説明

通行料金決済システム

【課題】利用者であるドライバに対して有料道路における安全運転を励行し、交通事故の発生頻度が抑えられるとともに、利用者に対するサービスの公平性を保つことができ、さらに実用的な実施が容易に行える通行料金決済システムを提供する。
【解決手段】進入ゲート装置1は、有料道路への進入を許可した車両毎に進入情報を生成し、決済装置3へ送信する。また、進出ゲート装置3は、有料道路からの進出を許可した車両毎に進出情報を生成し、決済装置3へ送信する。決済装置3は、車両毎に、その車両についての進入情報、および進出情報を用いて、ドライバが有料道路において安全運転を心がけていたかどうかを判定し、安全運転を心がけていたと判定したときにサービスポイントを付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高速道路等の有料道路を利用した車両に対して、有料道路の利用にかかる通行料金を決済する通行料金決済システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高速道路等の有料道路では、ETCシステムが実用化されている。ETCシステムは、周知のように、有料道路の入口や出口に設置したゲート装置と、車両に搭載されたETC車載機(以下、単に車載機と言う。)と、の間における無線通信により、有料道路の通行料金を決済するシステムである。ETCシステムでは、有料道路の入口や出口に設置されているゲート装置が通過する車両に搭載されている車載機との無線通信により、この車両を識別する車番等の情報を取得する。各ゲート装置は、車載機から取得した情報をセンタ等に設置されている決済装置に送信する。決済装置は、有料道路の入口や出口に設置されたゲート装置から送信されてきた車番等の情報に基づいて、車両毎に通行料金を算出し、算出した通行料金の決済にかかる処理を行う。ETCシステムにおける通行料金の決済は、クレジットカード等によるカード決済であり、決済装置は車両のドライバーに対する通行料金の決済をカード会社に要求する。
【0003】
なお、有料道路における料金体系には、利用区間の距離にかかわらず均一である均一料金制や、利用区間の距離に応じて変化する対距離料金制がある。
【0004】
また、有料道路の利用者に対するサービスの向上を目的とし、深夜や早朝等の閑散時における通行料金の割引制度や、曜日による通行料金の割引制度等、多種多様な割引制度が導入されている。また、有料道路の渋滞区間を回避するために、一旦有料道路から一般道路に進出し(一般道路を迂回し、)、再び有料道路に戻ってきた車両に対して通行料金を割り引くシステムの提案(特許文献1参照)や、有料道路における事故渋滞や自然渋滞等で有料道路をスムーズに走行することができなかった車両に対して通行料金を割り引くシステムの提案(特許文献2参照)がなされている。
【0005】
さらに、有料道路における走行速度、休憩回数、車線変更回数等から安全運転の度合いを検出し、この安全運転の度合いに応じて通行料金を割り引くシステムの提案(特許文献3参照)もなされている。特に、この特許文献3で提案されている、安全運転の度合いに応じた通行料金の割引制度は、制限速度を守って走行するドライバを増加させ、その結果交通事故の発生頻度を抑えることができ、社会的にも大きな意義がある。
【特許文献1】特開2003−123109号公報
【特許文献2】特開2002−175549号公報
【特許文献3】特開2003−178343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3に記載されている構成では、上記割引制度の実用的な実施が困難であった。具体的には、特許文献3では、有料道路における車両の走行状態(走行速度、車線変更等)を、この車両に搭載されているナビゲーション車載機で収集し、このナビゲーション車載機から有料道路における車両の走行状態を取得して、安全運転の度合いを検出する構成である。このため、特許文献3で提案されているシステムを実用化するには、有料道路における車両の走行状態を収集する機能を有する上記のナビゲーション車載機を普及させなければならない。ナビゲーション車載機はすでに一般に普及しているが、その中には車両の走行状態を収集する機能を有していないものも多く、この機能の規格化や車両の所有者であるドライバの負担もあり、車両の走行状態を収集する上記のナビゲーション車載機を普及させるには多くの解決すべき問題がある。
【0007】
また、有料道路における車両の走行状態をナビゲーション車載機から取得する構成であるため、ナビゲーション車載機が収集した車両の走行状態を示すデータが利用者であるドライバによって加工される危険性がある。言い換えれば、利用者が実際には制限速度等を守っていないにもかかわらず、ナビゲーション車載機で収集された車両の走行状態を示すデータを加工し、この加工したデータを送信することで、通行料金を割り引かせるという不正行為が行われる危険性が高いという問題がある。したがって、このような不正行為に対する防止策を講じなければ、利用者に対するサービスの公平性を保つことができないという問題があった。
【0008】
この発明は、利用者であるドライバに対して有料道路における安全運転を励行し、交通事故の発生頻度が抑えられるとともに、利用者に対するサービスの公平性を保つことができ、さらに実用的な実施が容易に行える通行料金決済システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の通行料金決済システムは、上記課題を解決するために、以下の構成を備えている。
【0010】
(1)有料道路の入口付近に設置され、この有料道路に進入する車両を検知する進入車両検知装置と、
有料道路の出口付近に設置され、この有料道路から進出する車両を検知する進出車両検知装置と、
前記進入車両検知装置により前記有料道路に進入したことが検知された車両、または前記進出車両検知装置により前記有料道路から進出したことが検知された車両について、前記有料道路の通行料金を決済する決済処理を行う決済装置と、を備え、
前記進入車両検知装置は、前記有料道路に進入する車両を検知したときに、この車両の車番、この車両が前記有料道路に進入した入口、および、この車両が前記有料道路に進入した時刻を含む進入情報を生成し、前記決済装置へ送信する進入情報送信手段を有し、
前記進出車両検知装置は、前記有料道路から進出する車両を検知したときに、この車両の車番、この車両が前記有料道路から進出した出口、および、この車両が前記有料道路から進出した時刻を含む進出情報を生成し、前記決済装置へ送信する進出情報送信手段を有し、
前記決済装置は、前記進出車両検知装置により前記有料道路から進出したことが検知された車両について、前記進入車両検知装置の前記進入情報送信手段が生成した当該車両の前記進入情報、および前記進出車両検知装置の前記進出情報送信手段が生成した当該車両の前記進出情報から、前記有料道路の利用区間および走行時間を特定し、この利用区間における車両の平均速度を算出する平均速度算出手段と、
前記平均速度算出手段が算出した平均速度、および前記有料道路における制限速度を用いて、当該車両に対してサービスポイントを付与するかどうかを判定し、この判定結果に応じてサービスポイントの付与にかかる処理を行うサービスポイント付与手段と、を有する。
【0011】
この構成では、進入車両検知装置が有料道路に進入する車両を検知し、この車両の車番、この車両が有料道路に進入した入口、この車両が有料道路に進入した時刻を対応付けた進入情報を生成する。車番は、車両を特定することができる情報であればよく、搭載されているETC車載機が記憶する車両識別コードや、ナンバープレート番号を車番として利用すればよい。有料道路に進入した入口は、この進入車両検知装置が設置されている有料道路の入口である。車両が有料道路に進入した時刻は、進入車両検知装置がこの車両を検知した時刻である。
【0012】
また、進出車両検知装置が有料道路から進出する車両を検知し、この車両の車番、この車両が有料道路から進出した出口、この車両が有料道路から進出した時刻を対応付けた進出情報を生成する。車番は、上述したように、車両を特定することができる情報であればよい。有料道路から進出した出口は、この進出車両検知装置が設置されている有料道路の出口である。車両が有料道路から進出した時刻は、進出車両検知装置がこの車両を検知した時刻である。
【0013】
決済装置は、進入車両検知装置が生成した進入情報、および進出車両検知装置が生成した進出情報を取得する。これにより、決済装置では、有料道路を利用した車両毎に、有料道路の利用区間、および有料道路における走行時間を検出することができ、これらのデータから有料道路における車両の平均速度を算出する。決済装置は、有料道路の利用区間毎に、その距離や利用料金等を対応づけて記憶する。決済装置は、平均速度と有料道路の制限速度を用いて、サービスポイントを付与するかどうかを判定し、この判定結果に応じてサービスポイントを付与する。例えば、平均速度が制限速度以下であればサービスポイントを付与すると判定し、サービスポイントを付与する。言い換えれば、平均速度が制限速度を超えている車両については、サービスポイントを付与しない。このサービスポイントは、有料道路の通行料金の決済に使用できる価値を有するものとしてもよいし、また有料道路以外の他の施設の利用にかかる料金の決済に使用できる価値を有するものとしてもよいし、さらには景品と交換できる価値を有するものとしてもよい。
【0014】
これにより、有料道路で安全運転を心がけたドライバに対して、サービスポイントを付与するサービスが簡単に実現できる。例えば、有料道路の入口、および出口に設置される進入車両検知装置や進出車両検知装置は、ETCシステムにおけるゲート装置や、AVIシステムにおける車番読取装置(カメラで撮像したナンバープレートの撮像画像からナンバープレート番号を認識する装置)等、既存のインフラを利用することができる。また、サービスポイントを付与するかどうかの判定に用いるデータは、有料道路を管理する管理者側の装置が検知したデータであるので、利用者によって加工される危険性がなく、利用者に対するサービスの公平性を保つことができる。
【0015】
(2)有料道路に沿って設置された複数の車両検知装置と、
前記有料道路を利用した車両毎に、通行料金の決済にかかる決済処理を行う決済装置と、を備え、
前記車両検知装置は、通過車両を検知したときに、この車両の車番、この車両の通過位置、およびこの車両の通過時刻を含む通過情報を生成し、前記決済装置へ送信する通過情報送信手段を有し、
前記決済装置は、車両毎に、各車両検知装置から送信されてきた前記通過情報に基づいて、隣接する2つの車両検知装置の設置区間毎の平均速度を算出する平均速度算出手段と、
車両毎に、前記平均速度算出手段が算出した前記設置区間毎の平均速度、および前記有料道路における制限速度を用いて、当該車両に対してサービスポイントを付与するかどうかを判定し、この判定結果に応じてサービスポイントの付与にかかる処理を行うサービスポイント付与手段と、を有する。
【0016】
この構成では、有料道路に沿って複数の車両検知機が設置されているので、隣接する2つの車両検知装置間毎に(設置区間毎に、)、車両の走行速度を算出することができる。したがって、利用区間全体の平均速度は制限速度以下であっても、利用区間の一部で制限速度を超えて走行した車両、すなわち安全運転が十分でなかった車両、に対してサービスポイントを付与しないサービスの提供も可能になる。これにより、利用者であるドライバが、安全運転を一層強く心がけるようになり、その結果、交通事故の発生頻度が一層抑えられる。
【0017】
また、スリップしやすいカーブ区間等、特定区間について車両の平均速度を算出することにより、この特定区間で安全運転を心がけたドライバにサービスポイントを付与することもできる。この場合、特定区間は事故の発生件数が多い地点とすればよい。また、車両検知装置については、この特定区間の入口付近、および出口付近に設置すればよい。
【0018】
(3)前記決済装置は、前記有料道路の道路交通状況を取得する道路交通状況取得手段を有し、
前記サービスポイント付与手段は、前記道路交通状況取得手段が取得した道路交通状況を加味して、サービスポイントを付与するかどうかを判定する手段である。
【0019】
この構成では、渋滞等の道路交通状況を加味してサービスポイントを付与するかどうかを判定するので、渋滞等で走行速度が制限速度以下になった車両に対して、安全運転を心がけた車両と誤って判定するのを防止できる。
【0020】
なお、このような渋滞等の発生により走行速度が制限速度以下になった車両については、すでに提案されている渋滞割引等による割引サービスを提供すればよい。
【0021】
(4)前記道路交通状況取得手段は、前記有料道路を走行している複数台の車両の走行状態から前記有料道路の道路交通状況を取得する手段である。
【0022】
この構成では、同じ時間帯に同じ場所を走行している他の車両の走行状態と比較することで、走行速度が制限速度以下の車両であっても、交通の流れに乗って走行していた車両(ドライバが安全運転を心がけていた車両)であるか、交通の流れを乱すような走行をしていた車両(ドライバが十分な安全運転を心がけていなかった車両)であるか、を判定することができる。
【0023】
(5)前記決済装置は、前記サービスポイント付与手段がサービスポイントを付与しないと判定した車両について、前記サービスポイントの付与を制限すべき車両であるかどうかを判定し、この判定結果に応じてサービスポイントの付与の制限にかかる処理を行うサービスポイント付与制限手段を有する。
【0024】
この構成では、交通事故を起こす可能性が高い、悪質な運転をしていたドライバーに対して、サービスポイントの付与を制限することができる。サービスポイントの付与を制限する方法としては、サービスポイントを一定期間付与することを禁止することや、一定期間内に付与したサービスポイントを無効にすること等が考えられる。これにより、ドライバーがサービスポイントの付与が制限されない運転を心がけるようになり、交通事故の発生頻度を一層抑えることができる。
【0025】
(6)有料道路の入口付近に設置され、この有料道路に進入する車両を検知する進入車両検知装置と、
有料道路の出口付近に設置され、この有料道路から進出する車両を検知する進出車両検知装置と、
前記進入車両検知装置により前記有料道路に進入したことが検知された車両、または前記進出車両検知装置により前記有料道路から進出したことが検知された車両について、前記有料道路の通行料金を決済する決済処理を行う決済装置と、を備え、
前記進入車両検知装置は、前記有料道路に進入する車両を検知したときに、この車両の車番、この車両が前記有料道路に進入した入口、および、この車両が前記有料道路に進入した時刻を含む進入情報を生成し、前記決済装置へ送信する進入情報送信手段を有し、
前記進出車両検知装置は、前記有料道路から進出する車両を検知したときに、この車両の車番、この車両が前記有料道路から進出した出口、および、この車両が前記有料道路から進出した時刻を含む進出情報を生成し、前記決済装置へ送信する進出情報送信手段を有し、
前記決済装置は、前記進出車両検知装置により前記有料道路から進出したことが検知された車両について、前記進入車両検知装置の前記進入情報送信手段が生成した当該車両の前記進入情報、および前記進出車両検知装置の前記進出情報送信手段が生成した当該車両の前記進出情報から、前記有料道路の利用区間および走行時間を特定し、この利用区間における車両の平均速度を算出する平均速度算出手段と、
前記平均速度算出手段が算出した平均速度、および前記有料道路における制限速度を用いて、当該車両に対して有料道路の通行料金を割り引くかどうかを判定し、この判定結果に応じて通行料金の決済処理を行う決済手段と、を有する。
【0026】
この構成では、有料道路で安全運転を心がけたドライバに対して、上述した(1)におけるサービスポイントの付与にかえて、通行料金の割り引きが行われる。したがって、上述した(1)と同様の効果を奏する。
【0027】
(7)有料道路に沿って設置された複数の車両検知装置と、
前記有料道路を利用した車両毎に、通行料金の決済にかかる決済処理を行う決済装置と、を備え、
前記車両検知装置は、通過車両を検知したときに、この車両の車番、この車両の通過位置、およびこの車両の通過時刻を含む通過情報を生成し、前記決済装置へ送信する通過情報送信手段を有し、
前記決済装置は、車両毎に、各車両検知装置から送信されてきた前記通過情報に基づいて、隣接する2つの車両検知装置の設置区間毎の平均速度を算出する平均速度算出手段と、
車両毎に、前記平均速度算出手段が算出した前記設置区間毎の平均速度、および前記有料道路における制限速度を用いて、当該車両に対して有料道路の通行料金を割り引くかどうかを判定し、この判定結果に応じて通行料金の決済処理を行う決済手段と、を有する。
【0028】
この構成では、有料道路で安全運転を心がけたドライバに対して、上述した(2)におけるサービスポイントの付与にかえて、通行料金の割り引きが行われる。したがって、上述した(2)と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0029】
この発明によれば、有料道路において安全運転を心がけるドライバを増加させ、その結果、交通事故の発生頻度を抑えられるシステムが簡単に構築できる。また、サービスポイントを付与するかどうかの判定に用いるデータは、有料道路を管理する管理者側の装置が検知したデータであるので、利用者によって加工される危険性がなく、利用者に対するサービスの公平性を保つことができる。さらに、制限速度を大幅に超える等、交通事故を起こす可能性が高い、悪質な運転を行うドライバを減少させることができ、交通事故の発生頻度を一層抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、この発明の実施形態である通行料金決済システムについて説明する。
【0031】
図1、および図2は、この発明の実施形態である通行料金決済システムの構成を示す概略図である。この実施形態の通行料金決済システムは、既存のETCシステムを利用し、有料道路において安全運転を心がけたドライバに対してサービスポイントを付与するサービスを提供するシステムである。
【0032】
なお、ここでは、本願発明を、安全運転を心がけたドライバに対してサービスポイントを付与するシステムで説明するが、サービスポイントの付与に代えて、有料道路の通行料金を、付与するサービスポイントと同じ価値だけ割り引いて決済する構成としてもよい。
【0033】
図1において、1は高速道路等の有料道路の入口に設置されている進入ゲート装置であり、2は有料道路の出口に設置されている進出ゲート装置であり、3はETC車載機4(以下、単に車載機4と言う。)が搭載された車両が有料道路を利用したときに、この車両に対して通行料金の決済にかかる処理を行う決済装置である。進入ゲート装置1は、有料道路の各入口に設置されている。また、進出ゲート装置2は、有料道路の各出口に設置されている。決済装置3は、センタに設置されている。進入ゲート装置1、および進出ゲート装置2は、専用回線や公衆回線等を介して決済装置3に接続されている。進入ゲート装置1が、この発明で言う進入車両検知装置に相当し、進出ゲート装置2が、この発明で言う進出車両検知装置に相当し、決済装置3がこの発明で言う決済装置に相当する。
【0034】
進入ゲート装置1は、図3(A)に示すように、装置本体の動作を制御する制御部11と、車両に搭載されているETC車載機4と無線で通信する無線通信部12と、有料道路の入口に設けられたバーを開閉するゲート開閉部13と、決済装置3と通信する通信部14と、を備えている。また、進出ゲート装置2も進入ゲート装置1と同様の構成であり、図3(B)に示すように制御部21、無線通信部22、ゲート開閉部23、および通信部24を備えている。進入ゲート装置1と、進出ゲート装置2とは、進入ゲート装置1が有料道路に進入する車両に対して処理を行うのに対し、進出ゲート装置2が有料道路から進出する車両に対して処理を行う点で相違する。すなわち、進入ゲート装置1と、進出ゲート装置2とはハードウェアが共通している。
【0035】
図4は、決済装置の構成を示すブロック図である。決済装置3は、装置本体の動作を制御する制御部31と、車両毎に付与しているサービスポイントのポイント数を登録したポイントデータベース32aや、有料道路の利用区間毎にその距離や通行料金等を対応付けた通行料金データベース32b等を記憶する記憶部32と、進入ゲート装置1や進出ゲート装置2と通信する第1の通信部33と、有料道路の利用にかかる通行料金の決済要求等を図示していないカード会社に送信する第2の通信部34と、を備えている。ポイントデータベース32aには、図5に示すように、車両毎に、車両を識別する車番、この車番で識別される車両に付与されている現在のサービスポイントのポイント数、この車両に対してサービスポイントの付与を制限するかどうかを示す制限フラグ(ここでは、制限フラグが0であればサービスポイントの付与が制限されておらず、1であればサービスポイントの付与が制限されている。)、サービスポイントの付与が制限されている期間(制限期間)、有料道路の利用履歴を示す履歴データ等を対応付けたデータが登録されている。履歴データには、図5に示すように、付与したサービスポイントのポイント数や、決済金額等が対応付けられている。
【0036】
また、車両に搭載されている車載機4には、通行料金の決済に使用するクレジットカードのカード番号にかかる情報や、車両の車番にかかる情報等が記憶されたETCカードが装着される。車載機4は、装着されているETCカードに記憶されている情報を読み出して、進入ゲート装置1や進出ゲート装置2に送信するとともに、進入ゲート装置1や進出ゲート装置2から指示されたデータをETCカードに書き込む。車載機4は、進入ゲート装置1や進出ゲート装置2と無線で通信する無線通信部を有している。この車載機4は、周知のETCシステムで利用されているものであるので、ここでは詳細な説明については省略する。
【0037】
次に、この実施形態の通行料金決済システムの動作について説明する。図6は、進入ゲート装置の動作を示すフローチャートである。進入ゲート装置1は、有料道路の入口に接近してくる車両、すなわち有料道路に進入する車両、を検知すると(s1)、その車両に搭載されている車載機4に対して、装着されているETCカードに記録されている情報の送信要求を無線通信部12から送信する(s2)。車載機4は、この要求を受信すると、装着されているETCカードに記録されている情報を読み出し、これを進入ゲート装置1へ送信する。進入ゲート装置1は、無線通信部12で車載機4から送信されてきた情報を受信すると(s3)、この車載機4が搭載されている車両について、有料道路への進入を許可するかどうかを判定する(s4)。進入ゲート装置1は、s4で有料道路への進入を許可すると判定すると、ゲート開閉部13により有料道路の入口に設けられているゲートを開する(s5)。また、進入ゲート装置1は、今回有料道路への進入を許可した車両に搭載されている車載機4に対して、ETCカードへの入口情報の書き込みを指示する(s6)。進入ゲート装置1は、自装置が設置されている有料道路の入口を示す情報の書き込みを指示する。車載機4は、この指示にしたがって、装着されているETCカードに入口情報を書き込む。進入ゲート装置1は、今回有料道路への進入を許可した車両がゲートを通過し、有料道路に進入したことを検知すると(s7)、ゲート開閉部13により有料道路の入口に設けられているゲートを閉し(s8)、s3で受信した情報に含まれている車両を識別する車番、この車両が有料道路に進入した入口を示す入口情報、この車両が有料道路に進入した時刻(この時点における時刻)を含む進入情報を生成し(s9)、これを通信部14から決済装置3に送信し(s10)、s1に戻る。
【0038】
なお、進入ゲート装置1は、s4で有料道路への進入を許可しないと判定すると、有料道路の入口に設けられているゲートを開することなく、s1に戻る。
【0039】
決済装置3は、上述した進入ゲート装置1の動作により、有料道路に進入した車両毎に、車両を識別する車番、この車両が有料道路に進入した入口、この車両が有料道路に進入した時刻を含む進入情報を取得することができる。決済装置3における動作の詳細については、後述する。
【0040】
次に、進出ゲート装置2の動作について説明する。図7は、進出ゲート装置の動作を示すフローチャートである。進出ゲート装置2は、有料道路の出口に接近してくる車両、すなわち有料道路から進出する車両、を検知すると(s11)、その車両に搭載されている車載機4に対して、装着されているETCカードに記録されている情報の送信要求を無線通信部22から送信する(s12)。車載機4は、この要求を受信すると、装着されているETCカードに記録されている情報を読み出し、これを進出ゲート装置2へ送信する。このとき、車載機4は、前回進入ゲート装置1により指示され、ETCカードに書き込んだ入口情報についても、進出ゲート装置2に送信する。進出ゲート装置2は、無線通信部12で車載機4から送信されてきた情報を受信すると(s13)、この車載機4が搭載されている車両について、有料道路からの進出を許可するかどうかを判定する(s14)。進出ゲート装置2は、s14で有料道路からの進出を許可すると判定すると、ゲート開閉部23により有料道路の出口に設けられているゲートを開する(s15)。また、進出ゲート装置2は、今回有料道路からの進出を許可した車両に搭載されている車載機4に対して、ETCカードへの出口情報の書き込みを指示する(s16)。進出ゲート装置1は、自装置が設置されている有料道路の出口を示す情報の書き込みを指示する。車載機4は、この指示にしたがって、装着されているETCカードに出口情報を書き込む。進出ゲート装置2は、今回有料道路からの進出を許可した車両がゲートを通過し、有料道路から進出したことを検知すると(s17)、ゲート開閉部23により有料道路の出口に設けられているゲートを閉し(s18)、s13で受信した情報に含まれている車両を識別する車番、この車両が有料道路から進出した出口を示す出口情報、この車両が有料道路から進出した時刻(この時点における時刻)、この車両が有料道路に進入した入口を示す入口情報、を含む進出情報を生成し(s19)、これを通信部24から決済装置3に送信し(s20)、s11に戻る。
【0041】
なお、進出ゲート装置2は、s14で有料道路からの進出を許可しないと判定すると、有料道路の出口に設けられているゲートを開することなく、s11に戻る。
【0042】
済装置3は、上述した進出ゲート装置2の動作により、有料道路から進出した車両毎に、車両を識別する車番、この車両が有料道路から進出した出口、この車両が有料道路から進出した時刻、この車両が有料道路に進入した入口を含む進入情報を取得する。以下、決済装置3の動作について説明する。
【0043】
図8は、決済装置の動作を示すフローチャートである。決済装置3は、進入ゲート装置1からの進入情報を受信するか、進出ゲート装置2からの進出情報を受信するのを待っている(s21、s22)。決済装置3は、進入情報を受信すると、この進入情報を図示していない進入情報テーブルに登録し(s23)、s21に戻る。この進入情報テーブルは、有料道路の入口毎に区別されたページからなるテーブルである。決済装置3は、今回受信した進入情報に含まれている入口情報で示される有料道路の入口に該当するページに今回受信した進入情報に含まれている、車番、進入時刻等を対応付けて登録する。
【0044】
また、決済装置3は、進出情報を受信すると、進入情報テーブルを検索し、今回受信した進出情報に含まれている車番の進入情報を読み出す(s24)。s24では、今回受信した進出情報に含まれている入口情報で示される有料道路の入口に該当する進入情報テーブルのページを検索し、該当する車両の進入情報を読み出す。このように、決済装置3は、進入情報テーブルに対して、進出情報に含まれている入口情報で示される有料道路の入口に該当するページのみ検索するだけでよいので、この検索が無駄なく、短時間で行える。決済装置3は、s24で読み出した進入情報、および今回受信した進出情報を用いて、該当車両が今回有料道路を利用した利用区間、および有料道路を走行していた走行時間を検出する(s25)。そして、決済装置3は、s25で検出した利用区間の距離を通行料金DB32bから取得し、当該車両の有料道路における平均速度を算出する(s26)。
【0045】
決済装置3は、s26で算出した平均速度と、有料道路の制限速度と、に基づいて、当該車両のドライバが有料道路において、安全運転をこころがけていたか、交通事故を起こす危険性が高い悪質な運転を行っていたかを判定する(s27、s28)。具体的には、平均速度が、有料道路の制限速度以下である車両のドライバについては、安全運転を心がけていたと判定し、有料道路の制限速度を大幅に超える(例えば20km/h以上超える)車両のドライバについては、交通事故を起こす危険性が高い悪質な運転を行っていたと判定する。また、平均速度が制限速度を少し超えている車両のドライバについては、安全を運転を心がけたドライバ、または悪質な運転を行ったドライバとして判定せず、後述するサービスポイントの付与や、その制限を与えないドライバであると判定する。
【0046】
決済装置3は、s27で車両の平均速度が制限速度以下であると判定すると、すなわちドライバが有料道路において安全運転を心がけていた車両であると判定すると、この車両に対してサービスポイントを付与することを仮決定する(s29)。決済装置3は、s29でサービスポイントを付与すると仮決定すると、ポイントデータベース32aを検索し、当該車両についてサービスポイントの付与が制限されているかどうかを判定する(s30)。図5に示したように、ポイントデータベース32aには、車両毎に制限フラグが対応付けて記憶されている。決済装置3は、当該車両の制限フラグを確認することで、サービスポイントの付与が制限されているかどうかを判定する。決済装置3は、サービスポイントの付与が制限されていないと判定すると、当該車両に対してサービスポイントを付与することを本決定し(s31)、当該車両に付与するポイント数を決定する(s32)。s32で決定するポイント数は、予め定めた一定のポイント数としてもよいし、今回の有料道路の利用にかかる通行料金に応じたポイント数、例えば通行料金に予め定めた比率(5%等)を乗じたポイント数、としてもよい。また、安全運転の度合いによってポイント数を変化させてもよい。安全運転の度合いは、例えば平均速度と、制限速度との差分により判断すればよい。決済装置3は、s32で決定したポイント数を当該車両に付与する(s33)。s33では、ポイントデータベース32に登録されている当該車両のポイント数を、今回付与するポイント数を加えた値に更新するとともに、当該車両の有料道路の履歴データに今回の利用にかかるデータを追加登録する。
【0047】
一方、決済装置3は、s28で車両の平均速度が制限速度を大幅に超えていたと判定すると、すなわちドライバが有料道路において交通事故をおこす可能性が高い悪質な運転をしていた車両であると判定すると、この車両に対してサービスポイントの付与を制限することを決定する(s34)。決済装置3は、s34でサービスポイントの付与を制限することを決定した車両について、すでにサービスポイントの付与が制限されている車両であるかどうかを判定する(s35)。このs35にかかる処理は、上述したs30と同じ処理である。決済装置3は、s35でサービスポイントの付与が制限されていない車両であると判定すると、一定期間内、例えば最近30日の期間内、にこの車両に対して付与したサービスポイントを無効にするとともに、所定期間、例えば30日間、サービスポイントの付与を禁止する設定を行う(s36)。s36では、ポイントデータベース32aに登録されている当該車両の履歴データを用いて、一定期間内に付与したサービスポイントのポイント数を算出し,当該車両に付与しているポイント数から、ここで算出したポイント数を減算した値に更新することで、一定期間内に付与したサービスポイントを無効にする。また、決済装置3は、所定期間後の日付を、当該車両に対するポイント付与の制限期間としてポイントデータベース32aに登録する。また、決済装置3は、s35ですでにサービスポイントの付与が制限されている車両であると判定すると、当該車両に対してサービスポイントの付与を制限する期間を所定期間延長する(s37)。s37で延長する所定期間は、s36の所定期間と同じであってもよいし、s36の所定期間よりも長い期間であってもよい。s37では、ポイントデータベース32aに設定されている当該車両の制限期間を、所定期間延長した日付に更新する。
【0048】
決済装置3は、s27,s28でサービスポイントの付与や、その制限を与えないドライバであると判定した場合、またはs36、s37にかかる処理を完了すると、当該車両の有料道路の履歴データに今回の利用にかかるデータを追加登録する(s38)。決済装置3は、s33、またはs38にかかる処理を完了すると、通行料金の決済にかかる決済処理を行い(s39)、s21に戻る。s39は、図示していないカード会社に対して通行料金の決済を要求する処理である。
【0049】
このように、この実施形態の通行料金決済システムは、既存のETCシステムのインフラを利用することで簡単に実現できる。また、有料道路において、安全運転を心がけたドライバに対してサービスポイントを付与し、交通事故をおこす可能性が高い悪質な運転をしたドライバに対してサービスポイントの付与を制限するので、有料道路において安全運転を心がけるドライバを増加させることができる。これにより、有料道路における交通事故の発生頻度を抑えることができる。さらに、サービスポイントを付与するかどうかの判定に用いる進入情報や進出情報については、有料道路を管理する管理者側の進入ゲート装置1や、進出ゲート装置2で取得する情報であるので、利用者によって加工される危険性がなく、利用者に対するサービスの公平性を保つことができる。
【0050】
なお、このサービスで付与するサービスポイントは、有料道路の通行料金の決済に使用できる価値を有するものとしてもよいし、有料道路以外の他の施設、例えば駐車場やフェリー、の利用料金の決済に使用できる価値を有するものとしてもよい。また、上記実施形態では、安全運転を心がけたドライバーに対してサービスポイントを付与するとしたが、s39における決済処理でサービスポイントに相当する価値だけ差し引いた金額で通行料金を決済する構成としてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、既存のETCシステムにおける進入ゲート装置1、および進出ゲート装置2を利用し、各車両の進入情報、および進出情報を取得する構成としたが、各車両の進入情報、および進出情報を公知のAVIシステムの車番読取装置を利用して取得する構成としてもよい。この車番読取装置は、車両のナンバープレートを撮像した画像を処理して、その車両のナンバープレート番号を認識する装置である。有料道路の殆どの入口や出口には、AVIシステムの車番読取装置が設置されている。したがって、AVIシステムのインフラを利用しても、上記実施形態と同様の効果を奏するとともに、車載機4を搭載していない車両についても、上述のサービスを提供することができる。
【0052】
さらに、現在導入が検討されているスマートプレート(電子ナンバープレート)を利用して、進入情報、および進出情報を取得する構成とすることもできる。スマートプレートは、ナンバープレート番号等を含む車両情報を記憶する記憶部と、道路等に設置されている端末装置と無線で通信する無線通信部とを有する構成である。このスマートプレートを車両に取り付けることを義務化することが現在検討されている。この場合には、有料道路の入口や出口にスマートプレートと無線で通信する端末を設置し、この端末がスマートプレートとの無線通信により得た情報から、上述した進入情報や進出情報を生成する。
【0053】
また、上記実施形態では、サービスポイントを付与するかどうかを、利用区間における車両の平均速度と、制限速度との比較により判定するとしたが、有料道路における交通状況も加味して判定する構成としてもよい。例えば、略同じ時間帯にその利用区間を走行した他の車両の平均速度を用いて、サービスポイントを付与するかどうかを判定する構成としてもよい。例えば、利用区間における車両の平均速度が、制限速度以下で、且つ他の車両の平均速度と略同じであるとき(例えば±5km/hであるとき)、サービスポイントを付与すると判定する。また、利用区間における車両の平均速度が、制限速度以下であっても、他の車両の平均速度との差が大きいとき(例えば±5km/hでないとき)、有料道路における交通の流れを乱す走行であった可能性が高いことから、サービスポイントを付与しないと判定する。このように、道路交通状況も加味して、サービスポイントを付与するかどうかを判定する構成とすることで、安全運転を心がけたドライバの判別精度を向上させることができる。また、サービスポイントを付与するかどうかを判定するときに、有料道路における渋滞情報や、事故情報等を道路交通状況として用いてもよい。
【0054】
また、図9に示すように、有料道路に沿って複数の無線通信端末5を設置し、これらの無線通信端末5で取得した車両の通過情報からサービスポイントを付与するかどうかを判定するようにしてもよい。無線通信端末5は、数km(1〜5km)間隔で設置される。この無線通信端末5は、装置本体の動作を制御する制御部と、車両に搭載されているETC車載機4と無線で通信する無線通信部と、専用回線、または公衆回線を介して接続されている決済装置3と通信する通信部を有する構成である。すなわち、無線通信端末5は、図3に示した進入ゲート装置1や、進出ゲート装置2と略同じ構成である。具体的には、ゲート開閉部13、23を備えていない点で相違しているだけである。
【0055】
図10は、無線通信端末の動作を示すフローチャートである。無線通信端末5は、通過車両を検知すると(s41)、その通過車両に搭載されている車載機4と無線通信を行い、車番を含む車両情報を取得する(s42、s43)。具体的には、無線通信端末5は、車載機4に対して車番を含む車両情報の送信を要求する。この要求を受信した車載機4が車番を含む車両情報を無線通信端末へ送信する。無線通信端末5は、車載機4から送信されてきた車両情報を受信する。無線通信端末5は、ここで取得した車両情報に含まれている車番、この車両が通過した位置(無線通信端末の設置位置)、この車両の通過を検知した時刻(この時点における時刻)を含む通過情報を生成する(s44)。そして、この通過情報を決済装置3へ送信し(s45)、s41に戻る。決済装置3は、各無線通信端末5から送信されてきた通過情報を蓄積的に記憶する。
【0056】
このように、各無線通信端末5が、通過車両を検知する毎に、その車両にかかる通過情報を生成し、決済装置3へ送信するので、決済装置3が、有料道路を利用した車両毎に、その車両の利用区間内に設置されている各無線通信端末5から送信されてきた通過情報を取得することができる。したがって、決済装置3は、有料道路を利用した車両毎に、その車両の利用区間内における速度として、隣接している2つの無線通信端末5が設置されている設置区間毎の平均速度を算出することができる。
【0057】
ここでは、決済装置3は、ドライバが有料道路において、安全運転をこころがけていたか、交通事故を起こす危険性が高い悪質な運転を行っていたかを判定するときに、その車両についての設置区間毎の平均速度を用いる。例えば、利用区間内の一部の区間でも車両の平均速度が制限速度を超えていた車両については、サービスポイントを付与しないと判定したり、利用区間内の一部の区間でも車両の平均速度が制限速度を大幅に超えていた車両については、交通事故を起こす危険性が高い悪質な運転を行っていたと判定することができる。これにより、決済装置3における、ドライバが有料道路において、安全運転をこころがけていたか、交通事故を起こす危険性が高い悪質な運転を行っていたかの判定精度を向上させることができ、その結果安全運転を心がけるドライバを一層増加させることができ、交通事故の発生頻度が一層抑えられる。
【0058】
また、事故の発生件数が多い地点、例えば雨天時にスリップしやすいカーブ区間、を特定区間とし、ドライバがこの特定区間において、安全運転をこころがけていたかどうかを判定し、この特定区間において安全運転を心がけていたドライバに対してサービスポイントを付与するようにしてもよい。この場合には、この特定区間の入口付近、および出口付近に無線通知設置5を設置することで、車両毎にこの特定区間における平均速度を算出することができる。
【0059】
なお、この場合も、通過情報を生成する装置については、上述した無線通信端末5にかえて、AVIシステムの車番読取装置としてもよいし、スマートプレートと無線で通信する端末装置としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の実施形態である通行料金決済システムの構成を示す図である。
【図2】この発明の実施形態である通行料金決済システムの構成を示す図である。
【図3】進入ゲート装置、および進出ゲート装置の構成を示すブロック図である。
【図4】決済装置の構成を示すブロック図である。
【図5】決済装置のポイントデータベースに記憶されている情報を説明する図である。
【図6】進入ゲート装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】進出ゲート装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】決済装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】この発明の別の実施形態である通行料金決済システムの構成を示す図である。
【図10】無線通信端末の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1−進入ゲート装置
2−進出ゲート装置
3−決済装置
4−ETC車載機(車載機)
5−無線通信端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料道路の入口付近に設置され、この有料道路に進入する車両を検知する進入車両検知装置と、
有料道路の出口付近に設置され、この有料道路から進出する車両を検知する進出車両検知装置と、
前記進入車両検知装置により前記有料道路に進入したことが検知された車両、または前記進出車両検知装置により前記有料道路から進出したことが検知された車両について、前記有料道路の通行料金を決済する決済処理を行う決済装置と、を備え、
前記進入車両検知装置は、前記有料道路に進入する車両を検知したときに、この車両の車番、この車両が前記有料道路に進入した入口、および、この車両が前記有料道路に進入した時刻を含む進入情報を生成し、前記決済装置へ送信する進入情報送信手段を有し、
前記進出車両検知装置は、前記有料道路から進出する車両を検知したときに、この車両の車番、この車両が前記有料道路から進出した出口、および、この車両が前記有料道路から進出した時刻を含む進出情報を生成し、前記決済装置へ送信する進出情報送信手段を有し、
前記決済装置は、前記進出車両検知装置により前記有料道路から進出したことが検知された車両について、前記進入車両検知装置の前記進入情報送信手段が生成した当該車両の前記進入情報、および前記進出車両検知装置の前記進出情報送信手段が生成した当該車両の前記進出情報から、前記有料道路の利用区間および走行時間を特定し、この利用区間における車両の平均速度を算出する平均速度算出手段と、
前記平均速度算出手段が算出した平均速度、および前記有料道路における制限速度を用いて、当該車両に対してサービスポイントを付与するかどうかを判定し、この判定結果に応じてサービスポイントの付与にかかる処理を行うサービスポイント付与手段と、を有する通行料金決済システム。
【請求項2】
有料道路に沿って設置された複数の車両検知装置と、
前記有料道路を利用した車両毎に、通行料金の決済にかかる決済処理を行う決済装置と、を備え、
前記車両検知装置は、通過車両を検知したときに、この車両の車番、この車両の通過位置、およびこの車両の通過時刻を含む通過情報を生成し、前記決済装置へ送信する通過情報送信手段を有し、
前記決済装置は、車両毎に、各車両検知装置から送信されてきた前記通過情報に基づいて、隣接する2つの車両検知装置の設置区間毎の平均速度を算出する平均速度算出手段と、
車両毎に、前記平均速度算出手段が算出した前記設置区間毎の平均速度、および前記有料道路における制限速度を用いて、当該車両に対してサービスポイントを付与するかどうかを判定し、この判定結果に応じてサービスポイントの付与にかかる処理を行うサービスポイント付与手段と、を有する通行料金決済システム。
【請求項3】
前記決済装置は、前記有料道路の道路交通状況を取得する道路交通状況取得手段を有し、
前記サービスポイント付与手段は、前記道路交通状況取得手段が取得した道路交通状況を加味して、サービスポイントを付与するかどうかを判定する手段である請求項1または2に記載の通行料金決済システム。
【請求項4】
前記道路交通状況取得手段は、前記有料道路を走行している複数台の車両の走行状態から前記有料道路の道路交通状況を取得する手段である請求項3に記載の通行料金決済システム。
【請求項5】
前記決済装置は、前記サービスポイント付与手段がサービスポイントを付与しないと判定した車両について、前記サービスポイントの付与を制限すべき車両であるかどうかを判定し、この判定結果に応じてサービスポイントの付与の制限にかかる処理を行うサービスポイント付与制限手段を有する請求項1〜4のいずれかに記載の通行料金決済システム。
【請求項6】
前記決済装置の前記サービスポイント付与制限手段は、サービスポイントの付与を制限すべきであると判定した車両について、一定期間サービスポイントの付与を禁止する手段である請求項5に記載の通行料金決済システム。
【請求項7】
前記決済装置の前記サービスポイント付与制限手段は、サービスポイントの付与を制限すべきであると判定した車両について、一定期間内に付与したサービスポイントを無効にする手段である請求項5または6に記載の通行料金決済システム。
【請求項8】
有料道路の入口付近に設置され、この有料道路に進入する車両を検知する進入車両検知装置と、
有料道路の出口付近に設置され、この有料道路から進出する車両を検知する進出車両検知装置と、
前記進入車両検知装置により前記有料道路に進入したことが検知された車両、または前記進出車両検知装置により前記有料道路から進出したことが検知された車両について、前記有料道路の通行料金を決済する決済処理を行う決済装置と、を備え、
前記進入車両検知装置は、前記有料道路に進入する車両を検知したときに、この車両の車番、この車両が前記有料道路に進入した入口、および、この車両が前記有料道路に進入した時刻を含む進入情報を生成し、前記決済装置へ送信する進入情報送信手段を有し、
前記進出車両検知装置は、前記有料道路から進出する車両を検知したときに、この車両の車番、この車両が前記有料道路から進出した出口、および、この車両が前記有料道路から進出した時刻を含む進出情報を生成し、前記決済装置へ送信する進出情報送信手段を有し、
前記決済装置は、前記進出車両検知装置により前記有料道路から進出したことが検知された車両について、前記進入車両検知装置の前記進入情報送信手段が生成した当該車両の前記進入情報、および前記進出車両検知装置の前記進出情報送信手段が生成した当該車両の前記進出情報から、前記有料道路の利用区間および走行時間を特定し、この利用区間における車両の平均速度を算出する平均速度算出手段と、
前記平均速度算出手段が算出した平均速度、および前記有料道路における制限速度を用いて、当該車両に対して有料道路の通行料金を割り引くかどうかを判定し、この判定結果に応じて通行料金の決済処理を行う決済手段と、を有する通行料金決済システム。
【請求項9】
有料道路に沿って設置された複数の車両検知装置と、
前記有料道路を利用した車両毎に、通行料金の決済にかかる決済処理を行う決済装置と、を備え、
前記車両検知装置は、通過車両を検知したときに、この車両の車番、この車両の通過位置、およびこの車両の通過時刻を含む通過情報を生成し、前記決済装置へ送信する通過情報送信手段を有し、
前記決済装置は、車両毎に、各車両検知装置から送信されてきた前記通過情報に基づいて、隣接する2つの車両検知装置の設置区間毎の平均速度を算出する平均速度算出手段と、
車両毎に、前記平均速度算出手段が算出した前記設置区間毎の平均速度、および前記有料道路における制限速度を用いて、当該車両に対して有料道路の通行料金を割り引くかどうかを判定し、この判定結果に応じて通行料金の決済処理を行う決済手段と、を有する通行料金決済システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−140697(P2007−140697A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330729(P2005−330729)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】