説明

通信チャネルを検出するための装置および方法

本発明では、周波数帯域(Δf)の無線信号がキャビン内の様々な無線信号源によって送信される通信チャネルの検出用の方法および装置を提供する。この場合、広帯域アンテナ(2)はキャビンの内で送信される無線信号を受信する。異なる復調器は(8)が提供される。各復調器(8)は、復調器(8)の関連周波数(ΔF)において広帯域アンテナ(2)によって受信される無線信号を復調する。構成論理部(4)は、復調される周波数範囲(ΔF)内の周波数帯域(Δf)において、無線信号が様々な無線信号源から同時に送信されているか否かを確認する。無線信号源の許可されない信号の送信の場合、例えば、非安全関連システムが安全関連システムの同じ複数の周波数帯域Δfにおける安全関連システムの同じ周波数帯域(Δf)において信号を送信するとき、非安全関連システムは構成論理部によって再構成され、許可されない状態のインジケーションとしてアラームまたは警告信号が生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビン内(特に、航空機の航空機キャビン内)の複数の異なる無線信号により複数の周波数帯域無線信号が同時に送信される通信チャネルを検出する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機には、航空機乗組員のメンバーが乗客に通知を行うことの可能な、あるいは乗客の行動に関する指示を発することの可能な会話インターコム、すなわち、搭載通信システムが提供されている。
【0003】
また、航空会社が乗客に、例えば、W−LAN(無線ローカルエリアネットワーク)その他の無線送信技術を介して通信を行う可能性を提供することが次第に増えつつある。乗客は、自分の移動端末装置(例えば、ラップトップ)を用い、無線インタフェースを介してその航空機のローカルネットワークとデータ交換を行うことが可能である。この場合、データは、関連する送信技術によって決定されている周波数範囲に周波数帯域がある通信チャネルにより送信される。無線通信システムは、認可または非認可の周波数帯域によりデータを送信する。認可された周波数帯域では、所定の範囲の周波数スペクトルに対する余分なアクセスが可能となる。認可されたスペクトルの有線範囲は、例えば、GSMまたはUMTSなど、特定の送信技術へ割り当てられている。
【0004】
非認可の周波数帯域は、全ユーザの信号送信用に利用可能であるが、許可される送信信号出力は限定されている。いわゆるISM帯域(産業、科学、医療帯域)は、W−LAWまたはBluetooth(登録商標)による免許不要の音声および映像送信用またはデータ送信用の周波数帯域の代表的な一例である。免許不要の周波数帯域の別の例は、約5GHzのU−NII周波数帯域(Unlicensed National Information Infrastructure Band)である。
【0005】
航空機の乗客の移動端末装置を用いる無線データ送信における従来の送信システムでは、周波数帯域割当の点で構成が最適化されていないため、複数のユーザが同じ周波数帯域Δfを用いる通信チャネルによりデータを同時に送信することが起きていた。この結果、関係するユーザのデータ送信レートは低減され、これによって干渉によるビット誤り率の上昇が生じる場合もあった。
【0006】
航空機の航空機キャビン内においてデータを送信するための従来通信システムにおける別の欠点は、いかなる状況でも乗組員が乗客に指示を与えられることを保証するように、予め別個の搭載通信システムを搭載する必要があることである。従来の搭載通信システムでは、乗組員(例えば、スチュワーデスまたはパイロット)は、搭載通信システムに固定して接続されたマイクロホンに向かって話す。旅行中の乗客は、航空機キャビン内に設置されたスピーカを通じて指示または情報を聞く。従来の搭載通信システムの1つの欠点は、乗組員(例えば、スチュワーデス)が搭載通信システムの恒久的に有線接続された端末装置に赴き、そこで受信機のマイクロホンに向かって話すときにしか、乗客にアナウンスを行うことができない点にある。しかしながら、一定の飛行状況の乗組員にとっては、搭載通信システムに赴くことは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の1つの目的は、飛行の安全に関する要件を侵害することなく、乗
組員同士および乗組員と乗客との無線通信を可能とする装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有する装置によって、本発明に従って達成される。
本発明では、周波数帯域の無線信号がキャビン内の複数の異なる無線信号源から送信される通信チャネルの検出用の装置を提供する。この装置は、キャビン内で受信される無線信号を受信する広帯域アンテナと、複数の復調器と、各復調器は復調器の関連周波数範囲において広帯域アンテナによって受信される無線信号を復調することと、復調器によって復調される周波数範囲ΔF内の周波数帯域Δfにおいて、周波数範囲ΔFにおいて無許可で送信している可能性のある複数の異なる無線信号源から無線信号が送信されているか否かを確認する構成論理部と、からなる。
【0009】
本発明による検出装置は、複数の異なる無線信号源によって同時に送信される周波数帯域Δfの無線信号を検出する。無線信号源のうちの1つが乗組員または搭載無線システムの無線信号源である場合、搭載無線システムが常に優先する。構成論理部は、好適には同じ周波数範囲ΔFにおいて、他の周波数帯域Δfを残りの無線信号源に割り当てる。これによって、乗組員は、自身の情報送信中、航空機キャビン内の別の無線信号源(例えば、移動端末装置の送信器)によって邪魔されないことが保証される。本発明による検出装置は、複数の異なる無線信号源が1つの周波数帯域Δfを同時に使用していることや、無線信号源のいずれも搭載無線システムに属していないことを検出する場合、空き周波数帯域が依然として利用可能であれば、他の周波数帯域Δf’を一部の無線信号源に対し割り当てるか、あるいは割当てられた周波数帯域を再構成する。これによって、利用可能な帯域幅を最適に使用して、航空機キャビン内の複数の異なる端末装置のデータ送信レートを最大化することが可能である。
【0010】
本発明の検出装置によって、乗組員が、乗客の移動端末装置と干渉することなく、自分の移動端末装置(例えば、ヘッドセット)を用いて他の乗組員と無線で通信を行うことが可能となる。例えば、これによって、スチュワーデスは、航空機キャビンにおいて飲料を配っているときであっても、他の乗組員(例えば、機内調理室にいる別のスチュワーデス)と通信を行うことが可能となる。この無線搭載通信は恒久的に有線接続された既存の搭載通信システムに加えて提供されてもよい。
【0011】
本発明の装置を用いて、例えば、クリティカル・フライト・フェーズ(critical flight phase)中、特に離陸または着陸フェーズ中に、乗客の移動端末装置から送信されている許可されない無線信号を検出することも可能である。本発明の装置がクリティカル・フライト・フェーズ中に周波数帯域において送信されている許可されない無線信号を検出する場合、対応する警告またはアラーム信号が生成されてもよく、無線信号が妨害(distort)されてもよい。この場合、乗組員は、通常のキャビンアナウンスに加え、航空機の離着陸中は端末装置の電源を切る必要があることを乗客に指摘してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の検出装置の可能な一実施形態のブロック図。
【図2】本発明の検出装置の動作モードについて説明するスペクトルの図。
【図3】本発明の検出装置の動作モードについて説明するフローチャート。
【図4】本発明の検出装置の動作モードについて説明するさらなる図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1から分かるように、周波数帯域(Δf)無線信号がキャビン内の様々な無線信号源から送信される通信チャネルの検出用の本発明の装置1は、広帯域アンテナ2、検出器3および構成論理部4を備える。図1に示す代表的な実施形態では、構成論理部4はメモリ5に接続されている。広帯域アンテナ2は、航空機キャビン内で送信される無線信号を受信するように機能する。広帯域アンテナ2は受信した信号を分割する信号分配器6に接続されている。信号分配器6は、例えば、受信した信号を分配する単一の信号ノードであってもよい。これに代えて、信号分配器6は、受信した信号を続いて様々な出力へ切り替えるデマルチプレクサによって形成されてもよい。
【0014】
信号分配器6は、ケーブル7−iによって異なる複数の復調器8−iに接続されている。図1に示す代表的な実施形態では、検出器3は4つの異なる復調器8−1〜8−4を含む。各復調器8−iは、関連周波数範囲(ΔF)において広帯域アンテナ2によって受信される無線信号を復調する。
【0015】
可能な代表的な一実施形態では、復調器8−1は0.4GHz〜2.2GHzの周波数範囲ΔF1、すなわち、大抵の移動電話標準規格によって(例えば、GSMネットワークによって)用いられる周波数範囲における無線信号を復調する。
【0016】
第2の復調器8−2は、例えば、2.4GHz〜21.7GHzの周波数範囲ΔF2、すなわち、より新しい世代のW−LANアクセスネットワークおよびUMTSアクセスネットワークによって用いられる周波数範囲における無線信号を復調する。
【0017】
第3の復調器8−3は、6.1GHz〜10.6GHzの周波数範囲ΔF3、すなわち、例えば、UWB(ウルトラワイドバンド)アプリケーションによって用いられる周波数範囲における無線信号を復調する。
【0018】
検出器3の第4の復調器8−4は、例えば、5GHz〜6GHzの周波数範囲ΔF4、すなわち、W−LANアクセスネットワーク(U−NII周波数帯域)によっても用いられる周波数範囲における無線信号を復調する。
【0019】
図2には、異なる復調器8−1、8−2、8−3、8−4によって復調可能な周波数範囲ΔFを示す。ここで、第3の復調器8−3は、代表的な一実施形態では、3.1〜4.8GHzの周波数範囲ΔF3だけでなく、6.1〜10.6GHzの周波数範囲も復調することが可能である。
【0020】
図1に示す広帯域アンテナ2は、好適には、09.4GHz〜10.6GHzの広い周波数範囲内の信号を受信することが可能である。
復調器8−iは各々、受信周波数をベースバンドに変換するためのアナログ受信機を含む。デジタルデータ処理ユニット(例えばDSP)は、アナログ受信機に直列に接続される。復調器8は受信したアナログ信号を復調し、周波数帯域によりまたは搬送周波数を介して送信された情報をデジタルデータに変換し、このデジタルデータをデジタル信号プロセッサDSPに利用可能とする。デジタル信号プロセッサDSPおよびデータ処理ユニットは、受信したデータを処理する。例えば、復調器8のデータ処理ユニットは、関連する送信技術用のベースバンド変調チップによって形成される。検出器3は、アップリンク接続およびダウンリンク接続が時間範囲において互いから分離されているTDDシステムや、アップリンク接続およびダウンリンク接続が周波数範囲において各々分離されているFDDシステムからの信号を検出することが可能である。
【0021】
図1に示す復調器8−1〜8−4は、出力ケーブル9−1〜9−4によってネットワーク通信インタフェース(NCI)10に接続されている。インタフェース10は、ケーブ
ル11によって検出装置1の構成論理部4に出力側で接続されている。構成論理部4は、復調器8−iによって復調される周波数範囲ΔF内の周波数帯域Δfにおいて、無線信号が様々な無線信号源から同時に送信されているか否かを確認する。送信された無線信号は、無線信号識別情報(例えば、送信無線信号源を識別するのための)を有する。無線信号識別情報によって、構成論理部4は、複数の異なる無線信号源を互いに区別し、異なる無線信号源が同じ周波数帯域Δfにおける異なる無線信号を同時に送信しているか否かを確認することが可能である。図1に示す装置1は、航空機内に搭載無線システムを実装するのに特に適切である。
【0022】
可能な一実施形態では、乗組員は、この目的のためにメモリ5において構成されている特定の周波数帯域上で搭載無線システムを介して通信を行う。乗組員用に予約されていた周波数帯域Δfにおいて他の無線源から無線信号が送信されていることを構成論理部4が確認すると直ちに、警告が、例えば、光による警告信号によって発せられる。加えて、構成論理部4は、搭載無線システムの予約済み周波数帯域Δfにおいて無許可で送信している無線信号源に対し、異なる周波数帯域Δf(好適には対応する復調器8の同じ周波数範囲ΔFにある)を割り当てる。これによって、乗組員用に予約された周波数帯域Δfが常時空きで保持されることが保証される。
【0023】
2つの無線信号源(例えば、異なるユーザの2つの異なる移動端末装置)が周波数帯域Δfにおいて無線信号を同時に送信していることを構成論理部4が検出し、空き周波数帯域Δfが依然として利用可能である場合、構成論理部4は、送信技術に従って、空き周波数帯域を1つ以上の使用に割り当てる。この結果、異なる搭載無線システムまたは移動端末装置のデータ送信レートを増大させることができる。
【0024】
可能な一実施形態では、本発明の検出装置1は複数の異なる動作モードにより動作することが可能である。例えば、構成論理部4は複数の異なる動作モードを設定するための制御信号を、制御ケーブル12を介して受信する。可能な一実施形態では、通常の動作モードODM(動作検出モード)および特別な動作モードDDM(専用検出モード)が提供される。
【0025】
動作検出モードODMは、この場合、ノンクリティカル・フライト・フェーズにおいて(すなわち、航空機がその巡航高度に達したときに)作動される。
専用検出モードDDMは、クリティカル・フライト・フェーズ(すなわち、離過程中または着陸時に)作動される。専用検出モードDDMでは、それらのクリティカル・フライト・フェーズにおいて電源が入れられてはならない無線信号源が検出される。
【0026】
動作検出モードODMでは、図1に示す4つの復調器8すべてが作動される。動作検出モードでは(すなわち、航空機がその巡航高度に達したときには)、構成論理部4は複数の無線信号源が同じ周波数帯域Δfにおいて無線信号を同時に送信しないことを保証するので、信号スペクトルは最適に用いられ、データ送信レートが増大する。さらに、構成論理部4は、予約済みの周波数帯域が乗組員間の送信および乗組員アナウンス用に空きで保持されることを保証する。
【0027】
専用検出モードDDMでは、構成論理部4は、特に復調器8−1および8−2(09.4GHz〜2.2GHzおよび2.4GHz〜2.7GHzの周波数範囲内の無線信号を復調する)の復調された信号を監視する。移動体無線電話(GSM−900、GSM−1800およびGSM−1900/WCDMAおよびUMTS 2.1)からの信号の送信は、通常、それらの周波数範囲ΔF、Δにおいて発生する。
【0028】
図3には、本発明の検出装置1の場合における複数の異なる動作モードを実装するため
の可能な一実施形態例のフローチャートを示す。
検出装置1が工程S1において電源を入れられた後、工程2にて専用検出モードDDMが作動され、動作検出モードODMは作動停止される。航空機の離陸フェーズ中には、したがって、本発明の検出装置1は専用検出モードDDMにおいて動作する。さらなる工程S3において、検出装置1は、望ましくない無線信号が存在するか否か、すなわち、復調器8によって復調される周波数範囲ΔFの周波数帯域Δfにおいて、特に、搭載無線システムの通信チャネルの予約済み周波数帯域Δfにおいて、航空機キャビン内に存在する無線信号源によって無線信号が送信されているか否かを検出する。望ましくない無線信号が存在する場合、工程S4において、構成論理部4は警告信号を発する(例えば信号灯の形態で)。
【0029】
望ましくない無線信号が存在しない場合、工程S5において、検出装置12は航空機が既にその巡航高度に到達したか否かをチェックする。可能な一実施形態では、このことはスイッチを作動させることによって乗組員により検出装置1へ通信される。代替の一実施形態では、検出装置1は所定の巡航高度に到達したか否かを自動的に検出する。巡航高度に到達した場合、したがって、航空機の離陸フェーズが完了している場合、工程S6において、構成論理部4は動作検出モードODMに切り替えられ、専用検出は作動停止される。
【0030】
動作検出モードODMでは、構成論理部4は、内部的な搭載無線システムの通信チャネルの予約済みの周波数帯域Δfにおいて、別の無線信号源からの無線信号が送信されているか否かを確認する。搭載無線システムによって提供される予約済み周波数帯域上で別の無線信号源が無線信号を送信する場合、周波数帯域構成が正しくないことが確認される。次いで、構成論理部4は、工程S8において、マッピングメモリ5に記憶された周波数帯域レイアウトによって、復調された周波数範囲ΔF内の異なる空き周波数帯域Δf’を他方の無線信号に割り当てる。内部的な搭載無線システム用に予約済みの周波数帯域は、このため、常時空きで保持される。さらに、構成論理部4は、動作検出モードODMにおいて、可能な場合、乗客の移動端末装置の無線信号源が異なる周波数帯域上でデータを送信することを保証することができるので、提供される周波数スペクトルは最適に用いられる。例えば、複数の乗客の2つの無線信号源が同じ周波数帯域Δfにおける無線信号を送信していることを構成論理部4が検出する場合、両方の移動端末装置のデータ送信レートが増大するように、両移動端末装置のうちの一方に異なる周波数帯域Δf’が割り当てられる。
【0031】
工程S9において巡航高度から逸脱したことを検出装置1が検出する場合、工程S10において専用検出モードDDMが再び作動され、動作検出モードODMは作動停止される。着陸フェーズ中、構成論理部4は工程S11において望ましくない無線信号が任意の周波数帯域Δfに存在するか否かを監視し、必要な場合、工程S12において警告信号を送信する。工程S13において航空機が着陸したことを検出装置1が検出する場合、工程S14において専用検出モードDDMおよび動作検出モードODMの両方は作動停止される。
【0032】
図4には、本発明の検出装置1の動作モードについて説明するさらなる図を示す。図4から分かるように、本発明の検出装置1は、異なる送信システム(例えば、安全関連システムAおよび非安全関連システムB)を監視する。安全関連システムAは、例えば、乗組員用の搭載無線システムである。非安全関連システムBは、例えば、W−LANネットワークによって形成される。例えば、安全関連システムAおよび非安全関連システムBの両方が同じ周波数帯域Δf上で無線信号を送信していることを検出装置1が検出する場合、検出装置12は安全関連システムAの送信器(TX)に、安全関連システムAの送信器(TX)は周波数帯域Δfにおいて送信を続行することが可能であると通知する。次いで、
非安全関連システムBの送信器(TX)は、非安全関連システムBの送信器(TX)が別の周波数帯域Δf’に移る必要があると通知される。この場合、構成論理部4は、異なるシステムA,Bの送信装置TXに制御信号を送信する。この制御信号により、新たな周波数帯域Δf’が好適にはシステムBの送信器TXへ通信される。構成論理部4は、マッピングメモリ5に記憶された周波数帯域レイアウトプランを読み出し、非安全関連システムBの送信器TXに空き周波数帯域Δf’を割り当てる。したがって、非安全関連無線信号源が安全関連システムの周波数帯域を用いているとき、または2つの送信器または無線信号源が同じ周波数帯域Δf上で送信しているとき、本発明の検出装置12による周波数帯域Δfの再構成または再割当が生じる。1つの再構成処理では安全面が優先されるが、別の再構成処理ではデータ送信レートの増大および送信誤りの最小化が重要である。
【0033】
本発明の検出装置1の場合、周波数帯域Δfの割当は、好適には、それぞれの復調器の同じ周波数範囲ΔFにおいて行われる。
内部的な搭載無線システム用に予約されている周波数帯域が存在する周波数範囲ΔFは、同じであってもよく、異なっていていてもよい。予約済みの周波数帯域Δfの数および周波数位置は、好適には自由に設定可能である。
【0034】
周波数範囲Δfの周波数帯域幅および周波数帯域Δfは、異なる実施形態では変化してよい。
【符号の説明】
【0035】
1…検出装置、2…広帯域アンテナ、3…検出器、4…構成論理部、5…メモリ、6…信号分配器、7…ケーブル、8…復調器、9…出力ケーブル、10…インタフェース、11…ケーブル、Δf…周波数帯域、ΔF…周波数範囲。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数帯域(Δf)無線信号がキャビン内の様々な無線信号源から送信される通信チャネルの検出用の装置であって、
a)キャビン内で送信される無線信号を受信する広帯域アンテナ(2)と、
b)複数の復調器(8)と、各復調器(8)は、同復調器(8)の関連周波数(ΔF)において広帯域アンテナ(2)によって受信される無線信号を復調することと、
c)復調器(8)によって復調される周波数範囲(ΔF)内の周波数帯域(Δf)において、無線信号が様々な無線信号源によって同時に送信されているか否かを確認する構成論理部(4)と、
d)構成論理部(4)は、動作検出モード(ODM)において、内部搭載無線システムの通信チャネルの周波数帯域(Δf)において、別の無線信号源から無線信号が送信されていることを確認し、他の無線信号源に対し、復調される周波数範囲(ΔF)内の別の周波数帯域(Δf)を割り当てることと、からなる装置。
【請求項2】
キャビンは航空機の航空機キャビンである請求項1に記載の装置。
【請求項3】
広帯域アンテナ(2)によって受信される無線信号を復調器(8)に適用する信号分配器(6)を含む請求項1に記載の装置。
【請求項4】
広帯域アンテナ(2)は0.4GHz〜10.6GHzの周波数範囲における無線信号を受信する請求項3に記載の装置。
【請求項5】
第1の復調器(8−1)は0.4GHz〜2.2GHzの周波数範囲における無線信号を復調し、
第2の復調器(8−2)は2.4GHz〜2.7GHzの周波数範囲における無線信号を復調し、
第3の復調器(8−3)は3.1GHz〜4.8GHzおよび6.1GHz〜10.6GHzの周波数範囲における無線信号を復調し、
第4の復調器(8−4)は5GHz〜6GHzの周波数範囲における無線信号を復調する請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の復調器は(8)共通のネットワークインタフェース(10)によって構成論理部(4)に接続されている請求項1に記載の装置。
【請求項7】
構成論理部(4)は、専用検出モード(DDM)において、復調器(8)によって復調される周波数範囲(ΔF)の周波数帯域(Δf)において、または内部搭載無線システムの通信チャネルの周波数帯域(Δf)において、キャビン内に存在する無線信号源によって無線信号が送信されていることを確認する請求項1に記載の装置。
【請求項8】
構成論理部(4)は、専用検出モード(DDM)において、キャブ内に存在する無線信号源による無線信号送信を報告する請求項7に記載の装置。
【請求項9】
無線信号源は移動端末装置である請求項1に記載の装置。
【請求項10】
無線信号源は無線信号識別情報(10)を有する請求項1に記載の装置。
【請求項11】
信号分配器(6)はデマルチプレクサである請求項3に記載の装置。
【請求項12】
無線信号が様々な無線信号源によって送信される通信チャネルを検出する方法であって

キャビン内で検出された全ての無線信号が復調されることと、復調される周波数範囲(ΔF)の周波数帯域(Δf)において、様々な無線信号源の無線信号が同時に送信されているか否かが確認されることと、
動作検出モード(ODM)において、内部搭載無線システムの通信チャネルの周波数帯域(Δf)において、別の無線信号源の無線信号が送信されているか否かが確認され、他の無線信号源に対し、復調される周波数範囲(ΔF)の別の周波数帯域(Δf)が割り当てられることと、を含む方法。
【請求項13】
無線信号源は信号識別情報を有する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
広帯域アンテナ(2)によって航空機キャビン内で09.4GHz〜10.6GHzの周波数範囲における無線信号が検出される請求項12に記載の方法。
【請求項15】
専用検出モード(DDM)において、内部搭載無線システムの通信チャネルの復調される周波数範囲(ΔF)の周波数帯域(Δf)において、キャビン内に存在する無線信号源によって無線信号が送信されているか否かが確認される請求項12に記載の方法。
【請求項16】
専用検出モード(DDM)において、キャビンに存在する無線信号源が報告される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
動作検出モード(ODM)と専用の検出モード(DDM)とは手動または自動で切り替えられる請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−531595(P2010−531595A)
【公表日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513855(P2010−513855)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【国際出願番号】PCT/EP2008/057706
【国際公開番号】WO2009/000726
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(504467484)エアバス・オペレーションズ・ゲーエムベーハー (268)
【Fターム(参考)】