説明

遊技機およびシミュレーションゲームプログラム

【課題】 発生する音声を遊技者が充分に聞き取ることができる演出効果の高い遊技機およびシミュレーションゲームプログラムを提供すること。
【解決手段】 遊技の演出に関する音声を出力する音声出力手段(スピーカ25L、25Rおよび音声制御回路46)と、外部の音声を取得する音声入力手段(マイク52L、52R)と、前記音声入力手段が取得した音声の音量に基づいて、前記音声出力手段が出力する音声の音量を制御する音声制御手段(サブCPU42)とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカ等によって演出のための効果音等を出力する遊技機およびシミュレーションゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機等の遊技機においては、遊技状態を報知したり、演出のための効果音等を出力する音声出力手段を備えており、画像や発光により情報を伝える液晶表示装置や各種のランプとともに、音声により遊技者に情報を伝えながら遊技を進行するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−340060号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の遊技機においては、音声出力手段から出力する音声の音量が固定されているため、他の遊技機が発声する音、ホール内のアナウンスの音またはドアの開閉時のホール外部の騒音等によって、遊技機が発声する音声が聞き取り難い場合があるという問題があった。本発明は、発生する音声を遊技者が充分に聞き取ることができる演出効果の高い遊技機およびシミュレーションゲームプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の遊技機は、遊技の演出に関する音声を出力する音声出力手段(例えば、スピーカ25L、25Rおよび音声制御回路46)と、外部の音声を取得する音声入力手段(例えば、マイク52L、52R)と、前記音声入力手段が取得した音声の音量に基づいて、前記音声出力手段が出力する音声の音量を制御する音声制御手段(例えば、サブCPU42)とを備えたことを特徴とする。
【0005】
この構成により、遊技機外部の騒音等の状況に応じた十分な音量で音声を出力し、演出効果を高めることができる。
【0006】
また、本発明の遊技機は、前記音声入力手段を、異なる箇所に複数備え、前記音声制御手段は、前記音声入力手段が取得した複数の音声の音量に基づいて前記音声出力手段が出力する音声の音量を制御することを特徴とする。
【0007】
この構成により、遊技機外部の音を適正に取得し、より高い精度で遊技機外部の騒音等の状況に応じた出力音量に設定できる。
【0008】
また、本発明の遊技機は、前記音声制御手段は、前記音声入力手段が取得した複数の音声の内、最も音量の大きな音声に応じて前記音声出力手段が出力する音声の音量を制御することを特徴とする。
【0009】
この構成により、遊技機外部の騒音等の状況に適した出力音量に設定できる。
【0010】
また、本発明の遊技機は、前記音声制御手段は、前記音声入力手段が取得した複数の音声の内、最も大きな音量より大きな音量に、前記音声出力手段が出力する音声の音量を制御することを特徴とする。
【0011】
この構成により、周囲の他の遊技機よりも目立たせることができる。
【0012】
また、本発明の遊技機は、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、操作スイッチ51)と、前記操作手段が操作されたことを検知する操作検知手段(例えば、サブCPU42)とを備え、前記音声制御手段は、前記操作手段が操作されたことを前記操作検知手段が検知した場合に、前記音声出力手段が出力する音声の音量を制御することを特徴とする。
【0013】
この構成により、遊技者が望むときに出力音量の調整をすることができる。
【0014】
また、本発明の遊技機は、遊技状態を制御する遊技状態制御手段(例えば、メインCPU32)を備え、前記音声制御手段は、前記遊技状態制御手段によって制御される遊技状態に基づいて、前記音声出力手段が出力する音声の音量を制御することを特徴とする。
この構成により、遊技の進行に係る演出の要所で出力音量の調整をすることができ、音声による演出を効果的に行うことができる。
【0015】
また、本発明の遊技機は、前記音声制御手段は、前記音声入力手段が取得した複数の音声の内、最も大きな音量より大きな音量に、前記音声出力手段が出力する音声の音量を制御することを特徴とする。
【0016】
この構成により、周囲の他の遊技機よりも目立たせることができる。
【0017】
本発明のシミュレーションゲームプログラムは、コンピュータに、遊技の演出に関する音声を出力する音声出力機能と、外部の音声を取得する音声入力機能と、前記音声入力機能が取得した音声の音量に基づいて、前記音声出力機能が出力する音声の音量を制御する音声制御機能とを実行させることを特徴とする。
【0018】
上述したシミュレーションプログラムは、シミュレーションプログラムをROMカートリッジ、CD−ROM、DVD等の記録媒体に記憶したり、通信衛星等のネットワーク環境下、あるいはインターネット等の通信回線を利用して配布することにより、家庭用ゲーム機等において遊技機と同様に、外部の騒音等の状況に応じた十分な音量で音声を出力し、演出効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、発生する音声を遊技者が充分に聞き取ることができる演出効果の高い遊技機およびシミュレーションゲームプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1〜図11は、本発明に係る遊技機の一実施の形態を示す図であり、本発明の遊技機
をパチンコ遊技機に適用した例を示している。
【0022】
まず、構成を説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る遊技機10を示す外観図である。
【0023】
図1において、遊技機10は、遊技場に遊技機10を設置するために設けられている外枠1と、外枠1の内側に開閉可能に設けられている内枠2aと、内枠2aの前面側に開閉可能に設けられている前面扉2bと、内枠2aと前面扉2bとの間に設けられている遊技盤3と、回動操作されることにより遊技盤3上の遊技領域に向けて遊技球を発射するように構成された発射ハンドル24と、遊技状態に応じて効果音や音声等を出力するスピーカ25Lおよび25Rと、遊技状態に応じて所定のパターンで点灯・消灯するランプ26Lおよび26Rとを備える。
【0024】
また、遊技機10には、プリペイドカードなどが挿入されると、該プリペイドカードの残高に応じて、遊技球が貸し出されるように構成されたカードユニット20(図2参照)が接続されている。
【0025】
また、前面扉2bには表示部および複数のボタンを有する球貸し操作部60が設けられており、この球貸し操作部60はカードユニット20によって読み込まれるプリペイドカード等の金額を表示したり、一定の金額毎の遊技球(パチンコ球)を購入するための操作を行うものである。
【0026】
また、前面扉2bの左右には、音声入力手段としてのマイク52L、52Rが設けられており、このマイク52L、52Rには遊技機の周囲の騒音等が入力されるようになっている。なお、マイク52L、52Rは1つでも良く、3つ以上でも良い。
【0027】
また、前面扉2bの球貸し操作部60の左には操作スイッチ51が設けられている。本実施の形態において遊技機10は、操作スイッチ51が押下されたことを検知すると、マイク52L、52Rが取得した遊技機10の周囲の音の大きさに応じて、スピーカ25L、25Rから出力される音声の音量を制御するようになっている。操作スイッチ51と球貸し操作部60は、1つのパネル状部材の上に設けられている。本実施の形態では、操作スイッチ51は操作手段を構成する。
【0028】
遊技盤3上の遊技領域には、液晶表示装置4(図1では不図示)と、始動口6と、普通図柄作動ゲート7と、大入賞口8と、アウト口9と、一般入賞口16とが設けられている。
【0029】
液晶表示装置4上では、始動口6内に設けられた始動領域を遊技球が通過したことを条件として、特別図柄(または、装飾図柄)の変動表示が実行される。なお、特別図柄の変動表示は、始動領域を遊技球が通過したことを条件として抽出される大当り判定用乱数値や大当り図柄決定用乱数値等に基づいて実行される。また、液晶表示装置4上では、遊技の進行に伴って動画および静止画からなる各種の演出画像が表示される。
【0030】
なお、大当り判定用乱数値とは、遊技状態を大当り状態に移行させるか否か判定するために用いられる乱数値である。具体的には、大当り判定用乱数値と大当り判定値とが一致した場合に、遊技状態を大当り状態に移行すると判定される。
【0031】
また、大当り図柄決定用乱数億とは、遊技状態を確変状態に移行させるか否か判定するために用いられる乱数値である。具体的には、大当り図柄決定用乱数値と確変判定値とが一致した場合に、遊技状態を確変状態に移行すると判定される。なお、大当り図柄決定用乱数値と確変判定値とが一致した場合には、特別図柄の変動表示が行われた結果、確変図柄が大当り図柄として液晶表示装置4上に停止表示される。一方、大当り図柄決定用乱数値と確変判定値とが一致しない揚合には、特別図柄の変動表示が行われた結果、通常図柄が大当り図柄として液晶表示装置4上に停止表示される。
【0032】
なお、確変状態とは、大当り判定において、大当り判定用乱数値と大当り判定値とが一致する確率が向上する状態である。
【0033】
また、本実施形態では、特別図柄の変動表示は、液晶表示装置4上で実行されているが、これに限定されるものではなく、7セグメントのLEDランプによって実行されてもよい。
【0034】
始動口6は、遊技球が入球し易い開放状態と遊技球が入球し難い閉鎖状態とに変化可能であり、始動口6内に設けられた始動領域を遊技球が通過したことを条件として、大当り判定用乱数値や大当り図柄決定用乱数値等が抽出されるように構成されている。また、始動口6は、始動口6に遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として払出されるように構成されている。
【0035】
普通図柄作動ゲート7は、普通図柄作動ゲート7を遊技球が通過したことを条件として、始動口6を開放状態とするか否か決定するために用いられる乱数値(普通図柄当り判定用乱数値)が抽出されるように構成されている。
【0036】
大入賞口8は、遊技球が入球し易い開放状態と遊技球が入球し難い閉鎖状態とに変化可能なものである。また、大入賞口8は、遊技状態が大当り状態に移行されると、閉鎖状態である大入賞口8が開放状態となってから、再び閉鎖状態となるまでを1ラウンドとして制御される。
【0037】
なお、大当り状態においては、所定回数(本実施の形態では、15回)を上限として、ラウンドが繰り返されるものとする。さらに、大入賞口8は、大入賞口8に遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として払出されるように構成されている。
【0038】
アウト口9は、始動口6、大入賞口8および一般入賞口16等のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れる。
【0039】
一般入賞口16は、一般入賞口16に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出されるように構成されている。また、遊技盤3の下方には、カードユニット20から貸し出された遊技球や賞球として払出された遊技球を貯留するための皿ユニット21が設けられている。
【0040】
なお、遊技盤3の少なくとも一部は、液晶表示装置4上に表示される画像を遊技者が視認することができるように、所定の透明性を有する樹脂(例えば、アクリル樹脂)によって形成されていても良い。このように構成した場合には、遊技者は、遊技盤3の背面側に設けられた液晶表示装置4上に表示される画像を透明な遊技盤3を通して視認することができる。
【0041】
図2は遊技機10の制御部の構成図を示すブロック図である。図2に示すように、本実施の形態の遊技機10の制御部は、主制御回路30と、副制御回路40と、払出・発射制御回路80とを備えている。
【0042】
主制御回路30は、I/O31と、メインCPU32と、メインROM33と、メインRAM34と、コマンド出力ポート35とによって構成される。
【0043】
また、主制御回路30には、大入賞口8内に設けられた特定領域(Vゾーン)を通過した遊技球を検出するV・カウントスイッチ28Sと、大入賞口8内に設けられた一般領域を通過した遊技球を検出するカウントスイッチ29Sと、一般入賞口16に入球した遊技球を検出する一般入賞球スイッチ16Sと、普通図柄作動ゲート7を通過した遊技球を検出する通過球スイッチ7Sと、始動口6内に設けられた始動領域を通過した遊技球を検出する始動入賞球スイッチ6Sと、始動口6に設けられた1対の可動片を駆動する始動口ソレノイド6aと、大入賞口8に設けられた扉体を駆動する大入賞口ソレノイド8aと、大入賞口8に入球した遊技球を特定領域と一般領域とに振り分けるシーソーを駆動するシーソーソレノイド8bと、遊技機10を初期状態に戻すバックアップクリアスイッチ9がI/O31を介して接続されている。
【0044】
なお、本実施形態において、始動入賞球スイッチ6Sは、遊技盤上に設けられた始動領域を遊技球が通過したことを検出する検出手段を構成する。
【0045】
I/O31は、上述した各スイッチおよび上述した各ソレノイドとの間で、信号を入出力するためのインターフェースである。
【0046】
メインCPU32は、後述する「システムタイマ割込処理」(図3(a)を参照)、および、「メイン処理」(図3(b)を参照)における各処理を行う。なお、メインCPU32の動作の詳細については後述する。本実施の形態では、メインCPU32は、遊技状態を制御する遊技状態制御手段を構成する。
【0047】
メインROM33には、後述する「システムタイマ割込処理」(図3(a)を参照)、および、「メイン処理」(図3(b)を参照)における各処理を行うためのプログラムやテーブルなどが記憶されている。
【0048】
メインRAM34には、DRAMなどによって構成され、始動記憶(大当り判定用乱数値や大当り図柄決定用乱数値を含む)などが記憶される。
【0049】
コマンド出力ポート35は、メインCPU32によってセットされた各コマンドを副制御回路40に出力するためのポートである。
【0050】
副制御回路40は、コマンド入力ポート41と、サブCPU42と、サブROM43と、サブRAM44と、画像制御回路45と、音声制御回路46と、ランプ制御回路47とを備えている。
【0051】
コマンド入力ポート41は、主制御回路30から出力された各コマンドをサブCPU42に入力するためのポートである。
【0052】
サブCPU42は、主制御回路30から出力された各コマンド(メインCPU32によってセットされた各コマンド)に基づいて、画像制御回路45、音声制御回路46およびランプ制御回路47を制御する。なお、サブCPU42の動作の詳細については、後述する(図9〜図11を参照)。
【0053】
サブROM43は、画像制御回路45、音声制御回路46およびランプ制御回路47を制御するためのプログラムを記憶している。
【0054】
サブRAM44は、DRAMなどによって構成され、主制御回路30から出力された各コマンドを記憶する。
【0055】
画像制御回路45は、サブCPU42からの制御データに基づいて、遊技状態に応じた画像(例えば、特別図柄の変動表示や演出内容)を液晶表示装置4上に表示する。
【0056】
音声制御回路46は、サブCPU42からの制御データに基づいて、遊技状態に応じた効果音や音声等をスピーカ25Lおよび25Rから出力する。本実施の形態では、音声制御回路46およびスピーカ25L、25Rは音声出力手段を構成する。また、サブCPU42は音声制御手段を構成する。
【0057】
ランプ制御回路47は、サブCPU42からの制御データに基づいて、遊技状態に応じた所定のパターンで、ランプ26Lおよび26Rを点灯・消灯する。
【0058】
払出・発射制御回路80は、始動口6、大入賞口8および一般入賞口16等に遊技球が入球したことに基づいて出力される主制御回路30からのコマンドに応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出装置81、および、発射ハンドル24に対する回転操作に応じて、遊技盤3上の遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置82を制御する。
【0059】
また、払出・発射制御回路80には、カードユニット20が接続され、当該カードユニット20にプリペイドカードが挿入されると、払出・発射制御回路80は、該プリペイドカードの残高に応じた数を上限として、所定数の遊技球を貸し出すように払出装置81を制御する。
【0060】
また、サブCPU42には、A/Dコンバータ53を介してマイク52L、52Rが接続されており、マイク52L、52Rから入力された音声はA/Dコンバータ53によってアナログ/デジタル変換されてサブCPU42に入力される。
【0061】
また、サブCPU42は、マイク52L、52Rに入力された音声に基づいてスピーカ25L、25Rの出力音量を制御するようになっており、音声制御手段を構成している。また、サブCPU42は、操作スイッチ51が押下されたことを検出する操作検知手段を構成している。
【0062】
次に、図3〜図11に基づいてメイン遊技機10の動作について説明する。図3〜図11は遊技機10の動作を示すフロー図である。
【0063】
図3において、まず、メインCPU32は、レジスタに格納されている情報を退避させる(ステップS10)。次いで、メインCPU32は、大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数等の値を更新する(ステップS11)。
【0064】
次いで、メインCPU32は、各スイッチ(始動入賞球スイッチ6S、通過球スイッチ7S、一般入賞球スイッチ16S、V・カウントスイッチ28Sおよびカウントスイッチ29S)からの信号がI/O31に入力されたか否か判定する(ステップS12)。また、メインCPU32は、I/O31に入力された信号がある場合には、入力された信号に応じた処理を行う。なお、スイッチ入力検出処理の詳細については後述する。
【0065】
次いで、メインCPU32は、待ち時間タイマ(t)、大入賞口開放時間タイマ(t)等の値を更新する(ステップS13)。なお、待ち時間タイマ(t)とは、後述する特別図柄制御処理(図7を参照)の各処理において、メインCPU32が次の処理に移るまでの待ち時間がセットされるタイマである。また、大入賞口開放時間タイマ(t)とは、1ラウンド内において、大入賞口8が開放状態とされる最大時間(大入賞口開放時間)がセットされるタイマである。
【0066】
なお、本実施の形態では、上述した各タイマは、該タイマにセットされた時間をカウントダウンするように構成されているものとするが、これに限定されるものではなく、時間をカウントアップするように構成されていても良い。
【0067】
タイマ更新処理が終了すると、メインCPU32は、賞球として払い出された遊技球の数、遊技状態が大当り状態に移行された回数等の遊技情報を、遊技場に設置されているホールコンピュータに出力する(ステップS14)。
【0068】
次いで、メインCPU32は、始動口6に設けられた1対の可動片を駆動するように始動口ソレノイド6aを制御するための信号、および、大入賞口8の扉体を駆動するように大入賞口ソレノイド8aを制御するための信号を出力する(ステップS15)。
【0069】
次いで、メインCPU32は、セットされたコマンド(例えば、変動表示パターン指定コマンドや停止図柄指定コマンド)を副制御回路40に出力した後(ステップS16)、玉切れや下皿満タン等のエラーを報知するためのランプ等を制御する(ステップS17)。
【0070】
次いで、遊技球が入球した入賞口の種類(始動口6、大入賞口8および一般入賞口16)に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出すことを指示する払出コマンドを払出・発射制御回路80に出力した後(ステップS18)、メインCPU32は、ステップS10で退避した情報をレジスタに復帰させる(ステップS19)。
【0071】
次に、メイン処理について、図3(b)を参照しながら説明する。図3(b)に示すように、まず、ステップS1においてメインCPU32は、メインRAM34に記憶された各種設定を前回電源断となったときの設定に復帰する(または、メインRAM34に記憶された各種設定を初期化する)。
【0072】
次いで、メインCPU32は、特別図柄制御処理を行う(ステップS2)。具体的には、メインCPU32は、遊技状態を大当り状態に移行させるか否かの判定(大当り判定)、変動表示パターンの決定、大当り状態におけるラウンド制御等を行う。なお、特別図柄制御処理の詳細については後述する(図7を参照)。
【0073】
次いで、メインCPU32は、普通図柄制御処理を行う(ステップS3)。具体的には、メインCPU32は、始動口6を開放状態とするか否かの判定(普通図柄当り判定)、始動口6に設けられた1対の可動片を駆動するための制御等を行う。
【0074】
次いで、メインCPU32は、変動表示パターンを決定するために用いられる変動表示パターン選択用乱数、ハズレ図柄を決定するために用いられるハズレ図柄決定用乱数等を更新する(ステップS4)。
【0075】
なお、メインCPU32は、上述のステップS20からステップS40までの処理を繰り返し行うものとする。
【0076】
次に、図4のフロー図に基づいてステップS12のスイッチ入力検出処理を説明する。
【0077】
図4に示すスイッチ入力検出処理では、まず、メインCPU32は、各スイッチ(始動入賞球スイッチ6S、一般入賞球スイッチ16S、V・カウントスイッチ28Sおよびカウントスイッチ29S)からの信号がI/O31に入力されたか否か判定する(ステップS21)。
【0078】
また、メインCPU32は、I/O31に入力された信号がある場合には、入力された信号に応じて所定数の遊技球を賞球として払出すためのコマンドをセットする。なお、セットされたコマンドは、上述したステップS16で払出・発射制御回路80に出力され、払出・発射制御回路80は、入力されたコマンドに応じて所定数の遊技球を賞球として払出す。
【0079】
次いで、メインCPU32は、各スイッチ(始動入賞球スイッチ6S、V・カウントスイッチ28Sおよびカウントスイッチ29S)からの信号がI/O31に入力されたか否か判定する(ステップS22)。
【0080】
また、メインCPU32は、I/O31に入力された信号がある場合には、入力された信号に応じた処理を行う。なお、特別図柄関連スイッチ検出処理の詳細については後述する(図5を参照)。
【0081】
次いで、メインCPU32は、通過球スイッチ7Sからの信号がI/O31に入力されたか否か判定する(ステップS23)。また、メインCPU32は、I/O31に入力された信号がある場合には、普通図柄当り判定用乱数値等をメインRAM34に記憶する。
【0082】
次に、図5のフロー図に基づいて特別図柄関連スイッチ入力処理を説明する。図5に示す特別図柄関連スイッチ入力処理では、まず、メインCPU32は、カウントスイッチ29Sからの信号がI/O31に入力されたか否か判定する(ステップS31)。
【0083】
ステップS31でI/O31に入力された信号がある場合には、ステップS32の処理に移り、I/O31に入力された信号がない場合には、ステップS33の処理に移る。
【0084】
ステップS32では、メインCPU32は、大入賞口カウンタの値に“1”を加算する。なお、大入賞口カウンタとは、1ラウンド内に大入賞口8に入球した遊技球の数を計数するためのカウンタである。
【0085】
ステップS33では、メインCPU32は、V・カウントスイッチ28Sからの信号がI/O31に入力されたか否か判定する。ここで、I/O31に入力された信号がある場合には、ステップS34の処理に移り、I/O31に入力された信号がない場合には、ステップS35の処理に移る。
【0086】
ステップS34において、メインCPU32は、大入賞口カウンタの値に“1”を加算する。なお、メインCPU32は、大入賞口8内に設けられた特定領域(Vゾーン)を遊技球が通過したことを示す情報をメインRAM34に記憶する。
【0087】
ステップS35において、メインCPU32は、始動入賞球スイッチ6Sからの信号がI/O31に入力されたか否か判定する。ここで、I/O31に入力された信号がある場合には、ステップS36の処理に移り、I/O31に入力された信号がない場合には、特別図柄関連スイッチ入力処理を終了する。
【0088】
ステップS36では、メインCPU32は、I/O31に入力された始動入賞球スイッチ6Sからの信号に応じた処理を行う。具体的には、図6のフロー図に示す始動口検出時処理を実行する。
【0089】
図6の始動口検出時処理では、まず、メインCPU32は、始動記憶数カウンタの値が“4”よりも大きいか否か判定する(ステップS41)。ここで、メインCPU32は、始動記憶数カウンタの値が“4”よりも大きいものと判定した場合には、始動口検出時処理を終了し、始動記憶数カウンタの値が“4”以下であるものと判定した場合には、ステップS42の処理に移る。なお、始動記憶数カウンタとは、大当り判定用乱数値や大当り図柄決定用乱数値を含む始動記憶の数を計数するためのカウンタである。
【0090】
ステップS42において、メインCPU32は、始動記憶数カウンタの値に“1”を加算した後、各乱数値(大当り判定用乱数値や大当り図柄決定用乱数値)を抽出するとともに、抽出した各乱数値を始動記憶としてメインRAM34に記憶する(ステップS43)。
【0091】
次いで、メインCPU32は、ステップS43で抽出した大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否か判定する(ステップS44)。ここで、メインCPU32は、大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致したものと判定した場合には、ステップS45の処理に移り、大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致しないものと判定した場合には、ステップS46の処理に移る。
【0092】
ステップS45では、メインCPU32は、ステップS43で抽出した大当り図柄決定用乱数値が確変判定値と一致するか否か判定する。ここで、メインCPU32は、大当り図柄決定用乱数値が確変判定値と一致したものと判定した場合には、ステップS47の処理に移り、大当り図柄決定用乱数値が確変判定値と一致しないものと判定した場合には、ステップS48の処理に移る。
【0093】
ステップS48において、メインCPU32は、始動記憶の数を表示するための始動記憶表示コマンド(通常用)をセットする。また、ステップS47において、メインCPU32は、始動記憶の数を表示するための始動記憶表示コマンド(確変用)をセットする。なお、始動記憶表示コマンド(通常用)および始動記憶表示コマンド(確変用)には、始動記憶数カウンタの値を特定可能な情報が含まれているものとする。
【0094】
次に、図7のフロー図に基づいて特別図柄制御処理を説明する。図7の特別図柄制御処理では、まず、メインCPU32は、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS51)。なお、制御状態フラグとは、特別図柄ゲームにおける遊技の状態を示すフラグであり、メインCPU32は、この制御状態フラグに基づいて、ステップS52〜ステップS60における各処理を実行するか否か判別する。
【0095】
ステップS52において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(00)であり、始動記憶の数が“1”以上である場合に、大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否か判定する(大当り判定)。
【0096】
また、メインCPU32は、大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致する場合には、大当り図柄決定用乱数値に基づいて、特別図柄の停止図柄(大当り図柄)を決定するとともに、変動表示パターン選択用乱数値に基づいて、変動表示パターンを決定する。
【0097】
一方、メインCPU32は、大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致しない場合には、ハズレ図柄決定用乱数値に基づいて、特別図柄の停止図柄(ハズレ図柄)を決定するとともに、変動表示パターン選択用乱数値に基づいて、変動表示パターンを決定する。
【0098】
また、メインCPU32は、特別図柄変動時間管理処理を示す値(01)を制御状態フラグにセットするとともに、決定した変動表示パターンに対応する変動表示時間を待ち時間タイマ(t)にセットする。なお、特別図柄記憶チェック処理の詳細については後述する(図8を参照)。
【0099】
次いで、ステップS53において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(01)であり、変動表示時間がセットされた待ち時間タイマ(t)の値が“0”である場合に、特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)を制御状態フラグにセットするとともに、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。
【0100】
次いで、ステップS54において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)であり、確定後待ち時間がセットされた待ち時間タイマ(t)の値が“0”である場合に、以下の処理を行う。
【0101】
すなわち、メインCPU32は、大当り判定において大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致すると判定された場合には、大当り開始インターバル管理処理を示す値(03)を制御状態フラグにセットするとともに、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマ(t)にセットする。また、メインCPU32は、高確率フラグをオフにする。なお、高確率フラグとは、遊技状態が確変状態であるか否か判定するためのフラグである。
【0102】
一方、メインCPU32は、大当り判定において大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致しないと判定された場合には、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。
【0103】
次いで、ステップS55において、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(03)であり、大当り開始インターバルに対応する時間がセットされた待ち時間タイマ(t)の値が“0”である場合には、大入賞口8を開放状態とするように大入賞口ソレノイド8aを制御する。また、メインCPU32は、大入賞口開放中処理を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、1ラウンド内において大入賞口8が開放状態とされる最大時間(大入賞口開放時間)を大入賞口開放時間タイマ(t)にセットする。
【0104】
次いで、ステップS56において、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(04)である場合に、大入賞口開放時間がセットされた大入賞口開放時間タイマ(t)の値が“0”であるという条件、または、大入賞口カウンタの値が所定値(例えば、“10”以上)となったという条件のうち、いずれかの条件が成立しているか否か判定する。
【0105】
また、メインCPU32は、上述した条件のうち、いずれかの条件が成立している場合には、大入賞口8を閉鎖状態とするように大入賞口ソレノイド8aを制御する。さらに、メインCPU32は、大入賞口内残留球監視処理を示す値(05)を制御状態フラグにセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマ(t)にセットする。
【0106】
次いで、ステップS57において、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間がセットされた待ち時間タイマ(t)の値が“0”である場合には、大入賞口8内に設けられた特定領域を遊技球が通過しなかったという条件、または、大入賞口開放回数カウンタの値が所定値(例えば、“15”以上)であるという条件(ラウンド数が最終ラウンドであるという条件)のうち、いずれかの条件が成立しているか否か判定する。なお、大入賞口開放回数カウンタとは、大当り状態におけるラウンド数をカウントするためのカウンタである。
【0107】
メインCPU32は、上述した条件のうち、いずれかの条件が成立している場合には、大当り終了インターバル管理処理を示す値(07)を制御状態フラグにセットするとともに、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマ(t)にセットする。一方、メインCPU32は、上述した条件のうち、いずれの条件も成立していない場合には、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(06)を制御状態フラグにセットするとともに、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマ(t)にセットする。
【0108】
次いで、ステップS58において、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間がセットされた待ち時間タイマ(t)の値が“0”である場合には、大入賞口開放回数カウンタの値に“1”を加算する。また、メインCPU32は、大入賞口開放中処理を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、大入賞口開放時間を大入賞口開放時間タイマ(t)にセットする。
【0109】
次いで、ステップS59において、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り終了インターバル管理処理を示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間がセットされた待ち時間タイマ(t)の値が“0”である場合には、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU32は、液晶表示装置4上に停止表示されている大当り図柄が確変図柄である場合には、高確率フラグをオンにする。
【0110】
次いで、ステップS60において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(08)である場合に、始動記憶の数から1を減算するとともに、特別図柄記憶チェック処理を示す値(00)を制御状態フラグにセットする。
【0111】
次に、図8のフロー図に基づいて特別図柄記憶チェック処理を説明する。図8の特別図柄記憶チェック処理では、まず、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(00)であるか否か判定する(ステップS61)。
【0112】
ここで、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(00)であるものと判定した場合には、ステップS62の処理に移り、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(00)でないものと判定した場合には、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
【0113】
ステップS62において、メインCPU32は、メインRAM34に記憶されている始動記憶の数が“0”であるか否か判定する。ここで、メインCPU32は、始動記憶の数が“0”であるものと判定した場合には、ステップS63の処理に移り、始動記憶の数が“1”以上であるものと判定した場合には、ステップS64の処理に移る。
【0114】
ステップS63において、メインCPU32は、所定のデモンストレーション画像を液晶表示装置4上に表示するように指示するコマンド(デモ表示コマンド)をセットする。なお、所定のデモンストレーション画像とは、液晶表示装置4上で特別図柄が変動表示されていないときに、遊技者を飽きさせないようにするための画像である。
【0115】
また、ステップS64において、メインCPU32は、特別図柄変動時間管理処理を示す値(01)を制御状態フラグにセットする。次いで、メインCPU32は、特別図柄の変動表示が実行された後に、遊技状態を大当り状態に移行させるか否か判定する(ステップS65の大当り判定)。
【0116】
具体的には、メインCPU32は、高確率フラグがオンである場合には、大当り判定テーブル(確変用)を参照し、大当り判定テーブル(確変用)に記憶されている大当り判定値と、始動記憶に含まれる大当り判定用乱数値とが一致するか否か判定する。
【0117】
一方、メインCPU32は、高確率フラグがオフである場合には、大当り判定テーブル(通常用)を参照し、大当り判定テーブル(通常用)に記憶されている大当り判定値と、始動記憶に含まれる大当り判定用乱数値とが一致するか否か判定する。
【0118】
次いで、メインCPU32は、大当り判定を行った結果、遊技状態を大当り状態に移行させると判定したか否か確認する(ステップS66)。ここで、メインCPU32が遊技状態を大当り状態に移行させるものと判定した場合には、ステップS68の処理に移り、遊技状態を大当り状態に移行させないと判定した場合には、ステップS67の処理に移る。
【0119】
ステップS67では、メインCPU32は、ハズレ図柄決定用乱数値に基づいて、液晶表示装置4上で特別図柄の変動表示が実行された結果、該液晶表示装置4上に停止表示させるハズレ図柄を決定する。
【0120】
ステップS68では、メインCPU32は、始動記憶に含まれる大当り図柄決定用乱数値に基づいて、液晶表示装置4上で特別図柄の変動表示が実行された結果、該液晶表示装置4上に停止表示させる大当り図柄を決定する。具体的には、メインCPU32は、大当り図柄決定用乱数値と確変判定値と一致する場合には、確変図柄を大当り図柄として決定する。一方、メインCPU32は、大当り図柄決定用乱数値と確変判定値と一致しない場合には、通常図柄を大当り図柄として決定する。
【0121】
次いで、ステップS69において、メインCPU32は、ステップS65で遊技状態を大当り状態に移行させると判定したか否か、高確率フラグがオンであるか否か(遊技状態が確変状態であるか否か)に基づいて、変動表示パターン1〜6を決定するとともに、決定した変動表示パターン1〜6に対応する変動表示パターン指定コマンドをセットする。
【0122】
具体的には、メインCPU32は、遊技状態を大当り状態に移行させると判定したか否か、および、高確率フラグがオンであるか否か(遊技状態が確変状態であるか否か)に基づいて、変動表示パターン選択テーブルを参照し、変動表示パターン選択用乱数値に基づいて、変動表示パターンを選択するとともに、選択した変動表示パターンに対応する変動表示パターン指定コマンドをセットする。なお、この変動表示パターンは説明の便宜上、6パターンだけ示しているが、実際は遊技状態に応じて6パターン以上の変動表示パターンがあることは言うまでもない。
【0123】
次いで、ステップS70において、メインCPU32は、選択した変動表示パターンに対応する変動表示時間を待ち時間タイマ(t)にセットする。
【0124】
次に、図9のフロー図に基づいてサブCPU42が実行するメイン処理を説明する。図9に示すメイン処理では、まず、サブCPU42は、サブRAM44に記憶された各種設定を前回電源断となったときの設定に復帰する(又は、サブRAM44に記憶された各種設定を初期化する)(ステップS71)。
【0125】
次いで、サブCPU42は、予告決定用乱数などの値を更新する(ステップS72)。なお、予告決定用乱数は、変動表示パターン指定コマンドに応じて予告画像を決定する際に用いられる。
【0126】
次いで、サブCPU42は、受信バッファに格納されたコマンド(主制御回路30から入力されたコマンド)を解析するとともに、解析した結果に応じた処理を行う(ステップS73)。
【0127】
次いで、サブCPU42は、コマンド解析処理でセットしたデータに応じて、画像制御回路45を制御する(ステップS74)。具体的には、サブCPU42は、画像制御回路45を制御することによって、液晶表示装置4上に予告画像や背景画像等を表示する。
【0128】
また、サブCPU42は、一の通常背景画像の表示時間(本実施形態では、50秒)が経過すると、一の通常背景画像から該一の通常背景画像の次に表示される通常背景画像に背景画像を切替える。
【0129】
次いで、サブCPU42は、コマンド解析処理でセットしたデータに応じて、音声制御回路46を制御する(ステップS75)。具体的には、サブCPU42は、音声制御回路46を制御することによって、スピーカ25Lおよび25Rから効果昔や音声等を出力する。
【0130】
次いで、サブCPU42は、コマンド解析処理でセットしたデータに応じて、ランプ制御回路47を制御する。具体的には、サブCPU42は、ランプ制御回路47を制御することによって、ランプ26Lおよび26Rを所定のパターンで点灯・消灯する(ステップS76)。
【0131】
次に、図10のフロー図に基づいてサブCPU42が実行するコマンド受信割込処理を説明する。なお、コマンド受信割込処理とは、主制御回路30からのコマンドがコマンド入力ポート41に入力される毎に、上述したメイン処理に割り込む処理である。
【0132】
図10に示すコマンド受信割込処理では、まず、サブCPU42は、レジスタに格納されている情報を退避させる(ステップS81)。
【0133】
次いで、サブCPU42は、コマンド入力ポート41に入力されたコマンドを受信バッファに格納する(ステップS82)。
【0134】
次いで、サブCPU42は、ステップS81で退避させた情報をレジスタに復帰させる(ステップS83)。
【0135】
次に、副制御回路40で行われる音量調整処理について図を参照して説明する。図11は、音量調整処理を示すフロー図である。なお、この音量調整処理は、所定の周期(例えば2msec)毎に副制御回路のメイン処理に割り込む処理であり、前述したステップS75におけるスピーカ25L、25Rからの出力を調整するものである。
【0136】
まず、サブCPU42は、操作スイッチ51が押下された信号を検知したか否かを判別する(ステップS91)。操作スイッチ51からの信号を検知した場合は、ステップS93に移行し、操作スイッチ51からの信号を検知しなかった場合は、所定の遊技状態であるか否かを判別する(ステップS92)。ここで、所定の遊技状態とは、リーチまたは大当りが発生している遊技状態のことであり、メインCPU32から受信したコマンドを解析して判断される。
【0137】
ステップS91またはステップS92の判別が“YES”であった場合、すなわち、操作スイッチ51の押下を検知したか、または所定の遊技状態であると判断した場合は、所定期間(例えば10秒)にわたりマイク52によって遊技機10の周囲の音を取得する(ステップS93)。
【0138】
次いで、サブCPU42は、取得した音の音量が所定値以上であるか否かを判別する(ステップS94)。具体的には、2つのマイク52L、52Rが取得した2つの音の内、音量の大きな方の音が所定値以上であるか否かを判別する。本実施の形態では2つのマイク52L、52Rにより遊技機10の周囲の音を取得しているが、さらに多くの数のマイクにより音を取得するように構成してもよい。例えば、4つのマイクで音を取得をする場合、最も音量の大きな音が所定値以上であるかを判別する。なお、この所定値は、次のステップS95においてスピーカ25L、25Rの出力音量を調整するか否かを決定するための閾値であり、サブROM43に予め記憶されている。ステップS93で取得した音声の音量が所定値以上である場合は、音声制御回路46を制御して、スピーカ25L、25Rが出力する音量が、取得した音声の音量に応じて予めサブROM43に定められた音量以上になるようにする(ステップS95)。すなわち、サブROM43には、ステップS94の判別に用いられる閾値としての所定値と、マイク52が取得した音声の音量に応じてスピーカ25L、25Rが出力する音量が記憶されている。例えば、サブROM43には、閾値としての所定値が50デシベル、マイク52が取得した音量が55、60、65デシベルのときのスピーカ25L、25Rの出力音量がそれぞれ60、65、70デシベルと定められている。ステップS95で調整された音声制御回路46の出力音量の設定は、ステップS75(図9)の音声制御処理における出力音量として用いられる。
【0139】
なお、ステップS94にて音量が所定値以下であるか否かを判別し、音量が所定値以下の場合は、ステップS95にて、予めサブROM43に定められた音量に戻すようにすることも可能である。
【0140】
このように本実施の形態では、サブCPU42は、マイク52が取得した遊技機10外部の音の大きさに応じて、音量制御回路46の出力音量を制御するので、遊技機10外部の騒音等の状況に応じた十分な音量で音声を出力し、演出効果を高めることができる。
【0141】
また、本実施の形態では、異なる箇所に設けられた2つのマイク52L、52Rが取得した2つの音声の大きさに応じて、サブCPU42が、音量制御回路46の出力音量を制御するので、遊技機10外部の音を適正に取得し、より高い精度で遊技機10外部の騒音等の状況に応じた出力音量に設定できる。
【0142】
また、本実施の形態では、2つのマイク52L、52Rが取得した2つの音声の内、音量の大きな音声に応じて、サブCPU42が、音量制御回路46の出力音量を制御するので、遊技機10外部の騒音等の状況に適した出力音量に設定できる。
【0143】
また、本実施の形態では、2つのマイク52L、52Rが取得した2つの音声の内、音量の大きな音声よりも大きな音量に、サブCPU42が、音量制御回路46の出力音量を制御するので、周囲の他の遊技機よりも目立たせることができる。
【0144】
また、本実施の形態では、サブCPU42は、操作スイッチ51が押下されたことを検知すると、音量制御回路46の出力音量を制御するので、遊技者が望むときに出力音量の調整をすることができる。
【0145】
また、本実施の形態では、サブCPU42は、所定の遊技状態であると判断したときに、音量制御回路46の出力音量を制御するので、遊技の進行に係る演出の要所で出力音量の調整をすることができ、音声による演出を効果的に行うことができる。
【0146】
図12、図13は本発明に係るシミュレーションゲームプログラムの一実施の形態を示す図であり、上述した実施の形態における遊技機10によって提供される遊技(パチンコ遊技)を、サーバ等に記憶されているシミュレーションゲームプログラムを実行することによって、パーソナルコンピュータ等の端末の画面上で再現するものである。
【0147】
本実施の形態では、端末の画面上で再現される遊技のことをシミュレーション遊技と呼ぶ。
【0148】
以下、端末によってシミュレーション遊技を実行する方法について、図面を参照しながら説明する。また、以下においては、上述の実施の形態との差異のみを説明するものとする。
【0149】
図12(a)は、端末によってシミュレーション遊技を実行する方法について説明するための図である。また、図12(b)は、本発明の一変更例に係る端末101を示す概観図である。
【0150】
図12(a)に示すように、端末101aとサーバ100とはLANを介して接続され、端末110bとサーバ100とは通信回線網102を介して接続されている。
【0151】
サーバ100は、端末101の画面103上においてシミュレーション遊技を実行するためのシミュレーションゲームプログラムを記憶している。このシミュレーションゲームプログラムは、端末101に、遊技の演出に関する音声を出力する音声出力機能と、外部の音声を取得する音声入力機能と、前記音声入力機能が取得した音声の音量に基づいて、前記音声出力機能が出力する音声の音量を制御する音声制御機能とを実行させるものである。
【0152】
また、シミュレーションゲームプログラムには、図3で説明したシステムタイマ割込処理、メイン処理を実行するためのプログラム、図9、10で説明したメイン処理、コマンド受信割込処理、および図11で説明した音量調整処理を実行するためのプログラム、シミュレーション遊技を端末101の画面103上に表示するためのプログラム等が含まれている。
【0153】
また、サーバ100は、シミュレーションプログラムを実行することによって、端末101の画面103上にシミュレーション遊技を表示する。
【0154】
端未101は、LANまたは通信回線網102等を介してサーバ100に接続され、WEBブラウザ等によって画面103上にシミュレーション遊技を表示する。なお、端末101は、シミュレーションゲームプログラムをサーバ100からダウンロードすることによって、サーバ100に依存することなくシミュレーションゲームプログラムを実行するように構成されていても良い。
【0155】
具体的には、図12(b)に示すように、端末101は、画面103と、本体部104と、操作部105と、マイク107L、107Rとを具備する。また、端末101は、所定の遊技状態(当り遊技状態や大当り遊技状態)を遊技者に報知する効果音や音声等を出力するスピーカ106L、106Rを具備している。
【0156】
画面103は、液晶表示装置4や始動口6等を含む遊技領域の画像を表示し、当該遊技領域の画像上における遊技球の挙動や特別図柄の変動表示等の画像を表示する。
【0157】
本体部104は、CPU・ROM・RAM等により構成され、端末101における各処理を制御する。なお、本体部104は、シミュレーションゲームプログラムをダウンロードした際には、当該シミュレーションゲームプログラムを記憶する。
【0158】
操作部105は、キーボード等により構成され、発射ハンドル24、操作スイッチ51等と同等の機能を有する。
【0159】
マイク107L、107Rは、端末101の周囲の音を取得するものである。
【0160】
通信回線網102は、サーバ100と端末101とを接続するインターネット網や衛星通信回線網等である。
【0161】
なお、端末101は、CD−ROMやDVD−ROMやROMカートリッジ等の記憶媒体から読み込んだシミュレーションゲームプログラムに基づいて、シミュレーション遊技を実行するように構成されていても良い。
【0162】
また、シミュレーション遊技は、所定の表示領域を備えた携帯端末110によって再現されても良い。図13は、本発明の一変更例に係る携帯端末110の概観図である。図13に示すように、携帯端末110は、上述した画面103と同様の機能を有する画面111と、上述したスピーカ106L、106Rと同様の機能を有するスピーカ112と、上述した操作部105と同様の機能を有する操作部113と、周囲の音を取得するマイク114L、114Rとを具備する。
【0163】
本実施の形態によれば、サーバ100(端末101または携帯端末110)が、シミュレーションゲームプログラム、すなわち、端末101に、遊技の演出に関する音声を出力する音声出力機能と、外部の音声を取得する音声入力機能と、前記音声入力機能が取得した音声の音量に基づいて、前記音声出力機能が出力する音声の音量を制御する音声制御機能とを実行させるシミュレーションゲームプログラムに基づいてシミュレーション遊技を再現することにより、遊技者は、端末101または携帯端末110によって、上述した遊技機10のシミュレーション遊技を楽しむことができる。
【0164】
なお、シミュレーションゲームプログラムは、サーバ100に記憶させる代わりに、ROMカートリッジ、CD−ROM、DVD等の記録媒体に記憶しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】本発明の一実施の形態の遊技機の外観を示す斜視図
【図2】一実施の形態の遊技機の回路構成を示すブロック図
【図3】一実施の形態のメインCPU32の動作を示すフロー図
【図4】メインCPU32で行われるスイッチ入力検出処理を示すフローチャート
【図5】メインCPU32で行われる特別図柄関連スイッチ入力処理を示すフローチャート
【図6】メインCPU32で行われる始動口検出時処理を示すフローチャート
【図7】メインCPU32で行われる特別図柄制御処理を示すフローチャート
【図8】メインCPU32で行われる特別図柄記憶チェック処理を示すフローチャート
【図9】遊技機の副制御回路で行われるメイン処理を示すフローチャート
【図10】遊技機の副制御回路で行われるコマンド受信割込処理を示すフローチャート
【図11】遊技機の副制御回路で行われる音量調整処理を示すフローチャート
【図12】本発明の一実施の形態に係るシミュレーション遊技について説明する図
【図13】本発明の一実施の形態に係るシミュレーション遊技について説明する図
【符号の説明】
【0166】
1 外枠
2a 内枠
2b 前面扉
3 遊技盤
4 液晶表示装置
6 始動口
6a 始動口ソレノイド
6S 始動入賞球スイッチ
7 普通図柄作動ゲート
7S 通過球スイッチ
8 大入賞口
8a 大入賞口ソレノイド
8b シーソーソレノイド
9 アウト口
10 遊技機
11 上皿
12 下皿
16 一般入賞口
16S 一般入賞球スイッチ
20 カードユニット
21 皿ユニット
24 発射ハンドル
25L、25R スピーカ(音声出力手段)
26L、26R ランプ
28S V・カウントスイッチ
29S カウントスイッチ
30 主制御回路
31 I/O
32 メインCPU(遊技状態制御手段)
33 メインROM
34 メインRAM
35 コマンド出力ポート
40 副制御回路
41 コマンド入力ポート
42 サブCPU(音声制御手段、操作検知手段)
43 サブROM
44 サブRAM
45 画像制御回路
46 音声制御回路(音声出力手段)
47 ランプ制御回路
51 操作スイッチ(操作手段)
52L、52R マイク(音声入力手段)
53 A/Dコンバータ
60 球貸し操作部
80 払出・発射制御回路
81 払出装置
82 発射装置
90 バックアップクリアスイッチ
100 サーバ
101、101a、101b 端末
103 画面
104 本体部
105 操作部
102 通信回線網
110 携帯端末
111 画面
112 スピーカ
113a、113b、113c 操作部
114L、114R マイク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の演出に関する音声を出力する音声出力手段と、
外部の音声を取得する音声入力手段と、
前記音声入力手段が取得した音声の音量に基づいて、前記音声出力手段が出力する音声の音量を制御する音声制御手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記音声入力手段を、異なる箇所に複数備え、
前記音声制御手段は、前記音声入力手段が取得した複数の音声の音量に基づいて前記音声出力手段が出力する音声の音量を制御することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記音声制御手段は、前記音声入力手段が取得した複数の音声の内、最も音量の大きな音声に応じて前記音声出力手段が出力する音声の音量を制御することを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記音声制御手段は、前記音声入力手段が取得した複数の音声の内、最も大きな音量より大きな音量に、前記音声出力手段が出力する音声の音量を制御することを特徴とする請求項3記載の遊技機。
【請求項5】
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段が操作されたことを検知する操作検知手段とを備え、
前記音声制御手段は、前記操作手段が操作されたことを前記操作検知手段が検知した場合に、前記音声出力手段が出力する音声の音量を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の遊技機。
【請求項6】
遊技状態を制御する遊技状態制御手段を備え、
前記音声制御手段は、前記遊技状態制御手段によって制御される遊技状態に基づいて、前記音声出力手段が出力する音声の音量を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の遊技機。
【請求項7】
コンピュータに、遊技の演出に関する音声を出力する音声出力機能と、外部の音声を取得する音声入力機能と、前記音声入力機能が取得した音声の音量に基づいて、前記音声出力機能が出力する音声の音量を制御する音声制御機能とを実行させることを特徴とするシミュレーションゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−34791(P2006−34791A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−222092(P2004−222092)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】