説明

遊技サーバおよび遊技システム

【課題】画像遊技の面白みを遊技者に提供しつつ、画像遊技に登場するキャラクタ等の特性を変更可能とする。
【解決手段】遊技に登場する人物、物その他の遊技体の特性を示す遊技体データに基づく遊技体画像を用いた画像遊技を行える遊技機1に接続される遊技サーバ103であって、遊技体の特性を示す遊技体データのうち、軸となる遊技体の遊技体データに相手となる他の遊技体の遊技体データを取り込んで別の遊技体データを生成し、生成した遊技体データを遊技機1に送信する手段を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技に登場する人物、物その他の遊技体を示す遊技体画像を用いた画像遊技を行える遊技機に接続される遊技サーバおよびそのような画像遊技を行える遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲームに登場するキャラクタの識別情報をカード等の被読取対象物に記録し、カード等から読み取った識別情報に対応するキャラクタを用いたゲーム画像を表示して遊技を行う遊技機(いわゆるビデオゲーム機)が知られている。例えば、特許文献1には、サッカー選手を表示するカードにその選手の個人データ(識別情報)を記録して選手のスキル等を示すデータ(キャラクタデータ)をカードとは別のICチップに記録し、カード内の個人データを用いてICチップから対応するキャラクタデータを読み出してサッカーゲームを実行するカードゲーム装置が開示されている。このカードゲーム装置では、複数のカードの組み合わせで様々なチームを編成でき、またゲーム中の試合や練習によって選手のスキル等を向上させることができる。
【特許文献1】特開2002−301264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上述のカードゲーム装置では、キャラクタデータがカードごとに独立していて、ICチップ内のデータを更新しない限り、変えられないようになっていた。そしてキャラクタデータを変えるためにはゲーム内容(練習等)を再度繰り返してICチップ内のデータを更新する必要があり、遊技者がゲームに飽きる原因となった。
【0004】
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたもので、遊技に登場する人物、物その他の遊技体を示す遊技体画像を用いた画像遊技の面白みを遊技者に提供しつつ、画像遊技に登場するキャラクタ等の特性を変更可能とする遊技サーバおよび遊技システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、遊技に登場する人物、物その他の遊技体を示す遊技体画像を用いた画像遊技を行える遊技機に接続される遊技サーバであって、遊技体の特性を示す遊技体データのうち、軸となる遊技体の遊技体データに相手となる他の遊技体の遊技体データを取り込んで別の遊技体データを生成する取り込み生成手段と、その手段により生成された遊技体データを遊技機に送信する通信処理手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
この遊技サーバでは、軸となる遊技体の遊技体データに相手となる他の遊技体の遊技体データを取り込んで別の遊技体データを生成し、その遊技体データを遊技機に送信することにより、その遊技体データに基づく遊技体画像を用いた画像遊技を遊技機が行えるようになる。
【0007】
また、本発明は、遊技体の特性を示す遊技体データを、遊技体に対応させて遊技体ごとに記憶する遊技体データ記憶手段を更に備え、取り込み生成手段が、遊技体データ記憶手段に記憶されている軸となる遊技体の遊技体データに、遊技体データ記憶手段に記憶されている相手となる他の遊技体の遊技体データを取り込んで軸となる遊技体に対応する別の遊技体データを生成するようにしてもよい。
【0008】
この遊技サーバでは軸となる遊技体の遊技体データに、相手となる他の遊技体の遊技体データを取り込み、軸となる遊技体に対応する別の遊技体データを生成するようになる。
【0009】
また、本発明は、遊技に登場する人物、物その他の遊技体を示す遊技体画像を用いた画像遊技を行える遊技システムであって、遊技体に対応する識別情報を記憶した被読取対象物から識別情報を読み取る読取手段と、遊技体の特性を示す遊技体データを識別情報に対応させて遊技体ごとに記憶する遊技体データ記憶手段と、読取手段によって被読取対象物から読み取られた識別情報に対応する遊技体データを遊技体データ記憶手段から抽出する遊技体データ抽出手段と、その手段によって抽出された遊技体データのうち、軸となる遊技体の遊技体データに、相手となる他の遊技体の遊技体データを取り込んで別の遊技体データを生成する取り込み生成手段とを有する。
【0010】
この遊技システムでは、被読取対象物に記憶された識別情報に対応する軸となる遊技体データに、相手となる他の遊技体データが取り込まれて別の遊技体データが生成されるようになる。
【0011】
また本発明は、画像遊技を行う遊技者を特定する遊技者情報を読み取る遊技者情報読取手段を更に備え、遊技体データ記憶手段が、遊技者情報および識別情報に対応させて遊技体ごとに遊技体データを記憶し、遊技体データ抽出手段が、遊技者情報読取手段および読取手段によって読み取られた遊技者情報および識別情報に対応する遊技体データを遊技体データ記憶手段から抽出するようにしてもよい。
【0012】
この遊技システムでは、遊技者識別情報と識別情報に対応させて遊技体ごとに遊技体データが記憶されており識別情報が同一であっても遊技者情報が異なれば異なる遊技体データが記憶されることになり、その中から抽出された軸となる遊技体データに、相手となる他の遊技体データが取り込まれて別の遊技体データが生成されるようになる。
【発明の効果】
【0013】
以上詳述したように、本発明によれば、遊技に登場する人物、物その他の遊技体を示す遊技体画像を用いた画像遊技の面白みを遊技者に提供しつつ、画像遊技に登場する遊技体の特性を変更可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0015】
(ゲームシステムの全体構成)
図1はゲームマシン1を複数備えたゲームシステム100のシステム構成図、図2は複数のゲームマシン1とカード販売機6を示す斜視図である。ゲームシステム100は本発明の遊技システムに相当し、2つの遊技店舗A,Bにそれぞれ1台および2台設置された合計3台の店舗サーバ2と、専用回線3を介して通信可能に接続された複数(本実施の形態では8台)のゲームマシン1およびカード販売機6と、遊技店舗A,Bに設置された店舗内ルータ7と、店舗内ルータ7、通信回線4aおよびインターネット4を介して接続されたセンターサーバ群5とを有している。なお、センターサーバ群5は後述のゲームサーバ101,102とデータベースサーバ103とを備え、本実施の形態ではデータベースサーバ103が本発明の遊技サーバに相当する。
【0016】
各遊技店舗A,Bでは、店舗サーバ2と、ゲームマシン1およびカード販売機6が専用回線3により接続されて店舗内LAN(Local Area Network)を形成し、この店舗内LANが店舗内ルータ7を介してインターネット4に接続されている。
【0017】
(ゲームマシンの構成)
ゲームマシン1は本発明の遊技機に相当し、遊技者の操作に応じて行動するプレイキャラクタ(詳しくは後述する)やプレイキャラクタが使用する装備アイテム(例えば、弓矢、盾、鎧)を示す装備キャラクタ等の遊技体を示す遊技体画像を表示する画像表示手段を有し、遊技者の操作に応じた動作や装備アイテムの使用をキャラクタに行わせる画像遊技を行えるように構成されている。ゲームマシン1では、遊技者の選択したルートに沿ってキャラクタが迷宮内を移動しながら、自分以外の別キャラクタ(他の遊技者の選択にしたがい動作を行う操作キャラクタや、ゲームマシンが動作を行わせる非操作キャラクタ)と対戦して、キャラクタが持つ宝アイテム(本実施の形態では後述する宝珠)を奪い合い、そのアイテムをすべて集めた上で最終目標のキャラクタを倒すゲーム(以下、「迷宮対戦ゲーム」という)を行えるようになっている。この迷宮対戦ゲームでは、対戦結果やゲームの進行状況に合わせて各キャラクタの持点(本実施の形態では「ライフ」という)が昇降し、その持点が無くなったキャラクタが敗者となるようになっている。
【0018】
ゲームマシン1は、図3に示すように、筐体10の正面に、液晶表示装置を備えたメインディスプレイ11を有している。また、メインディスプレイ11の上側部分に同じく液晶表示装置を備えたサブディスプレイ12を有し、その左右両側に遊技の演出に用いられる音声を出力するスピーカ13L,13Rが配置されている。
【0019】
メインディスプレイ11は、画像表示手段であって、遊技の各段階に応じた遊技画像(例えば、迷宮画像160など)が表示されるようになっている(詳しくは後述する)。サブディスプレイ12は、遊技の特定の段階における画像(例えば、後述する対戦画像180)が表示されるようになっている。
【0020】
また、ゲームマシン1はメインディスプレイ11の下側に操作パネル14を有し、この操作パネル14の左側に認証ユニット15が配置され、右側にゲームを実行するときに必要なコイン(硬貨、遊技用メダルなどの遊技媒体)を投入するコイン投入口16と、IDカード17を挿入するためのカードスロット18とを有し、操作ボタンなどを備えた操作ユニット19を有している。
【0021】
認証ユニット15は本発明における読取手段に相当し、操作パネル14の表面に固定された台座装着部15aと、読取部15bとを有している。この台座装着部15aは、後述するプレイフィギア40(図11参照)やアイテムフィギア50(図12参照)(以下、総称して「ゲーム用フィギア」という)における台座部41、51の形状に対応した厚肉円板状の窪みを内側に有し、その窪みに台座部41、51を嵌め込み装着することができるようになっている。読取部15bは台座装着部15aの窪みに配置されていて、図示しないICチップリーダを有し、そのICチップリーダにより、装着されたゲーム用フィギア40、50の台座部41、51に内蔵されているICチップ44から、記録されている情報を読み取るようになっている。なお、認証ユニット15はLEDを有し、後述するゲーム用フィギア40、50の読取り動作中にそのフィギアに光を照射するようになっている。なお、本実施の形態ではゲーム用フィギア40、50が本発明における被読取対象物に相当する。
【0022】
ゲームシステム100を構成している各ゲームマシン1には、自機固有のマシンIDが付与されている。このマシンIDは、各店舗サーバ2に固有のサーバIDと、各ゲームマシン1に固有のIDとを有し、例えば、店舗Aに設置されている各ゲームマシン1の場合、A01,A02,A03・・・のようになっている。
【0023】
図4は内部の構成を中心に示すゲームマシン1のブロック図である。ゲームマシン1は、マイクロコンピュータ31を中心に複数の構成要素を有している。
【0024】
マイクロコンピュータ31は、メインCPU(Central Processing Unit)32と、R
AM(Random Access Memory)33と、ROM(Read Only Memory)34とを有している。メインCPU32は、ROM34に記憶されているプログラムにしたがって作動し、I/Oポート39を介して、操作パネル14に設けられた各構成要素から信号を入力する一方、他の構成要素との信号の入出力を行い、ゲームマシン1全体の動作制御を行う。RAM33はメインCPU32が作動する際に用いるデータやプログラム(本実施の形態では、後述するアプリケーションデータおよびゲームデータ)が記憶される。ROM34には、メインCPU32が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。
【0025】
また、ゲームマシン1は、乱数発生器35と、サンプリング回路36と、クロックパルス発生回路37と、分周器38とを有している。乱数発生器35は、メインCPU32の指示にしたがい作動して、一定範囲の乱数を発生させる。サンプリング回路36は、メインCPU32の指示にしたがい、乱数発生器35が発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出し、その抽出した乱数をメインCPU32に入力する。クロックパルス発生回路37は、メインCPU32を作動させるための基準クロックを発生させ、分周器38はその基準クロックを一定周期で分周した信号をメインCPU32に入力する。
【0026】
さらに、ゲームマシン1は、タッチパネル11aと、コインセンサ16aと、カードリーダ18aと、通信制御部21および通信処理部22とを有し、さらに、画像制御回路71と、音制御回路72を有している。
【0027】
タッチパネル11aは、操作手段であって、メインディスプレイ11の表示画面を覆うように設けられていて、遊技者の指が触れた箇所の位置を検出し、その検出した位置に対応した位置信号をメインCPU32に入力する。遊技者はこのタッチパネル11aを用いてキャラクタの動作を決めるための操作入力を行う。例えば、タッチパネル11aは、長方形の透明板表面に導電物質を塗布しており、その透明板の四角に配置された電極から電圧をかけ、遊技者の指が触れることによる微弱な電流変化を電極で検知して、遊技者の指が触れた箇所の位置を検出する。
【0028】
コインセンサ16aは、コイン投入口16から投入されたコインを検出し、その検出に対応する検出信号をメインCPU32に出力する。カードリーダ18aは、カードスロット18に挿入されたIDカード17に記録されている遊技者ID等のカード情報を読み取り、その読み取ったカード情報をメインCPU32に入力する。本実施の形態では遊技者IDが画像遊技を行う遊技者を特定する遊技者情報に相当し、カードリーダ18aが遊技者情報読取手段に相当する。
【0029】
通信制御部21は、メインCPU32の指示にしたがい作動して、店舗サーバ2と通信を行うための回線の接続および切断を制御する。通信処理部22は通信制御部21の指示にしたがい作動して、専用回線3を介して行われるデータの送受信を実行する。
【0030】
画像制御回路71は、メインディスプレイ11、サブディスプレイ12のそれぞれにおける画像表示を制御して、キャラクタを示す画像等の各種の画像をメインディスプレイ11、サブディスプレイ12に表示させる。
【0031】
この画像制御回路71は、図5に示すように、画像制御CPU71a、ワークRAM71b、プログラムROM71c、画像ROM71d、ビデオRAM71eおよびVDP(Video Display Processor)71fを有している。画像制御CPU71aは、マイクロコンピュータ31で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM71cに予め記憶されている(メインディスプレイ11、サブディスプレイ12での表示に関する)画像制御プログラムに従い、メインディスプレイ11、サブディスプレイ12に表示される画像を決定する。ワークRAM71bは、画像制御CPU71aが画像制御プログラムを実行するときの一時記憶手段として構成されている。
【0032】
プログラムROM71cは、画像制御プログラムや各種選択テーブルなどを記憶している。画像ROM71dは、画像を形成するためのドットデータを記憶している。ビデオRAM71eは、VDP71fにより画像を形成するときの一時記憶手段として構成されている。VDP71fは制御RAM71gを有し、画像制御CPU71aで決定されたメインディスプレイ11、サブディスプレイ12の表示内容に応じた画像を形成し、その形成された各画像をメインディスプレイ11、サブディスプレイ12に出力する。
【0033】
音制御回路72はスピーカ13L、13Rから音声を出力するための音声信号をスピーカ13L、13Rに入力する。スピーカ13L、13Rからは、例えば、ゲーム開始後、適当な時期にゲームを盛り上げるための音声が出力される。
【0034】
(店舗サーバ、カード販売機、店舗内ルータの構成)
店舗サーバ2は図6に示すように、CPU201、ROM202、RAM203、通信処理部204、通信制御部205およびアプリケーションデータを記憶しているデータ記憶部206を有している。そして、CPU201がROM202に記憶されているプログラムにしたがいRAM203にデータを読み書きしながら作動し、一方、通信制御部205がCPU201の指示にしたがい通信処理部204を作動させる。そして、店舗サーバ2は、各遊技店舗A,Bに設置されている各ゲームマシン1と専用回線3を介してデータの送受信を行い、各ゲームマシン1へのアプリケーションデータの送信(ダウンロード)や、各ゲームマシン1同士およびセンターサーバ群5とにおけるデータ送受信の中継を行う。アプリケーションデータは、ゲームマシン1で行われる迷宮対戦ゲームの実行に用いられる各種データ(ゲーム用の画像データなど)と、ボード用データ(操作ユニット19に備えられている操作ボタンを迷宮対戦ゲームに対応させる設定用のプログラム)が含まれている。
【0035】
カード販売機6は、遊技者が個人情報の入力操作を行う操作部と、カード発行手段とを有し、その操作部を用いた所定の入力操作によって、カード発行手段が各遊技者固有の遊技者ID(遊技者情報)を含むカード情報を記憶させてIDカード17を発行する。
【0036】
店舗内ルータ7は各遊技店舗A,Bに形成されている店舗内LANと、通信回線4aおよびインターネット4を介してセンターサーバ群5に形成されているLANとを接続している。
【0037】
(センターサーバ群の構成)
センターサーバ群5は、ゲームごとに対応して設置された複数のゲームサーバ(図1では、2台のゲームサーバ101、102)と、データベースサーバ103とを有し、各ゲームサーバが専用回線104を介して接続されてLANを形成し、そのLANが図示しないルータを介してインターネット4に接続されている。
【0038】
ゲームサーバ101は、迷宮対戦ゲームを実行するために設置されていて、図7に示すように、CPU301、ROM302、RAM303、通信処理部304、通信制御部305およびデータ記憶部306を有している。そして、ゲームサーバ101では、CPU301がROM302に記憶されているプログラムにしたがいRAM303にデータを読み書きしながら作動し、一方、通信制御部305がCPU301の指示にしたがい通信処理部304を作動させる。
【0039】
ゲームサーバ101は、各店舗サーバ2とインターネット4を介してデータの送受信を行う。そして、各ゲームマシン1から送信される後述するエントリーデータを受信して遊技者の迷宮対戦ゲームへの参加(エントリー)受付および遊技者の参加情報の更新を行い、対戦相手となる遊技者を決定し、その結果をデータベースサーバ103に送信する。
【0040】
ゲームサーバ102は別のゲームを実行するために設置されたもので、ゲームサーバ101と比較して記憶しているデータやプログラムが異なるが、同じ構成を有している。
【0041】
データベースサーバ103は本発明の遊技サーバであり、CPU401、ROM402、RAM403、通信処理部404、通信制御部405およびデータ記憶部406を有している。そして、データベースサーバ103では、CPU401がROM402に記憶されているプログラムにしたがいRAM403にデータを読み書きしながら作動し、一方、通信制御部405がCPU401の指示にしたがい通信処理部404を作動させ、各店舗サーバ2とインターネット4を介してデータの送受信を行う。データ記憶部406にはゲームデータ、遊技者ID、遊技者の認証に用いられるパスワード、ゲームの種別が記憶されている。
【0042】
ゲームデータは、迷宮対戦ゲームに登場する複数のキャラクタについて、各キャラクタの特性を示すキャラクタ固有のデータ(各キャラクタのコスチューム、コスチュームカラー、生命力、魔法力、攻撃力、物理的攻撃に対する防御力、魔法攻撃力、魔法防御力、攻撃範囲を含むキャラクタ能力値、特殊能力などを示す情報、以下「フィギア情報」という)と、各遊技者による迷宮対戦ゲームの履歴を示すデータが含まれている。このゲームデータは、データベースサーバ103からゲームマシン1に送信され、迷宮対戦ゲームで用いられる。なお、上述のフィギア情報のうち、各キャラクタの特性を示す数値データ(生命力、魔法力、攻撃力等)をキャラクタデータといい、このキャラクタデータが本発明における遊技体データに相当する。
【0043】
遊技者IDは、ゲームマシン1により、IDカード17から読み取って送信されたものである。また、後述するとおり、データベースサーバ103には、各遊技者がゲームマシン1において、自己の使用するゲーム用フィギア40、50を認証ユニット15にセットし、フィギアIDを読み取らせたことによって、その読み取らせたゲーム用フィギア40、50に対応するフィギアIDがゲームマシン1から送信されるようになっている。データベースサーバ103には、ゲームマシン1から送信される1つの遊技者IDに対して、対応する複数のフィギアIDを関連付けて記憶可能なフィギア管理ファイル60がデータ記憶部406に形成されている。また、フィギア管理ファイル60には遊技者IDおよびフィギアIDと、その双方に対応する各キャラクタのキャラクタデータとが関連付けて記憶されていて後述する遊技者及びフィギアの認証、キャラクタデータの抽出、キャラクタデータ取り込み処理等で用いられる。本実施の形態では、フィギア管理ファイル60が形成されているデータ記憶部406が本発明における遊技体データ記憶手段に相当する。
【0044】
図8はフィギア管理ファイル60を示しており、特に遊技者IDが“0001”に対応する複数のレコードを示している。フィギア管理ファイル60は、ID管理エリア60Aとキャラクタ管理エリア60Bとを有し、ID管理エリア60Aには遊技者ID60a、フィギアID60bとが設定されている。また、キャラクタ管理エリア60Bはフィギアタイプ60cと、生命力60d、魔法力60e、攻撃力60f、物理的攻撃に対する防御力60g、魔法攻撃力60h、魔法防御力60iといった各キャラクタに固有のキャラクタデータを示す項目とが設定されている。
【0045】
遊技者ID60a、フィギアID60bはフィギア管理ファイル60に記憶されている各レコードの索引となる項目であり、遊技者IDや各フィギアIDに対応する4桁の数字が記憶されている。フィギアタイプ60cはフィギアの属性を示す項目であり、“プレイヤ”と“アイテム”に大別される。そのうち“プレイヤ”とは遊技者の操作によって行動するプレイキャラクタに対応するフィギアを意味し、“アイテム”とは装備キャラクタに対応するフィギアを意味する。一方、生命力60dや魔法力60e等はキャラクタデータを構成する特性要素となる項目であり、キャラクタの能力を数値で示し、数値の大小が各能力の高低に対応している。
なお、図9、図10はキャラクタデータ取り込み処理がなされた後のフィギア管理ファイル60を示しており、取り込み処理の対象として選択された相手のキャラクタに対応するレコード(各図の※印)は削除される。キャラクタデータ取り込み処理等の詳細については、後述する。
【0046】
(ゲーム用フィギアの構成)
図11はプレイフィギア40の構成を示す分解斜視図である。このプレイフィギア40は、台座部41と、迷宮対戦ゲームに登場する各キャラクタの立体形状を表したフィギア本体部42とを有している。
【0047】
台座部41は台座装着部15aの窪みに対応した大きさを有し、中空の厚肉円板状に形成されている。この台座部41は天頂部43aを有する有底円筒状の台座本体部43とICチップ44を有し、台座本体部43の開放端部にICチップ44が嵌め込み固定された構成を有している。また、台座本体部43の天頂部43aの略中央に突起部43bを有している。ICチップ44は、フィギア本体部42に対応するキャラクタに固有のフィギアIDを記憶している。本実施の形態では、フィギアIDが本発明における遊技体に対応する識別情報に相当する。
【0048】
フィギア本体部42は、突起部43bに対応する凹部46aを有する脚座部46と、脚座部46から2本足で直立するように形成され、迷宮対戦ゲームに登場する各キャラクタをかたどった人形部47とを有し、凹部46aに突起部43bが嵌め込まれ、台座部41の天頂部43aに固定されている。なお、プレイフィギア40は直径約7cmの図示しないカプセルに納められて、カード販売機6と同等の販売機で販売されるようになっている。各カプセルにはごく一部にモンスターフィギアが納められているため、プレイフィギア40を使用する場合(後述するフィギア有りモード)では、モンスターフィギアを使用できる場合があるようになっている。また、同じキャラクタでも、微妙に色を変えたり、後述するキャラクタデータを変える等してキャラクタの固有性を表現し、遊技者の収集意欲を促進するようにしている。
【0049】
プレイフィギア40はフィギア本体部42の形状によって、遊技者が区別可能であり、フィギアIDによって、ゲームマシン1が区別可能になっている。このフィギアIDは、異なるプレイフィギア40に対してユニーク(固有)とし、ゲームシステム100における同一フィギアの多重登録を禁止するようにしている。
【0050】
図12は装備フィギア50の構成を示す側面図である。装備フィギア50は、台座部51と、迷宮対戦ゲームに登場するプレイキャラクタが保有または使用する装備(弓矢、盾、鎧等)の立体形状を表したフィギア本体部52とを有している。装備フィギア50もプレイフィギア40と同様、フィギア本体部52の形状によって遊技者が区別可能であり、フィギアIDによって、ゲームマシン1が区別可能になっている。その他、装備フィギア50の構成等は、基本的にプレイフィギア40と共通するため、図12において同一符号を付して詳細説明を省略する。
【0051】
(ゲームマシンの動作内容)
次に、以上の構成を有するゲームマシン1の動作内容について、図13〜図22に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明では、遊技店舗Aに設置されている8台のゲームマシン1のうちの4台のゲームマシン1を、それそれの遊技者が操作して同じ迷宮対戦ゲームを行う場合を例にとって説明する。
【0052】
図13は各ゲームマシン1におけるゲームの開始から終了までのゲーム処理の動作手順を示すフローチャートである。なお、図13および後述する図14〜図22ではステップをSと略記している。以下の説明では、4人の遊技者が操作するうちの1台のゲームマシン1を例にとって説明している。
【0053】
ゲームマシン1は電源投入時に店舗サーバ2に対してアプリケーションデータのダウンロード要求を送信し(後述するステップ100)、一方、店舗サーバ2がダウンロード要求を受信すると、ダウンロード要求を送信してきたゲームマシン1にアプリケーションデータを送信する(図17参照)。
【0054】
ゲームマシン1は、アプリケーションデータを受信すると、そのアプリケーションデータをRAM33に記憶させる。そして、ゲームマシン1では、メインCPU32が遊技進行制御手段として作動し、アプリケーションデータを読み込むと、遊技者の操作入力に応じて迷宮対戦ゲームを進行させる。各ゲームマシン1は店舗サーバ2およびセンターサーバ群5を介して互いに同期をとりながら、メインディスプレイ11に遊技画像を表示するようになっている。
【0055】
このとき、各ゲームマシン1は、ゲーム処理を開始すると、ステップ1に進んでコイン投入、IDカードの挿入、パスワード入力、キャラクタ生成処理を含む後述のゲーム開始処理を行う。ステップ2では、ゲーム開始処理の結果から、後述するフィギア有りフラグに所定のデータがセットされている(セット有り)か否かを判定し、その判定結果に応じてステップ3、4に処理を分岐させて(フィギア有りフラグのセット有りのときはステップ3、そうでないときはステップ4)、いずれかの処理を行いステップ3に続くステップ5でフィギア有りフラグをクリアした上でステップ6に進み、対戦成績などのゲーム結果(対戦結果)の表示を行う一方、データベースサーバ103において、ゲームデータを更新させるため、対戦結果を示すデータを店舗サーバ2を経由してデータベースサーバ103に送信する後処理を行い、処理を終了する。
【0056】
このように、ゲームマシン1では、フィギア有りモードと、フィギア無しモードのいずれかのモードで迷宮対戦ゲームを行えるようになっている。ただし、フィギア有りモードでは、フィギア無しモードよりもゲーム内容が遊技者にとって有益になるようになっている(詳しくは後述する)。
【0057】
(ゲーム開始処理)
ステップ1のゲーム開始処理は図14に示すフローチャートに沿って行われる。図14はゲーム開始処理の動作手順を示すフローチャート、図15はキャラクタ生成処理の動作手順を示すフローチャート、図16はキャラクタデータ取り込み選択処理の動作手順を示すフローチャートである。
【0058】
メインCPU32はゲーム開始処理を開始するとステップ61に進み、メッセージ出力処理を行い、画像制御回路71に指示してメインディスプレイ11に所定のメッセージ(コイン投入要求、IDカードの挿入要求およびパスワードの入力要求)を表示させる。続いて、ステップ62,63と処理を実行する。
【0059】
遊技者は、ゲームを開始するためには、コインをコイン投入口6から投入するとともに、IDカード17をカードスロット18に挿入し、操作ユニット19を用いてパスワードを入力する。すると、投入されたコインの検出信号がコインセンサ16aからメインCPU32に入力され、カードリーダ18aからはIDカード17に記憶されているカード情報が入力される。さらに、操作ユニット19からパスワードが入力され、これらすべての入力があるとステップ63に進み、メインCPU32が通信制御部21に指示して通信処理部22を作動させ、読み取ったカード情報および入力されたパスワードを店舗サーバ2に送信する。
【0060】
続くステップ64では、後述する応答信号をセンターサーバ5から受信するまで待機して、その応答信号を受信するとステップ65に進む。ステップ65では、フィギアの有り、無しと、応答信号から認証(登録)済みか否かを区別して、選択可能な各種キャラクタのいずれかを選択させる選択画面の表示をメインディスプレイ11で行うための指示を行い、続くステップ66では、タッチパネル11aのタッチがあるまで待機して、タッチがあるとステップ67に進み、ステップ65でフィギア有りを選択したか否かを判定する。ここで、フィギア有りを選択した場合はステップ68に進み、そうでなければステップ69に進む。ステップ68でキャラクタ生成処理を行った後、キャラクタデータ取り込み選択処理(ステップ70)に進んで後続のステップ71に進む。一方、ステップ69ではフィギア不使用によるキャラクタ生成指示(ノンフィギアのキャラクタ生成指示)データを後述するエントリーデータにセットしてステップ71に進む。詳しくは、ステップ67では、初めてフィギアを用いるときおよび既に認証済みのフィギアがあり、その認証済みのフィギアとは別のフィギアを用いるときのいずれにおいても、遊技者によってフィギア有りが選択されると、ステップ68に進み、キャラクタ生成処理が行われる。また、初めからフィギアを用いないときおよび既に認証済みのフィギアがあるのにそのフィギアを用いないときは、遊技者によってフィギア無しが選択されると、ステップ69に進む。
【0061】
そして、ステップ68に進むと、メインCPU32は図15に示すフローチャートに沿ってキャラクタ生成処理を行う。この処理を開始すると、ステップ81に進み、プレイフィギア40のセット要求メッセージ出力処理を行う。ここでは、メインCPU32が画像制御回路71に指示してメインディスプレイ11に、プレイフィギア40を認証ユニット15に装着し、フィギアIDを読取るセッティングを要求するメッセージ(例えば、“プレイフィギアの台座を操作パネル上の認証ユニットにセットしてください。プレイフィギアの認証が始まると、認証ユニットが明るく点灯しますので、明かりが消えるまでプレイフィギアをはずさないで下さい”)を表示させ、続くステップ82では、フィギアIDの読み取りが終わるまで待機する。遊技者が表示されるメッセージにしたがいプレイフィギア40を認証ユニット15にセットすると、認証ユニット15がプレイフィギア40のICチップ44に記憶されているフィギアIDを読み取り、メインCPU32に入力する。すると、ステップ83に進み、メインCPU32が読み取ったフィギアIDを含むキャラクタ生成指示データをエントリーデータにセットする。なお、ここで読み取られたフィギアIDがキャラクタ生成における軸となるフィギアID(以下、軸フィギアIDという)であり、後述のキャラクタデータ取り込み選択処理において用いられる。
続くステップ84では、認証ユニット15によるプレイフィギア40のフィギアIDの読取(フィギアのセッティング)が行われたことを示すフィギア有りフラグに所定のデータ(本実施の形態では“1”)をセットし、ステップ84を実行すると、キャラクタ生成処理が終了する。
【0062】
キャラクタ生成処理(ステップ68)の後、ステップ70に進むとメインCPU32は図16に示すフローチャートに沿ってキャラクタデータ取り込み選択処理を行う。キャラクタデータ取り込み選択処理とは、軸となるキャラクタの相手となる他のキャラクタデータを遊技者に選択させ、その選択に基づき、データベースサーバ103に対してキャラクタデータ取り込み処理を行わせるキャラクタ取り込み指示データを送信する処理である。
【0063】
この処理を開始すると、メインCPU32は、ステップ91に進み、キャラクタデータ取り込み処理を行うか否かを遊技者に選択させる選択画面をメインディスプレイ11に表示させるための指示を行い、続くステップ92では、遊技者がタッチパネル11aにタッチしてキャラクタデータ取り込み処理を選択したか否かを判定する。ここでキャラクタデータ取り込み処理が選択されるとステップ93に進み、遊技者がキャラクタデータ取り込み処理不要を選択した場合には、キャラクタデータ取り込み選択処理を終了する。
【0064】
ステップ93ではメインCPU32が画像制御回路71に指示してメインディスプレイ11に、取り込み用フィギア(プレイフィギア40、装備フィギア50)のセッティングを要求するメッセージを表示させ、続くステップ94では、フィギアIDの読み取りが終わるまで待機する。遊技者が表示されるメッセージにしたがい取り込み用フィギアを認証ユニット15にセットすると、認証ユニット15がセットされた取り込み用フィギアのICチップ44に記憶されているフィギアIDを読み取り、メインCPU32に入力して後続のステップ95に進み、追加取り込み用フィギアの有無を選択させる選択画面をメインディスプレイ11に表示させるための指示を行う。ここで遊技者がタッチパネル11aにタッチして追加取り込み用フィギア有りを選択するとステップ93に戻って一連の処理を繰り返し、追加取り込み用フィギアのフィギアIDを認証ユニット15が読み取り、メインCPU32に入力する。ここで読み取られた取り込み用フィギアのフィギアIDが、前述の軸フィギアIDに対して相手となる他のフィギアID(以下、相手フィギアIDという)となる。
【0065】
一方、遊技者によって追加取り込み用フィギア無しが選択されるとステップ97に進み、メインCPU32が通信制御部21に指示して通信処理部22を作動させ、軸フィギアIDと相手フィギアID(相手フィギアIDが複数有る場合には総て)およびゲーム開始処理の際にIDカード17から読み取られた遊技者ID(ステップ62)を含むキャラクタデータ取り込み指示データを店舗サーバ2を介してデータベースサーバ103に送信させる。ステップ97のキャラクタデータ取り込み指示データ送信処理を実行すると、キャラクタデータ取り込み選択処理を終了し、後続のステップ71(図14参照)に進む。
【0066】
ステップ71に進むと、メインCPU32が通信制御部21に指示して通信処理部22を作動させ、エントリーデータを店舗サーバ2に送信する。ステップ71が終了すると、ゲーム開始処理が終了する。
【0067】
このように、ゲームマシン1は、プレイフィギア40のセッティングが行われたときにフィギア有りフラグに所定のデータをセットするようにしている。また、遊技者によってキャラクタデータ取り込み選択処理が所定時間内に選択された場合には、キャラクタデータ取り込み指示データが店舗サーバ2を介してデータベースサーバ103に送信され、データベースサーバ103において後述のキャラクタデータ取り込み処理がなされる。
【0068】
一方、プレイフィギア40のセッティングに伴うキャラクタ生成指示データが店舗サーバ2を介してデータベースサーバ103に送信されると、データベースサーバ103においてそのフィギアIDがそのセッティングを行った遊技者固有の遊技者IDに関連付けてフィギア管理ファイル60のID管理エリア60Aに記憶され、そのプレイフィギア40を認証済か否かの判断に用いられる。また、フィギア管理ファイル60によるプレイフィギア40の認証済か否かの判定結果が応答信号として、データベースサーバ103から送信されるので、遊技者は認証済みのフィギアに対応するキャラクタを選択して迷宮対戦ゲームを行える。ただし、プレイフィギア40のセッティングを行わないと、フィギア有りフラグのセットが行われないので、たとえプレイフィギア40の認証済みでも、迷宮対戦ゲームをフィギア有りモードで行うには、プレイフィギア40を認証ユニット15にセットしてフィギアIDの読取を行う必要がある。そして、セッティングを行うと、読み取ったフィギアIDに対応するフィギア情報がデータベースサーバ103で生成され、プレイフィギア40のセッティングを繰返し行わなくても迷宮対戦ゲームを行えるようになっている。
【0069】
ゲームマシン1、店舗サーバ2およびセンターサーバ群5では、上述の処理に対応して、図17に示す順序で処理が実行されている。図17は、ゲームマシン1、店舗サーバ2およびセンターサーバ群5の間で行われる動作シーケンスを示すシーケンスチャートである。
【0070】
ゲームマシン1では、ステップ100において、店舗サーバ2にダウンロード要求を送信してアプリケーションデータをダウンロードし、上述のとおりステップ63でカード情報等を送信する。すると、センターサーバ群5では、ステップ301に進んで、データベースサーバ103におけるCPU401がゲームマシン1から送信されたカード情報およびパスワードを用い、フィギア管理ファイル60を参照するなどして遊技者およびフィギアが登録されているか否かを判断する認証処理を行い、登録済の場合は認証済としてステップ302に進み、その認証結果を示す応答信号をゲームマシン1に送信する。この場合、データベースサーバ103では、各店舗A,Bに8台づつ設置されているゲームマシン1に対して、同様の認証処理を行う。
【0071】
また、ゲームマシン1では、上述のステップ97に示したキャラクタデータ取り込み指示データの送信を行う。すると、センターサーバ群5では、ステップ303に進んでデータベースサーバ103により図18のフローチャートに沿った処理がなされる。図18はキャラクタデータ取り込み処理の動作手順を示すフローチャートである。この処理を開始するとステップ51に進み、フィギア管理ファイル60をサーチしてデータベースサーバ103のCPU401がキャラクタデータ取り込み指示データに含まれる遊技者IDと複数のフィギアID(軸フィギアIDと相手フィギアID)の総てに対応するレコードがフィギア管理ファイル60に記憶されているか否かを判定する。そして対応する総てのレコードがあればステップ52に進み、対応するレコードの無いものがあればキャラクタデータ取り込み処理を終了する。
【0072】
ステップ52ではCPU401が遊技体データ抽出手段として作動し、遊技者IDとフィギアID(軸フィギアIDと相手フィギアID)を検索キーに設定し、その検索キーに対応するレコードをフィギア管理ファイル60からサーチ(抽出)する。そして、後続のステップ54でCPU401が取り込み生成手段として作動し、ステップ53でサーチされた各レコードにおけるキャラクタデータを取り込み、遊技者IDと軸フィギアIDとに対応するレコードを別の新たなレコードに更新する処理を行う。本実施の形態では遊技者IDと軸フィギアIDとに対応するキャラクタが本発明における軸となるキャラクタであり、遊技者IDと相手フィギアIDとに対応するキャラクタが本発明における相手となる他のキャラクタである。そして軸となるキャラクタのキャラクタデータが記憶されたレコードを別のレコードに更新することが、本発明における別の遊技体データを生成することに相当する。以下、軸となるキャラクタのキャラクタデータの更新について詳述する。
【0073】
図9は、軸となるキャラクタのキャラクタデータ更新処理がなされた後のフィギア管理ファイル60の一例を示している。図9では遊技者ID60aが“0001”、フィギアID60bが“1000”のプレイキャラクタが軸のキャラクタとして選択され、遊技者ID60aが“0001”、フィギアID60bが“1220”、“1350”のプレイキャラクタが相手のキャラクタとして選択された場合を示している。この場合、CPU401が軸および相手のキャラクタにおけるキャラクタデータを構成する各要素の数値(生命力60d〜魔法防御力60iの各数値)からそれぞれ最大値を求め、軸のキャラクタに対応するキャラクタデータの各要素の数値を最大値に変更する更新処理を行う。詳しくは、生命力60dは、フィギアID“1350”のキャラクタの数値が“300”で最も大きいため(図8参照)、軸のキャラクタの生命力60dの数値を“100”から“300”に変更し、他の項目についても同様の変更を行う更新処理を行う。なお、本実施の形態では、相手のキャラクタに対応するレコード(図9では※印を付して示す)は削除される。
【0074】
また、図10は、軸となるキャラクタのキャラクタデータの更新処理がなされた後のフィギア管理ファイル60の他の例を示している。図10では、遊技者ID60aが“0001”、フィギアID60bが“1000”のプレイキャラクタが軸のキャラクタとして選択され、遊技者ID60aが“0001”、フィギアID60bが“2330”、“5000”、“6012”の装備キャラクタが相手のキャラクタとして選択された場合を示している。この場合、CPU401が相手のキャラクタにおけるキャラクタデータを構成する各要素の数値(生命力60d〜魔法防御力60iの各数値)を軸のキャラクタに対応するキャラクタデータの各要素の数値に加算する更新処理を行う。詳しくは、更新前の軸のキャラクタの攻撃力の数値は“200”であり、相手として選択された装備キャラクタ(アイテム(ウエポン))の攻撃力の数値は“150”であるが、更新後の軸のキャラクタの攻撃力の数値は“200”に“150”を加算した“350”となる。
【0075】
なお、軸となるキャラクタデータ更新処理は、以上の場合に限定されず、例えば、軸のキャラクタのキャラクタデータを、軸および相手のキャラクタのキャラクタデータの最大値とするのではなく、平均値としてもよい。また装備キャラクタとして例えば「呪われた剣」等と命名する装備フィギアを用意し、その装備フィギアが相手のキャラクタとして選択された場合には、軸となるキャラクタのキャラクタデータにおける攻撃力の数値から相手のキャラクタ(装備キャラクタ)の攻撃力の数値を減算するような変更を行ってもよい。
【0076】
このようにデータベースサーバ103が、フィギア管理ファイル60に記憶されている複数のキャラクタデータのうち、軸となるキャラクタのキャラクタデータに、相手となる他のキャラクタのキャラクタデータを取り込んで別のキャラクタデータを生成するようにすると、軸となるキャラクタの能力(キャラクタデータに基づく)に相手となる他のキャラクタの能力(単数であっても複数であってもよい)を反映させて軸となるキャラクタの能力を変化(例えば向上)させることができる。そのため遊技者は迷宮対戦ゲームに飽き難くなる。
また、本実施の形態ではキャラクタデータがフィギア40(被読取対象物)に記憶されているフィギアID(識別情報)に対応しているため、遊技者が保有するフィギア40の数や種類の増加に伴って軸となるキャラクタデータを変更できる態様の幅が拡がり、遊技者が迷宮対戦ゲームを行う上での面白みが増え、フィギア40の収集意欲が増す。
【0077】
更に本実施の形態ではフィギアIDと遊技者IDとに対応するキャラクタごとにキャラクタデータをフィギア管理ファイル60で管理しており、同一のフィギアIDであっても遊技者IDが異なれば別のキャラクタとしてフィギア管理ファイル60に記憶され、管理される。そのため、複数の遊技者が同じフィギア(同一のフィギアID)を用いてそれぞれ別のキャラクタを用いた迷宮対戦ゲームを楽しむことができる。更に、或る遊技者がフィギアを用いて迷宮対戦ゲームを行ってゲームに登場するキャラクタのキャラクタデータを更新させても、別の遊技者が同一のフィギアを用いて迷宮対戦ゲームを行う際に登場するキャラクタのキャラクタデータに影響は与えないため、遊技者ごとにキャラクタデータが守られ、データの改ざん等の無用な争いが防止される。
【0078】
図17に戻り、キャラクタデータ取り込み指示データの送信を実行したゲームマシン1は、続いて上述のステップ68(図14参照)に示したエントリーデータの送信を行う。すると、センターサーバ群5では、ステップ304に進んでゲームサーバ101により、各ゲームマシン1からのエントリーデータを用いて、遊技者のエントリー受付を行う。さらに、後続のステップ305では遊技者の参加情報の更新およびキャラクタ生成指示データに対応するフィギアID(このフィギアIDには、認証されていない新規登録のフィギアと、認証済みで再度認証するフィギアの双方のフィギアIDが含まれる)を用いてフィギア管理ファイル60へのフィギアの登録または更新と、フィギア情報の生成または更新を行い、続くステップ306で対戦相手となる遊技者(本実施の形態では4名)を決定する。なお、フィギア管理ファイル60へのフィギアの登録または更新は、遊技者IDとフィギアIDとに関連付けられてフィギア管理ファイル60に記憶されているレコードの追加、または内容の変更を伴うレコードの更新によって行われる。
【0079】
また、ステップ307では、データベースサーバ103が対戦相手になる各遊技者のゲームデータを抽出してステップ308に進み、抽出したゲームデータ(軸となるキャラクタのキャラクタデータ等)を店舗サーバ2に送信する。店舗サーバ2では、ゲームデータを受信すると、それを各ゲームマシン1に送信する。なお、軸となるキャラクタのキャラクタデータに相手となる他のキャラクタのキャラクタデータが取り込まれて別のキャラクタデータが生成(フィギア管理ファイル60のレコードの更新)されていれば、データベースサーバ103の通信処理部404および通信制御部405が本発明における通信処理手段として作動し、軸となるキャラクタにおける上記別のキャラクタデータを含むゲームデータを店舗サーバ2を介してゲームマシン1に送信する。
【0080】
(プレイフィギア有りゲーム処理)
ゲームマシン1は図19、図20に示すフローチャートに沿って、それぞれプレイフィギア有りゲーム処理、プレイフィギア無しゲーム処理を行う。なお、以下の説明および図19および図20ではプレイフィギアを単にフィギアとして説明する。図19、図20はそれぞれフィギア有りモードにおけるゲーム処理(フィギア有りゲーム処理)、フィギア無しモードにおけるゲーム処理(フィギア無しゲーム処理)の動作手順を示すフローチャートである。
【0081】
ゲームマシン1はフィギア有りゲーム処理を開始すると、図19に示すステップ11に進み、店舗サーバ2からゲームデータを受信するまで待機して、そのゲームデータを受信すると、一旦RAM33に記憶させてから、ステップ11に進み、メインCPU32が遊技者の使用するフィギア40のフィギアID(軸フィギアID)に対応するキャラクタデータを抽出する。こうして、抽出されたキャラクタデータを用いてフィギア有りモードにおけるゲーム処理が行われるようにしている。続いて、ステップ12に進み、コスチューム、ダンジョン等の選択処理を行う。
【0082】
ここでは、メインCPU32がメインディスプレイ11において、以下の項目についての選択範囲をフィギア無しゲーム処理よりも広く設定している。この場合、メインディスプレイ11には図示しない選択画面が表示され、以下の項目を遊技者が選択できるようになっている。すなわち、新たにセッティングして認証された(または既に認証済みの)フィギア40に対応するキャラクタの属性(本実施の形態ではキャラクタが身に着けるコスチューム)と、迷宮対戦ゲームで用いるダンジョンを遊技者が選択できるようになっている。
遊技者がメインディスプレイ11に指を触れて所望のコスチュームおよびダンジョンを選択すると、タッチパネル11aからその選択を示す情報がメインCPU32に入力される。ステップ12は、フィギア有りモードにおける処理なので、コスチュームは複数種類(例えば3種類)から選択でき、ダンジョンは通常形状および特殊形状の2通りから選択できる。これに対し、フィギア無しゲーム処理では、ステップ12に相当する処理がなく、前者はキャラクタごとに定められたデフォルトコスチュームのみの設定、後者は通常形状だけの設定になっている。
【0083】
続いてステップ13に進んで権利者設定処理を行う。ここでは、迷宮対戦ゲームに参加する遊技者(本実施の形態では4人の遊技者)のいずれかを後述する迷宮のずらしを行える遊技者(ずらし権利者)に設定する。各遊技者は順番にずらし権利者に設定される。
【0084】
後続のステップ14ではずらしフェイズ処理を行う。ずらしフェイズ処理は図21に示すフローチャートに沿って行われる。ずらしフェイズ処理を開始すると、メインCPU32はステップ31に進み、画像制御回路71に指示してメインディスプレイ11に図23に示すような迷宮画像150を表示させる。この迷宮画像150は、4人の遊技者のずらし権利の有無や、攻撃の優先順位などを表示する権利表表示部(Player1,2,3,4)150aと、複数の壁部により構成される迷路の画像を表示する迷路表示部150bとを有し、その迷路内に複数のプレイキャラクタ151の画像(本実施の形態における遊技体画像)が表示されている。また、入力促進画像として、設定時間と後述する第1の経過時間とを用いた残り時間の表示を含み、遊技者に操作入力を促すためのタイマー表示部150cを有し、さらにライフ表示部150dと、壁部の移動方法の説明を示す説明表示部150eとを有している。タイマー表示部150cは、メインCPU32が表示制御手段として作動して、メインディスプレイ11に表示させており、第1の経過時間の時間が増えるにしたがい、表示される数値が減るようになっている。
【0085】
次に、ステップ32に進み、メインCPU32が時間計測手段として作動して、第1の経過時間の計測を開始する。第1の経過時間は、遊技者が画面上で位置をずらす対象となる壁部(ずらし壁部)を決定したことを示す操作入力(進行操作入力または決定操作入力)を行えるようになった時刻(入力開始時刻)から、遊技者が所望の矢印aにタッチして、進行操作入力または決定操作入力を行うまでの時間経過を示している。続くステップ33では、メインCPU32がずらし壁部の決定が行われたか否かを判定し、ずらし壁部の決定が行われるとステップ34、行われなければステップ37に進む。ステップ34に進むと、メインCPU32が判定手段として作動して、第1の経過時間が第1の設定時間(本実施の形態では10秒)以下であるか否かを判定し、第1の経過時間が第1の設定時間以内であればステップ35に進み、そうなければステップ35を実行せずにステップ36に進む。ステップ35では、メインCPU32が特典付与手段として作動して、防御力数値に“1”を加算する。防御力の数値が大きいほど、他のキャラクタからの攻撃に対する防御力が増強されるので、遊技者が迷宮対戦ゲームを進めていく上で有益な特典となるものである。続くステップ36では、メインCPU32が行動決定手段として作動して、決定された壁部をずらし壁部に設定して、キャラクタの動作(壁をずらす)を決める。
【0086】
一方、ステップ33からステップ37に進むと、第1の経過時間が、ずらし決定の制限時間(本実施の形態では15秒)以内であるか否かを判定し、第1の経過時間がずらし決定の制限時間以内であればステップ33に戻り、そうでなければステップ38に進んで、サンプリング回路36から抽出した乱数を用いるなどして、いずれかの壁部をランダムにずらし壁部に設定する。そして、ステップ39に進んでずらした後の迷宮画像を表示すると、ずらしフェイズ処理が終了する。このように、ずらし壁部の決定はずらし決定の制限時間(15秒)以内に行えるようになっているが、その制限時間よりも早く(10秒以内)に行うと、防御力の数値に“1”が加算され、遊技者に特典が付与されるようになっている。
【0087】
続いて、ステップ15に進んで移動フェイズ処理が行われる。移動フェイズ処理は図22に示すフローチャートに沿って行われる。
【0088】
移動フェイズ処理を開始すると、メインCPU32はステップ41に進み、画像制御回路71に指示して、メインディスプレイ11に図24に示すような移動フェイズの迷宮画像160を表示させる。この迷宮画像160も迷宮画像150と同様の各表示部(権利表表示部160a、迷路表示部160b、タイマー表示部160cおよびライフ表示部160d)を有し、さらに、キャラクタ161が迷路内に配置され、移動先の指定要求メッセージと、移動先の決定ボタンの表示を有する移動先指定表示部160eを有している。
【0089】
次に、ステップ42に進み、メインCPU32が時間計測手段として作動して、第2の経過時間の計測を開始する。第2の経過時間は、遊技者が自己のキャラクタの移動先を指定するための操作入力(移動先の指定)を行えるようになった時刻(入力開始時刻)から、遊技者が移動先を指定した上で、移動先指定表示部160eにタッチし、遊技を進行させるための操作入力(進行操作入力または決定操作入力)を行うまでの時間経過を示している。続くステップ43では、メインCPU32が移動先の指定が行われたか否かを判定し、移動先の指定が行われるとステップ44、行われなければステップ48に進む。ステップ44に進むと、キャラクタの居場所から移動先までの床面の表示色を変更した画像(図示せず)を表示し、移動先を明らかにしてステップ45に進む。そして、遊技者が移動先指定表示部160eの決定ボタンにタッチ(移動先の決定を行う)したか否かを判定し、タッチしたらステップ46に進み、タッチしていなければステップ48に進む。ステップ46に進むと、メインCPU32が判定手段として作動して、第2の経過時間が第2の設定時間(本実施の形態では15秒)以下であるか否かを判定する。ここで、第2の経過時間が第2の設定時間以内であればステップ47に進み、そうでなければステップ47を実行せずにステップ49に進む。ステップ47では、メインCPU32が特典付与手段として作動して、攻撃力の数値に“1”を加算する。この攻撃力の数値も数値が大きいほど攻撃力が増強されるので、遊技者が迷宮対戦ゲームを進めていく上で有益な特典となるものである。
【0090】
一方、ステップ48に進むと、第2の経過時間が移動先決定の制限時間(本実施の形態では30秒)以内であるか否かを判定し、第2の経過時間が移動先決定の制限時間以内であればステップ43に戻り、そうでなければ移動フェイズ処理が終了する(この場合、キャラクタは移動せずに元の居場所に待機している)。また、ステップ49では、メインCPU32が行動決定手段として作動して、それまでのステップでの決定にしたがいキャラクタの動作(迷路内の移動)を決めて、キャラクタを移動させた画像を表示させる。すると、移動フェイズ処理が終了する。このように、移動先の決定は移動先決定の制限時間(30秒)以内に行えるようになっているが、その制限時間よりも早く(15秒以内)に行うと、攻撃力の数値に“1”が加算され、遊技者に特典が付与されるようになっている。なお、フィギア有りモードにおける移動フェイズ処理では、フィギア無しモードでは得られない報酬として、特殊カード(ランダムな移動ができるテレポートカードや、壁抜けができる壁抜けカードなど)を使用できるようになっている。
【0091】
ここで、図19に戻り、移動フェイズ処理に続くステップ16に進むと、メインCPU32が戦闘発生か否かを判定する。ここで、戦闘発生の場合(迷宮上における攻撃可能範囲内に複数のキャラクタが存在する場合)はステップ17に進むが、戦闘発生でなければステップ20に進む。
【0092】
ステップ17では戦闘選択フェイズ処理を行う。ここでは、メインCPU32が画像制御回路71に指示して、メインディスプレイ11に図25に示すような戦闘選択画像170(権利表表示部170aを有し、迷路内にキャラクタが配置されている)を表示させる。この戦闘選択画像170を参照しながら、各遊技者(本実施の形態では4人)が攻撃相手の選択を行い、キャラクタの技を示す技カードの使用有無および使用する技カードの選択を行う。なお、各キャラクタによる攻撃の順番はずらし権利者を基準としている。
この戦闘選択フェイズ処理では、技カードを選択することできる(技カードはゲーム終了時に対戦成績に応じて報酬としてキャラクタに供与される)。フィギア有りモードの場合はフィギア無しモードよりも供与される技カードの種類が多く、選べるカードの種類も多い。また、有益な特典情報(例えば特殊な技を発揮するなど)をもたらすレアカードの供与される確率がフィギア無しモードよりも高く設定されている。つまり、遊技者はフィギア40を用いてフィギア有りモードでゲームを行うと、レアカードを含む多数の技カードが供与され、それを使用できる確率が高まるようになっている。
この場合、メインCPU32は第1のモード用の技選択テーブル(例えば、乱数と選択対象の技カードを関連付けたテーブル)をサーチしている。第1のモード用と、第2のモード用の技選択テーブルを比較すると、レアカードに対応する乱数範囲は、前者の方が後者よりも広く設定されている。
【0093】
続くステップ18では対戦処理を行う。すなわち、各キャラクタはキャラクタデータによって、それぞれの攻撃力および防御力が特定され、攻撃範囲も設定されるので、技カードの使用有無を考慮したうえで、対戦するキャラクタにおける攻撃力の数値と防御力の数値とを比較して、各キャラクタの勝敗を決める。この場合、サブディスプレイ12には、図20に示すように、キャラクタ181a,181bが対戦する様子を示した対戦画像180が表示される。なお、遊技者が操作する軸のキャラクタ(プレイキャラクタ)が装備キャラクタのキャラクタデータを取り込んでいる場合には、対戦画像180において装備キャラクタに対応する装備キャラクタの画像(遊技体画像)をプレイキャラクタに持たせているような画像を表示してもよい。
【0094】
そして、ステップ19では戦闘終了および持点計算処理を行う。ここでは、ステップ18の対戦処理の結果(対戦相手になったキャラクタの種別および勝敗結果)に応じて、ライフの加算または減算を行い、キャラクタに対する称号、宝珠の付与または剥奪を行う(フィギア有りモードでは、キャラクタの行動に応じて、「覇者」、「主」、「達人」など様々な称号が付与される)。続くステップ20では、終了条件の成否を判定し、終了条件が成立している場合(持点が0以下)はフィギア有りゲーム処理を終了し、そうでなければ(持点>0)ステップ13に戻って上記の処理を繰り返す。持点が0以下になった遊技者については迷宮対戦ゲームが終了し、代わりにメインCPU32が別のキャラクタとして参戦する。なお、図示はしないが、ライフがなくなった遊技者は回復カードの使用またはコイン投入によって、ライフが一定量回復する。
【0095】
以上のように、ゲームマシン1では、ずらしフェイズ処理と移動フェイズ処理のそれぞれにおいて、設定時間以内にずらし壁部の決定、移動先の決定を行うと、それぞれ防御力、攻撃力の数値が加算されて、防御力、攻撃力が増強されるようになっている。また、各キャラクタが対戦するときにはこれらの数値を用いてキャラクタの勝敗が決まり、迷宮対戦ゲームの進行が制御されるようになっている。そのため、防御力や攻撃力に対する加算処理が、ずらし壁部の決定と、移動先の決定を各遊技者に速やかに行わせることに対するインセンティブになる。これにより、遊技者が必要以上に操作入力を引き伸ばすようなことをなくして、早期の操作入力を促進することができ、遊技全体の進行を早めることができる。
また、ずらしフェイズ処理と移動フェイズ処理のそれぞれにおいて、タイマー表示部150c,160cが表示されるが、いずれも経過時間の計測開始からの時間の経過にともない、数字が減っていくように表示されるので、遊技者に操作入力をできるだけ早く行うように促進することができる。
【0096】
特に、ゲームマシン1のように、複数の遊技者が参加するタイプのゲームを行う場合には、ある遊技者の操作が遅延すると他の遊技者がその分、待たされてしまい、ストレスや苛立ちを感じてしまうおそれがあるが、ゲームマシン1では、そのおそれはなく、各遊技者が迷宮対戦ゲームを通じて得られるはずの遊技本来の面白みを得られるようになっている。
【0097】
(フィギア無しゲーム処理)
フィギア無しゲーム処理では、図20に示すフィギア有りゲーム処理とほぼ同様のフローチャートに沿って処理が行われる。フィギア無しゲーム処理はフィギア有りゲーム処理と比較すると、ステップ12がない点で異なっている。
フィギア無しモードでは、フィギアを用いないでゲームを進行させるが、ゲームデータを受信してRAM33に記憶させ、応答信号にフィギアIDが含まれているとき(認証済みのフィギアがあるとき)はそのフィギアIDに対応するフィギア情報の抽出を行う。
また、ステップ12を実行しないので、上述したとおり、フィギア有りモードとは違ってコスチュームとダンジョンの選択の余地がなく、フィギア有りモードにおける迷宮対戦ゲームと比較して、ゲーム内容が制限されたものとなっている。さらに、ステップ15で選択可能な各種カード、ステップ17で選択可能な技カードの選択範囲も制限されている。
そして、ステップ19でキャラクタに対して対戦結果に応じた称号の付与を行うが、フィギア無しモードでは、対戦結果がよくても「浪人」の称号しか付与されないようになっている。
このように、ゲームマシン1では、フィギア40を用いる場合だけでなく、フィギア40を用いない場合でもゲームを進行することができる。また、プレイフィギア40を用いると、用いない場合には得られない利益が得られるようになっているため、フィギアに対する収集意欲を抱かせることができ、迷宮対戦ゲーム本来の特徴を活かした面白みを提供することができる。特に、プレイフィギア40を用いて迷宮対戦ゲームを行うと、ゲームの進行内容によって、そのプレイフィギアに対応するキャラクタの持点が増えたり、攻撃力や防御力がアップしたり、称号が付与されるといった利点があるため、フィギアを繰返し使用しようとする気持ちを抱かせ、遊技者に満足感を与えることができる。
【0098】
以上の実施の形態に基づき、本発明の遊技サーバおよび遊技システムについて説明した。しかし、本発明は以上の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、遊技サーバに相当するデータベースサーバ103のCPU401が取り込み生成手段として作動したが、ゲームマシン1のメインCPU32が取り込み生成手段として作動するようにしてもよい。つまり、遊技者が認証ユニット15にセットしたプレイフィギアや取り込み用のフィギアに対応する各キャラクタデータがデータベースサーバ103によってゲームマシン1に送信され、ゲームマシン1のメインCPU32が、軸のキャラクタのキャラクタデータに、相手となる他のキャラクタのキャラクタデータを取り込んで別のキャラクタデータを生成するようにしてもよい。
【0099】
また、本実施の形態では、遊技者ID(遊技者情報)およびフィギアID(識別情報)に対応させてキャラクタ(遊技体)ごとにキャラクタデータ(遊技体データ)をデータ記憶部406(遊技体データ記憶手段)に記憶していたが、フィギアID(識別情報)のみに対応させてキャラクタ(遊技体)ごとにキャラクタデータ(遊技体データ)をデータ記憶部406(遊技体データ記憶手段)に記憶するようにしてもよい。この場合、データベースサーバ103のCPU401が遊技体データ抽出手段として作動し、フィギアIDに対応するキャラクタデータ(遊技体データ)をデータ記憶部406(遊技体データ記憶手段)から抽出する。
【0100】
更に、本実施の形態では、被読取対象物としてフィギアを例にとって説明しているが、本発明は、フィギアとは異なる被読取対象物を用いる場合にも適用がある。例えば、キャラクタに対応する絵や図柄が記載され、ID情報などを記憶しているカード状のゲームカードや、カセットを用いるようにしていてもよい。また、迷宮対戦ゲームを行えるゲームマシン1を例にとって説明しているが、他の画像遊技を行えるゲーム機についても適用がある。例えば、野球、サッカーなど複数の選手を登場させるゲームで、各選手に対応するフィギアやカセットを用いてチームプレーをシミュレーションできるゲーム機などである。
また、ゲームマシン1では、遊技画像を表示するメインディスプレイ11、サブディスプレイ12を備えていたが、メインディスプレイ11、サブディスプレイ12を別体としてもよい。
上記実施の形態では、ゲームマシン1が読取手段、遊技者情報読取手段を有する場合を例にとって説明しているが、上記各手段は、ゲームマシン1と、店舗サーバ2のいずれかに設けるようにして、ゲームシステム(本発明における遊技システム)を構成してもよい。さらに、ゲームマシン1と、店舗サーバ2とは別に、上記各手段と同様の機能を有する装置を設けてゲームシステムを構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明によるゲームマシンを複数備えたゲームシステムのシステム構成図である。
【図2】複数のゲームマシンとカード販売機を示す斜視図である。
【図3】ゲームマシンの全体構成を示す斜視図である。
【図4】内部の構成を中心に示すゲームマシンのブロック図である。
【図5】画像制御回路の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図6】店舗サーバを示すブロック図である。
【図7】ゲームサーバおよびデータベースサーバを示すブロック図である。
【図8】フィギア管理ファイルを示す図である。
【図9】キャラクタデータ取り込み処理後のフィギア管理ファイルの一例を示す図である。
【図10】キャラクタデータ取り込み処理後のフィギア管理ファイルの他の例を示す図である。
【図11】プレイフィギアの構成を示す分解斜視図である。
【図12】装備フィギアを示す側面図である。
【図13】ゲームマシンにおけるゲームの開始から終了までのゲーム処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】ゲーム開始処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】キャラクタ生成処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図16】キャラクタデータ取り込み選択処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図17】ゲームマシン、店舗サーバおよびセンターサーバの間で行われる動作シーケンスを示すシーケンスチャートである。
【図18】キャラクタデータ取り込み処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図19】フィギア有りゲーム処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図20】フィギア無しゲーム処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図21】ずらしフェイズ処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図22】移動フェイズ処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図23】迷宮画像を示す図である。
【図24】別の迷宮画像を示す図である。
【図25】戦闘選択画像を示す図である。
【図26】対戦画像を示す図である。
【符号の説明】
【0102】
1…ゲームマシン、2…店舗サーバ
5…センターサーバ群、データベースサーバ(遊技サーバ)…103
11…メインディスプレイ
15…認証ユニット
17…IDカード、31…マイクロコンピュータ
32…CPU
40…フィギア、100…ゲームシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に登場する人物、物その他の遊技体を示す遊技体画像を用いた画像遊技を行える遊技機に接続される遊技サーバであって、
前記遊技体の特性を示す遊技体データのうち、軸となる遊技体の遊技体データに相手となる他の遊技体の遊技体データを取り込んで別の遊技体データを生成する取り込み生成手段と、
該手段により生成された遊技体データを前記遊技機に送信する通信処理手段とを備えることを特徴とする遊技サーバ。
【請求項2】
前記遊技体の特性を示す遊技体データを、前記遊技体に対応させて遊技体ごとに記憶する遊技体データ記憶手段を更に備え、
前記取り込み生成手段が、前記遊技体データ記憶手段に記憶されている軸となる遊技体の遊技体データに、前記遊技体データ記憶手段に記憶されている相手となる他の遊技体の遊技体データを取り込んで前記軸となる遊技体に対応する別の遊技体データを生成することを特徴とする請求項1記載の遊技サーバ。
【請求項3】
遊技に登場する人物、物その他の遊技体を示す遊技体画像を用いた画像遊技を行える遊技システムであって、
前記遊技体に対応する識別情報を記憶した被読取対象物から前記識別情報を読み取る読取手段と、
前記遊技体の特性を示す遊技体データを前記識別情報に対応させて前記遊技体ごとに記憶する遊技体データ記憶手段と、
前記読取手段によって被読取対象物から読み取られた識別情報に対応する遊技体データを前記遊技体データ記憶手段から抽出する遊技体データ抽出手段と、
該手段によって抽出された前記遊技体データのうち、軸となる遊技体の遊技体データに、相手となる他の遊技体の遊技体データを取り込んで別の遊技体データを生成する取り込み生成手段とを有することを特徴とする遊技システム。
【請求項4】
前記画像遊技を行う遊技者を特定する遊技者情報を読み取る遊技者情報読取手段を更に備え、
前記遊技体データ記憶手段が、前記遊技者情報および前記識別情報に対応させて前記遊技体ごとに前記遊技体データを記憶し、
前記遊技体データ抽出手段が、前記遊技者情報読取手段および前記読取手段によって読み取られた遊技者情報および識別情報に対応する遊技体データを前記遊技体データ記憶手段から抽出することを特徴とする請求項3記載の遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2006−95213(P2006−95213A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−287589(P2004−287589)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】