説明

遊技媒体貸出装置用設定アダプタ、遊技媒体貸出装置用設定アダプタ付き接続ケーブルおよび遊技媒体貸出システム

【課題】CR遊技機および現金用遊技機の両方に対応できる遊技媒体貸出装置を、遊技機の機種に応じた遊技媒体貸出装置として確実に動作させる。
【解決手段】遊技機用接続コネクタ21aを介してメダル貸出機20がCR遊技機10aと接続ケーブル11により接続された場合には、遊技者のメダル貸出操作によりCR遊技機10aのメダル払出機構部からメダルを払い出させるCR機用動作モードでメダル貸出機20が動作し、現金用遊技機20bに対応させる場合には、現金機運用ケーブル40で紙幣識別機30の接続ケーブル31とメダル貸出機20の紙幣識別機用接続コネクタ21bとを中継すると共に現金機運用設定アダプタ50を遊技機用接続コネクタ21aに装着することで、遊技者のメダル貸出操作によりメダルホッパ22を駆動させてメダル払出ノズル23から遊技メダルを排出する現金機用動作モードでメダル貸出機20が動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技店に設置される遊技機で用いる遊技媒体(パチンコ遊技機用の遊技球やスロットマシン用の遊技メダル等)を遊技者に貸し出すための遊技媒体貸出装置の遊技媒体貸出動作モードを適宜に変更設定するための技術、特に、遊技機と接続されていない遊技機用接続コネクタに装着して用いる遊技媒体貸出装置用設定アダプタ、この設定アダプタを接続ケーブル(紙幣識別機と遊技媒体貸出装置を接続するケーブル)と一体的に設けた遊技媒体貸出装置用設定アダプタ付き接続ケーブル、遊技媒体貸出装置とその遊技機用接続コネクタに装着される遊技媒体貸出装置用設定アダプタよりなる遊技媒体貸出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技店に導入されているプリペイド式の遊技媒体貸出システムにおいては、プリペイド媒体(購入金額に相当する価値を記憶させた磁気カードやICカード等)を用いた遊技媒体の貸出に際して、遊技媒体貸出機能を備えた遊技機(いわゆるCR遊技機)と遊技媒体貸出機能を備えていない遊技機(いわゆる現金用遊技機)とで遊技媒体の払出方法が異なるため、夫々の遊技機に対応した遊技媒体貸出装置を並設している。
【0003】
CR遊技機に対しては、遊技媒体払出機構を備えていない遊技媒体貸出装置(CR機用貸出装置)を設け、ケーブルで接続された両装置間の信号のやりとりによりCR遊技機の遊技媒体払出機構から遊技媒体を払い出させ、プリペイド媒体の記憶価値を使った遊技媒体の貸出動作が行われる(例えば、特許文献1を参照)。また、現金用遊技機に対しては遊技媒体払出機構を備えている遊技媒体貸出装置(現金用貸出装置)を設け、プリペイド媒体の記憶価値の範囲内で遊技者が選択した価値に相当する量の遊技媒体を現金用貸出装置の遊技媒体払出機構から払い出し、ノズル等を介して遊技機の上皿等に導く遊技媒体の貸出動作が行われる(例えば、特許文献2を参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平10−211350号公報
【特許文献2】特開平09−313724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、遊技店の主たる設備である遊技機は、比較的短期間に入替を行なうことによって営業が成り立っており、その際に、CR遊技機から現金用遊技機へ、或いは現金用遊技機からCR遊技機への入替も一定の割合で発生するが、周辺設備として設置されている遊技媒体貸出装置は頻繁に入れ替えることが出来ないので、例えば島単位でCR機用貸出装置あるいは現金機用貸出装置に統一して、CR遊技機用の島、現金用遊技機用の島といった固定化が必要となり、時流に乗った人気機種の導入台数を増やそうとしても、その機種がCR遊技機か現金用遊技機かに応じて、導入可能な台数が制限され、柔軟な機種導入を行えないという問題が生じている。
【0006】
このような遊技媒体貸出装置の種別に起因した導入機種の制限を抑制するために、CR遊技機と現金用遊技機の両方に対応できる機能を遊技媒体貸出装置に設けることが考えられるが、単純に両機種対応機能を設けただけでは不十分である。すなわち、CR用遊技機に対応して設けられた場合にはCR機用貸出装置として確実に動作し、現金用遊技機に対応して設けられた場合には現金機用貸出装置として確実に動作しなければ、遊技媒体貸出装置としての信頼性を担保できない。
【0007】
例えば、CR・現金対応の遊技媒体貸出装置と接続する遊技機の種別に応じて、遊技媒体貸出装置の設定変更を遊技店員らが手作業で行うと、設定ミスが生じる可能性があるため、CR遊技機に対応して設けたはずの遊技媒体貸出装置が現金機用貸出装置として動作してしまうような不具合が想定される。
【0008】
また、遊技媒体貸出装置の遊技機接続用コネクタを介してCR遊技機が接続されていれば自動的にCR機用貸出装置として動作し、遊技機接続用コネクタが空いていれば自動的に現金機用貸出装置として動作する様に構成した場合には、人為的な設定ミスは生じないものの、CR遊技機に対応させるべき遊技媒体貸出装置の遊技機接続用コネクタにCR遊技機との接続ケーブルを付け忘れていたり、ケーブルのコネクタが抜けかかっていたりすると、自動的に現金機用貸出装置として動作してしまうため、やはり、遊技機の種別に応じた確実な動作を期せない。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、遊技媒体貸出機能を備えたCR遊技機および遊技媒体貸出機能を備えていない現金用遊技機の両方に対応できる遊技媒体貸出装置を、遊技機の機種に応じた遊技媒体貸出装置として確実に動作させる遊技媒体貸出システム、この遊技媒体貸出システムに好適な遊技媒体貸出装置用設定アダプタ、および遊技媒体貸出装置用設定アダプタ付き接続ケーブルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、遊技に供する遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機能を備え、遊技者の適正な貸出操作に基づき遊技媒体を払い出すと共に、遊技に供する遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機能を備える遊技機と接続可能な遊技機接続用コネクタを備え、遊技機接続用コネクタを介して遊技機と接続された場合には、遊技者の適正な貸出操作に基づき遊技機へ遊技媒体の貸出要求を行う遊技媒体貸出装置の遊技機接続用コネクタに装着可能な遊技媒体貸出装置用設定アダプタであって、前記遊技媒体貸出装置から遊技機接続用コネクタを介して、予め定めたアダプタ接続確認動作を受けた場合には、アダプタ接続の判定が可能な判定情報を生成し、遊技機接続用コネクタを介して判定情報を遊技媒体貸出装置へ供給する判定情報生成手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の遊技媒体貸出装置用設定アダプタにおいて、前記判定情報生成手段は、遊技機接続用コネクタにおける所定の信号端子を介して入力される信号を他の信号端子を介してループバックさせることで、判定情報を遊技媒体貸出装置へ供給することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、前記請求項1に記載の遊技媒体貸出装置用設定アダプタにおいて、前記判定情報生成手段は、遊技機接続用コネクタにおける複数の信号端子を介して入力される信号の組合せが予め定めた判定情報生成条件を満たす場合に、他の信号端子を介してアダプタ接続信号を出力することで、判定情報を遊技媒体貸出装置へ供給することを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、前記請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置用設定アダプタ付き接続ケーブルで、遊技媒体貸出装置から紙幣識別機へ電源を供給する給電ラインを内包する紙幣識別機接続ケーブルから給電ラインを分岐させた分岐路を遊技媒体貸出装置用設定アダプタと接続し、遊技媒体貸出装置用設定アダプタから遊技機接続用コネクタを介して遊技媒体貸出装置へ給電可能としたことを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、遊技に供する遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機能を備え、遊技者の適正な貸出操作に基づき遊技媒体を払い出すと共に、遊技に供する遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機能を備える遊技機と接続可能な遊技機接続用コネクタを備え、遊技機接続用コネクタを介して遊技機と接続された場合には、遊技者の適正な貸出操作に基づき遊技機へ遊技媒体の貸出要求を行う遊技媒体貸出装置と、前記遊技媒体貸出装置の遊技機接続用コネクタに装着可能で、遊技機接続用コネクタを介して、予め定めたアダプタ接続確認動作を受けた場合には、アダプタ接続の判定が可能な判定情報を生成し、遊技機接続用コネクタを介して判定情報を遊技媒体貸出装置へ供給する判定情報生成手段を備える遊技媒体貸出装置用設定アダプタと、からなる遊技媒体貸出システムで、前記遊技媒体貸出装置は、遊技機接続用コネクタを介して遊技機接続確認動作を行うことで、遊技媒体貸出機能を備える遊技機が遊技機接続用コネクタを介して接続されているか否かを判定し、遊技媒体貸出機能を備える遊技機が接続されていると判定した場合には、遊技機の遊技媒体貸出機能を用いて遊技媒体を貸し出す動作モードとなり、遊技媒体貸出機能を備える遊技機が接続されていないと判定した場合には、遊技機接続用コネクタを介してアダプタ接続確認動作を行うことで、遊技媒体貸出装置用設定アダプタが接続されているか否かを判定し、遊技媒体貸出装置用設定アダプタが装着されている判定した場合には、自らの遊技媒体貸出機能を用いて遊技媒体を貸し出す動作モードとなり、遊技媒体貸出装置用設定アダプタが装着されていないと判定した場合には、遊技媒体の貸出動作を行わないようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る遊技媒体貸出装置用設定アダプタによれば、遊技媒体貸出装置から遊技機接続用コネクタを介して、予め定めたアダプタ接続確認動作を受けた場合には、アダプタ接続の判定が可能な判定情報を生成し、遊技機接続用コネクタを介して判定情報を遊技媒体貸出装置へ供給する判定情報生成手段を備えるので、遊技機接続用コネクタに設定アダプタが取り付けられている状態(遊技媒体貸出機能を備えていない現金用遊技機に対応する遊技媒体貸出装置として動作すべき状態)を、遊技媒体貸出装置に判定させることができ、遊技機接続用コネクタが非接続となっているだけで現金用遊技機に対応する遊技媒体貸出装置として動作してしまうような誤動作を回避できる。しかも、遊技媒体貸出装置の遊技機接続用コネクタに設定アダプタが取り付けられていることで、遊技媒体貸出装置が現金機用貸出機として動作設定されていることを視覚的に判別できるので、遊技機と遊技媒体貸出装置との設定ミスも効果的に抑制できる。
【0016】
また、請求項2に係る遊技媒体貸出装置用設定アダプタによれば、判定情報生成手段は、遊技機接続用コネクタにおける所定の信号端子を介して入力される信号を他の信号端子を介してループバックさせることで、判定情報を遊技媒体貸出装置へ供給するので、判定情報生成手段の構成を簡素化でき、コスト削減に有効である。
【0017】
また、請求項3に係る遊技媒体貸出装置用設定アダプタによれば、判定情報生成手段は、遊技機接続用コネクタにおける複数の信号端子を介して入力される信号の組合せが予め定めた判定情報生成条件を満たす場合に、他の信号端子を介してアダプタ接続信号を出力することで、判定情報を遊技媒体貸出装置へ供給するので、設定アダプタの偽造や改竄が困難となり、不適正な設定アダプタを装着して遊技媒体貸出装置の動作を変更してしまうような不正を抑制し、遊技媒体貸出装置の動作信頼性を高めることができる。
【0018】
請求項4に係る遊技媒体貸出装置用設定アダプタ付き接続ケーブルによれば、遊技媒体貸出装置から紙幣識別機へ電源を供給する給電ラインを内包する紙幣識別機接続ケーブルから給電ラインを分岐させた分岐路を遊技媒体貸出装置用設定アダプタと接続し、遊技媒体貸出装置用設定アダプタから遊技機接続用コネクタを介して遊技媒体貸出装置へ給電可能としたので、設定アダプタにおける判定情報生成手段の動作電源を別途用意する必要が無く、実用的価値が高い。また、遊技媒体貸出機能を備える遊技機が遊技媒体貸出装置に接続されることで遊技機から遊技媒体貸出装置へ行われる給電動作を、設定アダプタが遊技媒体貸出装置の遊技機用接続コネクタに装着された際にも行うことが可能となり、設定アダプタの判定情報生成手段による判定情報生成条件の幅を一層広げることができる。
【0019】
請求項5に係る遊技媒体貸出システムによれば、遊技媒体貸出装置は、遊技機接続用コネクタを介して遊技機接続確認動作を行うことで、遊技媒体貸出機能を備える遊技機が遊技機接続用コネクタを介して接続されているか否かを判定し、遊技媒体貸出機能を備える遊技機が接続されていると判定した場合には、遊技機の遊技媒体貸出機能を用いて遊技媒体を貸し出す動作モードとなり、遊技媒体貸出機能を備える遊技機が接続されていないと判定した場合には、遊技機接続用コネクタを介してアダプタ接続確認動作を行うことで、遊技媒体貸出装置用設定アダプタが接続されているか否かを判定し、遊技媒体貸出装置用設定アダプタが装着されている判定した場合には、自らの遊技媒体貸出機能を用いて遊技媒体を貸し出す動作モードとなり、遊技媒体貸出装置用設定アダプタが装着されていないと判定した場合には、遊技媒体の貸出動作を行わないようにしたので、遊技媒体貸出装置に対応する遊技機が遊技媒体貸出機能を有するものから備えていないものへ、或いは遊技媒体貸出機能を備えていないものから有するものへ入れ替わっても、遊技媒体貸出装置の遊技機用接続コネクタを介して遊技媒体貸出機能を有する遊技機と接続、あるいは遊技媒体貸出装置の遊技機用接続コネクタに設定アダプタを装着することで、自動的に、各遊技機に対応した動作モードとなるし、遊技機用接続コネクタに遊技媒体貸出機能を有する遊技機の接続ケーブルも設定アダプタも装着されていない場合、遊技媒体貸出装置は遊技媒体貸出動作を行わないことから、作業時の見落とし等で遊技機とのケーブル接続あるいは設定アダプタの装着を忘れていたような場合に、本来意図していない動作モードで遊技媒体貸出装置が稼働することを回避でき、遊技媒体貸出システムとして信頼性の高いものとなる。従って、入れ替えた遊技機に応じて遊技媒体貸出装置までも入れ替える必要が無く、遊技店における新機種導入時のコスト負担を大幅に軽減できるし、遊技機との接続ケーブルの着脱や設定アダプタの着脱程度の操作により遊技媒体貸出装置の動作モードが自動で適正に設定されるので、作業性の効率化も期せる。
【0020】
しかも、この遊技媒体貸出システムでは、遊技媒体貸出装置が遊技媒体貸出機能を有する遊技機と接続された場合に行う接続認証や遊技媒体貸出要求手順等として、市場にある既存の遊技機と互換性のある接続認証や遊技媒体貸出要求手順等を採用すれば、既存の遊技機をそのまま継続使用できるし、遊技媒体貸出機能を備えていない遊技機に遊技媒体接続装置を対応させるためには、判定情報生成手段を備えた設定アダプタを用いると共に、この設定アダプタに対してアダプタ接続確認動作を行う機能を遊技媒体制御装置に設けるだけで良く、その他の余分なハードウェアを搭載する必要がないので、遊技店への導入コストを抑制できるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明に係る遊技媒体貸出装置用設定アダプタ、遊技媒体貸出装置用設定アダプタ付き接続ケーブルおよび遊技媒体貸出システムの実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、遊技媒体として遊技メダルを用いた回胴式遊技機(いわゆるパチスロ機)に対応して設けられる遊技媒体貸出装置としてメダル貸出機を例示したが、これに限らず、遊技媒体として遊技球を用いた弾球遊技が行える遊技機(いわゆるパチンコ機)に対応して設けられる球貸機を遊技媒体貸出装置として採用しても構わない。
【0022】
図1(a)に示すのは、メダル貸出機能を有するCR遊技機10aにメダル貸出機20を対応させた場合のシステム構成図である。遊技者がメダル貸出機20の機能を使ってメダルを借り受けようとする場合、遊技者が予め購入したプリペイド媒体(磁気カードやICカード等)をメダル貸出機20もしくはCR遊技機10aのプリペイド媒体投入口へ投入し、メダル貸出機20もしくはCR遊技機10aに設けられた貸出操作ボタンを操作して借り受けたい度数(遊技媒体との等価交換が可能な価値情報の最低単位を1度数とする)を選択することで、遊技者が選択した度数に応じた量のメダルがCR遊技機10aのメダル払出機構部から払い出され、CR遊技機10aのメダル貯留皿に排出される。
【0023】
ここで、メダル貸出機20は、メダル貸出制御装置21の制御によって、メダル払出機構部であるメダルホッパ22を作動させてメダル払出ノズル23からメダルを払い出す機能を備えているが、遊技機用接続コネクタ21aを介してCR遊技機10aと接続ケーブル11により接続された場合には、所定の通信プロトコルでCR遊技機10aと通信して接続認証や遊技媒体貸出要求を行い、CR遊技機10aが備えるメダル払出機構部からメダルを払い出させる。すなわち、メダル貸出機20は、「遊技に供する遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機能を備え、遊技者の適正な貸出操作に基づき遊技媒体を払い出すと共に、遊技に供する遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機能を備える遊技機と接続可能な遊技機接続用コネクタを備え、遊技機接続用コネクタを介して遊技機と接続された場合には、遊技者の適正な貸出操作に基づき遊技機へ遊技媒体の貸出要求を行う遊技媒体貸出装置」である。
【0024】
なお、本実施形態にて示すメダル貸出機20は、プリペイド媒体の発行機能を備えるものとし、紙幣識別機用接続コネクタ21bを介して紙幣識別機30の接続ケーブル31と接続することで、紙幣識別機30へ動作電源(例えば、DC24V)を供給すると共に、紙幣識別機30に投入された紙幣の真贋や金額等の情報を受け取り、投入金額に応じたプリペイド媒体を発行する。また、紙幣識別機30に投入された金額に応じて、プリペイド媒体の度数を加算する機能や、プリペイド媒体を発行せずに現金でダイレクトに遊技メダルの貸出動作を行える機能を備えるものとしても良い。また、メダル貸出機20が行ったメダル貸出に関する使用情報や新規購入・追加購入によるプリペイド媒体の発行情報などを遊技店内のホールコンピュータや遊技店外のカードセンタ等へ送信する機能をメダル貸出機20に設けても良い。
【0025】
一方、図1(b)に示すのは、メダル貸出機能を備えていない現金用遊技機10bにメダル貸出機20を対応させた場合のシステム構成図である。遊技者がメダル貸出機20の機能を使ってメダルを借り受けようとする場合、遊技者が予め購入したプリペイド媒体をメダル貸出機20のプリペイド媒体投入口へ投入し、メダル貸出機20に設けられた貸出操作ボタンを操作して借り受けたい度数を選択することで、遊技者が選択した度数に応じた量のメダルがメダル払出ノズル23から払い出され、現金用遊技機10bのメダル貯留皿に排出される。
【0026】
而して、本システムにおいては、現金用遊技機10bに対応するメダル貸出動作をメダル貸出機20に行わせるためには、現金機運用ケーブル40を用いることを必須とした。この現金機運用ケーブル40は、紙幣識別機30の接続ケーブル31とメダル貸出機20の紙幣識別機用接続コネクタ21bとの間に介在させて中継する紙幣識別機接続ケーブル(少なくとも、メダル貸出機20から紙幣識別機30へ電源を供給する給電ラインを内包するケーブル)としての機能を担う中継部41と、中継部41から給電ラインを分岐させた分岐路である設定アダプタ用分岐部42を接続した現金機運用設定アダプタ50とを備える。
【0027】
現金機運用設定アダプタ50は、メダル貸出機20の遊技機接続用コネクタ20aに装着可能なコネクタ部を有するもので、現金機運用設定アダプタ50が遊技機接続用コネクタ20aに装着されなければ、メダル貸出機20が現金用遊技機10bに対応する現金機用遊技媒体貸出装置の動作モードに設定されることはない。以下、現金機運用設定アダプタ50をメダル貸出機20の遊技機用接続コネクタ20aに装着したときの各動作について、図2に基づき詳述する。
【0028】
現金機運用ケーブル40が紙幣識別機用接続コネクタ21bと紙幣識別機30の接続ケーブル31に接続され、現金機運用設定アダプタ50が遊技機用接続コネクタ21aに装着されると、設定アダプタ用分岐部42を介して供給される紙幣識別機動作用電源DC24Vが端子POW1および端子POW2を介してメダル貸出制御装置21へ給電される。これら端子POW1,POW2を介して供給された外部電源であるDC24Vは、VL生成回路211にてVL(例えば、DC18V)に変換される。なお、VL生成回路211は、本来、CR遊技機10aが接続された場合に端子POW1および端子POW2を介して供給される外部電源AC24VをVL(DC18V)に変換するものであるが、DC24〜30Vが供給された場合でもVLに変換する機能を有する。
【0029】
上記のようにして、VL生成回路211で生成された生成電源VLは、端子VL,GNDを介してCR遊技機10aへ給電されると共に、メダル貸出制御装置21内でも使われる。例えば、PSI端子にコレクタが接続されている信号入力部であるフォトカプラ212のアノードに生成電源VLが印加され、CR遊技機10aが接続されている場合には、PSI端子の電位がHからLに変化してフォトカプラ212がオン(エミッタ−コレクタ間が導通)することで、PSI信号(接続確認信号)の入力と判断し、CR遊技機10aの接続を確認できる。すなわち、VL生成回路211でVLを生成した際に、PSI信号が入力(常態のHレベルからLレベルへ変化)されることで、適正なCR遊技機10aが接続されているとメダル貸出制御装置21において確認できるのである。
【0030】
一方、VL生成回路211でVLを生成した際にPSI信号が入力されなければ、適正なCR遊技機10aが接続されていないことをメダル貸出制御装置21で判定できるものの、適正な現金機運用設定アダプタ50が接続されているとは判定できない。そこで、現金機運用設定アダプタ50には、「遊技媒体貸出装置から遊技機接続用コネクタを介して、予め定めたアダプタ接続確認動作を受けた場合には、アダプタ接続の判定が可能な判定情報を生成し、遊技機接続用コネクタを介して判定情報を遊技媒体貸出装置へ供給する判定情報生成手段」として判定情報生成手段51を設け、メダル貸出制御装置21がアダプタ接続確認動作を行うことで、適正な現金機運用設定アダプタ50が装着されていることを判定できるようにしてある。
【0031】
具体的には、遊技機接続用コネクタ21aのBRDY端子に対するBRDY信号(メダル貸出機READY信号)のON/OFFを制御する信号出力部であるフォトカプラ213をONさせ、現金機運用アダプタ50へBRDY信号を出力すると、このBRDY信号から判定情報生成手段51がアダプタ接続の判定情報としてPSI信号を生成し、このPSI信号が遊技機接続用コネクタ21aのPSI端子を介してメダル貸出制御装置21に入力されることで、メダル貸出制御装置21による現金機運用設定アダプタ50の接続確認が行われる。
【0032】
なお、判定情報生成手段51の構成は特に限定されるものではないが、図2に示す現金機運用設定アダプタ50においては、BRDY端子を介して入力されるBRDY信号をPSI端子を介してループバックさせるものとし、判定情報生成手段51の構成を簡素化して、現金機運用設定アダプタ50に要するコストを削減できるようにした。
【0033】
上述したメダル貸出制御装置21において行う遊技機用接続端子21aの接続判定処理を図3に示す。なお、接続判定処理を行うタイミングは特に限定されるものではなく、メダル貸出機20の電源投入時に行って動作モードを決定するようにしても良いし、一定時間毎に接続判定処理を行うことで、メダル貸出機20の稼働中に接続が変更されても対応できるようにしても良い。
【0034】
接続判定処理に際しては、先ず、生成電源VLの出力を許可し(ステップS1)、これによって上記VL生成回路211によりVLが生成されていれば、生成電源出力部より生成電源VLが遊技機用接続コネクタ21aより出力される。次いで、遊技機接続用コネクタ21aのPSI端子を介してPSI信号が入力されているか否かを判定する(ステップS2)。直ちにPSI端子を介してPSI信号が入力されていれば、CR遊技機10aが接続されているものと判定し(ステップS3)、CR遊技機10aのメダル貸出機能を用いて遊技媒体を貸し出す動作モード(CR機用動作モード)となる。すなわち、本実施形態においてメダル貸出制御装置21が行う遊技機接続確認動作は、遊技機接続用コネクタ21aを介して受けた外部電源から生成した電源VLを出力してPSI信号を受けるか否かの判定動作である。
【0035】
一方、上記ステップS2でPSI信号が入力されていないと判定された場合には、遊技機接続用コネクタ21aのBRDY端子を介してBRDY信号を出力し(ステップS4)、遊技機接続用コネクタ21aのPSI端子を介してPSI信号が入力されているか否かを判定する(ステップS5)。直ちにPSI端子を介してPSI信号が入力されていれば、BRDY信号の出力を停止し(ステップS6)、生成電源VLの出力を遮断し(ステップS7)、現金機運用設定アダプタ50が接続されているものと判定する(ステップS8)。これにより、メダル貸出機20は、現金用遊技機10bに対応するように、自らが備えるメダルホッパ22およびメダル払出ノズル23を用いて遊技メダルを貸し出す動作モード(現金機用動作モード)となる。すなわち、本実施形態においてメダル貸出制御装置21が行うアダプタ接続確認動作は、遊技機接続用コネクタ21aのBRDY端子を介してBRDY信号を出力してPSI信号を受けるか否かの判定動作である。
【0036】
また、上記ステップS5でPSI信号が入力されていないと判定された場合には、BRDY信号の出力を停止し(ステップS9)、適正なCR遊技機10aも適正な現金機運用設定アダプタ50も接続されていない接続異常であると判定する(ステップS10)。その後は、PSI信号が入力されているかの判定(ステップS11)を繰返し行い、例えば、このループ判定中に接続ケーブル11を介して接続されているCR遊技機10aの電源が投入されると、CR遊技機10aよりPSI入力を受けることとなるので、ステップS11でPSI信号有りと判定され、ステップS3においてCR機用動作モードに設定され、接続判定処理を終了する。すなわち、この接続判定処理においてCR機用動作モードか現金機用動作モードの何れかに設定されない限り、メダル貸出機20によって遊技メダルの貸出動作が行われることはない。
【0037】
なお、本実施形態の接続判定処理においては、CR機接続とも現金機接続とも判定されなかった場合、CR機運用モードとしてのエラー状態(CR遊技機接続異常)として、引き続きPSI入力を監視するものとし、一旦接続異常と判定された場合、現金機用動作モードに設定するためには、メダル貸出機20の電源を再投入したり、メダル貸出制御装置21のリセットスイッチを操作する等してリセットをかけ、接続判定処理を改めて行う必要がある制御としたが、これに限らず、接続異常と判定された後にリセット操作を行わないで、現金機運用設定アダプタ50が接続されると現金機用動作モードに設定されるような処理を採用しても良い。或いは、一旦、接続異常と判定された場合には、メダル貸出機20の適所に設けた表示部にエラーコードを表示し、このエラーコードを確認した係員等がメダル貸出機20の接続を正しく直した後に手動でリセット操作を行うことにより、改めてメダル貸出制御装置21による接続判定処理が実行され、何れかの動作モードに設定されるようにしても良い。
【0038】
このように、現金機運用設定アダプタ50を用いれば、メダル貸出機20と接続されない現金用遊技機10bに対応させる設定であることを、メダル貸出制御装置21で自動判別可能となる。したがって、CR遊技機10aの接続ケーブル11をメダル貸出機20に接続し忘れて、遊技機接続用コネクタ21aが非接続となっているだけでメダル貸出機20が現金機用動作モードで動作してしまうような不具合を回避できる。しかも、メダル貸出機20の遊技機接続用コネクタ21aに現金機運用設定アダプタ50が取り付けられていることで、このメダル貸出機20が現金機用動作モードに設定されていることを視覚的に判別できるので、動作モードの設定ミスも効果的に抑制できる。
【0039】
さらに、CR機用動作モードと現金機用動作モードの両方で動作可能なメダル貸出装置20と現金機運用設定アダプタ50を用いた遊技媒体貸出システムにおいては、入れ替えた遊技機がCR遊技機10aか現金機用遊技機10bかに応じてメダル貸出機までも入れ替える必要が無く、遊技店における新機種導入時のコスト負担を大幅に軽減できるし、CR遊技機10aとの接続ケーブル11の着脱や現金機運用設定アダプタの着脱程度の操作によりメダル貸出機20の動作モードが自動で適正に設定されるので、作業性の効率化も期せる。
【0040】
しかも、この遊技媒体貸出システムでは、メダル貸出機20がCR遊技機10aと接続された場合に行う接続認証やメダル貸出要求手順等として、市場にある既存のCR遊技機10aと互換性のある接続認証や遊技媒体貸出要求手順等を採用すれば、既存のCR遊技機10aをそのまま継続使用できるし、現金用遊技機10bにメダル貸出機20を対応させるためには、判定情報生成手段51を備えた現金機運用設定アダプタ50を用いると共に、この現金機運用設定アダプタ50に対してアダプタ接続確認動作を行う機能をメダル貸出機20のメダル貸出制御装置21に設けるだけで良く、その他の余分なハードウェアを搭載する必要がないので、遊技店への導入コストを一層抑制できるという効果もある。
【0041】
なお、本実施形態においては、メダル貸出機20とは別体の紙幣識別機30を設けるものであることから、中継部41から給電ラインを分岐させた設定アダプタ用分岐部42を備える現金機運用ケーブル40を用いることで、現金機運用設定アダプタ50をメダル貸出機20の遊技機接続用コネクタ21aに装着したとき、CR遊技機20aの接続ケーブル11をメダル貸出機20の遊技機接続用コネクタ21aに接続したときと同様に、外部電源が供給されてメダル貸出制御装置21のVL生成回路211により電源VLが生成されるものとしたが、紙幣識別機の機能を内包するメダル貸出機20を用いる場合など、紙幣識別機接続ケーブルが外部に露出しない場合には、無理に紙幣識別機への給電路を分岐させて取り出す必要はなく、他の電源を利用しても構わない。例えば、メダル貸出機20のメダルホッパー接続コネクタ、電源入力コネクタ、回収箱有無検知センサへの給電系等から分岐させ、現金機運用設定アダプタ50を介してメダル貸出制御装置21のVL生成回路211へ給電するようにしても良いし、外部の一般商用電源AC100Vからの入力をAC24Vに変圧する手段を介して現金機運用設定アダプタ50からメダル貸出制御装置21のVL生成回路211へ給電するようにしても良いし、或いは、一次電池や二次電池を現金機運用設定アダプタ50に組み込んで用いるようにしても良い。
【0042】
また、本実施形態においては、メダル貸出制御装置21が行う接続確認動作に、VL生成回路211で生成した生成電源VLを用いるものとしたので、現金機運用設定アダプタ50からVL生成回路211への電源供給が必須であるが、第1構成例として示した判定情報生成手段51においては、特に判定情報生成のための電源を必要としないので、例えば、メダル貸出制御装置21が行う接続確認動作に生成電源VLを必要としない構成のメダル貸出機20を採用した場合、現金機運用設定アダプタ50への給電経路を設ける必要が無くなり、現金機運用設定アダプタ50の取り回しが簡便になるし、製造コストも下げられる。
【0043】
次に、上述したメダル貸出制御装置21が現金機運用設定アダプタ50に対して行うアダプタ接続確認動作の他の例と、そのアダプタ接続確認動作に応じた判定情報を生成する判定情報生成手段の他の構成例を示す。
【0044】
図4(a)に示すのは、アダプタ接続確認動作のための信号出力部として、BRDY信号のON/OFFを制御するフォトカプラ213のほかに、TDLO端子に対するTDLO信号(メダル貸出可LED信号)のON/OFFを制御するフォトカプラ214を用いるメダル貸出制御装置21と、これに対応した第2構成例の判定情報生成手段52を備える現金機運用設定アダプタ50で構成したものである。
【0045】
本構成において、メダル貸出制御装置21がフォトカプラ213をONさせ、現金機運用アダプタ50へBRDY信号を出力すると、このBRDY信号が入力されることで判定情報生成手段52のフォトカプラ521がONとなり、アダプタ接続の判定情報としてPSI信号が遊技機接続用コネクタ21aのPSI端子を介してメダル貸出制御装置21に入力され、メダル貸出制御装置21による現金機運用設定アダプタ50の接続確認が行われると共に、メダル貸出制御装置21がフォトカプラ214をONさせ、現金機運用アダプタ50へTDLO信号を出力すると、このTDLO信号が入力されることで判定情報生成手段52のフォトカプラ522がONとなり、アダプタ接続の判定情報としてPSI信号が遊技機接続用コネクタ21aのPSI端子を介してメダル貸出制御装置21に入力され、メダル貸出制御装置21による現金機運用設定アダプタ50の接続確認が行われる。
【0046】
すなわち、判定情報生成手段52においては、メダル貸出制御装置21からのBRDY信号に基づいて判定情報を生成(PSI信号を出力)するフォトカプラ521と、メダル貸出制御装置21からのTDLO信号に基づいて判定情報を生成(PSI信号を出力)するフォトカプラ522とが、独立に動作するので、メダル貸出制御装置20は、BRDY信号を送出した場合でも、TDLO信号を送出した場合でも、アダプタ接続の判定を行うことが可能である。
【0047】
また、図4(b)に示すのは、アダプタ接続確認動作のための信号出力部としてBRDY信号のON/OFFを制御するフォトカプラ213およびTDLO端子に対するTDLO信号のON/OFFを制御するフォトカプラ214を用いるメダル貸出制御装置21と、これに対応した第3構成例の判定情報生成手段53を備える現金機運用設定アダプタ50で構成したものである。
【0048】
本構成においては、メダル貸出制御装置21がフォトカプラ213およびフォトカプラ214をONさせ、現金機運用アダプタ50へBRDY信号およびTDLO信号を出力すると、これらBRDY信号およびTDLO信号が同時に判定情報生成手段53へ入力されることにより、アダプタ接続の判定情報としてPSI信号が遊技機接続用コネクタ21aのPSI端子を介してメダル貸出制御装置21に入力され、メダル貸出制御装置21による現金機運用設定アダプタ50の接続確認が行われる。
【0049】
すなわち、判定情報生成手段53においては、フォトカプラ531,532のアノードに各々生成電源VLを印加し、フォトカプラ531のカソードはBRDY端子と、フォトカプラ532のカソードはTDLO端子と各々接続し、フォトカプラ531のエミッタとフォトカプラ532のコレクタを接続し、フォトカプラ531のコレクタをPSI端子と接続し、フォトカプラ532のエミッタをアース接続したので、アダプタ接続確認動作としてBRDY信号とTDLO信号を同時に出力する(常態であるHレベルからLレベルに変換させる)ことで、フォトカプラ531,532が同時にONとなり、遊技機接続用コネクタ21aのPSI端子を介してメダル貸出制御装置21にアダプタ接続の判定情報としてPSI信号が入力(常態であるHレベルからLレベルに変換)され、メダル貸出制御装置21による現金機運用設定アダプタ50の接続確認が行われる。
【0050】
このように、メダル貸出制御装置20が行うアダプタ接続確認動作として、2つ以上の信号の組み合わせで、現金運用設定アダプタ50の判定情報生成手段が判定情報を生成・出力する構成とすれば、現金運用設定アダプタ50の偽造や改竄が困難となり、不適正な現金運用設定アダプタ50を装着してメダル貸出機20の動作モードを変更してしまうような不正を抑制し、メダル貸出機20の動作信頼性を高めることができる。そこで、図5に、より多くの信号を使ってアダプタ接続確認動作を行うメダル貸出機20と、これに対応した現金機運用設定アダプタ50とからなるシステム構成例を説明する。
【0051】
メダル貸出機20のメダル貸出制御装置21では、アダプタ接続確認動作のための信号として、例えば、BRDY信号,TDLO信号,BRQ信号(CRユニット貸出要求完了確認信号),DG1(1桁目7セグメントLEDコモン信号),DG2(2桁目7セグメントLEDコモン信号),DG3(3桁目7セグメントLEDコモン信号)を用い、これらの信号の組合せによって、現金機運用設定アダプタ50の判定情報生成手段54が判定情報を生成し、適正なPSI信号がメダル貸出制御装置21に入力されると、適正な現金機設定アダプタ50が装着されていると判定する。
【0052】
現金機運用設定アダプタ50の判定情報生成手段54は、例えば、プログラム可能な論理ICであるPLD(Programable Logic Device)で構成するものとし、論理ICへの入力レベルを適合せるために、メダル貸出制御装置21の信号出力部からの入力信号DG1,DG2,DG3,BRDY,BRQ,TDLOはレベル変換回路55によって、各々dg1,dg2,dg3,brdy,brq,tdloに変換されて、判定情報生成手段54に供給される。また、適正な入力信号に基づいて判定情報生成手段54から出力されるpsi信号は、レベル変換回路55によってレベル変換されて、PSI信号としてメダル貸出制御装置21へ供給される。
【0053】
判定情報生成手段54に入力された各信号dg1,dg2,dg3,brdy,brq,tdloは、夫々NOT回路によってレベル反転された/dg1,/dg2,/dg3,/brdy,/brq,/tdloが生成され、これら信号dg1,/dg1,dg2,/dg2,dg3,/dg3,brdy,/brdy,brq,/brq,tdlo,/tdloを任意のAND回路および任意のOR回路を通して論理演算を行う。
【0054】
例えば、psi=(dg1・/dg2・dg3)+(brdy・brq・/tglo)という論理値の組合せ回路を構成した場合、メダル貸出制御装置21からの信号出力が(dg1,dg2,dg3)=(1,0,1)でbrdy,brq,tdloが任意の組合せ、もしくは、(brdy,brq,tglo)=(1,1,0)でdg1,dg2,dg3が任意の組合せのときに、psi=1となり、それ以外の信号の組合せではpsi=0となる。
【0055】
以上、本発明に係る遊技媒体貸出装置用設定アダプタ、遊技媒体貸出装置用設定アダプタ付き接続ケーブルおよび遊技媒体貸出システムの実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明の包摂範囲は、これらの実施形態に限定されるものではない。例えば、遊技媒体貸出装置用設定アダプタは、現金用遊技機10bに対応した動作モードに設定する現金機運用設定アダプタ50に限定されるものではなく、異なるタイプの現金用遊技機の機種に応じた動作モードが設定できるように複数種類の設定アダプタ(タイプA用現金機運用設定アダプタやタイプB用現金機運用設定アダプタ等)を使って、各々異なる動作モードに自動設定できるようにしても良いし、遊技媒体貸出装置と無線接続可能なCR遊技機に対応させる場合に無線CR機運用設定アダプタを用いて、適宜な動作モードに設定できるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】CR遊技機と現金用遊技機の両方に対応するメダル貸出機と現金機運用設定アダプタを含む遊技媒体貸出システムの概略構成図である。
【図2】第1構成例の判定情報生成手段を備える現金機運用設定アダプタと、これに対応するアダプタ接続確認動作を行うメダル貸出機の動作説明図である。
【図3】メダル貸出制御装置が行う接続判定処理を示すフローチャートである。
【図4】(a)は第2構成例の判定情報生成手段を備える現金機運用設定アダプタと、これに対応するアダプタ接続確認動作を行うメダル貸出機の動作説明図である。(b)は第3構成例の判定情報生成手段を備える現金機運用設定アダプタと、これに対応するアダプタ接続確認動作を行うメダル貸出機の動作説明図である。
【図5】第4構成例の判定情報生成手段を備える現金機運用設定アダプタと、これに対応するアダプタ接続確認動作を行うメダル貸出機の動作説明図である。
【符号の説明】
【0057】
10a CR遊技機
10b 現金用遊技機
20 メダル貸出機
21 メダル貸出制御装置
22 メダルホッパ
23 メダル払出ノズル
30 紙幣識別機
40 現金機運用ケーブル
50 現金機運用設定アダプタ
51 判定情報生成手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に供する遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機能を備え、遊技者の適正な貸出操作に基づき遊技媒体を払い出すと共に、遊技に供する遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機能を備える遊技機と接続可能な遊技機接続用コネクタを備え、遊技機接続用コネクタを介して遊技機と接続された場合には、遊技者の適正な貸出操作に基づき遊技機へ遊技媒体の貸出要求を行う遊技媒体貸出装置の遊技機接続用コネクタに装着可能な遊技媒体貸出装置用設定アダプタであって、
前記遊技媒体貸出装置から遊技機接続用コネクタを介して、予め定めたアダプタ接続確認動作を受けた場合には、アダプタ接続の判定が可能な判定情報を生成し、遊技機接続用コネクタを介して判定情報を遊技媒体貸出装置へ供給する判定情報生成手段を備えることを特徴とする遊技媒体貸出装置用設定アダプタ。
【請求項2】
前記判定情報生成手段は、遊技機接続用コネクタにおける所定の信号端子を介して入力される信号を他の信号端子を介してループバックさせることで、判定情報を遊技媒体貸出装置へ供給することを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体貸出装置用設定アダプタ。
【請求項3】
前記判定情報生成手段は、遊技機接続用コネクタにおける複数の信号端子を介して入力される信号の組合せが予め定めた判定情報生成条件を満たす場合に、他の信号端子を介してアダプタ接続信号を出力することで、判定情報を遊技媒体貸出装置へ供給することを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体貸出装置用設定アダプタ。
【請求項4】
遊技媒体貸出装置から紙幣識別機へ電源を供給する給電ラインを内包する紙幣識別機接続ケーブルから給電ラインを分岐させた分岐路を前記請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置用設定アダプタと接続し、遊技媒体貸出装置用設定アダプタから遊技機接続用コネクタを介して遊技媒体貸出装置へ給電可能としたことを特徴とする遊技媒体貸出装置用設定アダプタ付き接続ケーブル。
【請求項5】
遊技に供する遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機能を備え、遊技者の適正な貸出操作に基づき遊技媒体を払い出すと共に、遊技に供する遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機能を備える遊技機と接続可能な遊技機接続用コネクタを備え、遊技機接続用コネクタを介して遊技機と接続された場合には、遊技者の適正な貸出操作に基づき遊技機へ遊技媒体の貸出要求を行う遊技媒体貸出装置と、
前記遊技媒体貸出装置の遊技機接続用コネクタに装着可能で、遊技機接続用コネクタを介して、予め定めたアダプタ接続確認動作を受けた場合には、アダプタ接続の判定が可能な判定情報を生成し、遊技機接続用コネクタを介して判定情報を遊技媒体貸出装置へ供給する判定情報生成手段を備える遊技媒体貸出装置用設定アダプタと、
からなり、
前記遊技媒体貸出装置は、遊技機接続用コネクタを介して遊技機接続確認動作を行うことで、遊技媒体貸出機能を備える遊技機が遊技機接続用コネクタを介して接続されているか否かを判定し、遊技媒体貸出機能を備える遊技機が接続されていると判定した場合には、遊技機の遊技媒体貸出機能を用いて遊技媒体を貸し出す動作モードとなり、遊技媒体貸出機能を備える遊技機が接続されていないと判定した場合には、遊技機接続用コネクタを介してアダプタ接続確認動作を行うことで、遊技媒体貸出装置用設定アダプタが接続されているか否かを判定し、遊技媒体貸出装置用設定アダプタが装着されている判定した場合には、自らの遊技媒体貸出機能を用いて遊技媒体を貸し出す動作モードとなり、遊技媒体貸出装置用設定アダプタが装着されていないと判定した場合には、遊技媒体の貸出動作を行わないようにしたことを特徴とする遊技媒体貸出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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