説明

通信端末装置、折り返し発信の案内方法

【課題】
録音された伝言メッセージに対する折り返し発信を行う場合に、同一名義ユーザの複数の電話番号から適当な電話番号を選択・発信を可能とする。
【解決手段】
通信端末装置は、複数の電話番号を同一ユーザ名義で登録可能な電話帳登録部と、伝言メッセージの録音を受け付けるとともに発信者番号と関連付けて記憶保持する伝言音声蓄積部と、ユーザ名義によるメッセージの選択的な再生が可能な伝言再生部と、伝言メッセージを残した相手が複数の電話番号を有する場合に、最適な電話番号を自動的に選択しコールバックを行う発信処理部とを備える。より具体的には、前記伝言再生部は、前記電話帳登録部に登録されたユーザ名により再生する伝言メッセージの選択を受け付け、前記電話帳登録部に登録された電話番号と対応する発信者番号が関連付けられた伝言メッセージを再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話機を含む通信端末装置及び折り返し発信の案内方法に関し、特に、不在時等に相手方からの伝言メッセージ(以下、単にメッセージともいう)を録音する機能と、発信前に被呼加入者番号を表示する機能を有する通信端末装置と、該通信端末装置を用いた折り返し発信の案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所謂留守番電話機能として、メッセージを残した相手の電話番号を記録するものがある。例えば、特開平6−338948号公報には、メッセージの再生を電話番号毎に分類して再生可能な音声蓄積再生装置が紹介されている。この種の技術を用いれば、すべてのメッセージを再生するまでもなく、特定の発信者のメッセージのみを抜き出して再生することが可能である。
【0003】
また、所謂電話帳機能として、相手先毎に複数の電話番号を登録可能であり、発呼時に電話番号を選択可能な電話機等が知られている。例えば、特開2003−258998号公報には、複数の通信網から選択した1つの回線を使用して2つの電話機間で通信を行うためのテレホンアダプタ装置であって、相手毎に電話番号と使用回線種別を関連付けて記憶する番号テーブルと、いずれかの電話番号が入力されると自動的に使用回線を選択する通信制御部とを備えたテレホンアダプタ装置が紹介されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−258998号公報
【特許文献2】特開平6−338948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、メッセージを残した相手に折り返し発信をする場合、上記特許文献1に記載の技術を用いるまでもなく、電話機側に記録される発信者番号を閲覧すること等によってメッセージを残した相手の電話番号を特定することは可能であるが、同一相手が異なる電話番号で複数の発信を行った場合に、どちらの電話番号にかければよいか戸惑うことがある。
【0006】
更に近年では、アナログ回線を共用するADSL(Asynchronous Digital Subscriber Line)接続が可能な通信端末が普及していることもあり、同一ユーザが、公衆網用電話番号とIP用電話番号と携帯電話番号などの複数の電話番号を持っているような場合も多い。このような状況下では、上記特許文献1についても、異なる電話番号を複数有するユーザを同一ユーザとして取り扱うことができるようにする仕組みを備える必要がある。
【0007】
また、電話番号毎のメッセージの再生でなく、ユーザ毎のメッセージの再生を行うとしても、先に述べた折り返し発信を行うべき電話番号の選択はユーザに委ねられることになり、例えば、IP網を介した通信を行うべくIP用電話番号に対して発呼すべきケースであるにも拘わらず、発信者番号表示を頼りに公衆網用電話番号に発呼してしまう、あるいは、携帯電話番号に発呼すべきでないにも拘わらず携帯電話番号に発呼してしまうなどのケースが考えられる。
【0008】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、伝言メッセージに対する折り返し発信を行う場合に、発信元の電話番号に関係なく、複数の電話番号から自動的に適当な電話番号の選択・発信を可能とする通信端末装置及び折り返し発信の案内方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の視点によれば、複数の電話番号を同一ユーザ名義で登録可能な電話帳登録部と、伝言メッセージの録音を受け付けるとともに発信者番号と関連付けて記憶保持する伝言音声蓄積部と、を備えた通信端末装置であって、ユーザ名義によるメッセージの選択的な再生が可能な伝言再生部と、伝言メッセージを残した相手が複数の電話番号を有する場合に、最適な電話番号を自動的に選択しコールバックを行う発信処理部とを備えた通信端末装置が提供される。より具体的には、前記伝言再生部は、前記電話帳登録部に登録されたユーザ名により再生する伝言メッセージの選択を受け付け、前記電話帳登録部に登録された電話番号と対応する発信者番号が関連付けられた伝言メッセージを再生する機能を提供する。また、前記発信処理部は、前記メッセージを録音したユーザを指定した伝言メッセージの再生開始後、所定の操作が行われた場合に、前記電話帳登録部を参照し、予め定められた優先順位に従って電話番号を選択し発信する機能を提供する。
【0010】
また、本発明の第2の視点によれば、複数の電話番号を同一ユーザ名義で登録可能な電話帳登録部と、伝言メッセージの録音を受け付けるとともに発信者番号と関連付けて記憶保持する伝言音声蓄積部と、を備える通信端末装置における伝言メッセージに対する折り返し発信の案内方法が提供される。この通信端末装置は、前記電話帳登録部に登録されたユーザ名の指定と伝言の再生を要求する予め定められた第1の操作が行われた場合に、前記電話帳登録部に登録された電話番号と対応する発信者番号が関連付けられた伝言メッセージを選択して再生する。続いて、予め定められた第2の操作が行われた場合に、前記通信端末装置は、前記電話帳登録部を参照し、予め定められた優先順位に従って電話番号を選択し発信する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、伝言メッセージを残した相手が2以上の電話番号を有するような場合のコールバックを容易化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
続いて、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電話端末装置の構成を表したブロック図である。図1を参照すると、電話端末装置100は、制御回路1と、回線制御回路2と、SIP制御回路3と、ダイヤルメモリ回路4と、メモリ回路5と、操作ボタン6と、キー入力制御回路7と、LCD制御回路8と、LCD(Liquid Crystal Display)9と、音声入力回路10と、音声再生回路11と、DTMF送受信回路12と、スピーカ13と、を備えて構成されている。また、電話端末装置100は、アナログ回線を共用するADSL接続にてIP電話サービスを利用可能であり、また、着信相手の電話番号の表示機能と、留守番電話機能とを備えている。
【0013】
制御回路1は、上記した電話端末装置の各部の制御を行う手段である。音声入力回路10は、制御回路1の伝言メッセージ受付制御の下に、各回線から入力されたアナログ音声情報をデジタル音声情報に変換してメモリ回路5に入力する手段である。メモリ回路5は、着信時に取得した発信者番号情報と、録音されたメッセージを対応させて格納する手段である。音声再生回路11は、後に詳述する手順により、メモリ回路5からのデジタル音声情報をアナログに変換してスピーカ13から再生する手段である。
【0014】
回線制御回路2は、制御回路1の指示により回線の状態を監視し、SLIC(Subscriber Line Interface Circuit)制御や回線制御を行う手段である。ダイヤルメモリ回路4は、IPサービスを利用するIP用電話番号、公衆網用電話番号、携帯電話番号、これら各電話番号の優先順位を示す優先発信情報をユーザ別に対応付けて格納する手段である。DTMF(Dial Tone Multi Frequency)送受信回路12は、回線制御回路2の制御の下、図示しない公衆回線とのダイヤル情報の送受信を行う手段である。
【0015】
SIP制御回路3は、SIP(Session Initiation Protocol)に従って、相手方のIP通信端末との通話制御を行う手段である。
【0016】
キー入力制御回路7は、各種設定や各機能の起動を行うため操作ボタン6の入力制御を行う手段であり、LCD制御回路8は、電話番号やユーザ名、ユーザに操作を促す案内メッセージ等を表示するLCD9の表示制御を行う手段である。
【0017】
図2は、上記ダイヤルメモリ回路4内のデータ格納状態を表した図である。図2を参照すると、ダイヤルメモリ回路4は、ユーザ名毎に、公衆網用電話番号、IP用電話番号、携帯電話番号と、これらのうちからコールバック時に発信する通信網の種別を示す優先発信情報を記憶保持可能となっている。また、ダイヤルメモリ回路4は、受信した発信者番号情報を保持する発信者番号保持領域200を有している。
【0018】
図2の例では、「中山」で特定される通話先については、3種の電話番号が格納されているが、後述するコールバックを行う際には、その優先発信情報に従ってIP用電話番号が選択される。また例えば、「川島」で特定される通話先については、公衆網用電話番号、IP用電話番号が格納されているが、携帯電話番号や優先発信情報は未定義のままとなっている。
【0019】
図3は、上記メモリ回路5内のデータ格納状態を表した図である。図3を参照すると、メモリ回路5は、伝言メッセージと発信者番号とを関連付けて記憶保持したものであり、アドレスを指定してメッセージを特定可能な構成となっている。図3の例では、アドレス「A1」で特定されるメッセージは、電話番号「0471111111」から発信・録音されたものであり、アドレス「A2」で特定されるメッセージは、電話番号「05022222222」から発信・録音されたものであることがわかるようになっている。
【0020】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。始めに図4を参照して、本実施形態に係る電話端末装置が伝言メッセージを受け付け、録音する際の動作について説明する。まず、回線制御回路2から制御回路1に対して回線から着信があったことが報告されると(ステップS201)、発信者番号情報を検出できた場合は(ステップS202のYes)、制御回路1は、ダイヤルメモリ回路4の発信者番号保持領域200に設定する(ステップS203)。
【0021】
上記発信者番号の設定までの動作を詳説すると、アナログ着信の場合は、制御回路1の指示により回線制御回路2が、L1、L2の回線極性を反転し、情報受信端末起動信号を受信し、一次応答信号を送出後、モデム信号で受信した発信者番号情報をDTMF送受信回路12でアナログ情報からデジタル情報に変換し、ダイヤルメモリ回路4内の発信者番号保持領域200に設定する。一方、IP着信の場合は、制御回路1の指示によりSIP制御回路3が受信したINVITEリクエストメッセージを解析し、INVITEリクエストメッセージ内のTOヘッダ内のuserinfo部の番号をダイヤルメモリ回路4の発信者番号保持領域200に設定する。
【0022】
続いて、制御回路1の指示により回線制御回路2によって通話パスが確立され(ステップS204)、自動応答メッセージが送出される(ステップS205)。なお、IP着信の場合は、SIP制御回路3の制御によって上記応答まで実施される。
【0023】
続いて、制御回路1は、ダイヤルメモリ回路4内の発信者番号保持領域200に設定した電話番号をメモリ回路5の空いている領域の該当エリアに設定する(ステップS206)。例えば、公衆網からの着信で「0471111111」を受信し、メモリ回路5のアドレス「A1」が空いていた場合、当該公衆網用電話番号がアドレス「A1」の電話番号エリアに格納される。同様に、IP電話からの着信で「05022222222」を受信し、メモリ回路5のアドレス「A2」が空いていた場合、当該公衆網用電話番号がアドレス「A2」の電話番号エリアに格納される。
【0024】
続いて、制御回路1の指示により音声入力回路10は、発信者からの音声をデジタル情報に変換してメモリ回路5に録音する(ステップS207)。上述の例でいえば、「0471111111」からの伝言メッセージ「また電話します」は、前記した電話番号と関連付けられるようにアドレス「A1」のメッセージエリアに格納される。同様に、「05022222222」からの伝言メッセージ「お電話ください」は、前記した電話番号と関連付けられるようにアドレス「A2」のメッセージエリアに格納される。
【0025】
最後に、制御回路1の指示により回線制御回路2は、回線を切断する(ステップS208)。
【0026】
続いて、図5を参照して、本実施形態に係る電話端末装置上で伝言メッセージを再生する際の動作について説明する。本実施形態に係る電話端末装置100は、ダイヤルメモリ回路4に登録済みのユーザの電話番号の検索・個別表示・一覧表示を行う電話帳機能を有しており、ユーザの選択をした状態(即ち、この状態で発信ボタンを起動すると発呼が開始される状態)で、所定のボタン(例えば、再生ボタン)が起動された場合に、以下のユーザ別の伝言メッセージの再生機能が起動されるものとなっている。
【0027】
まず、キー入力制御回路7が、上記ユーザの選択とボタンの起動操作を検出すると(ステップS301)、制御回路1は、メモリ回路5内アドレスの初期値にポインタをセットする(ステップS302)。
【0028】
現ポインタ位置にメッセージが格納されていない場合を除き、制御回路1は、ダイヤルメモリ回路4の指定ユーザのデータとメモリ回路5の現ポインタのデータとを照合し、再生対象のユーザの各電話番号が、メモリ回路内5の現ポインタで示される電話番号エリアに格納されているか否かを確認する(ステップS304)。例えば、図2、図3に示されたデータが格納されている状態において、ステップS301でユーザ名「中山」からのメッセージのみを再生するとの操作が行われた場合、ダイヤルメモリ回路4内のユーザ名「中山」の公衆用電話番号「0471111111」、IP用電話番号「05011111111」、携帯電話番号「09011111111」が、メモリ回路5の例えばアドレス「A1」の電話番号エリアに格納されているか否かの確認が行われる。
【0029】
ここで、メモリ回路5の電話番号エリアにステップS301で指定されたユーザの電話番号が検出された場合は、制御回路1は、LCD制御回路8により当該電話番号をLCD9に表示するとともに、音声再生回路11により前記電話番号に対応する伝言メッセージをデジタル音声情報からアナログ音声情報に変換し、スピーカ13から再生する(ステップS305)。
【0030】
このようにして、制御回路1は、アドレスポインタをインクリメントしながら、メモリ回路5を走査し、空きを検出するまでステップS304からS306の処理を実行する。
例えば、図2、図3に示されたデータが格納されている状態において、ステップS301でユーザ名「中山」からのメッセージのみを再生するとの操作が行われた場合、メモリ回路5のアドレス「A1」と「A3」に、ユーザ名「中山」の電話番号「0471111111」、「05011111111」が検出される。この場合、LCD9には、「0471111111」、「05011111111」が表示され、対応する伝言メッセージ「また電話します」、「お電話ください」が連続して再生される。
【0031】
一方、現ポインタ位置にメッセージが格納されていない場合は(ステップS303のYes)、メモリ回路5のすべての電話番号エリアにステップS301で指定されたユーザの電話番号がないことになる。この場合、制御回路1の指示により音声再生回路11は、固定メッセージをデジタル音声情報からアナログ音声情報に変換してスピーカ13から再生終了と折り返し発信を促す定型ガイダンスを流す(ステップS307)。例えば、定型ガイダンスとして「録音されたメッセージはありません。再生は終了しました。続けて折り返し発信する場合は発信キーを押してください。」等といったメッセージが流される。
【0032】
そして、キー入力制御回路7が折り返し発信を行うための所定のボタン操作を検出すると(ステップS308のYes)、制御回路1は後記する発信制御を開始し、所定のボタン操作が検出されなかった場合(ステップS308のNo)は、そのまま終了する。
【0033】
続いて、図6を参照して、本実施形態に係る電話端末装置上で伝言メッセージを再生後、折り返し発信を行う場合の動作について説明する。まず、キー入力制御回路7が特定のユーザ別に折り返し発信を行うための所定のボタン操作を検出すると(ステップS401;図3のステップS308のYesに相当)、制御回路1は、ダイヤルメモリ回路4内の当該ユーザについて優先発信情報が登録されているか否かを確認する(ステップS402)。ここで、優先発信情報が登録されていない場合は、IP用電話番号、次いで、公衆網用電話番号による発信が試みられる(ステップS405、S408)。
【0034】
ステップS403で当該ユーザについて優先発信情報が登録されている場合は、制御回路1は、優先発信情報に「IP」が設定されているか否かを確認する(ステップS403)。ここで、優先発信情報に「IP」が設定されていない場合は、ステップS410以下の公衆回線網を利用した優先番号による発信が行われる。
【0035】
一方、ステップS402で当該ユーザの優先発信情報が「IP」の場合は、制御回路1の指示によりSIP制御回路3がIP利用可能状態か否かを確認する(ステップS404)。ここで、IP利用可能状態でない場合は、サーバがダウンしている可能性があるため、ステップ407へ移行し、公衆回線網を利用した発信が準備される。一方、IP利用可能状態であるならば、SIP制御回路3は、発信要求のあったユーザのIP用電話番号を読み出し、次いでINVITEメッセージを生成し、発信する(ステップS405)。
【0036】
続いて、SIP制御回路3は、INVITEメッセージに対するレスポンスをチェックし、IP利用不可状態であるレスポンス値「404 NOT Found」「403 Forbidden」等を受信した場合、サーバがダウンしている可能性がある。そこで、制御回路1の指示により回線制御回路2は、SLICを公衆網側へ切り替え(ステップS407)、次いでダイヤルメモリ回路4からIP電話番号に対応する公衆網用電話番号を読み出し、発信する(ステップS408)。例えば、ユーザ名「中山」を指定した発信要求のあった場合、IP用電話番号「05011111111」でIP発信を試みて、ステップS404、S406で、IP利用不可状態であった場合、公衆網用電話番号「0471111111」を用いた発信が行われる。
【0037】
また、ステップS403にて優先発信情報に「IP」以外が設定されている場合は、制御回路1の指示により、SIP制御回路3でIP利用可能状態か確認し(ステップS410)、IPが利用可能な状態である場合はSLICがIP側を向いているため、制御回路1の指示により回線制御回路2がSLICを公衆網側に切り替える(ステップS411)。そして、回線制御回路2は、優先発信情報を読み出し、公衆網が指定されていれば公衆網用電話番号を読み出し、携帯が指定されていれば携帯電話番号を読み出し発信を行う(ステップS412)。例えば、ユーザ名「中山」を指定した発信要求があり優先発信情報が「携帯」の場合は、ダイヤルメモリ回路4に格納されたユーザ名「中山」の携帯電話番号「09011111111」で発信され、優先発信情報が「公衆網」の場合は、ダイヤルメモリ回路4に格納されたユーザ名「中山」の公衆網用電話番号「0471111111」で発信される。
【0038】
次いで、制御回路1の指示により回線制御回路2はループ断の検出を行い(ステップS413)、ループ断が検出された場合は、相手を呼び出し中となり、ループ断が検出されなかった場合は、相手が話中等ビジー状態となっているビジートーンが出力される。
【0039】
また、ステップ406でSIP制御回路3がIP発信受付のメッセージを受信した場合(ステップS406のYes)、SIP制御回路3は「180 RINGING」レスポンスを受信したか否かを監視し、「180 RINGING」レスポンスを受信した場合には、リングバックトーンが出力され(ステップS421)、その後更に、相手が応答した場合通話が開始される。一方、「180 RINGING」レスポンスを受信しなかった場合は、ビジートーンが送出される。
【0040】
このように、本実施形態では、伝言メッセージを選択的に再生することが可能であり、また、これら伝言メッセージを残した相手が複数の電話番号を有しているような場合、自動的に電話番号を選択し、簡便な操作でコールバックすることが可能となる。
【0041】
また、上記実施形態では、公衆網用電話番号、IP用電話番号、携帯電話番号の3種の電話番号を登録可能なダイヤルメモリ回路を用いた例を挙げて説明したが、第2、第3公衆網用電話番号、IP用電話番号、携帯電話番号、あるいは、その他ダイヤルイン番号等を登録可能とし優先発信情報を設定可能としても良いことはもちろんである。
【0042】
また、上記実施形態では、優先発信情報として、公衆網、IP、携帯のいずれか一を選択設定可能であるものとして説明したが、通信網や電話番号毎に発信順位を設定可能とし、当該順位に従って発信するようにしてもよいし、また、ユーザ毎でなく、通信端末装置単位で一律に優先順位を定めるものとしても良い。また、上記優先発信情報として、通信端末装置の置かれた条件(通信事業者との特別な契約状態や地域)、日時(日中/夜間/平日/休日)、ユーザが定める任意の条件(最新受付発信番号優先、頻度の高い発信番号優先等)によって、細かく発信先を変更する様にしても良い。
【0043】
また、上記した実施形態では、電話帳機能からユーザを選択した状態で再生ボタン等を起動することによって、ユーザ別のメッセージの再生を開始するものとして説明したが、前記ユーザの選択は、例えば、発着信履歴の照会画面からの選択や、別途定めるユーザ指定コード等の入力により行うものとしても良い。また、前記折り返し発信する場合の操作として「発信キーを押下」することを案内する例を挙げたが、その他のボタンでも良いことはもちろんである。
【0044】
また、上記した実施形態では、SIPプロトコルでINVITEメッセージに対するレスポンスが「404 NOT Found」「403 Forbidden」の場合に公衆網による発信に切り替えるものとして説明したが、その他のエラー値でも公衆網用電話番号に切り替えるようにしても良いことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る電話端末装置の構成を表したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電話端末装置のダイヤルメモリ回路内のデータ格納状態を表した図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る電話端末装置のメモリ回路内のデータ格納状態を表した図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る電話端末装置の動作を表したフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る電話端末装置の動作を表したフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る電話端末装置の動作を表したフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 制御回路
2 回線制御回路
3 SIP制御回路
4 ダイヤルメモリ回路
5 メモリ回路
6 操作ボタン
7 キー入力制御回路
8 LCD制御回路
9 LCD
10 音声入力回路
11 音声再生回路
12 DTMF送受信回路
13 スピーカ
100 電話端末装置
200 発信者番号保持領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電話番号を同一ユーザ名義で登録可能な電話帳登録部と、
伝言メッセージの録音を受け付けるとともに発信者番号と関連付けて記憶保持する伝言音声蓄積部と、
前記電話帳登録部に登録されたユーザ名により再生する伝言メッセージの選択を受け付け、前記電話帳登録部に登録された電話番号と対応する発信者番号が関連付けられた伝言メッセージを再生する伝言再生部と、
前記メッセージを録音したユーザを指定した伝言メッセージの再生開始後、所定の操作が行われた場合に、前記電話帳登録部を参照し、予め定められた優先順位に従って電話番号を選択し発信する発信処理部と、を備えたこと、
を特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
前記伝言再生部は、前記電話帳登録部に登録されたユーザの電話番号表示画面からユーザの選択をした状態で所定のボタンが起動された場合に、前記ユーザ名による選択的な伝言メッセージの再生を開始すること、
を特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項3】
前記伝言再生部は、更に、前記選択されたユーザに対して折り返し発信を行うための操作を音声案内すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の通信端末装置。
【請求項4】
前記電話帳登録部は、更に、同一名義の電話番号の発信優先順位を設定可能とし、
前記発信処理部は、前記電話帳登録部に設定された発信優先順位に従って、ユーザ毎に、電話番号を選択すること、
を特徴とする請求項1乃至3いずれか一に記載の通信端末装置。
【請求項5】
アナログ回線を共用するADSL(Asymmetric Digital Subs
criber Line)回線サービスを利用可能であって、IP網を介した発着信が可能であること、
を特徴とする請求項1乃至4いずれか一に記載の通信端末装置。
【請求項6】
複数の電話番号を同一ユーザ名義で登録可能な電話帳登録部と、伝言メッセージの録音を受け付けるとともに発信者番号と関連付けて記憶保持する伝言音声蓄積部と、を備える通信端末装置における伝言メッセージに対する折り返し発信の案内方法であって、
前記電話帳登録部に登録されたユーザ名の指定と伝言の再生を要求する予め定められた第1の操作が行われた場合に、前記通信端末装置が、前記電話帳登録部に登録された電話番号と対応する発信者番号が関連付けられた伝言メッセージを選択して再生するステップと、
予め定められた第2の操作が行われた場合に、前記通信端末装置が、前記電話帳登録部を参照し、予め定められた優先順位に従って電話番号を選択し発信するステップと、を含むこと、
を特徴とする折り返し発信の案内方法。
【請求項7】
前記第1の操作は、前記電話帳登録部に登録されたユーザの電話番号表示画面からユーザの選択をした状態で所定のボタンが起動する操作であること、
を特徴とする請求項6に記載の折り返し発信の案内方法。
【請求項8】
更に、前記通信端末装置が、前記第2の操作を音声案内するステップを含むこと、
を特徴とする請求項6又は7に記載の折り返し発信の案内方法。
【請求項9】
前記電話帳登録部には、同一名義の電話番号の発信優先順位がそれぞれユーザ毎に設定されており、
前記通信端末装置は、前記電話帳登録部に設定された発信優先順位に従って、ユーザ毎に、電話番号を選択すること、
を特徴とする請求項6乃至8いずれか一に記載の折り返し発信の案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−319766(P2006−319766A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−141390(P2005−141390)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】