説明

遊技機

【課題】特に見せたい画像演出をより遊技者に印象付けて演出効果を高めることができる遊技機を提供する。
【解決手段】主として遊技者に対向する表面側の遊技領域101に遊技球PBの流下方向を制限及び案内する複数の遊技盤構成物が設けられ、所定の透過度の光透過性材質で形成された透明遊技盤100の裏面側に、所定の間隔をもって配設され、透明遊技盤100の遊技領域101に対応する領域を表示領域201とした液晶表示装置200の表示領域201において、透明遊技盤100に設けられた各遊技盤構成物と面法線上で対向する位置に、各遊技盤構成物の陰影画像S等の各遊技盤構成物に係る画像をそれぞれ表示して、当該陰影画像Sに沿って擬似遊技球302が移動するように表示させる際に、擬似遊技球302が入賞すべき位置を強調画像304により指し示すように表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、始動口に遊技球が入賞することによって抽選が行われ、その抽選結果に応じて多くの遊技球の獲得を可能とする遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、大型表示器を備えた全面表示パチンコ機が提案されている。この全面表示パチンコ機は、遊技盤を構成する部材が透明であり、当該透明の遊技盤の裏面側に遊技盤とほぼ同一外形の表示器を配設することで、遊技を進行している遊技者から見ると、遊技盤全体が表示画面となり、これにオーバラップするようにパチンコ球が複数の遊技釘や風車等に跳ね返りながら落下していく。
【0003】
このような大型表示器を搭載したパチンコ機では、演出表示のスケールが拡大し、より一層の演出効果を期待することができる。
【0004】
従来、特許文献1では、キャラクタを入賞口や釘、風車やレールと関連付ける動作を行なう映像を投射することが提案されている。
【特許文献1】特開2004−57706公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記特許文献では、正面で見た場合には入賞口や釘、風車やレール等と映像との対応関係が把握できるものの、斜め方向から見ると、キャラクタが演出画像の中で浮いているようにしか見えず、遊技盤上の入賞口や釘、風車、レール等の遊技盤構成物とキャラクタの対応関係が把握できない、という問題点があった。
【0006】
すなわち、遊技盤と画像表示装置との間には間隙があるため、斜めから見ると画像表示領域上の任意の領域が遊技盤上のどの領域に対応しているのかが把握できない。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、特に見せたい画像演出をより遊技者に印象付けて演出効果を高めることができる遊技機を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、主として遊技者に対向する表面側の遊技領域に遊技球の流下方向を制限及び案内する複数の遊技盤構成物が設けられ、所定の透過度の光透過性材質で形成された遊技盤と、前記遊技盤の裏面側に所定の間隔をもって配設され、前記遊技盤の前記遊技領域に対応する領域を含む表示領域を有する画像表示装置と、前記画像表示装置に遊技の進行状況に応じた演出画像を表示し、前記遊技盤に設けられた各遊技盤構成物と面法線上で対面する前記画像表示装置の表示領域上の位置に、前記各遊技盤構成物に係る画像をそれぞれ表示して、当該遊技盤構成物に係る画像に沿って擬似球画像が移動する表示を行なう場合に、擬似球画像が入賞すべき位置を指し示す強調画像を表示する表示制御手段と、を備えている。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、擬似球画像が入賞すべき位置を画像で指し示すようにしているので、大当たり演出やリーチ演出等の特別に見せたい画像演出をより遊技者に印象付けて見せることができ、画像表示による演出効果を更に高めることができる。
【0010】
すなわち、遊技盤と画像表示装置との間には所定の間隔に応じた間隙があるので、画像表示装置を見る角度によっては遊技盤と画像表示装置とが重なっているようには見えないので、擬似球画像が単なる画像としか捉えられない。しかし、画像表示装置に遊技盤構成物に係る画像が表示されることにより画像表示装置の表示領域と遊技盤上の遊技領域の対応関係が明確に把握できるので、遊技盤と画像表示装置とが重ならない位置から画像表示装置を見た場合でも、遊技機全体の中の演出画像として捉えることができ、擬似球画像が不自然に感じることがない。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記表示制御手段は、前記強調画像が、前記遊技盤に設けられた遊技球の入賞口に係る画像の表示位置を前記擬似球画像が入賞すべき位置として指し示すように表示することを特徴としている。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、擬似球画像による演出と入賞口との対応関係が判り易くなる。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記擬似球画像は、遊技球以外の物体やキャラクタを示す画像であり、当該擬似球画像に遊技球の一般的な動きとは明らかに異なる動きをさせる表示をする場合があることを特徴としている。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、擬似球画像に遊技球の代わりとしての画像演出をさせると共に、画像ならではの動きをさせることで、演出効果を更に高めることができる。
【0015】
請求項4記載の発明は、前記表示制御手段は、擬似球画像を実際の遊技球の流下領域とは異なる領域に表示させるように制御する場合があることを特徴としている。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、擬似球に画像ならではの動きをさせることで、演出効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、特に見せたい画像演出をより遊技者に印象付けて演出効果を高めることができる、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(パチンコ機の構成)
図1に示されるように、パチンコ機10は、パチンコ機10の外郭を構成するとともにホールの島設備に設置される矩形状の外枠12を備えている。外枠12の前面には矩形額縁状の内枠14が配置されており、内枠14は、外枠12に設けられた一対のヒンジ部16、18に左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。また外枠12の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り20が取り付けられている。
【0019】
内枠14の前面上部には、ガラス板22を装着したガラスフレーム24を窓部25に備えるガラス枠26が配置されており、ガラス枠26は左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられている。また、ガラスフレーム24に装着されたガラス板22は、図1の紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行に配置された一対のガラス板からなる二重構造となっている。このガラス枠26の裏面側となる内枠14の上部には、矩形状の開口部28が設けられている。開口部28には、交換可能とされた遊技盤100(図2参照)がセットされており、遊技盤100は、ガラス枠26を内枠14に閉塞した状態でガラス枠26(ガラス板22)に覆われるようになっている。
【0020】
ガラス枠26の前面には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による演出効果を生み出す照明演出用の表示灯142がガラス板22を取り囲むように配置されており、さらに左上隅及び右上隅には、賞球払出エラー及び払出状態エラー等の各種エラーを報知するエラー用の表示灯144が配置されている。また、各エラー用の表示灯144の内側には、遊技の効果音をステレオ出力するスピーカ146L、146Rが配設されている。
【0021】
内枠14の前面下部には、一般的な上皿及び下皿の機能を兼ね備える打球供給皿としての一体皿30が配置されている。一体皿30は、パネル部材32の左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられており、パネル部材32の前面には、上部に遊技球を貯える球皿部34が形成された球皿本体36が突設されている。
【0022】
パネル部材32の前面の右側上部には、パチンコ機10内に設けられた払出装置(図示省略)から払い出された賞球が排出される球排出口46が形成されている。この球排出口46から排出された賞球は球皿部34に貯留され、球皿部34内を左方向へ流下し整列通路により1列に整列されて球送り装置に送り込まれる。
【0023】
図示を省略するが、球皿部34の底面は双方向に傾斜しており、一方は図1の正面視にて左側から右側に下る傾斜を手前側に配置し、他方は右側から左側に下る傾斜を奥側に配置し、両傾斜は正面視にて右側で円滑に連続形成されている。
【0024】
手前側の傾斜は遊技機間に設けられた現金用遊技球貸出機(図示省略)を球皿部34の正面視、左側から受け入れて、右側に転動案内する一方、奥側の傾斜は球皿部34に受け入れた遊技球、後述する賞品球、あるいはカード式貸出機を介した貸出球などを球排出口46から受け入れて正面視、右側から左側に向かって転動案内する。
【0025】
この奥側の傾斜は、当該傾斜に沿って幅寸法を漸次、狭く形成されており、これにより、球皿部34にある遊技球がパネル部材32の裏面に配置された球送り装置(図示省略)に一列に整列させながら送り込まれる。
【0026】
また、パネル部材32の前面における左側下部には灰皿38が設けられ、右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するための発射ハンドル39が取り付けられている。
【0027】
(遊技盤の構成)
図2には本実施の形態に係る遊技盤100が示されている。
【0028】
遊技盤100は、基板として透明の平板状合成樹脂材が適用されている(以下、透明遊技盤100という)。
【0029】
透明遊技盤100は、その表面が盤面100Aとなっており、盤面100Aの外周端部付近に、円弧状の外レール102、逆流防止弁103及び内レール104が取り付けられている。これらの外レール102、逆流防止弁103及び内レール104によって囲まれた円形状の領域は、発射装置(図示省略)から発射されて、逆流防止弁103で仕切られた放出口105を飛び出して打ち込まれた遊技球PBが自重落下により移動可能とされ、この領域が遊技を行う遊技領域101とされている。
【0030】
前記透明遊技盤100の裏面側には、少なくとも遊技領域101のほぼ全域に亘って表示面が対向する大型の液晶表示装置200が配設されている。すなわち、遊技領域101が、液晶表示装置200の表示領域201となっていて、遊技者の視野のほぼ全域が覆われる。
【0031】
遊技領域101には、遊技領域101の中心部を基準として図2の左側に、通過ゲート(スルー・チャッカー)118が配置されている。また、遊技領域101の中心部を基準として図2の下部には、特別図柄始動入賞口(スタート・チャッカー)108が配設されており、この特別図柄始動入賞口108のさらにその下方には、遊技領域101の下端部付近に位置してアタッカー112が配置されている。
【0032】
アタッカー112には、開閉扉116が設けられており、当該開閉扉116が開放又は閉塞することによって開口又は閉口するようになっている。開閉扉116の開放時には、開閉扉116上に落下した遊技球が開閉扉116に案内されてアタッカー112へ入賞する。
【0033】
また、遊技領域101には、風車122や、遊技領域101内を自重落下する遊技球を所定の経路に誘導する多数の遊技釘123(図4参照)が設けられている。
【0034】
さらに、透明遊技盤100の中央下方には、透明遊技盤100の裏面側通路と前面側通路とに遊技球PBの通路が設けられたステージ124が設けられており、遊技球PBは、風車122や遊技釘123等によりステージ124上に案内される。なお、このステージ124上に案内された遊技球PBは、特別図柄始動入賞口108に入賞しやすくなる。
【0035】
また、透明遊技盤100の最下位置には、外れ球を透明遊技盤100の裏側へ排出するアウト口124が設けられている。
【0036】
(制御系の構成)
次に、図3を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。図3に示されるように、本実施形態に係るパチンコ機10の制御系は、主制御部150を中心として構成されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
【0037】
主制御部150には、特別図柄始動入賞口108への入賞球を検出する始動入賞センサ180、通過ゲート118への入賞球を検出する通過ゲート入賞センサ184、アタッカー112への入賞球を検出する大入賞センサ186がそれぞれ接続されており、これらの各センサは、入賞球の検出時にその検出信号を主制御部150へ出力する。なお、必要に応じて、アタッカー112内には、大当たり処理のラウンドを継続するきっかけとなるVゾーンが設けられる。アタッカー112内にVゾーンが設けられている場合には、このVゾーンを通過したことを検出するVゾーンセンサ228が配設される。
【0038】
さらに、主制御部150には、アタッカー112の開閉扉116を開放/閉塞させるソレノイド175及び保留ランプ176がそれぞれ接続されている。
【0039】
また、遊技球PBが特別図柄始動入賞口108に入賞すると、これを始動入賞センサ180で検出することで特別図柄の当たり/外れの抽選(以下「特図抽選」と呼ぶ)が主制御部150にて実行され、この特図抽選の結果が当たり(大当たり)となった場合は通常遊技状態から特別遊技状態へ遊技状態が移行するように主制御部150にて制御する。なお、この大当たりについては、通常の当たりと、特別遊技状態の終了後に次の当たり確率がアップする確変モード、或いは図柄変動パターン時間を短縮する時短モードが付加される場合がある。
【0040】
また、主制御部150からは盤用外部端子190を介してホールコンピュータへ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当たり信号、図柄確定回数信号)が送信される。
【0041】
また、払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置40が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部164は、遊技者による発射ハンドル39(図1参照)の操作により発射装置40を作動させて、遊技球PBの発射開始、及び、発射ハンドル39の操作量に応じた発射力を制御する。
【0042】
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子191を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータへ送信するようになっている。
【0043】
また、主制御部150には、演出制御部152と、払出制御部154とがそれぞれ接続されており、これらの制御部は、主制御部150からのコマンド送信により制御される。
【0044】
演出制御部152には、図柄制御部156を介して液晶表示装置200が接続されている。また、演出制御部152は、透明遊技盤100の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子126、並びに、ガラス枠26に設けられた照明演出用の表示灯142及びエラー用の表示灯144の点灯、消灯、及び点滅を制御し、さらに、ガラス枠26前面に設けられたスピーカ146L、146Rを作動させて効果音等の出力を制御する。
【0045】
この演出制御部152に制御される液晶表示装置200には、特図抽選の結果を報知するための図柄変動パターンの演出映像が表示され、スピーカ146L、146Rからはその図柄変動パターン演出時のBGMが出力される。これにより、遊技者は、視覚及び聴覚を通じて、特図抽選の結果に対応した演出図柄による演出を楽しむことができる。なお、保留ランプ176による表示内容は、この液晶表示装置200で表示するようにしてもよい。
【0046】
図4には、図柄変動パターン演出の実行時に液晶表示装置200に表示される演出映像の一部が、一例として示されている。同図に示す例では、複数種類のデモ図柄210が矢印Mで示す方向にスクロールするように表示され、その後に特図抽選の結果に応じたデモ図柄210が停止表示されて結果が報知される。
【0047】
図柄変動パターンには、特別図柄変動パターン及び演出図柄変動パターンがあり、双方共に特図抽選の結果を報知するものであるが、特別図柄変動パターンは予め定められた変動及び停止を行い特図抽選の結果を所定時間経過後に正式に報知する性質のものであるのに対し、演出図柄変動パターンはその特図抽選の結果を報知するまでの過程に演出を加味し、当たり/外れかに一喜一憂させながら報知する性質のものである。
【0048】
ここで、特図抽選の結果が「大当たり」となり、液晶表示装置200における図柄変動パターン演出並びにスピーカ146L、146RからのBGM出力によって、そのことを報知し終えると、特別遊技状態である大当たり処理が実行される。
【0049】
この大当たり処理は、アタッカー112が所定回数(ラウンド)開放するものであり、1ラウンドの開放時間は約30秒とされ、この間に最大10個の遊技球PBが入賞可能となる。すなわち、時間制限である30秒、或いは数制限である10個の何れか一方が先に満足されると、そのラウンドは終了となり、次ラウンドに移行する。
【0050】
このため、特別遊技状態では、通常遊技状態よりも短期間で多くの入賞が期待され、遊技者にとって有利な遊技状態とすることができる。
【0051】
また、前述したように、液晶表示装置200において、図柄変動パターン演出を実行中に新たに特別図柄始動入賞口108に入賞した場合、並びに大当たり処理中に特別図柄始動入賞口108に入賞した場合、保留ランプ176の点灯数がその入賞数に応じて最大4個まで増える。
【0052】
一方、前回の図柄変動パターン演出が終了する、或いは大当たり処理が終了すると、液晶表示装置200では、保留分の特図抽選結果を報知するために、新たな図柄変動パターン演出が開始される。これに伴い、保留ランプ176が1個消灯し、保留分の消化を遊技者に報知する。
【0053】
ところで、本実施の形態に係るパチンコ機100では、透明遊技盤100に設けられた釘123やステージ124の配設位置に対応する位置に、キャラクタの画像を小さくしたものや遊技球PBの画像を擬似遊技球302として表示させることにより、釘123の間やステージ124上を擬似遊技球302が転がっているように見せる演出を実行するようにしている(図6及び図7参照)。
【0054】
しかし、図5に示されるように、透明遊技盤100と液晶表示装置200との間にはステージ124の遊技球PBの通路が設けられているため、透明遊技盤100と液晶表示装置200とを近接させて配置することが困難となっている。
【0055】
このため、上述したような擬似遊技球302を表示する演出を実行する場合、正面から見ると透明遊技盤100上の釘が確認できるので擬似遊技球302であることが把握できるが、遊技機10に向かって斜めの方向から見た場合、液晶表示装置200と透明遊技盤100上の釘123やステージ124等の重なり位置がずれて見え、液晶表示装置200に表示された擬似遊技球302は単に背景画像中に浮いているようにしか見えない。
【0056】
そこで、図6、7に示されるように、本実施の形態では、液晶表示装置200の表示領域に、透明遊技盤100上に設けられた外レール102、逆流防止弁103、内レール104、通過ゲート118、風車122、釘123やステージ124等の遊技盤構成物の陰影画像Sを図4において二点鎖線250で示すような各遊技盤構成物と面法線上で対向する位置に表示することにより、斜めから見た場合でも、擬似遊技球302を用いた演出であることが把握できるようにしている。すなわち、透明遊技盤100上に設けられた上記各遊技盤構成物の陰影画像Sを表示することにより、透明遊技盤100上の遊技盤構成物と表示領域に表示される画像との対応関係が明確になる。
【0057】
また、陰影画像をより見易く浮き立たせるために、液晶表示装置200の全表示領域の表示画像を通常よりも暗く表示させている。これにより、遊技者に特別な演出の開始を予告することができ、より期待感を高める演出を行なうことができる。
【0058】
なお、液晶表示装置200の表示領域に表示する遊技盤構成物に係る画像は必ずしも上述のような陰影画像である必要はなく、例えば釘などの画像そのものであってもよい。
【0059】
また、この擬似遊技球302は、演出開始時には遊技領域101の外部である放出口105に待機している上、液晶表示装置200の表示領域201の面積に対しても小さく、さらに、図柄合わせゲームとして表示される図柄210の大きさと比べても小さいために、擬似遊技球302を用いた演出を見落としてしまう場合がある。特に、本実施の形態では、遊技領域101のほとんどが表示領域201とされているため、擬似遊技球302の存在に気付かない可能性がある。
【0060】
そこで、図6に示すように、擬似遊技球302を用いた演出を実行する場合には、擬似遊技球302が表示される部位を強調して指示す矢印形状の強調画像304を遊技領域101での表示演出が開始される前に放出口105のところに表示されている擬似遊技球302に向けて表示して、何らかの演出画像が当該部位に表示される旨の報知を行なうようにしている。
【0061】
同図に示されるように、本実施の形態では、強調画像304として、遊技球PBよりも大きく、かつ、周囲の画像とは異なる目立つ色彩の矢印としている。なお、強調画像304は、矢印に限らず、吹き出しや人の手等を適用することができる。
【0062】
また、図7に示すように、擬似遊技球302による報知内容を遊技者に伝えるべく、メッセージ306や、強調画像304を表示するようにしている。
【0063】
また、本実施の形態では、図6及び図7に示されるように、擬似遊技球302、陰影画像S、矢印304、メッセージ306などの注目させたい画像以外の画像のトーンを暗くして表示する。
【0064】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0065】
パチンコ機10による遊技では、遊技者が発射ハンドル39を操作すると、一体皿30の球皿部34に貯えられている遊技球は球送り装置により一球ずつ発射装置40に供給され、発射装置40によって上方へ発射される。発射された遊技球PBは、外レール102に沿って透明遊技盤100の遊技領域101に打ち込まれ、遊技釘に当たり方向を変えながら遊技領域101内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域101の下端部に至った遊技球はアウト口124からパチンコ機10内に回収される。
【0066】
また、遊技球PBが特別図柄始動入賞口108へ入賞すると、特別図柄の当たり/外れの抽選処理が実行され、その抽選結果は、液晶表示装置200の下部の一部の領域では、2個の特別図柄が所定のパターンで変動されその変動パターンを経た停止図柄の組み合わせによって表示される。また、この表示に伴い、液晶表示装置200のほぼ全域では、演出図柄が所定のパターンで変動されその変動パターンを経て停止表示される。この演出図柄変動パターンの演出映像には、例えば、リーチを経た当たり図柄の表示又は外れ図柄の表示、あるいはリーチなしの外れ図柄表示など、様々な演出や趣向を加味した数多くのパターンが用意されており、遊技者は、それらの演出を受け特別図柄の抽選結果を期待感も持って観察する。
【0067】
ここで、特図抽選の結果を報知し終えると、大当たりの場合には、特別遊技状態である大当たり処理が実行される。
【0068】
この大当たり処理は、アタッカー112が所定回数(ラウンド)、所定時間、開放する。一般的には、1ラウンドの開放時間は約30秒、この間に最大10個の遊技球が入賞、或いは30秒経過、何れか一方が先に満足されると、そのラウンドは終了となり、次ラウンドに移行する。これが、約15ラウンド継続されるため、特別遊技状態では、通常遊技状態よりも短期間で多くの入賞が期待され、遊技者にとって有利な遊技状態とすることができる。
【0069】
本実施の形態では、上記特別図柄抽選のハズレに伴う演出や、大当たり遊技中、確変遊技中、時短遊技中等大部分の遊技中に行なわれる画像表示演出は、図4に示すように遊技盤構成物の陰影画像もなく、明るい表示パターンの表示演出モードで表示されるが、上記のような基本の遊技仕様に応じた制御とは別に、演出制御部152では、遊技の進行状況に応じた演出の1つとして、擬似遊技球302の表示による表示演出モードで画像演出を実行する場合がある(図6参照)。
【0070】
このため、演出制御部152では、図6に示すパターンの画像表示を行なう場合には、透明遊技盤100上に配設される遊技盤構成物の位置に応じて予め生成された遊技盤構成物の陰影画像Sの画像を、背景画像や演出画像に重ねて最前面に表示するようにしている。
【0071】
また、擬似遊技球302、陰影画像S、強調画像304などの注目させたい画像以外の画像のトーンを暗くして表示する。
【0072】
更に、演出制御部152では、擬似遊技球302を表示する前に、擬似遊技球302を用いた演出を実行する旨を予告すべく、まもなく擬似遊技球302を表示する位置を指し示す強調画像304を表示する。当該強調画像304は、擬似遊技球302が表示されるまでの間表示される。
【0073】
この擬似球演出を伴う演出は、特定のリーチ演出や大当たり演出の前の予告として行なわれる。
【0074】
なお、強調画像304の表示位置近傍に、「ココに注目!」等のメッセージを示す画像を更に表示することも有効である。
【0075】
また、その後擬似遊技球302が表示されると、擬似遊技球302による報知内容を遊技者に伝えるべく、強調画像304やメッセージ306を表示する(図7参照)。すなわち、図7では、強調画像304は、擬似遊技球302が入賞すべき位置として、入賞口108の陰影画像Sを指し示している。同図に示すメッセージ306は、擬似遊技球302が矢印状の強調画像304が指し示す位置に入賞すれば大当たりであることを報知する画面であることを示している。
【0076】
このときも、擬似遊技球302、陰影画像S、矢印304、メッセージ306などの注目させたい画像以外の画像のトーンを暗くして表示する。
【0077】
なお、トーンを暗くして表示する方法としては、トーンが暗い背景データを準備しておき、擬似遊技球302を表示する場合にはトーンが暗い背景データに基づく画像を表示することがあげられる。
【0078】
また、通常の明るさの背景データの画素データの階調値を変更することで暗い背景データを生成して表示することもできる。
【0079】
以上説明したように、本実施の形態によれば、主として遊技者に対向する表面側の遊技領域101に遊技球PBの流下方向を制限及び案内する複数の遊技盤構成物が設けられ、所定の透過度の光透過性材質で形成された透明遊技盤100の裏面側に、所定の間隔をもって配設され、透明遊技盤100の遊技領域101に対応する領域を表示領域201とした液晶表示装置200に擬似遊技球302を表示する際に、表示領域201において、透明遊技盤100に設けられた各遊技盤構成物と面法線上で対向する位置に、各遊技盤構成物の陰影画像S等の各遊技盤構成物に係る画像をそれぞれ表示するようにしているので、液晶表示装置200の画像の表示位置と透明遊技盤100上の遊技盤構成物との対応関係が明確に把握できる。
【0080】
すなわち、透明遊技盤100と液晶表示装置200との間には間隙があるので、液晶表示装置200を見る角度によっては透明遊技盤100と液晶表示装置200とが重なっているようには見えないので、単なる画像としか捉えられない。しかし、液晶表示装置200に遊技盤構成物の陰影画像が表示されることにより液晶表示装置200の表示領域201と透明遊技盤100上の遊技盤構成物の配設位置との対応関係が明確に把握できるので、透明遊技盤100と液晶表示装置200とが重ならない位置から液晶表示装置に表示された画像を見た場合でも、遊技機10全体の中の演出画像として捉えることができ、不自然に感じることがない。
【0081】
また、本実施の形態によれば、遊技盤構成物と演出画像との位置関係が重要である、遊技盤構成物の陰影画像に沿って前記遊技球が流下するように移動する擬似遊技球302を表示させる際に陰影画像Sを表示しているので、必要な時に位置関係を明確に把握させることにより自然な演出が実現できる。
【0082】
更に、本実施の形態によれば、擬似遊技球302を表示する直前に、当該擬似遊技球302が表示されることを報知する強調画像304を表示するようにしているので、小さい擬似遊技球を見逃してしまうことを防止できる。
【0083】
なお、本実施の形態では、擬似遊技球302を遊技機の演出で登場するキャラクタを小さくした画像としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球PBの画像としてもよい。
【0084】
また、擬似遊技球302を用いた演出の実行を予告する報知は、本実施の形態で適用した強調画像304の表示による報知の他、スピーカを用いた音声の再生や、ランプの点灯状態による報知のほか、画像表示装置への報知画像やメッセージの表示等を適用することができる。さらに、これらを組み合わせて報知を行ってもよい。
【0085】
なお、本実施の形態に係る遊技機10の構成(図1乃至図3、図5参照)や演出画像(図4、図6及び図7参照)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】実施の形態に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図2】実施の形態に係る透明遊技盤を示す正面図である。
【図3】実施の形態に係るパチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係る液晶表示装置に演出画像が表示された状態を一例として示す模式図である。
【図5】実施の形態に係るパチンコ機を構成するガラス板、透明遊技盤及び液晶表示装置の位置関係を示す図2のIII−III線断面図である。
【図6】実施の形態に係る擬似遊技球を用いた演出実行時の液晶表示装置の表示状態を示す模式図である。
【図7】実施の形態に係る擬似遊技球を用いた演出実行時の液晶表示装置の表示状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0087】
PB 遊技球
10 パチンコ機
100 透明遊技盤(遊技盤)
101 遊技領域
152 演出制御部(表示制御手段)
200 液晶表示装置(画像表示装置)
S 陰影画像
302 擬似遊技球(擬似球画像)
304 強調画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主として遊技者に対向する表面側の遊技領域に遊技球の流下方向を制限及び案内する複数の遊技盤構成物が設けられ、所定の透過度の光透過性材質で形成された遊技盤と、
前記遊技盤の裏面側に所定の間隔をもって配設され、前記遊技盤の前記遊技領域に対応する領域を含む表示領域を有する画像表示装置と、
前記画像表示装置に遊技の進行状況に応じた演出画像を表示し、前記遊技盤に設けられた各遊技盤構成物と面法線上で対面する前記画像表示装置の表示領域上の位置に、前記各遊技盤構成物に係る画像をそれぞれ表示して、当該遊技盤構成物に係る画像に沿って擬似球画像が移動する表示を行なう場合に、擬似球画像が入賞すべき位置を指し示す強調画像を表示する表示制御手段と、
を備えた遊技機。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記強調画像が、前記遊技盤に設けられた遊技球の入賞口に係る画像の表示位置を前記擬似球画像が入賞すべき位置として指し示すように表示することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記擬似球画像は、遊技球以外の物体やキャラクタを示す画像であり、当該擬似球画像に遊技球の一般的な動きとは明らかに異なる動きをさせる表示をする場合があることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記表示制御手段は、擬似球画像を実際の遊技球の流下領域とは異なる領域に表示させるように制御する場合があることを特徴とする請求項3記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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