通信放送連携システム
【課題】補完データ要求がバースト的に発生するのを防止することにより、補完サーバ21の負荷が増大を防ぐとともに、通信網20において他の通信を逼迫させてしまうのを防ぐことが可能な通信放送連携システムを提供すること。
【解決手段】本発明の通信放送連携システムは、放送波を用いてコンテンツデータを放送する放送局12と、放送波を介して受信したコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生する端末装置30と、端末装置30が前記放送波から正しく受信できなかったコンテンツデータを、通信網20を介して補完する補完サーバ21と、を具備する。補完サーバ21は、通信網20又は補完サーバ21の負荷を示す負荷情報、コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、端末装置30のユーザ属性情報、端末装置30の位置情報の少なくとも一つに基づいて、補完を行う補完タイミングを決定する補完タイミング決定部214を具備する。
【解決手段】本発明の通信放送連携システムは、放送波を用いてコンテンツデータを放送する放送局12と、放送波を介して受信したコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生する端末装置30と、端末装置30が前記放送波から正しく受信できなかったコンテンツデータを、通信網20を介して補完する補完サーバ21と、を具備する。補完サーバ21は、通信網20又は補完サーバ21の負荷を示す負荷情報、コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、端末装置30のユーザ属性情報、端末装置30の位置情報の少なくとも一つに基づいて、補完を行う補完タイミングを決定する補完タイミング決定部214を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置が放送網を介して受信できなかったコンテンツデータを、補完サーバが通信網を介して補完する通信放送連携システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送波を用いてデジタル放送サービスを提供する放送網と、通信波を用いて携帯電話サービスやデータ通信サービスを提供する通信網との融合が求められている。例えば、携帯電話端末向けのデジタル放送サービス(ワンセグ放送サービス)の受信機能を携帯電話端末に搭載することにより、放送網から携帯電話端末へのコンテンツ配信が行われている。放送網を用いたコンテンツ配信では、放送システムから携帯電話端末への片方向のみで通信が行われる。このため、携帯電話端末が、放送網から受信できなかったコンテンツデータを、通信網からから受信可能とする「補完」機能を備えた通信放送連携システムも検討されている(例えば、特許文献1〜3)。
【0003】
ところで、コンテンツの配信方式としては、コンテンツの再生時に逐次配信されるコンテンツを再生するストリーム型と、コンテンツの再生時に関係なくコンテンツが配信され、コンテンツ再生時に端末内に蓄積されたコンテンツを再生する蓄積型とがある。
【0004】
通信網を用いたコンテンツ配信では、蓄積型のコンテンツ配信方式が用いられており、例えば、Video ChannelやMusic Channelサービスなどでは、ユーザが選択したコンテンツが夜中などに自動的に携帯電話端末に配信される。一方、放送網を用いたコンテンツサービスでは、ワンセグ放送サービスに代表されるように、ストリーム型の配信方式が用いられているが、近年では、蓄積型の配信方式を用いることも検討されている(例えば、非特許文献1及び2)。また、放送網を用いた蓄積型のコンテンツ配信においても、DVB−H(Digital Video Broadcasting for Handheld)に規定されるように、上述の補完機能を備えた通信放送連携システムが検討されている(例えば、非特許文献3)。
【0005】
図13は、DVB−Hに規定された通信放送連携システムの補完機能を示す図である。図13に示すように、例えば、コンテンツ配信時間T0では、放送網からの放送波を用いて携帯電話端末にコンテンツが自動的に配信される。コンテンツ配信時間T0から一定時間後の補完可能時間T3において、携帯電話端末は、コンテンツ配信時間T0において放送網を用いて受信できなかったコンテンツデータの送信要求(以下、補完データ要求という)を、通信網に接続された補完サーバに送信する。補完サーバは、補完データ要求により要求されたコンテンツデータ(以下、補完データという)を、通信網からの通信波を用いて携帯電話端末に送信する。
【0006】
この通信放送連携システムにおいて、図13の補完可能時間T3は、コンテンツ配信時間T0においてコンテンツデータとともに送信される制御データ(メタデータ)により携帯電話端末に通知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−313061号公報
【特許文献2】特開2004−200863号公報
【特許文献3】特開2007−166674号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】ISO/IEC 13818‐12:2007(E)
【非特許文献2】RFC3926‐FLUTE‐File Delivery over Unidirectional Transprt
【非特許文献3】ETSI TS 102 591
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の通信放送連携システムでは、図13に示す補完可能時間T3において、多数の携帯電話端末から補完サーバへの補完データ要求がバースト的に発生する場合がある。かかる場合、補完可能時間T3でバースト的に発生する補完データ要求により、補完サーバの負荷が増大するとともに、当該補完データ要求や当該補完データ要求に応じた補完データが送信される通信網において他の通信を逼迫させてしまうという問題点があった。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、補完データ要求のバースト的な発生を防止することにより、補完サーバの負荷が増大するのを防ぐとともに、通信網において他の通信を逼迫させてしまうのを防ぐことが可能な通信放送連携システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の通信放送連携システムは、放送波を用いてコンテンツデータを放送する放送局と、前記放送波を介して受信したコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生する端末装置と、前記端末装置が前記放送波から正しく受信できなかったコンテンツデータを、通信網を介して補完する補完サーバと、を具備する通信放送連携システムであって、前記補完サーバは、前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記補完を行う補完タイミングを決定する補完タイミング決定部を具備する。
【0012】
この構成によれば、補完サーバが、負荷情報、コンテンツ情報、ユーザ属性情報、位置情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミングを決定するので、多数の端末装置からの補完データ要求がバースト的に発生するのを防止でき、この結果、補完サーバの負荷が増大するのを防ぐとともに、通信網において他の通信を逼迫させてしまうのを防ぐことができる。
【0013】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングとして、前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求する日時、又は、前記放送波を用いたコンテンツデータの配信終了時刻から前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求可能となる補完可能時間の開始時刻までのオフセット時間及び前記補完可能時間の開始時刻からランダムなタイミングで前記補完を要求可能な時間幅であるランダム時間幅を決定してもよい。
【0014】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅く又は早くなるように、前記日時、又は、前記オフセット時間及び前記ランダム時間幅を決定してもよい。
【0015】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記日時、又は、前記オフセット時間又は前記ランダム時間幅は、前記コンテンツのメタデータに含めて前記放送波を用いて前記放送局から放送されてもよい。
【0016】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記日時、又は、前記オフセット時間又は前記ランダム時間幅の更新を通知する更新通知は、前記放送波を用いて前記放送局から放送され、更新された日時、又は、更新されたオフセット時間又はランダム時間幅は、前記放送波を用いて前記更新通知を受信した前記端末装置からの要求に応じて、前記通信網を介して前記端末装置に通知されてもよい。
【0017】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングとして、前記端末装置からの前記補完の要求の受付を拒否する受付拒否時間を決定し、前記受付拒否時間は、前記端末装置からの前記補完の要求に応じて、前記補完サーバから前記端末装置に前記通信網を介して通知されてもよい。
【0018】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記補完サーバは、前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記端末装置が前記補完タイミングに自動的に前記補完を要求する自動補完から、前記端末装置がユーザからの指示の受付により前記補完を要求する手動補完への切替を決定する切替決定部を更に具備してもよい。
【0019】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記切替の指示は、前記コンテンツのメタデータに含めて前記放送波を用いて前記放送局から放送されてもよい。
【0020】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記切替の指示は、前記端末装置からの前記補完の要求に応じて、前記補完サーバから前記端末装置に前記通信網を介して通知されてもよい。
【0021】
また、本発明の上記通信放送連携システムは、放送波を用いてコンテンツデータを放送する放送局と、前記放送波を用いて受信したコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生する端末装置と、前記端末装置が前記放送波を用いて正しく受信できなかったコンテンツデータを、通信網を介して補完する補完サーバと、を具備する通信放送連携システムであって、前記端末装置は、前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記補完を行うタイミングである補完タイミングを決定する補完タイミング決定部を具備する。
【0022】
この構成によれば、端末装置が、負荷情報、コンテンツ情報、ユーザ属性情報、位置情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミングを決定するので、多数の端末装置からの補完データ要求がバースト的に発生するのを防止でき、この結果、補完サーバの負荷が増大するのを防ぐとともに、通信網において他の通信を逼迫させてしまうのを防ぐことができる。
【0023】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングとして、前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求する日時、又は、前記放送波を用いたコンテンツデータの配信終了時刻から前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求可能となる補完可能時間の開始時刻までのオフセット時間及び前記補完可能時間の開始時刻からランダムなタイミングで前記補完を要求可能な時間幅であるランダム時間幅を決定してもよい。
【0024】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅く又は早くなるように、前記日時、又は、前記オフセット時間及び前記ランダム時間幅を決定してもよい
【0025】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記端末装置は、前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記補完タイミングに自動的に前記補完を要求する自動補完から、前記端末装置がユーザからの指示の受付により前記補完を要求する手動補完に切り替える切替部を更に具備してもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、補完データ要求のバースト的な発生を防止することにより、補完サーバの負荷が増大するのを防ぐとともに、通信網において他の通信を逼迫させてしまうのを防ぐことが可能な通信放送連携システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る通信放送連携システムの概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る補完サーバの構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る補完タイミング決定方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の変形例1−1に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の変形例1−2に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る端末装置の構成図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る補完サーバの構成図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の変形例3−1に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の変形例3−2に係る端末装置の構成図である。
【図13】従来の通信放送連携システムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。
【0029】
[第1の実施形態]
<通信放送連携システムの概略構成>
図1は、第1の実施形態に係る通信放送連携システムの構成図である。図1に示すように、通信放送連携システムは、放送網10に接続されたコンテンツサーバ11及び放送局12と、通信網20に接続された補完サーバ21、基地局22及び顧客情報管理サーバ23と、放送網10及び通信網20の双方に接続可能な端末装置30とから構成されている。
【0030】
放送網10に接続されたコンテンツサーバ11は、放送網10を介して端末装置30に対して、蓄積型のコンテンツを配信する。放送局12は、自局からの放送波を受信可能なエリアである放送エリア13を形成し、放送エリア13内の端末装置30と片方向通信(放送局12から端末装置30へ)を行う。放送局12は、コンテンツサーバ11から配信されたコンテンツデータを、放送波を用いて端末装置30に送信する。
【0031】
通信網20に接続された補完サーバ21は、コンテンツサーバ11に接続されており、コンテンツサーバ11からコンテンツデータを取得し、端末装置30からの補完データ要求(後述)に応じて補完データ(後述)を送信する。基地局22は、自局からの通信波を受信可能なエリアである通信エリア24を形成し、通信エリア24内の端末装置30と双方向通信を行う。基地局22は、補完サーバ21から送信された補完データ(後述)を、通信波を用いて端末装置30に送信する。顧客情報管理サーバ23は、端末装置30のユーザに関するユーザ属性情報を管理する。
【0032】
端末装置30は、放送網10及び通信網20の双方に接続可能な機能を備えた携帯電話端末、ノートパソコン等である。端末装置30は、例えば、図1に示すように、放送エリア13外に移動した場合や、放送エリア13内の伝搬状況が悪化した場合、放送網10を介して配信中のコンテンツについて全てのコンテンツデータを受信できない。そこで、端末装置30は、補完タイミング(後述)において、通信網20を介して補完サーバ21に対する補完データ要求(後述)を送信し、通信網20を介して補完データ(後述)を受信する。端末装置30は、放送網10を介して受信したコンテンツデータと通信網20を介して受信した補完データとを合成してコンテンツを復元し、復元したコンテンツをディスプレイやスピーカを用いて再生する。
【0033】
ここで、補完データ要求とは、端末装置30が放送局12からの放送波を用いて正しく受信できなかったコンテンツデータの補完を補完サーバ21に対して要求するものである。補完データ要求は、要求するコンテンツデータの識別子やデータ量を含む。また、補完データとは、補完データ要求に応じて補完サーバ21から送信されるコンテンツデータである。
【0034】
また、補完タイミングとは、端末装置30が放送局12からの放送波を用いて正しく受信できなかったコンテンツデータの補完を行うタイミングである。補完タイミングは、後述するように、通信網20の負荷情報や、コンテンツ情報、ユーザ属性情報など種々の条件に応じて設定・変更可能である。補完タイミングは、補完サーバ21において決定されてから端末装置30に通知されるか、或いは、端末装置30で決定される。
【0035】
以下、第1の実施形態に係る通信放送連携システムでは、補完サーバ21が、補完タイミングの決定主体となる例を説明する。
【0036】
<補完サーバ21の構成>
第1の実施形態に係る通信放送連携システムにおいて、補完タイミングの決定主体となる補完サーバ21の構成について説明する。補完サーバ21は、物理的には、CPU、メモリ、通信インタフェイス、ハードディスク、ディスプレイ等を備えたコンピュータシステムである。図2は、第1の実施形態に係る補完サーバ21の機能構成図である。
【0037】
図2に示すように、補完サーバ21は、負荷情報取得部211、コンテンツ情報取得部212、ユーザ属性・位置情報取得部213、補完タイミング決定部214、補完データ要求受信部215、補完データ生成部216、補完データ送信部217を有する。
【0038】
負荷情報取得部211は、負荷情報を取得する。ここで、負荷情報とは、通信網20又は補完サーバ21の負荷を示す情報であり、例えば、通信網20のトラフィック量、補完サーバ21の処理量、通信エリア24における余剰帯域量などである。なお、通信網20のトラフィック量は、通信網20における補完データ以外のデータを含むトラフィック量であってもよいし、補完データのみのトラフィック量であってもよい。また、通信網20のトラフィック量は、現在のトラフィック量と新規に発生すると予測されるトラフィック量との合計量であってもよい。新規に発生するトラフィック量は、端末装置30からの補完データ要求で指定された補完データ量(例えば、端末装置30からのHTTP−GetメッセージのByte−Rangeフィールドに指定されたデータ量)から予測される。
【0039】
コンテンツ情報取得部212は、コンテンツサーバ11からコンテンツ情報を取得する。ここで、コンテンツ情報とは、コンテンツサーバ11から配信されるコンテンツの関連情報であり、例えば、コンテンツの公開時刻、コンテンツ種別、電子番組ガイド(EPG:Electronic Program Guide)、コンテンツリコメンドのメトリックなどである。ここで、コンテンツリコメンドのメトリックとは、ユーザの視聴履歴に基づいて算出されるユーザのコンテンツの嗜好値であり、例えば、コンテンツサーバ11から配信されるコンテンツについて、ユーザの嗜好に合致したコンテンツ等を提供するために用いられる。
【0040】
ユーザ属性・位置情報取得部213は、顧客情報管理サーバ23からユーザ属性情報を取得する。ここで、ユーザ属性情報とは、端末装置30のユーザ属性を示す情報であり、例えば、「プレミア契約」「無料契約」などの端末装置30のユーザの契約情報、端末装置30からの補完データ要求で指定された補完データ量などである。また、ユーザ属性・位置情報取得部213は、位置情報管理サーバ(図示なし)から端末装置30の在圏する通信エリアを示す位置情報を取得する。
【0041】
補完タイミング決定部214は、負荷情報取得部211で取得された負荷情報、コンテンツ情報取得部212で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部213で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミングを決定する。
【0042】
ここで、補完タイミング決定部214は、補完タイミングとして、xxxx年y月z日15:00のように、端末装置30が補完サーバ21に対して補完データ要求を送信する日時を決定してもよい。或いは、補完タイミング決定部214は、補完タイミングとして、図13に示すオフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定してもよい。ここで、オフセット時間T1とは、図13に示すように、コンテンツ配信時間T0の終了時刻から補完可能時間T3の開始時刻までの時間を示すものである。また、ランダム時間幅T2とは、端末装置30が補完可能時間T3の開始時刻からランダムなタイミングで補完データ要求を送信可能な時間幅を示すものである。
【0043】
具体的には、補完タイミング決定部214は、負荷情報によって示される通信網20又は補完サーバ21の負荷が閾値Th1を超えた場合、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅くなるように、上述の日時、又はオフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定する。また、補完タイミング決定部214は、通信網20又は補完サーバ21の負荷が所定の閾値Th1以下である場合、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間早くなるように、上述の日時、又はオフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定する。
【0044】
また、補完タイミング決定部214は、コンテンツ情報によって示されるコンテンツの公開時刻と現在時刻との差が閾値Th2以下である場合、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間早くなるように、上述の日時、又はオフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定してもよい。
【0045】
また、補完タイミング決定部214は、コンテンツ情報によって示されるコンテンツ種別に応じて、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅く又は早くなるように、上述の日時、又はオフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定してもよい。
【0046】
また、補完タイミング決定部214は、ユーザ属性情報によって示されるユーザ属性毎に、補完タイミングを決定してもよい。例えば、補完タイミング決定部214は、優先度の高いユーザ属性の補完タイミングと優先度の低いユーザ属性の補完タイミングとを別々に決定してもよい。ここで、優先度の高いユーザ属性とは、ユーザの契約情報が「プレミア契約」、補完データ要求によって指定された補完データ量が所定値以下である。また、優先度の低いユーザ属性とは、例えば、ユーザの契約情報が「無料契約」、補完データ量が所定値より大きいなどである。
【0047】
また、補完タイミング決定部214は、位置情報によって示される通信エリア毎に、補完タイミングを決定してもよい。例えば、補完タイミング決定部214は、トラフィック量の多い通信エリアの補完タイミングとトラフィック量の少ない通信エリアの補完タイミングとを別々に決定してもよい。
【0048】
また、補完タイミング決定部214は、決定された補完タイミングを示す補完タイミング情報をコンテンツサーバ11に通知する。コンテンツサーバ11に通知された補完タイミング情報は、コンテンツサーバ11から配信されるコンテンツのメタデータに含めて、放送網10経由で端末装置30に通知される。
【0049】
補完データ要求受信部215は、上記補完タイミングで端末装置30から送信された補完データ要求を基地局22から受信する。
【0050】
補完データ生成部216は、補完データ要求受信部215によって受信された補完データ要求に応じて、補完データを生成する。具体的には、補完データ生成部216は、補完データ要求に含まれるコンテンツデータの識別子に基づいて、同じ識別子を有するコンテンツデータをコンテンツサーバ11から取得し、取得したコンテンツデータを含む補完データを生成する。なお、補完データ生成部216は、コンテンツサーバ11から配信されるコンテンツの全コンテンツデータを予め取得し、取得した全コンテンツデータから補完データ要求に含まれる識別子と同じ識別子を有するコンテンツデータを抽出してもよい。
【0051】
補完データ送信部217は、補完データ生成部216によって生成された補完データを通信網20及び基地局22を介して端末装置30に送信する。
【0052】
<通信放送連携システムの動作>
次に、第1の実施形態に係る通信放送連携システムの動作を説明する。図3は、第1の実施形態に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【0053】
図3に示すように、補完サーバ21の補完タイミング決定部214は、負荷情報取得部211で取得された通信網20の負荷情報、コンテンツ情報取得部212で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部213で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミングを決定する(ステップS11)。
【0054】
図4は、ステップS11における補完タイミングの具体的な決定方法を示すフローチャートである。なお、以下では、補完タイミング決定部214が、補完タイミングとして、図13に示すオフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定する例を説明するが、上述のように日時を決定してもよい。
【0055】
図4に示すように、補完タイミング決定部214は、通信網20又は補完サーバ21の負荷を判断する(ステップS111)。負荷が閾値Th1より大きい場合(ステップS111;Yes)、補完タイミング決定部214は、オフセット時間T1をX倍とし、ランダム時間幅T2をY倍とし、補完タイミングを遅くする(ステップS112)。一方、負荷が閾値Th1以下である場合(ステップS111;No)、補完タイミング決定部214は、オフセット時間T1を1/Xとし、ランダム時間幅T2を1/Yとし、補完タイミングを早くする(ステップS113)。
【0056】
なお、図4の閾値Th1、X、Yは、予め設定された所定の値である。また、ステップS112において、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2が、上限値T1max及びT2maxを超えないように設定されてもよい。同様に、ステップS113において、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2が、下限値T1min及びT2minを超えないように設定されてもよい。また、ステップS113は、省略されてもよい。
【0057】
また、図4では、ステップS111において通信網20又は補完サーバ21の負荷が閾値Th1より大きいか否かを判断する例を示したが、上述のように、コンテンツの公開時刻と現在時刻との差が閾値Th2より大きいか否かなどを判断してもよい。
【0058】
さらに、図4のステップS112及びS113において、補完タイミング決定部214は、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2をユーザ属性毎に設定してもよい。例えば、補完タイミング決定部214は、上述の優先度の高いユーザ属性について、オフセット時間T1を5秒、ランダム時間幅T2を10秒とし、補完タイミングを早くする。また、補完タイミング決定部214は、上述の優先度の低いユーザ属性について、オフセット時間T1を1000秒、ランダム時間幅T2を2000秒とし、補完タイミングを遅くする。
【0059】
同様に、図4のステップS112及びS113において、補完タイミング決定部214は、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2を通信エリア毎に設定してもよい。例えば、補完タイミング決定部214は、上述のトラフィック量の少ない通信エリアについて、オフセット時間T1を5秒、ランダム時間幅T2を10秒とし、補完タイミングを早くする。また、補完タイミング決定部214は、上述のトラフィック量の多い通信エリアについて、オフセット時間T1を1000秒、ランダム時間幅T2を2000秒とし、補完タイミングを遅くする。
【0060】
以上のように、図3のステップS11において、補完タイミング決定部214は、補完タイミングを決定する。補完タイミング決定部214は、決定された補完タイミングを示す補完タイミング情報をコンテンツサーバ11に通知する(ステップS12)。
【0061】
コンテンツサーバ11は、補完サーバ21から通知された補完タイミング情報をコンテンツデータとともに、放送網10を介して端末装置30に送信する(ステップS13)。具体的には、コンテンツサーバ11は、配信するコンテンツのメタデータ内に、補完タイミング情報を含める。例えば、上述の例のように、優先度の高いユーザ属性のオフセット時間T1を5秒、優先度の高いユーザ属性のランダム時間幅T2を10秒とし、優先度の低いユーザ属性のオフセット時間T1を1000秒、優先度の低いユーザ属性のランダム時間幅T2を2000秒とすることを示す補完タイミング情報を送信する場合、メタデータ内に、
<postFileRepair
offsetTime_High-Priority="5" randomTimePeriod_High-Priority="10"
offsetTime_Low-Priority="1000" randomTimePeriod_Low-Priority="2000">
という記載を含める。また、上述の例のように、トラフィック量の少ない通信エリア1のオフセット時間T1を5秒、トラフィック量の多い通信エリア2のランダム時間幅T2を10秒とし、トラフィック量の少ない通信エリア1のオフセット時間T1を1000秒、トラフィック量の多い通信エリア2のランダム時間幅T2を2000秒とすることを示す補完タイミング情報を送信する場合、メタデータ内に、
<postFileRepair
offsetTime_area1="5" randomTimePeriod_area1="10"
offsetTime_area2="1000" randomTimePeriod_area2="2000">
という記載を含めることができる。
【0062】
端末装置30は、放送網10を介して補完タイミング情報を受信し、受信した補完タイミング情報の中から、自端末のユーザ属性又は通信エリアに応じた補完タイミングを選択する(ステップS14)。例えば、上述の例において、端末装置30のユーザ属性が優先度の高いユーザ属性(例えば、ユーザの契約情報が「プレミア契約」)である場合、端末装置30は、オフセット時間T1が5秒でランダム時間幅T2が10秒の補完タイミングを選択する。同様に、端末装置30の在圏する通信エリアがトラフィック量の多い通信エリア2である場合、端末装置30は、オフセット時間T1が1000秒でランダム時間幅T2が2000秒の補完タイミングを選択する。なお、コンテンツサーバ11から受信した補完タイミング情報が1つの補完タイミングのみを示す場合、ステップS14は省略可能である。
【0063】
端末装置30は、選択した補完タイミングにおいて、通信網20を介して補完サーバ21に補完データ要求を送信する(ステップS15)。例えば、上述のように、端末装置30が、オフセット時間T1が5秒でランダム時間幅T2が10秒の補完タイミングを選択した場合、端末装置30は、放送網10を介したコンテンツデータの配信終了時刻から、5秒〜15秒後のランダムなタイミングにおいて、通信網20を介して補完サーバ21に補完データ要求を送信する。
【0064】
補完サーバ21の補完データ要求受信部215は、補完タイミングにおいて端末装置30から送信された補完データ要求を受信する。補完データ送信部217は、受信した補完データ要求に応じて生成された補完データを、通信網20を介して端末装置30に送信する(ステップS16)。
【0065】
端末装置30は、補完サーバ21から通信網20を介して受信した補完データと、コンテンツサーバ11から放送網10を介して受信したコンテンツデータとを合成してコンテンツを構築し、構築したコンテンツを再生する(ステップS17)。
<作用・効果>
第1の実施形態に係る通信放送連携システムによれば、補完サーバ21が、負荷情報取得部211で取得された負荷情報、コンテンツ情報取得部212で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部213で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミングを決定するので、多数の端末装置30からの補完データ要求がバースト的に発生するのを防止できる。この結果、端末装置30からバースト的に発生する補完データ要求により、補完サーバ21の負荷が増大するのを防ぐとともに、通信網20において他の通信を逼迫させてしまうのを防ぐことができる。
【0066】
[変形例1−1]
次に、第1の実施形態に係る通信放送連携システムの変形例1−1について説明する。変形例1−1では、補完サーバ21は、補完タイミングを更新し、補完タイミングの更新を端末装置30に通知する点で第1の実施形態と異なる。
【0067】
図5は、変形例1−1に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。図5に示すように、補完サーバ21の補完タイミング決定部214は、所定周期、或いは、所定のトリガが検知された場合に、補完タイミングを更新する(ステップS21)。なお、補完タイミングの具体的な更新方法は、図3のステップS11と同様である。補完タイミング決定部214は、補完タイミングの更新があった旨を示す更新通知をコンテンツサーバ11に送信する(ステップS22)。
【0068】
コンテンツサーバ11は、補完サーバ21から通知された更新通知をコンテンツデータとともに、放送網10、放送局12を介して端末装置30に送信する(ステップS23)。例えば、コンテンツサーバ11は、ARIB−STD B31で規定された放送波のフレームフォーマットの所定位置を用いて、端末装置30に対する更新通知を行う。より具体的には、コンテンツサーバ11は、伝送制御に係る情報を格納するためのTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)フィールドの空きビット(例えば、110ビット目)を“0”に設定することにより、端末装置30に対する更新通知を行う。また、コンテンツサーバ11は、AC(Auxiliary Channel)フィールドの空きビットを利用して、端末装置30に対する更新通知を行ってもよい。
【0069】
端末装置30は、コンテンツサーバ11からの更新通知に応じて、補完タイミング情報の送信を要求する補完タイミング情報要求を、通信網20を介して補完サーバ21に送信する(ステップS24)。補完サーバ21は、ステップS21で更新された補完タイミングを示す補完タイミング情報を、通信網20を介して端末装置30に送信する(ステップS25)。
【0070】
なお、ステップS26〜S29は、図3のステップS14〜S17と同様であるため説明を省略する。また、図5のステップS22において、補完サーバ21は、補完タイミングの更新があった旨を示す更新通知をコンテンツサーバ11及び放送網10を介して端末装置30に通知したが、通信網20を介して端末装置30に直接通知してもよい。
【0071】
変形例1−1に係る通信放送連携システムによれば、補完サーバ21は、補完タイミングの更新があった旨を通知する更新通知により、端末装置30に対して補完サーバ21からの補完タイミング情報の取得を促すことができる。したがって、コンテンツサーバ11から端末装置30へのメタデータの送信周期が長く、補完サーバ21で更新された補完タイミング情報をコンテンツサーバ11から端末装置30へ通知できない場合でも、端末装置30は、更新された補完タイミングに基づいて、補完データ要求を送信することができる。
【0072】
[変形例1−2]
次に、第1の実施形態に係る通信放送連携システムの変形例1−2について説明する。変形例1−2では、補完サーバ21が、補完タイミングとして補完データ要求の受付を拒否する受付拒否時間を端末装置30毎に決定する点で第1の実施形態と異なる。
【0073】
図6は、変形例1−2に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。図6に示すように、端末装置30は、所定のタイミングで、通信網20を介して補完サーバ21に補完データ要求を送信する(ステップS31)。なお、所定のタイミングとは、例えば、コンテンツサーバ11からメタデータによって指定されたタイミングである。また、端末装置30は、例えば、HTTP−Getメッセージを用いて、補完データ要求を送信する。
【0074】
補完サーバ21は、端末装置30からの補完データ要求に応じて、補完タイミングとして、端末装置30毎に、補完データ要求の受付を拒否する受付拒否時間を決定する(ステップS32)。具体的には、補完サーバ21は、負荷情報取得部211で取得された通信網20の負荷情報、コンテンツ情報取得部212で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部213で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、端末装置30毎に補完データ要求の受付拒否時間を決定する。
【0075】
補完サーバ21は、決定した受付拒否時間を示す補完タイミング情報を、通信網20を介して端末装置30に送信する(ステップS33)。補完サーバ21は、例えば、端末装置30からのHTTP−Getメッセージに対する応答メッセージのRetry−Afterフィールドを用いて、決定した受付拒否時間を端末装置30に通知する。
【0076】
端末装置30は、補完サーバ21からの補完タイミング情報によって示される受付拒否時間経過後に、再度、通信網20を介して補完サーバ21に補完データ要求を送信する(ステップS34)。なお、ステップS35及びS36は、図3のステップS16及びS17と同様であるため説明を省略する。
【0077】
変形例1−2に係る通信放送連携システムによれば、補完サーバ21が、補完タイミングとして補完データ要求の受付を拒否する受付拒否時間を端末装置30毎に決定するので、補完データ要求に応じた補完データの送信による通信網20のトラフィック量の増加を分散させることができる。したがって、補完データ要求に応じた補完データの送信により、通信網20の負荷が増大するのを防止することができる。
【0078】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る通信放送連携システムについて、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。第2の実施形態に係る通信放送連携システムでは、端末装置30が、補完タイミングの決定主体となる点で、第1の実施形態と異なる。
【0079】
<端末装置30の構成>
第2の実施形態に係る通信放送連携システムにおいて、補完タイミングの決定主体となる補完サーバ21の構成について説明する。端末装置30は、物理的には、CPU、メモリ、通信インタフェイス、ディスプレイ、スピーカ、操作キー等を備えた端末である。図7は、第2の実施形態に係る端末装置30の機能構成図である。
【0080】
図7に示すように、端末装置30は、放送波受信部301、コンテンツ構築部302、欠落検出部303、補完タイミング情報取得部304、コンテンツ情報取得部305、通信波送受信部306、負荷情報取得部307、ユーザ属性・位置情報取得部308、補完タイミング決定部309、補完データ要求部310、補完データ取得部311、コンテンツ再構築部312、コンテンツ再生部313を有する。
【0081】
放送波受信部301は、放送局12からの放送波を受信し、復調処理等を行う。放送波受信部301は、復調された放送信号から分離されたコンテンツデータをコンテンツ構築部302に入力する。また、放送波受信部301は、復調された放送信号から分離されたメタデータを補完タイミング情報取得部304及びコンテンツ情報取得部305に入力する。
【0082】
コンテンツ構築部302は、放送波受信部301から入力されたコンテンツデータに対して、誤り訂正処理(FEC:Forward Error Correction)等を行う。
【0083】
欠落検出部303は、コンテンツ構築部302による誤り訂正処理結果に基づいて、放送波を用いて正しく受信することができずに、欠落したコンテンツデータを検出する。欠落検出部303は、検出結果に基づいて、補完データ情報を補完タイミング決定部309及び補完データ要求部310に入力する。ここで、補完データ情報は、後述する補完データ要求部310で要求すべき補完データの識別子やデータ量を示す。
【0084】
補完タイミング情報取得部304は、放送波受信部301から入力されたメタデータから補完タイミング情報を取得し、補完タイミング決定部309に入力する。
【0085】
コンテンツ情報取得部305は、放送波受信部301から入力されたメタデータからコンテンツ情報を取得し、補完タイミング決定部309に入力する。
【0086】
通信波送受信部306は、基地局22と通信波を送受信し、変調・復調処理等を行う。通信波送受信部306は、復調された通信信号から分離された制御情報を負荷情報取得部307に入力する。通信波送受信部306は、復調された通信信号から分離された補完データを補完データ取得部311に入力する。
【0087】
負荷情報取得部307は、通信波送受信部306から入力された制御情報から負荷情報を取得し、補完タイミング決定部309に入力する。
【0088】
ユーザ属性・位置情報取得部308は、通信波送受信部306から入力された制御情報からユーザ属性情報及び位置情報を取得し、補完タイミング決定部309に入力する。ユーザ属性・位置情報取得部308は、ユーザ属性情報として、上述の端末装置30のユーザの契約情報等に加えて、端末装置30のバッテリー残量を取得してもよい。
【0089】
補完タイミング決定部309は、コンテンツ情報取得部305で取得されたコンテンツ情報、負荷情報取得部307で取得された負荷情報、ユーザ属性・位置情報取得部308で取得されたユーザ属性情報及び位置情報、欠落検出部303から入力された補完データ情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミングを決定する。ここで、補完タイミング決定部309は、上述のように、補完タイミングとして、端末装置30が補完サーバ21に対して補完データ要求を送信する日時を決定してもよいし、或いは、オフセット時間及びランダム時間幅T2を決定してもよい。
【0090】
具体的には、補完タイミング決定部309は、負荷情報によって示される通信網20又は補完サーバ21の負荷が閾値Th1を超えた場合、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅くなるように、上述の日時、又は、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定する。また、補完タイミング決定部309は、通信網20又は補完サーバ21の負荷が所定の閾値Th1以下である場合、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間早くなるように、上述の日時、又は、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定してもよい。
【0091】
また、補完タイミング決定部309は、コンテンツ情報によって示されるコンテンツの公開時刻と現在時刻との差が閾値Th2以下である場合、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間早くなるように、上述の日時、又は、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定してもよい。
【0092】
また、補完タイミング決定部309は、コンテンツ情報によって示されるコンテンツ種別に応じて、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅く又は早くなるように、上述の日時、又は、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定してもよい。
【0093】
また、補完タイミング決定部309は、ユーザ属性情報によって示される端末装置30のバッテリー残量が閾値Th3以下である場合、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅くなるように、上述の日時、又は、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定してもよい。
【0094】
補完データ要求部310は、補完タイミング決定部309によって決定された補完タイミングで、補完サーバ21に対する補完データ要求を行う。
【0095】
補完データ取得部311は、通信波送受信部306から入力された補完データに対して、誤り訂正処理(FEC)等を行い、その補完データをコンテンツ再構築部312に入力する。
【0096】
コンテンツ再構築部312は、補完データ取得部311から入力された補完データと、コンテンツ構築部302において誤り訂正処理に成功したコンテンツデータとを合成し、コンテンツを構築する。
【0097】
コンテンツ再生部313は、コンテンツ再構築部312によって再構築されたコンテンツの再生を行う。コンテンツ再生部313は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、及びその制御部などから構成されており、ユーザ操作部(図示なし)からコンテンツ再生を指示する指示情報が入力されると、その時間に応じたコンテンツを再生する。
【0098】
<通信放送連携システムの動作>
次に、第2の実施形態に係る通信放送連携システムの動作を説明する。図8は、第2の実施形態に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【0099】
図8に示すように、コンテンツサーバ11は、補完タイミングの初期値を含む補完タイミング情報をコンテンツデータとともに、放送網10を介して端末装置30に送信する(ステップS41)。ここで、補完タイミングの初期値は、オフセット時間T1とランダム時間幅T2で示されてもよいし、日時で示されてもよい。なお、上述のように、コンテンツサーバ11は、配信するコンテンツのメタデータに含めて、補完タイミング情報を送信する。
【0100】
端末装置30の補完タイミング決定部309は、コンテンツ情報取得部305で取得されたコンテンツ情報、負荷情報取得部307で取得された負荷情報、ユーザ属性・位置情報取得部308で取得されたユーザ属性情報及び位置情報、欠落検出部303から入力された補完データ情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミング情報によって示される補完タイミングを変更する(ステップS42)。具体的には、補完タイミング決定部309は、補完タイミングを示すオフセット時間T1及びランダム時間幅T2を、図4を参照して説明したように、変更する。
【0101】
端末装置30の補完データ要求部310は、ステップS42で変更された補完タイミングで、通信網20を介して補完サーバ21に補完データ要求を送信する(ステップS43)。ステップS44及びS45は、図3のステップS16及びS17と同様であるため、説明を省略する。
【0102】
<作用・効果>
第2の実施形態に係る通信放送連携システムによれば、端末装置30が、負荷情報取得部307で取得された負荷情報、コンテンツ情報取得部305で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部308で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミングを決定するので、多数の端末装置30からの補完データ要求がバースト的に発生するのを防止できる。この結果、端末装置30からバースト的に発生する補完データ要求により、補完サーバ21の負荷が増大するのを防ぐとともに、通信網20において他の通信を逼迫させてしまうのを防ぐことができる。
【0103】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態に係る通信放送連携システムについて、第1及び第2の実施形態との相違点を中心に説明する。第1及び第2の実施形態では、補完サーバ21又は端末装置30によって決定された補完タイミングにおいて端末装置30が自動的に補完データ要求を送信する「自動補完」機能を備えた通信放送連携システムについて説明した。第3の実施形態では、自動補完機能に加えて、端末装置30がユーザからの補完指示の受付に応じて補完データ要求を送信する「手動補完」機能を備えた通信放送連携システムについて説明する。
【0104】
上述の自動補完と手動補完とは、通信網20の負荷情報や、コンテンツ情報、ユーザ属性情報、位置情報など種々の条件に応じて切替可能である。以下、第3の実施形態に係る通信放送連携システムでは、補完サーバ21が、自動補完と手動補完との切替主体となる例を説明する。
【0105】
<補完サーバ21の構成>
図9は、第3の実施形態に係る補完サーバ21の機能構成図である。図9に示すように、補完サーバ21は、切替決定部218を具備する。切替決定部218は、負荷情報取得部211で取得された負荷情報、コンテンツ情報取得部212で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部213で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、自動補完と手動補完との切替を決定する。
【0106】
例えば、切替決定部218は、負荷情報によって示される通信網20又は補完サーバ21の負荷が閾値Th1を超えた場合、自動補完から手動補完への切替を決定してもよい。また、補完タイミング決定部214は、通信網20又は補完サーバ21の負荷が所定の閾値Th1以下である場合、自動補完の継続を決定してもよい。また、切替決定部218は、コンテンツ情報によって示されるユーザのコンテンツの嗜好値(例えば、コンテンツリコメンドのメトリックなど)に基づいて、嗜好値の高いコンテンツをタイムリーに配信するために、手動補完から自動補完への切替を決定してもよい。
【0107】
切替決定部218は、自動補完から手動補完への切替を決定した場合、その切替を指示する切替通知をコンテンツサーバ11に通知する。コンテンツサーバ11に通知された補完タイミング情報は、コンテンツサーバ11から配信されるコンテンツのメタデータに含めて、放送網10経由で端末装置30に通知される。
【0108】
<通信放送連携システムの動作>
次に、第3の実施形態に係る通信放送連携システムの動作を説明する。図10は、第3の実施形態に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。図10に示すように、補完サーバ21の切替決定部218は、上述の負荷情報、コンテンツ情報、ユーザ属性情報、位置情報の少なくとも一つに基づいて、自動補完から手動補完への切替を決定する(ステップS51)。切替決定部218は、自動補完から手動補完への切替を決定した場合、その旨を示す切替通知をコンテンツサーバ11に通知する(ステップS52)。
【0109】
コンテンツサーバ11は、コンテンツデータとともに切替通知を、放送網10を介して端末装置30に送信する(ステップS53)。例えば、コンテンツサーバ11は、配信するコンテンツのメタデータ内に、自動補完から手動補完への切替を示す<postfilerepair manual−complement>という記載を含める。
【0110】
端末装置30は、コンテンツサーバ11からの切替通知に応じて、自動的に補完データ要求を送信する自動補完から、ユーザからの補完指示の受付に応じて補完データ要求を送信する手動補完に切り替える。端末装置30のユーザがコンテンツを視聴しようとする場合等に、端末装置30は、ユーザからの補完指示を受け付ける(ステップS54)。端末装置30は、ユーザからの補完指示に応じて補完データ要求を、通信網20を介して補完サーバ21に送信する(ステップS55)。ステップS56及びS57は、図3のステップS16及びS17と同様であるため、説明を省略する。
【0111】
<作用・効果>
第3の実施形態に係る通信放送連携システムによれば、補完サーバ21が、負荷情報取得部211で取得された負荷情報、コンテンツ情報取得部212で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部213で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、自動補完から手動補完への切り替えを決定し、端末装置30に通知するので、蓄積型のコンテンツ配信方式において、ユーザによって視聴されないコンテンツの補完データ要求によって、通信網20又は補完サーバ21の負荷が増加するのを防ぐことができる。
【0112】
[変形例3−1]
次に、第3の実施形態に係る通信放送連携システムの変形例3−1について説明する。変形例3−1では、補完サーバ21が、端末装置30から送信された補完データ要求に応じて、自動補完と手動補完との切替を決定する点で第3の実施形態と異なる。
【0113】
図11は、変形例3−1に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。図11に示すように、端末装置30は、補完タイミングで、通信網20を介して補完サーバ21に補完データ要求を送信する(ステップS61)。また、端末装置30は、例えば、HTTP−Getメッセージを用いて、補完データ要求を送信する。
【0114】
補完サーバ21の切替決定部218は、端末装置30からの補完データ要求に応じて、上述の負荷情報、コンテンツ情報、ユーザ属性情報、位置情報の少なくとも一つに基づいて、自動補完から手動補完への切り替えを決定する(ステップS62)。
【0115】
補完サーバ21は、自動補完から手動補完への切替を決定した場合、その旨を示す切替通知を端末装置30に通知する(ステップS63)。補完サーバ21は、例えば、端末装置30からのHTTP−Getメッセージ(「Get Range xxx−xxx AUTO−Complment Metric=YY」)に対して、自動補完から手動補完への切り替えを示す「503 Manual−Complement」という応答メッセージを送信する。ステップS64〜S67は、図10のステップS54〜S57と同様であるため、説明を省略する。
【0116】
変形例3−1に係る通信放送連携システムによれば、補完サーバ21が、自動補完から手動補完への切り替えを決定するので、蓄積型のコンテンツ配信方式において、ユーザによって視聴されないコンテンツの補完データ要求によって、通信網20又は補完サーバ21の負荷が増加するのを防ぐことができる。
【0117】
[変形例3−2]
次に、第3の実施形態に係る通信放送連携システムの変形例3−2について説明する。変形例3−2では、端末装置30が自動補完と手動補完との切替主体となる点で第3の実施形態と異なる。
【0118】
図12は、変形例3−2に係る端末装置30の機能構成図である。図12に示すように、端末装置30は、切替決定部314を具備する。切替決定部314は、負荷情報取得部307で取得された負荷情報、コンテンツ情報取得部305で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部308で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、自動補完と手動補完との切替を決定する。
【0119】
例えば、切替決定部314は、ユーザ属性情報によって示される端末装置30のバッテリー残量が閾値Th3以下である場合、自動補完から手動補完への切替を決定してもよい。
【0120】
また、切替決定部314は、切替の決定結果を補完データ要求部310に入力する。補完データ要求310は、自動補完を行う場合、補完タイミングで自動的に補完データ要求を行う。一方、補完データ要求部310は、手動補完を行う場合、操作部(図示なし)によってユーザから受付られた補完指示に応じて、補完データ要求を行う。
【0121】
変形例3−2に係る通信放送連携システムによれば、端末装置30が、負荷情報取得部307で取得された負荷情報、コンテンツ情報取得部305で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部308で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、自動補完から手動補完に切り替えるので、蓄積型のコンテンツ配信方式において、ユーザによって視聴されないコンテンツの補完データ要求によって、通信網20又は補完サーバ21の負荷が増加するのを防ぐことができる。
【0122】
また、変形例3−2に係る通信放送連携システムによれば、端末装置30が、端末装置30のバッテリー残量に基づいて、自動補完から手動補完に切り替えるので、ユーザの知らない間に行われる自動補完により、ユーザが除く通話等の他の機能が使用できなくなるのを防ぐことができる。
【0123】
[その他の実施形態]
上述の通信放送連携システムでは、放送網10に接続されたコンテンツサーバ11と通信網20に接続された補完サーバ21とを別々に設けたが、一つのサーバとしてもよい。
【0124】
また、上述の通信放送連携システムでは、補完サーバ21は、負荷情報取得部211、コンテンツ情報取得部212、ユーザ属性・位置情報取得部213を備える例を説明したが、全ての構成を備える必要はなく、補完タイミング決定部214による補完タイミングの決定に用いられる情報を取得する構成のみを備えていればよい。また、端末装置30のコンテンツ情報取得部305、負荷情報取得部307、ユーザ属性・位置情報取得部308についても、同様である。
【符号の説明】
【0125】
10…放送網、11…コンテンツサーバ、12…放送局、13…放送エリア、20…通信網、21…補完サーバ、22…基地局、23…顧客情報管理サーバ、24…通信エリア、30…端末装置、211…負荷情報取得部、212…コンテンツ情報取得部、213…ユーザ属性・位置情報取得部、214…補完タイミング決定部、215…補完データ要求受信部、216…補完データ生成部、217…補完データ送信部、218…切替決定部、
301…放送波受信部、302…コンテンツ構築部、303…欠落検出部、304…補完タイミング情報取得部、305…コンテンツ情報取得部、306…通信波送受信部、307…負荷情報取得部、308…ユーザ属性・位置情報取得部、309…補完タイミング決定部、310…補完データ要求部、311…補完データ取得部、312…コンテンツ再構築部、313…コンテンツ再生部、314…切替決定部、T0…コンテンツ配信時間、T1…オフセット時間、T2…ランダム時間幅、T3…補完可能時間
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置が放送網を介して受信できなかったコンテンツデータを、補完サーバが通信網を介して補完する通信放送連携システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送波を用いてデジタル放送サービスを提供する放送網と、通信波を用いて携帯電話サービスやデータ通信サービスを提供する通信網との融合が求められている。例えば、携帯電話端末向けのデジタル放送サービス(ワンセグ放送サービス)の受信機能を携帯電話端末に搭載することにより、放送網から携帯電話端末へのコンテンツ配信が行われている。放送網を用いたコンテンツ配信では、放送システムから携帯電話端末への片方向のみで通信が行われる。このため、携帯電話端末が、放送網から受信できなかったコンテンツデータを、通信網からから受信可能とする「補完」機能を備えた通信放送連携システムも検討されている(例えば、特許文献1〜3)。
【0003】
ところで、コンテンツの配信方式としては、コンテンツの再生時に逐次配信されるコンテンツを再生するストリーム型と、コンテンツの再生時に関係なくコンテンツが配信され、コンテンツ再生時に端末内に蓄積されたコンテンツを再生する蓄積型とがある。
【0004】
通信網を用いたコンテンツ配信では、蓄積型のコンテンツ配信方式が用いられており、例えば、Video ChannelやMusic Channelサービスなどでは、ユーザが選択したコンテンツが夜中などに自動的に携帯電話端末に配信される。一方、放送網を用いたコンテンツサービスでは、ワンセグ放送サービスに代表されるように、ストリーム型の配信方式が用いられているが、近年では、蓄積型の配信方式を用いることも検討されている(例えば、非特許文献1及び2)。また、放送網を用いた蓄積型のコンテンツ配信においても、DVB−H(Digital Video Broadcasting for Handheld)に規定されるように、上述の補完機能を備えた通信放送連携システムが検討されている(例えば、非特許文献3)。
【0005】
図13は、DVB−Hに規定された通信放送連携システムの補完機能を示す図である。図13に示すように、例えば、コンテンツ配信時間T0では、放送網からの放送波を用いて携帯電話端末にコンテンツが自動的に配信される。コンテンツ配信時間T0から一定時間後の補完可能時間T3において、携帯電話端末は、コンテンツ配信時間T0において放送網を用いて受信できなかったコンテンツデータの送信要求(以下、補完データ要求という)を、通信網に接続された補完サーバに送信する。補完サーバは、補完データ要求により要求されたコンテンツデータ(以下、補完データという)を、通信網からの通信波を用いて携帯電話端末に送信する。
【0006】
この通信放送連携システムにおいて、図13の補完可能時間T3は、コンテンツ配信時間T0においてコンテンツデータとともに送信される制御データ(メタデータ)により携帯電話端末に通知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−313061号公報
【特許文献2】特開2004−200863号公報
【特許文献3】特開2007−166674号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】ISO/IEC 13818‐12:2007(E)
【非特許文献2】RFC3926‐FLUTE‐File Delivery over Unidirectional Transprt
【非特許文献3】ETSI TS 102 591
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の通信放送連携システムでは、図13に示す補完可能時間T3において、多数の携帯電話端末から補完サーバへの補完データ要求がバースト的に発生する場合がある。かかる場合、補完可能時間T3でバースト的に発生する補完データ要求により、補完サーバの負荷が増大するとともに、当該補完データ要求や当該補完データ要求に応じた補完データが送信される通信網において他の通信を逼迫させてしまうという問題点があった。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、補完データ要求のバースト的な発生を防止することにより、補完サーバの負荷が増大するのを防ぐとともに、通信網において他の通信を逼迫させてしまうのを防ぐことが可能な通信放送連携システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の通信放送連携システムは、放送波を用いてコンテンツデータを放送する放送局と、前記放送波を介して受信したコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生する端末装置と、前記端末装置が前記放送波から正しく受信できなかったコンテンツデータを、通信網を介して補完する補完サーバと、を具備する通信放送連携システムであって、前記補完サーバは、前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記補完を行う補完タイミングを決定する補完タイミング決定部を具備する。
【0012】
この構成によれば、補完サーバが、負荷情報、コンテンツ情報、ユーザ属性情報、位置情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミングを決定するので、多数の端末装置からの補完データ要求がバースト的に発生するのを防止でき、この結果、補完サーバの負荷が増大するのを防ぐとともに、通信網において他の通信を逼迫させてしまうのを防ぐことができる。
【0013】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングとして、前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求する日時、又は、前記放送波を用いたコンテンツデータの配信終了時刻から前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求可能となる補完可能時間の開始時刻までのオフセット時間及び前記補完可能時間の開始時刻からランダムなタイミングで前記補完を要求可能な時間幅であるランダム時間幅を決定してもよい。
【0014】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅く又は早くなるように、前記日時、又は、前記オフセット時間及び前記ランダム時間幅を決定してもよい。
【0015】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記日時、又は、前記オフセット時間又は前記ランダム時間幅は、前記コンテンツのメタデータに含めて前記放送波を用いて前記放送局から放送されてもよい。
【0016】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記日時、又は、前記オフセット時間又は前記ランダム時間幅の更新を通知する更新通知は、前記放送波を用いて前記放送局から放送され、更新された日時、又は、更新されたオフセット時間又はランダム時間幅は、前記放送波を用いて前記更新通知を受信した前記端末装置からの要求に応じて、前記通信網を介して前記端末装置に通知されてもよい。
【0017】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングとして、前記端末装置からの前記補完の要求の受付を拒否する受付拒否時間を決定し、前記受付拒否時間は、前記端末装置からの前記補完の要求に応じて、前記補完サーバから前記端末装置に前記通信網を介して通知されてもよい。
【0018】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記補完サーバは、前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記端末装置が前記補完タイミングに自動的に前記補完を要求する自動補完から、前記端末装置がユーザからの指示の受付により前記補完を要求する手動補完への切替を決定する切替決定部を更に具備してもよい。
【0019】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記切替の指示は、前記コンテンツのメタデータに含めて前記放送波を用いて前記放送局から放送されてもよい。
【0020】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記切替の指示は、前記端末装置からの前記補完の要求に応じて、前記補完サーバから前記端末装置に前記通信網を介して通知されてもよい。
【0021】
また、本発明の上記通信放送連携システムは、放送波を用いてコンテンツデータを放送する放送局と、前記放送波を用いて受信したコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生する端末装置と、前記端末装置が前記放送波を用いて正しく受信できなかったコンテンツデータを、通信網を介して補完する補完サーバと、を具備する通信放送連携システムであって、前記端末装置は、前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記補完を行うタイミングである補完タイミングを決定する補完タイミング決定部を具備する。
【0022】
この構成によれば、端末装置が、負荷情報、コンテンツ情報、ユーザ属性情報、位置情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミングを決定するので、多数の端末装置からの補完データ要求がバースト的に発生するのを防止でき、この結果、補完サーバの負荷が増大するのを防ぐとともに、通信網において他の通信を逼迫させてしまうのを防ぐことができる。
【0023】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングとして、前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求する日時、又は、前記放送波を用いたコンテンツデータの配信終了時刻から前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求可能となる補完可能時間の開始時刻までのオフセット時間及び前記補完可能時間の開始時刻からランダムなタイミングで前記補完を要求可能な時間幅であるランダム時間幅を決定してもよい。
【0024】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅く又は早くなるように、前記日時、又は、前記オフセット時間及び前記ランダム時間幅を決定してもよい
【0025】
また、本発明は、上記通信放送連携システムにおいて、前記端末装置は、前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記補完タイミングに自動的に前記補完を要求する自動補完から、前記端末装置がユーザからの指示の受付により前記補完を要求する手動補完に切り替える切替部を更に具備してもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、補完データ要求のバースト的な発生を防止することにより、補完サーバの負荷が増大するのを防ぐとともに、通信網において他の通信を逼迫させてしまうのを防ぐことが可能な通信放送連携システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る通信放送連携システムの概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る補完サーバの構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る補完タイミング決定方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の変形例1−1に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の変形例1−2に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る端末装置の構成図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る補完サーバの構成図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の変形例3−1に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の変形例3−2に係る端末装置の構成図である。
【図13】従来の通信放送連携システムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。
【0029】
[第1の実施形態]
<通信放送連携システムの概略構成>
図1は、第1の実施形態に係る通信放送連携システムの構成図である。図1に示すように、通信放送連携システムは、放送網10に接続されたコンテンツサーバ11及び放送局12と、通信網20に接続された補完サーバ21、基地局22及び顧客情報管理サーバ23と、放送網10及び通信網20の双方に接続可能な端末装置30とから構成されている。
【0030】
放送網10に接続されたコンテンツサーバ11は、放送網10を介して端末装置30に対して、蓄積型のコンテンツを配信する。放送局12は、自局からの放送波を受信可能なエリアである放送エリア13を形成し、放送エリア13内の端末装置30と片方向通信(放送局12から端末装置30へ)を行う。放送局12は、コンテンツサーバ11から配信されたコンテンツデータを、放送波を用いて端末装置30に送信する。
【0031】
通信網20に接続された補完サーバ21は、コンテンツサーバ11に接続されており、コンテンツサーバ11からコンテンツデータを取得し、端末装置30からの補完データ要求(後述)に応じて補完データ(後述)を送信する。基地局22は、自局からの通信波を受信可能なエリアである通信エリア24を形成し、通信エリア24内の端末装置30と双方向通信を行う。基地局22は、補完サーバ21から送信された補完データ(後述)を、通信波を用いて端末装置30に送信する。顧客情報管理サーバ23は、端末装置30のユーザに関するユーザ属性情報を管理する。
【0032】
端末装置30は、放送網10及び通信網20の双方に接続可能な機能を備えた携帯電話端末、ノートパソコン等である。端末装置30は、例えば、図1に示すように、放送エリア13外に移動した場合や、放送エリア13内の伝搬状況が悪化した場合、放送網10を介して配信中のコンテンツについて全てのコンテンツデータを受信できない。そこで、端末装置30は、補完タイミング(後述)において、通信網20を介して補完サーバ21に対する補完データ要求(後述)を送信し、通信網20を介して補完データ(後述)を受信する。端末装置30は、放送網10を介して受信したコンテンツデータと通信網20を介して受信した補完データとを合成してコンテンツを復元し、復元したコンテンツをディスプレイやスピーカを用いて再生する。
【0033】
ここで、補完データ要求とは、端末装置30が放送局12からの放送波を用いて正しく受信できなかったコンテンツデータの補完を補完サーバ21に対して要求するものである。補完データ要求は、要求するコンテンツデータの識別子やデータ量を含む。また、補完データとは、補完データ要求に応じて補完サーバ21から送信されるコンテンツデータである。
【0034】
また、補完タイミングとは、端末装置30が放送局12からの放送波を用いて正しく受信できなかったコンテンツデータの補完を行うタイミングである。補完タイミングは、後述するように、通信網20の負荷情報や、コンテンツ情報、ユーザ属性情報など種々の条件に応じて設定・変更可能である。補完タイミングは、補完サーバ21において決定されてから端末装置30に通知されるか、或いは、端末装置30で決定される。
【0035】
以下、第1の実施形態に係る通信放送連携システムでは、補完サーバ21が、補完タイミングの決定主体となる例を説明する。
【0036】
<補完サーバ21の構成>
第1の実施形態に係る通信放送連携システムにおいて、補完タイミングの決定主体となる補完サーバ21の構成について説明する。補完サーバ21は、物理的には、CPU、メモリ、通信インタフェイス、ハードディスク、ディスプレイ等を備えたコンピュータシステムである。図2は、第1の実施形態に係る補完サーバ21の機能構成図である。
【0037】
図2に示すように、補完サーバ21は、負荷情報取得部211、コンテンツ情報取得部212、ユーザ属性・位置情報取得部213、補完タイミング決定部214、補完データ要求受信部215、補完データ生成部216、補完データ送信部217を有する。
【0038】
負荷情報取得部211は、負荷情報を取得する。ここで、負荷情報とは、通信網20又は補完サーバ21の負荷を示す情報であり、例えば、通信網20のトラフィック量、補完サーバ21の処理量、通信エリア24における余剰帯域量などである。なお、通信網20のトラフィック量は、通信網20における補完データ以外のデータを含むトラフィック量であってもよいし、補完データのみのトラフィック量であってもよい。また、通信網20のトラフィック量は、現在のトラフィック量と新規に発生すると予測されるトラフィック量との合計量であってもよい。新規に発生するトラフィック量は、端末装置30からの補完データ要求で指定された補完データ量(例えば、端末装置30からのHTTP−GetメッセージのByte−Rangeフィールドに指定されたデータ量)から予測される。
【0039】
コンテンツ情報取得部212は、コンテンツサーバ11からコンテンツ情報を取得する。ここで、コンテンツ情報とは、コンテンツサーバ11から配信されるコンテンツの関連情報であり、例えば、コンテンツの公開時刻、コンテンツ種別、電子番組ガイド(EPG:Electronic Program Guide)、コンテンツリコメンドのメトリックなどである。ここで、コンテンツリコメンドのメトリックとは、ユーザの視聴履歴に基づいて算出されるユーザのコンテンツの嗜好値であり、例えば、コンテンツサーバ11から配信されるコンテンツについて、ユーザの嗜好に合致したコンテンツ等を提供するために用いられる。
【0040】
ユーザ属性・位置情報取得部213は、顧客情報管理サーバ23からユーザ属性情報を取得する。ここで、ユーザ属性情報とは、端末装置30のユーザ属性を示す情報であり、例えば、「プレミア契約」「無料契約」などの端末装置30のユーザの契約情報、端末装置30からの補完データ要求で指定された補完データ量などである。また、ユーザ属性・位置情報取得部213は、位置情報管理サーバ(図示なし)から端末装置30の在圏する通信エリアを示す位置情報を取得する。
【0041】
補完タイミング決定部214は、負荷情報取得部211で取得された負荷情報、コンテンツ情報取得部212で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部213で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミングを決定する。
【0042】
ここで、補完タイミング決定部214は、補完タイミングとして、xxxx年y月z日15:00のように、端末装置30が補完サーバ21に対して補完データ要求を送信する日時を決定してもよい。或いは、補完タイミング決定部214は、補完タイミングとして、図13に示すオフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定してもよい。ここで、オフセット時間T1とは、図13に示すように、コンテンツ配信時間T0の終了時刻から補完可能時間T3の開始時刻までの時間を示すものである。また、ランダム時間幅T2とは、端末装置30が補完可能時間T3の開始時刻からランダムなタイミングで補完データ要求を送信可能な時間幅を示すものである。
【0043】
具体的には、補完タイミング決定部214は、負荷情報によって示される通信網20又は補完サーバ21の負荷が閾値Th1を超えた場合、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅くなるように、上述の日時、又はオフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定する。また、補完タイミング決定部214は、通信網20又は補完サーバ21の負荷が所定の閾値Th1以下である場合、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間早くなるように、上述の日時、又はオフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定する。
【0044】
また、補完タイミング決定部214は、コンテンツ情報によって示されるコンテンツの公開時刻と現在時刻との差が閾値Th2以下である場合、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間早くなるように、上述の日時、又はオフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定してもよい。
【0045】
また、補完タイミング決定部214は、コンテンツ情報によって示されるコンテンツ種別に応じて、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅く又は早くなるように、上述の日時、又はオフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定してもよい。
【0046】
また、補完タイミング決定部214は、ユーザ属性情報によって示されるユーザ属性毎に、補完タイミングを決定してもよい。例えば、補完タイミング決定部214は、優先度の高いユーザ属性の補完タイミングと優先度の低いユーザ属性の補完タイミングとを別々に決定してもよい。ここで、優先度の高いユーザ属性とは、ユーザの契約情報が「プレミア契約」、補完データ要求によって指定された補完データ量が所定値以下である。また、優先度の低いユーザ属性とは、例えば、ユーザの契約情報が「無料契約」、補完データ量が所定値より大きいなどである。
【0047】
また、補完タイミング決定部214は、位置情報によって示される通信エリア毎に、補完タイミングを決定してもよい。例えば、補完タイミング決定部214は、トラフィック量の多い通信エリアの補完タイミングとトラフィック量の少ない通信エリアの補完タイミングとを別々に決定してもよい。
【0048】
また、補完タイミング決定部214は、決定された補完タイミングを示す補完タイミング情報をコンテンツサーバ11に通知する。コンテンツサーバ11に通知された補完タイミング情報は、コンテンツサーバ11から配信されるコンテンツのメタデータに含めて、放送網10経由で端末装置30に通知される。
【0049】
補完データ要求受信部215は、上記補完タイミングで端末装置30から送信された補完データ要求を基地局22から受信する。
【0050】
補完データ生成部216は、補完データ要求受信部215によって受信された補完データ要求に応じて、補完データを生成する。具体的には、補完データ生成部216は、補完データ要求に含まれるコンテンツデータの識別子に基づいて、同じ識別子を有するコンテンツデータをコンテンツサーバ11から取得し、取得したコンテンツデータを含む補完データを生成する。なお、補完データ生成部216は、コンテンツサーバ11から配信されるコンテンツの全コンテンツデータを予め取得し、取得した全コンテンツデータから補完データ要求に含まれる識別子と同じ識別子を有するコンテンツデータを抽出してもよい。
【0051】
補完データ送信部217は、補完データ生成部216によって生成された補完データを通信網20及び基地局22を介して端末装置30に送信する。
【0052】
<通信放送連携システムの動作>
次に、第1の実施形態に係る通信放送連携システムの動作を説明する。図3は、第1の実施形態に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【0053】
図3に示すように、補完サーバ21の補完タイミング決定部214は、負荷情報取得部211で取得された通信網20の負荷情報、コンテンツ情報取得部212で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部213で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミングを決定する(ステップS11)。
【0054】
図4は、ステップS11における補完タイミングの具体的な決定方法を示すフローチャートである。なお、以下では、補完タイミング決定部214が、補完タイミングとして、図13に示すオフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定する例を説明するが、上述のように日時を決定してもよい。
【0055】
図4に示すように、補完タイミング決定部214は、通信網20又は補完サーバ21の負荷を判断する(ステップS111)。負荷が閾値Th1より大きい場合(ステップS111;Yes)、補完タイミング決定部214は、オフセット時間T1をX倍とし、ランダム時間幅T2をY倍とし、補完タイミングを遅くする(ステップS112)。一方、負荷が閾値Th1以下である場合(ステップS111;No)、補完タイミング決定部214は、オフセット時間T1を1/Xとし、ランダム時間幅T2を1/Yとし、補完タイミングを早くする(ステップS113)。
【0056】
なお、図4の閾値Th1、X、Yは、予め設定された所定の値である。また、ステップS112において、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2が、上限値T1max及びT2maxを超えないように設定されてもよい。同様に、ステップS113において、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2が、下限値T1min及びT2minを超えないように設定されてもよい。また、ステップS113は、省略されてもよい。
【0057】
また、図4では、ステップS111において通信網20又は補完サーバ21の負荷が閾値Th1より大きいか否かを判断する例を示したが、上述のように、コンテンツの公開時刻と現在時刻との差が閾値Th2より大きいか否かなどを判断してもよい。
【0058】
さらに、図4のステップS112及びS113において、補完タイミング決定部214は、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2をユーザ属性毎に設定してもよい。例えば、補完タイミング決定部214は、上述の優先度の高いユーザ属性について、オフセット時間T1を5秒、ランダム時間幅T2を10秒とし、補完タイミングを早くする。また、補完タイミング決定部214は、上述の優先度の低いユーザ属性について、オフセット時間T1を1000秒、ランダム時間幅T2を2000秒とし、補完タイミングを遅くする。
【0059】
同様に、図4のステップS112及びS113において、補完タイミング決定部214は、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2を通信エリア毎に設定してもよい。例えば、補完タイミング決定部214は、上述のトラフィック量の少ない通信エリアについて、オフセット時間T1を5秒、ランダム時間幅T2を10秒とし、補完タイミングを早くする。また、補完タイミング決定部214は、上述のトラフィック量の多い通信エリアについて、オフセット時間T1を1000秒、ランダム時間幅T2を2000秒とし、補完タイミングを遅くする。
【0060】
以上のように、図3のステップS11において、補完タイミング決定部214は、補完タイミングを決定する。補完タイミング決定部214は、決定された補完タイミングを示す補完タイミング情報をコンテンツサーバ11に通知する(ステップS12)。
【0061】
コンテンツサーバ11は、補完サーバ21から通知された補完タイミング情報をコンテンツデータとともに、放送網10を介して端末装置30に送信する(ステップS13)。具体的には、コンテンツサーバ11は、配信するコンテンツのメタデータ内に、補完タイミング情報を含める。例えば、上述の例のように、優先度の高いユーザ属性のオフセット時間T1を5秒、優先度の高いユーザ属性のランダム時間幅T2を10秒とし、優先度の低いユーザ属性のオフセット時間T1を1000秒、優先度の低いユーザ属性のランダム時間幅T2を2000秒とすることを示す補完タイミング情報を送信する場合、メタデータ内に、
<postFileRepair
offsetTime_High-Priority="5" randomTimePeriod_High-Priority="10"
offsetTime_Low-Priority="1000" randomTimePeriod_Low-Priority="2000">
という記載を含める。また、上述の例のように、トラフィック量の少ない通信エリア1のオフセット時間T1を5秒、トラフィック量の多い通信エリア2のランダム時間幅T2を10秒とし、トラフィック量の少ない通信エリア1のオフセット時間T1を1000秒、トラフィック量の多い通信エリア2のランダム時間幅T2を2000秒とすることを示す補完タイミング情報を送信する場合、メタデータ内に、
<postFileRepair
offsetTime_area1="5" randomTimePeriod_area1="10"
offsetTime_area2="1000" randomTimePeriod_area2="2000">
という記載を含めることができる。
【0062】
端末装置30は、放送網10を介して補完タイミング情報を受信し、受信した補完タイミング情報の中から、自端末のユーザ属性又は通信エリアに応じた補完タイミングを選択する(ステップS14)。例えば、上述の例において、端末装置30のユーザ属性が優先度の高いユーザ属性(例えば、ユーザの契約情報が「プレミア契約」)である場合、端末装置30は、オフセット時間T1が5秒でランダム時間幅T2が10秒の補完タイミングを選択する。同様に、端末装置30の在圏する通信エリアがトラフィック量の多い通信エリア2である場合、端末装置30は、オフセット時間T1が1000秒でランダム時間幅T2が2000秒の補完タイミングを選択する。なお、コンテンツサーバ11から受信した補完タイミング情報が1つの補完タイミングのみを示す場合、ステップS14は省略可能である。
【0063】
端末装置30は、選択した補完タイミングにおいて、通信網20を介して補完サーバ21に補完データ要求を送信する(ステップS15)。例えば、上述のように、端末装置30が、オフセット時間T1が5秒でランダム時間幅T2が10秒の補完タイミングを選択した場合、端末装置30は、放送網10を介したコンテンツデータの配信終了時刻から、5秒〜15秒後のランダムなタイミングにおいて、通信網20を介して補完サーバ21に補完データ要求を送信する。
【0064】
補完サーバ21の補完データ要求受信部215は、補完タイミングにおいて端末装置30から送信された補完データ要求を受信する。補完データ送信部217は、受信した補完データ要求に応じて生成された補完データを、通信網20を介して端末装置30に送信する(ステップS16)。
【0065】
端末装置30は、補完サーバ21から通信網20を介して受信した補完データと、コンテンツサーバ11から放送網10を介して受信したコンテンツデータとを合成してコンテンツを構築し、構築したコンテンツを再生する(ステップS17)。
<作用・効果>
第1の実施形態に係る通信放送連携システムによれば、補完サーバ21が、負荷情報取得部211で取得された負荷情報、コンテンツ情報取得部212で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部213で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミングを決定するので、多数の端末装置30からの補完データ要求がバースト的に発生するのを防止できる。この結果、端末装置30からバースト的に発生する補完データ要求により、補完サーバ21の負荷が増大するのを防ぐとともに、通信網20において他の通信を逼迫させてしまうのを防ぐことができる。
【0066】
[変形例1−1]
次に、第1の実施形態に係る通信放送連携システムの変形例1−1について説明する。変形例1−1では、補完サーバ21は、補完タイミングを更新し、補完タイミングの更新を端末装置30に通知する点で第1の実施形態と異なる。
【0067】
図5は、変形例1−1に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。図5に示すように、補完サーバ21の補完タイミング決定部214は、所定周期、或いは、所定のトリガが検知された場合に、補完タイミングを更新する(ステップS21)。なお、補完タイミングの具体的な更新方法は、図3のステップS11と同様である。補完タイミング決定部214は、補完タイミングの更新があった旨を示す更新通知をコンテンツサーバ11に送信する(ステップS22)。
【0068】
コンテンツサーバ11は、補完サーバ21から通知された更新通知をコンテンツデータとともに、放送網10、放送局12を介して端末装置30に送信する(ステップS23)。例えば、コンテンツサーバ11は、ARIB−STD B31で規定された放送波のフレームフォーマットの所定位置を用いて、端末装置30に対する更新通知を行う。より具体的には、コンテンツサーバ11は、伝送制御に係る情報を格納するためのTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)フィールドの空きビット(例えば、110ビット目)を“0”に設定することにより、端末装置30に対する更新通知を行う。また、コンテンツサーバ11は、AC(Auxiliary Channel)フィールドの空きビットを利用して、端末装置30に対する更新通知を行ってもよい。
【0069】
端末装置30は、コンテンツサーバ11からの更新通知に応じて、補完タイミング情報の送信を要求する補完タイミング情報要求を、通信網20を介して補完サーバ21に送信する(ステップS24)。補完サーバ21は、ステップS21で更新された補完タイミングを示す補完タイミング情報を、通信網20を介して端末装置30に送信する(ステップS25)。
【0070】
なお、ステップS26〜S29は、図3のステップS14〜S17と同様であるため説明を省略する。また、図5のステップS22において、補完サーバ21は、補完タイミングの更新があった旨を示す更新通知をコンテンツサーバ11及び放送網10を介して端末装置30に通知したが、通信網20を介して端末装置30に直接通知してもよい。
【0071】
変形例1−1に係る通信放送連携システムによれば、補完サーバ21は、補完タイミングの更新があった旨を通知する更新通知により、端末装置30に対して補完サーバ21からの補完タイミング情報の取得を促すことができる。したがって、コンテンツサーバ11から端末装置30へのメタデータの送信周期が長く、補完サーバ21で更新された補完タイミング情報をコンテンツサーバ11から端末装置30へ通知できない場合でも、端末装置30は、更新された補完タイミングに基づいて、補完データ要求を送信することができる。
【0072】
[変形例1−2]
次に、第1の実施形態に係る通信放送連携システムの変形例1−2について説明する。変形例1−2では、補完サーバ21が、補完タイミングとして補完データ要求の受付を拒否する受付拒否時間を端末装置30毎に決定する点で第1の実施形態と異なる。
【0073】
図6は、変形例1−2に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。図6に示すように、端末装置30は、所定のタイミングで、通信網20を介して補完サーバ21に補完データ要求を送信する(ステップS31)。なお、所定のタイミングとは、例えば、コンテンツサーバ11からメタデータによって指定されたタイミングである。また、端末装置30は、例えば、HTTP−Getメッセージを用いて、補完データ要求を送信する。
【0074】
補完サーバ21は、端末装置30からの補完データ要求に応じて、補完タイミングとして、端末装置30毎に、補完データ要求の受付を拒否する受付拒否時間を決定する(ステップS32)。具体的には、補完サーバ21は、負荷情報取得部211で取得された通信網20の負荷情報、コンテンツ情報取得部212で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部213で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、端末装置30毎に補完データ要求の受付拒否時間を決定する。
【0075】
補完サーバ21は、決定した受付拒否時間を示す補完タイミング情報を、通信網20を介して端末装置30に送信する(ステップS33)。補完サーバ21は、例えば、端末装置30からのHTTP−Getメッセージに対する応答メッセージのRetry−Afterフィールドを用いて、決定した受付拒否時間を端末装置30に通知する。
【0076】
端末装置30は、補完サーバ21からの補完タイミング情報によって示される受付拒否時間経過後に、再度、通信網20を介して補完サーバ21に補完データ要求を送信する(ステップS34)。なお、ステップS35及びS36は、図3のステップS16及びS17と同様であるため説明を省略する。
【0077】
変形例1−2に係る通信放送連携システムによれば、補完サーバ21が、補完タイミングとして補完データ要求の受付を拒否する受付拒否時間を端末装置30毎に決定するので、補完データ要求に応じた補完データの送信による通信網20のトラフィック量の増加を分散させることができる。したがって、補完データ要求に応じた補完データの送信により、通信網20の負荷が増大するのを防止することができる。
【0078】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る通信放送連携システムについて、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。第2の実施形態に係る通信放送連携システムでは、端末装置30が、補完タイミングの決定主体となる点で、第1の実施形態と異なる。
【0079】
<端末装置30の構成>
第2の実施形態に係る通信放送連携システムにおいて、補完タイミングの決定主体となる補完サーバ21の構成について説明する。端末装置30は、物理的には、CPU、メモリ、通信インタフェイス、ディスプレイ、スピーカ、操作キー等を備えた端末である。図7は、第2の実施形態に係る端末装置30の機能構成図である。
【0080】
図7に示すように、端末装置30は、放送波受信部301、コンテンツ構築部302、欠落検出部303、補完タイミング情報取得部304、コンテンツ情報取得部305、通信波送受信部306、負荷情報取得部307、ユーザ属性・位置情報取得部308、補完タイミング決定部309、補完データ要求部310、補完データ取得部311、コンテンツ再構築部312、コンテンツ再生部313を有する。
【0081】
放送波受信部301は、放送局12からの放送波を受信し、復調処理等を行う。放送波受信部301は、復調された放送信号から分離されたコンテンツデータをコンテンツ構築部302に入力する。また、放送波受信部301は、復調された放送信号から分離されたメタデータを補完タイミング情報取得部304及びコンテンツ情報取得部305に入力する。
【0082】
コンテンツ構築部302は、放送波受信部301から入力されたコンテンツデータに対して、誤り訂正処理(FEC:Forward Error Correction)等を行う。
【0083】
欠落検出部303は、コンテンツ構築部302による誤り訂正処理結果に基づいて、放送波を用いて正しく受信することができずに、欠落したコンテンツデータを検出する。欠落検出部303は、検出結果に基づいて、補完データ情報を補完タイミング決定部309及び補完データ要求部310に入力する。ここで、補完データ情報は、後述する補完データ要求部310で要求すべき補完データの識別子やデータ量を示す。
【0084】
補完タイミング情報取得部304は、放送波受信部301から入力されたメタデータから補完タイミング情報を取得し、補完タイミング決定部309に入力する。
【0085】
コンテンツ情報取得部305は、放送波受信部301から入力されたメタデータからコンテンツ情報を取得し、補完タイミング決定部309に入力する。
【0086】
通信波送受信部306は、基地局22と通信波を送受信し、変調・復調処理等を行う。通信波送受信部306は、復調された通信信号から分離された制御情報を負荷情報取得部307に入力する。通信波送受信部306は、復調された通信信号から分離された補完データを補完データ取得部311に入力する。
【0087】
負荷情報取得部307は、通信波送受信部306から入力された制御情報から負荷情報を取得し、補完タイミング決定部309に入力する。
【0088】
ユーザ属性・位置情報取得部308は、通信波送受信部306から入力された制御情報からユーザ属性情報及び位置情報を取得し、補完タイミング決定部309に入力する。ユーザ属性・位置情報取得部308は、ユーザ属性情報として、上述の端末装置30のユーザの契約情報等に加えて、端末装置30のバッテリー残量を取得してもよい。
【0089】
補完タイミング決定部309は、コンテンツ情報取得部305で取得されたコンテンツ情報、負荷情報取得部307で取得された負荷情報、ユーザ属性・位置情報取得部308で取得されたユーザ属性情報及び位置情報、欠落検出部303から入力された補完データ情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミングを決定する。ここで、補完タイミング決定部309は、上述のように、補完タイミングとして、端末装置30が補完サーバ21に対して補完データ要求を送信する日時を決定してもよいし、或いは、オフセット時間及びランダム時間幅T2を決定してもよい。
【0090】
具体的には、補完タイミング決定部309は、負荷情報によって示される通信網20又は補完サーバ21の負荷が閾値Th1を超えた場合、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅くなるように、上述の日時、又は、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定する。また、補完タイミング決定部309は、通信網20又は補完サーバ21の負荷が所定の閾値Th1以下である場合、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間早くなるように、上述の日時、又は、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定してもよい。
【0091】
また、補完タイミング決定部309は、コンテンツ情報によって示されるコンテンツの公開時刻と現在時刻との差が閾値Th2以下である場合、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間早くなるように、上述の日時、又は、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定してもよい。
【0092】
また、補完タイミング決定部309は、コンテンツ情報によって示されるコンテンツ種別に応じて、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅く又は早くなるように、上述の日時、又は、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定してもよい。
【0093】
また、補完タイミング決定部309は、ユーザ属性情報によって示される端末装置30のバッテリー残量が閾値Th3以下である場合、補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅くなるように、上述の日時、又は、オフセット時間T1及びランダム時間幅T2を決定してもよい。
【0094】
補完データ要求部310は、補完タイミング決定部309によって決定された補完タイミングで、補完サーバ21に対する補完データ要求を行う。
【0095】
補完データ取得部311は、通信波送受信部306から入力された補完データに対して、誤り訂正処理(FEC)等を行い、その補完データをコンテンツ再構築部312に入力する。
【0096】
コンテンツ再構築部312は、補完データ取得部311から入力された補完データと、コンテンツ構築部302において誤り訂正処理に成功したコンテンツデータとを合成し、コンテンツを構築する。
【0097】
コンテンツ再生部313は、コンテンツ再構築部312によって再構築されたコンテンツの再生を行う。コンテンツ再生部313は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、及びその制御部などから構成されており、ユーザ操作部(図示なし)からコンテンツ再生を指示する指示情報が入力されると、その時間に応じたコンテンツを再生する。
【0098】
<通信放送連携システムの動作>
次に、第2の実施形態に係る通信放送連携システムの動作を説明する。図8は、第2の実施形態に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。
【0099】
図8に示すように、コンテンツサーバ11は、補完タイミングの初期値を含む補完タイミング情報をコンテンツデータとともに、放送網10を介して端末装置30に送信する(ステップS41)。ここで、補完タイミングの初期値は、オフセット時間T1とランダム時間幅T2で示されてもよいし、日時で示されてもよい。なお、上述のように、コンテンツサーバ11は、配信するコンテンツのメタデータに含めて、補完タイミング情報を送信する。
【0100】
端末装置30の補完タイミング決定部309は、コンテンツ情報取得部305で取得されたコンテンツ情報、負荷情報取得部307で取得された負荷情報、ユーザ属性・位置情報取得部308で取得されたユーザ属性情報及び位置情報、欠落検出部303から入力された補完データ情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミング情報によって示される補完タイミングを変更する(ステップS42)。具体的には、補完タイミング決定部309は、補完タイミングを示すオフセット時間T1及びランダム時間幅T2を、図4を参照して説明したように、変更する。
【0101】
端末装置30の補完データ要求部310は、ステップS42で変更された補完タイミングで、通信網20を介して補完サーバ21に補完データ要求を送信する(ステップS43)。ステップS44及びS45は、図3のステップS16及びS17と同様であるため、説明を省略する。
【0102】
<作用・効果>
第2の実施形態に係る通信放送連携システムによれば、端末装置30が、負荷情報取得部307で取得された負荷情報、コンテンツ情報取得部305で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部308で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、補完タイミングを決定するので、多数の端末装置30からの補完データ要求がバースト的に発生するのを防止できる。この結果、端末装置30からバースト的に発生する補完データ要求により、補完サーバ21の負荷が増大するのを防ぐとともに、通信網20において他の通信を逼迫させてしまうのを防ぐことができる。
【0103】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態に係る通信放送連携システムについて、第1及び第2の実施形態との相違点を中心に説明する。第1及び第2の実施形態では、補完サーバ21又は端末装置30によって決定された補完タイミングにおいて端末装置30が自動的に補完データ要求を送信する「自動補完」機能を備えた通信放送連携システムについて説明した。第3の実施形態では、自動補完機能に加えて、端末装置30がユーザからの補完指示の受付に応じて補完データ要求を送信する「手動補完」機能を備えた通信放送連携システムについて説明する。
【0104】
上述の自動補完と手動補完とは、通信網20の負荷情報や、コンテンツ情報、ユーザ属性情報、位置情報など種々の条件に応じて切替可能である。以下、第3の実施形態に係る通信放送連携システムでは、補完サーバ21が、自動補完と手動補完との切替主体となる例を説明する。
【0105】
<補完サーバ21の構成>
図9は、第3の実施形態に係る補完サーバ21の機能構成図である。図9に示すように、補完サーバ21は、切替決定部218を具備する。切替決定部218は、負荷情報取得部211で取得された負荷情報、コンテンツ情報取得部212で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部213で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、自動補完と手動補完との切替を決定する。
【0106】
例えば、切替決定部218は、負荷情報によって示される通信網20又は補完サーバ21の負荷が閾値Th1を超えた場合、自動補完から手動補完への切替を決定してもよい。また、補完タイミング決定部214は、通信網20又は補完サーバ21の負荷が所定の閾値Th1以下である場合、自動補完の継続を決定してもよい。また、切替決定部218は、コンテンツ情報によって示されるユーザのコンテンツの嗜好値(例えば、コンテンツリコメンドのメトリックなど)に基づいて、嗜好値の高いコンテンツをタイムリーに配信するために、手動補完から自動補完への切替を決定してもよい。
【0107】
切替決定部218は、自動補完から手動補完への切替を決定した場合、その切替を指示する切替通知をコンテンツサーバ11に通知する。コンテンツサーバ11に通知された補完タイミング情報は、コンテンツサーバ11から配信されるコンテンツのメタデータに含めて、放送網10経由で端末装置30に通知される。
【0108】
<通信放送連携システムの動作>
次に、第3の実施形態に係る通信放送連携システムの動作を説明する。図10は、第3の実施形態に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。図10に示すように、補完サーバ21の切替決定部218は、上述の負荷情報、コンテンツ情報、ユーザ属性情報、位置情報の少なくとも一つに基づいて、自動補完から手動補完への切替を決定する(ステップS51)。切替決定部218は、自動補完から手動補完への切替を決定した場合、その旨を示す切替通知をコンテンツサーバ11に通知する(ステップS52)。
【0109】
コンテンツサーバ11は、コンテンツデータとともに切替通知を、放送網10を介して端末装置30に送信する(ステップS53)。例えば、コンテンツサーバ11は、配信するコンテンツのメタデータ内に、自動補完から手動補完への切替を示す<postfilerepair manual−complement>という記載を含める。
【0110】
端末装置30は、コンテンツサーバ11からの切替通知に応じて、自動的に補完データ要求を送信する自動補完から、ユーザからの補完指示の受付に応じて補完データ要求を送信する手動補完に切り替える。端末装置30のユーザがコンテンツを視聴しようとする場合等に、端末装置30は、ユーザからの補完指示を受け付ける(ステップS54)。端末装置30は、ユーザからの補完指示に応じて補完データ要求を、通信網20を介して補完サーバ21に送信する(ステップS55)。ステップS56及びS57は、図3のステップS16及びS17と同様であるため、説明を省略する。
【0111】
<作用・効果>
第3の実施形態に係る通信放送連携システムによれば、補完サーバ21が、負荷情報取得部211で取得された負荷情報、コンテンツ情報取得部212で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部213で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、自動補完から手動補完への切り替えを決定し、端末装置30に通知するので、蓄積型のコンテンツ配信方式において、ユーザによって視聴されないコンテンツの補完データ要求によって、通信網20又は補完サーバ21の負荷が増加するのを防ぐことができる。
【0112】
[変形例3−1]
次に、第3の実施形態に係る通信放送連携システムの変形例3−1について説明する。変形例3−1では、補完サーバ21が、端末装置30から送信された補完データ要求に応じて、自動補完と手動補完との切替を決定する点で第3の実施形態と異なる。
【0113】
図11は、変形例3−1に係る通信放送連携方法を示すシーケンス図である。図11に示すように、端末装置30は、補完タイミングで、通信網20を介して補完サーバ21に補完データ要求を送信する(ステップS61)。また、端末装置30は、例えば、HTTP−Getメッセージを用いて、補完データ要求を送信する。
【0114】
補完サーバ21の切替決定部218は、端末装置30からの補完データ要求に応じて、上述の負荷情報、コンテンツ情報、ユーザ属性情報、位置情報の少なくとも一つに基づいて、自動補完から手動補完への切り替えを決定する(ステップS62)。
【0115】
補完サーバ21は、自動補完から手動補完への切替を決定した場合、その旨を示す切替通知を端末装置30に通知する(ステップS63)。補完サーバ21は、例えば、端末装置30からのHTTP−Getメッセージ(「Get Range xxx−xxx AUTO−Complment Metric=YY」)に対して、自動補完から手動補完への切り替えを示す「503 Manual−Complement」という応答メッセージを送信する。ステップS64〜S67は、図10のステップS54〜S57と同様であるため、説明を省略する。
【0116】
変形例3−1に係る通信放送連携システムによれば、補完サーバ21が、自動補完から手動補完への切り替えを決定するので、蓄積型のコンテンツ配信方式において、ユーザによって視聴されないコンテンツの補完データ要求によって、通信網20又は補完サーバ21の負荷が増加するのを防ぐことができる。
【0117】
[変形例3−2]
次に、第3の実施形態に係る通信放送連携システムの変形例3−2について説明する。変形例3−2では、端末装置30が自動補完と手動補完との切替主体となる点で第3の実施形態と異なる。
【0118】
図12は、変形例3−2に係る端末装置30の機能構成図である。図12に示すように、端末装置30は、切替決定部314を具備する。切替決定部314は、負荷情報取得部307で取得された負荷情報、コンテンツ情報取得部305で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部308で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、自動補完と手動補完との切替を決定する。
【0119】
例えば、切替決定部314は、ユーザ属性情報によって示される端末装置30のバッテリー残量が閾値Th3以下である場合、自動補完から手動補完への切替を決定してもよい。
【0120】
また、切替決定部314は、切替の決定結果を補完データ要求部310に入力する。補完データ要求310は、自動補完を行う場合、補完タイミングで自動的に補完データ要求を行う。一方、補完データ要求部310は、手動補完を行う場合、操作部(図示なし)によってユーザから受付られた補完指示に応じて、補完データ要求を行う。
【0121】
変形例3−2に係る通信放送連携システムによれば、端末装置30が、負荷情報取得部307で取得された負荷情報、コンテンツ情報取得部305で取得されたコンテンツ情報、ユーザ属性・位置情報取得部308で取得されたユーザ属性情報及び位置情報の少なくとも一つに基づいて、自動補完から手動補完に切り替えるので、蓄積型のコンテンツ配信方式において、ユーザによって視聴されないコンテンツの補完データ要求によって、通信網20又は補完サーバ21の負荷が増加するのを防ぐことができる。
【0122】
また、変形例3−2に係る通信放送連携システムによれば、端末装置30が、端末装置30のバッテリー残量に基づいて、自動補完から手動補完に切り替えるので、ユーザの知らない間に行われる自動補完により、ユーザが除く通話等の他の機能が使用できなくなるのを防ぐことができる。
【0123】
[その他の実施形態]
上述の通信放送連携システムでは、放送網10に接続されたコンテンツサーバ11と通信網20に接続された補完サーバ21とを別々に設けたが、一つのサーバとしてもよい。
【0124】
また、上述の通信放送連携システムでは、補完サーバ21は、負荷情報取得部211、コンテンツ情報取得部212、ユーザ属性・位置情報取得部213を備える例を説明したが、全ての構成を備える必要はなく、補完タイミング決定部214による補完タイミングの決定に用いられる情報を取得する構成のみを備えていればよい。また、端末装置30のコンテンツ情報取得部305、負荷情報取得部307、ユーザ属性・位置情報取得部308についても、同様である。
【符号の説明】
【0125】
10…放送網、11…コンテンツサーバ、12…放送局、13…放送エリア、20…通信網、21…補完サーバ、22…基地局、23…顧客情報管理サーバ、24…通信エリア、30…端末装置、211…負荷情報取得部、212…コンテンツ情報取得部、213…ユーザ属性・位置情報取得部、214…補完タイミング決定部、215…補完データ要求受信部、216…補完データ生成部、217…補完データ送信部、218…切替決定部、
301…放送波受信部、302…コンテンツ構築部、303…欠落検出部、304…補完タイミング情報取得部、305…コンテンツ情報取得部、306…通信波送受信部、307…負荷情報取得部、308…ユーザ属性・位置情報取得部、309…補完タイミング決定部、310…補完データ要求部、311…補完データ取得部、312…コンテンツ再構築部、313…コンテンツ再生部、314…切替決定部、T0…コンテンツ配信時間、T1…オフセット時間、T2…ランダム時間幅、T3…補完可能時間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波を用いてコンテンツデータを放送する放送局と、前記放送波を介して受信したコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生する端末装置と、前記端末装置が前記放送波から正しく受信できなかったコンテンツデータを、通信網を介して補完する補完サーバと、を具備する通信放送連携システムであって、
前記補完サーバは、
前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記補完を行う補完タイミングを決定する補完タイミング決定部を具備することを特徴とする通信放送連携システム。
【請求項2】
前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングとして、前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求する日時、又は、前記放送波を用いたコンテンツデータの配信終了時刻から前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求可能となる補完可能時間の開始時刻までのオフセット時間及び前記補完可能時間の開始時刻からランダムなタイミングで前記補完を要求可能な時間幅であるランダム時間幅を決定することを特徴とする請求項1に記載の通信放送連携システム。
【請求項3】
前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅く又は早くなるように、前記日時、又は、前記オフセット時間及び前記ランダム時間幅を決定することを特徴とする請求項2に記載の通信放送連携システム。
【請求項4】
前記日時、又は、前記オフセット時間又は前記ランダム時間幅は、前記コンテンツのメタデータに含めて前記放送波を用いて前記放送局から放送されることを特徴とする請求項2又は3に記載の通信放送連携システム。
【請求項5】
前記日時、又は、前記オフセット時間又は前記ランダム時間幅の更新を通知する更新通知は、前記放送波を用いて前記放送局から放送され、
更新された日時、又は、更新されたオフセット時間又はランダム時間幅は、前記放送波を用いて前記更新通知を受信した前記端末装置からの要求に応じて、前記通信網を介して前記端末装置に通知されることを特徴とする請求項2又は3に記載の通信放送連携システム。
【請求項6】
前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングとして、前記端末装置からの前記補完の要求の受付を拒否する受付拒否時間を決定し、
前記受付拒否時間は、前記端末装置からの前記補完の要求に応じて、前記補完サーバから前記端末装置に前記通信網を介して通知されることを特徴とする請求項2に記載の通信放送連携システム。
【請求項7】
前記補完サーバは、前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記端末装置が前記補完タイミングに自動的に前記補完を要求する自動補完から、前記端末装置がユーザからの指示の受付により前記補完を要求する手動補完への切替を決定する切替決定部を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の通信放送連携システム。
【請求項8】
前記切替の指示は、前記コンテンツのメタデータに含めて前記放送波を用いて前記放送局から放送されることを特徴とする請求項7に記載の通信放送連携システム。
【請求項9】
前記切替の指示は、前記端末装置からの前記補完の要求に応じて、前記補完サーバから前記端末装置に前記通信網を介して通知されることを特徴とする請求項7に記載の通信放送連携システム。
【請求項10】
放送波を用いてコンテンツデータを放送する放送局と、前記放送波を用いて受信したコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生する端末装置と、前記端末装置が前記放送波を用いて正しく受信できなかったコンテンツデータを、通信網を介して補完する補完サーバと、を具備する通信放送連携システムであって、
前記端末装置は、
前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記補完を行うタイミングである補完タイミングを決定する補完タイミング決定部を具備することを特徴とする通信放送連携システム。
【請求項11】
前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングとして、前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求する日時、又は、前記放送波を用いたコンテンツデータの配信終了時刻から前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求可能となる補完可能時間の開始時刻までのオフセット時間及び前記補完可能時間の開始時刻からランダムなタイミングで前記補完を要求可能な時間幅であるランダム時間幅を決定することを特徴とする請求項10に記載の通信放送連携システム。
【請求項12】
前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅く又は早くなるように、前記日時、又は、前記オフセット時間及び前記ランダム時間幅を決定することを特徴とする請求項11に記載の通信放送連携システム。
【請求項13】
前記端末装置は、前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記補完タイミングに自動的に前記補完を要求する自動補完から、前記端末装置がユーザからの指示の受付により前記補完を要求する手動補完に切り替える切替部を更に具備することを特徴とする請求項10に記載の通信放送連携システム。
【請求項1】
放送波を用いてコンテンツデータを放送する放送局と、前記放送波を介して受信したコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生する端末装置と、前記端末装置が前記放送波から正しく受信できなかったコンテンツデータを、通信網を介して補完する補完サーバと、を具備する通信放送連携システムであって、
前記補完サーバは、
前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記補完を行う補完タイミングを決定する補完タイミング決定部を具備することを特徴とする通信放送連携システム。
【請求項2】
前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングとして、前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求する日時、又は、前記放送波を用いたコンテンツデータの配信終了時刻から前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求可能となる補完可能時間の開始時刻までのオフセット時間及び前記補完可能時間の開始時刻からランダムなタイミングで前記補完を要求可能な時間幅であるランダム時間幅を決定することを特徴とする請求項1に記載の通信放送連携システム。
【請求項3】
前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅く又は早くなるように、前記日時、又は、前記オフセット時間及び前記ランダム時間幅を決定することを特徴とする請求項2に記載の通信放送連携システム。
【請求項4】
前記日時、又は、前記オフセット時間又は前記ランダム時間幅は、前記コンテンツのメタデータに含めて前記放送波を用いて前記放送局から放送されることを特徴とする請求項2又は3に記載の通信放送連携システム。
【請求項5】
前記日時、又は、前記オフセット時間又は前記ランダム時間幅の更新を通知する更新通知は、前記放送波を用いて前記放送局から放送され、
更新された日時、又は、更新されたオフセット時間又はランダム時間幅は、前記放送波を用いて前記更新通知を受信した前記端末装置からの要求に応じて、前記通信網を介して前記端末装置に通知されることを特徴とする請求項2又は3に記載の通信放送連携システム。
【請求項6】
前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングとして、前記端末装置からの前記補完の要求の受付を拒否する受付拒否時間を決定し、
前記受付拒否時間は、前記端末装置からの前記補完の要求に応じて、前記補完サーバから前記端末装置に前記通信網を介して通知されることを特徴とする請求項2に記載の通信放送連携システム。
【請求項7】
前記補完サーバは、前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記端末装置が前記補完タイミングに自動的に前記補完を要求する自動補完から、前記端末装置がユーザからの指示の受付により前記補完を要求する手動補完への切替を決定する切替決定部を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の通信放送連携システム。
【請求項8】
前記切替の指示は、前記コンテンツのメタデータに含めて前記放送波を用いて前記放送局から放送されることを特徴とする請求項7に記載の通信放送連携システム。
【請求項9】
前記切替の指示は、前記端末装置からの前記補完の要求に応じて、前記補完サーバから前記端末装置に前記通信網を介して通知されることを特徴とする請求項7に記載の通信放送連携システム。
【請求項10】
放送波を用いてコンテンツデータを放送する放送局と、前記放送波を用いて受信したコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生する端末装置と、前記端末装置が前記放送波を用いて正しく受信できなかったコンテンツデータを、通信網を介して補完する補完サーバと、を具備する通信放送連携システムであって、
前記端末装置は、
前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記補完を行うタイミングである補完タイミングを決定する補完タイミング決定部を具備することを特徴とする通信放送連携システム。
【請求項11】
前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングとして、前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求する日時、又は、前記放送波を用いたコンテンツデータの配信終了時刻から前記端末装置が前記補完サーバに対して前記補完を要求可能となる補完可能時間の開始時刻までのオフセット時間及び前記補完可能時間の開始時刻からランダムなタイミングで前記補完を要求可能な時間幅であるランダム時間幅を決定することを特徴とする請求項10に記載の通信放送連携システム。
【請求項12】
前記補完タイミング決定部は、前記補完タイミングが現在設定されている補完タイミングより所定時間遅く又は早くなるように、前記日時、又は、前記オフセット時間及び前記ランダム時間幅を決定することを特徴とする請求項11に記載の通信放送連携システム。
【請求項13】
前記端末装置は、前記通信網又は前記補完サーバの負荷を示す負荷情報、前記コンテンツの関連情報であるコンテンツ情報、前記端末装置のユーザ属性を示すユーザ属性情報、前記端末装置の在圏する通信エリアを示す位置情報の少なくとも一つに基づいて、前記補完タイミングに自動的に前記補完を要求する自動補完から、前記端末装置がユーザからの指示の受付により前記補完を要求する手動補完に切り替える切替部を更に具備することを特徴とする請求項10に記載の通信放送連携システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−109456(P2011−109456A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262843(P2009−262843)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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