説明

連結具

【課題】雄型連結部材と雌型連結部材との連結が容易な連結具であって、構成部品数が少なく、製造コストの安い連結具を提供する。
【解決手段】前方が開口する収納室4と、該収納室4の外周部に設けた周壁とを有するケーシング3を有し、前記周壁をその周方向に複数に分割する分割溝を設け、前記周壁の全周に弾性部材8を設け、拡径防止手段12を設けた雌型連結部材1と、先部に、係止部23bを刻設した雄型係止部材23を有する雄型連結部材2とで構成される連結具であって、前記雄型係止部材23を、前記雌型連結部材1の収納室4内に挿入することにより、前記周壁の前部が拡径した後に、縮径して前記雄型連結部材23の係止部23bが、前記周壁の内周面に喰合し、前記拡径防止手段12が、前記ケーシング3と係合することにより前記周壁の拡径を防止するとともに前記雄型連結部材23の係止部23bを、前記周壁の内周面に喰合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリート部材(セグメント)の連結具として、次のような雄継手と雌継手で構成されるものが知られている。
【0003】
雄継手は、一方のセグメントのリング間結合端面に突設される継手金物の先端にねじ軸部を設け、上記ねじ軸部にアンカー部材の環状のボス部を遊嵌すると共に、上記ボス部を弾性ワッシャーを介してナットにより締め付け、上記アンカー部材の先端部を上記軸部よりも長く形成し、該アンカー部材の先端から長さ方向の所要範囲にわたり複数のスリットを設けて複数のアンカー脚を形成したものである。
【0004】
一方、雌継手は、上記のアンカー部材及び継手金具を受け入れる筒体の底面に突起を設け、該突起の外径を上記の複数のアンカー脚が作る内径と同一又はこれより若干大きく、かつ該突起と上記筒体の内径面との間に上記アンカー脚が強制嵌入される隙間を有する大きさに形成したものである(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3349096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の連結具は、連結具において最も応力が集中する雄継手の連結部(アンカー部材)の中心部が中空でかつ複数に分割されていることから、この連結部における耐久力が弱く破損する虞があるという問題点がある。
【0006】
また、雄継手の構造が複雑かつ、構成部品が多いことから、製造コストが高いという問題点がある。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題点を解決した連結具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、前方が開口する収納室と、該収納室の外周部に設けた周壁とを有するケーシングを有し、前記周壁をその周方向に複数に分割する分割溝を、前記周壁の先端から奥部に向って設け、少なくとも前記周壁の先端から前記分割溝の後方で、かつ、前記周壁の全周に弾性部材を設け、拡径防止手段を設けた雌型連結部材と、
先部に、雄型連結部材の軸方向に係止山と係止溝とが連続する係止部を刻設した雄型係止部材を有する雄型連結部材とで構成される連結具であって、
前記雄型係止部材を、前記雌型連結部材の収納室内に挿入することにより、前記周壁の前部が拡径した後に、縮径して前記雄型連結部材の係止部が、前記周壁の内周面に喰合し、前記拡径防止手段が、前記ケーシングと係合することにより前記周壁の拡径を防止するとともに前記雄型連結部材の係止部を、前記周壁の内周面に喰合させることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、前方が開口する収納室と、該収納室の外周部に設けた周壁とを有するケーシングを有し、前記周壁の内周面に、雌型連結部材の軸方向に係止山と係止溝とが連続する係止部を刻設し、前記周壁に先端から少なくとも前記係止部の一部までを周方向に複数に分割する分割溝を設け、少なくとも前記周壁の先端から前記分割溝の後方で、かつ、前記周壁の全周に弾性部材を設け、拡径防止手段を設けた雌型連結部材と、
先部に、雄型係止部材を有する雄型連結部材とで構成される連結具であって、
前記雄型係止部材を、前記雌型連結部材の収納室内に挿入することにより、前記周壁の前部が拡径した後に、縮径して前記雌型連結部材の係止部が、前記雄型係止部材の外周面に喰合し、前記拡径防止手段が、前記ケーシングと係合することにより前記周壁の拡径を防止するとともに前記雌型連結部材の係止部を、前記雄型係止部材の外周面に喰合させることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記雌型連結部材と雄型連結部材とが結合した状態において、
前記拡径防止手段の後方部と前記ケーシングの先端部とが係合し、前記拡径防止手段の先部が、前記雄型連結部材を埋設した連結部材と当接することを特徴とするものである。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2又は3記載の発明において、前記ケーシングの先端部の外周面を、先端側から奥部側に向って拡径するテーパ状に形成し、前記拡径防止手段の後端部の内周面を、奥部側から開口側に向って縮径するテーパ状に形成し、
前記雌型連結部材と雄型連結部材とが結合した状態において、ケーシングの先端部と拡径防止手段の後方部とが係合することを特徴とするものである。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記ケーシングと、前記拡径防止手段とが係合した際に、ケーシングと拡径防止手段との間に弾性体が介在するようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記雄型連結部材と前記雌型連結部材を、コンクリート部材に固設したことを特徴とするものである。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記コンクリート部材は、シールドセグメントであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、雌型連結部材の収納室の周壁を、その先端部から少なくとも係止部の一部までを、周方向に複数に分割したことで、雄型係止部材を前記従来技術のように、中空状で複数に分割する必要がなく、丸棒形状に形成することが出来、雄型係止部材の耐久力が向上し、破損する虞がない。
【0016】
また、従来の連結具と比較して、構造が単純化でき、構成部品が少なく、製造コストが安価となる。
【0017】
また、拡径防止手段が、ケーシングと係合することにより、その周壁の拡径を防止するため、雌型連結部材と雄型連結部材に抜け方向への力が作用したとしても、拡径防止手段により周壁の拡径が防止され、雄型係止部材の係止部と周壁の内周面、又は雌型連結部材の係止部と雄型係止部材の外周面との噛合状態を保持することができる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、更に、雌型連結部材と雄型連結部材とが連結状態において、ケーシングと拡径防止手段との間に弾性体が介在することにより、弾性体及び弾性部材によりケーシングの周壁を、求芯方向に付勢し、雄型係止部材の係止部を周壁の内周面へより喰いこませ、又は雌型連結部材の係止部を雄型係止部材の外周面へより食い込ませることができるため、その噛合状態を保持し、引張り強度を強くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
【実施例1】
【0020】
図1乃至図8は、実施例1を示す。
図1乃至図3は、雌型連結部材1を、図4は、雄型連結部材2を示すものである。
【0021】
雌型連結部材1は、ケーシング3を有し、該ケーシング3は、金属製で、後述する雄型係止部材23より柔らかい材質で成形されている。本実施例においてはケーシング3を硬さが80HRBの金属を使用し、雄型係止部材23を40HRCの金属を使用した。なお、HRBとは、ロックウェル硬さのBスケールにおける硬さのことであり、HRCとはロックウェル硬さCスケールにおける硬さのことである。
【0022】
前記ケーシング3は、図1乃至図3に示すように、筒状、例えば円筒状に形成されている。なお、ケーシング3の横断面形状は、円形以外に、楕円形や四角形等任意の形状に形成してもよい。該ケーシング3の先部の内部には収納室4が形成され、該収納室4の前方側である先端部、すなわち、前記ケーシング3の先端部には挿入口(開口部)5が開口形成されている。なお、先端側とは、雄型連結部材2を挿入する側である。
【0023】
前記ケーシング3の先端部の外周面3aは、先端側から奥部側に向って拡径するテーパ状のテーパ面に形成されている。
【0024】
前記収納室4の外周部を形成するケーシング3の周壁3bの先部の内周面3cは、図1に示すように、円筒状(無係止面)に形成され、その内径は、後述する雄型連結部材2の雄型係止部材23の外径より短く設定されている。
【0025】
前記ケーシング3の周壁3bの先部には、ケーシング3の軸芯X−Xと略平行する分割溝3eが形成されており、該分割溝3eは、図2、図3に示すように、ケーシング3の周方向に所定の間隔を有して複数形成され、これにより、周方向に複数分割された分割片3fが形成されている。本実施例1においては、図1に示すように、ケーシング3の先端3dから後方(奥部側)へ向って、ケーシング3の軸方向の一部に分割片3fが形成されている。該分割片3fの奥部側の端部は、図8に示すように、雌型連結部材1と雄型連結部材2とが連結した状態において、後述する雄型係止部材23の係止部23bの先端より奥部側に位置するように設定されている。また、分割片3fの分割数を、本実施例1においては、図2及び図3に示すように、3としたが、分割数は2以上の複数であればよく、分割数は任意に設定する。各分割片3fは、その後端部においてケーシング3の周壁3bと一体に形成されている。前記のように分割片3fを形成することにより、各分割片3fは、径方向に弾性を有して拡縮し、拡径状態からの復元力を有する。
【0026】
前記分割片3fを含むケーシング3の周壁3bの外面には、周方向全体に亘って弾性部材8が設けられている。該弾性部材8は、前記ケーシング3の先端3dより前方に突出して設けられ、その先端部から少なくとも前記分割片3fの後方、つまり、少なくとも前記分割片3fの外周部に設けられ、前記弾性部材8の先端部は開口形成されている。
【0027】
前記弾性部材8として、例えばゴム、発泡スチロール、熱可塑性エラストマー等の樹脂、ウレタンなどが挙げられ、本実施例1においては、ゴムを使用した。該弾性部材8は、環状に形成されてケーシング3の周壁3bの外周面に密着して配設され、雌型連結部材1と雄型連結部材2とが連結していない状態における該弾性部材8の内径は、ケーシング3の周壁3bの外径と同径か若干小さく形成されている。
【0028】
前記ケーシング3の先端部であるテーパ状の外周面3aの前部には、図3に示すように、リング状の弾性体10が嵌合固設されている。本実施例1においては、図3に示すように、弾性体10をケーシング3の周方向全周に亘るリング状にして設けたが、該弾性体10を、周方向に分割し、この分割した弾性体10を周方向に適宜間隔を有して設け、例えば、複数の分割片3fに夫々1個又は複数個の弾性体10を設けても良い。該弾性体10として、例えばゴム、発泡スチロール、熱可塑性エラストマー等の樹脂、ウレタンなどが挙げられ、本実施例1においては、ゴムを使用した。
【0029】
前記ケーシング3の前端部には、周壁3bの先部の内周面3cの内径より大径の大径部3hが形成されている。
【0030】
前記弾性部材8の内部で、前記ケーシング3の前方には、拡径防止手段12が弾性部材8に対して軸方向に摺動可能にして設けられ、雌型連結部材1と雄型連結部材2とが非連結の状態において、前記拡径防止手段12は、図1に示すように、弾性部材8の前端より前方へ所定量突出して設けられている。該拡径防止手段12は、金属製で、その横断面形状は、前記ケーシング3の断面形状と同様の形状に形成され、本実施例1においては、図2、図3に示すように、円筒状に形成され、その両端部は開口形成されている。
【0031】
前記拡径防止手段12の入口部12bの内径は、前記ケーシング3の大径部3hの内径と略同一に設定され、拡径防止手段12の外径は、ケーシング3の最外径と略同一に設定されている。
【0032】
前記拡径防止手段12における入口部12bより後方の押圧面12aは、奥部側から前記入口部(開口側)に向って縮径するテーパ状のテーパ面に形成され、その傾斜角度は、前記ケーシング3の先端部の外周面3aの傾斜角度と同一に設定されている。また、前記拡径防止手段12の入口部12bの前後方向の長さL1は、雌型連結部材1と雄型連結部材2とが連結し、拡径防止手段12の前端が後述する雄型連結部材2の連結体22の先端面22bと当接した状態において、拡径防止手段12の押圧面12aが前記弾性体10を押圧できるように設定されている。
【0033】
また、ケーシング3の後端部には、ケーシング3から後方に突出するアンカーバー14が固設されアンカーバー14の後部には抜け止め部14aが設けられている。
【0034】
前記雌型連結部材1は、図5に示すように、一方の連結部材、例えばコンクリート製のシールドセグメントなどのコンクリート部材15に、弾性部材8の先端面(開口面)がコンクリート部材15の接合面15aと面一になるように埋設して固設されるもので、前記弾性部材8及び、ケーシング3における外周部の弾性部材8が配設されていない部分、アンカーバー14の外部にはコンクリート15bが打設されている。このように、コンクリート15bが打設されていても、弾性部材8を設けたことで、ケーシング3の分割片3fは拡径することができる。また、前記拡径防止手段12の先端部は、図5に示すように、コンクリート部材15の接合面15aより突出している。なお、コンクリート部材15等の連結部材とは、雌型連結部材1を含んだものである。
【0035】
なお、弾性部材8の先端面を、コンクリート部材15の接合面15aと面一とせず、弾性部材8の先端面を、コンクリート部材15の接合面15aよりも突出して設けてもよいし、コンクリート部材15の接合面15aよりも後方に位置するように設けてもよい。
【0036】
弾性部材8を、前記分割片3fの外周部に設けたことにより、雌型連結部材1の外部にコンクリート15bを打設するときに、コンクリートが分割溝3eより収納室4内に侵入することを防止できる。
【0037】
次に、雄型連結部材2について説明する。
雄型連結部材2は、図4に示すように、変形できる部材、例えば、発泡スチロール、ゴム等の弾性体、樹脂、ダンボールなどで形成された円筒状の調整部材21内に、内周に雌ねじ22aを刻設した連結体22を設け、該連結体22の先部に雄型係止部材23の基部側に形成した雄ねじ体23aを螺着して構成されている。
【0038】
前記雄型係止部材23の先部は、連結体22の前面より突出しており、その突出部の基部に、軸方向に係止山と係止溝とが連続する係止部(雄ねじ)23bが設けられ、該係止部23bの先部に案内部24が一体形成されている。
【0039】
前記係止部を形成する雄ねじ23bの外径は、前記収納室4(周壁3b)の内径よりも大径に設定されている。
【0040】
前記連結体22の後部には、図4に示すように、アンカーバー30が螺着して固設されている。該アンカーバー30の後端には抜け止め部30aが設けられている。また、アンカーバー30の外周には、ゴム等の弾性体もしくは金属からなる空間保持用のパイプ31が設けられている。空間保持用のパイプ31の前側端部は、前記調整部材21の後側の係止部21aに係止し、後側端部は、アンカーバー30の抜け止め部30aに設けられたゴム等の弾性体からなる座部材32に係止している。アンカーバー30と空間保持用のパイプ31との間には空隙33が設けられている。
【0041】
なお、空隙33を設けることなく、アンカーバー30の外面に沿ってゴム等の弾性体により形成した前記調整部材21を延在しても良い。
【0042】
前記調整部材21、アンカーバー30、空間保持用パイプ31は、他方の連結部材、例えば、シールドセグメントなどのコンクリート部材35に、連結体22の前端面22bがコンクリート部材35の接合面35aと面一になるように埋設して固設されるもので、その前記調整部材21、空隙保持用パイプ31、抜け止め部30aの外部にはコンクリート35bが打設されている。なお、コンクリート部材35等の連結部材とは、雄型連結部材2を含んだものである。
【0043】
なお、連結体22の前端面22bと、コンクリート部材35の接合面35aとを面一に設けず、連結体22の前端面22bを、前記ケーシング3の先端側面の形状に対応し、かつ、コンクリート部材15と35を接合させた状態においてコンクリート部材15、35の接合面15a、35a間に隙間が生じないか、小さくなるように、コンクリート部材35の接合面35aよりも突出して設けてもよいし、コンクリート部材35の接合面35aよりも後方に位置するように設けてもよい。
【0044】
前記雄型連結部材2は、変形できる部材からなる調整部材21と空隙33と空隙保持用パイプ31と座部材32の相互作用により、アンカーバー30の抜け止め部30aを中心として雄型連結部材2の軸芯Y−Yと直交する方向に変位できるようになっている。
【0045】
次に本発明の連結具を構成する連結部材1、2を、コンクリート部材15、35、例えば、コンクリート製のシールドセグメントに適用して連結する例に基づいて連結操作を説明する。
【0046】
先ず、雌型連結部材1の軸芯X−Xと雄型連結部材2の雄型係止部材23の軸芯Y−Yとが略同軸上に位置した状態で、一方のコンクリート部材15と他方のコンクリート部材35を相対的に近接させ、雄型係止部材23の先部を雌型連結部材1の挿入口5より挿入する。
【0047】
図5に示すように、雄型係止部材23が、雌型連結部材1における挿入口5から収納室4内に進入すると、その雄型係止部材23における係止部(雄ねじ)23bにより、分割片3fが弾性部材8の弾性力に抗して拡径して、雄型係止部材23が挿入される。
【0048】
更に、雄型係止部材23を収納室4内に挿入すると、前記拡径防止手段12の後端に前記雄型連結部材2の連結体22の先端面22bが、図6に示すように当接する。
【0049】
更に、雄型係止部材23を収納室4内に挿入すると、図7に示すように、拡径防止手段12は、雄型連結部材2の連結体22の先端面22bに押されて、弾性部材8の奥側方向に移動し、拡径防止手段12の押圧面12aが、弾性体10の外周面に当接する。
【0050】
更に、雄型係止部材23を収納室4内に挿入すると、図8に示すように、拡径防止手段12の押圧面12aにより弾性体10が押圧変形され、雌型連結部材1におけるケーシング3の先端面、すなわち、一方のコンクリート部材15の接合面15aと、雄型連結部材2における連結体22の先端面22b、すなわち他方のコンクリート部材35の接合面35aが、近接又は接触し、雄型連結部材2の挿入が停止される。この停止状態においては、分割片3fは、自己復元力と弾性部材8の弾性力によって雌型連結部材1の求芯方向に押戻されて縮径し、雄型係止部材23の係止部23bがケーシング3の周壁3bの内周面に喰いこみ喰合する。これによって両コンクリート部材15、35は相互に連結される。
【0051】
また、図8に示すように、前記ケーシング3の先端部と前記拡径防止手段12の後方部とが係合し、前記拡径防止手段12の先部が、前記雄型連結部材2を埋設したコンクリート部材35の一部である雄型連結部材2における連結体22の先端面22bと当接する。これにより、拡径防止手段12及びケーシング3の軸方向及び径方向への移動は抑制され、ケーシング3の分割片3f、すなわち、周壁3bの拡径が防止されるとともに、雄型係止部材23の係止部23bをケーシング3の周壁3bの内周面により喰いこませ(喰合させ)、雌型連結部材1と雄型連結部材2との連結をより強固にする。
【0052】
次に、両連結部材1、2の軸芯が相互にずれて、雌型連結部材1の軸芯X−Xと雄型連結部材2の軸芯Y−Yとが、相互に非同芯状態(目違い状態)で雄型係止部材23が挿入口5から挿入された場合について説明する。
【0053】
この目違い状態で雌型連結部材1と雄型連結部材2を連結する際には、雄型連結部材2が、アンカーバー30の抜け止め部30aを中心として雌型連結部材1が位置する側の方向に回動して傾斜して挿入される。すなわち、雄型連結部材2の外周に設けられた調整部材21が加圧方向に圧縮されて、連結体22が傾斜して雄型係止部材23が、収納室4内に挿入でき、目違い状態においても、雌型連結部材1と雄型連結部材2を連結することが出来る。
【0054】
次に、雄型係止部材23の係止部(雄ねじ)23bについて説明する。
前記雄型係止部材23の係止部23bは、軸方向Y−Yにおける断面を、二等辺三角形又は不等辺三角形が連続してなる形状にして形成されている。
【0055】
また、前記係止部23bの係止山(ねじ山)と、これらにより形成される係止溝(谷部)は、雄型係止部材23の軸心Y−Yを中心とする螺旋状に形成され、係止部23bは、軸芯Y−Yを中心とする最外径が全て同径に形成されている。
【0056】
また、前記雄型係止部材23の係止部である雄ねじ23bの係止山間の間隔(ピッチ)は所望に形成するものである。
【0057】
雌型連結部材1と雄型連結部材2は、前記のような構造を有するために、次のような作用、効果を奏する。
【0058】
前記雌型連結部材1のケーシング3の周壁3bを、周方向に複数に分割したことで、雄型係止部材23を前記従来技術のように、中空状で複数に分割することなく、中実の丸棒形状に形成することが出来、雄型係止部材23の耐久力が向上し、破損する虞がない。
【0059】
また、前記従来の連結具と比較して、構造が単純化でき、構成部品が少なく、製造コストが安価となる。
【0060】
また、雌型連結部材1と雄型連結部材2とが連結状態において、ケーシング3の先端部の外周に拡径防止手段12の後方部が係合することにより、ケーシング3の周壁3bの拡径を防止するため、雌型連結部材1と雄型連結部材2とが抜け方向への力が作用したとしても、拡径防止手段12により、周壁3bの拡径が防止され、雄型係止部材23の係止部23bとケーシング3の周壁3bの内周面との喰合状態を保持することができ、引張り強度を強くすることができる。
【0061】
更に、雌型連結部材1と雄型連結部材2との連結状態において、ケーシング3と拡径防止手段12との間に弾性体10が介在することにより、弾性部材8及び弾性体10によりケーシング3の周壁3bの内周面が、求芯方向に付勢されるため、雄型係止部材23の係止部23bを周壁3bの内周面により喰いこませることができ、喰合状態を強固にすることができ、引張り強度を強くすることができる。
【実施例2】
【0062】
図9は実施例2を示す。
前記実施例1においては、ケーシング3を、雄型係止部材23より柔らかい材質で成形し、ケーシング3の周壁3bの先部の内周面3cは、図1に示すように、円筒状に形成し、雄型係止部材23の外周面に係止部(雄ねじ)23bを刻設したが、実施例2においては、雌型連結部材45のケーシング41を、雄型連結部材46の雄型係止部材42より硬い材質で成形し、ケーシング41の周壁41bの先部の内周面に、図9に示すように、軸方向に係止山と係止溝とが連続する係止部(雌ねじ)43を、ケーシング41の軸芯X−Xを中心とする同径の螺旋状に刻設し、雄型係止部材42の外周面42aを、前面が全て同径の円筒状(無係止面)に形成したものである。
【0063】
前記雄型係止部材42の外周面42aの外径は、図9に示すように、前記周壁41bの内径より大きく設定されている。
【0064】
前記ケーシング41の係止部43は、その軸方向X−Xにおける断面を、二等辺三角形又は不等辺三角形が連続してなる形状に形成されている。
【0065】
また、前記係止部43の係止部(ねじ山)と、これらにより形成される係止溝(谷部)は、軸芯X−Xを中心とする螺旋状に形成され、その最内径が全て同径に形成され、また、係止山間の間隔(ピッチ)は所望に形成する。
【0066】
その他の構造については、前記実施例1と同様の構造を有するため、前記と同一部材には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0067】
また、本実施例2においても前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
【実施例3】
【0068】
前記実施例1においては、雄型係止部材23の係止部23bの係止山及び係止溝を螺旋状に形成し、前記実施例2においては、ケーシング41の係止部43の係止山及び係止溝を螺旋状に形成したが、この雄型係止部材23の係止部23bの係止溝、及びケーシング41の係止部43の係止溝を、軸心Y−Y、X−Xに対して直交する環状の非傾斜溝に形成し、複数の溝を平行させてもよい。つまり、雄型係止部材23の係止部23bの係止山を、前記雄型係止部材23の軸心Y−Yに対して直交する環状に形成し、前記ケーシング41の係止部43の係止山を、前記ケーシング41の軸心X−Xに対して直交する環状の一部で形成し、複数の溝を平行させ並行溝としてもよい。
【0069】
ケーシング41及び雄型係止部材23の係止山の形状は、前記実施例1、2の係止山(ねじ山)と同様の二等辺三角形又は不等辺三角形に形成するものである。また、係止山間の間隔(ピッチ)の寸法は、任意に設定する。
【0070】
その他の構造については、前記実施例1、2と同様の構造を有するため、その説明を省略する。
【0071】
また、本実施例3においても前記実施例1、2と同様の作用、効果を奏する。
【実施例4】
【0072】
前記実施例1乃至3においては、弾性体10をケーシング3の先端部の外周面3aに設けたが、弾性体10を拡径防止手段12の押圧面12aに設けてもよい。
【0073】
その他の構造については、前記実施例1又は2と同様の構造を有するため、その説明を省略する。
【0074】
また、本実施例4においても前記実施例1乃至3と同様の作用、効果を奏する。
【実施例5】
【0075】
前記実施例1乃至4においては、弾性体10を設けたが、例えば図10に示すように、前記弾性体10を設けず、雌型連結部材51と雄型連結部材52とが連結した状態において、ケーシング3、41の先端部の外周面3aと拡径防止手段53の押圧面53aとが直接係合し、拡径防止手段53の先部が、雄型連結部材52を埋設したコンクリート部材35の一部である雄型連結部材52における連結体22の先端面22bと当接するようにしてもよい。なお、図10は実施例5の一例を示すもので、実施例5を前記実施例1に適用したものである。
【0076】
また、ケーシング3、41の先端部の外周面3aは、前記実施例1乃至4と同様に、先端側から奥部側に向って拡径するテーパ状のテーパ面に形成され、前記拡径防止手段53の押圧面53aは、前記実施例1乃至4と同様に、奥部側から開口側に向って縮径するテーパ状のテーパ面に形成されている。
【0077】
その他の構造については、前記実施例1乃至4と同様の構造を有するため、前記と同一部材には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0078】
また、本実施例5においても前記実施例1乃至4と同等の作用、効果を奏する。
【実施例6】
【0079】
前記実施例5においては、ケーシング3、41の先端部の外周面3aを、先端側から奥部側に向って拡径するテーパ状のテーパ面に形成し、拡径防止手段53の押圧面53aを、奥部側から開口側に向って縮径するテーパ状のテーパ面に形成したが、図11に示すように、ケーシング3、41の先端部の外周面3a及び拡径防止手段53の押圧面53aに軸心X−Xを中心とする螺旋状の溝、又は軸心X−Xに対して直交する環状で、複数の溝を平行(以下、平行溝という)に刻設し、かつ、その両面が相互に噛合できる形状に形成してもよい。なお、図11は実施例6の一例を示すもので、実施例6を前記実施例1に適用したものである。
【0080】
その他の構造については、前記実施例1乃至5と同様の構造を有するため、前記と同一部材には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0081】
また、本実施例6においても前記実施例1乃至5と同等の作用、効果を奏する。
【実施例7】
【0082】
前記実施例6においては、ケーシング3、41の先端部の外周面3aと拡径防止手段53の押圧面53aの双方に、螺旋状の溝又は平行溝を形成したが、ケーシング3、41を拡径防止手段53よりも硬い素材を使用し、図12に示すように、ケーシング3、41の先端部の外周面3aのみに軸心X−Xを中心とする螺旋状の溝又は平行溝を形成しても良いし、拡径防止手段53をケーシング3、41よりも硬い素材を使用し、拡径防止手段43の押圧面43aのみに軸心X−Xを中心とする螺旋状の溝又は平行溝を形成しても良い。なお、図12は実施例7の一例を示すもので、実施例7を前記実施例1に適用したものである。
【0083】
その他の構造については、前記実施例1乃至6と同様の構造を有するため、前記と同一部材には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0084】
また、本実施例7においても前記実施例1乃至6と同等の作用、効果を奏する。
更に、本実施例7においては、硬い素材に形成した螺旋状の溝又は平行溝が、柔らかい素材に喰いこみ、ケーシング3、41の先端部の外周面3aと拡径防止手段53の押圧面53aを強固に係合し、よりケーシング3、41の周壁の拡径を防止することができる。
【実施例8】
【0085】
前記実施例1乃至7においては、雄型係止部材23の係止部23bを、軸心Y−Yを中心とする最外径が全て同径に形成し、かつ、ケーシング3の周壁3bの内周面を全て同径に形成し、又は、ケーシング41の係止部43が軸芯X−Xを中心とする最内径が全て同径に形成し、かつ、雄型係止部材42の外周面42aを全て同径に形成したが、図13に示すように、雄型連結部材61の雄型係止部材62の係止部62bの軸芯Y−Yを中心とする最外径が先端部から奥部に向って徐々に拡径するように形成し、雌型連結部材63におけるケーシング64の周壁64bの内周面が先端部から奥部に向って徐々に縮径するように形成してもよいし、雄型連結部材の雄型係止部材の外周面を先端部から奥部に向って徐々に拡径するように形成し、ケーシングの係止部の軸芯X−Xを中心とする最内径が先端部から奥部に向って徐々に縮径するように形成してもよい。なお、図13は実施例8の一例を示すもので、実施例8を前記実施例1に適用したものである。
【0086】
その他の構造については、前記実施例1乃至7と同様の構造を有するため、前記と同一部材には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0087】
また、本実施例8においても前記実施例1乃至7と同様の作用、効果を奏する。
本実施例7は、更に、雄型連結部材61の雄型係止部材62の係止部62bの軸芯Y−Yを中心とする最外径が先端部から奥部に向って徐々に拡径するように形成し、かつ、ケーシング64の周壁64bの内周面が先端部から奥部に向って徐々に縮径するように形成し、又は、雄型連結部材の雄型係止部材の外周面を先端部から奥部に向って徐々に拡径するように形成し、かつ、ケーシングの係止部の軸芯X−Xを中心とする最内径が先端部から奥部に向って徐々に縮径するように形成したことにより、雄型係止部材62の収納室4内への挿入が、前記実施例1乃至7よりも小さな挿入力で行える。
【実施例9】
【0088】
前記実施例1乃至7においては、雄型係止部材23の係止部23bを、軸心Y−Yを中心とする最外径が全て同径に形成し、かつ、ケーシング3の周壁3bの内周面を全て同径に形成し、又は、ケーシング41の係止部43が軸芯X−Xを中心とする最内径が全て同径に形成し、かつ、雄型係止部材42の外周面42aを全て同径に形成したが、図14に示すように、雄型連結部材71の雄型係止部材72の係止部72bの軸芯Y−Yを中心とする最外径が先端部から奥部に向って徐々に縮径するように形成し、雌型連結部材73におけるケーシング74の周壁74bの内周面が先端部から奥部に向って徐々に拡径するように形成してもよいし、雄型連結部材の雄型係止部材の外周面を先端部から奥部に向って徐々に縮径するように形成し、ケーシングの係止部の軸芯X−Xを中心とする最内径が先端部から奥部に向って徐々に拡径するように形成してもよい。図14は実施例9の一例を示したもので、実施例9を前記実施例1に適用したものである。
【0089】
その他の構造については、前記実施例1乃至7と同様の構造を有するため、前記と同一部材には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0090】
また、本実施例9においても前記実施例1乃至7と同様の作用、効果を奏する。
本実施例9は、更に、雄型連結部材71の雄型係止部材72の係止部72bの軸芯Y−Yを中心とする最外径が先端部から奥部に向って徐々に縮径するように形成し、かつ、ケーシング74の周壁74bの内周面が先端部から奥部に向って徐々に拡径するように形成し、又は、雄型連結部材の雄型係止部材の外周面を先端部から奥部に向って徐々に縮径するように形成し、かつ、ケーシングの係止部の軸芯X−Xを中心とする最内径が先端部から奥部に向って徐々に拡径するように形成したことにより、雌型連結部材73と雄型連結部材71とが連結した後は、前記実施例1乃至7の連結具と比較して引張り強度をより強くすることができる。
【実施例10】
【0091】
本実施例10は、前記実施例1における収納室4の奥部の底部に、図15に示すように、案内凹部4cを形成し、前記実施例1における雄型係止部材23の係止部23bの先部に先細状のテーパ部23cを一体形成し、さらに、その先部に、係止部23bより小径の案内凸部40を一体成形したものである。なお、図15は、実施例9の一例を示すもので、実施例9を前記実施例1に適用したものである。
【0092】
雄型連結部材2と雌型連結部材1との連結時において、雄型係止部材23の案内凸部40は、案内凹部4c内に挿入される。
【0093】
その他の構造については、前記実施例1乃至9と同様の構造を有するため、前記と同一部材には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0094】
また、本実施例10においても前記実施例1乃至9と同様の作用、効果を奏する。
本実施例10は、更に、雄型連結部材2と雌型連結部材1との連結時において、雄型係止部材23の案内凸部40が、案内凹部4c内に挿入されるため、雄型係止部材23の軸芯Y−Yを、ケーシング3の係止部6の軸芯X−Xと近づけることができるため、係止部23bを周壁3bの内周面に、又は、本実施例10を実施例2に適用した場合におけるケーシング41の周壁41bの係止部43を雄型係止部材42の外周面42aに均一に近い状態で喰いこませ(喰合す)ることができ、その喰合状態を強固にすることができ、引張り強度を強くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施例1における雌型連結部材の縦断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】本発明の実施例1における雄型係止部材の縦断面図。
【図5】本発明の実施例1における雄型係止部材を収納室内に挿入した状態の部分拡大縦断面図。
【図6】図5の状態から更に、雄型係止部材を収納室内に挿入した状態の部分拡大縦断面図。
【図7】図6の状態から更に、雄型係止部材を収納室内に挿入した状態の部分拡大縦断面図。
【図8】図7の状態から更に、雄型係止部材を収納室内に挿入し、雄型連結部材と雌型連結部材とが連結した状態の部分拡大縦断面図。
【図9】本発明の実施例2における雄型連結部材と雌型連結部材とを連結した状態の部分拡大縦断面図。
【図10】本発明の実施例5の一例における雄型連結部材と雌型連結部材とを連結した状態の部分拡大縦断面図。
【図11】本発明の実施例6の一例における雄型連結部材と雌型連結部材とを連結した状態の部分拡大縦断面図。
【図12】本発明の実施例7の一例における雄型連結部材と雌型連結部材とを連結した状態の部分拡大縦断面図。
【図13】本発明の実施例8の一例における雄型連結部材と雌型連結部材とを連結した状態の部分拡大縦断面図。
【図14】本発明の実施例9の一例における雄型連結部材と雌型連結部材とを連結した状態の部分拡大縦断面図。
【図15】本発明の実施例10の一例における雄型連結部材と雌型連結部材との連結状態を示した部分拡大縦断面図。
【符号の説明】
【0096】
1、45、51、63、73 雌型連結部材
2、46、52、61、71 雄型連結部材
3、41、64、74 ケーシング
3b、41b、64b、74b 周壁
3e 分割溝
4 収納室
5 開口部
8 弾性部材
10 弾性体
12、53 拡径防止手段
23、62、72 雄型係止部材
23b、62b、72b 雌型連結部材の係止部
42a 雄型係止部材の外周面
43 雌型連結部材の係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方が開口する収納室と、該収納室の外周部に設けた周壁とを有するケーシングを有し、前記周壁をその周方向に複数に分割する分割溝を、前記周壁の先端から奥部に向って設け、少なくとも前記周壁の先端から前記分割溝の後方で、かつ、前記周壁の全周に弾性部材を設け、拡径防止手段を設けた雌型連結部材と、
先部に、雄型連結部材の軸方向に係止山と係止溝とが連続する係止部を刻設した雄型係止部材を有する雄型連結部材とで構成される連結具であって、
前記雄型係止部材を、前記雌型連結部材の収納室内に挿入することにより、前記周壁の前部が拡径した後に、縮径して前記雄型連結部材の係止部が、前記周壁の内周面に喰合し、前記拡径防止手段が、前記ケーシングと係合することにより前記周壁の拡径を防止するとともに前記雄型連結部材の係止部を、前記周壁の内周面に喰合させることを特徴とする連結具。
【請求項2】
前方が開口する収納室と、該収納室の外周部に設けた周壁とを有するケーシングを有し、前記周壁の内周面に、雌型連結部材の軸方向に係止山と係止溝とが連続する係止部を刻設し、前記周壁に先端から少なくとも前記係止部の一部までを周方向に複数に分割する分割溝を設け、少なくとも前記周壁の先端から前記分割溝の後方で、かつ、前記周壁の全周に弾性部材を設け、拡径防止手段を設けた雌型連結部材と、
先部に、雄型係止部材を有する雄型連結部材とで構成される連結具であって、
前記雄型係止部材を、前記雌型連結部材の収納室内に挿入することにより、前記周壁の前部が拡径した後に、縮径して前記雌型連結部材の係止部が、前記雄型係止部材の外周面に喰合し、前記拡径防止手段が、前記ケーシングと係合することにより前記周壁の拡径を防止するとともに前記雌型連結部材の係止部を、前記雄型係止部材の外周面に喰合させることを特徴とする連結具。
【請求項3】
前記雌型連結部材と雄型連結部材とが結合した状態において、
前記拡径防止手段の後方部と前記ケーシングの先端部とが係合し、前記拡径防止手段の先部が、前記雄型連結部材を埋設した連結部材と当接することを特徴とする請求項1又は2記載の連結具。
【請求項4】
前記ケーシングの先端部の外周面を、先端側から奥部側に向って拡径するテーパ状に形成し、前記拡径防止手段の後端部の内周面を、奥部側から開口側に向って縮径するテーパ状に形成し、
前記雌型連結部材と雄型連結部材とが結合した状態において、ケーシングの先端部と拡径防止手段の後方部とが係合することを特徴とする請求項1又は2又は3記載の連結具。
【請求項5】
前記ケーシングと、前記拡径防止手段とが係合した際に、ケーシングと拡径防止手段との間に弾性体が介在するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の連結具。
【請求項6】
前記雄型連結部材と前記雌型連結部材を、コンクリート部材に固設したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の連結具。
【請求項7】
前記コンクリート部材は、シールドセグメントであることを特徴とする請求項6記載の連結具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−96340(P2010−96340A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−270118(P2008−270118)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【出願人】(000144016)株式会社三ツ知 (11)
【Fターム(参考)】