説明

通信装置及びその制御方法

【課題】RFIDタグによる無線通信機能と、これ以外の他の無線通信機能を備える通信機器において、両無線通信機能に対応するアンテナ同士の電磁結合による通信性能の低下を回避する。
【解決手段】携帯電話100の筐体にRFIDオン/オフボタン130を設ける。RFIDオン/オフボタン130が押下されずに解放されているとき、RFIDタグ110におけるRFIDアンテナ112と同調用コンデンサ113との接続を切り離すことにより共振回路が形成されないようにする。一方、RFIDオン/オフボタン130が押下されているとき、RFIDタグ110におけるRFIDアンテナ112と同調用コンデンサ113を接続して共振回路が形成されるようにする。これにより、RFID機能の使用時以外は、RFIDアンテナ112と電話通信用アンテナ120との電磁結合による共振の発生が回避される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話などのように、本来の無線電話通信機能に対してRFIDなどの他の無線通信機能が実装された通信装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
RFID(Radio Frequency IDentification)といわれる技術が普及してきている。RFIDは、IDを記憶させたRFIDタグと、リーダ/ライタとの間で、例えば電磁結合により数mmから数メートルの近距離で情報を送受信することで人や物を識別して管理しようとする技術である。
【0003】
例えば、RFIDタグをリーダ/ライタに近づけることにより、RFIDタグのアンテナとリーダ/ ライタ装置のアンテナの間での電磁結合によって通信可能な状態が形成される。RFIDタグとリーダ/ライタとの間での無線通信において使用されるキャリア周波数は、規格により所定周波数(例えば、13.56MHz)に定められている。そこで、RFIDタグは、共振周波数を上記の所定周波数に同調させるための同調回路を備える。同調回路においてはコンデンサが用いられ、アンテナとコンデンサとにより共振回路を形成する。
【0004】
このようなRFIDの技術は多様な用途に用いることが可能であり、また、RFIDタグにおける回路自体は、例えばチップ化により小型化が図られている。このようなことを背景として、例えば携帯電話などでは、RFIDタグを実装されるようになってきている。これにより、携帯電話に対して、例えばプリペイドカード機能などをはじめとして、本来の電話通信以外の有用な機能を与えることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−244214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
RFIDタグのアンテナは、キャリア周波数(13.56MHz)に対応する共振回路を形成するのに必要なインダクタンスに応じたアンテナ長を有したうえで、このアンテナ長の導線をループ状にした構造を有している。このようなループ状のアンテナの場合、通信性能を確保するためには、その開口面積を大きく取る必要があり、このために、アンテナが占有する面積、体積が大きくならざるを得ない。これにより、例えば携帯電話にRFIDタグを実装している場合には、RFIDタグのアンテナと、携帯電話通信用のアンテナが近接して配置されることになってしまう。
【0007】
上記のようにRFIDタグのアンテナと携帯電話通信用のアンテナが近接した状態では、両者の間で電磁結合が生じる可能性がある。このような電磁結合が生じた場合には、携帯電話通信用のアンテナにて不要な共振が発生してしまい、携帯電話側の通信性能を低下させてしまう可能性がある。
【0008】
本発明は上記の課題を解決することのできる通信装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1の無線通信方式に対応する第1のアンテナと、第2の無線通信方式に対応する第2のアンテナと、前記第2のアンテナと並列に接続されて、前記第2のアンテナと共振回路を形成する同調用コンデンサと、筐体に設けられる操作子と、前記操作子に対して行われた操作に応じて、前記第2のアンテナと前記同調用コンデンサとにより共振回路が形成された状態と、当該共振回路が形成されない状態とで切り替えを行う切替手段とを備える通信装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、RFIDタグによる無線通信機能と、これ以外の他の無線通信機能を備える通信機器において、両無線通信機能に対応するアンテナ同士の電磁結合に起因する通信性能の低下を回避可能になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態における携帯電話100の外観例を示す図である。
【図2】本実施の形態におけるRFIDタグ110の構成例を示す図である。
【図3】本実施の形態におけるスイッチ部114の構成の第1例を示す図である。
【図4】本実施の形態におけるスイッチ部114の構成の第2例を示す図である。
【図5】本実施の形態におけるスイッチ部114の構成の第3例を示す図である。
【図6】本実施の形態におけるスイッチ部114の構成の第4例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明を実施するための形態(実施の形態)の通信装置としての携帯電話100の外観例を示している。この携帯電話100は、例えば、各種のキーや表示部を備え、無線による電話通信機能を有している。そのうえで、携帯電話100は、内部にRFIDタグを備えることで、RFIDの技術を応用した所定の機能を有する。本実施の形態においてRFIDを用いた機能としては特に限定されるものではないが、例えばクレジットカード機能、プリペイドカード機能、ポイントカード機能、公共交通機関の乗車券機能などを挙げることができる。
【0013】
そして、携帯電話100は、図1において示すように、例えば筐体の側面において、RFIDオン/オフボタン130が設けられている。RFIDタグは、外部のリーダ/ライタと例えば電磁結合により送受信動作を行うアンテナと、このアンテナと共振回路を形成する同調用コンデンサを備える。RFIDオン/オフボタン130をユーザが操作することにより、このアンテナと同調用コンデンサによる共振回路が形成される状態と、形成されない状態とで切り替えが行われる。
【0014】
図2は、携帯電話100においてRFID機能に関連した部位の構成例を示している。この図に示すように、携帯電話100は、RFID機能を実現する部位としてRFIDタグ110を備える。RFIDタグ110は、RFID回路111、RFIDアンテナ112、同調用コンデンサ113およびスイッチ部114を備える。
【0015】
RFID回路111は、例えばIDが記憶されている。また、通信制御や送受信データの処理などを実行するための回路を備えて成る。例えば、RFIDタグ110は、例えばIC(Integrated Circuit)チップを備えて構成されるが、このICチップにはRFID回路111の機能が少なくとも組み込まれる。
【0016】
RFIDアンテナ112は、携帯電話100の外部のリーダ/ライタ側のアンテナとの間で送受信を行うためのアンテナ素子である。このRFIDアンテナ112は、次に説明する同調用コンデンサ113と形成する共振回路に必要なインダクタンスに応じたアンテナ長を有しており、このアンテナ長に応じた導線をループ状にして形成されている。例えば、携帯電話100がリーダ/ライタに近づけられて、RFIDアンテナ112とリーダ/ライタのアンテナとの距離が通信距離以下となるのに応じて、両者の間で電磁結合が生じて送受信が可能な状態となる。
【0017】
同調用コンデンサ113は、RFIDアンテナ112とともに共振回路を形成するためのものであり、図示するようにRFIDアンテナ112に対して並列に接続される。具体的に、RFIDの通信におけるキャリア周波数は、例えば1つには13.56MHzと規定されており、RFIDアンテナ112と同調用コンデンサ113とにより形成される共振回路の共振周波数は、このキャリア周波数に対応して設定されている。この同調用コンデンサ113とRFIDアンテナ112から成る共振回路がRFID回路111と接続されている。
【0018】
スイッチ部114は、RFIDアンテナ112と同調用コンデンサ113との接続をオン/オフするための部位である。このスイッチ部114におけるオン/オフ状態は、RFIDオン/オフボタン130に対して行われた操作に応じて切り替えられる。つまり、スイッチ部114におけるオン/オフ状態は、ユーザの操作によって切り替えが行われるようになっている。
【0019】
また、図2には、電話通信用アンテナ120が示されている。電話通信用アンテナ120は、携帯電話100における電話通信の電波を送受信するためのアンテナ素子である。RFIDアンテナ112は、前述のようにループ状に形成されており、通信性能を確保するために、その開口面積を比較的大きく取っている。このために、携帯電話100の筐体内でのRFIDアンテナ112が占有する面積、容積は比較的大きい。この結果、電話通信用アンテナ120とRFIDアンテナ112は携帯電話100の筐体内で近接した状態で配置されている。
【0020】
なお、電話通信用アンテナ120は、携帯電話通信用の800MHz付近と2GHz付近の2つの帯域に対応している。800MHz付近については、受信帯域が843〜870MHzであり、送信帯域が898〜925MHzである。また、2GHz付近の帯域は受信帯域が2110〜2130MHzであり、送信帯域が1920〜1940MHzである。なお電話通信用アンテナ120は、それ以外の帯域の電波に対応していてもよい。
【0021】
上記のように RFIDアンテナ112と電話通信用アンテナ120が近接して配置されている状態では、両者間で発生する電磁結合によって、携帯電話通信に対応する800MHz近傍の周波数による不要共振が発生する場合がある。これが携帯電話通信の障害要因となってその通信性能を低下させることにつながる。さらに、RFIDアンテナ112の大きさや電話通信用アンテナ120の位置関係によっては、上記不要共振の共振周波数が、携帯電話通信の周波数帯域に入ってしまう場合があり、通信性能をさらに劣化させる可能性がある。
【0022】
そこで、本実施の形態においては、RFIDアンテナ112と同調用コンデンサ113の間にスイッチ部114(切替手段)を設けることとした。これにより、以降説明するように、RFIDアンテナ112と同調用コンデンサ113から成る共振回路のオン/オフが行われる。そして、この共振回路のオン/オフの切り替えを、RFIDオン/オフボタン130の操作に応じて行えるように構成することとした。
【0023】
図3は、RFIDタグ110におけるスイッチ部114の構成例(第1例)を示している。この図に示すスイッチ部114は、2つのオン/オフタイプのスイッチSW1、SW2が設けられる。スイッチSW1は、RFIDアンテナ112の一方の端部と同調用コンデンサ113の一方の極との間に挿入される。スイッチSW2は、RFIDアンテナ112の他方の端部と同調用コンデンサ113の他方の極との間に挿入される。これらスイッチSW1およびSW2は、RFIDオン/オフボタン130が解放されている状態ではオフで、押下されている状態ではオンとなるように連動して切り替えが行われる。
【0024】
携帯電話100にRFID機能を実行させていないとき、つまり、待ち受けモードや携帯電話通信などの本来の携帯電話としての機能を実行しているとき、ユーザは、RFIDオン/オフボタン130に対する操作は行わない。このとき、RFIDオン/オフボタン130は解放状態であるため、スイッチSW1およびSW2はいずれもオフの状態である。スイッチSW1およびSW2がオフの状態では、RFIDアンテナ112と同調用コンデンサ113との間の接続は切断されているために共振回路は形成されない。
【0025】
電話通信用アンテナ120にて発生する不要共振は、RFIDアンテナ112と同調用コンデンサ113により形成される共振回路の共振動作が電話通信用アンテナ120との電磁結合を励起させることにある。したがって、上記のように共振回路が形成されていない状態とすることにより、電話通信用アンテナ120との間での不要共振は発生しないことになる。このように、携帯電話100がRFID機能を実行していないときには、RFIDアンテナ112と電話通信用アンテナ120の間での共振作用を原因とする携帯電話用通信の性能が低下した状態を回避することができる。
【0026】
そして、携帯電話100のRFID機能を使用するとき、ユーザは、RFIDオン/オフボタン130を押下しながら携帯電話100をリーダ/ライタに近づける。RFIDオン/オフボタン130が押下されているとき、図3のスイッチSW1およびSW2はいずれもオンの状態となる。これにより、RFIDアンテナ112と同調用コンデンサ113とが接続されて共振回路が形成されるため、RFIDとしての通信が正常に行われることになる。
【0027】
このように、本実施の形態では、携帯電話100が本来の機能で使用されているときには、RFIDタグ110において共振回路が形成されない状態となるために、不要共振の発生とこれに伴う携帯電話用通信の性能低下を回避することができる。そして、RFID機能使用時には、ユーザがRFIDオン/オフボタン130を押下することにより、RFIDアンテナ112と同調用コンデンサ113とによる共振回路が形成されることとなって、RFIDの通信を正常に実行させることができる。また、このような構成では、ユーザがRFIDオン/オフボタン130を押下しているときにのみRFIDの通信が可能になる。つまり、ユーザが意図的にRFIDオン/オフボタン130を操作しなければRFID機能を正常に使用することができない。これにより、RFID機能の誤使用を防止することもできる。
【0028】
図4は、本実施の形態におけるスイッチ部114の構成の第2例を示している。この図に示されるスイッチ部114は、1入力2出力のスイッチSW1およびSW2を備える。スイッチSW1は入力端子t1と、出力端子t2およびt3を備える。入力端子t1には、RFIDアンテナ112の一方の端部が接続される。出力端子t2は同調用コンデンサ113の一方の極に対して接続される。出力端子t3はグランド(GND)と接続される。また、スイッチSW2は1つの入力端子t11と、出力端子t12およびt13を備える。入力端子t11には、RFIDアンテナ112の他方の端部が接続される。出力端子t12は同調用コンデンサ113の一方の極に対して接続される。出力端子t13はグランド(GND)と接続される。
【0029】
RFIDオン/オフボタン130が押下されているとき、スイッチSW1は端子t1と端子t2が接続され、スイッチSW2は端子t11と端子t12が接続される。この状態では、RFIDアンテナ112と同調用コンデンサ113とが接続されて共振回路が形成される。つまり、RFIDの通信が可能な状態となる。
【0030】
一方、RFIDオン/オフボタン130が解放されているとき、スイッチSW1は端子t1と端子t3が接続され、スイッチSW2は端子t11と端子t13が接続される。これにより、RFIDアンテナ112の両端はともにグランドに接続されて、同調用コンデンサ113とは切り離された状態となる。これにより、RFIDアンテナ112と同調用コンデンサ113による共振回路は形成されないことになり、電話通信用アンテナ120との間での共振動作の発生による携帯電話通信の性能の低下を回避することができる。
【0031】
図5は、本実施の形態におけるスイッチ部114の構成の第3例を示している。この図に示されるスイッチ部114も、図4と同様に、1入力2出力のスイッチSW1およびSW2を備える。ただし、図5のRFIDタグ110においては、同調用コンデンサ113と異なるキャパシタンスの非同調用コンデンサ115がさらに備えられる。
【0032】
図5において、スイッチSW1の入力端子t1には、RFIDアンテナ112の一方の端部が接続される。出力端子t2は同調用コンデンサ113の一方の極に対して接続される。そして、出力端子t3は非同調用コンデンサ115の一方の極と接続される。スイッチSW2の入力端子t11には、RFIDアンテナ112の他方の端部が接続される。出力端子t12は同調用コンデンサ113の一方の極に対して接続され、出力端子t13は非同調用コンデンサ115の他方の極と接続される。
【0033】
上記構成において、RFIDオン/オフボタン130が押下されているとき、スイッチSW1は端子t1と端子t2が接続され、スイッチSW2は端子t11と端子t12が接続される。この状態では、RFIDアンテナ112と同調用コンデンサ113とが接続されて共振回路が形成されることで、RFIDの通信が可能な状態となる。
【0034】
一方、RFIDオン/オフボタン130が解放されているとき、スイッチSW1は端子t1と端子t3が接続され、スイッチSW2は端子t11と端子t13が接続される。これにより、RFIDアンテナ112は非同調用コンデンサ115と並列に接続され、RFIDアンテナ112と非同調用コンデンサ115とにより共振回路を形成することになる。
【0035】
このRFIDアンテナ112と非同調用コンデンサ115により形成される共振回路の共振周波数は、次のように設定される。つまり、RFIDアンテナ112と電話通信用アンテナ120との電磁結合により共振が発生した際の共振周波数が、携帯電話通信に対応するキャリア周波数から一定以上に離れたものとなるように設定される。非同調用コンデンサ115のキャパシタンスは、上記条件の共振周波数が得られるようにして選定されている。これにより、電話通信用アンテナ120に共振が発生したとしても、その共振周波数が電話通信用アンテナ120の送受信動作に与える影響は非常に少ないものとなる。このような構成によっても、電話通信用アンテナ120に発生する共振による携帯電話通信の性能の低下を回避することができる。
【0036】
図6は、本実施の形態におけるスイッチ部114の構成の第4例を示している。この図に示されるスイッチ部114は、オン/オフタイプのスイッチSW1を1つ備える。このスイッチSW1は、RFIDアンテナ112の一方の端部と同調用コンデンサ113の一方の極との間に挿入される。なお、RFIDアンテナ112の他方の端部と同調用コンデンサ113の他方の極はスイッチを介さずに接続されたままの状態となっている。
【0037】
上記構成において、RFIDオン/オフボタン130が押下されているとき、スイッチSW1はオンとなるので、RFIDアンテナ112の一方の端部と同調用コンデンサ113の一方の極とが接続されて共振回路が形成される。これにより、RFIDの通信が可能な状態となる。
【0038】
一方、RFIDオン/オフボタン130が解放されているとき、スイッチSW1はオフであるために、RFIDアンテナ112の一方の端部と同調用コンデンサ113の一方の極とは遮断された状態となる。これにより、共振回路は形成されないこととなり、電話通信用アンテナ120に発生する共振による携帯電話通信の性能の低下を回避することができる。
【0039】
なお、図4に示した第2例についても、上記第4例に準じて、スイッチSW1とスイッチSW2のいずれかのみを備える構成としてよい。
【0040】
また、現状における携帯電話は、例えば電話通信用アンテナ120のほか、GPSアンテナ、ブルートゥース(登録商標)用のアンテナおよび地上デジタルテレビジョン放送用のアンテナなどのように、搭載されるアンテナが増加している。上記実施の形態においては、RFIDアンテナ112と電話通信用アンテナ120との間での共振動作の発生による通信性能の低下を回避することを前提としている。しかし、これまでに説明した実施の形態の構成は、上記GPSアンテナ、ブルートゥース(登録商標)用のアンテナおよび地上デジタルテレビジョン放送用のアンテナなどとの間で発生する電磁結合に起因する通信性能の低下を回避することにも適用できる。つまり、特許請求の範囲に記載される第1の無線通信方式は、携帯電話通信に限定されるものではない。
【0041】
また、上記実施の形態においては通信装置として、RFID機能を備えた携帯電話を例に挙げているが、携帯電話以外でRFID機能を実装する通信装置に適用されてよい。さらに、RFID以外の他の通信方式にも本実施の形態の構成を適用することが可能である。つまり、特許請求の範囲に記載の第2の無線通信方式についても、RFIDに対応する通信以外の無線通信方式が適用されてよい。また、上記実施の形態では、RFIDオン/オフボタン130を押下しているときにRFIDの通信に対応する共振回路が形成されるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、上記共振回路が形成されていない状態でRFIDオン/オフボタン130を一回押圧操作すると共振回路が形成され、この後、RFIDオン/オフボタン130を一回押圧操作すれば、共振回路が形成されない状態に戻るというようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
100 携帯電話
110 RFIDタグ
111 RFID回路
112 RFIDアンテナ
113 同調用コンデンサ
114 スイッチ部
115 非同調用コンデンサ
120 電話通信用アンテナ
130 RFIDオン/オフボタン
SW1、SW2 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線通信方式に対応する第1のアンテナと、
第2の無線通信方式に対応する第2のアンテナと、
前記第2のアンテナと並列に接続されて、前記第2のアンテナと共振回路を形成する同調用コンデンサと、
筐体に設けられる操作子と、
前記操作子に対して行われた操作に応じて、前記第2のアンテナと前記同調用コンデンサとにより共振回路が形成された状態と、当該共振回路が形成されない状態とで切り替えを行う切替手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記操作子は押下操作が行われるものであり、
前記切替手段は、前記操作子が押圧されているときには、前記第2のアンテナと前記同調用コンデンサとにより共振回路が形成された状態とし、前記操作子が押下されていないときには、前記第2のアンテナと前記同調用コンデンサとにより共振回路が形成された状態とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記切替手段は、
前記操作子に対して行われた操作に応じて、前記第2のアンテナの少なくとも一方の端部が前記同調用コンデンサに接続された状態とグランドに接続された状態とで切り替えを行う、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記同調用コンデンサとは異なるキャパシタンスの非同調用コンデンサをさらに備え、
前記切替手段は、
前記操作子に対して行われた操作に応じて、前記第2のアンテナと前記同調用コンデンサとにより共振回路が形成された状態と、前記第2のアンテナと前記非同調用コンデンサとにより共振回路が形成された状態とで切り替えを行う、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記切替手段は、
前記操作子に対して行われた操作に応じて、前記第2のアンテナの一方の端部と前記同調用コンデンサの一方の極が接続された状態と切断された状態とで切り替えを行う第1のスイッチと、
前記操作子に対して行われた操作に応じて、前記第2のアンテナの他方の端部と前記同調用コンデンサの他方の極が接続された状態と切断された状態とで切り替えを行う第2のスイッチとを備える、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信装置。
【請求項6】
前記切替手段は、
前記操作子に対して行われた操作に応じて、前記第2のアンテナの一方の端部と前記同調用コンデンサの一方の極が接続された状態と切断された状態とで切り替えを行う、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信装置。
【請求項7】
第1の無線通信方式に対応する第1のアンテナと、
第2の無線通信方式に対応する第2のアンテナと、
前記第2のアンテナと並列に接続されて、前記第2のアンテナと共振回路を形成する同調用コンデンサと、
筐体に設けられる操作子と、を備えた通信装置の制御方法であって、
切替手段が、前記操作子に対して行われた操作に応じて、前記第2のアンテナと前記同調用コンデンサとにより共振回路が形成された状態と、当該共振回路が形成されない状態とで切り替えを行う
ことを特徴とする制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−238191(P2012−238191A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107044(P2011−107044)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】