説明

通信品質推定装置、基地局装置、通信品質推定方法、及び通信品質推定プログラム

【課題】無線スケジューリングに用いられる情報が示すチャネル品質と、無線スケジューリング結果に基づいて通信する際のチャネル品質との差を低減させる。
【解決手段】通信品質推定装置は、複数の端末装置と基地局装置との間の伝送路におけるチャネル品質を示すチャネル品質情報をサブフレームごとに複数の端末装置から受信するチャネル情報取得部と、端末装置ごとに、今までに端末装置から受信したチャネル品質情報を平滑化した平滑化チャネル品質情報を算出する平滑演算部と、複数の端末装置それぞれの識別子に対応付けて平滑演算部が算出した平滑化チャネル品質情報を記憶する平滑化情報記憶部とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信品質推定装置、基地局装置、通信品質推定方法、及び通信品質推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
次世代の移動通信方式として、3GPP(Third Generation Partnership Project)の標準規格LTE(Long Term Evolution)が高速・広帯域伝送を実現するものとして知られている(例えば、非特許文献1)。LTE標準規格では、下りリンク(基地局装置から端末装置へのリンク)の伝送方式として直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:OFDMA)方式が採用されている。
OFDMA方式は、周波数が互いに直交する複数のサブキャリアから構成される広帯域信号を用いて通信を行うマルチキャリア伝送方式の一つであり、ユーザ(端末装置)ごとに異なるサブキャリアを使用することで、1つの基地局装置と複数の端末装置とを接続する多元接続を実現する。
【0003】
OFDMA方式では、基地局装置は、端末装置からフィードバックされ、基地局装置と端末装置との間のチャネル品質を示すチャネル品質情報(Channel quality indicator;CQI)に基づいて、サブキャリアを端末装置に割り当てる。基地局装置がサブキャリアを端末装置に割り当てることを無線スケジューリングと呼び、また、その機能を担うのは基地局装置に設けられている無線スケジューラである。
図7は、OFDMA方式の下りリンクの無線フレーム構成例を示す図である。図7(a)に示す無線フレームは、LTE標準規格に準拠し、複数のサブフレームから構成されている。LTEの無線スケジューラでは、サブフレーム(1ms)単位で無線スケジューリングを行うのが一般的である。
下りリンクの無線スケジューラは、端末装置が基地局装置にフィードバックするチャネル品質情報に基づいて、無線スケジューリングを行う。LTEでは、システムの全周波数帯域に対するCQIと、システム帯域内の一部の周波数帯域に対するCQIと2つのCQIをフィードバックする。前者をワイドバンドCQI(Wideband CQI)といい、後者をサブバンドCQI(Subband CQI)という。
【0004】
図7(b)は、LTEにおけるサブバンドの一例を示す図である。同図の例では、システム帯域幅が10MHzであり、RB(Resource Block;リソースブロック)数が50の場合である。このRBは、サブキャリアの集合で無線スケジューリングの周波数軸上における割り当ての最小単位である。更に、同図に示すように、サブバンド・サイズは6RBである。このとき、サブバンドCQIは、サブバンドに割り当てられているRB(周波数帯域)に対応するチャネル品質を示す。
【0005】
また、LTEではMIMO(Multiple-input Multiple-output;多入力多出力)を適用することが規格上で規定されている。MIMOは、大きく分けて2つの種類のMIMOに分類される。1つは、端末装置が選択するプレコーディング情報を上りリンクを使って基地局装置にフィードバックし、基地局装置がフィードバックされたプレコーディング情報を用いて、各アンテナから送出するデータの振幅、及び位相を決定するクローズド・ループ(Closed-loop)型のMIMO(以下、クローズド・ループMIMOという)である。もう1つは、端末装置からのプレコーディング情報を用いずに基地局装置において得られる情報を用いて、各アンテナから送出するデータの振幅、及び位相を決定するオープン・ループ(Open-loop)型のMIMO(以下、オープン・ループMIMOという)である。なお、プレコーディング情報は、LTEにおいて、基地局装置及び端末装置が予め有するコードブックに含まれるプレコーディング行列を識別するPMI(Precoding matrix indicator;プリコーディング行列インデックス)を用いて表される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP TS36.211, "Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA); Physical channels and modulation", 2009-12
【非特許文献2】3GPP TS36.213, "Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA); Physical layer procedures", 2009-09
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、LTEの規格において、端末装置がn番目のサブフレームでフィードバックするCQIは、(n−4)番目のサブフレームのチャネル品質のみを用いて決めるという仕様になっている。このため、4サブフレーム前(4[ms]前)のCQIを用いて、無線スケジューラが無線スケジューリングを行うと、伝送路環境における一時的な変化が大きい場合、伝送路環境に応じた無線スケジューリングを行えないことがある。
例えば、隣接する基地局装置又は他の端末装置からの干渉がサブフレームごとに変化する場合、基地局装置が端末装置に対してn番目のサブフレームにおける無線スケジューリングをすると、無線スケジューリングの元になる(n−4)番目のサブフレームのCQIが示すチャネル品質と、n番目サブフレームのチャネル品質とは異なる可能性がある。そのため、端末装置における受信誤り率が目標値を達成するように、無線スケジューラが無線スケジューリングをしても、達成できない場合がある。
【0008】
また、OFDMA方式を用いたセルラシステムでは、隣接するセクタとの境界近傍に位置する端末装置に対して割り当てたサブバンドと同一のサブバンドが、隣接するセクタの基地局装置に接続する端末装置に割り当てられた場合、端末装置は互いに干渉し合うことになる。この干渉は、各端末装置の下りリンクの送信が同じサブフレームであるときのみに生じるため、隣接するセクタの基地局装置による送信の有無によりCQIが大きく変動する。基地局装置の送信の有無は一般にサブフレームごとに変わるので、(n−4)番目のサブフレームのCQIを用いた無線スケジューリングでは、送信時におけるチャネル品質に応じた無線リソースの割り当てを行うことができない可能性がある。このような干渉の変動は、隣接するセクタの基地局装置の下りリンクのトラヒック量がさほど多くない環境にて顕著に現れ、伝送路環境に応じた無線スケジューリングを行えない原因の一つとなる。
【0009】
また、クローズド・ループMIMOを採用したOFDMA方式のセルラシステムでは、端末装置がCQIとPMIとを基地局装置にフィードバックする。このとき、フィードバックするCQIは、下りリンクにおいて使用するPMIにより示されるプレコーディング行列を用いることを前提にしたCQIである。また、隣接するセクタから受ける干渉が、フィードバックしたCQI及びPMIを決定したときとほぼ同じ干渉であることを前提にして無線スケジューリングが行われる。そのため、隣接するセクタの同一サブバンドにおいてもクローズド・ループMIMOが適用されていた場合、隣接するセクタの同一サブバンドにおけるPMIが変化すると、当該サブバンドにおける干渉が大きく変化する。
【0010】
例えば、隣接するセクタの同一サブバンドにスケジューリングされた端末装置BがPMI=0を使用したサブフレームにおいて、端末装置AがCQI及びPMIを算出する。その後に、端末装置Aが算出したCQI及びPMIを用いて送信するサブフレームにおいて、隣接するセクタの同一サブバンドにスケジューリングされた端末装置CがPMI=1を用いた送信を行うと、端末装置Aでの干渉が大きく変化する。このように、無線スケジューラが、フィードバックされたCQI及びPMIに基づいて無線スケジューリングを行っても、伝送路環境に応じた無線スケジューリングを行えず、受信誤り率の目標値を達成できないことがある。
【0011】
上述のように、無線スケジューリングに用いられる情報(CQI)が示すチャネル品質と、当該情報を用いた無線スケジューリングの結果を用いて通信を行う際の伝送路環境におけるチャネル品質とに、干渉の有無などにより差が生じる場合、伝送路環境に応じた無線スケジューリングが行えないことがあるという問題があった。
【0012】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、無線スケジューリングに用いられる情報が示すチャネル品質と、無線スケジューリング結果に基づいて通信する際のチャネル品質との差を低減させることができる通信品質推定装置、基地局装置、通信品質推定方法、及び通信品質推定プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
[1]上記問題を解決するために、本発明は、複数の端末装置と基地局装置との間の伝送路におけるチャネル品質を示すチャネル品質情報をサブフレームごとに前記複数の端末装置から受信するチャネル情報取得部と、前記端末装置ごとに、今までに端末装置から受信した前記チャネル品質情報を平滑化した平滑化チャネル品質情報を算出する平滑演算部と、前記複数の端末装置それぞれの識別子に対応付けて前記平滑演算部が算出した平滑化チャネル品質情報を記憶する平滑化情報記憶部とを備えていることを特徴とする通信品質推定装置である。
【0014】
[2]また、本発明は、上記に記載の発明において、前記端末装置と前記基地局装置とは、予め定められた複数の周波数帯域のうちいずれかを用いて無線通通信を行い、前記平滑演算部は、更に、前記端末装置と前記周波数帯域との組合せごとに、前記平滑化チャネル品質情報を算出し、前記平滑化情報記憶部は、前記端末装置と前記周波数帯域との組合せそれぞれに対応付けて前記平滑化チャネル品質情報を記憶することを特徴とする。
[3]また、本発明は、上記に記載の発明において、前記端末装置と前記基地局装置とは、クローズド・ループMIMOが適用された無線通信を行い、前記平滑演算部は、更に、並列に送信する信号系列数、及び前記信号系列を識別する識別子の組合せごとに、前記平滑化チャネル品質情報を算出し、前記平滑化情報記憶部は、更に、並列に送信する信号系列数、及び前記信号系列を識別する識別子の組合せそれぞれに対応付けて前記平滑化チャネル品質情報を記憶することを特徴とする。
【0015】
[4]また、本発明は、上記に記載の発明において、前記平滑演算部は、現在のサブフレームにおいて受信されたチャネル品質情報と、該チャネル品質情報に対応する端末装置の前記平滑化チャネル品質情報とそれぞれに対して予め定められた忘却係数を乗算し、乗算結果の合計値を新たな前記平滑化チャネル品質情報にする更新をサブフレームごとに行うことを特徴とする。
[5]また、本発明は、上記に記載の発明において、前記平滑演算部は、現在のサブフレームにおいてチャネル品質情報が受信されない場合、最後に受信したチャネル品質情報と、当該チャネル品質情報に対応する端末装置の前記平滑化チャネル品質情報とそれぞれに対して前記忘却係数を乗算し、乗算結果の合計値を新たな前記平滑化チャネル品質情報にする更新をサブフレームごとに行うことを特徴とする。
[6]また、本発明は、上記に記載の発明において、前記平滑演算部は、現在のサブフレームにおいてチャネル品質情報が受信されない場合に、最後にチャネル品質情報を受信してから予め定められた期間が経過していたとき、予め定められた初期値と、前記平滑化チャネル品質情報とそれぞれに対して前記忘却係数を乗算し、乗算結果の合計値を新たな前記平滑化チャネル品質情報にする更新をサブフレームごとに行うことを特徴とする。
【0016】
[7]また、本発明は、上記に記載の発明において、前記平滑演算部は、前記端末装置の移動により生じる搬送波周波数の変化量に基づいて、予め定められた複数の忘却係数からいずれか一つを選択し、選択した忘却係数を用いて前記平滑化チャネル品質情報を更新することを特徴とする。
[8]また、本発明は、上記に記載の発明において、前記平滑演算部は、前記基地局装置に隣接する基地局装置における無線リソースの使用率に基づいて、予め定められた複数の忘却係数からいずれか一つを選択し、選択した忘却係数を用いて前記平滑化チャネル品質情報を更新することを特徴とする。
[9]また、本発明は、上記に記載の発明において、前記平滑演算部は、前記基地局装置に隣接する基地局装置と通信する端末装置のうちクローズド・ループMIMOを適用した通信を行う端末装置の割合に基づいて、予め定められた複数の忘却係数からいずれか一つを選択し、選択した忘却係数を用いて前記平滑化チャネル品質情報を更新することを特徴とする。
【0017】
[10]また、本発明は、複数の端末装置と自装置との間の伝送路におけるチャネル品質を示すチャネル品質情報をサブフレームごとに前記複数の端末装置から受信するチャネル情報取得部と、前記端末装置ごとに、今までに端末装置から受信した前記チャネル品質情報を平滑化した平滑化チャネル品質情報を算出する平滑演算部と、前記端末装置それぞれの識別子に対応付けて前記平滑演算部が算出した平滑化チャネル品質情報を記憶する平滑化情報記憶部と、前記複数の端末装置それぞれに対応した平滑化チャネル品質情報を用いて前記複数の端末装置に対する無線リソースの割り当てを行う無線スケジューラと、前記無線スケジューラが前記複数の端末装置に対して割り当てた無線リソースを用いて前記複数の端末装置と通信を行う無線送受信部とを具備していることを特徴とする基地局装置である。
【0018】
[11]また、本発明は、複数の端末装置と基地局装置との間の伝送路におけるチャネル品質を示すチャネル品質情報をサブフレームごとに前記複数の端末装置から受信するチャネル情報取得ステップと、前記端末装置ごとに、今までに端末装置から受信した前記チャネル品質情報を平滑化した平滑化チャネル品質情報を算出する平滑演算ステップと、前記複数の端末装置それぞれの識別子に対応付けて前記平滑演算部が算出した平滑化チャネル品質情報を記憶する平滑化情報記憶ステップとを有することを特徴とする通信品質推定方法である。
【0019】
[12]また、本発明は、複数の端末装置と基地局装置との間の伝送路におけるチャネル品質を示すチャネル品質情報をサブフレームごとに前記複数の端末装置から受信するチャネル情報取得ステップと、前記端末装置ごとに、今までに端末装置から受信した前記チャネル品質情報を平滑化した平滑化チャネル品質情報を算出する平滑演算ステップと、前記複数の端末装置それぞれの識別子に対応付けて前記平滑演算部が算出した平滑化チャネル品質情報を記憶する平滑化情報記憶ステップとコンピュータに実行させるための通信品質推定プログラムである。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、複数の端末装置それぞれと伝送路のチャネル品質を示すチャネル品質情報を、端末装置ごとに平滑化して、平滑化情報記憶部に記憶させる。これにより、チャネル品質が干渉などにより一時的に変動した場合においても、平滑化により一時的な変動の影響を低減させた平滑化チャネル品質情報を平滑化情報記憶部から読み出して無線スケジューリングに用いることができる。その結果、無線スケジューリングに用いられる平滑化チャネル品質情報が示すチャネル品質と、無線スケジューリングの結果に基づいて通信する際のチャネル品質との差を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態における無線通信システム100の構成を示す概略図である。
【図2】同実施形態における基地局装置1の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】同実施形態における平滑化SINR記憶部145に記憶されている情報の一例を示す図である。
【図4】第2実施形態における基地局装置2の構成を示す概略ブロック図である。
【図5】第3実施形態における基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。
【図6】第1実施形態における基地局装置1による効果を示す図である。
【図7】OFDMA方式の下りリンクの無線フレーム構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における通信品質推定装置、基地局装置、通信品質推定方法、及び通信品質推定プログラムを説明する。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における無線通信システム100の構成を示す概略図である。同図に示すように、無線通信システム100は、複数の基地局装置1と、複数の端末装置6と、複数の基地局装置1を接続するバックボーン回線7とを具備している。各基地局装置1は、通信エリア1Aを形成し、自装置の通信エリア1A内に位置する端末装置6と無線通信を行う。ここでは、一例として、基地局装置1と端末装置6との間の無線通信に、LTEの規格に基づいたクローズド・ループMIMOを適用した場合について説明する。
【0024】
また、基地局装置1は、自装置の通信エリア1A(セクタ)内に位置する端末装置6から、チャネル情報を受信し、受信したチャネル情報に基づいて、当該端末装置6に対してリソース・ブロックを単位として無線リソースを割り当てる無線スケジューリングを行う。また、基地局装置1は、隣接する隣接する通信エリア1Aに位置する端末装置6から受ける干渉などによるチャネル品質の変動を考慮して、無線スケジューリングを行う。
【0025】
ここで、チャネル情報には、チャネル情報を送信(フィードバック)した端末装置6と基地局装置1との間のチャネル品質を示すチャネル品質情報としてのCQI(Channel Quality Indicator)、当該端末装置6を一意に識別する端末ID、当該CQIに対応するRI(Rank Indicator)及びコード・ワード(Code Word)ID、当該CQIに対する周波数帯域を示すバンド情報が含まれている。このバンド情報には、CQIがワイドバンドQCI又はサブバンドCQIのいずれであるかを示す情報と、CQIがサブバンドCQIである場合に、対応するサブバンドを示すサブバンドIDとが含まれている。
【0026】
RIは、割り当てられた無線リソースにおいて並列に送信する信号系列数(ランク)を示し、本実施形態では「1」又は「2」のいずれかの値を示す。コード・ワードIDは、基地局装置1と端末装置6とのMIMOを適用した無線通信において、並列に送信される信号を識別する識別子であり、本実施形態では「0」又は「1」のいずれかの値を示す。また、本実施形態ではサブバンド数をN(Nは自然数)とし、サブバンドIDは「0」、「1」、…、「N−1」のいずれかの値を示す。
【0027】
以下、基地局装置1の構成を説明する。
図2は、本実施形態における基地局装置1の構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局装置1は、他の基地局装置1とバックボーン回線7を介して通信をするバックボーン送受信部11、端末装置6と通信を行う無線送受信部12、端末装置6対する無線スケジューリングを行う無線スケジューラ13、及び、端末装置6から受信するチャネル情報からSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio;信号対干渉雑音比)を算出する通信品質推定部14を備えている。
【0028】
バックボーン送受信部11は、他の基地局装置1と無線通信をしている端末装置6宛ての情報を無線送受信部12から入力され、当該情報を当該端末装置6と無線通信をしている基地局装置1に入力された情報を送信する。また、バックボーン送受信部11は、自装置と無線通信をしている端末装置6宛ての情報を他の基地局装置1から受信し、受信した情報を無線送受信部12に出力する。
【0029】
無線送受信部12は、複数のアンテナ素子を介して自装置の通信エリア1A内に位置する端末装置6と無線通信を行うとともに、当該端末装置6と自装置との間のチャネル品質を示すチャネル情報を当該端末装置6から受信し、受信したチャネル情報を通信品質推定部14に出力する。また、無線送受信部12は、無線通信を行う端末装置6それぞれが移動することにより生じるサブバンド(搬送波周波数)におけるドップラ周波数を算出し、算出したドップラ周波数を通信品質推定部14に出力する。
無線スケジューラ13は、通信品質推定部14が算出するSINRに基づいて、無線送受信部12が端末装置6との無線通信に使用するリソース・ブロックの割り当て、変調方式及び符号化率の組合せ(Modulation and Coding Scheme;MCS)を選択する無線スケジューリングを行い、無線送受信部12に出力して当該情報に基づいて無線通信を行わせる。
【0030】
通信品質推定部14は、無線送受信部12が自装置の通信エリア1A内に位置する端末装置6から受信したチャネル情報に基づいて、無線スケジューラ13が無線スケジューリングに用いるSINRを算出する。
また、通信品質推定部14は、チャネル情報取得部141、CQI−SINR変換部142、選択部143、平滑演算部144、平滑化SINR記憶部145、及び、SINR出力部146を有している。
【0031】
チャネル情報取得部141には、端末装置6から送信されるチャネル情報が無線送受信部12から入力される。CQI−SINR変換部142は、CQIとSINRとが対応付けられた変換テーブル142Aを有している。CQI−SINR変換部142は、チャネル情報取得部141に入力されたチャネル情報に含まれるCQIに対応するSINR値であって、チャネル品質を示すSINR値を変換テーブル142Aから読み出すことにより、CQIをSINR値γreceived(u,r,c,i,x)に変換する。
ここで、u(=1,2,…,M)は端末IDを示し、rはRIを示し、cはコード・ワードIDを示し、iはサブフレームを一意に識別するサブフレームIDを示し、xは当該SINR値が対象とする周波数帯域(システム周波数帯域、又はいずれかのサブバンド)を示す。サブフレームIDは、例えば、時系列に合わせて一ずつ増加した値が割り当てられる。
【0032】
選択部143は、チャネル情報取得部141に入力されたチャネル情報に含まれる端末ID、RI、コード・ワードID、及び、バンド情報の組合せに応じて、CQI−SINR変換部142が変換したSINR値γreceived(u,r,c,i,x)と、平滑化SINR記憶部145に記憶されているSINR値γsmooth(u,r,c,i−1,x)とのいずれか一方を瞬時SINR値γ(u,r,c,i,x)に選択する。
【0033】
平滑演算部144は、無線送受信部12から入力された各端末装置6のドップラ周波数と、選択部143が選択した瞬時SINR値γ(u,r,c,i,x)と、平滑化SINR記憶部145に記憶されているSINR値γsmooth(u,r,c,i−1,x)とを用いて、端末ID、RI、コード・ワードID、及び、バンド情報の各組合せに対応する平滑化されたSINR値γsmooth(u,r,c,i,x)を算出する。
また、平滑演算部144は、平滑化SINR記憶部145に記憶されているSINR値γsmooth(u,r,c,i−1,x)をSINR値γsmooth(u,r,c,i,x)で上書きすることにより、SINR値γsmoothを更新する。
【0034】
平滑化SINR記憶部145には、端末ID、RI、コード・ワードID、及び、バンド情報の組合せごとに対応する平滑化されたSINR値γsmooth(u,r,c,i,x)が記憶されている。
図3は、本実施形態における平滑化SINR記憶部145に記憶されている情報の一例を示す図である。また、同図は、M個の端末装置6に対する平滑化されたSINRが記憶されている例を示している。平滑化SINR記憶部145には、同図に示すように、端末IDが「00001」から「0000M」、RIが「1」及び「2」、コード・ワードIDが「0」及び「1」、バンド情報が「ワイドバンドCQI」(システム周波数帯域)及び「サブバンドCQI」(各サブバンド)それぞれの組合せごとに、平滑化されたSINRが記憶されている。
【0035】
図2に戻って、SINR出力部146は、端末ID、RI、コード・ワードID、及びバンド情報の組合せを示す情報が無線スケジューラ13から入力され、当該組合せに対応する平滑化されたSINR値γsmooth(u,r,c,i,x)を平滑化SINR記憶部145から読み出し、読み出したSINRを無線スケジューラ13に出力する。すなわち、SINR出力部146は、無線スケジューラ13が無線スケジューリングの対象とする端末装置6に対応するSINR値γsmoothを平滑化SINR記憶部145から読み出して、無線スケジューラ13に出力する。
【0036】
続いて、通信品質推定部14において行われるSINR値の平滑化について説明する。
通信品質推定部14は、サブフレームごとに、端末ID、RI、コード・ワードID、及びバンド情報の各組合せに対応するSINR値を順に平滑化する。具体的には、通信品質推定部14は、以下の処理によりSINR値に対する平滑化を行う。
【0037】
選択部143は、端末ID、RI、コード・ワードID、及びバンド情報の各組合せに対応するSINR値γsmooth(u,r,c,i−1,x)を平滑化SINR記憶部145から順に読み出す。
そして、選択部143は、読み出したSINR値γsmooth(u,r,c,i−1,x)の端末ID、RI、コード・ワードID、及びバンド情報の組合せと、チャネル情報取得部141に入力されたチャネル情報に含まれる端末ID、RI、コード・ワードID、及びバンド情報の組合せとが一致するか否かを判定する。
選択部143は、組合せが一致した場合、CQI−SINR変換部142が変換したSINR値γreceived(u,r,c,i,x)を瞬時SINR値γ(u,r,c,i,x)として出力し、組合せが一致しない場合、読み出したSINR値γsmooth(u,r,c,i−1,x)を瞬時SINR値γ(u,r,c,i,x)として出力する。
【0038】
すなわち、現在のサブフレームにおいて、端末ID、RI、コード・ワードID、及びバンド情報のパラメータの組合せが一致するCQIが受信された場合、当該CQIに対応するSINR値γreceived(u,r,c,i,x)を瞬時SINR値γ(u,r,c,i,x)にし、一致するCQIが受信されなかった場合、1サブフレーム前に平滑化したSINR値γsmooth(u,r,c,i−1,x)を瞬時SINR値γ(u,r,c,i,x)として出力する。
選択部143の処理は、次式(1)として表される。
【0039】
【数1】

【0040】
平滑演算部144は、選択部143から入力された瞬時SINR値γ(u,r,c,i,x)の端末ID、RI、コード・ワードID、及びバンド情報のパラメータの組合せが一致するSINR値γsmooth(u,r,c,i−1,x)を平滑化SINR記憶部145から読み出す。
そして、平滑演算部144は、読み出したSINR値γsmooth(u,r,c,i−1,x)と、入力された瞬時SINR値γ(u,r,c,i,x)とを用いて、次式(2)で表される平滑化を行う。
【0041】
【数2】

【0042】
ここで、α(f)は、端末装置6(u)のドップラ周波数f(u=1,2,…,M)に応じた忘却係数を与える関数であり、次式(3)により表される。
【0043】
【数3】

【0044】
式(3)における、忘却係数β,β、及び閾値thはシミュレーションや実測値などを用いて予め定められた値である。
【0045】
平滑演算部144は、端末ID、RI、コード・ワードID、及びバンド情報の組合せごとに、式(2)で表される平滑化を行い、算出したSINR値γsmooth(u,r,c,i,x)を平滑化SINR記憶部145に記憶させて、パラメータの各組合せに対応するSINR値γsmoothを更新する。
【0046】
このように、通信品質推定部14は、チャネル情報取得部141が各端末装置6から受信したチャネル品質情報を取得し、平滑演算部144がチャネル品質情報から算出されたSINR値γreceivedを平滑化し、平滑化したSINR値γsmoothを端末装置6の端末ID、RI、コード・ワードID、バンド情報(周波数帯域)の組合せごとに対応付けて平滑化SINR記憶部145に記憶させる。そして、無線スケジューラ13は、今までのチャネル品質情報を用いて平滑化されたSINR値γsmoothを無線スケジューリングに用いる。
【0047】
これにより、基地局装置1と端末装置6との間のチャネル品質が、サブフレーム単位で一時的に変化した場合においても、無線スケジューリングに用いるSINR値と、無線スケジューリング結果に基づいて通信する際のSINR値との間に生じる差を低減させることができる。例えば、基地局装置1と端末装置6との間に障害物や反射物が移動することで、伝送路環境が一時的に大きく変化した場合に、一時的に劣化あるいは改善したCQI(チャネル品質)に対応するSINR値を用いずに、平滑化したSINR値を無線スケジューリングに用いることにより、無線スケジューリングに用いるチャネル品質と、無線スケジューリング結果に基づいて通信する際のチャネル品質との差を低減させることができる。
【0048】
その結果、サブフレーム単位で生じる一時的なチャネル品質の変化による影響を低減させた無線スケジューリングを行うことができるようなるので、無線スケジューリングの精度を向上させることができ、CQIやPMIの信頼度を向上させることができる。また、CQIやPMIの信頼度が向上することにより、無線スケジューラ13が選択するMCSの精度が高くなり、再送の発生を抑制することができる。再送に割り当てられるリソース・ブロック数が減ることにより、無線リソースが有効に利用されて周波数利用効率を向上させることができる。
また、平滑化SINR記憶部145には、端末ID、RI、コード・ワードID、及びバンド情報の組合せごとに、平滑化されたSINR値γsmoothが記憶されているので、無線スケジューラ13が、MIMOの信号系列数及びサブバンド(周波数帯域)の各組合せに対応するSINR値γsmoothに基づいてスケジューリングすることができ、MIMOを用いることによる伝送容量の改善を図ることができる。
【0049】
なお、本実施形態において、平滑演算部144が行う平滑化は、式(1)で表される平滑化に限ることなく、次式(4)で表される線形加算による平滑化を適用してもよい。
【0050】
【数4】

【0051】
ここで、式(4)において、pは予め定めた経過時間を示す値であり、過去の(p−1)サブフレームから現在のサブフレームまでののSINR値に対する平滑化が行われる。また、α(f,l)は、式(3)と同様に、端末装置6(u)のドップラ周波数fと、経過時間lとに応じた忘却係数を与える関数である。すなわち、平滑演算部144は、時間の経過とともに重みが減少する重み付け加算によるSINR値の平滑化を行う。
【0052】
また、本実施形態において、式(3)により表される関数では、一つの閾値thfと、端末装置6のドップラ周波数fとの比較を行い、2つの忘却係数β、βのいずれかを用いる構成を説明したが、これに限ることなく、(n−1)個の閾値とn個の忘却係数とを予め定めておき、端末装置6のドップラ周波数fと(n−1)個の閾値との比較によりn個の忘却係数からいずれかを選択するようにしてもよい。
【0053】
また、本実施形態において、平滑化SINR記憶部145に記憶されているSINR値γsmooth(u,r,c,i,x)の初期値γsmooth(u,r,c,0,x)は、0[dB]にしてもよいし、予め定めた所定の値としてもよい。
【0054】
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態における基地局装置2の構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局装置2は、通信品質推定部24がチャネル情報記憶部247を有している点と、通信品質推定部24がCQI−SINR変換部142及び選択部143に替えてCQI−SINR変換部242及び選択部243を有している点とが、第1実施形態の基地局装置1(図2)と異なる。基地局装置2において、基地局装置1と同じ構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0055】
CQI−SINR変換部242は、第1実施形態のCQI−SINR変換部142と同様に、CQIとSINRとが対応付けられた変換テーブル142Aを有しており、チャネル情報取得部141に入力されたチャネル情報に含まれるCQIに対応するSINRを変換テーブル142Aから読み出すことにより、CQIをSINR値γreceived(u,r,c,i,x)に変換する。また、CQI−SINR変換部242は、現在のサブフレームID(i)と、SINR値γreceived(u,r,c,i,x)とを対応付けて、チャネル情報記憶部247に記憶させる。
チャネル情報記憶部247には、CQI−SINR変換部242が変換したSINR値γreceived(u,r,c,k,x)それぞれが、サブフレームID(k;k=0,1,2,…,i)に対応付けられて記憶されている。
【0056】
選択部243は、第1実施形態の選択部143と同様に、チャネル情報取得部141に入力されたチャネル情報に含まれる端末ID、RI、コード・ワードID、及び、バンド情報の組合せに応じて、CQI−SINR変換部242が変換したSINR値γreceived(u,r,c,i,x)と、チャネル情報記憶部247に記憶されているSINR値γreceived(u,r,c,j,x)とのいずれか一方を瞬時SINR値γ(u,r,c,i,x)に選択して平滑演算部144に出力する。ここで、SINR値γreceived(u,r,c,j,x)は、過去に受信したCQIに対応するSINR値γreceivedのうち、最後に受信したCQIに対応するSINR値γreceivedである。すなわち、jはj<iを満たす値のうち、最も大きい値である。具体的には、選択部243の処理は、次式(5)として表される。
【0057】
【数5】

【0058】
このように、本実施形態の通信品質推定部24では、選択部243が、式(1)に替えて式(5)の選択をするようにしている。すなわち、SINR値γsmooth(u,r,c,i,x)の算出(更新)において、端末ID、RI、コード・ワードID、及び、バンド情報のパラメータの組合せが一致するCQIが受信されない場合、パラメータの組合せが一致し、最後に受信したCQIに対応するSINR値γreceived(u,r,c,j,x)を瞬時SINR値γ(u,r,c,i,x)として用いるようにしている。
【0059】
第1実施形態では、端末ID、RI、コード・ワードID、及び、バンド情報のパラメータの組合せが一致するCQIが受信されない場合、SINR値γsmooth(u,r,c,i−1,x)を瞬時SINR値γ(u,r,c,i,x)として平滑化を行うので、式(2)において、γsmooth(u,r,c,i,x)=γsmooth(u,r,c,i−1,x)となる。これは、パラメータの組合せが一致するCQIが受信されないときは、平滑化されたSINR値γsmooth(u,r,c,i,x)を保持し続けることを意味している。
【0060】
そこで、本実施形態では、パラメータの組合せが一致するCQIが受信されないときは、SINR値γsmoothにおける古いSINR値γreceivedの影響を徐々に小さくするために、式(5)を用いるようにした。
これにより、SINR値γsmoothにおける古いSINR値γreceivedの影響を徐々に小さくして、パラメータの組合せが一致するCQIが受信されない期間においても、平滑化されたSINR値γsmoothの値と、時刻を追って変化するチャネル品質との乖離が大きくなることを抑制することができる。
【0061】
なお、本実施形態における選択部243は、式(5)に表される選択をする構成について説明したが、これに限ることなく、CQIを受信してから時間の経過したSINR値γreceivedが滑化されたSINR値γsmoothに対して与える影響を徐々に小さくするように他の選択を行うようにしてもよい。例えば、選択部243は、式(5)に替えて次式(6)で表される選択を行うようにしてもよい。
【0062】
【数6】

【0063】
式(5)で表される選択により、パラメータの組合せが一致するCQIが受信されないときは、SINR値γsmoothにおける古いSINR値γreceivedの影響を徐々に小さくしている。しかし、サブフレーム(j)より前に受信したCQIのSINR値γsmoothに対する影響を徐々に排除している状態であり、最終的には、サブフレーム(j)において受信したCQIに対応するSINR値γreceivedに収束することになる。
【0064】
そこで、選択部243が式(6)で表される選択を行うことにより、サブフレーム(j)において受信したCQIが古くなった場合に、SINR値γsmoothを初期化するようにしている。式(6)による選択では、サブフレーム(i)よりも古いサブフレームのうち、最後にCQIを受信したサブフレーム(j)から経過した時間が時間tを超えたら、SINR値γsmooth(u,r,c,i,x)=初期値γdefaultとなるようにしている。この初期値γdefaultは、シミュレーションや実測値などに基づいて、予め定められた値を用いるようにしてもよい。
【0065】
これにより、受信してから予め定められた時間tが経過したCQIを用いずに、SINR値γsmoothを算出することにより、古いCQIの影響を受けて、無線スケジューリングに用いるSINR値γsmoothと、実際のチャネル品質との乖離が大きくなることを抑制することができる。
【0066】
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態における基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局装置3は、バックボーン送受信部11に替えてバックボーン送受信部31を備えている点と、無線送受信部12に替えて無線送受信部32を備えている点と、通信品質推定部34が平滑演算部144に替えて平滑演算部344を有している点と、無線リソース使用率算出部35を有している点とが、第1実施形態の基地局装置1(図2)と異なる。基地局装置3において、基地局装置1と同じ構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0067】
バックボーン送受信部31は、第1実施形態のバックボーン送受信部11と同様に、他の基地局装置1と無線通信をしている端末装置6宛ての情報を無線送受信部12から入力され、当該情報を当該端末装置6と無線通信をしている基地局装置1に入力された情報を送信する。また、バックボーン送受信部31は、バックボーン送受信部11と同様に、自装置と無線通信をしている端末装置6宛ての情報を他の基地局装置1から受信し、受信した情報を無線送受信部12に出力する。
【0068】
更に、バックボーン送受信部31は、無線リソース使用率算出部35が算出する無線リソースの使用率を示す使用率情報を隣接する基地局装置3に送信する。また、バックボーン送受信部31は、隣接する基地局装置3から受信する使用率情報を通信品質推定部34に出力する。例えば、LTEでは、X2インタフェースと呼ばれるバックボーン回線7上にロード・インフォメーション(Load Information)として規定されているメッセージのフォーマットがある。このロード・インフォメーションのメッセージを用いたブロードキャストを行うことにより、使用率情報を隣接する基地局装置3に送信することができる。
なお、LTEのX2インタフェース上のロード・インフォメーションを用いる場合、上記の周波数軸上の無線リソース単位ごとに、1ビット又は2ビットの情報を送ることができるので、閾値比較を行うなどして使用率情報を1ビット又は2ビットに量子化することが必要となる。
【0069】
無線送受信部32は、第1実施形態の無線送受信部12と同様に、複数のアンテナ素子を介して自装置の通信エリア1A内に位置する端末装置6と無線通信を行うとともに、当該端末装置6と自装置との間のチャネル品質を示すチャネル情報を当該端末装置6から受信し、受信したチャネル情報を通信品質推定部14に出力する。更に、無線送受信部32は、無線リソースの使用の有無を示す情報を無線リソース使用率算出部35に出力する。
【0070】
無線リソース使用率算出部35は、無線送受信部32から入力される情報を用いて、自装置における無線リソース使用率を算出する。
具体的には、無線リソース使用率算出部35は、周波数軸上の無線リソースをある単位ごとに分割し、同単位ごとに時間軸及び周波数軸に亘る無線リソースの使用率を、時間の経過とともに逐次算出する。周波数軸上で分割した無線リソースの単位bにおいて、無線リソースの最小単位を識別するインデックスをj(j=0,1,2,…,J−1)とし、現在時刻をt0とし、無線リソースの使用率算出期間をTとしたとき、次式(7)を用いて、基地局装置3(s)における無線リソース使用率utilization(s,b)を算出する。
【0071】
【数7】

【0072】
平滑演算部344は、選択部143が選択した瞬時SINR値γ(u,r,c,i,x)と、平滑化SINR記憶部145に記憶されているSINR値γsmooth(u,r,c,i−1,x)と、バックボーン送受信部31から入力される使用率情報とを用いて、端末ID、RI、コード・ワードID、及び、バンド情報の各組合せに対応するSINR値γsmooth(u,r,c,i,x)を算出する。
また、平滑演算部344は、第1実施形態の平滑演算部144と同様に、平滑化SINR記憶部145に記憶されているSINR値γsmooth(u,r,c,i−1,x)をSINR値γsmooth(u,r,c,i,x)で上書きすることにより、SINR値γsmoothを更新する。
【0073】
ここで、本実施形態の平滑演算部344は、ドップラ周波数に替えて、隣接する基地局装置3における無線リソースの使用率を示す使用率情報を用いてSINR値の平滑化を行う点が、第1実施形態の平滑演算部144と異なる。平滑演算部344は、バックボーン送受信部31から入力される使用率情報を集計してからSINR値γsmooth(u,r,c,i,x)の算出に用いる。この集計は、周波数軸上の無線リソース単位ごとに、複数の隣接する基地局装置3から受信した異なる使用率を用いてもよいし、隣接する基地局装置3の使用率を平均した値、あるいは、加重平均した値を用いるようにしてもよい。
なお、加重平均した値を用いる場合、自装置と無線通信をする端末装置6が測定した隣接する基地局装置3からのパイロット信号の受信電界強度などを用いて重み付けをするようにしてもよい。例えば、受信電界強度が高い基地局装置3の使用率に対する重みを大きくするようにする。
【0074】
隣接する基地局装置3の無線リソースの使用率を単純平均する場合、次式(8)を用いて、自装置(s)において、隣接する基地局装置3(s,s,…,s)の平均使用率h(s)を算出する。なお、LTEのX2インタフェース上のロード・インフォメーションを用いた場合、量子化された1ビット又は2ビットの情報を実数に変換した後に、式(8)を用いて平均使用率h(s)を算出する。
【0075】
【数8】

【0076】
そして、平滑演算部344は、算出した平均使用率h(s)を用いて、過去に受信したCQIに対応するSINR値の忘却係数α(s)を選択する。すなわち、平滑演算部344は、平滑演算部144における式(3)に替えて次式(9)を用いて忘却係数α(s)を選択する。
【0077】
【数9】

【0078】
ここで、式(9)における閾値th及びthは、シミュレーションや実測値などに基づいて予め定められた値である。
また、平滑演算部344は、次式(10)を用いてSINR値γsmooth(u,r,c,i,x)を算出する。
【0079】
【数10】

【0080】
一般に、隣接する基地局装置3における無線リソースの使用率が非常に低い場合、又は非常に高い場合、CQIを決定した時点において隣接する基地局装置3から受ける干渉と、無線スケジューリングの結果を用いて送信を行う際に隣接する基地局装置3から受ける干渉との差が小さくなる確率が高い。一方、隣接する基地局装置3における無線リソース使用率が50%前後の場合、CQIを決定した時点において隣接する基地局装置3から受ける干渉と、無線スケジューリングの結果を用いて送信を行う差に隣接する基地局装置3から受ける干渉との差が大きくなる確率が高い。
【0081】
本実施形態の通信品質推定部34は、上述のような隣接する基地局装置3における無線リソースの使用率と干渉との対応関係に基づいた処理を行うようにしている。具体的には、平滑演算部344が、2つの閾値th及びthを用いて、自装置における平均使用率h(s)が閾値th及びthにより定められる範囲内でない場合、選択部143が出力する瞬時SINR値γに対する重みを大きくし、それ以外の場合、平滑化されたSINR値γsmoothに対する重みを大きくしている。また、閾値th及びthは当該閾値により定められる範囲が「0.5」を含むように定め、例えば、thを「0.25」とし、thを「0.75」とする。
【0082】
これにより、隣接する基地局装置3における無線リソースの使用率を用いて、隣接する基地局装置3から受ける干渉の変化する可能性を考慮して平滑化されたSINR値γsmoothを算出することができる。その結果、サブフレーム単位で生じる一時的なチャネル品質の変化による影響を低減させた無線スケジューリングを行うことができるようなるので、無線スケジューリングの精度を向上させることができ、CQIやPMIの信頼度を向上させることができる。また、CQIやPMIの信頼度が向上することにより、無線スケジューラ13が選択するMCSの精度が高くなり、再送の発生を抑制することができる。再送に割り当てられるリソース・ブロック数が減ることにより、無線リソースが有効に利用されて周波数利用効率を向上させることができる。
【0083】
なお、本実施形態では、各端末装置6のドップラ周波数fに替えて、各基地局装置3における平均使用率h(s)を用いて忘却係数αを選択する構成を説明したが、これに限ることなく、ドップラ周波数f及び平均使用率h(s)をともに用いて忘却係数αを選択するようにしてもよい。例えば、平滑演算部344は、式(9)に替えて、次式(11)で表されるように、忘却係数β、β、βからいずれかを選択して、平滑化されたSINR値γsmoothを算出するようにしてもよい。
【0084】
【数11】

【0085】
また、各端末装置6がクローズド・ループMIMOを用いた無線通信を行っている場合、隣接する通信エリアにおいて、同一周波数を用いて無線通信を行っている端末装置6のPMIが変化することによっても、隣接する通信エリアから受ける干渉状況が大きく変化する。このような干渉状況の変化は、隣接する基地局装置3における無線リソースの使用率が高くても生じる。そこで、隣接する基地局装置3における無線リソースの使用率に替えて、クローズド・ループMIMOを用いて無線通信している端末装置6の割合を用いて、忘却係数を選択するようにしてもよい。
【0086】
この場合、各基地局装置3は、無線リソース使用率算出部35に替えて、自装置と無線通信をしている端末装置6のうち、クローズド・ループMIMOを用いて無線通信をしている端末装置6の割合を算出する割合算出部を備え、バックボーン回線7を介して算出した割合を隣接する基地局装置3に送信するようにする。また、平滑演算部344は、隣接する基地局装置3から受信した端末装置6の割合の統計値(平均、加重平均、中央値など)k(s)を算出し、算出した統計値k(s)を用いて忘却係数を選択する。例えば、次式(12)のように、忘却係数α(s)を決定する。すなわち、クローズド・ループMIMOを用いて無線通信をしている端末装置6の割合が予め定められた閾値th以上か否かを判定して忘却係数α(s)を決定する。
【0087】
【数12】

【0088】
これにより、隣接する基地局装置3の通信エリア内において、クローズド・ループMIMOを用いた無線通信を行っている端末装置6のPMIの変更により干渉が変化することを考慮して平滑化されたSINR値γsmoothを算出することができる。
【0089】
また、通信品質推定部34が、上述した隣接する基地局装置3における無線リソースの使用率、各端末装置6のドップラ周波数、及び、隣接する基地局装置3におけるクローズド・ループMIMOを用いて無線通信をしている端末装置6の割合を組合せて、忘却係数を選択するようにしてもよい。例えば、平滑演算部344は、次式(13)により表される忘却係数の選択をするようにしてもよい。
【0090】
【数13】

【0091】
図6は、第1実施形態における基地局装置1による効果を示す図である。また、同図は、計算機シミュレーションの結果を示す図である。図6(a)は、基地局装置1から端末装置6に情報を伝送する際のパケット受信成功率を示すグラフであり、横軸が送信回数を示し、縦軸が受信成功率を示している。同図に示すように、平滑化したSINR値γsmoothを用いた無線スケジューリングを行う場合(平滑化あり(α=0.65))は、4サブフレーム前に受信したCQIに基づいて無線スケジューリングをした場合(平滑化なし)に比べ、1回目の送信終了時点でパケットを正しく受信できる確率が約10%改善している。このように、平滑化したSINR値γsmoothを用いて無線スケジューリングを行うことにより、一時的に変化したチャネル品質の影響を抑圧することができ、無線スケジューリングにおけるサブキャリアの選択や、MCSの選択の精度を向上させることができる。その結果、パケットを送信する際に使用する無線リソースを削減することができ、周波数利用効率を改善することができる。
図6(b)は、基地局装置1から端末装置6に情報を伝送する際のセクタスループット[Mbps]を示す図である。同図に示すように、セクタスループットを1.4%程度改善されている。
【0092】
なお、上述の各実施形態において、MIMOを適用した無線通信を行わない端末装置6がある場合、RIの取り得る値が「1」のみとし、コード・ワードIDの取り得る値が「0」のみとして処理を行うようにしてもよい。この場合、平滑化SINR記憶部145には、MIMOを行わない端末装置6に対して、ワイドバンドCQIに対応する平滑化されたSINRと、各サブバンドCQIに対応する平滑化されたSINRとが記憶されることになる。
また、上述の各実施形態において、RI、及びコード・ワードIDが2つの値を取り得る場合について説明したが、これに限ることなく、3つ以上の値を取り得るようにしてもよい。
【0093】
また、上述の各実施形態において、端末ID、RI、コード・ワードID、及びバンド情報の組合せごとに平滑化されたSINR値γsmooth(平滑化チャネル品質情報)が平滑化SINR記憶部145に記憶されている構成について説明したが、これに限ることなく、平滑化SINR記憶部145には、端末IDごとにSINR値γsmoothが記憶されるようにしてもよいし、端末ID及びバンド情報の組合せごとにSINR値γsmoothが記憶されるようにしてもよい。
【0094】
また、本発明における通信品質推定部14(24,34)の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりSINR値γsmoothの算出及び更新を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0095】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。更に、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0096】
1,2,3…基地局装置
6…端末装置
7…バックボーン回線
11,31…バックボーン送受信部
12,32…無線送受信部
13…無線スケジューラ
14,24,34…通信品質推定部
35…無線リソース使用率算出部
100…無線通信システム
141…チャネル情報取得部
142,242…CQI−SINR変換部
143,243…選択部
144,344…平滑演算部
145…平滑化SINR記憶部
146…SINR出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置と基地局装置との間の伝送路におけるチャネル品質を示すチャネル品質情報をサブフレームごとに前記複数の端末装置から受信するチャネル情報取得部と、
前記端末装置ごとに、今までに端末装置から受信した前記チャネル品質情報を平滑化した平滑化チャネル品質情報を算出する平滑演算部と、
前記複数の端末装置それぞれの識別子に対応付けて前記平滑演算部が算出した平滑化チャネル品質情報を記憶する平滑化情報記憶部と
を備えていることを特徴とする通信品質推定装置。
【請求項2】
前記端末装置と前記基地局装置とは、予め定められた複数の周波数帯域のうちいずれかを用いて無線通通信を行い、
前記平滑演算部は、更に、前記端末装置と前記周波数帯域との組合せごとに、前記平滑化チャネル品質情報を算出し、
前記平滑化情報記憶部は、前記端末装置と前記周波数帯域との組合せそれぞれに対応付けて前記平滑化チャネル品質情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信品質推定装置。
【請求項3】
前記端末装置と前記基地局装置とは、クローズド・ループMIMOが適用された無線通信を行い、
前記平滑演算部は、更に、並列に送信する信号系列数、及び前記信号系列を識別する識別子の組合せごとに、前記平滑化チャネル品質情報を算出し、
前記平滑化情報記憶部は、更に、並列に送信する信号系列数、及び前記信号系列を識別する識別子の組合せそれぞれに対応付けて前記平滑化チャネル品質情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の通信品質推定装置。
【請求項4】
前記平滑演算部は、
現在のサブフレームにおいて受信されたチャネル品質情報と、該チャネル品質情報に対応する端末装置の前記平滑化チャネル品質情報とそれぞれに対して予め定められた忘却係数を乗算し、乗算結果の合計値を新たな前記平滑化チャネル品質情報にする更新をサブフレームごとに行う
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の通信品質推定装置。
【請求項5】
前記平滑演算部は、
現在のサブフレームにおいてチャネル品質情報が受信されない場合、最後に受信したチャネル品質情報と、当該チャネル品質情報に対応する端末装置の前記平滑化チャネル品質情報とそれぞれに対して前記忘却係数を乗算し、乗算結果の合計値を新たな前記平滑化チャネル品質情報にする更新をサブフレームごとに行う
ことを特徴とする請求項4に記載の通信品質推定装置。
【請求項6】
前記平滑演算部は、
現在のサブフレームにおいてチャネル品質情報が受信されない場合に、最後にチャネル品質情報を受信してから予め定められた期間が経過していたとき、予め定められた初期値と、前記平滑化チャネル品質情報とそれぞれに対して前記忘却係数を乗算し、乗算結果の合計値を新たな前記平滑化チャネル品質情報にする更新をサブフレームごとに行う
ことを特徴とする請求項4又は請求5のいずれかに記載の通信品質推定装置。
【請求項7】
前記平滑演算部は、
前記端末装置の移動により生じる搬送波周波数の変化量に基づいて、予め定められた複数の忘却係数からいずれか一つを選択し、選択した忘却係数を用いて前記平滑化チャネル品質情報を更新する
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の通信品質推定装置。
【請求項8】
前記平滑演算部は、
前記基地局装置に隣接する基地局装置における無線リソースの使用率に基づいて、予め定められた複数の忘却係数からいずれか一つを選択し、選択した忘却係数を用いて前記平滑化チャネル品質情報を更新する
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の通信品質推定装置。
【請求項9】
前記平滑演算部は、前記基地局装置に隣接する基地局装置と通信する端末装置のうちクローズド・ループMIMOを適用した通信を行う端末装置の割合に基づいて、予め定められた複数の忘却係数からいずれか一つを選択し、選択した忘却係数を用いて前記平滑化チャネル品質情報を更新する
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の通信品質推定装置。
【請求項10】
複数の端末装置と自装置との間の伝送路におけるチャネル品質を示すチャネル品質情報をサブフレームごとに前記複数の端末装置から受信するチャネル情報取得部と、
前記端末装置ごとに、今までに端末装置から受信した前記チャネル品質情報を平滑化した平滑化チャネル品質情報を算出する平滑演算部と、
前記複数の端末装置それぞれの識別子に対応付けて前記平滑演算部が算出した平滑化チャネル品質情報を記憶する平滑化情報記憶部と、
前記複数の端末装置それぞれに対応した平滑化チャネル品質情報を用いて前記複数の端末装置に対する無線リソースの割り当てを行う無線スケジューラと、
前記無線スケジューラが前記複数の端末装置に対して割り当てた無線リソースを用いて前記複数の端末装置と通信を行う無線送受信部と
を具備していることを特徴とする基地局装置。
【請求項11】
複数の端末装置と基地局装置との間の伝送路におけるチャネル品質を示すチャネル品質情報をサブフレームごとに前記複数の端末装置から受信するチャネル情報取得ステップと、
前記端末装置ごとに、今までに端末装置から受信した前記チャネル品質情報を平滑化した平滑化チャネル品質情報を算出する平滑演算ステップと、
前記複数の端末装置それぞれの識別子に対応付けて前記平滑演算部が算出した平滑化チャネル品質情報を記憶する平滑化情報記憶ステップと
を有することを特徴とする通信品質推定方法。
【請求項12】
複数の端末装置と基地局装置との間の伝送路におけるチャネル品質を示すチャネル品質情報をサブフレームごとに前記複数の端末装置から受信するチャネル情報取得ステップと、
前記端末装置ごとに、今までに端末装置から受信した前記チャネル品質情報を平滑化した平滑化チャネル品質情報を算出する平滑演算ステップと、
前記複数の端末装置それぞれの識別子に対応付けて前記平滑演算部が算出した平滑化チャネル品質情報を記憶する平滑化情報記憶ステップと
コンピュータに実行させるための通信品質推定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−124585(P2012−124585A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271724(P2010−271724)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】