説明

遊技媒体貸出システム及び遊技媒体貸出方法

【課題】各種決済システム及び電子マネーシステム等をプリペイドカードシステムと切り離しつつ効率良く導入することを課題とする。
【解決手段】本発明の遊技媒体貸出処理システムは、デビット決済額若しくは紙幣に対応するチケットを発行するチケット発行機130と、このチケット発行機130により発行されたチケットを受け入れて該チケット分のパチンコ玉を貸出処理するチケット対応台間ユニット110と、該チケット対応台間ユニット110に挿入されたチケット及び紙幣を所定の搬送路を経由して回収する島端金庫150とを有し、デビット決済等で得たチケットの発行、該チケットを用いたパチンコ遊技を提供し、島端金庫150はチケットと紙幣を分離して回収するので、紙幣と同一の感覚でチケットの使用が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済システムにより決済された決済額、紙幣又は電子マネー記録媒体に記録された電子マネーに応じた遊技媒体を貸出処理する遊技媒体貸出システム及び遊技媒体貸出方法に関し、特に、各種決済システム及び電子マネーシステム等をプリペイドカードシステムと切り離しつつ効率良く導入することが可能な遊技媒体貸出システム及び遊技媒体貸出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のパチンコ店では、金融機関により発行されたキャッシュカード(以下「デビットカード」と言う)を用いてプリペイドカードを購入することができるデビットカードシステムが導入されつつある。
【0003】
例えば、特許文献1には、プリペイドカードを発行するカード発行機にデビット端末を併設し、デビット端末にデビットカードを挿入して所定の操作を行いつつカード発行機上の選択ボタンを押下すると、この選択ボタンに対応する額のデビット決済を行ってこの金額が関連付けられたプリペイドカードを発行する遊技システムが開示されている。
【0004】
この特許文献1に代表される従来のデビットカードシステムでは、遊技客がデビットカードを用いてプリペイドカードを購入可能にすることにより、遊技客の手持ちの現金がなくなった場合であっても、遊技客がパチンコ店外の銀行等に赴かなくともプリペイドカードを購入できるようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−353339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、かかる従来のデビットカードシステムでは、デビット決済された決済金額でプリペイドカードを購入するものであるので、パチンコ店では、デビット決済システムのみを導入することはできず、併せてプリペイドカードシステムを導入せねばならず、結果的に膨大な初期投資がかかってしまうという問題があった。
【0007】
かかる問題は、マルチペイメントネットワーク(MPN)等の他の決済システムを導入する場合や、電子マネーシステムを導入する場合にも同様に生ずる問題である。これらのシステムについても、デビットカードシステムと同様にプリペイドカードシステムの存在を前提としているからである。
【0008】
特に、最近の規制緩和に伴って、プリペイドカードがなくとも直接現金を挿入することでパチンコ玉等を借り受けることが可能な遊技機が多数設置される傾向にあるため、プリペイドカードシステムと切り離してデビット決済システムを導入するニーズが高まってきている。
【0009】
このことから、各種決済システム及び電子マネーシステム等をプリペイドカードシステムと切り離しつつ効率良く導入することが可能な遊技媒体貸出システムをいかにして実現するかが重要な課題となっている。
【0010】
本発明は、上記課題(問題点)に鑑みてなされたものであり、各種決済システム及び電子マネーシステム等をプリペイドカードシステムと切り離しつつ効率良く導入することが可能な遊技媒体貸出システム及び遊技媒体貸出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため、本発明は、決済システムにより決済された決済額、紙幣又は電子マネー記録媒体に記録された電子マネーに応じた遊技媒体を貸出処理する遊技媒体貸出システムであって、前記決済額、紙幣又は電子マネーに応じて遊技媒体貸出用チケットを発行するチケット発行手段を有するチケット発行機と、受け入れた対象物が紙幣又は前記遊技媒体貸出用チケットのいずれであるかを判別する判別手段と、該判別手段により判別された紙幣又は前記遊技媒体貸出用チケットに関連付けられた有価価値に相当する遊技媒体を貸出処理する貸出処理手段とを有する貸出処理機と、紙幣を収納する紙幣収納手段と、前記遊技媒体貸出用チケットを収納するチケット収納手段と、前記判別手段により判別された紙幣又は前記遊技媒体貸出用チケットを前記紙幣収納手段又は前記チケット収納手段にそれぞれ収納するよう搬送制御する搬送制御手段とを有する回収装置とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記貸出処理機を管理する管理装置をさらに備え、前記管理装置は、前記チケット発行機により遊技媒体貸出用チケットが発行される際に各遊技媒体貸出用チケットに付与される識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、前記貸出処理機により受け入れられた遊技媒体貸出用チケットが持つ識別情報と、前記識別情報記憶手段に記憶される識別情報とを照合して該遊技媒体貸出用チケットが有効であるか否かを判定する受入時有効性判定手段と、前記受入時有効性判定手段により有効であると判定された遊技媒体貸出用チケットの識別情報に対応させて前記識別情報記憶手段に使用済情報を記憶させる使用済情報記憶手段と、前記回収装置により回収された遊技媒体貸出用チケットが持つ識別情報と、前記識別情報記憶手段に記憶される識別情報とを照合して該遊技媒体貸出用チケットが有効であるか否かを判定する回収時有効性判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記貸出処理機は、前記判別手段により前記遊技媒体貸出用チケットが受け入れられたと判別される場合に、該受け入れた遊技媒体貸出用チケットに標示を付加する標示付加手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記判別手段は、前記遊技媒体貸出用チケットに表示される前記識別情報の有無によって該遊技媒体貸出用チケットと紙幣とを判別することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記遊技媒体貸出用チケットは紙幣と同一の大きさであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、決済システムにより決済された決済額、紙幣又は電子マネー記録媒体に記録された電子マネーに応じた遊技媒体を貸出処理する遊技媒体貸出方法であって、前記決済額、紙幣又は電子マネーに応じて遊技媒体貸出用チケットを発行するチケット発行工程と、受け入れた対象物が紙幣又は前記遊技媒体貸出用チケットのいずれであるかを判別する判別工程と、前記受け入れた紙幣又は前記遊技媒体貸出用チケットに関連付けられた有価価値に相当する遊技媒体を貸出処理する貸出処理工程と、前記判別工程により判別された紙幣又は前記遊技媒体貸出用チケットを紙幣収納手段又はチケット収納手段にそれぞれ収納するよう搬送制御する搬送制御工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、決済額、紙幣又は電子マネーに応じた遊技媒体貸出用チケットをチケット発行機が発行し、紙幣及び遊技媒体貸出用チケットの両方を受け入れる貸出処理機が受け入れた遊技媒体貸出用チケット分の遊技媒体を貸出処理し、回収装置が紙幣及び遊技媒体貸出用チケットを区別して回収するよう構成したので、各種決済システム及び電子マネーシステム等をプリペイドカードシステムと切り離しつつ効率よく導入することができる。また、各種決済システム及び電子マネーシステム等の現金機への効率よい導入を促進することができる。また、貸出処理機において紙幣と遊技媒体貸出用チケットとを区別することなく使用でき、遊技媒体貸出用チケットの高い利便性が得られる。
【0018】
また、本発明によれば、遊技媒体貸出用チケット受け入れ時に該遊技媒体貸出用チケットの有効性を判定する受入時有効性判定手段と、遊技媒体貸出用チケット回収時に該遊技媒体貸出用チケットの有効性を判定する回収時有効性判定手段とを備えたので、不正な遊技媒体貸出用チケットの使用を排除することができる。
【0019】
また、本発明によれば、受け入れられた遊技媒体貸出用チケットに標示を付加する標示付加手段を備えたので、一目で使用済の遊技媒体貸出用チケットを区別することができる。
【0020】
また、本発明によれば、判別手段は、遊技媒体貸出用チケットに表された識別情報の有無によって該遊技媒体貸出用チケットと紙幣とを識別するので、正確、迅速かつ簡便に識別が可能となる。
【0021】
また、本発明によれば、遊技媒体貸出用チケットは紙幣と同一の大きさであるので、該遊技媒体貸出用チケットを紙幣と同じ感覚で使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る遊技媒体貸出システム及び遊技媒体貸出方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、ここでは本発明をデビット決済システムに適用した場合を中心に説明することとするが、本発明はデビット決済システムに限らず、電子マネーシステム等やその他の決済システムに適用可能である。また、以下の実施例では、遊技媒体をパチンコ玉とし、チケット対応台間ユニット(遊技媒体貸出機)をパチンコ玉貸出し機とするが、本発明は、パチンコ玉及びパチンコ玉貸出し機に限らず、メダル及びメダル貸出し機にも適用可能である。
【実施例】
【0023】
まず、本実施例に係る遊技媒体貸出システム及び遊技媒体貸出方法の概念について説明する。図1は、本実施例に係る遊技媒体貸出システム及び遊技媒体貸出方法の概念を説明するための説明図である。同図に示すように、この遊技媒体貸出システムは、パチンコ店内にチケット発行機130、チケット対応台間ユニット110及び島端金庫150を配設し、チケットを用いて遊技媒体であるパチンコ玉等を借り受けることを可能にした点に特徴がある。チケットは、チケット対応台間ユニット110に対して紙幣と混在させて挿入可能であり、チケットと紙幣は混在して島端金庫150まで搬送され、島端金庫150でチケットと紙幣とが区別されて収納される。
【0024】
ここでいう「チケット」とは、パチンコ機100に並設される台間ユニットで使用可能な紙幣分の有価価値が関連付けられた単金種の有価媒体である。例えば台間ユニットで1000円札のみが使用可能な場合には、1000円分の有価価値が関連付けられたチケットが用いられる。なお、ここで対象とする台間ユニットは、プリペイドカード等を内在させて高額紙幣に対応したものではなく、例えば1000円を投入されれば1000円分のパチンコ玉の貸出処理をパチンコ機100に指示する装置である。かかる台間ユニットを対象とした理由は、最近のパチンコ機100はプリペイドカード対応以外のものが増加しつつあり、またプリペイドカードを前提としてしまうとプリペイドカードシステムとは別にデビットカードシステムを導入できないからである。
【0025】
このように、かかるチケットは、従来のプリペイドカードのように所定額の有価価値を関連付け、使用する都度に所定額から一定額を減算するといった性質のものではなく、台間ユニットに挿入される紙幣のように、使い切り型の性質を持つものである。
【0026】
次に、この図1を参照して、チケット発行、チケット使用及びチケット回収の一連の処理の流れについて説明する。なお、図1に示したチケット発行機130は、所定の情報処理センタに対してデビット決済依頼を行うデビット端末の機能を有するものとする。また、管理コンピュータ160の設定記憶部162bには、チケットの発行単位(本実施例では1000円とする)が予め記憶されているものとする。
【0027】
同図に示すように、遊技客がチケット発行機130上で所望の金額ボタンを押下しつつデビットカードの挿入及び暗証番号入力を行うと(図1中の(1))、押下された金額ボタンを決済要求額とするデビット決済要求がチケット発行機130から情報処理センタに対して行われる。
【0028】
そして、かかるデビット決済要求が容認され決済要求額の決済処理がなされると、チケット発行機130は、発行対象となるチケットのチケットID(ここでは00298、00299、00300とする)を含むチケット発光依頼を管理コンピュータ160に対して行う(図1中の(2))。
【0029】
このチケット発行依頼を受け付けた管理コンピュータ160は、チケット残高情報データベース(チケット残高情報DB)162aに発行対象となるチケットのチケットID(00298、00299、00300)を登録し(図1中の(3))、登録済み、即ち発行許可されたチケットのチケットID(00298、00299、00300)をチケット発行機130に通知する(図1中の(4))。そしてこの発行許可を受け付けたチケット発行機130は、チケットID(00298、00299、00300)のチケットを発行し(図1中の(5))、遊技客は3枚のチケットを入手する。
【0030】
かかる遊技客がチケット対応台間ユニット110に赴いてチケットを紙幣と同様に挿入すると(図1中の(6)及び(6´))、このチケット対応台間ユニット110から管理コンピュータ160に対してチケットIDを含んでチケット使用要求がなされ、該チケットIDが未使用である場合に管理コンピュータ160チケット残高情報DBを更新すると共にチケット対応台間ユニット110に対してチケット使用許可を出力する(図1中の(7))。
【0031】
そしてこのチケット使用許可を受け取ったチケット対応台間ユニット110では、挿入されたチケットに対して、使用済みのチケットであることを示すマーキングを行う処理を施す(図1中の(8))。そしてパチンコ機100に対して1000円分のパチンコ玉を投出するように指示し、該指示を受け取ったパチンコ機100が1000円分のパチンコ玉を投出する(図1中の(9))。
【0032】
この使用済みのチケットは、紙幣と混合して所定の搬送路を経由して島端金庫150へ搬送される(図1中の(10))。そして島端金庫150では、チケットのチケットID(00298、00299、00300)を管理コンピュータ160に通知し、管理コンピュータ160では、このチケットIDがチケット残高情報DBに登録されているものであるか否か照合する(図1中の(11))。そして紙幣とチケットを分離してそれぞれの収納部へ収納する(図1中の(12))。
【0033】
なお、島端金庫150は、本来ネットワークを介して管理コンピュータ160などと接続される性質のものではないが、本発明では、島端金庫150が回収したチケットのチケットIDを管理コンピュータ160に送信して、管理コンピュータ160側で該チケットIDの登録の有無を検証することとしたため、島単金庫150はネットワークに接続されている。この点が特徴の一つとなる。
【0034】
上記一連の処理を行うことにより、遊技客はチケット発行機130から発行された単一金種相当のチケットを紙幣同様に用いてパチンコ玉を借り受けることができ、チケット対応台間ユニット110に紙幣同様に挿入されたチケットは、紙幣と混合して島端金庫150へ搬送されて、この島端金庫150で分離収納される。即ち、遊技客は、チケットを紙幣と全く同一の感覚で使用することができる。
【0035】
なお、島端金庫150は、遊技店内のネットワークに接続されず、チケット発行機130と直接接続される形態をとってもよく、この場合には、島端金庫150はチケット発行機130を経由して管理コンピュータ160に対してチケットID照合要求処理を行うこととなる。
【0036】
次に、本実施例に係る遊技媒体貸出システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例に係る遊技媒体貸出システムのシステム構成を示すブロック図である。同図に示すように、パチンコ店内に設けられる各パチンコ機100にはそれぞれチケット対応台間ユニット110が併設されており、各チケット対応台間ユニット110は、島コントローラ120を介して管理コンピュータ160に接続されている。また、この管理コンピュータ160には、デビット端末140が併設されたチケット発行機130とチケット精算機150が接続されている。
【0037】
パチンコ機100は、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技客が遊技を行う遊技機であり、チケット対応台間ユニット110は、このパチンコ機100に併設され、紙幣若しくは単一金種分の有価価値が関連付けられたチケットを受け付けて遊技媒体であるパチンコ玉を貸し出す処理機である。島コントローラ120は、各島に配設されたパチンコ機100及びチケット対応台間ユニット110と管理コンピュータ160との間のデータ中継を行う中継装置である。
【0038】
チケット発行機130は、単一金種の有価価値が関連付けられたチケットを発行する装置であり、遊技客がこのチケット発行機130に紙幣を挿入するか又はデビット端末140を用いたデビット決済依頼によりチケットを発行することができる。
【0039】
デビット端末140は、チケット発行機130と通信可能に接続されており、デビットカード、該デビットカードに対応付けられた暗証番号及び決済要求額を受け付けた場合には、この決済要求額のデビット決済要求を公衆回線網170を介して情報処理センタ180に対して行う端末装置である。なお、デビット端末140及びチケット発行機130は、一体であってもよい。
【0040】
島端金庫150は、チケット対応台間ユニット110に挿入され、チケット対応台間ユニット110から所定の搬送路を経由して搬送されてきたチケット及び紙幣を、区別して収納する機能を有するものである。
【0041】
管理コンピュータ160は、パチンコ店に少なくとも1台設置されており、チケット残高情報DBを用いてチケットID毎に残有無(使用済みフラグ)、発行額、発行日時及び使用日時等を管理する管理装置である。すなわち、チケットにはチケットIDが記憶されており、このチケットIDに関する情報は管理コンピュータ160で管理されているのである。
【0042】
情報処理センタ180は、デビット端末140からのデビット決済要求を受け付ける窓口であり、かかるデビット決済要求を受け付けたならば、CAFISネットワーク190を介して遊技客(利用者)の銀行口座が設けられているデビットカード発行銀行200に対して残高問い合わせを行い、決済要求額以上の口座残高がある場合には決済処理を行う。この決済処理に応答して、デビットカード発行銀行200の遊技客の銀行口座から加盟店銀行210の情報処理センタ180の口座に決済要求額が引き落とされる。その後、所定の手数料を差し引いた金額が、この加盟店銀行210の情報処理センタ180の口座から△△銀行220のパチンコ店の口座にまとめて決済額が振り込まれる。
【0043】
次に、図2に示したデビット端末140及びチケット発行機130の構成について説明する。図3は、図2に示したデビット端末140及びチケット発行機130の外観構成を示す正面図である。
【0044】
同図に示すように、このデビット端末140の前面には、表示部141、テンキー142、デビットカード挿入口143及びレシート発行口144が設けられ、チケット発行機130の前面には、表示部131、金額選択ボタン132、チケット発行口133及び紙幣挿入/排出口134が設けられている。なお、チケット発行機130には、紙幣挿入/排出口134が設けられていなくともよい。
【0045】
ここで、この正面図を用いてデビット端末140の操作概要を説明すると、まず遊技客は、デビットカード挿入口143にデビットカードを挿入するとともにテンキー142を用いて暗証番号を入力する。また、遊技客がチケット発行機130の金額選択ボタン132を押下すると、押下した金額が決済要求額としてデビット端末140に通知される。上記一連の操作が行われると、デビット端末140は情報処理センタ180に対してデビット決済要求を行う。
【0046】
そして、情報処理センタ180によりデビット決済要求が容認されると、表示部141上に決済完了等が表示され、チケット発行機130のチケット発行口133から決済額に対応する額のチケットが排出されるとともに、レシート発行口144からレシートが発行され、デビットカード挿入口143からデビットカードが返却される。なお、チケットは単一金種であるので、決済額分のチケットが排出されることになる。
【0047】
図4は、図2に示したデビット端末140及びチケット発行機130の内部構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、このデビット端末140は、表示部141、テンキー142、通信インターフェース部(通信I/F部)140a及び140b、カードリーダ140c、印字部140d、デビットカード処理部140e及び制御部140fを有する。
【0048】
表示部141は、液晶パネル等で形成される表示デバイスであり、この表示部141にはデビット決済要求した結果(容認又は棄却)等が表示される。テンキー142は、遊技客がデビット決済取引を行う際に必要になる情報すなわち暗証番号等の入力を行うための入力デバイスである。
【0049】
通信I/F部140aは、公衆回線網170を介して情報処理センタ180とデータ通信するためのインターフェース部であり、通信I/F部140bは、チケット発行機130並びに該チケット発行機130を介して管理コンピュータ160と通信を行うためのインターフェース部である。
【0050】
カードリーダ140cは、デビットカード挿入口143に挿入されたデビットカードからカードIDを読み取って制御部140fに出力する処理部であり、印字部140dは、デビット決済取引終了後のデビット明細をレシートとして印字するための小型プリンタである。この印字部140dで印字されたレシートは、レシート発行口144から排出される。
【0051】
デビットカード処理部140eは、遊技客からデビット決済依頼を受け付けた際に、情報処理センタ180に対してこのデビット決済依頼に対応するデビット決済要求を行う処理部であり、具体的には、カードID、暗証番号及び決済要求額(選択された金額選択ボタン132の額+手数料)を情報処理センタ180に送信してデビット決済要求を行う。例えば、カードID「1234567」を所有する遊技客から「3000円」のデビット決済依頼を受けた場合には、このデビットカード処理部140eは、情報処理センタ180に対して「3000円+手数料」分のデビット決済要求を行う。
【0052】
制御部140fは、デビット端末140の全体制御を行う制御部であり、具体的には、公衆回線網170を介して情報処理センタ180との間のデータ授受を行う処理、管理コンピュータ160との通信を行う処理等を行う。
【0053】
一方、チケット発行機130は、表示部131と、金額選択ボタン132と、通信I/F部130a及び130bと、紙幣処理部130cと、チケット発行処理部130dと、発行制御部130eとを有する。
【0054】
表示部131は、液晶パネル等で形成される表示デバイスであり、この表示部141には発行するチケットの枚数及びチケットID等が表示される。金額選択ボタン132は、遊技客が購入するチケットの金額を指定するボタンであり、本実施例では一枚のチケットに1000円の有価価値を関連付けることとしているので、3000円の金額選択ボタンはチケット3枚を意味することになる。
【0055】
通信I/F部130aは、管理コンピュータ160と通信を行うためのインターフェース部であり、通信I/F部130bは、デビット端末140との間でデータ通信するためのインターフェース部である。
【0056】
紙幣処理部130cは、紙幣挿入/排出口134から挿入された紙幣に係る処理を行う処理部であり、具体的には、紙幣の金種判定、真偽判定、紙幣収納処理等を行う。
【0057】
チケット発行処理部130dは、投入された紙幣若しくはデビット決済額分のチケットを発行する処理部であり、具体的には、紙幣を受け付けるか若しくはデビット決済がなされた場合に、該金額分のチケットのチケットIDを含むチケット発行依頼を管理コンピュータ160に送信し、管理コンピュータ160からチケット発行許可を受け付けた時点で該チケットをチケット発行口133から発行する。
【0058】
発行制御部130eは、チケット発行機130の全体制御を行う制御部であり、管理コンピュータ160及びデビット端末140との間の通信制御や、チケット発行処理部130dへのチケット発行指示制御等を行う。
【0059】
次に、図2に示したチケット対応台間ユニット110の内部構成について説明する。図5は、図2に示したチケット対応台間ユニット110の内部構成を示す機能ブロック図である。
【0060】
同図に示すように、このチケット対応台間ユニット110は、紙幣(一金種のみ)及びチケットの挿入に応答して玉貸し処理を行う台間ユニットであり、紙幣処理部111と、チケット読取部112と、チケットマーキング処理部113と、通信I/F部115と、制御部114とを有する。なお、紙幣処理部111とチケット読取部112は、本来は同一の機構であるが、機能的な差異に基づき、図5においては分離して示している。即ち、紙幣処理部111及びチケット読取部112は同一の処理部である。
【0061】
紙幣処理部111は、図示しない紙幣挿入口から紙幣を受け付けた場合に、この紙幣の金種判定及び真偽判定を行い、受入対象金種(例えば1000円)の正当な紙幣である場合には、制御部114にその旨を通知するとともに、紙幣を図示しない搬送路に排出する処理部である。該搬送路は、チケット対応台間ユニット110に挿入された紙幣及びチケットを島端金庫150へ搬送するための搬送路である。
【0062】
チケット読取部112は、図示しないチケット挿入口(前述の紙幣挿入口と同一)からチケットを受け付けた場合に、該チケットにバーコードにて記録されているチケットIDを読み取って制御部114に出力する処理部である。チケットマーキング処理部113は、チケット対応台間ユニット110が受け付けたチケットに対して、使用済みであることを示すマークを付す処理を行うものである。該マークは、マークの印刷や押印、パンチによる穿孔などである。通信I/F部115は、島コントローラ120を介して管理コンピュータ160との間のデータ通信を司るインターフェース部である。
【0063】
制御部114は、チケット対応台間ユニット110の全体制御を行う制御部であり、紙幣対応玉貸し処理部114a、チケット対応玉貸し処理部114b、紙幣搬送制御部114c及びチケット搬送制御部114dを有する。紙幣対応玉貸し処理部114aは、図示しない紙幣挿入口から受け付けた紙幣に応答してパチンコ機100の玉投出機構部101に紙幣分のパチンコ玉を投出するよう指示する処理部であり、かかる一連の処理は管理コンピュータ160を介することなくローカルに行われる。
【0064】
チケット対応玉貸し処理部114bは、図示しないチケット挿入口から受け入れたからチケットに応答して玉貸し処理を行う処理部であり、具体的には、チケット読取部112により読み取られたチケットIDが未使用であるか否かを管理コンピュータ160に問い合わせ、未使用である場合にはパチンコ機100の玉投出機構部101にチケット分のパチンコ玉を投出するよう指示する。
【0065】
紙幣搬送制御部114cは、挿入された紙幣を島端金庫150へ向けて搬送するよう制御する制御部であり、チケット搬送制御部114dは、使用済みのチケットを島端金庫150へ向けて搬送するよう制御する制御部である。
【0066】
次に、図2に示した島端金庫150の内部構成について説明する。図6は、図2に示した島端金庫150の内部構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この島端金庫150は、制御部151と、チケット・紙幣受付処理部152と、チケットID読取部153と、収納処理部154と、チケットID異常報知部155と、管理コンピュータ160と通信を行うためのインターフェース部である通信I/F部156とを有する。
【0067】
制御部151は、島端金庫150の全体制御を行う制御部であり、チケット・紙幣判別処理部151aと、チケットID照合要求処理部151bとを有する。チケット・紙幣判別処理部151aは、島単金庫150へ搬送されてきたチケット若しくは紙幣が何れであるかを判定し、区別する処理を行う。該処理を経て、チケット又は紙幣は、それぞれチケット若しくは紙幣として取り扱われることとなる。チケット・紙幣判別処理部151aにより判別されたチケットは、チケット読取部153によるチケットIDの読取処理対象となる。また、収納処理部154によるチケットと紙幣とに区別した収納処理が可能となる。
【0068】
チケットID照合要求処理部151bは、チケットID読取部153の処理により読み取られたチケットIDを元に、管理コンピュータ160に該チケットIDが登録されているものか否かの照合を要求する処理部である。即ち管理コンピュータ160に、チケットIDを含んで該チケットIDの照合処理を要求する処理を行う。
【0069】
チケット・紙幣受付処理部152は、島単金庫150に搬送されてきたチケット又は紙幣を受け付ける処理を行う処理部である。該受け付けの際には、チケット、紙幣を区別せず受け付け処理を行う。これは、チケットが紙幣と同一のサイズをもつ紙片であるために可能となるものである。これによって遊技客は、チケットを紙幣と同様の感覚で使用することができ、チケット利用の利便性が向上する。チケット・紙幣受付処理部152により受け付けられたチケット若しくは紙幣は、チケット・紙幣判別処理部151aの処理対象となる。
【0070】
チケットID読取部153は、チケット・紙幣判別処理部151aにより判別されたチケットの券面にバーコードにて印刷されているチケットIDを読み取るバーコードリーダである。該チケットID読取部153によりチケットIDが読み取られたチケットは、チケットID照合要求処理部151bにより管理コンピュータ160に対してチケットIDの照合処理要求の対象となる。なお、チケットID読取部153は、バーコードリーダに限らず、チケットの券面にチケットIDが磁気的に付されている場合には、磁気読取装置である。或いは、チケットの券面にチケットIDがホログラム等のように光学的に付されている場合には、光学的読取装置である。
【0071】
収納処理部154は、島端金庫150に搬送されてきたチケット若しくは紙幣を、チケット・紙幣判別処理部151aの判別処理結果に応じて、チケット、紙幣毎に収納する処理を行う。収納処理部154は、チケット収納処理部154aと、紙幣収納処理部154bとを有する。チケット収納処理部154aは、チケット・紙幣判別処理部151aにより判別されたチケットを収納する処理部である。紙幣収納処理部154bは、チケット・紙幣判別処理部151aにより判別された紙幣を収納する処理部である。チケット収納処理部154a及び紙幣収納処理部154bは、チケットと紙幣を分離して収納するための収納部にそれぞれ連繋するように配設されている。
【0072】
チケットID異常報知部155は、チケットID照合要求処理部151bによるチケットIDの照合要求の結果、管理コンピュータ160から異常、即ち当該チケットIDの登録がないとの通知があった場合に、該異常を報知するための報知部である。チケットID異常報知部155は、該異常を表示して報知する表示部や、音で報知するスピーカなどで構成されているものである。
【0073】
なお、チケットID照合要求処理部151bによるチケットIDの照合要求の結果、管理コンピュータ160から異常を通知されたチケットは、図示しないチケット排出処理部の処理により、島端金庫150が有する図示しないリジェクト部に収納されることとなる。
【0074】
次に、図2に示した管理コンピュータ160の内部構成について説明する。図7は、図2に示した管理コンピュータ160の内部構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この管理コンピュータ160は、制御部161と、記憶部162と、チケット発行機130、チケット対応台間ユニット110及び島端金庫150と通信を行うためのインターフェース部である通信I/F部163とを有する。
【0075】
制御部161は、管理コンピュータ160の全体制御を行う制御部であり、チケット発行処理部161aと、チケット使用済登録処理部161bと、チケットID照合処理部161cとを有する。チケット発行処理部161aは、チケット発行機130で発行要求の受け付けがなされた枚数分のチケットにユニークなチケットIDを付与し、このチケットIDを持つレコードをチケット残高情報DBのチケット残高情報テーブルに新規追加する。チケット残高情報テーブルにおけるレコード新規追加の際には、チケットIDのカラムに「チケットID」を、使用済みフラグのカラムに「0(未使用)」を、発行額のカラムに「1000」を、発行日時のカラムに当該処理日時をそれぞれ入力する。さらにチケット残高情報テーブルへの新規レコードの追加が正常完了した場合には、チケット発行機130に対して当該チケット発行の許可を通知する。
【0076】
チケット使用済登録処理部161bは、チケット対応台間ユニット110からの要求に応じて、該チケット対応台間ユニット110に挿入されたチケットのチケットIDに対応するチケット残高情報テーブルのレコードの使用済みフラグのカラムに「1(使用済み)」を入力し、使用日時のカラムに該チケット対応台間ユニット110に挿入された日時を入力する。そして、該入力処理が正常に終了すると、その旨をチケット対応台間ユニット110へ通知する。ここで、チケット対応台間ユニット110に挿入されたチケットのチケットIDに対応するチケット残高情報テーブルのレコードが存在しない場合には、チケット使用済登録処理部161bは、異常、即ちチケット残高情報テーブルへのチケットID登録なしをチケット対応台間ユニット110へ通知する。該通知を受けたチケット対応台間ユニット110は、当該挿入されたチケットを不正なチケットとして受け付けず外部へ排出し、異常があった旨の報知を、表示部、スピーカ、発行部等の少なくともいずれかの手段を用いて報知する。このようにすると、本遊技媒体貸出システムにおけるチケットの不正使用を排除することができる。
【0077】
チケットID照合処理部161cは、島端金庫150からの要求に応じて、該島端金庫150に回収されたチケットのチケットIDに対応するチケット残高情報テーブルのレコードが存在するか否かを検証する。そして、該検証処理が正常に終了すると、その旨を島端金庫150へ通知する。ここで、島端金庫150に回収されたチケットのチケットIDに対応するチケット残高情報テーブルのレコードが存在しない場合には、チケットID照合処理部161cは、異常、即ちチケット残高情報テーブルへのチケットID登録なしを島端金庫150へ通知する。該通知を受けた島端金庫150は、当該回収されたチケットを不正なチケットとして受け付けず外部へ排出し、異常があった旨の報知を、チケットID異常報知部155を用いて報知する。このようにすると、本遊技媒体貸出システムにおけるチケットの不正使用を排除することができる。
【0078】
上記したように、チケット使用済登録処理部161b及びチケットID照合処理部161cにおいてチケットIDを2重に検証することにより、より高い精度で不正なチケットの検出及び排除を行うことができ、さらにはチケットの不正使用を抑止する効果が期待できる。
【0079】
記憶部162は、管理コンピュータ160が有する内部記憶装置及び外部記憶装置の総称である。外部記憶装置はハードディスクなどのストレージデバイスであり、或いはフラッシュメモリである。内部記憶装置は、RAMなどの揮発性メモリ、或いはEPROMなどの不揮発性メモリ、又はROMなど読み出し専用メモリである。記憶部162は、チケット残高情報DB162aと、設定記憶部162bとを有する。チケット残高情報DB162aは外部記憶装置に構築されるものであり、ハードディスクに構築されることが好適である。また、設定記憶部162bは、内部記憶装置であり、EPROMに格納されることが好適である。
【0080】
チケット残高情報DB162aは、図8に示すように、チケットID、使用済みフラグ、発行額、発行日時、使用日時のカラムを持ち、チケットIDを主キーとして構成されるチケット残高情報テーブルで構築される。該チケット残高情報DB162aにより、チケット発行機130にて発行されたチケットの正当性が一元的に管理される。また、設定記憶部162bにより、チケット発行機130で発行されるチケットに関連付けられる発行金額の単位が規定される。
【0081】
次に、図4に示したチケット発行機130及び図7に示した管理コンピュータ160によるチケット発行手順について説明する。図9は、図4に示したチケット発行機130及び図7に示した管理コンピュータ160によるチケット発行手順を示すフローチャートである。
【0082】
同図に示すように、チケット発行機130上の金額選択ボタン132の押下操作を受け付けるとともに(ステップS101)、デビット端末140によりデビットカード及び暗証番号を受け付けると(ステップS102)、デビット端末140が情報処理センタ180にデビット決済要求を行い(ステップS103)、決済結果待ちの状態となる(ステップS104否定)。
【0083】
ここで、デビット端末140が情報処理センタ180から決済容認通知を受信したならば(ステップS104肯定、ステップS105肯定)、決済額分のチケットの発行依頼を管理コンピュータ160へ送信する(ステップS106)。具体的には、3000円分の決済要求を行った場合には、1000円分の有価価値が関連付けられた3枚のチケットのチケット発行依頼を管理コンピュータ160に対して行い、この管理コンピュータ160にて決済額分のチケットのチケットID登録が行われ(ステップS105)、該管理コンピュータ160がチケット発行機130へ発行許可を送信し(ステップS108)、該送信された発行許可をチケット発行機130が受信したならば、かかる3枚のチケットをチケット発行口133から排出することになる(ステップS109)。
【0084】
そして、デビット端末140は、レシート発行口144からレシートを排出し(ステップS110)、表示部141上に取引完了表示を行うことになる(ステップS111)。
【0085】
一方、決済要求が棄却された場合には(ステップS104肯定、ステップS105否定)、デビット決済ができなかった旨を表示部141に表示するエラー処理を行って(ステップS112)、処理を終了する。
【0086】
次に、図5に示したチケット対応台間ユニット110及び図7に示した管理コンピュータ160による玉貸し処理手順について説明する。図10は、図5に示したチケット対応台間ユニット110及び図7に示した管理コンピュータ160による玉貸し処理手順を示すフローチャートである。
【0087】
同図に示すように、このチケット対応台間ユニット110は、当初紙幣若しくはチケット挿入待ちの状態にある。そしてチケット若しくは紙幣が挿入されると、該挿入されたものがチケットであるか紙幣であるかの判別処理を行う(ステップS121)。ここで、図示しない紙幣挿入口からチケットを受け付けたならば(ステップS122肯定)、チケットマーキング処理を実行し(ステップS123)、チケット読取部112によりチケットIDを読み取り(ステップS124)、読み取ったチケットIDを管理コンピュータ160へ送信する(ステップS125)。当該チケットIDを管理コンピュータが受信したならば、管理コンピュータ160はチケット使用済処理を行う(ステップS126)。具体的には、チケット残高情報テーブルの使用済みフラグを「1」にし、使用日時を入力する。そしてステップS126の処理結果をチケット対応台間ユニット110へ送信する(ステップS127)。
【0088】
管理コンピュータ160からチケット使用済処理結果を受信したならば、チケット対応台間ユニット130は、当該チケット使用済処理結果が正常か否かを判定する(ステップS128)。チケット使用済処理結果が正常であると判定する場合(ステップS128肯定)、チケット使用済処理結果が正常であることを報知し(ステップS129)、チケット分の玉貸し処理を行うようパチンコ機100の玉投出機構部101に指示する(ステップS130)。
【0089】
これに対して、チケット使用済処理結果が異常、即ち当該チケットIDが未使用ではなく使用済み若しくは精算済みのものである場合には(ステップS128否定)、チケット使用済処理結果が異常であることを報知し(ステップS132)、玉貸し処理を行わずに挿入されたチケットを遊技客へ返却すべくそのまま排出する(ステップS133)。
【0090】
他方、図示しないチケット挿入口から紙幣を受け付けた場合には(ステップS122否定)、島端金庫150へ当該紙幣の搬送処理を開始する(ステップS134)。
【0091】
次に、図6に示した島端金庫150及び図7に示した管理コンピュータ160によるチケット・紙幣回収処理手順について説明する。図11は、図6に示した島端金庫150及び図7に示した管理コンピュータ160によるチケット・紙幣回収処理手順を示すフローチャートである。
【0092】
同図に示すように、この島端金庫150は、当初紙幣若しくはチケット回収待ちの状態にある。そしてチケット若しくは紙幣が当該島端金庫150に回収されると、該回収されたものがチケットであるか紙幣であるかの判別処理を行う(ステップS141)。ここで、チケットを回収したと判定する場合には(ステップS142肯定)、チケット読取部153によりチケットIDを読み取り(ステップS143)、読み取ったチケットIDを管理コンピュータ160へ送信する(ステップS144)。当該チケットIDを管理コンピュータが受信したならば、管理コンピュータ160はチケットID照会処理を行う(ステップS145)。具体的には、チケット残高情報テーブルに当該チケットIDを持つレコードが存在するか否かを検証する。そしてステップS145の処理結果を島端金庫150へ送信する(ステップS146)。
【0093】
管理コンピュータ160からチケットID照会処理結果を受信したならば(ステップS147)、島端金庫150は、当該チケットID照会処理結果が正常か否かを判定する(ステップS148)。チケットID照会処理結果が正常であると判定する場合(ステップS148肯定)、チケットID照会処理結果が正常であることを報知し(ステップS149)、チケット収納処理部154aはチケットの収納処理を行う(ステップS150)。
【0094】
これに対して、チケットID照会処理結果が異常、即ち当該チケットIDを持つレコードが存在しない場合には(ステップS148否定)、チケットID照会処理結果が異常であることを報知し(ステップS151)、回収されたチケットをそのまま排出する(ステップS152)。
【0095】
他方、紙幣を回収したと判定される場合には(ステップS142否定)、島端金庫150の紙幣回収処理部154bは紙幣の収納処理を行う(ステップS153)。
【0096】
以上本発明の実施例を説明したが、これらに限らず本発明は、上記実施例以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施例にて実施されてもよいものである。
【0097】
上述してきたように、本実施例では、デビット決済額若しくは紙幣に対応するチケットを発行するチケット発行機130と、このチケット発行機130により発行されたチケットを紙幣同様に受け入れて該チケット分のパチンコ玉を貸出処理するチケット対応台間ユニット110と、チケットと紙幣を同様に回収して、区別して収納する島端金庫150とを設けるよう構成したので、デビット決済システムをプリペイドカードシステムと切り離しつつ効率良く導入することが可能となる。
【0098】
なお、本実施例では、デビット決済システムを用いる場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、マルチペイメントネットワークのようなデビット決済システム以外の他の決済システムを用いた場合に適用することもできる。
【0099】
また、ここでは説明の便宜上、紙幣若しくは決済システムに基づいてチケットを発行する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子マネー媒体に記憶した電子マネーを用いてチケットを発行する場合に適用することもできる。かかる電子マネーを採用する場合には、チケット発行機130に電子マネーを受け付ける機能を設ける必要がある。
【0100】
さらに、本実施例では、あらかじめ管理コンピュータ160の設定記憶部にチケット発行単位を記憶することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、チケット対応台間ユニット110が対象とする額に動的に適合させることもできる。この場合には、管理コンピュータ160が所定の若しくは全てのチケット対応台間ユニット110と通信を行って貸出単位額を取得し、取得した貸出単位額を設定記憶部に自動設定するよう構成すればよい。ただし、チケット対応台間ユニット110が異なる貸出単位額を採用する場合には、これらを統一するよう遊技店員に報知させる必要がある。
【0101】
また、本実施例では、チケット対応台間ユニット110からパチンコ機100に対して玉貸し指示を行う場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、チケット対応台間ユニット110からノズルを介して直接パチンコ機100の受け皿にパチンコ玉を投出する場合にも適用することもできる。
【0102】
本実施例では、チケット対応台間ユニット110に挿入される現金は紙幣としたが、これに限らず、硬貨であってもよい。例えば500円硬貨と同一の有価価値が関連付けられたチケットであってもよい。また、現金が硬貨である場合には、チケットは硬貨と同一の形状をしたもの、例えば樹脂製の擬似硬貨であってもよい。
【0103】
本実施例では、チケットはチケット対応台間ユニット110に挿入され受け付けられた時点でマーキングを施され、該チケットが使用済みである旨を明示するようにした。これはチケットを再利用しないと言う前提に立っており、該チケットの材質は紙等であることを想定している。しかし本発明はこれに限らず、チケットはチケット対応台間ユニット110に挿入され受け付けられた時点でもマーキングを施されず、該チケットが使用済みである旨を特に明示しないようにしてもよい。この場合は、チケットは再利用可能であり、該チケットの材質は樹脂等の繰り返しの再利用に耐えうる材質であることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明に係る遊技媒体貸出システム及び遊技媒体貸出方法は、各種決済システム、電子マネーシステム及びその他のシステムをプリペイドカードシステムと切り離しつつ効率よく導入する場合に有用である。また、各種決済システム及び電子マネーシステム等の現金機への効率よい導入を促進したい場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本実施例に係る遊技媒体貸出システム及び遊技媒体貸出方法の概念を説明するための説明図である。
【図2】本実施例に係る遊技媒体貸出システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示したデビット端末140及びチケット発行機130の外観構成を示す正面図である。
【図4】図2に示したデビット端末140及びチケット発行機130の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図2に示したチケット対応台間ユニット110の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図6】図2に示した島端金庫150の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図7】図2に示した管理コンピュータ160の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図8】チケット残高情報テーブルのテーブルイメージを示すイメージ図である。
【図9】図4に示したチケット発行機130及び図7に示した管理コンピュータ160によるチケット発行手順を示すフローチャートである。
【図10】図5に示したチケット対応台間ユニット110及び図7に示した管理コンピュータ160による玉貸し処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図6に示した島端金庫150及び図7に示した管理コンピュータ160によるチケット・紙幣回収処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0106】
100 パチンコ機
101 玉投出機構
110 チケット対応台間ユニット
111 紙幣処理部
112 チケット読取部
113 チケットマーキング処理部
114 制御部
114a 紙幣対応玉貸し処理部
114b チケット対応玉貸し処理部
114c 紙幣搬送制御部
114d チケット搬送制御部
115 通信I/F部
120 島コントローラ
130 チケット発行機
130a、130b 通信I/F部
130c 紙幣処理部
130d チケット発行処理部
130e 発行制御部
131 表示部
132 金額選択ボタン
133 チケット発行口
134 紙幣挿入/排出口
140 デビット端末
141 表示部
142 テンキー
143 デビットカード挿入口
144 レシート発行口
150 島端金庫
151 制御部
151a チケット・紙幣判別処理部
151b チケットID照合要求処理部
152 チケット・紙幣受付処理口
153 チケットID読取部
154 収納処理部
154a チケット収納処理部
154b 紙幣収納処理部
155 チケットID異常報知部
156 通信I/F部
160 管理コンピュータ
161 制御部
161a チケット発行処理部
161b チケット使用済登録処理部
161c チケットID照合処理部
162 記憶部
162a チケット残高情報DB
162b 設定記憶部
163 通信I/F部
170 公衆回線網
180 情報処理センタ
190 CAFISネットワーク
200 デビットカード発行銀行(利用者の口座)
210 加盟店銀行(情報処理センタの口座)
220 △△銀行(パチンコ店の口座)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済システムにより決済された決済額、紙幣又は電子マネー記録媒体に記録された電子マネーに応じた遊技媒体を貸出処理する遊技媒体貸出システムであって、
前記決済額、紙幣又は電子マネーに応じて遊技媒体貸出用チケットを発行するチケット発行手段を有するチケット発行機と、
受け入れた対象物が紙幣又は前記遊技媒体貸出用チケットのいずれであるかを判別する判別手段と、該判別手段により判別された紙幣又は前記遊技媒体貸出用チケットに関連付けられた有価価値に相当する遊技媒体を貸出処理する貸出処理手段とを有する貸出処理機と、
紙幣を収納する紙幣収納手段と、前記遊技媒体貸出用チケットを収納するチケット収納手段と、前記判別手段により判別された紙幣又は前記遊技媒体貸出用チケットを前記紙幣収納手段又は前記チケット収納手段にそれぞれ収納するよう搬送制御する搬送制御手段とを有する回収装置と
を備えたことを特徴とする遊技媒体貸出システム。
【請求項2】
前記貸出処理機を管理する管理装置をさらに備え、
前記管理装置は、
前記チケット発行機により遊技媒体貸出用チケットが発行される際に各遊技媒体貸出用チケットに付与される識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
前記貸出処理機により受け入れられた遊技媒体貸出用チケットが持つ識別情報と、前記識別情報記憶手段に記憶される識別情報とを照合して該遊技媒体貸出用チケットが有効であるか否かを判定する受入時有効性判定手段と、
前記受入時有効性判定手段により有効であると判定された遊技媒体貸出用チケットの識別情報に対応させて前記識別情報記憶手段に使用済情報を記憶させる使用済情報記憶手段と、
前記回収装置により回収された遊技媒体貸出用チケットが持つ識別情報と、前記識別情報記憶手段に記憶される識別情報とを照合して該遊技媒体貸出用チケットが有効であるか否かを判定する回収時有効性判定手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項3】
前記貸出処理機は、前記判別手段により前記遊技媒体貸出用チケットが受け入れられたと判別される場合に、該受け入れた遊技媒体貸出用チケットに標示を付加する標示付加手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項4】
前記判別手段は、前記遊技媒体貸出用チケットに表示される前記識別情報の有無によって該遊技媒体貸出用チケットと紙幣とを判別することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項5】
前記遊技媒体貸出用チケットは紙幣と同一の大きさであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項6】
決済システムにより決済された決済額、紙幣又は電子マネー記録媒体に記録された電子マネーに応じた遊技媒体を貸出処理する遊技媒体貸出方法であって、
前記決済額、紙幣又は電子マネーに応じて遊技媒体貸出用チケットを発行するチケット発行工程と、
受け入れた対象物が紙幣又は前記遊技媒体貸出用チケットのいずれであるかを判別する判別工程と、
前記受け入れた紙幣又は前記遊技媒体貸出用チケットに関連付けられた有価価値に相当する遊技媒体を貸出処理する貸出処理工程と、
前記判別工程により判別された紙幣又は前記遊技媒体貸出用チケットを紙幣収納手段又はチケット収納手段にそれぞれ収納するよう搬送制御する搬送制御工程と
を含んだことを特徴とする遊技媒体貸出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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