説明

遊技機

【課題】遊技盤に設けられた遊技領域に配設され、当該遊技領域を流下する遊技球を検出可能な複数の検出手段を備えた遊技機において、新たな機能を追加することなく、より正確に不正行為を検出できるようにする。
【解決手段】
第1検出手段及び第2検出手段による遊技球の検出に基づき異常を検出する異常検出手段(遊技制御装置100)を備える。また、異常検出手段は、第1検出手段により検出された遊技球数を計数する第1計数手段(遊技制御装置100)と、第2検出手段により検出された遊技球数を計数する第2計数手段(遊技制御装置100)と、所定の開始タイミングから第1計数手段(遊技制御装置100)が所定数の遊技球を計数するまでの期間である監視期間において、第2計数手段(遊技制御装置100)での計数結果が所定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する異常判定手段(遊技制御装置100)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤に設けられた遊技領域に配設され、当該遊技領域を流下する遊技球を検出可能な複数の検出手段を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機では、遊技状態や入賞口への入賞状態に基づいて、監視期間や監視期間における不正と判定される入賞数を設定することで、効果的に不正行為を抑制、発覚することができるようにしている。また、このような遊技機では、遊技状態に則して設定された監視期間が経過すると、監視期間の計測に用いたタイマや、それまで計数していた入賞数をクリアするようにしている(例えば、特許文献1参照)。また、現在では、発射状態を監視する機能(構成)を遊技機に追加し、この発射状態監視機能による監視結果と入賞数を元に不正監視を行うようにしたものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−43380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献のような遊技機では、不正確定範囲内の入賞数に留めて不正入賞させ、この状態で監視期間が経過するのを待っていれば、不正入賞による入賞数はクリアされることとなる。そのため不正行為を行う者は、ある程度まで一般入賞口に不正入賞させ、あとは監視期間が経過するまで発射操作や不正行為を行わずに待機しているだけで、それまでの不正入賞はなかったものとされ、この作業を継続的に行うことで、半永久的に不正行為を行うことができてしまう。
【0005】
また、監視期間の経過で入賞数をクリアすることにより、その間、発射操作を行うことなく待機していても問題ないとなると、不正行為者は無駄球防止のために残りの監視期間中は止め打ちすることとなり、遊技機の稼働の低下にもつながることとなってしまう。さらに、上記したような発射状態監視の機能は、現状の遊技機には搭載されておらず、より正確に不正行為を検出するためには、遊技機に新たな機能として発射状態監視(検出)の構成を設けることとなり、開発コスト、制御内容にかなりの変更、負担がかかるという問題も発生する。
【0006】
本発明の目的は、遊技盤に設けられた遊技領域に配設され、当該遊技領域を流下する遊技球を検出可能な複数の検出手段を備えた遊技機において、新たな機能を追加することなく、より正確に不正行為を検出できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、遊技盤に設けられた遊技領域に配設され、当該遊技領域を流下する遊技球を検出可能な複数の検出手段を備えた遊技機において、
前記複数の検出手段として、第1検出手段と、該第1検出手段とは異なる第2検出手段と、を備え、
前記第1検出手段及び前記第2検出手段による遊技球の検出に基づき異常を検出する異常検出手段を備え、
前記異常検出手段は、
前記第1検出手段により検出された遊技球数を計数する第1計数手段と、
前記第2検出手段により検出された遊技球数を計数する第2計数手段と、
所定の開始タイミングから前記第1計数手段が所定数の遊技球を計数するまでの期間である監視期間において、前記第2計数手段での計数結果が所定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する異常判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
ここで、検出手段は、遊技領域における当該検出手段が設けられた領域を遊技球が通過したことを検出するものであり、非接触型の磁気近接センサ、光センサ、機械的なスイッチ(マイクロスイッチ)などが挙げられる。
また、所定条件は例えば、第2計数手段での計数結果が所定数以上であることや、所定数以下であることである。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、所定の開始タイミングから第1計数手段が所定数の遊技球を計数するまでの期間である監視期間において、第2計数手段での計数結果が所定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する異常判定手段を備えたので、新たな機能を追加することなく、より正確に不正行為を検出できる。すなわち、遊技機には遊技に用いる検出手段として、始動入賞口や一般入賞口、大入賞口、ゲートセンサなどが設けられており、これらの既存のセンサを用いて異常の発生を検出できるため、新たな機能を追加する必要が無い。また、一方の検出手段で所定数の遊技球を検出する期間における他方の検出結果に基づき異常を検出するようにしているので、監視期間を時間により規定しているもののように発射操作や不正行為を行わずに所定時間待機することで不正の検出を逃れるようなことはできず、確実に不正行為を検出することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機であって、前記遊技領域に、
遊技球の入賞に基づき所定数の賞球を遊技者に付与する一般入賞口と、
遊技球の入賞に基づき変動表示装置において複数の識別情報を変動表示した後に結果を表示する変動表示ゲームを実行する権利が付与される始動口と、を備え、
前記変動表示ゲームの実行結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生するように構成し、
前記異常検出手段は、
前記始動口への遊技球の入賞を検出する検出手段と、前記一般入賞口への遊技球の入賞を検出する検出手段のうち、一方を前記第1検出手段とし、他方を前記第2検出手段とすることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、異常検出手段は、始動口への遊技球の入賞を検出する検出手段と、一般入賞口への遊技球の入賞を検出する検出手段のうち、一方を第1検出手段とし、他方を第2検出手段とするので、既存のセンサを用いて異常の発生を検出できるため、新たな機能を追加する必要がない。また、遊技球の入賞により賞球などの遊技価値が付与される始動口や一般入賞口を監視対象とすることができ、不正行為による被害を未然に防止できる。特に、始動口や一般入賞口は、遊技中においてはそれぞれ略一定のタイミングで遊技球が入賞する入賞口であるので、所定の開始タイミングから第1計数手段が所定数の遊技球を計数するまでの期間である監視期間において、第2計数手段での計数結果が所定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する異常判定手段による異常の検出に最適である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機であって、前記始動口は、前記一般入賞口よりも遊技球の入賞頻度が高く、
前記異常検出手段は、
前記始動口へ入賞した遊技球を検出する検出手段を前記第1検出手段とし、
前記一般入賞口へ入賞した遊技球を検出する検出手段を前記第2検出手段とし、
前記異常判定手段は、
前記監視期間において、前記第2計数手段での計数結果が所定数以上となった場合に、前記所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、一般入賞口への入賞数を増加させる不正行為を検出できる。また、二つの検出手段のうち、入賞頻度の高い入賞口の検出手段を第1計数手段とすることで、監視期間の経過前に異常の発生を判定することができるので、異常の検出タイミングが早まり不正行為による被害を最小限にとどめることができる。なお、異常判定手段は、監視期間において、第2計数手段での計数結果が所定の下限数以下となった場合に、所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定するとすれば、始動口への入賞数を増加させる不正行為を検出できる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機であって、前記始動口は、前記一般入賞口よりも遊技球の入賞頻度が高く、
前記異常検出手段は、
前記一般入賞口へ入賞した遊技球を検出する検出手段を前記第1検出手段とし、
前記始動口へ入賞した遊技球を検出する検出手段を前記第2検出手段とし、
前記異常判定手段は、
前記監視期間の終了時における前記第2計数手段での計数結果が所定数以下である場合に、前記所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、一般入賞口への入賞数を増加させる不正行為を検出できる。なお、異常判定手段は、監視期間において、第2計数手段での計数結果が所定の上限数以上となった場合に、所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定するとすれば、始動口への入賞数を増加させる不正行為を検出できる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか一項に記載の遊技機であって、前記異常検出手段は、
前記監視期間の終了後、前記第1計数手段及び第2計数手段の計数結果をクリアするクリア手段を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、監視期間における計数結果の取得処理において、現在の累積値から監視期間前の累積値を減算する処理が不要となり、制御の負担を軽減することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか一項に記載の遊技機であって、前記異常判定手段は、
前記所定数を選択する選択手段を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、異常判定手段は、所定数を選択する選択手段を備えるので、不正行為を行う遊技者が異常判定手段で異常が発生したと判定する所定条件を把握して入賞数のバランスをとって不正行為を継続することを防止できる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項2から6の何れか一項に記載の遊技機であって、前記始動口は、
第1始動入賞口と、遊技球が入賞不可能な第1状態と遊技球が入賞可能な第2状態とに状態変換可能な第2始動入賞口と、を備え、
前記特別遊技状態の終了後の所定期間に亘って前記第2始動入賞口が前記第2状態に状態変換される時間が延長される特定遊技状態を発生可能であり、
前記異常判定手段は、
前記特定遊技状態においては、前記所定数を前記特定遊技状態以外における前記所定数よりも多い数とすることを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、異常判定手段は、特定遊技状態においては、監視期間を規定するための所定数を特定遊技状態以外における所定数よりも多い数とするので、遊技状態に応じて適切に異常を検出することが可能となる。すなわち、特定遊技状態においては、通常より始動口に遊技球が入賞しやすい状態となるため、監視期間の終了条件となる第1計数手段で計数する所定数を多くすることで特定遊技状態以外と同様に異常を検出することが可能となる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項2から7の何れか一項に記載の遊技機であって、前記始動口は、
第1始動入賞口と、遊技球が入賞不可能な第1状態と遊技球が入賞可能な第2状態とに状態変換可能な第2始動入賞口と、を備え、
前記特別遊技状態の終了後の所定期間に亘って前記第2始動入賞口が前記第2状態に状態変換される時間が延長される特定遊技状態を発生可能であり、
前記第1計数手段及び前記第2計数手段は、
計数対象の検出手段が前記始動口に入賞した遊技球を検出するものである場合に、前記特定遊技状態においては前記第1始動入賞口に入賞した遊技球数のみを計数することを特徴とする。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、第1計数手段及び第2計数手段は、計数対象の検出手段が始動口に入賞した遊技球を検出するものである場合に、特定遊技状態においては第1始動入賞口に入賞した遊技球数のみを計数するので、適切に異常を検出することが可能となる。すなわち、特定遊技状態においては、通常より第2始動入賞口に遊技球が入賞しやすい状態となるが、第1始動入賞口への入賞頻度は変わらないため、第1始動入賞口への入賞数のみを計数するようにすることで、特定遊技状態以外と同様に異常を検出することが可能となる。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8の何れか一項に記載の遊技機であって、前記異常検出手段は、
前記監視期間の継続時間を計測する計時手段を備え、
前記第2計数手段での計数結果が、前記継続時間に基づき設定される特定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する第2異常判定手段を備えることを特徴とする。
【0025】
ここで、特定条件を満たした場合は、例えば、継続時間中の計数結果が通常の遊技で可能な入賞数の上限を超える場合に満たされるものとする。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、異常検出手段は、監視期間の継続時間を計測する計時手段を備え、第2計数手段での計数結果が、継続時間に基づき設定される特定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する第2異常判定手段を備えるので、確実に異常を検出することができる。すなわち、異常の判定に用いる二つの検出手段のうち、正常な場合において遊技球の検出頻度が高い検出手段が設けられた領域の遊技球の通過頻度を高める不正行為や、両方の検出手段が設けられた領域の遊技球の通過頻度を高める不正行為を確実に検出できるようになる。
【0027】
請求項10に記載の発明は、請求項1から9の何れか一項に記載の遊技機であって、前記異常検出手段は、
前記異常判定手段により異常が発生したと判定した回数を計数する異常回数計数手段を備え、
前記異常判定手段により異常が発生したと判定された際に、前記異常回数計数手段の計数結果が複数回以上である場合に、不正行為を検出した旨の報知を行う報知手段を備えることを特徴とする。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、異常判定手段により異常が発生したと判定された際に、異常回数計数手段の計数結果が複数回以上である場合に、不正行為を検出した旨の報知を行う報知手段を備えるので、不正の誤報知を防止できる。すなわち、正常な遊技の過程において異常判定される所定条件を満たしてしまう可能性もあり、このような場合に、すぐに不正行為である旨の報知が行われて不正行為を行っていない遊技者が不愉快に思うことを防止できる。また、継続して不正行為を行う悪意のある遊技者のみ確実に摘発することができる。
【0029】
請求項11に記載の発明は請求項10に記載の遊技機であって、前記異常検出手段は、
前記異常判定手段により異常が発生したと判定された際に、前記異常回数計数手段の計数結果が前記複数回未満である場合に、示唆報知を行う示唆報知手段を備えることを特徴とする。
【0030】
ここで、示唆報知とは、不正行為を検出した旨の報知とは異なり、異常を検出したことを報知するとともに、以降、継続して異常を検出すると不正行為とみなすことを示唆する報知である。
【0031】
請求項11に記載の発明によれば、異常検出手段は、異常判定手段により異常が発生したと判定された際に、異常回数計数手段の計数結果が複数回未満である場合に、示唆報知を行う示唆報知手段を備えるので、不正行為を行っていない遊技者が不愉快に思うことを防止できる。また、継続して不正行為を行おうとしている悪意のある遊技者に警告することができ、不正行為を防止することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、所定の開始タイミングから第1計数手段が所定数の遊技球を計数するまでの期間である監視期間において、第2計数手段での計数結果が所定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する異常判定手段を備えたので、新たな機能を追加することなく、より正確に不正行為を検出できる。すなわち、遊技機には遊技に用いる検出手段として、始動入賞口や一般入賞口、大入賞口、ゲートセンサなどが設けられており、これらの既存のセンサを用いて異常の発生を検出できるため、新たな機能を追加する必要が無い。また、一方の検出手段で所定数の遊技球を検出する期間における他方の検出結果に基づき異常を検出するようにしているので、監視期間を時間により規定しているもののように発射操作や不正行為を行わずに所定時間待機することで不正の検出を逃れるようなことはできず、確実に不正行為を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態の遊技機を前面側から見た斜視図である。
【図2】遊技盤の正面図である。
【図3】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図4】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図5】異常の検出タイミングを説明するためのタイムチャートである。
【図6】メイン処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】メイン処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】タイマ割込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】入力処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】スイッチ読み込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】入賞口スイッチ/エラー監視処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】入賞監視処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】特図ゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】始動口スイッチ監視処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】特図始動口スイッチ共通処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】入賞情報管理処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】外部情報編集処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】第1変形例の遊技機における入賞情報管理処理を説明するためのフローチャートである。
【図19】第2変形例の遊技機における入賞情報管理処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】第3変形例の遊技機における入賞情報管理処理を説明するためのフローチャートである。
【図21】第4変形例の遊技機における入賞監視処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】第4変形例の遊技機における外部情報編集処理を説明するためのフローチャートである。
【図23】第5変形例の遊技機における異常の検出タイミングを説明するためのタイムチャートである。
【図24】第5変形例の遊技機における入賞口スイッチ/エラー監視処理を説明するためのフローチャートである。
【図25】第5変形例の遊技機における入賞監視処理2を説明するためのフローチャートである。
【図26】第5変形例の遊技機における入賞情報管理処理を説明するためのフローチャートである。
【図27】第6変形例の遊技機における入賞口スイッチ/エラー監視処理を説明するためのフローチャートである。
【図28】第6変形例の遊技機における入賞情報管理処理を説明するためのフローチャートである。
【図29】第7変形例の遊技機における処理間計測時間と上限始動入賞数の関係を説明するための図である。
【図30】第7変形例の遊技機における異常の検出タイミングを説明するためのタイムチャートである。
【図31】第7変形例の遊技機における入賞監視処理2を説明するためのフローチャートである。
【図32】第8変形例の遊技機における異常の検出タイミングを説明するためのタイムチャートである。
【図33】第8変形例の遊技機における表示装置での表示例を示す図である
【図34】第9変形例の遊技機における異常の検出タイミングを説明するためのタイムチャートである。
【図35】第9変形例の遊技機における入賞情報管理処理を説明するためのフローチャートである。
【図36】第9変形例の遊技機における入賞監視処理2を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
【0035】
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0036】
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
【0037】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
【0038】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
【0039】
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
【0040】
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
【0041】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0042】
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
【0043】
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0044】
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
【0045】
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
【0046】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
【0047】
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の上部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0048】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
【0049】
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0050】
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0051】
特図1保留表示器は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。特図2保留表示器は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
【0052】
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
【0053】
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
【0054】
エラー表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
【0055】
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0056】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0057】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
【0058】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0059】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0060】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
【0061】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41(変動表示装置)にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
【0062】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0063】
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0064】
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明においては、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0065】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0066】
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0067】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0068】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0069】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0070】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0071】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0072】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
【0073】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0074】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0075】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0076】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0077】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0078】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
【0079】
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0080】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0081】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0082】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0083】
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0084】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0085】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0086】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0087】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0088】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0089】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0090】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0091】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0092】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0093】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0094】
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0095】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0096】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
【0097】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0098】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0099】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0100】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める補助演出部品等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0101】
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
【0102】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0103】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0104】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0105】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
【0106】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、演出制御を実行する演出制御手段をなす。
【0107】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0108】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
【0109】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0110】
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0111】
ここで、特別結果態様には、特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置100では大当り図柄乱数に基づき特別結果態様を選択する。すなわち、大当り図柄乱数に基づき付加遊技価値の量が決定されるといえる。なお、本実施形態の遊技機における特別遊技状態の実行態様とは、実行可能なラウンド数や大入賞口の開放時間である。また、付加遊技価値とは、特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで遊技状態を確変状態とすることや、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで遊技状態を時短状態とすることである。
【0112】
特別結果態様の種類には、15R通常(図柄)、15R確変(図柄)、2R通常(図柄)、2R確変(図柄)の四種類が設定されている。15R通常(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドで該特別遊技状態の終了後に確率状態を通常確率状態とするとともに、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする(時短回数100回)ものである。15R確変(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドで該特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで確率状態を高確率状態とするとともに、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とするものである。
【0113】
2R通常(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が2ラウンドで、該特別遊技状態の終了後に確率状態を通常確率状態とするとともに、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする(時短回数100回)ものである。2R確変(図柄)は特別遊技状態でのラウンド数が2ラウンドで該特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで確率状態を高確率状態とするとともに、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする。
【0114】
また、15R通常と15R確変に基づく特別遊技状態(第1の特別遊技状態)では、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間が第1開放時間(25秒)であり、2R確変と2R通常に基づく特別遊技状態(第2の特別遊技状態)では、大入賞口の開放時間が第1開放時間よりも短い第2開放時間(1秒)とされる。
【0115】
ここで、2R当りに基づく特別遊技状態では、大入賞口を1秒開放する動作を1秒のウェイト時間(閉鎖時間)を挟んで2回行うようになっている。このため大入賞口に遊技球が入賞することは非常に困難であるが、僅かに大入賞口に入賞する可能性はあり、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な状態である。また、このように遊技球の入賞は困難であるが、他の特別結果態様に基づく特別遊技状態の場合と同様に大入賞口に所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの監視も行われる。
【0116】
また、本実施形態の遊技機では、始動口をなす始動入賞口36及び普通変動入賞装置37への入賞頻度が一般入賞口35への入賞頻度よりも高くなるように設定されている。このように、一般入賞口35への入賞頻度に対する始動口への入賞頻度を高めるために、通常は一般入賞口35付近の遊技釘を調整して入賞しづらくしたり、一般入賞口35の配設箇所を遊技領域32の下側部分に位置するガイドレール31の近傍とすることで入賞しづらくしたりしている。
【0117】
通常の遊技においては、始動口を狙って遊技球を発射すると一般入賞口35にも遊技球が入賞するので、始動口への入賞数に対する一般入賞口35への入賞数の比は所定範囲の値となるはずである。そこで、始動口と一般入賞口35への入賞数を監視し、始動口をなす始動入賞口36及び普通変動入賞装置37へ所定数(例えば5)の遊技球が入賞する期間に、一般入賞口35へ所定数(例えば5)以上の遊技球が入賞した場合に、異常が発生したと判定する機能を有している。
【0118】
図5に示すように、所定の開始タイミング(t1)から、始動入賞口SW(始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a)での遊技球の検出数が5となる(t2)までの期間(t1からt2)を監視期間とし、この監視期間において、入賞口スイッチ35aでの遊技球の検出数が4以下である場合は正常と判定される。なお、所定の開始タイミングは任意に設定可能であるが、ここでは前回の監視期間の終了タイミングとされている。
【0119】
これに対して、所定の開始タイミング(t2)から、始動入賞口SW(始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a)での遊技球の検出数が5となる前に入賞口スイッチ35aでの遊技球の検出数が5以上となる(t3)と異常が発生したと判定され、遊技機や管理装置で異常の報知が行われるようになっている。このように、一般入賞口35へ当初の設定を超える入賞が発生する場合は、例えば、一般入賞口35に対する不正行為が行われていることが考えられ、このような異常を監視することで被害を最小限にとどめることができるようにされている。
【0120】
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6及び図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
【0121】
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0122】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0123】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図7のステップS20へジャンプする。
【0124】
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図7のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
【0125】
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグを設定してから、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器8)をオン(点灯)に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。
【0126】
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、先ずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
【0127】
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0128】
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0129】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0130】
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を行い、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0131】
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0132】
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートをオフにする処理(ステップS30)、を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS33)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0133】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図8に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図8のタイマ割込み処理が開始される。
【0134】
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS41)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS42)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS43)を行う。
【0135】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS44)、乱数更新処理1(ステップS45)、乱数更新処理2(ステップS46)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS48)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS49)を行う。
【0136】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS50)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS51)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS52)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS53)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS54)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS55)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0137】
〔入力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入力処理(ステップS42)の詳細について説明する。図9に示すように、入力処理においては、先ず入力ポート1、即ち、第1入力ポート123に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップS421)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS422)。続いて、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)する(ステップS423)。その後、ステップS424で入力ポート2、即ち、第2入力ポート122に取り込まれた信号の状態を読み込むためのパラメータの準備を行ってから、スイッチ読込み処理(ステップS425)へ移行する。ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
【0138】
〔スイッチ読込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読込み処理(ステップS425)の詳細について説明する。図10に示すように、スイッチ読込み処理においては、先ずステップS424にて準備されたパラメータで指定された入力ポート、即ち、第2入力ポート122に取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップS251)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS252)。続いて、読み込まれた入力ポート2の状態をRWM内のスイッチ制御領域2のポート入力状態1にセーブ(格納)する(ステップS253)。それから、2回目の読込みまでのディレイ時間(0.1ms)が経過するのを待つ(ステップS254)。
【0139】
ディレイ時間(0.1ms)が経過すると、第2入力ポート122に取り込まれた信号の状態の2回目の読込みを行う(ステップS255)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS256)。続いて、読み込まれた入力ポート2の状態をスイッチ制御領域2のポート入力状態2にセーブ(格納)する(ステップS257)。それから、1回目と2回目の読込みで変化したビット、即ち、信号を検出する(ステップS258)。
【0140】
その後、今回の2回の読込み、即ち、ステップS251〜S258の処理で確定できるビットを抽出する(ステップS259)。一方、2回の読込みでは確定できないビットについては前回の割込み時におけるスイッチ読込み処理で読み込んだ値を抽出する(ステップS260)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。次に、ステップS259とS260で抽出した値を合成して、今回の読込み処理の確定状態としてRWMにセーブする(ステップS261)。その後、確定状態がハイレベルに変化したビットを検出して、対応する信号の立上りエッジの検出としてRWMにセーブして、スイッチ読込み処理を終了する(ステップS262)。
【0141】
なお、スイッチの読込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2ms)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読込みを行って前回の読込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行なえないおそれがある。これに対し、本実施例のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
【0142】
〔入賞口スイッチ/エラー監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)の詳細について説明する。入賞口スイッチ/エラー監視処理は、各種入賞口に設けられたスイッチから信号の入力(信号の変化)があるか否かの監視や、エラーの監視を行う処理である。
【0143】
図11に示すように、入賞口スイッチ/エラー監視処理においては、まず、エラー監視処理が不要な入賞口スイッチの入賞監視テーブル(例えばエラー監視不要なスイッチを示すリスト)を準備する(ステップS471)。ここでのエラー監視処理が不要な入賞口スイッチとは、始動入賞口36の始動口1スイッチ36aであり、この入賞口スイッチについては、エラー監視はしないが入賞検出処理は行う。よって、ステップS471でその処理のために入賞監視テーブルを用意した後、賞球排出の対象として入賞数を計数する処理である入賞数カウンタ更新処理(ステップS472)を行う。
【0144】
次に、特別変動入賞装置(大入賞口)38内のカウントスイッチ38aのエラー監視テーブル(例えばカウントスイッチからの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS473)。その後、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する入賞監視処理(ステップS474)を実行する。この入賞監視処理の詳細な手順については後に説明する。
【0145】
入賞監視処理(ステップS474)の後は、普電(普通変動入賞装置37)内の始動口2スイッチ37aのエラー監視テーブルを準備する(ステップS475)。その後、普電が開いていないにもかかわらず普電に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する入賞監視処理(ステップS476)を実行する。
【0146】
入賞監視処理(ステップS476)の後は、一般入賞口35,35,…内の入賞口スイッチ35a〜35nのエラー監視テーブルを準備する(ステップS477)。その後、一般入賞口35,35,…に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する入賞監視処理(ステップS478)を実行する。
【0147】
次に、エラーを監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうち何れのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するためのエラースキャンカウンタを更新する(ステップS479)。続いて、払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ、オーバーフロースイッチ及び払出制御装置の異常監視用のエラー監視テーブルを準備する(ステップS480)。それから、これらのスイッチ及び払出制御装置に異常が発生していないかをタイマを参照しながら判定するエラーチェック処理(ステップS481)を実行する。
【0148】
その後、前枠開放検出スイッチ63及び遊技枠開放検出スイッチ64からの信号に基づく前枠(ガラス枠15)及び遊技枠(前面枠12)の開放監視用のエラー監視テーブルを準備する(ステップS482)。それから、前枠及び遊技枠の開放監視用エラースキャンカウンタを準備し(ステップS483)、これらのスイッチに異常が発生していないかをタイマを参照しながら判定するエラーチェック処理(ステップS484)を実行する。
【0149】
〔入賞監視処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理における入賞監視処理(ステップS474、S476、S478)の詳細について説明する。入賞監視処理は、特別変動入賞装置38(大入賞口)内のカウントスイッチ38a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、一般入賞口35,35,…内の入賞口スイッチ35a〜35nに対して行われる処理であり、入賞の検出の他に不正の監視をする。
【0150】
特別変動入賞装置38や普通変動入賞装置37に対する不正とは、例えば無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正行為である。また、一般入賞口35に対する不正とは、例えば遊技釘を曲げることで入賞の頻度を高めたり、磁石等で遊技球を吸着して前記したように入賞しづらくなっている一般入賞口35へのルートを形成し、流下する遊技球を一般入賞口35へ誘導したりする不正行為である。こうすることで始動口に所定数の遊技球が入賞する時間よりも短時間で多くの遊技球が一般入賞口35へ入賞することとなる。入賞監視処理では、このような不正行為を各入賞口への入賞状態により監視する。
【0151】
図12に示すように、入賞監視処理においては、先ず不正入賞数の加算値として「0」を設定する(ステップS741)。それから、図10に示すスイッチ読み込み処理におけるステップS262でRWMにセーブしたスイッチ入力信号の立ち上がりエッジをロードする(ステップS742)。そして、エラー監視対象の入賞口スイッチ(大入賞口のカウントスイッチ38a又は普電内の始動口2スイッチ37a、一般入賞口35,35,…内の入賞口スイッチ35a〜35n)に入力があるかチェックする(ステップS743)。ここで、入力なし(ステップS744:No)と判定すると、ステップS746へジャンプし、入力がある(ステップS744:Yes)と判定すると、ステップS745へ進んで不正入賞数の加算値として「1」を設定してステップS746へ進む。ステップS746では、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをRWMからロードする。その後、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正入賞エラー発生コマンドを取得する処理(ステップS747)を行う。
【0152】
次に、今回の処理の対象が一般入賞口35,35,…(入賞口スイッチ35a〜35n)であるかをチェックし(ステップS748)、一般入賞口である場合(ステップS749;Yes)は、ステップS752へ進んで不正入賞数加算値が「0」かチェックする。また、一般入賞口でない場合(ステップS749;No)、すなわち、特別変動入賞装置38(大入賞口)内のカウントスイッチ38aや、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、を対象としたものである場合は、不正監視期間であるかをチェックする処理(ステップS750)を行う。
【0153】
不正監視期間とは、今回の処理が特別変動入賞装置38(大入賞口)内のカウントスイッチ38aを対象としている場合は、大入賞口(特別変動入賞装置38)が閉じている期間である。また、今回の処理が普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37aを対象としたものである場合は普通変動入賞装置37が閉じている期間である。この不正監視期間でない(ステップS751;No)と判定するとステップS759へジャンプし、不正監視期間である(ステップS751:Yes)と判定すると、ステップS752へ進んで不正入賞数加算値が「0」かチェックする。
【0154】
不正入賞数加算値が「0」であるか否かの判定(ステップS753)において、不正入賞数加算値が「0」である(ステップS753;Yes)と判定するとステップS761へジャンプし、不正入賞数加算値が「0」でない(ステップS753;No)と判定すると、ステップS754へ進んでエラー監視対象の不正入賞数に「1」を加算する。なお、エラー監視対象の入賞口が一般入賞口35である場合は、一般入賞数領域に記憶される一般入賞数に1を加算する
【0155】
次に、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)を超えたかチェックする処理(ステップS755)を行う。判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口や普通変動入賞装置37が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材や開閉部材37bにより挟まれ、その遊技球がカウントスイッチ38aや始動口2スイッチ37aの有効期間を過ぎて入賞した場合や、信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにし、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。また、今回の処理の対象が、常時遊技球が入賞可能な一般入賞口35,35,…の場合は、後述するように始動入賞口36や普通変動入賞装置37に所定数の遊技球が入賞する期間において入賞可能な個数以下の入賞は正常な入賞であるからである。この不正発生判定個数を超えたかチェックする処理(ステップS755)において、不正発生判定個数を超えていない(ステップS755:No)と判定するとステップS759へジャンプし、判定個数を超えた(ステップS755:Yes)と判定するとステップS756へ進む。
【0156】
ステップS756では、不正入賞数を不正発生判定個数に留め、次のステップS757で報知タイマ領域に初期値をセーブしてから、エラー発生フラグを準備する(ステップS758)。その後、ステップS769へ移行して、エラー監視対象の入賞口スイッチのエラーフラグ領域を準備して、ステータス更新処理(ステップS770)を実行する。ステータス更新処理(ステップS770)では、エラーが発生している場合にはエラー発生コマンドを設定する処理を行い、演出制御装置300へ送信されるようにする。演出制御装置300ではエラー発生コマンドの受信に基づきエラー報知を行う。また、ステータス更新処理(ステップS770)では、エラーが発生している入賞口に対応するステータスをエラー発生中に設定する。例えば一般入賞口35の入賞数が不正発生判定個数を超えてエラー発生と判定された場合は、一般入賞監視領域のステータスをエラー発生中とする。
【0157】
一方、ステップS755で判定個数を超えていない(ステップS755;No)と判定して移行したステップS759では、エラー監視対象の入賞口スイッチ(大入賞口のカウントスイッチ38a、普電内の始動口2スイッチ37a、一般入賞口35,35,…内の入賞口スイッチ35a〜35n)の入賞監視テーブルを準備する。その後、入賞数カウンタを更新する、つまり賞球排出の対象として入賞数を計数する処理(ステップS760)を実行してから、報知タイマを更新(−1)し、タイムアップしたかチェックする(ステップS761)。そして、次のステップS762で当該タイマがタイムアップしたか判定し、タイムアップしていない(ステップS762;No)と判定したときは一旦当該入賞監視処理を抜ける。また、報知タイマがタイムアップした(ステップS762:Yes)と判定したときは、ステップS763へ進んでエラー監視対象の入賞口スイッチの不正入賞エラー報知終了コマンドを設定する。つまり、所定時間経過しても不正入賞が所定個数以上発生しない場合には、不正入賞エラー報知終了コマンドを設定する。
【0158】
ステップS763の後、エラー解除フラグを準備し(ステップS764)、今回の処理の対象が一般入賞口35,35,…であるか否かの判定(ステップS765)を行う。そして、今回の処理の対象が一般入賞口35,35,…でない場合(ステップS765;No)は、エラー報知終了タイミングかチェックする(ステップS766)。ここで、エラー報知終了タイミングでない(ステップS767;No)と判定すると、ステップS769へジャンプし、エラー解除タイミングである(ステップS767;Yes)と判定すると、ステップS768へ進んで不正入賞数をリセットし、ステップS769へ進む。
【0159】
一方、今回の処理の対象が一般入賞口35,35,…である場合(ステップS765;Yes)は、ステップS766、ステップS767、ステップS768は行わずステップS769へ進む。この場合は、後述するように、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37への入賞数が所定数となった場合に不正入賞数がリセットされる。
【0160】
ステップS769では、エラー監視対象の入賞口スイッチのエラーフラグ領域を準備してステップS758で準備したエラー発生フラグ又はステップS764で準備したエラー解除フラグに対応した設定を行ってから、ステータス更新処理(ステップS770)へ移行する。ステップS763で設定された不正入賞エラー報知終了コマンドは、このステータス更新処理(ステップS770)の中で演出制御装置300へ送信され、エラー報知が解除される。また、この場合のステータス更新処理では、エラーが解除された入賞口に対応するステータスを正常状態に設定する。例えば、一般入賞口35のエラーが解消された場合は一般入賞監視領域のステータスを正常状態とする。
【0161】
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS48)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0162】
図13に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
【0163】
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
【0164】
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
【0165】
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。この処理では、例えば、特図変動表示ゲームの結果が当りとなるか否かの抽選や当りの種類の抽選、特図変動表示ゲームの実行態様(変動パターン、変動時間)の設定などを行う。
【0166】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
【0167】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0168】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
【0169】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
【0170】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
【0171】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0172】
その後、分岐処理にて準備したテーブルの各データをRWMの作業領域にセーブする(ステップA16)。そして、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA17)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。
【0173】
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA17に移行して、それ以降の処理を行う。
【0174】
この特図ゲーム処理により、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)で複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームが実行され、当該特図変動表示ゲームの結果が予め定められた特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技が行われる。
【0175】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図14に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、始動入賞口36(第1始動口)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備し(ステップA111)、さらに、第1始動口による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA112)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113)を行う。なお、ステップA113における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA120における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
【0176】
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA114)、普通電動役物が作動中である(ステップA115;Yes)と判定すると、処理をステップA118に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA115にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA116)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA117)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数が上述の入賞監視処理で不正入賞数として計数される。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
【0177】
ステップA117にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA117;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(ステップA118)。
【0178】
その後、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA119)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA120)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA117にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA117;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0179】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113、A120)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
【0180】
図15に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、大当り乱数をロード(大当り乱数を抽出)する(ステップA204)。
【0181】
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号制御出力回数)をロードする(ステップA205)。そして、ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローしないと判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
【0182】
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
【0183】
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行った後、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA212)を行う。続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA213)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)し(ステップA214)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA215)、コマンド設定処理(ステップA216)を行う。
【0184】
そして、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブするとともに、その大当り図柄乱数をレジスタに退避する(ステップA218)。次に、対応する変動パターン乱数1をロード(変動パターン乱数1を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2をロード(変動パターン乱数2を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA220)、次に、対応する変動パターン乱数3をロード(変動パターン乱数3を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221)。ここで、RWM(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて各種乱数を抽出し、該抽出された各種乱数を始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段をなす。
【0185】
続けて、ステップA218にてレジスタに退避した監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述の特図保留情報判定処理(ステップA223)にて使用するために準備する(ステップA222)。そして、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である特図保留情報判定処理(ステップA223)を行う。その後、入賞情報管理処理(ステップA228)を行い、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0186】
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA224)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA225;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、入賞情報管理処理(ステップA228)を行い、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA225にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA225;No)、入賞情報管理処理(ステップA228)を行い、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0187】
〔入賞情報管理処理〕
入賞情報管理処理(ステップA228)では、図16に示すように、まず、始動入賞数をロードする処理(ステップA231)を行い、ロードした値を+1更新して所定数(ここでは5の倍数)となるかをチェックする処理(ステップA232)を行う。そして、所定数に到達してない場合(ステップA233;No)は、更新後の値を始動入賞数領域にセーブする処理(ステップA234)を行い、入賞情報管理処理を終了する。
【0188】
また、所定数に到達している場合(ステップA233;Yes)は、一般入賞数領域をクリアする処理(ステップA235)を行い、入賞情報管理処理を終了する。一般入賞数領域には一般入賞口35への入賞数が一般入賞数として記憶されるようになっており、一般入賞数領域をクリアする処理(ステップA235)では、この一般入賞数がクリアされる。
【0189】
この入賞情報管理処理では、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37への入賞毎に始動入賞数が1加算され、この始動入賞数が所定数に達すると、一般入賞領域で計数される一般入賞口35への入賞数がクリアされる。このように一般入賞数をクリアすることで、所定数(ここでは5)の始動入賞が発生する期間である監視期間における一般入賞口35への入賞数が所定数(ここでは5)未満であれば、上述の入賞監視処理(図12参照)でエラーと判定される条件を満たす(ステップS755;Yes)ことはない。
【0190】
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS52)の詳細について説明する。外部情報編集処理では、入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)や磁石不正監視処理(ステップS51)の監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
【0191】
図17に示すように、外部情報編集処理では、先ず、外部装置用のセキュリティ信号をオフ状態にするOFFデータを設定した後(ステップS521)、外部装置用の扉・枠開放信号をオフ状態にするOFFデータを設定し(ステップS522)、続けて、試射試験装置用の遊技機エラー状態信号をオフ状態にするOFFデータを設定する処理(ステップS523)を行う。
【0192】
次に、前枠開放監視領域のステータスがエラー発生中であるか否かをチェックして(ステップS524)、エラー発生中でない(ステップS525;No)と判定すると、遊技枠開放監視領域のステータスがエラー発生中であるか否かをチェックする(ステップS526)。ここで、エラー発生中である(ステップS527;Yes)と判定すると、扉・枠開放信号をオン状態にするONデータを設定した後(ステップS528)、遊技機エラー状態信号をオン状態にするONデータを設定する処理(ステップS529)を行う。また、ステップS525にて、エラー発生中であると判定した場合にも(ステップS525;Yes)、処理をステップS528に移行して、それ以降の処理を行う。
【0193】
その後、セキュリティ信号制御タイマを更新(−1)した後、当該タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップS530)。また、ステップS527にて、エラー発生中でないと判定した場合にも(ステップS527;No)、処理をステップS530に移行して、セキュリティ信号制御タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップS530)。そして、ステップS531にて、タイムアップしていない(ステップS531;No)と判定すると、セキュリティ信号をオン状態にするONデータを設定する処理(ステップS532)を行う。一方、ステップS531にて、タイムアップしたと判定した場合には(ステップS531;Yes)、ステップS532をスキップして処理をステップS533に移行する。
【0194】
そして、ステップS533では、磁石不正監視領域のステータスがエラー発生中であるか否かをチェックして(ステップS533)、エラー発生中でない(ステップS534;No)と判定すると、大入賞口不正入賞監視領域のステータスがエラー発生中であるか否かをチェックする(ステップS535)。ここで、エラー発生中でない(ステップS536;No)と判定すると、普電不正入賞監視領域のステータスがエラー発生中であるか否かをチェックする(ステップS537)。ここで、エラー発生中でない(ステップS538;No)と判定すると、一般入賞監視領域のステータスがエラー発生中であるか否かをチェックする(ステップS539)。
【0195】
そして、エラー発生中である(ステップS540;Yes)と判定すると、セキュリティ信号をオン状態にするONデータを設定した後(ステップS541)、遊技機エラー状態信号をオン状態にするONデータを設定する処理(ステップS542)を行う。また、ステップS534、ステップS536、ステップS538にて、エラー発生中であると判定した場合にも処理をステップS541に移行して、それ以降の処理を行う。
【0196】
次に、ON若しくはOFFに設定したセキュリティ信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブした後(ステップS543)、ON若しくはOFFに設定した扉・枠開放信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS544)、続けて、ON若しくはOFFに設定した遊技機エラー状態信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップS545)を行う。また、ステップS540にて、エラー発生中でないと判定した場合にも(ステップS540;No)、処理をステップS543に移行して、それ以降の処理を行う。
【0197】
その後、始動口への入賞の回数に関する情報である入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS546)を行う。次に、図柄確定回数信号をオフ状態にするOFFデータを設定し(ステップS547)、図柄確定回数信号制御タイマを更新(−1)した後、当該タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップS548)、タイムアップしていない(ステップS549;No)と判定すると、図柄確定回数信号をオン状態にするONデータを設定する処理(ステップS550)を行う。その後、ステップS550にてONに設定したセキュリティ信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする処理(ステップS551)を行って、外部情報編集処理を終了する。
【0198】
一方、ステップS549にて、図柄確定回数信号制御タイマがタイムアップしたと判定された場合には(ステップS549;Yes)、ステップS550をスキップして、OFFに設定されているセキュリティ信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする処理(ステップS551)を行って、外部情報編集処理を終了する。
【0199】
すなわち、本実施形態においては、始動入賞口36に設けられた始動口1スイッチ36aと普通変動入賞装置37に設けられた始動口2スイッチ37aが第1検出手段をなし、一般入賞口35に設けられた一般入賞口スイッチ35a〜35nが、第2検出手段をなす。そして、遊技制御装置100が、第1検出手段により検出された遊技球数を計数する第1計数手段及び第2検出手段により検出された遊技球数を計数する第2計数手段をなす。
【0200】
また、主に、入賞監視処理(図12参照)と入賞情報管理処理(図16参照)における処理により、所定数(ここでは5)の始動入賞が発生する期間である監視期間における一般入賞口35への入賞数が所定数(ここでは5)以上である場合にエラーと判定するようにしている。よって、遊技制御装置100が、第1検出手段及び第2検出手段による遊技球の検出に基づき異常を検出する異常検出手段をなし、さらに、遊技制御装置100が、所定の開始タイミングから第1計数手段が所定数の遊技球を計数するまでの期間である監視期間において、第2計数手段での計数結果が所定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する異常判定手段をなす。
【0201】
以上のような処理により、所定の開始タイミングから始動口(始動入賞口36や普通変動入賞装置37)に所定数の遊技球が入賞するまでの期間である監視期間において、一般入賞口35に所定数以上の遊技球が入賞した場合に、所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定されることとなる。
【0202】
図5に示す例を用いて説明すれば、t1からt2の監視期間においては、まず、監視期間の開始時(t1)に一般入賞領域に記憶されている一般入賞数がクリアされる。監視期間においては、一般入賞口35に遊技球が入賞する毎に一般入賞領域に記憶される一般入賞数が+1更新されるとともに、始動入賞が発生する毎に始動入賞数領域の始動入賞数が+1更新される。そして、一般入賞数が所定数(ここでは5)以上となる前に、始動入賞数が5の倍数となると、監視期間が終了して一般入賞数がクリアされ、次の監視期間が開始される(t2)。すなわち、この場合は、異常が発生したと判定する所定条件を満たしておらず正常な場合である。
【0203】
t2から開始される監視期間では、始動入賞数が5の倍数となる前に一般入賞数が所定数に達しており(t3)、異常が発生したと判定する所定条件を満たしている。この場合、異常が発生したと判定されてエラー発生フラグが設定されるとともにエラー発生コマンドが設定され、エラー発生コマンドが演出制御装置300に送信される。また、一般入賞監視領域のステータスがエラー発生中とされて、これに基づき外部情報が設定され、管理装置に送信される。これにより、一般入賞口35への入賞数を増加させる不正行為を検出でき、被害を最小限にとどめることができる。
【0204】
このように、一般入賞口35と始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)のセンサを用いて異常の発生を検出できようにしたことで、新たなセンサを追加しなくても、不正行為を発見することができる。また、一方の検出手段で所定数の遊技球を検出する期間における他方の検出結果に基づき異常を検出するようにしているので、監視期間を時間により規定しているもののように発射操作や不正行為を行わずに所定時間待機することで不正の検出を逃れるようなことはできず、確実に不正行為を検出することができる。
【0205】
さらに、一般入賞口35よりも入賞頻度の高い始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞数に基づき監視期間を設定するようにしたので、監視期間の経過前に異常の発生を判定することができ、異常の検出タイミングが早まり不正行為による被害を最小限にとどめることができる。なお、監視期間において、一般入賞口35への入賞数が所定の下限値以下となった場合に異常が発生したと判定する条件を加えれば、始動口への入賞数を増加させる不正行為を検出することもできる。
【0206】
以上のことから、遊技盤30に設けられた遊技領域32に配設され、当該遊技領域32を流下する遊技球を検出可能な複数の検出手段(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aなど)を備えた遊技機であって、複数の検出手段として、第1検出手段(例えば始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a)と、該第1検出手段とは異なる第2検出手段(例えば一般入賞口スイッチ35a〜35n)と、を備え、第1検出手段及び第2検出手段による遊技球の検出に基づき異常を検出する異常検出手段(遊技制御装置100)を備え、異常検出手段は、第1検出手段により検出された遊技球数を計数する第1計数手段(遊技制御装置100)と、第2検出手段により検出された遊技球数を計数する第2計数手段(遊技制御装置100)と、所定の開始タイミングから第1計数手段が所定数の遊技球を計数するまでの期間である監視期間において、第2計数手段での計数結果が所定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する異常判定手段(遊技制御装置100)と、を備えたこととなる。
【0207】
また、遊技領域32に、遊技球の入賞に基づき所定数の賞球を遊技者に付与する一般入賞口35と、遊技球の入賞に基づき変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)において複数の識別情報を変動表示した後に結果を表示する変動表示ゲームを実行する権利が付与される始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)と、を備え、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生するように構成し、異常検出手段(遊技制御装置100)は、始動口への遊技球の入賞を検出する検出手段と、一般入賞口35への遊技球の入賞を検出する検出手段のうち、一方を第1検出手段とし、他方を第2検出手段とするようにしたこととなる。
【0208】
また、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)は、一般入賞口35よりも遊技球の入賞頻度が高く、異常検出手段(遊技制御装置100)は、始動口へ入賞した遊技球を検出する検出手段を第1検出手段とし、一般入賞口35へ入賞した遊技球を検出する検出手段を第2検出手段とし、異常判定手段(遊技制御装置100)は、監視期間において、第2計数手段(遊技制御装置100)での計数結果が所定数以上となった場合に、所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定するようにしていることとなる。
【0209】
なお、検出手段として始動入賞口36に設けられた始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37に設けられた始動口2スイッチ37a、一般入賞口35に設けられた一般入賞口スイッチ35a〜35nを用いたが、これに限られるものではない。この他に、普通図柄始動ゲート34に設けられた普図ゲートスイッチ34aや特別変動入賞装置38に設けられたカウントスイッチ38aを用いても良い。すなわち、遊技領域32における当該検出手段が設けられた領域を遊技球が通過したことを検出するものであれば利用可能である。また、センサの種類も限定されるものではなく非接触型の磁気近接センサ、光センサ、機械的なスイッチ(マイクロスイッチ)など何でも良い。また、上述した既存の検出手段とは別途の検出手段を設けて異常の検出に用いることも可能である。そして、異常と判定する所定条件は、用いるセンサによって適切な条件を選択すればよく、例えば、第2計数手段での計数結果が所定数以上であることや、所定数以下であること、所定数の範囲内にあることなどが考えられる。
【0210】
また、入賞情報管理処理においては、始動入賞数は累積値を計数するものとし、始動入賞数が5の倍数となる毎に一般入賞数をクリアするようにしたが、所定数を単一の数(例えば5)とし、始動入賞数が所定数に達した場合に始動入賞数と一般入賞数の両方をクリアするようにしても良い。すなわち、監視期間の終了後、第1計数手段及び第2計数手段の計数結果をクリアするクリア手段(遊技制御装置100)を備えてもよい。このようにすれば、監視期間における計数結果の取得処理において、現在の累積値から監視期間前の累積値を減算する処理が不要となり、制御の負担を軽減することができる。
【0211】
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、監視期間の長さに変化を持たせるようにしている。
【0212】
本変形例の遊技機では、図16に示した入賞情報管理処理に代えて図18に示す入賞情報管理処理を行う。この入賞情報管理処理では、まず、始動入賞数をロードする処理(ステップA241)を行い、ロードした値を−1更新して0となるかをチェックする処理(ステップA242)を行う。そして、値が0でない場合(ステップA243;No)は、更新後の値を始動入賞数領域にセーブする処理(ステップA247)を行い、入賞情報管理処理を終了する。
【0213】
また、値が0である場合(ステップA243;Yes)は、一般入賞数領域をクリアする処理(ステップA244)を行う。その後、カウンタクリア数決定用乱数を取得する処理(ステップA245)を行い、カウンタクリア数決定用乱数に基づき決定されたカウンタクリア数を始動入賞数領域にセーブする処理(ステップA246)を行い、入賞情報管理処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、監視期間の終了条件となる第1計数手段で計数する所定数を選択する選択手段をなす。
【0214】
この処理により、各監視期間において、監視期間の終了条件となる第1計数手段で計数する所定数が変化することとなり、監視期間の長さに変化を持たせることができる。これにより、不正行為を行う遊技者が、異常判定手段で異常が発生したと判定する所定条件を把握して、入賞数のバランスをとって不正行為を継続することを防止できる。
【0215】
以上のことから、異常判定手段(遊技制御装置100)は、所定数を選択する選択手段(遊技制御装置100)を備えていることとなる。
【0216】
なお、カウンタクリア数は乱数の選択結果に基づき設定するようにしているが、始動口への入賞頻度や入賞間隔などに基づき設定するようにしても良い。例えば、始動口への入賞が単位時間においてコンスタントに発生している場合、遊技者に不正を行う意思がないものと判断して、カウンタクリア数を少ない値に設定し、一般入賞口35への正当な入賞を不正と判定する可能性を低くするようにしても良い。また、逆に始動口への入賞が単位時間毎にばらつきがある(例えば、単位時間あたりの始動口への入賞数の基準値を予め算出しておき、これと比較して判定する)場合には、遊技者がカウンタをクリアしようとしてタイミングを計っているものと判断してカウンタクリア数を多い値に設定し、カウンタクリアのタイミングを遅らせることで不正と判定される可能性を高くするようにしても良い。
【0217】
次に、上述した実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態であるか否かにより、条件を変更するようにしている。
【0218】
本変形例の遊技機では、図16に示した入賞情報管理処理に代えて図19に示す入賞情報管理処理を行う。この入賞情報管理処理では、まず、始動入賞数をロードする処理(ステップA251)を行い、時短中であるか(普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態であるか)否かの判定(ステップA252)を行う。そして、時短中でない場合(ステップA252;No)は、判定値を第1所定数に設定する処理(ステップA253)を行い、ロードした値を+1更新して判定値となるかをチェックする処理(ステップA255)を行う。また、時短中である場合(ステップA252;Yes)は、判定値を第2所定数に設定する処理(ステップA254)を行い、ロードした値を+1更新して判定値となるかをチェックする処理(ステップA255)を行う。なお、第1所定数は第2所定数よりも小さい数である。
【0219】
判定値に到達していない場合(ステップA256;No)は、更新後の値を始動入賞数領域にセーブする処理(ステップA257)を行い、入賞情報管理処理を終了する。また、判定値に到達した場合(ステップA256;Yes)は、一般入賞数領域をクリアする処理(ステップA258)を行い、入賞情報管理処理を終了する。
【0220】
このような処理により、普通変動入賞装置37への入賞頻度が高まる時短状態においても適切に異常を検出することが可能となる。すなわち、特定遊技状態においては、通常より始動口に遊技球が入賞しやすい状態となるが、監視期間の終了条件を規定する第1計数手段で計数する所定数を多くすることで特定遊技状態以外と同様に異常を検出することが可能となる。
【0221】
以上のことから、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)と、遊技球が入賞不可能な第1状態と遊技球が入賞可能な第2状態とに状態変換可能な第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)と、を備え、特別遊技状態の終了後の所定期間に亘って第2始動入賞口が第2状態に状態変換される時間が延長される特定遊技状態を発生可能であり、異常判定手段(遊技制御装置100)は、特定遊技状態においては、所定数を特定遊技状態以外における所定数よりも多い数とするようにしたこととなる。
【0222】
次に、上述した実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態であるか否かにより、条件を変更するようにしている。
【0223】
本変形例の遊技機では、図16に示した入賞情報管理処理に代えて図20に示す入賞情報管理処理を行う。この入賞情報管理処理では、まず、時短中であるか(普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態であるか)否かの判定(ステップA261)を行う。そして、時短中でない場合(ステップA261;No)は、図16の処理と同様の処理を行う。また、時短中である場合(ステップA261;Yes)は、特図2始動入賞であるか否かをチェックし(ステップA262)、特図2始動入賞でない場合(ステップA263;No)、すなわち、特図1始動入賞である場合は、図16の処理と同様の処理を行う。一方、特図2始動入賞である場合(ステップA263;Yes)は、入賞情報管理処理を終了する。
【0224】
この入賞情報管理処理では、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である場合は、始動入賞口36への入賞のみを監視期間の終了条件を規定する第1計数手段で計数する所定数に含むようにしている。これにより、適切に異常を検出することが可能となる。つまり、特定遊技状態においては、通常より普通変動入賞装置37に遊技球が入賞しやすい状態となるが、始動入賞口36への入賞頻度は変わらないため、始動入賞口36への入賞数のみを計数するようにすることで、特定遊技状態以外と同様に異常を検出することが可能となる。
【0225】
以上のことから、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)と、遊技球が入賞不可能な第1状態と遊技球が入賞可能な第2状態とに状態変換可能な第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)と、を備え、特別遊技状態の終了後の所定期間に亘って第2始動入賞口が第2状態に状態変換される時間が延長される特定遊技状態を発生可能であり、第1計数手段(遊技制御装置100)及び第2計数手段(遊技制御装置100)は、計数対象の検出手段が始動口に入賞した遊技球を検出するものである場合に、特定遊技状態においては第1始動入賞口に入賞した遊技球数のみを計数するようにしたこととなる。
【0226】
次に、上述した実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、異常の検出回数によって対応が異なる。
【0227】
本変形例の遊技機では、図12に示す入賞監視処理に代えて、図21に示す入賞監視処理を行う。この入賞監視処理では、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数を超えた場合(ステップS755;Yes)の処理が異なっており、この場合は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS756)、今回の処理の対象が一般入賞口35,35,…(入賞口スイッチ35a〜35n)であるかをチェックする(ステップS800)。
【0228】
今回の処理の対象が一般入賞口35,35,…でない場合(ステップS801;No)は、報知タイマ領域に初期値をセーブして(ステップS757)から、エラー2発生フラグを準備する処理(ステップS804)を行う。エラー2発生フラグは、図12に示す入賞監視処理におけるエラー発生フラグに対応するフラグである。一方、今回の処理の対象が一般入賞口35,35,…である場合(ステップS801;Yes)は、エラー1発生であるか否かの判定(ステップS802)を行う。
【0229】
エラー1とは、異常が発生しているが異常の検出回数が所定回数(例えば2回)未満である場合のことであり、このエラー1発生である場合(ステップS802;Yes)は、エラー1発生フラグを準備し(ステップS803)、報知タイマを更新(−1)してタイムアップしたかチェックする(ステップS761)。また、エラー1発生でない場合(ステップS802;No)は、報知タイマ領域に初期値をセーブする処理(ステップS757)以降の処理を行う。すなわち、一般入賞口35のエラーについては、異常の検出回数が所定回数未満である場合はエラー1発生フラグが設定され、異常の検出回数が所定回数以上である場合はエラー2発生フラグが設定される。つまり、遊技制御装置100が、異常判定手段(遊技制御装置100)により異常が発生したと判定した回数を計数する異常回数計数手段をなす。
【0230】
また、ステータス更新処理(ステップS770)では、一般入賞口35のエラー発生時に、エラー1発生フラグが準備された場合は、エラー1発生フラグを設定するとともに、一般入賞監視領域のステータスをエラー1発生中に設定する。さらに、演出制御装置300に送信するエラー発生コマンドとしてエラー1発生コマンドを設定する。また、一般入賞口35のエラー発生時に、エラー2発生フラグが準備された場合は、エラー2発生フラグを設定するとともに、一般入賞監視領域のステータスをエラー2発生中に設定する。さらに、演出制御装置300に送信するエラー発生コマンドとしてエラー2発生コマンドを設定する。なお、一般入賞口35以外のエラー発生時には、エラー2発生フラグのみが準備されるので、エラー発生フラグを設定するとともに、対応する監視領域のステータスをエラー発生中に設定する。
【0231】
演出制御装置300では、エラー1発生コマンドを受信した場合は異常の発生の報知を行わず、エラー2発生コマンドを受信した場合のみ異常の発生の報知を行う。すなわち、演出制御装置300が、異常回数計数手段の計数結果が所定数以上である場合に、不正行為を検出した旨の報知を行う報知手段をなす。これにより、正常な遊技の過程において異常判定される所定条件を満たしてしまった場合に、すぐに不正行為である旨の報知が行われないようになるので、不正行為を行っていない遊技者が不愉快に思うことを防止できる。また、継続して不正行為を行う悪意のある遊技者には報知が行われ、確実に摘発することができる。
【0232】
また、図17に示す外部情報編集処理に代えて図22に示す外部情報編集処理を行う。この外部情報編集処理では、一般入賞監視領域のステータスがエラー発生中であるか否かをチェックする処理(ステップS539)に代えて、一般入賞監視領域のステータスがエラー1発生中であるか否かをチェックする処理(ステップS810)及び一般入賞監視領域のステータスがエラー2発生中であるか否かをチェックする処理(ステップS812)を行う。そして、エラー1発生中である場合(ステップS811;Yes)、エラー2発生中である場合(ステップS813;Yes)には、管理装置に送信されるセキュリティ信号が設定される。
【0233】
これにより、異常が発生しているが異常の検出回数が所定回数(例えば2回)未満である場合は遊技機における報知は行われないが、管理装置への報知は行われるので、遊技者に不快感を与えることなく店員が当該遊技機を注意して監視することができる。
【0234】
以上のことから、異常検出手段(遊技制御装置100)は、異常判定手段により異常が発生したと判定した回数を計数する異常回数計数手段(遊技制御装置100)と、異常判定手段(遊技制御装置100)により異常が発生したと判定された際に、異常回数計数手段の計数結果が所定数以上である場合に、不正行為を検出した旨の報知を行う報知手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
【0235】
次に、上述した実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、一般入賞口35へ入賞した遊技球を検出する検出手段を第1検出手段とし、始動口(始動入賞口36及び普通変動入賞装置37)へ入賞した遊技球を検出する検出手段を第2検出手段とし、所定の開始タイミングから第1計数手段が所定数の遊技球を計数するまでの期間である監視期間の終了時における第2計数手段での計数結果が所定数以下である場合に、所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定するようにしている。
【0236】
図23に示すように、本変形例の遊技機では、始動口と一般入賞口35への入賞数を監視し、一般入賞口35へ所定数(例えば3)の遊技球が入賞する期間に、始動口をなす始動入賞口36及び普通変動入賞装置37への入賞数が所定数(例えば5)未満である場合に、異常が発生したと判定する機能を有している。
【0237】
すなわち、所定の開始タイミング(t11)から、入賞口スイッチ35aでの遊技球の検出数が3となる(t12)までの期間(t11からt12)を監視期間とし、この監視期間において、始動入賞口SW(始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a)での遊技球の検出数が5以上である場合は正常と判定される。これに対して、所定の開始タイミング(t12)から、入賞口スイッチ35aでの遊技球の検出数が3となる(t13)までの監視期間(t12からt13)において、始動入賞口SW(始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a)での遊技球の検出数が5未満である場合は異常が発生したと判定され、遊技機や管理装置で異常の報知が行われるようになっている。
【0238】
本変形例の遊技機では、図11に示す入賞口スイッチ/エラー監視処理に代えて図24に示す入賞口スイッチ/エラー監視処理を行う。この入賞口スイッチ/エラー監視処理では、一般入賞口スイッチのエラー監視テーブルを準備する処理(ステップS477)を行った後、入賞監視処理(ステップS478)に変えて入賞監視処理2(ステップS820)を行う。すなわち、一般入賞口35については、図12に示す入賞監視処理に代えて図25に示す入賞監視処理2を行う。
【0239】
図25には入賞監視処理2の処理内容を示した。なお、図12に示した入賞監視処理と同様の処理については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。この入賞監視処理2では、まず、ステップS741からS754の処理を行う。この入賞監視処理2は一般入賞口35を対象として行われるので、ステップS748からステップS751の処理は行わない。
【0240】
エラー監視対象の不正入賞数(ここでは一般入賞数)に「1」を加算する処理(ステップS754)を行った後、不正入賞数が監視対象の不正判定個数(ここでは3の倍数)となったかをチェックする(ステップS831)。不正判定個数となっていない場合(ステップS832;No)は、ステップS760以降の処理を行い、入賞監視処理2を終了する。なお、入賞監視処理2は一般入賞口35を対象とした処理であるので、ステップS765からステップS768の処理は行わない。一方、不正判定個数となっている場合(ステップS832;Yes)は、始動入賞数をロードし(ステップS833)、所定数(ここでは5)以上であるかをチェックする(ステップS834)。
【0241】
そして、所定数以上である場合(ステップS835;Yes)は、始動入賞領域をクリアする処理(ステップS836)を行う。始動入賞領域には、始動入賞が発生(始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aで遊技球を検出)する毎に始動入賞数が+1されるようになっており、始動入賞領域をクリアする処理(ステップS836)では、この始動入賞数がクリアされる。その後、ステップS760以降の処理を行って入賞監視処理2を終了する。なお、入賞監視処理2は一般入賞口35を対象とした処理であるので、ステップS765からステップS768の処理は行わない。
【0242】
また、所定数以上でない場合(ステップS835;No)は、報知タイマ領域に初期値をセーブし(ステップS757)、エラー発生フラグを準備する(ステップS758)。その後、エラー監視対象の入賞口スイッチのエラーフラグ領域を準備し(ステップS769)、ステータス更新処理(ステップS770)を行い、入賞監視処理2を終了する。この場合、ステータス更新処理(ステップS770)では、エラー発生コマンドを設定する処理を行い、演出制御装置300へ送信されるようにする。演出制御装置300ではエラー発生コマンドの受信に基づきエラー報知を行う。また、ステータス更新処理(ステップS770)では、エラーが発生している入賞口に対応するステータスをエラー発生中に設定する。
【0243】
また、図16に示す入賞情報管理処理に代えて図26に示す入賞情報管理を行う。この入賞情報管理処理では、始動入賞数をロードする処理(ステップA270)を行い、ロードした値を+1更新し(ステップA271)、更新後の値を始動入賞数領域にセーブする処理(ステップA272)を行う。
【0244】
以上の処理により、一般入賞口35へ不正判定個数(ここでは3)の遊技球が入賞するまでの監視期間に始動口(始動入賞口36及び普通変動入賞装置37)への入賞数が所定数(ここでは5)未満である場合に異常であると判定される。また、監視期間の終了時に始動口(始動入賞口36及び普通変動入賞装置37)への入賞数が所定数(ここでは5)以上であれば正常と判定され、始動入賞領域がクリアされる。
【0245】
これにより、一般入賞口35への入賞数を増加させる不正行為を検出できる。なお、監視期間において、第2計数手段での計数結果が所定の上限値以上となった場合に、所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定する条件を加えれば、始動口への入賞数を増加させる不正行為を検出することもできる。
【0246】
以上のことから、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)は、一般入賞口35よりも遊技球の入賞頻度が高く、異常検出手段(遊技制御装置100)は、一般入賞口35へ入賞した遊技球を検出する検出手段を第1検出手段とし、始動口へ入賞した遊技球を検出する検出手段を第2検出手段とし、異常判定手段(遊技制御装置100)は、監視期間の終了時における第2計数手段(遊技制御装置100)での計数結果が所定数以下である場合に、所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定するようにしたこととなる。
【0247】
次に、上述した実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、時短中でない場合に上述の第5変形例と同様の処理を行う。
【0248】
本変形例の遊技機では、図11に示す入賞口スイッチ/エラー監視処理に代えて図27に示す入賞口スイッチ/エラー監視処理を行う。この入賞口スイッチ/エラー監視処理では、一般入賞口スイッチのエラー監視テーブルを準備する処理(ステップS477)を行った後に、時短中であるか(普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態であるか)否かの判定(ステップS850)を行う。そして、時短中である場合(ステップS850;Yes)は、入賞監視処理(ステップS478、図12参照)を行い、時短中でない場合(ステップS850;Yes)は、入賞監視処理2(ステップS820、図25参照)を行う。
【0249】
また、図16に示す入賞情報管理処理に代えて図28に示す入賞情報管理を行う。この入賞情報管理処理では、まず、時短中であるか(普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態であるか)否かの判定(ステップA280)を行う。そして、時短中である場合(ステップA280;Yes)は、所定数を設定する処理(ステップA281)を行った後、図16に示した処理と同様の処理を行う。一方、時短中でない場合(ステップA280;No)は、図26に示した処理と同様の処理を行う。
【0250】
このような処理とすることで、遊技状態に応じて異常と判定する条件を変更することができ、より効果的に異常を検出することができる。例えば、上述したような例の他、時短中である場合には、第2変形例や第3変形例で示したような処理とすることも可能となり、効果的に異常を検出することが可能となる。
【0251】
以上のことから、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)は、一般入賞口よりも遊技球の入賞頻度が高く、第1始動入賞口(始動入賞口36)と、遊技球が入賞不可能な第1状態と遊技球が入賞可能な第2状態とに状態変換可能な第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)と、を備え、特別遊技状態の終了後の所定期間に亘って第2始動入賞口が第2状態に状態変換される時間が延長される特定遊技状態を発生可能であり、特定遊技状態以外においては、異常検出手段(遊技制御装置100)は、一般入賞口35へ入賞した遊技球を検出する検出手段を第1検出手段とし、始動口へ入賞した遊技球を検出する検出手段を第2検出手段とし、異常判定手段(遊技制御装置100)は、監視期間の終了時における第2計数手段(遊技制御装置100)での計数結果が所定数以下である場合に、所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定し、特定遊技状態においては、異常検出手段は、始動口へ入賞した遊技球を検出する検出手段を第1検出手段とし、一般入賞口へ入賞した遊技球を検出する検出手段を第2検出手段とし、異常判定手段は、監視期間において、第2計数手段での計数結果が所定数以上となった場合に、所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定するようにしたこととなる。
【0252】
次に、上述した実施形態の遊技機の第7変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第5変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、監視期間の継続時間を計測し、継続時間に基づき設定される特定条件を満たした場合に異常が発生したと判定するようにしている。
【0253】
本変形例の遊技機では、図29に示すように、一般入賞口に不正判定個数(ここでは3)の遊技球が入賞するまでの監視期間の継続時間(処理間計測時間)に基づき、この期間における始動口への入賞数の上限(上限始動入賞数)が設定されている。例えば、監視期間の継続時間が21秒から30秒であった場合は、16個以上の始動口への入賞があった場合に異常が発生したと判定するようになっている。
【0254】
図30に示すように、所定の開始タイミング(t21)から、入賞口スイッチ35aでの遊技球の検出数が3となる(t22)までの期間(t21からt22)を監視期間とし、この監視期間の継続時間が23秒であった場合、始動入賞口SW(始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a)での遊技球の検出数が15個以下である場合は正常と判定される。なお、監視期間において、始動入賞口SW(始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a)での遊技球の検出数が5未満である場合に異常が発生したと判定する処理も行われる。よって、、監視期間における始動入賞口SW(始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a)での遊技球の検出数が5以上かつ15以下であれば正常と判定される。
【0255】
これに対して、所定の開始タイミング(t22)から、入賞口スイッチ35aでの遊技球の検出数が3となる(t23)までの監視期間(t22からt23)の継続時間が35秒であり、この監視期間における始動入賞口SW(始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a)での遊技球の検出数が23個であった場合は、上限始動入賞数である20個を超えているので、異常が発生したと判定され、遊技機や管理装置で異常の報知が行われるようになっている。
【0256】
本変形例の遊技機では、図25に示す入賞監視処理2に代えて図31に示す入賞監視処理2を行う。この入賞監視処理2では、不正判定個数となっている場合(ステップS832;Yes)に、監視タイマの計測時間を処理間計測時間としてロードし(ステップS860)、監視タイマをセットする(ステップS861)。この処理により、監視期間の継続時間が取得されるとともに、次の監視期間の継続時間の計測が開始される。すなわち、遊技制御装置100が、監視期間の継続時間を計測する計時手段をなす。
【0257】
また、始動入賞数が所定数(ここでは5)以上である場合(ステップS835;Yes)に、処理間計測時間に対応する規定始動入賞数を取得する処理(ステップS862)を行う。この処理では、図29に示すように処理間計測時間に基づき規定される上限始動入賞数を取得する。そして、始動入賞数をロードし(ステップS863)、上限始動入賞数を超えているかをチェックする(ステップS864)。
【0258】
上限始動入賞数を超えていない場合(ステップS865;No)は、始動入賞領域をクリアする処理(ステップS836)以下の処理を行う。上限始動入賞数を超えている場合(ステップS865;Yes)は、報知タイマに初期値をセーブし(ステップS866)、エラー発生フラグを準備して(ステップS867)、始動入賞領域をクリアする処理(ステップS836)以下の処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、第2計数手段(遊技制御装置100)での計数結果が、継続時間に基づき設定される特定条件を満たした場合(図29に規定する上限始動入賞数を超えた場合)に異常が発生したと判定する第2異常判定手段をなす。
【0259】
このような処理により、確実に異常を検出することができる。すなわち、異常の判定に用いる二つの検出手段のうち、正常な場合において遊技球の検出頻度が高い検出手段が設けられた領域の遊技球の通過頻度を高める不正行為や、両方の検出手段が設けられた領域の遊技球の通過頻度を高める不正行為を確実に検出できるようになる。
【0260】
以上のことから、異常検出手段(遊技制御装置100)は、監視期間の継続時間を計測する計時手段(遊技制御装置100)を備え、第2計数手段(遊技制御装置100)での計数結果が、継続時間に基づき設定される特定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する第2異常判定手段(遊技制御装置100)を備えていることとなる。なお、本変形例の構成は第6変形例の遊技機にも適用可能である。
【0261】
次に、上述した実施形態の遊技機の第8変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第7変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、異常の検出回数によって報知態様が異なる。
【0262】
図32に示すように、所定の開始タイミング(t31)から、入賞口スイッチ35aでの遊技球の検出数が3となる(t32)までの監視期間(t31からt32)の継続時間が23秒であった場合、始動入賞口SW(始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a)での遊技球の検出数が5以上かつ15以下である場合は正常と判定される。
【0263】
このように正常と判定された監視期間の後の監視期間(t32からt33)において、一般入賞口35への入賞数を増加させる不正行為が行われ、始動入賞口SW(始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a)での遊技球の検出数が5未満となると、異常が発生したと判定されて報知が行われる(t33)。この場合、正常と判定された監視期間の後における一回目の異常の検出であるので、図33(a)に示すように、異常と判定された旨が報知されるとともに、異常と判定された条件を満たさないようにするための示唆報知が行われる。この場合の示唆報知では、始動口へ遊技球を入賞させるようにする旨の情報が報知される。
【0264】
さらに、このような示唆報知を行った後の監視期間(ステップSt33からt34)において、異常状態を解消しようとして始動口への入賞数を増加させる不正行為を行うと、この監視期間における始動入賞口SW(始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a)での遊技球の検出数が図29に示した処理間計測時間により規定される上限始動入賞数を超えて再度異常が発生したと判定される。この異常の検出は二回目の検出であり、この場合は図33(b)に示すように、異常と判定された旨が報知されるとともに、不正行為を検出した旨の報知が行われる(t34)。このような報知態様とすることで、不正行為を確実に検出することができる。
【0265】
このような報知態様とするために、図31に示す入賞監視処理2における所定数以上でない場合(ステップS835;No)及び上限始動入賞数を超えている場合(ステップS865;Yes)に、図21に示す入賞監視処理におけるステップS800からステップS803の処理を行うようにする。また、エラー発生フラグを準備する処理(ステップS758及びステップS867)は、エラー2発生フラグを準備する処理とする。これにより、一回目の異常検出時にはエラー1発生フラグが設定され、二回目の異常検出時にはエラー2発生フラグが設定されることとなる。
【0266】
また、ステータス更新処理(ステップS770)ではエラー1発生フラグが準備された場合は、エラー1発生フラグを設定するとともに、一般入賞監視領域のステータスをエラー1発生中に設定する。さらに、演出制御装置300に送信するエラー発生コマンドとしてエラー1発生コマンドを設定する。また、エラー2発生フラグが準備された場合は、エラー2発生フラグを設定するとともに、一般入賞監視領域のステータスをエラー2発生中に設定する。さらに、演出制御装置300に送信するエラー発生コマンドとしてエラー2発生コマンドを設定する。
【0267】
そして、演出制御装置300では、エラー1発生コマンドを受信した場合は、図33(a)に示すような示唆報知を行う。また、エラー2発生コマンドを受信した場合は、図33(b)に示すような不正行為を検出した旨の報知を行うようにする。なお、エラーの内容に関する情報も演出制御装置300に送信され、これに基づき示唆報知の内容が決定される。すなわち、演出制御装置300が、異常回数計数手段(遊技制御装置100)の計数結果が所定数以上である場合に、不正行為を検出した旨の報知を行う報知手段をなすとともに、異常回数計数手段の計数結果が所定数未満である場合に、示唆報知を行う示唆報知手段をなす。
【0268】
このような処理とすることで、上述したような報知態様が実現可能となる。これにより、正常な遊技の過程において異常判定される所定条件を満たしてしまった場合に、すぐに不正行為である旨の報知が行われて不正行為を行っていない遊技者が不愉快に思うことを防止できる。また、継続して不正行為を行おうとしている悪意のある遊技者のみを確実に摘発することができる。
【0269】
以上のことから、異常検出手段(遊技制御装置100)は、異常判定手段により異常が発生したと判定した回数を計数する異常回数計数手段(遊技制御装置100)と、異常判定手段(遊技制御装置100)により異常が発生したと判定された際に、異常回数計数手段の計数結果が所定数以上である場合に、不正行為を検出した旨の報知を行う報知手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
【0270】
また、異常検出手段(遊技制御装置100)は、異常判定手段(遊技制御装置100)により異常が発生したと判定された際に、異常回数計数手段(遊技制御装置100)の計数結果が所定数未満である場合に、示唆報知を行う示唆報知手段(演出制御装置300)を備えることとなる。
【0271】
なお、図32に示す例では、正常と判定された監視期間の後に、一般入賞口35への入賞数を増加させる不正行為を検出し、その後、始動口への入賞数を増加させる不正行為を検出した場合を示したが、これに限られるものではなく、異常の内容にかかわらず一回目の異常検出では示唆報知を行い、二回目の異常検出では不正行為を検出した旨の報知を行う。また、不正行為を検出した旨の報知を行う異常の検出回数を二回目としたが、これ以上の回数としても良い。
【0272】
次に、上述した実施形態の遊技機の第9変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、監視期間の設定方法が異なる。
【0273】
上述した実施形態の遊技機では、監視期間が終了した後に新たな監視期間を開始するようにしていたが、本変形例の遊技機では、第1検出手段で遊技球を検出する毎に、この検出から所定数前の遊技球の検出時までを監視期間とし、この監視期間における一般入賞口35への入賞数に基づき異常を検出するようにしている。
【0274】
図34には、異常検出の一例を示した。なお、本変形例では、始動入賞を基準として、この基準となる始動入賞よりも所定数(ここでは5)前の始動入賞が発生したときまでの期間を監視期間としている。そして、この監視期間において一般入賞口35への入賞数(一般入賞数)が6以上となると異常が発生したと判定するようにしている。監視期間は、最初の始動入賞(t41)の発生後、6個目の始動入賞が発生する(t46)と設定可能となる(t41からt46)。その後、新たな始動入賞が発生すると(t47)監視期間が移動する(t42からt47)。以降これを繰り返して監視期間が順次移動する。
【0275】
このように設定される監視期間のうち、監視期間A(t41からt46)では、一般入賞数が6未満であり、この場合は正常であると判定される。その後、監視期間が移動して監視期間B(t44からt49)となると、一般入賞数が6以上となり、異常が発生したと判定される。このように監視期間を設定することで、異常の発生の検出タイミングが早まり、被害を最小限に抑えることができる。
【0276】
本変形例の遊技機では、図16に示す入賞情報管理処理に代えて図35に示す入賞情報管理処理を行う。この入賞情報管理処理では、まず、一般入賞カウンタ値をロードする(ステップA290)。一般入賞カウンタには一般入賞口35への入賞が発生する毎に値が+1されるようになっている。その後、一般入賞カウンタの値を一般入賞保存値としてセーブし(ステップA291)、一般入賞カウンタ値をクリアする(ステップA292)。
【0277】
この処理により、始動入賞の発生から次の始動入賞の発生までの間における一般入賞数が記憶される。なお、一般入賞保存値は、新しいものから順に所定数前までの始動入賞の発生時に保存された一般入賞保存値まで個別に記憶されている。一般入賞保存値が記憶される所定数は、少なくとも監視期間を規定する始動入賞の個数以上の数である。すなわち、遊技制御装置100が、連続する第1検出手段による遊技球の検出間の第2計数手段(遊技制御装置100)による計数結果を保存値として記憶する結果記憶手段をなす。
【0278】
また、図11に示す入賞口スイッチ/エラー監視処理では、一般入賞口スイッチのエラー監視テーブルを準備する処理(ステップS477)を行った後、入賞監視処理(ステップS478)に変えて入賞監視処理2を行う。すなわち、一般入賞口35については、図12に示す入賞監視処理に代えて図36に示す入賞監視処理2を行う。
【0279】
図36には入賞監視処理2の処理内容を示した。なお、図12に示した入賞監視処理と同様の処理については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。この入賞監視処理2では、まず、ステップS741からS753の処理を行う。この入賞監視処理2は一般入賞口35を対象として行われるので、ステップS748からステップS751の処理は行わない。
【0280】
加算値が0である場合(ステップS753;Yes)は、ステップS761からステップS770の処理を行う。なお、入賞監視処理2は一般入賞口35を対象とした処理であるので、ステップS765からステップS768の処理は行わない。一方、加算値が0でない場合(ステップS753;No)は、加算値を一般入賞カウンタに加算し(ステップS870)、一般入賞カウンタ値をロードする(ステップS871)。その後、所定数前までの一般入賞保存値を、ロードした一般入賞カウンタ値に加算(ステップS872)し、所定数以上であるかをチェックする(ステップS873)。ここで、所定数前までの一般入賞保存値は、監視期間を規定する始動入賞の個数であり、ここでは4つ前までの一般入賞保存値である。
【0281】
そして、所定数以上でない場合(ステップS874;No)、すなわち、異常でない場合は、ステップS760からステップS770の処理を行う。なお、入賞監視処理2は一般入賞口35を対象とした処理であるので、ステップS765からステップS768の処理は行わない。また、所定数以上である場合(ステップS874;Yes)、すなわち、異常である場合は、報知タイマ領域に初期値をセーブし(ステップS757)、エラー発生フラグを準備する(ステップS758)。その後、エラー監視対象の入賞口スイッチのエラーフラグ領域を準備し(ステップS769)、ステータス更新処理(ステップS770)を行い、入賞監視処理2を終了する。この場合、ステータス更新処理(ステップS770)では、エラー発生コマンドを設定する処理を行い、演出制御装置300へ送信されるようにする。演出制御装置300ではエラー発生コマンドの受信に基づきエラー報知を行う。また、ステータス更新処理(ステップS770)では、エラーが発生している入賞口に対応するステータスをエラー発生中に設定する。
【0282】
以上のことから、連続する第1検出手段による遊技球の検出間の第2計数手段(遊技制御装置100)による計数結果を保存値として記憶する結果記憶手段(遊技制御装置100)を備え、異常判定手段(遊技制御装置100)は、直近の第1検出手段による遊技球の検出以降の第2計数手段による計数結果と、結果記憶手段に記憶された保存値のうち監視期間に含まれる保存値と、の合計値が所定条件を満たした場合に異常が発生したと判定するようにしたこととなる。
【0283】
以上のような遊技機10は、遊技盤30に設けられた遊技領域32に配設され、当該遊技領域32を流下する遊技球を検出可能な複数の検出手段(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38a)を備えた遊技機であって、複数の検出手段として、第1検出手段と、該第1検出手段とは異なる第2検出手段と、を備え、第1検出手段及び第2検出手段による遊技球の検出に基づき異常を検出する異常検出手段(遊技制御装置100)を備え、異常検出手段は、第1検出手段により検出された遊技球数を計数する第1計数手段(遊技制御装置100)と、第2検出手段により検出された遊技球数を計数する第2計数手段(遊技制御装置100)と、所定の開始タイミングから第1計数手段が所定数の遊技球を計数するまでの期間である監視期間において、第2計数手段での計数結果が所定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する異常判定手段(遊技制御装置100)と、を備えている。
【0284】
したがって、所定の開始タイミングから第1計数手段が所定数の遊技球を計数するまでの期間である監視期間において、第2計数手段での計数結果が所定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する異常判定手段を備えたので、新たな機能を追加することなく、より正確に不正行為を検出できる。すなわち、遊技機10には遊技に用いる検出手段として、始動入賞口(始動入賞口36や普通変動入賞装置37)や一般入賞口35、大入賞口(特別変動入賞装置38)、ゲートスイッチ34aなどが設けられており、これらの既存のセンサを用いて異常の発生を検出できるため、新たな機能を追加する必要が無い。また、一方の検出手段で所定数の遊技球を検出する期間における他方の検出結果に基づき異常を検出するようにしているので、監視期間を時間により規定しているもののように発射操作や不正行為を行わずに所定時間待機することで不正の検出を逃れるようなことはできず、確実に不正行為を検出することができる。なお、このような効果は既存の検出手段とは別途の検出手段を設けて異常の検出に用いることによっても実現可能である。
【0285】
また、遊技領域32に、遊技球の入賞に基づき所定数の賞球を遊技者に付与する一般入賞口35と、遊技球の入賞に基づき変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)において複数の識別情報を変動表示した後に結果を表示する変動表示ゲームを実行する権利が付与される始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)と、を備え、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生するように構成し、異常検出手段(遊技制御装置100)は、始動口への遊技球の入賞を検出する検出手段と、一般入賞口35への遊技球の入賞を検出する検出手段のうち、一方を第1検出手段とし、他方を第2検出手段とするようにしている。
【0286】
したがって、異常検出手段は、始動口への遊技球の入賞を検出する検出手段と、一般入賞口への遊技球の入賞を検出する検出手段のうち、一方を第1検出手段とし、他方を第2検出手段とするので、既存のセンサを用いて異常の発生を検出できるため、新たな機能を追加する必要がない。また、遊技球の入賞により賞球などの遊技価値が付与される始動口や一般入賞口を監視対象とすることができ、不正行為による被害を未然に防止できる。特に、始動口や一般入賞口は、遊技中においてはそれぞれ略一定のタイミングで遊技球が入賞する入賞口であるので、所定の開始タイミングから第1計数手段が所定数の遊技球を計数するまでの期間である監視期間において、第2計数手段での計数結果が所定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する異常判定手段による異常の検出に最適である。
【0287】
また、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)は、一般入賞口35よりも遊技球の入賞頻度が高く、異常検出手段(遊技制御装置100)は、始動口へ入賞した遊技球を検出する検出手段を第1検出手段とし、一般入賞口35へ入賞した遊技球を検出する検出手段を第2検出手段とし、異常判定手段(遊技制御装置100)は、監視期間において、第2計数手段(遊技制御装置100)での計数結果が所定数以上となった場合に、所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定するようにしている。
【0288】
したがって、一般入賞口への入賞数を増加させる不正行為を検出できる。また、二つの検出手段のうち、入賞頻度の高い入賞口の検出手段を第1計数手段とすることで、監視期間の経過前に異常の発生を判定することができるので、異常の検出タイミングが早まり不正行為による被害を最小限にとどめることができる。なお、異常判定手段は、監視期間において、第2計数手段での計数結果が所定の下限値以下となった場合に、所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定するとすれば、始動口への入賞数を増加させる不正行為を検出できる。
【0289】
また、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)は、一般入賞口35よりも遊技球の入賞頻度が高く、異常検出手段(遊技制御装置100)は、一般入賞口35へ入賞した遊技球を検出する検出手段を第1検出手段とし、始動口へ入賞した遊技球を検出する検出手段を第2検出手段とし、異常判定手段(遊技制御装置100)は、監視期間の終了時における第2計数手段(遊技制御装置100)での計数結果が所定数以下である場合に、所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定するようにしている。
【0290】
したがって、一般入賞口への入賞数を増加させる不正行為を検出できる。なお、異常判定手段は、監視期間において、第2計数手段での計数結果が所定の上限値以上となった場合に、所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定するとすれば、始動口への入賞数を増加させる不正行為を検出できる。
【0291】
また、異常検出手段(遊技制御装置100)は、監視期間の終了後、第1計数手段及び第2計数手段の計数結果をクリアするクリア手段(遊技制御装置100)を備えている。
【0292】
したがって、監視期間における計数結果の取得処理において、現在の累積値から監視期間の開始前の累積値を減算する処理が不要となり、制御の負担を軽減することができる。
【0293】
また、異常判定手段(遊技制御装置100)は、所定数を選択する選択手段(遊技制御装置100)を備えている。
【0294】
したがって、異常判定手段は、所定数を選択する選択手段を備えるので、不正行為を行う遊技者が異常判定手段で異常が発生したを判定する所定条件を把握して、入賞数のバランスをとって不正行為を継続することを防止できる。
【0295】
また、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)と、遊技球が入賞不可能な第1状態と遊技球が入賞可能な第2状態とに状態変換可能な第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)と、を備え、特別遊技状態の終了後の所定期間に亘って第2始動入賞口が第2状態に状態変換される時間が延長される特定遊技状態を発生可能であり、異常判定手段(遊技制御装置100)は、特定遊技状態においては、所定数を特定遊技状態以外における所定数よりも多い数とするようにしている。
【0296】
したがって、異常判定手段は、特定遊技状態においては、所定数を特定遊技状態以外における所定数よりも多い数とするので、遊技状態に応じて適切に異常を検出することが可能となる。すなわち、特定遊技状態においては、通常より始動口に遊技球が入賞しやすい状態となるため、監視期間の終了条件となる第1計数手段で計数する所定数を多くすることで特定遊技状態以外と同様に異常を検出することが可能となる。
【0297】
また、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)と、遊技球が入賞不可能な第1状態と遊技球が入賞可能な第2状態とに状態変換可能な第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)と、を備え、特別遊技状態の終了後の所定期間に亘って第2始動入賞口が第2状態に状態変換される時間が延長される特定遊技状態を発生可能であり、第1計数手段(遊技制御装置100)及び第2計数手段(遊技制御装置100)は、計数対象の検出手段が始動口に入賞した遊技球を検出するものである場合に、特定遊技状態においては第1始動入賞口に入賞した遊技球数のみを計数するようにしている。
【0298】
したがって、第1計数手段及び第2計数手段は、計数対象の検出手段が始動口に入賞した遊技球を検出するものである場合に、特定遊技状態においては第1始動入賞口に入賞した遊技球数のみを計数するので、適切に異常を検出することが可能となる。すなわち、特定遊技状態においては、通常より第2始動入賞口に遊技球が入賞しやすい状態となるが、第1始動入賞口への入賞頻度は変わらないため、第1始動入賞口への入賞数のみを計数するようにすることで、特定遊技状態以外と同様に異常を検出することが可能となる。
【0299】
また、異常検出手段(遊技制御装置100)は、監視期間の継続時間を計測する計時手段(遊技制御装置100)を備え、第2計数手段(遊技制御装置100)での計数結果が、継続時間に基づき設定される特定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する第2異常判定手段(遊技制御装置100)を備えている。
【0300】
したがって、異常検出手段は、監視期間の継続時間を計測する計時手段を備え、第2計数手段での計数結果が、継続時間に基づき設定される特定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する第2異常判定手段を備えるので、確実に異常を検出することができる。すなわち、異常の判定に用いる二つの検出手段のうち、正常な場合において遊技球の検出頻度が高い検出手段が設けられた領域の遊技球の通過頻度を高める不正行為や、両方の検出手段が設けられた領域の遊技球の通過頻度を高める不正行為を確実に検出できるようになる。
【0301】
また、異常検出手段(遊技制御装置100)は、異常判定手段により異常が発生したと判定した回数を計数する異常回数計数手段(遊技制御装置100)と、異常判定手段(遊技制御装置100)により異常が発生したと判定された際に、異常回数計数手段の計数結果が所定数以上である場合に、不正行為を検出した旨の報知を行う報知手段(演出制御装置300)と、を備えている。
【0302】
したがって、異常判定手段により異常が発生したと判定された際に、異常回数計数手段の計数結果が所定数以上である場合に、不正行為を検出した旨の報知を行う報知手段を備えるので、不正の誤報知を防止できる。すなわち、正常な遊技の過程において異常判定される所定条件を満たしてしまう可能性もあり、このような場合に、すぐに不正行為である旨の報知が行われて不正行為を行っていない遊技者が不愉快に思うことを防止できる。また、継続して不正行為を行う悪意のある遊技者のみ確実に摘発することができる。
【0303】
また、異常検出手段(遊技制御装置100)は、異常判定手段(遊技制御装置100)により異常が発生したと判定された際に、異常回数計数手段(遊技制御装置100)の計数結果が所定数未満である場合に、示唆報知を行う示唆報知手段(演出制御装置300)を備えることを特徴とする。
【0304】
したがって、異常検出手段は、異常判定手段により異常が発生したと判定された際に、異常回数計数手段の計数結果が所定数未満である場合に、示唆報知を行う示唆報知手段を備えるので、不正行為を行っていない遊技者が不愉快に思うことを防止できる。また、継続して不正行為を行おうとしている悪意のある遊技者に警告することができ、不正行為を防止することができる。
【0305】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【0306】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0307】
10 遊技機
30 遊技盤
32 遊技領域
34a ゲートスイッチ(検出手段)
35 一般入賞口
35a〜35n 一般入賞口スイッチ(検出手段)
36 始動入賞口(始動口、第1始動入賞口)
36a 始動入賞口1スイッチ(検出手段)
37 普通変動入賞装置(始動口、第2始動入賞口)
37a 始動入賞口2スイッチ(検出手段)
38a カウントスイッチ(検出手段)
41 表示装置(変動表示装置)
51 特図1表示器(変動表示装置)
52 特図2表示器(変動表示装置)
100 遊技制御装置(異常検出手段、第1計数手段、第2計数手段、異常判定手段、クリア手段、選択手段、計時手段、第2異常判定手段、異常回数計数手段)
300 演出制御装置(報知手段、示唆報知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に設けられた遊技領域に配設され、当該遊技領域を流下する遊技球を検出可能な複数の検出手段を備えた遊技機において、
前記複数の検出手段として、第1検出手段と、該第1検出手段とは異なる第2検出手段と、を備え、
前記第1検出手段及び前記第2検出手段による遊技球の検出に基づき異常を検出する異常検出手段を備え、
前記異常検出手段は、
前記第1検出手段により検出された遊技球数を計数する第1計数手段と、
前記第2検出手段により検出された遊技球数を計数する第2計数手段と、
所定の開始タイミングから前記第1計数手段が所定数の遊技球を計数するまでの期間である監視期間において、前記第2計数手段での計数結果が所定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する異常判定手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技領域に、
遊技球の入賞に基づき所定数の賞球を遊技者に付与する一般入賞口と、
遊技球の入賞に基づき変動表示装置において複数の識別情報を変動表示した後に結果を表示する変動表示ゲームを実行する権利が付与される始動口と、を備え、
前記変動表示ゲームの実行結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生するように構成し、
前記異常検出手段は、
前記始動口への遊技球の入賞を検出する検出手段と、前記一般入賞口への遊技球の入賞を検出する検出手段のうち、一方を前記第1検出手段とし、他方を前記第2検出手段とすることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記始動口は、前記一般入賞口よりも遊技球の入賞頻度が高く、
前記異常検出手段は、
前記始動口へ入賞した遊技球を検出する検出手段を前記第1検出手段とし、
前記一般入賞口へ入賞した遊技球を検出する検出手段を前記第2検出手段とし、
前記異常判定手段は、
前記監視期間において、前記第2計数手段での計数結果が所定数以上となった場合に、前記所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記始動口は、前記一般入賞口よりも遊技球の入賞頻度が高く、
前記異常検出手段は、
前記一般入賞口へ入賞した遊技球を検出する検出手段を前記第1検出手段とし、
前記始動口へ入賞した遊技球を検出する検出手段を前記第2検出手段とし、
前記異常判定手段は、
前記監視期間の終了時における前記第2計数手段での計数結果が所定数以下である場合に、前記所定条件を満たしたとして異常が発生したと判定することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記異常検出手段は、
前記監視期間の終了後、前記第1計数手段及び第2計数手段の計数結果をクリアするクリア手段を備えることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記異常判定手段は、
前記所定数を選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記始動口は、
第1始動入賞口と、遊技球が入賞不可能な第1状態と遊技球が入賞可能な第2状態とに状態変換可能な第2始動入賞口と、を備え、
前記特別遊技状態の終了後の所定期間に亘って前記第2始動入賞口が前記第2状態に状態変換される時間が延長される特定遊技状態を発生可能であり、
前記異常判定手段は、
前記特定遊技状態においては、前記所定数を前記特定遊技状態以外における前記所定数よりも多い数とすることを特徴とする請求項2から6の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項8】
前記始動口は、
第1始動入賞口と、遊技球が入賞不可能な第1状態と遊技球が入賞可能な第2状態とに状態変換可能な第2始動入賞口と、を備え、
前記特別遊技状態の終了後の所定期間に亘って前記第2始動入賞口が前記第2状態に状態変換される時間が延長される特定遊技状態を発生可能であり、
前記第1計数手段及び前記第2計数手段は、
計数対象の検出手段が前記始動口に入賞した遊技球を検出するものである場合に、前記特定遊技状態においては前記第1始動入賞口に入賞した遊技球数のみを計数することを特徴とする請求項2から7の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項9】
前記異常検出手段は、
前記監視期間の継続時間を計測する計時手段を備え、
前記第2計数手段での計数結果が、前記継続時間に基づき設定される特定条件を満たした場合に異常が発生したと判定する第2異常判定手段を備えることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項10】
前記異常検出手段は、
前記異常判定手段により異常が発生したと判定した回数を計数する異常回数計数手段と、
前記異常判定手段により異常が発生したと判定された際に、前記異常回数計数手段の計数結果が所定数以上である場合に、不正行為が発生した旨の報知を行う報知手段と、を備えることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項11】
前記異常検出手段は、
前記異常判定手段により異常が発生したと判定された際に、前記異常回数計数手段の計数結果が前記所定数未満である場合に、示唆報知を行う示唆報知手段を備えることを特徴とする請求項10に記載の遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate