説明

通信制約の間に、ページに応答するシステムおよび方法

【課題】通信制約の間に、ページに応答するシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】無線デバイスにおける方法であって、該無線デバイスは、無線ネットワーク内で動作し、該方法は、該無線ネットワークから通信を受信するステップと、該通信に応答することを制約するために、通信制約が、該ネットワークによって課されているかどうかを決定するステップと、該通信制約がある場合、該通信が、該通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定するステップと、応答されるべきと決定された場合、該通信制約に関わらず、該通信に応答するステップとを包含する、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般的に、無線通信に関し、より具体的には、ページに応答することに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
UMTS(ユニバーサルモバイル電気通信システム)ネットワークのような無線ネットワークは、そのネットワーク上での通信負荷を制御するために、アクセスクラスの禁止をインプリメントする。アクセスクラスは、その無線ネットワークによって許可されるアクセスのタイプを指示する。典型的には、通常の動作向けの10のアクセスクラスと、緊急通信または警察通信のような他の動作向けの6つのアクセスクラスを含む16の利用可能なアクセスクラスが存在する。通常動作向けのアクセスクラスは、10のクラスからなるプールからランダムに、事前に割り当てられ、SIM(加入者識別モジュール)またはUSIM(ユニバーサル加入者識別モジュール)に格納される。
【0003】
ネットワーク上での高い通信負荷を軽減するために、ネットワークは、例えば、通常のユーザ向けの10のアクセスクラスのうちの3つのアクセスクラスを禁止し得る。このネットワークとRRC(Radio Resource Control)接続を有し、3つの禁止されたアクセスクラスのいずれかに属するUMTS無線デバイスは、これらの3つのアクセスクラスが禁止された結果として、そのRRC接続を失わない。しかしながら、RRCアイドルモードにあり(すなわち、ネットワークとのRRC接続を有さず)、これらの3つの禁止されたアクセスクラスのいずれかに属する各無線デバイスは、RRC接続を確立することができない。通常、UMTS無線デバイスは、RRC CONNECTION REQUESTをネットワークに送信して、RRC接続をリクエストする。しかしながら、3GPP(第三世代パートナーシッププロジェクト)の仕様T25.304に従うと、無線デバイスは、そのアクセスクラスが禁止されているとき、RRC CONNECTION REQUESTを送信することを許可されない。無線デバイスは、ネットワークとのRRC接続を用いて、そのネットワークによって提供されるサービスにアクセスする。それゆえ、3つのアクセスクラスを禁止することは、無線デバイスがネットワークとのRRC接続を確立できないようにして、ネットワーク上での通信負荷を軽減する。3つのアクセスクラスは、ネットワーク上の通信負荷が軽減されるときに、あるいはネットワークが何らかの理由でそのようなクラスの禁止解除を決定する(例えば、ネットワークが禁止されていたアクセスクラスを許可し得、新たなアクセスクラスを禁止して、負荷を均衡することを決定する)ときに、しばらく遅れて、禁止を解除される。
【0004】
継続的に、ネットワークは、放送チャネルを介して、タイプ3の放送メッセージを用いて、システム情報を送信する。システム情報は、無線デバイスのアクセスクラスが禁止されているかどうかに、その無線デバイスが気付くようにするために、禁止されているアクセスクラスの情報を含む。したがって、RRCアイドルモードにある各無線デバイスは、RRC接続を確立するために、RRC CONNECTION REQUESTをネットワークに送信することが許可されているかどうかに気付く。
【0005】
RRC接続を有さず、禁止されているアクセスクラスに属する無線デバイスは、ページを受信するとき、その無線デバイスは、そのページに応答することを許可されない。これは、ネットワーク上の通信負荷を軽減する一方で、そのページが、緊急コールセンタからのコールバックのような重要なモバイル端末への通話に対するものであれば、問題となり得る。例えば、ユーザが緊急コールを開始し得ると、この通話は、アクセスクラス10が禁止されていない限り、許可される。しかしながら、その無線デバイスが緊急コールが終了後に、RRCアイドルモードに入っている場合、緊急コールセンタは、そのユーザと通話することができない。
【0006】
特許文献1は、アクセスクラス制約中に、優先的コールバックするシステムを開示している。この制約において、アクセスクラス10が許可されている場合、無線デバイスが緊急コールセンタに通話し得、そのセンタからコールバックを受信し得る。この開示は、通信制約がある場合の無線デバイスによる通信に応答することに対処していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2004/072784号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの広範な局面において、本出願は、好ましくは、無線デバイスにおける方法を提供する。該無線デバイスは、無線ネットワーク内で動作し、該方法は、該無線ネットワークから通信を受信するステップと、該通信に応答することを制約するために、通信制約が、該ネットワークによって課されているかどうかを決定するステップと、該通信制約がある場合、a)該通信が、該通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定するステップと、b)応答されるべきと決定された場合、該通信制約に関わらず、該通信に応答するステップとを包含する。
【0009】
別の広範な局面において、本出願は、好ましくは、無線デバイスを提供する。該無線デバイスは、無線ネットワークと通信するように適合された無線通信ラジオと;通信応答機能であって、通信制約が、通信に応答することを制約するために、該ネットワークによって課されているかどうかを決定することと、該通信制約がある場合、a)該通信が、該通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定することと、応答されるべきと決定された場合、該通信制約に関わらず、b)該通信に応答することとに適合された、通信応答機能とを備える。
【0010】
別の広範な局面において、本出願は、好ましくは、方法を提供する。該方法は、無線デバイスが通信に応答することを制約するために、通信制約を課すステップと、該無線デバイス向けの情報を送信して、通信が、該通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定するステップと、該通信を送信するステップとを包含する。
【0011】
一部の実施形態において、メッセージは、システム情報メッセージであり得る。
【0012】
一部の実施形態において、通信は、重要性の指標を備え得、上記通信が、通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかの決定は、該重要性の指標と、該通信が、該重要な通信を送信後に、所定の期間以内に受信されるかどうかとに基づく。
【0013】
一部の実施形態において、上記方法は、上記重要な通信を送信後に、タイマを開始するステップであって、該タイマは、所定の期間後に満了する、ステップをさらに包含し、上記通信が該所定の期間内に受信されるかどうかを決定するステップは、該通信が受信されたときに、該タイマが依然として稼動しているかどうかを決定するステップをさらに包含し得る。
【0014】
本発明は、さらに、以下の手段を提供する。
【0015】
(項目1)
無線デバイスにおける方法であって、該無線デバイスは、無線ネットワーク内で動作し、該方法は、
該無線ネットワークから通信を受信するステップと、
該通信に応答することを制約するために、通信制約が、該ネットワークによって課されているかどうかを決定するステップと、
該通信制約がある場合、
該通信が、該通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定するステップと、
応答されるべきと決定された場合、該通信制約に関わらず、該通信に応答するステップと
を包含する、方法。
【0016】
(項目2)
上記通信は、ページである、項目1に記載の方法。
【0017】
(項目3)
通信制約に関わらず、上記通信は、応答されるべきかどうかを決定するステップは、
該通信に重要性フィールドがあり、該重要性フィールドが高度な重要性を有することを示すかどうかを決定し、高度な重要性を有する場合は、該通信は、通信制約に関わらず、送信されるべきであると決定するステップと、
上記無線デバイスが、重要な通信を開始してから、所定の時間内に、該通信を受信されているかどうかを決定し、受信されている場合、該通信は、通信制約に関わらず、応答されるべきであると決定するステップと
を包含し、
通信は、1つ以上の基準に従って、重要であることを決定される、項目1または項目2に記載の方法。
【0018】
(項目4)
上記通信制約が課されているかどうかを決定するステップは、
上記無線デバイスが、禁止されているアクセスクラスに属するかどうかを、および該無線デバイスが、アイドルモードであるかどうかを決定するステップ
を包含する、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の方法。
【0019】
(項目5)
上記無線デバイスが、禁止されているアクセスクラスに属するかどうかを決定するステップは、
システム情報メッセージを受信するステップであって、該システム情報メッセージは、禁止されている任意のアクセスクラスの表示を備える、ステップと、
該システム情報メッセージが、該無線デバイスが属するアクセスクラスが禁止されていることを表示しているかどうかを決定するステップと
を包含する、項目4に記載の方法。
【0020】
(項目6)
上記通信制約に関わらず、上記通信に応答するステップは、
上記ネットワークへの接続を確立するステップと、
該接続を介して、該通信への応答を送信するステップと
を包含する、項目1〜項目5のいずれか1項に記載の方法。
【0021】
(項目7)
上記接続は、RRC(Radio Resource Control)接続であり、
該RRC接続を確立するステップは、RRC CONNECTION REQUESTメッセージを送信するステップを包含する、項目6に記載の方法。
【0022】
(項目8)
上記通信は、該通信が通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定するための上記無線デバイス向けの情報を備え、
該通信が、通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかの決定は、該情報に基づく、項目1〜項目7のいずれか1項に記載の方法。
【0023】
(項目9)
上記無線デバイス向けの上記情報は、重要性の指標を備え、
上記通信が、通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかの決定は、該重要性の指標に基づく、項目8に記載の方法。
【0024】
(項目10)
上記無線ネットワークからメッセージを受信するステップであって、該メッセージは、上記通信が通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定するための上記無線デバイス向けの情報を備える、ステップをさらに包含し、
該通信が、通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかの決定は、該情報に基づく、項目1〜項目7のいずれか1項に記載の方法。
【0025】
(項目11)
上記通信を受信する前に、1つ以上の基準によって決定されるような重要な情報を上記ネットワークに送信するステップをさらに包含し、
該通信が、通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかの決定は、該通信が、該重要な通信を送信後に、所定の期間以内に受信されるかどうかに基づく、項目1〜項目7のいずれか1項に記載の方法。
【0026】
(項目12)
上記重要な通信は、緊急コールセンタへの通信を備える、項目11に記載の方法。
【0027】
(項目13)
上記通信に応答することを制約するために、通信制約が、上記ネットワークによって課されているかどうかを決定するステップは、
該通信が、該ネットワークによって禁止されたアクセスクラスを用いて、受信されたかどうかを決定するステップを包含する、項目1〜項目12のいずれか1項に記載の方法。
【0028】
(項目14)
コンピュータで実行可能な命令を有するコンピュータ読み出し可能な媒体であって、該命令は、プロセッサ上で実行するために、該媒体上に格納され、コンピューティングデバイスに、項目1〜項目13のいずれか1項に記載の方法をインプリメントさせる、コンピュータ読み出し可能な媒体。
【0029】
(項目15)
無線ネットワークと通信するように適合された無線通信ラジオと、
通信応答機能であって、
通信制約が、通信に応答することを制約するために、該ネットワークによって課されているかどうかを決定することと、
該通信制約がある場合、
該通信が、該通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定することと、
応答されるべきと決定された場合、該通信制約に関わらず、該通信に応答することとに適合された、通信応答機能と
を備える、無線デバイス。
【0030】
(項目16)
無線デバイスが通信に応答することを制約するために、通信制約を課すステップと、
通信が、該通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定するために、該無線デバイス向けの情報を送信するステップと、
該通信を送信するステップと
を包含する方法。
【0031】
(項目17)
通信が、上記通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定するために、上記無線デバイス向けの情報を送信するステップは、該通信の一部として、該情報を送信するステップを包含する、項目16に記載の方法。
【0032】
(項目18)
通信ページが、上記通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定するために、上記無線デバイス向けの情報を送信するステップは、上記通信とは異なるメッセージの一部として、該情報を送信するステップを包含する、項目16に記載の方法。
【0033】
(項目19)
上記情報は、重要性の指標を備える、項目16〜項目18のいずれか1項に記載の方法。
【0034】
(項目20)
上記情報は、上記無線デバイスからの、1つ以上の基準によって決定された先の重要な通信の後、どのくらいの時間、該無線デバイスが応答することを許可されるかを指示するタイミング情報を備える、項目16〜項目18のいずれか1項に記載の方法。
【0035】
(項目21)
通信制約を課して、無線デバイスが上記通信を送信することを制約するステップは、アクセスクラスを禁止するステップを包含し、
該通信を送信するステップは、禁止された該アクセスクラスを用いて、該通信を送信することを包含する、項目16〜項目20のいずれか1項に記載の方法。
【0036】
(項目22)
項目16〜項目20のいずれか1項に記載の方法をインプリメントするのに適合される、ネットワーク。
【0037】
(項目23)
コンピュータで実行可能な命令を有するコンピュータ読み出し可能な媒体であって、該命令は、プロセッサ上で実行するために、該媒体上に格納され、コンピューティングデバイスに、項目16〜項目21のいずれか1項に記載の方法をインプリメントさせる、コンピュータ読み出し可能な媒体。
【0038】
(摘要)
無線デバイスがアイドルモードの間に、該無線デバイスのアクセスクラスが禁止されているにも関わらず、ページに応答するシステムおよび方法が、該無線デバイスに提供される。該無線デバイスは、通信制約に関わらず、該ページが応答されるべきかどうかを決定する。該ページが、通信制約に関わらず、応答されるべき場合、該無線デバイスは、該無線デバイスのアクセスクラスが禁止されているのにも関わらず、該ページに応答する。また、該無線デバイスがアイドルモードの間に、該無線デバイスのアクセスクラスが禁止されているのにも関わらず、ネットワークが該無線デバイスからの該ページを受信して、該ページへの応答を処理するシステムおよび方法も、提供される。一部のインプリメンテーションにおいて、該ネットワークは、該ページが通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定するのに有用な情報を該無線デバイスに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、実施例の無線通信システムの略図である。
【図2】図2は、ページに応答する実施例の方法のフローチャートである。
【図3】図3は、通信制約が課せられたかどうかを決定する実施例の方法のフローチャートである。
【図4】図4は、ページが通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定する実施例の方法のフローチャートである。
【図5】図5は、ページが通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定する実施例の方法のフローチャートである。
【図6】図6は、ページが通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定する実施例の方法のフローチャートである。
【図7】図7は、ページに応答する別の実施例の方法のフローチャートである。
【図8】図8は、警報メッセージの受信時にタイマを開始させる実施例の方法のフローチャートである。
【図9】図9は、ページに対する応答を受信して、処理する実施例の方法のフローチャートである。
【図10】図10は、通信制約を課する実施例の方法のフローチャートである。
【図11】図11は、通信制約に関わらず、ページが応答されるべきかどうかを示す実施例の方法のフローチャートである。
【図12】図12は、通信制約に関わらず、ページが応答されるべきかどうかを示す実施例の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
実施形態は、添付図面を参照して記載される。
【0041】
(無線通信システム)
一つの広範な局面において、本出願は、無線デバイスにおける方法を提供する。該無線デバイスは、無線ネットワーク内で動作し、該方法は、該無線ネットワークから通信を受信するステップと、該通信に応答することを制約するために、通信制約が、該ネットワークによって課されているかどうかを決定するステップと、該通信制約がある場合、a)該通信が、該通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定するステップと、b)応答されるべきと決定された場合、該通信制約に関わらず、該通信に応答するステップとを包含する。
【0042】
別の広範な局面において、本出願は、無線デバイスを提供する。該無線デバイスは、無線ネットワークと通信するように適合された無線通信ラジオと;通信応答機能であって、通信制約が、通信に応答することを制約するために、該ネットワークによって課されているかどうかを決定することと、該通信制約がある場合、a)該通信が、該通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定することと、応答されるべきと決定された場合、該通信制約に関わらず、b)該通信に応答することとに適合された、通信応答機能とを備える。
【0043】
別の広範な局面において、本出願は、方法を提供する。該方法は、無線デバイスが通信に応答することを制約するために、通信制約を課すステップと、該無線デバイスに有用な情報を送信して、通信が、該通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかを決定するステップと、該通信を送信するステップとを包含する。
【0044】
一部の実施形態において、メッセージは、システム情報メッセージである。
【0045】
一部の実施形態において、通信は、重要性の指標を備え、上記通信が、通信制約に関わらず、応答されるべきかどうかの決定は、該重要性の指標と、該通信が、該重要な通信を送信後に、所定の期間以内に受信されるかどうかとに基づく。
【0046】
一部の実施形態において、上記方法は、上記重要な通信を送信後に、タイマを開始するステップであって、該タイマは、所定の期間後に満了する、ステップをさらに包含し、上記通信が該所定の期間内に受信されるかどうかを決定するステップは、該通信が受信されたときに、該タイマが依然として稼動しているかどうかを決定するステップを包含する。
【0047】
ここに図1を参照すると、実施例の無線通信システムの略図が示される。無線通信システムは、無線接続14を介する無線デバイス10、結合20を介する緊急コールセンタ19および他の無線接続18を介する他の無線デバイス17と連結されるネットワーク15を有する。無線デバイス10は、無線アクセスラジオおよびページ応答機能12と連結されるプロセッサ13を有する。無線デバイス10は、他のコンポーネントを有し得るが、それらは、簡略化のために示されない。他の無線デバイス17は、無線デバイス10のために示されたものに類似するコンポーネントを有し得る。ネットワーク15は、ページング機能16を有し、他のコンポーネントもまた有し得るが、それらは、簡略化のために示されない。無線通信システムは、他のコンポーネントを有し得るが、それらは、簡略化のために示されない。
【0048】
図および説明は、ページング機能16を用いたページの送信およびページ応答機能16を用いてそれに応答することに言及するが、より一般的には、一部の実施形態は、ネットワークからの通信の送信および通信制約中におけるそれに対する応答に応用可能である。このような実施形態においては、通信機能および通信応答機能は、各々、ページング機能16およびページング応答機能12に取って替わる。
【0049】
動作においては、無線デバイス10は、該無線アクセスラジオ11を使用して無線接続14上でネットワーク15と通信するように適合される。通信は、例えば、他の無線デバイス17または緊急コールセンタ19のうちの1つとであり得る。通信が別の者、例えば、緊急コールセンタによって開始される場合には、次いで、ネットワークは、ページを通信を開始するために無線デバイス10に送信する。ページに対する応答は、無線デバイス10と他の者との間の通信が始まることを可能にする。
【0050】
一部の例においては、ネットワーク15は、無線デバイス10がネットワークにアクセスすることを制約する通信制約を課し、これは、無線デバイス10がページに応答することを制約することを含む。制約は、例えば、ネットワーク上の通信負荷を減少し、または均衡するために、ネットワークによって課せられ得る。該制約は、例えば、アクセスクラスの禁止であり得る。ネットワークがネットワーク上の通信負荷を制御するためにアクセスクラス禁止を課すが、モバイルの終了された通話に対するページが高度の重要性を有する場合、例えば、緊急コールセンタからのコールバックなどの場合には、問題であり得る。それゆえに、無線デバイスが、該アクセスクラスが禁止されているにも関わらず、重要な通話に応答し得るように、ネットワークとの通信を確立する必要がある。
【0051】
本出願の局面に従って、ページ応答機能12は、該ページが高度の重要性を有すると判断された場合に通信制約にも関わらず該ページに応答するように、無線デバイス10のための機能を実装する。それゆえに、重要な通信は、通信制約中に、重要ではない通信が制約されたままである一方で可能とされる。さらなる実施例の詳細は、図2から図8を参照して提供される。本出願の別の局面に従って、ページング機能16は、通信制約にも関わらず、ネットワーク15が無線デバイス10からの該ページに対する応答を受信し、処理するための機能を実装する。さらなる詳細は、図9から図12に対する参照で提供される。
【0052】
通信が、重要または高度に重要であるということは、必ずしも該通信が実際に重要な通信であることを意味しないと理解されるべきである。代わりに、それは、1つ以上の基準に従って重要であると判断された通信をいう。該1つ以上の基準は、重要な通信を他の通信から正確に識別するように設計されるが、重要でない通信が誤って重要であると判断されることもあり得る。該1つ以上の基準に対する多くの可能性がある。実施例は、以下に提供される。
【0053】
一部の実施形態においては、ページ応答機能12は、ソフトウェアで実現され、プロセッサ13上で実行される。しかしながら、より一般的には、ページ応答機能12は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたはそれらの任意の適切な組み合わせとして実装され得る。ページ応答機能12は、無線デバイス10の一部分として示されるが、より一般的には、無線通信システムの1つ以上の無線デバイス上に実装され得る。一部の実施形態においては、無線通信システムの無線デバイスのすべては、このようなページ応答機能を有する。
【0054】
一部の実施形態においては、ページング機能16は、ソフトウェアで実現され、プロセッサ上で実行される(図示されず)。しかしながら、より一般的には、ページング機能16は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたはそれらの任意の適切な組み合わせとして実装され得る。単一のコンポーネントとして示されるが、より一般的には、ページング機能16は、1つ以上のコンポーネントを有し得る。1つ以上のコンポーネントは、ネットワーク15全体に分配され、または単一のネットワークエレメント上に位置し得る。1つ以上のコンポーネントは、ネットワーク15の他のコンポーネントと統合され得る。
【0055】
一部の実施形態においては、ネットワーク15は、UMTS(世界的規模の移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunication System))ネットワークである。しかしながら、より一般的には、ネットワーク15は、UMTSネットワーク、GSMネットワークまたはCDMAネットワークなどの任意の適切なネットワークであり得る。
【0056】
(ページに応答する方法)
ここに図2を参照すると、ページに応答する実施例の方法のフローチャートが示される。この方法は、例えば、図1に示される無線デバイス20のページ応答機能12によって無線デバイスにおいて実現され得る。ステップ2−1においては、無線デバイスは、無線ネットワークからページを受信する。ステップ2−2においては、無線デバイスは、ページに対して応答することを制約するために、通信制約がネットワークによって課せられたかどうかを判断する。ステップ2−3においては、通信制約がある場合に、無線デバイスは、該ページが高度に重要であるかどうか、および該ページが高度の重要性を有すると判断された場合に、通信制約にも関わらず該ページに応答するかどうかを判断する。
【0057】
無線デバイスがページに対する応答を送信し得る方法は多数ある。一部の実施形態においては、無線デバイスは、ネットワークとの接続を確立し、接続上で該ページに対する応答を送信する。特定の実施形態においては、接続は、RRC(Radio Resource Control)接続であり、RRC接続を確立することは、RRC CONNECTION REQUESTメッセージを送信することを含む。他の実施形態も可能である。
【0058】
無線デバイスが、通信制約がページに応答することを制約するようにネットワークによって課せられたかどうかを判断し得る方法は多数ある。ここに図3を参照すると、通信制約が課せられたかどうかを判断する実施例の方法のフローチャートが示される。この方法は、例えば、図1に示される無線デバイス10のページ応答機能12によって無線デバイスにおいて実現され得る。ステップ3−1においては、無線デバイスは、禁止された任意のアクセスクラスの指標を有するシステム情報メッセージを受信する。このようなメッセージは、所定の周波数を介してネットワークによって継続ベースで放送される。ステップ3−2においては、無線デバイスは、システム情報メッセージが無線デバイスが属するアクセスクラスが禁止されたことを示すかどうかを判断する。無線デバイスが禁止されたアクセスクラスに属し、無線デバイスがアイドルモードにある場合には、次いで、無線デバイスは、通信を送受信することを制約される。
【0059】
一部の実施形態においては、無線デバイスのアクセスクラスが禁止されるとしても、無線デバイスは、無線デバイスが属するアクセスクラス以外の別のアクセスクラスを使用して通信を送信し得る。例えば、一部の実施形態においては、無線デバイスは、緊急のアクセスクラスを使用して緊急コールセンタに通信を送信する。一般的には、緊急のアクセスクラスは、可能な限り緊急コールを可能にするように、禁止されない。それゆえに、無線デバイスが禁止されたアクセスクラスに属し、無線デバイスがアイドルモードにある場合には、無線デバイスは、なお、緊急のアクセスクラスを使用して緊急コールをし得る。
【0060】
幾つかの例においては、無線デバイスのユーザは、緊急コールセンタに通話するが、何らかの理由で、該ユーザは、自分の通信を完了できなくなることがあり得る。例えば、無線デバイスと無線ネットワークとの間の無線接続は、不十分で、それらの会話中に動作可能ではなくなるかもしれない。それゆえに、該通話は、時期尚早に終了する。このようなシナリオにおいては、緊急コールセンタにおけるオペレータは、無線デバイスのユーザにコールバックしようと試みるかもしれない。別の実施例としては、ユーザは、オペレータと直接的に話し得ず、代わりに、ボイスメッセージを残す。このようなシナリオにおいては、オペレータは、無線デバイスのユーザにコールバックしようと試みるかもしれない。
【0061】
緊急コールセンタからのコールバックは、該コールを設定するために無線デバイスにページを送信するネットワークを含むモバイルの終了された通話である。しかしながら、一部の実施形態においては、ページは、無線デバイスが属し、緊急のアクセスクラスではないアクセスクラスを使用して送信される。一部の実施形態においては、緊急コールセンタからのコールバックは、ページングメッセージに示されない。したがって、無線デバイスは、該ページに応答することにおいて制約される。無線デバイスは、無線デバイスが属するアクセスクラスが、緊急コールセンタへの最初の通話の前または後に禁止されるかどうかに関わらず制約される。これは、無線デバイスが、本明細書中で記載された方法を使用して応答することを可能となり得る重要な通信の実施例である。
【0062】
無線デバイスがページが通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを判断し得る方法は多数ある。ここに図4〜図6を参照すると、ページが通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを判断する実施例の方法のフローチャートが示される。これらの方法のうちの任意の1つ以上の方法は、例えば、図1で示される無線デバイス10のページ応答機能12によって無線デバイスにおいて実現され得る。
【0063】
最初に図4を参照すると、ステップ4−1においては、無線デバイスは、ページが通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを無線デバイスが判断するのに有用な情報を有する、無線ネットワークからのページを受信する。ステップ4−2においては、無線デバイスは、ページが該情報に基づいて通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを判断する。
【0064】
無線デバイスがページが通信制約にも関わらず応答するべきかどうかを判断するのに有用である情報に対する可能性は多数ある。一部の実施形態においては、該情報は、ページが通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかの重要性の指標を含む。したがって、無線デバイスは、ページが、該重要性の指標に基づいて通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを判断し得る。他の実施形態においては、該情報は、先の重要な通信の後どれくらいの間その後の通信が重要であると考えるべきかを示すタイマ情報を含む。該タイミング情報は、ページが先の情報と関係することを推論するために無線デバイスによって使用され得る。この手法の特定の実施例は、以下に記載される。
【0065】
無線デバイスがページが通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを判断するのに有用である情報を該ページが提供され得る多くの方法がある。特定に実施例においては、重要性の指標は、該ページ内の単一のビットによって示される。したがって、無線デバイスは、ページが通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを判断するために該単一のビットを解読する。他の実施形態も可能である。
【0066】
ここに図5を参照すると、無線デバイスは、ページが通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを判断する別の実施例の方法のフローチャートが示される。ステップ5−1においては、無線デバイスは、ページが通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを無線デバイスが判断するのに有用である、情報を有する無線ネットワークからのメッセージを受信する。該情報を有するメッセージは、別個であり、ページから区別される。ステップ5−2においては、無線デバイスは、該情報に基づいてページが通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを判断する。
【0067】
該メッセージに対する可能性は多数ある。一部の実施形態においては、該メッセージは、すべての無線デバイスに共通の情報を伝達するシステム情報メッセージである。他の実施形態も可能である。
【0068】
該メッセージが、無線デバイスがページが通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを判断するのに有用な情報を用いて提供され得る方法は多数ある。特定の実施例においては、タイミング情報は、該メッセージ内の複数のビットによって示される。該情報は、例えば、システム情報メッセージにおいて無線ネットワークによって伝達され得る。したがって、無線デバイスは、該タイミング情報を判断するために複数のビットを解読する。他の実施形態も可能である。
【0069】
ここに図6を参照すると、ページが通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを判断するなお別の実施例の方法のフローチャートが示される。ステップ6−1においては、無線デバイスは、ページを受信する前にネットワークに重要な情報を送信する。ステップ6−2においては、無線デバイスは、ページが重要な情報を送信した後に既定の時間内に受信されたかどうかに基づいて、通信制約にも関わらず該ページが応答されるべきかどうかを判断する。
【0070】
重要な通信に対する可能性は多数ある。重要な情報は、例えば、緊急コールセンタとの通信であり得る。他の可能性は存在する。一部の実施形態においては、無線デバイスは、911などの緊急番号の記録を維持し、該通信が重要であるかどうかを判断するために維持された記録に対して通話された番号を比較する。
【0071】
既定の時間に対する可能性は多数ある。一部の実施形態においては、既定の時間は、無線デバイスがページが重要な通信に応答していると合理的に推論し得るように、適切なものとして設計される。一部の実施形態においては、既定の時間は動的である。他の実施形態においては、既定の時間は静的である。特定の実施形態においては、ネットワークによる既定の時間が利用可能でない場合に、既定の時間は、モバイルデバイス上で、例えば、60秒に事前に既定され得る。他の実施形態も可能である。
【0072】
重要な通信を送信した後の既定の時間内にページが受信されたかどうかを判断する方法は多数ある。一部の実施形態においては、タイマは、該タイマが既定の時間に基づいて時間切れになるように、重要な通信を完了した後に開始される。該タイマが起動している場合には、すなわち、過ぎた既定の時間内に重要な通信がなされた。該タイマが起動していない場合には、すなわち、過ぎた既定の時間内に重要な通信がなされなかった。この方式でのタイマの使用は、例示目的のためだけの非常に特定された実施形態であることは理解されるべきである。タイマを有しようと有さずとも他の実施形態も可能である。無線デバイスがネットワークからタイミング情報を受信する実施例は既に提供された。
【0073】
ここに図7を参照すると、ページに応答する別の実施例の方法のフローチャートが示される。この方法は、例えば、図1に示される無線デバイス10のページ応答機能12によって無線デバイスで実現され得る。該実施例の方法は、実施例を示す目的に限っているため、非常に特定されていることが理解されるべきである。
【0074】
ステップ7−1においては、無線デバイスはページを受信し、次いで、ステップ7−2からステップ7−4を経由して、無線デバイスは、ステップ7−5において該ページを放棄するか、またはステップ7−6において該ページに応答するかどうかを判断する。ステップ7−2において無線デバイスのアクセスクラスが禁止されない場合には、次いで、ステップ7−6において無線デバイスは、該ページに応答する。そうでなければ、ステップ7−3において無線デバイスは、該ページに重要性の指標があるかどうかを判断する。該ページが重要であることを示す重要性の指標がある場合には、次いで、ステップ7−6において無線デバイスは、該ページに応答する。そうでなければ、ステップ7−4において無線デバイスは、タイマ、Tecb(緊急コールバックする者のためのタイマ)が起動しているかどうかを判断する。タイマTecbは、重要な通信の後に開始され、既定の時間後に時間切れになる。それゆえに、Tecbが今も起動している場合には、すなわち、該ページは、重要な通信の後の既定の時間内に受信された。Tecbが起動している場合には、次いで、ステップ7−6において無線デバイスは、ページに応答する。そうでなければ、無線デバイスは、ステップ7−5においてページを放棄する。これは、モバイルデバイスが緊急状態において外部の通話者である緊急コールセンタに応答することを可能にする。
【0075】
タイマTecbが開始され得る方法は多数ある。ここに図8を参照すると、警報メッセージの受信時にタイマを開始させる実施例の方法のフローチャートが示される。この方法は、例えば、図1に示される無線デバイス10のページ応答機能12によって無線デバイスにおいて実現され得る。該実施例の方法は、実施例の目的だけの非常に特定するものであることが理解されるべきである。
【0076】
ステップ8−1においては、無線デバイスは、起動している場合には、タイマTecbを停止する。Tecbは、直近の緊急コールがなされた後に開始される。該タイマは、ユーザが短時間に2つの緊急コール番号を通話する場合であって現在の緊急コールを処理する場合には、すでに起動している。ステップ8−2においては、無線デバイスは、例えば、緊急コールセンタに緊急コールを通話する。上述のように、該緊急コールは時期尚早に終了する状態にあり得る。ステップ8−3においては、受信側(例えば、緊急コールセンタ)がコール設定要求を受信し、通話者を呼び出ししていることを示す警報メッセージが受信され得る。より一般的には、ネットワークが緊急コール/試みに気付いたことを、デバイスが判断するように可能化するネットワークからの任意の形式の確認通知が考えられ、例えば、確立原因=「緊急コール」を伴うRRC接続要求に応答するRRC接続設定として考えられる。ステップ8−4において無線デバイスが警報メッセージを受信する場合には、次いで、タイマTecbは、開始されることとなる。タイマTecbは、値がシステム情報メッセージに容認されるかどうかに依存する初期値をもって開始される。ステップ8−4において無線デバイスがタイマTecbに対する値を容認する場合には、次いで、ステップ8−5においては、タイマTecbは、該システム情報メッセージで特定された値をもって開始される。この方式では、ネットワークは、ページに応答することを制約する通信制約があるかどうかに関わらず、無線デバイスが受信されたページが応答され得るタイムウィンドウを決定するためのタイミング情報を提供した。しかしながら、タイマTecbに対する値がシステム情報メッセージで容認されない場合には、次いで、ステップ8−6においては、無線デバイスは、デフォルト値を用いてタイマTecbを開始する。デフォルト値は、例えば、60秒であり得る。この方式で、無線デバイスは、ネットワークがページに応答することを制約する通信制約があるかどうかに関わらず、受信されたページが応答され得るデフォルトのタイムウィンドウを判断する。
【0077】
(ページングの方法)
ここに図9を参照すると、通信制約に関わらず無線デバイスがページに応答することを可能にすることにネットワークが参加する実施例の方法のフローチャートが示される。この方法は、例えば、図1に示されるネットワーク15のページング機能16によってネットワークにおいて実現され得る。ステップ9−1においては、ネットワークは、無線デバイスがページに応答することを制約するために通信制約を課す。代替的に、通信制約は、ページが送信される前に、または該ページが送信されると同時に課せられ得る。ステップ9−2においては、ネットワークは、無線デバイスが通信制約にも関わらずページが応答されるべきかどうかを判断するのに有用である情報を有するページを無線デバイスに送信する。ネットワークが通信制約のために無線デバイスがページに応答することを制約するための通信制約を課し得る方法は多数ある。ここに図10を参照すると、通信制約を課する実施例の方法のフローチャートが示される。この方法は、例えば、図1に示されるネットワーク15のページング機能16によってネットワークで実現され得る。ステップ10−1においては、無線デバイスがアイドルモードである間、ネットワークは、無線デバイスが属するアクセスクラスを制約する無線デバイスは、無線デバイスが属するアクセスクラスが初めに禁止される時にアイドルモードであってもよいし、アイドルモードでなくてもよい。しかしながら、該アクセスモードが禁止されている間に、無線デバイスがアイドルモードであると、ネットワークとの接続を確立するための無線デバイスの能力は制約される。それゆえに、無線デバイスは、ページに応答することを制約される。
【0078】
ページに応答するための無線デバイスの能力を制約することは、ネットワーク上の通信負荷を減少する。しかしながら、ページが通信制約にも関わらず応答されるべき場合には、次いで、無線デバイスは、ページに応答し得る。一部の実施形態においては、ネットワークは、無線デバイスが、ページが通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを判断するのに有用である、無線デバイスに対する情報を送信する。他の実施形態においては、ネットワークは、そのような情報を無線デバイスに送信しない。したがって、無線デバイスは、ネットワークからの情報なしに通信制約にも関わらずページが応答されるべきかどうかを判断する。一部の実施形態においては、ネットワークは、他の状況においては情報を送信しないが、特定の状況ではそのような情報を送信する。そのような状況は、例えば、ネットワークが利用可能なそのような情報を有するかどうかであり得る。
【0079】
ネットワークが、無線デバイスは、通信制約にも関わらずページが応答されるべきかどうかを判断するのに有用である情報を無線デバイスに提供し得る多くの方法がある。ここに図11を参照すると、無線デバイスは、通信制約にも関わらずページが応答されるべきかどうかを判断するのに有用である情報を提供する実施例の方法のフローチャートが示される。この方法は、例えば、図1に示されるネットワーク15のページング機能16によってネットワークで実現され得る。
【0080】
最初に図11を参照すると、ステップ11−1においては、ネットワークは、無線デバイスがページに応答することを制約するように通信制約を課す。代替的に、通信制約は、ページが送信される前に、またはページが送信されるのと同時に課せられ得る。ステップ11−2においては、ネットワークは、無線デバイスが通信制約にも関わらずその後のページが応答されるべきかどうかを判断するのに有用な情報を有するメッセージを無線デバイスに送信する。該メッセージは、例えば、システム情報メッセージであり得る。該メッセージが、無線デバイスが通信制約にも関わらずページが応答されるべきかどうかを判断するのに有用である情報を提供され得る方法は多数ある。実施例は上に提供された、それゆえに、繰り返されない。
【0081】
無線デバイスが通信制約にも関わらずページが応答されるべきかどうかを判断するのに有用な情報に対する可能性は多数ある。一部の実施形態においては、ネットワークが、ページが通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを判断する場合には、該情報は、ページが通信制約にも関わらず応答されるべきことを示す重要性の指標を含む。他の実施形態においては、該情報は、無線デバイスからの通信が可能とされるべき、先のインポート通信に続く期間を示すタイミング情報を含む。それゆえに、無線デバイスが重要な通信を最近送信した場合には、タイミング情報は、これを示し、無線デバイスは、該ページがその重要な通信と関係することを推論し得る。他の実施形態も可能である。
【0082】
ネットワークが、通信制約にも関わらずページが応答されるべきかどうかを判断し得る方法は多数ある。一部の実施形態においては、ページが緊急コールセンタからのコールバックを確立する場合には、次いで、ネットワークは、ページが通信制約にも関わらず応答されるべきことを判断する。しかしながら、ページが幾つかの他の通常のモバイルの終了された通話を確立する場合には、ネットワークは、該ページが高度の重要性を有しないと判断する。他の実施形態も可能である。
【0083】
ここに図12を参照すると、ページが通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを示す実施例の方法のフローチャートが示される。この方法は、例えば、図1に示されるネットワーク15のページング機能16によってネットワークにおいて実現され得る。実施例の方法は、実施例を示す目的に限られているため、非常に特定されていることが理解されるべきである。
【0084】
ステップ12−1においてネットワークは、モバイルの終了された通話を受信した場合において、次いで、ステップ12−2においては、ネットワークは、モバイルの終了された通話が緊急コールセンタからのコールであるかどうかを判断する。ネットワークが該モバイルの終了された通話が緊急コールセンタからのコールであると判断する場合には、次いで、ステップ12−3においては、該ネットワークは、ステップ12−4においてモバイルの終了された通話に関してページングを開始する前に、重要性の指標を使用してページングメッセージにおける通信制約に関わらずページが応答されるべきことを示す。該重要性の指標は、無線デバイスがページが通信制約にも関わらず応答されるべきかどうかを判断することを可能にする。しかしながら、ネットワークがモバイルの終了された通話が緊急コールセンタからのコールであると判断しない場合には、次いで、ステップ12−4においては、ネットワークは、重要性の指標なしに無線デバイスにページングすることを開始する。
【0085】
本出願の多数の変更例および変形例は、上述の教示に照らして可能である。それゆえに、添付された特許請求の範囲内で、本出願は本明細書中に具体的に記載される以外の他の方法でも実施され得ると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0086】
10 無線デバイス
11 無線アクセスラジオ
12 ページング応答機能
13 プロセッサ
14 無線接続
15 ネットワーク
16 ページング機能
17 他の無線デバイス
18 他の無線接続
19 緊急コールセンタ
20 結合

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワーク内で動作する無線デバイスにおいて実行される方法であって、
前記方法は、
前記無線ネットワークとのRRC(Radio Resource Control)接続を介してモバイル開始通話を送信することであって、前記モバイル開始通話は、1つ以上の基準によって重要であると決定されており、かつ、前記無線デバイスが属しているアクセスクラスが禁止されていないときに開始される、ことと、
前記モバイル開始通話を送信した後に、RRCアイドルモードに入り、通信制約を課すシステム情報メッセージを受信することであって、前記システム情報メッセージは、前記無線デバイスが属しているアクセスクラスが禁止されていることを示す、ことと、
モバイル終了通話のために前記無線ネットワークからページを受信することと、
前記モバイル開始通話を送信した後の所定の期間内に前記ページが受信された場合に、前記通信制約に関わらず前記ページに応答することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記モバイル開始通話が緊急コールセンタへの通信を含むことと、
前記モバイル終了通話が前記緊急コールセンタからのコールバックであることと
のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記通信制約に関わらずページに応答することは、
前記ネットワークへの接続を確立することと、
前記接続を介して、前記ページに対する応答を送信することと
を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記接続は、第2のRRC接続であり、
前記第2のRRC接続を確立することは、RRC CONNECTION REQUESTメッセージを送信することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記無線ネットワークから第2のメッセージを受信することをさらに含み、
前記第2のメッセージは、前記通信制約に関わらず前記ページに応答すべきかどうかを前記無線デバイスが決定するための情報を含み、
前記通信制約に関わらず前記ページに応答することは、前記情報にさらに基づく、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記情報は、前記モバイル開始通話の後どれくらいの間その後の通信が重要であると考えるべきかを示すタイマ情報を含み、
前記通信制約に関わらず前記ページに応答することは、前記タイマ情報に基づく、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記モバイル開始通話を送信した後にタイマを開始することをさらに含み、
前記タイマは、前記所定の期間後に満了する、ことと、
前記通信制約に関わらず前記ページに応答することは、前記ページが受信されたときに前記タイマが依然として稼動している場合に前記ページに応答することを含む、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記無線ネットワークから前記所定の期間の指標を受信すること、または、
前記所定の期間が前記無線ネットワークによって示されていない場合に、前記所定の期間に対して所定の一定値を用いること
をさらに含む、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の方法をインプリメントするようにプロセッサ上で実行するためのコンピュータで実行可能な命令が格納された非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項10】
無線ネットワークと通信するように構成された無線アクセスラジオと、通信応答機能とを備える無線デバイスであって、
前記通信応答機能は、
前記無線ネットワークとのRRC(Radio Resource Control)接続を介してモバイル開始通話を送信することであって、前記モバイル開始通話は、1つ以上の基準によって重要であると決定されており、かつ、前記無線デバイスが属しているアクセスクラスが禁止されていないときに開始される、ことと、
前記モバイル開始通話を送信した後に、RRCアイドルモードに入り、通信制約を課すシステム情報メッセージを受信することであって、前記システム情報メッセージは、前記無線デバイスが属しているアクセスクラスが禁止されていることを示す、ことと、
モバイル終了通話のために前記無線ネットワークからページを受信することと、
前記モバイル開始通話を送信した後の所定の期間内に前記ページが受信された場合に、前記通信制約に関わらず前記ページに応答することと
を実行するように構成されている、無線デバイス。
【請求項11】
モバイル開始通話を受信することと、
1つ以上の基準に基づいて前記モバイル開始通話が重要であるかどうかを決定することと、
前記モバイル開始通話が1つ以上の基準によって重要であると決定された場合に、RRC(Radio Resource Control)アイドルモードにある間に、ページへの応答を制約するアクセスクラス禁止に関わらずにページに応答するかどうかを前記無線デバイスが決定するための情報を含むメッセージを伝送することであって、前記メッセージは、前記ページから区別され、かつ、別個である、ことと、
前記ページを送信するステップと
を包含する、方法。
【請求項12】
前記情報は、重要性の指標を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記情報は、前記モバイル開始通話の後、どのくらいの時間、前記無線デバイスが前記ページに応答することを許可されるかを示すタイミング情報を含む、請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記無線デバイスが属しているアクセスクラスを禁止することによって、前記無線デバイスが通信に応答することを制約するようにアクセスクラス禁止を課すことをさらに含む、請求項11〜請求項13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
請求項11〜請求項14のいずれか1項に記載の方法をインプリメントするようにプロセッサ上で実行するためのコンピュータで実行可能な命令が格納された非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項16】
請求項11〜請求項14のいずれか1項に記載の方法をインプリメントするように構成された1つ以上のネットワークコンポーネント。
【請求項17】
無線ネットワーク内で動作する無線デバイスにおいて実行される方法であって、
前記方法は、
前記無線ネットワークに第1の通信を送信することであって、前記第1の通信は、1つ以上の基準によって重要であると決定されている、ことと、
第2の通信への応答を制約するアクセスクラス禁止に関わらずに第2の通信に応答するかどうかを決定するための情報を受信することであって、前記情報は、前記第1の通話の送信の後、前記無線デバイスが前記第2の通信に応答することを許可される所定の期間を示すタイミング情報を含む、ことと、
前記無線ネットワークから前記第2の通信を受信することと、
前記第1の通信を送信した後の所定の期間内に前記第2の通信が受信された場合に、前記第2の通信に対する応答を制約するアクセスクラス禁止に関わらず、前記第2の通信に応答することと
を含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法をインプリメントするようにプロセッサ上で実行するためのコンピュータで実行可能な命令が格納された非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項19】
無線ネットワークと通信するように構成された無線アクセスラジオと、通信応答機能とを備える無線デバイスであって、
前記通信応答機能は、
前記無線ネットワークに第1の通信を送信することであって、前記第1の通信は、1つ以上の基準によって重要であると決定されている、ことと、
第2の通信への応答を制約するアクセスクラス禁止に関わらずに第2の通信に応答するかどうかを決定するための情報を受信することであって、前記情報は、前記第1の通話の送信の後、前記無線デバイスが前記第2の通信に応答することを許可される所定の期間を示すタイミング情報を含む、ことと、
前記無線ネットワークから前記第2の通信を受信することと、
前記第1の通信を送信した後の所定の期間内に前記第2の通信が受信された場合に、前記第2の通信に対する応答を制約するアクセスクラス禁止に関わらず、前記第2の通信に応答することと
を実行するように構成されている、無線デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−176841(P2011−176841A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61406(P2011−61406)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【分割の表示】特願2007−203678(P2007−203678)の分割
【原出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(500043574)リサーチ イン モーション リミテッド (531)
【氏名又は名称原語表記】Research In Motion Limited
【住所又は居所原語表記】295 Phillip Street, Waterloo, Ontario N2L 3W8 Canada
【Fターム(参考)】