、基地局1が携帯電話3に対して、携帯電話3の現在地と現在地周辺の第1のMFP2−1及び第2のMFP2−2の位置が示された地図情報を送信する。携帯電話3のユーザは、地図情報に基づいて、最寄の第1のMFP2−1を選択し、基地局1に携帯電話3により通知する。基地局1は、携帯電話3宛の電子メールを第1のMFP2−1に転送し、第1のMFP2−1は、該電子メールを記憶する。携帯電話3のユーザは、第1のMFP2−1に近距離無線通信によりアクセスして、携帯電話3に電子メールを取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム及びこれに用いられる通信方法に関し、より特定的には、無線通信端末、基地局、及び、該基地局と通信可能に接続された画像処理装置からなる通信システム及びこれに用いられる通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子メール等のデータが基地局から携帯電話にダウンロードされている最中に、携帯電話と基地局とが通信不可能な不感エリアに、携帯電話のユーザが移動してしまった場合には、携帯電話と基地局との通信が切断されてしまう。そのため、該ユーザは、データを取得することができない。このような場合、該携帯電話のユーザは、再度、通信可能な通信エリアに戻って、基地局から携帯電話にデータをダウンロードしなおす必要があった。しかしながら、ユーザが携帯電話の通信エリアに戻ることができない場合には、該ユーザは、データを携帯電話によりダウンロードすることができない。例えば、出張などにより長期間にわたって通信エリアにユーザが戻ることができない場合には、該ユーザは、この期間中、データを取得することができない。
【0003】
ところで、不感エリアに店舗が存在している場合がある。そして、不感エリアに配置された店舗には、通信機能を有する画像処理装置、例えば、原稿を読取って画像データを得るスキャナ機能、印刷データに基づいて画像を印刷するプリント機能、ファクシミリデータを送受信するファクシミリ機能等を有する多機能周辺機器(MFP:multi−function peripheral)が設置されていることがある。そのため、このような画像処理装置を利用して不感エリアにおいてデータを取得できるシステムの構築が望まれている。
【0004】
なお、不感エリアにおいて、携帯電話が通話できるようにする装置としては、例えば、特許文献1に記載の高周波デジタル変換通信装置が提案されている。この高周波デジタル変換通信装置では、光ファイバにより基地局と接続された中継装置が、不感エリアに配置され、該不感エリアに存在する携帯電話の通話の中継を行っている。
【特許文献1】特開2004−40449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、不感エリアにおいて画像処理装置を利用してデータを取得することができる通信システム及びこれに用いられる通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、無線通信端末、該無線通信端末と無線通信を行う基地局、及び、該基地局と有線により通信可能に接続された複数の画像処理装置からなる通信システムにおいて、前記無線通信端末は、前記基地局に電子データの送信要求を送信する無線通信端末送信手段を、備え、前記基地局は、前記送信要求を受信する基地局受信手段と、電子データを記憶する基地局記憶手段と、前記送信要求を送信した無線通信端末を宛先とする電子データを、前記画像処理装置に送信する基地局第1送信手段と、を備え、前記複数の画像処理装置各々は、前記電子データを受信する画像処理装置第1受信手段と、前記電子データを記憶する画像処理装置記憶手段と、前記画像処理装置記憶手段が記憶している前記電子データを、該電子データの宛先の無線通信端末に送信する画像処理装置第1送信手段と、を備えること、を特徴とする。
【0007】
本発明によれば、基地局が、無線通信端末宛の電子データを画像処理装置に対して送信し、画像処理装置が、送信されてきた電子データを記憶している。そのため、無線通信端末のユーザは、基地局と通信を行うことができない場合であっても、任意のタイミングで画像処理装置まで移動して、該画像処理装置に記憶されている電子データを、無線通信端末を用いて取得することができる。
【0008】
本発明において、前記無線通信端末は、ユーザからの入力を受付ける入力手段を、更に備え、前記無線通信端末送信手段は、前記ユーザにより入力された期間に関する期間情報を前記基地局に送信し、前記基地局第1送信手段は、前記期間情報の期間内のみ、前記電子データを前記画像処理装置に送信してもよい。
【0009】
本発明において、前記基地局記憶手段は、通信可能な前記画像処理装置に関する転送先情報を記憶しており、前記基地局は、前記転送先情報を前記無線通信端末に送信する基地局第2送信手段を、更に備え、前記無線通信端末は、前記転送先情報を受信する無線通信端末受信手段と、前記転送先情報に対応する画像処理装置の中から所望の画像処理装置の選択をユーザから受付ける選択手段と、を更に備え、前記無線通信端末送信手段は、ユーザにより選択された前記画像処理装置に関する転送先情報を前記送信要求として前記基地局に送信し、前記基地局受信手段は、前記転送先情報を受信し、前記基地局第1送信手段は、前記転送先情報に対応する画像処理装置に、前記電子データを送信してもよい。無線通信端末のユーザは、基地局が通信可能な画像処理装置の中から任意の画像処理装置に対して基地局に電子データを送信させることができるようになる。その結果、無線通信端末のユーザは、最も都合のよい画像処理装置から電子データを取得することが可能となり、該通信システムの利便性が向上する。
【0010】
本発明において、前記基地局は、前記無線通信端末との通信状態を認識する通信状態認識手段を、更に備え、前記基地局第2送信手段は、前記無線通信端末に電子データを送信しているときに、前記通信状態認識手段が、前記無線通信端末との通信状態が所定の通信状態よりも悪化したと判定した場合に、前記転送先情報を、前記無線通信端末に送信してもよい。これにより、無線通信端末のユーザは、不感エリアに入る前に、送信されてきた転送先情報に基づいて、電子データの転送先となりうる画像処理装置の位置を認識することが可能となる。
【0011】
本発明において、前記転送先情報は、前記画像処理装置の位置を示す位置情報を含んでいてもよい。これにより、無線通信端末のユーザは、画像処理装置の位置を認識した上で、電子データの転送先の画像処理装置を選択することが可能となる。
【0012】
本発明において、前記無線通信端末は、人工衛星より現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得手段を、更に備え、前記無線通信端末送信手段は、前記現在地情報を前記基地局に送信し、前記基地局受信手段は、前記現在地情報を受信し、前記基地局は、前記現在地情報に対応する現在地から所定範囲内に存在する前記画像処理装置を、前記位置情報に基づいて特定する特定手段を、更に含み、前記基地局第2送信手段は、前記特定手段が特定した前記画像処理装置に関する転送先情報を、前記無線通信端末に送信してもよい。基地局より無線通信端末と画像処理装置の位置に関する情報が、無線通信端末に送信されてくるので、無線通信端末のユーザは、自身の現在地と画像処理装置の位置との位置関係を認識することができる。その結果、該ユーザは、最寄の画像処理装置を、電子データの転送先の画像処理装置として選択することが容易となる。
【0013】
本発明において、前記基地局記憶手段は、地図情報を更に記憶しており、前記基地局は、前記現在地情報に対応する位置を含む地図情報を検索する検索手段を、更に備え、前記特定手段は、前記検索手段により検索された地図情報の地図内に存在する前記画像処理装置を特定し、前記基地局第2送信手段は、前記検索手段により検索された地図情報を前記転送先情報と共に前記無線通信端末に送信してもよい。
【0014】
本発明において、前記基地局は、前記特定手段が特定した前記画像処理装置の位置を、前記検索手段により検索された地図情報の地図に合成した合成地図を作成する合成手段、を更に備え、前記基地局第2送信手段は、前記合成地図の地図情報を前記無線通信端末に送信してもよい。これにより、無線通信端末のユーザは、画像処理装置までの道のりを合成地図により確認することが可能となる。
【0015】
本発明において、前記無線通信端末は、ユーザからの入力を受付ける入力手段を、更に備え、前記無線通信端末送信手段は、前記ユーザにより入力された位置に関する入力位置情報を前記基地局に送信し、前記基地局受信手段は、前記入力位置情報を受信し、前記基地局は、前記入力位置情報に対応する位置から所定距離内に存在する前記画像処理装置を、前記位置情報に基づいて特定する特定手段を、更に含み、前記基地局第2送信手段は、前記特定手段が特定した前記画像処理装置に関する転送先情報を、前記無線通信端末に送信してもよい。これにより、無線通信端末のユーザは、任意の場所の近傍に存在する画像処理装置の位置を認識することができるようになる。そのため、例えば、無線通信端末のユーザは、行き先近傍に存在する画像処理装置の位置を認識することができるようになる。
【0016】
本発明において、前記無線通信端末送信手段は、前記送信要求を前記画像処理装置に送信し、前記複数の画像処理装置各々は、前記送信要求を受信する画像処理装置第2受信手段と、前記送信要求の受信に応じて、前記基地局に該送信要求を送信する画像処理装置第2送信手段と、を更に備え、前記基地局受信手段は、前記送信要求を受信し、前記基地局第1送信手段は、前記送信要求を送信した前記画像処理装置に前記電子データを送信してもよい。これにより、無線通信端末は、画像処理装置を経由して送信要求を基地局に送信でき、画像処理装置を経由して電子データを基地局から取得できるようになる。そのため、画像処理装置は、電子データを、記憶してすぐに無線通信端末に送信するようになる。その結果、画像処理装置は、多量の電子データを長期間記憶する必要がなくなり、該画像処理装置の記憶手段の容量を小さくできるようになる。
【0017】
本発明は、前記通信システムにおいて行われる通信方法に対しても適用可能である。具体的には、本発明は、無線通信端末、該無線通信端末と無線通信を行う基地局、及び、該基地局と有線により通信可能に接続された複数の画像処理装置からなる通信システムにおける通信方法であって、前記無線通信端末が、前記基地局に電子データの送信要求を送信するステップと、前記基地局が、前記送信要求を受信するステップと、前記基地局が、前記送信要求を送信した無線通信端末を宛先とし、かつ、記憶手段において記憶している電子データを、前記画像処理装置に送信するステップと、前記画像処理装置が、前記電子データを受信するステップと、前記画像処理装置が、前記電子データを記憶するステップと、前記画像処理装置が、前記電子データを、該電子データの宛先の無線通信端末に送信するステップと、を備えること、を特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る通信システム及び通信方法について図面を参照しながら説明する。図1は、本通信システムの全体構成を示した図である。図2は、本通信システムに用いられる基地局1の構成を示したブロック図である。図3は、本通信システムに用いられる多機能周辺機器(MFP:multi−function peripheral)2の構成を示したブロック図である。図4は、本通信システムに用いられる携帯電話3の構成を示したブロック図である。
【0019】
(全体構成について)
前記通信システムは、図1に示すように、基地局1、画像処理装置としての複数台のMFP2、無線通信端末としての携帯電話3、人工衛星4及び光通信回線5により構成される。なお、基地局1には、第1のMFP2−1、第2のMFP2−2、第3のMFP2−3及び第4のMFP2−4がMFP2として接続されているが、図1では、第3のMFP2−3及び第4のMFP2−4については省略されている。また、第1のMFP2−1、第2のMFP2−2、第3のMFP2−3及び第4のMFP2−4を総称して、MFP2と称することとし、個別のMFP2を指すときには、「−」の後に数字を付するものとする。
【0020】
本通信システムは、概略、以下のような電子メール転送サービスを行うためのシステムである。携帯電話3が基地局1から電子データとしての電子メールを取得している途中に、携帯電話3と基地局1との通信状態が悪化した場合に、携帯電話3の周辺に存在する第1のMFP2−1及び第2のMFP2−2の位置が示された地図を基地局1が携帯電話3に送信する。携帯電話3のユーザは、この地図を元に、取得途中の電子メールの転送先として第1のMFP2−1を指定し、指定した第1のMFP2−1を携帯電話3により基地局1に通知する。基地局1は、指定された第1のMFP2−1に対して、前記取得途中の電子メールを、光通信回線5を介して転送する。ユーザは、指定した第1のMFP2−1まで移動し、携帯電話3を用いて近距離無線通信により第1のMFP2−1から前記取得途中の電子メールを取得する。以下に、基地局1、MFP2及び携帯電話3のそれぞれの構成について説明する。
【0021】
基地局1は、携帯電話3の中継基地局であり、図2に示すように、CPUからなる制御部11、ハードディスクからなる記憶部12、無線通信インターフェースからなる無線通信部13及び光通信インターフェースからなる光通信部14を備える。
【0022】
MFP2は、図3に示すように、CPUからなる制御部21、ハードディスクからなる記憶部22、印刷部23、光通信インターフェースからなる光通信部24、Blue Tooth(登録商標)により近距離無線通信を行うための通信インターフェースであるBT通信部25及びスキャナ部26を備える。MFP2は、基地局1と携帯電話3とが通信困難な不感エリアに存在する店舗(例えばコンビニエンスストア)内に配置され、光通信回線5により基地局1と通信可能に接続されている。なお、第1のMFP2−1と第2のMFP2−2とは、図1に示すように、同じ不感エリアの別々の店舗(店舗Aと店舗B)に配置されている。以下では、個別のMFP2内の各構成要素を示すときには、例えば、第1のMFP2−1の制御部21については制御部21−1のように、「−」の後に数字を付すものとする。
【0023】
携帯電話3は、無線電波により基地局と電子メール等の電子データの送受信を行う機能を備えており、メールアドレス「a@A.ne.jp」を有する。携帯電話3は、Blue Tooth(登録商標)等の近距離無線通信によりMFP2と電子メール等のデータの送受信を行う機能も備えている。該携帯電話3は、図4に示すように、CPUからなる制御部31、不揮発性メモリからなる記憶部32、GPS部33、無線通信インターフェースからなる無線通信部34、Blue Tooth(登録商標)により近距離無線通信を行うためのインターフェースであるBT通信部35、液晶ディスプレイからなる表示部36及び複数の入力ボタンにより構成される入力部37を備える。以下に、通信システムの動作時における、基地局1、MFP2及び携帯電話3の各構成要素の役割について説明する。
【0024】
携帯電話3は、定期的に自機の現在地を確認し、現在地情報として基地局1に送信している。そのため、GPS部33は、定期的に人工衛星4より現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得手段としての役割を果たす。この現在地情報は、例えば、携帯電話3の緯度及び経度に関する情報である。携帯電話3の無線通信部34は、現在地情報、及び、携帯電話3と基地局1との通信状態に関する通信状態情報を定期的に基地局1に対して送信する送信手段としての役割を果たす。通信状態情報は、具体的には、携帯電話3の表示部36に通常表示されている通信可能な基地局1の数(0〜3)に関する情報である。
【0025】
基地局1の無線通信部13は、無線電波により携帯電話3と通信を行い、携帯電話3から定期的に送信されてくる現在地情報及び通信状態情報を受信する受信手段としての役割を果たす。基地局1は、該現在地情報及び該通信状態情報により、携帯電話3の現在地及び通信状態を管理している。具体的には、基地局1の記憶部12は、図5に示すユーザ管理テーブルを記憶している。このユーザ管理テーブルには、携帯電話3のメールアドレス「a@A.ne.jp」、現在地「東経135°20'15'',北緯35°21'20''」、通信状態「1」及び暗証番号「1234」が、関連付けられて記録されている。なお、ユーザ管理テーブルには、携帯電話3以外の携帯電話であって、本通信システムの電子メール転送サービスを受けることができる携帯電話のメールアドレス、位置、通信状態及び暗証番号も関連付けられて記録されている。
【0026】
通信状態は、携帯電話3が通信可能な基地局1の数を示しており、3から0にいくにしたがって通信状態が悪化していることを意味する。暗証番号は、通信システムにおいて電子メール転送サービスを受ける際に必要となる4桁の数字である。
【0027】
また、基地局1は、携帯電話3以外の通信端末から送信されてくる電子メールを、該電子メールの宛先のメールアドレスの携帯電話3に対して送信する。そこで、基地局1の記憶部12は、他の通信端末から送信されてきた電子メールを記憶する記憶手段としての役割を果たす。更に、基地局1の無線通信部13は、電子メールの宛先のメールアドレスの携帯電話3に対して該電子メールを送信する送信手段としての役割を果たす。
【0028】
基地局1は、電子メールを携帯電話3に送信しているときに、携帯電話3との通信状態が悪化した場合には、その旨を携帯電話3に通知すると共に、携帯電話3の現在地近傍の地図であって、MFP2の位置が合成された合成地図を地図情報として送信する。そこで、制御部11は、図5に示すユーザ管理テーブルを参照して、携帯電話3と基地局1との通信状態を認識する通信状態認識手段としての役割を果たす。基地局1の記憶部12は、地図情報、図5に示すユーザ管理テーブル及び図6に示すMFP管理テーブルを記憶する記憶手段としての役割を果たす。MFP管理テーブルは、基地局1と通信可能に接続されて、該基地局1が電子メールを転送できるMFP2に関する転送先情報が記録されている。具体的には、各MFP2のMFP名、位置、IPアドレス及び店名が関連付けられて転送先情報として記録されている。更に、基地局1の記憶部12は、通信状態が悪化したことにより送信できなかった電子メールの一覧が登録された図7に示す送信エラーテーブルを記憶する記憶手段としての役割も果たす。この送信エラーテーブルには、送信できなかった電子メールのタイトルと、電子メールの宛先のメールアドレスと、該電子メールの転送先となるMFP2の名前(以下、転送先MFP名と称す)とが関連付けられて記録されている。
【0029】
基地局1の制御部11は、ユーザ管理テーブルを参照して携帯電話3の現在地を認識し、現在地を含む地図情報を検索する検索手段としての役割を果たす。更に、制御部11は、ユーザ管理テーブルを参照して携帯電話3の現在地を認識し、現在地から所定範囲内に存在するMFP2を、MFP管理テーブルを参照して特定する特定手段としての役割を果たす。この現在地から所定範囲とは、具体的には、前記現在地を含む所定の縮尺の地図情報の範囲を指す。
【0030】
更に、基地局1の制御部11は、特定したMFP2の位置を、検索した地図情報の地図に合成した合成地図を作成する合成手段としての役割を果たす。そして、基地局1の無線通信部13は、この合成地図の地図情報を携帯電話3に送信する送信手段の役割を果たす。
【0031】
携帯電話3の無線通信部34は、前記合成地図の地図情報を受信する受信手段としての役割を果たす。更に、表示部36は、該地図情報に基づいて合成地図を表示する表示手段としての役割を果たす。入力部37は、合成地図に含まれるMFP2の中から所望のMFP2をユーザに選択させる選択手段としての役割を果たす。更に、無線通信部34は、ユーザにより選択されたMFP2のMFP名を、電子メールの送信要求として基地局1に送信する送信手段としての役割を果たす。
【0032】
基地局1の無線通信部13は、該送信要求を受信する受信手段としての役割を果たす。更に、光通信部14は、送信要求に含まれるMFP名のMFP2に対して、図7に示す送信エラーテーブルを参照して、送信要求を送信してきた携帯電話3のメールアドレスを宛先とする電子メールを送信する送信手段としての役割を果たす。
【0033】
MFP2は、基地局1から送信されてきた電子メールを記憶すると共に、携帯電話3からの要求に応じて、該携帯電話3のメールアドレスを宛先とする電子メールを、該携帯電話3に送信する。そこで、MFP2の光通信部24は、基地局1から送信されてきた電子メールを受信する受信手段としての役割を果たす。更に、MFP2の記憶部22は、電子メールを記憶すると共に、記憶している電子メールの一覧がメールアドレス毎に記録された図8に示す転送メールテーブルを記憶する記憶手段としての役割を果たす。転送メールテーブルには、記憶部22において記憶されている電子メールのタイトルが、該電子メールの宛先のメールアドレス毎に区分けされて記録されている。
【0034】
MFP2のBT通信部25は、携帯電話3からの要求に応じて、該携帯電話3のメールアドレスを宛先とする電子メールを、転送メールテーブルを参照して送信する送信手段としての役割を果たす。
【0035】
(通信システムの動作について)
以上のように構成された通信システムにおいて、以下にその動作について図面を参照しながら説明する。通信システムの動作には大きく分けて以下の4つの動作が存在する。
(1)基地局1が携帯電話3から定期的に現在地情報と通信状態情報を取得する動作(第1の動作)
(2)携帯電話3が電子メールの転送先のMFP2を指定し、該転送先のMFP2を基地局1に対して通知する動作(第2の動作)
(3)基地局1が電子メールをMFP2に転送する動作(第3の動作)
(4)携帯電話3がMFP2から電子メールを取得する動作(第4の動作)
なお、以下では、基地局1から第1のMFP2−1に電子メールが転送されるものとして説明を行う。
【0036】
図9は、第1の動作において基地局1と携帯電話3とが行う動作を示したフローチャートである。図10は、第2の動作において基地局1と携帯電話3とが行う動作を示したフローチャートである。図11は、第3の動作において基地局1と第1のMFP2−1とが行う動作を示したフローチャートである。図12は、第4の動作において基地局1と第1のMFP2−1と携帯電話3とが行う動作を示したフローチャートである。なお、各フローチャートでの処理は、制御部11,21−1,31において、記憶部12,22−1,32に格納されたソフトウエアを実行することによって実現してもよいし、それら各処理を行う専用のハードウエア回路を用いて実現してもよい。
【0037】
(第1の動作について)
まず、第1の動作について図9を参照しながら説明する。携帯電話3の制御部31は、該携帯電話3の現在地の緯度及び経度の情報である現在地情報を、GPS部33に人口衛星4から取得させる(ステップS1)。次に、携帯電話3の制御部31は、GPS部33が取得した現在地情報、及び、基地局1と携帯電話3との通信状態を示す通信状態情報を無線通信部34に基地局1へ送信させる(ステップS2)。
【0038】
基地局1の制御部11は、無線通信部13が現在地情報と通信状態情報とを受信したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS3)。そして、無線通信部13が現在地情報と通信状態情報とを受信した場合には、本処理はステップS4に進む。
【0039】
無線通信部13が現在地情報と通信状態情報とを受信した場合には、制御部11は、記憶部12に記憶されている図5に示すユーザ管理テーブルを、該現在地情報と通信状態情報とに基づいて更新する(ステップS4)。例えば、制御部11は、携帯電話3のメールアドレス「a@A.ne.jp」に対応する現在地の欄に現在地情報に含まれる緯度及び経度「東経135°20'15'',北緯35°21'20''」を記録する。更に、制御部11は、携帯電話3のメールアドレス「a@A.ne.jp」に対応する通信状態の欄に、通信状態情報に基づいて携帯電話3が通信可能な基地局の数「1」を記録する。この後、基地局1の処理は、ステップS3に戻る。
【0040】
一方、携帯電話3は、通信状態情報及び現在地情報を送信した後、所定時間が経過したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS5)。所定時間が経過した場合には、携帯電話3の処理は、ステップS1に戻る。以上のような動作により、携帯電話3から基地局1に対して定期的に通信状態情報及び現在地情報が送信されるようになる。なお、第1の動作は、携帯電話3の制御部31が、本通信システムの電子メール転送サービスを受けるための専用アプリケーションを起動することにより実現され、該専用アプリケーションが起動している間は常に実行されている。
【0041】
(第2の動作について)
次に、第2の動作について図10を参照しながら説明する。第2の動作も第1の動作と同様に前記専用アプリケーションが携帯電話3において起動されることにより実行される。まず、基地局1の制御部11は、携帯電話3のメールアドレス宛の電子メールを記憶部12から取得し、無線通信部13に該電子メールの送信を開始させる(ステップS11)。携帯電話3の無線通信部34は、電子メールの受信を開始する(ステップS12)。このステップS11及びステップS12は、携帯電話3の通常のメール受信動作と同じであるので詳細な説明を省略する。
【0042】
基地局1の制御部11は、電子メールの送信を開始した後、該電子メールの送信が完了したか否かを判定する(ステップS13)。電子メールの送信が完了した場合は、本処理を終了する。電子メールの送信が完了していない場合には、本処理はステップS14に進む。
【0043】
電子メールの送信が完了していない場合、基地局1の制御部11は、図5に示すユーザ管理テーブルの通信状態の欄を参照して、基地局1と携帯電話3との通信状態が良好であるか否かを判定する(ステップS14)。具体的には、制御部11は、通信状態の欄の値が2以上であれば通信状態が良好であると判定し、通信状態の欄の値が1以下であれば通信状態が不良であると判定する。例えば、図5のユーザ管理テーブルにおいて、メールアドレスが「a@A.ne.jp」の携帯電話3では、通信状態が、「1」であるので不良と判定される。通信状態が良好である場合には本処理はステップS13に戻る。通信状態が不良である場合には、本処理はステップS15に進む。
【0044】
通信状態が不良である場合には、基地局1の制御部11は、無線通信部13に基地局1との通信状態が電子メールの送信中に悪化したことの通知を携帯電話3に対して送信させる(ステップS15)。携帯電話3の無線通信部34は、該通知を受信する(ステップS16)。更に、携帯電話3の制御部31は、該通知に基づいて、表示部36に、基地局1と携帯電話3との通信状態が悪化した旨の通知内容を表示させる(ステップS17)。これにより、携帯電話3のユーザは、電子メールの受信中に基地局1との通信状態が悪化したことを認識する。
【0045】
ステップS15において前記通知が送信されると、基地局1の制御部11は、記憶部12に記憶されている図5に示すユーザ管理テーブルを参照して、携帯電話3の現在地を確認する(ステップS18)。携帯電話3では、図5のユーザ管理テーブルより、「東経135°20'15'',北緯35°21'20''」である。更に、基地局1の制御部11は、記憶部12に記憶されている複数の地図情報のうち、携帯電話3の現在地を含んだ地図の所定の縮尺の地図情報を検索する(ステップS19)。制御部11は、携帯電話3の場合、「東経135°20'15'',北緯35°21'20''」を含む地図の地図情報を、記憶部12から検索して取得する。
【0046】
次に、基地局1の制御部11は、ステップS18において確認した携帯電話3の現在地から所定の範囲内に存在するMFP2を、記憶部12に記憶されている図6に示すMFP管理テーブルに基づいて特定する(ステップS20)。この所定範囲内とは、ステップS19で取得した地図の範囲内のことを指す。携帯電話3では、図6に示すMFP管理テーブルによれば、「東経135°20'15'',北緯35°21'20''」から近い、第1のMFP2−1及び第2のMFP2−2が選択される。
【0047】
次に、基地局1の制御部11は、特定したMFP2の位置を、検索した地図に合成した合成地図の地図情報を作成する(ステップS21)。具体的には、制御部11は、図13に示すような合成地図の地図情報を作成する。図13に示す合成地図は、第1のMFP2−1の位置と、第2のMFP2−2の位置と、携帯電話3の現在地とを地図上に合成したものである。この際、MFP名と併せて、第1のMFP2−1及び第2のMFP2−2がそれぞれ配置されている店舗A及び店舗Bの名前も表示されることが好ましい。更に、MFP2を選択させるための画像が合成地図と合成される。
【0048】
次に、基地局1の制御部11は、作成した合成地図の地図情報を、携帯電話3に対して無線通信部13に送信させる(ステップS22)。携帯電話3の無線通信部34は、該合成地図の地図情報を受信する(ステップS23)。更に、携帯電話3の制御部31は、表示部36に図13に示す合成地図を表示させる(ステップS24)。これにより、ユーザは、現在地の近傍に存在する第1のMFP2−1及び第2のMFP2−2の位置を認識することができる。
【0049】
合成地図の表示後、制御部31は、携帯電話3のユーザが電子メールを転送すべきMFP2を選択したか否かを判定する(ステップS25)。このとき、ユーザは、図13に示す合成地図の下側のMFP2を選択するための欄において、入力部37を用いて、電子メールの転送先の第1のMFP2−1又は第2のMFP2−2のいずれかを選択し、送信ボタンを押す。これにより、制御部31は、第1のMFP2−1又は第2のMFP2−2のいずれかが選択されたと判定し、本処理はステップS26に進む。一方、MFP2が選択されない場合には、携帯電話3は、第2の動作を終了する。
【0050】
MFP2が選択された場合、携帯電話3の制御部31は、選択されたMFP2のMFP名を含む送信要求を、基地局1に対して無線通信部34に送信させる(ステップS26)。例えば、図13に示す合成地図では、第1のMFP2−1が選択されているので、無線通信部34は、MFP名「第1のMFP」を含む送信要求を送信する。この後、制御部31は、基地局1との通信が完了したか否かの判定を繰り返しながら待機する(ステップS27)。この処理は、ユーザが携帯電話3と基地局1との通信を切断したか否かを判定する処理である。ユーザが携帯電話3と基地局1との通信を遮断した場合には、携帯電話3は、第2の動作を終了する。
【0051】
一方、基地局1の制御部11は、携帯電話3からMFP名を含む送信要求が送信されてきたか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS28)。ここで、ステップS26において携帯電話3からMFP名を含む送信要求が送信されてくると、本処理はステップS29に進む。
【0052】
MFP名を含む送信要求が送信されてきた場合、制御部11は、記憶部12に記憶されている図7に示す送信エラーテーブルに、送信できなかった電子メールのタイトル、転送先のMFP名及び電子メールの宛先の携帯電話3のメールアドレスを記録する(ステップS29)。制御部11は、携帯電話3のメールアドレス宛の電子メールのタイトルが「会議の件」である場合には、図7に示すように、メールアドレスの欄に携帯電話3のメールアドレス「a@A.ne.jp」を記録すると共に、タイトルの欄に電子メールのタイトル「会議の件」を記録する。更に、制御部11は、ステップS28において受信した送信要求に含まれるMFP名「第1のMFP」を転送先MFPの欄に記録する。以上の動作により、電子メールの転送先の第1のMFP2−1が決定される。
【0053】
(第3の動作について)
第2の動作が完了すると、直ちに、第3の動作が開始される。そこで、以下に、第3の動作について図11を用いて説明する。まず、基地局1の制御部11は、図6のMFP管理テーブルを参照して、電子メールの転送先の第1のMFP2−1のIPアドレスを特定し、該第1のMFP2−1のIPアドレスに対して光通信部14に切替コマンドを送信させる(ステップS31)。この切替コマンドとは、基地局1が第1のMFP2−1に対して、電子メールを転送することを通知するものである。また、基地局1は、第1のMFP2−1に情報を送信する際には、前記のように図6のMFP管理テーブルにより第1のMFP2−1のIPアドレスを特定し、該IPアドレスに対して情報を送信しているが、以下では、説明の簡略のためIPアドレスの特定の動作については省略し、単に基地局1が第1のMFP2−1に情報を送信すると説明する。
【0054】
一方、第1のMFP2−1の制御部21−1は、光通信部24−1が切替コマンドを受信したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS32)。光通信部24−1が切替コマンドを受信した場合には、本処理はステップS34に進む。
【0055】
切替コマンドの送信が完了したら、基地局1の制御部11は、図7の送信エラーテーブルを参照し、第2の動作におけるステップS29で登録したメールアドレス「a@A.ne.jp」を第1のMFP2−1に対して光通信部14に送信させる(ステップS33)。
【0056】
一方、第1のMFP2−1の制御部21−1は、前記メールアドレスを光通信部24−1が受信したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS34)。光通信部24−1がメールアドレスを受信したら、本処理はステップS35に進む。
【0057】
第1のMFP2−1の制御部21−1は、ステップS34において受信したメールアドレス用の専用BOXを記憶部22−1に開設する(ステップS35)。この専用BOXとは、例えば、携帯電話3のメールアドレス「a@A.ne.jp」を宛先とする電子メールが記憶される領域である。更に、制御部21−1は、図8に示す転送メールテーブルのメールアドレスの欄に携帯電話3のメールアドレス「a@A.ne.jp」を記録する。専用BOXが開設されると、制御部21−1は、基地局1に対して専用BOXを開設したことを、光通信部24−1を介して通知する(ステップS36)。
【0058】
メールアドレスを送信した基地局1の制御部11は、第1のMFP2−1から専用BOXの開設の通知が送信されてきたか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS37)。第1のMFP2−1から専用BOXの開設の通知が送信されてきた場合には、本処理はステップS38に進む。
【0059】
次に、基地局1の制御部11は、図7に示す送信エラーテーブルを参照しながら、ステップS33において送信した携帯電話3のメールアドレス「a@A.ne.jp」を宛先とする電子メールを、記憶部12から読み出して、第1のMFP2−1へと該電子メールの送信を開始する(ステップS38)。例えば、図7の送信エラーテーブルでは、携帯電話3のメールアドレス「a@A.ne.jp」を宛先とする電子メールのタイトルは、「会議の件」である。そして、携帯電話3のメールアドレス「a@A.ne.jp」を宛先とする電子メールの転送先は、第1のMFP2−1である。そこで、制御部11は、携帯電話3のメールアドレス「a@A.ne.jp」を宛先とするタイトル「会議の件」の電子メールを記憶部12から読み出し、読み出した該電子メールを光通信部14に第1のMFP2−1へと送信させる。
【0060】
第1のMFP2−1の光通信部24−1は、送信されてきた電子メールの受信を開始する(ステップS39)。基地局1の制御部11は、電子メールの送信が完了したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS40)。電子メールの送信が完了した場合には、基地局1は、第3の動作を完了する。第1のMFP2−1の制御部21−1は、電子メールの受信が完了したか否かの判定を繰り返しながら待機する(ステップS41)。電子メールの受信が完了した場合には、本処理はステップS42に進む。
【0061】
第1のMFP2−1の制御部21−1は、記憶部22−1に記憶されている図8に示す転送メールテーブルにおいて、受信した電子メールのメールアドレスに対応するタイトルの欄に、該電子メールのタイトルを記録する(ステップS42)。具体的には、制御部21−1は、転送メールテーブルのメールアドレス「a@A.ne.jp」に対応するタイトルの欄に、「会議の件」を記録する。以上で、第1のMFP2−1は、第3の動作を終了する。以上のような第3の動作により、携帯電話3により指定された転送先の第1のMFP2−1に、電子メールが転送される。
【0062】
(第4の動作について)
第3の動作が完了すると、携帯電話3のユーザは、図13の合成地図を参考にしながら指定した第1のMFP2−1へ移動する。そして、該ユーザは、携帯電話3を操作して、本通信システムのメール転送サービスの専用アプリケーションを起動する。該専用アプリケーションが起動すると、携帯電話3の制御部31は、表示部36に電子メールを第1のMFP2−1から取得するか否かの画面を表示させて、ユーザに電子メールの取得の指示の操作を行うように促す。そして、制御部31は、第1のMFP2−1から電子メールを取得する旨の指示がユーザによりなされたか否かの判定を繰り返しながら待機する(ステップS51)。ユーザが電子メールの取得の指示を行った場合には、本処理はステップS52に進む。
【0063】
ユーザが電子メールの取得の指示を行った場合には、携帯電話3の制御部31は、表示部36に暗証番号入力用の画面を表示し、ユーザに暗証番号を入力するように促す。ユーザは、入力部37を用いて、暗証番号を入力する。この暗証番号は、図5のユーザ管理テーブルに示されている4桁の数字であり、メールアドレス「a@A.ne.jp」の携帯電話3では、「1234」である。ユーザが暗証番号を入力することにより、制御部31は、暗証番号を取得する(ステップS52)。
【0064】
暗証番号を取得した制御部31は、電子メールの転送要求を、第1のMFP2−1に対してBT通信部35に送信させる(ステップS53)。この転送要求には、暗証番号「1234」及びメールアドレス「a@A.ne.jp」が少なくとも含まれている。一方、第1のMFP2−1の制御部21−1は、BT通信部25−1が転送要求を受信したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS54)。そして、BT通信部25−1が転送要求を受信した場合には、本処理はステップS55に進む。
【0065】
第1のMFP2−1の制御部21−1は、受信した転送要求に含まれるメールアドレス「a@A.ne.jp」が図8に示す転送メールテーブルに含まれているか否かを判定する(ステップS55)。メールアドレス「a@A.ne.jp」が含まれている場合には、本処理はステップS56に進む。メールアドレス「a@A.ne.jp」が含まれていない場合には、本処理はステップS63に進む。ステップS63の処理については後述する。
【0066】
メールアドレス「a@A.ne.jp」が含まれている場合には、第1のMFP2−1の制御部21−1は、ステップS54において受信した転送要求を、光通信部24−1に基地局1に対して送信させる(ステップS56)。この後、本処理はステップS57に進む。ステップS57〜ステップS60では、ユーザ認証が行われる。
【0067】
前記ステップS57において、基地局1の制御部11は、光通信部14が第1のMFP2−1からの転送要求を受信したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS57)。光通信部14が転送要求を受信した場合には、本処理はステップS58に進む。
【0068】
光通信部14が転送要求を受信した場合、基地局1の制御部11は、転送要求に含まれるメールアドレス「a@A.ne.jp」を参照して、該メールアドレス「a@A.ne.jp」に対応する暗証番号「1234」を図5に示すユーザ管理テーブルから読み出す。そして、制御部11は、読み出した暗証番号「1234」と、転送要求に含まれる暗証番号とが一致するか否かを判定する(ステップS58)。暗証番号が一致する場合には、本処理はステップS59に進む。暗証番号が一致しない場合には本処理はステップS60に進む。
【0069】
暗証番号が一致する場合には、基地局1の制御部11は、第1のMFP2−1が携帯電話3に対して電子メールを送信してもよいことを示す許可通知を、第1のMFP2−1に対して光通信部14に送信させる(ステップS59)。一方、暗証番号が一致しない場合には、基地局1の制御部11は、第1のMFP2−1が携帯電話3に対して電子メールを送信してはいけないことを示す不許可通知を、第1のMFP2−1に対して光通信部14に送信させる(ステップS60)。ステップS59又はステップS60が完了すると、基地局1は、第4の動作の処理を完了する。
【0070】
第1のMFP2−1の制御部21−1は、ステップS57〜ステップS60のユーザ認証の後に、電子メール送信の許可通知又は不許可通知のいずれを光通信部24−1が受信したのかを判定する(ステップS61)。光通信部24−1が不許可通知を受信した場合には、本処理はステップS63に進む。光通信部24−1が許可通知を受信した場合には、本処理はステップS62に進む。
【0071】
前記ステップS63において、第1のMFP2−1の制御部21−1は、BT通信部25−1に携帯電話3に対して、電子メールの取得を許可しない不許可通知を送信させる(ステップS63)。不許可通知を送信したら、第1のMFP2−1は、第4の動作の処理を完了する。
【0072】
一方、光通信部24−1が許可通知を受信した場合、第1のMFP2−1の制御部21−1は、BT通信部25−1に携帯電話3に対して、電子メールの取得を許可する許可通知を送信させる(ステップS62)。この後、本処理はステップS64に進む。
【0073】
ステップS53において転送要求を送信した携帯電話3の制御部31は、ステップS54〜ステップS63の処理の後、BT通信部35が許可通知又は不許可通知のいずれを受信したのかを判定する(ステップS64)。BT通信部35が許可通知を受信した場合には、本処理はステップS66に進む。一方、BT通信部35が不許可通知を受信した場合には、携帯電話3は第4の動作の処理を完了する。
【0074】
ステップS65において、第1のMFP2−1の制御部21−1は、図8の転送メールテーブルを参照して、ステップS54において受信した転送要求に含まれるメールアドレスに対応する電子メールのタイトルを特定し、電子メールのタイトルと一致する電子メールを、該メールアドレスに対応する専用BOXから読み出す。更に、第1のMFP2−1の制御部21−1は、BT通信部25−1に携帯電話3へ、読み出した電子メールの送信を開始させる(ステップS65)。具体的には、携帯電話3からの転送要求には、メールアドレス「a@A.ne.jp」が含まれる。そのため、制御部21−1は、転送メールテーブルにおいて、メールアドレス「a@A.ne.jp」に対応する電子メールのタイトルの欄を参照する。これにより、制御部21−1は、送信すべき電子メールのタイトルが「会議の件」であることを特定する。更に、制御部21−1は、このタイトル「会議の件」の電子メールを、メールアドレス「a@A.ne.jp」の専用BOXより読み出して、BT通信部25−1に携帯電話3へと送信させる。携帯電話3のBT通信部35は、電子メールの受信を開始する(ステップS66)。
【0075】
電子メールの送信を開始した後、第1のMFP2−1の制御部21−1は、電子メールの送信を完了したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS67)。電子メールの送信が完了した場合には、本処理はステップS68に進み、第1のMFP2−1の制御部21−1は、記憶部22−1に設置されたメールアドレス「a@A.ne.jp」用の専用BOXを廃止する(ステップS68)。これにより、第1のMFP2−1は、第4の動作の処理を完了する。
【0076】
一方、電子メールの受信を開始した後、携帯電話3の制御部31は、電子メールの受信を完了したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS69)。電子メールの受信が完了した場合には、携帯電話3は、第4の動作の処理を完了する。以上のような第4の動作により、携帯電話3は、第1のMFP2−1から電子メールを取得することができる。
【0077】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る通信システムによれば、携帯電話3と基地局1との通信状態が悪化した場合には、基地局1から携帯電話3に送信している途中の電子メールを第1のMFP2−1に送信し、該第1のMFP2−1が該電子メールを記憶するようにしている。そのため、携帯電話3の通信エリアにユーザが戻らなくても、該ユーザは、携帯電話3を用いて第1のMFP2−1から電子メールを取得できるようになる。特に、本通信システムは、長期間、不感エリアに携帯電話3のユーザがいなければいけない場合に、不感エリア内の最寄の第1のMFP2−1にユーザが移動することにより、電子メールを取得することができる点において有用である。
【0078】
なお、本実施形態において、基地局1は、携帯電話3から送信されてくる現在地情報に基づいて、該携帯電話3の現在地周辺の地図情報を携帯電話3に対して送信しているが、送信される地図情報は、携帯電話3の現在地周辺に限らない。例えば、図10のステップS17の後に、ユーザが携帯電話3の入力部37を用いて所望の位置を入力し、携帯電話3の無線通信部34が、所望の位置の情報を入力位置情報として送信するようにしてもよい。この場合、基地局1の制御部11は、ステップS19において、現在地情報の代わりに、入力位置情報に基づいて地図情報を検索する。これにより、ユーザは、これから遠方の不感エリアに移動する場合においても、予め電子メールの転送先のMFP2を指定して、この不感エリアにおいてMFP2を介して電子メールを取得することができるようになる。また、通信状態悪化のとき、ユーザが予め登録しておいたMFP2に転送するようにしてもよい。
【0079】
なお、第1の実施形態では、基地局1と携帯電話3との通信状態が悪化したことをきっかけとして、基地局1から携帯電話3に地図情報が送信されるものとしているが、例えば、携帯電話3の電池の残量が少なくなったことをきっかけとして、基地局1から携帯電話3に地図情報が送信されてもよい。MFP2との近距離無線通信において携帯電話3が消費する電力は、基地局1との通信において携帯電話3が消費する電力よりも小さい。そのため、携帯電話3の電池の残量が少なくなったことを地図情報送信のきっかけとすることにより、携帯電話3は、電池の残量が少なくなって基地局1との通信が困難となっても、MFP2に電子メールを転送させて該MFP2から電子メールを取得することができる。
【0080】
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係る通信システムについて図面を参照しながら説明する。本通信システムの全体構成は、第1の実施形態と同様に、図1に示される。また、本通信システムに用いられる基地局1、MFP2及び携帯電話3のそれぞれの構成も、第1の実施形態と同様に図2、図3及び図4に示される。
【0081】
(全体構成について)
第2の実施形態に係る通信システムは、概略、以下のような電子メール転送サービスを行うためのシステムである。携帯電話3からの要求に応じて、基地局1は、携帯電話3の周辺に存在するMFP2の位置が示された地図を携帯電話3に送信する。ユーザは、地図に示されたMFP2まで移動する。更に、該ユーザは、電子メールを基地局1からMFP2に送信することを要求する送信要求を、携帯電話3を用いて近距離無線通信によりMFP2に送信する。MFP2は、送信されてきた該送信要求を基地局1に送信し、基地局1は、携帯電話3のメールアドレスを宛先とする電子メールをMFP2に送信する。MFP2は、近距離無線通信により、受信した電子メールを携帯電話3に対して送信する。以下に、基地局1、MFP2及び携帯電話3のそれぞれの構成について説明する。
【0082】
携帯電話3は、第1の実施形態と同様に、定期的に自機の現在地を確認し、現在地情報として基地局1に送信している。この動作における携帯電話3及び基地局1の各構成要素の役割は、第1の実施形態と同じであるので説明を省略する。
【0083】
また、基地局1は、他の通信端末から携帯電話3のメールアドレス宛に送信されてくる電子メールを記憶している。そこで、基地局1の記憶部12は、該電子メールを記憶する記憶手段としての役割を果たす。更に、基地局1の記憶部12は、図7に示す未送信テーブルを記憶している。未送信テーブルは、携帯電話に対して未送信の電子メールの一覧を記憶するためのテーブルであって、携帯電話のメールアドレス、タイトル及び転送先MFP名が関連付けられて記録されたテーブルである。なお、未送信テーブルの構成は、第1の実施形態の送信エラーテーブルと同じであるので図7を援用している。
【0084】
また、基地局1は、第1の実施形態と同様に、携帯電話3からの要求に応じて、携帯電話3の現在地近傍の地図であって、MFP2の位置が合成された合成地図を地図情報として送信する。なお、本実施形態では、地図情報の送信は、携帯電話3と基地局1との通信状態が悪化したことをきっかけとして行われるものではなく、携帯電話3からの要求に応じて行われるものである。そこで、携帯電話3の無線通信部34は、地図情報の要求を送信する送信手段としての役割を果たす。また、基地局1の無線通信部13は、地図情報の要求を受信する受信手段としての役割を果たす。基地局1の記憶部12は、地図情報、図5に示すユーザ管理テーブル及び図6に示すMFP管理テーブルを記憶する記憶手段としての役割を果たす。なお、ユーザ管理テーブル及びMFP管理テーブルについては、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0085】
基地局1の制御部11は、ユーザ管理テーブル(図5)を参照して携帯電話3の現在地を認識し、現在地を含む地図情報を検索する検索手段としての役割を果たす。更に、制御部11は、ユーザ管理テーブルを参照して携帯電話3の現在地を認識し、現在地から所定範囲内に存在するMFP2を、MFP管理テーブルを参照して特定する特定手段としての役割を果たす。
【0086】
更に、基地局1の制御部11は、特定したMFP2の位置を、検索した地図情報の地図に合成した合成地図を作成する合成手段としての役割を果たす。そして、基地局1の無線通信部13は、この合成地図の地図情報を携帯電話3に送信する送信手段の役割を果たす。
【0087】
携帯電話3の無線通信部34は、前記合成地図の地図情報を受信する受信手段としての役割を果たす。更に、表示部36は、該地図情報に基づいて合成地図を表示する。
【0088】
携帯電話3は、MFP2の近傍において、MFP2を介して基地局1へと、携帯電話3のメールアドレス及び暗証番号を少なくとも含んだ、電子メールの送信要求を送信する。そこで、携帯電話3のBT通信部35は、電子メールの送信要求をMFP2に送信する送信手段としての役割を果たす。MFP2は、この送信要求を基地局1へと送信する。基地局1の光通信部14は、MFP2を経由して携帯電話3から送信されてきた送信要求を受信する受信手段としての役割を果たす。
【0089】
基地局1は、送信要求を受信した場合、送信要求に含まれるメールアドレスを宛先とする電子メールを、MFP2に送信する。そこで、基地局1の光通信部14は、電子メールをMFP2に送信する送信手段としての役割を果たす。
【0090】
MFP2は、送信されてきた電子メールを記憶すると共に、携帯電話3のメールアドレスを宛先とする電子メールを、該携帯電話3に送信する。そこで、MFP2の光通信部24は、基地局1から送信されてきた電子メールを受信する受信手段としての役割を果たす。更に、MFP2の記憶部22は、電子メールを記憶すると共に、記憶している電子メールの一覧がメールアドレス毎に記録された図8に示す転送メールテーブルを記憶する記憶手段としての役割を果たす。転送メールテーブルは、第1の実施形態の転送メールテーブルと同様であるので説明を省略する。MFP2のBT通信部25は、携帯電話3のメールアドレスを宛先とする電子メールを、転送メールテーブルを参照して送信する送信手段としての役割を果たす。
【0091】
(通信システムの動作について)
以上のように構成された通信システムにおいて、以下にその動作について図面を参照しながら説明する。通信システムの動作には大きく分けて以下の3つの動作が存在する。
(1)基地局1が携帯電話3から定期的に現在地情報と通信状態情報を取得する動作(第1の動作)
(2)携帯電話3が基地局1から現在地周辺の合成地図を取得する動作(第2の動作)
(3)基地局1が電子メールをMFP2に転送し、携帯電話3がMFP2から電子メールを取得する動作(第3の動作)
なお、以下では、基地局1から第1のMFP2−1に電子メールが転送されるものとして説明を行う。
【0092】
図14は、第2の動作において基地局1と携帯電話3とが行う動作を示したフローチャートである。図15は、第3の動作において基地局1と第1のMFP2−1と携帯電話3とが行う動作を示したフローチャートである。なお、本実施形態における第1の動作と、第1の実施形態における第1の動作(図9)とは、同じであるので説明を省略する。なお、各フローチャートでの処理は、制御部11,21−1,31において、記憶部12,22−1,32に格納されたソフトウエアを実行することによって実現してもよいし、それら各処理を行う専用のハードウエア回路を用いて実現してもよい。
【0093】
(第2の動作について)
まず、第2の動作について図14を参照しながら説明する。携帯電話3のユーザは、携帯電話3を操作して現在地周辺の地図を基地局1に要求する地図要求を携帯電話3に送信させるための操作を行う。携帯電話3の制御部31は、この操作に応じて、基地局1に対して地図要求を無線通信部34に送信させる(ステップS101)。
【0094】
基地局1の制御部11は、無線通信部13が地図要求を受信したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS102)。無線通信部13が地図要求を受信した場合には、本処理はステップS103に進む。このステップS103〜ステップS109におけるそれぞれの処理は、第1の実施形態の図10のステップS18〜ステップS24におけるそれぞれの処理と同じであるので、説明を省略する。以上の処理により、携帯電話3のユーザは、携帯電話3の現在地周辺に存在するMFP2の位置を認識することができる。
【0095】
(第3の動作について)
次に、第3の動作について図15を参照しながら説明する。第2の動作が完了すると、携帯電話3のユーザは、図13の合成地図を参考にしながら最寄の第1のMFP2−1へ移動する。そして、該ユーザは、携帯電話3を操作して、本通信システムのメール転送サービスの専用アプリケーションを携帯電話3に起動させる。該専用アプリケーションが起動すると、携帯電話3の制御部31は、表示部36に第1のMFP2−1を介して電子メールを取得するか否かの画面を表示させて、ユーザに電子メールの取得の指示の操作を行うように促す。そして、制御部31は、第1のMFP2−1を介して電子メールを取得する旨の指示がユーザによりなされたか否かの判定を繰り返しながら待機する(ステップS110)。ユーザが電子メールの取得の指示を行った場合には、本処理はステップS111に進む。
【0096】
ユーザが電子メールの取得の指示を行った場合には、携帯電話3の制御部31は、表示部36に暗証番号入力用の画面を表示し、ユーザに暗証番号を入力するように促す。ユーザは、入力部37を用いて、暗証番号「1234」を入力する。この暗証番号は、第1の実施形態と同様に、図5のユーザ管理テーブルに示されている4桁の数字である。ユーザが暗証番号を入力することにより、制御部31は、暗証番号を取得する(ステップS111)。
【0097】
暗証番号を取得した制御部31は、電子メールの送信要求を、第1のMFP2−1に対してBT通信部35に送信させる(ステップS112)。この送信要求には、暗証番号「1234」及びメールアドレス「a@A.ne.jp」が少なくとも含まれている。一方、第1のMFP2−1の制御部21−1は、BT通信部25−1が送信要求を受信したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS113)。そして、BT通信部25−1が送信要求を受信した場合には、本処理はステップS114に進む。
【0098】
第1のMFP2−1の制御部21−1は、ステップS113において受信した送信要求を、光通信部24−1に基地局1に対して送信させる(ステップS114)。この後、本処理はステップS115に進む。なお、ステップS115〜ステップS118では、ユーザ認証が行われる。ステップS115〜ステップS118において基地局1が行う動作は、第1の実施形態の図12のステップS57〜ステップS60において基地局1が行う動作と同じであるので説明を省略する。
【0099】
第1のMFP2−1の制御部21−1は、ステップS115〜ステップS118のユーザ認証の後、電子メールの許可通知又は不許可通知のいずれを光通信部24−1が受信したのかを判定する(ステップS119)。光通信部24が不許可通知を受信した場合には、本処理はステップS121に進む。光通信部24−1が許可通知を受信した場合には、本処理はステップS120に進む。
【0100】
光通信部24−1が不許可通知を受信した場合、第1のMFP2−1の制御部21−1は、BT通信部25−1に携帯電話3に対して、電子メールの取得を許可しない不許可通知を送信させる(ステップS121)。不許可通知を送信した第1のMFP2−1は、第3の動作の処理を完了する。
【0101】
一方、光通信部24−1が許可通知を受信した場合、第1のMFP2−1の制御部21−1は、BT通信部25−1に携帯電話3に対して、電子メールの取得を許可する許可通知を送信させる(ステップS120)。
【0102】
ステップS112において送信要求を送信した携帯電話3の制御部31は、ステップS113〜ステップS121の処理の後、BT通信部35が許可通知又は不許可通知のいずれを受信したのかを判定する(ステップS122)。BT通信部35が許可通知を受信した場合には、本処理はステップS132に進む。BT通信部35が不許可通知を受信した場合には、携帯電話3は第3の動作の処理を完了する。
【0103】
ステップS120において許可通知を送信させた第1のMFP2−1の制御部21−1は、携帯電話3のメールアドレス「a@A.ne.jp」の専用BOXを記憶部22−1に開設する(ステップS123)。専用BOXが開設されると、制御部21−1は、基地局1に対して専用BOXを開設したことを、光通信部24−1を介して通知する(ステップS124)。ステップS123及びステップS124において行われる動作は、第1の実施形態の図11のステップS35及びステップS36において行われる動作と同じであるので詳細な説明を省略する。
【0104】
ステップS117において許可通知を送信した基地局1の制御部11は、第1のMFP2−1から専用BOXの開設の通知が送信されてきたか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS125)。第1のMFP2−1から専用BOXの開設の通知が送信されてきた場合には、本処理はステップS126に進む。
【0105】
次に、基地局1の制御部11は、送信要求に含まれるメールアドレス「a@A.ne.jp」を宛先とする電子メールを、記憶部12から全て読み出して、第1のMFP2−1へと該電子メールの送信を開始する(ステップS126)。具体的には、制御部11は、メールアドレス「a@A.ne.jp」を宛先とする電子メールの内、携帯電話3へ未送信の電子メールのタイトルを図7の未送信テーブルにより特定する。図7に示す未送信テーブルでは、メールアドレス「a@A.ne.jp」宛の未送信の電子メールのタイトルは、「会議の件」のみである。そこで、制御部11は、タイトル「会議の件」の電子メールを「a@A.ne.jp」の記憶部12から読み出し、ステップS114にて送信要求を送信してきた第1のMFP2−1へと送信する。
【0106】
第1のMFP2−1の光通信部24−1は、送信されてきた電子メールの受信を開始する(ステップS127)。この後、基地局1の制御部11は、電子メールの送信が完了したか否かの判定を繰り返しながら待機する(ステップS128)。電子メールの送信が完了した場合には、基地局1は、第3の動作の処理を完了する。また、第1のMFP2−1の制御部21−1は、電子メールの受信が完了したか否かの判定を繰り返しながら待機する(ステップS129)。電子メールの受信が完了した場合には、本処理はステップS130に進む。
【0107】
電子メールの受信が完了した場合、第1のMFP2−1の制御部21−1は、記憶部22−1に記憶されている図8に示す転送メールテーブルにおいて、受信した電子メールの宛先のメールアドレス「a@A.ne.jp」に対応するタイトルの欄に、該電子メールのタイトル「会議の件」を登録する(ステップS130)。なお、送信されてきた電子メールが複数ある場合には、複数の電子メールのタイトルが登録される。この後、ステップS131〜ステップS135において第1のMFP2−1から携帯電話3へと電子メールが送信される。なお、ステップS131〜ステップS135のそれぞれにおいて第1のMFP2−1及び携帯電話3において行われる動作は、第1の実施形態の図12のステップS65〜ステップS69で行われる動作と同じであるので説明を省略する。以上のような第3の動作により、携帯電話3は、基地局1から第1のMFP2−1を介して電子メールを取得することができる。
【0108】
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る通信システムによれば、不感エリアに設けられたMFP2と基地局1とが通信可能に接続されているので、携帯電話3によりMFP2にアクセスすることで、携帯電話3が通信エリアに戻ることなく電子メールを、MFP2を介して基地局1から取得することができる。特に、本通信システムは、長期間、不感エリアに携帯電話3のユーザがいなければいけない場合に、不感エリア内の最寄のMFP2にユーザが移動することにより、電子メールを取得することができる点において有用である。
【0109】
また、本通信システムによれば、携帯電話3がMFP2を介して基地局1に対して送信要求を送信し、この送信要求に応じて、基地局1は、携帯電話3のメールアドレス宛の電子メールをMFP2に送信する。MFP2は、この電子メールを記憶すると共に、携帯電話3に対して送信する。このように、本通信システムでは、電子メールは、MFP2に記憶された後、すぐに携帯電話3に送信される。そのため、MFP2は、携帯電話3に電子メールを送信した後には、該電子メールを削除しても構わないので、長期間にわたって電子メールを記憶する必要がない。したがって、MFP2の記憶部22を小さくすることが可能となる。
【0110】
なお、本実施形態において、ユーザが携帯電話3の入力部37を用いて所望の位置を入力し、携帯電話3の無線通信部34が、所望の位置の情報を入力位置情報として送信するようにしてもよい。この場合、基地局1の制御部11は、現在地情報の代わりに、入力位置情報に基づいて地図情報を検索する。
【0111】
(第3の実施形態)
以下に、本発明の第3の実施形態に係る通信システムについて図面を参照しながら説明する。本通信システムの全体構成は、第1の実施形態と同様に、図1に示される。また、本通信システムに用いられる基地局1、MFP2及び携帯電話3のそれぞれの構成も、第1の実施形態と同様に図2、図3及び図4に示される。
【0112】
(全体構成について)
第3の実施形態に係る通信システムは、概略、以下のような電子メール転送サービスを行うためのシステムである。携帯電話3からの要求に応じて、基地局1は、携帯電話3の周辺に存在するMFP2の位置が示された地図を携帯電話3に送信する。携帯電話3のユーザは、この地図を元に、電子メールの転送先のMFP2を指定すると共に、電子メールをMFP2に転送する期間を指定し、指定したMFP2及び期間を携帯電話3により基地局1に通知する。基地局1は、指定された期間内に携帯電話3のメールアドレスを宛先とする電子メールを受信した場合、該電子メールを、指定されたMFP2に光通信回線5を介して転送する。ユーザは、指定したMFP2まで移動し、携帯電話3を用いて、基地局1から転送された電子メールを取得する。以下に、基地局1、MFP2及び携帯電話3のそれぞれの構成について説明する。
【0113】
携帯電話3は、第1の実施形態と同様に、定期的に自機の現在地を確認し、現在地情報として基地局1に送信している。この動作における携帯電話3及び基地局1の各構成要素の役割は、第1の実施形態と同じであるので説明を省略する。
【0114】
また、基地局1は、第1の実施形態と同様に、携帯電話3からの要求に応じて、携帯電話3の現在地近傍の地図であって、MFP2の位置が合成された合成地図を地図情報として送信する。なお、本実施形態では、地図情報の送信は、携帯電話3と基地局1との通信状態が悪化したことをきっかけとして行われるものではなく、第2の実施形態と同様に、携帯電話3からの要求に応じて行われるものである。そこで、携帯電話3の無線通信部34は、地図情報の要求を送信する送信手段としての役割を果たす。また、基地局1の無線通信部13は、地図情報の要求を受信する受信手段としての役割を果たす。基地局1の記憶部12は、地図情報、図5に示すユーザ管理テーブル及び図6に示すMFP管理テーブルを記憶する記憶手段としての役割を果たす。なお、ユーザ管理テーブル及びMFP管理テーブルについては、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0115】
基地局1の制御部11は、ユーザ管理テーブルを参照して携帯電話3の現在地を認識し、現在地を含む地図情報を検索する検索手段としての役割を果たす。更に、制御部11は、ユーザ管理テーブルを参照して携帯電話3の現在地を認識し、現在地から所定範囲内に存在するMFP2を、MFP管理テーブルを参照して特定する特定手段としての役割を果たす。
【0116】
更に、基地局1の制御部11は、特定したMFP2の位置を、検索した地図情報の地図に合成した合成地図を作成する合成手段としての役割を果たす。そして、基地局1の無線通信部13は、この合成地図の地図情報を携帯電話3に送信する送信手段の役割を果たす。また、携帯電話3の無線通信部34は、前記合成地図の地図情報を受信する受信手段としての役割を果たす。更に、表示部36は、該地図情報に基づいて合成地図を表示する表示手段としての役割を果たす。
【0117】
携帯電話3では、ユーザが、合成地図に示されたMFP2を選択すると共に、基地局1が電子メールをMFP2に転送する転送期間を入力する。更に、携帯電話3は、このMFP2のMFP名と転送期間とを基地局1に対して送信する。そこで、携帯電話3の無線通信部34は、選択されたMFP2のMFP名を転送先情報とし、入力された転送期間を期間情報として、該転送先情報及び該期間情報を送信要求として基地局1に送信する送信手段としての役割を果たす。
【0118】
基地局1は、送信要求の期間情報に含まれる転送期間において、携帯電話3のメールアドレス宛の電子メールを受信した場合には、選択されたMFP2に電子メールを転送する。そこで、記憶部12は、図16に示す転送先管理テーブルを記憶している。転送先管理テーブルは、携帯電話のメールアドレス、転送期間及び転送先MFP名が関連付けられて記録されたテーブルである。この転送先管理テーブルは、携帯電話3から送信されてくる期間情報としての転送期間及び転送先情報としてのMFP名に基づいて作成される。更に、光通信部14は、該転送先管理テーブルに基づいて、期間情報の転送期間内のみ、携帯電話3のメールアドレス宛の電子メールをMFP2に転送する転送手段としての役割を果たす。
【0119】
MFP2は、送信されてきた電子メールを記憶すると共に、前記期間情報の転送期間内のみ、携帯電話3からの電子メールの転送要求に応じて、該携帯電話3のメールアドレス宛の電子メールを、該携帯電話3に送信する。そこで、MFP2の光通信部24は、基地局1から送信されてきた電子メールを受信する受信手段としての役割を果たす。更に、MFP2の記憶部22は、電子メールを記憶すると共に、図8に示す転送メールテーブル及び図17に示す期間管理テーブルを記憶する記憶手段としての役割を果たす。なお、転送メールテーブルは、第1の実施形態の転送メールテーブルと同じであるので説明を省略する。期間管理テーブルには、各携帯電話のメールアドレスに設定された転送期間を管理するためのテーブルであって、携帯電話のメールアドレスと、該携帯電話に電子メールを転送する転送期間とが関連付けて記録されたテーブルである。MFP2のBT通信部25は、転送期間内のみ、携帯電話3のメールアドレスを宛先とする電子メールを、転送メールテーブルを参照して携帯電話3に対して送信する送信手段としての役割を果たす。
【0120】
(通信システムの動作について)
以上のように構成された通信システムにおいて、以下にその動作について図面を参照しながら説明する。通信システムの動作には大きく分けて以下の4つの動作が存在する。
(1)基地局1が携帯電話3から定期的に現在地情報と通信状態情報を取得する動作(第1の動作)
(2)携帯電話3が、基地局1から現在地周辺の合成地図を取得し、合成地図に基づいてユーザに選択されたMFP2を基地局1に通知する動作(第2の動作)
(3)基地局1が電子メールをMFP2に転送する動作(第3の動作)
(4)携帯電話3がMFP2から電子メールを取得する動作(第4の動作)
なお、以下では、基地局1から第1のMFP2−1に電子メールが転送されるものとして説明を行う。
【0121】
図18は、第2の動作において基地局1と第1のMFP2−1と携帯電話3とが行う動作を示したフローチャートである。図19は、第3の動作において基地局1と第1のMFP2−1とが行う動作を示したフローチャートである。図20は、第4の動作において基地局1と第1のMFP2−1と携帯電話3とが行う動作を示したフローチャートである。なお、本実施形態における第1の動作と、第1の実施形態における第1の動作(図9)とは、同じであるので説明を省略する。なお、各フローチャートでの処理は、制御部11,21−1,31において、記憶部12,22−1,32に格納されたソフトウエアを実行することによって実現してもよいし、それら各処理を行う専用のハードウエア回路を用いて実現してもよい。
【0122】
(第2の動作について)
まず、第2の動作について図18を参照しながら説明する。携帯電話3のユーザは、携帯電話3を操作して現在地周辺の地図を基地局1に要求する地図要求を携帯電話3に送信させるための操作を行う。携帯電話3の制御部31は、この操作に応じて、基地局1に対して地図要求を無線通信部34に送信させる(ステップS201)。
【0123】
基地局1の制御部11は、無線通信部13が地図要求を受信したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS202)。無線通信部13が地図要求を受信した場合には、本処理はステップS203に進む。この後、基地局1では、ステップS203において、携帯電話3の現在地の確認が行われ、ステップS204〜ステップS207において、合成地図が作成される。更に、携帯電話3では、ステップS208及びステップS209において、図21に示す合成地図が表示される。このステップS203〜ステップS209におけるそれぞれの処理は、ステップS209において、転送期間を入力するための画面の画像が合成地図に更に合成される点を除いて、第1の実施形態の図10のステップS18〜ステップS24におけるそれぞれの処理と同じであるので、説明を省略する。以上の処理により、携帯電話3のユーザは、携帯電話3の現在地周辺に存在する第1のMFP2−1及び第2のMFP2−2の位置を認識することができる。
【0124】
次に、携帯電話3の制御部31は、携帯電話3のユーザが電子メールを転送すべき第1のMFP2−1又は第2のMFP2−2のいずれかを選択したか否かを判定する(ステップS210)。このとき、ユーザは、入力部37を用いて、図21に示す合成地図の下側のMFP2を選択するための欄において、電子メールの転送先の第1のMFP2−1を選択する。これにより、制御部31は、第1のMFP2−1が選択されたと判定し、本処理はステップS211に進む。一方、MFP2が選択されない場合には、携帯電話3は、第2の動作の処理を終了する。
【0125】
MFP2が選択されると、携帯電話3の制御部31は、携帯電話3のユーザが電子メールを転送すべき転送期間を入力したか否かを判定する(ステップS211)。このとき、ユーザは、入力部37を用いて、図21に示す合成地図の下側の転送期間を入力するための欄において、電子メールを転送する転送期間を入力して、送信ボタンを押す。これにより、制御部31は、転送期間が入力されたと判定し、本処理はステップS212に進む。一方、転送期間が入力されない場合には、携帯電話3は、第2の動作の処理を終了する。
【0126】
転送期間が入力されて送信ボタンが押された場合、携帯電話3の制御部31は、選択されたMFP2のMFP名及び入力された転送期間を、メールアドレスと共に、送信要求として、基地局1に対して無線通信部34に送信させる(ステップS212)。図21に示す合成地図では、第1のMFPがMFP名として選択されて、2007年1月1日〜2007年1月7日までが転送期間として入力されているので、無線通信部34は、「第1のMFP」をMFP名とし、「2007年1月1日〜2007年1月7日」を転送期間として送信要求を送信する。制御部31は、基地局1との通信が完了したか否かの判定を繰り返しながら待機する(ステップS213)。この処理は、ユーザが携帯電話3と基地局1との通信を切断したか否かを判定する処理である。ユーザが携帯電話3と基地局1との通信を切断した場合には、携帯電話3は、第2の動作の処理を終了する。
【0127】
一方、基地局1の制御部11は、携帯電話3からMFP名及び転送期間を含む送信要求が送信されてきたか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS214)。ここで、ステップS212において携帯電話3から送信要求が送信されてくると、本処理はステップS215に進む。
【0128】
送信要求が送信されてきた場合、制御部11は、記憶部12が記憶している図16に示す転送先管理テーブルのメールアドレスの欄に、携帯電話3のメールアドレス「a@A.ne.jp」を記録する。更に、制御部11は、転送先管理テーブルの該メールアドレス「a@A.ne.jp」に対応する転送先MFP名及び転送期間の欄に、ステップS214において受信した送信要求に含まれる転送期間「2007年1月1日〜2007年1月7日」及びMFP名「第1のMFP」を記録する(ステップS215)。
【0129】
次に、基地局1の制御部11は、第1のMFP2−1に対して、電子メールを転送することを開始する転送通知を光通信部14に送信させる(ステップS216)。この転送通知は、第1のMFP2−1に対して、携帯電話3のメールアドレス宛の電子メールを所定期間転送することを通知するための情報であり、メールアドレス「a@A.ne.jp」及び転送期間「2007年1月1日〜2007年1月7日」を含んでいる。第1のMFP2−1の光通信部24−1は、該転送通知を受信する(ステップS217)。
【0130】
第1のMFP2−1の制御部21−1は、前記転送通知に含まれるメールアドレス「a@A.ne.jp」及び転送期間「2007年1月1日〜2007年1月7日」を、図17に示す期間管理テーブルに登録する(ステップS218)。具体的には、制御部21−1は、メールアドレスとして「a@A.ne.jp」を期間管理テーブルに記録し、転送期間として「2007年1月1日〜2007年1月7日」を期間管理テーブルに記録する。
【0131】
次に、第1のMFP2−1の制御部21−1は、転送通知に含まれるメールアドレス「a@A.ne.jp」の専用BOXを記憶部22−1に開設する(ステップS219)。専用BOXが開設されると、制御部21−1は、基地局1に対して専用BOXを開設したことを光通信部24−1を介して通知する(ステップS220)。基地局1の光通信部14は、専用BOXを開設したことの通知を受信する(ステップS221)。以上の動作により、MFP2に、電子メールの専用BOXが開設されると共に、該専用BOXの使用期間が設定される。
【0132】
(第3の動作について)
次に、第3の動作について図19を用いて説明する。まず、基地局1の制御部11は、電子メールを受信したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS231)。電子メールを受信した場合には、本処理はステップS232に進む。
【0133】
電子メールを受信した場合、基地局1の制御部11は、該電子メールの宛先を確認する(ステップS232)。そして、制御部11は、該電子メールの転送の要否を判定する(ステップS233)。具体的には、制御部11は、該電子メールの宛先が図16の転送先管理テーブルに記録されているメールアドレスであるか否かを判定すると共に、現在の日時が該メールアドレスの転送期間内であるか否かを判定する。例えば、制御部11は、受信した電子メールのメールアドレスが「a@A.ne.jp」である場合には、図16の転送先管理テーブルにメールアドレス「a@A.ne.jp」が含まれているので、現在の日時が2007年1月1日〜2007年1月7日の間であるときには、該電子メールを転送する必要があると判定する。電子メールの転送が必要である場合には、本処理はステップS234に進む。電子メールの転送が必要でない場合には、基地局1は、第3の動作の処理を終了する。
【0134】
電子メールの転送が必要である場合には、基地局1の制御部11は、図16の転送先管理テーブルを参照して、該電子メールの転送先のMFP2を特定する。具体的には、電子メールの宛先のメールアドレスが、「a@A.ne.jp」である場合には、制御部11は、転送先管理テーブルを参照して、転送先MFP名を「第1のMFP」と特定する。この後、制御部11は、第1のMFP2−1へ光通信部14に該電子メールの送信を開始させる(ステップS234)。第1のMFP2−1の光通信部24−1は、該電子メールの受信を開始する(ステップS235)。
【0135】
この後、基地局1の制御部11は、電子メールの送信が完了したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS236)。電子メールの送信が完了した場合、基地局1は第3の動作の処理を完了する。
【0136】
また、第1のMFP2−1の制御部21−1は、電子メールの受信が完了したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS237)。電子メールの受信が完了した場合、本処理はステップS238に進む。
【0137】
電子メールの受信が完了した場合、第1のMFP2−1の制御部21−1は、受信した電子メールの宛先のメールアドレスを確認する(ステップS238)。次に、制御部21−1は、このメールアドレスに対応する専用BOXに電子メールを記憶させる(ステップS239)。具体的には、制御部21−1は、宛先のメールアドレスが「a@A.ne.jp」である電子メールを受信した場合には、メールアドレス「a@A.ne.jp」の専用BOXに該電子メールを記憶させる。
【0138】
最後に、第1のMFP2−1の制御部21−1は、図8に示す転送メールテーブルに、受信した電子メールのタイトルを記録して、該転送メールテーブルを更新する(ステップS240)。具体的には、「a@A.ne.jp」のメールアドレスを宛先とする電子メールであって、かつ、電子メールのタイトルが「会議の件」である電子メールを第1のMFP2−1が受信した場合には、制御部21−1は、図8の転送メールテーブルのメールアドレス「a@A.ne.jp」に対応するタイトルの欄に、「会議の件」を記録する。これにより、第1のMFP2−1は第3の動作を完了する。以上のような第3の動作により、基地局1から第1のMFP2−1へと電子メールが転送される。
【0139】
(第4の動作について)
次に、第4の動作について図20を参照しながら説明する。第2の動作が完了すると、携帯電話3のユーザは、図21の合成地図を参考にしながら第1のMFP2−1へ移動する。そして、該ユーザは、携帯電話3を操作して、本通信システムのメール転送サービスの専用アプリケーションを起動する。該専用アプリケーションが起動すると、携帯電話3の制御部31は、表示部36に電子メールを第1のMFP2−1から取得するか否かの画面を表示させて、ユーザに電子メールの取得の指示の操作を行うように促す。そして、制御部31は、第1のMFP2−1から電子メールを取得する旨の指示がユーザによりなされたか否かの判定を繰り返しながら待機する(ステップS250)。ユーザが電子メールの取得の指示を行った場合には、本処理はステップS251に進む。
【0140】
ステップS251〜ステップS253において、携帯電話3及び第1のMFP2−1が行う動作については、第1の実施形態の図12のステップS52〜ステップS54の間に携帯電話3及び第1のMFP2−1が行う動作と同じであるので説明を省略する。
【0141】
転送要求を受信した場合、第1のMFP2−1の制御部21−1は、図17に示す期間管理テーブルを参照して、転送要求に含まれるメールアドレス「a@A.ne.jp」に対応する転送期間「2007年1月1日〜2007年1月7日」と現在の日時とを比較して、現在の日時が転送期間内であるか否かを判定する(ステップS254)。現在の日時が転送期間外である場合には、本処理はステップS262に進む。現在の日時が転送期間内である場合には、本処理はステップS255に進む。
【0142】
現在の日時が転送期間外である場合、第1のMFP2−1の制御部21−1は、記憶部22−1に設置されたメールアドレス「a@A.ne.jp」用の専用BOXを廃止する(ステップS262)。更に、第1のMFP2−1の制御部21−1は、BT通信部25−1に携帯電話3に対して、電子メールの取得を許可しない不許可通知を送信させる(ステップS263)。これにより、第1のMFP2−1は、第4の動作の処理を完了する。
【0143】
現在の日時が転送期間内である場合、第1のMFP2−1の制御部21−1は、ステップS253において受信した転送要求を、光通信部24−1に基地局1に対して送信させる(ステップS255)。この後、本処理はステップS256に進む。なお、ステップS256〜ステップS259では、ユーザ認証が行われる。ステップS256〜ステップS259におけるユーザ認証は、第1の実施形態の図12のステップS57〜ステップS60におけるユーザ認証と同じであるので、説明を省略する。
【0144】
第1のMFP2−1の制御部21−1は、ステップS256〜ステップS259のユーザ認証の後、電子メールの許可通知又は不許可通知のいずれを光通信部24−1が受信したのかを判定する(ステップS260)。光通信部24−1が不許可通知を受信した場合には、本処理はステップS263に進む。光通信部24−1が許可通知を受信した場合には、本処理はステップS261に進む。
【0145】
光通信部24−1が不許可通知を受信した場合、第1のMFP2−1の制御部21−1は、BT通信部25−1に携帯電話3に対して、電子メールの取得を許可しない不許可通知を送信させる(ステップS263)。不許可通知を送信したら、第1のMFP2−1は、第4の動作の処理を完了する。
【0146】
一方、光通信部24−1が許可通知を受信した場合、第1のMFP2−1の制御部21−1は、BT通信部25−1に携帯電話3に対して、電子メールの取得を許可する許可通知を送信させる(ステップS261)。この後、本処理はステップS264に進む。
【0147】
ステップS252において転送要求を送信した携帯電話3の制御部31は、ステップS253〜ステップS263の間、BT通信部35が許可通知又は不許可通知のいずれを受信したのかを判定する(ステップS264)。BT通信部35が許可通知を受信した場合には、本処理はステップS266に進む。BT通信部35が不許可通知を受信した場合には、携帯電話3は第4の動作の処理を完了する。
【0148】
ステップS265において、第1のMFP2−1の制御部21−1は、図8の転送メールテーブルを参照して、ステップS253において受信した転送要求に含まれるメールアドレスに対応する電子メールのタイトルを特定し、電子メールのタイトルと一致する電子メールを、該メールアドレスに対応する専用BOXから読み出す。そして、第1のMFP2−1の制御部21−1は、BT通信部25−1に携帯電話3へ、読み出した電子メールの送信を開始させる(ステップS265)。具体的には、携帯電話3からの転送要求には、メールアドレス「a@A.ne.jp」が含まれる。そのため、制御部21−1は、転送メールテーブルにおいて、メールアドレス「a@A.ne.jp」に対応する電子メールのタイトルの欄を参照する。これにより、制御部21−1は、送信すべき電子メールのタイトルが「会議の件」であることを特定する。更に、制御部21−1は、このタイトル「会議の件」の電子メールを、メールアドレス「a@A.ne.jp」の専用BOXより読み出して、BT通信部25−1に携帯電話3へと送信させる。携帯電話3のBT通信部35は、電子メールの受信を開始する(ステップS266)。
【0149】
電子メールの送信を開始した後、第1のMFP2−1の制御部21−1は、電子メールの送信を完了したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS267)。電子メールの送信が完了した場合には、第1のMFP2−1は、第4の動作の処理を完了する。
【0150】
一方、電子メールの受信を開始した後、携帯電話3の制御部31は、電子メールの受信を完了したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS268)。電子メールの受信が完了した場合には、携帯電話3は、第4の動作の処理を完了する。以上のような第4の動作により、携帯電話3は、第1のMFP2−1から電子メールを取得することができる。
【0151】
以上のように、本発明の第3の実施形態に係る通信システムによれば、不感エリアに設けられたMFP2と基地局1とが通信可能に接続されており、所定の期間においては、携帯電話3のメールアドレス宛の電子メールが基地局1からMFP2に転送され、該MFP2が転送された電子メールを記憶している。そのため、ユーザは、通信エリアに戻らなくても、携帯電話3を用いて、MFP2から電子メールを取得することができる。特に、本通信システムは、長期間、不感エリアに携帯電話3のユーザがいなければいけない場合に、不感エリア内の最寄のMFP2にユーザが移動することにより、電子メールを取得することができる点において有用である。
【0152】
なお、本実施形態において、ユーザが携帯電話3の入力部37を用いて所望の位置を入力し、携帯電話3の無線通信部34が、所望の位置の情報を入力位置情報として送信するようにしてもよい。この場合、基地局1の制御部11は、現在地情報の代わりに、入力位置情報に基づいて地図情報を検索する。
【0153】
なお、第1〜第3の実施形態において、基地局1は、携帯電話3のメールアドレスを用いて、ユーザ認証を行っているが、メールアドレスの代わりに、携帯電話3に固有に付与されたユーザIDや、携帯電話3に個別に与えられた機体識別番号や、携帯電話3の電話番号等を用いて、ユーザ認証を行ってもよい。
【0154】
また、第1〜第3の実施形態では、電子メールは、基地局1からMFP2を経由して携帯電話3に対して送信されるものとしたが、電子メールの送信方向はこれに限らない。電子メールは、携帯電話3から送信されて、MFP2を経由して基地局1に送信されてもよい。この場合、この電子メールは、基地局1からインターネットを経由して、他の通信端末へと送信される。更に、携帯電話3は、電子メールを送信しているときに基地局1との通信状態が悪化した場合には、自動的にMFP2との近距離無線通信を開始して、MFP2を経由して基地局1に電子メールを送信するようにしてもよい。
【0155】
また、第1〜第3の実施形態において、携帯電話3が電子メールを取得した後に、MFP2と携帯電話3との間で近距離無線通信が行われて課金処理が実行されてもよい。この課金処理では、例えば、MFP2から携帯電話3への電子メールの転送回数や、専用BOXの容量や、専用BOXの使用期間等に基づいて料金が算出される。なお、この課金処理は、基地局1と携帯電話3との間で実行されてもよい。
【0156】
また、第1〜第3の実施形態において行われるユーザ認証において、基地局1とMFP2との間で光通信回線5を介してやり取りされる情報は、暗号化されていることが好ましい。
【0157】
また、第1〜第3の実施形態において、MFP2から携帯電話3に送信された電子メールを、MFP2が印刷部23により印刷するようにしてもよい。
【0158】
また、第2及び第3の実施形態において、携帯電話3が基地局1に対して地図要求を送信したことをきっかけとして、該携帯電話3が合成地図の地図情報を取得しているが、第1の実施形態と同様に携帯電話3と基地局1との通信状態が悪化したことをきっかけとして、携帯電話3が合成地図の地図情報を取得してもよい。
【0159】
(第4の実施形態)
以下に、本発明の第4の実施形態に係る通信システムについて図面を参照しながら説明する。図22は、本通信システムの全体構成を示した図である。図23は、本通信システムに用いられる基地局101の構成を示したブロック図である。図24は、本通信システムに用いられるMFP102の構成を示したブロック図である。図25は、本通信システムに用いられるパーソナルコンピュータ(以下、PCと称す)104の構成を示したブロック図である。
【0160】
(全体構成について)
前記通信システムは、図22に示すように、基地局101、画像処理装置としてのMFP102、携帯電話3、PC104及び光通信回線105により構成される。
【0161】
第4の実施形態に係る通信システムは、概略、以下のような電子メール転送サービスを行うためのシステムである。携帯電話3のユーザは、携帯電話3を用いて、不感エリアに設置されたMFP102に近距離無線通信によりアクセスして、該携帯電話3のメールアドレス宛に送信されてくる電子メールのみを記憶する専用BOXを、MFP102に使用期間を設定して開設する。この際、携帯電話3のユーザは、MFP102に携帯電話3の電話帳に登録された電子メールのメールアドレスの一覧を送信する。MFP102のディスプレイには、該メールアドレスの一覧が表示され、ユーザは、この一覧の中から、該MFP102に電子メールを転送して欲しいメールアドレスを選択する。MFP102は、光通信回線105及び基地局101を介して、選択されたメールアドレスが設定された通信端末(以下、この通信端末をPC104とする)に対して、送信先変更アプリケーションを送信する。この送信先変更アプリケーションとは、PC104が携帯電話3のメールアドレス宛に電子メールを送信する際に、この電子メールの宛先のメールアドレスを、携帯電話3のメールアドレスからMFP102に設定されたメールアドレスに自動的に変更するソフトウエアである。これにより、PC104は、携帯電話3のメールアドレス宛の電子メールを、インターネットを介してMFP102に送信するようになる。そして、携帯電話3のメールアドレス宛の電子メールは、MFP102の携帯電話3のメールアドレス用の専用BOXに蓄積される。携帯電話3のユーザは、携帯電話3を用いて、MFP102に蓄積された電子メールを取得する。
【0162】
基地局101は、携帯電話3の中継基地局であり、図23に示すように、CPUからなる制御部111、ハードディスクからなる記憶部112、無線通信インターフェースからなる無線通信部113、光通信インターフェースからなる光通信部114及びインターネットを介して他の通信機器と通信するための通信インターフェースからなるネットワーク通信部115を備える。
【0163】
MFP102は、図24に示すように、CPUからなる制御部121、ハードディスクからなる記憶部122、印刷部123、光通信インターフェースからなる光通信部124、Blue Tooth(登録商標)により近距離無線通信を行うための通信インターフェースであるBT通信部125、スキャナ部126、インターネットを介して他の通信機器と通信するための通信インターフェースからなるネットワーク通信部127、液晶ディスプレイからなる表示部128及び複数のボタンにより構成される入力部129を備える。
【0164】
携帯電話3の構成は、第1の実施形態と同様に、図4に示されるので、説明を省略する。
【0165】
PC104は、図25に示すように、CPUからなる制御部141、キーボード及びマウスからなる入力部142、ハードディスクからなる記憶部143、インターネットを介して他の通信機器と通信するための通信インターフェースからなるネットワーク通信部144及び液晶ディスプレイからなる表示部145を備える。
【0166】
(通信システムの動作について)
以上のように構成された通信システムにおいて、以下にその動作について図面を参照しながら説明する。通信システムの動作には大きく分けて以下の4つの動作が存在する。
(1)携帯電話3がMFP102にアクセスして、MFP102に専用BOXを開設すると共に、MFP102がPC104に送信先変更アプリケーションを送信する動作(第1の動作)
(2)携帯電話3が、MFP102にアクセスして、携帯電話3のメールアドレス宛の電子メールを取得する動作(第2の動作)
(3)携帯電話3が、MFP102にアクセスして、専用BOXの使用期間を延長する動作(第3の動作)
(4)携帯電話3が、MFP102にアクセスして、専用BOXの使用を終了する動作(第4の動作)
【0167】
図26及び図27は、第1の動作においてMFP102と携帯電話3とが行う動作を示したフローチャートである。図28は、第2の動作においてMFP102と携帯電話3とが行う動作を示したフローチャートである。図29及び図30は、第3の動作においてMFP102と携帯電話3とが行う動作を示したフローチャートである。図31及び図32は、第4の動作においてMFP102と携帯電話3とが行う動作を示したフローチャートである。なお、各フローチャートでの処理は、制御部111,121,141において、記憶部112,122,143に格納されたソフトウエアを実行することによって実現してもよいし、それら各処理を行う専用のハードウエア回路を用いて実現してもよい。
【0168】
(第1の動作について)
まず、第1の動作について図26及び図27を参照しながら説明する。携帯電話3のユーザは、入力部37を操作して、MFP102に対して、専用BOXを開設するための要求(以下、専用BOX開設要求と称す)を送信するように、携帯電話3に指示する。携帯電話3の制御部31は、該専用BOX開設要求を、BT通信部35にMFP102に対して送信させる(ステップS301)。MFP102のBT通信部125は、該専用BOX開設要求を受信する(ステップS302)。
【0169】
専用BOX開設要求を取得したMFP102の制御部121は、携帯電話3に対してメールアドレスの送信を要求するメールアドレス要求を、携帯電話3に対してBT通信部125に送信させる(ステップS303)。携帯電話3のBT通信部35は、該メールアドレス要求を受信する(ステップS304)。メールアドレス要求を取得した携帯電話3の制御部31は、メールアドレスを、MFP102に対してBT通信部35に送信させる(ステップS305)。
【0170】
メールアドレス要求を送信させたMFP102の制御部121は、携帯電話3のメールアドレスが送信されてきたか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS306)。メールアドレスが送信されてきた場合には、本処理はステップS307に進む。
【0171】
メールアドレスが送信されてきた場合には、MFP102の制御部121は、暗証番号を携帯電話3のユーザに入力させるための暗証番号入力画面を、表示部128に表示させる(ステップS307)。携帯電話3のユーザは、入力部129を操作して、任意の暗証番号を入力する。暗証番号入力画面を表示させた制御部121は、ユーザが暗証番号を入力したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS308)。暗証番号が入力された場合には、本処理はステップS309に進む。
【0172】
暗証番号が入力された場合、MFP102の制御部121は、暗証番号を携帯電話3のユーザに再入力させるための暗証番号再入力画面を、表示部128に表示させる(ステップS309)。携帯電話3のユーザは、入力部129を操作して、前記暗証番号を再入力する。暗証番号再入力画面を表示させた制御部121は、ユーザが暗証番号を再入力したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS310)。暗証番号が再入力された場合には、本処理はステップS311に進む。
【0173】
暗証番号が再入力された場合、MFP102の制御部121は、ステップS308とステップS310とにおいて取得した暗証番号を対比し、これらが一致するか否かを判定する(ステップS311)。暗証番号が一致した場合には、本処理はステップS312に進む。暗証番号が一致しない場合には、本処理はステップS308に戻り、携帯電話3のユーザに再度暗証番号の入力を要求する。
【0174】
暗証番号が一致した場合、MFP102の制御部121は、携帯電話3のアドレス専用の専用BOXを、記憶部122に開設する(ステップS312)。次に、MFP102の制御部121は、専用BOXの使用期間を、携帯電話3のユーザに入力させるための期間入力画面を、表示部128に表示させる(ステップS313)。携帯電話3のユーザは、MFP102の入力部129を操作して、専用BOXの使用期間を入力する。MFP102の制御部121は、入力された使用期間を、専用BOXに対して設定する。
【0175】
次に、MFP102の制御部121は、専用BOXの使用料金を計算して、表示部128に表示させる(ステップS314)。専用BOXの使用料金は、専用BOXの容量と使用期間とに基づいて計算される。この後、携帯電話3とMFP102はそれぞれ、BT通信部35とBT通信部125を介して近距離無線通信を行って、使用料金の電子決済を行う(ステップS315及びステップS316)。
【0176】
電子決済を完了した携帯電話3の制御部31は、携帯電話3の電話帳に登録されているメールアドレスの一覧を、BT通信部35にMFP102に対して送信させる(ステップS317)。MFP102のBT通信部125は、メールアドレスの一覧を受信する(ステップS318)。MFP102の制御部121は、このメールアドレスの一覧を表示部128に表示させて、MFP102に転送させるメールアドレスを携帯電話3のユーザに選択させる。本実施形態では、PC104に設定されたメールアドレスが選択されたものとする。メールアドレスの一覧を表示させた制御部121は、メールアドレスの選択がされたか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS319)。メールアドレスの選択がされた場合、本処理はステップS320に進む。
【0177】
メールアドレスの選択がされた場合、MFP102の制御部121は、記憶部122に記憶されている送信先変更アプリケーションを読み出して、該送信先変更アプリケーションを、PC104に対してネットワーク通信部127に送信させる(ステップS320)。PC104のネットワーク通信部144は、該送信先変更アプリケーションを受信する。
【0178】
PC104の制御部141は、受信した送信先変更アプリケーションを起動させて、テストメールを作成して、インターネットを介して、MFP102に送信する。このテストメールは、携帯電話3のメールアドレス宛に送信されるべき電子メールの宛先が、MFP102のメールアドレスに変更されたことをMFP102が確認するために、PC104がMFP102に対して送信するメールである。送信先変更アプリケーションを送信したMFP102は、テストメールをネットワーク通信部127が受信したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS321)。ネットワーク通信部127がテストメールを受信した場合、本処理はステップS322に進む。
【0179】
ネットワーク通信部127がテストメールを受信した場合、MFP102の制御部121は、専用BOXの開設が完了した旨の画面を、表示部128に表示させる(ステップS322)。これにより、携帯電話3のユーザは、携帯電話3用の専用BOXが開設されたことを確認できる。以上で第1の動作の処理が完了する。
【0180】
(第2の動作)
次に、第2の動作について図28を参照しながら説明する。携帯電話3の制御部31は、MFP102に開設された携帯電話3のメールアドレス用の専用BOXに記憶されている電子メールの送信要求を、MFP102に対してBT通信部35に送信させる(ステップS351)。MFP102のBT通信部125は、該送信要求を受信する(ステップS352)。
【0181】
送信要求を取得したMFP102の制御部121は、携帯電話3のメールアドレスの送信要求を、携帯電話3に対してBT通信部125に送信させる(ステップS353)。携帯電話3のBT通信部35は、メールアドレスの送信要求を受信する(ステップS354)。
【0182】
メールアドレスの送信要求を取得した携帯電話3は、メールアドレスをMFP102に対してBT通信部35に送信させる(ステップS355)。メールアドレスの送信要求を送信させたMFP102の制御部121は、BT通信部125がメールアドレスを受信したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS356)。BT通信部125がメールアドレスを受信した場合、本処理はステップS357に進む。
【0183】
BT通信部125がメールアドレスを受信した場合、MFP102の制御部121は、携帯電話3のユーザに暗証番号を入力させるための暗証番号入力画面を、表示部128に表示させる(ステップS357)。携帯電話3のユーザは、MFP102の入力部129を操作して、図26のステップS308において入力した暗証番号を入力する。暗証番号入力画面を表示させたMFP102の制御部121は、暗証番号が入力されたか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS358)。暗証番号が入力された場合、本処理はステップS359に進む。
【0184】
暗証番号が入力された場合、MFP102の制御部121は、ステップS308において取得した暗証番号と、ステップS358において取得した暗証番号とが一致するか否かの判定を行う(ステップS359)。暗証番号が一致する場合には、本処理はステップS360に進む。暗証番号が一致しない場合には、本処理はステップS358に戻り、再度暗証番号の入力を携帯電話3のユーザに促す。
【0185】
暗証番号が一致する場合、MFP102の制御部121は、記憶部122に開設された携帯電話3用の専用BOXに記憶されている電子メールの一覧を、携帯電話3に対してBT通信部125に送信させる(ステップS360)。携帯電話3のBT通信部35は、該電子メールの一覧を受信する(ステップS361)。更に、携帯電話3の制御部31は、電子メールの一覧の画面を表示部36に表示する。携帯電話3のユーザは、この画面を参照しながら、MFP102から取得したい電子メールを、入力部37を操作して選択する。携帯電話3の制御部31は、この画面を表示している間、ユーザが電子メールを選択したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS362)。電子メールの選択が完了した場合、本処理はステップS363に進む。
【0186】
電子メールの選択が完了した場合、携帯電話3の制御部31は、ユーザが選択した電子メールがいずれの電子メールであるのかを示す情報を含んだメール送信要求を、MFP102に対してBT通信部35に送信させる(ステップS363)。MFP102のBT通信部125は、該メール送信要求を受信する(ステップS364)。
【0187】
メール送信要求を取得したMFP102の制御部121は、該メール送信要求において選択されている電子メールを、携帯電話3のメールアドレス用の専用BOXから読み出して、携帯電話3に対してBT通信部125に送信させる(ステップS365)。携帯電話3のBT通信部35は、送信されてきた電子メールを受信する(ステップS366)。これにより、携帯電話3のユーザは、MFP102のメールアドレス宛に転送された電子メールを取得することができる。この後、該電子メールのプリントアウト処理が行われる。
【0188】
携帯電話3の制御部31は、取得した電子メールを印刷することを要求するプリントアウト要求を、MFP102に対してBT通信部35を介して送信する(ステップS367)。MFP102のBT通信部125は、このプリントアウト要求を受信する(ステップS368)。
【0189】
プリントアウト要求を取得したMFP102の制御部121は、携帯電話3のユーザに印刷条件の設定を行わせるための印刷設定画面を、表示部128に表示させる。携帯電話3のユーザは、この印刷設定画面において入力部129を操作して、印刷設定を行う。この印刷設定としては、例えば、印刷枚数や用紙の大きさなどが挙げられる。MFP102の制御部121は、ユーザの入力に基づいて、印刷部123の印刷条件の設定を行う(ステップS369)。
【0190】
印刷条件の設定が完了すると、MFP102の制御部121は、印刷条件に基づいて料金を計算し、該料金を表示部128に表示させる(ステップS370)。この料金の計算は、例えば、印刷枚数や用紙の大きさなどに基づいて計算される。
【0191】
料金の計算及び表示が完了すると、携帯電話3とMFP102はそれぞれ、BT通信部35とBT通信部125を介して近距離無線通信を行って、使用料金の電子決済を行う(ステップS371及びステップS372)。
【0192】
電子決済が完了すると、MFP102の制御部121は、電子メールの印刷を、印刷部123に行わせる(ステップS373)。これにより、携帯電話3のユーザは、プリントアウトされた電子メールを取得できる。以上で、第2の動作の処理が完了する。
【0193】
(第3の動作について)
次に、第3の動作について図29及び図30を参照しながら説明する。まず、携帯電話3のユーザは、携帯電話3をMFP102のBT通信部125にかざす。これにより、携帯電話3の制御部31は、携帯電話3とMFP102との通信を開始させるための通信コマンドを、MFP102に対してBT通信部35に送信させる(ステップS401)。MFP102のBT通信部125は、該通信コマンドを受信する(ステップS402)。これにより、携帯電話3とMFP102との近距離無線通信が確立する。
【0194】
次に、MFP102の制御部121は、携帯電話3のメールアドレスを要求するメールアドレス要求を、携帯電話3に対してBT通信部125に送信させる(ステップS403)。携帯電話3のBT通信部35は、該メールアドレス要求を受信する(ステップS404)。
【0195】
メールアドレス要求を取得した携帯電話3の制御部31は、メールアドレスを、MFP102に対してBT通信部35に送信させる(ステップS405)。メールアドレス要求を送信させたMFP102の制御部121は、BT通信部125が携帯電話3のメールアドレスを受信したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS406)。BT通信部125がメールアドレスを受信した場合には、本処理はステップS407に進む。
【0196】
BT通信部125がメールアドレスを受信した場合、MFP102の制御部121は、携帯電話3のユーザに暗証番号を入力させるための暗証番号入力画面を、表示部128に表示させる(ステップS407)。携帯電話3のユーザは、MFP102の入力部129を操作して、図26のステップS308において入力した暗証番号を入力する。暗証番号入力画面を表示させたMFP102の制御部121は、暗証番号が入力されたか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS408)。暗証番号が入力された場合、本処理はステップS409に進む。
【0197】
暗証番号が入力された場合、MFP102の制御部121は、ステップS308において取得した暗証番号と、ステップS408において取得した暗証番号とが一致するか否かの判定を行う(ステップS409)。暗証番号が一致する場合には、本処理はステップS410に進む。暗証番号が一致しない場合には、本処理はステップS408に戻り、再度暗証番号の入力を携帯電話3のユーザに促す。
【0198】
暗証番号が一致する場合、MFP102の制御部121は、専用BOXの設定画面を表示する(ステップS410)。この専用BOXの設定画面とは、専用BOXの設定を変更するための画面である。専用BOXの設定の変更とは、例えば、専用BOXの使用期間の変更や、専用BOXの容量の変更等である。携帯電話3のユーザは、この設定画面において、入力部129を操作して、専用BOXの使用期間の延長申請の操作を行う。専用BOXの設定画面を表示させたMFP102の制御部121は、使用期間の延長申請の操作がされたか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS411)。延長申請の操作がされた場合には、本処理はステップS412に進む。
【0199】
延長申請の操作がされた場合、MFP102の制御部121は、延長期間の入力画面を表示部128に表示させる。携帯電話3のユーザは、この入力画面において、入力部129を操作して、所望の期間を入力する。ユーザが所望の期間を入力すると、MFP102の制御部121は、入力された期間を専用BOXの新たな使用期間として、記憶部122に記憶させる(ステップS412)。これにより、専用BOXの使用期間の設定がなされる。
【0200】
次に、MFP102の制御部121は、新たに設定された使用期間に対する料金を計算すると共に、計算した料金を表示部128に表示させる(ステップS413)。この後、携帯電話3とMFP102はそれぞれ、BT通信部35とBT通信部125を介して近距離無線通信を行って、使用料金の電子決済を行う(ステップS414及びステップS415)。
【0201】
電子決済が完了すると、携帯電話3の制御部31は、記憶部32から電話帳に登録されているメールアドレスの一覧を読み出して、メールアドレスの一覧をMFP102に対してBT通信部35に送信させる(ステップS416)。MFP102のBT通信部125は、メールアドレスの一覧を受信する(ステップS417)。
【0202】
メールアドレスの一覧を取得したMFP102の制御部121は、このメールアドレスの一覧を表示部128に表示させて、MFP102に電子メールを転送させるメールアドレスの選択を携帯電話3のユーザに行わせる。本実施形態では、PC104に設定されたメールアドレスが選択されたものとする。メールアドレスの一覧を表示させた制御部121は、メールアドレスの選択がされたか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS418)。メールアドレスの選択がされた場合、本処理はステップS419に進む。
【0203】
メールアドレスの選択がされた場合、MFP102の制御部121は、記憶部122に記憶されている送信先変更アプリケーションを読み出して、該送信先変更アプリケーションを、PC104に対してネットワーク通信部127に送信させる(ステップS419)。PC104のネットワーク通信部144は、該送信先変更アプリケーションを受信する。
【0204】
PC104の制御部141は、受信した送信先変更アプリケーションを起動させて、テストメールを作成して、インターネットを介して、MFP102に送信する。このテストメールは、携帯電話3のメールアドレス宛に送信されるべき電子メールの宛先が、MFP102のメールアドレスに変更されたことをMFP102が確認するために、PC104がMFP102に対して送信するメールである。送信先変更アプリケーションを送信したMFP102は、テストメールをネットワーク通信部127が受信したか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS420)。ネットワーク通信部127がテストメールを受信した場合、本処理はステップS421に進む。
【0205】
ネットワーク通信部127がテストメールを受信した場合、MFP102の制御部121は、専用BOXの使用期間の延長設定が完了した旨の画面を、表示部128に表示させる(ステップS421)。これにより、携帯電話3のユーザは、携帯電話3用の専用BOXの使用期間が延長されたことを確認できる。以上で第3の動作の処理が完了する。
【0206】
(第4の動作について)
次に、第4の動作について図31及び図32を参照しながら説明する。本処理におけるステップS451〜ステップS460の間においてMFP102及び携帯電話3が行う動作は、第3の動作の図29のステップS401〜ステップS410においてMFP102及び携帯電話3が行う動作と同じであるので説明を省略する。
【0207】
ステップS460において設定画面が表示されると、携帯電話3のユーザは、この設定画面において、入力部129を操作して、専用BOXの使用終了の申請の操作を行う。専用BOXの設定画面を表示させたMFP102の制御部121は、使用終了の申請の操作がされたか否かの判定を繰り返しながら待機している(ステップS461)。使用終了の申請の操作がされた場合には、本処理はステップS462に進む。
【0208】
使用終了の申請の操作がされた場合、MFP102の制御部121は、専用BOXの使用を終了する画面を表示部128に表示させる(ステップS462)。この後、MFP102は、ステップS463〜ステップS476において、携帯電話3に対して、未送信の電子メールの送信処理を行う。なお、ステップS463〜ステップS476においてMPF102及び携帯電話3が行う動作は、第2の動作の図28のステップS360〜ステップS373においてMFP102及び携帯電話3が行う動作と同じであるので、説明を省略する。
【0209】
ステップS476での電子メールの印刷が完了したら、MFP102の制御部121は、携帯電話3のメールアドレス用の専用BOXを廃止する(ステップS477)。これにより、本システムによるメール転送サービスを終了する。
【0210】
以上のように、本実施形態に係る通信システムによれば、携帯電話3のユーザが、不感エリアに滞在しなければならない場合であっても、選択したメールアドレスからの電子メールについては、この不感エリアに配置されたMFP102に転送されるようになる。その結果、携帯電話3のユーザは、通信エリアに戻ることなく、必要な電子メールを取得することが可能となる。
【0211】
なお、第1〜第4の実施形態において、携帯電話3の代わりに、PDA等の無線通信機能を備えた携帯通信機器が用いられてもよい。
【0212】
なお、第1〜第4の実施形態において、画像処理装置は、MFP2,102であるとしているが、MFP2,102に限らない。画像処理装置は、基地局1,101と光ファイバ等の有線で通信可能に接続され、携帯電話3と通信可能な装置であればよく、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像処理装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0213】
【図1】第1〜第3の実施形態に係る通信システムの全体構成を示した図である。
【図2】前記通信システムに用いられる基地局の構成を示したブロック図である。
【図3】前記通信システムに用いられるMFPの構成を示したブロック図である。
【図4】前記通信システムに用いられる携帯電話の構成を示したブロック図である。
【図5】ユーザ管理テーブルを示した図である。
【図6】MFP管理テーブルを示した図である。
【図7】送信エラーテーブルを示した図である。
【図8】転送メールテーブルを示した図である。
【図9】第1の実施形態の第1の動作において基地局と携帯電話とが行う動作を示したフローチャートである。
【図10】第1の実施形態の第2の動作において基地局と携帯電話とが行う動作を示したフローチャートである。
【図11】第1の実施形態の第3の動作において基地局と第1のMFPとが行う動作を示したフローチャートである。
【図12】第1の実施形態の第4の動作において基地局と第1のMFPと携帯電話とが行う動作を示したフローチャートである。
【図13】合成地図を示した図である。
【図14】第2の実施形態の第2の動作において基地局と携帯電話とが行う動作を示したフローチャートである。
【図15】第2の実施形態の第3の動作において基地局と第1のMFPと携帯電話とが行う動作を示したフローチャートである。
【図16】転送先管理テーブルを示した図である。
【図17】期間管理テーブルを示した図である。
【図18】第3の実施形態の第2の動作において基地局と第1のMFPと携帯電話とが行う動作を示したフローチャートである。
【図19】第3の実施形態の第3の動作において基地局と第1のMFPとが行う動作を示したフローチャートである。
【図20】第3の実施形態の第4の動作において基地局と第1のMFPと携帯電話とが行う動作を示したフローチャートである。
【図21】合成地図を示した図である。
【図22】第4の実施形態に係る通信システムの全体構成を示した図である。
【図23】前記通信システムに用いられる基地局の構成を示したブロック図である。
【図24】前記通信システムに用いられるMFPの構成を示したブロック図である。
【図25】前記通信システムに用いられるパーソナルコンピュータの構成を示したブロック図である。
【図26】第4の実施形態の第1の動作においてMFPと携帯電話とが行う動作を示したフローチャートである。
【図27】第4の実施形態の第1の動作においてMFPと携帯電話とが行う動作を示したフローチャートである。
【図28】第4の実施形態の第2の動作においてMFPと携帯電話とが行う動作を示したフローチャートである。
【図29】第4の実施形態の第3の動作においてMFPと携帯電話とが行う動作を示したフローチャートである。
【図30】第4の実施形態の第3の動作においてMFPと携帯電話とが行う動作を示したフローチャートである。
【図31】第4の実施形態の第4の動作においてMFPと携帯電話とが行う動作を示したフローチャートである。
【図32】第4の実施形態の第4の動作においてMFPと携帯電話とが行う動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0214】
1,101 基地局
2,102 MFP
3 携帯電話
4 人工衛星
5,105 光通信回線
11,21,31,111,121,141 制御部
12,22,32,112,122,143 記憶部
13,34,113 無線通信部
14,24,114,124 光通信部
23,123 印刷部
25,35,125 BT通信部
26,126 スキャナ部
33 GPS部
36,128,145 表示部
37,129,142 入力部
104 PC
115,127,144 ネットワーク通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信端末、該無線通信端末と無線通信を行う基地局、及び、該基地局と有線により通信可能に接続された複数の画像処理装置からなる通信システムにおいて、
前記無線通信端末は、
前記基地局に電子データの送信要求を送信する無線通信端末送信手段を、
備え、
前記基地局は、
前記送信要求を受信する基地局受信手段と、
電子データを記憶する基地局記憶手段と、
前記送信要求を送信した無線通信端末を宛先とする電子データを、前記画像処理装置に送信する基地局第1送信手段と、
を備え、
前記複数の画像処理装置各々は、
前記電子データを受信する画像処理装置第1受信手段と、
前記電子データを記憶する画像処理装置記憶手段と、
前記画像処理装置記憶手段が記憶している前記電子データを、該電子データの宛先の無線通信端末に送信する画像処理装置第1送信手段と、
を備えること、
を特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記無線通信端末は、
ユーザからの入力を受付ける入力手段を、
更に備え、
前記無線通信端末送信手段は、前記ユーザにより入力された期間に関する期間情報を前記基地局に送信し、
前記基地局第1送信手段は、前記期間情報の期間内のみ、前記電子データを前記画像処理装置に送信すること、
を特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記基地局記憶手段は、通信可能な前記画像処理装置に関する転送先情報を記憶しており、
前記基地局は、
前記転送先情報を前記無線通信端末に送信する基地局第2送信手段を、
更に備え、
前記無線通信端末は、
前記転送先情報を受信する無線通信端末受信手段と、
前記転送先情報に対応する画像処理装置の中から所望の画像処理装置の選択をユーザから受付ける選択手段と、
を更に備え、
前記無線通信端末送信手段は、ユーザにより選択された前記画像処理装置に関する転送先情報を前記送信要求として前記基地局に送信し、
前記基地局受信手段は、前記転送先情報を受信し、
前記基地局第1送信手段は、前記転送先情報に対応する画像処理装置に、前記電子データを送信すること、
を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の通信システム。
【請求項4】
前記基地局は、
前記無線通信端末との通信状態を認識する通信状態認識手段を、
更に備え、
前記基地局第2送信手段は、前記無線通信端末に電子データを送信しているときに、前記通信状態認識手段が、前記無線通信端末との通信状態が所定の通信状態よりも悪化したと判定した場合に、前記転送先情報を、前記無線通信端末に送信すること、
を特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記転送先情報は、前記画像処理装置の位置を示す位置情報を含んでいることを特徴とする請求項3又は請求項4のいずれかに記載の通信システム。
【請求項6】
前記無線通信端末は、
人工衛星より現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得手段を、
更に備え、
前記無線通信端末送信手段は、前記現在地情報を前記基地局に送信し、
前記基地局受信手段は、前記現在地情報を受信し、
前記基地局は、
前記現在地情報に対応する現在地から所定範囲内に存在する前記画像処理装置を、前記位置情報に基づいて特定する特定手段を、
更に含み、
前記基地局第2送信手段は、前記特定手段が特定した前記画像処理装置に関する転送先情報を、前記無線通信端末に送信すること、
を特徴とする請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記基地局記憶手段は、地図情報を更に記憶しており、
前記基地局は、
前記現在地情報に対応する位置を含む地図情報を検索する検索手段を、
更に備え、
前記特定手段は、前記検索手段により検索された地図情報の地図内に存在する前記画像処理装置を特定し、
前記基地局第2送信手段は、前記検索手段により検索された地図情報を前記転送先情報と共に前記無線通信端末に送信すること、
を特徴とする請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記基地局は、
前記特定手段が特定した前記画像処理装置の位置を、前記検索手段により検索された地図情報の地図に合成した合成地図を作成する合成手段、
を更に備え、
前記基地局第2送信手段は、前記合成地図の地図情報を前記無線通信端末に送信すること、
を特徴とする請求項7に記載の通信システム。
【請求項9】
前記無線通信端末は、
ユーザからの入力を受付ける入力手段を、
更に備え、
前記無線通信端末送信手段は、前記ユーザにより入力された位置に関する入力位置情報を前記基地局に送信し、
前記基地局受信手段は、前記入力位置情報を受信し、
前記基地局は、
前記入力位置情報に対応する位置から所定距離内に存在する前記画像処理装置を、前記位置情報に基づいて特定する特定手段を、
更に含み、
前記基地局第2送信手段は、前記特定手段が特定した前記画像処理装置に関する転送先情報を、前記無線通信端末に送信すること、
を特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の通信システム。
【請求項10】
前記無線通信端末送信手段は、前記送信要求を前記画像処理装置に送信し、
前記複数の画像処理装置各々は、
前記送信要求を受信する画像処理装置第2受信手段と、
前記送信要求の受信に応じて、前記基地局に該送信要求を送信する画像処理装置第2送信手段と、
を更に備え、
前記基地局受信手段は、前記送信要求を受信し、
前記基地局第1送信手段は、前記送信要求を送信した前記画像処理装置に前記電子データを送信すること、
を特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項11】
無線通信端末、該無線通信端末と無線通信を行う基地局、及び、該基地局と有線により通信可能に接続された複数の画像処理装置からなる通信システムにおける通信方法であって、
前記無線通信端末が、前記基地局に電子データの送信要求を送信するステップと、
前記基地局が、前記送信要求を受信するステップと、
前記基地局が、前記送信要求を送信した無線通信端末を宛先とし、かつ、記憶手段において記憶している電子データを、前記画像処理装置に送信するステップと、
前記画像処理装置が、前記電子データを受信するステップと、
前記画像処理装置が、前記電子データを記憶するステップと、
前記画像処理装置が、前記電子データを、該電子データの宛先の無線通信端末に送信するステップと、
を備えること、
を特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2008−205655(P2008−205655A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−37201(P2007−37201)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】