説明

連続補虫装置

【課題】従来のはえなどの虫類を補虫する装置は大量の処理ができず、薬害等もあった。又虫の種類を限定して補虫することもできなかった点を改善する。
【解決手段】補虫する虫の好む液体及び気体を回転誘導体18に定着及び噴霧し、虫を誘引して開口空間から閉鎖空間に導き、連続して熱風により処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、虫の種類に応じて捕虫したい虫を限定し、その虫の好む液体及び気体により集めた虫を、回転する誘導体により捕虫部材の中に誘導し、熱風により連続して処理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の捕虫は、薬剤を撒布するか、粘着テープ、又は紫外線及び熱により虫類を集め、固定又は巻き取り式の粘着テープで捕虫するか、高電圧で処理する装置が大半である。捕虫ランプにより集めた虫類を電撃で処理するものとして、特開平8−154556号広報や、特開平6−125688号広報がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これら上記従来の虫類の捕虫装置には、以下の欠点がある。
薬剤の撒布は、常に生活環境を破壊する危険性があって好ましくなく、動植物に対し、完全に無害ではあり得ない問題点があり、虫類を差別なく殺傷する欠点がある。
【0004】
粘着テープでハエを処理するものでは、偶然、粘着テープに止まった虫類のみ捕獲できるが、その効率は、非常に悪く、粘着力も粉塵等により低下し捕虫が不可能になる。しかも次第に粘着力も低下するために取り替える手間や作業が必要になる。
【0005】
虫類を集めるのに熱を利用している装置には、暖かさを好む虫以外に、捕虫することができなく、他の虫にはあまり効果がでない問題点がある。
【0006】
高電圧で虫類を処理するする装置は、処理された虫類が飛散することがあり、食品加工所等では使用する場所に制限を受ける。又、高電圧であるため、取り扱いおよび設置場所に注意が必要である。
【0007】
本発明は、これら従来の捕虫装置が有していた問題を解決しようとするものであり、動植物に対し、無害で効率よく特定の虫を補虫する連続補虫装置を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
虫の好む液体及び気体を噴霧される、回転誘導体に半径方向に仕切り板が適宜間隔をもって複数設け、且つ誘導体の周囲には、外気に解放される開口空間と該開口空間を閉鎖する閉鎖空間が形成され、該閉鎖部は誘導体が回転するに従い開口空間を閉鎖する閉鎖部材が設置されると共に、前記閉鎖部に対応して特定の虫を処理するための熱源を有し、熱風の発生により連続的に補虫できる装置を提供する。
【0009】
熱源は、誘導体の閉鎖空間部分に熱を蓄える空間を別に設け、パイプ状の発熱部材を閉鎖空間の一部として設けるものである。
【0010】
誘導体が回転するにつれて、開口空間から閉鎖空間部に移動し確実に閉鎖さた空間において、熱を蓄えた空間から送風機により、熱風が発生され虫類を処理することができ。
【0011】
有色光源は補虫の補助として、虫類の種類に応じた補虫を強化する。
【0012】
前記回転する誘導体は、液体タンクの外装に装着され駆動用モーターからギヤーを介して誘導体のインナーギヤーに伝達され回転させる。
【0013】
駆動部のモーターには、前記ギヤーに変心カムを備え前記誘導体が1回転する毎に、回転エネルギーを直線エネルギーに変換し、液体噴射ポンプ内ピストンを作動させ適量の液体をジェットノズルより噴射させ、誘導体外面に均一に定着させる方法と、誘引気体を封入した容器から気体を、誘導体外面に均一に噴霧させる方法がある。
【0014】
回転する誘導体の半径方向に仕切板を適宜間隔をもって複数設け、誘導体の周囲には、開口空間と該開口空間を閉鎖する閉鎖部を設け、該閉鎖部は誘導体が回転するに従い開口空間を閉鎖する閉鎖部材が設置されると共に、前記閉鎖部にはヒーターを熱源とした蓄熱空間部が設置され、送風機により、熱風が送風され虫類を処理できる連続補虫装置を提供する。
【0015】
有色光源又は、捕捉する虫の種類に応じた液体及び気体を定着及び噴霧する装置を設置し、特定した虫類に対応して処理が行える連続補虫装置である。本発明は、以上のような構成になる連続補虫装置である。
【発明の課題】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図と共に実施例について説明する。
【0017】
図1及び図2には、本発明の1実施例である連続捕虫装置1が示されている。連続捕虫装置1には、誘導体18、捕虫部材27、発熱部材3、駆動部材誘虫液槽等が示されている。
図1に示す電動機34は、出力軸にギヤー35を介し、インナーギヤー37により誘導体を回転させる。誘導体は片持ち式のため、中間部にボールを組み込んだボールガイド17を配置し、誘導体の回転を安定させる構造となっている。
【0018】
誘導体18は、円筒状として形成することができ、複数枚の仕切板36が適宜の間隔をもって装置されている。開口空間38は、仕切板36を覆うものがなくなるので、虫類が進入する。誘導体18が回転するにつれて、誘導体18、仕切板36と共に閉鎖空間39が形成され、虫類は次第に網目状のキャッチネット27によって囲い込まれて脱出が不可能となるように、該キャッチネット27が誘導体18の周囲の適宜箇所に設けられている。キャッチネット27は網状になっており、虫類の捕虫状況や処理状況が視認できる外、虫類がめくら板に比べ外気圧の変化を感じないために、捕虫しやすい利点がある。
【0019】
虫類を集めるには、各々の虫類が好む液体及び気体をもって行う。その構成は、ポンプユニット2から誘導体18の表面に定期的に、捕虫しようとする虫の好む液体及び気体を誘導体18の表面に均一に定着及び噴霧される。虫の好む液体及び気体とは、揮発性が高く連続して噴霧されても、積層されて硬化することがなく、捕虫を常に有効に行うことが可能とする。捕虫用液体及び気体の注入方法は、ゴムキャップ26を取り外すことで誘虫液層33に簡単に注入及びセットすることが可能とする。
【0020】
電源を入にすると、モーター34が始動し虫類が逃げ出すことのない程度の早さで回転する。誘導体18は、モーター34に直結されているギヤー35を介してインナーギヤー37に伝達され、誘導体18が動き始める。
【0021】
図2に示すように、一つの例として電気回路図が示される。該回路には、発熱部材3内のヒーター42、温度ヒューズ41、有色光源44,モーター34、熱源を送風するファン43等が設けられる。
【0022】
捕虫するためには、本発明で用いる誘虫液体及び気体の他には、色、灯火及び嗜好物、臭気等があるが、虫の種類又は、設置場所に応じ虫集めにはこれらを適宜加え選択して使用することが出来るのは勿論である。有色光源としては、紫外線も用いられる。紫外線は、虫を寄せ集めるために、よく使用されている。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は以上により、薬害等人体に無害な液体及び気体を使用するため危険がなく、完全な無公害・無薬品で虫類の処理が出来る連続捕虫装置である。又粘着テープや高電圧を使用する従来のものと比べて、処理具の取り替えや高電圧による保守のメンテナンスが不要であり、誰にでも取り扱いが簡単である。
【0024】
又、回転して捕虫するので、連続的に行え、又揮発性の高い液体及び気体を使用するため虫の処理も簡単であって、維持や保守も簡単で、更にその処分や運搬の容易であるので、虫類の大量発生にも充分対応出来る。
【0025】
又、装置自体が回転する構造のため、片手で持てる小型、軽量化ができ、室内装飾としても違和感のない形状である。一般家庭、レストランや病院など用途は多岐にわたる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施例である連続捕虫装置全体の正面図である。
【図2】上記連続捕虫装置の駆動部や液体及び気体の噴射ポンプ等を示す側面図である。
【図3】誘導体、捕虫方法を示す側面図である。
【図4】本発明の連続捕虫装置に使用される電気回路図である。
【符号の説明】
【0027】
1 ドライブユニット
2 ポンプユニット
3 発熱部材
4 ダストボックス
15 誘導体セットブロック
18 誘導体
26 注入ゴムキャップ
27 捕虫部材
30 サイドキャップ
33 誘虫液槽
34 電動機
35 ギヤー
36 仕切板
37 インナーギヤー
38 開口空間
39 閉鎖空間
41 温度ヒューズ
42 ワームヒータ
43 キラーファン(熱風送風機)
44 有色照明
45 ヒューズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕獲を必要とする虫を限定して捕虫するために、虫の種類に応じ各々の好む液体又は気体を誘引材として、捕虫する特徴をもった連続補虫装置。
【請求項2】
虫の好む液体又は気体を適量貯蔵できるタンク、回転する誘導体に仕切板を適宜間隔もって複数設け、外気に開放される空間と閉鎖空間を有し、誘導体に定期的に虫の好む液体及び気体を噴霧又は定着させることで、特定した虫を誘引し、閉鎖空間部で、虫に対し熱風を吹きかけ捕虫することを特徴とする請求項1記載の連続補虫装置。
【請求項3】
虫の好む液体又は気体を、回転する誘導体の内部に貯蔵することで、無駄な貯蔵タンクを設置することなく、容量も長期間使用できる量が確保できる。又、装置の大きさも補虫装置として、小型化が実現できる連続補虫装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−35847(P2008−35847A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−236644(P2006−236644)
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【出願人】(506296581)
【Fターム(参考)】