説明

通知信号送信方法及び移動局

【課題】複数の移動局に対して、セキュアな通信によって通知信号を送信する。
【解決手段】本発明に係る通知信号送信方法は、複数の移動局の各々が、自身で管理している第1セキュリティ情報と、受信した前記第1通知信号に含まれる第2セキュリティ情報とを比較することによって、該第1通知信号の正当性を検証する工程と、複数の移動局の各々が、第1通知信号の正当性の検証に成功した場合、該第1通知信号に対応する出力を行う工程とを有し、LTE方式の移動通信システムにおいて、移動局は、報知情報を介して、第1通知信号を受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークノードが複数の移動局に対して通知信号を送信する通知信号送信方法及び移動局に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPでは、地震情報や津波情報等の緊急情報を配信するための「ETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)」を、「PWS(Public Warning System)」のサブセットとして検討を進めている。
【0003】
図7に示すように、かかるETWSは、ネットワークノード1(例えば、無線基地局eNB等を含む)と、緊急情報配信サーバ3と、移動局UEとを具備している。
【0004】
図8に示すように、かかるETWSでは、ステップS1001において、緊急情報配信サーバ3が、災害が発生した旨を通知する「Disaster Notification(緊急情報)」を、ネットワークノード1に送信する。
【0005】
ステップS1002において、ネットワークノード1は、「First Notification(第1通知信号)」によって、複数の移動局UEに対して、かかる災害が発生した旨を通知する。
【0006】
複数の移動局UEの各々は、かかる「First Notification」を受信した場合、かかる「First Notification」に対応する出力(ブザー出力やアラーム出力やディスプレイ表示等)を行う。
【0007】
ステップS1003において、ネットワークノード1は、「Second Notification(第2通知信号)」によって、複数の移動局UEに対して、上述の災害に関する詳細情報を通知する。
【0008】
ここで、複数の移動局UEの各々は、上述の「First Notification」によって指定されている情報に基づいて、かかる「Second Notification」を受信し、かかる「Second Notification」によって通知されている詳細情報を、ディスプレイに表示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のETWSでは、不正な無線基地局による「Fake First Notification(不正な第1通知信号)」の送信等の脅威が考えられるため、上述の「First Notification」を、セキュアな通信によって移動局に送信する必要がある。
【0010】
図7に示すEWTSの構成において、ネットワークノード1と緊急情報配信サーバとの間のインターフェイスでは、専用回線やIPsecを用いたセキュアな通信によって「Disaster Notification」を送信しているものと想定できるが、ネットワークノード1と移動局UEとの間の無線インターフェイスでは、セキュリティ通信によって「First Notification(第1通知信号)」を送信することができないという問題点があった。
【0011】
すなわち、「First Notification(第1通知信号)」が送信される時点では、ネットワークノード1と移動局UEとの間で、セキュリティ通信用無線リンクが確立されていないため、無線基地局eNBと移動局UEとの間の無線インターフェイスでは、セキュリティ通信によって「First Notification(第1通知信号)」を送信することができない。
【0012】
また、無線基地局eNB、交換局MME又はゲートウェイ装置S-GW等のネットワークノード1と移動局UEとの間で、セキュリティ通信用リンクが確立されている場合であっても、複数の移動局UEが、受信した同一「First Notification」が自身宛ての「First Notification」であるか否かについて判定する必要があるため、ネットワークが、各移動局UEに対して個別に確立したセキュリティ情報を用いてセキュリティをかけることができない。
【0013】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、複数の移動局に対して、セキュアな通信によって通知信号を送信することができる通知信号送信方法及び移動局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の特徴は、ネットワークノードが、複数の移動局に対して通知信号を送信する通知信号送信方法であって、前記複数の移動局の各々が、自身で管理している第1セキュリティ情報と、受信した第1通知信号に含まれる第2セキュリティ情報とを比較することによって、該第1通知信号の正当性を検証する工程と、前記複数の移動局の各々が、前記第1通知信号の正当性の検証に成功した場合、該第1通知信号に対応する出力を行う工程とを有することを要旨とする。
【0015】
本発明の第1の特徴において、前記第1通知信号は、無線アクセス技術を識別する無線アクセス技術識別子を含んでおり、前記複数の移動局の各々は、前記第1通知信号に含まれる前記無線アクセス技術識別子によって識別される無線アクセス技術を用いて、前記第1通知信号に対応する情報を受信してもよい。
【0016】
本発明の第1の特徴において、前記複数の移動局の各々は、前記検証の要否を示す検証要否識別子に応じて、該検証を行うか否かについて判定してもよい。
【0017】
本発明の第1の特徴において、前記複数の移動局の各々は、前記第1セキュリティ情報を管理しているか否かに応じて、前記検証を行うか否かについて判定してもよい。
【0018】
本発明の第1の特徴において、前記ネットワークノードは、1つのページングチャネルを介して、複数の第1通知信号を送信し、前記移動局は、前記複数の第1通知信号の中から、前記検証に成功した第1通知信号に対応する出力を行ってもよい。
【0019】
本発明の第1の特徴において、前記第1通知信号に含まれる前記第2セキュリティ情報は、所定タイミングで、前記ネットワークノードによって更新されてもよい。
【0020】
本発明の第1の特徴において、前記移動局の各々によって管理されている前記第1セキュリティ情報は、所定タイミングで、或いは、前記ネットワークノードからの通知によって、更新されてもよい。
【0021】
本発明の第1の特徴において、前記第1通知信号が、前記移動局の各々に対して送信すべき特定通信の存在を示す通信識別子を含む場合、前記第2セキュリティ情報は、該通信識別子内に含まれていてもよい。
【0022】
本発明の第1の特徴において、前記第2セキュリティ情報は、前記第1通知信号内の該第1通知信号が送信されている理由を示す領域内に含まれていてもよい。
【0023】
本発明の第2の特徴は、ネットワークノードが複数の移動局に対して通知信号を送信するように構成されている移動通信システムで用いられる移動局であって、自身で管理している第1セキュリティ情報と、受信した第1通知信号に含まれる第2セキュリティ情報とを比較することによって、該第1通知信号の正当性を検証するように構成されている検証部と、前記第1通知信号の正当性の検証に成功した場合、該第1通知信号に対応する出力を行うように構成されている出力部とを具備することを要旨とする。
【0024】
本発明の第2の特徴において、前記第1通知信号は、無線アクセス技術を識別する無線アクセス技術識別子を含んでおり、前記第1通知信号に含まれる前記無線アクセス技術識別子によって識別される無線アクセス技術を用いて、前記第1通知信号に対応する情報を受信するように構成されている受信部を具備してもよい。
【0025】
本発明の第2の特徴において、前記検証部は、前記検証の要否を示す検証要否識別子に応じて、該検証を行うか否かについて判定するように構成されていてもよい。
【0026】
本発明の第2の特徴において、前記検証部は、前記第1セキュリティ情報を管理しているか否かに応じて、前記検証を行うか否かについて判定するように構成されていてもよい。
【0027】
本発明の第2の特徴において、前記ネットワークノードが、1つのページングチャネルを介して、複数の第1通知信号を送信している場合、前記出力部は、該複数の第1通知信号の中から、前記検証に成功した第1通知信号に対応する出力を行うように構成されていてもよい。
【0028】
本発明の第2の特徴において、前記第1セキュリティ情報は、所定タイミングで、或いは、前記ネットワークノードからの通知によって、更新されるように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明によれば、複数の移動局に対して、セキュアな通信によって通知信号を送信することができる通知信号送信方法及び移動局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る移動局の機能ブロック図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態に係るネットワークノードによって送信される「First Notification(第1通知信号)」について説明するための図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態に係る移動局によって行われる検証について説明するための図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態に係る移動局によって行われる検証について説明するための図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施形態に係る移動局の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の第1の実施形態に係る移動局の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7は、EWTSの全体構成図である。
【図8】図8は、EWTSにおける緊急情報を送信する動作について説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成)
図1乃至図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。
【0032】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムは、図7に示すETWSと同様の構成を具備しており、ネットワークノード1が、複数の移動局UEに対して通知信号(例えば、緊急情報)を送信するように構成されている。
【0033】
なお、本発明は、LTE(Long Term Evolution)方式の移動通信システムや、W-CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式の移動通信システムや、3GPP2方式の移動通信システムや、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)方式の移動通信システムや、GSM(Global System for Mobile Communications)方式の移動通信システム等、任意の方式の移動通信システムに適用可能である。
【0034】
例えば、本発明が、LTE方式の移動通信システムに用いられている場合、ネットワークノード1は、無線基地局eNBであり、本発明が、W-CDMA方式の移動通信システムに用いられている場合、ネットワークノード1は、無線制御局RNCである。
【0035】
図1に示すように、本実施形態に係る移動局UEは、第1通知信号受信部11と、セキュリティ情報管理部12と、検証部13と、出力部14と、第2通知信号受信部15とを具備している。
【0036】
第1通知信号受信部11は、ネットワークノード1によって送信された「First Notification(第1通知信号)」を受信するように構成されている。
【0037】
例えば、第1通知信号受信部11は、ページングチャネル(PCH:Paging Channel)を介して、「First Notification(第1通知信号)」を受信するように構成されていてもよいし、報知情報(例えば、SIB10/SIB11)を介して、「First Notification(第1通知信号)」を受信するように構成されていてもよい。
【0038】
図2に示すように、かかる「First Notification(第1通知信号)」は、「MCC(Mobile Country Code)」と「MNC(Mobile Network Code)」と「MSIN(Mobile Subscriber Identification Number)」とによって構成されている「IMSI(International Mobile Subscriber Identity)」を具備している。
【0039】
基本的に、「IMSI」は、グローバルに移動局UEを識別するための識別子であるが、複数の移動局UEの各々に対して送信すべき特定通信(例えば、地震情報や津波情報等の緊急情報)の存在を示す通信識別子としての役割も果たす。
【0040】
例えば、緊急通信を通知するための「First Notification(第1通知信号)」に設定されており、緊急情報の存在を示す通信識別子としての役割を果たす「IMSI」では、「MCC」が「901」と設定されており、「MNC」が「08」と設定されている。
【0041】
また、かかる「IMSI」における「MSIN」には、例えば、「Disaster type(2ビット)」や、「RAT info(2ビット)」や、「Frequency(14ビット)」や、「Channel Type(1ビット)」や、「Security on/off bit(1ビット)」や、「セキュリティビット(第2セキュリティ情報)」等が設定されている。
【0042】
ここで、「Disaster type」は、地震や津波やテロ等の災害の種別を示すものであり、「RAT info」は、「Second Notification」の送信に用いられる無線アクセス技術(GSM方式やUMTS方式やLTE方式や3GPP2方式等)を示すものである。
【0043】
また、「Frequency」は、「Second Notification」の送信に用いられる周波数を示すものであり、「Channel Type」は、「Second Notification」の送信に用いられるチャネルの種別(CBS用チャネルやMSMS用チャネル)を示すものである。
【0044】
「Security on/off bit」は、移動局UEによる「First Notification(第1通知信号)」の正当性の検証の要否を示す(すなわち、「First Notification(第1通知信号)」にセキュリティビット(第2セキュリティ情報)が設定されているか否かについて示す)ものである。
【0045】
なお、「First Notification(第1通知信号)」に含まれる「セキュリティビット(第2セキュリティ情報)」は、所定タイミングで、ネットワークノード1によって更新されるように構成されている。
【0046】
また、上述の「IMSI」の「MSIN」に含まれている情報の一部(例えば、「セキュリティビット(第2セキュリティ情報)」)は、「First Notification(第1通知信号)」内の当該「First Notification(第1通知信号)」が送信されている理由を示す領域である「Paging Cause」に含まれていてもよい。
【0047】
セキュリティ情報管理部12は、セキュリティ情報(第1セキュリティ情報)を管理するように構成されている。
【0048】
具体的には、セキュリティ情報管理部12は、当該移動局UEによる位置登録処理(Attach処理)時や位置登録更新処理(TAU:Tracking Area Update処理)時等に、ネットワークノード1から、セキュリティ情報(第1セキュリティ情報)を取得するように構成されている。
【0049】
なお、セキュリティ情報管理部12は、所定タイミングで(例えば、定期的に)、或いは、ネットワークノード1からの通知によって、かかるセキュリティ情報(第1セキュリティ情報)を更新するように構成されている。
【0050】
検証部13は、セキュリティ情報管理部12によって管理されているセキュリティ情報(第1セキュリティ情報)と、第1通知信号受信部11によって受信された「First Notification(第1通知信号)」に含まれる「セキュリティビット(第2セキュリティ情報)」とを比較することによって、かかる「First Notification(第1通知信号)」の正当性を検証するように構成されている。
【0051】
例えば、図3に示すように、検証部13は、セキュリティ情報管理部12によって管理されているセキュリティ情報(第1セキュリティ情報)と、「First Notification(第1通知信号)」に含まれる「セキュリティビット(第2セキュリティ情報)」とが一致する場合に、当該検証に成功したと判定するように構成されていてもよい。
【0052】
また、図4に示すように、検証部13は、セキュリティ情報管理部12によって管理されているセキュリティ情報(第1セキュリティ情報)と「First Notification(第1通知信号)」に含まれる「セキュリティビット(第2セキュリティ情報)」以外の情報(非セキュリティビット)と所定のキー(例えば、事前に配布されている固定値)とを所定のセキュリティ関数に入力することによって得られたセキュリティビットと、「First Notification(第1通知信号)」に含まれる「セキュリティビット(第2セキュリティ情報)」とが一致する場合に、当該検証に成功したと判定
するように構成されていてもよい。
【0053】
ここで、検証部13は、「First Notification(第1通知信号)」に含まれる「Security on/off bit(検証要否識別子)」に応じて、当該移動局UEによる当該「First Notification(第1通知信号)」の正当性の検証を行うか否かについて判定するように構成されていてもよい。
【0054】
すなわち、検証部13は、「First Notification(第1通知信号)」に含まれる「Security on/off bit(検証要否識別子)」が「ON」である場合にのみ、当該移動局UEによる当該「First Notification(第1通知信号)」の正当性の検証を行うべきであると判定するように構成されていてもよい。
【0055】
また、検証部13は、セキュリティ情報管理部12によってセキュリティ情報(第1セキュリティ情報)が管理されているか否かに応じて、当該移動局UEによる当該「First Notification(第1通知信号)」の正当性の検証を行うか否かについて判定するように構成されていてもよい。
【0056】
すなわち、検証部13は、セキュリティ情報管理部12によってセキュリティ情報(第1セキュリティ情報)が管理されている場合にのみ、当該移動局UEによる当該「First Notification(第1通知信号)」の正当性の検証を行うべきであると判定するように構成されていてもよい。
【0057】
出力部14は、検証部13による「First Notification(第1通知信号)」の正当性の検証に成功した場合、「First Notification(第1通知信号)」に対応する出力(ブザー出力やアラーム出力やディスプレイ表示等)を行うように構成されている。
【0058】
ネットワークノードによって、1つのページングチャネルを介して、複数の「First Notification(第1通知信号)」が送信されている場合、出力部14は、複数の「First Notification(第1通知信号)」の中から、上述の検証に成功した「First Notification(第1通知信号)」に対応する出力を行うように構成されていてもよい。
【0059】
また、出力部14は、第2通知信号受信部15によって受信された緊急情報の詳細情報(「First Notification(第1通知信号)」に対応する「Second Notification(第2通知信号)」)を、ディスプレイに表示するように構成されている。
【0060】
例えば、詳細情報(第2通知信号)としては、地震の震度や避難地や食料の配布時間・場所等を示す情報が想定される。詳細情報は、小容量のテキストデータであってもよいし、大容量のデータであってもよい。
【0061】
第2通知信号報受信部15は、上述の検証に成功した場合に、上述の「First Notification(第1通知信号)」によって指定されている情報に基づいて、上述の詳細情報(第2通知信号)を受信するように構成されている。例えば、第2通知信号受信部15は、上述の検証に成功した場合に、上述の「First Notification(第1通知信号)」に含まれている「Channel Type」や「Frequency」等によって特定されるチャネルを介して、上述の詳細情報(第2通知信号)
を受信するように構成されていてもよい。
【0062】
また、第2通知信号受信部15は、上述の検証に成功した場合に、上述の「First Notification(第1通知信号)」に含まれている「RAT info(無線アクセス技術識別子)」によって識別される無線アクセス技術(例えば、LTE方式等)を用いて、上述の詳細情報(第2通知信号)を受信するように構成されていてもよい。
【0063】
また、第2通知信号受信部15は、上述の検証に成功した場合に、上述の「First Notification(第1通知信号)」と同時に受信されている上述の詳細情報(第2通知信号)を受信するように構成されてもよい。
【0064】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作)
図5及び図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおける移動局UEの動作について説明する。
【0065】
第1の動作では、図5に示すように、ステップS101において、移動局UEは、ネットワークノード1から、「First Notification(第1通知信号)」を受信する。
【0066】
例えば、LTE方式の移動通信システムにおいて、移動局UEは、PCHを介して受信したページング信号内の「ETWS Indication」に「True」が設定されている場合に、報知情報(SIB10/SIB11)内に「ETWS Information」として含まれる「First Notification(第1通知信号)」を受信してもよい。
【0067】
また、WCDMA方式の移動通信システムにおいて、移動局UEは、PCHを介してページング信号内に含まれる「First Notification(第1通知信号)」を受信してもよい。
【0068】
ステップS102において、移動局UEは、受信した「First Notification(第1通知信号)」に含まれる「Security on/off bit(検証要否識別子)」が「ON」であるか否かについて判定する。
【0069】
ここで、移動局UEは、受信した報知情報(SIB10/SIB11)内の「First Notification(第1通知信号)」におけるセキュリティ情報の有無について判定してもよい。
【0070】
「ON(又は、セキュリティ情報有り)」である場合には、本動作は、ステップS103に進み、「OFF(又は、セキュリティ情報無し)」である場合に、本動作は、ステップS104に進む。
【0071】
ステップS103において、移動局UEは、「First Notification(第1通知信号ページング信号に含まれる「セキュリティビット(第2セキュリティ情報)」と、自身が管理している「セキュリティ情報(第1セキュリティ情報)」とを用いて、当該移動局UEによる当該「First Notification(第1通知信号)」の正当性の検証を行う。
【0072】
かかる検証に成功した場合、本動作は、ステップS104に進み、かかる検証に失敗した場合、本動作は、ステップS107に進む。
【0073】
ステップS104において、移動局UEは、かかる「First Notification(第1通知信号)」に対応する出力(例えば、緊急情報の速報等のディスプレイ表示)を行う。
【0074】
移動局UEは、ステップS105において、「First Notification(第1通知信号)」に対応する「Second Notification(第2通知信号)」を受信し、ステップS106において、当該「Second Notification(第2通知信号)」によって通知された詳細情報を、ディスプレイに表示する。
【0075】
ステップS107では、移動局UEでは、ステップS103における検証が失敗した旨を示す出力を行う。
【0076】
一方、第2の動作では、図6に示すように、ステップS202において、移動局UEは、「セキュリティ情報(第1セキュリティ情報)」を管理しているか否かについて判定し、管理していると判定された場合には、本動作は、ステップS203に進み、管理していないと判定された場合には、本動作は、ステップS204に進む。
【0077】
その他のステップの動作は、上述の第1の動作におけるステップの動作と同一である。
【0078】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの作用・効果)
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、移動局UEが、「First Notification(第1通知信号)」に含まれる「セキュリティビット(第2セキュリティ情報)」及び自身で管理している「セキュリティ情報(第1セキュリティ情報)」に基づいて、当該「First Notification(第1通知信号)」の正当性の検証を行うように構成されているため、セキュアな通信による第1通知信号の送信を実現することができる。
【0079】
また、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、「First Notification(第1通知信号)」で「セキュリティビット(第2セキュリティ情報)」を送信しているため、緊急情報の発生した後、早急に、移動局UEにおいて緊急情報を出力することができる。
【0080】
具体的には、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、図2に示すように、「First Notification(第1通知信号)」の送信から、約4秒後に、移動局UEにおいて緊急情報を出力することができる。
【0081】
なお、上述の移動局UEやネットワークノード1の動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0082】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0083】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UEやネットワークノード1内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UEやネットワークノード1内に設けられていてもよい。
【0084】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0085】
1…ネットワークノード
3…緊急情報配信サーバ
UE…移動局
12…セキュリティ情報管理部
13…検証部
14…出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LTE方式の移動通信システムにおいて、複数の移動局に対して第1通知信号及び詳細情報を通知する第2通知信号を送信する通知信号送信方法であって、
前記複数の移動局の各々が、自身で管理している第1セキュリティ情報と、受信した前記第1通知信号に含まれる第2セキュリティ情報とを比較することによって、該第1通知信号の正当性を検証する工程と、
前記複数の移動局の各々が、前記第1通知信号の正当性の検証に成功した場合、該第1通知信号に対応する出力を行う工程とを有し、
前記LTE方式の移動通信システムにおいて、前記移動局は、報知情報を介して、前記第1通知信号を受信することを特徴とする通知信号送信方法。
【請求項2】
前記LTE方式の移動通信システムのネットワークノードは、所定タイミングで、前記第1通知信号に含まれる前記第2セキュリティ情報を更新することを特徴とする請求項1に記載の通知信号送信方法。
【請求項3】
LTE方式の移動通信システムにおいて複数の移動局に対して第1通知信号及び詳細情報を通知する第2通知信号を送信するように構成されている移動通信システムで用いられる移動局であって、
前記第1通知信号及び前記第2通知信号を受信するように構成されている受信部と、
自身で管理している第1セキュリティ情報と、受信した前記第1通知信号に含まれる第2セキュリティ情報とを比較することによって、該第1通知信号の正当性を検証するように構成されている検証部と、
前記第1通知信号の正当性の検証に成功した場合、該第1通知信号に対応する出力を行うように構成されている出力部とを具備し、
前記受信部は、前記LTE方式の移動通信システムにおいて、報知情報を介して、前記第1通知信号を受信するように構成されていることを特徴とする移動局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−239210(P2012−239210A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−166034(P2012−166034)
【出願日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【分割の表示】特願2011−192056(P2011−192056)の分割
【原出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.WCDMA
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】