遊技機
【課題】入賞口が設定された遊技領域に向けて発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようにした遊技機において、正規な遊技球よりも径の小さい不正球を確実に検出する。
【解決手段】発射装置61に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路221に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段280を設け、不正球の使用を防止する。また、待機流路221に段差283を設け、段差面284よりも下流側に待機する遊技球の数を規制するとともに、該規制された遊技球の最上流に位置する遊技球を検出可能に遊技球検出手段(不正球検出センサ282)を配設する。
【解決手段】発射装置61に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路221に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段280を設け、不正球の使用を防止する。また、待機流路221に段差283を設け、段差面284よりも下流側に待機する遊技球の数を規制するとともに、該規制された遊技球の最上流に位置する遊技球を検出可能に遊技球検出手段(不正球検出センサ282)を配設する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入賞口が設定された遊技領域に向けて発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようにした遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、発射装置により遊技球を遊技領域に向けて上方に発射することで遊技を行うようにした遊技機が知られている。
上記遊技機においては、球貯留皿から遊技球を1個ずつ発射位置に供給し、該発射位置の遊技球を発射するような遊技機が一般的であるが、近年では、遊技領域に発射されて遊技を終了した遊技球を遊技機の内部で再び回収するとともに、該回収した遊技球を再度発射装置に供給するようにした封入球式遊技機も考えられている。
上記遊技領域には、種々の入賞口が設けられ、この入賞口への入賞率はその上部に植設された障害釘の調整により設定されているが、この調整は予め定められている正規な遊技球を基準に行われている。
したがって、このような遊技機において、正規な遊技球よりも径の小さい不正球を使用することで、入賞口への入賞率を高めるような不正行為が行われる可能性がある。
このような不正行為を防止するために、打球通路に遊技球の球高を測定するセンサを設けることで各遊技球の球高を測定し、小径球を検出するような遊技機が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭62−377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、入賞口への遊技球の入賞率は、遊技球の僅かな径の違いでも変化するようなものに対して、従来のように直接1個の遊技球の径を測るような方法では、このよう微妙な径の違いを検出することは非常に困難である。
【0004】
本発明の課題は、入賞口が設定された遊技領域に向けて発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようにした遊技機において、正規な遊技球よりも径の小さい不正球を確実に検出することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、入賞口が設定された遊技領域に向けて発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようにした遊技機において、
前記発射装置に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段を設け、
前記監視手段は、前記待機流路において複数番目に待機する遊技球を検出可能な遊技球検出手段を含み、該遊技球検出手段からの検出信号に基づいて該待機流路において不正球が存在する場合に正規な遊技球と不正球との径の差に起因して該複数番目の遊技球の位置が変化することを検出することで不正球の有無を監視するものとし、
前記待機流路に段差を設け、該段差面よりも下流側に待機する遊技球の数を規制するとともに、該規制された遊技球の最上流に位置する遊技球を検出可能に前記遊技球検出手段を配設したことを特徴とする。
【0006】
ここで、「複数番目に待機する遊技球」とは、待機流路に並んだ遊技球のうち2番目以降の遊技球である。なお、不正球の有無の監視には、不正球を直接監視(検出)する場合と間接的に監視する場合とを含む。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、発射装置に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段を設けたので、不正球の使用を防止することができる。
また、待機流路において複数番目に待機する遊技球を検出可能な遊技球検出手段を含み、その検出信号に基づいて該複数番目以内における不正球の有無を監視するので、特に複数番目以内に不正球が複数あった場合は、その分だけ発射装置側からの位置の変化が大きくなるので、確実に不正球の存在を検出できる。
また特に、封入球式遊技機の場合、複数の不正球が存在するとその被害が甚大になるという課題があるが、これを防止できる。
また、待機流路に段差を設け、該段差面よりも下流側に待機する遊技球の数を規制するようにしたので、遊技球検出手段の対象となる番目の遊技球と段差面との間に次の発射が行われるまで遊技球が入り込めないような隙間を形成することができ、不正球が複数存在することで、遊技球検出手段が本来検出すべき遊技球の位置が大きく変化し、それよりも上流側の遊技球を検出してしまうことを防止できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機であって、前記遊技球検出手段は、前記待機流路における複数番目に待機する遊技球の上流側縁部を検出するセンサにより構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、遊技球検出手段は、遊技球の上流側縁部を検出するセンサにより構成されているので、検出対象となる遊技球の位置が不正球の存在により下流側に変化することを確実に検出できる。また、遊技球の上流側縁部を検出することで、径の違いに起因する高さの変化を検出することもできる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の遊技機であって、前記監視手段は、前記待機流路の遊技球を前記発射装置側に供給するための供給装置の停止時に前記不正球の監視を能動化することを特徴とする。
【0011】
ここで、「供給装置の停止時」とは、発射装置、供給装置の動作が完全に停止し、遊技球を発射していない状態の他、連続して遊技球を発射する動作の継続中であって、供給装置が発射装置に遊技球を供給した後から、次の遊技球を発射装置に供給するまで間における供給装置の停止状態も含む。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、監視手段は、供給装置の停止時に不正球の監視を能動化するので、遊技球の動きが停止したときに不正球を監視することとなり、確実に不正球を検出することができる。なお、連続して遊技球を発射する動作の継続中にも不正球を監視可能であるが、供給動作による振動により誤検出の可能性があるため、この場合は供給装置が停止して、供給動作による振動が完全になくなっている間に監視することが望ましい。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の遊技機であって、前記発射装置により発射されて遊技に供された遊技球を回収するとともに、該回収した遊技球を再び該発射装置に供給する遊技球循環機構を有することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明のように、遊技球を循環して使用する遊技球循環機構を備えた封入球式の遊技機の場合、封入された遊技球を不正な遊技球に交換されてしまうと、その不正球が繰り返して遊技に使用されてしまうため、遊技店の被害が多大になるが、監視手段を有することで、このような被害を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、発射装置に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段を設けたので、不正球の使用を防止することができる。
また、待機流路において複数番目に待機する遊技球を検出可能な遊技球検出手段を含み、その検出信号に基づいて該複数番目以内における不正球の有無を監視するので、特に複数番目以内に不正球が複数あった場合は、その分だけ発射装置側からの位置の変化が大きくなるので、確実に不正球の存在を検出できる。
また特に、封入球式遊技機の場合、複数の不正球が存在するとその被害が甚大になるという課題があるが、これを防止できる。
また、遊技球検出手段が位置する部位より上流側の待機流路に段差を設け、該段差面よりも下流側に待機する遊技球の数を規制するようにしたので、遊技球検出手段の対象となる番目の遊技球と段差面との間に次の発射が行われるまで遊技球が入り込めないような隙間を形成することができ、不正球が複数存在することで、遊技球検出手段が本来検出すべき遊技球の位置が大きく変化し、それよりも上流側の遊技球を検出してしまうことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の遊技機は、本発明をパチンコ遊技機としての封入球式遊技機に応用したものであり、例えば、遊技内容等は、従来のパチンコ遊技機と同様とすることが可能となっていると共に、外形等のサイズも同様となっており、パチンコ遊技店の現状の島設備に設置可能となっているが、島設備の球供給機構や球排出機構を用いることがないものとなっている。すなわち、封入球式遊技機は、予め封入された遊技球を用いる。また、封入球式遊技機は、例えば、台間機(球貸機)等への現金の投入等により発生する遊技価値情報(例えば、金額情報)を入力され、遊技価値情報を遊技に使用可能な遊技球数(遊技媒体数)である持球数のデータに変換し、このデータに対応して封入された遊技球を遊技領域に発射可能とし、遊技球を発射すると発射された遊技球数に対応して持球数のデータを減算するようになっている。また、発射された遊技球が各種入賞口や変動入賞装置等の入賞具に入賞して賞球(遊技球)が発生した場合は、実際の遊技球を払い出すことなく、前記持球数のデータに賞球数が加算されるようになっている。また、持球数のデータが0となると、遊技球の発射ができない状態となる。この状態で遊技価値情報としての金額情報や貯球された遊技媒体数の情報等を遊技媒体数のデータに変換すると、持球数のデータに変換された遊技媒体数のデータが加算され、再び遊技球の発射が可能となる。
【0017】
すなわち、封入球式遊技機は、遊技者の保有する持球数により遊技可能になり、前記発射により持球数から減算処理し、遊技球の入賞により持球数に加算処理するものである。
また、発射された遊技球は、遊技領域に至って一部は、入賞領域に入賞して遊技盤の裏面側に導かれてセーフ球として回収されると共に、残りの入賞しなかった遊技球はアウト球として回収され、これら回収された遊技球が循環流路を通って再び発射可能な状態となるようになっており、遊技球は封入球式遊技機内で循環するようになっている。また、ファールとなった遊技球も循環流路に回収されると共に、ファールとなった遊技球は遊技に係わることなく(入賞の機会を得ることなく)、回収されて再び発射可能とされるので、ファール球の発生に基づき、遊技価値情報の持球数のデータにファール球数が加算される。
【0018】
図1〜図3に示すように、本実施形態の封入球式遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110と、該機枠110内に嵌め込まれると共に、該機枠110に対し回動可能に矩形状の前面枠120が軸支されている。すなわち、前面枠120は、機枠110に対してドア状に開閉可能とされている。また、後述する遊技盤1等の各種部材が取り付けられた前面枠120の本体である前面枠本体130には、その中央部から上端部に至る略方形の開口部121が設けられ、該開口部121に前面側が遊技領域1aとされた遊技盤1が嵌め込まれている。また、前面枠本体130の開口部121に遊技盤1が嵌め込まれた状態で、遊技盤1の前面は、前面枠本体130の開口部121から露出された状態となっている。
【0019】
また、前面枠本体130には、該前面枠本体130に取り付けられた遊技盤1の遊技領域1aを視認可能な開口窓部144(図2に図示)を有し、この開口窓部144を覆うクリア部材としての二重のガラス板141を保持するクリア部材保持枠140が設けられている。
前面枠本体130は、前面枠120の各部材の取付ベースとなるものであって、上述のように、矩形枠状の機枠110内にちょうど収まるように、概略矩形板状に構成されると共に、その中央から上端部に渡る部分に遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部121が形成されている。また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部121、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部に渡る部分を覆って前記クリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面と前記クリア部材保持枠140に嵌め込まれた後側のガラス板141裏面との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
【0020】
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(左側部)は、前面枠本体130の一方の側部(左側部)に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。
また、前面枠本体130及びクリア部材保持枠140はそれぞれ周知のパチンコ遊技機等の弾球遊技機と同様に鍵穴159にキーを差して回転させることで閉じた状態にロック可能となっている。また、クリア部材保持枠140が開放されるとクリア部材保持枠開放検出センサ142(図10に図示:ガラス枠開放検出SW)に検出されるようになっている。
【0021】
また、クリア部材保持枠140の前面側には、遊技領域1aの視認を妨げない位置に、複数の外部アピール装飾ランプ11,…、サイドランプ12,12、スピーカ13,13、エラー表示器14,14(装飾ランプを兼ねる)等が設けられている。外部アピール装飾ランプ11,…は、クリア部材保持枠140の上部に、主に獲得遊技球数が大量となった場合に、これを周囲に報知するためのものである。例えば、入球数(遊技者が遊技機に打ち込んだ球数)と出球数(遊技球の入賞により出てきた賞球数)との差である差球数や差球数に対応する持球数に基づき、例えば、持球数(差球数)が高くなった場合に、持球数に対応する数の外部アピール装飾ランプ11,…が点灯するようになっている。
なお、上述のように封入球式遊技機100では、賞球の払い出しは行われず、上述の出球数、入球数、差球数、持球数等は、実際の遊技球の個数ではなく、データ上の数値となる。すなわち、実際に使用される遊技球は、循環使用される限られた所定数(例えば、25個)しかなく、例えば、遊技領域1aに発射される遊技球を検知してカウントした発射球数、発射されたが戻ってしまった遊技球を検知してカウントしたファール球数、遊技領域1aに発射されて回収された遊技球を検知してカウントした回収球数、入賞した場合の賞球数、遊技店から借りた球貸数等の数値から上述の入球数、出球数、差球数、持球数が得られる。
【0022】
なお、クリア部材保持枠140を開放して遊技球が外に出てしまう等のトラブルがない限り、発射球数=ファール球数+回収球数(回収球数がファール球数を含まない場合)となる。そして、入球数=回収球数=発射球数−ファール球数となり、出球数=賞球数=入球数−球貸数(再プレイ球数)+持球数となり、持球数=球貸数(もしくは再プレイ球数)+出球数−入球数、入球数−出球数=差球数、持球数=球貸数(もしくは再プレイ球数)−差球数となる。以上のように封入球式遊技機100による遊技は、完全にデータ上の数値として行われることになり、遊技球をこぼしたり、遊技球を下皿や上皿に残したりすることによる誤差が生じることがなく、整数単位で確実に管理可能となる。しかし、多数の遊技球を得て、これを遊技球箱に溜めることとそれを周囲の人に見られることとにより遊技者が得られる満足感や優越感といったものが、持球数という数値の増加では得難い。そこで、外部アピール装飾ランプ11,…は、点灯や発光色の変更により、遊技機の周囲に対して持球数が多いことをアピールすることで遊技者が満足感や優越感を得られるように用いられる。
【0023】
なお、封入球式遊技機100においては、後述するように持球数が数値としてデジタル表示されるが、持球数が多くなった場合に持球数のデジタル表示に加えて外部アピール装飾ランプ11が上述のように持球数に対応して点灯したり、発光色を変更したりすることで、持球数が多いことを遊技者やその周囲の人に報知することができ、持球数が少なくなった場合に持球数のデジタル表示に加えて後述する仮想遊技球表示器154により持球数が少ないことを遊技者に報知することができる。
また、サイドランプ12,12及びエラー表示器14,14は、遊技状態に対応して点灯、点滅、発光色の変更等の演出を行う。また、エラー表示器14,14は、エラー発生時に通常と異なる発光を行うことによりエラー発生を報知する。
【0024】
前面枠本体130の遊技盤1が取り付けられる開口部121の下側となる前面枠本体130の下部は、その前面側に後述の前面操作ユニット150が取り付けられると共に、図3に示すように、その裏面側に後述の発射ユニット60等が取り付けられる取付盤131となっている。また、図1に示すように、取付盤131の前面側に取り付けられる前面操作ユニット150には、タッチパネル表示ユニット151、タッチセンサ152、発射スライドボリューム153、仮想遊技球表示器154、スピーカ155、及びこれらの部材を保持すると共に後述する発射装置61の操作用のポケット状の凹部158(空間)を形成する発射操作空間形成枠161が設けられている。
【0025】
タッチパネル表示ユニット151は、表示装置としてのLCDパネル15b(図10に図示)とタッチパネル15a(図10に図示)とを有するもので、基本的な機能として、持球数の情報、金額情報(カード等の記憶媒体に記憶された残額等)、貯球情報(景品と交換せずに遊技店側に貯蓄した遊技球数等)等の遊技情報を表示し、実際の遊技球の払い出しがなくても、いつでも、持球数を確認できるようにすると共に、遊技者や遊技店の店員等に対してエラーの発生を含む各種情報を表示可能となっている。また、タッチパネル表示ユニット151は、タッチパネルとして、表示切替や、その他の表示内容に対応した入力操作を可能とするものである。なお、タッチパネル表示ユニット151は、封入球式遊技機100の左右方向に設定された回転軸回りに回転して傾きを調整できるようになっており、遊技者の体格等に対応して遊技者が見やすい角度に変更可能となっている。
【0026】
また、本実施形態の封入球式遊技機100においては、従来のパチンコ遊技機に設けられた遊技球の発射を操作するための回転操作式の操作ハンドルに代えて、タッチセンサ152,152及び発射スライドボリューム153を有する。
タッチセンサ152,152は、従来の操作ハンドルに設けられていたものであり、遊技者の手を接触させることにより、信号を発射制御装置63aに出力し、発射制御装置63aの制御の元に発射装置61を作動させて遊技球を発射させるものである。
【0027】
タッチセンサ152,152は、クリア部材保持枠140の下側で前側に膨出した状態の発射操作空間形成枠161の左右側部で、膨出した部分に形成されたポケット状の凹部158の内面のうち、主に遊技機の前方側で後方を向いた部分に設けられている。また、ポケット状の凹部158の底面部分は、遊技者の手をおけるように凹部内より外側に延出した状態となっており、凹部に手を入れてタッチセンサ152,152に触れた状態で楽に手を凹部の底面におけるようになっている。すなわち、凹部の底面は、アームレスト158a(ハンドレスト)として機能する。また、タッチセンサ152,152は、封入球式遊技機100の下部の前面操作ユニット150の左右にそれぞれ設けられているので、右手でも左手でも遊技球の発射の操作が可能となっている。
【0028】
また、従来、発射勢の調整は、操作ハンドルを回転することにより行われていたが、この例の封入球式遊技機100では、上下にスライド移動可能な操作レバー156を備えた発射スライドボリューム153により発射勢を調整できるようになっており、上下に移動可能な発射スライドボリューム153の操作レバー156を上もしくは下に移動すると発射勢が強くなり、逆に移動すると発射勢が弱くなるようになっている。なお、操作レバー156は、任意の位置で止められるようになっており、手を離してもバネ等により発射勢を最低とする位置に戻ることがないので、一度、遊技者が発射勢を決めたら、操作レバー156から手を離して、タッチセンサ152,152に手を触れるだけで遊技球が発射可能となる。
【0029】
仮想遊技球表示器154は、遊技球を払い出すパチンコ遊技機における上皿に溜まった遊技球の減少や増加による流動等を仮想的に表現するものである。
すなわち、遊技球を順次発射した際や、遊技球が入賞した際に、タッチパネル表示ユニット151に表示される持球数の増減だけで、パチンコ遊技機の上皿に溜まった遊技球の発射による減少や、賞球の払い出しによる増加を実感しずらいので、仮想遊技球表示器154で、遊技球の移動を仮想的に再現することで、遊技者に対して遊技球の増減を実感しやすい状態とする。
【0030】
なお、仮想遊技球表示器154は、例えば、遊技球の増減を遊技球の移動で表現するものであり、実際の遊技球を循環移動させることにより表示しても良いし、ディスプレイとして画像により遊技球の移動を表示するものとしても良いし、擬似的にランプの点滅等で遊技球の移動を表現するものとしても良い。
【0031】
スピーカ155は、そのエンクロージャー157となる部分が、図3に示すように後から向かって左側(前から向かって右側)に延出した状態となっており、エンクロージャー157が、右のタッチセンサ152と前後に重なるようになっている。これにより、スピーカ155により発生する振動を右のタッチセンサ152に触れている遊技者の手に伝えて、遊技者が手で音に基づく振動を体感可能となっており、ボディソニックの一種となっている。
【0032】
そして、以上のような封入球式遊技機100において、前面枠本体130の開口部121に嵌め込まれた遊技盤1の前面側の遊技領域1aにおいて遊技が行われることになる。
すなわち、封入球式遊技機100は、図1に示す、遊技盤1のガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うものであり、該遊技領域1aには、図1に示すように、普図始動ゲート6,6、この普図始動ゲート6,6を遊技球が通過して普図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を表示する普図始動記憶表示器(図示略)、普通図柄(普図)の変動表示ゲームを表示する普図変動表示器(図示略)、普通変動入賞装置9、この普通変動入賞装置9に遊技球が入賞して特図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を点灯表示する特図始動記憶表示器(図示略)、特別図柄(特図、識別情報)の変動表示ゲームの表示等を行う変動表示装置4、特別変動入賞装置5、一般入賞口8,…、風車と呼ばれる打球方向変換部材(図示略)、多数の障害釘(図示省略)などが設けられている。
【0033】
なお、本発明の封入球式遊技機100の遊技盤1においては、遊技領域1aをその下端部まで流下しても入賞しなかった遊技球としてのアウト球を遊技領域1aの下端部において遊技盤1の裏面側に導くアウト穴が設けられておらず、その代わりに遊技盤1の前面で遊技領域1aを囲むガイドレール2が、遊技領域1aの下端部で設けられていない構成、すなわち、ガイドレール2の遊技領域1aの下側を囲む部分に、切欠部が設けられる構成となっており、入賞しなかった遊技球は、遊技盤1の下端部の中央部分で、遊技盤1の前面側の遊技領域1aからそのまま遊技領域1aの外側(下側)の後述する回収部材210に流下する構成となっている。
【0034】
前記普通変動入賞装置9は左右一対の開閉部材とこの開閉部材を動作させる普電ソレノイド9a(図10に図示:普電SOL)とを具備し、この開閉部材は、常時は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示器の普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置9に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
この普通変動入賞装置9は、特図の始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置9の内部(入賞領域)に備えられた始動口センサ9b(図10に図示;始動口SW)により遊技球を検出することに基づき始動条件が成立し、特図の変動表示ゲームが開始されるようになっている。
【0035】
また、普図始動ゲート6,6内には、該普図始動ゲート6,6を通過した遊技球を検出するためのゲートセンサ6a(図10に図示:ゲートSW)が設けられている。
そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、普図始動ゲート6,6内を通過すると、普図変動表示器において普図の変動表示ゲームが行われる。
ここで、普図変動表示器は、例えば、LEDなどによって構成され、普通図柄(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)の変動表示ゲームは、普図変動表示器の点灯状態を所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようになっている。
この普図の変動表示ゲームの結果、普図変動表示器における停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置9の開閉部材が所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放される。これにより、普通変動入賞装置9に遊技球が入
賞しやすくなり、特図の変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0036】
また、特図の変動表示装置4(特別図柄表示装置)は、例えば、液晶ディスプレイ41を備え、表示内容が変化可能な表示画面42を有している。この表示画面42における表示内容は、表示制御手段としての機能を有する演出制御装置51(図10に図示;演出制御基板50)により制御されるようになっている。
そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が特図の始動口を兼ねる普通変動入賞装置9へ進入して始動条件が成立することに基づき、表示画面42にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる本発明の遊技動作としての特別図柄の変動表示ゲームを実行可能となっている。なお、特図の変動表示ゲームは、表示画面42において、複数種類の識別情報を所定時間変動表示させることにより行う。
そして、この特図の変動表示ゲームの結果として、表示画面42の表示態様が特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となった場合には、大当たり(特別遊技状態)となる。
【0037】
ここで、特別変動入賞装置5は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカー形式の開閉扉によって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせるサイクル遊技が、所定回数(所定ラウンド数)を限度に行われる。なお、開閉扉は、大入賞口ソレノイド5a(図10に図示:大入賞口SOL)により駆動される。
また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するためのカウントセンサ5b(図10に図示;カウントSW)と、大入賞口に入った遊技球のうち継続入賞領域(V入賞領域)に流入した遊技球を検出するためのV入賞センサ5c(図10に図示;VSW)が配設されている。
なお、各一般入賞口8,…の内部(入賞領域)には、該入賞口8,…に入った遊技球を検出するための入賞口センサ8a(図10に図示;左入賞SW、右入賞SW)が配設されている。
【0038】
ここで、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口8、普通変動入賞装置9、特別変動入賞装置5の大入賞口等の入賞口(入賞具)の何れかに流入して入賞が発生すると、該入賞した遊技球が各入賞口のセンサにより検出され、該検出に基づき、各入賞口に対応して設定された所定の賞球数が、上述の持球数のデータに加算される。
【0039】
従って、特別遊技状態中に上記のサイクル遊技を行うことにより、遊技者は高い遊技球数(特定の遊技価値)の獲得機会を得る。
すなわち、封入球式遊技機100はパチンコ遊技機として、特図変動表示ゲームの結果、予め定められた特別結果態様となった場合に(大当りとなった場合に)、遊技者に特定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生可能に構成されている。
【0040】
前面枠本体130下部の取付盤131の裏面側には、図3に示すように、発射ユニット60が設けられると共に、発射装置61を制御する発射制御装置63a(図10に図示)となる発射制御基板63(ボックス631内に配置)、発射装置61により遊技領域1aに発射された遊技球を回収して再び発射装置61に供給する封入球循環ユニット200(封入球循環装置)、封入球式遊技機100内の各装置に電力を供給する電源基板70(ボックス71a内に配置)、遊技盤1以外の前面枠120に備えられた装置の制御を行う第1枠制御基板81(ボックス81a内に配置)及び第2枠制御基板90(ボックス90a内に配置)が取り付けられている。これら第1枠制御基板81及び第2枠制御基板90が枠制御装置として機能し、遊技盤1に取り付けられた装置を除く、前面枠120の例えば、外部アピール装飾ランプ11,…、タッチパネル表示ユニット151、仮想遊技球表示器154、封入球循環ユニット200、外部とのデータの通信装置等を制御する枠制御装置となる。なお、第1枠制御基板81は、遊技制御基板20及び演出制御基板50からの制御に基づいて第2枠制御基板90及び発射制御基板63を制御するようになっている。
【0041】
また、遊技内容に係わる制御を統括的に行う遊技制御基板20(ボックス22内に配置)及びその制御下で遊技の演出に係わる制御を行う演出制御基板50(ボックス52内に配置)は、遊技盤1の裏面側に設けられている。従って、遊技内容の制御に関する制御装置は遊技盤1に設けられており、遊技盤1を交換することにより、遊技内容に係わらない装置をそのまま流用して遊技内容だけを変更することが可能である。
【0042】
ここで、封入球式遊技機100の制御系について図10の制御ブロック図を参照して説明する。
封入球式遊技機100の制御系としては、遊技の進行を制御する制御装置としての遊技制御装置21(主基板:遊技制御基板20)と、この遊技制御装置21の制御下で各種の演出に関する制御を行う演出制御装置51(演出基板:演出制御基板50)と、遊技制御装置21及び演出制御装置51の制御下で、仮想遊技球表示器154及び外部アピール装飾ランプ11(外部アピール装飾基板11a)、封入球循環ユニット200等の制御を行う第1枠制御装置83(第1制御基板:第1枠制御基板81)と、第1枠制御装置83の制御下で、タッチパネル表示ユニット151の制御と、外部との通信の制御と、持球数(遊技球数)の演算等とを行う第2枠制御装置91(第2制御基板:第2枠制御基板90)と、第1枠制御装置83の制御下で発射装置61の制御等を行う発射制御装置63a(発射制御基板63)とを備える。
【0043】
遊技制御装置21は、CPU、RAM、ROM等を有するアミューズチップ(図示略)を備え、特図や普図の変動表示ゲームに関連する各種乱数値などを生成している。各種乱数値には、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数値などが含まれ、この乱数値に基づいて遊技制御装置21は、特図や普図の変動表示ゲームの当たり、外れ等のゲームの結果を決定している。
【0044】
また、遊技制御装置21には、I/Oを介して各入賞口センサ8a(左入賞スイッチ、右入賞スイッチ)、ゲートセンサ6a(ゲートスイッチ)、始動口センサ9b(始動口スイッチ)、カウントセンサ5b(カウントスイッチ)、V入賞センサ5c(Vスイッチ)が接続され、これらセンサからの遊技球の検出信号が入力されるようになっている。そして、入賞口センサ8a、始動口センサ9b、カウントセンサ5b等の各種入賞口、入賞装置に設けられたセンサからの入力に基づき賞球が発生することになるが、封入球式遊技機100においては、封入球式以外のパチンコ遊技機において、賞球としての遊技球の払い出しを制御する排出制御装置に代えて、賞球に関する情報が遊技制御装置21から第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91に出力されるようになっており、第2枠制御装置91においては、賞球に関する情報に基づいて、持球数に賞球数を加算する演算処理が行われるようになっている。また、遊技制御装置21においては、ゲートセンサ6a、始動口センサ9b、V入賞センサ5cから入力される信号に基づいて、特図及び普図の変動表示ゲームの進行の制御が行われる。
【0045】
また、遊技制御装置21には、I/Oを介して普電ソレノイド9a、大入賞口ソレノイド5a、方向切替ソレノイド5dが接続されて制御されるようになっており、特図や普図の変動表示ゲームの結果に基づいて、特別変動入賞装置5や普通変動入賞装置9の開閉が制御される。なお、普電ソレノイド9aが普通変動入賞装置9を開閉駆動するもので、大入賞口ソレノイド5aが特別変動入賞装置5の開閉駆動するもので、方向切替ソレノイド5dが大入賞口内のV入賞センサ5cが配置された継続入賞領域とそれ以外の一般入賞領域とのうちのどちらか一方に遊技球を案内するように切り替えるものである。
【0046】
また、遊技制御装置21は、I/Oを介して第1枠制御装置83及び演出制御装置51に接続され、第1枠制御装置83及び演出制御装置51に後述する各種データを遊技機情報として送信している。例えば、遊技制御装置21は、上述の賞球に関するデータとして、遊技球の入賞に基づく賞球がある場合に、賞球数を示す賞球数コマンドを遊技機情報の1つとして第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91に出力する。
また、遊技制御装置21は、特図の始動入賞に基づく特図の変動表示ゲームの開始、停止、大当り外れの判定等の制御に基づいて、特図の変動表示ゲームの開始(変動開始)及び停止(変動停止)、大当りとしての特別遊技状態後に大当りの当選確率が高められた確率変動状態を伴う特別遊技状態の開始及び停止(確変での大当り開始及び停止)、確率変動状態を伴わない特別遊技状態の開始及び停止(非確変での大当り開始及び停止)、その他変動表示ゲームの停止図柄や変動表示時間等を含む遊技の演出に関するデータを演出制御装置51に送信する。
【0047】
また、遊技制御装置21は、特図及び普図の始動入賞(始動口センサ9b及びゲートセンサ6aから入力される検出信号)に対応して上限値(例えば、4)の範囲内で特図及び普図の変動表示ゲームを始動する始動条件の成立の回数を特図及び普図の始動記憶数(保留数)としてカウントするようになっている。そして、遊技制御装置21は、特図もしくは普図の始動入賞が有る度に特図もしくは普図の始動記憶数を1増加し、特図もしくは普図の変動表示ゲームを開始する度に特図もしくは普図の始動記憶数を1減少する制御を行っており、この始動記憶数に関するデータを、演出制御装置51に送信している。また、始動記憶数に関するデータには、特図もしくは普図の始動記憶数が上限値となった状態で、特図もしくは普図の始動入賞があったことを示す特図もしくは普図のオーバーフロー入賞発生のデータが含まれる。
【0048】
演出制御装置51は、CPU、ROM、RAM等を備えるとともに、ビデオ制御用の各種ICを備え、パチンコ遊技機において周知のものであり、遊技制御装置21における特図の変動表示ゲームの進行の制御に基づいて、変動表示装置4(表示ユニット)における特図の変動表示ゲームの表示制御や、それに伴う遊技盤1等に設けられたランプ、LEDを有する装飾基板45におけるランプ、LED等の発光による演出制御等を行う。
【0049】
また、演出制御装置51は、上述のように遊技制御装置21と接続されると共に、I/Oを介して第1枠制御装置83と接続され、上述のように遊技制御装置21から送信された演出に関するデータを演出コマンドとし、始動記憶数に関するデータを保留コマンドとし、これら演出コマンド及び保留コマンドを第1枠制御装置83に送信する。
【0050】
第1枠制御装置83は、CPU84a、RAM84b、ROM84c等と、音データを記憶したROM84dや、音信号を生成する音LSI84e、音信号を増幅してスピーカに出力するアンプ84f、I/O85,…等により構成されている。
このうち、CPU84aは、制御部、演算部を備え、各種演算・制御を行うものであり、封入球循環ユニット200の制御や、外部アピール装飾ランプ11(外部アピール装飾基板11a)及び仮想遊技球表示器154におけるLED等の電気的発光源の点灯・消灯・発光色の変更等の制御を行う。
RAM84bは、各種フラグ、各種タイマ、各種カウンタ等の記憶領域を含むCPU84aの作業領域等を備えている。
ROM84cには、外部アピール装飾ランプ11及び仮想遊技球表示器154におけるLEDの点灯・消灯・発光色の変更等の制御を行うためのプログラムや、遊技球を循環使用する際の各種制御を行うためのプログラムや、音による演出のためのプログラム等が記憶されている。
【0051】
また、ROM84dには、演出用の音楽、効果音等の音データが記憶され、音LSI84eは、演出制御装置51の演出コマンドに従ってCPU84aで実行される音による演出のためのプログラムに基づいて、ROM84dから音データを読み出して音信号を生成する。そして、音LSI84eで生成された音信号は、アンプ84fで増幅されてスピーカ13,155に出力される。
【0052】
また、第1枠制御装置83は、I/O85,…を介して、外部アピール装飾ランプ11(外部アピール装飾基板11a)及び仮想遊技球表示器154に接続されている。そして、後述するように第2枠制御装置91で算出される持球数のデータに基づいて、第1枠制御装置83は、上述のように外部アピール装飾ランプ11,…の点灯、発光色の変更等を制御する。
【0053】
また、第1枠制御装置83は、I/O85,…を介して、封入球循環ユニット200(封入経路ユニット)の供給球検出センサ246(発射球検出スイッチ)、ファール球センサ253(戻り球検出スイッチ)、回収球センサ212(入球検出スイッチ)、球不足検出センサ264(球量検出スイッチ)、球補充ソレノイド263(球量調節ソレノイド)が接続されている。
また、第1枠制御装置83は、球不足検出センサ264から、封入球循環ユニット200内で待機する遊技球が不足していることを示す信号が入力した場合には、球補充ソレノイド263を作動させ、遊技球を補充する処理を行う。
【0054】
また、第1枠制御装置83には、I/O85を介してクリア部材保持枠開放検出センサ142(ガラス枠開放検出スイッチ)が接続され、外部アピール装飾ランプ11等を用いてクリア部材保持枠140が開放していることを報知する処理を行う。
さらに、第1枠制御装置83は、上述のようにI/O85を介して遊技制御装置21、演出制御装置51に接続されると共に、第2枠制御装置91(第2制御基板)及び発射制御装置63a(発射制御基板)に接続される。
【0055】
そして、第1枠制御装置83は、第2枠制御装置91において持球数の算出処理を行えるように、供給球検出センサ246が遊技球が球送り位置に送られたのを検出した際に入力される検出信号と、ファール球センサ253がファール球(戻り球)を検出した際に入力される検出信号とを第2枠制御装置91に中継し、さらに、遊技制御装置21から入力される遊技球の賞球に関する賞球数コマンド(賞球数を示す)を第2枠制御装置91に中継する。また、第1枠制御装置83は、第2枠制御装置91に演出制御装置51からの特別遊技状態の開始及び停止を示す制御信号を中継する。また、第1枠制御装置83は、発射制御装置63aにおいて不正球の監視の処理を行えるように、球不足検出センサ264が遊技球を検出した際に入力される検出信号を発射制御装置63aに中継する。
【0056】
また、第1枠制御装置83と第2枠制御装置91とは、制御情報用のラインと、データ転送のためのシリアル通信用のラインとで接続されている。そして、シリアル通信用ラインは、封入球式遊技機100の外部への情報送信用のデータを第1枠制御装置83から第2枠制御装置を介してホールサーバ900に送信するためのものであり、上述の演出コマンド及び保留コマンドのデータに基づいて、特図の変動表示ゲームのスタート信号、非確変での大当り信号、確変での大当り信号、入球信号、出球(賞球数)信号等をホールサーバ900に外部情報として送信可能とし、ホールサーバ900側で、各封入球式遊技機100の変動表示ゲームの実行回数、非確変での大当り(特別遊技状態の発生)回数、確変での大当り(特別遊技状態の発生)回数、入球数、出球数、差球数等を管理可能としている。また、後述するように、不正球の検出に基づく不正発生情報をホールサーバ900に送信可能としている。
【0057】
第2枠制御装置91は、主にI/O制御(通信制御)用のCPU91a(CPU1)、ROM91b、RAM91c、I/O91d等からなる通信制御部と、タッチパネル表示ユニット151の制御用のCPU91e(CPU2)、ROM91f、RAM91g、VDP91h(Video Display Processor)、VDP91h用のROM91i、LCDコントローラ91j等からなるタッチパネル制御部を備えている。
そして、CPU91a等からなる通信制御部は、第1枠制御装置83から入力された外部情報となるデータをシリアル通信(RS232C)用のI/O91dから、台間機(球貸機)901等を介してホールサーバ900に出力するための処理を行う。また、第2枠制御装置91の通信制御部は、CAN(control area network)用のI/O91dを介して外部演出装置902に接続されている。なお、外部演出装置902は、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機上に配置される呼出ランプ(ナンバーランプ)であり、各種ランプ、特図の変動表示ゲームの実行回数、大当り回数等の遊技機情報を表示可能な表示器902aや、効果音等を発生する音声出力装置902b等を備えるものである。なお、外部演出装置902には、トップランプ(代表ランプ)等の島設備の端部毎等に設けられるものが含まれていても良い。
そして、第2枠制御装置91の通信制御部は、CANで接続された各遊技機毎の外部演出装置902に、上述の変動表示ゲームのスタート、非確変大当り、確変大当り等の外部情報とほぼ同様のデータを出力する。
【0058】
さらに、第2枠制御装置91の通信制御部は、通信の制御の他に、上述の持球数の算出と、持球数に基づく発射制御装置63aの制御を行うようになっている。
すなわち、第2枠制御装置91は、上述のように供給球検出センサ246及びファール球センサ253からの検出信号が入力され、供給球検出センサ246が遊技球が球送り位置に送られたのを検出した際(発射球を検出した際)に、遊技球が遊技領域1aに発射されたものとして、持球数を1減算し、ファール球センサ253がファール球(戻り球)を検出した場合に遊技球を1加算する。さらに、第2枠制御装置91は、上述のように発射球が検出される毎に減算される持球数に、上述の賞球数コマンドが入力した際に賞球数コマンドが示す賞球数を加算する処理を行う。さらに、第2枠制御装置91は、タッチパネル表示ユニット151において、貸球操作が行われた場合には、タッチパネル表示ユニット151の操作に基づく第2枠制御装置91のタッチパネル制御部からのデータに基づいて貸球された貸球数を持球数に加算する処理を行う。これにより、第2枠制御装置91においては、入球数、出球数(賞球数)、差球数、持球数を算出することが可能となる。
【0059】
また、第2枠制御装置91は、持球数が1以上の場合に発射球の発射を許可し、持球数が0の場合に発射を禁止する制御信号を第1枠制御装置83を経由して発射制御装置63aに出力する。なお、第2枠制御装置91から第1枠制御装置83を介した発射制御装置63aへの制御信号、遊技禁止信号及び遊技禁止解除信号の出力においては、必ずしも第1枠制御装置83を介する必要はなく、第2枠制御装置91から直接発射制御装置63aに出力するものとしても良い。
【0060】
また、第2枠制御装置91のCPU91e等からなるタッチパネル制御部は、タッチパネル表示ユニット151に接続され、タッチパネル表示ユニット151のタッチパネル15aからの入力信号を処理すると共に、タッチパネル表示ユニット151のLCDパネル15bへの画像表示を制御する。
すなわち、LCDパネル15bには、予め設定された複数の画面のうちの1つの画面が表示されると共に、該表示画面にタッチパネル15a用のボタンが表示され、タッチパネル15aから前記ボタンの範囲内の座標位置が入力されると、予めボタンに対応して設定された処理を行うようになっている。なお、第2枠制御装置91における処理は、タッチパネル15aから入力された座標位置に基づいて、行う処理を決定するものであり、ボタンに対応した処理は、第1枠制御装置83で行われる場合もある。なお、LCDパネル15bには、上述のボタン以外に、持球数、金額情報、変動表示ゲームの実行回数、非確変大当り回数、確変大当り回数等のデータ表示も行われる。
【0061】
すなわち、第2枠制御装置91のタッチパネル制御部は、ROM91iに格納された画像データ等を用いてVDPが各種ボタンが表示される設定画面の表示データを作成し、作成された表示データをLCDコントローラ91jを介してLCDパネル15bに表示させる制御を行うとともに、同様に、通信制御部や第1枠制御装置83から送信されるデータに基づくデータがRAM94gに記憶され、RAM94gに記憶されたデータを表示するためのデータ表示の制御を行う。また、タッチパネル制御部は、表示されたボタンの1つに対応する位置がタッチパネル15aから入力された場合に、位置が入力されたボタンに対応する処理を開始するように通信制御部や第1枠制御装置83に制御信号を出力する。
なお、ブロック図に示されるインバータ基板15fは、LCDパネル15bのバックライトの冷陰極管に高周波数の交流電流を供給するものである。
【0062】
発射制御装置63aは、CPU63b、発射装置61のモータ68(発射モータ)のドライバ回路63c、I/O63dを備えており、I/O63dには、タッチセンサ152(発射操作部タッチセンサ)及び発射スライドボリューム153(スライドボリューム基板)、球送り電磁石244、不正球検出センサ282が接続され、ドライバ回路63cには、モータ68が接続されている。
そして、発射制御装置63aのCPU63bは、図示しないROMに記憶されたプログラムに基づいて、後述するように第2枠制御装置91からの発射許可の制御信号を受信した状態で、発射スライドボリューム153の操作レバー156の操作に基づく信号レベルにより、発射装置61における遊技球の発射勢を制御すると共に、タッチセンサ152において、遊技者の手が検出された場合に、発射装置61のモータ68を制御して所定の時間間隔毎に遊技球を順次発射する制御を行う。また、発射制御装置63aは、発射装置61による遊技球の発射のタイミングに合わせて、球送り電磁石244を作動させて、封入球循環ユニット200から発射装置61に遊技球を供給する制御を行う。また、後述するように、不正球検出センサ282などからの信号に基づき不正球の存在を監視する処理を行う。
【0063】
また、発射制御装置63aは、上述のように第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91に接続されており、第2枠制御装置91は、持球数が1以上の場合に、遊技球の発射位置への送りと、遊技球の発射を許可する制御信号を送信するようになっている。これにより、上述のように発射制御装置63aにおいて、持球数が1以上の場合に、遊技者の発射操作により遊技球の発射が可能となる。また、後述するように、発射制御装置63aは、不正球検出センサ282から不正球の検出に基づく信号が入力された場合に、遊技球の発射の不能動化などの処理を行う。
なお、発射制御装置63aとなる発射制御基板63においては、制御回路を汎用のCPU63bを用いずに専用のロジックデバイス(汎用性のあるプログラマブルロジックデバイスを用いても良い)により構成しても良く、CPUに代えてロジックデバイスを用いることでコストダウンを図ることができる。
【0064】
図3に示すように、発射ユニット60は、取付盤131に取り付けられる取付プレート64と、取付プレート64に取り付けられる発射レール62と、発射レール62上の遊技球を打撃して遊技球を発射させる発射杵66等を備えた発射装置61とを備える。
発射装置61は、発射モータ(ステッピングモータ)68(図10に図示)と、この発射モータ68に接続されて回転駆動されることにより、遊技球を打撃して遊技球を発射する発射杵66と、発射杵66の回転角度を規制するストッパ部材67と、発射レール62上に後述するように封入球循環ユニット200から供給された遊技球を、発射レール62の下端部上の発射杵66により打撃可能な所定位置に停止させる球位置決め部材(図示略)とを備える。そして、発射レール62の後端部(傾斜下端部)上の球位置決め部材により遊技球が保持される位置が遊技球を遊技領域1aに発射する発射位置となる。なお、球位置決め部材は、発射レール62上の遊技球の上部を係止することで発射位置に遊技球を保持するようになっているが、発射レール62と球位置決め部材の間隔は10.6mmとされており、これ以下の径を有する不正な小径球は、発射位置に保持されずに下方へ落下するようになっている。
【0065】
また、図1に示すように、クリア部材保持枠140の後方側のガラス板141の裏面と、遊技盤1の前面との間の遊技領域1aの下部を閉塞する底壁部134が形成され、前面枠本体130の底壁部134に遊技領域1aの下側から発射された遊技球が通過する発射球通過口135が設けられている。なお、発射球通過口135を通過した遊技球は、遊技盤1の内外二重にガイドレール2,2が配置された誘導路から遊技領域1aに至る。
また、誘導路から遊技領域1aに至らずに戻ったファール球も発射球通過口135を通過するようになっている。なお、発射レール62の先端面は、発射球通過口135の直下より手前に配置され、発射球通過口135に戻るファール球は、発射レール62上に戻らずに、発射レール62の前に流下し、後述する封入球循環ユニット200のファール球回収口に至るようになっている。
【0066】
図3、4に示すように、封入球循環ユニット200は、所定数の遊技球が封入されており、発射装置61によって遊技領域1aに発射された遊技球を回収、循環し、再び発射装置61に供給するものである。この封入球循環ユニット200は、封入球式遊技機100の裏面側となる前面枠本体130の裏面側にあって、上述の発射装置61の背面側を覆うように配されている。
なお、前面枠本体130の下部となる取付盤131は、その主要部となるほぼ垂直な平板部分が、前面枠本体130に固定された遊技盤1より前となるように構成されており、取付盤131の裏面に取り付けられる上述の発射装置61等を有する発射ユニット60が遊技盤1より前面側の遊技領域1aの略真下に配置されるようになっている。
そして、封入球循環ユニット200は、取付盤131に取り付けられた発射ユニット60と前後に重なるように、発射ユニット60の後側に配置されて取付盤131に取り付けられる。そして、封入球循環ユニット200は、取付盤131に取り付けられた状態で前面枠本体130に取り付けられた遊技盤1の下方位置(この例では略真下となる直下方向)に配置されるようになっている。
【0067】
また、封入球循環ユニット200はその下端部に、前面枠本体130の取付盤131の取付プレート64の取付位置より下方となる所定部位に設けられた左右の取付部132,132に、着脱可能かつ回動可能に接続する左右の接続部材201,201を備えており、封入球式遊技機100の左右方向に設定された回転軸回りに回転可能となっている。そして、封入球循環ユニット200は、封入球式遊技機100の裏面(取付盤131の裏面)に沿った垂直な状態(使用状態)から、前記接続部材201,201を中心に上端が後方側に倒れるように回動して略水平な状態(メンテナンス状態)に回動可能となっている。また、封入球循環ユニット200の接続部材201,201は、取付盤131の取付部132,132の軸となる突起が回動可能に挿入される筒状の形状を有するとともに、筒状部分にはスリットが形成され、スリットから軸を出入可能とされることにより、接続部材201,201が取付部132,132から着脱自在とされ、封入球循環ユニット200を前面枠本体130の取付盤131から取り外し可能(着脱自在)となっている。
【0068】
封入球循環ユニット200の主要部は、前面側を構成する前壁部材310と、裏面側を構成する後壁部材320とから概略箱状に形成されており、上端部に形成されてアウト球、セーフ球としての遊技球を回収する回収部材210や、ファール球を回収するファール球回収口251、回収された遊技球を循環、待機させる流路(循環流路220、待機流路221)や、遊技球を発射装置61に供給する供給装置(球送り装置240)、循環する遊技球が不足した場合に遊技球を補充する球補充装置260等が備えられている。
また、封入球循環ユニット200には、遊技球を検知する種々のセンサとして、発射球を検出する供給球検出センサ246(図10に図示:発射球検出SW)、ファール球を検出するファール球センサ253(図10に図示:戻り球検出SW)、遊技領域1aから回収された遊技球を検出する回収球センサ212(図10に図示:入球検出SW)、流路内に待機する遊技球の不足を検出する球不足検出センサ264(図10に図示:球量検出センサ)等が備えられている。
【0069】
封入球循環ユニット200には、遊技領域1aに発射された遊技球(アウト球、セーフ球を含み、ファール球を除く)を回収する上側が開口した受け皿状の回収口211を有する回収部材210が上部に形成されている。回収部材210の前部は、遊技領域1aの下部に位置するガイドレール2の切欠部の下側に延設されており、各種の入賞口(特別変動入賞装置5、一般入賞口8、普通変動入賞装置9)に入賞することなく流下した遊技球であるアウト球を回収するアウト球回収部215とされている。また、回収部材210の後部は、遊技盤1の裏面側に形成され、各種の入賞口(特別変動入賞装置5、一般入賞口8、普通変動入賞装置9)に入賞した遊技球であるセーフ球が流下するセーフ球排出経路(図示略)の出口の下側に延設されており、セーフ球排出経路を流下したセーフ球を回収するセーフ球回収部216とされている。なお、回収部材210の左右幅は、遊技盤1の下側のガイドレール2の切欠部の幅となっており、回収部材210は、ガイドレール2の切欠部の右端から左端までの範囲で配置される。また、ガイドレール2の切欠部の左右範囲内に、遊技盤1の裏面側に設けられたセーフ球排出経路の出口が配置される。
【0070】
また、回収部材210の前後の中央部、すなわち、アウト球回収部215とセーフ球回収部216の間には、右端部を除いて左右に延在し、回収部材210内に回収された遊技球を封入球循環ユニット200内の回収球センサ212(封入球循環ユニット200内部)に導く導入傾斜部213を有する導入経路226が形成されている。なお、導入傾斜部213は、回収部材210で回収された遊技球を回収球センサ212に導く導入経路226の底部となる部材である。そして、アウト球回収部215およびセーフ球回収部216の底部は、導入経路226に向かって下る傾斜面となっていて、回収されたアウト球およびセーフ球を導入経路226に誘導するようになっている。導入経路226に流入した遊技球は、導入経路226の傾斜に沿って流下し、導入経路226の下流側端部に設けられた回収球センサ212に検出された後、循環流路220に流入する。
【0071】
また、アウト球回収部215の左右方向の略中央部には、アウト球の一部を保持するための球保持装置290が設けられており、この球保持装置290の左右には、球保持装置290に向かって下るように傾斜し、遊技球を球保持装置290に誘導する誘導部材298が形成されている。この球保持装置290は、図1に示すように、クリア部材保持枠140を開放した状態で遊技機100の前面側から保持した遊技球を取得できるようにすることで、外部に遊技球が排出されない封入球式遊技機において、係員によるサービスを可能とするものである。
【0072】
回収球センサ212は、例えば、周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、遊技球が通過する孔212aを備え、この孔212aをパチンコ球が通過した際にHIGHもしくはLOWの信号を出力するものである。また、前壁部材310において、導入傾斜部213の下流側の末端から下方に遊技球が流下可能な間隔を開けて形成されたセンサ取付部330に、後部が固定され、前記孔が形成された前部をセンサ取付部330から上述の導入傾斜部213の末端まで延出している。
【0073】
そして、回収球センサ212は、その孔212aが導入傾斜部213の傾斜下側の端部から遊技球が流下する位置に配置されており、循環流路220の上流側端部であるとともに、後述のファール球流路252の底部となるファール球傾斜部255の下流側端部である合流部254上に、導入傾斜部213の傾斜下側の端部から流下する遊技球を検知するようになっている。また、センサ取付部330が導入経路226の末端側を閉塞するようになっており、回収球センサ212の孔212aが導入経路226から循環流路220への遊技球の導入口となっている。
【0074】
また、封入球循環ユニット200は、ファール球回収手段250として、発射装置61により上述の内側のガイドレール2及び外側のガイドレール2との間に発射されたにも係わらず、再び発射装置61側に向かって戻ってしまったファール球を回収するファール球回収口251と、回収されたファール球を検知するファール球センサ253と、ファール球回収口251から回収されたファール球(遊技球)を循環流路220に流下させるファール球流路252とを備える。
【0075】
ファール球回収口251は、封入球循環ユニット200の前面を構成する前壁部材310の裏面側から見て右上端部に形成された開口で、回収されたファール球を封入球循環ユニット200外部から内部に導入するようになっている。また、前壁部材310の前面側のファール球回収口251の下側縁に対応する位置には、前壁部材310前面から前方に延出するファール球回収部257が備えられている。ファール球回収部257は、上面が後方のファール球回収口251に向かって下り傾斜した板状に形成されるとともに、ファール球回収口251に繋がる後側縁を除く周囲を囲んで上に突出した突条258を備えたもので、封入球循環ユニット200を取付盤131にほぼ垂直な状態に取り付けた際に、発射レール62の上端部(発射方向端部)の隣で、発射球通過口135の真下に配置され、発射球通過口135を通過して流下するファール球を受けるようになっている。
【0076】
ファール球回収部257の上面に至ったファール球は、上面の傾斜に沿って後方のファール球回収口251から封入球循環ユニット200内のファール球流路252に入り、ファール球回収口251の下側のファール球センサ253を通過し、ファール球流路252の底部となるファール球傾斜部255上に至る。そして、ファール球傾斜部255上の遊技球は、傾斜に沿って流下して合流部254において循環流路220に合流する。
なお、ファール球センサ253は、回収球センサ212と同様に周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、センサ取付部330の回収球センサ212の下側に、回収球センサ212と逆向きに取り付けられ、ファール球センサ253の遊技球が通過する孔253aがファール球流路252の上端部に配置されるようになっている。そして、回収球センサ212と同様にファール球を検出して信号を出力する。
【0077】
また、封入球循環ユニット200は、封入球循環ユニット200内に通常循環使用される遊技球以外に補給用の遊技球を貯留し、遊技中に循環する遊技球が減少した場合に補給する球補充装置260と、遊技球の入れ替え用の所定数の遊技球(例えば、30球で上述の補給用の遊技球を含む)が収納された球交換カセット275を取り付けるとともに、球交換カセット275内の遊技球を封入球循環ユニット200内に供給するための球交換カセット取付部270とを備える。なお、図4では、球交換カセット275の取付位置を示すために球交換カセット275を図示したものであって、球交換カセット275が取り付けられた状態を示しているものではない。
【0078】
球補充装置260は、循環流路220の上側に設けられた左右に長尺で、傾斜角を変更可能に回転移動自在とされた球貯留板261を備えた補充球貯留部262と、球貯留板261の傾斜角を変更して補充球貯留部262を遊技球を貯留する状態と、遊技球を補充する状態とに切り替える球補充ソレノイド263と、球貯留板261の裏面側から見て左側(ファール球流路252の反対)に設けられ、球貯留板261上の遊技球の落下を規制するとともに、球交換カセット取付部270から流入する遊技球を球貯留板261上に導く、球抑え部材265とを備える。
【0079】
球貯留板261は、その中央部より前側の位置を前壁部材310に設けられた回転ピン313に回動自在に軸支されて後壁部材320に支持されるとともに、前後を前壁部材310と後壁部材320とに囲まれた状態となっている。そして、球貯留板261は、通常時は、球を貯留する状態となっており、球貯留板261の一方の端部である球抑え部材265側の後端部が下になるように僅かに傾斜した状態で、球貯留板261上に遊技球を一列に複数個(例えば5個)載せるようになっている。この際に、球貯留板261上の遊技球のうちの最も一方の端部側に載った遊技球が球抑え部材265に抑えられた状態となり、球貯留板261の傾斜に沿って遊技球が流下しないようになっている。
【0080】
また、球貯留板261の他方の端部である前端部は、ファール球傾斜部255(ファール球流路252)の傾斜下側の合流部254上に位置しており、球貯留板261がファール球流路252側の他方の端部が下になるように傾斜した場合に、球貯留板261上の遊技球を合流部254上に流下させるようになっている。すなわち、補充球となる遊技球を補充する状態では、球貯留板261は、ファール球流路252側の他方の端部を下にするように傾斜する。
【0081】
また、球貯留板261の一方の端部には、その下側に球補充ソレノイド263のプランジャに接続された掛止板263aに掛止される係止部261aが設けられ、球補充ソレノイド263のプランジャの上下動により、球貯留板261の傾斜角を変更できるようになっており、プランジャを下げた状態では、球貯留板261の一方の端部が下となるように傾斜して球貯留状態となり、プランジャを上げた状態では、球貯留板261の他方の端部が下となるように傾斜して球補充状態となる。
【0082】
さらに、球貯留板261の一方の端部には、係止部261aから球貯留板261の延長線に沿って延出して球交換カセット取付部270に至る係合部材261bが形成されている。係合部材261bは、球交換カセット取付部270の後述する作動リンク部材273に係合し、球交換カセット取付部270に球交換カセット275をセットした場合に上に持ち上げられ、球貯留板261の一方の端部が他方の端部に対して高くなるように傾斜させ、球貯留板261を球補充状態にするようになっている。
【0083】
球補充ソレノイド263は、前壁部材310に形成された球補充ソレノイド取付部314にプランジャを上に向けて取り付けられ、第1枠制御基板81の制御により、後述する球不足検出センサ264により、循環流路220の球不足検出センサ264の位置に滞留する遊技球が無いことが検出された場合に、プランジャを上げるように制御されている。これにより、循環流路220において、遊技球が不足した場合に、球補充ソレノイド263により球貯留板261が球補充状態となるように傾斜角が変更され、球貯留板261上の遊技球を循環流路220の上流側端部となる合流部254に供給するようになっている。なお、球不足は、例えば、遊技領域1aにおいて、遊技球の詰まり等が発生し、遊技領域1a内に通常より多くの遊技球が存在することにより、封入球循環ユニット200に回収される遊技球の数が減った場合や、クリア部材保持枠140を開放した際に、遊技球が外部に流出した場合等に発生する。
【0084】
球交換カセット取付部270は、後壁部材320に形成されたカセット挿入部271、カセット蓋開放係止部材274(図3に図示)と、前壁部材310に形成されたカセット受け部272と、球交換カセット取付部270に挿入された球交換カセット275を掛止するカセット掛止部279と、球交換カセット275の取付時に上述の球貯留板261の傾斜角を変更する作動リンク部材273とを有する。
【0085】
カセット挿入部271は、後壁部材320の前後に貫通する矩形筒状の空間で、前壁部材310に形成されたカセット受け部272と対向する位置に形成され、封入球循環ユニット200の裏面側から球交換カセット275を取り付ける際のガイドとなるものである。なお、球交換カセット取付部270においては、球交換カセット275をセットした際に、球交換カセット275の球出口がある側(球補充装置260側)の一方の端部が他方の端部より低くなるように傾斜しており、球交換カセット275内の遊技球がその傾斜によって球出口に向かって流下するようになっている。
【0086】
前壁部材310に形成されたカセット受け部272は、球交換カセット275の挿入方向の前端部に対応する形状を有した凹部であり、挿入された球交換カセット275の前端部が凹部であるカセット受け部272に挿入されることで、球交換カセット275の前端部を位置決めした状態に支持するようになっている。また、カセット受け部272の球補充装置260側となる左右の一方の端部(裏面から見て右側端部)には、後述するように回動移動する作動リンク部材273の移動を妨げないように作動リンク部材開口部(図示略)が形成されている。
【0087】
カセット掛止部279は、前壁部材310に形成されるともに、前壁部材310から後方に延出して後壁部材320のカセット挿入部271の周縁部の下部に配置され、その後端部には、球交換カセット275に係合可能な係合部が形成されている。このカセット掛止部279が球交換カセット275に係合することで、球交換カセット275は球交換カセット取付部270に保持されるようになっている。
【0088】
カセット蓋開放係止部材274は、後壁部材320のカセット挿入部271の近傍で、かつ、球補充装置260側となる部分に、後方に延出するように形成されている。このカセット蓋開放係止部材274は、球交換カセット275を球交換カセット取付部270に取り付ける際に、球交換カセット275の球出口に前後方向にスライド可能に設けられているカセット蓋275aに係合し、カセット蓋275aを球交換カセット275の本体に対して相対的に後方に移動させて球出口を開放するものである。これにより、球交換カセット275を球交換カセット取付部270にセットすることで、球交換カセット275の球出口が開放状態となり、球交換カセット275をセットした時点で、球交換カセット275の球出口から遊技球が球補充装置260を経て循環流路220側に流下を開始することになる。
【0089】
作動リンク部材273は、前壁部材310の球交換カセット取付部270の球補充装置260側端部に配置されるものである。
この作動リンク部材273は、その下端部を除く主要部が球交換カセット取付部270と球補充装置260との間の導入口を開閉する開閉扉部273aとされ、導入口を、遊技球の通過が不可となるように閉塞する前後幅及び上下幅を有するとともに、球交換カセットに押圧される際に確実に押圧可能な厚み(左右幅)を有する。また、作動リンク部材273は、その主要部となる開閉扉部273aの下となる下端部に、下端部の前部から後方に延出した板状のリンク片273bを有する。また、リンク片273bは、上述の球交換カセット取付部270側に延出する球貯留板261の係合部材261bの下側の近傍(接しても良い)に配置されている。そして、作動リンク部材273は、開閉扉部273aとリンク片273bとの接合部分が前壁部材310に形成された軸(図示略)に回転自在に軸支されている。
【0090】
そして、作動リンク部材273は、外部から力のかかっていない通常時は、開閉扉部273aが上述の遊技球の導入口を閉じる状態となっている。この状態で球交換カセット275が球交換カセット取付部270に挿入されると、作動リンク部材273の開閉扉部273aが前方向に押圧されて導入口が開放状態となるとともに、リンク片273bが斜め上前方に移動するように作動リンク部材273が回転移動する。
【0091】
また、リンク片273bは、上述のように球貯留板261の係合部材261bの下側の近傍に配置されており、球交換カセット275を挿入することで、リンク片273bが斜め上に上がると、係合部材261bを押し上げ、球貯留板261が、球交換カセット取付部270側に向かって下り傾斜して遊技球を貯留する状態から、ファール球回収手段250に向かって下り傾斜して遊技球を合流部254に流下させて遊技球を補充する状態となる。そして、球交換カセット275の球出口から球補充装置260側に流下した遊技球は、球貯留板261上を流下して循環流路220に流入する。なお、リンク片273bは、球貯留板261の係合部材261bの下側に配置されているので、球補充ソレノイド263が、球貯留板261の係合部材261b側の端部を上昇させて、補充球を補充する状態となっても、リンク片273bは動かず、開閉扉部273aは、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間を閉塞した状態を維持するようになっている。
【0092】
以上のように球交換カセット275を球交換カセット取付部270にセットすると、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間で、作動リンク部材273の開閉扉部273aが遊技球の導入口を開放することで、球交換カセット275の球出口から流出した遊技球が、球補充装置260の球交換カセット取付部270側に端部に形成された球抑え部材265上を通過して、球貯留板261上に流下するが、この際に、球貯留板261は、作動リンク部材273により補充状態とされ、ファール球回収手段250側に向かって下り傾斜しているので、補給される遊技球は、球貯留板261上をファール球回収手段250側に流下して、球貯留板261の端部から落下し、循環流路220の上流側端部となる合流部254に流下して、循環流路220内に流入することになる。
【0093】
循環流路220は、その底部として、上下三段に前壁部材310から後方側に壁面状(板状)に延出された以下の部材(流路構成部材)を有する。すなわち、循環流路220は、その底部となる部材として、上述のファール球流路252の下流側端部となり、ファール球流路252を流下するファール球、球補充装置260から循環流路220に補充される遊技球である補充球、上述のように導入経路226から回収球センサ212を通過して流下する回収球の三種類の遊技球が合流する合流部254と、封入球式遊技機100の裏面側から見て右から左に下り傾斜する合流部254(ファール球流路252)の下側で、裏面側から見て左から右に下り傾斜する流下傾斜部222と、流下傾斜部222の下側で、裏面側から見て右から左に傾斜する待機傾斜部223とを有する。
【0094】
また、待機傾斜部223の下流側には、後述する監視手段280の誇大化部材281を配設する誇大化部材配設部227が、上述の各傾斜部と同様に前壁部材310から後方側に延出された壁面状(板状)の部材によって形成されている。この監視手段280の詳細については後述するが、誇大化部材281は各傾斜部と同様に、その上部に遊技球を流下可能な構成とされており、待機傾斜部223の下流側端部に連続するように、かつ、待機傾斜部223の延在方向に沿って配されることで、流路の一部を構成している。
【0095】
なお、循環流路220のうち、流下傾斜部222の中央部から下側の部分と、待機傾斜部223上、誇大化部材281上には、封入球式遊技機100の遊技中(遊技球を順次発射し、遊技領域1aに数個以上の遊技球が流下している状態)及び非遊技中(遊技球を発射していない状態)に係わらず遊技球が溜まった状態とされ、遊技球の発射毎に溜まった遊技球が順次遊技球の直径となる距離だけ下方に移動するようになっており、循環流路220の遊技中に常時遊技球が待機した状態となる部分となる下流側の部分が前記待機流路221となる。なお、待機流路221を含む循環流路220は、上下複数段に渡って形成されるが、各段においては、封入球式遊技機100の左右方向に沿って延在し、遊技球を左右方向に沿って流下されながら、下の段に遊技球を導出するようになっている。
【0096】
また、待機流路221の上流側端部となる流下傾斜部222の下流側部分の上、すなわち、前壁部材310のファール球傾斜部255の上流部分の下には、球補充装置260の作動を制御する際に用いられる球不足検出センサ264を取り付けるための近接センサ取付部319が設けられて、これに球不足検出センサ264が取り付けられている。なお、球不足検出センサ264は、周知の近接センサスイッチで、金属である遊技球が近接している状態で、遊技球が存在していることを示す信号を出力している。すなわち、待機流路221に正常な状態の遊技球が滞留していれば、球不足検出センサ264は、遊技球が待機流路221の球不足検出センサ264の直下となる部分に存在し、球不足になっていないことを示すHIGHもしくはLOWの信号を出力する。
【0097】
また、合流部254を有するファール球傾斜部255及び流下傾斜部222は、ほぼ同じ長さで左右に僅かにずれた状態で上下に重なって配置されるが、前記待機傾斜部223は、これらファール球傾斜部255及び流下傾斜部222より短く、例えば、これらの約半分の長さとされている。そして、誇大化部材281の上流側の一部分が上下にファール球傾斜部255及び流下傾斜部222に重なった状態とされ、誇大化部材281のその他の部分がファール球傾斜部255及び流下傾斜部222と上下に重ならず、誇大化部材281の下流側部分の上には、循環流路220が無い状態とされている。そして、誇大化部材281の下流側部分の上には、球補充装置260の球補充ソレノイド263が配置されている。このような循環流路220の配置により、封入球循環ユニット200のスペース効率が高められ、封入球循環ユニット200の小型化が図られている。
【0098】
なお、循環流路220の長さは、例えば、球補充装置260に貯留される補充球を含めずに、封入球式遊技機100内で循環する遊技球の全てを貯留できるだけの長さとされており、遊技球の発射を止めた状態で、循環流路220内に循環使用される遊技球がちょうど収まった状態となる。なお、球保持装置290によって遊技球が保持されている場合は、その分だけ循環流路220内に収容される遊技球が少ない状態となる。また、循環使用される遊技球の個数は、遊技球を順次発射した際に、遊技球の回収が間に合わずに、遊技の発射ができない状態となることがない個数(例えば、25個)とされている。従って、循環流路220の長さは必要十分な長さとされている。なお、遊技領域1aでの球詰まり等により遊技球が不足した場合には、球補充装置260により遊技球が補充される。
【0099】
また、前記導入経路226及び循環流路220や待機流路221やファール球流路252は、その前側が前壁部材310に閉塞され、その後側が後壁部材320により閉塞された状態となっており、それらの前後幅が遊技球の直径より僅かに長いものとされ、遊技球を一列にして収納可能とされるとともに、前後に遊技球が重なることなく、遊技球を流下させるようになっている。また、導入経路226の導入傾斜部213上は、遊技球導入口として開放された状態となっているが、ファール球流路252のファール球傾斜部255上は、ファール球が導入される上流端部を除く傾斜上側の部分の上に遊技球の直径より僅かに広い間隔をあけてセンサ取付部330が配置され、ファール球流路252の傾斜下側の部分である合流部254においては、補給用の遊技球及び回収球が合流する部分より下側の部分の上に、遊技球の直径より僅かに広い間隔を開けて、球補充装置260の傾斜方向(傾斜角)を変換自在な球貯留板261が配置されている。なお、球貯留板261の下側の合流部254上には、球貯留板261が傾斜角を変更可能な所定の角度範囲内で傾斜角を変更しても、球貯留板261との間に遊技球が流下可能な間隔が保持されるようになっている。
【0100】
また、循環流路220の流下傾斜部222上には、上端部がファール球傾斜部255の合流部254と一体に接合され、下端部が待機傾斜部223と一体に接合された流下天井部224が形成されている。流下天井部224は、流下傾斜部222との間に遊技球の直径より僅かに広い間隔をあけて、流下傾斜部222と同じ傾斜となるように形成されている。なお、流下天井部224の下端部(傾斜下側の端部)となり、流下傾斜部222から待機傾斜部223に遊技球がほぼ真下に流下する部分では、遊技球の流下経路に対応して湾曲した形状となっており、その部分で待機傾斜部223と一体に接合された状態となっている。
【0101】
また、循環流路220の待機傾斜部223上および誇大化部材281上には、上端部が流下傾斜部222に一体に接合された待機天井部225が形成されている。待機天井部225は、待機天井部225との間に遊技球の直径より僅かに広い間隔を開けて、待機傾斜部223と同じ傾斜となるように形成されている。
以上のことからファール球流路252及び循環流路220においては、多くの部分で遊技球の流下方向に対して左右や上下に遊技球の直径より僅かに広い間隔が開けられた状態となっており、遊技球が左右や上下に重なって通過することがなく、遊技球が一個ずつに流下するか一列に並んで流下するようになっている。
【0102】
球送り装置240は、待機流路221の下流側に設けられ、待機流路221の傾斜により待機流路221上に一列に並んで待機する遊技球の荷重による遊技球の傾斜下側への移動を規制する規制壁241を備え、上述のように並んだ遊技球の最も傾斜下側の遊技球を一個だけ受ける球受け部242と、球受け部242で保持された遊技球を規制壁241を乗り越える高さまで上昇させる球送り部材243と、球送り部材243を昇降駆動する球送り電磁石244と、規制壁241の球受け部242の反対側に形成され、規制壁241を乗り越えた遊技球を発射装置61(発射レール62上)に導出するための供給流路245と、供給流路245を通過する遊技球を検知する供給球検出センサ246と、供給流路245(封入球循環ユニット200)の遊技球の発射装置61への導出口となる球供給口247とを備える。
【0103】
規制壁241は、傾斜した待機流路221上に並んだ遊技球の最も傾斜下側の遊技球を止め、規制壁241を乗り越えた遊技球だけを発射装置61に流下させる供給流路245に移動可能とするものである。この規制壁241は、遊技球の半径程度の高さ(最も下に位置する球送り部材243の後述の球保持部243aの上面からの高さ)を有し、上端部が待機流路221側に屈曲したL字形板状に形成されていて、待機流路221側に突出する先端部が遊技球に当接することで、遊技球を球受け部242内(球送り部材243の球保持部243a上)に係止するようになっている。また、球受け部242は、規制壁241と直角に接合された状態の保持部底壁248を備え、規制壁241と保持部底壁248とがL字状となっている。
【0104】
球送り部材243は、球受け部242の保持部底壁248上に配置されて、球受け部242に流入した遊技球を保持する球保持部243aを備え、かつ、左右と後方側が開放したコ字状(チャネル状)に形成され、遊技球を遊技機100の後方から見て右から左に通過させられるようになっている球保持部形成部233を有する。なお、球保持部243aは、コ字状の球保持部形成部233の底部となる部分である。また、球送り部材243は、球保持部形成部233の上端部に、左右方向に沿って左方向(待機流路221が形成された側と反対側)に延出するアーム部234を有する。アーム部234の球保持部形成部233が接続していない一端部は、球送り電磁石244の下部に延出する係合部244aに回動可能に係合するようになっている。さらに、アーム部234の上面であって、球送り電磁石244と対向する部分には、磁石が吸着可能な材質(例えば、鉄)からなる吸着片235が設けられている。また、アーム部234が球送り電磁石244の一部分に係合した部分の近傍には、アーム部234の下方向への移動を規制する規制片237が形成されている。
【0105】
そして、アーム部234は、球送り電磁石244が吸着片235の吸着、解放を繰り返すことで、球送り電磁石244の係合部244aに係合した部分を中心として、吸着片235が球送り電磁石244に吸着された位置と、アーム部234が規制片237の上面に当接する位置との間の範囲で上下方向に回動することとなる。また、アーム部234が回動するのに伴い、アーム部234の一端にある球保持部形成部233(球保持部243a)は、上下に移動することとなる。アーム部234がその回動範囲における上限となる位置にあるとき、すなわち、吸着片235が球送り電磁石244に吸着された位置では、球保持部243aの上面が、規制壁241の上端の待機流路221側に突出した部分に係合する位置となるようにされている。また、アーム部234がその回動範囲における下限となる位置にあるとき、すなわち、アーム部234が規制片237の上面に当接した位置では、球保持部243aの遊技球が載る上面が、循環流路220の下流側端部に連続して遊技球を受け入れ可能な位置となるようにされている。以上のことから、球送り部材243は、球保持部形成部233の球保持部243aの遊技球が載る上面が循環流路220の下流側端部に連続して遊技球を受け入れ可能な位置と、球保持部243aの上面が規制壁241の上端の待機流路221側に突出した部分に係合する位置との間を昇降自在とされていることとなる。なお、球送り装置240が作動していない状態においては、球送り部材243のアーム部234が、回動範囲における下限となる規制片237の上面に当接した状態となるようにされており、遊技球を球保持部243aに受け入れた状態で停止するようになっている。
【0106】
また、球保持部243aの上面は、裏面側から向かって右から左に下るように傾斜し、待機流路221の待機傾斜部223上から球受け部242に配置された球送り部材243の球保持部243a上に流入した遊技球は、球保持部243a上でその傾斜により規制壁241側によって規制壁241に接触した状態となるようになっている。そして、球送り部材243が球送り電磁石244により上昇させられ、球保持部243aの上面が、規制壁241が待機流路221側に突出した部分に係合する位置に達した際に、球保持部243a上の遊技球が球保持部243aの傾斜によって規制壁241を越えて供給流路245側に流下するようになっている。なお、球保持部243aの一側端(待機流路221に臨む端部)は、上昇した場合に、待機流路221上(後述の誇大化部材281上)で次に球送り部材243に送られる遊技球が球送り部材243の下に入り込むことがないように、待機流路221の最も下流側で待機する遊技球の直径より高く上がらないようになっている。そして、球保持部243aが上昇した状態では、この次に球送り部材243に送られる遊技球が球保持部243aの一側端に当接した状態となる。
【0107】
ここで、球保持部243a上にある遊技球は、規制壁241の待機流路221側に突出した部分に当接しているので、その一部が球保持部243aの一側端(待機流路221に臨む端部)よりも待機流路221側に突出した状態となっている。よって、球保持部243aが上昇して、次に球送り部材243に送られる遊技球が球保持部243aの一側端に当接した状態になると、球保持部243a上にある遊技球が上方に押し上げられ、より容易に規制壁241を越えられるようになっている。
【0108】
球送り電磁石244は、アーム部234の上面に設けられた吸着片235を吸着可能な電磁石236を備えるとともに、その一部分にアーム部234の一端を回動可能に係合する下方に延出した係合部244aを有する。この球送り電磁石244は、発射制御基板63により発射装置61と同期して制御され、発射装置61が遊技球を発射した直後に、吸着片235の吸着、解放を行うことで球送り部材243を昇降させ、遊技球を発射装置61に送るようになっている。なお、球送り部材243は係合部244aを中心に回動するように上下動するので、球送り電磁石244の吸着片235を吸着する吸着面は、係合部244aと中心とした円の半径に沿うように斜めに配されている。
【0109】
供給流路245は、規制壁241を挟んで球保持部形成部233が配される側の反対側に形成され、規制壁241に沿って遊技球をほぼ真下に流下させた後に、前方に案内して、前方の球供給口247から遊技球を封入球循環ユニット200の前側の発射装置61側に導出するようになっている。また、供給流路245には、供給流路245を流下する遊技球を検出する供給球検出センサ246が設けられている。
【0110】
供給球検出センサ246は、回収球センサ212と同様に周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、供給流路245の規制壁241に面する側と反対側となる前壁部材310の位置に設けられた供給センサ取付部312に後端部が取り付けられ、前端部が規制壁241に当接もしくは近接して配置され、規制壁241を乗り越えて供給流路245を真下に流下する遊技球が通過する孔246aが形成され、供給流路245を流下して孔246aを通過する遊技球を検出するようになっている。なお、供給球検出センサ246も回収球センサ212と同様に遊技球を検出して信号を出力する。供給球検出センサ246に検出された遊技球は、検出直後に発射装置61に供給されて発射されるので、供給球検出センサ246は、発射装置61の前側であるが、遊技球の発射を検出する発射球センサも兼ねるものとなっている。
【0111】
球送り装置240は、遊技球が規制壁241を乗り越えるように僅かに上昇させることにより、遊技球を一個ずつ発射装置61に供給するようになっており、遊技球を傾斜に沿って流下させた状態で下側に一個ずつ排出する構造とした場合に比較して、球送り装置240の多くの部分が待機流路221に対して下側に配置されることがなく、球送り装置240が循環流路220の下部となる待機流路221より下側となることで、封入球循環ユニット200の上下長さが長くなるの防止し、封入球循環ユニット200を小型化することができる。特に、封入球循環ユニット200の上下幅を短くすることができる。
【0112】
また、球送り装置240は、遊技球を規制壁241を乗り越えさせるために、その直径程度の長さだけ上昇させるものであり、遊技球を長い距離に渡って揚送するものではなく、封入球循環ユニット200の循環流路220やファール球流路252に最低限必要とされる上下幅の範囲内を十分に収容することができ、確実に封入球循環ユニット200の上下幅を短くすることができる。また、球送り装置240は、球送り電磁石244が球送り部材243を吸着するだけの簡単な構造であり、トラブルが発生する可能性が極めて低い。
【0113】
図3に示すように、循環流路220の下流側部分となる待機流路221の下流側端部に隣接する球送り装置240の裏面側には、遊技球を封入球循環ユニット200から抜き出す球抜き装置230が設けられている。この球抜き装置230は、後壁部材320に形成された球抜き開口部231と、これを開閉する板状の蓋部材232とを有する。球抜き開口部231は、後壁部材320における球送り部材243の球保持部形成部233と対向する位置に設けられており、その大きさは、遊技球1個が通過できる程度の大きさである。また、後壁部材320に設けられた球抜き開口部231の外面には、球抜き開口部231を開閉するための板状の蓋部材232が、左右にスライド自在に設けられている。
【0114】
また、上述の球保持部243aの上面は裏面側から向かって右から左に下るように傾斜しているが、後方へ向かって下る傾斜ともなっている。すなわち、球保持部243aの上面は、封入球循環ユニット200の裏面側から見て、右前方から左後方に下るように傾斜している。よって、蓋部材232を開放すれば、球保持部243a上の遊技球はその傾斜に沿って自然に後壁部材320の球抜き開口部231から外部に流出する。さらに、待機流路221に待機している遊技球も続いて外部に流出し、封入球循環ユニット200内の遊技球を抜き取れるようになっている。このような球抜き装置230は、封入球式遊技機100内に封入された遊技球を係員等の外部操作により取り出すためのもので、封入球式遊技機100のメンテナンス、遊技球の交換などのために、封入球式遊技機100から遊技球を取り出すために用いられる。
【0115】
以上のような封入球式遊技機100においては、以下のように遊技領域1aに遊技球が発射され、発射された遊技球が回収されて循環使用されることになる。
発射ユニット60の発射装置61に供給された遊技球は、球位置決め部材(図示略)により発射レール62上の発射位置に保持され、発射杵66により打撃されることで、遊技盤1前面側の遊技領域1aの下側から内外二本のガイドレール2の間を通って、遊技領域1a内に発射される。そして、遊技領域1a内に発射された遊技球は、遊技領域1a内を流下し、発射された一部の遊技球が普通変動入賞装置9、特別変動入賞装置5、一般入賞口等の入賞口に流入して入賞し、遊技盤1の裏面側に導かれてセーフ球となり、遊技盤1の裏面側の図示しないセーフ球の排出経路を通って遊技盤1の下側に流下する。
【0116】
一方、遊技領域1a内を流下しても入賞することなく、遊技領域1aの下端部に至った遊技球は、アウト球として、遊技盤1の前面側下端部のガイドレール2が設けられていない中央部分から遊技盤1の下側に流下する。すなわち、アウト球は、遊技盤1の前面側から遊技盤1の下側に流下する。
そして、遊技盤1の下側に流下したアウト球及びセーフ球は、それぞれ封入球循環ユニット200の回収部材210で回収され、封入球循環ユニット200内に流入する。一方、発射装置61で発射されたにも係わらず、遊技領域1aを流下せずに戻ったファール球としての遊技球は、図示しないファール球回収口から封入球循環ユニット200内に流入し、上述の回収球としての遊技球と合流する。
【0117】
封入球循環ユニット200内に形成された経路に沿って遊技球は流下、待機し、発射装置61の発射動作に連動して動作する球送り装置240によって球供給口247から発射位置に供給される。この球供給口247は、封入球循環ユニット200の前面側にある発射ユニット60の発射位置に面しており、球供給口247から出た遊技球はそのまま発射位置にセットされる。つまり、発射ユニット60の裏側にある封入球循環ユニット200から直接遊技球を発射位置にセットするので、循環経路が単純になり装置の構成を簡略化できる。
発射装置61にセットされた遊技球は、発射杵66によって打撃されて遊技領域1aに発射され、再び上述の経路を辿り循環使用される。
【0118】
すなわち、封入球式遊技機100は、封入球循環ユニット200を有することにより、内部に所定数の遊技球を封入しておき、遊技球を発射位置から遊技領域1aに向けて発射し、発射した遊技球を再び回収して発射位置に導くことにより遊技球を循環使用すると共に、遊技者が所有する持球数を示す持球情報に基づいて遊技球の発射が可能となるものである。
【0119】
以上のことから、発射装置61により発射されて遊技に供された遊技球を回収するとともに、該回収した遊技球を再び該発射装置61に供給する遊技球循環機構(封入球循環ユニット200)を有することとなる。
【0120】
次に、図4から9を参照して監視手段280の構成および監視手段280による正規な遊技球よりも径の小さい不正球(小径球)の存在の監視について説明する。
図4に示すように、この監視手段280は、待機流路221の下流側部分に設けられ、球保持部243a上および待機流路221で一列に並んで待機する複数個(ここでは下流側から12個)の遊技球に不正球が存在した場合に、その列の長さが短くなることを検出することで不正球の存在を監視するものである。なお、正規な遊技球は直径が11mmであり、この正規な遊技球よりも径の小さい不正球のうち、10.6mm以下の径を有する不正球は、上述したように発射位置において球位置決め部材(図示略)と発射レール62の間から下方に落下するようになっている。よって、この監視手段280は直径が10.6mmより大きく11.0mm未満である不正球の存在を検出するものである。
【0121】
この監視手段280は、待機傾斜部223の下流側に設けられ、正規な遊技球と不正球との径の差に起因する遊技球の位置の変化を誇大化させる誇大化部材281と、所定位置における遊技球の存在を検出する遊技球検出手段としての不正球検出センサ282と、不正球検出センサ282などからの情報に基づき、不正球の存在を監視する処理を行う発射制御装置63aを含む。
【0122】
誇大化部材281は、待機流路221の球送り装置240に隣接する下流側端部から複数個の遊技球が待機する範囲(ここでは正規な遊技球10個分の長さの範囲)にわたって配されている。図4から8に示すように、この誇大化部材281は、正規な遊技球10個分の長さ(左右幅)および待機流路221の幅と略同じ前後幅を有する直方体の中央部に、上側に開口し、左右方向(遊技球の流下方向)に沿って形成された溝281aを有する断面形状がコ字状となった部材である。さらに、中央に形成された溝281aの両側に位置する上面は、溝281aに向かって下る傾斜面281b,281bとなっており、誇大化部材281の上部は断面形状が略V字状となっている。なお、溝281aの断面形状自体がV字状であっても良い。
【0123】
このような構成を有する誇大化部材281により、誇大化部材281上を流下する遊技球は、図5に示すように、傾斜面281b,281bに当接し、溝281aの上部に一列に並んだ状態となるので、遊技球が流下方向に対して左右に(互い違いに)ずれて遊技球の列の長さが短くなることがない。すなわち、誇大化部材281を設けることで、遊技球の並び方によって列の長さが短くなることを防ぐことができる。これにより、特に、すべて正規な遊技球の場合には、必ず最も遊技球の列の長さが長い状態となり、この状態に比較して遊技球の列が短くなることに基づき不正球の存在を検出する監視手段280における誤検出を防止できる。
【0124】
また、誇大化部材281上に正規な遊技球よりも径の小さい不正球が流入した場合、図7に示すように、正規な遊技球(点線で表示)より径の小さい不正球(実線で表示)は、略V字状に形成された傾斜面281b,281bによって、正規な遊技球より沈んだ位置で保持される。そして、図8に示すように、不正球(図8では下流側から8,9,11番目の遊技球)は、正規な遊技球と上下にずれた位置で保持される。このような状態で不正球が保持されることによって、単に平面上に並んだ場合よりも、不正球が存在することによって遊技球の列の長さが短くなる効果が誇大化され、顕著に現れることとなる。すなわち、誇大化部材281が正規な遊技球と不正球との径の差に起因する遊技球の位置の変化を誇大化させる誇大化手段をなし、これによって、遊技球の列の長さに基づき不正球を検出する監視手段280の検出精度が高められるようになっている。
【0125】
以上のことから、監視手段280は、正規な遊技球と不正球との径の差に起因する遊技球の位置の変化を誇大化させる誇大化手段(誇大化部材281)を備え、誇大化手段は、待機流路221の底部に形成された、流路の両側方から中央にかけて各々下り傾斜した傾斜面281b、281bを有する溝281aにより構成されていることとなる。
【0126】
待機傾斜部223の下流側には、上述のような誇大化部材281を収容することで待機流路221に配設するための誇大化部材配設部227が形成されている。この誇大化部材配設部227は、前壁部材310と前壁部材310から後方側に延出された壁面状(板状)の部材および図4では図示しない後壁部材320によって構成されており、上側が開口した箱状の凹部となっている。誇大化部材配設部227の左右幅、前後幅は、誇大化部材281の長さ(左右幅)、前後幅と同じであり、上下幅は、誇大化部材281の底面から、上部に形成された傾斜面281b,281bの下端までの幅と略同じとされている。また、誇大化部材配設部227は、待機傾斜部223と同じ傾斜角度を有しており、ここに配される誇大化部材281は待機傾斜部223と同じ傾斜角度で配されるようになっている。
【0127】
これにより、図6、8に示すように、誇大化部材281の上流側端部においては、誇大化部材281に接する待機傾斜部223の上面と、誇大化部材281の上部に形成された傾斜面281b,281bの下端部が同じ上下位置となり、遊技球は待機傾斜部223から誇大化部材281へスムーズに流下するようになっている。また、誇大化部材281の下流側端部においても、誇大化部材281に接する誇大化部材配設部227の壁面状の部材の上端と、誇大化部材281の上部に形成された傾斜面281b,281bの下端部が同じ上下位置となり、遊技球は誇大化部材281からスムーズに流出するようになっている。さらに、誇大化部材281の下流側端部に接する誇大化部材配設部227の壁面状の部材の上端と、球送り部材243が最も下側にある状態における球保持部243aの上面が同一面上に位置しており、待機流路221内で遊技球が滞ることなくスムーズに流下するようになっている。
【0128】
また、図4,6,8に示すように、誇大化部材281よりも上流側の待機流路221の側壁には、遊技球検出手段としての不正球検出センサ282が設けられている。この不正球検出センサ282は、周知のフォトセンサであって、前壁部材310側に発光部282aを有し、後壁部材320側に受光部(図示略)を有する構成となっており、所定位置における遊技球の有無を検出できるようになっている。
【0129】
この不正球検出センサ282が検出対象とする遊技球は、誇大化部材281の上流側端部に位置する遊技球の上流側に隣接した待機傾斜部223上にある遊技球(ここでは下流側から数えて12番目の遊技球)である。そして、不正球検出センサ282の配設位置は、図4に示すように、不正球が存在しない場合、すなわち、遊技球の列が最も長い場合に不正球検出センサ282が検出対象となる遊技球の上流側縁部を検出し、図8に示すように、不正球(図8では下流側から8,9,11番目の遊技球)が存在する場合、すなわち、遊技球の列が上述の場合より短い場合に不正球検出センサ282が検出対象となる遊技球を検出しないような位置とされている。なお、図8に示すように、発光部282aはごく狭い範囲に設定されており、不正球が存在することによる検出対象遊技球の位置変化を確実に検出できるようになっている。
【0130】
不正球検出センサ282の発光部282aの詳細な配設位置は、図9に示すように、検出対象となる遊技球とその上流側に隣接する遊技球が正規な遊技球である場合に、両者の間隔(図9中のAの距離)が4.8mm以上となる位置となっている。ここで、すべて正規な遊技球(直径11.0mm)である場合には、球保持部243aにある最初の遊技球の下流側端部(左端部)から、不正球検出センサ282に検出される最後の遊技球(12番目の遊技球)の上流側端部(右端部)までの長さは、132mmとなる。また、すべての遊技球が監視手段280で監視する必要がある最小の径(10.6mm)を有する不正球である場合には、127.2mmとなり、この場合は、不正球検出センサ282に検出される遊技球の上流側端部(右端部)が上述の場合よりも4.8mm下流側に移動することとなる。
【0131】
よって、不正球検出センサ282の発光部282aを、図9に示すAの距離が4.8mm以上の位置に設けることで、不正球が存在して遊技球の列の長さが短くなった場合でも、検出対象となる遊技球の上流側に隣接する遊技球を検出せず、必ず不正球検出センサ282がOFFになるので、誤検出を防止できる。なお、誇大化部材281によって不正球が存在することにより遊技球の列の長さが短くなる効果が誇大化されるので、不正球検出センサ282はこの効果を考慮した位置に設定する必要がある。
【0132】
以上のことから遊技球検出手段は、待機流路221における複数番目に待機する遊技球の上流側縁部を検出するセンサ(不正球検出センサ282)により構成されていることとなる。
【0133】
以上のような構成を有する監視手段280によれば、球保持部243a上および待機流路221で一列に並んで待機する遊技球の列の中に、不正球が存在することによって列の長さが短くなることを不正球検出センサ282による遊技球の検出の有無に基づき確実に検出でき、容易に不正球の存在を検出することが可能となる。
【0134】
次に、以上のような監視手段280の一部をなす発射制御装置63aで行われる正規の遊技球より径の小さい不正球を監視する不正監視処理について説明する。
まず、発射装置61が作動中であるか否かの判定(ステップS1)を行う。発射装置61が作動中であるか否かは、例えば、タッチセンサ152からの入力の有無や、発射装置61の動作の有無、球送り装置240の動作の有無から判定する。
発射装置61が作動中であるか否かの判定(ステップS1)において、作動中である場合は不正監視処理を終了する。これは、監視手段280による不正球の存在の監視は、待機流路221で待機する遊技球の列の長さに基づき行うので、遊技球が待機流路221内で動いていない状態で行う必要があるためである。
発射装置61が作動中であるか否かの判定(ステップS1)において、作動中でない場合は球量検出センサ(球不足検出センサ264)が遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS2)を行う。
【0135】
以上のことから、監視手段280は、待機流路221の遊技球を発射装置61側に供給するための供給装置(球送り装置240)の停止時に不正球の監視を能動化することとなる。
【0136】
球量検出センサが遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS2)においては、球量検出センサとしての球不足検出センサ264から、第1枠制御装置83に中継されて発射制御装置63aに入力される遊技球の検出情報に基づき判定を行う。
球量検出センサが遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS2)において、遊技球を検出していない場合は不正監視処理を終了する。このように、球量検出センサ(球不足検出センサ264)が遊技球を検出していない場合は、遊技領域1a内での球止まりなどで待機流路221に所定数の遊技球が待機していない場合であり、この場合は、監視手段280によって待機する遊技球の列の長さに基づく不正球の存在の判定を行うことができないため、ここで不正監視処理を終了する。
球量検出センサが遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS2)において、遊技球を検出している場合は、不正球検出センサ282が遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS3)を行う。
【0137】
不正球検出センサ282が遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS3)においては、待機流路221に設けられた遊技球検出手段としての不正球検出センサ282が、遊技球を検出しているかが判定される。
不正球検出センサ282が遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS3)において、遊技球を検出している場合は、不正監視処理を終了する。この場合は、正規な遊技球より径の小さい不正球が存在しないので、検出対象となる遊技球が不正球検出センサ282の発光部282a位置にある場合である。
不正球検出センサ282が遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS3)において、遊技球を検出していない場合は、不正処理(ステップS4)を行い、不正監視処理を終了する。この場合は、正規な遊技球より径の小さい不正球が存在するため、検出対象となる遊技球が不正球検出センサ282の発光部282aの位置より下流側に位置し、不正球検出センサ282で検出できなかった場合である。
【0138】
不正処理(ステップS4)においては、例えば、発射制御装置63aにおいて遊技球の発射を不能動化する処理を行う。また、発射制御装置63aにおいて、不正球が存在していることを示す情報含む不正発生情報を第1枠制御装置83に対して送信する処理を行う。この不正発生情報に基づき第1枠制御装置83は、外部アピール装飾ランプ11やスピーカ155,13等により不正の発生を報知する処理を行う。また、第1枠制御装置83は不正発生情報を第2枠制御装置91に中継し、第2枠制御装置91がタッチパネル表示ユニット151による不正発生の報知を行う処理、遊技機100外部の管理装置(ホールサーバ900)に不正発生情報を送信する処理などを行う。
以上のような監視手段280および不正監視処理によって、正規な遊技球より径の小さい不正球を遊技領域1aへの発射前に検出し、不正を未然に防ぐことができる。
【0139】
以上のことから、入賞口(特別変動入賞装置5、一般入賞口8、普通変動入賞装置9)が設定された遊技領域1aに向けて発射装置61から遊技球を発射して遊技を行うようにした遊技機100において、発射装置61に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路221に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段280(誇大化部材281、不正球検出センサ282、発射制御装置63a)を設け、監視手段280は、待機流路221において複数番目に待機する遊技球の発射装置61側からの位置の変化を検出するための遊技球検出手段(不正球検出センサ282)を含み、該遊技球検出手段からの検出信号に基づいて該複数番目以内における不正球の有無を監視することとなる。
【0140】
なお、上述の実施形態においては、遊技球検出手段としての不正球検出センサ282をフォトセンサとしたが、これに限られるものではなく、所定位置における遊技球の存在の有無を検出できるものであれば良い。例えば、待機流路221の底部に、金属部材(板部材)を設け、該金属部材と遊技球との電気的導通を検出することで、待機流路221の所定位置の遊技球を検出するようにしてもよい。
【0141】
また、誇大化部材281よりも上流側の待機流路221に遊技球検出手段としての不正球検出センサ282を設けるようにしているが、誇大化部材281上の遊技球を検出するように遊技球検出手段を設けるようにしてもよい。この場合、遊技球検出手段の位置は、遊技球の上方側で、かつ上流側の縁部を検出することが望ましく、この位置を検出することで、検出の対象となっている遊技球が不正球であった場合には、遊技球の位置が下流側に移動するうえ、下方側にも移動するので、不正球をさらに正確に検出することが可能となる。
また、不正球検出センサ282は遊技球の上方側で、かつ上流側の縁部を検出するようにしたが、下方側で、かつ上流側の縁部を検出するようにしても良い。
【0142】
また、誇大化部材281は封入球循環ユニット200の流路構成部材とは別部材で形成するようにしているが、上記流路構成部材と一体成型してもよい。ただし、この場合には、型成型の関係上、遊技球の流下方向に沿って延在する溝281a部分で、後方側と前方側とで別部材にすることが望ましい。
【0143】
また、監視手段280による不正球の監視を発射装置61の停止時に行うようにしているが、発射装置61の作動中に行ってもよい。この場合には、球送り装置240の可動部(球保持部243a)が下方に位置している間に監視処理を実行する。
【0144】
また、監視の対象となる遊技球を下流側から12番目の遊技球としたが、何番目の遊技球でも良い。
【0145】
また、不正処理において、不正発生情報をホールサーバ900(管理サーバー)に送信して、ホールサーバ900で不正の発生を報知してもよいし、不正ファイル(発生時刻、台番号、遊技者の個人情報などをファイリング)を作成してもよい。
さらに、不正発生情報を遊技機100から直接、或いはホールサーバ900を介して、監視カメラシステムに送信し、不正発生状況を監視してもよい。
【0146】
また、不正球を監視する不正監視処理(図11に図示)を発射制御装置63aで行うとしたが、これに限られるものではなく、例えば、第1枠制御装置83で行うようにしても良い。
この場合は、第1枠制御装置83において、発射装置61が作動中であるか否かの判定(ステップS1)を行うために、発射制御装置63aから、タッチセンサ152からの入力の有無や、発射装置61の動作の有無、球送り装置240の動作の有無などの情報を第1枠制御装置83に出力するようにする。
また、第1枠制御装置83において、不正球検出センサ282が遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS3)を行うために、発射制御装置63aから、不正球検出センサ282からの入力の有無に関する情報を第1枠制御装置83に出力するようにする。
【0147】
そして、不正球の存在が検出された際に行われる不正処理(ステップS4)においては、第1枠制御装置83から発射制御装置63aに対して遊技球の発射停止指令信号を送信し、これに基づいて発射制御装置63aにおいて遊技球の発射を不能動化する処理を行うようにする。
さらに上述と同様に、第1枠制御装置83は、外部アピール装飾ランプ11やスピーカ155,13等により不正の発生を報知する処理を行う。また、不正発生情報を第2枠制御装置91に送信し、第2枠制御装置91がタッチパネル表示ユニット151による不正発生の報知を行う処理、遊技機100外部の管理装置(ホールサーバ900)に不正発生情報を送信する処理などを行うようにする。
【0148】
次に、監視手段280の変形例について、図12を参照して説明する。
この監視手段280は、誇大化部材281の上流側に位置する待機傾斜部223に下流側が低くなった段差283を設け、ここに不正球検出センサ282を配設している点が上述の監視手段280と異なる。この段差283は、すべて正規な遊技球である場合に、誇大化部材281の上流側端部に位置する遊技球に隣接した待機傾斜部223上にある遊技球の上流側端部(右端部)が、段差283の略垂直な段差面284にちょうど当接するように形成されている。そして、段差面284にちょうど遊技球が当接した状態において、遊技球の下方端部(上流側)を検出可能な位置に不正球検出センサ282が設けられている。なお、図12には図示しないが、待機傾斜部223に段差283を形成したのに対応して、待機天井部225にも段差が形成され、遊技球が一列に並んで流下可能な段差を有する待機流路221が形成されている。
【0149】
このように、段差283を設けたことによって、段差面284よりも下流側に待機する遊技球の数を規制することができ、不正球が存在して遊技球の列の長さが短くなった場合において、検出の対象となる番目にある遊技球と段差面284との間に、次に待機する遊技球が入り込むことを防止できる。すなわち、不正球が存在する場合には、必ず不正球検出センサ282が遊技球を検出しない状態となり、確実に不正球の存在を検出できるようになる。
【0150】
なお、図12では段差面284より下流側の待機傾斜部223上に位置する検出対象の遊技球から数えて、1,2,4,5,8番目の遊技球が不正球であり、その分だけ検出対象となる遊技球が下流側に移動し、不正球検出センサ282に検出されない状態となっている。
また、段差283よりも下流側の待機流路221の長さ(球保持部243aを含む)は、すべての遊技球が監視手段280で監視する必要がある最小の径(10.6mm)を有する不正球である場合であっても、次に待機する遊技球が、検出対象となる遊技球と段差面284との間に入り込んで不正球検出センサ282に検出されることがない長さに設定されている。例えば、段差283より下流側の待機流路221の長さ(球保持部243aを含む)を、正規な遊技球がちょうど12個並ぶことのできる長さとすれば、上述したように、すべての遊技球が不正球であっても、検出対象となる遊技球が4.8mm下流側に移動するだけであるので、次に待機する遊技球が入り込むことは不可能であり、確実に不正球の存在を検出できる。
【0151】
以上のことから、遊技球検出手段(不正球検出センサ282)が位置する部位より上流側の待機流路221に段差283を設け、該段差面284よりも下流側に待機する遊技球の数を規制することとなる。
【0152】
以上のような遊技機100は、入賞口(特別変動入賞装置5、一般入賞口8、普通変動入賞装置9)が設定された遊技領域1aに向けて発射装置61から遊技球を発射して遊技を行うようにした遊技機であって、発射装置61に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路221に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段280(誇大化部材281、不正球検出センサ282、発射制御装置63a)を設け、監視手段280は、待機流路221において複数番目に待機する遊技球の発射装置61側からの位置の変化を検出するための遊技球検出手段(不正球検出センサ282)を含み、該遊技球検出手段からの検出信号に基づいて該複数番目以内における不正球の有無を監視するようにしている。
【0153】
したがって、発射装置61に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路221に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段280を設けたので、不正球の使用を防止することができる。
また、待機流路221において複数番目に待機する遊技球の発射装置61側からの位置の変化を検出するための遊技球検出手段を含み、その検出信号に基づいて該複数番目以内における不正球の有無を監視するので、特に複数番目以内に不正球が複数あった場合は、その分だけ発射装置61側からの位置の変化が大きくなるので、確実に不正球の存在を検出できる。
また特に、封入球式遊技機の場合、複数の不正球が存在するとその被害が甚大になるという課題があるが、これを防止できる。
【0154】
また、監視手段280は、正規な遊技球と不正球との径の差に起因する遊技球の位置の変化を誇大化させる誇大化手段(誇大化部材281)を備え、誇大化手段は、待機流路221の底部に形成された、流路の両側方から中央にかけて各々下り傾斜した傾斜面281b,281bを有する溝281aにより構成されている。
【0155】
したがって、監視手段280は、正規な遊技球と不正球との径の差に起因する遊技球の位置の変化を誇大化させる誇大化手段(誇大化部材281)を備えるので、正規な遊技球と不正球との径の差をより顕著にすることができ、正規なものよりも僅かに小さい径の不正球の使用も監視でき、より確実に不正行為を防止することができる。
また、誇大化手段は、待機流路221の底部に形成された、流路の両側方から中央にかけて各々下り傾斜した傾斜面281b,281bを有する溝281aにより構成されているので、不正球を確実に検出することができる。
すなわち、待機流路221内に小径球があった場合、その遊技球は流路の両側方から中央にかけて各々下り傾斜した傾斜面281b,281bにより正規な遊技球よりも下方に中心位置がずれ、その分待機流路221内の遊技球は小径球の寸法分よりもさらに発射装置61側(下流側)に位置がずれることになり、結果小径球の寸法の違いを顕著にでき、不正球を確実に検出することができる。
また、流路の両側方から中央にかけて各々下り傾斜した傾斜面281b,281bにより、遊技球を待機流路221の左右方向中心に正確に並べることができ、遊技球が待機流路221の中心からずれて並ぶこと(左右に互い違いに並ぶこと)により遊技球の列の長さが短くなることがないので、遊技球の並び方によって待機流路221内の遊技球の位置が実際の径よりも発射装置61側(流下方向側)にずれることを防止でき正確な遊技球の監視を行える。
【0156】
また、遊技球検出手段は、待機流路221における複数番目に待機する遊技球の上流側縁部を検出するセンサ(不正球検出センサ282)により構成されている。
【0157】
したがって、遊技球検出手段は、遊技球の上流側縁部を検出するセンサにより構成されているので、検出対象となる遊技球の位置が不正球の存在により下流側に変化することを確実に検出できる。また、遊技球の上流側縁部を検出することで、径の違いに起因する高さの変化を検出することもでき、特に上述の誇大化手段(誇大化部材281)を備えた場合は、高さの変化も誇大化されるのでより効果的に不正球を検出できる。
【0158】
また、監視手段280は、待機流路221の遊技球を発射装置61側に供給するための供給装置(球送り装置240)の停止時に不正球の監視を能動化するようにしている。
【0159】
したがって、監視手段280は、供給装置の停止時に不正球の監視を能動化するので、遊技球の動きが停止したときに不正球を監視することとなり、確実に不正球を検出することができる。なお、連続して遊技球を発射する動作の継続中にも不正球を監視可能であるが、供給動作による振動により誤検出の可能性があるため、この場合は供給装置が停止して、供給動作による振動が完全になくなっている間に監視することが望ましい。
【0160】
また、遊技球検出手段(不正球検出センサ282)が位置する部位より上流側の待機流路221に段差283を設け、該段差面284よりも下流側に待機する遊技球の数を規制するようにしている。
【0161】
したがって、遊技球検出手段が位置する部位より上流側の待機流路に段差を設け、該段差面284よりも下流側に待機する遊技球の数を規制するようにしたので、遊技球検出手段の対象となる番目の遊技球と段差面284との間に次の発射が行われるまで遊技球が入り込めないような隙間を形成することができ、不正球が複数存在することで、遊技球検出手段が本来検出すべき遊技球の位置が大きく変化し、それよりも上流側の遊技球を検出してしまうことを防止できる。
【0162】
また、発射装置61により発射されて遊技に供された遊技球を回収するとともに、該回収した遊技球を再び該発射装置61に供給する遊技球循環機構(封入球循環ユニット200)を有している。
【0163】
したがって、遊技球を循環して使用する遊技球循環機構を備えた封入球式の遊技機100の場合、封入された遊技球を不正な遊技球に交換されてしまうと、その不正球が繰り返して遊技に使用されてしまうため、遊技店の被害が多大になるが、監視手段280を有することで、このような被害を確実に防止することができる。
【0164】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるよう封入球式のパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【0165】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の構成を示す封入球式遊技機のクリア部材保持枠を開放した状態を示す斜視図である。
【図2】クリア部材保持枠を閉鎖した状態を示す封入球式遊技機の斜視図である。
【図3】封入球式遊技機の裏面側を示す図である。
【図4】封入球循環ユニットの内部となる前壁部材の裏面を示す図である。
【図5】誇大化手段の一部を示す斜視図である。
【図6】誇大化手段と待機傾斜部との接続部分を示す斜視図である。
【図7】誇大化手段上の遊技球の状態を示す断面図である。
【図8】監視手段の側面図である。
【図9】遊技球検出手段の配設位置を示す図である。
【図10】封入球式遊技機の制御系を示すブロック図である。
【図11】不正監視処理を示すフローチャートである。
【図12】監視手段の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0167】
1 遊技盤
1a 遊技領域
5 特別変動入賞装置(入賞口)
8 一般入賞口(入賞口)
9 普通変動入賞装置(入賞口)
61 発射装置
63a 発射制御装置(監視手段)
100 封入球式遊技機(遊技機)
200 封入球循環ユニット(封入球循環機構)
220 循環流路
221 待機流路
227 誇大化部材配設部
240 球送り装置(供給装置)
280 監視手段
281 誇大化部材(誇大化手段、監視手段)
281a 溝
281b 傾斜面
282 不正球検出センサ(遊技球検出手段、監視手段)
283 段差
284 段差面
【技術分野】
【0001】
本発明は、入賞口が設定された遊技領域に向けて発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようにした遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、発射装置により遊技球を遊技領域に向けて上方に発射することで遊技を行うようにした遊技機が知られている。
上記遊技機においては、球貯留皿から遊技球を1個ずつ発射位置に供給し、該発射位置の遊技球を発射するような遊技機が一般的であるが、近年では、遊技領域に発射されて遊技を終了した遊技球を遊技機の内部で再び回収するとともに、該回収した遊技球を再度発射装置に供給するようにした封入球式遊技機も考えられている。
上記遊技領域には、種々の入賞口が設けられ、この入賞口への入賞率はその上部に植設された障害釘の調整により設定されているが、この調整は予め定められている正規な遊技球を基準に行われている。
したがって、このような遊技機において、正規な遊技球よりも径の小さい不正球を使用することで、入賞口への入賞率を高めるような不正行為が行われる可能性がある。
このような不正行為を防止するために、打球通路に遊技球の球高を測定するセンサを設けることで各遊技球の球高を測定し、小径球を検出するような遊技機が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭62−377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、入賞口への遊技球の入賞率は、遊技球の僅かな径の違いでも変化するようなものに対して、従来のように直接1個の遊技球の径を測るような方法では、このよう微妙な径の違いを検出することは非常に困難である。
【0004】
本発明の課題は、入賞口が設定された遊技領域に向けて発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようにした遊技機において、正規な遊技球よりも径の小さい不正球を確実に検出することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、入賞口が設定された遊技領域に向けて発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようにした遊技機において、
前記発射装置に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段を設け、
前記監視手段は、前記待機流路において複数番目に待機する遊技球を検出可能な遊技球検出手段を含み、該遊技球検出手段からの検出信号に基づいて該待機流路において不正球が存在する場合に正規な遊技球と不正球との径の差に起因して該複数番目の遊技球の位置が変化することを検出することで不正球の有無を監視するものとし、
前記待機流路に段差を設け、該段差面よりも下流側に待機する遊技球の数を規制するとともに、該規制された遊技球の最上流に位置する遊技球を検出可能に前記遊技球検出手段を配設したことを特徴とする。
【0006】
ここで、「複数番目に待機する遊技球」とは、待機流路に並んだ遊技球のうち2番目以降の遊技球である。なお、不正球の有無の監視には、不正球を直接監視(検出)する場合と間接的に監視する場合とを含む。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、発射装置に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段を設けたので、不正球の使用を防止することができる。
また、待機流路において複数番目に待機する遊技球を検出可能な遊技球検出手段を含み、その検出信号に基づいて該複数番目以内における不正球の有無を監視するので、特に複数番目以内に不正球が複数あった場合は、その分だけ発射装置側からの位置の変化が大きくなるので、確実に不正球の存在を検出できる。
また特に、封入球式遊技機の場合、複数の不正球が存在するとその被害が甚大になるという課題があるが、これを防止できる。
また、待機流路に段差を設け、該段差面よりも下流側に待機する遊技球の数を規制するようにしたので、遊技球検出手段の対象となる番目の遊技球と段差面との間に次の発射が行われるまで遊技球が入り込めないような隙間を形成することができ、不正球が複数存在することで、遊技球検出手段が本来検出すべき遊技球の位置が大きく変化し、それよりも上流側の遊技球を検出してしまうことを防止できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機であって、前記遊技球検出手段は、前記待機流路における複数番目に待機する遊技球の上流側縁部を検出するセンサにより構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、遊技球検出手段は、遊技球の上流側縁部を検出するセンサにより構成されているので、検出対象となる遊技球の位置が不正球の存在により下流側に変化することを確実に検出できる。また、遊技球の上流側縁部を検出することで、径の違いに起因する高さの変化を検出することもできる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の遊技機であって、前記監視手段は、前記待機流路の遊技球を前記発射装置側に供給するための供給装置の停止時に前記不正球の監視を能動化することを特徴とする。
【0011】
ここで、「供給装置の停止時」とは、発射装置、供給装置の動作が完全に停止し、遊技球を発射していない状態の他、連続して遊技球を発射する動作の継続中であって、供給装置が発射装置に遊技球を供給した後から、次の遊技球を発射装置に供給するまで間における供給装置の停止状態も含む。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、監視手段は、供給装置の停止時に不正球の監視を能動化するので、遊技球の動きが停止したときに不正球を監視することとなり、確実に不正球を検出することができる。なお、連続して遊技球を発射する動作の継続中にも不正球を監視可能であるが、供給動作による振動により誤検出の可能性があるため、この場合は供給装置が停止して、供給動作による振動が完全になくなっている間に監視することが望ましい。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の遊技機であって、前記発射装置により発射されて遊技に供された遊技球を回収するとともに、該回収した遊技球を再び該発射装置に供給する遊技球循環機構を有することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明のように、遊技球を循環して使用する遊技球循環機構を備えた封入球式の遊技機の場合、封入された遊技球を不正な遊技球に交換されてしまうと、その不正球が繰り返して遊技に使用されてしまうため、遊技店の被害が多大になるが、監視手段を有することで、このような被害を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、発射装置に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段を設けたので、不正球の使用を防止することができる。
また、待機流路において複数番目に待機する遊技球を検出可能な遊技球検出手段を含み、その検出信号に基づいて該複数番目以内における不正球の有無を監視するので、特に複数番目以内に不正球が複数あった場合は、その分だけ発射装置側からの位置の変化が大きくなるので、確実に不正球の存在を検出できる。
また特に、封入球式遊技機の場合、複数の不正球が存在するとその被害が甚大になるという課題があるが、これを防止できる。
また、遊技球検出手段が位置する部位より上流側の待機流路に段差を設け、該段差面よりも下流側に待機する遊技球の数を規制するようにしたので、遊技球検出手段の対象となる番目の遊技球と段差面との間に次の発射が行われるまで遊技球が入り込めないような隙間を形成することができ、不正球が複数存在することで、遊技球検出手段が本来検出すべき遊技球の位置が大きく変化し、それよりも上流側の遊技球を検出してしまうことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の遊技機は、本発明をパチンコ遊技機としての封入球式遊技機に応用したものであり、例えば、遊技内容等は、従来のパチンコ遊技機と同様とすることが可能となっていると共に、外形等のサイズも同様となっており、パチンコ遊技店の現状の島設備に設置可能となっているが、島設備の球供給機構や球排出機構を用いることがないものとなっている。すなわち、封入球式遊技機は、予め封入された遊技球を用いる。また、封入球式遊技機は、例えば、台間機(球貸機)等への現金の投入等により発生する遊技価値情報(例えば、金額情報)を入力され、遊技価値情報を遊技に使用可能な遊技球数(遊技媒体数)である持球数のデータに変換し、このデータに対応して封入された遊技球を遊技領域に発射可能とし、遊技球を発射すると発射された遊技球数に対応して持球数のデータを減算するようになっている。また、発射された遊技球が各種入賞口や変動入賞装置等の入賞具に入賞して賞球(遊技球)が発生した場合は、実際の遊技球を払い出すことなく、前記持球数のデータに賞球数が加算されるようになっている。また、持球数のデータが0となると、遊技球の発射ができない状態となる。この状態で遊技価値情報としての金額情報や貯球された遊技媒体数の情報等を遊技媒体数のデータに変換すると、持球数のデータに変換された遊技媒体数のデータが加算され、再び遊技球の発射が可能となる。
【0017】
すなわち、封入球式遊技機は、遊技者の保有する持球数により遊技可能になり、前記発射により持球数から減算処理し、遊技球の入賞により持球数に加算処理するものである。
また、発射された遊技球は、遊技領域に至って一部は、入賞領域に入賞して遊技盤の裏面側に導かれてセーフ球として回収されると共に、残りの入賞しなかった遊技球はアウト球として回収され、これら回収された遊技球が循環流路を通って再び発射可能な状態となるようになっており、遊技球は封入球式遊技機内で循環するようになっている。また、ファールとなった遊技球も循環流路に回収されると共に、ファールとなった遊技球は遊技に係わることなく(入賞の機会を得ることなく)、回収されて再び発射可能とされるので、ファール球の発生に基づき、遊技価値情報の持球数のデータにファール球数が加算される。
【0018】
図1〜図3に示すように、本実施形態の封入球式遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110と、該機枠110内に嵌め込まれると共に、該機枠110に対し回動可能に矩形状の前面枠120が軸支されている。すなわち、前面枠120は、機枠110に対してドア状に開閉可能とされている。また、後述する遊技盤1等の各種部材が取り付けられた前面枠120の本体である前面枠本体130には、その中央部から上端部に至る略方形の開口部121が設けられ、該開口部121に前面側が遊技領域1aとされた遊技盤1が嵌め込まれている。また、前面枠本体130の開口部121に遊技盤1が嵌め込まれた状態で、遊技盤1の前面は、前面枠本体130の開口部121から露出された状態となっている。
【0019】
また、前面枠本体130には、該前面枠本体130に取り付けられた遊技盤1の遊技領域1aを視認可能な開口窓部144(図2に図示)を有し、この開口窓部144を覆うクリア部材としての二重のガラス板141を保持するクリア部材保持枠140が設けられている。
前面枠本体130は、前面枠120の各部材の取付ベースとなるものであって、上述のように、矩形枠状の機枠110内にちょうど収まるように、概略矩形板状に構成されると共に、その中央から上端部に渡る部分に遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部121が形成されている。また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部121、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部に渡る部分を覆って前記クリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面と前記クリア部材保持枠140に嵌め込まれた後側のガラス板141裏面との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
【0020】
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(左側部)は、前面枠本体130の一方の側部(左側部)に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。
また、前面枠本体130及びクリア部材保持枠140はそれぞれ周知のパチンコ遊技機等の弾球遊技機と同様に鍵穴159にキーを差して回転させることで閉じた状態にロック可能となっている。また、クリア部材保持枠140が開放されるとクリア部材保持枠開放検出センサ142(図10に図示:ガラス枠開放検出SW)に検出されるようになっている。
【0021】
また、クリア部材保持枠140の前面側には、遊技領域1aの視認を妨げない位置に、複数の外部アピール装飾ランプ11,…、サイドランプ12,12、スピーカ13,13、エラー表示器14,14(装飾ランプを兼ねる)等が設けられている。外部アピール装飾ランプ11,…は、クリア部材保持枠140の上部に、主に獲得遊技球数が大量となった場合に、これを周囲に報知するためのものである。例えば、入球数(遊技者が遊技機に打ち込んだ球数)と出球数(遊技球の入賞により出てきた賞球数)との差である差球数や差球数に対応する持球数に基づき、例えば、持球数(差球数)が高くなった場合に、持球数に対応する数の外部アピール装飾ランプ11,…が点灯するようになっている。
なお、上述のように封入球式遊技機100では、賞球の払い出しは行われず、上述の出球数、入球数、差球数、持球数等は、実際の遊技球の個数ではなく、データ上の数値となる。すなわち、実際に使用される遊技球は、循環使用される限られた所定数(例えば、25個)しかなく、例えば、遊技領域1aに発射される遊技球を検知してカウントした発射球数、発射されたが戻ってしまった遊技球を検知してカウントしたファール球数、遊技領域1aに発射されて回収された遊技球を検知してカウントした回収球数、入賞した場合の賞球数、遊技店から借りた球貸数等の数値から上述の入球数、出球数、差球数、持球数が得られる。
【0022】
なお、クリア部材保持枠140を開放して遊技球が外に出てしまう等のトラブルがない限り、発射球数=ファール球数+回収球数(回収球数がファール球数を含まない場合)となる。そして、入球数=回収球数=発射球数−ファール球数となり、出球数=賞球数=入球数−球貸数(再プレイ球数)+持球数となり、持球数=球貸数(もしくは再プレイ球数)+出球数−入球数、入球数−出球数=差球数、持球数=球貸数(もしくは再プレイ球数)−差球数となる。以上のように封入球式遊技機100による遊技は、完全にデータ上の数値として行われることになり、遊技球をこぼしたり、遊技球を下皿や上皿に残したりすることによる誤差が生じることがなく、整数単位で確実に管理可能となる。しかし、多数の遊技球を得て、これを遊技球箱に溜めることとそれを周囲の人に見られることとにより遊技者が得られる満足感や優越感といったものが、持球数という数値の増加では得難い。そこで、外部アピール装飾ランプ11,…は、点灯や発光色の変更により、遊技機の周囲に対して持球数が多いことをアピールすることで遊技者が満足感や優越感を得られるように用いられる。
【0023】
なお、封入球式遊技機100においては、後述するように持球数が数値としてデジタル表示されるが、持球数が多くなった場合に持球数のデジタル表示に加えて外部アピール装飾ランプ11が上述のように持球数に対応して点灯したり、発光色を変更したりすることで、持球数が多いことを遊技者やその周囲の人に報知することができ、持球数が少なくなった場合に持球数のデジタル表示に加えて後述する仮想遊技球表示器154により持球数が少ないことを遊技者に報知することができる。
また、サイドランプ12,12及びエラー表示器14,14は、遊技状態に対応して点灯、点滅、発光色の変更等の演出を行う。また、エラー表示器14,14は、エラー発生時に通常と異なる発光を行うことによりエラー発生を報知する。
【0024】
前面枠本体130の遊技盤1が取り付けられる開口部121の下側となる前面枠本体130の下部は、その前面側に後述の前面操作ユニット150が取り付けられると共に、図3に示すように、その裏面側に後述の発射ユニット60等が取り付けられる取付盤131となっている。また、図1に示すように、取付盤131の前面側に取り付けられる前面操作ユニット150には、タッチパネル表示ユニット151、タッチセンサ152、発射スライドボリューム153、仮想遊技球表示器154、スピーカ155、及びこれらの部材を保持すると共に後述する発射装置61の操作用のポケット状の凹部158(空間)を形成する発射操作空間形成枠161が設けられている。
【0025】
タッチパネル表示ユニット151は、表示装置としてのLCDパネル15b(図10に図示)とタッチパネル15a(図10に図示)とを有するもので、基本的な機能として、持球数の情報、金額情報(カード等の記憶媒体に記憶された残額等)、貯球情報(景品と交換せずに遊技店側に貯蓄した遊技球数等)等の遊技情報を表示し、実際の遊技球の払い出しがなくても、いつでも、持球数を確認できるようにすると共に、遊技者や遊技店の店員等に対してエラーの発生を含む各種情報を表示可能となっている。また、タッチパネル表示ユニット151は、タッチパネルとして、表示切替や、その他の表示内容に対応した入力操作を可能とするものである。なお、タッチパネル表示ユニット151は、封入球式遊技機100の左右方向に設定された回転軸回りに回転して傾きを調整できるようになっており、遊技者の体格等に対応して遊技者が見やすい角度に変更可能となっている。
【0026】
また、本実施形態の封入球式遊技機100においては、従来のパチンコ遊技機に設けられた遊技球の発射を操作するための回転操作式の操作ハンドルに代えて、タッチセンサ152,152及び発射スライドボリューム153を有する。
タッチセンサ152,152は、従来の操作ハンドルに設けられていたものであり、遊技者の手を接触させることにより、信号を発射制御装置63aに出力し、発射制御装置63aの制御の元に発射装置61を作動させて遊技球を発射させるものである。
【0027】
タッチセンサ152,152は、クリア部材保持枠140の下側で前側に膨出した状態の発射操作空間形成枠161の左右側部で、膨出した部分に形成されたポケット状の凹部158の内面のうち、主に遊技機の前方側で後方を向いた部分に設けられている。また、ポケット状の凹部158の底面部分は、遊技者の手をおけるように凹部内より外側に延出した状態となっており、凹部に手を入れてタッチセンサ152,152に触れた状態で楽に手を凹部の底面におけるようになっている。すなわち、凹部の底面は、アームレスト158a(ハンドレスト)として機能する。また、タッチセンサ152,152は、封入球式遊技機100の下部の前面操作ユニット150の左右にそれぞれ設けられているので、右手でも左手でも遊技球の発射の操作が可能となっている。
【0028】
また、従来、発射勢の調整は、操作ハンドルを回転することにより行われていたが、この例の封入球式遊技機100では、上下にスライド移動可能な操作レバー156を備えた発射スライドボリューム153により発射勢を調整できるようになっており、上下に移動可能な発射スライドボリューム153の操作レバー156を上もしくは下に移動すると発射勢が強くなり、逆に移動すると発射勢が弱くなるようになっている。なお、操作レバー156は、任意の位置で止められるようになっており、手を離してもバネ等により発射勢を最低とする位置に戻ることがないので、一度、遊技者が発射勢を決めたら、操作レバー156から手を離して、タッチセンサ152,152に手を触れるだけで遊技球が発射可能となる。
【0029】
仮想遊技球表示器154は、遊技球を払い出すパチンコ遊技機における上皿に溜まった遊技球の減少や増加による流動等を仮想的に表現するものである。
すなわち、遊技球を順次発射した際や、遊技球が入賞した際に、タッチパネル表示ユニット151に表示される持球数の増減だけで、パチンコ遊技機の上皿に溜まった遊技球の発射による減少や、賞球の払い出しによる増加を実感しずらいので、仮想遊技球表示器154で、遊技球の移動を仮想的に再現することで、遊技者に対して遊技球の増減を実感しやすい状態とする。
【0030】
なお、仮想遊技球表示器154は、例えば、遊技球の増減を遊技球の移動で表現するものであり、実際の遊技球を循環移動させることにより表示しても良いし、ディスプレイとして画像により遊技球の移動を表示するものとしても良いし、擬似的にランプの点滅等で遊技球の移動を表現するものとしても良い。
【0031】
スピーカ155は、そのエンクロージャー157となる部分が、図3に示すように後から向かって左側(前から向かって右側)に延出した状態となっており、エンクロージャー157が、右のタッチセンサ152と前後に重なるようになっている。これにより、スピーカ155により発生する振動を右のタッチセンサ152に触れている遊技者の手に伝えて、遊技者が手で音に基づく振動を体感可能となっており、ボディソニックの一種となっている。
【0032】
そして、以上のような封入球式遊技機100において、前面枠本体130の開口部121に嵌め込まれた遊技盤1の前面側の遊技領域1aにおいて遊技が行われることになる。
すなわち、封入球式遊技機100は、図1に示す、遊技盤1のガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うものであり、該遊技領域1aには、図1に示すように、普図始動ゲート6,6、この普図始動ゲート6,6を遊技球が通過して普図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を表示する普図始動記憶表示器(図示略)、普通図柄(普図)の変動表示ゲームを表示する普図変動表示器(図示略)、普通変動入賞装置9、この普通変動入賞装置9に遊技球が入賞して特図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を点灯表示する特図始動記憶表示器(図示略)、特別図柄(特図、識別情報)の変動表示ゲームの表示等を行う変動表示装置4、特別変動入賞装置5、一般入賞口8,…、風車と呼ばれる打球方向変換部材(図示略)、多数の障害釘(図示省略)などが設けられている。
【0033】
なお、本発明の封入球式遊技機100の遊技盤1においては、遊技領域1aをその下端部まで流下しても入賞しなかった遊技球としてのアウト球を遊技領域1aの下端部において遊技盤1の裏面側に導くアウト穴が設けられておらず、その代わりに遊技盤1の前面で遊技領域1aを囲むガイドレール2が、遊技領域1aの下端部で設けられていない構成、すなわち、ガイドレール2の遊技領域1aの下側を囲む部分に、切欠部が設けられる構成となっており、入賞しなかった遊技球は、遊技盤1の下端部の中央部分で、遊技盤1の前面側の遊技領域1aからそのまま遊技領域1aの外側(下側)の後述する回収部材210に流下する構成となっている。
【0034】
前記普通変動入賞装置9は左右一対の開閉部材とこの開閉部材を動作させる普電ソレノイド9a(図10に図示:普電SOL)とを具備し、この開閉部材は、常時は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示器の普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置9に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
この普通変動入賞装置9は、特図の始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置9の内部(入賞領域)に備えられた始動口センサ9b(図10に図示;始動口SW)により遊技球を検出することに基づき始動条件が成立し、特図の変動表示ゲームが開始されるようになっている。
【0035】
また、普図始動ゲート6,6内には、該普図始動ゲート6,6を通過した遊技球を検出するためのゲートセンサ6a(図10に図示:ゲートSW)が設けられている。
そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、普図始動ゲート6,6内を通過すると、普図変動表示器において普図の変動表示ゲームが行われる。
ここで、普図変動表示器は、例えば、LEDなどによって構成され、普通図柄(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)の変動表示ゲームは、普図変動表示器の点灯状態を所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようになっている。
この普図の変動表示ゲームの結果、普図変動表示器における停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置9の開閉部材が所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放される。これにより、普通変動入賞装置9に遊技球が入
賞しやすくなり、特図の変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0036】
また、特図の変動表示装置4(特別図柄表示装置)は、例えば、液晶ディスプレイ41を備え、表示内容が変化可能な表示画面42を有している。この表示画面42における表示内容は、表示制御手段としての機能を有する演出制御装置51(図10に図示;演出制御基板50)により制御されるようになっている。
そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が特図の始動口を兼ねる普通変動入賞装置9へ進入して始動条件が成立することに基づき、表示画面42にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる本発明の遊技動作としての特別図柄の変動表示ゲームを実行可能となっている。なお、特図の変動表示ゲームは、表示画面42において、複数種類の識別情報を所定時間変動表示させることにより行う。
そして、この特図の変動表示ゲームの結果として、表示画面42の表示態様が特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となった場合には、大当たり(特別遊技状態)となる。
【0037】
ここで、特別変動入賞装置5は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカー形式の開閉扉によって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせるサイクル遊技が、所定回数(所定ラウンド数)を限度に行われる。なお、開閉扉は、大入賞口ソレノイド5a(図10に図示:大入賞口SOL)により駆動される。
また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するためのカウントセンサ5b(図10に図示;カウントSW)と、大入賞口に入った遊技球のうち継続入賞領域(V入賞領域)に流入した遊技球を検出するためのV入賞センサ5c(図10に図示;VSW)が配設されている。
なお、各一般入賞口8,…の内部(入賞領域)には、該入賞口8,…に入った遊技球を検出するための入賞口センサ8a(図10に図示;左入賞SW、右入賞SW)が配設されている。
【0038】
ここで、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口8、普通変動入賞装置9、特別変動入賞装置5の大入賞口等の入賞口(入賞具)の何れかに流入して入賞が発生すると、該入賞した遊技球が各入賞口のセンサにより検出され、該検出に基づき、各入賞口に対応して設定された所定の賞球数が、上述の持球数のデータに加算される。
【0039】
従って、特別遊技状態中に上記のサイクル遊技を行うことにより、遊技者は高い遊技球数(特定の遊技価値)の獲得機会を得る。
すなわち、封入球式遊技機100はパチンコ遊技機として、特図変動表示ゲームの結果、予め定められた特別結果態様となった場合に(大当りとなった場合に)、遊技者に特定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生可能に構成されている。
【0040】
前面枠本体130下部の取付盤131の裏面側には、図3に示すように、発射ユニット60が設けられると共に、発射装置61を制御する発射制御装置63a(図10に図示)となる発射制御基板63(ボックス631内に配置)、発射装置61により遊技領域1aに発射された遊技球を回収して再び発射装置61に供給する封入球循環ユニット200(封入球循環装置)、封入球式遊技機100内の各装置に電力を供給する電源基板70(ボックス71a内に配置)、遊技盤1以外の前面枠120に備えられた装置の制御を行う第1枠制御基板81(ボックス81a内に配置)及び第2枠制御基板90(ボックス90a内に配置)が取り付けられている。これら第1枠制御基板81及び第2枠制御基板90が枠制御装置として機能し、遊技盤1に取り付けられた装置を除く、前面枠120の例えば、外部アピール装飾ランプ11,…、タッチパネル表示ユニット151、仮想遊技球表示器154、封入球循環ユニット200、外部とのデータの通信装置等を制御する枠制御装置となる。なお、第1枠制御基板81は、遊技制御基板20及び演出制御基板50からの制御に基づいて第2枠制御基板90及び発射制御基板63を制御するようになっている。
【0041】
また、遊技内容に係わる制御を統括的に行う遊技制御基板20(ボックス22内に配置)及びその制御下で遊技の演出に係わる制御を行う演出制御基板50(ボックス52内に配置)は、遊技盤1の裏面側に設けられている。従って、遊技内容の制御に関する制御装置は遊技盤1に設けられており、遊技盤1を交換することにより、遊技内容に係わらない装置をそのまま流用して遊技内容だけを変更することが可能である。
【0042】
ここで、封入球式遊技機100の制御系について図10の制御ブロック図を参照して説明する。
封入球式遊技機100の制御系としては、遊技の進行を制御する制御装置としての遊技制御装置21(主基板:遊技制御基板20)と、この遊技制御装置21の制御下で各種の演出に関する制御を行う演出制御装置51(演出基板:演出制御基板50)と、遊技制御装置21及び演出制御装置51の制御下で、仮想遊技球表示器154及び外部アピール装飾ランプ11(外部アピール装飾基板11a)、封入球循環ユニット200等の制御を行う第1枠制御装置83(第1制御基板:第1枠制御基板81)と、第1枠制御装置83の制御下で、タッチパネル表示ユニット151の制御と、外部との通信の制御と、持球数(遊技球数)の演算等とを行う第2枠制御装置91(第2制御基板:第2枠制御基板90)と、第1枠制御装置83の制御下で発射装置61の制御等を行う発射制御装置63a(発射制御基板63)とを備える。
【0043】
遊技制御装置21は、CPU、RAM、ROM等を有するアミューズチップ(図示略)を備え、特図や普図の変動表示ゲームに関連する各種乱数値などを生成している。各種乱数値には、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数値などが含まれ、この乱数値に基づいて遊技制御装置21は、特図や普図の変動表示ゲームの当たり、外れ等のゲームの結果を決定している。
【0044】
また、遊技制御装置21には、I/Oを介して各入賞口センサ8a(左入賞スイッチ、右入賞スイッチ)、ゲートセンサ6a(ゲートスイッチ)、始動口センサ9b(始動口スイッチ)、カウントセンサ5b(カウントスイッチ)、V入賞センサ5c(Vスイッチ)が接続され、これらセンサからの遊技球の検出信号が入力されるようになっている。そして、入賞口センサ8a、始動口センサ9b、カウントセンサ5b等の各種入賞口、入賞装置に設けられたセンサからの入力に基づき賞球が発生することになるが、封入球式遊技機100においては、封入球式以外のパチンコ遊技機において、賞球としての遊技球の払い出しを制御する排出制御装置に代えて、賞球に関する情報が遊技制御装置21から第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91に出力されるようになっており、第2枠制御装置91においては、賞球に関する情報に基づいて、持球数に賞球数を加算する演算処理が行われるようになっている。また、遊技制御装置21においては、ゲートセンサ6a、始動口センサ9b、V入賞センサ5cから入力される信号に基づいて、特図及び普図の変動表示ゲームの進行の制御が行われる。
【0045】
また、遊技制御装置21には、I/Oを介して普電ソレノイド9a、大入賞口ソレノイド5a、方向切替ソレノイド5dが接続されて制御されるようになっており、特図や普図の変動表示ゲームの結果に基づいて、特別変動入賞装置5や普通変動入賞装置9の開閉が制御される。なお、普電ソレノイド9aが普通変動入賞装置9を開閉駆動するもので、大入賞口ソレノイド5aが特別変動入賞装置5の開閉駆動するもので、方向切替ソレノイド5dが大入賞口内のV入賞センサ5cが配置された継続入賞領域とそれ以外の一般入賞領域とのうちのどちらか一方に遊技球を案内するように切り替えるものである。
【0046】
また、遊技制御装置21は、I/Oを介して第1枠制御装置83及び演出制御装置51に接続され、第1枠制御装置83及び演出制御装置51に後述する各種データを遊技機情報として送信している。例えば、遊技制御装置21は、上述の賞球に関するデータとして、遊技球の入賞に基づく賞球がある場合に、賞球数を示す賞球数コマンドを遊技機情報の1つとして第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91に出力する。
また、遊技制御装置21は、特図の始動入賞に基づく特図の変動表示ゲームの開始、停止、大当り外れの判定等の制御に基づいて、特図の変動表示ゲームの開始(変動開始)及び停止(変動停止)、大当りとしての特別遊技状態後に大当りの当選確率が高められた確率変動状態を伴う特別遊技状態の開始及び停止(確変での大当り開始及び停止)、確率変動状態を伴わない特別遊技状態の開始及び停止(非確変での大当り開始及び停止)、その他変動表示ゲームの停止図柄や変動表示時間等を含む遊技の演出に関するデータを演出制御装置51に送信する。
【0047】
また、遊技制御装置21は、特図及び普図の始動入賞(始動口センサ9b及びゲートセンサ6aから入力される検出信号)に対応して上限値(例えば、4)の範囲内で特図及び普図の変動表示ゲームを始動する始動条件の成立の回数を特図及び普図の始動記憶数(保留数)としてカウントするようになっている。そして、遊技制御装置21は、特図もしくは普図の始動入賞が有る度に特図もしくは普図の始動記憶数を1増加し、特図もしくは普図の変動表示ゲームを開始する度に特図もしくは普図の始動記憶数を1減少する制御を行っており、この始動記憶数に関するデータを、演出制御装置51に送信している。また、始動記憶数に関するデータには、特図もしくは普図の始動記憶数が上限値となった状態で、特図もしくは普図の始動入賞があったことを示す特図もしくは普図のオーバーフロー入賞発生のデータが含まれる。
【0048】
演出制御装置51は、CPU、ROM、RAM等を備えるとともに、ビデオ制御用の各種ICを備え、パチンコ遊技機において周知のものであり、遊技制御装置21における特図の変動表示ゲームの進行の制御に基づいて、変動表示装置4(表示ユニット)における特図の変動表示ゲームの表示制御や、それに伴う遊技盤1等に設けられたランプ、LEDを有する装飾基板45におけるランプ、LED等の発光による演出制御等を行う。
【0049】
また、演出制御装置51は、上述のように遊技制御装置21と接続されると共に、I/Oを介して第1枠制御装置83と接続され、上述のように遊技制御装置21から送信された演出に関するデータを演出コマンドとし、始動記憶数に関するデータを保留コマンドとし、これら演出コマンド及び保留コマンドを第1枠制御装置83に送信する。
【0050】
第1枠制御装置83は、CPU84a、RAM84b、ROM84c等と、音データを記憶したROM84dや、音信号を生成する音LSI84e、音信号を増幅してスピーカに出力するアンプ84f、I/O85,…等により構成されている。
このうち、CPU84aは、制御部、演算部を備え、各種演算・制御を行うものであり、封入球循環ユニット200の制御や、外部アピール装飾ランプ11(外部アピール装飾基板11a)及び仮想遊技球表示器154におけるLED等の電気的発光源の点灯・消灯・発光色の変更等の制御を行う。
RAM84bは、各種フラグ、各種タイマ、各種カウンタ等の記憶領域を含むCPU84aの作業領域等を備えている。
ROM84cには、外部アピール装飾ランプ11及び仮想遊技球表示器154におけるLEDの点灯・消灯・発光色の変更等の制御を行うためのプログラムや、遊技球を循環使用する際の各種制御を行うためのプログラムや、音による演出のためのプログラム等が記憶されている。
【0051】
また、ROM84dには、演出用の音楽、効果音等の音データが記憶され、音LSI84eは、演出制御装置51の演出コマンドに従ってCPU84aで実行される音による演出のためのプログラムに基づいて、ROM84dから音データを読み出して音信号を生成する。そして、音LSI84eで生成された音信号は、アンプ84fで増幅されてスピーカ13,155に出力される。
【0052】
また、第1枠制御装置83は、I/O85,…を介して、外部アピール装飾ランプ11(外部アピール装飾基板11a)及び仮想遊技球表示器154に接続されている。そして、後述するように第2枠制御装置91で算出される持球数のデータに基づいて、第1枠制御装置83は、上述のように外部アピール装飾ランプ11,…の点灯、発光色の変更等を制御する。
【0053】
また、第1枠制御装置83は、I/O85,…を介して、封入球循環ユニット200(封入経路ユニット)の供給球検出センサ246(発射球検出スイッチ)、ファール球センサ253(戻り球検出スイッチ)、回収球センサ212(入球検出スイッチ)、球不足検出センサ264(球量検出スイッチ)、球補充ソレノイド263(球量調節ソレノイド)が接続されている。
また、第1枠制御装置83は、球不足検出センサ264から、封入球循環ユニット200内で待機する遊技球が不足していることを示す信号が入力した場合には、球補充ソレノイド263を作動させ、遊技球を補充する処理を行う。
【0054】
また、第1枠制御装置83には、I/O85を介してクリア部材保持枠開放検出センサ142(ガラス枠開放検出スイッチ)が接続され、外部アピール装飾ランプ11等を用いてクリア部材保持枠140が開放していることを報知する処理を行う。
さらに、第1枠制御装置83は、上述のようにI/O85を介して遊技制御装置21、演出制御装置51に接続されると共に、第2枠制御装置91(第2制御基板)及び発射制御装置63a(発射制御基板)に接続される。
【0055】
そして、第1枠制御装置83は、第2枠制御装置91において持球数の算出処理を行えるように、供給球検出センサ246が遊技球が球送り位置に送られたのを検出した際に入力される検出信号と、ファール球センサ253がファール球(戻り球)を検出した際に入力される検出信号とを第2枠制御装置91に中継し、さらに、遊技制御装置21から入力される遊技球の賞球に関する賞球数コマンド(賞球数を示す)を第2枠制御装置91に中継する。また、第1枠制御装置83は、第2枠制御装置91に演出制御装置51からの特別遊技状態の開始及び停止を示す制御信号を中継する。また、第1枠制御装置83は、発射制御装置63aにおいて不正球の監視の処理を行えるように、球不足検出センサ264が遊技球を検出した際に入力される検出信号を発射制御装置63aに中継する。
【0056】
また、第1枠制御装置83と第2枠制御装置91とは、制御情報用のラインと、データ転送のためのシリアル通信用のラインとで接続されている。そして、シリアル通信用ラインは、封入球式遊技機100の外部への情報送信用のデータを第1枠制御装置83から第2枠制御装置を介してホールサーバ900に送信するためのものであり、上述の演出コマンド及び保留コマンドのデータに基づいて、特図の変動表示ゲームのスタート信号、非確変での大当り信号、確変での大当り信号、入球信号、出球(賞球数)信号等をホールサーバ900に外部情報として送信可能とし、ホールサーバ900側で、各封入球式遊技機100の変動表示ゲームの実行回数、非確変での大当り(特別遊技状態の発生)回数、確変での大当り(特別遊技状態の発生)回数、入球数、出球数、差球数等を管理可能としている。また、後述するように、不正球の検出に基づく不正発生情報をホールサーバ900に送信可能としている。
【0057】
第2枠制御装置91は、主にI/O制御(通信制御)用のCPU91a(CPU1)、ROM91b、RAM91c、I/O91d等からなる通信制御部と、タッチパネル表示ユニット151の制御用のCPU91e(CPU2)、ROM91f、RAM91g、VDP91h(Video Display Processor)、VDP91h用のROM91i、LCDコントローラ91j等からなるタッチパネル制御部を備えている。
そして、CPU91a等からなる通信制御部は、第1枠制御装置83から入力された外部情報となるデータをシリアル通信(RS232C)用のI/O91dから、台間機(球貸機)901等を介してホールサーバ900に出力するための処理を行う。また、第2枠制御装置91の通信制御部は、CAN(control area network)用のI/O91dを介して外部演出装置902に接続されている。なお、外部演出装置902は、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機上に配置される呼出ランプ(ナンバーランプ)であり、各種ランプ、特図の変動表示ゲームの実行回数、大当り回数等の遊技機情報を表示可能な表示器902aや、効果音等を発生する音声出力装置902b等を備えるものである。なお、外部演出装置902には、トップランプ(代表ランプ)等の島設備の端部毎等に設けられるものが含まれていても良い。
そして、第2枠制御装置91の通信制御部は、CANで接続された各遊技機毎の外部演出装置902に、上述の変動表示ゲームのスタート、非確変大当り、確変大当り等の外部情報とほぼ同様のデータを出力する。
【0058】
さらに、第2枠制御装置91の通信制御部は、通信の制御の他に、上述の持球数の算出と、持球数に基づく発射制御装置63aの制御を行うようになっている。
すなわち、第2枠制御装置91は、上述のように供給球検出センサ246及びファール球センサ253からの検出信号が入力され、供給球検出センサ246が遊技球が球送り位置に送られたのを検出した際(発射球を検出した際)に、遊技球が遊技領域1aに発射されたものとして、持球数を1減算し、ファール球センサ253がファール球(戻り球)を検出した場合に遊技球を1加算する。さらに、第2枠制御装置91は、上述のように発射球が検出される毎に減算される持球数に、上述の賞球数コマンドが入力した際に賞球数コマンドが示す賞球数を加算する処理を行う。さらに、第2枠制御装置91は、タッチパネル表示ユニット151において、貸球操作が行われた場合には、タッチパネル表示ユニット151の操作に基づく第2枠制御装置91のタッチパネル制御部からのデータに基づいて貸球された貸球数を持球数に加算する処理を行う。これにより、第2枠制御装置91においては、入球数、出球数(賞球数)、差球数、持球数を算出することが可能となる。
【0059】
また、第2枠制御装置91は、持球数が1以上の場合に発射球の発射を許可し、持球数が0の場合に発射を禁止する制御信号を第1枠制御装置83を経由して発射制御装置63aに出力する。なお、第2枠制御装置91から第1枠制御装置83を介した発射制御装置63aへの制御信号、遊技禁止信号及び遊技禁止解除信号の出力においては、必ずしも第1枠制御装置83を介する必要はなく、第2枠制御装置91から直接発射制御装置63aに出力するものとしても良い。
【0060】
また、第2枠制御装置91のCPU91e等からなるタッチパネル制御部は、タッチパネル表示ユニット151に接続され、タッチパネル表示ユニット151のタッチパネル15aからの入力信号を処理すると共に、タッチパネル表示ユニット151のLCDパネル15bへの画像表示を制御する。
すなわち、LCDパネル15bには、予め設定された複数の画面のうちの1つの画面が表示されると共に、該表示画面にタッチパネル15a用のボタンが表示され、タッチパネル15aから前記ボタンの範囲内の座標位置が入力されると、予めボタンに対応して設定された処理を行うようになっている。なお、第2枠制御装置91における処理は、タッチパネル15aから入力された座標位置に基づいて、行う処理を決定するものであり、ボタンに対応した処理は、第1枠制御装置83で行われる場合もある。なお、LCDパネル15bには、上述のボタン以外に、持球数、金額情報、変動表示ゲームの実行回数、非確変大当り回数、確変大当り回数等のデータ表示も行われる。
【0061】
すなわち、第2枠制御装置91のタッチパネル制御部は、ROM91iに格納された画像データ等を用いてVDPが各種ボタンが表示される設定画面の表示データを作成し、作成された表示データをLCDコントローラ91jを介してLCDパネル15bに表示させる制御を行うとともに、同様に、通信制御部や第1枠制御装置83から送信されるデータに基づくデータがRAM94gに記憶され、RAM94gに記憶されたデータを表示するためのデータ表示の制御を行う。また、タッチパネル制御部は、表示されたボタンの1つに対応する位置がタッチパネル15aから入力された場合に、位置が入力されたボタンに対応する処理を開始するように通信制御部や第1枠制御装置83に制御信号を出力する。
なお、ブロック図に示されるインバータ基板15fは、LCDパネル15bのバックライトの冷陰極管に高周波数の交流電流を供給するものである。
【0062】
発射制御装置63aは、CPU63b、発射装置61のモータ68(発射モータ)のドライバ回路63c、I/O63dを備えており、I/O63dには、タッチセンサ152(発射操作部タッチセンサ)及び発射スライドボリューム153(スライドボリューム基板)、球送り電磁石244、不正球検出センサ282が接続され、ドライバ回路63cには、モータ68が接続されている。
そして、発射制御装置63aのCPU63bは、図示しないROMに記憶されたプログラムに基づいて、後述するように第2枠制御装置91からの発射許可の制御信号を受信した状態で、発射スライドボリューム153の操作レバー156の操作に基づく信号レベルにより、発射装置61における遊技球の発射勢を制御すると共に、タッチセンサ152において、遊技者の手が検出された場合に、発射装置61のモータ68を制御して所定の時間間隔毎に遊技球を順次発射する制御を行う。また、発射制御装置63aは、発射装置61による遊技球の発射のタイミングに合わせて、球送り電磁石244を作動させて、封入球循環ユニット200から発射装置61に遊技球を供給する制御を行う。また、後述するように、不正球検出センサ282などからの信号に基づき不正球の存在を監視する処理を行う。
【0063】
また、発射制御装置63aは、上述のように第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91に接続されており、第2枠制御装置91は、持球数が1以上の場合に、遊技球の発射位置への送りと、遊技球の発射を許可する制御信号を送信するようになっている。これにより、上述のように発射制御装置63aにおいて、持球数が1以上の場合に、遊技者の発射操作により遊技球の発射が可能となる。また、後述するように、発射制御装置63aは、不正球検出センサ282から不正球の検出に基づく信号が入力された場合に、遊技球の発射の不能動化などの処理を行う。
なお、発射制御装置63aとなる発射制御基板63においては、制御回路を汎用のCPU63bを用いずに専用のロジックデバイス(汎用性のあるプログラマブルロジックデバイスを用いても良い)により構成しても良く、CPUに代えてロジックデバイスを用いることでコストダウンを図ることができる。
【0064】
図3に示すように、発射ユニット60は、取付盤131に取り付けられる取付プレート64と、取付プレート64に取り付けられる発射レール62と、発射レール62上の遊技球を打撃して遊技球を発射させる発射杵66等を備えた発射装置61とを備える。
発射装置61は、発射モータ(ステッピングモータ)68(図10に図示)と、この発射モータ68に接続されて回転駆動されることにより、遊技球を打撃して遊技球を発射する発射杵66と、発射杵66の回転角度を規制するストッパ部材67と、発射レール62上に後述するように封入球循環ユニット200から供給された遊技球を、発射レール62の下端部上の発射杵66により打撃可能な所定位置に停止させる球位置決め部材(図示略)とを備える。そして、発射レール62の後端部(傾斜下端部)上の球位置決め部材により遊技球が保持される位置が遊技球を遊技領域1aに発射する発射位置となる。なお、球位置決め部材は、発射レール62上の遊技球の上部を係止することで発射位置に遊技球を保持するようになっているが、発射レール62と球位置決め部材の間隔は10.6mmとされており、これ以下の径を有する不正な小径球は、発射位置に保持されずに下方へ落下するようになっている。
【0065】
また、図1に示すように、クリア部材保持枠140の後方側のガラス板141の裏面と、遊技盤1の前面との間の遊技領域1aの下部を閉塞する底壁部134が形成され、前面枠本体130の底壁部134に遊技領域1aの下側から発射された遊技球が通過する発射球通過口135が設けられている。なお、発射球通過口135を通過した遊技球は、遊技盤1の内外二重にガイドレール2,2が配置された誘導路から遊技領域1aに至る。
また、誘導路から遊技領域1aに至らずに戻ったファール球も発射球通過口135を通過するようになっている。なお、発射レール62の先端面は、発射球通過口135の直下より手前に配置され、発射球通過口135に戻るファール球は、発射レール62上に戻らずに、発射レール62の前に流下し、後述する封入球循環ユニット200のファール球回収口に至るようになっている。
【0066】
図3、4に示すように、封入球循環ユニット200は、所定数の遊技球が封入されており、発射装置61によって遊技領域1aに発射された遊技球を回収、循環し、再び発射装置61に供給するものである。この封入球循環ユニット200は、封入球式遊技機100の裏面側となる前面枠本体130の裏面側にあって、上述の発射装置61の背面側を覆うように配されている。
なお、前面枠本体130の下部となる取付盤131は、その主要部となるほぼ垂直な平板部分が、前面枠本体130に固定された遊技盤1より前となるように構成されており、取付盤131の裏面に取り付けられる上述の発射装置61等を有する発射ユニット60が遊技盤1より前面側の遊技領域1aの略真下に配置されるようになっている。
そして、封入球循環ユニット200は、取付盤131に取り付けられた発射ユニット60と前後に重なるように、発射ユニット60の後側に配置されて取付盤131に取り付けられる。そして、封入球循環ユニット200は、取付盤131に取り付けられた状態で前面枠本体130に取り付けられた遊技盤1の下方位置(この例では略真下となる直下方向)に配置されるようになっている。
【0067】
また、封入球循環ユニット200はその下端部に、前面枠本体130の取付盤131の取付プレート64の取付位置より下方となる所定部位に設けられた左右の取付部132,132に、着脱可能かつ回動可能に接続する左右の接続部材201,201を備えており、封入球式遊技機100の左右方向に設定された回転軸回りに回転可能となっている。そして、封入球循環ユニット200は、封入球式遊技機100の裏面(取付盤131の裏面)に沿った垂直な状態(使用状態)から、前記接続部材201,201を中心に上端が後方側に倒れるように回動して略水平な状態(メンテナンス状態)に回動可能となっている。また、封入球循環ユニット200の接続部材201,201は、取付盤131の取付部132,132の軸となる突起が回動可能に挿入される筒状の形状を有するとともに、筒状部分にはスリットが形成され、スリットから軸を出入可能とされることにより、接続部材201,201が取付部132,132から着脱自在とされ、封入球循環ユニット200を前面枠本体130の取付盤131から取り外し可能(着脱自在)となっている。
【0068】
封入球循環ユニット200の主要部は、前面側を構成する前壁部材310と、裏面側を構成する後壁部材320とから概略箱状に形成されており、上端部に形成されてアウト球、セーフ球としての遊技球を回収する回収部材210や、ファール球を回収するファール球回収口251、回収された遊技球を循環、待機させる流路(循環流路220、待機流路221)や、遊技球を発射装置61に供給する供給装置(球送り装置240)、循環する遊技球が不足した場合に遊技球を補充する球補充装置260等が備えられている。
また、封入球循環ユニット200には、遊技球を検知する種々のセンサとして、発射球を検出する供給球検出センサ246(図10に図示:発射球検出SW)、ファール球を検出するファール球センサ253(図10に図示:戻り球検出SW)、遊技領域1aから回収された遊技球を検出する回収球センサ212(図10に図示:入球検出SW)、流路内に待機する遊技球の不足を検出する球不足検出センサ264(図10に図示:球量検出センサ)等が備えられている。
【0069】
封入球循環ユニット200には、遊技領域1aに発射された遊技球(アウト球、セーフ球を含み、ファール球を除く)を回収する上側が開口した受け皿状の回収口211を有する回収部材210が上部に形成されている。回収部材210の前部は、遊技領域1aの下部に位置するガイドレール2の切欠部の下側に延設されており、各種の入賞口(特別変動入賞装置5、一般入賞口8、普通変動入賞装置9)に入賞することなく流下した遊技球であるアウト球を回収するアウト球回収部215とされている。また、回収部材210の後部は、遊技盤1の裏面側に形成され、各種の入賞口(特別変動入賞装置5、一般入賞口8、普通変動入賞装置9)に入賞した遊技球であるセーフ球が流下するセーフ球排出経路(図示略)の出口の下側に延設されており、セーフ球排出経路を流下したセーフ球を回収するセーフ球回収部216とされている。なお、回収部材210の左右幅は、遊技盤1の下側のガイドレール2の切欠部の幅となっており、回収部材210は、ガイドレール2の切欠部の右端から左端までの範囲で配置される。また、ガイドレール2の切欠部の左右範囲内に、遊技盤1の裏面側に設けられたセーフ球排出経路の出口が配置される。
【0070】
また、回収部材210の前後の中央部、すなわち、アウト球回収部215とセーフ球回収部216の間には、右端部を除いて左右に延在し、回収部材210内に回収された遊技球を封入球循環ユニット200内の回収球センサ212(封入球循環ユニット200内部)に導く導入傾斜部213を有する導入経路226が形成されている。なお、導入傾斜部213は、回収部材210で回収された遊技球を回収球センサ212に導く導入経路226の底部となる部材である。そして、アウト球回収部215およびセーフ球回収部216の底部は、導入経路226に向かって下る傾斜面となっていて、回収されたアウト球およびセーフ球を導入経路226に誘導するようになっている。導入経路226に流入した遊技球は、導入経路226の傾斜に沿って流下し、導入経路226の下流側端部に設けられた回収球センサ212に検出された後、循環流路220に流入する。
【0071】
また、アウト球回収部215の左右方向の略中央部には、アウト球の一部を保持するための球保持装置290が設けられており、この球保持装置290の左右には、球保持装置290に向かって下るように傾斜し、遊技球を球保持装置290に誘導する誘導部材298が形成されている。この球保持装置290は、図1に示すように、クリア部材保持枠140を開放した状態で遊技機100の前面側から保持した遊技球を取得できるようにすることで、外部に遊技球が排出されない封入球式遊技機において、係員によるサービスを可能とするものである。
【0072】
回収球センサ212は、例えば、周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、遊技球が通過する孔212aを備え、この孔212aをパチンコ球が通過した際にHIGHもしくはLOWの信号を出力するものである。また、前壁部材310において、導入傾斜部213の下流側の末端から下方に遊技球が流下可能な間隔を開けて形成されたセンサ取付部330に、後部が固定され、前記孔が形成された前部をセンサ取付部330から上述の導入傾斜部213の末端まで延出している。
【0073】
そして、回収球センサ212は、その孔212aが導入傾斜部213の傾斜下側の端部から遊技球が流下する位置に配置されており、循環流路220の上流側端部であるとともに、後述のファール球流路252の底部となるファール球傾斜部255の下流側端部である合流部254上に、導入傾斜部213の傾斜下側の端部から流下する遊技球を検知するようになっている。また、センサ取付部330が導入経路226の末端側を閉塞するようになっており、回収球センサ212の孔212aが導入経路226から循環流路220への遊技球の導入口となっている。
【0074】
また、封入球循環ユニット200は、ファール球回収手段250として、発射装置61により上述の内側のガイドレール2及び外側のガイドレール2との間に発射されたにも係わらず、再び発射装置61側に向かって戻ってしまったファール球を回収するファール球回収口251と、回収されたファール球を検知するファール球センサ253と、ファール球回収口251から回収されたファール球(遊技球)を循環流路220に流下させるファール球流路252とを備える。
【0075】
ファール球回収口251は、封入球循環ユニット200の前面を構成する前壁部材310の裏面側から見て右上端部に形成された開口で、回収されたファール球を封入球循環ユニット200外部から内部に導入するようになっている。また、前壁部材310の前面側のファール球回収口251の下側縁に対応する位置には、前壁部材310前面から前方に延出するファール球回収部257が備えられている。ファール球回収部257は、上面が後方のファール球回収口251に向かって下り傾斜した板状に形成されるとともに、ファール球回収口251に繋がる後側縁を除く周囲を囲んで上に突出した突条258を備えたもので、封入球循環ユニット200を取付盤131にほぼ垂直な状態に取り付けた際に、発射レール62の上端部(発射方向端部)の隣で、発射球通過口135の真下に配置され、発射球通過口135を通過して流下するファール球を受けるようになっている。
【0076】
ファール球回収部257の上面に至ったファール球は、上面の傾斜に沿って後方のファール球回収口251から封入球循環ユニット200内のファール球流路252に入り、ファール球回収口251の下側のファール球センサ253を通過し、ファール球流路252の底部となるファール球傾斜部255上に至る。そして、ファール球傾斜部255上の遊技球は、傾斜に沿って流下して合流部254において循環流路220に合流する。
なお、ファール球センサ253は、回収球センサ212と同様に周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、センサ取付部330の回収球センサ212の下側に、回収球センサ212と逆向きに取り付けられ、ファール球センサ253の遊技球が通過する孔253aがファール球流路252の上端部に配置されるようになっている。そして、回収球センサ212と同様にファール球を検出して信号を出力する。
【0077】
また、封入球循環ユニット200は、封入球循環ユニット200内に通常循環使用される遊技球以外に補給用の遊技球を貯留し、遊技中に循環する遊技球が減少した場合に補給する球補充装置260と、遊技球の入れ替え用の所定数の遊技球(例えば、30球で上述の補給用の遊技球を含む)が収納された球交換カセット275を取り付けるとともに、球交換カセット275内の遊技球を封入球循環ユニット200内に供給するための球交換カセット取付部270とを備える。なお、図4では、球交換カセット275の取付位置を示すために球交換カセット275を図示したものであって、球交換カセット275が取り付けられた状態を示しているものではない。
【0078】
球補充装置260は、循環流路220の上側に設けられた左右に長尺で、傾斜角を変更可能に回転移動自在とされた球貯留板261を備えた補充球貯留部262と、球貯留板261の傾斜角を変更して補充球貯留部262を遊技球を貯留する状態と、遊技球を補充する状態とに切り替える球補充ソレノイド263と、球貯留板261の裏面側から見て左側(ファール球流路252の反対)に設けられ、球貯留板261上の遊技球の落下を規制するとともに、球交換カセット取付部270から流入する遊技球を球貯留板261上に導く、球抑え部材265とを備える。
【0079】
球貯留板261は、その中央部より前側の位置を前壁部材310に設けられた回転ピン313に回動自在に軸支されて後壁部材320に支持されるとともに、前後を前壁部材310と後壁部材320とに囲まれた状態となっている。そして、球貯留板261は、通常時は、球を貯留する状態となっており、球貯留板261の一方の端部である球抑え部材265側の後端部が下になるように僅かに傾斜した状態で、球貯留板261上に遊技球を一列に複数個(例えば5個)載せるようになっている。この際に、球貯留板261上の遊技球のうちの最も一方の端部側に載った遊技球が球抑え部材265に抑えられた状態となり、球貯留板261の傾斜に沿って遊技球が流下しないようになっている。
【0080】
また、球貯留板261の他方の端部である前端部は、ファール球傾斜部255(ファール球流路252)の傾斜下側の合流部254上に位置しており、球貯留板261がファール球流路252側の他方の端部が下になるように傾斜した場合に、球貯留板261上の遊技球を合流部254上に流下させるようになっている。すなわち、補充球となる遊技球を補充する状態では、球貯留板261は、ファール球流路252側の他方の端部を下にするように傾斜する。
【0081】
また、球貯留板261の一方の端部には、その下側に球補充ソレノイド263のプランジャに接続された掛止板263aに掛止される係止部261aが設けられ、球補充ソレノイド263のプランジャの上下動により、球貯留板261の傾斜角を変更できるようになっており、プランジャを下げた状態では、球貯留板261の一方の端部が下となるように傾斜して球貯留状態となり、プランジャを上げた状態では、球貯留板261の他方の端部が下となるように傾斜して球補充状態となる。
【0082】
さらに、球貯留板261の一方の端部には、係止部261aから球貯留板261の延長線に沿って延出して球交換カセット取付部270に至る係合部材261bが形成されている。係合部材261bは、球交換カセット取付部270の後述する作動リンク部材273に係合し、球交換カセット取付部270に球交換カセット275をセットした場合に上に持ち上げられ、球貯留板261の一方の端部が他方の端部に対して高くなるように傾斜させ、球貯留板261を球補充状態にするようになっている。
【0083】
球補充ソレノイド263は、前壁部材310に形成された球補充ソレノイド取付部314にプランジャを上に向けて取り付けられ、第1枠制御基板81の制御により、後述する球不足検出センサ264により、循環流路220の球不足検出センサ264の位置に滞留する遊技球が無いことが検出された場合に、プランジャを上げるように制御されている。これにより、循環流路220において、遊技球が不足した場合に、球補充ソレノイド263により球貯留板261が球補充状態となるように傾斜角が変更され、球貯留板261上の遊技球を循環流路220の上流側端部となる合流部254に供給するようになっている。なお、球不足は、例えば、遊技領域1aにおいて、遊技球の詰まり等が発生し、遊技領域1a内に通常より多くの遊技球が存在することにより、封入球循環ユニット200に回収される遊技球の数が減った場合や、クリア部材保持枠140を開放した際に、遊技球が外部に流出した場合等に発生する。
【0084】
球交換カセット取付部270は、後壁部材320に形成されたカセット挿入部271、カセット蓋開放係止部材274(図3に図示)と、前壁部材310に形成されたカセット受け部272と、球交換カセット取付部270に挿入された球交換カセット275を掛止するカセット掛止部279と、球交換カセット275の取付時に上述の球貯留板261の傾斜角を変更する作動リンク部材273とを有する。
【0085】
カセット挿入部271は、後壁部材320の前後に貫通する矩形筒状の空間で、前壁部材310に形成されたカセット受け部272と対向する位置に形成され、封入球循環ユニット200の裏面側から球交換カセット275を取り付ける際のガイドとなるものである。なお、球交換カセット取付部270においては、球交換カセット275をセットした際に、球交換カセット275の球出口がある側(球補充装置260側)の一方の端部が他方の端部より低くなるように傾斜しており、球交換カセット275内の遊技球がその傾斜によって球出口に向かって流下するようになっている。
【0086】
前壁部材310に形成されたカセット受け部272は、球交換カセット275の挿入方向の前端部に対応する形状を有した凹部であり、挿入された球交換カセット275の前端部が凹部であるカセット受け部272に挿入されることで、球交換カセット275の前端部を位置決めした状態に支持するようになっている。また、カセット受け部272の球補充装置260側となる左右の一方の端部(裏面から見て右側端部)には、後述するように回動移動する作動リンク部材273の移動を妨げないように作動リンク部材開口部(図示略)が形成されている。
【0087】
カセット掛止部279は、前壁部材310に形成されるともに、前壁部材310から後方に延出して後壁部材320のカセット挿入部271の周縁部の下部に配置され、その後端部には、球交換カセット275に係合可能な係合部が形成されている。このカセット掛止部279が球交換カセット275に係合することで、球交換カセット275は球交換カセット取付部270に保持されるようになっている。
【0088】
カセット蓋開放係止部材274は、後壁部材320のカセット挿入部271の近傍で、かつ、球補充装置260側となる部分に、後方に延出するように形成されている。このカセット蓋開放係止部材274は、球交換カセット275を球交換カセット取付部270に取り付ける際に、球交換カセット275の球出口に前後方向にスライド可能に設けられているカセット蓋275aに係合し、カセット蓋275aを球交換カセット275の本体に対して相対的に後方に移動させて球出口を開放するものである。これにより、球交換カセット275を球交換カセット取付部270にセットすることで、球交換カセット275の球出口が開放状態となり、球交換カセット275をセットした時点で、球交換カセット275の球出口から遊技球が球補充装置260を経て循環流路220側に流下を開始することになる。
【0089】
作動リンク部材273は、前壁部材310の球交換カセット取付部270の球補充装置260側端部に配置されるものである。
この作動リンク部材273は、その下端部を除く主要部が球交換カセット取付部270と球補充装置260との間の導入口を開閉する開閉扉部273aとされ、導入口を、遊技球の通過が不可となるように閉塞する前後幅及び上下幅を有するとともに、球交換カセットに押圧される際に確実に押圧可能な厚み(左右幅)を有する。また、作動リンク部材273は、その主要部となる開閉扉部273aの下となる下端部に、下端部の前部から後方に延出した板状のリンク片273bを有する。また、リンク片273bは、上述の球交換カセット取付部270側に延出する球貯留板261の係合部材261bの下側の近傍(接しても良い)に配置されている。そして、作動リンク部材273は、開閉扉部273aとリンク片273bとの接合部分が前壁部材310に形成された軸(図示略)に回転自在に軸支されている。
【0090】
そして、作動リンク部材273は、外部から力のかかっていない通常時は、開閉扉部273aが上述の遊技球の導入口を閉じる状態となっている。この状態で球交換カセット275が球交換カセット取付部270に挿入されると、作動リンク部材273の開閉扉部273aが前方向に押圧されて導入口が開放状態となるとともに、リンク片273bが斜め上前方に移動するように作動リンク部材273が回転移動する。
【0091】
また、リンク片273bは、上述のように球貯留板261の係合部材261bの下側の近傍に配置されており、球交換カセット275を挿入することで、リンク片273bが斜め上に上がると、係合部材261bを押し上げ、球貯留板261が、球交換カセット取付部270側に向かって下り傾斜して遊技球を貯留する状態から、ファール球回収手段250に向かって下り傾斜して遊技球を合流部254に流下させて遊技球を補充する状態となる。そして、球交換カセット275の球出口から球補充装置260側に流下した遊技球は、球貯留板261上を流下して循環流路220に流入する。なお、リンク片273bは、球貯留板261の係合部材261bの下側に配置されているので、球補充ソレノイド263が、球貯留板261の係合部材261b側の端部を上昇させて、補充球を補充する状態となっても、リンク片273bは動かず、開閉扉部273aは、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間を閉塞した状態を維持するようになっている。
【0092】
以上のように球交換カセット275を球交換カセット取付部270にセットすると、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間で、作動リンク部材273の開閉扉部273aが遊技球の導入口を開放することで、球交換カセット275の球出口から流出した遊技球が、球補充装置260の球交換カセット取付部270側に端部に形成された球抑え部材265上を通過して、球貯留板261上に流下するが、この際に、球貯留板261は、作動リンク部材273により補充状態とされ、ファール球回収手段250側に向かって下り傾斜しているので、補給される遊技球は、球貯留板261上をファール球回収手段250側に流下して、球貯留板261の端部から落下し、循環流路220の上流側端部となる合流部254に流下して、循環流路220内に流入することになる。
【0093】
循環流路220は、その底部として、上下三段に前壁部材310から後方側に壁面状(板状)に延出された以下の部材(流路構成部材)を有する。すなわち、循環流路220は、その底部となる部材として、上述のファール球流路252の下流側端部となり、ファール球流路252を流下するファール球、球補充装置260から循環流路220に補充される遊技球である補充球、上述のように導入経路226から回収球センサ212を通過して流下する回収球の三種類の遊技球が合流する合流部254と、封入球式遊技機100の裏面側から見て右から左に下り傾斜する合流部254(ファール球流路252)の下側で、裏面側から見て左から右に下り傾斜する流下傾斜部222と、流下傾斜部222の下側で、裏面側から見て右から左に傾斜する待機傾斜部223とを有する。
【0094】
また、待機傾斜部223の下流側には、後述する監視手段280の誇大化部材281を配設する誇大化部材配設部227が、上述の各傾斜部と同様に前壁部材310から後方側に延出された壁面状(板状)の部材によって形成されている。この監視手段280の詳細については後述するが、誇大化部材281は各傾斜部と同様に、その上部に遊技球を流下可能な構成とされており、待機傾斜部223の下流側端部に連続するように、かつ、待機傾斜部223の延在方向に沿って配されることで、流路の一部を構成している。
【0095】
なお、循環流路220のうち、流下傾斜部222の中央部から下側の部分と、待機傾斜部223上、誇大化部材281上には、封入球式遊技機100の遊技中(遊技球を順次発射し、遊技領域1aに数個以上の遊技球が流下している状態)及び非遊技中(遊技球を発射していない状態)に係わらず遊技球が溜まった状態とされ、遊技球の発射毎に溜まった遊技球が順次遊技球の直径となる距離だけ下方に移動するようになっており、循環流路220の遊技中に常時遊技球が待機した状態となる部分となる下流側の部分が前記待機流路221となる。なお、待機流路221を含む循環流路220は、上下複数段に渡って形成されるが、各段においては、封入球式遊技機100の左右方向に沿って延在し、遊技球を左右方向に沿って流下されながら、下の段に遊技球を導出するようになっている。
【0096】
また、待機流路221の上流側端部となる流下傾斜部222の下流側部分の上、すなわち、前壁部材310のファール球傾斜部255の上流部分の下には、球補充装置260の作動を制御する際に用いられる球不足検出センサ264を取り付けるための近接センサ取付部319が設けられて、これに球不足検出センサ264が取り付けられている。なお、球不足検出センサ264は、周知の近接センサスイッチで、金属である遊技球が近接している状態で、遊技球が存在していることを示す信号を出力している。すなわち、待機流路221に正常な状態の遊技球が滞留していれば、球不足検出センサ264は、遊技球が待機流路221の球不足検出センサ264の直下となる部分に存在し、球不足になっていないことを示すHIGHもしくはLOWの信号を出力する。
【0097】
また、合流部254を有するファール球傾斜部255及び流下傾斜部222は、ほぼ同じ長さで左右に僅かにずれた状態で上下に重なって配置されるが、前記待機傾斜部223は、これらファール球傾斜部255及び流下傾斜部222より短く、例えば、これらの約半分の長さとされている。そして、誇大化部材281の上流側の一部分が上下にファール球傾斜部255及び流下傾斜部222に重なった状態とされ、誇大化部材281のその他の部分がファール球傾斜部255及び流下傾斜部222と上下に重ならず、誇大化部材281の下流側部分の上には、循環流路220が無い状態とされている。そして、誇大化部材281の下流側部分の上には、球補充装置260の球補充ソレノイド263が配置されている。このような循環流路220の配置により、封入球循環ユニット200のスペース効率が高められ、封入球循環ユニット200の小型化が図られている。
【0098】
なお、循環流路220の長さは、例えば、球補充装置260に貯留される補充球を含めずに、封入球式遊技機100内で循環する遊技球の全てを貯留できるだけの長さとされており、遊技球の発射を止めた状態で、循環流路220内に循環使用される遊技球がちょうど収まった状態となる。なお、球保持装置290によって遊技球が保持されている場合は、その分だけ循環流路220内に収容される遊技球が少ない状態となる。また、循環使用される遊技球の個数は、遊技球を順次発射した際に、遊技球の回収が間に合わずに、遊技の発射ができない状態となることがない個数(例えば、25個)とされている。従って、循環流路220の長さは必要十分な長さとされている。なお、遊技領域1aでの球詰まり等により遊技球が不足した場合には、球補充装置260により遊技球が補充される。
【0099】
また、前記導入経路226及び循環流路220や待機流路221やファール球流路252は、その前側が前壁部材310に閉塞され、その後側が後壁部材320により閉塞された状態となっており、それらの前後幅が遊技球の直径より僅かに長いものとされ、遊技球を一列にして収納可能とされるとともに、前後に遊技球が重なることなく、遊技球を流下させるようになっている。また、導入経路226の導入傾斜部213上は、遊技球導入口として開放された状態となっているが、ファール球流路252のファール球傾斜部255上は、ファール球が導入される上流端部を除く傾斜上側の部分の上に遊技球の直径より僅かに広い間隔をあけてセンサ取付部330が配置され、ファール球流路252の傾斜下側の部分である合流部254においては、補給用の遊技球及び回収球が合流する部分より下側の部分の上に、遊技球の直径より僅かに広い間隔を開けて、球補充装置260の傾斜方向(傾斜角)を変換自在な球貯留板261が配置されている。なお、球貯留板261の下側の合流部254上には、球貯留板261が傾斜角を変更可能な所定の角度範囲内で傾斜角を変更しても、球貯留板261との間に遊技球が流下可能な間隔が保持されるようになっている。
【0100】
また、循環流路220の流下傾斜部222上には、上端部がファール球傾斜部255の合流部254と一体に接合され、下端部が待機傾斜部223と一体に接合された流下天井部224が形成されている。流下天井部224は、流下傾斜部222との間に遊技球の直径より僅かに広い間隔をあけて、流下傾斜部222と同じ傾斜となるように形成されている。なお、流下天井部224の下端部(傾斜下側の端部)となり、流下傾斜部222から待機傾斜部223に遊技球がほぼ真下に流下する部分では、遊技球の流下経路に対応して湾曲した形状となっており、その部分で待機傾斜部223と一体に接合された状態となっている。
【0101】
また、循環流路220の待機傾斜部223上および誇大化部材281上には、上端部が流下傾斜部222に一体に接合された待機天井部225が形成されている。待機天井部225は、待機天井部225との間に遊技球の直径より僅かに広い間隔を開けて、待機傾斜部223と同じ傾斜となるように形成されている。
以上のことからファール球流路252及び循環流路220においては、多くの部分で遊技球の流下方向に対して左右や上下に遊技球の直径より僅かに広い間隔が開けられた状態となっており、遊技球が左右や上下に重なって通過することがなく、遊技球が一個ずつに流下するか一列に並んで流下するようになっている。
【0102】
球送り装置240は、待機流路221の下流側に設けられ、待機流路221の傾斜により待機流路221上に一列に並んで待機する遊技球の荷重による遊技球の傾斜下側への移動を規制する規制壁241を備え、上述のように並んだ遊技球の最も傾斜下側の遊技球を一個だけ受ける球受け部242と、球受け部242で保持された遊技球を規制壁241を乗り越える高さまで上昇させる球送り部材243と、球送り部材243を昇降駆動する球送り電磁石244と、規制壁241の球受け部242の反対側に形成され、規制壁241を乗り越えた遊技球を発射装置61(発射レール62上)に導出するための供給流路245と、供給流路245を通過する遊技球を検知する供給球検出センサ246と、供給流路245(封入球循環ユニット200)の遊技球の発射装置61への導出口となる球供給口247とを備える。
【0103】
規制壁241は、傾斜した待機流路221上に並んだ遊技球の最も傾斜下側の遊技球を止め、規制壁241を乗り越えた遊技球だけを発射装置61に流下させる供給流路245に移動可能とするものである。この規制壁241は、遊技球の半径程度の高さ(最も下に位置する球送り部材243の後述の球保持部243aの上面からの高さ)を有し、上端部が待機流路221側に屈曲したL字形板状に形成されていて、待機流路221側に突出する先端部が遊技球に当接することで、遊技球を球受け部242内(球送り部材243の球保持部243a上)に係止するようになっている。また、球受け部242は、規制壁241と直角に接合された状態の保持部底壁248を備え、規制壁241と保持部底壁248とがL字状となっている。
【0104】
球送り部材243は、球受け部242の保持部底壁248上に配置されて、球受け部242に流入した遊技球を保持する球保持部243aを備え、かつ、左右と後方側が開放したコ字状(チャネル状)に形成され、遊技球を遊技機100の後方から見て右から左に通過させられるようになっている球保持部形成部233を有する。なお、球保持部243aは、コ字状の球保持部形成部233の底部となる部分である。また、球送り部材243は、球保持部形成部233の上端部に、左右方向に沿って左方向(待機流路221が形成された側と反対側)に延出するアーム部234を有する。アーム部234の球保持部形成部233が接続していない一端部は、球送り電磁石244の下部に延出する係合部244aに回動可能に係合するようになっている。さらに、アーム部234の上面であって、球送り電磁石244と対向する部分には、磁石が吸着可能な材質(例えば、鉄)からなる吸着片235が設けられている。また、アーム部234が球送り電磁石244の一部分に係合した部分の近傍には、アーム部234の下方向への移動を規制する規制片237が形成されている。
【0105】
そして、アーム部234は、球送り電磁石244が吸着片235の吸着、解放を繰り返すことで、球送り電磁石244の係合部244aに係合した部分を中心として、吸着片235が球送り電磁石244に吸着された位置と、アーム部234が規制片237の上面に当接する位置との間の範囲で上下方向に回動することとなる。また、アーム部234が回動するのに伴い、アーム部234の一端にある球保持部形成部233(球保持部243a)は、上下に移動することとなる。アーム部234がその回動範囲における上限となる位置にあるとき、すなわち、吸着片235が球送り電磁石244に吸着された位置では、球保持部243aの上面が、規制壁241の上端の待機流路221側に突出した部分に係合する位置となるようにされている。また、アーム部234がその回動範囲における下限となる位置にあるとき、すなわち、アーム部234が規制片237の上面に当接した位置では、球保持部243aの遊技球が載る上面が、循環流路220の下流側端部に連続して遊技球を受け入れ可能な位置となるようにされている。以上のことから、球送り部材243は、球保持部形成部233の球保持部243aの遊技球が載る上面が循環流路220の下流側端部に連続して遊技球を受け入れ可能な位置と、球保持部243aの上面が規制壁241の上端の待機流路221側に突出した部分に係合する位置との間を昇降自在とされていることとなる。なお、球送り装置240が作動していない状態においては、球送り部材243のアーム部234が、回動範囲における下限となる規制片237の上面に当接した状態となるようにされており、遊技球を球保持部243aに受け入れた状態で停止するようになっている。
【0106】
また、球保持部243aの上面は、裏面側から向かって右から左に下るように傾斜し、待機流路221の待機傾斜部223上から球受け部242に配置された球送り部材243の球保持部243a上に流入した遊技球は、球保持部243a上でその傾斜により規制壁241側によって規制壁241に接触した状態となるようになっている。そして、球送り部材243が球送り電磁石244により上昇させられ、球保持部243aの上面が、規制壁241が待機流路221側に突出した部分に係合する位置に達した際に、球保持部243a上の遊技球が球保持部243aの傾斜によって規制壁241を越えて供給流路245側に流下するようになっている。なお、球保持部243aの一側端(待機流路221に臨む端部)は、上昇した場合に、待機流路221上(後述の誇大化部材281上)で次に球送り部材243に送られる遊技球が球送り部材243の下に入り込むことがないように、待機流路221の最も下流側で待機する遊技球の直径より高く上がらないようになっている。そして、球保持部243aが上昇した状態では、この次に球送り部材243に送られる遊技球が球保持部243aの一側端に当接した状態となる。
【0107】
ここで、球保持部243a上にある遊技球は、規制壁241の待機流路221側に突出した部分に当接しているので、その一部が球保持部243aの一側端(待機流路221に臨む端部)よりも待機流路221側に突出した状態となっている。よって、球保持部243aが上昇して、次に球送り部材243に送られる遊技球が球保持部243aの一側端に当接した状態になると、球保持部243a上にある遊技球が上方に押し上げられ、より容易に規制壁241を越えられるようになっている。
【0108】
球送り電磁石244は、アーム部234の上面に設けられた吸着片235を吸着可能な電磁石236を備えるとともに、その一部分にアーム部234の一端を回動可能に係合する下方に延出した係合部244aを有する。この球送り電磁石244は、発射制御基板63により発射装置61と同期して制御され、発射装置61が遊技球を発射した直後に、吸着片235の吸着、解放を行うことで球送り部材243を昇降させ、遊技球を発射装置61に送るようになっている。なお、球送り部材243は係合部244aを中心に回動するように上下動するので、球送り電磁石244の吸着片235を吸着する吸着面は、係合部244aと中心とした円の半径に沿うように斜めに配されている。
【0109】
供給流路245は、規制壁241を挟んで球保持部形成部233が配される側の反対側に形成され、規制壁241に沿って遊技球をほぼ真下に流下させた後に、前方に案内して、前方の球供給口247から遊技球を封入球循環ユニット200の前側の発射装置61側に導出するようになっている。また、供給流路245には、供給流路245を流下する遊技球を検出する供給球検出センサ246が設けられている。
【0110】
供給球検出センサ246は、回収球センサ212と同様に周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、供給流路245の規制壁241に面する側と反対側となる前壁部材310の位置に設けられた供給センサ取付部312に後端部が取り付けられ、前端部が規制壁241に当接もしくは近接して配置され、規制壁241を乗り越えて供給流路245を真下に流下する遊技球が通過する孔246aが形成され、供給流路245を流下して孔246aを通過する遊技球を検出するようになっている。なお、供給球検出センサ246も回収球センサ212と同様に遊技球を検出して信号を出力する。供給球検出センサ246に検出された遊技球は、検出直後に発射装置61に供給されて発射されるので、供給球検出センサ246は、発射装置61の前側であるが、遊技球の発射を検出する発射球センサも兼ねるものとなっている。
【0111】
球送り装置240は、遊技球が規制壁241を乗り越えるように僅かに上昇させることにより、遊技球を一個ずつ発射装置61に供給するようになっており、遊技球を傾斜に沿って流下させた状態で下側に一個ずつ排出する構造とした場合に比較して、球送り装置240の多くの部分が待機流路221に対して下側に配置されることがなく、球送り装置240が循環流路220の下部となる待機流路221より下側となることで、封入球循環ユニット200の上下長さが長くなるの防止し、封入球循環ユニット200を小型化することができる。特に、封入球循環ユニット200の上下幅を短くすることができる。
【0112】
また、球送り装置240は、遊技球を規制壁241を乗り越えさせるために、その直径程度の長さだけ上昇させるものであり、遊技球を長い距離に渡って揚送するものではなく、封入球循環ユニット200の循環流路220やファール球流路252に最低限必要とされる上下幅の範囲内を十分に収容することができ、確実に封入球循環ユニット200の上下幅を短くすることができる。また、球送り装置240は、球送り電磁石244が球送り部材243を吸着するだけの簡単な構造であり、トラブルが発生する可能性が極めて低い。
【0113】
図3に示すように、循環流路220の下流側部分となる待機流路221の下流側端部に隣接する球送り装置240の裏面側には、遊技球を封入球循環ユニット200から抜き出す球抜き装置230が設けられている。この球抜き装置230は、後壁部材320に形成された球抜き開口部231と、これを開閉する板状の蓋部材232とを有する。球抜き開口部231は、後壁部材320における球送り部材243の球保持部形成部233と対向する位置に設けられており、その大きさは、遊技球1個が通過できる程度の大きさである。また、後壁部材320に設けられた球抜き開口部231の外面には、球抜き開口部231を開閉するための板状の蓋部材232が、左右にスライド自在に設けられている。
【0114】
また、上述の球保持部243aの上面は裏面側から向かって右から左に下るように傾斜しているが、後方へ向かって下る傾斜ともなっている。すなわち、球保持部243aの上面は、封入球循環ユニット200の裏面側から見て、右前方から左後方に下るように傾斜している。よって、蓋部材232を開放すれば、球保持部243a上の遊技球はその傾斜に沿って自然に後壁部材320の球抜き開口部231から外部に流出する。さらに、待機流路221に待機している遊技球も続いて外部に流出し、封入球循環ユニット200内の遊技球を抜き取れるようになっている。このような球抜き装置230は、封入球式遊技機100内に封入された遊技球を係員等の外部操作により取り出すためのもので、封入球式遊技機100のメンテナンス、遊技球の交換などのために、封入球式遊技機100から遊技球を取り出すために用いられる。
【0115】
以上のような封入球式遊技機100においては、以下のように遊技領域1aに遊技球が発射され、発射された遊技球が回収されて循環使用されることになる。
発射ユニット60の発射装置61に供給された遊技球は、球位置決め部材(図示略)により発射レール62上の発射位置に保持され、発射杵66により打撃されることで、遊技盤1前面側の遊技領域1aの下側から内外二本のガイドレール2の間を通って、遊技領域1a内に発射される。そして、遊技領域1a内に発射された遊技球は、遊技領域1a内を流下し、発射された一部の遊技球が普通変動入賞装置9、特別変動入賞装置5、一般入賞口等の入賞口に流入して入賞し、遊技盤1の裏面側に導かれてセーフ球となり、遊技盤1の裏面側の図示しないセーフ球の排出経路を通って遊技盤1の下側に流下する。
【0116】
一方、遊技領域1a内を流下しても入賞することなく、遊技領域1aの下端部に至った遊技球は、アウト球として、遊技盤1の前面側下端部のガイドレール2が設けられていない中央部分から遊技盤1の下側に流下する。すなわち、アウト球は、遊技盤1の前面側から遊技盤1の下側に流下する。
そして、遊技盤1の下側に流下したアウト球及びセーフ球は、それぞれ封入球循環ユニット200の回収部材210で回収され、封入球循環ユニット200内に流入する。一方、発射装置61で発射されたにも係わらず、遊技領域1aを流下せずに戻ったファール球としての遊技球は、図示しないファール球回収口から封入球循環ユニット200内に流入し、上述の回収球としての遊技球と合流する。
【0117】
封入球循環ユニット200内に形成された経路に沿って遊技球は流下、待機し、発射装置61の発射動作に連動して動作する球送り装置240によって球供給口247から発射位置に供給される。この球供給口247は、封入球循環ユニット200の前面側にある発射ユニット60の発射位置に面しており、球供給口247から出た遊技球はそのまま発射位置にセットされる。つまり、発射ユニット60の裏側にある封入球循環ユニット200から直接遊技球を発射位置にセットするので、循環経路が単純になり装置の構成を簡略化できる。
発射装置61にセットされた遊技球は、発射杵66によって打撃されて遊技領域1aに発射され、再び上述の経路を辿り循環使用される。
【0118】
すなわち、封入球式遊技機100は、封入球循環ユニット200を有することにより、内部に所定数の遊技球を封入しておき、遊技球を発射位置から遊技領域1aに向けて発射し、発射した遊技球を再び回収して発射位置に導くことにより遊技球を循環使用すると共に、遊技者が所有する持球数を示す持球情報に基づいて遊技球の発射が可能となるものである。
【0119】
以上のことから、発射装置61により発射されて遊技に供された遊技球を回収するとともに、該回収した遊技球を再び該発射装置61に供給する遊技球循環機構(封入球循環ユニット200)を有することとなる。
【0120】
次に、図4から9を参照して監視手段280の構成および監視手段280による正規な遊技球よりも径の小さい不正球(小径球)の存在の監視について説明する。
図4に示すように、この監視手段280は、待機流路221の下流側部分に設けられ、球保持部243a上および待機流路221で一列に並んで待機する複数個(ここでは下流側から12個)の遊技球に不正球が存在した場合に、その列の長さが短くなることを検出することで不正球の存在を監視するものである。なお、正規な遊技球は直径が11mmであり、この正規な遊技球よりも径の小さい不正球のうち、10.6mm以下の径を有する不正球は、上述したように発射位置において球位置決め部材(図示略)と発射レール62の間から下方に落下するようになっている。よって、この監視手段280は直径が10.6mmより大きく11.0mm未満である不正球の存在を検出するものである。
【0121】
この監視手段280は、待機傾斜部223の下流側に設けられ、正規な遊技球と不正球との径の差に起因する遊技球の位置の変化を誇大化させる誇大化部材281と、所定位置における遊技球の存在を検出する遊技球検出手段としての不正球検出センサ282と、不正球検出センサ282などからの情報に基づき、不正球の存在を監視する処理を行う発射制御装置63aを含む。
【0122】
誇大化部材281は、待機流路221の球送り装置240に隣接する下流側端部から複数個の遊技球が待機する範囲(ここでは正規な遊技球10個分の長さの範囲)にわたって配されている。図4から8に示すように、この誇大化部材281は、正規な遊技球10個分の長さ(左右幅)および待機流路221の幅と略同じ前後幅を有する直方体の中央部に、上側に開口し、左右方向(遊技球の流下方向)に沿って形成された溝281aを有する断面形状がコ字状となった部材である。さらに、中央に形成された溝281aの両側に位置する上面は、溝281aに向かって下る傾斜面281b,281bとなっており、誇大化部材281の上部は断面形状が略V字状となっている。なお、溝281aの断面形状自体がV字状であっても良い。
【0123】
このような構成を有する誇大化部材281により、誇大化部材281上を流下する遊技球は、図5に示すように、傾斜面281b,281bに当接し、溝281aの上部に一列に並んだ状態となるので、遊技球が流下方向に対して左右に(互い違いに)ずれて遊技球の列の長さが短くなることがない。すなわち、誇大化部材281を設けることで、遊技球の並び方によって列の長さが短くなることを防ぐことができる。これにより、特に、すべて正規な遊技球の場合には、必ず最も遊技球の列の長さが長い状態となり、この状態に比較して遊技球の列が短くなることに基づき不正球の存在を検出する監視手段280における誤検出を防止できる。
【0124】
また、誇大化部材281上に正規な遊技球よりも径の小さい不正球が流入した場合、図7に示すように、正規な遊技球(点線で表示)より径の小さい不正球(実線で表示)は、略V字状に形成された傾斜面281b,281bによって、正規な遊技球より沈んだ位置で保持される。そして、図8に示すように、不正球(図8では下流側から8,9,11番目の遊技球)は、正規な遊技球と上下にずれた位置で保持される。このような状態で不正球が保持されることによって、単に平面上に並んだ場合よりも、不正球が存在することによって遊技球の列の長さが短くなる効果が誇大化され、顕著に現れることとなる。すなわち、誇大化部材281が正規な遊技球と不正球との径の差に起因する遊技球の位置の変化を誇大化させる誇大化手段をなし、これによって、遊技球の列の長さに基づき不正球を検出する監視手段280の検出精度が高められるようになっている。
【0125】
以上のことから、監視手段280は、正規な遊技球と不正球との径の差に起因する遊技球の位置の変化を誇大化させる誇大化手段(誇大化部材281)を備え、誇大化手段は、待機流路221の底部に形成された、流路の両側方から中央にかけて各々下り傾斜した傾斜面281b、281bを有する溝281aにより構成されていることとなる。
【0126】
待機傾斜部223の下流側には、上述のような誇大化部材281を収容することで待機流路221に配設するための誇大化部材配設部227が形成されている。この誇大化部材配設部227は、前壁部材310と前壁部材310から後方側に延出された壁面状(板状)の部材および図4では図示しない後壁部材320によって構成されており、上側が開口した箱状の凹部となっている。誇大化部材配設部227の左右幅、前後幅は、誇大化部材281の長さ(左右幅)、前後幅と同じであり、上下幅は、誇大化部材281の底面から、上部に形成された傾斜面281b,281bの下端までの幅と略同じとされている。また、誇大化部材配設部227は、待機傾斜部223と同じ傾斜角度を有しており、ここに配される誇大化部材281は待機傾斜部223と同じ傾斜角度で配されるようになっている。
【0127】
これにより、図6、8に示すように、誇大化部材281の上流側端部においては、誇大化部材281に接する待機傾斜部223の上面と、誇大化部材281の上部に形成された傾斜面281b,281bの下端部が同じ上下位置となり、遊技球は待機傾斜部223から誇大化部材281へスムーズに流下するようになっている。また、誇大化部材281の下流側端部においても、誇大化部材281に接する誇大化部材配設部227の壁面状の部材の上端と、誇大化部材281の上部に形成された傾斜面281b,281bの下端部が同じ上下位置となり、遊技球は誇大化部材281からスムーズに流出するようになっている。さらに、誇大化部材281の下流側端部に接する誇大化部材配設部227の壁面状の部材の上端と、球送り部材243が最も下側にある状態における球保持部243aの上面が同一面上に位置しており、待機流路221内で遊技球が滞ることなくスムーズに流下するようになっている。
【0128】
また、図4,6,8に示すように、誇大化部材281よりも上流側の待機流路221の側壁には、遊技球検出手段としての不正球検出センサ282が設けられている。この不正球検出センサ282は、周知のフォトセンサであって、前壁部材310側に発光部282aを有し、後壁部材320側に受光部(図示略)を有する構成となっており、所定位置における遊技球の有無を検出できるようになっている。
【0129】
この不正球検出センサ282が検出対象とする遊技球は、誇大化部材281の上流側端部に位置する遊技球の上流側に隣接した待機傾斜部223上にある遊技球(ここでは下流側から数えて12番目の遊技球)である。そして、不正球検出センサ282の配設位置は、図4に示すように、不正球が存在しない場合、すなわち、遊技球の列が最も長い場合に不正球検出センサ282が検出対象となる遊技球の上流側縁部を検出し、図8に示すように、不正球(図8では下流側から8,9,11番目の遊技球)が存在する場合、すなわち、遊技球の列が上述の場合より短い場合に不正球検出センサ282が検出対象となる遊技球を検出しないような位置とされている。なお、図8に示すように、発光部282aはごく狭い範囲に設定されており、不正球が存在することによる検出対象遊技球の位置変化を確実に検出できるようになっている。
【0130】
不正球検出センサ282の発光部282aの詳細な配設位置は、図9に示すように、検出対象となる遊技球とその上流側に隣接する遊技球が正規な遊技球である場合に、両者の間隔(図9中のAの距離)が4.8mm以上となる位置となっている。ここで、すべて正規な遊技球(直径11.0mm)である場合には、球保持部243aにある最初の遊技球の下流側端部(左端部)から、不正球検出センサ282に検出される最後の遊技球(12番目の遊技球)の上流側端部(右端部)までの長さは、132mmとなる。また、すべての遊技球が監視手段280で監視する必要がある最小の径(10.6mm)を有する不正球である場合には、127.2mmとなり、この場合は、不正球検出センサ282に検出される遊技球の上流側端部(右端部)が上述の場合よりも4.8mm下流側に移動することとなる。
【0131】
よって、不正球検出センサ282の発光部282aを、図9に示すAの距離が4.8mm以上の位置に設けることで、不正球が存在して遊技球の列の長さが短くなった場合でも、検出対象となる遊技球の上流側に隣接する遊技球を検出せず、必ず不正球検出センサ282がOFFになるので、誤検出を防止できる。なお、誇大化部材281によって不正球が存在することにより遊技球の列の長さが短くなる効果が誇大化されるので、不正球検出センサ282はこの効果を考慮した位置に設定する必要がある。
【0132】
以上のことから遊技球検出手段は、待機流路221における複数番目に待機する遊技球の上流側縁部を検出するセンサ(不正球検出センサ282)により構成されていることとなる。
【0133】
以上のような構成を有する監視手段280によれば、球保持部243a上および待機流路221で一列に並んで待機する遊技球の列の中に、不正球が存在することによって列の長さが短くなることを不正球検出センサ282による遊技球の検出の有無に基づき確実に検出でき、容易に不正球の存在を検出することが可能となる。
【0134】
次に、以上のような監視手段280の一部をなす発射制御装置63aで行われる正規の遊技球より径の小さい不正球を監視する不正監視処理について説明する。
まず、発射装置61が作動中であるか否かの判定(ステップS1)を行う。発射装置61が作動中であるか否かは、例えば、タッチセンサ152からの入力の有無や、発射装置61の動作の有無、球送り装置240の動作の有無から判定する。
発射装置61が作動中であるか否かの判定(ステップS1)において、作動中である場合は不正監視処理を終了する。これは、監視手段280による不正球の存在の監視は、待機流路221で待機する遊技球の列の長さに基づき行うので、遊技球が待機流路221内で動いていない状態で行う必要があるためである。
発射装置61が作動中であるか否かの判定(ステップS1)において、作動中でない場合は球量検出センサ(球不足検出センサ264)が遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS2)を行う。
【0135】
以上のことから、監視手段280は、待機流路221の遊技球を発射装置61側に供給するための供給装置(球送り装置240)の停止時に不正球の監視を能動化することとなる。
【0136】
球量検出センサが遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS2)においては、球量検出センサとしての球不足検出センサ264から、第1枠制御装置83に中継されて発射制御装置63aに入力される遊技球の検出情報に基づき判定を行う。
球量検出センサが遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS2)において、遊技球を検出していない場合は不正監視処理を終了する。このように、球量検出センサ(球不足検出センサ264)が遊技球を検出していない場合は、遊技領域1a内での球止まりなどで待機流路221に所定数の遊技球が待機していない場合であり、この場合は、監視手段280によって待機する遊技球の列の長さに基づく不正球の存在の判定を行うことができないため、ここで不正監視処理を終了する。
球量検出センサが遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS2)において、遊技球を検出している場合は、不正球検出センサ282が遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS3)を行う。
【0137】
不正球検出センサ282が遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS3)においては、待機流路221に設けられた遊技球検出手段としての不正球検出センサ282が、遊技球を検出しているかが判定される。
不正球検出センサ282が遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS3)において、遊技球を検出している場合は、不正監視処理を終了する。この場合は、正規な遊技球より径の小さい不正球が存在しないので、検出対象となる遊技球が不正球検出センサ282の発光部282a位置にある場合である。
不正球検出センサ282が遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS3)において、遊技球を検出していない場合は、不正処理(ステップS4)を行い、不正監視処理を終了する。この場合は、正規な遊技球より径の小さい不正球が存在するため、検出対象となる遊技球が不正球検出センサ282の発光部282aの位置より下流側に位置し、不正球検出センサ282で検出できなかった場合である。
【0138】
不正処理(ステップS4)においては、例えば、発射制御装置63aにおいて遊技球の発射を不能動化する処理を行う。また、発射制御装置63aにおいて、不正球が存在していることを示す情報含む不正発生情報を第1枠制御装置83に対して送信する処理を行う。この不正発生情報に基づき第1枠制御装置83は、外部アピール装飾ランプ11やスピーカ155,13等により不正の発生を報知する処理を行う。また、第1枠制御装置83は不正発生情報を第2枠制御装置91に中継し、第2枠制御装置91がタッチパネル表示ユニット151による不正発生の報知を行う処理、遊技機100外部の管理装置(ホールサーバ900)に不正発生情報を送信する処理などを行う。
以上のような監視手段280および不正監視処理によって、正規な遊技球より径の小さい不正球を遊技領域1aへの発射前に検出し、不正を未然に防ぐことができる。
【0139】
以上のことから、入賞口(特別変動入賞装置5、一般入賞口8、普通変動入賞装置9)が設定された遊技領域1aに向けて発射装置61から遊技球を発射して遊技を行うようにした遊技機100において、発射装置61に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路221に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段280(誇大化部材281、不正球検出センサ282、発射制御装置63a)を設け、監視手段280は、待機流路221において複数番目に待機する遊技球の発射装置61側からの位置の変化を検出するための遊技球検出手段(不正球検出センサ282)を含み、該遊技球検出手段からの検出信号に基づいて該複数番目以内における不正球の有無を監視することとなる。
【0140】
なお、上述の実施形態においては、遊技球検出手段としての不正球検出センサ282をフォトセンサとしたが、これに限られるものではなく、所定位置における遊技球の存在の有無を検出できるものであれば良い。例えば、待機流路221の底部に、金属部材(板部材)を設け、該金属部材と遊技球との電気的導通を検出することで、待機流路221の所定位置の遊技球を検出するようにしてもよい。
【0141】
また、誇大化部材281よりも上流側の待機流路221に遊技球検出手段としての不正球検出センサ282を設けるようにしているが、誇大化部材281上の遊技球を検出するように遊技球検出手段を設けるようにしてもよい。この場合、遊技球検出手段の位置は、遊技球の上方側で、かつ上流側の縁部を検出することが望ましく、この位置を検出することで、検出の対象となっている遊技球が不正球であった場合には、遊技球の位置が下流側に移動するうえ、下方側にも移動するので、不正球をさらに正確に検出することが可能となる。
また、不正球検出センサ282は遊技球の上方側で、かつ上流側の縁部を検出するようにしたが、下方側で、かつ上流側の縁部を検出するようにしても良い。
【0142】
また、誇大化部材281は封入球循環ユニット200の流路構成部材とは別部材で形成するようにしているが、上記流路構成部材と一体成型してもよい。ただし、この場合には、型成型の関係上、遊技球の流下方向に沿って延在する溝281a部分で、後方側と前方側とで別部材にすることが望ましい。
【0143】
また、監視手段280による不正球の監視を発射装置61の停止時に行うようにしているが、発射装置61の作動中に行ってもよい。この場合には、球送り装置240の可動部(球保持部243a)が下方に位置している間に監視処理を実行する。
【0144】
また、監視の対象となる遊技球を下流側から12番目の遊技球としたが、何番目の遊技球でも良い。
【0145】
また、不正処理において、不正発生情報をホールサーバ900(管理サーバー)に送信して、ホールサーバ900で不正の発生を報知してもよいし、不正ファイル(発生時刻、台番号、遊技者の個人情報などをファイリング)を作成してもよい。
さらに、不正発生情報を遊技機100から直接、或いはホールサーバ900を介して、監視カメラシステムに送信し、不正発生状況を監視してもよい。
【0146】
また、不正球を監視する不正監視処理(図11に図示)を発射制御装置63aで行うとしたが、これに限られるものではなく、例えば、第1枠制御装置83で行うようにしても良い。
この場合は、第1枠制御装置83において、発射装置61が作動中であるか否かの判定(ステップS1)を行うために、発射制御装置63aから、タッチセンサ152からの入力の有無や、発射装置61の動作の有無、球送り装置240の動作の有無などの情報を第1枠制御装置83に出力するようにする。
また、第1枠制御装置83において、不正球検出センサ282が遊技球を検出しているか否かの判定(ステップS3)を行うために、発射制御装置63aから、不正球検出センサ282からの入力の有無に関する情報を第1枠制御装置83に出力するようにする。
【0147】
そして、不正球の存在が検出された際に行われる不正処理(ステップS4)においては、第1枠制御装置83から発射制御装置63aに対して遊技球の発射停止指令信号を送信し、これに基づいて発射制御装置63aにおいて遊技球の発射を不能動化する処理を行うようにする。
さらに上述と同様に、第1枠制御装置83は、外部アピール装飾ランプ11やスピーカ155,13等により不正の発生を報知する処理を行う。また、不正発生情報を第2枠制御装置91に送信し、第2枠制御装置91がタッチパネル表示ユニット151による不正発生の報知を行う処理、遊技機100外部の管理装置(ホールサーバ900)に不正発生情報を送信する処理などを行うようにする。
【0148】
次に、監視手段280の変形例について、図12を参照して説明する。
この監視手段280は、誇大化部材281の上流側に位置する待機傾斜部223に下流側が低くなった段差283を設け、ここに不正球検出センサ282を配設している点が上述の監視手段280と異なる。この段差283は、すべて正規な遊技球である場合に、誇大化部材281の上流側端部に位置する遊技球に隣接した待機傾斜部223上にある遊技球の上流側端部(右端部)が、段差283の略垂直な段差面284にちょうど当接するように形成されている。そして、段差面284にちょうど遊技球が当接した状態において、遊技球の下方端部(上流側)を検出可能な位置に不正球検出センサ282が設けられている。なお、図12には図示しないが、待機傾斜部223に段差283を形成したのに対応して、待機天井部225にも段差が形成され、遊技球が一列に並んで流下可能な段差を有する待機流路221が形成されている。
【0149】
このように、段差283を設けたことによって、段差面284よりも下流側に待機する遊技球の数を規制することができ、不正球が存在して遊技球の列の長さが短くなった場合において、検出の対象となる番目にある遊技球と段差面284との間に、次に待機する遊技球が入り込むことを防止できる。すなわち、不正球が存在する場合には、必ず不正球検出センサ282が遊技球を検出しない状態となり、確実に不正球の存在を検出できるようになる。
【0150】
なお、図12では段差面284より下流側の待機傾斜部223上に位置する検出対象の遊技球から数えて、1,2,4,5,8番目の遊技球が不正球であり、その分だけ検出対象となる遊技球が下流側に移動し、不正球検出センサ282に検出されない状態となっている。
また、段差283よりも下流側の待機流路221の長さ(球保持部243aを含む)は、すべての遊技球が監視手段280で監視する必要がある最小の径(10.6mm)を有する不正球である場合であっても、次に待機する遊技球が、検出対象となる遊技球と段差面284との間に入り込んで不正球検出センサ282に検出されることがない長さに設定されている。例えば、段差283より下流側の待機流路221の長さ(球保持部243aを含む)を、正規な遊技球がちょうど12個並ぶことのできる長さとすれば、上述したように、すべての遊技球が不正球であっても、検出対象となる遊技球が4.8mm下流側に移動するだけであるので、次に待機する遊技球が入り込むことは不可能であり、確実に不正球の存在を検出できる。
【0151】
以上のことから、遊技球検出手段(不正球検出センサ282)が位置する部位より上流側の待機流路221に段差283を設け、該段差面284よりも下流側に待機する遊技球の数を規制することとなる。
【0152】
以上のような遊技機100は、入賞口(特別変動入賞装置5、一般入賞口8、普通変動入賞装置9)が設定された遊技領域1aに向けて発射装置61から遊技球を発射して遊技を行うようにした遊技機であって、発射装置61に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路221に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段280(誇大化部材281、不正球検出センサ282、発射制御装置63a)を設け、監視手段280は、待機流路221において複数番目に待機する遊技球の発射装置61側からの位置の変化を検出するための遊技球検出手段(不正球検出センサ282)を含み、該遊技球検出手段からの検出信号に基づいて該複数番目以内における不正球の有無を監視するようにしている。
【0153】
したがって、発射装置61に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路221に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段280を設けたので、不正球の使用を防止することができる。
また、待機流路221において複数番目に待機する遊技球の発射装置61側からの位置の変化を検出するための遊技球検出手段を含み、その検出信号に基づいて該複数番目以内における不正球の有無を監視するので、特に複数番目以内に不正球が複数あった場合は、その分だけ発射装置61側からの位置の変化が大きくなるので、確実に不正球の存在を検出できる。
また特に、封入球式遊技機の場合、複数の不正球が存在するとその被害が甚大になるという課題があるが、これを防止できる。
【0154】
また、監視手段280は、正規な遊技球と不正球との径の差に起因する遊技球の位置の変化を誇大化させる誇大化手段(誇大化部材281)を備え、誇大化手段は、待機流路221の底部に形成された、流路の両側方から中央にかけて各々下り傾斜した傾斜面281b,281bを有する溝281aにより構成されている。
【0155】
したがって、監視手段280は、正規な遊技球と不正球との径の差に起因する遊技球の位置の変化を誇大化させる誇大化手段(誇大化部材281)を備えるので、正規な遊技球と不正球との径の差をより顕著にすることができ、正規なものよりも僅かに小さい径の不正球の使用も監視でき、より確実に不正行為を防止することができる。
また、誇大化手段は、待機流路221の底部に形成された、流路の両側方から中央にかけて各々下り傾斜した傾斜面281b,281bを有する溝281aにより構成されているので、不正球を確実に検出することができる。
すなわち、待機流路221内に小径球があった場合、その遊技球は流路の両側方から中央にかけて各々下り傾斜した傾斜面281b,281bにより正規な遊技球よりも下方に中心位置がずれ、その分待機流路221内の遊技球は小径球の寸法分よりもさらに発射装置61側(下流側)に位置がずれることになり、結果小径球の寸法の違いを顕著にでき、不正球を確実に検出することができる。
また、流路の両側方から中央にかけて各々下り傾斜した傾斜面281b,281bにより、遊技球を待機流路221の左右方向中心に正確に並べることができ、遊技球が待機流路221の中心からずれて並ぶこと(左右に互い違いに並ぶこと)により遊技球の列の長さが短くなることがないので、遊技球の並び方によって待機流路221内の遊技球の位置が実際の径よりも発射装置61側(流下方向側)にずれることを防止でき正確な遊技球の監視を行える。
【0156】
また、遊技球検出手段は、待機流路221における複数番目に待機する遊技球の上流側縁部を検出するセンサ(不正球検出センサ282)により構成されている。
【0157】
したがって、遊技球検出手段は、遊技球の上流側縁部を検出するセンサにより構成されているので、検出対象となる遊技球の位置が不正球の存在により下流側に変化することを確実に検出できる。また、遊技球の上流側縁部を検出することで、径の違いに起因する高さの変化を検出することもでき、特に上述の誇大化手段(誇大化部材281)を備えた場合は、高さの変化も誇大化されるのでより効果的に不正球を検出できる。
【0158】
また、監視手段280は、待機流路221の遊技球を発射装置61側に供給するための供給装置(球送り装置240)の停止時に不正球の監視を能動化するようにしている。
【0159】
したがって、監視手段280は、供給装置の停止時に不正球の監視を能動化するので、遊技球の動きが停止したときに不正球を監視することとなり、確実に不正球を検出することができる。なお、連続して遊技球を発射する動作の継続中にも不正球を監視可能であるが、供給動作による振動により誤検出の可能性があるため、この場合は供給装置が停止して、供給動作による振動が完全になくなっている間に監視することが望ましい。
【0160】
また、遊技球検出手段(不正球検出センサ282)が位置する部位より上流側の待機流路221に段差283を設け、該段差面284よりも下流側に待機する遊技球の数を規制するようにしている。
【0161】
したがって、遊技球検出手段が位置する部位より上流側の待機流路に段差を設け、該段差面284よりも下流側に待機する遊技球の数を規制するようにしたので、遊技球検出手段の対象となる番目の遊技球と段差面284との間に次の発射が行われるまで遊技球が入り込めないような隙間を形成することができ、不正球が複数存在することで、遊技球検出手段が本来検出すべき遊技球の位置が大きく変化し、それよりも上流側の遊技球を検出してしまうことを防止できる。
【0162】
また、発射装置61により発射されて遊技に供された遊技球を回収するとともに、該回収した遊技球を再び該発射装置61に供給する遊技球循環機構(封入球循環ユニット200)を有している。
【0163】
したがって、遊技球を循環して使用する遊技球循環機構を備えた封入球式の遊技機100の場合、封入された遊技球を不正な遊技球に交換されてしまうと、その不正球が繰り返して遊技に使用されてしまうため、遊技店の被害が多大になるが、監視手段280を有することで、このような被害を確実に防止することができる。
【0164】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるよう封入球式のパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【0165】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の構成を示す封入球式遊技機のクリア部材保持枠を開放した状態を示す斜視図である。
【図2】クリア部材保持枠を閉鎖した状態を示す封入球式遊技機の斜視図である。
【図3】封入球式遊技機の裏面側を示す図である。
【図4】封入球循環ユニットの内部となる前壁部材の裏面を示す図である。
【図5】誇大化手段の一部を示す斜視図である。
【図6】誇大化手段と待機傾斜部との接続部分を示す斜視図である。
【図7】誇大化手段上の遊技球の状態を示す断面図である。
【図8】監視手段の側面図である。
【図9】遊技球検出手段の配設位置を示す図である。
【図10】封入球式遊技機の制御系を示すブロック図である。
【図11】不正監視処理を示すフローチャートである。
【図12】監視手段の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0167】
1 遊技盤
1a 遊技領域
5 特別変動入賞装置(入賞口)
8 一般入賞口(入賞口)
9 普通変動入賞装置(入賞口)
61 発射装置
63a 発射制御装置(監視手段)
100 封入球式遊技機(遊技機)
200 封入球循環ユニット(封入球循環機構)
220 循環流路
221 待機流路
227 誇大化部材配設部
240 球送り装置(供給装置)
280 監視手段
281 誇大化部材(誇大化手段、監視手段)
281a 溝
281b 傾斜面
282 不正球検出センサ(遊技球検出手段、監視手段)
283 段差
284 段差面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入賞口が設定された遊技領域に向けて発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようにした遊技機において、
前記発射装置に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段を設け、
前記監視手段は、前記待機流路において複数番目に待機する遊技球を検出可能な遊技球検出手段を含み、該遊技球検出手段からの検出信号に基づいて該待機流路において不正球が存在する場合に正規な遊技球と不正球との径の差に起因して該複数番目の遊技球の位置が変化することを検出することで不正球の有無を監視するものとし、
前記待機流路に段差を設け、該段差面よりも下流側に待機する遊技球の数を規制するとともに、該規制された遊技球の最上流に位置する遊技球を検出可能に前記遊技球検出手段を配設したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技球検出手段は、前記待機流路における複数番目に待機する遊技球の上流側縁部を検出するセンサにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記監視手段は、前記待機流路の遊技球を前記発射装置側に供給するための供給装置の停止時に前記不正球の監視を能動化することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記発射装置により発射されて遊技に供された遊技球を回収するとともに、該回収した遊技球を再び該発射装置に供給する遊技球循環機構を有することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項1】
入賞口が設定された遊技領域に向けて発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようにした遊技機において、
前記発射装置に供給前の遊技球を整列させて待機させる待機流路に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段を設け、
前記監視手段は、前記待機流路において複数番目に待機する遊技球を検出可能な遊技球検出手段を含み、該遊技球検出手段からの検出信号に基づいて該待機流路において不正球が存在する場合に正規な遊技球と不正球との径の差に起因して該複数番目の遊技球の位置が変化することを検出することで不正球の有無を監視するものとし、
前記待機流路に段差を設け、該段差面よりも下流側に待機する遊技球の数を規制するとともに、該規制された遊技球の最上流に位置する遊技球を検出可能に前記遊技球検出手段を配設したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技球検出手段は、前記待機流路における複数番目に待機する遊技球の上流側縁部を検出するセンサにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記監視手段は、前記待機流路の遊技球を前記発射装置側に供給するための供給装置の停止時に前記不正球の監視を能動化することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記発射装置により発射されて遊技に供された遊技球を回収するとともに、該回収した遊技球を再び該発射装置に供給する遊技球循環機構を有することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−22791(P2009−22791A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280954(P2008−280954)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【分割の表示】特願2005−219238(P2005−219238)の分割
【原出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(000132747)株式会社ソフィア (2,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【分割の表示】特願2005−219238(P2005−219238)の分割
【原出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(000132747)株式会社ソフィア (2,465)
【Fターム(参考)】
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