説明

遅延素子のテスト制御装置およびメモリコントローラ回路

【課題】比較する遅延素子群の最小単位数を少なくすることができ、遅延素子のテスタの検査精度を向上することができる遅延素子のテスト制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の遅延素子を直列接続した遅延回路13に設けられ、直列接続した遅延素子を等分数に分割しておき、等分数に分割した後のそれぞれの遅延素子群からの出力信号をセレクタ20により選択的に切り替えて出力し、選択された信号同士がなす差分量が所定の時間を超えるか否かを判定回路17により判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速動作を必要とする同期式メモリとのインターフェース信号のタイミングを調整するための遅延回路に設けられた遅延素子のテスト制御装置およびメモリコントローラ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大容量メモリとして使用されるDRAMには、同期式のDDR1−SDRAMやDDR2−SDRAMのようなダブルデータレート方式が主流であり、今後、DDR3−SDRAMが主流となっていくことが予想される。
特に、DDR3−SDRAMには、データレートが800MHz(DDR3―800)から1.6GHz(DDR3−1600)までの仕様がJEDECにより規格化されている。同期式のメモリ、特に複数本のデータを有するパラレルバスであっても、動作速度は新規規格が出るたびに高速化している。この高速化の動向は、メモリやメモリコントローラ等の半導体装置自体における製造プロセスの進化に依存している。
【0003】
ところが、メモリやメモリコントローラを1つのボード上に配置した機器においては、メモリやメモリコントローラの動作周波数が高速化されても、メモリ半導体装置とメモリコントローラ半導体装置との間のインターフェースに関するボード上の配線による転送速度が、高速化されているわけではない。
そのため、半導体装置の高速化に伴い、ボード上の配線遅延による影響が大きくなってきており、規格が更新される度に、動作上のボトルネックとしてその割合が大きくなってきている。
【0004】
パラレルバス方式のインターフェース装置の動作周波数が100MHz以下の時代においては、ボード上の配線遅延にマージンを持った値を用いてACタイミングを満たすように、メモリコントローラを搭載した半導体装置を作ることは可能であった。
また、動作周波数が100MHzを超えてからは、メモリコントローラ内にPLL回路を内蔵し、ボード上のタイミングと同期を図る、また、ボード上の配線を等長配線とすることにより、メモリとメモリコントローラ間の動作の保証を行ってきた。
ボード上の配線遅延が1nsの場合、100MHzのデータレートでは無視できる程度であったが、DDR3−SDRAMのデータレートは最大1.6GHzすなわち625psとになり、DDR3−SDRAMにとってはボード上の配線遅延が動作周波数以上の遅延となり、PLL回路による同期化やボード上の等長配線だけでは対処できないといった問題があった。
【0005】
DDR3−SDRAMの規格(JEDEC Standard No.79−3x)には、メモリとメモリコントローラとの間のタイミングを制御する新規機能が追加されている。ライトレベリング機能と、MPR(Multi Purpose Register)による固定値リードデータ出力機能がそれに該当する。
前者はメモリへ入力されるクロックと、メモリコントローラがライト時に出力するDQS(データストローブ信号)のタイミング調整に関し、後者は、メモリコントローラが正しいリードデータを取り込むためのタイミング調整に関するものである。
DDR3−SDRAMの規格自体には、これらの機能の使い方について言及されておらず、どのように使うかはメモリコントローラの仕様に依存する。
【0006】
ライトレベリング機能と、MPRによる固定値リードデータ出力機能とをメモリコントローラが使いこなすには、少なくともDQSの出力タイミングと、DQ(データ)/DQSの入力タイミングとを調整する機能がメモリコントローラに装備されていることが必須である。
しかし、DQS出力とDQ/DQSの入力タイミングだけ調整できれば高速動作のDDR3−SDRAMに対応するメモリコントローラが構成できるのではなく、メモリコントローラの全ての入出力端子においてタイミング調整機能を持たなければ、DDR3−SDRAMの新規機能対応および高速動作を保証するのは難しいことは明かである。
【0007】
入出力端子のタイミング調整を行う手法には、DLL(Delay Locked Loop)回路を用いたものが知られている。DLL回路に入力されるリファレンスクロックの周期に対応した遅延値を遅延回路に設定することにより、安定した遅延を供給することができる。
ここで、図6に、入出力端子11にバッファ回路を介して遅延回路13を接続するメモリコントローラ14における出力遅延制御に関する構成を示す。
【0008】
図7は、DLL回路15の出力と、所望の遅延量の設定値を遅延演算回路16に入力し、遅延回路13の遅延量設定が可能な構成となっている。例えば、遅延演算回路16への所望の遅延量の設定がn値の場合、遅延回路13がn(1/32)tCK(tCK:メモリクロック周期)の遅延量を有するように設定される。この構成により、それぞれの出力信号をリファレンスクロック(ここではメモリクロック)に対応した遅延量を個別に設定することができる。
【0009】
図8に、遅延回路13の構成を示す。一段ずつ遅延素子13−1〜13−kが直列接続されている状態を示しており、これらの遅延素子は微細化が進んだ昨今では、一段当たり数十psの遅延量になる。
ところで、テスタを用いたチップの故障検査の観点から見ると、CLKサイクル分程度の遅延量を有する多数の遅延素子を直列接続したチェーンに対して、遅延テストを行うことは可能である。
しかしながら、現在のテスタの性能上、数個単位、もしくは単一の遅延素子の不良を確認することは困難である。これより、遅延素子のチェーン全体としては、設計規格を満たすことを確認できても、局所的な不良を検出できないといった問題があった。
このため、数個単位、もしくは、単一の遅延素子の不良を見逃してしまうと、実際に数個単位での遅延素子による遅延設定を使用した場合、実行したい遅延量の設定に対し、想定外の遅延量となってしまう可能性があるといった問題があった。
【0010】
ここで、遅延素子については、以下の特許文献が報告されている。
特許文献1には、遅延素子を直列接続する半導体装置として、高速なクロックを必要とせず、時間分解能を向上させたデジタルPWM制御を実現できる半導体装置が報告されている。
特許文献2には、遅延素子を直列接続し、個別の遅延素子から出力される第一の信号と第二の信号の遅延時間を検出する遅延検出部を備え、遅延時間を相殺するように、信号出力部と端子との間に遅延素子を挿入することで、2つの別のディレイチェーンの自動タイミング調整する半導体装置が報告されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、比較する遅延素子群の最小単位数を少なくすることができ、遅延素子のテスタの検査精度を向上することができる遅延素子のテスト制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するたに、請求項1記載の発明は、複数の遅延素子を直列接続した遅延回路に設けられ、前記直列接続した遅延素子を等分数に分割する分割回路と、前記等分数に分割した後のそれぞれの遅延素子群からの出力信号を選択的に切り替えて出力する選択回路と、前記選択された信号同士がなす差分量が所定の時間を超えるか否かを判定する判定回路とを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記判定回路は、前記選択された信号同士に対して、排他的論理和を演算して前記差分量を求めることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のテスト制御装置を備え、前記分割回路に等分数を設定し、前記判定回路による判定結果を集計して最終判定するテスト制御回路を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、直列接続された遅延素子のチェーンを等分数に分割して、分割されたそれぞれの遅延素子群の性能が同一であることを確認することができ、等分数の分割単位を増やすことにより、比較する遅延素子群の最小単位数を少なくすることができ、テスタの検査精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る遅延回路に設けられた遅延素子の接続関係について説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る判定回路の構成について説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る遅延回路および判定回路の動作について説明するためのタイミングチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る遅延回路に設けられた遅延素子の接続関係について説明するためのブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る遅延回路とテスト制御回路およびメモリコントローラについて説明するためのブロック図である。
【図6】従来の遅延回路とメモリコントローラ14との接続関係を示すブロック図である。
【図7】従来のDLL回路と、遅延演算回路と、遅延回路との接続関係を示すブロック図である。
【図8】従来の遅延回路に設けられた遅延素子の接続関係を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る遅延回路に設けられた遅延素子の接続関係について説明する。なお、以下に説明する遅延回路、判定回路等は、DDR1−SDRAM、DDR2−SDRAM、DDR3−SDRAMなどの外部メモリに設ける高速インターフェースのメモリコントローラ回路とともに用いることとする。
【0018】
図1に示す遅延回路13は遅延素子を直列接続したものである。なお、前提として、これらの遅延素子のチェーン全体についてのテストでは、設計規格を満たしているものとする。
具体例として、遅延回路13を構成する遅延素子の総数を128段とする。この遅延素子のチェーンを2等分した場合、それぞれ64段からなる遅延素子群となる。このとき、1段目から64段目までの遅延素子13−1〜13−64を通るパスをAとし、65段目から128段目までの遅延素子13−65〜13−128を通るパスをBとし、これらパスA,Bがそれぞれ判定回路17に入力する。
遅延素子13−64の出力端子と遅延素子13−65の入力端子との間にはセレクタ20が設けられており、セレクタ20に選択信号Sを入力して設定することで、入出力端子11からの入力信号と、遅延素子13−64からの出力信号とから何れか一方を選択して、遅延素子13−65に出力することが可能になる。
【0019】
次に、図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る判定回路の構成について説明する。
判定回路17は、入力信号A,BをEXOR(排他的論理和)回路18に入力し、EXOR回路18で入力信号A,B同士の排他的論理和を演算することで両者の差分信号を出力し、この差分信号をクロック信号としてFF(Flip Flop)回路19に入力し、差分信号がFF回路19に固有のセットアップ/ホールド時間以上の時間幅を有する場合には、FF回路19から論理「1」が出力され、他方、差分信号がセットアップ/ホールド時間未満の時間幅を有する場合には、FF回路19から論理「0」が出力される。
なお、判定回路17による判定結果を集計して最終判定してもよい。
【0020】
次に、図1〜図3を参照して、遅延回路13および判定回路17の動作について説明する。
まず、入出力端子11からの入力信号をセレクタ20に選択させて出力するように選択信号Sの論理値を設定する。
次いで、各々の遅延素子のチェーンには、図3に示すタイミングチャートのように、十分な一定幅を有するパルスデータからなる入力信号を入出力端子11から入力する。
このような入力信号に対し、図2に示すような判定回路17を使用する。この場合、最小の差分でも、EXOR回路18を構成するバッファの遅延量と、FF回路19のクロック入力に関するセットアップ/ホールド時間以上の差分となる。なお、判定回路の回路構成を変更することで、判定基準を他のスペック項目の内容に変更してもよい。
【0021】
ここで、遅延素子13−64から出力される信号パスAと、遅延素子13−128から出力される信号パスBとがEXOR回路18に入力され、この判定基準を超える差分(t1−t2)が発生した場合、判定回路17は信号の立ち上がりを検出し、図3に示すように、判定結果Cからなる差分発生信号Cを出力する。
信号パスAと、信号パスBとを判定回路17に入力して、差分があることを示す判定信号を受け取った場合、遅延回路13に含まれる遅延素子の性能にばらつきがあると判断し、対象チップを不良品と判断することができる。
【0022】
<第2の実施形態>
図4を参照して、本発明の第2の実施形態に係る制御装置に設けられた遅延回路の内部構成について説明する。なお、以下に説明する遅延回路、判定回路等は、DDR1−SDRAM、DDR2−SDRAM、DDR3−SDRAMなどの外部メモリに設ける高速インターフェースのメモリコントローラ回路とともに用いることとする。
図4は、遅延回路13を構成する遅延素子のチェーンを4等分にした実施形態を示している。
図4に示すように、1段目から32段目までの遅延素子群を通るパスをAとし、33段目から64段目までの遅延素子群を通るパスをBとし、65段目から96段目までの遅延素子群を通るパスをCとし、97段目から128段目までの遅延素子群を通るパスをDとし、これらのパスA,B、C、Dが判定回路21に入力され、上述したような判定基準を超える差分が発生した時、差分発生信号Eを出力する。
【0023】
遅延素子13−32の出力端子と遅延素子13−33の入力端子との間、遅延素子13−64の出力端子と遅延素子13−65の入力端子との間、遅延素子13−96の出力端子と遅延素子13−97の入力端子との間には、それぞれセレクタ20−1,20−2,20−3が設けられており、セレクタ20−1,20−2,20−3にそれぞれ選択信号S1,S2,S3を入力することで、入出力端子11からの入力信号と、遅延素子13−32、遅延素子13−64、遅延素子13−96からの出力信号の一方を選択することが可能になる。
【0024】
すなわち、セレクタ20−1,20−2,20−3にそれぞれ選択信号S1,S2,S3を設定することで、パスDとして、遅延素子13−1〜13−128による最大遅延量の他、遅延素子13−33〜13−128、遅延素子13−65〜13−128、遅延素子13−97〜13−128の遅延量のいずれか1組を入力することができる。
また、セレクタ20−1,20−2にそれぞれ選択信号S1,S2を設定することで、パスCとして、遅延素子13−1〜13−96による遅延量の他、遅延素子13−33〜13−96、遅延素子13−65〜13−96の遅延量のいずれか1組を入力することができる。
さらに、セレクタ20−1に選択信号S1を設定することで、パスBとして、遅延素子13−1〜13−64による遅延量の他、遅延素子13−33〜13−64の遅延量のうちの一方の1組を入力することができる。
なお、パスAとして、遅延素子13−1〜13−32による遅延量のみが入力されている。
【0025】
次に、図4を参照して、判定回路21の構成について説明する。
判定回路21は、内部にEXOR回路とFF回路とを有しており、入力信号A,B,C,Dを4入力1出力のEXOR回路に入力し、EXOR回路で入力信号A,B,C,D同士の排他的論理和を演算することで差分信号を出力し、この差分信号をクロック信号としてFF回路に入力する。差分信号がFF回路に固有のセットアップ/ホールド時間以上の時間幅を有する場合には、FF回路から論理「1」が出力され、他方、差分信号がセットアップ/ホールド時間未満の時間幅を有する場合には、FF回路から論理「0」が出力される。
なお、判定回路21による判定結果を集計して最終判定してもよい。
また、遅延素子の総数に対して割り切れる整数等分であれば、遅延素子の総数は等分可能であり、判定回路21の精度の範囲内において最小単位で等分して比較することができる。
【0026】
次に、図4を参照して、遅延回路13および判定回路21の動作について説明する。
まず、入出力端子11からの入力信号をそれぞれのセレクタ20−1,20−2,20−3に選択させて出力するように選択信号S1,S2,S3の論理値を設定する。
次いで、各々の遅延素子のチェーンには、十分な一定幅を有するパルスデータからなる入力信号を入出力端子11から入力する。
このような入力信号に対し、図4に示すような判定回路17を使用する。この場合、最小の差分でも、4入力のEXOR回路を構成するバッファの遅延量と、FF回路のクロック入力に関するセットアップ/ホールド時間以上の差分となる。なお、判定回路の回路構成を変更することで、判定基準を他のスペック項目の内容に変更してもよい。
【0027】
ここで、遅延素子13−32から出力される信号パスAと、遅延素子13−64から出力される信号パスBと、遅延素子13−96から出力される信号パスCと、遅延素子13−128から出力される信号パスCとがEXOR回路に入力され、この判定基準を超える差分が発生した場合、判定回路21は信号の立ち上がりを検出し、判定結果からなる差分発生信号Eを出力する。
信号パスA〜Dを判定回路21に入力して、差分があることを示す判定信号を受け取った場合、遅延回路13に含まれる遅延素子の性能にばらつきがあると判断し、対象チップを不良品と判断することができる。
【0028】
<第3の実施形態>
図5を参照して、本発明の第3の実施形態に係る遅延回路とテスト制御回路およびメモリコントローラについて説明する。なお、以下に説明する遅延回路、テスト制御回路等は、DDR1−SDRAM、DDR2−SDRAM、DDR3−SDRAMなどの外部メモリに設ける高速インターフェースのメモリコントローラ回路とともに用いることとする。
遅延回路22には、上記第1の実施形態において説明した遅延回路13と判定回路17との組み合わせからなる構成(図1)、または、上記第2の実施形態において説明した遅延回路13と判定回路21との組み合わせからなる構成(図4)の何れか一方を用いることができる。
メモリコントローラ14は、図5に示す各々の遅延回路22を制御するためのテスト制御回路23を有する。
テスト制御回路23は、それぞれの遅延回路22に対して、それぞれの遅延素子を等分数に設定するためにセレクタの選択信号を設定し、分割された遅延素子のチェーンに対する差分判定を判定回路に実施させる。それぞれの遅延回路22に対して設定される等分数は、要求される精度によって選択することが可能である。この精度は具体的に、DDRなら周波数モードによって、必要とされる精度が異なるので、周波数モードに応じて精度を変更することが可能である。
また、テスト制御回路23は、それぞれの遅延回路22から遅延素子群に差分があることを示す判定信号を受け取った場合、その遅延回路22に含まれる遅延素子の性能にばらつきがあると判断し、対象チップを不良品と判断することができる。
テスト制御回路23は、DDR1−SDRAM、DDR2−SDRAM、DDR3−SDRAMなどの外部メモリに設ける高速インターフェースのメモリコントローラ回路に適用することができる。
【0029】
本実施形態に係るテスト制御装置においては、複数の遅延素子を直列接続した遅延回路に設けられ、直列接続した遅延素子を等分数に分割しておき、等分数に分割した後のそれぞれの遅延素子群からの出力信号を選択的に切り替えて出力し、選択された信号同士がなす差分量が所定の時間を超えるか否かを判定することで、直列接続された遅延素子のチェーンを等分数に分割して、分割されたそれぞれの遅延素子群の性能が同一であることを確認することができ、等分数の分割単位を増やすことにより、比較する遅延素子群の最小単位数を少なくすることができ、より細かな遅延素子群の遅延量のばらつきを確認することができ、テスタの検査精度を向上することができる。
【0030】
本実施形態に係るテスト制御装置においては、判定回路は、選択された信号同士に対して、排他的論理和を演算して差分量を求めることで、精度の良い遅延判定が可能となる。
【0031】
本実施形態に係るテスト制御装置においては、分割回路に等分数を設定し、判定回路による判定結果を集計して最終判定するテスト制御回路を有することで、メモリコントローラに内蔵される遅延素子の差分を判定し、差分がある場合に不良と判定できるため、故障検査精度を向上させることができる。これより、遅延素子1つずつの遅延精度が上がることになり、より精度の良い遅延設定が可能となる。この結果、メモリインターフェースの波形品質を向上させることができる。
また、遅延に対して検査精度の低いテスタでも、遅延精度の高いテストを実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、半導体装置であり、入出力に外部とのタイミングを制御するための遅延回路および遅延制御の手段を内蔵しているものに利用できる。
【符号の説明】
【0033】
11 入出力端子
13 遅延回路
14 メモリコントローラ
17 判定回路
18 EXOR回路
19 FF回路
20 セレクタ
21 判定回路
22 遅延回路
23 テスト制御回路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0034】
【特許文献1】特開2009−290857号公報
【特許文献2】特開2006−126134号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遅延素子を直列接続した遅延回路に設けられ、前記直列接続した遅延素子を等分数に分割する分割回路と、
前記等分数に分割した後のそれぞれの遅延素子群からの出力信号を選択的に切り替えて出力する選択回路と、
前記選択された信号同士がなす差分量が所定の時間を超えるか否かを判定する判定回路とを備えることを特徴とする遅延素子のテスト制御装置。
【請求項2】
前記判定回路は、前記選択された信号同士に対して、排他的論理和を演算して前記差分量を求めることを特徴とする請求項1記載の遅延素子のテスト制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の遅延素子のテスト制御装置を備え、
前記分割回路に等分数を設定し、前記判定回路による判定結果を集計して最終判定するテスト制御回路を有することを特徴とする、DDR1−SDRAM、DDR2−SDRAM、DDR3−SDRAMのうちのいずれか1つの外部メモリに設ける高速インターフェースのメモリコントローラ回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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