説明

通信装置、チャネル情報設定方法及び制御プログラム

【課題】無線電波の受信電波強度に依存せずにチャンネル情報を設定することができる通信装置、チャネル情報設定方法及び制御プログラムを提供すること
【解決手段】本発明にかかる通信装置は、デジタル放送の視聴を可能とする通信装置であって、所定のエリアへの入場又は前記所定のエリアからの退場において通過するゲートを識別するゲート情報と、デジタル放送を受信する際に用いられるチャンネル情報とを関連付けて管理するデータテーブル20と、ゲートを通過する際にゲート情報を取得するゲート情報取得部30と、ゲート情報取得部30が取得したゲート情報に関連付けられているチャンネル情報を設定して、デジタル放送を視聴するユーザからのチャンネル選択を可能とするチャンネル情報設定部40と、を備えるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置、チャネル情報設定方法及び制御プログラムに関し、特にデジタル放送を受信する通信装置、デジタル放送を受信する際に用いたれるチャネル情報設定方法及びその通信装置のコンピュータに実行させる制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のテレビジョン放送においては、現在までに用いられてきたアナログ放送に代わり、デジタル放送を受信可能な受信器(例えば、テレビ等)を用いて、地上デジタル放送を視聴することが多くなっている。また、地上デジタル放送に用いられているチャンネルの一部の領域を用いたワンセグメント放送を視聴することができる携帯電話端末も増加している。
【0003】
一般的に地上デジタル放送を視聴する場合、地上デジタル放送を受信する受信器が存在するエリアを登録し、当該エリアにおいて受信可能なチャンネル情報を設定する必要がある。つまり、受信エリアが異なると、受信可能なチャンネルが異なるため、それぞれのエリア毎に受信可能なチャンネル情報を設定する必要がある。
【0004】
建物内に固定的に設置される受信器は、受信器の設置時に一度チャンネル情報の設定を行うと、その後再度チャンネル情報の設定を行う必要はない。しかし、移動しながら使用することを前提とする携帯電話端末等においては、設定したエリアと異なるエリアにおいてワンセグメント放送を含む地上デジタル放送を受信する場合、再度チャンネル情報を設定する必要がある。現在設定している受信エリアと異なるエリアに移動して、地上デジタル放送を視聴するためのアプリケーション等を起動すると、ユーザは、現在位置している受信エリアのチャンネル情報を設定する必要がある。また、異なるエリアに移動した際に、携帯電話端末等の画面上に、チャンネル情報の設定変更を促すようにポップアップ画面が表示され、チャンネル情報の設定変更を行う場合もある。
【0005】
さらに、特許文献1には、テレビ受像機が、受信するチャンネル情報を格納した外部記憶媒体から、チャンネル情報を読み出し、設定することが開示されている。この外部記憶媒体を複数のテレビ受像機に用いることにより、複数のテレビ受像機において同一の設定を行うことができる。
【0006】
このようにして、ユーザは、エリアが変更されるたびに、チャンネル情報を設定し直す必要があり、また、チャンネル情報の設定も手動で行う必要があり操作性が悪いという問題があった。
【0007】
そこで、特許文献2には、エリアの変更をGPS(Global Positioning System)又はFM多重放送等により通知されると、変更されたエリアにおけるチャンネル配置データをROMから読み出し、新しいチャンネル配置データを設定するデジタル放送受信器が開示されている。
【0008】
また、特許文献3も特許文献2と同様に、取得したGPS情報から、現在のエリアを識別し、当該エリアにおけるチャンネル情報を設定する情報処理装置が開示されている。
【0009】
特許文献4及び5には、移動携帯端末と通信を行っている基地局装置が変更された場合に、現在の位置情報に対応するチャンネル情報を設定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−110564号公報
【特許文献2】特開2005−026769号公報
【特許文献3】特開2008−124672号公報
【特許文献4】特開2009−302691号公報
【特許文献5】特開2010−166294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した特許文献2乃至5に開示されている装置は、いずれもGPS情報や、基地局との通信情報等の、無線電波を用いてチャンネル情報の設定を行っている。そのため、例えば、無線電波が弱い、もしくは、無線電波を受信できない等の場合、エリアの変更に伴うチャンネル情報の設定を行うことができないという問題がある。
【0012】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、無線電波の受信電波強度に依存せずにチャンネル情報を設定することができる通信装置、チャネル情報設定方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様にかかる通信装置は、デジタル放送の視聴を可能とする通信装置であって、所定のエリアへの入場又は前記所定のエリアからの退場において通過するゲートを識別するゲート情報と、前記デジタル放送を受信する際に用いられるチャンネル情報とを関連付けて管理するデータテーブルと、前記ゲートを通過する際に前記ゲート情報を取得するゲート情報取得部と、前記ゲート情報取得部が取得したゲート情報に関連付けられている前記チャンネル情報を設定して、前記デジタル放送を視聴するユーザからのチャンネル選択を可能とするチャンネル情報設定部と、を備えるものである。
【0014】
本発明の第2の態様にかかるチャネル情報設定方法は、デジタル放送の視聴を可能とする通信装置におけるチャンネル情報設定方法であって、所定のエリアへの入場又は前記所定のエリアからの退場においてゲートを通過する際に、前記ゲートを識別するゲート情報を取得し、前記デジタル放送を視聴するユーザからのチャンネル選択を可能とするために、ゲート情報と、前記デジタル放送を受信する際に用いられるチャンネル情報とを関連付けて管理するデータテーブルから、前記取得されたゲート情報に関連付けられているチャンネル情報を抽出し、前記抽出されたチャンネル情報を設定するものである。
【0015】
本発明の第3の態様にかかる制御プログラムは、デジタル放送の視聴を可能とする通信装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、所定のエリアへの入場又は前記所定のエリアからの退場においてゲートを通過する際に取得した前記ゲートを識別するゲート情報と、前記デジタル放送を受信する際に用いられるチャンネル情報とを関連付けて管理するデータテーブルから、前記取得したゲート情報に関連付けられているチャンネル情報を抽出るステップと、前記抽出されたチャンネル情報を設定するステップと、を前記通信端末のコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明を用いることにより、無線電波の受信電波強度に依存せずにチャンネル情報を設定することができる通信装置、チャネル情報設定方法及び制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態1にかかる通信装置の構成図である。
【図2】実施の形態1にかかる携帯電話端末の構成図である。
【図3】実施の形態1にかかる選局設定テーブルの管理情報を示めす図である。
【図4】実施の形態1にかかるチャンネル情報設定のフローチャートである。
【図5】実施の形態1にかかる視聴要求に伴うチャンネル情報設定のフローチャートである。
【図6】実施の形態2にかかるチャンネル情報設定のフローチャートである。
【図7】実施の形態2にかかる視聴要求に伴うチャンネル情報設定のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本発明の実施の形態1にかかる通信装置10は、データテーブル20と、ゲート情報取得部30と、チャンネル情報設定部40とを備えている。
【0019】
通信装置10は、例えば、携帯電話端末や、スマートフォン端末等であり、通信機能を有し、持ち運びが容易な装置である。また、通信装置10は、デジタル放送の視聴を可能とする。デジタル放送は、地上デジタル放送や、地上デジタル放送において用いられるチャンネルの一部の領域を用いて放送を行うワンセグ放送を含む。通信装置10は、デジタル放送を受信するための通信機能のほかに、移動通信事業者が提供する無線ネットワーク、いわゆる公衆通信網を介して通信を行う通信機能や、無線LAN通信を行うWiFi(Wireless Fidelity)を用いた通信機能等を備えている。
【0020】
データテーブル20は、所定のエリアへの入場又は前記所定のエリアからの退場において通過するゲートを識別するゲート情報と、デジタル放送を受信する際に用いられるチャンネル情報とを関連付けて管理する。所定のエリアとは、例えば、駅の構内や、ビルの中のエリア等である。ゲートとは、例えば駅の構内へ入場又は駅構内から退場する際に通過する自動改札機や、ビルの中に入場する際に通過するセキュリティゲート等である。
【0021】
ゲート情報とは、ゲートを識別するために用いられる識別情報である。たとえば、ゲート情報は、それぞれのゲートに一意に割り当てられているID等であってもよい。チャンネル情報とは、デジタル放送を行う放送局とチャンネル番号とを対応付けた情報である。たとえば、あるエリアにおいては、チャンネル1において放送局Aからのテレビ番組を受信し、チャンネル2において放送局Bからのテレビ番組を受信する。また、他のエリアにおいては、チャンネル1において放送局Cからのテレビ番組を受信し、チャンネル2において放送局Dからのテレビ番組を受信する。
【0022】
データテーブル20は、ゲート情報をエリア情報とみなし、ゲート情報と、そのゲートが存在する位置近傍で用いられるチャンネル情報とを関連付けて管理している。データテーブル20は、ROM(Read Only Memory)等の移動通信装置内の記憶部に記憶されてもよく、移動通信装置10に装着可能な外部記憶装置等に記憶されてもよい。
【0023】
ゲート情報取得部30は、通信装置10を持ち歩くユーザが、ゲートを通過する際に、ゲートからゲート情報を受け取る。たとえば、ゲート情報取得部30は、近距離無線通信により、ゲート情報を受け取る。具体的には、ゲート情報取得部30は、非接触ICカード機能を有する。ユーザは、ゲートに備えられた受信器に対して通信装置10を近づける。これにより、ゲート情報取得部30は、ゲートの受信器との間において近距離無線通信を行い、ゲート情報を受け取る。ゲート情報取得部30とゲートの受信器との間における近距離無線通信は、赤外線や、様々な標準化団体において策定されている無線通信規格が用いられてもよい。また、ゲート情報取得部30は、接触型のICカード機能を有してもよい。
【0024】
チャンネル情報設定部40は、データテーブル20から、ゲート情報取得部30において取得したゲート情報に関連付けられているチャンネル情報を抽出し、設定する。チャンネル情報設定部40が、チャンネル情報を設定することにより、ユーザは、地上デジタル放送の視聴を開始する際に、チャンネルの選択が可能となる。
【0025】
チャンネル情報設定部40は、ゲート情報取得部30がゲート情報を取得したタイミングにおいて、チャンネル情報を設定してもよく、ユーザにより、地上デジタル放送の視聴を要求する指示がなされた場合、つまり、地上デジタル放送を視聴するためのアプリケーション等が起動された場合に、チャンネル情報を設定してもよい。
【0026】
以上説明したように、図1にかかる通信装置10は、ゲートを入場又は退場する際に、ゲートとの間で通信を行い、ゲート情報を取得することができる。また、通信装置10は、取得したゲート情報に対応するチャンネル情報を設定することができる。これより、通信装置10は、無線電波の受信電波強度に依存せずに、エリア情報に対応するゲート情報を取得し、チャンネル情報を設定することができる。
【0027】
続いて、図2を用いて本発明の携帯電話端末11の構成例について説明する。携帯電話端末11は、選局設定テーブル21と、非接触ICカード機能部31と、非接触IC情報一時保存部41と、中央制御部50と、無線通信送受信部61と、音声信号処理部62と、表示部63と、操作部64と、を備えている。
【0028】
携帯電話端末11は、通信装置10に含まれる。携帯電話端末11の代わりに、スマートフォン端末等が、携帯電話端末11と同様の構成を有してもよい。
【0029】
無線通信送受信部61は、基地局装置等と通信を行い、データの送受信を行う。無線通信送受信部61は、基地局装置等との間において定められる無線通信規格に基づいて、データの送受信を行う。
【0030】
音声信号処理部62は、無線通信送受信部61を介して受信した音声信号を復号して、スピーカ等(図示せず)から、ユーザに対して音声を出力する。もしくは、マイクロフォン等(図示せず)を介してユーザから入力された音声を変調して、無線通信送受信部61を介して基地局装置等へ送信する。
【0031】
表示部63は、無線通信送受信部61を介して受信した文字データや、画像データ等を表示する。また、表示部63は、携帯電話端末11の内部機能を操作する際に、操作画面等を表示する。つまり、ユーザは、表示部63に表示されるアイコン等を選択することにより、アプリケーションを操作する。表示部63は、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0032】
操作部64は、携帯電話端末11を操作するユーザからの情報入力を受け付ける。操作部64は、ユーザから文字情報等の入力又はアプリケーションの操作に関する情報を受け付け、中央制御部50へ出力する。また、操作部64は、例えば、物理的な凹凸を有するボタンや、画面をタッチすることにより操作を行うタッチパッド等により構成される。
【0033】
選局設定テーブル21は、ゲート情報と、選局設定情報とを関連付けて管理している。選局設定テーブル21について、具体的に図3を用いて説明する。図3は、ゲート情報とそれに対応する選局設定情報とを関連付けて管理している。ゲート情報とは、所定のエリアへ入場又は所定のエリアから退場する際に通過するゲートを識別する情報である。選局設定情報とは、それぞれのエリアにおいて用いられるチャンネル情報を識別する情報である。選局設定情報は、東京1エリア、東京2エリア、神奈川1エリア、又は埼玉1エリア等のように、エリア情報を示している。例えば、携帯電話端末11に東京1エリアが設定された場合には、チャンネル1を選択することにより、放送局Aから送信されるデータを受信し、神奈川1エリアが設定された場合には、チャネル1を選択することにより、放送局Bから送信されるデータを受信することができる。
【0034】
非接触ICカード機能部31は、ゲートの受信器と通信を行い、ゲート情報を受け取る。非接触ICカード機能部31を備える携帯電話端末11をゲートにかざすことにより、非接触ICカード機能部31とゲートの受信器とが通信を行う。非接触ICカード機能部31は、ゲートの受信器から受け取ったゲート情報を、中央制御部50へ出力する。
【0035】
非接触IC情報一時保存部41は、非接触ICカード機能部31が受け取ったゲート情報を、中央制御部50を介して受け取る。非接触IC情報一時保存部41は、受け取ったゲート情報を一時的に保存する。一時的とは、例えば、非接触IC情報一時保存部41は、予め定められた期間を経過するとゲート情報を削除してもよい。もしくは、非接触IC情報一時保存部41は、ユーザが地上デジタル放送を視聴するためのアプリケーションを停止等した場合に、ゲート情報を削除してもよい。もしくは、非接触IC情報一時保存部41は、携帯電話端末11の電源がOFFされた場合に、ゲート情報を削除してもよい。非接触IC情報一時保存部41は、例えば、携帯電話端末11内のRAM(Random Access Memory)により構成されてもよい。
【0036】
中央制御部50は、携帯電話端末11全体の動作を制御する。中央制御部50は、例えばCPU(Central Processing Unit)等により構成される。中央制御部50は、操作部64から地上デジタル放送を視聴するためにアプリケーションの起動を要求された場合、非接触IC情報一時保存部41に保存されているゲート情報に対応する選局設定情報を、選局設定テーブル21から抽出する。さらに、中央制御部50は、抽出した選局設定情報を設定し、表示部63にチャンネル情報を表示させる。これにより、ユーザは、地上デジタル放送を視聴するために、チャンネルを選択することができる。
【0037】
また、中央制御部50は、非接触IC情報一時保存部41に保存されているゲート情報に対応する選局設定情報が、選局設定テーブル21に登録されていない場合、無線通信送受信部61を介して、携帯電話端末11が現在位置している場所の近隣において用いられるチャネル情報をサーチする。無線通信送受信部61は、それぞれの放送局等から、無線電波を介してブロードキャストされているチャネル情報を受信することができる。中央制御部50は、サーチして受信したチャネル情報と、非接触IC情報一時保存部41に保存されているゲート情報とを関連付けて、選局設定テーブル21へ設定する。つまり、中央制御部50は、サーチしてチャネル情報を受信した場合、選局設定テーブル21を更新する。
【0038】
続いて、図4を用いてチャンネル情報の設定にかかる処理の流れについて説明する。はじめに、携帯電話端末11を保持するユーザは、ゲートを通過して駅構内等へ入場する(S11)。この時、ユーザは、携帯電話端末11をゲートにかざしながらゲートを通過する。次に、非接触ICカード機能部31は、ゲートから、ゲート情報を読み出す(S12)。次に、中央制御部50は、読み出したゲート情報を非接触IC情報一時保存部41へ保存するとともに、読み出したゲート情報に対応する選局設定情報が選局設定テーブル21に登録されているか否かを判定する(S13)。
【0039】
中央制御部50は、読み出したゲート情報に対する選局設定情報が選局設定テーブル21に登録されていると判定した場合、処理を終了する。中央制御部50は、読み出したゲート情報に対する選局設定情報が選局設定テーブル21に登録されていないと判定した場合、無線通信送受信部61を介して、チャンネル情報をサーチする(S14)。次に、中央制御部50は、サーチした結果チャンネル情報を取得すると、取得したチャンネル情報と、読み出したゲート情報とを関連付けて選局設定テーブル21に設定し、選局設定テーブル21を更新する(S15)。
【0040】
続いて、図5を用いて視聴要求に伴うチャンネル情報の設定にかかる処理の流れについて説明する。はじめに、携帯電話端末11は、操作部64を介して、ユーザから地上デジタル放送の視聴要求を受け付ける(S21)。次に、中央制御部50は、非接触IC情報一時保存部41に保持されているゲート情報に対応する選局設定情報を選局設定テーブル21から抽出する(S22)。続いて、中央制御部50は、抽出した選局設定情報を設定する(S23)。
【0041】
以上説明したように本発明の実施の形態1にかかる携帯電話端末11を用いることにより、携帯電話端末11が通過するゲートから、ゲート情報を受け取ることができる。携帯電話端末11は、近距離無線通信を用いることにより、受信電波強度の変動等による影響を受けずに、ゲート情報を受け取ることができる。
【0042】
また、受け取ったゲート情報に対応するチャンネル情報を設定することにより、ユーザがチャンネルを選択することができるようになる。この際に、受け取ったゲート情報に対応するチャンネル情報を保持していない場合は、近隣において用いられているチャンネル情報をサーチすることにより受け取り、選局設定テーブル21に設定することができる。これにより、次に同じ場所に訪れた場合に、再度サーチをすることなくチャンネル情報を設定することができる。
【0043】
(実施の形態2)
続いて、図6を用いて、中央制御部50におけるチャンネル情報の設定に関して、実施の形態1とは異なる設定例について説明する。具体的には、ゲートとして、電車の駅構内への入場又は駅構内からの退場時に通過するゲートを用いて説明する。
【0044】
はじめに、携帯電話端末11を保持するユーザがゲートを通過する際に、非接触ICカード機能部31は、ゲート情報を受け取る(S31)。ここで、非接触ICカード機能部31は、ゲート情報を受け取るとともに、ユーザが駅構内へ入場したのか又は駅構内から退場したのかに関する情報も併せて受け取る。
【0045】
次に、中央制御部50は、ユーザが駅構内へ入場したのか又は駅構内から退場したのかを判定する(S32)。中央制御部50は、ユーザが駅構内から退場すると判定した場合、非接触ICカード機能部31が受け取ったゲート情報に対応付けられている選局設定情報を設定する(S33)。つまり、駅構内からゲートを通過して退場した後は、基本的にユーザは徒歩による移動となる。そのため、移動距離は、電車による移動と比較して短くなる。これより、ゲートを退場後は、受信エリアを跨って移動する可能性は低いと想定されるため、ゲート情報に対応付けられている選局設定情報を設定する。
【0046】
ステップS32において、中央制御部50は、ユーザが駅構内へ入場すると判定した場合、さらに携帯電話端末11内の記憶部等に定期券情報があるか否かを判定する(S34)。定期券情報は、出発地及び到着地の駅に関する情報が含まれている。定期券情報を有する携帯電話端末11をゲートにかざすことにより、ゲートは、定期券情報の出発地及び到着地の間の区間と、ゲートが配置されている駅とが一致するか否かを判定し、ユーザの駅構内への入場又は駅構内からの退場可否を判定することができる。
【0047】
中央制御部50は、携帯電話端末11内に定期券情報が無いと判定した場合、ステップS33に戻り、非接触ICカード機能部31が受け取ったゲート情報に対応付けられている選局設定情報を設定する。
【0048】
中央制御部50は、携帯電話端末11内に定期券情報があると判定した場合、定期券情報に基づいて推定される移動先エリアにおける選局設定情報を設定する(S35)。中央制御部50は、定期券情報に基づいて、目的地までに経由する受信エリアを抽出し、携帯電話端末11が次に移動する受信エリアの選局設定情報を設定する。ここで、中央制御部50は、次に移動する受信エリアまでの距離が遠い場合等、現在位置する受信エリアにおける選局設定情報を設定した方がよい場合には、受け取ったゲート情報に対応する選局設定情報を設定するようにしてもよい。次に移動する受信エリアまでの距離は、ユーザにより任意に設定されてもよい。
【0049】
続いて、図7を用いて本発明の実施の形態2にかかるテレビ番組を視聴中におけるチャネル情報設定処理の流れについて説明する。はじめに、携帯電話端末11は、ユーザによって選択されたチャンネルに対応する放送局からテレビ番組を受信し視聴する(S41)。次に、中央制御部50は、携帯電話端末11内の記憶部等に定期券情報があるか否かを判定する(S42)。中央制御部50は、定期券情報が無いと判定した場合、処理を終了する。中央制御部50は、定期券情報があると判定した場合、定期券情報に基づいて、受信エリアの切り替わり時間を算出する(S43)。例えば、中央制御部50は、定期券情報から、目的地までの間に経由する駅に関する情報を得ることができる。それぞれの経由駅と受信エリアとを対応付けて管理し、さらに、それぞれの経由駅に到着する時刻表情報とを用いることにより、中央制御部50は、携帯電話端末11の受信エリアが切り替わる時間を算出する。時刻表情報は、外部のサーバー等から受信してもよく、携帯電話端末11の内部の記憶部等に保存しておいてもよい。
【0050】
次に、中央制御部50は、受信エリアが切り替わる時間か否かを判定する(S44)。中央制御部50は、受信エリアが切り替わる時間ではないと判定すると、ステップS44の処理を繰り返す。中央制御部50は、受信エリアが切り替わる時間と判定すると、移動先の受信エリアに対応する選局設定情報に更新する(S45)。
【0051】
以上説明したように、本発明の実施の形態2にかかる携帯電話端末11を用いることにより、ユーザが地上デジタル放送を視聴する際、又は、地上デジタル放送を視聴中に、携帯電話端末11の受信エリアに応じて、最適な選局設定情報を設定することができる。
【0052】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、図4乃至図7において説明した処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0053】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0054】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本発明の実施の形態2において、定期券情報の代わりに、過去数日の乗車履歴情報を用いて、移動先エリアを推定してもよい。
【符号の説明】
【0055】
10 通信装置
11 携帯電話端末
20 データテーブル
21 選局設定テーブル
30 ゲート情報取得部
31 非接触ICカード機能部
40 チャンネル情報設定部
41 非接触IC情報一時保存部
50 中央制御部
61 無線通信送受信部
62 音声信号処理部
63 表示部
64 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送の視聴を可能とする通信装置であって、
所定のエリアへの入場又は前記所定のエリアからの退場において通過するゲートを識別するゲート情報と、前記デジタル放送を受信する際に用いられるチャンネル情報とを関連付けて管理するデータテーブルと、
前記ゲートを通過する際に前記ゲート情報を取得するゲート情報取得部と、
前記ゲート情報取得部が取得したゲート情報に関連付けられている前記チャンネル情報を設定して、前記デジタル放送を視聴するユーザからのチャンネル選択を可能とするチャンネル情報設定部と、を備える通信装置。
【請求項2】
前記ゲート情報取得部は、
前記ゲートを通過する際に、前記ゲートと近距離無線通信を行い、前記ゲート情報を取得する、請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記ゲート情報取得部は、
非接触ICカードを用いて前記ゲート情報を取得する、請求項1又は2記載の通信装置。
【請求項4】
前記チャンネル情報設定部は、
前記ゲート情報取得部によって取得されたゲート情報が、前記データテーブルに存在しない場合、前記ゲートの近隣エリアにおいて用いられるチャンネル情報をサーチし、
前記データテーブルは、
前記ゲート情報と、サーチして得られた前記チャンネル情報とを関連付けて管理する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
デジタル放送の視聴を可能とする通信装置におけるチャンネル情報設定方法であって、
所定のエリアへの入場又は前記所定のエリアからの退場においてゲートを通過する際に、前記ゲートを識別するゲート情報を取得し、
前記デジタル放送を視聴するユーザからのチャンネル選択を可能とするために、ゲート情報と、前記デジタル放送を受信する際に用いられるチャンネル情報とを関連付けて管理するデータテーブルから、前記取得されたゲート情報に関連付けられているチャンネル情報を抽出し、
前記抽出されたチャンネル情報を設定する、チャンネル情報設定方法。
【請求項6】
前記ゲート情報を取得する際に、前記ゲートと近距離無線通信を行い、前記ゲート情報を取得する、請求項5記載のチャンネル情報設定方法。
【請求項7】
前記ゲート情報を取得する際に、非接触ICカードを用いて、前記ゲート情報を取得する、請求項5又は6記載のチャンネル情報設定方法。
【請求項8】
前記ゲート情報を取得する際に、
前記取得したゲート情報が、前記データテーブルに存在しない場合、前記ゲートの近隣エリアにおいて用いられるチャンネル情報をサーチし、
前記ゲート情報と、サーチして得られた前記チャンネル情報とを関連付けて管理する、請求項5乃至7のいずれか1項に記載のチャンネル情報設定方法。
【請求項9】
デジタル放送の視聴を可能とする通信装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
所定のエリアへの入場又は前記所定のエリアからの退場においてゲートを通過する際に取得した前記ゲートを識別するゲート情報と、前記デジタル放送を受信する際に用いられるチャンネル情報とを関連付けて管理するデータテーブルから、前記取得したゲート情報に関連付けられているチャンネル情報を抽出るステップと、
前記抽出されたチャンネル情報を設定するステップと、を前記通信端末のコンピュータに実行させる制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−114805(P2012−114805A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263683(P2010−263683)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】