通信装置及びその制御方法とプログラム
【課題】 個々の映像コンテンツへのアクセス制御/公開設定の操作が難しい。
【解決手段】 映像コンテンツの発信源と、当該発信源から発信された映像コンテンツを受信して再生する再生用端末とを含むネットワークにおける映像コンテンツの視聴状況を示す情報を収集し、その収集した情報を記憶する(S32)。こうして記憶された視聴状況の情報に基づいて、映像コンテンツに対する前記再生用端末によるアクセス権を設定する(S34,S35)。
【解決手段】 映像コンテンツの発信源と、当該発信源から発信された映像コンテンツを受信して再生する再生用端末とを含むネットワークにおける映像コンテンツの視聴状況を示す情報を収集し、その収集した情報を記憶する(S32)。こうして記憶された視聴状況の情報に基づいて、映像コンテンツに対する前記再生用端末によるアクセス権を設定する(S34,S35)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信によって映像データを配信する映像配信技術に関する。特に、通信履歴を使って、映像コンテンツへのアクセスを制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遠隔操作可能なカメラにより撮影したライブ映像を、インターネット等の通信インフラストラクチャを使って配信するとともに、その映像の観察者が、インターネットを介してカメラの設定やカメラの操作等を指示できる技術が確立されている(特許文献1)。このような映像配信システムでは、映像の配信に加えて、そのカメラのパン、チルト、ズーム、逆光補正等といったカメラの動作制御をネットワークを介して利用者が実施できるものもある。また、そのカメラに対するアクセス制御機能を備え、利用者が有しているアクセス権限に応じて、カメラの制御や映像配信を制限できるものもある。
【0003】
更に、カメラを制御して撮像する領域に関しても制限できるものがある。例えば、特権ユーザは、そのカメラに備わるズーム機能の全てを利用できるが、通常のユーザはズーム機能の一部(例えば、テレ端を使い切れない)のみ利用できるように制限されるものがある。これはパン機能やチルト機能についても同様である。尚、カメラ等の撮像装置が一体化されたネットワークカメラと、別体のカメラにより撮影した映像をネットワークに配信するカメラサーバとは厳密には区別されるが、本願明細書ではほぼ同一の意味で用いている。
【特許文献1】特開平09−289607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年のデジタルカメラ或はデジタルビデオの普及、並びに家庭における複数の映像機器の導入により、大量の映像コンテンツが簡単に生成されるようになっている。また家庭内でもネットワークを介して映像コンテンツが共有される状況にある。この際、個人管理の個々の映像コンテンツへのアクセス制御/公開設定は煩わしいが、省略する訳にもいかないという問題がある。特に映像コンテンツを家庭内でネットワーク共有をする際に、操作インターフェースの貧弱な非PC機器を使用する場合が多い。その結果、個々の映像コンテンツへのアクセス制御/公開設定の操作が難しいため上記の問題が一層顕著となる。
【0005】
本発明は、このような従来の問題を解決することを目的とする。
【0006】
本願発明の特徴は、映像コンテンツの通信状況や通信履歴を、そのコンテンツのアクセス権の制御に反映する通信装置及びその制御方法とプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る通信装置は以下のような構成を備える。即ち、
映像コンテンツの発信源と、当該発信源から発信された映像コンテンツを受信して再生する再生用端末とを含むネットワークにおける映像コンテンツの視聴状況を示す情報を収集する視聴情報収集手段と、
前記視聴情報収集手段により収集された情報を記憶する視聴記憶手段と、
前記視聴記憶手段に記憶された前記視聴状況の情報に基づいて、前記映像コンテンツに対する前記再生用端末によるアクセス権を設定するアクセス権設定手段と、
を有することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る通信装置の制御方法は以下のような工程を備える。即ち、
映像コンテンツの発信源と、当該発信源から発信された映像コンテンツを受信して再生する再生用端末とを含むネットワークにおける映像コンテンツの視聴状況を示す情報を収集する視聴情報収集工程と、
前記視聴情報収集工程で収集された情報を記憶する視聴記憶工程と、
前記視聴記憶工程で記憶された前記視聴状況の情報に基づいて、前記映像コンテンツに対する前記再生用端末によるアクセス権を設定するアクセス権設定工程と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、映像コンテンツの通信状況や通信履歴をアクセス制御権に反映させることにより、例えば個人が管理するコンテンツの面倒なプライバシの保護設定を自動化して手間を軽減できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
[実施の形態1]
[通信履歴を反映したアクセス制御の自動設定]
この実施の形態1では、映像ソースが発信する映像コンテンツをクライアント(操作及び表示端末。以下、操作端末)で再生する際、ネットワークのアクセスポイント(集線装置;以下APと略す)で通信状況や通信履歴を収集する。これにより映像コンテンツのアクセス制御を簡素化する例について説明する。ここで、映像コンテンツの発信側(ソース側)は、例えばネットワークカメラ或は撮像装置(206:図2)と着脱可能に構成された映像配信装置101(図1)等で構成される。この撮像装置206は、例えば広く普及しているデジタルカメラやデジタルビデオカメラであっても良い。また操作端末は、ネットワークテレビや映像受信再生ソフトウェアを備えたPC等であっても良い。特に本実施の形態では、AP104(図1)が、映像再生リクエスト元の属性情報、再生時刻を自動的に反映して、映像コンテンツのアクセス制御やアクセス制限を行う例について説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態1に係るシステム形態を説明する図である。
【0013】
映像配信装置101は、映像コンテンツの発信元であり、ネットワーク105を介して映像及び音響情報を配信する。操作端末102,103は映像ビューワ(クライアント)で、映像配信装置101から配信された映像や音響を受信して視聴する。アクセスポイント104は、本実施の形態に係るAP(ネットワークアクセスポイント)である。映像配信装置101には、デジタルカメラ110が着脱可能に構成されていても良い(図17)。
【0014】
図17は、デジタルカメラ110を載置した映像配信装置101の他の構成例を示す外観図である。
【0015】
映像配信装置101と操作端末102,103はそれぞれネットワーク105に接続されている。いま例えば操作端末102からAP104を介して映像送信リクエストが映像配信装置101へ送信される。そして、この要求が映像配信装置101で受付けられると、映像配信装置101から操作端末102へ映像データが配送されて、その操作端末102で映像を視聴できるようになる。また映像コンテンツ送信の一時停止や早送りのリクエスト等の操作も、映像配信リクエストと同様にして通信される。またNAS120は、ネットワーク接続型の記憶装置(Network Attached Storage。以下、NASと記述する)で、ネットワーク105に接続された他の機器からのデータの保存或は参照の要求を受け付ける。このNAS120は、家庭用NAS、業務用の大規模NAS或はその他の装置から提供されるのストレージサービスの場合もある。またネットワーク105は、家庭内或は組織内で運用されるネットワークである。更に、このネットワーク105の通信媒体は有線であっても或は無線であっても構わない。
【0016】
図2は、本実施の形態に係る映像配信装置101のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
CPU201は、メモリ202にロードされたプログラムに従って、この映像配信装置101の動作を制御している。記憶装置204には、各種プログラムが予めインストールされており、そのプログラムの実行時に、そのプログラムがメモリ202にロードされて実行される。またこの記憶装置204には、各種処理の処理結果等が格納される。ネットワークインターフェース(I/F)203は、ネットワーク105と接続して、ネットワーク105に接続された各種機器や装置との間で各種データをやり取りする。USBインターフェース205は、USBを介してデジタルカメラ等の撮像部206を接続している。記憶装置204は高速RAMの他に、HDD(ハードディスク)装置やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えても良い。また取り外し可能な記憶装置を備えても良い。ネットワークインターフェース203は有線インターフェースだけでなく、無線インターフェースを備えても良い。またデジタルカメラ等の撮像部206を接続するためのインターフェースはUSBに限定されず、例えばIEEE1394でも良い。
【0018】
図3は、本実施の形態に係るAP104のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
CPU301は、メモリ302にロードされたプログラムに従って、このAP104の動作を制御している。記憶装置304には、各種プログラムが予めインストールされており、そのプログラムの実行時に、そのプログラムがメモリ302にロードされて実行される。またこの記憶装置304には、各種処理の処理結果等が格納される。ネットワークインターフェース(I/F)303は、ネットワーク105と接続して、ネットワーク105に接続された各種機器や装置との間で各種データをやり取りする。ネットワークインターフェース(I/F)305は、別のネットワークとのインターフェースを司る。記憶装置304は高速RAMの他に、HDD(ハードディスク)装置やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えても良い。また取り外し可能な記憶装置を備えても良い。ネットワークインターフェース303,305は有線インターフェースだけでなく、無線インターフェースを備えても良い。尚、図3では、ネットワークインターフェース303と305とを図示しているが、ネットワークインターフェースは2つに限定されない。
【0020】
図4は、本実施の形態に係る操作端末102(103)のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。尚、ここで操作端末102と103とは同じ構成で同じように動作するため、以下では操作端末102の場合で説明する。
【0021】
CPU401は、メモリ402にロードされたプログラムに従って、この操作端末102の動作を制御している。記憶装置404には、各種プログラムが予めインストールされており、そのプログラムの実行時に、そのプログラムがメモリ402にロードされて実行される。またこの記憶装置404には、各種処理の処理結果等が格納される。ネットワークインターフェース(I/F)403はネットワーク105と接続して、ネットワーク105に接続された各種機器や装置との間で各種データをやり取りする。表示コントローラ405は、表示部407への表示を制御している。表示部407は、処理結果や映像コンテンツ等を表示する。周辺コントローラ406は、キーボード408やマウス409の操作に伴うユーザによる入力コマンド等を受け取る。記憶装置404は、高速RAM或はHDD装置やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えても良く、また取り外し可能な記憶装置でも良い。ネットワークI/F403は有線インターフェースだけでなく無線インターフェースを備えても良い。周辺コントローラ406は、キーボード408やマウス409と接続されているが、赤外線リモコンやLEDコントローラ或は外部センサによる入出力コントローラであっても良い。
【0022】
図5は、本実施の形態1に係るシステムにおけるプログラムの構成を模式化した図である。
【0023】
映像配信装置101には、カメラ制御サーバプログラム501及び映像送信サーバプログラム502が含まれる。AP104には、通信制御サーバプログラム503、通信履歴処理サーバプログラム504が含まれる。更に操作端末102には、カメラ操作プログラム505、及び映像再生表示プログラム506が含まれる。それらのプログラムはそれぞれの記憶装置に格納され、それぞれのCPUの制御の下で実行される。
【0024】
映像配信装置101がネットワーク105経由で操作端末102から受け取るコマンドは、以下のようにカテゴリ分けされる。
(1)セッションコマンド
映像配信装置101と操作端末102との間で事前にセッションを確立する必要があるコマンドが存在する。そのためのセッション制御用コマンドが規定されている。
(2)カメラ制御コマンド
映像配信装置101上でのアクセスに排他制御が必要な操作コマンドのために、撮像装置206の制御権を受け渡しするためのコマンドが規定されている。例えば、撮像装置206のズーム操作や配信映像の削除操作等である。この制御権を保持している操作端末では、この撮像装置206の制御操作が可能となる。尚、撮像装置206の制御だけでなく、映像配信装置101に関する一部のコマンド(雲台パンチルト制御等)については、カメラ制御権が必要なため、このコマンドカテゴリに含まれる。
(3)カメラブラウズコマンド
映像配信装置101上の内部状態(保存された映像コンテンツ等の記憶内容を含む)に関する操作である。
(4)カメラ設定コマンド
映像配信装置101の設定を変更する操作である。
【0025】
次に操作端末102,AP104、映像配信装置101のそれぞれの動作フローについて説明する。尚、以下の説明では、操作端末102は、映像配信装置101への接続情報及び途中経路のAP104へのルーティング情報等は別途取得済みであるとする。これらの情報は、公知のIP(Internet Protocol)技術、UPnP技術、ウエブ(World Wide Web)技術等を利用することにより取得可能であるので、それらの説明を省略する。
【0026】
図6は、本実施の形態に係る操作端末102における映像再生表示プログラム506による処理を説明するフローチャートである。
【0027】
まずステップS1で、映像配信装置101に対して映像配信装置101が提供可能な映像コンテンツを問い合わせる。この映像コンテンツには、映像配信装置101に蓄積されている映像コンテンツ、及び撮像装置206により撮影されるライブ映像のコンテンツも含まれる。また、この映像コンテンツには、解像度、コーデック、再生時間、データレート(ビットレート)、或は、タイトルや言語等様々な属性情報、並びにアクセス制限属性等が付与されている。尚、このステップS1での問合せ時に、これらの属性の一部だけを指定することも可能である。次にステップS2に進み、その問合せに対する、映像配信装置101からの応答で得られた映像コンテンツリストを表示部407にリスト表示し、キーボード408或はマウス409を使用したユーザからの選択指示を待つ。こうしてステップS3でユーザ指示を受け取るとステップS4に進み、キャンセルが指示されたかどうかを判定する。キャンセルが指示されるとステップS5に進み、処理を終了する。
【0028】
ステップS4でキャンセルでないときはリスト表示からの選択指示であるためステップS6に進み、選択した映像コンテンツの再生処理を開始する。具体的には、映像コンテンツを再生表示するために映像フレームデータのデコード、スケーリング、高画質化処理、表示部407への出力を繰り返す機能モジュールの実行を開始する。これは通常、映像再生表示処理とは別のスレッドで実行される。以下、ここで実行される機能モジュールを再生モジュールと呼ぶ。
【0029】
次にステップS7に進み、この再生モジュールに必要な各種情報を取得して再生モジュールをセットアップする。この各種情報とは、解像度やコーデック或は著作権保護方式(暗号復号方式含む)等である。次にステップS8に進み、映像配信装置101に対して映像コンテンツの配信を指示する。そして、これ以降ステップS9で、映像配信装置101から送られる情報を受信して、継続的に再生モジュールに渡すことにより、映像コンテンツをストリーミング再生する。こうして映像配信装置101からの映像コンテンツの配信が受け終わるとステップS2に戻る。そしてキャンセルが指示されるとステップS5で、再生モジュールが動作しているならば再生モジュールを停止し、リソースを解放して映像再生表示処理を終了する。
【0030】
尚、ステップS9で再生モジュールに渡す際には、通信路上に多重化された映像と音声を適切に分離し、パケット単位に分割(パケタイズ)された映像ビットストリームを適切に結合する処理を含む。再生モジュールでの処理は、通常の映像ビットストリーム再生処理と同様であるので説明を省略する。またここでは、キャンセル操作によって映像再生表示の処理を終了していたが、ステップS1、ステップS2或はステップS3に戻り、再度、ユーザからの指示を待つようにしても良い。
【0031】
図7は、本実施の形態に係る操作端末102におけるカメラ操作プログラム505の処理を説明するフローチャートである。
【0032】
まずステップS11で、カメラ操作に関するGUIを表示部407に表示し、前述のセッションコマンドを用いて映像配信装置101との間にセッションを確立する。次にステップS12に進み、キーボード408やマウス409によるユーザからカメラ操作に関する指示入力を待つ。ユーザからカメラ操作に関する指示を受け取るとステップS13に進み、そのユーザからの指示がカメラ操作の終了指示であるかどうか判定する。カメラ操作の終了指示である場合はステップS14に進んで、セッションを終了する。
【0033】
一方、終了指示でない場合はステップS15に進み、ユーザにより指定されたカメラ操作に相当するカメラ制御コマンドを映像配信装置101に発行する。次にステップS16に進み、その発行したカメラ制御コマンドに対する応答を映像配信装置101から受け取る。そして、その応答内容に応じた処理を実行して操作端末102の表示部407に反映する。そしてステップS12,S13,S15,S16の処理を、カメラ操作の終了指示が入力されるまで繰り返す。
【0034】
図8は、本実施の形態1に係るAP104の通信制御サーバプログラム503の処理を説明するフローチャートである。
【0035】
まずステップS21で、通信制御サーバプログラム503の設定値を読み出し、それをネットワークインターフェース303等のモジュールの設定値に反映する。この設定値は記憶装置304等の不揮発性メモリから読み出される場合が一般的であるが、ネットワーク105のデータベースやディレクトリサービスから読み出しても良い。次にステップS22に進み、ネットワークインターフェース303,305のいずれかから通信パケットを受け取る。そしてステップS23で、そのパケットの内容を、後述する通信履歴処理サーバ504に記録する。そしてステップS24で、そのパケットがAP104自身宛てのパケットであるか否かを判定する。ここでAP104自身宛てのパケットである場合はステップS25に進み、AP104のアプリケーション処理部へパケットを引き渡す。このアプリケーション処理部は、SNMPサーバやAP設定サーバやIGD(Internet Gateway Device)サーバ等を含む。本実施の形態ではアプリケーション処理部の説明を省略する。
【0036】
一方、ステップS24でAP104自身宛てのパケットでない場合はステップS26に進み、その受信したパケットに含まれる論理アドレスや物理アドレスに応じてネットワークインターフェースを選択し、そのインターフェースを介してパケットを転送する。この際、物理アドレスとは、MAC(Media Access Control)レベルのイーサネット(Ethernet(登録商標))アドレス等である。また論理アドレスはIPアドレス等である。またマルチキャストやブロードキャスト等であった場合には、複数のネットワークインターフェースにパケットを転送する場合もある。こうしてステップS22からステップS25,S26を繰り返す。
【0037】
尚、この時ステップS26では、映像メディア通信と非メディア通信を区別して処理する。この区別は、パケットヘッダや通信先/通信元のアドレスやポート番号、或はペイロード内容等から判断できる。そして転送タイミングの調整に関する非メディア通信と判断した場合は、可能な限り早急に(ベストエフォートで)転送を行う。一方、映像メディア通信と判断した場合は、映像メディアパケットの間隔が(QoS制御に合わせて)算出された時間間隔になるように転送タイミングを調整する。
【0038】
また後述の通信履歴処理サーバプログラム504から動的フィルタリング設定が指示される場合は、以下のように動作する。ステップS26において、設定されたフィルタリング内容に応じて、転送中止やネットワークインターフェースの切替え、或はアプリケーション処理部への転送、操作端末への問合せ等であるかを判断する。ここでは例えば、映像コンテンツへのアクセスが許可されていないユーザ(或は操作端末102)がアクセスを拒否される場合であっても、そのユーザのアクセス制御情報が再確認される。即ち、そのユーザが同一の映像コンテンツへ繰り返しアクセスすると、操作端末102への問合せによって、そのユーザ(或は操作端末)のアクセス制御情報が再確認される。
【0039】
図9は、本実施の形態1に係るAP104の通信履歴処理サーバプログラム504の処理を説明するフローチャートである。
【0040】
まずステップS31で、通信履歴処理サーバプログラム504の設定値を読み出し、以下の履歴解析や通信制御等の適切なモジュールに、その設定値を反映する。次にステップS32に進み、通信制御サーバプログラム503のステップS23(図8)から得られるパケットの通信内容を通信履歴として記録する。ここで収集される通信履歴は、例えば、以下に示す[収集される通信履歴]の通りである。ここでは、時刻、発信元、送信先、コンテンツID、ユーザIDの5項目からなる通信履歴を記録する。次にステップS33に進み、その設定されたフィルタリングルールの条件部及びそれ以前に収集した通信履歴情報とを参照する。そしてステップS34で、その設定された条件に該当するかどうかを判断し、該当する場合はステップS35に進み、通信制御サーバプログラム503のステップS26(図8)の処理に、フィルタリングルール執行部相当の所定の動的フィルタリングを指示する。こうして設定されたフィルタリングルールは、例えば以下に示す[フィルタリングルール(条件部と執行部)]の通りである。こうしてステップS32〜ステップS35の処理を繰り返す。
[収集される通信履歴]
時刻 発信元 送信先 コンテンツID ユーザID
2005/04/02.13:24:10:07 00008522cd3a 0065b0ed5e4 71843 8192
2005/04/02.13:27:34:18 00008522cd3a 0065b0ed5e4 71272 8192
2005/04/02.13:28:22:43 00008522cd3a 00a0c92506d9 71659 5487
[フィルタリングルール(条件部と執行部)]
(1)アクセス制御情報が設定されていない映像コンテンツであって、最初に、書斎PC(MAC_address=00065b0ed5e4)で再生された映像は、お父さん(ユーザID=8192)に限定のコンテンツとする。
(2)アクセス制御情報が設定されていない映像コンテンツであって、最初に、リビングルームTV(MAC_address=00a0c92506d9)で再生された映像は、公開コンテンツ(ユーザID単位でのアクセス制限ナシ)とする。
(3)アクセス制御情報が設定されていた映像コンテンツであっても、(操作端末への問合せにより)設定以外のアクセス制御が3回以上行われた映像は、アクセス制御情報を解除する。
【0041】
図10は、本実施の形態に係る映像配信装置101の映像送信サーバプログラム502の処理を説明するフローチャートである。
【0042】
映像配信サーバ502は、まずステップS41で、映像配信サーバプログラム502の動作設定情報を読み出し、それに基づき動作を開始する。ここで、映像の獲得とエンコードを行うスレッドを(生成時点では休止状態で)生成する。続いてステップS42に進み、リクエスト受付状態に入り、クライアントである操作端末102からのリクエストを待つ。ここでリクエスト(映像配信リクエスト、エンコードパラメータ変更、或はブラウジング等のコマンドリクエスト)が受け付けられるとステップS43に進む。そして接続リクエストならばステップS44で接続の可否の判定を行う。否ならば接続拒否のエラーコードを返してステップS42に戻る。接続可であればステップS45に進み、接続処理としてクライアントからのコマンドの受付処理を行うスレッドを生成する。そして、そのクライアントを登録し、もし映像の獲得とエンコードを行うスレッドが休止状態ならば動作開始を指示してからステップS42に戻る。
【0043】
こうして生成された各クライアント対応のスレッドでは、ステップS46で対応するクライアントからのコマンドの受付を行う。コマンドが届くとそれを受け付けて、映像処理を行う主プログラムへ受け渡す。この主プログラムは、エンコードパラメータの変更、或はブラウジング等のコマンドに対してはステップS50に進む。ここでコマンド処理(映像エンコード等に関する設定の変更操作や映像配信装置101内のブラウジング等)を行って、その処理結果(操作の成功か失敗を示すコードやブラウジング結果)をコマンド要求を受け付けたクライアント対応のスレッドへ伝える。このクライアント対応のスレッドはステップS47で、その結果をクライアントである操作端末へ送り返す。
【0044】
主プログラム部分では、ステップS45の映像の獲得とエンコードを行うスレッドへの動作開始指示により、ステップS51で、前もって設定された時間間隔で映像データをUSBインターフェース経由でデジタルカメラ(撮像装置)206から獲得する。そして必要に応じてこれをエンコードする。更に、このエンコード済みデータを全てのクライアント対応のスレッドに伝える。各クライアント対応のスレッドはステップS48で、クライアントからの次映像フレーム送信要求の有無を判定する。要求があればエンコード済みデータをクライアントへ配送する。クライアント対応のスレッドは、クライアントからの次映像フレーム送信要求(これはクライアントでの映像データの受け取り完了に対して、送り返されるのが一般的である)を受け取った場合は、映像フレーム送信要求のフラグを設定する。またクライアントから接続終了のコマンドを受け取ると、それを主プログラムへ通達する。そしてステップS49で、自身のスレッドを終了する。
【0045】
図11は、本実施の形態に係る映像配信装置101のカメラ制御サーバプログラム501の処理を説明するフローチャートである。
【0046】
まずステップS61で、カメラ制御サーバプログラム501の動作設定情報を読み出し、それに基づいて動作を開始する。ここでクライアントである操作端末102からのリクエストを受け付けるポートを開く。次にステップS62で、リクエストの受付状態に入り、リクエスト(接続リクエスト又は操作コマンドリクエスト)を受信するとステップS63に進み、そのリクエストを受付ける。次にステップS64で、接続リクエストであれば接続の可否の判定を行う。ここで否であれば接続拒否のエラーコードを返してステップS62に戻る。一方、接続可であればステップS65に進み、接続処理としてクライアントからのコマンドの受付処理を行うスレッドを生成する。そしてクライアントの登録を行ってステップS62に戻る。この生成されたスレッドでは、ステップS66で対応するクライアントからのコマンドを受付ける。ここではコマンドを受信するとそれを受け付け、カメラ操作を行う主プログラムへ受け渡す。主プログラムはステップS62でこれを受付ける。ここで操作コマンドであればステップS70に進み、カメラの操作を行う。その結果(操作が成功か失敗かを示すコード等)をカメラ操作要求を受け付けたクライアント対応のスレッドへ伝える。このクライアント対応のスレッドは、ステップS67で、その結果をクライアントへ送り返す。
【0047】
一方、主プログラム部は、ステップS71で、カメラの操作により変化した状態(例えば、パン・チルト・ズームの値)を全てのクライアント対応のスレッドに伝える。各クライアント対応のスレッドは、ステップS68で、カメラ制御状態の変化をクライアントへ通達する。クライアント対応のスレッドは、クライアントから接続終了のコマンドを受信すると、それを主プログラムへ通達する。更にステップS69で、自身のスレッドを終了する。
【0048】
尚、操作コマンドの扱いにおいては、具体的な操作コマンドの発行の前に、カメラ操作権の割り当て要求を必要とすることも可能である。これは複数の人間がカメラの操作を要求するような状況での混乱をなくす効果がある。この場合、まずクライアントからは、カメラ操作権獲得の要求コマンドが発行される。これに対してカメラ制御サーバ501は、現在のカメラ制御権の割り当て状態から、その要求に対して、拒絶、割り当て、順番待ちのいずれかを選択して、そのクライアントへ返答する。このカメラ制御権は、前もって定められた特定の時間、或は、制御権を獲得しているクライアントが接続を終了するまでの短いほうの時間で剥奪されて、次の順番待ちの人に割り当てられる。順番待ち人数はやはり前もって定められた人数(例えば5人)に制限され、それ以上のリクエストは拒絶される。クライアントは、カメラ制御権が獲得されてから剥奪されるまでの間だけ操作コマンドを発行できる。カメラ制御サーバ501は、カメラ制御権が付与されているクライアントからの操作コマンドのみを受け付ける。
【0049】
図12は、本実施の形態1に係るAP104における設定処理を説明するフローチャートである。
【0050】
まずステップS81で、通信制御サーバ503及び通信履歴処理サーバ504に関する設定情報を読み出す。この設定情報は、特定のファイル或はレジストリ等のシステムデータベースに保存されている。そして、その設定情報を内部データに設定する。そしてこれ以降、ユーザの操作入力を受け取り、内部データに反映する以下のループを繰り返す。即ち、ステップS82で、ユーザの操作入力を待ち、入力があればそれを受け取る。次にステップS83に進み、入力された値が適正範囲内であるか否か等の妥当性を判定し、適正でなければステップS84に進みエラーメッセージを出力する。そして値を戻してステップS82に戻り、次のユーザの入力待ちとなる。一方ステップS83で適正範囲内であればステップS85に進み、内部データを更新してステップS82に戻る。
【0051】
またユーザからの入力がOKボタンの場合はステップS86に進み、更新された内部データを通信制御サーバ503及び通信履歴処理サーバ504に関する設定情報を格納する特定のファイル等へ書き出す。次にステップS87に進み、変更を反映するためにAP104を再起動するかを尋ねるパネルを表示する。ここで再起動が指示されるとステップS88に進み、通信制御サーバ503及び通信履歴処理サーバ504を再起動する。次にステップS89で、この設定プログラムを終了する。また再起動しない場合はステップS87から直接ステップS89に進んで終了する。またステップS82でのユーザの入力がキャンセルボタンである場合はステップS82から直接ステップS89に進んで処理を終了する。
【0052】
尚、本実施の形態に係るAP104の通信制御サーバ503及び通信履歴処理サーバ504に設定できる値には以下の項目がある。即ち、各ネットワークインターフェースのIPネットワーク設定(IPアドレス、サブネットアドレス、サブネットマスク、ルーティングアドレス、マルチキャスト可否等)や帯域制限(QoS設定含む)がある。また暗号鍵情報(IPv6の場合のIPsec設定、無線LANのWEP設定等)、アプリケーション処理部のSNMPサーバ、AP設定サーバ、IGDサーバ等の各種設定がある。更には、動的フィルタリング設定の初期値、フィルタリングルール、通信履歴の最大保持期間と最大保持数などがある。
【0053】
以上の構成により、映像ソースが発信する映像コンテンツを操作端末で再生する際に、ネットワークアクセスポイント(集線装置)において、通信状況や通信履歴を収集する。これにより、映像コンテンツのアクセス制御や公開設定を簡素化することが可能となる。特に本実施の形態1では、APが映像再生リクエスト元の属性情報、再生時刻を自動反映して、映像コンテンツのアクセス制御やアクセス制限を行う点に特徴がある。
【0054】
本実施の形態1では、AP104が有線ネットワークの集線装置(スイッチングハブ等)の場合で説明しているが、AP104が無線ネットワーク(wirelessLAN)のアクセスポイントであっても同様に説明できる。
【0055】
また本実施の形態1では、映像メディア自体もAP104を経由して配信される例で説明しているが、映像メディア自体は、AP104を経由しない実施形態も考えられる。この場合、ストリーム制御コマンド(例えば、RTSPの再生指示PLAY要求、或はUPnP AV仕様のAV Transportサービスに記述されるplayアクション等)のみがAP104経由で送受信されて通信履歴処理サーバ504の記録対象となるよう設計してもよい。
【0056】
また本実施の形態1では、通信履歴の収集とフィルタリングルールにおいてMACアドレスを用いて通信機器の識別している。しかし通信機器の識別はこれに限定されない。例えば、IPアドレスを用いても良いし、或は通信パケットのペイロード内に含まれるアプリケーション層の情報を用いても良い。また或は、無線通信時のWEP識別子、或は、VPN通信時のIPsec識別子を利用する事も考えられる。
【0057】
また本実施の形態1では、通信履歴の収集とフィルタリングルールにおいて直接、映像コンテンツを識別する場合で説明している。しかし、通信プロトコルや通信パケットのペイロードに含まれるアプリケーション層の情報から間接的に導出し判断しても良い。
【0058】
本実施の形態1では、アクセスポイント等の集線装置が通信履歴に応じて、メディア転送リクエスト(メディア再生時点)を動的にフィルタリングする場合で説明している。しかし、それ以前の段階でアクセスを制御しても良い。例えば、映像コンテンツのリストを取得する段階で映像コンテンツごとに通信履歴を参照して、アクセスが許可される映像コンテンツのみを操作端末にリスト表示しても良い。逆に、送信済みの映像メディアデータを、アクセスポイント等の集線装置が動的にフィルタリングしても良い。例えば、RTP(Real-time Transport Protocol)でマルチキャスト配信される映像メディアに対して特定のクライアント(操作端末)への配信のみをアクセスポイント等の集線装置が選択的に中継、又は廃棄しても良い。
【0059】
本実施の形態1では、フィルタリングルールの執行部において、アクセス許可とアクセス拒否の2値を動的フィルタリング設定する例で説明している。しかし、動的フィルタリング設定はこれに限定されない。例えば、QoS制御の通信帯域の割当てを算出するフィルタリングルールを用意し、算出された通信帯域を割当てるよう動的フィルタリング設定しても良い。また、DTCP−IP等の著作権の管理手法と組合わせてアクセス制御を行っても良い。
【0060】
本実施の形態1では、映像コンテンツの視聴者(ユーザ)/視聴機器の観察履歴に基づいて映像コンテンツのアクセス制御を設定する例について説明している。しかし、観察対象はこれに限定されない。例えば、視聴時刻/視聴期間を対象にしても良い。
【0061】
また操作端末が移動可能(モバイル)な場合には、操作端末の所在情報(収容されたWLAN-AP情報やGPS情報等)を観察対象としても良い。
【0062】
更に本実施の形態1では、映像コンテンツの初期アクセス制御設定がアクセス可能である例で説明している。しかし、初期状態をアクセス禁止とする実施の形態も同様に説明できる。この場合、操作端末の映像再生表示部でのステップS6(図6)でアクセス禁止を検出し、ユーザ認証用のダイアログを表示してアクセス権限を確認する処理を追加すれば良い。
【0063】
また本実施の形態1では、あるローカルネットワーク内のアクセスポイントに設定されたフィルタリングルールに基づいて説明している。しかし、別のネットワークのアクセスポイントでは異なるフィルタリングルールが設定されていて良い。例えば、映像コンテンツ(DMS)を別ネットワーク(他人宅)に移動すると、別のアクセス手順(全てプライベートとなり、許可した映像のみ再生可能となる)が設定されても良い。
【0064】
また本実施の形態1では、通信履歴処理サーバ504が、通信制御サーバ503からパケット通信内容の記録を要求される時点で、通信履歴を参照してフィルタリングルールを適用可能かどうか評価している。しかし、評価タイミングはこれに限定されない。例えば、異なるユーザの通信パケットが検出されるまで評価を遅延させても良い。また毎30分間周期で評価しても良い。
【0065】
[実施の形態2]
本実施の形態2では、前述の実施の形態1と同様に、ネットワーク105の通信内容を把握できる集線装置(アクセスポイント)が通信履歴を収集し、その通信履歴に応じてアクセス制御や公開設定を自動化する例について説明する。集線装置としてのアクセスポイント、映像配信装置、操作端末等から構成される点も同様である。
【0066】
本実施の形態2では、集線装置(アクセスポイント)が、インターネット等の外部ネットワークに接続するためのゲートウェイ機能を含み、インターネット上の共有ディレクトリに映像を公開する際の手続きを通信履歴に応じて簡素化する点に特徴がある。尚、この実施の形態2におけるネットワークの接続形態やハードウェア構成、及び各ソフトウェアの動作の多くは、前述の実施の形態1で説明した通りである。但し、図1の利用形態、図3のAP104を動作させるハードウェア構成、図9のAP104の通信履歴処理サーバ部の処理が実施の形態1とは異なる。更に、実施の形態2に係るAP104aは、図16で説明する情報公開処理サーバ部を備える点が実施の形態1とは異なっている。
【0067】
図13は、本発明の実施の形態2に係るシステムを説明する図で、前述の図1と共通する部分は同じ記号で示し、その説明を省略する。本実施の形態2に係るAP104aは、実施の形態1と同様にローカルネットワーク環境に接続される一方で、インターネットにも接続されるインターネットゲートウェイとして振舞う。
【0068】
図14は、本実施の形態2に係るAP104aのハードウェア構成を説明する図で、前述の図3と共通する部分は同じ記号で示している。
【0069】
本実施の形態2に係るAP104aは、IGD(Internet Gateway Device)機能を備えており、AP104aのネットワークインターフェースの一部306はインターネット接続を実現するWAN(Wide Area Network)用ネットワークインターフェースである。図14では1つのWAN用ネットワークインターフェース306を図示しているが、WAN用ネットワークインターフェースの数は1つに限定されない。
【0070】
図15は、本実施の形態2に係るAP104aの通信履歴処理サーバ503による処理を説明するフローチャートある。ここで図9のフローチャートと比較すると、ステップS91〜S95は、図9のステップS31〜S35と同じであるため、その説明を省略する。
【0071】
本実施の形態2に係るAP104aの通信履歴処理サーバ504は、ステップS93で、設定されたフィルタリングルール、公開ルール、及びそれ以前に収集した通信履歴とを参照する。そして公開ルールに該当する場合はステップS97に進み、後述するAP104aの情報公開処理サーバ部が、ローカルネットワーク105の映像コンテンツをインターネット上に公開する際の処理手順を切替える。
【0072】
図16は、本実施の形態2に係るAP104aの情報公開処理サーバ部の処理を説明するフローチャートである。
【0073】
まずステップS101で、情報公開処理サーバ部に関する設定情報を読み出して内部データに設定する。この設定情報には、インターネット上の情報公開サーバへの接続情報や認証情報が含まれている。更にローカルネットワーク105で、情報公開サーバへ接続が許可されているユーザのリスト等を含む。次にステップS102に進み、情報公開指示を待ち、情報公開指示があればそれを受け取りステップS103で、その指示内容の妥当性を判断する。この妥当性は、公開される映像の属性、指示を出したユーザの属性並びにAP104a自身が保持している通信履歴等から判断される。次にステップS104で、妥当であると判断した場合はステップS105へ進む。一方、妥当でないと判断した場合はステップS106に進み、指示したユーザが情報公開の権限を持つか、及び本当に情報公開を進めて良いのかを問い合わせる。そしてステップS107で、情報公開を進めて良いと判断するとステップS105に進む。ステップS107で、情報公開が認められない場合はステップS109に進み、情報公開処理に失敗した旨を、その指示を出したユーザに返答する。そしてステップS102からステップS109を繰り返す。
【0074】
ステップS104で妥当であると判断した場合はステップS105に進み、インターネット上の情報公開サーバに接続し、その指定された映像を情報公開サーバにアップロードする。具体的には、ftpを用いて情報公開サーバにコピー(put)する。そしてステップS108に進み、情報公開サーバへの接続、並びにアップロードの結果を、その指示を出したユーザに返答する。これと同時に、情報公開処理の結果を通信履歴としてAP104aの通信履歴処理サーバ504に記録する。
【0075】
特に本実施の形態2に係るAP104aの情報公開処理サーバ部では、ステップS103の指示内容の妥当性をチェックし、AP104a自身が保持している通信履歴を参照する。そして、リビングルームTV(MAC_address=00a0c92506d9)で再生された履歴が存在する場合には、その指示したユーザへの確認問合せをスキップして情報公開サーバへのアップロードを進める点に特徴がある。
【0076】
以上の構成によれば、ネットワーク105の通信内容を把握できる集線装置(アクセスポイント)104aが通信履歴を収集し、その通信履歴に応じてアクセス制御や公開設定を自動化できる。特に本実施の形態2では、インターネット等の外部ネットワークに接続するためのゲートウェイ装置を含み、インターネット上の共有ディレクトリに映像を公開する際の手続きを通信履歴に応じて簡素化する点に特徴がある。
【0077】
本実施の形態2では、情報公開処理サーバ部で、指定された映像コンテンツを直接インターネット上の情報公開サーバにアップロードして映像コンテンツを公開する例について説明している、しかし、この情報公開方法はこれに限定されない。例えば、インターネット側からローカルネットワーク上の映像配信装置へのアクセスを許可するようにIGDを制御しても良い。これはIGDのポートマッピング追加機能(AddPortMapping)で実現できる。
【0078】
また本実施の形態2では、情報公開処理サーバ部が、情報公開指示された映像コンテンツを情報公開サーバにコピーして単純に公開する例について説明している。しかし、情報公開サーバでの公開に条件を設定するような情報公開指示が通信履歴処理サーバ部から与えられても良い。例えば、初回の情報公開指示では、情報公開サーバでの公開期間を24時間に限定し、その後、同一映像コンテンツが複数回利用されるという通信履歴を検出した時点で、情報公開サーバでの公開期間を延長するなどが考えられる。
【0079】
また本実施の形態2では、一度のリビングルームTVでの再生によって公開時のユーザへの確認問合せをスキップしている。しかし、公開簡略化の条件はこれに限定されない。例えば、リビングルームTVでの複数回の視聴が通信履歴として観察された時点で公開簡略化を適用しても良い。
【0080】
また本実施の形態2では、映像コンテンツ全体の公開制御の設定或はアクセス制御の設定について説明している。しかし、公開制御の設定或はアクセス制御の設定の対象はこれに限定されない。映像コンテンツの一部分(映像セグメント)を対象としても良いし、或は複数の映像コンテンツ集合体を対象としても良い。例えば、通信履歴として早送り(FF)した部分は設定対象としない。その一方で、じっくり視聴した部分のみ(プライベート或は公開に)アクセス制御設定対象とするようにしても良い。更に、このアクセス制御の設定対象を切り出して映像クリップを生成し、その映像クリップについて、プライベート或は公開にアクセス制御設定する事も考えられる。
【0081】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、複数の機器から構成される文書検索システムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる文書検索装置に適用しても良い。
【0082】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムを読み出して実行することによっても達成され得る。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
【0083】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明のクレームでは、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0084】
プログラムを供給するための記録媒体としては、様々なものが使用できる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などである。
【0085】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページからハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。その場合、ダウンロードされるのは、本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルであってもよい。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明のクレームに含まれるものである。
【0086】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布する形態としても良い。その場合、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムが実行可能な形式でコンピュータにインストールされるようにする。
【0087】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される形態以外の形態でも実現可能である。例えば、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0088】
更に、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれるようにしてもよい。この場合、その後で、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施の形態1に係るシステム形態を示した図である。
【図2】本実施の形態に係る映像配信装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に係るAPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係る操作端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態1に係るシステムにおけるプログラムの構成を模式化した図である。
【図6】本実施の形態に係る操作端末における映像再生表示プログラムによる処理を説明するフローチャートである。
【図7】本実施の形態に係る操作端末におけるカメラ操作プログラムの処理を説明するフローチャートである。
【図8】本実施の形態に係るAPの通信制御サーバプログラムの処理を説明するフローチャートである。
【図9】本実施の形態に係るAPの通信履歴処理サーバプログラムの処理を説明するフローチャートである。
【図10】本実施の形態に係る映像配信装置の映像送信サーバプログラムの処理を説明するフローチャートである。
【図11】本実施の形態に係る映像配信装置のカメラ制御サーバの処理を説明するフローチャートである。
【図12】本実施の形態に係るAPの設定処理を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態2に係るシステムを説明する図である。
【図14】本実施の形態2に係るAPのハードウェア構成を説明する図である。
【図15】本実施の形態2に係るAPの通信履歴処理サーバによる処理を説明するフローチャートある。
【図16】本実施の形態2に係るAPの情報公開処理サーバによる処理を説明するフローチャートである。
【図17】デジタルカメラを載置した映像配信装置の一例を示す外観図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信によって映像データを配信する映像配信技術に関する。特に、通信履歴を使って、映像コンテンツへのアクセスを制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遠隔操作可能なカメラにより撮影したライブ映像を、インターネット等の通信インフラストラクチャを使って配信するとともに、その映像の観察者が、インターネットを介してカメラの設定やカメラの操作等を指示できる技術が確立されている(特許文献1)。このような映像配信システムでは、映像の配信に加えて、そのカメラのパン、チルト、ズーム、逆光補正等といったカメラの動作制御をネットワークを介して利用者が実施できるものもある。また、そのカメラに対するアクセス制御機能を備え、利用者が有しているアクセス権限に応じて、カメラの制御や映像配信を制限できるものもある。
【0003】
更に、カメラを制御して撮像する領域に関しても制限できるものがある。例えば、特権ユーザは、そのカメラに備わるズーム機能の全てを利用できるが、通常のユーザはズーム機能の一部(例えば、テレ端を使い切れない)のみ利用できるように制限されるものがある。これはパン機能やチルト機能についても同様である。尚、カメラ等の撮像装置が一体化されたネットワークカメラと、別体のカメラにより撮影した映像をネットワークに配信するカメラサーバとは厳密には区別されるが、本願明細書ではほぼ同一の意味で用いている。
【特許文献1】特開平09−289607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年のデジタルカメラ或はデジタルビデオの普及、並びに家庭における複数の映像機器の導入により、大量の映像コンテンツが簡単に生成されるようになっている。また家庭内でもネットワークを介して映像コンテンツが共有される状況にある。この際、個人管理の個々の映像コンテンツへのアクセス制御/公開設定は煩わしいが、省略する訳にもいかないという問題がある。特に映像コンテンツを家庭内でネットワーク共有をする際に、操作インターフェースの貧弱な非PC機器を使用する場合が多い。その結果、個々の映像コンテンツへのアクセス制御/公開設定の操作が難しいため上記の問題が一層顕著となる。
【0005】
本発明は、このような従来の問題を解決することを目的とする。
【0006】
本願発明の特徴は、映像コンテンツの通信状況や通信履歴を、そのコンテンツのアクセス権の制御に反映する通信装置及びその制御方法とプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る通信装置は以下のような構成を備える。即ち、
映像コンテンツの発信源と、当該発信源から発信された映像コンテンツを受信して再生する再生用端末とを含むネットワークにおける映像コンテンツの視聴状況を示す情報を収集する視聴情報収集手段と、
前記視聴情報収集手段により収集された情報を記憶する視聴記憶手段と、
前記視聴記憶手段に記憶された前記視聴状況の情報に基づいて、前記映像コンテンツに対する前記再生用端末によるアクセス権を設定するアクセス権設定手段と、
を有することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る通信装置の制御方法は以下のような工程を備える。即ち、
映像コンテンツの発信源と、当該発信源から発信された映像コンテンツを受信して再生する再生用端末とを含むネットワークにおける映像コンテンツの視聴状況を示す情報を収集する視聴情報収集工程と、
前記視聴情報収集工程で収集された情報を記憶する視聴記憶工程と、
前記視聴記憶工程で記憶された前記視聴状況の情報に基づいて、前記映像コンテンツに対する前記再生用端末によるアクセス権を設定するアクセス権設定工程と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、映像コンテンツの通信状況や通信履歴をアクセス制御権に反映させることにより、例えば個人が管理するコンテンツの面倒なプライバシの保護設定を自動化して手間を軽減できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
[実施の形態1]
[通信履歴を反映したアクセス制御の自動設定]
この実施の形態1では、映像ソースが発信する映像コンテンツをクライアント(操作及び表示端末。以下、操作端末)で再生する際、ネットワークのアクセスポイント(集線装置;以下APと略す)で通信状況や通信履歴を収集する。これにより映像コンテンツのアクセス制御を簡素化する例について説明する。ここで、映像コンテンツの発信側(ソース側)は、例えばネットワークカメラ或は撮像装置(206:図2)と着脱可能に構成された映像配信装置101(図1)等で構成される。この撮像装置206は、例えば広く普及しているデジタルカメラやデジタルビデオカメラであっても良い。また操作端末は、ネットワークテレビや映像受信再生ソフトウェアを備えたPC等であっても良い。特に本実施の形態では、AP104(図1)が、映像再生リクエスト元の属性情報、再生時刻を自動的に反映して、映像コンテンツのアクセス制御やアクセス制限を行う例について説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態1に係るシステム形態を説明する図である。
【0013】
映像配信装置101は、映像コンテンツの発信元であり、ネットワーク105を介して映像及び音響情報を配信する。操作端末102,103は映像ビューワ(クライアント)で、映像配信装置101から配信された映像や音響を受信して視聴する。アクセスポイント104は、本実施の形態に係るAP(ネットワークアクセスポイント)である。映像配信装置101には、デジタルカメラ110が着脱可能に構成されていても良い(図17)。
【0014】
図17は、デジタルカメラ110を載置した映像配信装置101の他の構成例を示す外観図である。
【0015】
映像配信装置101と操作端末102,103はそれぞれネットワーク105に接続されている。いま例えば操作端末102からAP104を介して映像送信リクエストが映像配信装置101へ送信される。そして、この要求が映像配信装置101で受付けられると、映像配信装置101から操作端末102へ映像データが配送されて、その操作端末102で映像を視聴できるようになる。また映像コンテンツ送信の一時停止や早送りのリクエスト等の操作も、映像配信リクエストと同様にして通信される。またNAS120は、ネットワーク接続型の記憶装置(Network Attached Storage。以下、NASと記述する)で、ネットワーク105に接続された他の機器からのデータの保存或は参照の要求を受け付ける。このNAS120は、家庭用NAS、業務用の大規模NAS或はその他の装置から提供されるのストレージサービスの場合もある。またネットワーク105は、家庭内或は組織内で運用されるネットワークである。更に、このネットワーク105の通信媒体は有線であっても或は無線であっても構わない。
【0016】
図2は、本実施の形態に係る映像配信装置101のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
CPU201は、メモリ202にロードされたプログラムに従って、この映像配信装置101の動作を制御している。記憶装置204には、各種プログラムが予めインストールされており、そのプログラムの実行時に、そのプログラムがメモリ202にロードされて実行される。またこの記憶装置204には、各種処理の処理結果等が格納される。ネットワークインターフェース(I/F)203は、ネットワーク105と接続して、ネットワーク105に接続された各種機器や装置との間で各種データをやり取りする。USBインターフェース205は、USBを介してデジタルカメラ等の撮像部206を接続している。記憶装置204は高速RAMの他に、HDD(ハードディスク)装置やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えても良い。また取り外し可能な記憶装置を備えても良い。ネットワークインターフェース203は有線インターフェースだけでなく、無線インターフェースを備えても良い。またデジタルカメラ等の撮像部206を接続するためのインターフェースはUSBに限定されず、例えばIEEE1394でも良い。
【0018】
図3は、本実施の形態に係るAP104のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
CPU301は、メモリ302にロードされたプログラムに従って、このAP104の動作を制御している。記憶装置304には、各種プログラムが予めインストールされており、そのプログラムの実行時に、そのプログラムがメモリ302にロードされて実行される。またこの記憶装置304には、各種処理の処理結果等が格納される。ネットワークインターフェース(I/F)303は、ネットワーク105と接続して、ネットワーク105に接続された各種機器や装置との間で各種データをやり取りする。ネットワークインターフェース(I/F)305は、別のネットワークとのインターフェースを司る。記憶装置304は高速RAMの他に、HDD(ハードディスク)装置やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えても良い。また取り外し可能な記憶装置を備えても良い。ネットワークインターフェース303,305は有線インターフェースだけでなく、無線インターフェースを備えても良い。尚、図3では、ネットワークインターフェース303と305とを図示しているが、ネットワークインターフェースは2つに限定されない。
【0020】
図4は、本実施の形態に係る操作端末102(103)のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。尚、ここで操作端末102と103とは同じ構成で同じように動作するため、以下では操作端末102の場合で説明する。
【0021】
CPU401は、メモリ402にロードされたプログラムに従って、この操作端末102の動作を制御している。記憶装置404には、各種プログラムが予めインストールされており、そのプログラムの実行時に、そのプログラムがメモリ402にロードされて実行される。またこの記憶装置404には、各種処理の処理結果等が格納される。ネットワークインターフェース(I/F)403はネットワーク105と接続して、ネットワーク105に接続された各種機器や装置との間で各種データをやり取りする。表示コントローラ405は、表示部407への表示を制御している。表示部407は、処理結果や映像コンテンツ等を表示する。周辺コントローラ406は、キーボード408やマウス409の操作に伴うユーザによる入力コマンド等を受け取る。記憶装置404は、高速RAM或はHDD装置やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えても良く、また取り外し可能な記憶装置でも良い。ネットワークI/F403は有線インターフェースだけでなく無線インターフェースを備えても良い。周辺コントローラ406は、キーボード408やマウス409と接続されているが、赤外線リモコンやLEDコントローラ或は外部センサによる入出力コントローラであっても良い。
【0022】
図5は、本実施の形態1に係るシステムにおけるプログラムの構成を模式化した図である。
【0023】
映像配信装置101には、カメラ制御サーバプログラム501及び映像送信サーバプログラム502が含まれる。AP104には、通信制御サーバプログラム503、通信履歴処理サーバプログラム504が含まれる。更に操作端末102には、カメラ操作プログラム505、及び映像再生表示プログラム506が含まれる。それらのプログラムはそれぞれの記憶装置に格納され、それぞれのCPUの制御の下で実行される。
【0024】
映像配信装置101がネットワーク105経由で操作端末102から受け取るコマンドは、以下のようにカテゴリ分けされる。
(1)セッションコマンド
映像配信装置101と操作端末102との間で事前にセッションを確立する必要があるコマンドが存在する。そのためのセッション制御用コマンドが規定されている。
(2)カメラ制御コマンド
映像配信装置101上でのアクセスに排他制御が必要な操作コマンドのために、撮像装置206の制御権を受け渡しするためのコマンドが規定されている。例えば、撮像装置206のズーム操作や配信映像の削除操作等である。この制御権を保持している操作端末では、この撮像装置206の制御操作が可能となる。尚、撮像装置206の制御だけでなく、映像配信装置101に関する一部のコマンド(雲台パンチルト制御等)については、カメラ制御権が必要なため、このコマンドカテゴリに含まれる。
(3)カメラブラウズコマンド
映像配信装置101上の内部状態(保存された映像コンテンツ等の記憶内容を含む)に関する操作である。
(4)カメラ設定コマンド
映像配信装置101の設定を変更する操作である。
【0025】
次に操作端末102,AP104、映像配信装置101のそれぞれの動作フローについて説明する。尚、以下の説明では、操作端末102は、映像配信装置101への接続情報及び途中経路のAP104へのルーティング情報等は別途取得済みであるとする。これらの情報は、公知のIP(Internet Protocol)技術、UPnP技術、ウエブ(World Wide Web)技術等を利用することにより取得可能であるので、それらの説明を省略する。
【0026】
図6は、本実施の形態に係る操作端末102における映像再生表示プログラム506による処理を説明するフローチャートである。
【0027】
まずステップS1で、映像配信装置101に対して映像配信装置101が提供可能な映像コンテンツを問い合わせる。この映像コンテンツには、映像配信装置101に蓄積されている映像コンテンツ、及び撮像装置206により撮影されるライブ映像のコンテンツも含まれる。また、この映像コンテンツには、解像度、コーデック、再生時間、データレート(ビットレート)、或は、タイトルや言語等様々な属性情報、並びにアクセス制限属性等が付与されている。尚、このステップS1での問合せ時に、これらの属性の一部だけを指定することも可能である。次にステップS2に進み、その問合せに対する、映像配信装置101からの応答で得られた映像コンテンツリストを表示部407にリスト表示し、キーボード408或はマウス409を使用したユーザからの選択指示を待つ。こうしてステップS3でユーザ指示を受け取るとステップS4に進み、キャンセルが指示されたかどうかを判定する。キャンセルが指示されるとステップS5に進み、処理を終了する。
【0028】
ステップS4でキャンセルでないときはリスト表示からの選択指示であるためステップS6に進み、選択した映像コンテンツの再生処理を開始する。具体的には、映像コンテンツを再生表示するために映像フレームデータのデコード、スケーリング、高画質化処理、表示部407への出力を繰り返す機能モジュールの実行を開始する。これは通常、映像再生表示処理とは別のスレッドで実行される。以下、ここで実行される機能モジュールを再生モジュールと呼ぶ。
【0029】
次にステップS7に進み、この再生モジュールに必要な各種情報を取得して再生モジュールをセットアップする。この各種情報とは、解像度やコーデック或は著作権保護方式(暗号復号方式含む)等である。次にステップS8に進み、映像配信装置101に対して映像コンテンツの配信を指示する。そして、これ以降ステップS9で、映像配信装置101から送られる情報を受信して、継続的に再生モジュールに渡すことにより、映像コンテンツをストリーミング再生する。こうして映像配信装置101からの映像コンテンツの配信が受け終わるとステップS2に戻る。そしてキャンセルが指示されるとステップS5で、再生モジュールが動作しているならば再生モジュールを停止し、リソースを解放して映像再生表示処理を終了する。
【0030】
尚、ステップS9で再生モジュールに渡す際には、通信路上に多重化された映像と音声を適切に分離し、パケット単位に分割(パケタイズ)された映像ビットストリームを適切に結合する処理を含む。再生モジュールでの処理は、通常の映像ビットストリーム再生処理と同様であるので説明を省略する。またここでは、キャンセル操作によって映像再生表示の処理を終了していたが、ステップS1、ステップS2或はステップS3に戻り、再度、ユーザからの指示を待つようにしても良い。
【0031】
図7は、本実施の形態に係る操作端末102におけるカメラ操作プログラム505の処理を説明するフローチャートである。
【0032】
まずステップS11で、カメラ操作に関するGUIを表示部407に表示し、前述のセッションコマンドを用いて映像配信装置101との間にセッションを確立する。次にステップS12に進み、キーボード408やマウス409によるユーザからカメラ操作に関する指示入力を待つ。ユーザからカメラ操作に関する指示を受け取るとステップS13に進み、そのユーザからの指示がカメラ操作の終了指示であるかどうか判定する。カメラ操作の終了指示である場合はステップS14に進んで、セッションを終了する。
【0033】
一方、終了指示でない場合はステップS15に進み、ユーザにより指定されたカメラ操作に相当するカメラ制御コマンドを映像配信装置101に発行する。次にステップS16に進み、その発行したカメラ制御コマンドに対する応答を映像配信装置101から受け取る。そして、その応答内容に応じた処理を実行して操作端末102の表示部407に反映する。そしてステップS12,S13,S15,S16の処理を、カメラ操作の終了指示が入力されるまで繰り返す。
【0034】
図8は、本実施の形態1に係るAP104の通信制御サーバプログラム503の処理を説明するフローチャートである。
【0035】
まずステップS21で、通信制御サーバプログラム503の設定値を読み出し、それをネットワークインターフェース303等のモジュールの設定値に反映する。この設定値は記憶装置304等の不揮発性メモリから読み出される場合が一般的であるが、ネットワーク105のデータベースやディレクトリサービスから読み出しても良い。次にステップS22に進み、ネットワークインターフェース303,305のいずれかから通信パケットを受け取る。そしてステップS23で、そのパケットの内容を、後述する通信履歴処理サーバ504に記録する。そしてステップS24で、そのパケットがAP104自身宛てのパケットであるか否かを判定する。ここでAP104自身宛てのパケットである場合はステップS25に進み、AP104のアプリケーション処理部へパケットを引き渡す。このアプリケーション処理部は、SNMPサーバやAP設定サーバやIGD(Internet Gateway Device)サーバ等を含む。本実施の形態ではアプリケーション処理部の説明を省略する。
【0036】
一方、ステップS24でAP104自身宛てのパケットでない場合はステップS26に進み、その受信したパケットに含まれる論理アドレスや物理アドレスに応じてネットワークインターフェースを選択し、そのインターフェースを介してパケットを転送する。この際、物理アドレスとは、MAC(Media Access Control)レベルのイーサネット(Ethernet(登録商標))アドレス等である。また論理アドレスはIPアドレス等である。またマルチキャストやブロードキャスト等であった場合には、複数のネットワークインターフェースにパケットを転送する場合もある。こうしてステップS22からステップS25,S26を繰り返す。
【0037】
尚、この時ステップS26では、映像メディア通信と非メディア通信を区別して処理する。この区別は、パケットヘッダや通信先/通信元のアドレスやポート番号、或はペイロード内容等から判断できる。そして転送タイミングの調整に関する非メディア通信と判断した場合は、可能な限り早急に(ベストエフォートで)転送を行う。一方、映像メディア通信と判断した場合は、映像メディアパケットの間隔が(QoS制御に合わせて)算出された時間間隔になるように転送タイミングを調整する。
【0038】
また後述の通信履歴処理サーバプログラム504から動的フィルタリング設定が指示される場合は、以下のように動作する。ステップS26において、設定されたフィルタリング内容に応じて、転送中止やネットワークインターフェースの切替え、或はアプリケーション処理部への転送、操作端末への問合せ等であるかを判断する。ここでは例えば、映像コンテンツへのアクセスが許可されていないユーザ(或は操作端末102)がアクセスを拒否される場合であっても、そのユーザのアクセス制御情報が再確認される。即ち、そのユーザが同一の映像コンテンツへ繰り返しアクセスすると、操作端末102への問合せによって、そのユーザ(或は操作端末)のアクセス制御情報が再確認される。
【0039】
図9は、本実施の形態1に係るAP104の通信履歴処理サーバプログラム504の処理を説明するフローチャートである。
【0040】
まずステップS31で、通信履歴処理サーバプログラム504の設定値を読み出し、以下の履歴解析や通信制御等の適切なモジュールに、その設定値を反映する。次にステップS32に進み、通信制御サーバプログラム503のステップS23(図8)から得られるパケットの通信内容を通信履歴として記録する。ここで収集される通信履歴は、例えば、以下に示す[収集される通信履歴]の通りである。ここでは、時刻、発信元、送信先、コンテンツID、ユーザIDの5項目からなる通信履歴を記録する。次にステップS33に進み、その設定されたフィルタリングルールの条件部及びそれ以前に収集した通信履歴情報とを参照する。そしてステップS34で、その設定された条件に該当するかどうかを判断し、該当する場合はステップS35に進み、通信制御サーバプログラム503のステップS26(図8)の処理に、フィルタリングルール執行部相当の所定の動的フィルタリングを指示する。こうして設定されたフィルタリングルールは、例えば以下に示す[フィルタリングルール(条件部と執行部)]の通りである。こうしてステップS32〜ステップS35の処理を繰り返す。
[収集される通信履歴]
時刻 発信元 送信先 コンテンツID ユーザID
2005/04/02.13:24:10:07 00008522cd3a 0065b0ed5e4 71843 8192
2005/04/02.13:27:34:18 00008522cd3a 0065b0ed5e4 71272 8192
2005/04/02.13:28:22:43 00008522cd3a 00a0c92506d9 71659 5487
[フィルタリングルール(条件部と執行部)]
(1)アクセス制御情報が設定されていない映像コンテンツであって、最初に、書斎PC(MAC_address=00065b0ed5e4)で再生された映像は、お父さん(ユーザID=8192)に限定のコンテンツとする。
(2)アクセス制御情報が設定されていない映像コンテンツであって、最初に、リビングルームTV(MAC_address=00a0c92506d9)で再生された映像は、公開コンテンツ(ユーザID単位でのアクセス制限ナシ)とする。
(3)アクセス制御情報が設定されていた映像コンテンツであっても、(操作端末への問合せにより)設定以外のアクセス制御が3回以上行われた映像は、アクセス制御情報を解除する。
【0041】
図10は、本実施の形態に係る映像配信装置101の映像送信サーバプログラム502の処理を説明するフローチャートである。
【0042】
映像配信サーバ502は、まずステップS41で、映像配信サーバプログラム502の動作設定情報を読み出し、それに基づき動作を開始する。ここで、映像の獲得とエンコードを行うスレッドを(生成時点では休止状態で)生成する。続いてステップS42に進み、リクエスト受付状態に入り、クライアントである操作端末102からのリクエストを待つ。ここでリクエスト(映像配信リクエスト、エンコードパラメータ変更、或はブラウジング等のコマンドリクエスト)が受け付けられるとステップS43に進む。そして接続リクエストならばステップS44で接続の可否の判定を行う。否ならば接続拒否のエラーコードを返してステップS42に戻る。接続可であればステップS45に進み、接続処理としてクライアントからのコマンドの受付処理を行うスレッドを生成する。そして、そのクライアントを登録し、もし映像の獲得とエンコードを行うスレッドが休止状態ならば動作開始を指示してからステップS42に戻る。
【0043】
こうして生成された各クライアント対応のスレッドでは、ステップS46で対応するクライアントからのコマンドの受付を行う。コマンドが届くとそれを受け付けて、映像処理を行う主プログラムへ受け渡す。この主プログラムは、エンコードパラメータの変更、或はブラウジング等のコマンドに対してはステップS50に進む。ここでコマンド処理(映像エンコード等に関する設定の変更操作や映像配信装置101内のブラウジング等)を行って、その処理結果(操作の成功か失敗を示すコードやブラウジング結果)をコマンド要求を受け付けたクライアント対応のスレッドへ伝える。このクライアント対応のスレッドはステップS47で、その結果をクライアントである操作端末へ送り返す。
【0044】
主プログラム部分では、ステップS45の映像の獲得とエンコードを行うスレッドへの動作開始指示により、ステップS51で、前もって設定された時間間隔で映像データをUSBインターフェース経由でデジタルカメラ(撮像装置)206から獲得する。そして必要に応じてこれをエンコードする。更に、このエンコード済みデータを全てのクライアント対応のスレッドに伝える。各クライアント対応のスレッドはステップS48で、クライアントからの次映像フレーム送信要求の有無を判定する。要求があればエンコード済みデータをクライアントへ配送する。クライアント対応のスレッドは、クライアントからの次映像フレーム送信要求(これはクライアントでの映像データの受け取り完了に対して、送り返されるのが一般的である)を受け取った場合は、映像フレーム送信要求のフラグを設定する。またクライアントから接続終了のコマンドを受け取ると、それを主プログラムへ通達する。そしてステップS49で、自身のスレッドを終了する。
【0045】
図11は、本実施の形態に係る映像配信装置101のカメラ制御サーバプログラム501の処理を説明するフローチャートである。
【0046】
まずステップS61で、カメラ制御サーバプログラム501の動作設定情報を読み出し、それに基づいて動作を開始する。ここでクライアントである操作端末102からのリクエストを受け付けるポートを開く。次にステップS62で、リクエストの受付状態に入り、リクエスト(接続リクエスト又は操作コマンドリクエスト)を受信するとステップS63に進み、そのリクエストを受付ける。次にステップS64で、接続リクエストであれば接続の可否の判定を行う。ここで否であれば接続拒否のエラーコードを返してステップS62に戻る。一方、接続可であればステップS65に進み、接続処理としてクライアントからのコマンドの受付処理を行うスレッドを生成する。そしてクライアントの登録を行ってステップS62に戻る。この生成されたスレッドでは、ステップS66で対応するクライアントからのコマンドを受付ける。ここではコマンドを受信するとそれを受け付け、カメラ操作を行う主プログラムへ受け渡す。主プログラムはステップS62でこれを受付ける。ここで操作コマンドであればステップS70に進み、カメラの操作を行う。その結果(操作が成功か失敗かを示すコード等)をカメラ操作要求を受け付けたクライアント対応のスレッドへ伝える。このクライアント対応のスレッドは、ステップS67で、その結果をクライアントへ送り返す。
【0047】
一方、主プログラム部は、ステップS71で、カメラの操作により変化した状態(例えば、パン・チルト・ズームの値)を全てのクライアント対応のスレッドに伝える。各クライアント対応のスレッドは、ステップS68で、カメラ制御状態の変化をクライアントへ通達する。クライアント対応のスレッドは、クライアントから接続終了のコマンドを受信すると、それを主プログラムへ通達する。更にステップS69で、自身のスレッドを終了する。
【0048】
尚、操作コマンドの扱いにおいては、具体的な操作コマンドの発行の前に、カメラ操作権の割り当て要求を必要とすることも可能である。これは複数の人間がカメラの操作を要求するような状況での混乱をなくす効果がある。この場合、まずクライアントからは、カメラ操作権獲得の要求コマンドが発行される。これに対してカメラ制御サーバ501は、現在のカメラ制御権の割り当て状態から、その要求に対して、拒絶、割り当て、順番待ちのいずれかを選択して、そのクライアントへ返答する。このカメラ制御権は、前もって定められた特定の時間、或は、制御権を獲得しているクライアントが接続を終了するまでの短いほうの時間で剥奪されて、次の順番待ちの人に割り当てられる。順番待ち人数はやはり前もって定められた人数(例えば5人)に制限され、それ以上のリクエストは拒絶される。クライアントは、カメラ制御権が獲得されてから剥奪されるまでの間だけ操作コマンドを発行できる。カメラ制御サーバ501は、カメラ制御権が付与されているクライアントからの操作コマンドのみを受け付ける。
【0049】
図12は、本実施の形態1に係るAP104における設定処理を説明するフローチャートである。
【0050】
まずステップS81で、通信制御サーバ503及び通信履歴処理サーバ504に関する設定情報を読み出す。この設定情報は、特定のファイル或はレジストリ等のシステムデータベースに保存されている。そして、その設定情報を内部データに設定する。そしてこれ以降、ユーザの操作入力を受け取り、内部データに反映する以下のループを繰り返す。即ち、ステップS82で、ユーザの操作入力を待ち、入力があればそれを受け取る。次にステップS83に進み、入力された値が適正範囲内であるか否か等の妥当性を判定し、適正でなければステップS84に進みエラーメッセージを出力する。そして値を戻してステップS82に戻り、次のユーザの入力待ちとなる。一方ステップS83で適正範囲内であればステップS85に進み、内部データを更新してステップS82に戻る。
【0051】
またユーザからの入力がOKボタンの場合はステップS86に進み、更新された内部データを通信制御サーバ503及び通信履歴処理サーバ504に関する設定情報を格納する特定のファイル等へ書き出す。次にステップS87に進み、変更を反映するためにAP104を再起動するかを尋ねるパネルを表示する。ここで再起動が指示されるとステップS88に進み、通信制御サーバ503及び通信履歴処理サーバ504を再起動する。次にステップS89で、この設定プログラムを終了する。また再起動しない場合はステップS87から直接ステップS89に進んで終了する。またステップS82でのユーザの入力がキャンセルボタンである場合はステップS82から直接ステップS89に進んで処理を終了する。
【0052】
尚、本実施の形態に係るAP104の通信制御サーバ503及び通信履歴処理サーバ504に設定できる値には以下の項目がある。即ち、各ネットワークインターフェースのIPネットワーク設定(IPアドレス、サブネットアドレス、サブネットマスク、ルーティングアドレス、マルチキャスト可否等)や帯域制限(QoS設定含む)がある。また暗号鍵情報(IPv6の場合のIPsec設定、無線LANのWEP設定等)、アプリケーション処理部のSNMPサーバ、AP設定サーバ、IGDサーバ等の各種設定がある。更には、動的フィルタリング設定の初期値、フィルタリングルール、通信履歴の最大保持期間と最大保持数などがある。
【0053】
以上の構成により、映像ソースが発信する映像コンテンツを操作端末で再生する際に、ネットワークアクセスポイント(集線装置)において、通信状況や通信履歴を収集する。これにより、映像コンテンツのアクセス制御や公開設定を簡素化することが可能となる。特に本実施の形態1では、APが映像再生リクエスト元の属性情報、再生時刻を自動反映して、映像コンテンツのアクセス制御やアクセス制限を行う点に特徴がある。
【0054】
本実施の形態1では、AP104が有線ネットワークの集線装置(スイッチングハブ等)の場合で説明しているが、AP104が無線ネットワーク(wirelessLAN)のアクセスポイントであっても同様に説明できる。
【0055】
また本実施の形態1では、映像メディア自体もAP104を経由して配信される例で説明しているが、映像メディア自体は、AP104を経由しない実施形態も考えられる。この場合、ストリーム制御コマンド(例えば、RTSPの再生指示PLAY要求、或はUPnP AV仕様のAV Transportサービスに記述されるplayアクション等)のみがAP104経由で送受信されて通信履歴処理サーバ504の記録対象となるよう設計してもよい。
【0056】
また本実施の形態1では、通信履歴の収集とフィルタリングルールにおいてMACアドレスを用いて通信機器の識別している。しかし通信機器の識別はこれに限定されない。例えば、IPアドレスを用いても良いし、或は通信パケットのペイロード内に含まれるアプリケーション層の情報を用いても良い。また或は、無線通信時のWEP識別子、或は、VPN通信時のIPsec識別子を利用する事も考えられる。
【0057】
また本実施の形態1では、通信履歴の収集とフィルタリングルールにおいて直接、映像コンテンツを識別する場合で説明している。しかし、通信プロトコルや通信パケットのペイロードに含まれるアプリケーション層の情報から間接的に導出し判断しても良い。
【0058】
本実施の形態1では、アクセスポイント等の集線装置が通信履歴に応じて、メディア転送リクエスト(メディア再生時点)を動的にフィルタリングする場合で説明している。しかし、それ以前の段階でアクセスを制御しても良い。例えば、映像コンテンツのリストを取得する段階で映像コンテンツごとに通信履歴を参照して、アクセスが許可される映像コンテンツのみを操作端末にリスト表示しても良い。逆に、送信済みの映像メディアデータを、アクセスポイント等の集線装置が動的にフィルタリングしても良い。例えば、RTP(Real-time Transport Protocol)でマルチキャスト配信される映像メディアに対して特定のクライアント(操作端末)への配信のみをアクセスポイント等の集線装置が選択的に中継、又は廃棄しても良い。
【0059】
本実施の形態1では、フィルタリングルールの執行部において、アクセス許可とアクセス拒否の2値を動的フィルタリング設定する例で説明している。しかし、動的フィルタリング設定はこれに限定されない。例えば、QoS制御の通信帯域の割当てを算出するフィルタリングルールを用意し、算出された通信帯域を割当てるよう動的フィルタリング設定しても良い。また、DTCP−IP等の著作権の管理手法と組合わせてアクセス制御を行っても良い。
【0060】
本実施の形態1では、映像コンテンツの視聴者(ユーザ)/視聴機器の観察履歴に基づいて映像コンテンツのアクセス制御を設定する例について説明している。しかし、観察対象はこれに限定されない。例えば、視聴時刻/視聴期間を対象にしても良い。
【0061】
また操作端末が移動可能(モバイル)な場合には、操作端末の所在情報(収容されたWLAN-AP情報やGPS情報等)を観察対象としても良い。
【0062】
更に本実施の形態1では、映像コンテンツの初期アクセス制御設定がアクセス可能である例で説明している。しかし、初期状態をアクセス禁止とする実施の形態も同様に説明できる。この場合、操作端末の映像再生表示部でのステップS6(図6)でアクセス禁止を検出し、ユーザ認証用のダイアログを表示してアクセス権限を確認する処理を追加すれば良い。
【0063】
また本実施の形態1では、あるローカルネットワーク内のアクセスポイントに設定されたフィルタリングルールに基づいて説明している。しかし、別のネットワークのアクセスポイントでは異なるフィルタリングルールが設定されていて良い。例えば、映像コンテンツ(DMS)を別ネットワーク(他人宅)に移動すると、別のアクセス手順(全てプライベートとなり、許可した映像のみ再生可能となる)が設定されても良い。
【0064】
また本実施の形態1では、通信履歴処理サーバ504が、通信制御サーバ503からパケット通信内容の記録を要求される時点で、通信履歴を参照してフィルタリングルールを適用可能かどうか評価している。しかし、評価タイミングはこれに限定されない。例えば、異なるユーザの通信パケットが検出されるまで評価を遅延させても良い。また毎30分間周期で評価しても良い。
【0065】
[実施の形態2]
本実施の形態2では、前述の実施の形態1と同様に、ネットワーク105の通信内容を把握できる集線装置(アクセスポイント)が通信履歴を収集し、その通信履歴に応じてアクセス制御や公開設定を自動化する例について説明する。集線装置としてのアクセスポイント、映像配信装置、操作端末等から構成される点も同様である。
【0066】
本実施の形態2では、集線装置(アクセスポイント)が、インターネット等の外部ネットワークに接続するためのゲートウェイ機能を含み、インターネット上の共有ディレクトリに映像を公開する際の手続きを通信履歴に応じて簡素化する点に特徴がある。尚、この実施の形態2におけるネットワークの接続形態やハードウェア構成、及び各ソフトウェアの動作の多くは、前述の実施の形態1で説明した通りである。但し、図1の利用形態、図3のAP104を動作させるハードウェア構成、図9のAP104の通信履歴処理サーバ部の処理が実施の形態1とは異なる。更に、実施の形態2に係るAP104aは、図16で説明する情報公開処理サーバ部を備える点が実施の形態1とは異なっている。
【0067】
図13は、本発明の実施の形態2に係るシステムを説明する図で、前述の図1と共通する部分は同じ記号で示し、その説明を省略する。本実施の形態2に係るAP104aは、実施の形態1と同様にローカルネットワーク環境に接続される一方で、インターネットにも接続されるインターネットゲートウェイとして振舞う。
【0068】
図14は、本実施の形態2に係るAP104aのハードウェア構成を説明する図で、前述の図3と共通する部分は同じ記号で示している。
【0069】
本実施の形態2に係るAP104aは、IGD(Internet Gateway Device)機能を備えており、AP104aのネットワークインターフェースの一部306はインターネット接続を実現するWAN(Wide Area Network)用ネットワークインターフェースである。図14では1つのWAN用ネットワークインターフェース306を図示しているが、WAN用ネットワークインターフェースの数は1つに限定されない。
【0070】
図15は、本実施の形態2に係るAP104aの通信履歴処理サーバ503による処理を説明するフローチャートある。ここで図9のフローチャートと比較すると、ステップS91〜S95は、図9のステップS31〜S35と同じであるため、その説明を省略する。
【0071】
本実施の形態2に係るAP104aの通信履歴処理サーバ504は、ステップS93で、設定されたフィルタリングルール、公開ルール、及びそれ以前に収集した通信履歴とを参照する。そして公開ルールに該当する場合はステップS97に進み、後述するAP104aの情報公開処理サーバ部が、ローカルネットワーク105の映像コンテンツをインターネット上に公開する際の処理手順を切替える。
【0072】
図16は、本実施の形態2に係るAP104aの情報公開処理サーバ部の処理を説明するフローチャートである。
【0073】
まずステップS101で、情報公開処理サーバ部に関する設定情報を読み出して内部データに設定する。この設定情報には、インターネット上の情報公開サーバへの接続情報や認証情報が含まれている。更にローカルネットワーク105で、情報公開サーバへ接続が許可されているユーザのリスト等を含む。次にステップS102に進み、情報公開指示を待ち、情報公開指示があればそれを受け取りステップS103で、その指示内容の妥当性を判断する。この妥当性は、公開される映像の属性、指示を出したユーザの属性並びにAP104a自身が保持している通信履歴等から判断される。次にステップS104で、妥当であると判断した場合はステップS105へ進む。一方、妥当でないと判断した場合はステップS106に進み、指示したユーザが情報公開の権限を持つか、及び本当に情報公開を進めて良いのかを問い合わせる。そしてステップS107で、情報公開を進めて良いと判断するとステップS105に進む。ステップS107で、情報公開が認められない場合はステップS109に進み、情報公開処理に失敗した旨を、その指示を出したユーザに返答する。そしてステップS102からステップS109を繰り返す。
【0074】
ステップS104で妥当であると判断した場合はステップS105に進み、インターネット上の情報公開サーバに接続し、その指定された映像を情報公開サーバにアップロードする。具体的には、ftpを用いて情報公開サーバにコピー(put)する。そしてステップS108に進み、情報公開サーバへの接続、並びにアップロードの結果を、その指示を出したユーザに返答する。これと同時に、情報公開処理の結果を通信履歴としてAP104aの通信履歴処理サーバ504に記録する。
【0075】
特に本実施の形態2に係るAP104aの情報公開処理サーバ部では、ステップS103の指示内容の妥当性をチェックし、AP104a自身が保持している通信履歴を参照する。そして、リビングルームTV(MAC_address=00a0c92506d9)で再生された履歴が存在する場合には、その指示したユーザへの確認問合せをスキップして情報公開サーバへのアップロードを進める点に特徴がある。
【0076】
以上の構成によれば、ネットワーク105の通信内容を把握できる集線装置(アクセスポイント)104aが通信履歴を収集し、その通信履歴に応じてアクセス制御や公開設定を自動化できる。特に本実施の形態2では、インターネット等の外部ネットワークに接続するためのゲートウェイ装置を含み、インターネット上の共有ディレクトリに映像を公開する際の手続きを通信履歴に応じて簡素化する点に特徴がある。
【0077】
本実施の形態2では、情報公開処理サーバ部で、指定された映像コンテンツを直接インターネット上の情報公開サーバにアップロードして映像コンテンツを公開する例について説明している、しかし、この情報公開方法はこれに限定されない。例えば、インターネット側からローカルネットワーク上の映像配信装置へのアクセスを許可するようにIGDを制御しても良い。これはIGDのポートマッピング追加機能(AddPortMapping)で実現できる。
【0078】
また本実施の形態2では、情報公開処理サーバ部が、情報公開指示された映像コンテンツを情報公開サーバにコピーして単純に公開する例について説明している。しかし、情報公開サーバでの公開に条件を設定するような情報公開指示が通信履歴処理サーバ部から与えられても良い。例えば、初回の情報公開指示では、情報公開サーバでの公開期間を24時間に限定し、その後、同一映像コンテンツが複数回利用されるという通信履歴を検出した時点で、情報公開サーバでの公開期間を延長するなどが考えられる。
【0079】
また本実施の形態2では、一度のリビングルームTVでの再生によって公開時のユーザへの確認問合せをスキップしている。しかし、公開簡略化の条件はこれに限定されない。例えば、リビングルームTVでの複数回の視聴が通信履歴として観察された時点で公開簡略化を適用しても良い。
【0080】
また本実施の形態2では、映像コンテンツ全体の公開制御の設定或はアクセス制御の設定について説明している。しかし、公開制御の設定或はアクセス制御の設定の対象はこれに限定されない。映像コンテンツの一部分(映像セグメント)を対象としても良いし、或は複数の映像コンテンツ集合体を対象としても良い。例えば、通信履歴として早送り(FF)した部分は設定対象としない。その一方で、じっくり視聴した部分のみ(プライベート或は公開に)アクセス制御設定対象とするようにしても良い。更に、このアクセス制御の設定対象を切り出して映像クリップを生成し、その映像クリップについて、プライベート或は公開にアクセス制御設定する事も考えられる。
【0081】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、複数の機器から構成される文書検索システムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる文書検索装置に適用しても良い。
【0082】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムを読み出して実行することによっても達成され得る。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
【0083】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明のクレームでは、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0084】
プログラムを供給するための記録媒体としては、様々なものが使用できる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などである。
【0085】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページからハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。その場合、ダウンロードされるのは、本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルであってもよい。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明のクレームに含まれるものである。
【0086】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布する形態としても良い。その場合、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムが実行可能な形式でコンピュータにインストールされるようにする。
【0087】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される形態以外の形態でも実現可能である。例えば、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0088】
更に、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれるようにしてもよい。この場合、その後で、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施の形態1に係るシステム形態を示した図である。
【図2】本実施の形態に係る映像配信装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に係るAPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係る操作端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態1に係るシステムにおけるプログラムの構成を模式化した図である。
【図6】本実施の形態に係る操作端末における映像再生表示プログラムによる処理を説明するフローチャートである。
【図7】本実施の形態に係る操作端末におけるカメラ操作プログラムの処理を説明するフローチャートである。
【図8】本実施の形態に係るAPの通信制御サーバプログラムの処理を説明するフローチャートである。
【図9】本実施の形態に係るAPの通信履歴処理サーバプログラムの処理を説明するフローチャートである。
【図10】本実施の形態に係る映像配信装置の映像送信サーバプログラムの処理を説明するフローチャートである。
【図11】本実施の形態に係る映像配信装置のカメラ制御サーバの処理を説明するフローチャートである。
【図12】本実施の形態に係るAPの設定処理を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態2に係るシステムを説明する図である。
【図14】本実施の形態2に係るAPのハードウェア構成を説明する図である。
【図15】本実施の形態2に係るAPの通信履歴処理サーバによる処理を説明するフローチャートある。
【図16】本実施の形態2に係るAPの情報公開処理サーバによる処理を説明するフローチャートである。
【図17】デジタルカメラを載置した映像配信装置の一例を示す外観図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像コンテンツの発信源と、当該発信源から発信された映像コンテンツを受信して再生する再生用端末とを含むネットワークにおける映像コンテンツの視聴状況を示す情報を収集する視聴情報収集手段と、
前記視聴情報収集手段により収集された情報を記憶する視聴記憶手段と、
前記視聴記憶手段に記憶された前記視聴状況の情報に基づいて、前記映像コンテンツに対する前記再生用端末によるアクセス権を設定するアクセス権設定手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記視聴状況を示す情報は、少なくとも前記映像コンテンツの通信時刻、発信源、送信先、コンテンツ識別情報及び再生用端末の識別情報のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記発信源は、前記ネットワークに接続されたストレージ、撮像装置のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信装置は、有線ネットワークのハブやルータ装置、無線ネットワークのアクセスポイント装置、インターネットゲートウェイ機能を備えたレジデンシャルゲートウェイのいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記アクセス権設定手段は、前記再生用端末のユーザ毎にアクセス権を設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記アクセス権設定手段は、映像共有サービスへの映像コンテンツの公開手順を設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記アクセス権設定手段は、映像配信におけるQoS条件を設定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
映像コンテンツの発信源と、当該発信源から発信された映像コンテンツを受信して再生する再生用端末とを含むネットワークにおける映像コンテンツの視聴状況を示す情報を収集する視聴情報収集工程と、
前記視聴情報収集工程で収集された情報を記憶する視聴記憶工程と、
前記視聴記憶工程で記憶された前記視聴状況の情報に基づいて、前記映像コンテンツに対する前記再生用端末によるアクセス権を設定するアクセス権設定工程と、
を有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項9】
前記視聴状況を示す情報は、少なくとも前記映像コンテンツの通信時刻、発信源、送信先、コンテンツ識別情報及び再生用端末の識別情報のいずれかを含むことを特徴とする請求項8に記載の通信装置の制御方法。
【請求項10】
前記アクセス権設定工程は、前記再生用端末のユーザ毎にアクセス権を設定することを特徴とする請求項8又は9に記載の通信装置の制御方法。
【請求項11】
前記アクセス権設定工程は、映像共有サービスへの映像コンテンツの公開手順を設定することを特徴とする請求項8又は9に記載の通信装置の制御方法。
【請求項12】
前記アクセス権設定工程では、映像配信におけるQoS条件を設定することを特徴とする請求項8又は9に記載の通信装置の制御方法。
【請求項13】
請求項8乃至12のいずれか1項に記載の制御方法を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項1】
映像コンテンツの発信源と、当該発信源から発信された映像コンテンツを受信して再生する再生用端末とを含むネットワークにおける映像コンテンツの視聴状況を示す情報を収集する視聴情報収集手段と、
前記視聴情報収集手段により収集された情報を記憶する視聴記憶手段と、
前記視聴記憶手段に記憶された前記視聴状況の情報に基づいて、前記映像コンテンツに対する前記再生用端末によるアクセス権を設定するアクセス権設定手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記視聴状況を示す情報は、少なくとも前記映像コンテンツの通信時刻、発信源、送信先、コンテンツ識別情報及び再生用端末の識別情報のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記発信源は、前記ネットワークに接続されたストレージ、撮像装置のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信装置は、有線ネットワークのハブやルータ装置、無線ネットワークのアクセスポイント装置、インターネットゲートウェイ機能を備えたレジデンシャルゲートウェイのいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記アクセス権設定手段は、前記再生用端末のユーザ毎にアクセス権を設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記アクセス権設定手段は、映像共有サービスへの映像コンテンツの公開手順を設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記アクセス権設定手段は、映像配信におけるQoS条件を設定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
映像コンテンツの発信源と、当該発信源から発信された映像コンテンツを受信して再生する再生用端末とを含むネットワークにおける映像コンテンツの視聴状況を示す情報を収集する視聴情報収集工程と、
前記視聴情報収集工程で収集された情報を記憶する視聴記憶工程と、
前記視聴記憶工程で記憶された前記視聴状況の情報に基づいて、前記映像コンテンツに対する前記再生用端末によるアクセス権を設定するアクセス権設定工程と、
を有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項9】
前記視聴状況を示す情報は、少なくとも前記映像コンテンツの通信時刻、発信源、送信先、コンテンツ識別情報及び再生用端末の識別情報のいずれかを含むことを特徴とする請求項8に記載の通信装置の制御方法。
【請求項10】
前記アクセス権設定工程は、前記再生用端末のユーザ毎にアクセス権を設定することを特徴とする請求項8又は9に記載の通信装置の制御方法。
【請求項11】
前記アクセス権設定工程は、映像共有サービスへの映像コンテンツの公開手順を設定することを特徴とする請求項8又は9に記載の通信装置の制御方法。
【請求項12】
前記アクセス権設定工程では、映像配信におけるQoS条件を設定することを特徴とする請求項8又は9に記載の通信装置の制御方法。
【請求項13】
請求項8乃至12のいずれか1項に記載の制御方法を実行することを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−181143(P2007−181143A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380169(P2005−380169)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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