説明

遊技機

【課題】 遊技機の背面側のスペ−スを有効に利用することが可能な遊技機を提供する。

【解決手段】 遊技機の背面側に設置された球抜き装置20から、外部への遊技球の導出
を行うための球抜き通路40が、機構板17を貫通しつつ、機構板17の前面側であって
、本体枠24の背面側に形成された空間に設置されているため、機構板17の背面側のス
ペ−スを広く確保することができ、例えば、サブの液晶表示装置、各種の役物、各種の基
板等を設置することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、外部装置から供給される遊技球を貯留するタンク、およ
び、遊技球の払出装置が設けられたものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる構成によれば、タンクに貯留された遊技球のうち指定された数量だけを、払出装
置により払い出すことが可能であった。払い出された遊技球は前面側に案内されて、遊技
に使用される。
【特許文献1】特開2004−073719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した払出装置とタンクとの間には、同払出装置への遊技球の供給と、遊
技球を遊技機外部へ導出するための球抜き通路への遊技球の供給とを切り替える球抜き装
置が設けられ、この球抜き装置を操作することにより、タンクからの遊技球の流下経路を
選択することが可能なようになっていた。この球抜き装置が設けられることにより、払出
装置が故障する等した場合に、払出装置の修理点検作業の邪魔となる遊技球を、一旦、上
記球抜き通路を通過させて遊技機の外部に排出させることが可能となる。
【0005】
しかしながら、上述した球抜き通路は、遊技機の背面側に設置されており、このことが
、遊技機の背面側における各基板等の設置スペ−スを限定してしまっているという課題が
あった。
【0006】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたものであり、遊技機の背面側のスペ−スを有
効に利用することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1 にかかる発明では、遊技部材が設置される本体枠と
、同本体枠の背面側に配置され、遊技に関する各種の動作を制御する制御基板が設置され
る機構板と、同機構板の背面側に設置され、上部に備えられた外部装置から遊技球が供給
される供給部と、上記機構板の背面側に設置され、遊技球の皿貯留部への払い出しを行う
払出装置と、同払出装置への遊技球の供給、および、外部への遊技球の導出を切り替える
球抜き装置とを具備する遊技機において、
上記球抜き装置から外部への遊技球の導出を行う球抜き通路の少なくとも一部が、上記
機構板の前面側に設置されている構成としてある。
【0008】
上記のように構成した請求項1にかかる発明において、遊技機は、遊技部材が設置され
る本体枠と、この本体枠の背面側に配置され、遊技に関する各種の動作を制御する制御基
板が設置される機構板と、この機構板の背面側に設置され、上部に備えられた外部装置か
ら遊技球が供給される供給部と、上記機構板の背面側に設置され、遊技球の皿貯留部への
払い出しを行う払出装置とを具備している。さらに、遊技機は、払出装置への遊技球の供
給、および、外部への遊技球の導出を切り替える球抜き装置を具備している。この球抜き
通路は、例えば、遊技場の店員による所定の操作により、上記供給部からの遊技球を、払
出装置へ供給するか、または、遊技機の外部へ導出するかを選択的に切り替えることが可
能なように構成されている。
なお、上記本体枠に設置される上記遊技部材は、例えば、遊技機が第一種のパチンコ遊技
機(所謂、セブン機)、第二種のパチンコ遊技機(所謂、羽物)、または、第三種のパチ
ンコ機(所謂、権利物)である場合には、遊技盤や、同遊技盤面に設置される入賞口、始
動口、風車、大入賞口(所謂、アタッカ)等の各種の役物等が該当し、また、遊技機が、
回転するドラムを停止ボタンにより停止させて遊技を行うパチロットである場合には、上
記ドラムが該当する。
【0009】
そして、請求項1の発明にかかる遊技機は、上記球抜き装置から外部への遊技球の導出
を行う球抜き通路の少なくとも一部が、上記機構板の前面側に設置されている。このよう
に、通常、機構板の背面側に設置される球抜き通路の一部または全部を機構板の前面側に
設置させることにより、遊技機の背面側のスペ−スを広く確保することができ、例えば、
サブの液晶表示装置や、各種の役物等を設置することが可能となる。
【0010】
本発明は、上記の構成に限られるものではなく、以下の手段をも含むものである。
【0011】
手段1
手段1にかかる発明は、上記請求項1に記載した発明において、上記払出装置から払い
出された遊技球を皿貯留部に供給するための払出通路の少なくとも一部が、上記本体枠に
対して開閉可能に取り付けられる窓枠の前面側に設置されている構成としてある。
【0012】
すなわち、払出装置から払い出された遊技球を皿貯留部に供給するための払出通路が遊
技機の前面側に配置されるため、遊技機の背面側のスペ−スをより広く確保することが可
能となる。
【0013】
手段2
手段2にかかる発明は、請求項1または手段1のいずれかに記載した発明において、上
記遊技部材として、その盤面に各種の役物が配置される遊技盤が、上記本体枠に取り付け
られており、
上記機構板の前面側には、上記球抜き装置から上記機構板の前面側に排出された遊技球
が、通過可能な間隔をあけて、2つの突起部が形成されており、
上記2つの突起部と、上記遊技盤の背面とで上記球抜き通路が構成されるようにしてあ
る。
【0014】
すなわち、上記2つの突起部と、機構板の前面側に配置される遊技盤の背面とから形成
される空間内に遊技球を通過させて遊技機の外部に排出させることが可能となる。手段2
にかかる発明では、球抜き通路を構成する部材の一部を、遊技盤にて代用させるようにし
てあるため、球抜き通路の製造を簡略することができるとともに製造コストを低減させる
ことが可能となる。
【0015】
手段3
手段3にかかる発明は、手段2に記載した発明において、上記突起部と上記遊技盤の背
面とが互いに嵌合し合う嵌合構造である構成としてある。
【0016】
すなわち、機構板の前面側に形成された2つの突起部が、それぞれ遊技盤の背面に嵌合
することにより、形成される球抜き通路の位置を固定しておくことが可能であるとともに
、突起部と遊技盤の背面とに隙間が形成されず、通過する遊技球がこぼれ落ちてしまうこ
とを防止することが可能となる。
【0017】
手段4
手段4は、手段3に記載した発明において、上記遊技盤の背面には、上記2つの突起部
が嵌合される凹部が形成されている構成としてある。
【0018】
すなわち、遊技盤の前面側に形成された2つの突起部が、遊技盤の背面に形成された凹
部に嵌合されることにより、形成される球抜き通路の位置が固定される。このように構成
することにより、簡易に嵌合構造を形成することが可能となる。
【0019】
手段5
手段5は、請求項1または手段1のいずれかに記載した発明において、上記遊技部材と
して、その盤面に各種の役物が配置される遊技盤が、上記本体枠に取り付けられており、
上記遊技盤の背面側には、上記球抜き装置から上記機構板の前面側に排出された遊技球
が通過可能な間隔をあけて、2つの突起部が形成されており、
上記2つの突起部と、上記機構板の前面とで上記球抜き通路が構成されるようにしてあ
る。
【0020】
すなわち、上記2つの突起部と、機構板の前面とから形成される空間内に遊技球を通過
させて遊技機の外部に排出させることが可能となる。手段5にかかる葉名では、球抜き通
路を構成する部材の一部を、機構板の前面にて代用させるようにしてあるため、球抜き通
路の製造を簡略化することができるとともに製造コストを低減させることが可能となる。
【0021】
手段6
手段6にかかる発明は、上記請求項1または手段1から手段5のいずれかに記載した発
明において、上記遊技機は本体枠における遊技領域にてドラムが回転させられるパチロッ
トである構成としてある。
【0022】
すなわち、本発明をパチロットにも適用することができる。なお、パチロットは、メダ
ルの代わりに一定数のパチンコ球を使用して絵合わせを行うものでありパチンコ機とスロ
ットマシンの両方の特徴を備えた遊技機である。このようなパチロットも、遊技球の払い
出しと発射が行われるため、本発明を適用することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、請求項1にかかる発明によれば、遊技機の背面側のスペ−スを広
く確保することが可能となる。
【0024】
手段1にかかる発明によれば、遊技機の背面側のスペ−スをより広く確保することが可
能となる。
【0025】
手段2にかかる発明によれば、球抜き通路の製造を簡略することができるとともに製造
コストを低減させることが可能となる。
【0026】
手段3にかかる発明によれば、形成される球抜き通路の位置を固定しておくことが可能
であるとともに、突起部と遊技盤の背面とに隙間が形成されず、通過する遊技球がこぼれ
落ちてしまうことを防止することが可能となる。
【0027】
手段4にかかる発明によれば、簡易に嵌合構造を形成することが可能となる。
【0028】
手段5にかかる発明によれば、球抜き通路の製造を簡略することができるとともに製造
コストを低減させることが可能となる。
【0029】
手段6にかかる発明によれば、パチロットにおける背面側のスペ−スを広く確保するこ
とが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施形態について説明する。
(1)第一の実施形態:
(2)第二の実施形態:
(3)第三の実施形態:
(4)第四の実施形態:
(5)各種変形例:
(6)まとめ:
(1)第一の実施形態:
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる遊技機(パチロット)を斜めから見て示して
いる。なお、本実施形態においては、遊技領域において回転するドラムを具備するパチロ
ットを本発明に適用する場合について説明するが、本発明の遊技機はこれに限定されるも
のではない。同図において、パチロット10は木材で矩形枠状に形成された外枠11を有
しており、同外枠11をホ−ル等に固定することにより正立した状態で設置される。外枠
11の内側には合成樹脂等で形成された矩形枠状の本体枠24が嵌め込まれている。また
、外枠11の前面側には、窓枠12が本体枠24に対して回動可能に枢支されている。こ
の本体枠24は、窓枠12の背面側が密着している状態で背面側に位置している。窓枠1
2の前面側には、窓枠12に対して回動可能な透明板保持枠としてのガラス枠13が枢支
されている。ガラス枠13は中央部に窓穴13dを有しており、同開口から透明板として
のガラス13aが露出するように保持されている。
【0031】
ガラス13aは透視可能であり、ガラス13aの内側を視認することが可能となってい
る。そして、前面側からガラス13aを透視することにより、本体枠24の内側に保持さ
れているドラム50の様子を視認することが可能となっている。なお、ガラス13aと本
体枠24との間の領域であって、ガラス13aを介して視認可能な領域が遊技領域である
。遊技領域の略中央部分には、スロットマシンと同様に回転する3つのドラム50が、そ
の一部が前方に突出するように設けられている。このドラム50の周面には、数字や絵柄
が形成されている。なお、このパチロット10は、スロットマシンにおけるメダルの代わ
りに遊技球を利用して遊技を行うものであり、例えば、5個の遊技球がメダル1個に相当
するものとして遊技を楽しむことができる。
【0032】
ガラス枠13の下方には上皿14が前面に向かって突設されており、さらにその下方に
は下皿15が前面に向かって突設されている。なお、この上皿14および下皿15は、上
記皿貯留部を構成するものである。上皿14および下皿15は所定の深みを有する皿状に
形成されているため、遊技球を貯留しておくことができる。上皿14の前面側中央部には
3つの停止ボタン51が設けられている。この停止ボタン51は、対応するドラム50の
回転を停止させるためのものである。また、停止ボタン51の左側には停止中のドラム5
0の回転を開始させる契機となるスタ−トレバ−52が設けられている。このパチロット
10では、上述したスタ−トレバ−52を叩いて3つのドラム50を回転させた後、遊技
者の操作により停止ボタン51を順次押下してドラム50の各々を停止させ、3つのドラ
ム50の停止時に所定の数字または絵柄の組み合わせが有効ライン上に表示されたときに
は、遊技媒体としての遊技球が払い出される等、所定の利益が遊技者に対して付与される
こととなる。なお、本発明の遊技機は、この実施形態のように上皿および下皿の両方を具
備している必要はなく、例えば、上皿のみを具備していてもよい。
【0033】
ガラス枠13の前面側の左端には、パチロット10の背面側に設置された後述する払出
装置15(図示せず)から払い出された遊技球を上皿14に供給するための上記払出通路
としての前面通路30が設置されている。この前面通路30は、ガラス枠13の左端上部
から上皿14の直上まで垂下するとともに、そこから上皿14における遊技球を貯留する
ための窪み部まで直角に折れ曲がるように設けられている。上述した払出装置15から払
い出された遊技球は、前面通路30内を落下した後、上皿14に供給される。また、この
前面通路30は、透明部材で構成されており、内部を通過する遊技球を視認可能となって
いる。このようにすることにより、前面通路30の内部を通過する遊技球による装飾効果
を奏するとともに、遊技球が払い出されたことに対する達成感を強く享受することが可能
となる。また、払出装置15から払い出された遊技球の通路(払出通路)を前面側に設け
ることにより、本体部の背面側のスペ−スを広く確保することが可能となり、同スペ−ス
を有効利用することができる。
【0034】
本実施形態では、この前面通路30がガラス枠13に形成されている場合について説明
したが、この前面通路30の設置場所としては、窓枠12の前面側であれば特に限定され
るものではない。窓枠12の前面側に設置されるのであれば、本体部の背面側のスペ−ス
を広く確保することができるという効果を享受することができるからである。また、前面
通路30は、払出装置15からの遊技球を上皿14に供給するように形成されているが、
本発明においては、下皿15に遊技球を供給するように前面通路30が形成されていても
よく、上皿14および下皿15の両方に遊技球を供給するように形成されていてもよい。
さらに、図1では、払出装置から上皿14または下皿15に遊技球を供給するための払出
通路の全部が前面通路30となっているが、本発明においては、払出通路の一部のみを前
面通路30とするようにしてもよい。
【0035】
図2は、本実施形態にかかるパチンコ遊技機を背面側から見て示している。同図におい
て、略矩形状枠に形成された外枠11の内側に本体枠24が嵌め込まれており、本体枠2
4と外枠11とは回動可能とされている。本体枠24の略中央部には、略矩形状の開口が
形成されており、同開口には、図1に示した上記遊技部材としてのドラム50が、その一
部が前面側(図2においては紙面奥側)に突出するように嵌め込まれている。
【0036】
一方、本体枠24の背面側(図2においては紙面手前側)には、ドラム50が嵌め込ま
れる上記開口を背面側から覆うように機構板17が設けられている。この機構板17は、
本体枠24に対して回動可能に枢支されている。機構板17の背面側には、パチロット1
0における各種の動作を制御する各種の基板が取り付けられるとともに、機構板17の背
面側の上部には、遊技球を貯留しておく上記供給部としてのタンク14も取り付けられて
いる。タンク14に貯留された遊技球は、下方に流下させられ、後述する球抜き装置20
、払出装置15を通過して、上述した前面通路30内を落下した後に上皿14に供給され
、その後、遊技球の発射装置(図示せず)に案内される。タンク14から発射装置に案内
されるまでの遊技球の経路に、払出装置15が備えられることにより、遊技球の計数を行
いつつ意図した数だけ遊技球を上皿14に供給することか可能となっている。
【0037】
また、払出装置15の上流には、タンク14とタンクレ−ル14aを介して接続される
球抜き装置20が備えられている。球抜き装置20は、払出装置15につながる本線通路
21(図示せず)、および、遊技球をパチロット10の外部に導出するための球抜き通路
40(図示せず)のいずれかの通路に遊技球を案内するかを切り替えることが可能なよう
に構成されている。具体的には、球抜き通路20に設けられた切換レバ−25を店員が操
作することにより、タンクレ−ル14aから流下する遊技球が、払出装置15へつながる
本線通路21、または、球抜き通路40のいずれかに案内されるように流路を形成させ、
これにより、タンクレ−ル14aからの遊技球を、本線通路21または球抜き通路40の
いずれかに選択的に案内させるようになっている。このようにすることにより、払出装置
15等が故障した場合等に、切換レバ−25を操作して球抜き通路40への遊技球の流路
を形成させることにより、払出装置15等の修理点検作業の邪魔となる遊技球を上記球抜
き通路40を介してパチロット10の外部に排出することができる。
【0038】
球抜き装置20から払出装置15へとつながる本線通路は、機構板17の背面側に設け
られているが、球抜き通路20からパチロット10の外部へ遊技球を排出させるための球
抜き通路40は、後に図3、図4を用いて説明するが、機構板17の前面側(図2におい
ては紙面奥側)に設けられている。すなわち、この球抜き通路40が機構板17の背面側
に設けられていないため、機構板17の各種の基板を設置するためのスペ−スが広く確保
されることとなる。
【0039】
以下、機構板17の前面側に設けられる球抜き通路40について説明する。
【0040】
図3は、図2に示した機構板の前面側に球抜き通路が設置されている様子を示す垂直断
面図であり、図4は、球抜き通路が設置されている様子を示す水平断面図である。なお、
図3、図4において、パチロット10における球抜き通路の配置位置を示すために必要な
装置・部材以外のものについては図示を省略している。図3において、機構板17の背面
側には、タンク14、球抜き装置20および払出装置15の他、上述した制御基板(図示
せず)等の各種の装置・部材が設けられている。また、機構板17に対して本体枠24が
閉じられた状態で、本体枠24は、機構板17から所定距離離間した状態で機構板17と
略平行となるように配置されている。なお、上記所定距離は、機構板17と本体枠24と
の間を遊技球(直径約11mm)が通過可能な距離である。図3には示していないが、本
体枠24の前面側(図3において左側)には、図1に示した窓枠13が配置されることと
なる。また、本体枠24には、上述したように、矩形状の開口24aが形成されており、
この開口24aにドラム50が、その一部が前面側(図3において左側)に突出するよう
に設けられている。
【0041】
本体枠24の背面側に設けられた球抜き装置20からは、払出装置15に連通する本線
通路21と、球抜き通路40とが分岐している。この球抜き通路20は、払出装置15の
下部から、機構板17を貫通して略直角に折れ曲がり、機構板17の前面側に沿って下方
に延びるように設けられている。球抜き装置20の切換レバ−25が操作されて、タンク
14からの遊技球が球抜き通路40に導出されると、その遊技球Pは、図3に示すように
、球抜き通路40内を下方に流下し、パチロット10の外部に排出されるのである。
【0042】
図4に示すように、球抜き通路40は、機構板17の前面にネジ42で螺合されること
により固定されている。勿論、球抜き通路40の取付方法としてはこれに限定されること
はなく、例えば、機構板17と球抜き通路40とが樹脂製である場合には、熱融着により
取り付けてもよいし、機構板17と球抜き通路40との材質が異なる場合には、接着剤等
を用いて取り付けてもよい。球抜き通路40は、断面視略コの字状の樋状部材であり、機
構板17の前面側に突出した部分と、機構板17の前面とから形成される空間内を遊技球
が通過するようになっている。
【0043】
以上、説明したように第一の実施形態にかかるパチロット10によれば、球抜き装置2
0から外部への遊技球の導出を行うための球抜き通路40が、機構板17の前面側であっ
て、本体枠24の背面側、すなわち、機構板17と本体枠24との間に形成された空間内
に設置されているため、機構板17の背面側のスペ−スを広く確保することができ、例え
ば、サブの液晶表示装置、各種の役物、各種の基板等を設置することが可能となる。なお
、図3、図4においては、球抜き装置20から延びる球抜き通路40の全部が、機構板1
7と本体枠24との間に設けられている場合について説明したが、本発明においては、球
抜き通路40の一部のみを機構板17の前面側に設置するようにしてもよい。この場合で
あっても、機構板17の背面側のスペ−スを広く確保することができるという効果を享受
することが可能となるからである。
【0044】
(2)第二の実施形態:
以下に説明する第二の実施形態においては、本発明の遊技機を、各種の役物がその盤面
に形成された遊技盤を具備するパチンコ遊技機に適用する場合について説明する。
【0045】
図5は、第二の実施形態にかかる遊技機(パチンコ遊技機)を斜めから見て示している
。同図において、パチンコ遊技機110は、第一の実施形態に示したパチンコ遊技機10
と同様に、木材で矩形枠状に形成された外枠111を有しており、この外枠111の内側
に、合成樹脂等で形成された矩形枠状の本体枠124が嵌め込まれている。また、外枠1
11の前面側には、窓枠112が本体枠124に対して回動可能に枢支されている。
【0046】
矩形枠状に形成された本体枠124の開口には、遊技盤116が嵌め込まれている。こ
の遊技盤116には、盤面上を落下する遊技球が衝突してその進行方向が変化する障害釘
が植設される他、遊技球が入ることにより所定数の遊技球の払い出しが行われる入賞口や
、大当たりが発生するか否かを決定する抽選が行われる契機となる始動口(所謂、スタ−
トチャッカ)や、同始動口に遊技球が入ったことを契機として複数の図柄の可変表示が行
われる液晶表示器や、大当たりが発生した後の大当たり遊技において断続的に開放状態と
なる大入賞口(所謂、アタッカ)等の各種の役物が配置される。この遊技盤116は、合
成樹脂や、木材等にて形成される。このパチンコ遊技機110は、発射装置118から発
射されてガイドレ−ル118aにより遊技盤116の盤面上の上方にまで達した遊技球が
、遊技盤116の盤面に植設された障害釘により進行方向を変化させながら落下し、上述
した入賞口や始動口に遊技球が入ったときには、所定数の賞球が払い出されるものである

【0047】
また、このパチンコ遊技機110は、第一の実施形態にて示したパチロット10と同様
、本体枠124の背面側に機構板117(図示せず)が、本体枠124に対して回動可能
に設けられている。第二の実施形態にかかるパチンコ遊技機110では、球抜き装置から
外部への遊技球の導出を行うための球抜き通路140が、機構板117と本体枠124に
設置された遊技盤116との間に設置されるのである。
【0048】
図6は、図5に示したパチンコ遊技機において球抜き通路が設置されている様子を示す
垂直断面図であり、図7は、球抜き通路が設置されている様子を示す水平断面図である。
なお、図6、図7において、パチンコ遊技機における球抜き通路の配置位置を示すために
必要な装置・部材以外のものについては図示を省略している。図6において、機構板11
7の背面側には、タンク114、球抜き装置120および払出装置115が設置されてい
る。これら機構板117、タンク114および球抜き装置120は、第一の実施形態にて
示した機構板17、タンク14および球抜き装置20とそれぞれ同様の構成であるのでそ
の説明は省略する。
【0049】
矩形枠状の本体枠124に形成された矩形状の開口124aには、上述したように板形
状の遊技盤116が嵌め込まれて固定されている。なお、図6には、遊技盤116の盤面
に設置される各種の役物(液晶表示器、入賞口、始動口等)は図示しておらず、盤面に植
設された障害釘116aのみを図示している。本体枠124の背面側に設けられた球抜き
装置120からは、払出装置110に連通する本線通路121と、球抜き通路140とが
分岐している。この球抜き通路140は、機構板117と本体枠124に固定された遊技
盤116との間に設置されているとともに、端部が遊技盤116に略接するようになって
いる。
【0050】
図7に示すように、球抜き通路140は、断面視略L字状の2つの突起部140a、1
40bを含み、これら突起部140a、140bがそれぞれ遊技盤116の背面に略当接
するように、機構板117の前面側(図7においては上側)にネジを用いて取り付けられ
ている。球抜き装置120から機構板117の前面側に導出された遊技球は、突起部14
0a、140b、および、遊技盤116の背面により形成される樋形状の通路内を落下し
てパチンコ遊技機110の外部に導出されるのである。すなわち、第二の実施形態におい
ては、突起部140a、140bおよび遊技盤116の背面により球抜き通路140が構
成されているのである。このように、球抜き通路を構成する部材の一部を、遊技盤にて代
用させるようにしてあるため、球抜き通路140を製造するための材料を削減することが
できるとともに、その製造を簡略化させることができ、結果、製造コストを低減させるこ
とが可能となるのである。
【0051】
(3)第三の実施形態:
図8は、第三の実施形態にかかるパチンコ遊技機において球抜き通路が設置されている
様子を示す水平断面図である。なお、図8に示す遊技盤216、機構板217、球抜き通
路240以外の装置・部材については、第二の実施形態にて示したパチンコ遊技機110
と同様であるのでその説明を省略する。
【0052】
図8において、球抜き通路240は、断面視略L字状の2つの突起部240a、240
bを含んでいる。2つの突起部240a、240bは、上記L字を構成する一辺が機構板
217の前面に当接するようにしてネジにより固定されており、上記L字を構成する他の
一辺が機構板の前面側に突出するようになっている。また、遊技盤216の背面には、突
起部240a、240bにおける上記他の一辺の先端部がそれぞれ嵌合される凹部216
a、216bが形成されている。そして、2つの突起部240a、240b、および、遊
技盤216の背面により、樋形状の球抜き通路240が構成されるのである。このように
、第三の実施形態にかかるパチンコ遊技機では、突起部240a、240bが、それぞれ
遊技盤の背面に嵌合される嵌合構造とすることにより、形成される球抜き通路240の位
置を固定しておくことが可能であるとともに、突起部240a、240bと遊技盤216
の背面とに隙間が形成されず、通過する遊技球が球抜き通路240外にこぼれ落ちてしま
うことを防止することが可能となるのである。
【0053】
(4)第四の実施形態:
上述した第一〜第三の実施形態においては、球抜き通路が機構板の前面に取り付けられ
ている場合について説明したが、以下に説明する第四の実施形態においては、機構板の前
面側に配置される遊技盤の背面に球抜き通路が取り付けられている場合について説明する

【0054】
図9は、第四の実施形態にかかる遊技盤の背面側を示す斜視図であり、図10は、図9
に示した遊技盤の背面側に機構板が設置されている様子を示す水平断面図である。図9に
おいて、遊技盤316の背面側には、樋状部材316aが形成されている。この樋状部材
316aは、遊技盤316が樹脂製である場合には、一体成形で形成することが可能であ
るし、木製である場合には、接着剤等により遊技盤316の背面に張付することが可能で
ある。
【0055】
図10に示すように、樋状部材316aは、遊技盤316が取り付けられた本体枠(図
示せず)が閉鎖状態であるときに、遊技盤316の背面側に配置されている機構板317
に略当接している。このとき、樋状部材316aと、機構板317の前面とにより形成さ
れた空間内を、球抜き装置から機構板317の前面側に導出された遊技球が落下するので
ある。
【0056】
(5)各種変形例:
上述した第二〜第四の実施形態では、機構板と遊技盤との間に形成される空間内に、球
抜き通路を設置する場合について説明したが、本発明においては、遊技盤の外縁部分の本
体枠と機構板との間に球抜き通路を形成するようにしてもよい。遊技盤の背面側に各種の
役物の動作を制御する基板等が設置されている場合には、遊技盤の背面側に球抜き通路を
設置するよりも、本体枠の背面側に球抜き通路を設置する方が好都合である。
【0057】
上述した第二〜第四の実施形態においては、本発明の遊技機をパチンコ遊技機に適用し
た場合について説明したが、本発明において適用されるパチンコ遊技機の種類は限定され
るものではない。すなわち、第一種のパチンコ遊技機(所謂、セブン機)、第二種のパチ
ンコ遊技機(所謂、羽根物)、第三種のパチンコ遊技機(所謂、権利物)、および、これ
らを組み合わせたパチンコ遊技機等、各種のパチンコ遊技機に本発明を適用することが可
能である。
【0058】
(6)まとめ:
以上説明したように本発明によれば、球抜き装置20から外部への遊技球の導出を行う
ための球抜き通路40が、機構板17の前面側であって、本体枠24の背面側、すなわち
、機構板17と本体枠24との間に形成された空間内に設置されているため、機構板17
の背面側のスペ−スを広く確保することができ、例えば、サブの液晶表示装置、各種の役
物、各種の基板等を設置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】第一の実施形態にかかるパチロットの斜視図である。
【図2】第一の実施形態にかかるパチロットの背面図である。
【図3】機構板の前面側に球抜き通路が設置されている様子を示す垂直断面図である。
【図4】球抜き通路が設置されている様子を示す水平断面図である。
【図5】第二の実施形態にかかるパチンコ遊技機の斜視図である。
【図6】球抜き通路が設置されている様子を示す垂直断面図である。
【図7】球抜き通路が設置されている様子を示す水平断面図である。
【図8】第三の実施形態にかかるパチンコ遊技機において球抜き通路が設置されている様子を示す水平断面図である。
【図9】第四の実施形態にかかる遊技盤の背面側を示す斜視図である。
【図10】図9に示した遊技盤の背面側に機構板が設置されている様子を示す水平断面図である。
【符号の説明】
【0060】
10、310…パチロット
11、111…外枠
12、112…窓枠
13、113…ガラス枠
13a…ガラス
14…上皿
15…下皿
17、117、217、317…機構板
14、114…タンク
14a、114a…タンクレ−ル
15、115…払出装置
20…球抜き装置
21…本線通路
24、124…本体枠
25…切換えレバ−
30、130…前面通路
40、140…球抜き通路
42…ネジ
50…ドラム
51…停止ボタン
52…スタ−トレバ−
110…パチンコ遊技機
140a、140b…突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技部材が設置される本体枠と、同本体枠の背面側に配置され、遊技に関する各種の動
作を制御する制御基板が設置される機構板と、同機構板の背面側に設置され、上部に備え
られた外部装置から遊技球が供給される供給部と、上記機構板の背面側に設置され、遊技
球の皿貯留部への払い出しを行う払出装置と、同払出装置への遊技球の供給、および、外
部への遊技球の導出を切り替える球抜き装置とを具備する遊技機において、
上記球抜き装置から外部への遊技球の導出を行う球抜き通路の少なくとも一部が、上記
機構板の前面側に設置されていることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−188466(P2008−188466A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124574(P2008−124574)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【分割の表示】特願2005−148049(P2005−148049)の分割
【原出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】