説明

遊技機

【課題】機械的、物理的な状態変化を用いながらも、レール等に沿わせるような一定の動きではなく、重心位置とは異なる位置に錘を内蔵する等で安定し難く不規則な動きを立体造形物に与えることで遊技者に臨場感を味わわせるようにした遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機では、演出装置54に備えたフィギュアモデル65〜67が、曲面状の底部65a〜67aをそれぞれ有すると共に、内部に錘72〜74を有さない状態での該フィギュアモデル65〜67の重心g位置から偏倚する形で上記錘72〜74がそれぞれ内蔵された胴体部65b〜67bを有し、着地面61aに着地した際に、底部65a〜67aを着地面61a上で不規則に揺動動作するように構成される。このため、単なる画面表示ではなく、機械的、物理的な状態変化で大当たり信頼度等を報知することが可能になり、遊技者に実感を湧かせ、臨場感を味わわせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に係り、詳しくは、演出装置による演出を改善した遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、遊技機、例えばパチンコ機として、球受け皿に滞留している遊技球が、発射ハンドルの操作に応じて遊技盤の遊技領域に打ち出された後、遊技領域の障害釘や風車等に導かれつつ盤面を流下して、各種入賞口に入球し、或いは入球せずに遊技領域下部のアウト口に流入するように構成されたものが知られている。
【0003】
このようなパチンコ機では、一般入賞口に入球した際にはそれに対応した個数の遊技球が払い出され、また始動チャッカーに入球した際にはこれに基づいて当たり外れや演出パターンの抽選が行われると共に所定数の遊技球が払い出される。この抽選結果に基づき選定された演出パターンに応じて、例えば遊技盤の中央部分に設けられた液晶表示画面や各種の照明装置を介した視覚的表現、スピーカーを介した聴覚的表現などを用い、様々な演出が行われる。なお、当たり(以下、「大当たり」ともいう)の発生時(つまり、特別遊技状態の抽選に当選した時)には、アタッカーと呼ばれる大入賞口が開放し、入球に対応して多量の遊技球が払い出される遊技者に有利な特別遊技状態となる。
【0004】
上記パチンコ機において、次のようなものが存在する(特許文献1参照)。すなわち、該パチンコ機では、リーチ1、リーチ2、リーチ3の順で変動期間を長く設定すると共に、この順で大当り信頼度を「小」「中」「大」に設定し、またこのようなリーチ変動期間(リーチ周回数)に応じて画像表示部に表示する人形キャラクタを順次増大するように制御する。これにより、リーチ変動期間に応じて大当り信頼度が高くなる旨を人形キャラクタの変化表示の度合いで視覚的にアピールしている。
【0005】
【特許文献1】特開平09−182848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載のパチンコ機では、大当たり信頼度を画像表示部での画像変化のみで報知するように構成されており、単に映像を見るだけの状況に終始するため、演出が単調で、遊技者が実際に参加しているような臨場感に欠けていた。
【0007】
そこで本発明は、機械的、物理的な状態変化を用いながらも、レール等に沿わせるような一定の動きではなく、重心位置とは異なる位置に錘を内蔵する等で安定し難く不規則な動きを立体造形物に与えることで遊技者に臨場感を味わわせるように構成し、もって上述した課題を解決した遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図9参照)、遊技領域(3a)に演出装置(54)を備え、該遊技領域(3a)に遊技球(Ba)を打ち出して遊技してなる遊技機(1)において、
前記演出装置(54)が、待機位置から落下し得る立体造形物(65,66,67)と、該落下する立体造形物を着地させる着地面(61a)と、を有し、
前記立体造形物(65,66,67)は、曲面状の底部(65a,66a,67a)を有すると共に、内部に錘(72,73,74)を有さない状態での該立体造形物(65,66,67)の重心(g)位置から偏倚する形で前記錘(72,73,74)を内蔵した胴体部(65b,66b,67b)を有し、前記着地面(61a)に着地した際に、前記底部(65a,66a,67a)を前記着地面(61a)上で不規則に揺動動作してなる、
ことを特徴とする遊技機(1)にある。
【0009】
なお、本発明における上記「揺動動作」は、不規則に変化しながらフラフラと揺れる状態を意味している。
【0010】
請求項2に係る本発明は(例えば図2及び図8参照)、前記遊技領域(3a)に打ち出された遊技球の入賞を契機として特別遊技状態に移行するか否かを抽選する抽選手段(83)を備え、
前記演出装置(54)は、前記立体造形物(65,66,67)を複数個有すると共に、前記抽選手段(83)による抽選に伴って決定される演出態様に応じた個数及び/又は種類の前記立体造形物(65,66,67)を前記着地面(61a)に落下させるように作動してなる、
請求項1記載の遊技機(1)にある。
【0011】
請求項3に係る本発明は(例えば図2ないし図5参照)、前記演出装置(54)は、前記着地面(61a)の上方に配置されたウインチ装置(W,W,W)を有し、
該ウインチ装置(W,W,W)は、前記立体造形物(65,66,67)に一端を連結した細紐部材(42)の他端側を巻き上げることで該立体造形物(65,66,67)を上昇させると共に、フリーにすることで前記立体造形物(65,66,67)を前記細紐部材(42)とともに自由落下させてなる、
請求項1又は2記載の遊技機(1)にある。
【0012】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る本発明によると、演出装置に備えた立体造形物が、曲面状の底部を有すると共に、内部に錘を有さない状態での該立体造形物の重心位置から偏倚する形で該錘を内蔵した胴体部を有し、着地面に着地した際に、底部を着地面上で不規則に揺動動作するので、従来のような単なる画面表示ではなく、機械的、物理的で且つ新奇な状態変化で信頼度等を報知することが可能になり、従って、遊技者に実感を湧かせ、臨場感を味わわせることができる。本演出装置で報知し得る事象には、例えば大当たり信頼度や、大当たり種別が遊技者にとってより有利な種別に昇格するか否かの信頼度に係るものがあり、更には、遊技中の大当たり確率が高確率から通常確率に降格している可能性を示唆するものがある。そして、本演出装置では、着地面に落下した立体造形物が、本来の重心位置から偏倚した重心に起因して不規則な揺動動作(所謂フラフラして揺れる動作。更には該動作に加えてクルクル回るような動作)を行うので、レール等に沿わせるような一定の動きではなく、今までの演出では見たことのないような斬新な動きを遊技者に視認させ、これにより、高い興趣を提供することができる。
【0014】
請求項2に係る本発明によると、演出装置が、立体造形物を複数個有すると共に、抽選手段による抽選に伴って決定される演出態様に応じた個数及び/又は種類の立体造形物を着地面に落下させるので、例えばリーチが開始されようとするタイミングで、信頼度に応じた個数及び/又は種類の立体造形物が落下する際に、落下した立体造形物の個数が多い場合や、その種類が信頼度の高いものである場合には、遊技者は特別遊技に移行するのではという期待感を膨らませることになり、逆に個数が少なかったり信頼度の低い立体造形物である場合には遊技者に、今回のリーチは特別遊技への移行が無理かもしれないが次のリーチに期待を持とうと考えさせることになり、遊技に減り張りをつけることができる。
【0015】
請求項3に係る本発明によると、着地面の上方に配置されたウインチ装置が、立体造形物に一端を連結した細紐部材の他端側を巻き上げることで該立体造形物を上昇させると共に、フリーにすることで立体造形物を細紐部材とともに自由落下させるので、ウインチ装置と細紐部材を用いた比較的簡単な構造により、立体造形物を遊技者の目の前で演出に応じて突然落下させることができ、所謂サプライズ効果を醸し出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。後述する各実施の形態では、本発明の遊技機を所謂1種のパチンコ機として述べるが、本発明はこれに限らず、所謂1種1種など他の種別のパチンコ機にも適用可能であることは勿論である。なお、図1は、本発明の実施形態におけるパチンコ機1の外部構造を示す正面図である。
【0017】
本パチンコ機1は、図1に示すように、発射ハンドル2の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤3の遊技領域3aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たり(特別遊技状態)が発生した状態でアタッカー5に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
【0018】
本パチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体6と、この筐体6に開閉可能に装着された前扉7とを有しており、前扉7の前面には、透明ガラス9を有するガラス枠10が開閉可能に取り付けられている。透明ガラス9の奥側には、遊技盤3が配設されている。前扉7における遊技盤3の左右には演出用照明装置11が配設されており、前扉7における遊技盤3の上部中央には演出用照明装置8が配設されている。そして、前扉7における遊技盤3の左右上方及び左右下方には、スピーカー(図示せず)を有する放音装置12がそれぞれ配設されている。また、ガラス枠10における右側部には、前扉7を筐体6側に施錠したり解放したりするための施錠装置18が配設されている。なお、筐体6及び前扉7等から遊技機本体が構成されている。
【0019】
前扉7における遊技盤3の下方には皿ユニット16が設けられており、皿ユニット16における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口17が設けられ、皿ユニット16における右上部壁面には、球貸ボタン19a及びプリペイドカード返却ボタン19bが設けられている。皿ユニット16には、該皿ユニット16上の遊技球を発射装置(図示せず)付近から皿ユニット下部の球排出口(図示せず)を通して下方に排出するための第1球抜きボタン20aと、皿ユニット16上の遊技球を球供給口17付近から上記球排出口を通して下方に排出するための第2球抜きボタン20bとが設けられている。
【0020】
また、皿ユニット16の右側には、発射装置を操作して遊技球を遊技領域3aに向けて打ち出すための発射ハンドル2が配設されている。更に、皿ユニット16の左下方には灰皿21、及び遊技者参加ボタン(所謂チャンスボタン)22が配設されている。なお、図1中の符号14は、発射ハンドル2の操作で発射された遊技球を遊技領域3aに導くガイドレールを示している。
【0021】
遊技領域3aの中央部には、該遊技領域3aに打ち出された遊技球を導入し得るワープ導入口37を有するセンター飾り(センター役物)23が配設されている。このセンター飾り23の中央部分には開口部36が形成され、かつ該開口部36の下部には、遊技領域3aに打ち出された遊技球を受け入れて転動させるステージSが設けられている。センター飾り23のステージSにおける左方には、ワープ導入口37から導入された遊技球をステージSに放出する放出口29が形成されている。ステージSの中央下部には、該ステージS上を転動して案内口(図示せず)に落下した遊技球を始動チャッカー27に向けて落下させるための放出口28が形成されている。該放出口28は、ワープ導入口37から受け入れた遊技球を始動チャッカー27に高確率(略々100%)で入賞させ得るように位置決めされている。遊技領域3aのワープ導入口37を臨む位置には、一対の障害釘39が植設されている。
【0022】
遊技盤3には画像表示装置35が、ステージS上方に位置する開口部36から画面35aを露出させた状態で遊技盤裏面から装着・固定されている。センター飾り23の左右下方には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる一般入賞口25a,25b,26a,26bが配設されており、センター飾り23の下方には、始動チャッカー27とアタッカー5とが順次配設されている。
【0023】
始動チャッカー27は、大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われるものであり、始動チャッカー開閉ソレノイド70(図8参照)によって開放位置と閉止位置とに開閉動作するように作動させられる。始動チャッカー27の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘30が打ち込まれている。
【0024】
アタッカー5は、大当たり発生時に開放され、遊技領域3aに打ち出されて転動落下する遊技球を入賞させるものであり、大当たり発生中、例えば、1回の開放で9個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数(ラウンド数)は、9個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
【0025】
遊技領域3aには、センター飾り23の左右に風車31が配設されており、ステージSの下方における始動チャッカー27の左右には、普通図柄作動ゲート(スルーゲート)32が配設されている。この普通図柄作動ゲート32は、始動チャッカー27を開閉動作させるための抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。
【0026】
遊技領域3aにおける普通図柄作動ゲート32、一般入賞口25a,25b,26a,26b、始動チャッカー27等の周囲には、ステージSから零れた遊技球や、発射されてからステージSに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘30を含む多数の障害釘が打ち込まれている。また、ワープ導入口37の周囲及びその上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための多数の障害釘が打ち込まれている。
【0027】
また、センター飾り23におけるステージSの図1紙面奥側には、該ステージSと画面35aとの間に位置する形で、着地面61aを有する着地プレート61が水平方向に沿うように配置されている。該着地プレート61は、センター飾り23の上方から見下ろした平面視が矩形状であり、着地面61aは、演出に対応して落下する後述のフィギュアモデル(立体造形物)65,66,67の着地時に可及的に多く且つ円滑に揺動動作できるように、滑らかな平坦面として形成されている。そして、着地プレート61の上部には、着地プレート61の外縁部から上方に延びて着地面61a全体を囲むように構成された透明の枠部材77が設けられている。該枠部材77は、着地面61a上で揺動するフィギュアモデル65,66,67(図5参照)を該着地面61aから落下させないように機能する。本実施形態において、「揺動動作」とは、不規則に変化しながらフラフラと揺れる状態を意味している。
【0028】
なお、本実施形態における「ワープ導入」という語句は、遊技領域3aに打ち出された遊技球を、当該遊技領域3aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー27の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域3aにおいて始動チャッカー27の左右に打ち込まれた複数本の障害釘(図示せず)の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー27方向に導く役割を担っている。
【0029】
次に、センター飾り23に搭載した演出装置54の構造について、図1とともに図2〜図6を参照して説明する。なお、図2は一部破断した状態で示す演出装置54の全体正面図、図3はフィギュアモデル65,66,67を上方に保持した状態を示す演出装置54の側面図、図4はフィギュアモデル65〜67を自由落下させた状態を示す演出装置54の側面図、図5は落下したフィギュアモデル65〜67が着地面61a上で不規則に揺動する様子を示す演出装置54の側面図、図6は落下したフィギュアモデル65〜67が着地面61a上で不規則に揺動動作する様子を拡大して示す側面図である。
【0030】
演出装置54は、図2に示すように、上記フィギュアモデル65,66,67及び着地面61aに加えて、遊技盤3の裏面側に配置された作動機構63を有している。つまり、図1及び図3に示すように、センター飾り23に対応して遊技盤3に形成された開口部3bには該センター飾り23が嵌め込まれており、図2及び図3に示すように、開口部3bに嵌め込まれたセンター飾り23の上壁部23aの上面には、遊技盤3の裏面側に位置する作動機構63が配置されている。また、上壁部23aの下面には、下方に所定距離延びた状態で、巻き上げられて上方の待機位置に位置するフィギュアモデル65〜67を遊技者側から視認不能にするカバー部材62が設けられている。
【0031】
上記作動機構63は、着地面61aの上方に位置するように、上壁部23aの上面にてセンター飾り23の左右方向に沿って並ぶように配置されたウインチ装置W,W,Wを有している。これらウインチ装置W,W,Wは、フィギュアモデル65,66,67それぞれの頭部65c,66c,67cに一端を連結した細紐部材42の他端側を巻き上げることで該フィギュアモデル65,66,67をそれぞれ上昇させると共に、フリーにすることで該フィギュアモデル65,66,67をそれぞれ細紐部材42とともに自由落下させるように構成される。各細紐部材42は、各ウインチ装置W,W,Wにそれぞれ対応して上壁部23aに貫通形成された貫通口64aを通って、これらウインチ装置W,W,W側からそれぞれ着地面61a側に垂らされている。なお、符号63aは、ウインチ装置W,W,W全体を覆うカバー部材を示している。
【0032】
図2に示すように、ウインチ装置W,W,Wは、それぞれ、固定プレート44を介して上壁部23aに支持されたモータ55,56,57と、該モータ55,56,57の回転軸68に固定されたピニオン69と、該ピニオン69に歯面を向けたフェースギヤ48と同軸状で且つ一体に構成された円筒ドラム49と、を有している。上壁部23aに固定された各固定プレート44には、それぞれ、モータ55,56,57の各左右の部位から上方に突出する支持板33が設けられている。モータ55,56,57にそれぞれ対応する支持板33,33の間には、フェースギヤ48及び円筒ドラム49が回転軸76を介して、回転自在に且つ左右方向摺動自在に支持されている。各回転軸76は、図2の左側に位置する支持板33から左方にやや突出しており、また、図2の右側に位置する支持板33と円筒ドラム49との間には圧縮スプリング50が縮設されている。
【0033】
各ウインチ装置W,W,Wにおける、支持板33から左方に回転軸76が突出した部位には、断接ソレノイド58,59,60(図8参照)をそれぞれ内蔵した断接装置75が配置されている。なお、本実施形態において、「断接」とは、ピニオン69とフェースギヤ48とを噛合してウインチ装置W〜Wを巻き上げ可能な状態(動力接続状態)にし、またピニオン69とフェースギヤ48とを離間してウインチ装置W〜Wを巻き上げ不能な状態(動力切断状態)にすることを意味している。
【0034】
上記断接装置75は、演出制御手段91(図8参照)の制御により、断接ソレノイド58,59,60の対応するものを作動させ、内蔵する周知の伝達部材(図示せず)を介して回転軸76の突出部分を圧縮スプリング50の付勢力に抗して押圧移動させることで、ピニオン69とフェースギヤ48との噛合を解除し、対応する円筒ドラム49をフリー状態にする。このフリー状態では、図2における巻き上げ状態のフィギュアモデル65,66,67は、その自重により円筒ドラム49を自由回転させつつ細紐部材42とともに自由落下する。また逆に、これら断接装置75は、演出制御手段91の制御で、断接ソレノイド58,59,60の対応するものが上記と逆に作動すると、上記伝達機構(図示せず)を介して回転軸76の突出部分を解放し、圧縮スプリング50の付勢力に準じて回転軸76が図2の位置に復帰するため、ピニオン69とフェースギヤ48とが再び噛合して、巻き上げ可能な状態になる。
【0035】
図2に示すように、上記フィギュアモデル65,66,67は、それぞれ、曲面状の底部65a,66a,67aと、内部に錘72,73,74を有さない状態での該フィギュアモデル65〜67の重心g位置(図3参照)から偏倚する形で上記錘72,73,74を内蔵した胴体部65b,66b,67bと、を有している。上記重心g位置とは、即ち、内部に錘72,73,74を有さない状態のフィギュアモデル65〜67が持っている本来の重心位置である。フィギュアモデル65〜67はいずれも、均一な質量を有する合成樹脂材等の材料から構成されており、胴体部65b,66b,67bにそれぞれ内蔵する錘72,73,74との重量バランスにより、フィギュアモデル65〜67の各全体での合成の重心gが、図3に示す細紐部材42による吊り下げ状態における該細紐部材42の鉛直方向の延長線上に位置している。
【0036】
このため、フィギュアモデル65〜67はいずれも、ウインチ装置W,W,Wの解放で落下すると、図4に示すように底部65a,66a,67aが傾いた状態で着地面61aに着地し、そのままバランスを崩す形で、底部65a,66a,67aを着地面61a上で、所謂フラフラ、クラクラしながら不規則に揺動動作することになる(図5及び図6参照)。この着地時、細紐部材42は、必要以上に垂れ下がってフィギュアモデル65〜67に絡みつかないように、フィギュアモデル65〜67に適度な揺動動作を許容する程度の長さを垂らした時点で止まるように支持される。
【0037】
また、フィギュアモデル65,66,67は、カバー部材62に隠れた状態から着地面61a上に落下した際に、予め定められた特定の期待感を遊技者に認識させるため、大当たりの信頼度の高い順が分かるように色別にされている。つまり、フィギュアモデル65は信頼度“高”として虹色(レインボー)に塗られ、フィギュアモデル66は信頼度“中”として赤色(レッド)に塗られ、フィギュアモデル67は信頼度“低”として緑色(グリーン)に塗られている。そして、演出装置54は、信頼度に応じて、対応する個数(1個〜3個)、及び対応する色のものを落下させるようにウインチ装置W,W,Wを適時作動させる。
【0038】
なお、本実施形態では、異なる色彩のフィギュアモデルを3個用意し、個数と色を組み合わせつつ落下させ、信頼度表示がより鮮明になるように構成しているが、これに限らず、例えば、同じ色彩のフィギュアモデルを複数個用意して、落下した個数のみで信頼度表示するように構成することもでき、また、異なる色彩のフィギュアモデルを複数個用意して、1個ずつ落下したフィギュアモデルの色彩のみで信頼度表示するように構成することもできる。
【0039】
ついで、本パチンコ機1の背面構造について図7を参照して説明する。同図は、本パチンコ機1の背面構造を示す背面図である。
【0040】
すなわち、図7に示すように、パチンコ機1の前扉背面における上部左方には、賞球タンク43が取り付けられており、この賞球タンク43の下方に、副制御基板38、主制御基板40、及び払出し制御基板51がこの順に配設されている。また、前扉背面における上部右方には、外部端子板52が取り付けられており、この外部端子板52の下方に、整列待機通路45、賞球装置46、賞球排出通路47、電源ユニット41、及び発射装置(図示せず)用の発射制御基板53がこの順に配設されている。パチンコ機1の前扉背面における左側部には、施錠装置18が配設されている。
【0041】
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図8に沿って説明する。なお、同図は本パチンコ機の制御系を示すブロック図である。
【0042】
すなわち、本制御系は、遊技制御装置80と、該遊技制御装置80に電気的に接続された、始動チャッカー開閉ソレノイド70、アタッカー開閉ソレノイド71、放音装置12、演出用照明装置8,11、画像表示装置35、及び演出装置54と、を備えている。該演出装置54は、モータ55,56,57、及び断接ソレノイド58,59,60を有している。
【0043】
遊技制御装置80は、図7に示した主制御基板40や副制御基板38等から構成されている。主制御基板40は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。また、副制御基板38は、主に画像表示、効果音等の演出、効果光等の表示制御を行うように構成されている。
【0044】
遊技制御装置80は、入賞判定手段81、入賞信号出力手段82、抽選手段83、普通図柄抽選手段85、遊技制御手段86、保留手段87、作動制御手段88、作動判定手段89、作動決定手段90、演出制御手段91、及び表示制御手段92を備えている。
【0045】
入賞判定手段81は、発射ハンドル2の操作で作動する発射装置(図示せず)によって遊技領域3aに打ち出された遊技球が始動チャッカー27、一般入賞口25a,25b,26a,26b、アタッカー5等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。
【0046】
入賞信号出力手段82は、入賞判定手段81によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー27、一般入賞口25a,25b,26a,26b、アタッカー5等に入賞した旨の入賞信号を出力する。
【0047】
抽選手段83は、遊技領域3aに打ち出された遊技球の入賞を契機として大当たり抽選(即ち、特別遊技状態に移行するか否かの抽選)を実行する。すなわち、抽選手段83は、入賞信号出力手段82からの始動チャッカー27に対応する入賞信号の入力時、最大保留球数未満での入賞を契機として、次なる大当たりに当選するまで遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる確率変動当たりや、上記特殊状態とならない通常当たり等に当選するように、乱数値を取得して大当たり抽選を実行する。抽選手段83では、当該大当たり抽選(特別遊技抽選)に伴って、演出装置54を作動させて行う信頼度報知に係る演出態様も決定される。つまり、当該決められた種々の演出態様には、大当たり発生の際に出現し易いものや、外れの際に出現し易いもの等の違いがあり、この違いにより、結果として信頼度レベルが遊技者に報知されることになる。
【0048】
上記抽選手段83では、例えば確率変動当たりに当選した場合、変動の結果、確変当たりに対応する「111」等の図柄が画面35aの大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンが決定され、その旨の変動パターン信号が出力される。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため図柄が一列に並ぶべき位置(ライン)を意味する。また抽選手段83では、通常当たりに当選した場合、変動の結果、通常当たりに対応する「222」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンが決定され、その旨の変動パターン信号が出力される。更に抽選手段83では、大当たり抽選に外れた場合、変動の結果、外れに対応する「252」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンが決定され、その旨の変動パターン信号が出力される。
【0049】
上記信頼度報知に係る演出態様として、決定された信頼度に対応する演出、つまり、演出制御手段91の制御による演出装置54の、落下させるフィギュアモデル65,66,67の個数、及び、どれを(即ち、どの種類(色)のものを)落下させるかが決まる。
【0050】
即ち、個数については、1個より2個、2個より3個落下させることが信頼度を高める演出になり、色彩については、緑色のフィギュアモデル67より赤色のフィギュアモデル66、赤色のフィギュアモデル66より虹色のフィギュアモデル65を落下させることが信頼度を高める演出になる。それらに対応して、演出制御手段91の制御で例えば断接ソレノイド60を作動させウインチ装置Wをフリー状態にして、図2の待機位置にあるフィギュアモデル67を1個落下させる。或いは、断接ソレノイド59を作動させウインチ装置Wをフリー状態にして、図2の待機位置にあるフィギュアモデル66を1個落下させる。また、断接ソレノイド58を作動させウインチ装置Wをフリー状態にして、図2の待機位置にあるフィギュアモデル65を1個落下させる。同様に、フィギュアモデル66,67を落下させたり、フィギュアモデル65,67を落下させたり、フィギュアモデル65,66を落下させたり、フィギュアモデル65,66,67を全て落下させたりする。
【0051】
そして、落下後のフィギュアモデル65,66,67を再び待機位置に巻き上げる場合は、演出制御手段91の制御で、断接ソレノイド58,59,60をそれぞれ上記とは逆に作動させ、ウインチ装置W,W,Wにおけるピニオン69とフェースギヤ48とを噛合させた上で、モータ55,56,57をそれぞれ巻き上げ方向に回転駆動させる。ここで、モータ55,56,57はステッピングモータで構成されており、演出制御手段91から与えられたパルス数に応じて回転した後停止するため、図2に示す待機位置にて正確に停止することができる。
【0052】
普通図柄抽選手段85は、始動チャッカー27を開閉動作させるか否かの普通図柄抽選を、この普通図柄抽選の保留球数(例えば4個)の範囲内で、普通図柄作動ゲート32への入球を契機として実行する。
【0053】
遊技制御手段86は、放音装置12、演出用照明装置8,11に放音、発光駆動等の演出をさせる契機となる指令を、演出制御手段91に送る。また、遊技制御手段86は、予め設定された演出データや、抽選手段83での抽選結果に応じて、画像表示装置35の画面35aに表示すべき特別遊技抽選に関連する演出内容に関する信号を表示制御手段92に送る。更に、遊技制御手段86は、抽選手段83での大当たり抽選に伴い、信頼度に係る演出態様が決められている場合には、演出装置54にて演出すべき信頼度報知に関連する信号を演出制御手段91に送る。
【0054】
保留手段87は、抽選手段83からの信号を入力し、変動のパターンを、始動チャッカー27への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、不図示の抽選保留表示装置に、最大例えば4個の保留球となるように点灯表示される。この場合、保留手段87は、保留球数が4個になっているか否かを常時判定し、保留球数が4個表示されている間は、始動チャッカー27への入賞に拘わらず抽選は行わない。なお、保留球数は、例として挙げた「最大4個」に限らず、他の個数であってもよいことは勿論である。
【0055】
作動制御手段88は、作動決定手段90の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド70に駆動信号を送って該ソレノイド70を作動させ、始動チャッカー27を開閉動作させる。作動制御手段88は、大当たりに当選した場合、アタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号を送り、例えば15ラウンドだけ開閉動作させるように制御する。
【0056】
作動判定手段89は、始動チャッカー開閉ソレノイド70、アタッカー開閉ソレノイド71を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。つまり、始動チャッカー開閉ソレノイド70にあって、始動チャッカー27の開閉の「条件を満たす」時とは、普通図柄抽選手段85での普通図柄抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド71にあって、アタッカー5の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ(所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む)の状態から3つの同じ図柄が大当たり有効ライン上で揃って大当たりが発生した場合であり、閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時の全てのラウンドにおける入賞を完了した場合である。
【0057】
作動決定手段90は、作動判定手段89からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド70、アタッカー開閉ソレノイド71の作動開始をそれぞれに決定する。
【0058】
演出制御手段91は、遊技制御手段86の指令に応答して、放音装置12を放音駆動し、演出用照明装置8,11を発光駆動して遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行う。更に、演出制御手段91は、抽選手段83での大当たり抽選に伴って決まった演出態様に対応するように、演出装置54のモータ55,56,57及び断接ソレノイド58,59,60を作動させる制御を実行する。
【0059】
表示制御手段92は、遊技制御手段86からの信号に従って、画像表示装置35を駆動し、特別遊技抽選の結果を中心とした内容等の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。その際、表示制御手段92は、抽選手段83による各抽選結果を、遊技制御手段86からの信号に従い、画像表示装置35の画面35aに時系列に表示する。
【0060】
次に、本パチンコ機1による作用について、図9のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
【0061】
すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル2を握り、適宜の角度に回動操作すると(ステップS1)、発射装置の作動で遊技球が所定の時間間隔で遊技領域3aに向けて連続的に発射される。すると、遊技領域3aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー27や一般入賞口25a,25b,26a,26bに適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域3a最下部のアウト口(図示せず)から遊技盤3背面側に排出される。
【0062】
遊技領域3aに打ち出された多数の遊技球のうちの一部がワープ導入口37に入球すると、その遊技球は、放出口29からステージS上に放出され、不図示の案内口に導入されると、放出口28から放出されて、高い入賞確率(略100%)で始動チャッカー27に入賞する。
【0063】
ところで、始動チャッカー27や一般入賞口25a,25b,26a,26bの何れかに遊技球が入賞した場合には、入賞判定手段81が当該入賞を判定し、かつ入賞信号出力手段82が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段87は、保留している変動パターンに係る信号を、遊技制御手段86を介して表示制御手段92に順次送信し、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段87は、当該保留球の消費に応じて、抽選手段83で行われる始動チャッカー27への入賞に応じた特別遊技抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
【0064】
ステップS3において、特別遊技抽選で当選した場合、抽選手段83が当たりフラグをオンすると、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、確率変動当たりか通常当たりのいずれかに対応する変動パターンが決定される。
【0065】
これにより、ステップS4において、画像表示装置35に表示されるべき当たり図柄がセットされ、抽選手段83は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、当該変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。一方、特別遊技抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、画像表示装置35に表示される外れ図柄がセットされ、抽選手段83は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
【0066】
以上のようにして、遊技制御手段86が、画像表示装置35に表示すべき演出内容に関する信号を、表示制御手段92に送信することに基づき、表示制御手段92は、画像表示装置35を適時駆動し、特別遊技抽選の結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる(ステップS5)。
【0067】
該演出表示時において、例えば抽選手段83の大当たり抽選に伴って、信頼度報知に係る演出態様決まっている場合は、演出制御手段91の制御で、フィギュアモデル65,66,67の各待機状態において、断接ソレノイド58,59,60が、決まった信頼度に対応するように作動させられる。これにより、信頼度に応じた個数及び種類となるようにフィギュアモデル65,66,67のいずれかが着地面61aに自由落下した際、それを見た遊技者は、フィギュアモデルの個数が少なかったり信頼度の低いものが落下したりするとがっかりして、次の演出に期待を寄せることになるが、逆にフィギュアモデルの個数が多かったり信頼度の高いものが落下したりすると、本当に大当たり発生するのでは、という大きな期待を持って画面35aの変化を注視することになる。
【0068】
そして、当該演出に対応する抽選手段83の抽選結果が大当たり決定に係るものである場合は、最終的に画面35aの大当たり有効ライン上に、3つの同じ図柄が揃うことになる。更に、作動制御手段88の制御にて、作動決定手段90の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号が送られ、当該ソレノイド71が作動させられてアタッカー5を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定ラウンドだけ繰り返す。これにより、アタッカー5に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が、球供給口17から皿ユニット16に払い出されることとなる(ステップS6)。
【0069】
以上説明した本実施形態では、演出装置54に備えたフィギュアモデル65,66,67が、曲面状の底部65a,66a,67aをそれぞれ有すると共に、内部に錘72〜74を有さない状態での重心g位置から偏倚する形で錘72,73,74がそれぞれ内蔵された胴体部65b,66b,67bを有し、着地面61aに着地した際に、底部65a〜67aを着地面61a上で不規則に揺動動作するように構成される。このため、従来のような単なる画面表示ではなく、機械的、物理的で且つ新奇な状態変化で信頼度等を報知することが可能になり、従って、遊技者に実感を湧かせ、臨場感を味わわせることができる。本演出装置54で報知し得る事象には、上述した大当たり信頼度に加えて、例えば、大当たり種別が遊技者にとってより有利な種別に昇格するか否かの信頼度に係るものや、遊技中の大当たり確率が高確率から通常確率に降格している可能性を示唆するもの等がある。そして、本演出装置54では、着地面61aに落下したフィギュアモデル65〜67が、本来の重心g位置から偏倚した重心gに起因して不規則な揺動動作(所謂フラフラしながら揺れる動作)を行うので、レール等に沿わせるような一定の動きではなく、今までの演出では見たことのないような斬新な動きを遊技者に視認させ、これにより、興趣を高めることができる。
【0070】
また本実施形態では、演出装置54が、複数のフィギュアモデル65〜67を有すると共に、信頼度に応じた個数及び/又は種類のフィギュアモデル65〜67を着地面61aに落下させる。このため、例えばリーチが開始されようとするタイミングで、信頼度に応じた個数及び/又は種類のフィギュアモデル65〜67が落下する際に、落下したフィギュアモデルの個数が多い場合や、その種類が信頼度の高いものである場合には、遊技者は特別遊技に移行するのではという期待感を膨らませることになり、逆に個数が少なかったり信頼度の低いフィギュアモデルである場合には遊技者に、今回のリーチは特別遊技への移行が無理かもしれないが次のリーチに期待を持とうと考えさせることになり、遊技に減り張りをつけることができる。
【0071】
更に、着地面61aの上方に配置されたウインチ装置W,W,Wが、フィギュアモデル65,66,67それぞれの頭部65c,66c,67cに一端を連結した細紐部材42の他端側を巻き上げることで該フィギュアモデル65〜67を上昇させると共に、フリーにすることでフィギュアモデル65〜67を細紐部材42とともに自由落下させる。このため、ウインチ装置W,W,Wと細紐部材42を用いた比較的簡単な構造により、フィギュアモデル65〜67を遊技者の目の前で演出に応じて突然落下させることができ、所謂サプライズ効果を醸し出すことができる。
【0072】
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図である。
【図2】一部破断した状態で示す演出装置の全体正面図である。
【図3】フィギュアモデルを上方に保持した状態を示す演出装置の側面図である。
【図4】フィギュアモデルを自由落下させた状態を示す演出装置の側面図である。
【図5】落下したフィギュアモデルが着地面上で不規則に揺動する様子を示す演出装置の側面図である。
【図6】落下したフィギュアモデルが着地面上で不規則に揺動動作する様子を拡大して示す側面図である。
【図7】本実施形態におけるパチンコ機の背面構造を示す背面図である。
【図8】本実施形態におけるパチンコ機の制御系を示すブロック図である。
【図9】本実施形態におけるパチンコ機による作用を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1 遊技機(パチンコ機)
3a 遊技領域
42 細紐部材
54 演出装置
61a 着地面
65,66,67 立体造形物(フィギュアモデル)
65a,66a,67a 曲面状の底部
65b,66b,67b 胴体部
72,73,74 錘
83 抽選手段
Ba 遊技球
重心
,W,W ウインチ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に演出装置を備え、該遊技領域に遊技球を打ち出して遊技してなる遊技機において、
前記演出装置が、待機位置から落下し得る立体造形物と、該落下する立体造形物を着地させる着地面と、を有し、
前記立体造形物は、曲面状の底部を有すると共に、内部に錘を有さない状態での該立体造形物の重心位置から偏倚する形で前記錘を内蔵した胴体部を有し、前記着地面に着地した際に、前記底部を前記着地面上で不規則に揺動動作してなる、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技領域に打ち出された遊技球の入賞を契機として特別遊技状態に移行するか否かを抽選する抽選手段を備え、
前記演出装置は、前記立体造形物を複数個有すると共に、前記抽選手段による抽選に伴って決定される演出態様に応じた個数及び/又は種類の前記立体造形物を前記着地面に落下させるように作動してなる、
請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出装置は、前記着地面の上方に配置されたウインチ装置を有し、
該ウインチ装置は、前記立体造形物に一端を連結した細紐部材の他端側を巻き上げることで該立体造形物を上昇させると共に、フリーにすることで前記立体造形物を前記細紐部材とともに自由落下させてなる、
請求項1又は2記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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