説明

遊技機

【課題】表示ユニットの着脱作業を容易とし、しかも表示ユニットを装着した際に発生する衝撃を緩和することができる遊技機を提供する。
【解決手段】スロットマシン10は、筐体11とその前面を塞ぐ前面扉12とを有する。筐体11内には、リール装置650と主制御装置と内側扉400とを内側筐体に搭載してなる面替えユニット400が着脱自在に設けられている。面替えユニット400は、筐体11内部の各側板に設けた支持レールによって支持及び案内された状態で筐体11に対して着脱される。筐体への面替えユニット400の装着に際し面替えユニット400が装着完了位置まで移動する区間に、内側筐体に対して相対的に低い摩擦抵抗を生じる低摩擦区間と、内側筐体に対して相対的に高い摩擦抵抗を生じる高摩擦区間とを設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機として、スロットマシンでは、筐体内部にリール装置、メダル払出装置、各種制御装置(主基板を含む)、電源装置等が搭載され、筐体の前面側に開閉可能に取り付けられる扉体にはメダル投入装置、スタートレバー、ストップボタン等が設けられている。遊技に際しては、遊技回毎に、遊技者によりメダル投入(又はベット操作)や始動操作が行われることでリール装置のリールが回転を開始し、該リールの外周面に付された図柄が表示窓を通じて可変表示される。リールの回転開始後には、遊技者によりストップボタンが押し操作されるか、或いは所定時間が経過することでリールが回転を停止する。そして、リール停止時において表示窓を通じて視認される停止図柄に応じてメダルの払出等、利益状態が遊技者に付与されるようになっている。
【0003】
近年では、遊技機の機種変更のサイクルが短くなってきていること等に対処して、リール装置と主基板とを枠状の支持体に搭載して表示ユニット(交換用のユニット)を構成し、同表示ユニットを筐体内部に着脱自在に設けるようにした分離型スロットマシンが開示されている。分離型スロットマシンにおいては、筐体内に表示ユニットを載置するための載置板を設け、支持体が載置板上を移動することで同表示ユニットの装着が行われるものが提案されている(例えば特許文献1参照)。また、交換ユニットの交換作業を容易なものとすべく、支持体の背面側底部に、前後方向の移動を補助するためのローラを設けているものも提案されている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−047686号公報
【特許文献2】特開2004−670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のスロットマシンでは、表示ユニットがリール装置や主基盤等を備えており、同表示ユニットとしての重量がかさむことで作業性が悪化するといった不都合が懸念される。また、上記特許文献2のスロットマシンでは、支持体の底部にローラを設けたために交換ユニットが装着の際の勢い保ったまま筐体の背板等に衝突することで、筐体及び交換ユニットが衝撃を受けてしまうことが考えられる。仮に、勢いよく衝突した場合には、制御装置やリール装置等が破損するおそれがあるのではないかと考えられる。
【0005】
本発明は、表示ユニットの着脱作業を容易とし、しかも表示ユニットを装着した際に発生する衝撃を緩和することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0007】
手段1.遊技機前方に開放された筐体(筐体11)と、
遊技に関する各種制御を実施する主制御装置(主制御装置770)、及び遊技に際し絵柄を変動表示する絵柄表示装置(リール装置650)を有しそれら主制御装置及び絵柄変動表示装置をユニット本体(内側筐体410)内に搭載した表示ユニット(面替えユニット400)と、
前記筐体内に設けられ、同筐体内にて前記ユニット本体を移動可能に支持する支持部材(支持レール300)とを備え、
前記ユニット本体が前記支持部材に接触した状態で前記表示ユニットが前記筐体の奥側に移動することにより、同表示ユニットが前記筐体に装着されるようにした遊技機において、
前記表示ユニットの前記筐体への装着に際し表示ユニットが装着完了位置まで移動する区間に、前記ユニット本体とそれに接触する前記支持部材又は他の筐体側接触部材との間に摩擦抵抗を生じる低摩擦区間(点接触区間L1)と、前記低摩擦区間で生じる摩擦抵抗よりも大きい摩擦抵抗を生じる高摩擦区間(面接触区間L2)とを、前記低摩擦区間が手前側、前記高摩擦区間が奥側となるように設けたことを特徴とする遊技機。
【0008】
手段1の遊技機では、主制御装置と絵柄表示装置とをユニット本体に搭載してなる表示ユニットが筐体に着脱可能な構成となっており、その装着時或いは離脱時には、ユニット本体が支持部材に接触した状態で表示ユニットの移動が行われる。特に本手段では、ユニット本体と支持部材又は筐体側接触部材との間に生じる摩擦抵抗が高低異なる2つの区間(低摩擦区間、高摩擦区間)が設けられている。この場合、遊技機手前側、すなわち装着し始め区間である低摩擦区間においては、表示ユニットの移動を高摩擦区間よりも容易に行うことができる。一方、遊技機奥側、すなわち装着し終り区間である高摩擦区間ではその摩擦抵抗が増加することで表示ユニットの移動が妨げられる。このため、低摩擦区間で表示ユニットに与えられた勢いは高摩擦区間にて減ぜられ、装着完了の際に発生する衝撃を緩和することができる。仮に、表示ユニットが勢いよく筐体に押し込まれた場合でも、高摩擦区間にて同表示ユニットが制動されるため、遊技機に生じる衝撃を小さくし、制御装置やリール装置等が破損するおそれを低減することができる。以上により、着脱作業を容易とし、しかも表示ユニットを装着した際に発生する衝撃を緩和できるという優れた効果が実現できる。
【0009】
また、ゴムやバネ等の緩衝部材を用いて表示ユニットの制動を行った場合と比較すれば、緩衝部材の復元力により装着完了の際の位置がずれるといった不都合が生じにくい。このため、表示ユニット装着の際の位置精度を向上することができる。
【0010】
手段2.前記低摩擦区間では相対的に小さい摩擦抵抗を生じ、前記高摩擦区間では相対的に大きい摩擦抵抗を生じる構成としたことを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0011】
手段2によれば、低摩擦区間では相対的に小さい摩擦抵抗を生じるため、表示ユニットの移動を容易に行うことができる。また、高摩擦区間では相対的に大きい摩擦抵抗を生じるため、表示ユニットの制動を効率よく行うことができる。以上により、両区間での差異を大きくし、作業性の向上と制動の効率化とを両立することが可能となる。
【0012】
手段3.前記低摩擦区間と前記高摩擦区間とを連続して設けたことを特徴とする手段1又は手段2に記載の遊技機。
【0013】
手段3によれば、低摩擦区間と高摩擦区間とを連続して設けた。摩擦抵抗の小さい状態から摩擦抵抗の大きい状態へと移行することで、それらの境界において摩擦抵抗を急激に増加させることが可能となる。これにより、摩擦抵抗が緩やかに増加する場合と比較して、両区間の差をより明確にすることができる。この場合、表示ユニットの押し込み作業に際して、表示ユニットがその境界を通過することで、同表示ユニットが配置完了位置に近づき、制動すべき区間にあることを作業者に示唆することが可能となる。
【0014】
手段4.前記支持部材を、前記表示ユニットの前記筐体への装着に際し同表示ユニットが装着完了位置まで移動する区間で前記ユニット本体に接触する構成とし、
前記支持部材と前記ユニット本体との間に生じる摩擦抵抗が高低相異するようにして前記低摩擦区間と前記高摩擦区間とを設けたことを特徴とする手段1乃至手段3のいずれかに記載の遊技機。
【0015】
手段4によれば、ユニット本体は支持部材に表示ユニットの自重を伴いながら接触しているため、表示ユニットの自重を利用することでより効果的に制動力(摩擦抵抗)を得ることができる。さらに高摩擦区間における制動力が表示ユニットの自重に比例して大きくなるため、機種変更時の入替の際にも制動力を別途調整する必要がない。すなわち、表示ユニットの重量が変更になった場合においても、それに合わせた制動力を得ることが可能となる。故に、緩衝部材(ゴムやバネ等)を別途設けることで表示ユニットの制動を行う場合とは異なり、入替になった表示ユニットに合わせて緩衝部材を変更する必要が生じず、リユース性の向上を図ることができる。
【0016】
手段5.前記低摩擦区間では前記支持部材と前記ユニット本体とが点接触し、前記高摩擦区間では前記支持部材と前記ユニット本体とが面接触するように構成したことを特徴とする手段4に記載の遊技機。
【0017】
手段5によれば、低摩擦区間では支持部材とユニット本体とが点接触し、高摩擦区間では支持部材とユニット本体とが面接触する。低摩擦区間においてユニット本体が支持部材に接触するする部分(点接触する部分)に、摩擦抵抗の生じにくい加工を施したり、摩擦抵抗の生じにくい別部材を設けたりすることで、摩擦抵抗の差異を容易に実現することができる。
【0018】
手段6.前記支持部材又は前記ユニット本体のいずれか一方は、他方が接触する接触面(接触面321a)を有し、
前記支持部材又は前記ユニット本体の他方は、前記接触面に対して面接触する面接触部材(スライドレール510)と、同接触面に対して点接触する点接触部材(ローラ540)とを有し、
前記低摩擦区間では、前記接触面と前記点接触部材とが接触するとともに、同接触面と前記面接触部材とが離間し、
前記高摩擦区間では、前記接触面と前記面接触部材とが接触するとともに、同接触面と前記点接触部材とが離間するように構成したことを特徴とする手段4又は手段5に記載の遊技機。
【0019】
手段6によれば、低摩擦区間では接触面と面接触部材とが接触し、高摩擦区間では接触面と点接触部材とが接触する。このように接触の対象を異なるものとすることで、各摩擦区間での摩擦抵抗の差異をつけることが可能となる。
【0020】
手段7.前記点接触部材を、前記表示ユニットの装着方向に回動可能な第1ローラ(ローラ540)によって構成したことを特徴とする手段6に記載の遊技機。
【0021】
手段7によれば、表示ユニット装着方向に回動可能な第1ローラを設けることで、摩擦による抵抗が抑えられ、表示ユニットの装着作業性が向上する。
【0022】
手段8.前記点接触部材を、前記接触面に対して突出し、外形線が曲線状をなすように形成された滑り部によって構成したことを特徴とする手段6に記載の遊技機。
【0023】
手段8によれば、接触面に対して突出し、外形線が曲線状をなす滑り部を設けた。これにより、ユニット本体の移動に伴って滑り部が接触面上を摺動するため、低摩擦区間において適度な摩擦抵抗を付与することが可能となる。
【0024】
手段9.前記点接触部材を前記ユニット本体の少なくとも左右2ヶ所に設けたことを特徴とする手段6乃至手段8のいずれかに記載の遊技機。
【0025】
手段9によれば、ユニット本体の少なくとも左右2ヶ所に点接触部材を設けたため、筐体に対して表示ユニットを着脱する際の安定感を増すことができる。例えば、ユニット本体の底部に左右一対の点接触部材を設けるとよい。
【0026】
手段10.前記点接触部材を、前記ユニット本体における当該ユニット本体の重心よりも後側に設けたことを特徴とする手段6乃至手段9のいずれかに記載の遊技機。
【0027】
手段10によれば、点接触部材を、ユニット本体の重心よりも後側に設けたため、表示ユニットの装着作業に際し、表示ユニットの手前側を持ち上げるようにしながら同表示ユニットを奥側へ押し込むことでその装着作業を行うことができる。また、いち早く表示ユニットの重さの一部を筐体側に預けることができるため、作業性の向上に貢献できる。
【0028】
手段11.筐体奥側における前記接触面の端部より下方に傾斜し、前記高摩擦区間の始点で前記点接触部材を同接触面から離間させるように誘導する傾斜部(後方傾斜部323)を前記支持部材に設けたことを特徴とする手段10に記載の遊技機。
【0029】
手段11によれば、高摩擦区間の始点で、ユニット本体の後部に設けた点接触部材が傾斜部に誘導されて接触面から離間する。このため、点接触部材が機能せず、高摩擦区間での表示ユニットの制動が確実に実行できる。また、接触面と傾斜部とを連続して設けていることで、表示ユニットの出し入れが容易となる。
【0030】
手段12.前記支持部材に設けられた前記接触面の手前側において、前記面接触部材に対向するように同接触面から突出し、同面接触部材を支持する支持体(樹脂ピース330)を設け、
前記低摩擦区間では、前記支持体と前記面接触部材とが点接触し、
前記高摩擦区間では、前記支持体から前記面接触部材が離間するように構成したことを
たことを特徴とする手段6乃至手段11に記載の遊技機。
【0031】
手段12によれば、支持部材に設けられた接触面の手前側において、面接触部材に対向するように同接触面から突出し、同面接触部材を支持する支持体が設けられている。低摩擦区間では、支持体と面接触部材が点接触すると共に点接触部材(ローラ等)が接触面と点接触している。このため、点接触部材(ローラ等)と支持体とによってユニット本体が前後2ヶ所で支持され、表示ユニットの重さを筐体側に預けることが可能となる。これにより、作業性が向上する。また、高摩擦区間では支持体から面接触部材が離間し且つ点接触部材(ローラ等)が接触面から離間することで、接触面と面接触部材とが接触するため確実に摩擦抵抗を得ることができる。
【0032】
手段13.前記支持体を、前記面接触部材に接触した状態で前記接触面よりも小さな摩擦抵抗を生じる材質からなる滑り部材(樹脂ピース330)によって構成したことを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0033】
手段13によれば、支持体を、面接触部材に接触した状態で接触面よりも小さな摩擦抵抗を生じる材質からなる滑り部材によって構成したことにより、作業負荷を考慮した適度な摩擦抵抗を付与することが可能となる。さらに、低摩擦区間における表示ユニットの不意の移動を抑制することもできる。
【0034】
手段14.前記支持体を、前記表示ユニットの装着方向に回動可能な第2ローラで構成したことを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0035】
手段14によれば、支持体を装着方向に回動可能な第2ローラで構成することで、低摩擦区間での装着作業がよりいっそう容易となる。
【0036】
手段15.筐体奥側における前記接触面の端部より下方に傾斜し、前記高摩擦区間の始点で前記点接触部材を同接触面から離間させるように誘導する第1傾斜部(後方傾斜部323)を設けるとともに、同面接触部材の前端部から上方に傾斜し第1傾斜部とほぼ同じ勾配を有する第2傾斜部(案内部513)を前記面接触部材に設け、
前記点接触部材が前記第1傾斜部の基端部に接触した状態では、前記第2傾斜部の少なくとも一部が前記支持体に接触し、
前記点接触部材の前記第1傾斜部からの離脱にともない、前記第2傾斜部の基端部が前記接触面に接触した状態となるように構成したことを特徴とする手段12乃至手段14のいずれかに記載の遊技機。
【0037】
手段15によれば、点接触部材の接触面からの離脱と同期して面接触部材が支持体から離脱する。これにより、低摩擦区間から高摩擦区間に表示ユニットが移動する際に、同表示ユニットが前後に傾くことを抑制でき、安定して着脱作業を行うことができる。さらに、第1傾斜部と第2傾斜部とがほぼ同じ勾配を有することで、点接触部材の接触面からの離脱と同期して面接触部材が支持体から離脱する際に、ユニット本体の状態が急変することなく、傾斜に沿って緩やかに移動される。これにより、低摩擦区間と高摩擦区間との境界での接触部材の切り替えによる衝撃を緩和することができる。これにより、より一層円滑な着脱作業を実現することができる。
【0038】
手段16.前記支持部材を水平に配し、
前記点接触部材の少なくとも一部を前記面接触部材に対して下方へ突出するように設け、
その点接触部材の突出量と、前記支持体の前記接触面からの突出量とが同等となるように設定されていることを特徴とする手段12乃至手段15のいずれかに記載の遊技機。
【0039】
手段16によれば、支持部材を水平に設け、点接触部材の少なくとも一部を面接触部材に対して下方へ突出するように設けた。その点接触部材の突出量と支持体の接触面からの突出量とが同等であるため、低摩擦区間においては、ユニット本体が前方へ傾くことはないためユニット本体を安定した状態で移動させることができる。
【0040】
手段17.前記支持部材を水平に配し、
前記点接触部材の少なくとも一部を前記面接触部材に対して下方へ突出するように設け、
その点接触部材の突出量よりも、前記支持体の前記接触面からの突出量の方が大きくなるように設定されていることを特徴とする手段12乃至手段15のいずれかに記載の遊技機。
【0041】
手段17によれば、支持部材を水平に設け、点接触部材の少なくとも一部を面接触部材に対して下方へ突出するように設けた。その点接触部材の突出量よりも、支持体の接触面からの突出量の方が大きいため、ユニット本体が後方に傾き重心が後方へ移りやすくなる。これにより、押し込み作業が容易なものとなりやすい。
【0042】
手段18.前記低摩擦区間では、前記支持部材と前記ユニット本体とがそれらの何れか一方に設けた転がり部材(ローラ540)にて接触し、前記高摩擦区間では、前記支持部材と前記ユニット本体との転がり部材による接触が解除される構成したことを特徴とする手段4に記載の遊技機。
【0043】
手段18によれば、低摩擦区間では支持部材とユニット本体とがそれらの何れか一方に設けた転がり部材により接触し、高摩擦区間ではその転がり部材による接触が解除されると共に支持部材及びユニット本体が接触する。接触の対象に転がり部材が含まれる場合は、当該転がり部材が転がることで摩擦抵抗を相対的に低く抑えること可能となる。これにより、各区間における摩擦抵抗に差を生じさせることができる。
【0044】
手段19.前記支持部材又は前記ユニット本体の何れか一方は、他方が接触する第1接触面(接触面321a)を有し、
前記支持部材又は前記ユニット本体の他方は、前記第1接触面に対して接触する第2接触面(スライドレール摺動面512a)を有するとともに、前記転がり部材が同第1接触面に対し接触し且つ前記表示ユニットの装着方向に回動可能な状態で設け、
前記低摩擦区間では、前記第1接触面と前記転がり部材とが接触するとともに、同第1接触面と前記第2接触面とが離間し、
前記高摩擦区間では、前記第1接触面と前記第2接触面とが接触するとともに、同第1接触面と前記転がり部材とが離間するように構成したことを特徴とする手段18に記載の遊技機。
【0045】
手段19によれば、低摩擦区間では第1接触面と転がり部材とが接触することで転がり摩擦が発生し、高摩擦区間では第1接触面と第2接触面とが接触することで滑り摩擦が発生する。このように各区間での摩擦が転がり摩擦と滑り摩擦とにより差別化されていることで、摩擦抵抗の大きさに差をつけることが可能となる。
【0046】
手段20.前記支持部材を前記筐体の左右両側板(左側板11d,右側板11e)にそれぞれ設けたレール部材(支持レール300)で構成したことを特徴とする手段1乃至手段19のいずれかに記載の遊技機。
【0047】
手段20によれば、支持部材としてのレール部材は、筐体内部において左右両側に分離して設けられる。これにより、表示ユニットを支持しつつ案内する機能を確保しながら、遊技機全体としての重量軽減を図ることができる。
【0048】
手段21.前記ユニット本体は、その内側に前記絵柄表示装置を搭載可能な枠状又は筐状をなし、前記点接触部材及び前記面接触部材を前記ユニット本体の左右両側の外側に設けたことを特徴とする手段1乃至手段20のいずれかに記載の遊技機。
【0049】
手段21によれば、点接触部材及び面接触部材をユニット本体の両側面の外側に設けたため、上下方向でより重心に近い位置での装着時の移動が可能となる。このため、制動区間においてもより安定して表示ユニットのバランスを保つことが可能となる。すなわち、安定して摩擦抵抗を利用することができる。
【0050】
手段22.前記絵柄表示装置の絵柄変動に付随して行われる補助演出を表示可能な補助表示装置(液晶表示装置711)と、
前記補助表示装置に対して補助演出情報を出力する補助演出制御装置(表示制御装置730)と
を前記表示ユニットに搭載したことを特徴とする手段1乃至手段21のいずれかに記載の遊技機。
【0051】
手段22によれば、表示ユニットに補助表示装置及び補助演出制御装置を搭載することで、表示ユニットの交換時には絵柄表示装置、主制御装置、補助表示装置及び補助演出制御装置をまとめて交換できる。つまり遊技機ごとに固有となる構成を、それ以外と区別しつつまとめて交換できる。故に表示ユニットを交換することで遊技機の機種変更が容易に実施できるようになる。
【0052】
手段23.手段1乃至手段22のいずれかにおいて、遊技機は、遊技媒体としてのメダルの投入(クレジットされた仮想メダルの投入を含む)と遊技者による所定の始動操作とを契機として前記絵柄表示装置としての回胴装置(リール装置650)の回転を開始すると共に、遊技者による所定の停止操作に伴い前記回胴装置の回転を停止し、その回転停止時において表示窓(下側視認窓22)より視認できる停止絵柄に応じて遊技者に利益状態を付与する遊技機であること。
【0053】
上述した各手段は、一般にスロットマシンと称される遊技機として好適に具体化できる。この遊技機は、絵柄表示装置及び制御装置を備えた表示ユニットの交換により機種変更が行われる。かかる場合に、上記の如く表示ユニットを装着する際のスロットマシンの保護が可能となれば、技術的貢献度は大きいものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の全体構成を示す斜視図、図2はスロットマシン10の正面図、図3はスロットマシン10の側面図、図4は前面扉12を開いた状態のスロットマシン10の斜視図である。本スロットマシン10では、内側扉700を有する面替えユニット400をスロットマシン10の内部に備える構成となっている。図5は、前面扉12と内側扉700とを開いた状態の正面斜視図であり、図6は前面扉12と内側扉700とを開いた状態の正面図である。これら図1〜図6に基づいて、スロットマシン10の構成について詳しく説明する。なお、以下の説明において、特に指示しない限りはスロットマシン10の正面視を基準に上下左右等の方向を特定することとする。
【0055】
(筐体11の外観構成)
スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり(図8の筐体斜視図参照)、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面側が開放された箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成される以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成されてもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成されてもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
【0056】
(前面扉12の説明)
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。前面扉12は、筐体11の前側開放部を全て塞ぐように設けられ、スロットマシン10の左縁部を軸線として手前側に開放されるようになっている。また、前面扉12の周縁部には、筐体11の左右両側板及び天板及び底板における前端面に近接するように張り出した張出部15が設けられている。
【0057】
前面扉12の上半部には、正面に向けて上下に上側視認窓21と下側視認窓22とが並設されている。これら視認窓21,22には、透明な板材よりなりかつ視認窓21,22とほぼ同形状をなす透明パネル23,24(図8参照)が設けられている。それら透明パネル23,24は、ビス等の締結具(図示略)により前面扉12の背面側に固定されている。本実施の形態おいては特に、透明パネル23,24が1枚板で構成されている。
【0058】
これら透明パネル23,24を介して前面扉12の後方が視認可能である。換言すれば、前面扉12の後方に設けられる装飾絵柄や後述する液晶図柄等が視認窓21,22を通じて視認可能となっている。
【0059】
前面扉12の前面側において、上縁部及び左右両縁部には、視認窓21,22を囲む囲い部25が透明パネル23,24よりも前方に張り出すように形成されている。また、その囲い部25の上部には、遊技状況に応じたランプ演出を行うための中央ランプ部26が設けられている。
【0060】
下側視認窓22の下方は、遊技者により操作される各種操作部材等を配備した操作部となっており、メダル投入装置30と、MAXベットスイッチ40及び1ベットスイッチ41と、スタートレバー45と、ストップスイッチ50〜52と、精算スイッチ55と、返却スイッチ60とが配備されている。以下、各構成部品を個々に説明する。
【0061】
メダル投入装置30は、下側視認窓22の下方右側に設けられており、同メダル投入装置30の投入口より投資価値としてのメダルが1枚ずつ投入される。メダル投入装置30は投資価値を入力する入力手段を構成し、メダル投入装置30が遊技者によるメダルの直接投入という動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものといえる。
【0062】
メダル投入装置30から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切換手段に送られる。すなわち、前面扉12の背面には、通路切換手段としてのセレクタ31が設けられており、メダル投入装置30から投入されたメダルは、セレクタ31によって貯留用通路32か排出用通路33のいずれかに導かれる(図4参照)。セレクタ31にはメダル通路切換ソレノイドが設けられており、そのメダル通路切換ソレノイドの非励磁時にはメダル通路が排出用通路33側とされ、励磁時には貯留用通路32側に切り換えられる。この場合、貯留用通路32に導かれたメダルは、ホッパ装置110へと導かれる。一方、排出用通路33に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口34からメダル受皿81へと導かれ、遊技者に返却される。
【0063】
下側視認窓22の下方左側にはボタン状のMAXベットスイッチ40が設けられており、同MAXベットスイッチ40の押し操作によって、クレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入することができる。MAXベットスイッチ40の左方には同MAXベットスイッチ40よりも小さなボタン状の1ベットスイッチ41が設けられている。1ベットスイッチ41が押し操作されることで仮想メダルが一度に1枚投入される。各ベットスイッチ40,41は、前記メダル投入装置30とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入装置30が遊技者によるメダルの直接投入という動作を伴うのに対し、各ベットスイッチ40,41は、クレジットに基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
【0064】
なお、MAXベットスイッチ40には、1遊技回につき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを遊技者に知らせるために、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、MAXベットスイッチ40のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ40の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
【0065】
MAXベットスイッチ40の下側にはスタートレバー45が設けられている。このスタートレバー45は、後述するリール装置650の各リール(回転体)655〜657を回転始動させるための操作部材であり、各リール655〜657を回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。
【0066】
スタートレバー45の右側には、ボタン状の3つのストップスイッチ50〜52が左右に並設されている。各ストップスイッチ50〜52は、停止対象となるリール655〜657(左、中、右の三列のリール)に対応するよう設けられており、回転中の各リール655〜657を個別に停止させるために操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ50〜52は、各リール655〜657が定速回転となると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
【0067】
スタートレバー45左側には、ボタン状の精算スイッチ55が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルをクレジットメダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、クレジットメダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ55が押下操作されることで、クレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ55は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
【0068】
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルをクレジットメダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ55に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加しても良い。この場合、精算スイッチ(切換スイッチ)55は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成される。そして、精算スイッチ55がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ55がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ55は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
【0069】
メダル投入装置30の下側(ストップスイッチ52の左側)には、ボタン状の返却スイッチ60が設けられている。返却スイッチ60は、メダル投入装置30に投入されたメダルがセレクタ31内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチ60が押されることによりセレクタ31が機械的に連動して動作され、同セレクタ31内に詰まったメダルがメダル排出口34より返却されるようになっている。
【0070】
返却スイッチ60の右側で前面扉12の右端側には、同前面扉12の背後に貫通するキー孔70が設けられており、そのキー孔70には扉背面側からキーシリンダ71が設けられている。このキーシリンダ71は、前面扉12を開放するために操作される施錠装置を構成するものである。但し、施錠装置の詳細は後述する。
【0071】
ストップスイッチ50〜52の下方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下部プレート80が装着され、更にその下方にはメダル受皿81が設けられている。メダル受皿81には、メダル排出口34を介してスロットマシン内部のホッパ装置110等からメダルが排出される。メダル排出口34の左右にはスピーカ部82,83が設けられおり、メダル受皿81の左方(左側のスピーカ部82の前側)には、手前側下方に反転可能な灰皿84が設けられている。
【0072】
遊技に際しては、中央ランプ部26やスピーカ部82,83により、その都度の遊技状況に応じたランプ演出や音声演出等が行われる。すなわち、中央ランプ部26による発光色や発光パターンを適宜変更したり、スピーカ部82,83による音声パターンを適宜変更したりすることで、役の成立等が遊技者に告知される。また、これら中央ランプ部26及びスピーカ部82,83を用いて、エラー告知等を行うことも可能である。
【0073】
前面扉12の下部には、囲い部25に連続するような造形が施されており、メダル受皿81及び灰皿84の上方の左右両側は側壁部85となっている。側壁部85には切欠部86が設けられている。例えば、スロットマシン10の側方にメダル貸出装置が設置され、該メダル貸出装置からメダル供給ノズル等が延出される場合、切欠部86にメダル供給ノズルが配され、このノズルを介してメダル受皿81にメダルが貸出供給される。これにより、遊技に際しノズルが邪魔になる、貸出メダルがこぼれ落ちる等の不都合が解消される。
【0074】
(筐体11の内部構造)
次に、スロットマシン10の内部構造について説明する。先ずは、筐体11の内部構造について図8,図9を用いて説明する。図8は、筐体11の内部構造を示す斜視図、図9は同内部構造を示す正面図である。
【0075】
図8及び図9に示すように、筐体11の内部において下側の左隅部には電源ボックス100が設けられている。電源ボックス100は、各種電気装置や制御装置等に電源を供給するための電源装置であり、起動スイッチである電源スイッチ101や、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットスイッチ102、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うための設定キー挿入孔103などを備えている。また、本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。この場合、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ102を押しながら電源スイッチをオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。一方、電源スイッチ101がオンされている状態でリセットスイッチ102を押した場合には、エラー状態がリセットされる。また、ホール管理者等が設定キー挿入孔103へ設定キーを挿入して操作することにより、スロットマシン10の設定状態(当選確率)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
【0076】
筐体11の内部において電源ボックス100の右側には、メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置110が設置されている。ホッパ装置110は、多数枚のメダルを貯留可能な合成樹脂製の貯留タンク111と、貯留タンク111内のメダルを順次払い出す払出装置112とより構成されている。払出装置112は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路33の中央右部に設けられた開口113へメダルを排出し、排出用通路33を介してメダル受け皿81へメダルを払い出すようになっている。貯留タンク111は、上面開口部がほぼ正方形状をなし、下面が斜め下方に傾斜している。また、貯留タンク111には、タンク隅部にメダル排出孔114が形成されており、そのメダル排出孔114には金属製の誘導プレート115が取り付けられている。
【0077】
筐体11の内部においてホッパ装置110の右方には、貯留タンク111内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク120が設けられている。貯留タンク111に多数のメダルが貯まり、その高さが、誘導プレート115が設けられた高さ以上になると、かかる余剰メダルが誘導プレート115により予備タンク120に導かれ、当該予備タンク120内で貯留されることとなる。
【0078】
筐体11の背板11cには、貯留タンク111の上方位置に四角形状をなす孔部130が形成されている。この孔部130を介して、筐体外部から筐体内部に通じるメダル補給通路を設置することができるようになっており、メダル補給通路の設置により貯留タンク111へのメダルの自動補給が実現できるようになっている。なお、図7等では、孔部130が開放された状態を示しているが、孔部130を使用しない場合(メダルの自動補給を行わない場合等)には、孔部130は塞がれた状態となっている。但し、孔部130が塞がれた状態では、同孔部130が容易に開放できるよう孔部130周囲に切欠が設けられているとよい。
【0079】
背板11cには、孔部130の上方位置(後述する面替えユニット400の後方)に横長の通気孔140が複数形成されている。これらの通気孔140を介して、筐体11内の熱を帯びた空気を外部に排出することができる。なお、通気孔140は、背板11cの上部又は下部に形成されてもよいし、各側板11d,11e又は天板11aに形成されてもよい。
【0080】
筐体11の左側板11dには、筐体11の開口内周縁に沿って長尺状の扉支持金具200がビス等の締結具(図示略)により固定されている。扉支持金具200の上下2カ所には、支軸201,202が設けられており、各支軸201,202は上方に延びる先細り形状の軸部を有する。この扉支持金具200によって、前面扉12が回動可能に支持されるようになっている。
【0081】
すなわち、図5に示すように、前記前面扉12には、各支軸201,202に対応してそれら支軸201,202の軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具211,212が設けられている。そして、各支軸201,202の上方に支持金具211,212を配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具211,212の挿入孔に支軸201,202の軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は、筐体11に対して両支軸201,202を結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるように構成されている。
【0082】
筐体11の右側板11eには、筐体11の開口内周縁に沿って長尺状の鉤受け金具220がビス等の締結具(図示略)により固定されている。また、鉤受け金具220の上下2カ所には、前面扉12を閉鎖状態で保持するための鉤受け部221,222が設けられている。この鉤受け金具220によって、前面扉12が筐体11に閉止された状態で保持される。
【0083】
再び図5を参照して、前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された図示しない基枠と、同基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ71と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の図示しない連動杆とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ71だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。本実施の形態では、キーシリンダ71として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。前記連動杆は、キーシリンダ71に差し込んだ操作キーKを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具231,232が前記鉤受け部221,222に対応して設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、各鉤金具231,232が各鉤受け部221,222にそれぞれ係止されて施錠状態となる。なお、各鉤金具231,232には、施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ71に対して操作キーKが時計回りに操作されると、連動杆が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して各鉤金具231,232が移動されることにより同鉤金具231,232と鉤受け部221,222との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
【0084】
図8に示すように、前記金具200,220の他に、左右に延びる長尺状のプレート240,241が、筐体11の内周縁の上側縁と下側縁とに沿って配されている。これらプレート240,241は、ビス等の締結具(図示略)により天板11a及び底板11bにそれぞれ固定されている。これらプレート240,241は、前記金具200,220とともに、筐体11の補強材としての機能と、筐体11の開口部の遮蔽材としての機能とを有するものである。
【0085】
各プレート240,241の前端部は筐体11の開口縁部からスロットマシン10の前方に突出しており、前記金具200,220の前端部もまた開口縁部の全域でスロットマシン10の前方に突出している。すなわち、プレート240,241及び金具200,220は、前面扉12が閉止状態で筐体11に取り付けられている場合に、筐体11の開口縁部と前面扉12の外周後端とが対向する部分の隙間を内側より塞ぐように構成されている。このように、各金具200,220及び各プレート240,241を配することで、上述した隙間から針金やフィルム等を侵入させようとしてもそれが阻止でき、不正行為の防止が図られている。
【0086】
また、プレート240の左右両端部には、筐体11の内側を向くように鉛直に折り曲げられて折曲部242,243が形成されている。これら折曲部242,243は、隣接する金具200,220に対し、スロットマシン10の側面視にて上下方向で重なるように、且つ筐体11の開口縁部の前側で重なるように形成されている(図8の部分拡大図に右側の折曲部243と金具220との関係を示す)。このように、プレート240と金具200,220とが筐体11の開口の隅部前側で重なる構成としたことで、同隅部に生じる隙間を少なくすることができる。これにより、それら隅部からの針金やフィルム等の侵入を抑制することが可能となる。なお、プレート240だけでなく、プレート241も同様の構成とすることで、より好適に不正行為を防止することが可能となる。
【0087】
筐体11内の高さ方向のほぼ中央位置(前記ホッパ装置110の上方)には、左側板11dと右側板11eとの間に渡されて仕切り板250が水平に取り付けられており、同仕切り板250によって筐体11の内部が上下に分割されている。仕切り板250より上方の空間は面替えユニット400の設置領域となる。仕切り板250の左右両端部及び後端部には、上方向へ直角に折り曲げられた折曲部(図8には後端に形成された折曲部251のみを示す)がそれぞれ設けられている。仕切り板250は、これら左右の折曲部をビス等の締結具(図示略)により各側板11d,11eに固定することで、筐体11に取り付けられている。本実施の形態においては、仕切り板250を設けたことで筐体11の補強がなされているが、この仕切り板250を備えない構成とすることで軽量化を図ることも当然可能である。
【0088】
(支持ユニット260と支持レール300との説明)
筐体11の左側板11dにおいて、仕切り板250の上側には、面替えユニット400を搭載するための支持ユニット260が固定されている(図8,9を参照)。支持ユニット260は、仕切り板250の左側の折曲部に固定された金属製のスペーサ部材270と、同スペーサ部材270に取り付けられ、面替えユニット400を支持及び案内する金属製の支持レール300とを備えている。また、筐体11の右側板11eにおいて、仕切り板250の上側には、左側の支持レール300と同じ高さで且つ同じ構成を有する右側の支持レール300が固定されている。
【0089】
先ず図10を用いて、スペーサ部材270の構成について説明する。スペーサ部材270は、支持レール300を搭載するための搭載部271を有しており、同搭載部271は略矩形状の板状をなしている。搭載部271の略中央には、同搭載部271の長手方向に向かって延びる長孔272が形成されている。また、搭載部271の短手方向両端部には、同一側へ垂直に折り曲げてフランジ部273が形成されており、これらフランジ部273には仕切り板250への取付部274が設けられている。取付部274が、仕切り板250の左側の折曲部にスポット溶接等の固定手段により固定されることで、スペーサ部材270が仕切り板250に取り付けられるようになっている。本実施の形態においては、スペーサ部材270を一枚の鉄製板材から板金成形しているが、アルミニウム等の軽金属を用いてもよいし、合成樹脂材を用いて形成することも可能である。
【0090】
次に、支持レール300について説明する。支持レール300はスペーサ部材270と同様に長尺状をなしており、左側の支持レール300はスペーサ部材270に、右側の支持レール300は仕切り板250にそれぞれ取り付けられている。左右の支持レール300は何れも同じ構造を有するため、以下、左側の支持レール300の構成について図11を用いて説明する。
【0091】
支持レール300は、スペーサ部材270の搭載部271に接続するためのベース板部310を有しており、同ベース板部310は略矩形状の板状をなしている。ベース板部310においてその長手方向の一端部には、直角に折り曲げられて誘導片311が設けられている。支持レール300が筐体11側に取り付けられた状態で、ベース板部310に対して誘導片311の折り曲げ先端側がスロットマシン10における外側であり、ベース板部310の長手方向において誘導片311の形成された側がスロットマシン10における前側である。以下、図11において、これらの方向を前提として支持レール300を説明する。誘導片311の設けられた側と対向するベース板部310の端部には、ベース板部310に直角で同ベース板部310の長手方向に延びるストッパ片316が内側に折り曲げられて形成されている。
【0092】
ベース板部310の長辺には、筐体11の内側へ直角に折り曲げて下側ガイド部320が形成されている。ベース板部310の短手方向において下側ガイド部320の形成された側は、支持レール300が筐体11側に取り付けられた状態でスロットマシン10における下側である。
【0093】
下側ガイド部320は、ベース板部310の長手方向に水平に延びる水平部321と、水平部321の前側で斜め下方に傾斜するように折り曲げて形成された前方傾斜部322と、水平部321の後側で斜め下方に傾斜するように折り曲げて形成された後方傾斜部323とを有する。
【0094】
また、水平部321の上面には、水平部321と前方傾斜部322との境界を前端として樹脂ピース330が配されている。樹脂ピース330は、水平部321上に突出して設けられており、前側で斜め下方に傾斜した前方傾斜面331と、後側で斜め下方に傾斜した後方傾斜面332と、両傾斜面331,332の上部を繋ぐ頂部333とを有する。本実施の形態において、頂部333は平面で構成されているが、これに限定されるものではなく、その外形線が曲線状(R形状)をなすように構成されてもよい。樹脂ピース330は、面替えユニット400の落下を防止するための落下防止手段を構成するが、詳細については後述する。なお、樹脂ピース330の代わりに、支持レール300の前部を折り曲げて突状部を形成することで落下防止手段を構成してもよい。これにより、部品点数を削減することが可能となる。
【0095】
水平部321の下面の前部には、略L字状に形成された折曲部材340が取り付けられている。折曲部材340は、水平部321に取り付けるための平板状の取付部341と、水平部321の下側に突出し、同水平部321の長手方向に直交する座面342とを有する。また、座面342の略中央には、水平部321の長手方向を基準として前側に延びるように先細り形状の突起343が設けられている。本実施の形態においては、折曲部材340を別体で設けているが、下側ガイド部320を折り曲げて形成してもよい。
【0096】
ベース板部310の上端部で後側には、下側ガイド部320と対向するように上側ガイド部350が直角に折り曲げられて形成されている。上側ガイド部350は、下側ガイド部320と同様に前後方向へ水平に延びるように設けられており、その前部に形成された切り起こし351(切り欠き352)を境にして前後に分割されている。切り起こし351の上部には、その上端を内側に折り曲げることによってストッパ353が形成されおり、ストッパ353の内側の端部には、上方へ向かって起立した起立部354が形成されている。上側ガイド部350は、面替えユニット400側の後述するスライドレール510に対応しており、同スライドレール510と共に面替えユニット400の浮き上がりを抑える浮き上がり抑制機能を有する。また、切り起こし351(切り欠き352)は、面替えユニット400側の後述するレバー部材610と共に内側筐体410を筐体11に対して係止する係止手段を構成し、ストッパ353、起立部354は、同レバー部材610と共に係止解除操作を補助する補助手段を構成する。なお、上側ガイド部350の詳細な説明については後述する。
【0097】
ベース板部310は、スペーサ部材270の搭載部271に当接された状態で、ボルト止めやスポット溶接等の固定手段によって固定される。これにより、支持レール300はスペーサ部材270に取り付けられる。支持レール300のベース板部310の略中央には、同支持レール300の長手方向に向かって延びる誘導孔部312が形成されており、スペーサ部材270の長孔272はこれに対応して形成されている。すなわち、スペーサ部材270に支持レール300を位置合わせして取り付けることで誘導孔部312と長孔272とが貫通するようになっている。誘導孔部312の詳細については後述する。
【0098】
(スペーサ部材270と金具200,220との関係)
前記スペーサ部材270は、仕切り板250の左側の折曲部と支持レール300とを離間して接続するスペーサとしての機能を有するものである。ここで、スペーサ部材270と各支持レール300と筐体11の前記金具200,220との相互の関係について図12を用いて説明する。
【0099】
上述したように、筐体11の左側板11dには、その内側に扉支持金具200が設けられている。左側板11dからの扉支持金具200の突出量W1よりも、左側板11dからの支持レール300(詳しくは下側ガイド部320)のオフセット量W2のほうが大きくなるようにスペーサ部材270によってオフセット量W2が調整されている。これにより、後述する面替えユニット400を筐体11に着脱する際に、面替えユニット400が扉支持金具200に干渉することを回避できる。
【0100】
一方、筐体11の右側板11eには、その内側に鉤受け金具220が設けられている。右側板11eからの鉤受け金具220の突出量W3は、支持レール300の幅(下側ガイド部320の幅)よりも十分に小さい。すなわち、支持レール300を右側板11eに取り付けた状態でも、面替えユニット400を支持するための下側ガイド部320が鉤受け金具220よりも内側に張り出し、同面替えユニット400を支持するための下側ガイド部320の幅を確保可能である。故に、スペーサ部材を用いることなく、面替えユニット400の着脱の際に、同面替えユニット400が鉤受け金具220に干渉することを回避できる。鉤受け金具220の突出量W3は、筐体11の開口部の剛性向上や、鉤受け金具220自身の剛性向上、筐体11と前面扉12との境界部位から行われる不正行為等に対応することで大きくなりがちである。このように突出量W3が大きくなり面替えユニット400の着脱に支障が生じる場合には、右側板11eにおいても左側の支持ユニット260と同様にスペーサ部材を設けることで干渉を回避することができる。
【0101】
このように、面替えユニット400の着脱が金具200,220によって妨げられない構成としているために、同面替えユニット400の装着の度に金具200,220を取り外す必要がなく、同面替えユニット400の着脱を効率的に行うことができる。また、支持レール300のオフセットは、面替えユニット400の効率的な着脱のためには不可欠であるが、オフセット量W2を無意味に大きくすると筐体11内部のデッドスペースが増える等の不都合が生じる。そこで、本実施の形態においては、突出量W1とオフセット量W2とを同等とすることで、筐体11の内部スペースを効率的に利用している。
【0102】
再び図8及び図9を用いて説明すれば、支持レール300は、各側板11d,11eに平行で前後方向に延びる長板状のベース板部310の他に、同ベース板部310の下端で内側に垂直に折り曲げて形成された下側ガイド部320と、同ベース板部310の上端で内側に垂直に折り曲げて形成された上側ガイド部350とを備えている。このように、各ガイド部320,350を左右に並設するのではなく上下に並設することで、筐体11内の左右方向のスペースを有効に利用することができる。また、本実施の形態においては、一枚の板材の両端を同一側に折り曲げることで各ガイド部320,350を形成し、部品点数の削減を図っている。
【0103】
(面替えユニット400の説明)
次に、筐体11の内部に装着される面替えユニット400の構造について説明する。図13は面替えユニット400を斜め上方から見た斜視図、図14は面替えユニット400の背面構成を示す斜視図、図15は面替えユニット400の正面図、図16は面替えユニット400の背面図、図17は面替えユニット400の右側面図、図18は面替えユニット400の内側扉700の開放状態を示す斜視図、図19は面替えユニット400を主要構成部品毎に分解して示す分解斜視図である。なお、以下の面替えユニット400の説明では、特に指定しない限り図15の状態を基準に上下左右等の方向を記述する。
【0104】
面替えユニット400は主要な構成として、前面側が開放された箱状の内側筐体410と、同内側筐体410の内部に配設されるリール装置650と、内側筐体410の開口の右縁部(前面扉12の開閉軸線と反対側)を軸線として手前側に開放されるように取り付けられる内側扉700とを備える。本実施の形態においては、面替えユニット400は、本スロットマシン10の遊技内容を決定する主要部品を全て備える構成となっており、仮に遊技ホール等において機種入替を行う場合には、この面替えユニット400を現機種のものから新たな機種のものに入れ替えることで機種入替を行うことができるようになっている。すなわち、面替えユニット400は機種入替時などにおける交換ユニットを構成している。以下、各構成部品を個々に詳しく説明する。
【0105】
(内側筐体410の説明)
内側筐体410の構成について図13〜図19及び図20に基づいて説明する。図20は内側筐体410の構成を示す斜視図である。内側筐体410は、例えばABS等の合成樹脂により一体成形されている。この場合、内側筐体410を樹脂製一体成形品とすることで、製造が容易となる。内側筐体410の前側縁部の右側(前面扉12の扉支持金具200と反対側)には金属製の扉支持金具740が配されており、前側縁部の左側には鉤受け金具750が配されている。さらに、前側縁部の上下両側には、長尺状に形成された補強プレート411,415が配されており、同補強プレート411,415の左右の端部は金具740,750に連結されている。このように補強プレート411,415と金具740,750とを互いに連結することで枠状とし、内側筐体410の開口縁周りに配することで内側扉700の支持剛性の向上を図っている。
【0106】
内側筐体410は、天板部410a、底板部410b、背板部410c、左側板部410d及び右側板部410eからなり、全体として前面側が開放された箱状に形成されている。なお、内側筐体410は合成樹脂によって構成する以外に、木製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、木材又は金属材料を用いて一体の箱状に形成することで構成してもよい。
【0107】
図20に示すように、天板部410aの前部は、壁板が内外に二重に形成されており、これら壁板の間には、両者を繋ぐように多数の補強リブ420が設けられている。その補強リブ420を設けた部分が格子状の補強バー部421となっており、補強バー部421の中央には持ち手部としての貫通長孔422が形成されている。図13〜図19を用いて説明すれば、補強バー部421には、補強プレート411がビス等の締結具によって固定されており、その補強プレート411の略中央には、貫通長孔422に対応して切り欠き412が形成されている。貫通長孔422に指を通すことで、内側筐体410(面替えユニット400)を容易に持ち上げることができるようになっている。また、補強バー部421の後方には複数箇所(図では4カ所)に内外に貫通する開口部423が形成されており、これら開口部423を介して面替えユニット400の内部から熱を帯びた空気を排出することができる。
【0108】
天板部410aには、面替えユニット400の着脱方向に延びる主リブ425と、同主リブ425に交差して延びる副リブ426とがそれぞれ複数形成されている。主リブ425の後部には斜め下方に傾斜した傾斜面427が形成されている。これらリブ425,426は天板部410aの剛性を高める補強部としての機能を有する。リブ425,426のその他の機能については後述する。
【0109】
底板部410bの外面は全体として略平面状に形成されており、面替えユニット400を単体で運搬する際に地面等に置くための載置部を構成する。また、面替えユニット400を筐体11の内部に装着完了した状態においては、前記仕切り板250の前端縁に対し底板部410bの前側の一部が前方に突出する構成となっており、この突出部430に横長状の貫通長孔431が設けられている。また、この貫通長孔431に対応して、補強プレート415にも図示せぬ貫通長孔が設けられている。このように貫通長孔431を設けることで、面替えユニット400の着脱を行う際に、同貫通長孔431に指を通して押し引きすることで作業を容易に行うことが可能となる。
【0110】
図20に示すように、底板部410bの内面には各側板部410d,410eに沿って前後に延びる突条部435が左右に設けられている。各突条部435の前面の略中央には、手前側に延びるようにして円柱状の突起436がそれぞれ設けられている。また、それら突起436の中央にはビス止め用のねじ穴437が設けられている。図20には、左側の突条部435と左側の突起436と左側のねじ穴437とを示す。
【0111】
背板部410cは、図17(面替えユニット400の側面図)に見られるように、概ね平面状をなしている。面替えユニット400が筐体11内に装着完了された状態において、同筐体11の背板11cと略平行になるように背板部410cは形成されている。このため筐体11の奥行き領域にデットスペースが生じることを抑え、同奥行き領域を有効に活用することができる。更に、同デッドスペースへの不正基板等の設置を抑制することも可能となる。
【0112】
背板部410cの下部には段差状に凹んだ段部440が形成されている。段部440の左右両側には後方に向かって突出した突部441が設けられている。面替えユニット400が筐体11に装着完了された際には、これら突部441が、前記仕切り板250の折曲部251に当接することで(背板部410cと背板11cとは干渉しない)、面替えユニット400の奥行き方向の位置決めがなされる。すなわち、各突部441と折曲部251とは、面替えユニット400の奥行き方向位置決め手段を構成している。本実施の形態においては、突部441が折曲部251と当接される構成としたが、突部441が背板11cに当接される構成としてもよい。
【0113】
なお、内側筐体410の背板部410cの外面、又は筐体11の背板11cの内面にウレタンスポンジやシリコンパッド等の反発力の小さい緩衝材を配することにより、面替えユニット400を装着する際の突部441と折曲部251との衝突を緩和することが可能である。
【0114】
図14,図16(面替えユニット400の背面斜視図、面替えユニット400の背面図)に見られるように、背板部410cの略中央には横長状の収容凹部442が形成されており、同収容凹部442の底部には、内外に貫通した横長の孔部443が形成されている。これら収容凹部442と孔部443との詳細ついては後述する。
【0115】
左側板部410dについて図18,図20(面替えユニット400の正面図斜視図、内側筐体410の正面斜視図)を用いて説明する。左側板部410dの上部には矩形状の開口部450が内外に貫通するように形成されている。開口部450の下側には、同じく矩形状の開口部451が内外に貫通するように形成されている。以下の記載では上側の開口部を「上側開口部450」、下側の開口部を「下側開口部451」と表記する。左側板部410dの下部(下側開口部451の下側)には、背板部410cと底板部410bとに繋がり、内側に凹んだ収容凹部452が形成されている。
【0116】
次に、右側板部410eについて図17,図20を用いて説明する。右側板部410eの外側には、同右側板部410eの前端縁に沿って延びる取付基部460が形成されている。取付基部460は、扉支持金具740の取付部を構成している。なお、取付基部460に関しては、図13〜19では確認しにくいため、図20の斜視図を参照されたい。右側板部410eの上部には背板部410cに繋がる凹部462が形成されている。詳述すれば、凹部462は、面替えユニット400を筐体11に装着する際に、筐体11の右側板11eの内側上部に設けられた図示せぬ外部端子との干渉を回避可能な形状で形成されている。凹部462の底部には、内側筐体410の内外に貫通した側面開口部463が設けられており、同側面開口部463を介して外部端子と内側筐体410の内部に設けられた後述する中継基板790とが接続可能となっている。
【0117】
各側板部410d,410e内面の上下方向の略中央には、同側板部410d,410eに沿って前後に延びる図示せぬ突条部が左右に設けられている。それら突条部の前面には手前側に延びるようにして円柱状の突起475がそれぞれ設けられている(図20には左側の突起475のみ示す)。またそれら突起475の中央にはビス止め用のねじ穴476が設けられている。これら突起475及びねじ穴476は、前記突起436及びねじ穴437と共にリール装置650を保持するための保持手段を構成する。
【0118】
また、各側板部410d,410eには、面替えユニット400の着脱方向に延びるガイドリブ470が外側に露出するように複数形成されている。これらガイドリブ470は、その後部に、内側に向かって斜めに傾斜する傾斜面471を有している。これらリブ470,472は側板部410d,410eの剛性を高める補強部としての機能を有する。
【0119】
筐体11内部の各側板11d,11e上には、面替えユニット400を筐体11に装着した状態において各ガイドリブ470に対応する位置に、同ガイドリブ470に近接するような大きさで金属製のボックス480,490がそれぞれ設けられている(図8,9参照)。詳述すれば、各側板11d,11eの略中央前側には第1ボックス480が設けられており、同側板11d,11eの後側上部には第2ボックス490が設けられている。図24に示すように、それらボックス480,490は、上面板部481,491と、下面板部482,492と、前面板部483,493と、後面板部484,494と、側面板部485,495とからなり、同側面板部485,495と対向する側が開放された箱状に板金成形されている。各ボックス480,490は、それらボックス480,490の開放された側が筐体11の各側板11d,11e側となるようにして、前面板部483,493と後面板部484,494とを、各側板11d,11eに当接するように配置した状態でビス等の固定具によって固定されている。本実施の形態においては、ボックス480,490を左右で計4つ設ける構成としたが、個数はこれにとらわれるものではない。また材質も金属ではなくポリカーボネート樹脂等の透明な合成樹脂を用いてもよい。
【0120】
図20に示すように、内側筐体410内の上部には、遊技に関わる主たる各種制御を実施する主制御装置770と、同主制御装置770をリール装置650等の各装置に電気的に接続するための中継基板790とが配されている。これら主制御装置770及び中継基板790についての詳細は後述する。
【0121】
リール装置や主制御基板等を有する交換ユニットを備え、この交換ユニットを交換することで機種入替を行う従来のスロットマシンにおいては、リール装置や主制御基板等を支持するための交換ユニットの支持構造として、柱と梁とを組み合わせた軸組み構造が多く採用されている。本実施の形態においては、上記の如く、リール装置や主制御基板等を支持する支持構造として、各板部410a〜410eの相互の結合によって一体となる面構造を採用している。このように面構造を採用することで、主制御装置770及び中継基板790は内側筐体410の外部から遮蔽されやすくなっている。すなわち、従来の軸組み構造に比べ、主制御装置770及び中継基板790への外部からの不正なアクセスが好適に抑制することができる。さらに、上記の如く内側筐体410が面構造を有することで、面替えユニット400としての強度を向上することもできる。
【0122】
内側筐体410の両側板部410d,410eの外側には、内側筐体410(面替えユニット400)の着脱作業を補助する着脱補助機構と、内側筐体410の着脱の際に、同内側筐体410の着脱方向を規制する規制手段と、内側筐体410の装着完了の際に同内側筐体410を係止する係止手段とが左右同じ高さで設けられている。このように、面替えユニット400を筐体11に装着するための構成が内側筐体410に設けられているため、内側筐体410が筐体11に装着されることで、面替えユニット400の筐体11への装着がなされることとなる。また着脱補助機構及び規制手段が左右同じ高さで設けられ
ていることで、面替えユニットを着脱する際の安定性の向上が期待できる。以下各構成部品を個々に詳しく説明する。
【0123】
(スライドレール510の説明)
図13,図18に示すように、左側板部410dの収容凹部452及び右側板部410eの下部には、前後方向に延びる長尺状のスライドレール510が設けられている。スライドレール510は左右何れも同じ構造を有するため、以下右側のスライドレール510について図21,図22(内側筐体410の右側板部410e下部を示す部分拡大図、着脱補助機構と規制手段と係止手段との構成の一部を分解して示す分解斜視図)を用いて説明する。
【0124】
スライドレール510は、右側装着部464への取付部たる長板状の取付板部511を有する。面替えユニット400において、取付板部511に対向する部位に装着部464が設けられており、同装着部464に取付板部511がビス等の締結具によって固定されている。
【0125】
取付板部511の下端部には、内側筐体410を装着の際に前記支持レール300によって支持される被支持部512が、外側に折り曲げられて形成されている。被支持部512は前後方向に水平に延びる長板状をなし、その下面は、内側筐体410の装着の際に支持レール300に対して接触した状態となる摺動面512aを構成している。被支持部512の前側には案内部513が斜め上方に折り曲げて形成されており、案内部513によって被支持部512と前記樹脂ピース330との内側筐体410を離脱する際の引っ掛かりが防止されている。また、取付板部511の後端部には外側に直角に折り曲げられて第1押え部514が形成されている。取付板部511の上端部の後側には、前後方向に水平に延びる板状の保持部515が外側に折り曲げられて形成されており、同保持部515の後端部には、第1押え部514との間に所定の隙間を形成するように第2押え部516が下方に折り曲げて形成されている。第1押え部514の上端部と第2押え部516の下端部とによれば、両者の間に挿入部517が構成されている。面替えユニット400が筐体11に装着完了された状態では、挿入部517に支持レール300のストッパ片316が挿入される。挿入部517は、ストッパ片316に対し僅かに大きくなるように形成されている。
【0126】
保持部515の上面には樹脂ピース520が配されている。樹脂ピース520は、保持部515上に突出して設けられており、上部に設けられた平面からなる当接部521と、同当接部521の後側に設けられた斜め下方に傾斜する後方傾斜面522とを備える。本実施の形態においては当接部521が平面で構成されているが、外形線が曲線状をなすように構成されてもよい。また、保持部515を突状に折り曲げて形成することで、樹脂ピースの代わりとしてもよい。
【0127】
取付板部511の外面のほぼ中央には、ガイドピース530が設けられている。ガイドピース530は、外側に向かって張り出したベース部531を有し、同ベース部531をビス等の締結具によって取付板部511に固定されている。ベース部531の後部外側には、後方に向かって延びるアーム532が形成されている。これらベース部531及びアーム532は、内側筐体410が筐体11に装着された状態において、支持レール300のベース板部310と干渉しない大きさで張り出している。アーム532の後端には、外側に向かって突出した突起533が形成されている。詳述すれば、内側筐体410が筐体11に装着された状態において、支持レール300の誘導孔部312に嵌合するように突起533は形成されている。
【0128】
また、ガイドピース530は合成樹脂により一体成型されており、アーム532は筐体11の外側方向から外力を受けることで内側に撓む構成となっている。本実施の形態においては、突起533の裏側には、内側筐体410の右側板部410eより突出した支持ピン534が同突起533の裏側に近接して形成されている。これら支持ピン534によって、アーム532は、所定量以上に内側に撓んで塑性変形しないようにその撓み量を規制されている。
【0129】
これら樹脂ピース520及びガイドピース530は、前述した天板部410aの主リブ425と各側板部410d,410eのガイドリブ470と共に前述した規制手段を構成している。特に、ガイドピース530に関しては、上述した規制手段としての機能に加え、面替えユニット400を筐体11から離脱する際の、手前側への面替えユニット400の抜け落ちを防止する抜け落ち防止機能を併せ有する。
【0130】
被支持部512の後端部の後側、すなわち右側板部410eの後部下側には樹脂製のローラ540が回動可能に設けられている。詳述すれば、ローラ540は、回転軸を筐体11の右側板11eと直交する方向とし、回動可能な状態で取付板部511に対して軸支されており、ローラ540の外周はスライドレール摺動面512aよりも下方に僅かに突出している。
【0131】
スライドレール510及びローラ540は、筐体11側の支持レール300に対応して設けられている。すなわち、面替えユニット400を筐体11に装着する際には、スライドレール510のスライドレール摺動面512a及びローラ540は、支持レール300の下側ガイド部320に支持されるようになっている。これらスライドレール510及びローラ540によって着脱補助機構が構成されている。
【0132】
スライドレール510には、被支持部512の下側に突出した折曲部材550が別体で設けられている。折曲部材550には、支持レール300の突起343に係合可能な係合孔551が形成されており、突起343に係合孔551が係合することで内側筐体410(面替えユニット400)の位置決めがなされる。
【0133】
上記係合孔については、2箇所(本実施の形態においては左右両側)に異なる形状で設けられているため、これらの違いについて説明する(図15参照)。各係合孔のうち一方の係合孔(本実施の形態においては右側の係合孔551)は、上下方向に延びる長孔状をなしており、右側の突起343と共に内側筐体410(面替えユニット400)の左右方向の位置決めを行う左右方向位置決め手段を構成する。これに対して、他方の係合孔(本実施の形態においては左側の折曲部材552に設けられた係合孔553)は、左右方向に延びる長孔状をなしており、左側の突起343と共に内側筐体410の上下方向の位置決めを行う上下方向位置決め手段を構成する。すなわち、前述した内側筐体410の前後方向の位置決め手段とこれら左右及び上下の位置決め手段とがそれぞれ独立して構成されている。
【0134】
面替えユニット400は、リール装置650、内側扉700、主制御装置770等の各部材を備えるため重くなりがちであり、装着の際の衝突による衝撃が各位置決め手段に加わり、それら位置決め手段の変形等の不具合を生じる可能性がある。そこで、本実施の形態においては、もっとも衝撃を受けやすいと考えられる装着方向(本実施の形態においては前後方向)の位置決め手段を、突部441と背板11c(折曲部251)とで構成し、装着の際の衝撃を内側筐体410と筐体11とで受け止める構成とした。上述の通り、前後方向の位置決め手段は左右及び上下の位置決め手段から独立しているため、左右及び上下の位置決め手段に係る負荷を軽減できる。これにより、位置決めの精度を好適に維持することが可能となる。
【0135】
次に、内側筐体410の装着完了の際に同内側筐体410を係止する係止手段の構成を図13,図18を用いて説明する。係止手段としては、各側板部410d,410eに回動自在に設けられた側面視で略L字状をなすレバー部材610と、レバー部材610をその回転方向に付勢するための付勢部材とを備えて構成されている。これら各レバー部材610と各付勢部材とは左右何れも同じ構造を有するので、以下、図21,図22を用いて右側のレバー部材610と右側の付勢部材とについて説明する。
【0136】
右側板部410eの前部で右側装着部464の上側にはレバー部材610が取り付けられている。すなわち、右側板部410eには、レバー部材610に対応した矩形状の貫通孔であるレバー連通孔611が形成されており、レバー連通孔611を介して同レバー部材610が内側筐体410の内外に連通した状態になっている。レバー連通孔611の下側には、軸受け孔部612が筐体11の内外に貫通して設けられており、この軸受け孔部612に対応した支軸613がレバー部材610の下部に形成されている。支軸613は軸受け部612に嵌った状態でその一部が内側筐体410の内部に露出するように構成されており、レバー部材610の下部にはその露出部を覆うように筒部614が形成されている。軸受け孔部612に支軸613が嵌った状態で、同支軸613をビス等の締結具により右側板部410eに固定することで、レバー部材610の取り付けがなされている。支軸613と筒部614とは互いに相対回転可能に設けられているため、レバー部材610は、支軸613の中心軸を基準として回動可能な状態となる。軸受け孔部612の上側には上方に延びる略板状の操作部615が形成されており、内側筐体410の外部に露出した操作部615の下部には、操作部615に垂直で後方へ延びるアーム616が設けられている。アーム616の先端には支持レール300の切り欠き部352に対して係止可能に下方へ突出した鉤部617が形成されており、操作部615をスロットマシン10の前側に向かって押えることでレバー部材610が支軸613の中心軸を基準として回転し、鉤部617が上側に移動する。
【0137】
操作部615の後面側には、後方へ向かって張り出した張り出し部618が形成されており、同張り出し部618はレバー連通孔611の内壁に当接している。すなわち、レバー部材610は、張り出し部618がレバー連通孔611の内壁に当接した状態から、同レバー部材610の前端部がレバー連通孔611に当接するまでの範囲で回動可能となっている。
【0138】
鉤部617の後側には、斜め上方に傾斜したガイド面619が形成されており、同ガイド面619によって、内側筐体410の装着の際に鉤部617が支持レール300の上側ガイド部350(詳しくは切り欠き部352)に案内される。また、アーム616の外面の後端部には、外側に向かって突出する引っ掛け部620が形成されており。引っ掛け部620の上部には外側に向かって下方に傾斜する案内面621が設けられている。アーム616の外側面の前部には、上下に延びる括れ部622が形成されている。アーム616の後側、例えば引っ掛け部620に側方から内側に向かって外力が加わることで、アーム616は、括れ部622を基準として内側に撓む構成となっている。
【0139】
次に、レバー部材610を所定の回転方向に付勢する付勢部材について説明する。レバー部材610の後側には付勢部材としての板バネ631が設けられている。板バネ631は、水平に延びる長尺状をなしており、ビス等の締結具によって右側板部410eに固定されている。板バネ631の前端は、レバー部材610に設けられた図示せぬ作用部に上側から当接している。これにより、レバー部材610は、鉤部617が常時下側に向かって付勢される構成となっている。本実施の形態においては、付勢部材として板バネ631を用いる構成としたが、板バネ631の代わりにコイルバネを用いることで、鉤部617が常時下側に向かって付勢される構成としてもよい。また、係止手段(レバー部材610及び付勢部材)を左右両側に設ける構成としたが、これに限定されるものではなく、少なくとも片側(例えば内側扉700の開閉基軸側)にあればよい。
【0140】
内側筐体410の側板部410d,410eに備えられた、スライドレール510及びローラ540をはじめとする着脱補助機構とガイドピース530をはじめとする規制手段とレバー部材610をはじめとする係止手段とは、同内側筐体410の底板部410bよりも下方へ突出しない構成となっている。すなわち、内側筐体410の底板部410bの外面が最下部となるように構成されている。ユニット交換時等に内側筐体410(面替えユニット400)を床等に置いた際には、底板部410bの外面(前述した載置部)が床等に当接することとなる。これにより、内側筐体410を不用意に床等に置いた場合にも、側板部410d,410eに備えられた着脱補助機構、規制手段及び係止手段が、変形したり破損したりする等の不具合が防止できるし、ローラ540が転動して内側筐体410が不意に移動してしまうことも防止できる。
【0141】
(内側筐体410の着脱作業の説明)
ここで、内側筐体410(面替えユニット400)の着脱作業について、図23,図24を用いて説明する。図23は、内側筐体410を側方から見た状態での内側筐体410の組み付けの様子を示す部分概略図であり、図24は内側筐体410を筐体11に装着完了した状態を示す概略図である。図23(a)は、内側筐体410のローラ540を支持レール300へ載せた状態を示し、図23(b)は、ローラ540の回動を伴う内側筐体410の移動状態を示し、図23(c)は内側筐体410を支持レール300に装着完了した状態を示す。内側筐体410を装着の際には、図23(a)→図23(b)→図23(c)の順に作業が行われる。以下、内側筐体410の装着作業について説明する。
【0142】
図23(a)に示すように内側筐体410(面替えユニット400)を装着する際には、ローラ540を支持レール300の水平部321に載せ、内側筐体410を持ち上げて筐体11内へ押し込む。本実施の形態においては、支持レール300の前方傾斜部322と前方傾斜面331を有する樹脂ピース330とを設けたことにより、装着の際に持ち上げ高さが若干低い場合でも、それら前方傾斜部322又は前方傾斜面331にローラ540が接触しながら、支持レール300の水平部321へと誘導されるため、ローラ540の支持レール300への引っ掛かりを抑制しスムーズな装着を行うことができる。また、ローラ540が樹脂ピース330を越えて水平部321の上面(以下接触面321aと記す)に載置された状態において、内側筐体410が不意に前方へ転動した場合、樹脂ピース330の後方傾斜面332によってローラ540が引っ掛かるため、内側筐体410が筐体11から意図せず脱落してしまうといった不都合が生じにくい。なお、内側筐体410を取り外す際には、内側筐体410を手前側に引き寄せることでローラ540が樹脂ピース330に当たり、ローラ540が下側ガイド部320の前端にあること、すなわち内側筐体410が筐体11から離脱する直前の状態であることを作業者に示唆することができる。
【0143】
次に、図23(b)に示すように、ローラ540が樹脂ピース330を越えて接触面321a上に載置された状態においては、内側筐体410の被支持部512は、スライドレール摺動面512aが前記樹脂ピース330に接触した状態で前記樹脂ピース330によって支持されており、内側筐体410のローラ540は水平部321によって支持されている。すなわち、内側筐体410は筐体11の支持ユニット260によって片側2点づつの計4点で支持されることとなるため、内側筐体410の重さをいち早くまた安定して筐体11側に預けることができる。また、このように4点で支持されるため(以下4点で支持された状態を点接触状態と記す)、筐体11が有する支持レール300の水平部321の接触面321aに対して内側筐体410が有するスライドレール510のスライドレール摺動面512aが非接触のいわば浮いた状態となる。内側筐体410が前後方向へ移動される場合、ローラ540が接触面321a上を転動し、且つスライドレール摺動面512aが樹脂ピース330に接しながらスライド移動するため、適度な摩擦抵抗を付与しながら内側筐体410の前後への移動が可能になる。
【0144】
樹脂ピース330は、前述した内側筐体410(面替えユニット400)の落下防止手段としての機能だけではなく、内側筐体410を移動する際の摩擦抵抗を軽減する抵抗軽減手段としての機能も併せ有している。この点に着目すれば、支持レール300の前端を折り曲げることで突部を形成し樹脂ピース330の代わりとした場合には、同突部に摩擦抵抗の少ないフッ素樹脂等によるコーティングを施すことが望ましい。
【0145】
本実施の形態においては、樹脂ピース330に形成された頂部333の支持レール300からの突出量をローラ540のスライドレール摺動面512aからの突出量と同等とすることで、スライドレール摺動面512aと接触面321aとは略平行となっている。ここで、例えば樹脂ピース330の高さを同等よりも大きくした場合には、スライドレール摺動面512aの前部が持ち上げられることで内側筐体410の後部が下がるように傾くため、内側筐体410の自重作用を伴って筐体11の奥側への移動をいっそう容易に行うことが可能となる。
【0146】
(ローラ落ち込みと摩擦減速との説明)
ローラ540が支持レール300の後方傾斜面332まで至ると、同ローラ540は、後方傾斜部323に誘導されて下側ガイド部320から離脱する。面替えユニット400の着脱方向における、ローラ540の中心軸と案内部513の下端部とのユニット側ピッチが、後方傾斜面332の上端部と後方傾斜部323の上端部との筐体側ピッチに対してほぼ同等である。このため、ローラ540の離脱とほぼ同期して案内部513が樹脂ピース330の後方傾斜面332へ誘導される。すなわち、図23(b)に示す点接触状態から、スライドレール摺動面512aと接触面321aとが面接触する面接触状態に移行される。なお、図23に示すL1は、内側筐体410が点接触状態で移動される点接触区間あり、L2は、同内側筐体410が面接触状態で移動される面接触区間である。ちなみに、後方傾斜部323が設けられていない場合、L1とL2の切り替えの際に内側筐体410は急に落ち込んで衝撃を受けるが、本実施の形態の構成によれば、内側筐体410は後方傾斜部323に沿って斜め下方に移動するため、衝撃を受ける等の不都合は生じない。
【0147】
上述した面接触状態においては、ローラ540の機能は非活動化されており、樹脂ピース330による滑りも利用されないため、前記点接触状態よりも大きな摩擦抵抗を生じる。これにより、摩擦抵抗の少ない点接触状態で内側筐体410を筐体11の奥側へ勢いよく押し込んだ場合においても、面接触状態に移行されると摩擦抵抗が大きくなり、これが内側筐体410の滑りに対する制動力として作用するため、図23(c)に示す装着完了位置(内側筐体410の突部441が仕切り板250の折曲部251に当接する位置)に到達するまでに同内側筐体410の勢いを減ずることができる。こうすることで、内側筐体410が、筐体11の背板11cに勢いよく衝突して、スロットマシン10が破損したりする等の不具合を抑制することができる。
【0148】
次に、内側筐体410の取り外し作業について説明する。内側筐体410を取り外しの際には、装着時とは逆に図23(c)→図23(b)→図23(a)の順に作業が行われる。図23(c)に示す装着完了状態から内側筐体410を手前側に引き寄せることで、ローラ540は後方傾斜部323に沿って接触面321aまで持ち上げられ、案内部513は樹脂ピース330の後方傾斜面332に沿って頂部333まで持ち上げられる。この際には、ローラ540が後方傾斜部323によって誘導され、案内部513も後方傾斜面332によって誘導されるため、比較的容易に引き寄せることができる。そして、更に手前側へ引き寄せることで、前述したようにローラ540が樹脂ピース330を乗り越え内側筐体410の離脱が完了する(図23(a)参照)。なお、支持レール300とスライドレール510の接触面に摩擦抵抗の少ない素材を用いたり、同接触面に摩擦抵抗の少ないフッ素樹脂によるコーティングを施したりすることで、内側筐体410の滑りをよくし、内側筐体410の押し込み又は引き寄せをより容易に行うことが可能となる。
【0149】
(規制手段の動作の説明)
内側筐体410の着脱の際に、同内側筐体410の着脱方向を規制する規制手段の動作について説明する。図23(a)に示すように内側筐体410(面替えユニット400)を装着する際には、ローラ540を支持レール300の接触面321aに載せ、内側筐体410を持ち上げて筐体11内へ押し込む。筐体11に対して内側筐体410が前後に傾いたまま上述の如く押し込みを行った場合、同内側筐体410の主リブ425が筐体11の天板11aの下面に当接し、同天板11aの下面を主リブ425が滑るように移動する。これにより、内側筐体410が筐体11に斜めに挿入されるといった不都合が規制される。
【0150】
さらに、上述したように、筐体11の第1ボックス480と左右のガイドリブ470とが近接して設けられている。このため、内側筐体410が筐体11に左右に傾いて押し込まれた際には、第1ボックス480とガイドリブ470とが当接することで、その傾きを同内側筐体410の下側にて抑えることができる。内側筐体410が筐体11の奥側へさらに押し込まれた際には、前記第2ボックス490とガイドリブ470とが当接することで、内側筐体410の左右への傾きが同内側筐体410の上側にて抑えられる。このように規制手段(ボックス480,490及びガイドリブ470)を前方では低い位置でそして後方では高い位置で設けたことにより、装着初期には、ずれの小さい下側にて、そして装着完了の際には効果的にずれを抑えることができる上側にて規制することが可能となる。さらに、このように4箇所で規制することで、内側筐体410の左右への回転やねじれも効果的に抑制することができるため、装着完了後の不意のずれを抑制することもできる。
【0151】
すなわち、これらリブ425,470は各板部410a,410d,410eの剛性を高める補強部としての機能だけでなく、面替えユニット400を筐体11に装着の際のずれ規制機能を併せ有している。
【0152】
なお、主リブ425は傾斜面427を備えているため、内側筐体410を押し込む際に、主リブ425が天板11aの前端縁に引っ掛かり、押し込み操作を妨げるといった不具合は生じない。また、副リブ426は主リブ425よりも突出量が小さく抑えられているため、押し込み操作を妨げることはない。同様に、各ガイドリブ470も傾斜面471を備えているため、内側筐体410を押し込む際に、ガイドリブ470がボックス480,490に引っ掛かり、押し込み操作を妨げるといった不具合は生じない。また、補助リブ472もガイドリブ470よりも突出量が小さく抑えられているため、押し込み操作を妨げない。
【0153】
また、図23(b)に示すように、内側筐体410が支持レール300に4点支持された状態において、内側筐体410が所定の位置に至った際に、スライドレール510の樹脂ピース520が支持レール300の上側ガイド部350の下面に近接するように構成されている。すなわち、樹脂ピース520に形成された当接部521の保持部515からの突出量は、ローラ540の下端から当接部521のまでの上下方向の距離が、支持レール300の平行な両ガイド部320,350の距離より若干小さくなるように設けられている。これにより、樹脂ピース330を基準として内側筐体410が回動し、同内側筐体410の後部が上方への浮き上がることを規制することができる。なお、本実施の形態においては、内側筐体410が面接触状態に移行された際には、ローラ540が下側ガイド部320から離脱するに伴い、前記樹脂ピース520も上側ガイド部350から離間する構成となっている。上側ガイド部350の後部に樹脂ピース520の移動にそった傾斜部と段差部を形成することで装着完了までこの上下方向の規制を有効にすることは当然可能である。
【0154】
本実施の形態においては、上記規制手段の他に前記ガイドピース530と前記誘導孔部312とからなり小さなずれを規制する案内手段を設けたことを特徴の一つとする。すなわち、上記規制手段によって着脱方向を規制された内側筐体410は、案内手段によって所定位置に案内される。以下、案内手段の具体的動作について説明する。
【0155】
内側筐体410(面替えユニット400)が支持レール300上に載置され、所定の位置まで押し込まれた際には、前記ガイドピース530の突起533が支持レール300の誘導片311に当接する。さらに押し込まれることで、突起533は、誘導片311によってベース板部310の内面上に誘導され、アーム532が内側方向に撓んだ形となる。すなわち、アーム532は、ベース板部310に向かって付勢された状態となる。
【0156】
内側筐体410がさらに奥側へ移動されアーム532の突起533が誘導孔部312に至った際には、アーム532が弾性力によりもとの形に復元しようとすることで、突起533が誘導孔部312に嵌まる。そして、内側筐体410の奥側への更なる移動に伴い、同突起533も誘導孔部312内を奥側へと摺接移動する。誘導孔部312は、前側に設けられた前側水平孔部313と、同前側水平孔部313より下方且つ後方に設けられた後側水平孔部314とそれらを繋ぐ傾斜孔部315とを備える。これら孔部313〜315は、ローラ540の移動方向に対応してそれぞれ設けられている。すなわち、突起533が前側水平孔部313に存在する状態においては、ローラ540が水平部321上にあり、突起533が傾斜孔部315に存在する状態(点接触状態)においては、ローラ540は後方傾斜部323上にあり、突起533が後側水平孔部314に存在する状態(面接触状態)においては、ローラ540は下側ガイド部320より離脱している。また、傾斜孔部315の勾配は後方傾斜部323の勾配と同等とすることが望ましい。こうすることで、ローラ540が後方傾斜部323を転動している状態でも、同ローラ540の動きとガイドピース530の動きとを同期することができる。
【0157】
以上のように、内側筐体410の押し込み又は引き出しの際には、内側筐体410の移動に合わせて突起533が誘導孔部312嵌まった状態で移動することで、それら押し込み又は引き出しの方向が案内されるため上下方向のずれが生じにくくなる。すなわち、内側筐体410の着脱の際に、作業者が押し込み又は引き出し方向の調整を行う必要がなく、作業の煩雑化を好適に抑制できる。さらに、上記規制手段と案内手段を独立して設けたことで、規制手段によって大きなずれを規制し、案内手段によって小さなずれを規制することができるため、規制手段が厳しくなることで作業性が悪化することなく所定の位置(装着位置)に案内することができる。
【0158】
また、ガイドピース530は上述のごとく抜け落ち防止機能を併せ有している。図11及び図22を用いて、抜け落ち防止機能について詳細に説明する。図11を参照すれば、前記支持レール300の誘導孔部312の前端部には、筐体11の右側板11dに向けて(すなわち内側筐体410から遠ざかる方向に)傾斜する傾斜面318が上下に形成されており(図には下側の傾斜面318のみを示す)、同誘導孔部312の前端縁はこれら傾斜面318に対し不連続となるように構成されている。図22に示すように、ガイドピース530の突起533の前部には、誘導孔部312の前端縁に対応した引っ掛け部535が形成されている。引っ掛け部535は、アーム532から内側筐体410の外方に略直角に起立した壁状をなし、誘導孔部312の前端縁に係止可能となっている。
【0159】
内側筐体410(面替えユニット400)離脱時に、同内側筐体410は、支持レール300の誘導孔部312にガイドピース530の突起533が収容された状態で移動される。これにより、内側筐体410の不意の抜け落ちが防止される。
【0160】
そして、内側筐体410が所定の位置まで引き出された際に、ガイドピース530の引っ掛け部535が誘導孔部312の前端縁に当接し、同内側筐体410のそれ以上の移動が制限される。内側筐体410を所定の角度(本実施の形態においては約10°)以上で後方に傾けることで、ガイドピース530の突起533が上方に移動され、傾斜面318に沿って誘導孔部312から離脱される。これにより、内側筐体410の移動制限が解除され、同内側筐体410を更に引き出すことが可能となる。内側筐体410を離脱する際に、支持レール300に対して同内側筐体410が載った状態であるかどうかを視認しなくても、上記のごとく内側筐体410の移動が一旦停止されることで、作業者は内側筐体410が離脱間近であることを容易に認識し得る。故に、内側筐体410の離脱に際し、作業者が意図せぬ状態で内側筐体410の重量負担が作業者に移ることが抑制され、内側筐体410の抜け落ち防止を図ることができる。
【0161】
(係止手段の動作の説明)
再び図23(c),図25を用いて係止手段の作用について説明する。内側筐体410(面替えユニット400)が支持レール300に沿って筐体11の奥側へ押し込まれると、前述したように、点接触状態から面接触状態に移行される。面接触状態に移行された後、押し込み操作を継続することでレバー部材610の鉤部617が上側ガイド部350の前端に当接する。押し込み操作に伴って、鉤部617は、板バネ631による付勢に抗してガイド面619に沿って上方に持ち上げられ、上側ガイド部350上に載る。そして、内側筐体410の前後方向の位置決めに同期して、鉤部617が切り欠き352に嵌り、同鉤部617は切り欠き352の前端縁に係止された状態となる。すなわち、内側筐体410は、前方への移動を規制された状態となる。
【0162】
鉤部617が切り欠き352に係止された状態においては、レバー部材610の操作部615を板バネ631による付勢に抗して前方に倒し込むことで、支軸613の中心軸を基準としてレバー部材610が回動するため、鉤部617が切り欠き352から離間する。
【0163】
ここで、案内面621はその中心が切り起こし351の起立部354の下端に対応するように形成されている。すなわち、レバー部材610の回動により、アーム616の案内面621の中心は、起立部354の下端に当接する。操作部615を更に前方に倒し込むことにより、案内面621によって引っ掛け部620は起立部354の側面上に案内される。換言すれば、アーム616は、自身が内側に撓むことで起立部354に向かって付勢された状態で上方に持ち上げられる。引っ掛け部620は、起立部354の上端の上方まで移動した際に、アーム616の撓みがもとの状態に復元にするのに伴って、引っ掛け部620が起立部354の上端縁に係止される。これにより、引っ掛け部620が起立部354によって保持され、レバー部材610は、倒し込み操作を行った状態で維持される(図25参照)。すなわち、操作部615の倒し込み操作の後は、継続して同操作部615を保持しておく必要がなく、操作部615を押えながら内側筐体410を引き出すといった、作業の煩雑化を回避することができる。また、レバー部材610の倒し込み操作の後、内側筐体410を手前側に引き寄せることで、引っ掛け部620は起立部354上を摺接移動して上側ガイド部350より離間する。
【0164】
再び図24を用いて、内側筐体410が筐体11に装着完了された状態について説明する。
【0165】
筐体11の奥側においては、スライドレール510の挿入部517に支持レール300のストッパ片316が挿入されている。前記面接触状態において、内側筐体410を筐体11の奥側へ更に押し込みに伴って、ストッパ片316が挿入部517に挿入され上記状態となる。これにより、内側筐体410の後部が不意に上下に移動した場合、ストッパ片316が挿入部517に当接することで同移動が抑制される。一方、筐体11の前側においては、スライドレール510の係合孔551,553に支持レール300の突起343が係合されており上下左右の各方向への移動が規制されている。このように装着完了状態での移動の規制が複数設けられていることで、締結具等の固定手段を用いることなく、内側筐体410の不意の移動が好適に抑制できる。
【0166】
上述したように、これらリブ425,426は筐体11の天板11aに近接して形成されているため、内側筐体410と筐体11の天板11aとの間において、不正基板を設置することのできる空間を削減することができる。また、ガイドリブ470及びボックス480,490も近接して配されるため、内側筐体410と筐体11の各側板11d,11eの間に不正基板を設置することのできる空間を削減することができる。すなわち、これらリブ425,426,470,472及びボックス480,490は不正基板の設置防止手段を構成するといえる。なお、より効果的に不正基盤の設置を防止するために、各リブ425,426,470,472の数を増やしたり、ボックス480,490の数を増やしたり大きさを大きくしたりすることは当然可能である。
【0167】
次に、リール装置650の構成を図19(面替えユニット400の分解斜視図)に基づいて説明する。リール装置650は、前方に開放された合成樹脂製のケース部材651と、そのケース部材651に収容される合成樹脂製のリールプレート652〜654(左リールプレート652、中リールプレート653、右リールプレート654)と、各リールプレート652〜654に取り付けられた左・中・右の3つのリール655〜657(左リール655,中リール656,右リール657)とを具備している。
【0168】
ケース部材651において両側面の前側上隅部には、外側に向かって突出する支持固定部658が設けられ、同支持固定部658の前面の略中央には前後方向に貫通する取付孔659が形成されている。また、ケース部材651において両側面の前側下隅部には、外側に向かって突出する支持固定部660が設けられており、その前面の略中央には前後方向に貫通する取付孔661が形成されている。これら取付孔659,661はリール装置650を内側筐体410に取り付けるための取り付け手段を構成するものである。
【0169】
これら取付孔659,661は、内側筐体410の前記突起436,475に対応して形成されている。取付孔659,661に突起421,475を嵌めた状態で、突起436,475のねじ穴437,476にビスを螺着させることにより、本リール装置650が内側筐体410内部に固定されるようになっている。
【0170】
各リール655〜657の構成については周知であるため、ここでは詳細な図示を省略し、その構成を簡単に説明する。各リール655〜657は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材と、その外周に巻回された帯状のベルトとを備えている。ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている(例えば21図柄)。各リール655〜657の中央部には、駆動源としてのステッピングモータが設けられており、同ステッピングモータの駆動により各リール655〜657が個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動される。
【0171】
リールプレート652〜654は鉛直に起立し前後に延びる板状をなしており、リールプレート652〜654の略中央には前述したステッピングモータが固定されている。リール655〜657は、リールプレート652〜654の右側に回動可能に支持されている。また、リールプレート652〜654の上下の端部がビス等の締結具によってケース部材651に固定された状態においては、各リール655〜657の一部がケース部材651の前面開放部から現出する。各リールプレート652〜654の前側部は、各リール655〜657のケース部材651からの現出部分に対応した形状で構成されている。
【0172】
また、ケース部材651の前面開放部の右側縁部には、右リール657の現出部分を右側より塞ぐように形成された板状の遮蔽部材662がビス等の締結具によって固定されている。
【0173】
リール装置650には、その他の構成として、各リール655〜657の回転位置を検出するためのリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)が設置されている。また、各リール655〜657の内周側には、蛍光ランプ等よりなるバックライト(後方発光手段)が設けられており、このバックライトにより、リール外周面に付された各図柄が後方より明るく照らされるようになっている。バックライトの発光によって、リール外周面に付された各図柄の視認性の向上や、遊技に際し補助的な演出の多様化を図ることができる。
【0174】
本実施の形態においては、各リールプレート652〜654と遮蔽部材662とによって、ケース部材651の内部が外方より見えることを抑制することができる。すなわち、バックライトからの光がリール装置外部へ漏れることを防止することができる構成となっている。
【0175】
(内側扉700の説明)
再び図18,図19を用いて内側扉700の構成を詳細に説明する。内側扉700は、合成樹脂製のベース710と、補助演出装置としての液晶表示装置711と、同液晶表示装置711の前面側の縁部を囲うように設けられた前面枠720と、主制御装置770からの指令に基づく従たる表示制御を実施する表示制御装置730と、前記内側筐体410に内側扉700を取り付けるための軸受け金具745と、前記内側筐体410に対して内側扉700を閉じた状態で保持するための扉係止金具760とを備えている。
【0176】
ベース710は正面から見てほぼ正方形状をなしており、その前面の上部及び下部には、前方へと突出した図示せぬパネル支持部が同ベース710の外周縁に沿って形成されている。液晶表示装置711は、液晶パネルと同液晶パネルを駆動する液晶ドライバとにより構成されており、ベース710と同様に、正面から見てほぼ正方形状をなしている。液晶表示装置711は、ベース710に対応して形成されており、パネル支持部によってその上下を挟持されることでベース710に搭載されている。また、液晶表示装置の四隅には取付部が形成されており、それら取付部が、ビス等の締結具によってベース710に固定されている。
【0177】
また、液晶表示装置711の前面側には同液晶表示装置711を囲うように合成樹脂製の前面枠720が配設されており、同前面枠720は、同前面枠720とベース710との間に液晶表示装置711を挟み込んだ状態で、ビス等の締結具によってベース710に固定されている。前面枠720は、全体として略ロ字状に形成されており、その上部には、液晶表示装置711の上方に向けて延出された遮蔽部721が設けられている。
【0178】
液晶表示装置711の中央下部には横長の矩形状をなす表示窓723が設けられており、ベース710にも表示窓723に対応した表示窓724が設けられている。これにより、ベース710に液晶表示装置711を搭載し、内側扉700を内側筐体410に閉止した状態においては、両表示窓723,724を介して内側筐体410の内部に配されたリール装置650のリール図柄が視認可能となっている。本実施の形態においては、表示窓723を液晶表示のない透明樹脂で構成したが、前後に貫通した貫通孔で構成することも可能である。
【0179】
表示制御装置730は、CPUやメモリ等の電子部品が実装された図示せぬ表示制御基板と、この表示制御基板を収容するための略直方体形状のケース部材(ケース台733及びケースカバー734)とから構成されている。ケース台733及びケースカバー734は透明な合成樹脂材料にて成形されており、これら透明なケース台733及びケースカバー734を通してその内部の表示制御基板が視認可能となっている。ケース台733には、ベース710に取り付けるための取付部が左右2ヶ所に形成されており、このケース台733を介して、表示制御装置730は、ベース710の背面上部に取り付けられている。
【0180】
次に、内側扉700と内側筐体410との組み付け構造について、その具体的構成を説明する。
【0181】
内側扉700は、内側筐体410に設けられた前記扉支持金具740によって開閉可能に支持されている。図17に示すように、扉支持金具740は長尺状をなしており、右側板部410eに形成された取付基部460に組み付けられ、ビス等の締結具(図示略)により固定されている。扉支持金具740の上下2カ所には支軸741,742が設けられており、各支軸741,742は、上方に延びる先細り形状の軸部を有する。この扉支持金具740によって、内側扉700が回動可能に支持されるようになっている。
【0182】
一方、内側扉700のベース710の右端部には、金属板を折り曲げて成形された長尺状の軸受け金具745がビス等の締結具(図示略)により固定されている。軸受け金具745には、前記扉支持金具740の各支軸741,742に対応して、それら支軸741,742の軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具746,747が上下に設けられている。そして、各支軸741,742の上方に支持金具746,747を配置させた上で内側扉700を降下させることにより、支持金具746,747の挿入孔に支軸741,742の軸部が挿入された状態とされる。これにより、内側扉700は、内側筐体410に対して両支軸741,742を結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって内側筐体410の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるように構成されている。
【0183】
内側筐体410の左側板部410dには、筐体11の開口内周縁に沿って長尺状の鉤受け金具750がビス等の締結具(図示略)により固定されている(図18参照)。鉤受け金具750には、上下一対の鉤受け部751,752が設けられており、同鉤受け金具750の下部には前後方向に水平に延びるガイド片753が折り曲げ成形されている。
【0184】
一方、内側扉700の左端側、すなわち同内側扉700の開閉軸の反対側には、その裏面に扉係止金具760が設けられている。扉係止金具760は、上下方向に延びベース710に固定された基枠761と、同基枠761に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆762と、鉤受け金具750のガイド片753に対応して設けられた略直方体で樹脂製のガイドブロック763とを備えている。連動杆762には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具765,766が前記鉤受け部751,752に対応して設けられており、内側筐体410に対して内側扉700を閉鎖した際には、鉤金具765,766が鉤受け部751,752に係止されることにより、内側扉700が閉鎖状態で保持されるようになっている。内側扉700を閉じた際には、前記ガイドブロック763の下面がガイド片753の上面に乗り上げて案内されることで上下方向の位置決めが行われる。このため、前記鉤金具765,766は、上下方向にずれることなく前記鉤受け部751,752へと確実に案内される。
【0185】
また、連動杆762の最下部には、内側扉700の下方に突出した操作片767が設けられている。詳述すれば、操作片767は、連動杆762の下端部を軸受け金具745に向かって直角に折り曲げられて形成されている。この操作片767を押し下げることで連動杆762は下方へ移動される。各鉤金具765,766には係止状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられているため、前述の通り、操作片767が押し下げられると連動杆762が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して各鉤金具765,766が移動されることにより、同鉤金具765,766と鉤受け部751,752との係止状態が解除され、内側筐体410に対する内側扉700の閉止状態が解除される。
【0186】
操作片767を、上述の如く折り曲げて形成したことで、面替えユニット400の内側すなわち内側扉700の開閉基軸側からの操作を行う場合は、操作片767に指を引っ掛けることで容易に押し下げることができる。仮に、面替えユニット400の外側からの操作を行う場合は、同操作片767の折り曲げの向きが反対であることで指等を引っ掛けにくく押し下げが困難になる。このため、面替えユニット400が筐体11に装着完了された状態において、操作片767に近接する筐体11と前面扉12の隙間から工具等が不正に挿入された場合、上述した外側からの操作となり、押し下げ操作は困難となる。さらに、上記の如く工具が侵入した場合、その進入方向と操作片767の操作方向が同一とならないため、不正な操作はよりいっそう困難なものとなる。
【0187】
次に、内側筐体410の内部にリール装置650と共に収容される主制御装置770の概要について図26(主制御装置の表側から見た斜視図)を用いて説明する。
【0188】
主制御装置770は、CPUやメモリ等の電子部品が実装された略横長四角状の主制御基板(図示略)と、この主制御基板を収容するためのケース部材(ケース台772及びケースカバー773)と、同ケース部材をスライドすることで着脱可能に搭載する可動ベース板774とを備えている。ケース台772とケースカバー773と可動ベース板774とは、主基板制御基板に合わせるようにして何れも略横長四角状をなし、ポリカーボネート樹脂等の透明な合成樹脂材料により成形されている。これら透明なケース台772、ケースカバー773及び可動ベース板774を通して、それらの内部に配された主制御基板が視認可能となっている。
【0189】
可動ベース板774は、略長板状の底板部775を有し、同底板部775の長辺にはケース部材を支持するための側板部776,777が形成されている。底板部775の短辺の一側部には、同側板部776,777と連なるようにして段差部778が形成されており、反対側の短辺にはケース部材をスライド装着するための装着口779が形成されている。この場合、ケース部材を装着口779から挿入し、段差部778に当接するまでスライドさせることで、ケース部材が可動ベース板774上の所定位置に装着されるようになっている。
【0190】
また、段差部778と同一側の可動ベース板774の短辺には、その短辺に沿って上下に一対の軸受け部780,781が設けられており、これら軸受け部780,781に対応した支軸を有する図示せぬ支持金具が背板部410cの前面且つ左上部に設けられている。かかる構成において、可動ベース板774の軸受け部780,781に支持金具の支軸が挿通されることで、支持金具に対して可動ベース板774が回動可能な状態で取り付けられる(図6参照)。
【0191】
上記構成においては、主制御基板の電子部品実装面が前方を向くようにして主制御装置770を配置することで、同主制御基板に対する不正確認が容易となる。また、可動ベース板774は、前記支軸を回動中心としておよそ90度程度回動されることで、主制御装置770の回動先端部側が手前側に引き寄せられる。かかる状態では、主制御装置770の裏面側(主制御基板の電子部品実装面と反対側の面)を視認することが可能となり、各種電子部品や電気配線等に異常や不正が無いか等の確認を行うことができる。
【0192】
因みに、実際のスロットマシン10の構成では、図6,図18等に示すように、主制御装置770の前方空間が開放されており、可動ベース板774の前方側への回動動作には何ら支障が生じることはない。仮に内側扉700の裏面にスロットマシン後方に突出する装置や機構が設けられていても、内側扉700の開放に伴い主制御装置770の前方空間が開放され、やはり可動ベース板774の回動動作に支障は生じない。また、可動ベース板774を最大90度程度回動した場合においても、左側板部410dに、主制御装置770との干渉を回避するための上側開口部450が設けられているため回動動作に支障が生じることはない。
【0193】
ケース台772及びケースカバー773には、これら各部材を連結する封印手段としての図示せぬ封印部(いわゆるカシメ部)が複数設けられている。それら封印部は、破壊等を伴うことでケース部材772,773を開封可能とするものであり、開封後には破壊などがなされた部材が開封履歴として残るため、その開封履歴によって開封事実の確認が可能となっている。また、ケース台772及びケースカバー773には、両者に跨るようにして長方形状の封印シールS1が複数(本実施の形態においては2箇所)貼付されている。封印シールS1は、一旦貼付された後に剥がされるとシールラベルから粘着剤が剥がれ、再度貼付することができないものであり、同封印シールS1が剥がされた場合にはその形跡が残ることから、ケース部材から主制御基板が取り外されたかどうかが確認できるものとなっている。かかる構成により、仮にケース部材が不正に開封された場合などにおいては、封印部の確認によって不正行為の発見が可能となっている。
【0194】
一方、可動ベース板774にケース部材を搭載させた状態においては、可動ベース板774とケースカバー773とに跨るようにして長方形状の封印シールS2が貼付されている。封印シールS2も封印シールS1と同様に、一旦貼付された後に剥がされるとシールラベルから粘着剤が剥がれ、再度貼付することができないものであり、封印シールS2が剥がされた場合にはその形跡が残ることから、可動ベース板774からケース部材が取り外されたかどうかが確認できるものとなっている。また、図示は省略するが、可動ベース板774の側板部777とケース部材とには、両者を結合する封印部(いわゆるカシメ部)が複数設けられている。これら封印部の破壊履歴によっても可動ベース板774からケース部材が取り外されたかどうかが確認できるものとなっている。
【0195】
図18〜20に示すように、前記リール装置650の上方(収容凹部442の前側)には、左側板部410dと右側板部410eとの間に渡されて長板状の仕切り板791が水平に設けられている。この仕切り板791の上面には、主制御装置770と前記リール装置650などの各種装置との電気的な接続を行うための中継基板790が搭載されており、同中継基板790に対応して設けられたケース体792によって覆われている。ケース体792は、ポリカーボネート樹脂等の透明な合成樹脂材料により成形されており、同ケース体792を通して、その内部に配された中継基板790が視認可能となっている。なお、図13〜19では、中継基板790が確認しにくいため、図20の斜視図を参照されたい。
【0196】
(コネクタ接続機構の説明)
ここで、図9,図16に基づいて、面替えユニット400と筐体11とを電気的に接続するための接続機構について説明する。接続機構は、筐体11側に設けられた筐体コネクタ811,812と、面替えユニット400側に設けられた面替えコネクタ841,842とからなり、内側筐体410(面替えユニット400)を筐体11に装着した状態で筐体コネクタ811,812と面替えコネクタ841,842とが結合可能な構成となっている。以下、各構成部品を個々に詳しく説明する。
【0197】
(筐体コネクタ811,812の説明)
はじめに、図9に基づいて筐体コネクタ811,812の概略について説明する。筐体コネクタ811,812は、結合相手である面替えコネクタ841,842が挿入される被挿入口811a,812aがスロットマシン前方すなわち内側筐体410(面替えユニット400)の着脱方向前側を向くようにして、筐体11の背板11cの前面上部に左右に並設されている。それら筐体コネクタ811,812に面替えコネクタ841,842が差し込まれることで、筐体コネクタ811,812及び面替えコネクタ841,842間が電気的に接続された状態となる。筐体コネクタ811,812の後部には図示せぬハーネスが接続されており、同ハーネスは、背板11cに形成された図示せぬ溝部に通されて筐体11の下部まで案内され、電源ボックス100やホッパ装置110等に接続されている。
【0198】
左右の筐体コネクタ811,812においては、その構成及び背板11cに対しての取り付け構造が何れも同じであるので、左側の筐体コネクタ811の取り付け構造について図27を用いて詳細に説明する。図27(a)は図9の部分拡大図であり、図27(b)は同図のA−A線断面図である。
【0199】
背板11c内側の上部には左右に延びる略矩形状をなす金属製の基板ベースプレート445がビス等の締結具によって固定されており、同基板ベースプレート445の内面の左側には、横長板状をなすプリント基板813が設けられている。基板ベースプレート445にはプリント基板813を取り付けるための前方に向かって延びる脚部446がプリント基板813の左右の端部に対応して設けられており、同プリント基板813は同基板ベースプレート445の前面との間に空間を有する状態でビス等の締結具によってその脚部446に固定されている。
【0200】
筐体コネクタ811は、スロットマシン10の前方から見て横長の略長方形状をなし、正面に開口(被挿入口811a)を有するボックス状のコネクタ本体811bと、コネクタ811の背側においてコネクタ本体811bの両側部で左右に張り出した張出部815とを備えている。筐体コネクタ811はプリント基板813への取付部としての張出部815の背側を同プリント基板813に当接した状態で配されている。プリント基板813にはコネクタ本体811bに対向する部分に略矩形状の逃げ孔817が設けられており、上述したプリント基板813及び基板ベースプレート445の間に設けられた空間と同逃げ孔817とを介して、ハーネスが筐体コネクタ811の背面側に接続されている。
【0201】
また、スロットマシン10の前方から見て上方に開放された門型状の支持部材819が、コネクタ本体811aの両側部及び下部を囲むように設けられている。支持部材819の両側部には、筐体コネクタ811の張出部815をプリント基板813との間に挟んだ状態で固定するためのコネクタ固定部821が形成されている。筐体コネクタ811の固定構造について詳述すれば、プリント基板813の脚部と筐体コネクタ811の張出部815とには同プリント基板813の背面側からビス等の締結具(図示略)を連通するための貫通孔がそれぞれ形成されており、これに対応して支持部材819のコネクタ固定部821にはビス等の締結具(図示略)をねじ込んで固定するための固定部が形成されている。すなわち、プリント基板813と筐体コネクタ811と支持部材819とは、一体的に結合された状態で基板ベースプレート445に取り付けられている。なお、図9に示す右側の筐体コネクタ812も同様にプリント基板814と支持部材820とによって基板ベースプレート445に固定されている。
【0202】
また、支持部材819の下側には筐体コネクタ811の底部に沿って前方に突出した下側支持部823が設けられており、その前端部には筐体コネクタ811の被挿入口811aに向かって傾斜する誘導傾斜面827が形成されているが、同誘導傾斜面827についての詳細は後述する。
【0203】
(面替えコネクタ841,842の説明)
次に面替えコネクタ841,842について説明する。図14,図16に示すように、面替えコネクタ841,842は、背板部410cの収容凹部442の底部に、前記筐体コネクタ811,812に対応した位置で左右に並設されている。面替えコネクタ841,842は、筐体コネクタ811,812の被挿入口811a,812aに挿入する挿入部841a,842aが内側筐体410(面替えユニット400)の着脱方向後側を向いた状態で、長板状の支持体843を介して収容凹部442に取り付けられている。収容凹部442には、これら面替えコネクタ841,842に対応して内外に貫通した横長の孔部443が形成されており、この孔部443を介して、面替えコネクタ841,842と前記主制御装置770等とが、図示せぬハーネスで接続されている。
【0204】
なおより詳細には、コネクタ841,842の一部が、支持体843の内側(スロットマシン10の前側)に突出してユニット内結合部841cとなっており、そのユニット内結合部841c,842cによって、ユニット内の主制御装置770等との電気的な接続が行われる(図18等参照)。
【0205】
左右の各面替えコネクタ841,842は何れも同じ取り付け構造を有するので、以下、左側の面替えコネクタ841(図14,図16においては右側の筐体コネクタ)の取り付け構造について図28を用いて詳細に説明する。図28(a)は図16の部分拡大図であり、図28(b)は同図のB−B線断面図である。
【0206】
面替えコネクタ841は、スロットマシン10の後方から見て前記筐体コネクタ811に対応した横長の略長方形状をなし、正面に開口(挿入部841a)を有するボックス状のコネクタ本体841bと、面替えコネクタ841の前側(図28(b)の左側)においてコネクタ本体841bの両側部で左右に張り出した張出部845とを備えている。それら張出部845の略中央には前後に貫通する丸孔846が設けられている。
【0207】
支持体843にはこれら丸孔846に対応した位置に内外に貫通する締結孔847が設けられており、丸孔846の後方(図28(b)の右方)からねじ848を挿通し、ねじ848の先端部を同締結孔847にねじ込むことで面替えコネクタ841が取り付けがなされている。丸孔846に対する挿通部を構成するねじ848の軸部849の外径は、丸孔846の内径よりも小さく形成されており、筐体コネクタ841の張出部845は、同ねじ848が有するワッシャ850と支持体843とによって前後に挟まれている。言い換えれば、筐体コネクタ841自身はねじ848によって固定されておらず、ワッシャ850と支持体843によって前後方向への移動を規制された状態で保持されている。筐体コネクタ841は、丸孔846の内壁がねじ848の軸部849に当接する範囲内、すなわち丸孔846と軸部849とによって形成される空隙の範囲内で移動可能な構成となっている。なお、筐体コネクタ841移動可能な範囲を考慮してワッシャ850の外径を設定することで筐体コネクタ841がねじ848から抜け落ちることが防止できる。本実施の形態においては、ねじ848の軸方向が内側筐体410の装着方向と同一となるように構成されており、筐体コネクタ841は内側筐体410の装着方向に対し直交する全ての方向へ約2mm移動可能に構成されている。筐体コネクタ811に対して面替えコネクタ841が離脱した状態では、面替えコネクタ841は自重作用を伴って移動可能範囲内の下限に位置する。詳述すれば、ねじ848と丸孔846とが同心円状に構成されていることで、その下限位置は一義的に決定される。これにより、前記支持部材819の誘導傾斜面827は、面替えコネクタ841の可能範囲内の下限位置に対応して設けられている。
【0208】
上記の如く、面替えユニット400の筐体11内への押し込み方向と各コネクタ811,812,841,842の結合方向とが統一されていることで、内側筐体410(面替えユニット400)の筐体11への押し込み操作に伴って面替えコネクタ841,842と筐体コネクタ811,812とを結合することができる。同様に、内側筐体410の引き出し操作によって面替えコネクタ841,842と筐体コネクタ811,812とを分離することもできる。このため、面替えユニット400の交換作業においては、各コネクタ811,812,841,842を差し込んで結合したり、引き離して結合の解除をしたりする操作を作業者が別途行う必要がない。これにより、面替えユニット400の交換作業を効率的に行うことが可能となる。
【0209】
また、図27に示すように、筐体コネクタ811内部の上面及び下面には、同コネクタ811の被挿入口811aから奥側に向かうに従い上下の間隔が狭まるように傾斜する案内傾斜面860が形成されており、同筐体コネクタ811内部の左側面及び右側面にも、同コネクタ811の奥側に向かうに従い左右の間隔が狭まるように傾斜する案内傾斜面861が形成されている。換言すれば、筐体コネクタ811のコネクタ本体811bの内側は、被挿入口811aに向けて広くなるように形成されており、同被挿入口811aは面替えコネクタ841の挿入部841aよりも大きく構成されている。これら案内傾斜面835,836は誘導傾斜面827と共に、筐体コネクタ811の面替えコネクタ841への結合を案内するコネクタ案内手段を構成している。なお、右側の筐体コネクタ812も同様に、図示せぬ案内傾斜面を有し、右側の支持部材816も図示せぬ誘導傾斜面を有する。
【0210】
コネクタ案内手段としてこれら誘導傾斜面827と案内傾斜面835,836とを設けたことで、面替えユニット400の筐体11への押し込み操作に伴い、移動可能に設けられた面替えコネクタ841,842の位置が筐体コネクタ811,812に合わせて調整される。詳述すれば、面替えユニット400の筐体11への押し込み操作により、先ず、面替えコネクタ841,842の挿入部841a,842aが、誘導傾斜面827に当接することで筐体コネクタ811,812の被挿入口811a,812aに誘導され、さらに押し込まれることで案内傾斜面835,836によって上下及び左右方向への移動を促がされ所定の結合位置に案内される。これにより、筐体コネクタ811,812に対する、面替えコネクタ841,842の位置調整が完了する。したがって、面替えユニット400の交換作業においては、作業者が各コネクタ811,812,841,842の差し込み位置の調整をする必要がないため、面替えユニット400の交換作業をより簡単に行うことが可能となる。さらに、上記の如く、筐体コネクタ811,812は結合状態においても上下及び左右等のいずれの方向にも移動可能であるため、面替えユニット400の交換の際に着脱方向と異なる方向に力が加わっても、コネクタ811,812,841,842の接続箇所に力が集中することを防ぐことができる。これにより、コネクタ811,812,841,842の破損を回避することができる。また、本実施の形態においては、面替えコネクタ811,812が所定の空隙の範囲内で移動可能な構成となっており、コネクタがバネ等の規制部材によって規制された状態で移動可能に構成しているわけではない。すなわち、規制部材が変形することで位置調整が行われる構成ではない。このため、コネクタの移動を規制している部分に負荷が生じにくく、繰り返しの使用にも好適に対応することができる。
【0211】
なお、本実施の形態においては、前記支持部材819の誘導傾斜面827と下側の案内傾斜面860とが連続するように設けられているため、筐体コネクタ811,812の接続の際に、誘導傾斜面827と下側の案内傾斜面860との間で筐体コネクタ811,812が引っ掛かるといった不具合を抑制することが可能となっている。
【0212】
このようにして、面替えコネクタ841,842が、筐体コネクタ811,812に差し込まれることで、それら面替えコネクタ841,842と筐体コネクタ811,812との間が電気的に接続状態となり、主制御装置770からの制御信号がホッパ装置110等に出力され、また、電源ボックス100からの電力が主制御装置770やリール装置650等へ供給される。
【0213】
本実施の形態においては、前述のとおり、面替えユニット400が筐体奥の所定の位置まで移動されると、摩擦抵抗を利用して同面替えユニットの押し込みの勢いを弱める構成としているため、面替えコネクタ841,842が筐体コネクタ811,812に勢いよく衝突することで、同コネクタ811,812,841,842が破損したりする等の不具合を好適に抑制することができる。
【0214】
さらに、面替えユニット400の筐体11への装着状態(各コネクタ811,812,841,842の接続状態)にて、収容凹部442の形状を、プリント基板813,814、支持部材819,820及び筐体コネクタ811,812との干渉を回避するように形成している。こうすることで、面替えユニット400の背板部410cと筐体11の背板11cとを近接して配し、筐体11の内部の奥行きを有効に活用することができるとともに、各コネクタ811,812,841,842の接続部をその周辺の隙間から遮蔽できるため、同コネクタ811,812,841,842の接続部に対する不正行為を防止することができる。
【0215】
(面替えユニット400として完成状態の説明)
面替えユニット400の完成状態を図13〜図18を用いてあらためて説明する。面替えユニット400としては、内側筐体410の内部にリール装置650が取り付けられ、リール装置650の上方には仕切り板791を介して中継基板790が取り付けられている。また、中継基板790の上方には主制御装置770が、背板部410cに固定されており、内側筐体410の前面には液晶表示手段を兼ねた内側扉700が取り付けられている。
【0216】
面替えユニット400の前面側において、内側扉700に設けた液晶表示装置711の表示窓723からはリール装置650の各リール655〜657の一部が視認できる。より具体的には、各リール655〜657の外周に付された多数(本実施の形態では21個)の図柄のうち、リール毎に3つずつの図柄が表示窓723を通じて視認できるようになっている。
【0217】
また、内側扉700に備えられた前面枠720の遮蔽部721には遊技機固有となるキャラクタ等のデザインが施されたデザインプレート(図示略)が取り付けられている。そのデザインプレートは、内側扉700が内側筐体410に閉止された状態において、遊技機前方から視認可能な構成となっている。また、遮蔽部721は主制御装置770の前方に設けられており、面替えユニット400の前方で外部から主制御基板771を直接視認されるといった不都合を抑制することができる。すなわち、内側扉700は、面替えユニット400の正面視において、内側筐体410の開口部をほぼ全域で塞ぐように設けられている。内側扉700は、内側筐体410の内部を外部より遮蔽する遮蔽手段を構成するといえる。
【0218】
上述したように、面替えユニット400においては、内側扉700は扉支持具740によって着脱自在に軸支されているため、内側筐体410から、特別な工具等用いることなく簡単に取り外すことができる。これにより、表示制御装置730を内側筐体410側に設ける構成とすることで、内側扉700もリユースの対象とすることが可能となる。すなわち、スロットマシン10の構成部品のリユース性向上を図ることができる。
【0219】
(面替えユニット400の交換作業の説明)
ここで、遊技ホールでの機種入替時などにおける面替えユニット400の交換作業について説明する。この場合、先ずは規定の操作キーK(図3参照)を用いて前面扉12の施錠を解除し、前面扉12を所定の角度以上に開放する。次に、内側扉700の左下部に設けられた操作片767を押し下げることで、同内側扉700を内側筐体410に係止している鉤金具765,766の係止状態を解除する。そして、同内側扉700を所定の角度以上に開放した後、面替えユニット400内に設けられたレバー部材610の操作部615を手前側に倒すことで面替えユニット400の係止状態を解除し、内側扉700のみを閉じる。そして、面替えユニット400を支持レール300に沿って手前側に引き寄せ、内側筐体410が引っ掛かったら(一旦停止されたら)、その前側を10°程度持ち上げる。もう一度手前側に引き寄せて、離脱直前で樹脂ピース330に接触したら、更に手前に引き寄せることで同面替えユニット400を離脱させる。
【0220】
その後、新しい面替えユニット400を離脱時とほぼ逆の操作手順で装着する。すなわち、新しい面替えユニット400を、支持レール300に沿わせるように筐体11の奥側に押し込み、折曲部251に当接したら面替えユニット400の押し込みを終える。その後、前面扉12を閉じることでスロットマシン10が施錠状態となり、ユニットの交換が完了する。なお、機種入替時には下部プレート80の差し替えも行われる。
【0221】
交換作業時には、面替えユニット400とそれ以外の各種部材(電源ボックス100、ホッパ装置110等)とを結ぶ電気配線用のコネクタ811,812,841,842が、同面替えユニット400の押し込み操作により接続され、引き寄せ操作により接続が解除されるので、同コネクタ811,812,841,842の接続及び解除操作を別途行わなくてもよい。
【0222】
(スロットマシン10の完成状態の説明)
スロットマシン10の完成状態を図1〜5を用いてあらためて説明する。スロットマシン10としては、筐体11の内部に面替えユニット400等の各種構成部品が収納され、筐体11の開口部を塞ぐように前面扉12が設けられている。前面扉12に設けた視認窓21,22からは面替えユニット400の液晶表示装置711が視認でき、視認窓22からは同面替えユニット400の表示窓723を介して各リール655〜657の一部が視認できる構成となっている。
【0223】
図29(スロットマシン側面における面替えユニットの装着した状態を示す模式図)に示すように、面替えユニット400の内側筐体410は、同内側筐体410の前部を筐体11の開口部よりも前方に突出して装着されている。すなわち、内側筐体410と内側扉700との境界B1は、前面扉12と筐体11との境界B2に対して奥行き方向にずれている。具体的には、内側筐体410と内側扉700との境界B1が、前面扉12と筐体11との境界B2よりも前方に配されている。前記鉤受け金具220の鉤受け部221,222は両境界B1,B2よりも後側に設けられている。換言すれば、それら鉤受け部221,222が筐体11の右側板11eと内側筐体410の右側板部410eとに挟まれた位置に設けられている。このように、鉤受け部221,222が前記隙間よりも後方で且つ右側板11eと右側板部410eとに挟まれた位置に設けられているため、筐体11の開口縁部と前面扉12の外周後端とが対向する部分の隙間(境界B2)から針金やフィルム等を侵入させての前面扉12の開放が困難となる。故に、不正行為を抑制することができる。
【0224】
背板部410cは、図24(概略図)に見られるように概ね平面状をなしており、面替えユニット400が筐体11内に搭載された状態で、背板部410cを背板11cに対して略平行になるように形成されており、筐体11の奥行き領域を最大限に活用することができる。また図9及び図15を参照して説明すれば、各側板部410d,410eも筐体11も同様に、筐体11の内周面(側板11d,11e)とそれぞれ略平行になるように形成されていることで、筐体11の左右方向の領域も有効に活用できる。
【0225】
また、内側筐体410の収容凹部452は、面替えユニット400の装着方向への移動の際に、前面扉12と内側筐体410とが干渉をしない大きさで形成されている。詳述すれば、前面扉12を取り外すことなく所定の角度以上で開放していれば、干渉しない構成となっている。これにより、作業者は、前面扉12を装着したままの状態で前面扉12への干渉を気にすることなく装着方向へ向かって真っ直ぐ押し込み作業及び引き出し作業を行うことができる。故に、作業性を向上することができる。
【0226】
図5に示すように、本実施の形態においては、筐体11に設けられた前面扉12と、内側筐体410に設けられた内側扉700との開閉基端軸をそれぞれ左右反対側に備える構成とした。このため、内側扉700を開放して内側筐体内部に搭載された主制御装置770にアクセスするためには、前面扉12を所定の角度以上開く必要が生じる。すなわち、主制御装置770への不正なアクセスを行うためには、前面扉12を大きく開く必要があるため、遊技場のスタッフや監視カメラから死角を作りづらくなり、不正行為を防止することができる。また、仮に行われたとしても、遊技場のスタッフや監視カメラに捉えられやすいため、容易に不正行為を発見することが可能である。
【0227】
さらに、内側扉700を開放するための操作片767を前面扉12の開閉基軸側に設けたことで、操作片767を操作するためには前面扉12を所定の角度以上開く必要が生じる(図4参照)。すなわち、前面扉12を少しだけ開き、内側扉700の係止状態を解除することが困難となる。このため、両扉12,700を少しだけ開いた状態で、その隙間から主制御装置770にアクセスすることを抑制することができる。
【0228】
上記のごとく、面替えユニット400の内部は、外部からの不正なアクセスが好適に抑制されている。このため、不正の対象となりやすいスロットマシン10の構成部品を面替えユニット400内部に収容することで、それら構成部品に対して行われる不正の抑制が期待できる。本実施の形態では、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットスイッチ102とメダルの出玉調整を行うための設定キー挿入孔103とを電源ボックス100に設ける構成としたが、これを変更し、面替えユニット400の内部例えば主制御装置770に、それらリセットスイッチ102及び設定キー挿入孔103を設けてもよい。これにより、ワイヤ等の不正具を用いてスロットマシン10の出球設定が変更するといった不正を抑制することが可能となる。
【0229】
図4に示すように、筐体11の側板11d,11eと面替えユニット400の側板部410d,410eとに挟まれた空間に前面扉12を閉止するための鉤受け部221,222を備える構成とした。すなわち、鉤受け部221,222を面と面とに挟まれた領域に配置している。これにより、ワイヤやセロハン等を用いて鉤を外そうとしても、その移動許容範囲を規制することができ、前面扉12の不正開放を抑制することができる。
【0230】
図6に示すように、面替えユニット400の係止解除操作をするためのレバー部材610においては、その操作部615が同面替えユニット400の内外に連通している。面替えユニット400の外部より操作可能な操作部615の露出部は、筐体11の側板11d,11eと面替えユニット400の側板部410d,410eとに挟まれた空間にある。このため、不正解除を目的として、上記空間に指や針金等を差し入れて操作することは困難であり時間がかかるため、遊技場のスタッフや監視カメラに捉えられやすいく、容易に不正行為を発見することが可能となる。一方、上記の如く外部からの操作も可能であるため、内側扉700の閉止機構の不具合により、同内側扉700を開放するのが困難な場合においても、面替えユニット400の係止状態を外部から解除し、同面替えユニット400を取り外すことが可能となる。なお、本実施の形態においては、レバー部材610を面替えユニット400の内外から操作可能な構成としたが、面替えユニット400の外側から操作部615を完全に隔離することで、より好適に不正操作を抑制できる構成としてもよい。
【0231】
筐体11及び面替えユニット400には、両者を連結する封印手段としての封印部(いわゆるカシメ部)が複数設けられている。詳細には、面替えユニット400(詳しくは補強プレート411)に設けたユニット側丸孔413と筐体11に設けた筐体側丸孔(図示略)とをカシメ用のバンド(図示略)で離脱不能な状態で連結している。それら封印部(カシメ用のバンド)は、破壊等を伴うことで面替えユニット400の取り外しを可能とするものであり、取り外し後には破壊などがなされた部材が開封履歴として残るため、その開封履歴によって開封事実の確認が可能となっている。かかる構成により、仮に面替えユニット400が不正に取り外しされた場合などにおいては、封印部の確認によって不正行為の発見が可能となっている。
【0232】
(電気的構成の説明)
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図30のブロック図に基づいて説明する。
【0233】
主制御装置770には、演算処理手段であるCPU901を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU901には、電源ボックス100の内部に設けられた電源装置902の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路903や、入出力ポート904などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置770は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
【0234】
主制御装置770の入力側には、スタートレバー45の操作を検出するスタート検出センサ921、各ストップスイッチ50〜52の操作を個別に検出するストップ検出センサ922,923,924、メダル投入装置30から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ925、各ベットスイッチ40,41の操作を個別に検出するベット検出センサ926,927、精算スイッチ55の操作を検出する精算検出センサ928、各リール655〜657の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ929、ホッパ装置110から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ930、電源ボックス100に設けたリセットスイッチ102の操作を検出するリセット検出センサ931、設定キー挿入孔103に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ932等の各種センサが接続されており、これら各種センサ921〜932からの信号は入出力ポート904を介してCPU901へ出力されるようになっている。
【0235】
なお、投入メダル検出センサ925は実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入装置30からホッパ装置110に至る貯留用通路32は、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、貯留用通路32には第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ925が構成されている。主制御装置770は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、主制御装置770は第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、貯留用通路32でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ925付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
【0236】
また、主制御装置770の入力側には、入出力ポート904を介して電源装置902に設けられた停電監視回路902bが接続されている。電源装置902には、主制御装置770を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部902aや、上述した停電監視回路902bなどが搭載されている。
【0237】
停電監視回路902bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源ボックスに設けた電源スイッチによる電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路902bは、電源部902aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号を出力するように構成されている。停電信号はCPU901と入出力ポート904のそれぞれに供給され、CPU901はこの停電信号を認識することにより停電時処理を実行する。
【0238】
電源部902aからは出力電圧が22ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置770などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間としては、主制御装置770による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
【0239】
主制御装置770の出力側には、各リール655〜657を回転させるための各ステッピングモータ等、セレクタ31に設けられたメダル通路切替ソレノイド、ホッパ装置110、表示制御装置730、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板945等が入出力ポート904を介して接続されている。
【0240】
表示制御装置730は、中央ランプ部26等の各種ランプ、スピーカ部82,83の後側に設けられた各種スピーカ、液晶表示装置711を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置770からの信号を受け取った上で、表示制御装置730が独自に各種ランプ、各種スピーカ及び液晶表示装置711を駆動制御する。従って、表示制御装置730は、遊技を統括管理するメイン基板たる主制御装置770との関係では補助的な制御を実行するサブ基板となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基板を設けることにより、メイン基板の負担軽減を図っている。
【0241】
上述したCPU901には、このCPU901によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM952と、このROM952内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM953のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM952とRAM953によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種のプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM952に記憶されている。
【0242】
RAM953は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置902からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM953には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
【0243】
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源ボックス100に設けた電源スイッチの操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチの操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、CPU901のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路902bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
【0244】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0245】
面替えユニット400の移動によって生じる摩擦抵抗が相対的に低い点接触状態と摩擦抵抗が相対的に高い面接触状態との二つの状態が存在することで、点接触状態では面替えユニット400は容易に移動され、面接触状態ではその摩擦抵抗により面替えユニット400の移動が妨げられる。このため、点接触状態で勢いよく面替えユニット400を押し込んだ場合においても、面接触状態にて同面替えユニット400を制動することができ、勢いを保ったまま筐体側に衝突することが抑制できる。以上により、面替えユニット400を装着した際の、スロットマシン10の損傷を抑制することができる。
【0246】
点接触状態においては、ローラ410による回動と、樹脂ピース330による摺動を併用することで、適度な摩擦抵抗を付与した状態で着脱作業を行うことができるため、作業性の向上を図ることができる。
【0247】
また、左右一対のローラ410を設け、同様に左右一対の樹脂ピース330を設けたことで、点接触状態において片側2点の計4点で面替えユニット400を支持することができるため、安定して着脱作業を行うことができる
スライドレール510のスライドレール摺動面512aと支持レール300の接触面321aとが長尺状の平面同士で接触するため、接触面積を稼ぐことができ、より大きな摩擦抵抗を発生させることが可能である。故に、面接触状態において面替えユニット400を効果的に制動し筐体側への衝突を緩和することができる。
【0248】
筐体の両側板11d,11eに支持レール300を設け、これに対応してスライドレール510を左右に設けたことで、面替えユニット400を制動する機能を確保しつつ、スロットマシン10全体としての重量負担の軽減を図ることができる。
【0249】
スライドレール510のスライドレール摺動面512aと支持レール300の水平部321とが、面替えユニット400の自重を伴いながら接触しているため、面替えユニット400の自重を利用することでより効果的に制動力(摩擦抵抗)を発生することができる。さらにこの制動力は面替えユニット400の自重に比例して大きくなるため、新規面替えユニット400への入替の際にも制動力を別途調整する必要がない。すなわち、面替えユニット400の重量が変更になった場合においても、それに合わせた制動力を得ることができる。
【0250】
点接触状態から面接触状態へ連続して移行するため、それらの境界で摩擦抵抗が急激にに増加する。これにより、摩擦抵抗が緩やかに増加する場合と比較して、両状態の差をより明確にすることができる。この場合、面替えユニット400の押し込み作業に際して、面替えユニット400がその境目を通過することで、同面替えユニット400が配置完了位置に近づき、制動すべき位置にあることを作業者に示唆することが可能となる。
【0251】
点接触状態から面接触状態への移行に伴いローラ540の水平部321からの離脱とスライドレール摺動面512aの樹脂ピース330からの離脱が同期する。これにより、低摩擦区間から高摩擦区間に面替えユニット400が移動する際に、同面替えユニット400が前後に傾くことを抑制でき、安定して装着作業を行うことができる。また、離脱の際にはローラ540が後方傾斜部323に沿って、案内部513は樹脂ピース330の後方傾斜面332に沿って移動するため、離脱時の衝撃を緩和することができると共に、面替えユニット400の着脱をスムーズに行うことができる。
【0252】
面替えユニット400の装着完了状態において、スロットマシン10は、面替えユニット400を前方に移動するためのエネルギーを有さない。バネやゴム等の弾性部材を使用して面替えユニット400の運動エネルギーをそれらバネやゴム等の変形により吸収する構成とした場合、それらが変形したままの状態で塑性し制動のための機能が低下してしまう可能性があるが、このような場合とはことなり制動機能の低下を好適に回避することができる。すなわち、安定した使用が可能となる。また、面替えユニット400の装着位置に関しても、ばらつきを抑えて安定した精度確保が可能となる。特に、本実施例においては、面替えユニット400の背面側でコネクタ結合を行っているため、上記のごとく、装着位置精度が向上することで、コネクタの結合も安定して行いやすい。
【0253】
筐体11の各側板11d,11eに設けられた支持レール300と面替えユニット400の各側板部410d,410eに設けられたスライドレール510とにより、面替えユニット400の側方すなわち面替えユニット400のより重心に近い位置にて制動を行うことができる。このため、面接触状態すなわち制動状態においても面替えユニット400の前後への傾き(ぐらつき)を低減し、より安定してバランスを保つことが可能となる。すなわち、安定して摩擦抵抗を利用することができるため、筐体側への衝突を緩和することが可能となる。
【0254】
面替えユニット400の装着に際し、筐体11の奥側で筐体コネクタ811,812と面替えコネクタ841,842との接続が行われるが、上記の如く、面接触状態での制動が行われるため、それらコネクタに衝突による負荷がかかりにくい。これにより、面替えユニット400を装着する際のコネクタ811,812,841,842の破損が好適に抑制できる。
【0255】
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0256】
(a)上記実施の形態では、筐体11側の支持レール300と面替えユニット400側のスライドレール510との接触部分(低摩擦区間)において低摩擦抵抗を生じさせるための構成として、スライドレール510に「点接触部材」としてのローラ540を設けたが(図13,図21参照)、これを変更し、点接触部材として、スライドレール摺動面512aに対して下方に突出すると共に水平部321(詳しくは接触面321a)に対し点接触可能な滑り部を設ける構成としてもよい。滑り部を、支持レール300(詳しくは接触面321a)に接触した状態でスライドレール510のスライドレール摺動面512aよりも小さな摩擦抵抗を生じる材質で構成することで、ローラ540を用いた場合と同様に、低摩擦区間における作業性を担保することができる。滑り部を内側筐体410又はスライドレール510と一体的に形成し、その滑り部にフッ素樹脂加工等のコーティングを施してもよい。これにより、部品点数の削減を図ることが可能となる。
【0257】
(b)同じく筐体11側の支持レール300と面替えユニット400側のスライドレール510との接触部分(低摩擦区間)において低摩擦抵抗を生じさせるための構成として、支持レール300の下側ガイド部320に「支持体」としての樹脂ピース330を別体で設けたが(図8,図11参照)、これを変更し、下側ガイド部320の前部を曲げ加工することで突部を形成し、それを「支持体」として使用する構成としてもよい。これにより、部品点数の削減を図ることができる。突部の上面には、フッ素加工等の表面処理を施したり、所定の摩擦係数の貼付部材(テープ部材など)を貼付したりすることが摩擦抵抗低減の観点から望ましいと言える。又は、樹脂ピース330を用いない構成としてもよい、この場合、低摩擦区間においては、面替えユニット400がスライドレール510のローラ540のみで点支持される。
【0258】
また、支持レール300の下側ガイド部320に「支持体」としての樹脂ピース330を設ける構成に代えて、同支持体として、面替えユニット400の装着方向に回動可能なローラ部材をその外周の一部が水平部321から上方に突出するように設ける構成としてもよい。本構成においても、面替えユニット400の押し込みを容易に行うことができる。
【0259】
(c)上記実施の形態では、低摩擦区間において支持レール300(詳しくは下側ガイド部320)とスライドレール510(詳しくはローラ540)とを点接触させるとともに、高摩擦区間において支持レール300(詳しくは下側ガイド部320)とスライドレール510(詳しくは被支持部512)とを面接触させる構成としたが、これを以下のように変更する。
【0260】
例えば、低摩擦区間及び高摩擦区間の両区間において支持レール300とスライドレール510とが面接触状態で保持される構成とする一方、かかる構成において特に、低摩擦区間では、支持レール300及びスライドレール510の少なくともいずれかの面粗度を相対的に小さくし、高摩擦区間では、支持レール300及びスライドレール510の少なくともいずれかの面粗度を相対的に大きくする。すなわち、低摩擦区間において互いに接触する部分の面粗度を小さくし、高摩擦区間において互いに接触する部分の面粗度を大きくすることで、作業負荷及び制動力を考慮した最適な摩擦抵抗を付与することができる。なお、支持レール300及びスライドレール510について表面加工や表面処理によって面粗度に差異が付与されているとよい。
【0261】
また、低摩擦区間において支持レール300とスライドレール510とを線接触させるとともに、高摩擦区間において支持レール300とスライドレール510とを面接触させる構成としてもよい。具体的には、スライドレール510にローラ540を設ける構成に代えて、同スライドレール510にスライドレール摺動面512aから下方に突出する突出部を設け、この突出部が支持レール300の下側ガイド部320(水平部321)に対して線接触するように構成する。これにより、低摩擦区間では突出部と水平部321とが線接触する線接触状態とし、高摩擦区間では上記実施の形態と同様に面接触状態とすることができ、これにより摩擦抵抗の差異を生じさせることができる。
【0262】
(d)上記実施の形態では、筐体11の支持レール300と面替えユニット400のスライドレール510とが接触する部分において、低摩擦となる部位と高摩擦となる部位とを設ける構成とした。これを以下のように変更してもよい。すなわち、筐体11に、面替えユニット400(例えば内側筐体410)と接触する他の筐体側接触部材を設け、その筐体側接触部材と面替えユニット400を構成する内側筐体410とが接触する部分において、低摩擦となる部位と高摩擦となる部位とを設ける構成としてもよい。
【0263】
例えば、筐体11の両側板11d,11e及び天板11aの少なくともいずれかの内面に、前後に延び且つ内側筐体410に接触する筐体側接触部材を設け、当該筐体側接触部材に、内側筐体410との間に相異する摩擦抵抗を生じる高低二つの摩擦区間(領域)を設定するとよい。この場合、内側筐体410(詳しくは各板部410a,410d,410e)と筐体側接触部材との互いに接触する部分にコーティング等の表面処理を施すことで、摩擦抵抗の異なる高低の摩擦区間を容易に実現することができる。
【0264】
より具体的には、内側筐体410の側板部410d,410eに形成したガイドリブ470と筐体11の内壁面に設けたボックス480,490とを互いに接触するように構成し、摩擦抵抗の発生手段として利用する。例えば、ボックス480とボックス490との材質又は表面処理を互いに異なるものとし、ガイドリブ470との間に前側のボックス480よりも後側のボックス490の方が大きな摩擦抵抗を生じるよう構成する。この場合、ボックス480,490が前記筐体側接触部材に相当する。内側筐体410を装着する際には、先ず内側筐体410(詳しくはガイドリブ470)とボックス480とが接触する。その後筐体11の奥側へ移動することで内側筐体410とボックス490とが接触し摩擦抵抗が増加する。これにより、内側筐体410の制動を実現することができる。なおこの場合、支持レール300とスライドレール510との間に高低の両摩擦区間を設定する必要は必ずしもなく、ローラ540によって装着の際の移動を終始補助する構成としてもよい。また、上述したボックス480,490を利用することによる制動と支持レール300を利用することによる制動とを併用することで、複数の位置で制動を行うことが可能となり、制動の際のユニット本体のバランスが向上することが可能となるとともに、よりいっそう大きな制動力を発生させることが可能となる。
【0265】
(e)上記実施の形態では、面替えユニット400を支持する支持レール300に、後方傾斜部323を設ける構成としたが、その後方傾斜部323を設けない構成であってもよい。
【0266】
(f)上記実施の形態では、リール装置650を筐状の内側筐体410に搭載する構成としたが、これを変更し、枠状の支持体にリール装置650を搭載する構成としてもよい。また、内側筐体410は合成樹脂製としたが、この材質を変更し、金属製としてもよい。なお以上の構成を組み合わせて、金属製で枠状の支持体にリール装置650を搭載してもよいことは言うまでもない。
【0267】
(g)筐体11の背板11cと内側筐体410の背板部410cとのそれぞれが対向する面に緩衝部材(ウレタンパッドやシリコンパッド等)を設ける構成としてもよい。これにより、最初に面接触状態で面替えユニット400の勢いが減ぜられ、その後内側筐体410が緩衝部材に衝突して面替えユニット400の残りの勢いを吸収可能であるため、より好適にスロットマシンの破損を抑制することができる。
【0268】
(h)上記実施の形態では、筐体11の補強部材として仕切り板250を設ける構成としたが、この仕切り板250を設けない構成であってもよい。この場合、面替えユニット400の位置決め手段としての折曲部251の代わりに、突部441の当接対象を支持レール300又は背板11cに設ければよい。
【0269】
(i)上記実施の形態では、図24等に示すように、筐体11の各側板11d,11eに設けた支持レール300と面替えユニット400の各側板部410d,410eに設けたスライドレール510等とによって、面替えユニット400の支持を行う構成とした。これを変更し、例えば、面替えユニット400の底板部410bにスライドレール510等を設ける構成としても良い。
【0270】
(j)上記実施の形態では、筐体11の内壁面にスペーサ部材270を取り付けることで各側板11d,11eからの支持レール300のオフセット量を調整する構成としたが、スペーサ部材270を用いる構成に代えて、支持レール300の大きさ及び形状を変更することで前記オフセット量の調整を行うことも可能である。これにより部品点数削減を図ることができる。
【0271】
(k)上記実施の形態では、開閉可能に設けた前面扉12により筐体11の開口部を塞ぐ構成としたが、これを変更し、上下に分割して設けた上扉と下扉とで筐体11の開口部を塞ぎ、それら上扉と下扉とを筐体11に開閉可能な状態でそれぞれ取り付ける構成してもよい。また、上扉を内側筐体400に取り付け、下扉を筐体11に開閉可能に取り付ける構成としてもよい。
【0272】
(l)上記実施の形態では、面替えユニット400に内側扉700を設ける構成としたが、同内側扉700を設けない構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0273】
【図1】一実施の形態におけるスロットマシンの全体構成を示す斜視図である。
【図2】スロットマシンの正面図である。
【図3】スロットマシンの側面図である。
【図4】前面扉を開いた状態のスロットマシンの斜視図である。
【図5】前面扉と内側扉とを開いた状態のスロットマシンの斜視図である。
【図6】前面扉と内側扉とを開いた状態のスロットマシンの正面図である。
【図7】前面扉を取り外した状態のスロットマシンの側面図である。
【図8】筐体の内部構造を示す斜視図である。
【図9】筐体の内部構造を示す正面図である。
【図10】スペーサ部材の構成を示す斜視図である。
【図11】支持レールの構成を示す斜視図である。
【図12】スペーサ部材と金具との関係を示す模式図。
【図13】面替えユニットを前方斜め上方から見た斜視図である。
【図14】面替えユニットを後方斜め上方から見た斜視図である。
【図15】面替えユニットの正面図である。
【図16】面替えユニットの背面図である。
【図17】面替えユニットの側面図である。
【図18】内側扉を開いた状態の面替えユニットの斜視図である。
【図19】面替えユニットを主要構成部品毎に分解して示す分解斜視図である。
【図20】内側筐体の構成を示す斜視図である。
【図21】図20の部分拡大図である。
【図22】スライドレールとレバー部材と板バネとを拡大して示す分解斜視図である。
【図23】内側筐体を側方からみた状態での内側筐体の組み付け時の様子を示す部分概略図である。
【図24】内側筐体を側方からみた状態での内側筐体を筐体に装着完了した様子を示す概略図である。
【図25】レバー部材の動作を説明するための平面図及び側面図である。
【図26】主基板ユニットの構成を示す表側から見た斜視図である。
【図27】(a)は図9の部分拡大図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図28】(a)は図16の部分拡大図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図29】スロットマシンを側方からみた状態での面替えユニットを筐体に装着完了した様子を示す概略図である。
【図30】スロットマシンの回路ブロック図である。
【符号の説明】
【0274】
10…遊技機としてのスロットマシン、11…筐体、11d…左側板、11e…右側板、22…表示窓としての下側視認窓、300…支持部材としての支持レール、321a…接触面、323…傾斜部としての後方傾斜部、330…支持体としての樹脂ピース、400…表示ユニットとしての面替えユニット、410…ユニット本体としての内側筐体、510…面接触部材としてのスライドレール、512a…スライドレール摺動面、513…第2傾斜部としての案内部、540…点接触部材としてのローラ、650…絵柄表示装置としてのリール装置、700…主制御装置、711…補助表示装置としての液晶表示装置、730…補助演出制御装置としての表示制御装置、L1…点接触区間、L2…面接触区間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機前方に開放された筐体と、
遊技に関する各種制御を実施する主制御装置、及び遊技に際し絵柄を変動表示する絵柄表示装置を有しそれら主制御装置及び絵柄変動表示装置をユニット本体内に搭載した表示ユニットと、
前記筐体内に設けられ、同筐体内にて前記ユニット本体を移動可能に支持する支持部材とを備え、
前記ユニット本体が前記支持部材に接触した状態で前記表示ユニットが前記筐体の奥側に移動することにより、同表示ユニットが前記筐体に装着されるようにした遊技機において、
前記表示ユニットの前記筐体への装着に際し表示ユニットが装着完了位置まで移動する区間に、前記ユニット本体とそれに接触する前記支持部材又は他の筐体側接触部材との間に摩擦抵抗を生じる低摩擦区間と、前記低摩擦区間で生じる摩擦抵抗よりも大きい摩擦抵抗を生じる高摩擦区間とを、前記低摩擦区間が手前側、前記高摩擦区間が奥側となるように設けたことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2008−272224(P2008−272224A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−119570(P2007−119570)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】