説明

遊技機

【課題】受皿部の貯留空間における遊技媒体の貯留量又は貯留量推移などの貯留状態を遊技者に簡単に認識させることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】払出された遊技球を受けて所定の貯留空間Sに貯留するとともに、貯留空間Sに貯留された遊技球を所定の遊技球射出装置に案内する受皿部を備える弾球遊技機において、貯留空間Sにおける遊技球の有無を検知する検知手段23と、検知手段23の検知結果に基づいて貯留空間Sにおける遊技球の貯留状態を報知する報知手段24とを備える。より具体的には、報知手段24は、外部から目視により認識可能な位置に取り付けられており、検知手段23の検知結果による遊技球の有無状態に応じて、貯留状態を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店やゲームセンターなどの遊技場に設置され、所定の遊技媒体払出装置などにより払出された遊技媒体(遊技球)を受けて所定の貯留空間に貯留するとともに、貯留空間に貯留された遊技媒体を所定の遊技媒体射出装置に案内する受皿部を備える弾球遊技機(パチンコ機)などの遊技機に関し、特に、貯留空間における遊技媒体の貯留量又は貯留量推移などの貯留状態を遊技者に簡単に認識させることが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店などに設置される弾球遊技機では、賞球払出装置から払出された遊技球を受けて所定の貯留空間に貯留するとともに、貯留空間に貯留された遊技球を一列に整列させて遊技球射出装置に案内する上皿と、その上皿の下方側に配置され、上皿が遊技球で一杯の時に賞球払出装置から払出される遊技球や上皿から案内された遊技球を貯留するための下皿とが筐体正面の下方側に取り付けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この弾球遊技機では、ドル箱などと称される球貯留箱を下皿の下方側に配置することと、下皿に貯留された遊技球を手で掴んで上皿に移し変えるなどの作業を行えるように上皿と下皿との間に十分な距離を取る必要があることなどから、上皿の形成位置が高めに設定されている。
【0004】
また、最近では、上述の下皿に相当する部分が無く、賞球払出装置から払出された遊技球を受けて所定の貯留空間に貯留するとともに、貯留空間に貯留された遊技球を一列に整列させて遊技球射出装置に案内する単一の受皿部が筐体正面の下方側に取り付けられた弾球遊技機も使用されている。
【0005】
この弾球遊技機では、迫力のある演出画像を表示する17インチなどの大型の液晶ディスプレイを盤面に取り付けるべく盤面サイズを拡大するため、従来の下皿を省略した構成となっているが、遊技球を十分に貯留できる貯留空間を確保するために、受皿部に高さのある側壁を使用することが必要となる場合がある。
【0006】
更に、上記のような機能上の必要とは別に、デザイン上の必要などから受皿部の取付位置が高くなったり、受皿部に高さのある側壁が使用される場合もある。
【0007】
そして、受皿部の取付位置が高い場合や、受皿部に高い側壁が使用された場合には、受皿部の貯留空間における遊技球の貯留状態を目視により認識するのが困難となることがあった。
【0008】
特に、女性や老人などの背丈の低い遊技者は、受皿部への遊技球の補給が必要かどうかを確かめるには、背や首を伸ばして貯留空間を覗き込むなど、疲れる姿勢を取らなければならず、そのことが煩わしいがために遊技球の貯留状態を余り確認せずに遊技をしていると、途中で遊技球が切れて遊技が中断してしまうなど、種々の面で遊技者に不便を生じていた。
【特許文献1】特開2007−252578号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、下記のいずれか一以上の目的を達成するものである。
【0010】
即ち本発明の目的は、受皿部の貯留空間における遊技媒体の貯留量又は貯留量推移などの貯留状態を簡単に認識することが可能な遊技機を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、受皿部における遊技媒体の貯留状態を目視で直接確認することが困難な構成の弾球遊技機においても、遊技媒体の貯留状態を簡単に認識することができる遊技機を提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、遊技者に貯留空間のどのあたりまで遊技媒体が貯留されているのかを報知することが可能な遊技機を提供することにある。
【0013】
本発明の更に他の目的は、遊技中の遊技者に遊技媒体の補給を促す報知を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記課題を解決したものであり、払出された遊技媒体を受けて所定の貯留空間に貯留するとともに、前記貯留空間に貯留された遊技媒体を所定の遊技媒体射出装置に案内する受皿部を備える遊技機であって、前記貯留空間における遊技媒体の貯留状態を検知する検知手段と、前記検知手段により検知された前記貯留空間における遊技媒体の貯留状態を報知する報知手段とを更に備えることを特徴とする遊技機(請求項1)である。
【0015】
本発明の遊技機は、パチンコ店やゲームセンターなどの遊技場に設置され、遊技媒体払出装置などにより払出された遊技媒体を受けて所定の貯留空間に貯留するとともに、貯留空間に貯留されている遊技媒体を所定の遊技媒体射出装置に案内する受皿部を備えた任意の遊技機に適用できるものであるが、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)が使用される弾球遊技機に好ましく適用される。
【0016】
本発明の検知手段には、例えば、光センサーや金属感知センサーや電流検知センサーなどの種々のセンサーを適用することができる。
【0017】
本発明の検知手段に、光センサーを採用する場合には、赤外線LEDなどの発光素子を貯留空間における奥側の側壁或いは手前側の側壁のいずれか一方側に設置し、フォトトランジスタやフォトダイオード、CdS(硫化カドミウム)などの受光素子を他方側側壁に設置し、発光素子から受光素子への光が貯留空間の遊技媒体により遮断されるか否かにより、貯留空間における遊技媒体の有無を検知することが可能である。
【0018】
また、金属感知センサーを採用する場合には、電磁誘導法を用いたコイル式センサーなどの金属感知センサーを貯留空間の底面に設けるとともに、金属感知センサーを報知手段における報知制御手段が実装される制御基板などと電気的に接続し、金属感知センサーの磁場変化の感知状態によって貯留空間における遊技媒体の有無を検知することが可能である。
【0019】
また、遊技媒体が導電性の素材で形成されている場合には、電流検知センサーを採用することが可能であり、貯留空間における奥側側壁或いは手前側側壁のいずれか一方側に電源部材を設置し、他方側側壁に電極部材を設置し、遊技媒体により電源部材から電極部材までの導通路が形成されているか否かにより貯留空間における遊技媒体の有無を検知することが可能である。
【0020】
本発明の報知手段には、例えば、LEDなどの発光手段や、スピーカなどの音声出力手段や、液晶ディスプレイ(LCD)や7セグ表示器などの画像表示手段など、検知手段による検知結果を人に報知することが可能な任意の手段により構成することができる。
【0021】
本発明によれば、貯留空間における遊技媒体の貯留量又は貯留量推移などの貯留状態が検知手段により検知され、その結果が報知手段により報知されるため、受皿部の外形形状や寸法等とは無関係に貯留空間における遊技媒体の貯留状態を簡単に認識することが可能である。
【0022】
本発明では、前記報知手段は、前記検知手段の検知結果に応じて発光状態を変化させる発光報知手段であること(請求項2)が好ましい。
【0023】
かかる発明では、貯留空間における遊技媒体の貯留状態が発光報知手段の発光状態の変化により告知されるため、演出音やBGM、店内放送などが大音量で出力される環境でも、貯留空間における遊技媒体の貯留状態を確実に告知することが可能になる。
【0024】
本発明では、前記貯留空間が複数の分割貯留空間に区画され、前記検知手段は前記分割貯留空間毎に前記遊技媒体の貯留状態を検知する複数のセンサーを備えており、前記報知手段は、前記複数のセンサーのそれぞれが検知した前記分割貯留空間毎の遊技媒体の貯留状態を報知するよう構成し(請求項3)、前記報知手段は、前記複数のセンサーのそれぞれに対応する複数の発光報知手段を備えており、前記複数のセンサーの検知結果に応じて、対応する前記発光報知手段の発光状態を制御するよう構成し(請求項4)、更には、前記発光報知手段を前記複数の分割貯留空間に対応する位置に取り付けること(請求項5)が好ましい。
【0025】
かかる発明では、分割貯留空間毎に貯留状態が報知されるため、遊技者は、貯留空間における遊技媒体の貯留状態をより詳細に認識することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の1実施形態に係る弾球遊技機1の外観構成を示す説明図である。
【0028】
図示のように、弾球遊技機1は、基体2、基体2に填め込まれた盤面3、盤面3を囲繞する外側レール4a及び内側レール4b、当該外側レール4a及び内側レール4bの間に形成される打出レーン4、基体2下方に取り付けられた受皿部5、受皿部5の左下に取り付けられた操作入力装置6、受皿部5の右下に取り付けられたハンドル7、音声を出力するスピーカ8、基体2周辺において電飾演出を行う複数のランプ9等を備えている。
【0029】
盤面3には、打出レーン4から打ち出された遊技球Bの移動経路に変化を与えるための多数の釘や風車などが打ち付けられている他、装飾図柄表示部11、特図表示部12、普図表示部13、第1始動口14、第2始動口15、第1保留球表示部16、第2保留球表示部17、大入賞装置18、アウト口19等が設けられている。
【0030】
装飾図柄表示部11は、図柄変動遊技において、3つの装飾図柄が変動表示及び停止表示される態様を表示するものである。装飾図柄表示部11には、上記装飾図柄とともに背景やキャラクタなどの他の演出画像を併せて表示できる液晶ディスプレイ(LCD)やCRT等の画像表示装置が好ましく使用される。装飾図柄表示部11には、ドットマトリクスや機械式の回転ドラムなど、他の形態の表示装置を使用することも可能である。
【0031】
特図表示部12及び普図表示部13は、それぞれ特別図柄及び普通図柄が変動表示及び停止表示される態様を表示する特別図柄変動遊技及び普通図柄変動遊技を実行するものである。これら特図表示部12、普図表示部13には、装飾図柄表示部11と同様の各種表示装置を使用することが可能であるが、製造原価や占有面積の低減の観点から、7セグ表示器等の安価で小型の表示装置が好ましく使用される。
【0032】
第1始動口14は、遊技球Bが入賞できるポケット状の入賞口14aと、当該入賞口14aの両側の可動翼片14bとを備える電導役物であり、可動翼片14bの開閉により第1始動口14を遊技球Bが入賞し易い状態と入賞し難い状態の間で状態変化させることが可能である。即ち、可動翼片14bは、盤面3裏面に設置されたソレノイド14cにより、可動翼片14bが起立した通常状態及び可動翼片14bを外方に回転させた開放状態に駆動することができる。通常状態では、遊技球Bは可動翼片14bの間の間隙からしか入賞できないが、開放状態では横方向からの遊技球Bの入賞が可能となるため、遊技球Bの入賞確率が上昇する。第1始動口14は更に、入賞口14aに入賞した遊技球Bを検知して遊技球入賞信号を発信する遊技球センサー14Sを備えている。
【0033】
第2始動口15は、遊技球Bを上方から下方にスルーで通過させるゲート状の部材であり、第2始動口15を通過した遊技球Bを検知して遊技球通過信号を発信する遊技球センサー15Sを備えている。
【0034】
第1保留球表示部16、第2保留球表示部17は、それぞれ第1始動口14に入賞した遊技球Bの保留数、第2始動口15を通過した遊技球Bの保留数を表示するものであり、第1保留球表示部16、第2保留球表示部17は、LEDなどの簡便な表示装置により構成することができる。
【0035】
第1始動口14の下方には、横長方形状の開閉扉18aを有する大入賞装置18が設けられている。当該開閉扉18aは、通常は遊技球Bが入賞できないように閉鎖状態とされており、盤面3裏面のソレノイド18bの駆動によって開閉扉18aを開放状態とすることにより、大入賞装置18への遊技球Bの入賞が可能となる。大入賞装置18は、大入賞装置18に入賞した遊技球Bを検知して入賞信号を発信する遊技球センサー18Sを備えている。
【0036】
大入賞装置18の下方には、盤面3上のいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球Bを回収するアウト口19が設けられている。
【0037】
なお、盤面3には、上記の他に追加的な入賞口や役物等を設けることも可能である。
【0038】
また、基体2には、受皿部5の上方付近に残高表示部20、玉貸ボタン21、返却ボタン22等が設けられている。
【0039】
残高表示部20は、この弾球遊技機1の一側面に隣接する態様で取り付けられる玉貸出処理機(不図示)に挿入されているICカードの残高情報を表示するものであり、例えば、7セグ表示器等の安価で小型の表示装置により構成することができる。
【0040】
玉貸ボタン21は、残高内での遊技球Bの貸出要求を行う場合に遊技者などによって押下操作される操作ボタンであり、返却ボタン22は、残高のある上記ICカードの返却を行う場合に遊技者などによって押下操作される操作ボタンであり、例えば、押圧力を受けることで操作信号を発信し、押圧力が解除されると信号発信を停止する自己復帰型のプッシュスイッチとすることができる。なお、本実施形態では、残高がある状態で玉貸ボタン21が押下されると、例えば、500円分の数量(125個)の遊技球Bが受皿部5に払い出されるようにされている。
【0041】
受皿部5は、上皿51と下皿52から構成されている。
【0042】
上皿51は、玉貸ボタン21の押下操作に基づく払出信号や各入賞口への入賞による賞球払出信号などに基づいて賞球払出装置50から払出される遊技球Bを貯留するとともに、貯留した遊技球Bをハンドル7裏面の遊技球射出装置60に案内するものである。
【0043】
また上皿51には、上皿51に貯留された遊技球Bの貯留状態を検知する検知手段23が設けられており、検知手段23により検知された遊技球Bの貯留状態は、受皿部5の前面側側壁に取り付けられた報知手段24により報知される。
【0044】
上皿51には、更に球抜レバーLV1が設けられており、球抜レバーLV1を操作することで、貯留空間Sに貯留された遊技球Bを下方の下皿52に移し替えることが可能である。
【0045】
下皿52は、排出口52aから排出される所定量の遊技球Bを貯留するための上面開放の容器であり、下皿レバーLV2を操作すると、下皿52の底面に形成された不図示のシャッターが開放されて、下皿52に貯留された遊技球Bを下方に配置した球貯留箱(ドル箱)に回収することが可能である。
【0046】
操作入力装置6は、4つの方向指示ボタン6aと決定ボタン6bを備えている。方向指示ボタン6a及び決定ボタン6bは、押圧力を受けることで操作信号を発信し、押圧力が解除されると信号発信を停止する自己復帰型のプッシュスイッチとすることができる。なお、図示の形態は単なる例であり、操作入力装置6は、マウス、キーボード、ジョイスティック等の他の形態とすることも可能である。
【0047】
ハンドル7は、時計回り方向に回転操作することで遊技球Bの盤面3への射出操作を行うものである。ハンドル7は、静電容量の変化などにより遊技者の接触を検知するタッチセンサー7a及びハンドル7の回転量を検出する回転センサー7bを備え、タッチセンサー7aが遊技者のタッチによりオンとなることで射出モータ7cが打撃槌(不図示)を駆動し、受皿部5から遊技球射出装置60に案内された遊技球Bが所定時間間隔で盤面3に向けて射出される。打撃槌には回転センサー7bの信号に応じた付勢力が作用するようになっており、遊技球Bはハンドル7の回転量に応じた初速をもって打ち出される。なお、このハンドル7には、ハンドル7を所定量回転させた状態でも遊技球Bが打ち出されないようにするためのウェイトボタン(不図示)なども設けられている。
【0048】
上記弾球遊技機1では、ハンドル7を回転操作することにより、受皿部5に貯留された遊技球Bが一定時間間隔で打出レーン4から盤面3に打ち出され、釘や風車などと接触を繰り返しながら盤面3を落下する。そして、遊技球Bが第1始動口14に入賞した場合には、主制御回路31による当否抽選が実行されるとともに、装飾図柄表示部11において、3つの装飾図柄を変動させた後に順次停止させる図柄変動遊技が実行され、停止表示された装飾図柄の組み合わせによって上記当否抽選の結果が遊技者に告知される。上記当否抽選の結果は、特図表示部12において停止表示される特別図柄によっても告知される。
【0049】
図2は、本実施形態に係る弾球遊技機1が内蔵するハードウェア構成を示す説明図である。
【0050】
図示のように弾球遊技機1は、主制御基板30、表示制御基板40、賞球払出装置50、遊技球射出装置60等を備えている。
【0051】
主制御基板30は、CPU、ROM、RAM等で構成される主制御回路31と、この主制御回路31にBUS35を介して接続される入力処理回路32、出力処理回路33、通信処理回路34等から構成されている。
【0052】
入力処理回路32は、遊技球センサー14S、15S、18S等から送信された遊技球信号(入賞信号及び通過信号)を受信し、これを主制御回路31のRAM等に設けられた受信バッファに格納する処理を実行する。
【0053】
主制御回路31のCPUは、ROMに記録される遊技プログラムに従って上記遊技球信号等を処理し、演出信号や賞球払出信号を含む各種制御信号を生成することにより弾球遊技機1の統括的な制御を行うものである。
【0054】
即ち、主制御回路31は、遊技球センサー14Sからの遊技球入賞信号を受信する毎に所定の当たり確率をもって大当たり抽選を実施し、その結果を特図表示部12における特別図柄変動遊技によって告知し、上記抽選の結果が大当たりであった場合には、ソレノイド18bに駆動電流を印加することにより、所定時間に渡る大入賞装置18の開放が所定回数反復される特別遊技を実行する。
【0055】
また、主制御回路31は、遊技球センサー15Sからの遊技球通過信号を受信する毎に所定の当たり確率をもって普通たり抽選を実施し、その結果を普図表示部13における普通図柄変動遊技によって告知し、上記抽選の結果が普通当たりであった場合には、ソレノイド14cに駆動電流を印加することにより、所定時間に渡って第1始動口14を開放させる普通遊技を実行する。
【0056】
通信処理回路34は、主制御回路31が受信バッファに記録された情報に基づいて生成した演出信号や賞球払出信号を表示制御基板40及び賞球払出装置50に送信する。
【0057】
出力処理回路33は、主制御回路31からの制御信号を所定のデータ形式に変換し、特図表示部12、普図表示部13、第1保留球表示部16、第2保留球表示部17、ソレノイド14c、18b等の外部装置に送信するものである。
【0058】
表示制御基板40は、CPU、ROM、RAM等で構成される表示制御回路41と、この表示制御回路41にBUS47を介して接続される入力処理回路42、出力処理回路43、画像処理回路44、音声処理回路45、通信処理回路46等から構成されている。
【0059】
入力処理回路42は、主制御基板30から送信される演出信号を受信し、これをBUS47を介して表示制御回路41に送信する。表示制御回路41のCPUは、ROMに記録される演出処理プログラムに従って、主制御回路31における大当たり抽選の結果を告知するための演出を装飾図柄表示部11において実行する。
【0060】
より具体的には、表示制御回路41は、大当たり抽選の結果に従って、装飾図柄表示部11に表示される3つの装飾図柄についての停止図柄を決定し、一定時間に渡って上記装飾図柄を変動表示させた後に、決定した停止図柄で停止表示させる図柄変動遊技を実行する。
【0061】
出力処理回路43には、ランプ9などの電飾装置が接続されており、出力処理回路43は、表示制御回路41により生成される制御信号をこれらの電飾装置に送信し、遊技処理中の発光演出を制御する。
【0062】
画像処理回路44は、装飾図柄表示部11において表示する画像を生成するものであり、本実施形態の画像処理回路44は、GPU、画像デコーダ、ディスプレイコントローラ等の半導体デバイスを備えている。
【0063】
ここで、GPUは、表示制御回路41からの信号に応じて生成されるCG画像や、画像デコーダにより復号される画像に基づいて装飾図柄表示部11において表示すべき画面データを所定のフレームレートで生成し、これを所定の記録領域(VRAM等)に記録する。ディスプレイコントローラは、この記憶領域に記録された画像データを順次読み出して装飾図柄表示部11に出力する。
【0064】
音声処理回路45は、スピーカ8で出力する効果音やBGM等を生成する半導体デバイスであり、図示省略のサウンドバッファに合成した音声信号をスピーカ8に出力する。
【0065】
通信処理回路46には、操作入力装置6が接続されており、表示制御回路41からの制御信号に従って操作入力装置6の有効/無効の切り替え行うとともに、有効状態の操作入力装置6からの操作入力信号を所定のデータ形式に変換して表示制御回路41に送信する処理を実行する。
【0066】
賞球払出装置50は、主制御基板30から送信される賞球払出信号に従って、遊技球Bの受皿部5への払出を実行する。
【0067】
遊技球射出装置60の入力側にはハンドル7のタッチセンサー7a及び回転センサー7bが接続され、出力側には射出モータ7cが接続されている。遊技球射出装置60は、タッチセンサー8a及び回転センサー7bからの信号に基づいて射出モータ7cを駆動し、所定時間間隔で遊技球Bを盤面3に射出する。
【0068】
また、表示制御基板40には、複数の発光素子L1〜L6及び複数の受光素子R1〜R6により構成される検知手段23と、複数の発光報知部LP1〜LP6により構成される報知手段24とが電気的に接続されており、表示制御基板40は、各受光素子R1〜R6からの検知信号に基づいて各発光報知部LP1〜LP6の発光を制御することにより、受皿部5における遊技球Bの貯留状態を報知する処理を実行する。
【0069】
即ち、表示制御基板40は、各発光素子L1〜L6を常時又は所定周期的に点灯させるとともに、各受光素子R1〜R6からの検知信号を常時或いは所定周期的に監視し、各受光素子R1〜R6からの検知信号が一定以上の時間(例えば、1〜5秒)に渡って途絶した場合には、対応する発光報知部LP1〜LP6を消灯することにより、対応する領域に遊技球Bが貯留されていないことを報知し、各受光素子R1〜R6からの検知信号が一定以上の時間(例えば、1〜5秒)に渡って連続的に検出された場合には、対応する発光報知部LP1〜LP6を点灯することにより、対応する領域に遊技球Bが貯留された状態であることを報知する。
【0070】
なお上記において、発光報知部LP1〜LP6の点灯及び消灯を、一定時間以上に渡る検出信号の検出又は途絶に基づいて行うものとしたのは、受光素子R1〜R6における受光状態の不安定性から、遊技球Bの貯留状態とは無関係に発光報知部LP1〜LP6が明滅することを防止するためである。
【0071】
図3は、本実施形態における受皿部5の上皿51部分、並びに、当該上皿51に設けられた検知手段23及び報知手段24の詳細な構成を示す説明図である。
【0072】
上皿51は、賞球払出装置50からの遊技球Bを払い出す払出口51aと、当該払出口51aに連設された平滑性を有する底面51bと、その底面51bを囲むように略垂設された平板状の側壁51c及び略円弧状(中央が水平状でその左右が円弧状)の側壁51d等を有しており、底面51b、側壁51c及び51dにより囲われた領域は、ある程度の量の遊技球Bを貯留できる貯留空間Sとされている。本実施形態の貯留空間Sでは、例えば、上記500円分の数量(125個)の遊技球Bを貯留することが可能である。
【0073】
底面51bには、遊技球射出装置60へ遊技球Bを案内する案内流路GRへの入口H1が弾球遊技機1の正面右端寄りに形成されており、また、底面51bには、弾球遊技機1の正面左端寄りの払出口51aが連設される側から上記入口H1が形成された側に向って遊技球Bが自重により転動できる程度の緩やかな傾斜が与えられている。
【0074】
上記上皿51には、貯留空間Sにおける遊技球Bの有無を検知するための検知手段23と、検知手段23の検知結果に基づいて貯留空間Sにおける遊技球Bの貯留量或いは貯留量推移などの貯留状態を報知する報知手段24とが設けられている。
【0075】
本実施形態の検知手段23は、電圧が加えられた場合に赤外線などの光を発する発光ダイオード(LED)などで実現される6つの発光素子L1〜L6と、光を受けた場合に電流などの検知信号を出力するフォトトランジスタ、フォトダイオード等で実現される6つの受光素子R1〜R6などを主体に構成される。
【0076】
本実施形態の報知手段24は、電球やLEDなどの発光部材で実現される6つの発光報知部LP1〜LP6などを主体に構成される。なお、複数色での発光を可能にするために、発光報知部LP1〜LP6を複数種類のLEDを組み合わせて構成することも可能である。
【0077】
上記のように、本実施形態では、発光素子L1〜L6及び受光素子R1〜R6のペアが6組設置されているために、貯留空間Sを6つに分割した分割貯留空間s1〜s6毎に遊技球Bが貯留されているか否かを検出することが可能であり、各分割貯留空間s1〜s6における検出結果を、発光報知部LP1〜LP6の発光により個別に報知することが可能である。
【0078】
より詳細には、発光素子L1〜L6、受光素子R1〜R6は、各分割貯留空間s1〜s6の下流側(図の右側)寄りの位置において、それぞれ側壁51c及び側壁51dの下端位置(底面51b寄りの位置)に横一列で互いに等間隔隔てて取り付けられている。
【0079】
また、上皿51の側壁51d上部の前面側には、貯留空間S内の各分割貯留空間s1〜s6に対応する位置に、6つの発光報知部LP1〜LP6が取り付けられている。
【0080】
そして、上記表示制御基板40の制御のもと、各発光素子L1〜L6は常時或いは所定時間毎に発光し、受光素子R1〜R6からの検知信号が常時又は所定時間毎に表示制御基板40に入力される。
【0081】
そして、表示制御基板40が、検知手段23の各受光素子R1〜R6から入力される検知信号を監視し、所定時間に渡って継続して検知信号の入力がない場合、即ち、発光素子L1〜L6の発光が分割貯留空間s1〜s6の遊技球Bによって遮られて受光素子R1〜R6において受光されない場合に、各受光素子R1〜R6に対応する発光報知部LP1〜LP6を点灯させることにより、対応する各分割貯留空間s1〜s6に遊技球Bが貯留されていることが報知され、所定時間に渡って検知信号の入力が継続する場合、即ち、分割貯留空間s1〜s6に遊技球Bが貯留されておらず、発光素子L1〜L6の発光が遮られることなく受光素子R1〜R6において受光される場合に、各受光素子R1〜R6に対応する発光報知部LP1〜LP6を消灯させることにより、対応する各分割貯留空間s1〜s6に遊技球Bが貯留されていないことが報知される。
【0082】
図4は、検知手段23の検知結果に基づいて、報知手段24が貯留空間Sにおける遊技球Bの貯留量或いは貯留量推移などの貯留状態を報知する報知態様を示す説明図である。なお、図4(a)、(c)及び(e)は、上皿51を上方から示す平面図であり、図4(b)、(d)及び(f)は、上皿51の前面側を示す側面図である。
【0083】
図4(a)、(b)は、報知手段24における6つ全ての発光報知部LP1〜LP6が消灯されることにより、貯留空間Sに遊技球Bが全く貯留されていない空状態を報知する態様を示している。
【0084】
即ち、この場合には、分割貯留空間s1〜s6のいずれにも遊技球Bが貯留されていない。従って、6つ全ての発光素子L1〜L6からの発光は、遊技球Bによる遮断を受けることなく、6つ全ての受光素子R1〜R6においてそれぞれ継続的に受光される。このため、表示制御基板40では継続して検知信号が検出されることになり、この場合には、表示制御基板40は6つ全ての発光報知部LP1〜LP6を消灯させる。
【0085】
また、図4(c)、(d)は、報知手段24における3つの発光報知部LP4〜LP6が点灯されることにより、貯留空間Sの約半分くらい(分割貯留空間s4〜s6)に遊技球Bが貯留されている状態を報知する態様を示している。
【0086】
即ち、この場合には、分割貯留空間s1〜s3には遊技球Bが貯留されていないため、発光素子L1〜L3からの発光が受光素子R1〜R3において継続して受光される。このため、表示制御基板40では受光素子R1〜R3からの検知信号が継続して検出されることになり、表示制御基板40は発光報知部LP1〜LP3を消灯させる。その一方、分割貯留空間s4〜s6には遊技球Bが貯留されているため、発光素子L4〜L6からの発光が遊技球Bによって遮られて受光素子R4〜R6には到達しない。このため、表示制御基板40では受光素子R4〜R6からの検知信号が継続して検出されないことになり、表示制御基板40は発光報知部LP4〜LP6を点灯させる。
【0087】
更に、図4(e)、(f)は、報知手段24における6つ全ての発光報知部LP1〜LP6が点灯されることにより、貯留空間S一杯に遊技球Bが貯留されている満タン状態を報知する態様を示している。
【0088】
即ち、この場合には、全ての分割貯留空間s1〜s6に遊技球Bが貯留されているため、全ての発光素子L1〜L6からの発光が遊技球Bによって遮られて受光素子R1〜R6には到達しない。このため、表示制御基板40では全ての受光素子R1〜R6からの検知信号が継続して検出されないことになり、表示制御基板40は全ての発光報知部LP1〜LP6を点灯させる。
【0089】
上記のように、本実施形態の弾球遊技機1では、機能上の要請やデザイン上の必要などから、上皿51の設置位置が高く、或いは、側壁51dが高いなどために、弾球遊技機1の正面に着座した遊技者が貯留空間S内の遊技球Bの貯留状態を直接目視で確認しづらい場合でも、上皿51の前面側に配置された発光報知部LP1〜LP6の発光により遊技球Bの貯留状態が告知されるので、遊技者は、無理な姿勢を取る必要もなく、容易に貯留空間S内の遊技球の貯留状態を知ることができる。
【0090】
以上、例示的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態により限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の変更、改変を行うことが可能である。
【0091】
例えば、上記した実施形態では、貯留空間を6つの分割貯留空間に区画し、それぞれの分割貯留空間における遊技球の貯留状態を6つの受光素子により個別に検知して、6つの報知部により個別に報知する場合を例として説明したが、分割貯留空間や受光素子、報知部等の個数は任意である。
【0092】
また、上記した実施形態では、遊技球の貯留が検出された場合には発光報知部を点灯させ、検出されない場合には消灯させることにより、分割貯留空間における遊技球の有無のみが告知される場合について説明したが、遊技球が徐々に減少して上記実施形態における分割貯留空間s6においてのみ遊技球が検出される状態になった場合など、遊技球の補給が必要と考えられるタイミングでは、発光報知部LP1〜LP6を適宜のパターンで明滅させるなど、遊技者の注意を喚起し易い態様での告知を行うことも可能である。
【0093】
また、上記した実施形態では、遊技球の貯留状態を発光報知部の発光により告知する場合について説明したが、音声による案内や、液晶画面などでの画像によって告知することも可能である。
【0094】
また、上記した実施形態では、受皿部が上皿及び下皿により構成されており、上皿の貯留空間における遊技球の貯留状態についての告知のみが行われる場合について説明したが、上皿での貯留状態に加えて、下皿での遊技球の貯留状態をも告知できるようにすることも可能であり、或いは、下皿の部分は省略することも可能である。
【0095】
その他、上記した実施形態における装置構成や機能構成、具体的な処理の内容、告知の態様等は単なる例として記載したものであり、本発明はこれらにより限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の一実施形態に係る弾球遊技機の外観構成を示す説明図。
【図2】本発明の一実施形態に係る弾球遊技機が内蔵するハードウェア構成を示す説明図。
【図3】本発明の一実施形態に係る弾球遊技機における上皿と、上皿に設けられた検知手段及び報知手段の構成を示す説明図。
【図4】本発明の一実施形態に係る弾球遊技機における遊技球の貯留状態の報知態様を示す説明図。
【符号の説明】
【0097】
1・・・弾球遊技機、2・・・基体、3・・・盤面、4・・・打出レーン、4a・・・外側レール、4b・・・内側レール、5・・・受皿部、6・・・操作入力装置、6a・・・方向指示ボタン、6b・・・決定ボタン、7・・・ハンドル、7a・・・タッチセンサー、7b・・・回転センサー、7c・・・射出モータ、8・・・スピーカ、9・・・ランプ、11・・・装飾図柄表示部、12・・・特図表示部、13・・・普図表示部、14・・・第1始動口、14a・・・入賞口、14c・・・ソレノイド、14b・・・可動翼片、14S・・・遊技球センサー、15・・・第2始動口、15S・・・遊技球センサー、16・・・第1保留球表示部、17・・・第2保留球表示部、18・・・大入賞装置、18a・・・開閉扉、18b・・・ソレノイド、18S・・・遊技球センサー、19・・・アウト口、20・・・残高表示部、21・・・玉貸ボタン、22・・・返却ボタン、23・・・検知手段、24・・・報知手段、30・・・主制御基板、31・・・主制御回路、32・・・入力処理回路、33・・・出力処理回路、34・・・通信処理回路、40・・・表示制御基板、41・・・表示制御回路、42・・・入力処理回路、43・・・出力処理回路、44・・・画像処理回路、45・・・音声処理回路、46・・・通信処理回路、50・・・賞球払出装置、51・・・上皿、51a・・・払出口、51b・・・底面、51c、51d・・・側壁、GR・・・案内流路、LV1・・・球抜レバー、52・・・下皿、52a・・・排出口、LV2・・・下皿レバー、60・・・遊技球射出装置、B・・・遊技球、S・・・貯留空間、s1〜s6・・・分割貯留空間、L1〜L6・・・発光素子、R1〜R6・・・受光素子、LP1〜LP6・・・発光報知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
払出された遊技媒体を受けて所定の貯留空間に貯留するとともに、前記貯留空間に貯留された遊技媒体を所定の遊技媒体射出装置に案内する受皿部を備える遊技機であって、
前記貯留空間における遊技媒体の貯留状態を検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された前記貯留空間における遊技媒体の貯留状態を報知する報知手段とを更に備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記報知手段は、前記検知手段の検知結果に応じて発光状態を変化させる発光報知手段であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記貯留空間が複数の分割貯留空間に区画され、
前記検知手段は前記分割貯留空間毎に前記遊技媒体の貯留状態を検知する複数のセンサーを備えており、
前記報知手段は、前記複数のセンサーのそれぞれが検知した前記分割貯留空間毎の遊技媒体の貯留状態を報知することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記報知手段は、前記複数のセンサーのそれぞれに対応する複数の発光報知手段を備えており、前記複数のセンサーの検知結果に応じて、対応する前記発光報知手段の発光状態を制御することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記発光報知手段は、前記複数の分割貯留空間に対応する位置に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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