説明

通信方法及び通信システム

【課題】無線PANにおける端末装置間のアンテナ指向方向を短時間で整合させる方法及びシステムを提供する。
【解決手段】
アンテナをそれぞれ備える制御端末1と1以上の従属端末2との間で無線通信を行う通信システムにおいて、制御端末1は、アンテナビームの送受信方向を制御できる第1ビーム送受信方向制御部13とビーコンを送信するビーコン送信部15とACK信号を受信するACK受信部16とを備え、従属端末2はアンテナビームの送受信方向を制御できる第2ビーム送受信方向制御部23と制御端末からのビーコンの受信を試みるビーコン受信部27とACK信号を送信するACK送信部28とを備え、制御端末1のアンテナ1Aと従属端末2のアンテナ2Aそれぞれの全指向範囲を段階的に分割していくことによって、相互のアンテナの指向方向を短時間で整合させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信、特に無線PANにおける通信相手に対し互いにアンテナの指向方向を整合させるのに適した通信方法及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信に広く用いられている無線LAN(WLAN:Wireless Local Area Network)は無線通信範囲が半径100m程度であるのに対して、通信半径が約10m程度と無線通信範囲の狭い無線PAN(WPAN:Wireless Personal Area Network)が開発されている。この無線PANは必要に応じてその都度、限定的なネットワークを形成するアドホック型の無線通信であり、基地局などを介さずに端末間で自立的に通信を直接行えるところに特徴がある。無線PANはデバイスと呼ばれる複数の構成要素で行われ、上位層から指令を受けると、マスター側デバイス(制御端末)は周辺にある複数のスレーブ側デバイス(従属端末)を束ねて構成されるピコネットと呼ばれる一つのネットワークを形成する。
【0003】
制御端末はピコネットコーディネータ(PNC)と呼ばれ、従属端末に割り当てられるタイム・リソース(時間間隔など)を管理することによって、各従属端末の通信路の形成を制御する。これにより、任意のデバイス間で1対1の通信路が形成され、データ転送が行われる。制御端末は、通信が終了すると、ピコネットを解消し、通信路を開放する。この通信では、先頭から予め決められた三つの部分であるビーコン区間とコンテンション・アクセス区間(CAP)とチャンネル期間割り当て区間(CTAP)とで構成される信号系列が挿入されたフレームを用いている。なお、ビーコン区間ではビーコンと呼ばれている基準信号(同期信号)が制御端末から従属端末に送出される。コンテンション・アクセス区間では、すべてのデバイスがピコネットにアクセス可能となる。チャンネル時間割り当て区間では、制御端末(PNC)が特定の従属端末にのみ通信を許可する(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
マイクロ波帯に比べてミリ波帯は直進性が強く、減衰が大きいので、ミリ波帯を利用した無線PANは、狭い通信空間でも干渉し合うことを避けることができという特徴を有する反面、アンテナの指向性の幅を十分に狭くしなければならない。このような指向性の幅の狭い特性に適したアンテナとしてフェーズド・アレイ・アンテナなどのような指向アンテナが用いられる場合が多い。この指向アンテナは複数のアンテナ素子をアレイ状に空間的に配置することにより構成される。各アンテナ素子で送受信される信号はビーム毎にその振幅と位相とが設定され、狭い特定方向からの信号を選択的に送受信できるように整合性が図られる。このような指向アンテナを用いて通信を行う場合には、送受信側の双方でアンテナの指向性の整合性がとられている必要がある。また、アンテナゲインは、指向性の幅が狭くなるほど向上するので、高いアンテナゲインを必要とする場合には走査すべきビームの数は必然的に増加する。
【0005】
図12は、従来方式のアンテナビームの指向方向を決定するプロセスを示す図である。制御端末と通信の許可を申請した従属端末との間で通信を行うとき、先ず双方のアンテナの全指向範囲(通常は2π)を予め電気的に等分に分割して、アンテナの全指向範囲をカバーする複数のビームを形成し、それら全てのビームでビーコンを送信して順次走査することにより、従属端末はあるビームでビーコンを受信する。制御端末(PNC)側及び従属端末のアンテナビーコンは共に、アンテナの全指向範囲が、図12(A)に示すように、例えば、8分割されているものとして説明する。
【0006】
図12(C)に示すように、制御端末(PNC)は、第1のスーパーフレームSF1のビーコン期間BP内でビームS111とS112方向のビーコンをアンテナから送信する。
【0007】
従属端末(DEV)は、まず、第1のスーパーフレームSF1において指向方向D111の方向でビーコンの受信を試みる。しかし、ビームS111とS112方向のビーコンは従属端末の方向を向いていないので、従属端末はこれらのビーコンを受信できない。したがって、従属端末はビーコンを受信したときに返信するACK信号を返信することはできない。制御端末は、同様に、フレームSF2、SF3、…、SF6のビーコン期間BP内にビーコンをアンテナから送信する。しかし、これらのスーパーフレームSF2、SF3、…、SF6のいずれの指向方向においても、従属端末はこれらのビーコンを受信できない。従属端末は、スーパーフレームSF7になって初めてS221方向のビーコンを受診しACK信号を返信する。
【0008】
このように、制御端末と従属端末それぞれのビームを走査する速度は互いに異なり、走査方向は反対方向又は同方向であるので、各ビームが一巡することにより全指向範囲がカバーされ、この全指向範囲をカバーする多数のビームの走査を繰り返すことによって、制御端末の特定のビームのビーコンが従属端末の特定のビームで受信される。従属端末がそれぞれのビームでACKを送信し、制御端末が特定のビームでACK信号を受信する場合も同様である。
【0009】
図13は、IEEE802.15.3で使用されるスーパーフレームの構成を示す図である。図13に示すように、1つのスーパーフレームは、ビーコン期間と、コンテンション・アクセス期間(CAP)と、チャネル時間割り当て期間(CTAP)との3つのパートから構成される。
【0010】
各スーパーフレームの開始時はビーコン期間となっており、このビーコン期間で、制御端末(PNC)からビーコンがブロードキャストされる。このビーコンは、各スーパーフレームの開始を示し、制御端末(PNC)から各従属端末(DEV)に、タイム割り当てや管理情報を提供している。
【0011】
コンテンション・アクセス期間(CAP)は、スーパーフレームでビーコンの次に割り当てられている。このコンテンション・アクセス期間(CAP)は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access With Collision Avoidance)により、全ての無線端末がアクセス可能な期間になっている。このコンテンション・アクセス期間(CAP)では、時間に依存しないデータが転送される。
【0012】
チャネル時間割り当て期間(CTAP)は、制御端末(PNC)が特定の従属端末(DEV)にのみ通信を許可する期間となっている。チャネル時間割り当て期間(CTAP)は、管理用のタイムスロット(MCTA1、MCTA2)と、いくつかのタイムスロット(CTA1、CTA2、…)から構成されている。このチャネル時間割り当て期間(CTAP)では、時間依存のデータ(アイソクロナスデータ)が転送される。
【0013】
また、ネットワーク制御は、多くの伝送をサポートできるように、伝送を開始する前に、タイムリソースが確保される。また、タイムスロット(CTA1、CTA2、…)の長さは、リクエストで指定できるようになっている。
【0014】
つまり、従属端末(DEV)がタイムリソースを要求する場合には、従属端末(DEV)は、制御端末(PNC)からのビーコンを受信し、コンテンション・アクセス期間(CAP)で、制御端末(PNC)にスロット取得リクエストを送信する。このとき、タイムスロットの長さが指定できる。制御端末(PNC)は、スロット取得リクエスト受信すると、直ちに、リクエストが受け入れられるかどうかを判断し、リクエストの受け入れが可能なら、制御端末(PNC)から従属端末(DEV)にACK(アクノリッジ)でレスポンスを返し、制御端末(PNC)は、次にビーコンで、従属端末(DEV)に割り当てたタイムスロットの割り当て情報を含めて送信する。従属端末(DEV)は、ビーコンを受信し、自分に割り当てられたタイムスロットの情報を取得し、このタイムスロットを使って、チャネル時間割り当て期間(CTAP)で通信を行う。
【非特許文献1】IEEE 802.15, Wireless Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specifications for Wireless Personal Area Networks (WPAN) Amendment 1: MAC Sublayer, IEEE Std. 802.15.3b, 2005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、前述したような従来の方法では、高いアンテナゲインを得るためにアンテナの全指向範囲をカバーするためにビームの数が多い場合には、その多数のビームそれぞれで順次ビーコンを送信して走査を行っていた。このように、従来の方法では、多くのビーコンのやりとりが必要となり、これだけでも整合させるのに時間がかかるが、一巡目で制御端末と従属端末それぞれのビームが互いに整合しなければ、ビームが整合するまで同様な操作を繰り返さなければならず、制御端末と従属端末が確実に通信できる指向方向に整合させるためには非常に長い時間が必要であるという問題があった。
【0016】
本発明は、前記制御端末のアンテナと前記従属端末のアンテナとの整合を短時間で行えることを目的とし、先ず全指向範囲を所定の少ない個数に分割したビームの内で相互に整合するビームを第1段階ビームとし、その第1段階ビームをさらに所定の少ない個数に分割してその内で互いに整合するビームを第2段階ビームとするというように、所定回数の分割行うことによって、各分割毎に分割ビームを順次絞っていき最終分割ビームにたどり着くので、制御端末と従属端末間のビームの指向方向を整合させる整合時間を短縮できる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述の課題を解決するために、本願の第1の発明においては、アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信方法において、
前記制御端末のビーム送受信方向制御部で、アンテナの全指向範囲をm1分割したm1個のビーム、前記m1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるm2個(m2≧m1)のビーム、同様に得られる3…、k段階のm3個…、mk個の、m1+m2+…+mk個のビーム送受信方向を選択し、
ビーコン送信部で、スーパーフレームのビーコン区間をmi(i=1…k)以下の小区間で分割し、その分割されたビーコン区間のそれぞれについて、前記ビーム送受信方向制御部で選択されたビーム送信方向に1個ずつビーコンを送信し、
前記従属端末のビーム送受信方向制御部で、アンテナの全指向範囲をn1分割したn1個のビーム、前記n1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるn2個(n2≧n1)のビーム、同様に得られる3…、l段階のn3個…、nl個のn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向を選択し、
前記従属端末のビーコン受信部で、前記制御端末から送信されるmi(i=1…k)以下に分割されたビーコン区間内で、自身が備えるn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向のいずれかの方向を選択して受信を試み、
前記従属端末の第1指向情報更新部で、前記ビーコンの受信に成功した場合、受信時の従属端末のアンテナ指向方向を記録し、前記制御端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録し、
前記従属端末のACK送信部で、前記制御端末からの前記ビーコンの受信に成功したことをACK信号によって前記制御端末に通知し、
前記制御端末のACK受信部で、前記従属端末から通知されたACK信号を受信し、前記ACKの受信に成功した従属端末方向の指向方向を取得し、
指向情報更新部で、前記ACK受信部で取得された指向方向を前記従属端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録し、
最終的に制御端末の第1指向情報更新部に記録された制御端末の第iビーム群の指向方向と従属端末の第1指向情報更新部に記録されたjビーム群の指向方向間で通信を行うことを特徴とする。
【0018】
本願の第2の発明においては、アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信方法において、
前記制御端末のビーム送受信方向制御部で、アンテナの全指向範囲をm1分割したm1個のビーム、前記m1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるm2個(m2≧m1)のビーム、同様に得られる3…、k段階のm3個…、mk個のm1+m2+…+mk個のビーム送受信方向を選択し、
前記制御端末のビーコン送信部で、スーパーフレームのビーコン区間をmi(i=1…k)以下に分割し、その分割されたビーコン区間のそれぞれについて、前記ビーム送受信方向制御部で選択されたビーム送信方向に1個ずつビーコンを送信し、
前記従属端末で、自己の前記アンテナの全指向範囲の一部分のビームである1個の固定のビームで前記ビーコンの受信に成功したときに、ACK信号を前記制御端末に送信し、
前記制御端末のACK受信部で、前記従属端末から通知されたACKを受信し、前記ACKの受信に成功した従属端末方向の指向方向を取得し、指向情報更新部で前記従属端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録し、
最終的に第1指向情報更新部に記録された制御端末の第iビーム群の指向方向と従属端末の固定ビームの指向方向間で通信を行うことを特徴とする。
【0019】
本願の第3の発明においては、アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信方法において、
前記制御端末のビーコン送信部で、自己の前記アンテナの全指向範囲の一部分のビームである1個の固定ビームでスーパーフレームのビーコン区間にビーコンを送出し、
前記従属端末のビーム送受信方向制御部で、アンテナの全指向範囲をn1分割したn1個のビーム、前記n1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるn2個(n2≧n1)のビーム、同様に得られる3…、l段階のn3個…、nl個の、 n1+n2+…+nl個のビーム送受信方向を選択し、
前記従属端末のビーコン受信部で、前記制御端末から送信されるmi(i=1…k)以下に分割されたビーコン区間内で、自身が備えるn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向のいずれかの方向を選択して受信を試み、
前記従属端末の指向情報更新部で、前記ビーコンの受信に成功した場合、受信時の指向方向を記録し、前記制御端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第2指向情報記録部に登録し、
前記従属端末のACK送信部で、前記制御端末からの前記ビーコンの受信に成功したことを前記制御端末に通知し、
前記制御端末のACK受信部で、前記従属端末から通知されたACKを受信し、前記ACKの受信に成功した従属端末方向の指向方向を取得し、第2指向情報更新部で前記従属端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第2指向情報記録部に登録し、
最終的に第2指向情報更新部に記録された制御端末のビームの指向方向と従属端末のjビーム群の指向方向間で通信を行うことを特徴とする。
【0020】
本願の第4の発明においては、前記制御端末は、ピコネットにおけるPNCであり、前記従属端末は、前記ピコネットにおけるDEVであることを特徴とする。
【0021】
本願の第5の発明においては、前記制御端末は、それぞれが指向方向を持つ最大mi(i=1…k)個のビーコンを、最大mi(i=1…k)個のスーパーフレームを用いて最大mi(i=1…k)回繰り返して送信し、
前記従属端末は、最大mi(i=1…k)個のスーパーフレームごとに受信時の指向方向を変化させて受信を試みることを特徴とする。
【0022】
本願の第6の発明においては、前記制御端末がビーコンを送信した最大mi(i=1…k)個の指向範囲S1、S2、…Sr(r≦mi)うち、いずれかひとつの指向範囲(=Sp)に対してACKが得られた場合、ビーコンを送信したSr個のビームのうち、p番目のビームをさらに1個以上に分割したビームを用いて、同様のビーコン送信を行うことを特徴とする。
【0023】
本願の第7の発明においては、前記従属端末が最大nj(j=1…l)個の指向範囲D1、D2、…Dq(q≦nj)うち、いずれかひとつの指向範囲(=Dr)によってビーコンを受信した場合、ビーコンを受信したr番目のビーム方向をさらに1個以上に分割したビーム方向を用いて、同様のビーコン受信を行うことを特徴とする。
【0024】
本願の第8の発明においては、記制御端末は、ビーム群の切替えを最大限である第k段階ビーム群まで至る前に、システムとしてあらかじめ決められた値、あるいは状態に応じて設定される値であるk以下の値dに対し、第d段階ビーム群までのビームしか用いないことを特徴とする。
【0025】
本願の第9の発明においては、前記従属端末は、ビーム群の切替えを最大限である第l段階ビーム群まで至る前に、システムとしてあらかじめ決められた値、あるいは状態に応じて設定される値であるl以下の値eに対し、第e段階ビーム群までのビームしか用いないことを特徴とする。
【0026】
本願の第10の発明においては、前記制御端末が用いるビーコンのビーム幅が変化した場合には、前記従属端末も同等のビーム幅を選択し、これまでと同様の受信動作を行うことを特徴とする。
【0027】
本願の第11の発明においては、アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信システムにおいて、
前記制御端末は、
アンテナの全指向範囲をm1分割したm1個のビーム、前記m1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるm2個(m2≧m1)のビーム、同様に得られる3…、k段階のm3個…、mk個の、m1+m2+…+mk個のビーム送受信方向を選択するビーム送受信方向制御部と、
スーパーフレームのビーコン区間をmi(i=1…k)以下に分割し、その分割されたビーコン区間のそれぞれについて、前記ビーム送受信方向制御部で選択されたビーム送信方向に1個ずつビーコンを送信するビーコン送信部と、
前記従属端末から通知されたACK信号を受信することによって、前記ビーコンの受信に成功した従属端末方向の指向方向を取得するACK受信部と、
前記ACK受信部で受信された従属端末方向の指向方向を前記従属端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録する第1指向情報更新部とを備え、
前記従属端末は、
アンテナの全指向範囲をn1分割したn1個のビーム、前記n1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるn2個(n2≧n1)のビーム、同様に得られる3…、l段階のn3個…、nl個のn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向を選択するビーム送受信方向制御部と、
前記制御端末から送信されるmi(i=1…k)分割されたビーコン区間内で、自身が備えるn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向のいずれかの方向を選択して受信を試みるビーコン受信部と、
前記ビーコンの受信に成功した場合、受信時の従属端末のアンテナ指向方向を記録し、前記制御端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録する第1指向情報更新部と、
前記制御端末からの前記ビーコンの受信に成功したことをACK信号によって前記制御端末に通知するACK送信部を備え、
最終的に指向情報更新部に記録された制御端末の第iビーム群の指向方向と従属端末のjビーム群の指向方向間で通信を行うことを特徴とする。
【0028】
本願の第12の発明においては、アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信システムにおいて、
前記制御端末は、
アンテナの全指向範囲をm1分割したm1個のビーム、前記m1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるm2個(m2≧m1)のビーム、同様に得られる3…、k段階のm3個…、mk個のm1+m2+…+mk個のビーム送受信方向を選択するビーム送受信方向制御部と、
スーパーフレームのビーコン区間をmi(i=1…k)以下に分割し、その分割されたビーコン区間のそれぞれについて、前記ビーム送受信方向制御部で選択されたビーム送信方向に1個ずつビーコンを送信するビーコン送信部と、
前記従属端末から通知されたACKを受信することによって、前記ビーコンの受信に成功した従属端末方向の指向方向を取得し、前記従属端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録する第1指向情報更新部とを備え、
前記従属端末は、
自己の前記アンテナの全指向範囲の一部分のビームである1個の固定のビームで前記のビーコンの受信に成功したときに、ACK信号を前記制御端末に通知するACK送信部を備え、
最終的に指向情報更新部に記録された制御端末の第iビーム群の指向方向と従属端末の固定ビームの指向方向間で通信を行うことを特徴とする。
【0029】
本願の第13の発明においては、アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信システムにおいて、
前記制御端末は、
自己の前記アンテナの全指向範囲の一部分のビームである1個の固定のビームでスーパーフレームのビーコン区間にビーコンを送出するビーコン送信部を備え、
前記従属端末は、
アンテナの全指向範囲をn1分割したn1個のビーム、前記n1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるn2個(n2≧n1)のビーム、同様に得られる3…、l段階のn3個…、nl個のn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向を選択するビーム送受信方向制御部と、
前記制御端末から送信されるmi(i=1…k)以下に分割されたビーコン区間内で、自身が備えるn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向のいずれかの方向を選択して受信を試みるビーコン受信部と、
前記ビーコンの受信に成功した場合、受信時の指向方向を記録し、前記制御端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第2指向情報記録部に登録する第2指向情報更新部と、
前記制御端末からの前記ビーコンの受信に成功したことを前記制御端末に通知するACK送信部を備え、
最終的に指向情報更新部に記録された制御端末のビームの指向方向と従属端末のjビーム群の指向方向間で通信を行うことを特徴とする。
【0030】
本願の第14の発明においては、前記制御端末は、ピコネットにおけるPNCであり、前記従属端末は、前記ピコネットにおけるDEVであることを特徴とする。
【0031】
本願の第15の発明においては、前記制御端末は、それぞれが指向方向を持つ最大mi(i=1…k)個のビーコンを、最大mi(i=1…k)個のスーパーフレームを用いて最大mi(i=1…k)回繰り返して送信し、
前記従属端末は、最大mi(i=1…k)個のスーパーフレームごとに受信時の指向方向を変化させて受信を試みることを特徴とする。
【0032】
本願の第16の発明においては、前記制御端末がビーコンを送信した最大mi(i=1…k)個の指向方向S1、S2、…Sr(r≦mi)うち、いずれかひとつの指向方向(=Sp)に対してACKが得られた場合、
ビーコンを送信したSr個のビームのうち、p番目のビームをさらに1個以上に分割したビームを用いて、同様のビーコン送信を行うことを特徴とする。
【0033】
本願の第17の発明においては、前記従属端末が最大nj(j=1…l)個の指向範囲D1、D2、…Dq(q≦nj)うち、いずれかひとつの指向範囲(=Dr)によってビーコンを受信した場合、ビーコンを受信したr番目のビーム方向をさらに1個以上に分割したビーム方向を用いて、同様のビーコン受信を行うことを特徴とする。
【0034】
本願の第18の発明においては、前記制御端末は、ビーム群の切替えを最大限である第k段階ビーム群まで至る前に、システムとしてあらかじめ決められた値、あるいは状態に応じて設定される値であるk以下の値dに対し、第d段階ビーム群までのビームしか用いないことを特徴とする。
【0035】
本願の第19の発明においては、前記従属端末は、ビーム群の切替えを最大限である第l段階ビーム群まで至る前に、システムとしてあらかじめ決められた値、あるいは状態に応じて設定される値であるl以下の値eに対し、第e段階ビーム群までのビームしか用いないことを特徴とする。
【0036】
本願の第20の発明においては、前記制御端末が用いるビーコンのビーム幅が変化した場合には、前記従属端末も同等のビーム幅を選択し、これまでと同様の受信動作を行うことを特徴とする。
【0037】
本願の第21の発明においては、前記制御端末及び前記従属端末は、コンピュータ、ディジタル信号プロセッサ、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本願の第1の発明によれば、アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信方法において、
前記制御端末のビーム送受信方向制御部で、アンテナの全指向範囲をm1分割したm1個のビーム、前記m1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるm2個(m2≧m1)のビーム、同様に得られる3…、k段階のm3個…、mk個の、m1+m2+…+mk個のビーム送受信方向を選択し、
ビーコン送信部で、スーパーフレームのビーコン区間をmi(i=1…k)以下の小区間で分割し、その分割されたビーコン区間のそれぞれについて、前記ビーム送受信方向制御部で選択されたビーム送信方向に1個ずつビーコンを送信し、
前記従属端末のビーム送受信方向制御部で、アンテナの全指向範囲をn1分割したn1個のビーム、前記n1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるn2個(n2≧n1)のビーム、同様に得られる3…、l段階のn3個…、nl個のn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向を選択し、
前記従属端末のビーコン受信部で、前記制御端末から送信されるmi(i=1…k)以下に分割されたビーコン区間内で、自身が備えるn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向のいずれかの方向を選択して受信を試み、
前記従属端末の指向情報更新部で、前記ビーコンの受信に成功した場合、受信時の従属端末のアンテナ指向方向を記録し、前記制御端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第2指向情報記録部に登録し、
前記従属端末のACK送信部で、前記制御端末からの前記ビーコンの受信に成功したことをACK信号によって前記制御端末に通知し、
前記制御端末のACK受信部で、前記従属端末から通知されたACK信号を受信し、前記ACKの受信に成功した従属端末方向の指向方向を取得し、
指向情報更新部で、前記ACK受信部で取得された指向方向を前記従属端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第2指向情報記録部に登録し、
最終的に制御端末の第2指向情報更新部に記録された制御端末の第iビーム群の指向方向と従属端末の指向情報更新部に記録されたjビーム群の指向方向間で通信を行うことができる。このように、制御端末と従属端末の双方のアンテナビームの指向方向を順次切り替えることによって、短時間で制御端末と従属端末の相互の指向方向を整合させることができ、したがって、短時間に通信の開始が可能となる。
【0039】
本願の第2の発明によれば、アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信方法において、
前記制御端末のビーム送受信方向制御部で、アンテナの全指向範囲をm1分割したm1個のビーム、前記m1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるm2個(m2≧m1)のビーム、同様に得られる3…、k段階のm3個…、mk個のm1+m2+…+mk個のビーム送受信方向を選択し、
前記制御端末のビーコン送信部で、スーパーフレームのビーコン区間をmi(i=1…k)以下に分割し、その分割されたビーコン区間のそれぞれについて、前記ビーム送受信方向制御部で選択されたビーム送信方向に1個ずつビーコンを送信し、
前記従属端末で、自己の前記アンテナの全指向範囲の一部分のビームである1個の固定のビームで前記ビーコンの受信に成功したときに、ACK信号を前記制御端末に送信し、
前記制御端末のACK受信部で、前記従属端末から通知されたACKを受信し、前記ACKの受信に成功した従属端末方向の指向方向を取得し、第1指向情報更新部で前記従属端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録し、
最終的に第1指向情報更新部に記録された制御端末の第iビーム群の指向方向と従属端末の固定ビームの指向方向間で通信を行うことができる。このように、固定された従属端末を用いた場合でも、制御端末のアンテナビームの指向方向を順次切り替えることによって、短時間で制御端末と従属端末の相互の指向方向を整合させることができ、したがって、短時間に通信の開始が可能となる。
【0040】
本願の第3の発明によれば、アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信方法において、
前記制御端末のビーコン送信部で、自己の前記アンテナの全指向範囲の一部分のビームである1個の固定ビームでスーパーフレームのビーコン区間にビーコンを送出し、
前記従属端末のビーム送受信方向制御部で、アンテナの全指向範囲をn1分割したn1個のビーム、前記n1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるn2個(n2≧n1)のビーム、同様に得られる3…、l段階のn3個…、nl個の、 n1+n2+…+nl個のビーム送受信方向を選択し、
前記従属端末のビーコン受信部で、前記制御端末から送信されるmi(i=1…k)以下に分割されたビーコン区間内で、自身が備えるn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向のいずれかの方向を選択して受信を試み、
前記従属端末の指向情報更新部で、前記ビーコンの受信に成功した場合、受信時の指向方向を記録し、前記制御端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第2指向情報記録部に登録し、
前記従属端末のACK送信部で、前記制御端末からの前記ビーコンの受信に成功したことを前記制御端末に通知し、
前記制御端末のACK受信部で、前記従属端末から通知されたACKを受信し、前記ACKの受信に成功した従属端末方向の指向方向を取得し、第1指向情報更新部で前記従属端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録し、
最終的に第1指向情報更新部に記録された制御端末のビームの指向方向と従属端末のjビーム群の指向方向間で通信を行うことができる。このように、固定された制御端末を用いた場合でも、従属端末のアンテナビームの指向方向を順次切り替えることによって、短時間で制御端末と従属端末の相互の指向方向を整合させることができ、したがって、短時間に通信の開始が可能となる。
【0041】
本願の第4の発明によれば、前記制御端末は、ピコネットにおけるPNCであり、前記従属端末は、前記ピコネットにおけるDEVであるようにできる。したがって、制御端末と従属端末がピコネットを構成する場合でも、制御端末と従属端末双方のアンテナビームの指向方向を順次切り替えることによって、短時間で制御端末と従属端末の相互の指向方向を整合させることができ、したがって、短時間に通信の開始が可能となる。
【0042】
本願の第5の発明によれば、前記制御端末は、それぞれが指向方向を持つ最大mi(i=1…k)個のビーコンを、最大mi(i=1…k)個のスーパーフレームを用いて最大mi(i=1…k)回繰り返して送信し、前記従属端末は、最大mi(i=1…k)個のスーパーフレームごとに受信時の指向方向を変化させて受信を試みることができる。したがって、制御端末と従属端末の双方のアンテナビームの指向方向を順次切り替えることによって、短時間で制御端末と従属端末の相互の指向方向を整合させることができ、したがって、短時間に通信の開始が可能となる。
【0043】
本願の第6の発明によれば、前記制御端末がビーコンを送信した最大mi(i=1…k)個の指向範囲S1、S2、…Sr(r≦mi)うち、いずれかひとつの指向範囲(=Sp)に対してACKが得られた場合、ビーコンを送信したSr個のビームのうち、p番目のビームをさらに1個以上に分割したビームを用いて、同様のビーコン送信を行うことができる。このように、制御端末において、ACK信号を受信した指向方向のビームを更に2個以上に分割することによって、制御端末の指向方向を順次分割して短時間に最適の指向方向に整合させることができる。
【0044】
本願の第7の発明によれば、前記従属端末が最大nj(j=1…l)個の指向範囲D1、D2、…Dq(q≦nj)うち、いずれかひとつの指向範囲(=Dr)によってビーコンを受信した場合、ビーコンを受信したr番目のビーム方向をさらに1個以上に分割したビーム方向を用いて、同様のビーコン受信を行うことができる。このように、従属端末において、ビーコンを受信した指向方向のビームを更に2個以上に分割することによって、従属端末の指向方向を順次分割して短時間に最適の指向方向に整合させることができる。
【0045】
本願の第8の発明によれば、記制御端末は、ビーム群の切替えを最大限である第k段階ビーム群まで至る前に、システムとしてあらかじめ決められた値、あるいは状態に応じて設定される値であるk以下の値dに対し、第d段階ビーム群までのビームしか用いないようにすることができる。このように、制御端末において、閾値を設定することによって、アンテナの指向方向の分割に制限を設けることによって、より短時間に最適の指向方向に整合させることができる。
【0046】
本願の第9の発明においては、前記従属端末は、ビーム群の切替えを最大限である第l段階ビーム群まで至る前に、システムとしてあらかじめ決められた値、あるいは状態に応じて設定される値であるl以下の値eに対し、第e段階ビーム群までのビームしか用いないようにすることができる。このように、従属端末において、閾値を設定することによって、アンテナの指向方向の分割に制限を設けることによって、より短時間に最適の指向方向に整合させることができる。
【0047】
本願の第10の発明においては、前記制御端末が用いるビーコンのビーム幅が変化した場合には、前記従属端末も同等のビーム幅を選択し、これまでと同様の受信動作を行うことができる。このように、処理端末と従属端末とのビーム幅を同じように選択することによってより適切な指向性を有する通信が可能となる。
【0048】
本願の第11の発明においては、アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信システムにおいて、
前記制御端末は、
アンテナの全指向範囲をm1分割したm1個のビーム、前記m1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるm2個(m2≧m1)のビーム、同様に得られる3…、k段階のm3個…、mk個の、m1+m2+…+mk個のビーム送受信方向を選択するビーム送受信方向制御部と、
スーパーフレームのビーコン区間をmi(i=1…k)以下に分割し、その分割されたビーコン区間のそれぞれについて、前記ビーム送受信方向制御部で選択されたビーム送信方向に1個ずつビーコンを送信するビーコン送信部と、
前記従属端末から通知されたACK信号を受信することによって、前記ビーコンの受信に成功した従属端末方向の指向方向を取得するACK受信部と、
前記ACK受信部で受信された従属端末方向の指向方向を前記従属端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録する第1指向情報更新部とを備え、
前記従属端末は、
アンテナの全指向範囲をn1分割したn1個のビーム、前記n1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるn2個(n2≧n1)のビーム、同様に得られる3…、l段階のn3個…、nl個のn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向を選択するビーム送受信方向制御部と、
前記制御端末から送信されるmi(i=1…k)分割されたビーコン区間内で、自身が備えるn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向のいずれかの方向を選択して受信を試みるビーコン受信部と、
前記ビーコンの受信に成功した場合、受信時の従属端末のアンテナ指向方向を記録し、前記制御端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第2指向情報記録部に登録する第2指向情報更新部と、
前記制御端末からの前記ビーコンの受信に成功したことをACK信号によって前記制御端末に通知するACK送信部を備え、
最終的に指向情報更新部に記録された制御端末の第iビーム群の指向方向と従属端末のjビーム群の指向方向間で通信を行うことができる。このように、制御端末と従属端末の双方のアンテナビームの指向方向を順次切り替えることによって、短時間で制御端末と従属端末の相互の指向方向を整合させることができ、したがって、短時間に通信の開始が可能となる。
【0049】
本願の第12の発明においては、アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信システムにおいて、
前記制御端末は、
アンテナの全指向範囲をm1分割したm1個のビーム、前記m1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるm2個(m2≧m1)のビーム、同様に得られる3…、k段階のm3個…、mk個のm1+m2+…+mk個のビーム送受信方向を選択するビーム送受信方向制御部と、
スーパーフレームのビーコン区間をmi(i=1…k)以下に分割し、その分割されたビーコン区間のそれぞれについて、前記ビーム送受信方向制御部で選択されたビーム送信方向に1個ずつビーコンを送信するビーコン送信部と、
前記従属端末から通知されたACKを受信することによって、前記ビーコンの受信に成功した従属端末方向の指向方向を取得し、前記従属端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録する第1指向情報更新部とを備え、
前記従属端末は、
自己の前記アンテナの全指向範囲の一部分のビームである1個の固定のビームで前記のビーコンの受信に成功したときに、ACK信号を前記制御端末に通知するACK送信部を備え、
最終的に指向情報更新部に記録された制御端末の第iビーム群の指向方向と従属端末の固定ビームの指向方向間で通信を行うことを特徴とする。このように、固定された従属端末を用いた場合でも、制御端末のアンテナビームの指向方向を順次切り替えることによって、短時間で制御端末と従属端末の相互の指向方向を整合させることができ、したがって、短時間に通信の開始が可能となる。
【0050】
本願の第13の発明においては、アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信システムにおいて、
前記制御端末は、
自己の前記アンテナの全指向範囲の一部分のビームである1個の固定のビームでスーパーフレームのビーコン区間にビーコンを送出するビーコン送信部と、
前記従属端末は、
アンテナの全指向範囲をn1分割したn1個のビーム、前記n1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるn2個(n2≧n1)のビーム、同様に得られる3…、l段階のn3個…、nl個のn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向を選択するビーム送受信方向制御部と、
前記制御端末から送信されるmi(i=1…k)以下に分割されたビーコン区間内で、自身が備えるn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向のいずれかの方向を選択して受信を試みるビーコン受信部と、
前記ビーコンの受信に成功した場合、受信時の指向方向を記録し、前記制御端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第2指向情報記録部に登録する第2指向情報更新部と、
前記制御端末からの前記ビーコンの受信に成功したことを前記制御端末に通知するACK送信部を備え、
最終的に第2指向情報更新部に記録された制御端末のビームの指向方向と従属端末のjビーム群の指向方向間で通信を行うことができる。このように、固定された制御端末を用いた場合でも、従属端末のアンテナビームの指向方向を順次切り替えることによって、短時間で制御端末と従属端末の相互の指向方向を整合させることができ、したがって、短時間に通信の開始が可能となる。
【0051】
本願の第14の発明においては、前記制御端末は、ピコネットにおけるPNCであり、前記従属端末は、前記ピコネットにおけるDEVであるようにできる。したがって、制御端末と従属端末がピコネットを構成する場合でも、制御端末と従属端末双方のアンテナビームの指向方向を順次切り替えることによって、短時間で制御端末と従属端末の相互の指向方向を整合させることができ、したがって、短時間に通信の開始が可能となる。
【0052】
本願の第15の発明においては、前記制御端末は、それぞれが指向方向を持つ最大mi(i=1…k)個のビーコンを、最大mi(i=1…k)個のスーパーフレームを用いて最大mi(i=1…k)回繰り返して送信し、前記従属端末は、最大mi(i=1…k)個のスーパーフレームごとに受信時の指向方向を変化させて受信を試みることができる。したがって、制御端末と従属端末の双方のアンテナビームの指向方向を順次切り替えることによって、短時間で制御端末と従属端末の相互の指向方向を整合させることができ、したがって、短時間に通信の開始が可能となる。
【0053】
本願の第16の発明においては、前記制御端末がビーコンを送信した最大mi(i=1…k)個の指向方向S1、S2、…Sr(r≦mi)うち、いずれかひとつの指向方向(=Sp)に対してACKが得られた場合、ビーコンを送信したSr個のビームのうち、p番目のビームをさらに1個以上に分割したビームを用いて、同様のビーコン送信を行うことができる。このように、制御端末において、ACK信号を受信した指向方向のビームを更に2個以上に分割することによって、制御端末の指向方向を順次分割して短時間に最適の指向方向に整合させることができる。
【0054】
本願の第17の発明においては、前記従属端末が最大nj(j=1…l)個の指向範囲D1、D2、…Dq(q≦nj)うち、いずれかひとつの指向範囲(=Dr)によってビーコンを受信した場合、ビーコンを受信したr番目のビーム方向をさらに1個以上に分割したビーム方向を用いて、同様のビーコン受信を行うことができる。このように、従属端末において、ビーコンを受信した指向方向のビームを更に2個以上に分割することによって、従属端末の指向方向を順次分割して短時間に最適の指向方向に整合させることができる。
【0055】
本願の第18の発明においては、前記制御端末は、ビーム群の切替えを最大限である第k段階ビーム群まで至る前に、システムとしてあらかじめ決められた値、あるいは状態に応じて設定される値であるk以下の値dに対し、第d段階ビーム群までのビームしか用いないようにすることができる。このように、制御端末において、閾値を設定することによって、アンテナの指向方向の分割に制限を設けることによって、より短時間に最適の指向方向に整合させることができる。
【0056】
本願の第19の発明においては、前記従属端末は、ビーム群の切替えを最大限である第l段階ビーム群まで至る前に、システムとしてあらかじめ決められた値、あるいは状態に応じて設定される値であるl以下の値eに対し、第e段階ビーム群までのビームしか用いないようにすることができる。このように、従属端末において、閾値を設定することによって、アンテナの指向方向の分割に制限を設けることによって、より短時間に最適の指向方向に整合させることができる。
【0057】
本願の第20の発明においては、前記制御端末が用いるビーコンのビーム幅が変化した場合には、前記従属端末も同等のビーム幅を選択し、これまでと同様の受信動作を行うことができる。このように、処理端末と従属端末とのビーム幅を同じように選択することによってより適切な指向性を有する通信が可能となる。
【0058】
本願の第21の発明においては、前記制御端末及び前記従属端末は、コンピュータ、ディジタル信号プロセッサ、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)であることを特徴とする。このように、制御端末と従属端末の双方を動作させる手段をコンピュータ、ディジタル信号プロセッサ、またはFPGAとすることによって、制御端末及び前記従属端末のプログラムを書き換え、制御端末及び前記従属端末の動作の変更や更新を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
本発明は、無線PANのピコネットにおける制御端末とその制御端末従属する複数の従属端末との間の通信に適しているが、ピコネットに限定されるものではない。先ず、本発明の各実施形態を説明する前に、図1〜図3によって本発明をピコネットに適用した基本的な技術の概略を説明する。図1は一般的な無線PANのピコネットシステムを示す概略図である。図2は制御端末の動作シーケンスを示す概略フローチャートであり、図3は従属端末の動作シーケンスを示す概略フローチャートである。
【0060】
図1において、制御端末1はピコネットコーディネータ(PNC)であり、従属端末2、3、4、5、6は、制御端末1の周辺に位置して制御端末1に従属する複数のデバイス(DEV)に相当する端末装置である。制御端末1及び従属端末2〜6は、それぞれ全指向範囲が2πのアンテナ1A及び2A〜6Aを備えている。これらのアンテナは、複数のアンテナ素子を備えるフェーズド・アレイ・アンテナなどの公知のものである。図1では、制御端末1が点線のようにビーコンを送信し、そのビーコンを受信した従属端末は一点鎖線のようにACKを返送し、制御端末と従属端末間で通信が可能となるアンテナの指向性が決定される。その後、例えば、従属端末2から通信許可申請がなされときには、実線のように制御端末1と従属端末2との間で通信が行わる。ピコネットにおいては、従属端末2〜6の内の任意の従属端末間の通信、あるいは制御端末1と任意の従属端末との間の通信が可能である。
【0061】
制御端末の動作シーケンスを示す図2において、ステップS1では、制御端末1のアンテナ1A(図4)の全指向範囲を所定数で分割するビーム群Bi(i=1,2,…k)の内、(i=1)としたときの第1段階におけるビーム群B1が生成される。
【0062】
ステップS2では、制御端末1は、ステップS1で生成された適切なビームがなか否かを判断する。ステップS2で適切なビームがないと判断された場合には、ステップS3に進みビーム整合失敗となる。ステップS2で適切なビームがあると判断されたときには、ステップS4で新たなスーパーフレームを設定し、ステップS5に移行し、スーパーフレーム中のi分割ビーム群Bi=(S1,S2,…、Sr)の中からSs方向にビーコンを送信する。次に、ステップS6において、s<rかどうかが判断される。ここで、sは1、2、…、rの値を取りうる変数である。s<rの場合には、ステップS7において、sの値が歩進され、ステップS5の処理が繰り返される。このステップS5の処理によって、i分割ビーム群において、全てのSs方向にビーコンが送信されると、ステップS6において、s<rが満たされなくなるので、ステップS8に移行する。
【0063】
ステップS8においては、制御端末1がACKを受信したか否かが判断され、ACKを受信したときにはステップ9に進み、ACKを受診しなかった場合にはステップ2に戻る。ステップS8において、制御端末1がACKを受信したと判断されると、ステップS9に進み、他のビームがあるか否かが判断され、他のビームがあると判断されると、ステップS2に進み、他のビームがないと判断されるとステップS10に進む。ステップS10においては、iが最終分割か否かが判断され、最終分割でない場合にはステップS11でSpを分割し、次のm(i+1)個のビーム群を生成し、ステップS12でiを歩進してステップ2に戻る。ここで、SpはACKを受信したビームの指向方向である。ステップS10でiが最終分割であると判断されると、最終指向方向としてSpを設定し、制御端末での処理を終了する。
【0064】
他方、受信端末の動作シーケンスを示す図3において、ステップS21では、従属端末2のアンテナ2A(図5)の全指向範囲を所定数で分割するビーム群Bj(j=1,2,…l)の内、(j=1)としたときの第1段階におけるビーム群B1が生成される。
【0065】
ステップS22では、新たなスーパーフレームを設定し(t=1)、ステップS23に進む。ここでtは、分割ビーム群Bjの一指向方向を示すために用いる変数である。ステップS23では、t>qかどうかが判断される。ここで、tは1、2、…、qの値を取りうる。t>qの場合には、ステップS24に進み、ビーム整合は失敗であると判断される。一方、ステップS22において、t>qが満たされない場合には、ステップS25に進み、スーパーフレーム中のj分割ビーム群Bj(=D1,D2,…、Dq)の中からDt方向でビーコンを受信し、ステップS26に進む。
【0066】
ステップS26においては、受信端末2がビーコンを受信したか否かが判断され、ビーコンを受信したときにはステップ28に進み、ビーコンを受診しなかった場合にはステップ27でtが歩進され、ステップS22に戻る。ステップS28においては、他のビームがあるか否かが判断され、他のビームがある場合にはステップS29に進み、他のビームがないる場合には、ステップ27でtが歩進され、ステップS22に戻る。ステップS29においては、jが最終分割か否かが判断され、最終分割でない場合にはステップS30でDpを分割し、次の新たなビーム群B(j+1)を生成し、ステップS31でjを歩進してステップ22に戻る。ここで、Dpはビームを受信したアンテナのビームの指向方向である。ステップS29でjが最終分割であると判断されると、最終指向方向としてDpを設定し、従属端末での処理を終了する。このようにして、制御端末1の最終ビーコンの指向方向と従属端末1の最終ビーコンの指向方向が決定され、これらの両指向方向を用いて、次のスーパーフレームのチャンネル時間割り当て区間で通信が行われる。
【0067】
[実施形態1]
次に、本発明に係る通信方法及びその通信方法を実現する通信システムの第1の実施形態1について図4〜図9を用いて説明する。図4は制御端末の主な構成の一例を説明するための図であり、図5は従属端末の主な構成の一例を説明するための図である。図6は本発明の無線PANの通信方法に用いられる指向パターンの一例を示す図である。図7は、制御端末と従属端末間で送受信される信号を示す図である。図8は本発明の無線PANにおける制御端末のアンテナビームの指向方向を決定するための方法の一例を説明するための図である。図9は、指向情報記録部の一例を示した図である。
【0068】
先ず、本発明の制御端末1の主要な構成について説明する。制御端末1は、図4に示すように、アンテナ1Aの他に、後述するようにビームを各i分割(i=1,2,…k)で得られた分割ビームの指向情報を格納する指向情報記録部11(第1指向情報記録部)、指向情報記録部11の情報を更新する指向情報更新部12(第1指向情報更新部)を有する。さらに、制御端末1は、指向情報記録部11からの指向情報に基づいて全指向範囲を各i分割で分割した2π/mi(m≧2、i=1、2、・・・・k)の角度のビーム送受信方向を制御するビーム送受信方向制御部13(第1ビーム送受信方向制御部)と、指向情報記録部11からの指向情報に基づいて各i分割で指定されたビームの分割個数miに切り替えるビーム群切替部14(第1ビーム群切替部)と、それぞれのスーパーフレームのビーコン区間で一つ以上のビーコンをアンテナ1Aから送信するビーコン送信部15と、及び従属端末2からのACK信号を受信するACK受信部16を備えている。
【0069】
次に、本発明の従属端末2の主要な構成について説明する。従属端末2は、図5に示すように、アンテナ2Aの他に、後述するようにビームを各j分割(j=1,2,…l)で得られた分割ビームの指向情報を格納する指向情報記録部21(第2指向情報記録部)、指向情報記録部21の情報を更新する指向情報更新部22(第2指向情報更新部)を有する。さらに、従属端末2は、指向情報記録部21からの指向情報に基づいて全指向範囲を各j分割する2π/nj(n≧2、j=1、2、・・・・l)の角度のビームの送受信方向を制御するビーム送受信方向制御部23(第2ビーム送受信方向制御部)と、指向情報記録部21からの指向情報に基づいて各j分割されたビームの個数njの方向にそれぞれアンテナを切り替えるビーム群切替部24(第2ビーム群切替部)と、制御端末1から送信されたビーコンを受信し、その受信したビーコンを指向情報更新部22に通知するビーコン受信部27と、制御端末1から送信された各分割のいずれかのビーコンを受信したときに、ACK信号を送信するACK送信部28を備えている。
【0070】
次に、制御端末1のアンテナ1Aのビームパターン(指向パターン)について図6を用いて説明する。一般的には、制御端末1のアンテナ1Aの全指向範囲2πをほぼ均等にi分割するとビームの総数は2で表される。具体的に示すと、第1段階(i=1)では2π/2(=180゜)の角度のビームが2個、第2段階(i=2)では2π/2(=90゜)の角度のビームが4個、第3段階(i=3)では2π/2(=45゜)の角度のビームが8個になる。ここで、従属端末2については、必ずしも制御端末1のビームパターンと同じでなくても良いが、この実施形態1では制御端末1のビームパターンと同様であるものとする。
【0071】
図6の(A)、(B)、(C)は、前述したようにビームの総数が第1段階、第2段階、第3段階であるビームパターンの具体例を示し、第4段階以上は図示を省略している。図6(A)は全指向範囲をほぼ均等に2個に分割(i=1)した2個の第1段階ビーム群をS1とS2で示し、図6(B)は全指向範囲を4分割(i=2)した4個の第2段階ビーム群S11とS12、S21とS22を示す。図6(C)は全指向範囲を8分割(i=3)した8個の第3段階ビーム群S111とS112、S121とS122、S211とS212、S221とS222を示している。以下同様にして、全指向範囲を第k段階(i=k)すると、2個の第kビーム群となる。
【0072】
図7は、制御端末と従属端末間で送受信される信号を示す図である。図7において、まず、制御端末1はスーパーフレーム中のビーコン期間に1以上のビーコンを送信する(ステップS31)。従属端末2は、制御端末1からのビーコンを受信すると、スーパーフレーム中のCAP期間にACKを返信する(ステップS32)。制御端末1は適切な方向からのACKを受信すると、全指向範囲をさらに多数に分割したビーム群をそのACKが来た方向を含む指向方向に送信する(ステップS33)。従属端末2は、制御端末1からのビーコンを受信すると、スーパーフレーム中のCAP期間にACKを返信する(ステップS34)。制御端末1は適切な方向からのACKを受信すると、全指向範囲をさらに多数に分割したビーム群をそのACKが来た方向を含む指向方向に送信する(ステップS35)。このようなステップを多数回繰り返していくことによって、最終的に制御端末1と従属端末2の指向方向が決定される(ステップS36)。
【0073】
図8(A)は、制御端末1のビームパターンBM1の詳細を示す図であって、図6に示した第1〜第3段階ビームパターンを一つの図にまとめて示している。図8(B)は、従属端末2のビームパターンBM2の詳細を説明する図であって、制御端末1のビームパターンBM1と同様であり、ビームパターンBM1における記号Sに代えて記号Dで示している。図8(C)は、ピコネットにおいて制御端末1と従属端末2との間で、第1〜第3段階におけるアンテナビームの指向方向を決定するための方法の一例を説明するための図である。図8(C)では、スーパーフレームをSF、各スーパーフレームのビーコン区間をBP、コンテンション・アクセス区間をCAPで示し、チャンネル時間割り当て区間(CTAP)については図示を省略している。
【0074】
次に図4、図5及び図8を用いて本発明の実施形態1の動作の一例について詳しく説明する。制御端末1のビーム群切替部14は指向情報記録部11からの指向情報に基づいて、全指向範囲をほぼ均等に2分割した第1段階ビームS1とS2を形成する。ビーム送受信方向制御部13は、図8(C)に示すように、第1、第2のスーパーフレームSF1、SF2それぞれのビーコン期間BP内に第1段階ビームS1とS2をアンテナ1Aから送信する。
【0075】
制御端末1は、図4及び図8に示すように、第1段階ではビームS1とS2が存在するので、ビーム送受信方向制御部13はビームS1とS2を第1のスーパーフレームSF1及び第2のスーパーフレームSF2に分けて、それぞれビームS1とS2の指向方向に送信するようにビームの送受信方向を制御する。
【0076】
従属端末2のビーム送受信方向制御部23は、図5及び図8に示すように、第1のスーパーフレームSF1及び第2のスーパーフレームSF2でそれぞれビームパターンBM2の第1段階ビームD1及びビームD2の指向方向でビーコンS1、S2を受信するように制御する。これに伴い、ビーコン受信部27は第1のスーパーフレームSF1ではビームS2のみを受信でき、第2のスーパーフレームSF2ではビームS1もS2も受信できない。したがって、第1のスーパーフレームSF1においてビームD1でビーコンS2を受信したことを示す信号を指向情報更新部22に送信し、指向情報更新部22は第1段階ではビームD1が制御端末1と通信できる指向方向を有する分割ビームであるとして指向情報記録部21に記録する。他方、従属端末2のACK送信部28はビーコンS2を受信したことを示す第1ACK信号S2を制御端末1に送信する。
【0077】
制御端末1はこの第1ACK信号S2をACK受信部16で受信すると、ACK受信部16は指向情報更新部12に通知し、指向情報更新部12は第1段階ビームの内、第1のスーパーフレームSF1における分割ビームS2で送信されたビーコンが従属端末2で受信されたものと認知して、分割ビームS2を従属端末2と通信できる指向方向を有する第1段階ビームとして指向情報記録部11に記録する。これらのステップが終了すると第2段階の処理が行われる。
【0078】
第2段階では、図8(A)に示すように、ビーム群切替部24は上記で分割された分割ビームS2をさらに小さな角度の2個のビームS21とS22(π/2)に分割する。第2段階では、2つのビームS21とS22が存在するので、ビーム送受信方向制御部23はビームS21とS22を第3のスーパーフレームSF3及び第4のスーパーフレームSF4に分けて、それぞれビームS21とS22の指向方向に送信するようにビームの送受信方向を制御する。
【0079】
従属端末2のビーム送受信方向制御部23は、第3のスーパーフレームSF3及び第4のスーパーフレームSF4でそれぞれビームパターンBM2の第2段階ビームD11及びビームD12の指向方向でビーコンS21、S22を受信するように制御する。これに伴い、ビーコン受信部27は第3のスーパーフレームSF3ではビームS22のみを受信でき、第4のスーパーフレームSF4ではビームS21もS22も受信できない。したがって、第3のスーパーフレームSF3においてビームD11でビーコンS22を受信したことを示す信号を指向情報更新部22に送信し、指向情報更新部22は第2段階ではビームD11が制御端末1と通信できる指向方向を有する分割ビームであるとして指向情報記録部21に記録する。他方、従属端末2のACK送信部28はビーコンS22を受信したことを示す第2ACK信号S22を制御端末1に送信する。
【0080】
制御端末1はこの第2ACK信号S22をACK受信部16で受信すると、ACK受信部16は指向情報更新部12に通知し、指向情報更新部12は第2段階ビームの内、第3のスーパーフレームSF3における分割ビームS22で送信されたビーコンが従属端末2で受信されたものと認知して、分割ビームS22を従属端末2と通信できる指向方向を有する第2段階ビームとして指向情報記録部11に記録する。これらのステップが終了すると第3段階の処理が行われる。
【0081】
第3段階でも同様にして、図8(A)に示すように、ビーム群切替部24は上記で分割された分割ビームS22をさらに小さな角度の2個のビームS221とS222(π/4)に分割する。第3段階では、2つのビームS221とS222が存在するので、ビーム送受信方向制御部23はビームS221とS222を第5のスーパーフレームSF5及び第6のスーパーフレームSF6に分けて、それぞれビームS221とS222の指向方向に送信するようにビームの送受信方向を制御する。
【0082】
従属端末2のビーム送受信方向制御部23は、第5のスーパーフレームSF5及び第6のスーパーフレームSF6でそれぞれビームパターンBM2の第3段階ビームD111及びビームD112の指向方向でビーコンS221、S222を受信するように制御する。これに伴い、ビーコン受信部27は第5のスーパーフレームSF5ではビームS221もS222も受信できす、第6のスーパーフレームSF6ではビームS222のみを受信できる。したがって、第6のスーパーフレームSF6においてビームD112でビーコンS222を受信したことを示す信号を指向情報更新部22に送信し、指向情報更新部22は第3段階ではビームD112が制御端末1と通信できる指向方向を有する分割ビームであるとして指向情報記録部21に記録する。他方、従属端末2のACK送信部28はビーコンS222を受信したことを示す第3ACK信号S222を制御端末1に送信する。
【0083】
制御端末1はこの第3ACK信号S222をACK受信部16で受信すると、ACK受信部16は指向情報更新部12に通知し、指向情報更新部12は第3段階ビームの内、第6のスーパーフレームSF6における分割ビームS222で送信されたビーコンが従属端末2で受信されたものと認知して、分割ビームS222を従属端末2と通信できる指向方向を有する第3段階ビームとして指向情報記録部11に記録する。
【0084】
図9は、指向情報記録部の一例を示した図である。図9においては、例えば、Aは制御端末を示し、B,Cは従属端末を示すものとする。このとき、制御端末Aの指向情報記録部と従属端末B,Cの指向情報記録部の記録内容は、例えば、図のようなテーブルで表示することができる。制御端末Aにおいては、2つの従属端末B,CからACKを受信しているので、指向情報更新部のテーブルは、自己の指向方向はA212及びA221であり、これに対応する相手の指向方向はB121及びC112である。従属端末Bにおいては、1つの制御端末Aのみからビーコンを受信しているので、指向情報更新部のテーブルは、自己の指向方向はB121であり、これに対応する相手の指向方向はA212である。また、従属端末Cにおいては、1つの制御端末Aのみからビーコンを受信しているので、指向情報更新部のテーブルは、自己の指向方向はC112であり、これに対応する相手の指向方向はA221である。このように、自己の指向方向と相手の指向方向とを指向情報更新部に記録しておくことによって、次のスーパーフレームのチャネル時間割り当て期間(CTAP)において、相互に通信を行うことができる。
【0085】
本明細書では第3の分割が最終分割であると仮定して説明しているので、上記の第3の分割の処理が終了すると、上記で選択された制御端末1の第3段階ビームS222と従属端末2の第3段階ビームD112を用いて、次のスーパーフレームのチャンネル時間割り当て区間で通信が行われることになる。このように、分割数を多くしていくと制御端末1及び従属端末2のアンテナの指向範囲を狭くすることができ、高速の通信が可能となる。なお、各分割において、制御端末1及び従属端末2のアンテナの分割ビームの走査方向は、走査速度を異なるようにするか、逆方向に走査することによって確実に制御端末1と従属端末2間で通信できるアンテナの指向方向を選択することができる。
【0086】
実施形態1では、i分割を2分割して(i+1)分割のビームを生成しているので、図8(C)に示すように、各分割毎のビーコンを送出するためには、それぞれ2回のスーパーフレームを繰り返す必要がある。すなわち、各分割ビームに対して指向方向を決定するために必要な時間をADD・サブ・スーパーフレームと定義し、最終的に全分割ビームに対して指向方向を決定するために必要な時間をADD・スーパーフレームと定義すると、ADD・スーパーフレームはk×ADDサブ・スーパーフレームになり、これはk×m×スーパーフレームとなる。
【0087】
つまり、実施形態1では、mが2であるので、スーパーフレームの2k倍に相当する時間で最終的な角度(2π/2)のビームの整合を達成することができる。実施形態1の前述の例では、kが3であるから、6個のスーパーフレームで8個の狭ビーム(角度がほぼ45度)で整合性を図ることができる。一方、前述した従来の方法では、例えば各スーパーフレームの各ビーコン区間で全てのビーコンを送信し、分割された全てのビームを順次走査するので、全てのビームの整合性を達成するには本発明に比べて長い時間が必要になる。
【0088】
以上述べた実施形態1では、総数が2個のビームとしたが、ビームの総数が3個、4個、5個、・・・・のビームになるようにアンテナの全指向範囲を分割してもよい。また、実施形態1では従属端末2のアンテナ2Aのビームパターンを制御端末1のアンテナ1Aのビームパターンと同一にしたが、ビームの総数は異なっても良い。ただし、ビームの整合を図る分割の数kは制御端末1と同じにする必要がある。制御端末1のアンテナのビームの総数が2個で、従属端末2のアンテナのビームの総数が3個というように、総数が異なっても良い。更にまた、必ずしもビームの総数をm(m=2、3、4、・・・・j)にする必要は無く、例えばアンテナのビームパターンの第1段階では全指向範囲(例えば2π)を均等に2分割し、第3段階以降では全指向範囲を2以外の任意の数で均等に分割することも可能である。
【0089】
例えば、制御端末1のアンテナのビームの総数が3個で、従属端末2のアンテナのビームの総数が4個である場合には、制御端末1は、各分割において4個のスーパーフレームそれぞれのビーコン区間で分割ビームを3分割した3個のビームで3個のビーコンS1、S2、S3を送信する。他方、従属端末2は各分割における必要なスーパーフレームは4個であり、各スーパーフレームのビーコン区間で自己の分割された4個のビームで順次受信を試みる。そして、仮に3番目のスーパーフレームのビーコン区間でビーコンS2が受信されたとすると、ビーコンS2のビームが制御端末1の第1段階ビームであり、従属端末2にあっては、3番目のスーパーフレームのビーコン区間のビームがその分割ビームとなる。第2段階以降でも同様である。
【0090】
[実施形態2]
実施形態2の発明は、図10に示すように、制御端末1のアンテナは実施形態1と同様のビームパターンを有し、従属端末2のアンテナは固定ビームD0を有するものとする。制御端末1は図4に示した構成と同様な構成である。従属端末2が図5に示した構成である場合には、ビーム送受信方向制御部23が制御端末2のアンテナ1Aから送信される第1段階のビーコンを受信できる受信方向に固定する。又は、所定の固定ビームD0のアンテナ2Aの方向を手動で制御端末1のアンテナ1Aの方向に向けてもよい。
【0091】
制御端末1のビーム群切替部14は、指向情報記録部11からの指向情報に基づいて、全指向範囲をほぼ均等に2分割して第1段階の2個のビームS1とS2(π)を形成する。ビーム送受信方向制御部13は、図10(C)に示すように、第1、第2のスーパーフレームSF1、SF2それぞれの各ビーコン期間BPの間にビームS1でビーコンS1を、ビームS2でビーコンS2をアンテナ1Aから送信する。
【0092】
従属端末2では、固定ビームD0でビーコンS1又はS2を受信しようと試み、第1段階では固定ビームD0でビーコンS2を受信し、これに伴い、従属端末2のACK送信部28はビーコンS2を受信したことを示す第1ACK信号S2を送信する。この実施形態2では、従属端末2に受信したビームを必ずしも記録する必要が無いから、指向情報記録部21と指向情報更新部22を省略することも可能である。
【0093】
他方、制御端末1のACK受信部16が、第1ACK信号S2を受信すると、ACK受信部16は指向情報更新部12に信号を送出し、指向情報更新部12は第1段階ビームの内、ビームS2で送信されたビーコンS2が従属端末2で受信されたものと判断して、ビーコンS2のビームS2を従属端末2と通信できる第1段階ビームとして指向情報記録部11に記録する。このようにして、制御端末1の分割ビームが従属端末2の固定のビームD0に整合し、第1段階における送受信方向が決定される。これらのステップが終了すると第2段階の処理に移行する。
【0094】
第2段階では、ビーム群切替部14が全指向範囲をほぼ等しい角度の4個のビームS11、S12、S21、S22(π/2)に分割されたビームパターンから、前に従属端末2から受信したACK信号S2に対応する第2段階ビームS21、S22を選択して、それぞれビーコンS21、ビーコンS22を送信する。従属端末2では、固定ビームD0で受信動作を行い、ビーコンS22を受信したことを確認する。これに伴い、指向情報更新部22は第2段階ビームの内、ビームS22で送信されたビーコンS22が従属端末2で受信されたものと判断して、ビームS22を従属端末2と通信できる第2段階ビームとして指向情報記録部21に記録する。このようにして第2段階の手続は終了し、第3の分割に入る。
【0095】
第3の分割でも前述と同様な動作を繰り返し、ビーム群切替部14が全指向範囲をほぼ等しい角度の8個のビームS111、S112、S121、S122、S211、S212、S221、S222、(π/4)に分割されたビームパターンから、前に従属端末2から受信したACK信号S22に対応する第3段階ビームS221、S222を選択して、それぞれビーコンS221、ビーコンS222を送信する。従属端末2では、固定ビームD0で受信動作を行い、ビーコンS221を受信したことを確認する。これに伴い、指向情報更新部22は第2段階ビームの内、ビームS221で送信されたビーコンS221が従属端末2で受信されたものと判断して、ビームS221を従属端末2と通信できる第3段階ビームとして指向情報記録部21に記録する。このようにして第3段階の手続は終了し、第4、5、…、k段階の分割が続く。
【0096】
最終の第k段階において、制御端末1の最終的に狭い角度(2π/2)のビームを従属端末2の固定のビームD0に整合させることができる。実施形態2では最終のkが3であるので図10に示すように、制御端末1のビームS221と従属端末2のD0との間で整合が取れ、その後通信状態に移行する。なお、実施形態2においても、実施形態1と同様に、制御端末1のビームの総数が3個、4個、5個、・・・・のビーム、又は任意の別の個数のビームになるように全ビームを分割してもよい。なお、実施形態2の通信システムの従属端末2が実施形態1と同様に指向情報記録部21、指向情報更新部22、ビーム群切替部24を有する場合には、従属端末2は各分割において固定のビームD0を指向情報記録部21に記録しても良い。このとき、ビーム群切替部24は最初に固定のビームD0を選定した後は、分割数を1とする。
【0097】
[実施形態3]
次に、実施形態3の発明を図4、図5及び図11を用いて説明する。図11に示すように、制御端末1のアンテナ1Aは固定ビームS0を有し、従属端末2のアンテナ2Aは実施形態1と同様に種々のビームパターンを有するものとする。制御端末は、実施形態1と同様に種々のビームパターンを選択できるビームの中から所定の方向の固定ビームS0を選択してもよく、固定ビームS0の固定アンテナを手動で従属端末2のアンテナ2Aの方向に向けてもよい。従属端末2は図5に示した構成と同様な構成であるものと仮定する。以下で、実施形態3における発明の動作を説明する。
【0098】
先ず、制御端末1は、図11に示すように、第1、第2のスーパーフレームSF1、SF2のビーコン期間BPそれぞれにおいて、固定ビームS0でビーコンS0を送信する。従属端末2のビームパターンは、図11(B)に示したように、実施形態1のビームパターンと同様であると仮定したので、スーパーフレームSF1ではビーム送受信方向制御部23がビームD1で固定ビームS0を受信するように制御し、第2のスーパーフレームSF2ではビーム送受信方向制御部23がビームD2で固定ビームS0を受信するように制御する。その結果、従属端末2のビーコン受信部27が、スーパーフレームSF1においてはビームD1でビーコンS0を受信でき、スーパーフレームSF2においてはビームD2でビーコンS0を受信できないものとする。したがって、ビーコン受信部27はビームD1でビーコンS0を受信したことを示す信号を指向情報更新部22に送信し、指向情報更新部22はスーパーフレームSF1ではビームD1が制御端末1と通信できる分割ビームであるとして指向情報記録部21に記録する。その後、従属端末2のACK送信部28がビーコンS0を受信したことを示す第1ACK信号r1を送信する。スーパーフレームSF2ではビームD2は何らのビームも受信できないので、従属端末2のACK送信部28はACK出願を送信することはできない。
【0099】
次のスーパーフレームSF3、SF4において、制御端末1はビーコン期間BPそれぞれにおいて、固定ビームS0でビーコンS0を送信する。従属端末2では、スーパーフレームSF3ではビーム送受信方向制御部23がビームD11で固定ビームS0を受信するように制御し、スーパーフレームSF4ではビーム送受信方向制御部23がビームD12で固定ビームS0を受信するように制御する。その結果、従属端末2のビーコン受信部27が、スーパーフレームSF3においてはビームD11でビーコンS0を受信でき、スーパーフレームSF4においてはビームD12でビーコンS0を受信できないものとする。したがって、ビーコン受信部27はビームD11でビーコンS0を受信したことを示す信号を指向情報更新部22に送信し、指向情報更新部22はスーパーフレームSF3ではビームD11が制御端末1と通信できる分割ビームであるとして指向情報記録部21に記録する。その後、従属端末2のACK送信部28がビーコンS0を受信したことを示す第2ACK信号r2を送信する。スーパーフレームSF4ではビームD12は何らのビームも受信できないので、従属端末2のACK送信部28はACK出願を送信することはできない。
【0100】
次のスーパーフレームSF5、SF6において、制御端末1はビーコン期間BPそれぞれにおいて、固定ビームS0でビーコンS0を送信する。従属端末2では、スーパーフレームSF5ではビーム送受信方向制御部23がビームD111で固定ビームS0を受信するように制御し、スーパーフレームSF6ではビーム送受信方向制御部23がビームD112で固定ビームS0を受信するように制御する。その結果、従属端末2のビーコン受信部27が、スーパーフレームSF5においてはビームD111でビーコンS0を受信できなくて、スーパーフレームSF6においてはビームD112でビーコンS0を受信できるものとする。したがって、ビーコン受信部27はビームD112でビーコンS0を受信したことを示す信号を指向情報更新部22に送信し、指向情報更新部22はスーパーフレームSF6ではビームD112が制御端末1と通信できる分割ビームであるとして指向情報記録部21に記録する。その後、従属端末2のACK送信部28がビーコンS0を受信したことを示す第3ACK信号r3を送信する。スーパーフレームSF5ではビームD111は何らのビームも受信できないので、従属端末2のACK送信部28はACK出願を送信することはできない。このようにして、制御端末1の固定ビームD0が従属端末2の分割ビームD112に整合し、制御端末1と従属端末2の送受信方向が決定される。
【0101】
従属端末2において、さらに狭いビームが用意されている場合には、制御端末1から次々にスーパーフレームで固定ビームD0が送信され、これに対して、従属端末2では、さらにビームの分割が行われ、最終の第k段階において、制御端末1の固定ビーム0と従属端末2の最終の分割ビームに整合させることができる。これによって指向範囲がより狭いビームを用いた送受信方向を決定できる。この実施形態3でも、実施形態1、2と同様に、従属端末2におけるビームの総数を3個、4個、5個のように分割してもよい。
【0102】
実施形態3においては、従属端末2からACK信号を受けると、制御端末は予め決められたシーケンスに従って同じ分割ビーム群中の全てのビームについてビーコンを送信したが、いずれかの従属端末2からACK信号を受けると、制御端末はそのビーム群の他のビームについてのビーコン送信を中止して、次の分割ビーム群に移行してもよい。この方法によればさらに短時間でビームを整合することができる。
【0103】
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0104】
また、図示しないが、通信システムの一例として、図1に示された端末装置1〜6が狭い範囲内に配置されている複数のパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという。)から構成されるパソコンシステムが考えられる。前記複数のパソコンの内の1台が図4に示す制御端末1の機能を有し、他のパソコンが図5に示す従属端末と同様な機能を有するものとする。このようなシステムにあっては、前記パソコンを狭い範囲内でどのような場所にも移動でき、またパソコンがどこに移動されようとも、各パソコン間で直ちに通信が可能であり、自由にデータの送受信を行うことができる。なお、パソコンは、ディジタル信号プロセッサ、あるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)などであっても勿論よい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、無線PANにおけるアンテナビームの指向方向を決定する通信システムに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】一般的な無線PANのピコネットシステムを示す概略図である。
【図2】本発明における制御端末の動作シーケンスを示す概略フローチャートである。
【図3】本発明における従属端末の動作シーケンスを示す概略フローチャートである。
【図4】本発明における制御端末の構成の一例を説明するための図である。
【図5】本発明における従属端末の構成の一例を説明するための図である。
【図6】本発明の無線PANの通信方法に用いられる指向パターンの一例を示す図である。
【図7】本発明の制御端末と従属端末間で送受信される信号を示す図である。
【図8】本発明の無線PANにおけるアンテナビームの指向方向を決定するための方法の一例を説明するための図である。
【図9】指向情報記録部の一例を示す図である。
【図10】本発明の通信方法の他の実施形態を説明するための図である。
【図11】本発明の通信方法の更に別の実施形態を説明するための図である。
【図12】従来方式のアンテナビームの指向方向を決定するプロセスを示す図である。
【図13】IEEE802.15.3で使用されるスーパーフレームの構成を示す図のである。
【符号の説明】
【0107】
1・・・制御端末
1A・・・制御端末1のアンテナ
2〜6・・・従属端末
2A〜6A・・・従属端末それぞれのアンテナ
11・・・制御端末1の指向情報記録部
12・・・制御端末1の指向情報更新部
13・・・制御端末1のビーム送受信方向制御部
14・・・制御端末1のビーム群切替部
15・・・ビーコン送信部
16・・・ACK受信部
21・・・従属端末2の指向情報記録部
22・・・従属端末2の指向情報更新部
23・・・従属端末2のビーム送受信方向制御部
24・・・従属端末2のビーム群切替部
27・・・ビーコン受信部
28・・・ACK送信部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信方法において、
前記制御端末のビーム送受信方向制御部で、アンテナの全指向範囲をm1分割したm1個のビーム、前記m1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるm2個(m2≧m1)のビーム、同様に得られる3…、k段階のm3個…、mk個の、m1+m2+…+mk個のビーム送受信方向を選択し、
ビーコン送信部で、スーパーフレームのビーコン区間をmi(i=1…k)以下の小区間で分割し、その分割されたビーコン区間のそれぞれについて、前記ビーム送受信方向制御部で選択されたビーム送信方向に1個ずつビーコンを送信し、
前記従属端末のビーム送受信方向制御部で、アンテナの全指向範囲をn1分割したn1個のビーム、前記n1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるn2個(n2≧n1)のビーム、同様に得られる3…、l段階のn3個…、nl個のn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向を選択し、
前記従属端末のビーコン受信部で、前記制御端末から送信されるmi(i=1…k)以下に分割されたビーコン区間内で、自身が備えるn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向のいずれかの方向を選択して受信を試み、
前記従属端末の第1指向情報更新部で、前記ビーコンの受信に成功した場合、受信時の従属端末のアンテナ指向方向を記録し、前記制御端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録し、
前記従属端末のACK送信部で、前記制御端末からの前記ビーコンの受信に成功したことをACK信号によって前記制御端末に通知し、
前記制御端末のACK受信部で、前記従属端末から通知されたACK信号を受信し、前記ACKの受信に成功した従属端末方向の指向方向を取得し、
指向情報更新部で、前記ACK受信部で取得された指向方向を前記従属端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録し、
最終的に制御端末の指向情報更新部に記録された制御端末の第iビーム群の指向方向と従属端末の指向情報更新部に記録されたjビーム群の指向方向間で通信を行うことを特徴とする通信方法。
【請求項2】
アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信方法において、
前記制御端末のビーム送受信方向制御部で、アンテナの全指向範囲をm1分割したm1個のビーム、前記m1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるm2個(m2≧m1)のビーム、同様に得られる3…、k段階のm3個…、mk個のm1+m2+…+mk個のビーム送受信方向を選択し、
前記制御端末のビーコン送信部で、スーパーフレームのビーコン区間をmi(i=1…k)以下に分割し、その分割されたビーコン区間のそれぞれについて、前記ビーム送受信方向制御部で選択されたビーム送信方向に1個ずつビーコンを送信し、
前記従属端末で、自己の前記アンテナの全指向範囲の一部分のビームである1個の固定のビームで前記ビーコンの受信に成功したときに、ACK信号を前記制御端末に送信し、
前記制御端末のACK受信部で、前記従属端末から通知されたACKを受信し、前記ACKの受信に成功した従属端末方向の指向方向を取得し、第1指向情報更新部で前記従属端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録し、
最終的に第1指向情報更新部に記録された制御端末の第iビーム群の指向方向と従属端末の固定ビームの指向方向間で通信を行うことを特徴とする通信方法。
【請求項3】
アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信方法において、
前記制御端末のビーコン送信部で、自己の前記アンテナの全指向範囲の一部分のビームである1個の固定ビームでスーパーフレームのビーコン区間にビーコンを送出し、
前記従属端末のビーム送受信方向制御部で、アンテナの全指向範囲をn1分割したn1個のビーム、前記n1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるn2個(n2≧n1)のビーム、同様に得られる3…、l段階のn3個…、nl個の、 n1+n2+…+nl個のビーム送受信方向を選択し、
前記従属端末のビーコン受信部で、前記制御端末から送信されるmi(i=1…k)以下に分割されたビーコン区間内で、自身が備えるn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向のいずれかの方向を選択して受信を試み、
前記従属端末の指向情報更新部で、前記ビーコンの受信に成功した場合、受信時の指向方向を記録し、前記制御端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第2指向情報記録部に登録し、
前記従属端末のACK送信部で、前記制御端末からの前記ビーコンの受信に成功したことを前記制御端末に通知し、
前記制御端末のACK受信部で、前記従属端末から通知されたACKを受信し、前記ACKの受信に成功した従属端末方向の指向方向を取得し、第2指向情報更新部で前記従属端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第2指向情報記録部に登録し、
最終的に第2指向情報更新部に記録された制御端末のビームの指向方向と従属端末のjビーム群の指向方向間で通信を行うことを特徴とする通信方法。
【請求項4】
前記制御端末は、ピコネットにおけるPNCであり、前記従属端末は、前記ピコネットにおけるDEVであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の通信方法。
【請求項5】
前記制御端末は、それぞれが指向方向を持つ最大mi(i=1…k)個のビーコンを、最大mi(i=1…k)個のスーパーフレームを用いて最大mi(i=1…k)回繰り返して送信し、
前記従属端末は、最大mi(i=1…k)個のスーパーフレームごとに受信時の指向方向を変化させて受信を試みることを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
【請求項6】
前記制御端末がビーコンを送信した最大mi(i=1…k)個の指向範囲S1、S2、…Sr(r≦mi)うち、いずれかひとつの指向範囲(=Sp)に対してACKが得られた場合、
ビーコンを送信したSr個のビームのうち、p番目のビームをさらに1個以上に分割したビームを用いて、同様のビーコン送信を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信方法。
【請求項7】
前記従属端末が最大nj(j=1…l)個の指向範囲D1、D2、…Dq(q≦nj)うち、いずれかひとつの指向範囲(=Dr)によってビーコンを受信した場合、ビーコンを受信したr番目のビーム方向をさらに1個以上に分割したビーム方向を用いて、同様のビーコン受信を行うことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の通信方法。
【請求項8】
前記制御端末は、ビーム群の切替えを最大限である第k段階ビーム群まで至る前に、システムとしてあらかじめ決められた値、あるいは状態に応じて設定される値であるk以下の値dに対し、第d段階ビーム群までのビームしか用いないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信方法。
【請求項9】
前記従属端末は、ビーム群の切替えを最大限である第l段階ビーム群まで至る前に、システムとしてあらかじめ決められた値、あるいは状態に応じて設定される値であるl以下の値eに対し、第e段階ビーム群までのビームしか用いないことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の通信方法。
【請求項10】
前記制御端末が用いるビーコンのビーム幅が変化した場合には、前記従属端末も同等のビーム幅を選択し、これまでと同様の受信動作を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信方法。
【請求項11】
アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信システムにおいて、
前記制御端末は、
アンテナの全指向範囲をm1分割したm1個のビーム、前記m1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるm2個(m2≧m1)のビーム、同様に得られる3…、k段階のm3個…、mk個の、m1+m2+…+mk個のビーム送受信方向を選択するビーム送受信方向制御部と、
スーパーフレームのビーコン区間をmi(i=1…k)以下に分割し、その分割されたビーコン区間のそれぞれについて、前記ビーム送受信方向制御部で選択されたビーム送信方向に1個ずつビーコンを送信するビーコン送信部と、
前記従属端末から通知されたACK信号を受信することによって、前記ビーコンの受信に成功した従属端末方向の指向方向を取得するACK受信部と、
前記ACK受信部で受信された従属端末方向の指向方向を前記従属端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録する第1指向情報更新部とを備え、
前記従属端末は、
アンテナの全指向範囲をn1分割したn1個のビーム、前記n1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるn2個(n2≧n1)のビーム、同様に得られる3…、l段階のn3個…、nl個のn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向を選択するビーム送受信方向制御部と、
前記制御端末から送信されるmi(i=1…k)分割されたビーコン区間内で、自身が備えるn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向のいずれかの方向を選択して受信を試みるビーコン受信部と、
前記ビーコンの受信に成功した場合、受信時の従属端末のアンテナ指向方向を記録し、前記制御端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第2指向情報記録部に登録する第2指向情報更新部と、
前記制御端末からの前記ビーコンの受信に成功したことをACK信号によって前記制御端末に通知するACK送信部を備え、
最終的に第2指向情報更新部に記録された制御端末の第iビーム群の指向方向と従属端末のjビーム群の指向方向間で通信を行うことを特徴とする請求項9ないし請求項14のいずれかに記載の通信システム。
【請求項12】
アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信システムにおいて、
前記制御端末は、
アンテナの全指向範囲をm1分割したm1個のビーム、前記m1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるm2個(m2≧m1)のビーム、同様に得られる3…、k段階のm3個…、mk個のm1+m2+…+mk個のビーム送受信方向を選択するビーム送受信方向制御部と、
スーパーフレームのビーコン区間をmi(i=1…k)以下に分割し、その分割されたビーコン区間のそれぞれについて、前記ビーム送受信方向制御部で選択されたビーム送信方向に1個ずつビーコンを送信するビーコン送信部と、
前記従属端末から通知されたACKを受信することによって、前記ビーコンの受信に成功した従属端末方向の指向方向を取得し、前記従属端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録する第1指向情報更新部とを備え、
前記従属端末は、
自己の前記アンテナの全指向範囲の一部分のビームである1個の固定のビームで前記のビーコンの受信に成功したときに、ACK信号を前記制御端末に通知するACK送信部を備え、
最終的に指向情報更新部に記録された制御端末の第iビーム群の指向方向と従属端末の固定ビームの指向方向間で通信を行うことを特徴とする通信システム。
【請求項13】
アンテナをそれぞれ備える制御端末と1以上の従属端末との間で、ビーコン区間とコンテンション・アクセス区間とチャンネル時間割り当て区間とからなるスーパーフレームを使用して無線通信を行う通信システムにおいて、
前記制御端末は、
自己の前記アンテナの全指向範囲の一部分のビームである1個の固定のビームでスーパーフレームのビーコン区間にビーコンを送出するビーコン送信部と、
前記従属端末は、
アンテナの全指向範囲をn1分割したn1個のビーム、前記n1個のビームをそれぞれ1以上の狭いビームに分割することで得られるn2個(n2≧n1)のビーム、同様に得られる3…、l段階のn3個…、nl個のn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向を選択するビーム送受信方向制御部と、
前記制御端末から送信されるmi(i=1…k)以下に分割されたビーコン区間内で、自身が備えるn1+n2+…+nl個のビーム送受信方向のいずれかの方向を選択して受信を試みるビーコン受信部と、
前記ビーコンの受信に成功した場合、受信時の指向方向を記録し、前記制御端末への通信に用いるべき指向方向の情報として第1指向情報記録部に登録する第1指向情報更新部と、
前記制御端末からの前記ビーコンの受信に成功したことを前記制御端末に通知するACK送信部を備え、
最終的に指向情報更新部に記録された制御端末のビームの指向方向と従属端末のjビーム群の指向方向間で通信を行うことを特徴とする通信システム。
【請求項14】
前記制御端末は、ピコネットにおけるPNCであり、前記従属端末は、前記ピコネットにおけるDEVであることを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれかに記載の通信システム。
【請求項15】
前記制御端末は、それぞれが指向方向を持つ最大mi(i=1…k)個のビーコンを、最大mi(i=1…k)個のスーパーフレームを用いて最大mi(i=1…k)回繰り返して送信し、
前記従属端末は、最大mi(i=1…k)個のスーパーフレームごとに受信時の指向方向を変化させて受信を試みることを特徴とする請求項11に記載の通信システム。
【請求項16】
前記制御端末がビーコンを送信した最大mi(i=1…k)個の指向方向S1、S2、…Sr(r≦mi)うち、いずれかひとつの指向方向(=Sp)に対してACKが得られた場合、
ビーコンを送信したSr個のビームのうち、p番目のビームをさらに1個以上に分割したビームを用いて、同様のビーコン送信を行うことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の通信システム。
【請求項17】
前記従属端末が最大nj(j=1…l)個の指向範囲D1、D2、…Dq(q≦nj)うち、いずれかひとつの指向範囲(=Dr)によってビーコンを受信した場合、ビーコンを受信したr番目のビーム方向をさらに1個以上に分割したビーム方向を用いて、同様のビーコン受信を行うことを特徴とする請求項11又は請求項13のいずれかに記載の通信システム。
【請求項18】
前記制御端末は、ビーム群の切替えを最大限である第k段階ビーム群まで至る前に、システムとしてあらかじめ決められた値、あるいは状態に応じて設定される値であるk以下の値dに対し、第d段階ビーム群までのビームしか用いないことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の通信システム。
【請求項19】
前記従属端末は、ビーム群の切替えを最大限である第l段階ビーム群まで至る前に、システムとしてあらかじめ決められた値、あるいは状態に応じて設定される値であるl以下の値eに対し、第e段階ビーム群までのビームしか用いないことを特徴とする請求項11又は13に記載の通信システム。
【請求項20】
前記制御端末が用いるビーコンのビーム幅が変化した場合には、前記従属端末も同等のビーム幅を選択し、これまでと同様の受信動作を行うことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の通信システム。
【請求項21】
前記制御端末及び前記従属端末は、コンピュータ、ディジタル信号プロセッサ、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)であることを特徴とする請求項11ないし請求項20のいずれかに記載の通信システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−44667(P2009−44667A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−210046(P2007−210046)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【出願人】(507271651)
【氏名又は名称原語表記】TensorCom Inc.
【住所又は居所原語表記】10875 Rancho Bernardo Rd, #108,  San Diego, CA, 92127, USA
【Fターム(参考)】