説明

遅延情報サービスシステム、情報設定方法、情報設定プログラム及び携帯端末

【課題】交通情報管理センターサーバに大きな負荷をかけることなく、携帯端末にてアラーム時刻の再設定を行うと共に、サーバからの遅延情報メールの送信は最小限であり、携帯端末に負担をかけることなく、必要な遅延情報のみを携帯端末に通知する。
【解決手段】ユーザが交通情報管理センターサーバに登録した利用交通ルートにある交通機関の遅延が発生し、かつ、その遅延時間が、ユーザが登録したアラーム時刻を含むユーザ利用時間帯内であるときに、交通情報管理センターサーバによって作成されて、ユーザが登録した携帯端末のメールアドレス宛に遅延情報サービスメールが送信される。このサービスメールを携帯端末が受信すると、そのサービスメールから遅延時間を抽出して新たなアラーム時刻を計算して再設定を行う(A4〜A7)。ここで、遅延時間の長さに応じて、再設定された新たなアラーム時刻で発生するアラーム音の音を変える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遅延情報サービスシステム、情報設定方法、情報設定プログラム及び携帯端末に係り、特に交通情報管理センターサーバから配信された遅延情報サービスメールに基づいて、予め登録してあるアラーム時刻やアラーム音を携帯端末に再設定する遅延情報サービスシステム、情報設定方法、情報設定プログラム及び受信した遅延情報を再設定する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
各種交通機関の交通情報を維持管理するサーバと目覚まし機能を有するクライアントとがインターネットを介して接続するシステムであって、ユーザが起床時刻及び利用する交通機関をクライアントに通知すると、クライアントが当該起床時刻に先立って当該交通機関の交通情報を前記サーバに対して要求し、そのサーバが対応する交通情報をクライアントに提供すると、クライアントが取得した交通情報に応じてユーザが設定した起床時刻を自動再設定するアラームシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このアラームシステムでは、サーバが道路利用の交通機関を管理する場合は道路渋滞情報を参照し、公共交通機関を管理する場合は公共交通機関運行情報を参照し、参照した交通情報をクライアントに送信する。クライアントは受信した交通情報から作成時刻及び遅延情報を抽出し、遅延情報の内容から当該交通機関に遅れがあると判断されれば、当該遅延情報から遅延時間を抽出して、その遅延時間とユーザが設定した起床時刻とから自動再設定する起床時刻を計算して設定する。これにより、クライアントは、現在時刻が自動再設定した起床時刻に達すると、アラーム音を発したり、所定の映像を表示することで、ユーザに最適な起床時刻を報知する。このクライアントは携帯端末であってもよい。
【0004】
【特許文献1】特開2002−303687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1記載のシステムでは、例えば、起床から通勤電車に乗るまでの、身支度時間の長短、駅までに要する時間の長短、等により、同じ電車に乗るユーザでも起床時間はバラバラであり、その個々のユーザ毎に異なるアラーム時刻を、サーバが管理し、更に、交通情報に応じて新たなアラーム時刻の再計算を行う必要があり、サーバの負荷が大きいという問題がある。
【0006】
また、上記の特許文献1記載のシステムでは、サーバの情報からクライアントが新たなアラーム時刻を再計算し、起床時刻の再設定を行うことが可能であるが、交通機関の遅延有無に関係なく、毎回通知が送信されるのでパケット代が増加し、それがユーザの負担になるという問題がある。更に、このシステムでは、遅延時間の長さと関係なく、アラーム音が常に同じであるため、ユーザが直感的に遅延情報の緊急度が分からないという問題もある。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、サーバに大きな負荷をかけることなく、アラーム時刻の再設定を行い得る遅延情報サービスシステム、情報設定方法、情報設定プログラム及び携帯端末を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明の他の目的は、ユーザに負担をかけることなく、遅延情報を通知することが可能な遅延情報サービスシステム、情報設定方法、情報設定プログラム及び携帯端末を提供することにある。
【0009】
更に、本発明の他の目的は、緊急度をユーザに直感的に通知することが可能な遅延情報サービスシステム、情報設定方法、情報設定プログラム及び携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明の遅延情報サービスシステムは、ユーザの利用交通ルートとアラーム時刻の通知時間帯を、ユーザのメールアドレスと共に記憶するデータベースと、
データベースに記憶されている利用交通ルートの交通の時間遅延が、データベースに記憶されているユーザのアラーム時刻の通知時間帯で発生したとき、その遅延時間を含む遅延情報サービスメールをデータベースに記憶されているユーザのメールアドレスに配信する交通情報管理センターサーバと、
ユーザが所有しており、遅延情報サービスメールを、通信ネットワークを介して受信し、受信した遅延情報サービスメールから遅延時間を抽出し、抽出した遅延時間に応じて計算した新たなアラーム時刻を、予め初期設定しているアラーム時刻に替えて再設定し、現時刻が再設定されたアラーム時刻に達した時に音声及び/又は画像にてアラームを発生する携帯端末とを有することを特徴とする。
【0011】
また、上記の目的を達成するため、本発明の情報設定方法は、ユーザの利用交通ルートとアラーム時刻の通知時間帯を、ユーザのメールアドレスと共に交通情報管理センターサーバのデータベースに登録する第1のステップと、データベースに登録されている利用交通ルートの交通の時間遅延が、データベースに記憶されているユーザのアラーム時刻の通知時間帯で発生したとき、その遅延時間を含む遅延情報サービスメールを交通情報管理センターサーバが生成してデータベースに記憶されているユーザのメールアドレスに配信する第2のステップと、ユーザが所有している携帯端末に、遅延情報サービスメールを通信ネットワークを介して受信させる第3のステップと、携帯端末が受信した遅延情報サービスメールから遅延時間を抽出し、抽出した遅延時間に応じて計算した新たなアラーム時刻を、予め初期設定しているアラーム時刻に替えて再設定する第4のステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、上記の目的を達成するため、本発明の情報設定プログラムは、データベースに記憶されている利用交通ルートの交通の時間遅延が、データベースに記憶されているユーザのアラーム時刻の通知時間帯で発生したとき、その遅延時間を含む遅延情報サービスメールをデータベースに記憶されているメールアドレスに配信する交通情報管理センターサーバに通信ネットワークを介して接続可能な、ユーザが所有しているメールアドレスの携帯端末内のコンピュータにより情報設定を行わせる情報設定プログラムであって、上記コンピュータを、
データベースに登録されている利用交通ルートの交通の時間遅延が、データベースに記憶されているユーザのアラーム時刻の通知時間帯で発生したとき、その遅延時間を含む遅延情報サービスメールを、交通情報管理センターサーバから通信ネットワークを介して受信する第1のステップと、携帯端末が受信した遅延情報サービスメールから遅延時間を抽出し、抽出した遅延時間に応じて計算した新たなアラーム時刻を、予め初期設定しているアラーム時刻に替えて再設定する第2のステップと、して機能させることを特徴とする。
【0013】
更に、上記の目的を達成するため、本発明の携帯端末は、データベースに記憶されている利用交通ルートの交通の時間遅延が、データベースに記憶されているユーザのアラーム時刻の通知時間帯で発生したとき、その遅延時間を含む遅延情報サービスメールをデータベースに記憶されているユーザのメールアドレスに配信する交通情報管理センターサーバに通信ネットワークを介して接続可能な、ユーザが所有している携帯端末であって、遅延情報サービスメールを、通信ネットワークを介して受信するメール受信手段と、受信した遅延情報サービスメールから遅延時間を抽出する抽出手段と、抽出した遅延時間に応じて新たなアラーム時刻を計算する計算手段と、予め初期設定しているアラーム時刻に替えて計算手段で計算した新たなアラーム時刻を再設定する再設定手段と、現時刻が再設定されたアラーム時刻に達した時に音声及び/又は画像にてアラームを発生するアラーム発生手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、サーバが交通情報送信のみで、新たなアラーム時刻の再計算が不要なので、サーバの負担が軽くなると共に、交通機関が正常運行時、または、ユーザ利用時間帯以外の場合には、遅れが発生していても、サーバから関連遅延情報メールが送信されないので、パケット代の減少により携帯端末への負担が軽くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。
【0016】
図1は、本発明になる遅延情報サービスシステムの一実施形態のシステム構成図を示す。同図において、本実施形態の遅延情報サービスシステムは、交通情報管理センターサーバ1と、ユーザ情報/交通情報データベース(DB)2と、携帯端末3とから構成されている。これらの交通情報管理センターサーバ1は、少なくとも中央処理装置(CPU)101と、CPU101に本実施形態の所定の動作を実現させるためのソフトウェア・プログラムを記憶している記憶装置102と、インターネット4との送受信部などを備えている。
【0017】
また、ユーザ情報/交通情報DB2及び携帯端末3は、記憶装置102から読み出したソフトウェア・プログラムを、CPU101において実行することにより動作し、通信ネットワーク(ここでは、インターネット4および公衆無線電話網5)を介して相互に接続されている。なお、図2において、インターネット4で図示されている通信網は、インターネット以外の通信網でもよい。
【0018】
交通情報管理センターサーバ1は、ホームページを開設し、携帯端末3からのアクセスに応じて交通情報サービス利用登録対応、ユーザ情報/交通情報データの収集・管理・蓄積する手段を有する。また、遅れ発生時に遅延情報サービスメールを作成し、その遅延情報サービスメールをインターネット4および公衆無線電話網5を介して携帯端末3のユーザに送信する手段を有する。これらの手段は、CPU101及び記憶装置102と図示しない送受信部とにより実現される。
【0019】
ユーザ情報/交通情報DB2は、常に最新のユーザ情報/交通情報を格納している。また、ユーザの利用交通ルートとアラーム時刻の通知時間帯が、ユーザ毎にユーザの形態受信メールアドレスと共に対応付けてユーザ情報として登録される。交通情報管理センターサーバ1は、ユーザ情報/交通情報DB2への情報の書き込み、並びに情報の読み出しを行うことができる。携帯端末3は、公衆無線電話網5を介してインターネット4に接続する手段を有する携帯電話装置であり、本発明の携帯端末である。
【0020】
図2は本発明になる携帯端末の一実施形態のブロック図を示す。同図において、端末全体の動作を統括的に制御するCPU等からなる制御部301と、制御部301により所定の動作を実行させるための制御プログラム(情報設定プログラム)が記憶されており、また所定の演算のためのメモリとしても用いられる記憶部302と、文字や数字や記号などの入力のための入力部303と、各種のアラーム音を発生させるアラーム音発生部304と、時刻を計時する時計部305とを有する。また、図2に示すように、本発明の携帯端末は、各種の画像を表示する表示部306と、受話音声、着信音、アラーム音などを発音するスピーカ307と、送話音声を収音するためのマイク308と、スピーカ307へ供給する音声信号及びマイク308で得られた音声信号を処理する音声処理部309と、送信信号や受信信号の処理を行う信号処理部310と、アンテナ312を介して公衆無線電話網5の最寄りの基地局(図示せず)との間で無線通信する無線部311と、表示部306を駆動して画像表示する表示駆動部313とを有する構成とされている。
【0021】
この図2のブロック図の構成とされている携帯端末3は、公衆無線電話網5などを介して所望の相手端末との間で、電話通信やメール送受信を行う既存の周知の機能を有する他に、これに加えて、公衆無線電話網5とインターネット4を介して交通情報管理センターサーバ1にアクセスし、交通情報管理センターサーバ1が開設しているホームページと交通情報サービス利用登録のための情報をやり取りし、表示部306に表示する機能と、インターネット4及び公衆無線電話網5を介して交通情報管理センターサーバ1から送信された遅延情報サービスメールを、アンテナ312、無線部311を介して受信し、信号処理部310で信号処理した後、制御部301が後述するフローチャートに従って本実施形態特有の各処理を行う機能を有する。
【0022】
次に、図1、図2の実施形態の動作について、図3及び図4のフローチャートと共に詳細に説明する。ここで、図3は、図1に示した本実施形態の遅延情報サービスシステムの全体の動作を示すフローチャート、図4は、交通情報サービス利用登録の動作を示すフローチャートである。
【0023】
まず、携帯端末3が交通情報サービス利用登録が完了されているかどうか判定し(図3のステップA1)、交通情報サービス利用登録が完了されていない場合は、交通情報サービス利用登録を行う(図3のステップA2)。このステップA2の交通情報サービス利用登録の動作処理は、図4のフローチャートに従って行われる。
【0024】
すなわち、携帯端末3が公衆無線電話網5及びインターネット4を介して交通情報管理センターサーバ1にアクセスし(図4のステップB1)、交通情報サービス利用登録を行う場合には(図4のステップB2)、ユーザ情報(携帯受信用メールアドレス/利用交通ルート/サービス利用時間帯)の入力を行い(図4のステップB3)、ユーザ登録を完了させる(図4のステップB4)。上記のユーザ情報は、交通情報管理センターサーバ1を通してユーザ情報/交通情報DB2に記憶(登録)される。
【0025】
このようにして、ステップA2、B1〜B4で交通情報サービス利用登録を完了後、又は既に交通情報サービス利用登録が完了しているとステップA1で判定された場合は、次に、携帯端末3は、インターネット4及び公衆無線電話網5を介して交通情報管理センターサーバ1から送信された遅延情報サービスメールを、図2のアンテナ312及び無線部311を介して受信したかを制御部301にて判定する(図3のステップA3)。この判定は、受信メールの文字照合等の公知の方法(図示せず)で行う。
【0026】
ここで、上記の遅延情報サービスメールは、ユーザが交通情報管理センターサーバ1に、登録した利用交通ルートにある交通機関の事故や工事や天災などによる遅延、あるいは道路渋滞などの遅延が発生し、かつ、その遅延時間が、ユーザが登録した起床時刻などのアラーム時刻を含むユーザ利用時間帯内であるときに、交通情報管理センターサーバ1によって作成されて、ユーザが登録した携帯端末3のメールアドレス宛に送信される遅延情報を通知するためのメールである。なお、具体的な遅れ時間の算出方法や代替交通機関利用等は、本発明とは直接関係しないので、詳細な説明は省略する。本発明では、遅れ情報のみを利用する(以下同様)。
【0027】
携帯端末3の制御部301は、ステップA3で遅延情報サービスメールを受信したと判定した場合は、その遅延情報サービスメールに記述されている遅延時間を抽出すると共に、新たなアラーム時刻を計算する(図3のステップA4)。ここで、計算される上記の新たなアラーム時刻は、遅延があっても通常の到着時刻に所定の場所に到着できるように、ユーザが登録した通常設定のアラーム時刻よりも、遅延時間に応じて早めに設定される時刻である。
【0028】
続いて、携帯端末3の制御部301は、抽出した遅延時間がN(説明のためここではNを30分とする。以下同様)分未満であるかどうか判定する(図3のステップA5)。遅延時間がN分未満である場合には、新たなアラーム起動時刻の再設定を行うと同時に、初期設定している(通常の)アラーム音と異なる音(アラーム音A)を図2のアラーム音発生部304が発生するように再設定を行う(図3のステップA6)。
【0029】
一方、制御部301は遅延時間がN分以上であるとステップA5で判定した場合は、新たなアラーム起動時刻の再設定を行うと同時に、通常のアラーム音や上記のアラーム音Aとそれぞれ異なる音(アラーム音B)を図2のアラーム音発生部304が発生するように再設定を行う(図3のステップA7)。
【0030】
制御部301は、時計部305の現在時刻が再設定されたアラーム起動時刻に達すると、アラーム音発生部304に再設定されたアラーム音に対応する音声信号を発生させ、その音声信号を音声処理部309を通してスピーカ307に供給し、ここで電気−音響変換させてアラーム音を発音させる。
【実施例1】
【0031】
次に、上記のステップA4〜A7の処理の実施例1について説明する。いま、ユーザが、利用交通ルートはJR南武線で、利用時間帯は午前5:00−9:00とし、向河原駅午前7:30発の川崎行き電車に乗車するものとする。また、携帯端末のアラーム時刻は午前6:30に設定していることとする(以下同様)。
【0032】
ここで、JR南武線が例えば、台風の影響により徐行運転中のため、20分程度の遅れを予想という遅延情報サービスメールを交通情報管理サーバ1が配信したものとする。この場合、携帯端末3が上記ステップA3で当該遅延情報サービスメールを受信して、上記ステップA4で遅延時間(例では20分)の抽出及び新たなアラーム時刻の計算を行う。新たなアラーム時刻は、通常のアラーム時刻である午前6:30よりも遅延時間20分だけ早い午前6:10に計算される。
【0033】
続くステップA5で遅延時間はN(=30)分未満と判定されるので、制御部301はステップA6で午前6:30から午前6:10に新たなアラーム時刻の再設定を行うと同時に、アラーム音A(例えば、通常のアラーム音と同じメロディーだが、音量は大きい。)の再設定を行う。
【0034】
これにより、携帯端末3のユーザは、再設定されたアラーム時刻の午前6:10で発生されるアラーム音Aで目覚めると同時に、電車遅れが30分未満であることをアラーム音の音量から直感的に認識でき、ゆっくりする余裕がないことが分かる。
【実施例2】
【0035】
次に、上記のステップA4〜A7の処理の実施例2について説明する。アラーム時刻が実施例1と同じ設定状態において、交通情報管理サーバ1が配信する上記の遅延情報サービスメールを受信し、その遅延情報サービスメールが例えば遅延時間40を示している場合は、携帯端末3が上記ステップA4で遅延時間(ここでは40分)の抽出及び新たなアラーム時刻の計算を行う。新たなアラーム時刻は、通常のアラーム時刻よりも遅延時間40分だけ早い午前5:50に計算される。
【0036】
続くステップA5で遅延時間はN(=30)分以上と判定されるので、制御部301はステップA6で午前6:30から午前5:50に新たなアラーム時刻の再設定を行うと同時に、アラーム音B(例えば、通常のアラーム音とは異なるデジタル的なアラーム音で音量も大きい。)の再設定を行う。
【0037】
これにより、携帯端末3のユーザは、再設定されたアラーム時刻の午前5:50で発生されるアラーム音Bで目覚めると同時に、電車遅れが30分以上であることをアラーム音の音調と音量とから直感的に認識でき、電車が相当遅れていることを直感的に認識でき、一刻も早く身支度を行い、出かける必要があることが分かる。
【0038】
なお、JR南武線が通常運転中、または、遅延が発生しても遅延時間が上記ユーザ利用時間帯以外の場合には、交通情報管理センターサーバ1は遅延情報サービスメールを配信しないため、携帯端末3も遅延情報サービスメールを受信することがないので、交通情報サービス利用登録時に設定登録した通常のアラーム時刻にて、予め設定されている通常のアラーム音を発生する。日々の多くはこの動作パターンである。
【0039】
また、上記の遅延時間の長短の閾値であるN分は、ユーザがメニュー操作で設定変更可能である。また、交通情報管理センターサーバ1から遅延情報サービスメールは送信されたが、具体的な遅延時間の情報までは送信されていなかった場合、あるいは遅延情報を抽出できなかった場合には、予め定めておいた時間(例、60分)前にアラームの再設定を行うと同時に、上記アラーム音Bの再設定を行うようにしてもよい。
【0040】
このように、本実施形態及び実施例では、携帯端末3が、受信メールを文字照合等の方法で遅延情報サービスメールであると判断すると(ステップA3)、遅延情報サービスメールから遅延時間の抽出及び新たなアラーム時刻の計算を行い(ステップA4)、抽出した遅延時間はN分未満である場合には、新たなアラーム起動時刻の再設定を行うと同時に、通常のアラーム音と異なる音(アラーム音A)の再設定を行い(ステップA5、A6)、抽出した遅延時間がN分以上である場合には、新たなアラーム起動時刻の再設定を行うと同時に、通常のアラーム音及びアラーム音Aとそれぞれ異なる音(アラーム音B)の再設定を行う(ステップA5、A7)ようにしたため、交通情報管理センターサーバ1が遅延情報送信のみで、新たなアラーム時刻の再計算は不要なので、交通情報管理センターサーバ1の負担が軽くなるという効果がある。
【0041】
また、本実施形態では、交通機関が正常運行時で遅延時間が無い場合、又は発生した遅延時間帯がユーザ利用時間帯以外(つまり利用交通ルートの遅延情報サービスメール受信なし)の場合には、通常のアラームを行うようにしたため、ユーザ利用時間帯以外の場合には、遅れが発生していても、交通情報管理センターサーバ1から遅延情報サービスメールが送信されないので、その分パケット代が減少しユーザへの負担が軽くなるという効果がある。
【0042】
更に、本実施形態では、携帯端末3が遅延情報を利用して通常設定のアラーム時刻より早めにアラーム時刻を計算させると同時に、遅延時間の長さに応じて異なるアラーム音A又はBの再設定を行うようにしたため、緊急度をユーザにアラーム音により直感的に通知することができるという効果もある。
【0043】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。この実施形態では、上述した実施形態で再設定された新たなアラーム時刻でアラーム音A又はBが発音された場合、ユーザがそのアラーム音の発音を止めた時、携帯端末3がその時点での最新の関連交通情報又はTVニュースを自動的に受信して表示部の画面に表示する手段を有する。この実施形態によれば、ユーザが最新の関連交通情報を視覚で確認することができる。
【0044】
また、本発明の更に他の実施形態では、デジタルTV機能を持つ携帯端末の場合において、携帯端末に利用する交通ルートを事前に設定(登録)しておき、その携帯端末がデジタルTVのデータ放送情報から、ユーザが設定した交通ルートの関連遅延情報があるか否かを自動的にチェックし、関連遅延情報があった場合には、その関連遅延交通情報に応じてアラーム時刻の再設定を行う。この実施形態によれば、ユーザが交通情報管理センターサーバ1にアクセスして交通情報サービスの利用登録をしなくても、遅延防止のためのアラーム時刻の再設定が自動的にできる。この場合、アラーム時刻の再設定だけでなく、アラーム音の再設定も行ってもよいことは勿論である。
【0045】
なお、上記の実施形態では、遅延時間に応じてアラーム音の音声形態(音量、メロディー、音色、テンポ等)を変えているが、同じであってもよい。この場合は、遅延時間に応じて新たに計算されたアラーム時刻で同一のアラーム音が発音されることになるが、アラーム音が発音される時刻が遅延時間に応じて変化するので、その時間に応じてユーザは遅延時間の長短をある程度判定できるからである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の遅延情報サービスシステムの一実施形態のシステム構成図である。
【図2】本発明の携帯端末の一実施形態のブロック図である。
【図3】図1の全体動作説明用のフローチャートである。
【図4】図3中の交通情報サービス利用登録の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1 交通情報管理センターサーバ
2 ユーザ情報/交通情報データベース(DB)
3 携帯端末
4 インターネット
5 公衆無線電話網
101 中央処理装置(CPU)
102 記憶装置
301 制御部
302 記憶部
304 アラーム音発生部
305 時計部
306 表示部
307 スピーカ
311 無線部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの利用交通ルートとアラーム時刻の通知時間帯を、ユーザのメールアドレスと共に記憶するデータベースと、
前記データベースに記憶されている前記利用交通ルートの交通の時間遅延が、前記データベースに記憶されているユーザの前記アラーム時刻の通知時間帯で発生したとき、その遅延時間を含む遅延情報サービスメールを前記データベースに記憶されている前記ユーザのメールアドレスに配信する交通情報管理センターサーバと、
前記ユーザが所有しており、前記遅延情報サービスメールを、通信ネットワークを介して受信し、受信した前記遅延情報サービスメールから前記遅延時間を抽出し、抽出した前記遅延時間に応じて計算した新たなアラーム時刻を、予め初期設定しているアラーム時刻に替えて再設定し、現時刻が再設定された前記アラーム時刻に達した時に音声及び/又は画像にてアラームを発生する携帯端末と
を有することを特徴とする遅延情報サービスシステム。
【請求項2】
前記携帯端末は、抽出した前記遅延時間が予め設定した閾値未満のときは、前記初期設定しているアラーム時刻に現時刻が達したときに発生する第1のアラーム音とは異なる第2のアラーム音を発音し、抽出した前記遅延時間が前記閾値以上のときは、前記第1及び第2のアラーム音とは異なる第3のアラーム音を発音することを特徴とする請求項1記載の遅延情報サービスシステム。
【請求項3】
前記携帯端末は、前記遅延情報サービスメールから前記遅延時間を抽出できなかった場合は、予め定めた時間に応じて計算した新たなアラーム時刻を、前記予め初期設定しているアラーム時刻に替えて再設定することを特徴とする請求項1記載の遅延情報サービスシステム。
【請求項4】
前記携帯端末は、抽出した前記遅延時間に応じて、前記新たなアラーム時刻を前記予め初期設定しているアラーム時刻よりも早めた時刻に再設定することを特徴とする請求項1又は2記載の遅延情報サービスシステム。
【請求項5】
前記携帯端末は、発生された前記アラームの停止操作が行われたとき、その停止時点での関連交通情報画面又はTVニュース画面を表示する手段を更に有することを特徴とする請求項1又は2記載の遅延情報サービスシステム。
【請求項6】
前記携帯端末は、デジタルTV受信機能を有しており、デジタルTVのデータ放送の受信情報から、ユーザが事前に設定した交通ルートの関連遅延情報があるか否かを自動的にチェックし、前記関連遅延情報があった場合には、その関連遅延交通情報に応じて予め初期設定している前記アラーム時刻の再設定を行う手段を更に有することを特徴とする請求項1又は2記載の遅延情報サービスシステム。
【請求項7】
ユーザの利用交通ルートとアラーム時刻の通知時間帯を、ユーザのメールアドレスと共に交通情報管理センターサーバのデータベースに登録する第1のステップと、
前記データベースに登録されている前記利用交通ルートの交通の時間遅延が、前記データベースに記憶されているユーザの前記アラーム時刻の通知時間帯で発生したとき、その遅延時間を含む遅延情報サービスメールを前記交通情報管理センターサーバが生成して前記データベースに記憶されている前記ユーザのメールアドレスに配信する第2のステップと、
前記ユーザが所有している携帯端末に、前記遅延情報サービスメールを通信ネットワークを介して受信させる第3のステップと、
前記携帯端末が受信した前記遅延情報サービスメールから前記遅延時間を抽出し、抽出した遅延時間に応じて計算した新たなアラーム時刻を、予め初期設定しているアラーム時刻に替えて再設定する第4のステップと、
を含むことを特徴とする情報設定方法。
【請求項8】
前記第4のステップにより、前記遅延情報サービスメールから前記遅延時間を抽出できなかった場合は、予め定めた時間に応じて計算した新たなアラーム時刻を、前記予め初期設定しているアラーム時刻に替えて再設定する第5のステップを更に含むことを特徴とする請求項7記載の情報設定方法。
【請求項9】
前記第4のステップは、抽出した前記遅延時間に応じて、前記新たなアラーム時刻を前記予め初期設定しているアラーム時刻よりも早めた時刻に再設定することを特徴とする請求項7又は8記載の情報設定方法。
【請求項10】
前記第4のステップにより再設定したアラーム時刻に現時刻が達した時に、前記携帯端末に音声及び/又は画像にてアラームを発生させる第6のステップを更に含むことを特徴とする請求項7記載の情報設定方法。
【請求項11】
前記第6のステップは、前記第4のステップにより抽出した前記遅延時間が予め設定した閾値未満のときは、前記初期設定しているアラーム時刻に現時刻が達したときに発生する第1のアラーム音とは異なる第2のアラーム音を発音し、抽出した前記遅延時間が前記閾値以上のときは、前記第1及び第2のアラーム音とは異なる第3のアラーム音を発音することを特徴とする請求項10記載の情報設定方法。
【請求項12】
データベースに記憶されている利用交通ルートの交通の時間遅延が、前記データベースに記憶されているユーザのアラーム時刻の通知時間帯で発生したとき、その遅延時間を含む遅延情報サービスメールを前記データベースに記憶されているメールアドレスに配信する交通情報管理センターサーバに通信ネットワークを介して接続可能な、前記ユーザが所有している前記メールアドレスの携帯端末内のコンピュータにより情報設定を行わせる情報設定プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記データベースに登録されている前記利用交通ルートの交通の時間遅延が、前記データベースに記憶されているユーザの前記アラーム時刻の通知時間帯で発生したとき、その遅延時間を含む遅延情報サービスメールを、前記交通情報管理センターサーバから通信ネットワークを介して受信する第1のステップと、
前記携帯端末が受信した前記遅延情報サービスメールから前記遅延時間を抽出し、抽出した遅延時間に応じて計算した新たなアラーム時刻を、予め初期設定しているアラーム時刻に替えて再設定する第2のステップと、
して機能させることを特徴とする情報設定プログラム。
【請求項13】
前記第2のステップにより、前記遅延情報サービスメールから前記遅延時間を抽出できなかった場合は、予め定めた時間に応じて計算した新たなアラーム時刻を、前記予め初期設定しているアラーム時刻に替えて再設定する第3のステップを更に含むことを特徴とする請求項12記載の情報設定プログラム。
【請求項14】
前記第2のステップは、抽出した前記遅延時間に応じて、前記新たなアラーム時刻を前記予め初期設定しているアラーム時刻よりも早めた時刻に再設定することを特徴とする請求項12又は13記載の情報設定プログラム。
【請求項15】
前記第2のステップにより再設定したアラーム時刻に現時刻が達した時に、前記携帯端末に音声及び/又は画像にてアラームを発生させる第4のステップを更に含むことを特徴とする請求項12記載の情報設定プログラム。
【請求項16】
前記第4のステップは、前記第2のステップにより抽出した前記遅延時間が予め設定した閾値未満のときは、前記初期設定しているアラーム時刻に現時刻が達したときに発生する第1のアラーム音とは異なる第2のアラーム音を発音し、抽出した前記遅延時間が前記閾値以上のときは、前記第1及び第2のアラーム音とは異なる第3のアラーム音を発音することを特徴とする請求項15記載の情報設定プログラム。
【請求項17】
データベースに記憶されている利用交通ルートの交通の時間遅延が、前記データベースに記憶されているユーザのアラーム時刻の通知時間帯で発生したとき、その遅延時間を含む遅延情報サービスメールを前記データベースに記憶されているメールアドレスに配信する交通情報管理センターサーバに通信ネットワークを介して接続可能な、前記ユーザが所有している前記メールアドレスの携帯端末であって、
前記遅延情報サービスメールを、通信ネットワークを介して受信するメール受信手段と、
受信した前記遅延情報サービスメールから前記遅延時間を抽出する抽出手段と、
抽出した前記遅延時間に応じて新たなアラーム時刻を計算する計算手段と、
予め初期設定しているアラーム時刻に替えて前記計算手段で計算した前記新たなアラーム時刻を再設定する再設定手段と、
現時刻が再設定された前記アラーム時刻に達した時に音声及び/又は画像にてアラームを発生するアラーム発生手段と
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項18】
前記アラーム発生手段は、前記抽出手段により抽出した前記遅延時間が予め設定した閾値未満のときは、前記初期設定しているアラーム時刻に現時刻が達したときに発生する第1のアラーム音とは異なる第2のアラーム音を発音し、前記抽出した遅延時間が前記閾値以上のときは、前記第1及び第2のアラーム音とは異なる第3のアラーム音を発音することを特徴とする請求項17記載の携帯端末。
【請求項19】
前記再設定手段は、前記抽出手段により前記遅延情報サービスメールから前記遅延時間を抽出できなかった場合は、予め定めた時間に応じて計算した新たなアラーム時刻を、前記予め初期設定しているアラーム時刻に替えて再設定することを特徴とする請求項17記載の携帯端末。
【請求項20】
前記再設定手段は、前記抽出手段により抽出した前記遅延時間に応じて、前記新たなアラーム時刻を前記予め初期設定しているアラーム時刻よりも早めた時刻に再設定することを特徴とする請求項17又は18記載の携帯端末。
【請求項21】
前記アラーム発生手段により発生された前記アラームの停止操作が行われたとき、その停止時点での関連交通情報画面又はTVニュース画面を表示する手段を更に有することを特徴とする請求項17乃至20のうちいずれか一項記載の携帯端末。
【請求項22】
デジタルTV受信機能を有しており、デジタルTVのデータ放送の受信情報から、ユーザが事前に設定した交通ルートの関連遅延情報があるか否かを自動的にチェックし、前記関連遅延情報があった場合には、その関連遅延交通情報に応じて前記予め初期設定しているアラーム時刻の再設定を行う手段を更に有することを特徴とする請求項17乃至20のうちいずれか一項記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−92490(P2009−92490A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262841(P2007−262841)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】