説明

遊技機

【課題】不正行為を容易に発見できる遊技機を提供する。
【解決手段】主制御装置261は、始動入賞に基づいて特別遊技状態の発生の当否抽選を行う当否抽選部400と、変動表示時間の異なる複数種類の変動パターンの中から、当否抽選結果を踏まえた一の変動パターンを決定する変動パターン決定部410と、決定された変動パターンを示す変動パターン指示コマンドをサブ制御装置262に出力するとともに、その変動表示終了の際に確定コマンドをサブ制御装置262に出力する指令出力部420と、この出力指令に基づいて主制御装置261の変動表示状態を報知する変動モニタ430とを備えているので、変動モニタ430による主制御装置261の変動表示状態報知と、第3図柄表示装置42での変動表示との時期的な不整合を示すことができ、その不整合の有無に基づいて不正行為の有無を確認でき、不正行為を容易に発見できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機は、例えば、遊
技盤に設けられた始動口に遊技球が入賞すること(始動入賞)により、遊技盤中の可変表
示装置に表示される図柄が変動を開始し、所定時間経過後に停止した図柄の態様が予め定
められた大当り図柄であった場合に大当り状態(特別遊技状態)となるものがある。そし
て、この大当り状態となると大入賞口が所定回数開放するようになっていて、大入賞口に
遊技球を入賞させることで、遊技者が大量の出球を獲得できるようになっている。
【0003】
このパチンコ機は、例えば、遊技内容を統括制御する主制御装置と、この主制御装置か
らの指令等に基づいて遊技球の賞球払出を制御する払出制御装置と、主制御装置からの指
令等に基づいて音声出力等を制御するサブ制御装置と、主制御装置からの指令等に基づい
て図柄の変動表示を制御する表示制御装置とを備えている。
【0004】
また、前記の大当たりの発生の有無は、遊技球が始動口(例えば図柄作動ゲート)を通
過するタイミングで決定される。即ち、1カウントずつ定期的に一定の範囲で(例えば、
1カウントずつ、2ms毎に、0から200の範囲で)更新される乱数カウンタを備え、
遊技球が図柄作動ゲートを通過したときに、そのカウンタの値を読み出して、読み出され
たカウンタの値が、例えば「7」などの所定値と一致する場合に、大当たりを発生するよ
うにしている。大当たりが発生すると、主制御装置のコネクタに接続されたケーブルを介
して、大当たりコマンドが表示制御装置へ送信される。表示制御装置では、受信された大
当たりコマンドに基づいて、可変表示装置の変動表示を制御し、所定の図柄の組み合わせ
で停止する大当たり表示を現出させるのである。
【0005】
ところが、最近、「ぶら下げ基板」と呼ばれる不正な基板を使用した不正行為が報告さ
れている。この不正行為は、主制御装置とサブ制御装置との間に、不正な基板をぶら下げ
て(不正な「ぶら下げ基板」を取り付けて)、不当に大当たりを発生させるというもので
ある。具体的には、前記したパチンコ機に設けられる大当たりを決定するための乱数カウ
ンタと同様の働きをするカウンタ(1カウントずつ定期的に一定の範囲で更新されるカウ
ンタ)を「ぶら下げ基板」内に設け、そのカウンタの値をパチンコ機の電源投入に合わせ
てリセット(0クリア)することにより、「ぶら下げ基板」内で大当たりの発生タイミン
グを把握するのである。そして、その把握した大当たりの発生タイミングに合わせて、「
ぶら下げ基板」内で遊技球の図柄作動ゲート通過信号を不正に生成し、これをパチンコ機
の主制御装置へ出力して、不当に大当たりを発生させるというものである。遊技場などで
は、この「ぶら下げ基板」を用いた不正行為により、多大な被害を被っているという問題
点があった。
【0006】
この「ぶら下げ基板」を用いた不正行為に対して、乱数カウンタの更新の初期値を可変
させる可変手段を備えた構成とすることにより対処可能となった。つまり、乱数カウンタ
の値は、更新手段により更新される。この更新手段による乱数カウンタの更新の初期値は
、固定値ではなく、可変手段により可変される値である。よって、パチンコ機の電源投入
に合わせて、「ぶら下げ基板」等がその内部の不正なカウンタをリセットしても、その不
正なカウンタの値を乱数カウンタの値と一致させることはできない。従って、「ぶら下げ
基板」等が大当たりの発生タイミングを把握することを防止することができるのである(
例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−70254号公報(第2−4頁,第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、最近、偽の主制御装置を当該パチンコ機に不正に設
置し、その偽の主制御装置によりパチンコ機を動作させるという不正行為が行われて、不
正行為者が不正な利益を得るという問題がある。
【0008】
また、前述した偽の主制御装置は隠れた場所(例えば真正の主制御装置の背後に隠れた
場所等)に設置され、偽の主制御装置の存在に気付き難いようにしているだけでなく、真
正の主制御装置が他の制御装置と正しく接続されているように見せかけた状態とし、実際
には真正の主制御装置と偽の主制御装置との両方に所定入力信号線が不正に分配接続され
、真正の主制御装置の出力信号線を不正に切断して偽の主制御装置の出力信号線が副制御
装置(例えばサブ制御装置)に接続されているという巧妙な不正行為もあり、検査時に一
見しただけでは不正を発見することが困難であるという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、不正行為を容易に発見でき
る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、
遊技者にとって有利な特別遊技状態の発生の有無を知らせる識別情報変動表示を行う表
示手段を備えた遊技機において、
遊技の利益に関する制御を行う主制御手段と、
前記主制御手段からの指令に基づいて、所定の識別情報変動表示を前記表示手段に表示
するように制御する副制御手段と、
を備え、
前記主制御手段は、変動開始条件成立に基づいて特別遊技状態の発生の当否抽選を行う
当否抽選手段と、変動表示時間の異なる複数種類の変動パターンの中から、前記当否抽選
結果を踏まえた一の変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、前記変動パターン
決定手段で決定された変動パターンによる識別情報変動表示の開始を示す開始指令を出力
する開始指令出力手段と、決定された変動パターンを示す変動パターン指令を前記副制御
手段に出力するとともに、その変動表示終了の際に変動停止指令を前記副制御手段または
当該遊技機に対して外部接続された外部機器に出力する指令出力手段と、前記開始指令出
力手段からの開始指令または前記指令出力手段からの出力指令に基づいて、前記主制御手
段の変動表示に関する状態を動作態様が変化することで報知する状態報知手段を備えてい

ことを特徴とするものである。
【0011】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、主制御手段は遊技の利益に関する制御
を行う。主制御手段の当否抽選手段は、変動開始条件成立に基づいて特別遊技状態の発生
の当否抽選を行う。主制御手段の変動パターン決定手段は、変動表示時間の異なる複数種
類の変動パターンの中から、前記当否抽選結果を踏まえた一の変動パターンを決定する。
主制御手段の開始指令出力手段は、変動パターン決定手段で決定された変動パターンによ
る識別情報変動表示の開始を示す開始指令を出力する。主制御手段の指令出力手段は、そ
の決定された変動パターンを示す変動パターン指令を副制御手段に出力する。副制御手段
は、主制御手段からの開始指令に基づいて変動表示を開始し、主制御手段からの変動パタ
ーン指令に基づいて、所定の識別情報変動表示を表示手段に表示するように制御する。表
示手段は、副制御手段により制御された所定の変動表示であって、遊技者にとって有利な
特別遊技状態の発生の有無を知らせる識別情報変動表示を開始する。主制御手段の指令出
力手段は、その変動表示終了の際に変動停止指令を副制御手段または当該遊技機に対して
外部接続された外部機器に出力する。副制御手段は、主制御手段からの変動停止指令が入
力される場合にはこの変動停止指令に基づいて、表示手段で実行中の識別情報変動表示を
停止させるように表示制御するし、自立的に判断する場合にはその自立的に判断される停
止時期に、表示手段で実行中の識別情報変動表示を停止させるように表示制御する。主制
御手段の状態報知手段は、開始指令出力手段からの開始指令または指令出力手段からの出
力指令(変動パターン指令や変動停止指令)に基づいて、主制御手段の変動表示に関する
状態を動作態様が変化することで報知する。
【0012】
したがって、不正事案たる「偽の主制御手段が隠れた場所(例えば真正の主制御手段の
背後に隠れた場所等)に設置され、偽の主制御手段の存在に気付き難いようにしているだ
けでなく、真正の主制御手段が他の制御装置と正しく接続されているように見せかけた状
態とし、実際には真正の主制御手段と偽の主制御手段との両方に所定入力信号線が不正に
分配接続され、真正の主制御手段の出力信号線を不正に切断して偽の主制御手段の出力信
号線が副制御手段(例えば表示制御手段)に接続されている状態とする場合」に対して、
以下の効果を有する。
【0013】
すなわち、この不正事案の場合では、真正の主制御手段に入力信号が入力されて動作し
、正しく動作しているように見えるが、真正の主制御手段の出力側は縁が切られておりそ
の出力指令は副制御手段などに反映されておらず、実際には隠れた偽の主制御手段からの
出力指令で副制御手段などが動作している。つまり、真正の主制御手段からの出力指令と
偽の主制御手段からの出力指令とが相違(時期的や内容的に相違)することがある。本発
明によれば、状態報知手段は主制御手段の変動表示に関する状態報知を行うので、前記両
者の出力指令が相違している場合に、状態報知手段による主制御手段の変動表示に関する
状態報知と、表示手段での変動表示との時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッチ)を
示すことができ、その不整合の有無に基づいて不正行為の有無を確認でき、不正行為を容
易に発見できる。
【0014】
なお、本明細書中の「識別情報」とは、数字図柄、絵図柄またはそれらを組み合わせた
図柄や、発光表示、発色表示などであって、特別遊技状態への移行の成立・不成立を、遊
技者に視覚を通じて認識させるための表示情報のことである。
【0015】
また、発明2は、
遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技盤に設けられた遊技球が入
球可能な入賞検出手段と、遊技者にとって有利な特別遊技状態の発生の有無を知らせる識
別情報変動表示を行う表示手段とを備えた遊技機において、
遊技の利益に関する制御を行う主制御手段と、
前記主制御手段からの指令に基づいて、所定の識別情報変動表示を前記表示手段に表示
するように制御する副制御手段と、
を備え、
前記主制御手段は、変動開始条件成立に基づいて特別遊技状態の発生の当否抽選を行う
当否抽選手段と、変動表示時間の異なる複数種類の変動パターンの中から、前記当否抽選
結果を踏まえた一の変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、前記変動パターン
決定手段で決定された変動パターンによる識別情報変動表示の開始を示す開始指令を出力
する開始指令出力手段と、決定された変動パターンを示す変動パターン指令を前記副制御
手段に出力するとともに、その変動表示終了の際に変動停止指令を前記副制御手段または
当該遊技機に対して外部接続された外部機器に出力する指令出力手段と、前記開始指令出
力手段からの開始指令または前記指令出力手段からの出力指令に基づいて、前記主制御手
段の変動表示に関する状態を動作態様が変化することで報知する状態報知手段を備え、
前記変動パターン決定手段は、変動パターンの決定に使用されるカウンタを備え、
前記カウンタは、所定の範囲内で所定数ずつそのカウント値を更新するものであり、
さらに、前記主制御手段は、定期的に特定処理を実行し、次回の特定処理が実行される
までの残余時間に、前記カウンタのカウント値を繰り返し更新する
ことを特徴とするものである。
【0016】
[作用・効果]発明2によれば、主制御手段は遊技の利益に関する制御を行う。主制御手段の当否抽選手段は、変動開始条件成立に基づいて特別遊技状態の発生の当否抽選を行う。主制御手段の変動パターン決定手段は、変動表示時間の異なる複数種類の変動パターンの中から、前記当否抽選結果を踏まえた一の変動パターンを決定する。
主制御手段の開始指令出力手段は、変動パターン決定手段で決定された変動パターンによる識別情報変動表示の開始を示す開始指令を出力する。主制御手段の指令出力手段は、決定された変動パターンを示す変動パターン指令を副制御手段に出力する。副制御手段は、主制御手段からの開始指令に基づいて変動表示を開始し、主制御手段からの変動パターン指令に基づいて、所定の識別情報変動表示を表示手段に表示するように制御する。 表示手段は、副制御手段により制御された所定の変動表示であって、遊技者にとって有利な特別遊技状態の発生の有無を知らせる識別情報変動表示を開始する。主制御手段の指令出力手段は、その変動表示終了の際に変動停止指令を副制御手段または当該遊技機に対して外部接続された外部機器に出力する。副制御手段は、主制御手段からの変動停止指令が入力される場合にはこの変動停止指令に基づいて、表示手段で実行中の識別情報変動表示を停止させるように表示制御するし、自立的に判断する場合にはその自立的に判断される停止時期に、表示手段で実行中の識別情報変動表示を停止させるように表示制御する。 主制御手段の状態報知手段は、指令出力手段からの出力指令(変動パターン指令や変動停止指令)に基づいて、主制御手段の変動表示に関する状態を動作態様が変化することで報知する。
【0017】
したがって、不正事案たる「偽の主制御手段が隠れた場所(例えば真正の主制御手段の
背後に隠れた場所等)に設置され、偽の主制御手段の存在に気付き難いようにしているだ
けでなく、真正の主制御手段が他の制御装置と正しく接続されているように見せかけた状
態とし、実際には真正の主制御手段と偽の主制御手段との両方に所定入力信号線が不正に
分配接続され、真正の主制御手段の出力信号線を不正に切断して偽の主制御手段の出力信
号線が副制御手段(例えば表示制御手段)に接続されている状態とする場合」に対して、
以下の効果を有する。
【0018】
すなわち、この不正事案の場合では、真正の主制御手段に入力信号が入力されて動作し
、正しく動作しているように見えるが、真正の主制御手段の出力側は縁が切られておりそ
の出力指令は副制御手段などに反映されておらず、実際には隠れた偽の主制御手段からの
出力指令で副制御手段などが動作している。つまり、真正の主制御手段からの出力指令と
偽の主制御手段からの出力指令とが相違(時期的や内容的に相違)することがある。本発
明によれば、状態報知手段は主制御手段の変動表示に関する状態報知を行うので、前記両
者の出力指令が相違している場合に、状態報知手段による主制御手段の変動表示に関する
状態報知と、表示手段での変動表示との時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッチ)を
示すことができ、その不整合の有無に基づいて不正行為の有無を確認でき、不正行為を容
易に発見できる。
【0019】
また、変動パターン決定手段は、変動パターンの決定に使用されるカウンタを備え、こ
のカウンタは、所定の範囲内で所定数ずつそのカウント値を更新する。主制御手段は、定
期的に特定処理を実行し、次回の特定処理が実行されるまでの残余時間に、前記カウンタ
のカウント値を繰り返し更新する。したがって、真正の主制御手段と偽の主制御手段とで
残余時間の更新状況に差を生じさせることができる。つまり、真正の主制御手段と偽の主
制御手段とで、両者のカウンタでのカウント値に差を生じさせることができる。真正の主
制御手段からの出力指令と偽の主制御手段からの出力指令との相違(時期的や内容的に相
違)を生じさせ易くできる。つまり、状態報知手段による主制御手段の変動表示に関する
状態報知と、表示手段での変動表示との時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッチ)を
発生させ易くでき、不正行為をより容易に発見できる。
【0020】
また、発明3は、
遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技盤に設けられた遊技球が入
球可能な入賞検出手段と、遊技者にとって有利な特別遊技状態の発生の有無を知らせる識
別情報変動表示を行う表示手段とを備えた遊技機において、
遊技の利益に関する制御を行う主制御手段と、
前記主制御手段からの指令に基づいて、所定の識別情報変動表示を前記表示手段に表示
するように制御する副制御手段と、
を備え、
前記主制御手段は、変動開始条件成立に基づいて特別遊技状態の発生の当否抽選を行う
当否抽選手段と、変動表示時間の異なる複数種類の変動パターンの中から、前記当否抽選
結果を踏まえた一の変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、前記変動パターン
決定手段で決定された変動パターンによる識別情報変動表示の開始を示す開始指令を出力
する開始指令出力手段と、決定された変動パターンを示す変動パターン指令を前記副制御
手段に出力するとともに、その変動表示終了の際に変動停止指令を前記副制御手段または
当該遊技機に対して外部接続された外部機器に出力する指令出力手段と、前記開始指令出
力手段からの開始指令または前記指令出力手段からの出力指令に基づいて、前記主制御手
段の変動表示に関する状態を動作態様が変化することで報知する状態報知手段を備え、
前記当否抽選手段は、始値から終値までの複数個の第1乱数値を大きさ順に一つずつ更
新発生させ、終値に至ると初期値に戻ってそれを繰り返す第1乱数発生手段と、前記入賞
検出手段での入賞検出の際における前記第1乱数発生手段での第1乱数を記憶する第1乱
数記憶手段と、前記第1乱数記憶手段に記憶された第1乱数が当り値であるか否かを判定
する第1乱数判定手段と、を備え、
前記変動パターン決定手段は、始値から終値までの複数個の第2乱数値を大きさ順に一
つずつ更新発生させ、終値に至ると始値に戻ってそれを繰り返す第2乱数発生手段と、前
記入賞検出手段での入賞検出の際または変動処理実行の際における前記第2乱数発生手段
での第2乱数を記憶する第2乱数記憶手段と、前記第2乱数記憶手段に記憶された第2乱
数に基づいて変動パターンを判定する第2乱数判定手段と、を備え、
さらに、前記主制御手段は、始値から終値までの複数個の第3乱数値を大きさ順に一つ
ずつ更新発生させた値を前記第1乱数発生手段での前記初期値とし、終値に至ると始値に
戻ってそれを繰り返す、前記第1乱数発生手段とは別の初期値乱数発生手段を備え、
前記主制御手段は、遊技者に遊技を提供し得る通常の遊技状態に関する処理であって一
定時間に設定された第1処理を、繰返し実行するものであり、
前記第1処理は、前記当否抽選手段による当否抽選および前記変動パターン決定手段に
よる変動パターン決定を含む処理と、この処理後に残余時間がある場合に実行される、前
記当否抽選に用いる前記初期値乱数発生手段での第3乱数値と第2乱数発生手段での第2
乱数値との少なくとも一方を更新する残余処理とを備えている
ことを特徴とするものである。
【0021】
[作用・効果]発明3によれば、主制御手段は遊技の利益に関する制御を行う。主制御手段の当否抽選手段は、変動開始条件成立に基づいて特別遊技状態の発生の当否抽選を行う。主制御手段の変動パターン決定手段は、変動表示時間の異なる複数種類の変動パターンの中から、前記当否抽選結果を踏まえた一の変動パターンを決定する。
主制御手段の開始指令出力手段は、変動パターン決定手段で決定された変動パターンによる識別情報変動表示の開始を示す開始指令を出力する。主制御手段の指令出力手段は、その決定された変動パターンを示す変動パターン指令を副制御手段に出力する。副制御手段は、主制御手段からの開始指令に基づいて変動表示を開始し、主制御手段からの変動パターン指令に基づいて、所定の識別情報変動表示を表示手段に表示するように制御する。 表示手段は、副制御手段により制御された所定の変動表示であって、遊技者にとって有利な特別遊技状態の発生の有無を知らせる識別情報変動表示を開始する。主制御手段の指令出力手段は、その変動表示終了の際に変動停止指令を副制御手段または当該遊技機に対して外部接続された外部機器に出力する。副制御手段は、主制御手段からの変動停止指令が入力される場合にはこの変動停止指令に基づいて、表示手段で実行中の識別情報変動表示を停止させるように表示制御するし、自立的に判断する場合にはその自立的に判断される停止時期に、表示手段で実行中の識別情報変動表示を停止させるように表示制御する。 主制御手段の状態報知手段は、指令出力手段からの出力指令(変動パターン指令や変動停止指令)に基づいて、主制御手段の変動表示に関する状態を動作態様が変化することで報知する。
【0022】
したがって、不正事案たる「偽の主制御手段が隠れた場所(例えば真正の主制御手段の
背後に隠れた場所等)に設置され、偽の主制御手段の存在に気付き難いようにしているだ
けでなく、真正の主制御手段が他の制御装置と正しく接続されているように見せかけた状
態とし、実際には真正の主制御手段と偽の主制御手段との両方に所定入力信号線が不正に
分配接続され、真正の主制御手段の出力信号線を不正に切断して偽の主制御手段の出力信
号線が副制御手段(例えば表示制御手段)に接続されている状態とする場合」に対して、
以下の効果を有する。
【0023】
すなわち、この不正事案の場合では、真正の主制御手段に入力信号が入力されて動作し
、正しく動作しているように見えるが、真正の主制御手段の出力側は縁が切られておりそ
の出力指令は副制御手段などに反映されておらず、実際には隠れた偽の主制御手段からの
出力指令で副制御手段などが動作している。つまり、真正の主制御手段からの出力指令と
偽の主制御手段からの出力指令とが相違(時期的や内容的に相違)することがある。本発
明によれば、状態報知手段は主制御手段の変動表示に関する状態報知を行うので、前記両
者の出力指令が相違している場合に、状態報知手段による主制御手段の変動表示に関する
状態報知と、表示手段での変動表示との時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッチ)を
示すことができ、その不整合の有無に基づいて不正行為の有無を確認でき、不正行為を容
易に発見できる。
【0024】
また、当否抽選手段の第1乱数発生手段は、始値から終値までの複数個の第1乱数値を
大きさ順に一つずつ更新発生させ、終値に至ると初期値に戻ってそれを繰り返す。当否抽
選手段の第1乱数記憶手段は、入賞検出手段での入賞検出の際における第1乱数発生手段
での第1乱数を記憶する。当否抽選手段の第1乱数判定手段は、第1乱数記憶手段に記憶
された第1乱数が当り値であるか否かを判定する。変動パターン決定手段の第2乱数発生
手段は、始値から終値までの複数個の第2乱数値を大きさ順に一つずつ更新発生させ、終
値に至ると始値に戻ってそれを繰り返す。変動パターン決定手段の第2乱数記憶手段は、
入賞検出手段での入賞検出の際または変動処理実行の際における前記第2乱数発生手段で
の第2乱数を記憶する。変動パターン決定手段の第2乱数判定手段は、第2乱数記憶手段
に記憶された第2乱数に基づいて変動パターンを判定する。主制御手段の初期値乱数発生
手段は、第1乱数発生手段とは別のものであり、始値から終値までの複数個の第3乱数値
を大きさ順に一つずつ更新発生させた値を第1乱数発生手段での前記初期値とし、終値に
至ると始値に戻ってそれを繰り返す。主制御手段は、遊技者に遊技を提供し得る通常の遊
技状態に関する処理であって一定時間に設定された第1処理を、繰返し実行する。第1処
理は、当否抽選手段による当否抽選および変動パターン決定手段による変動パターン決定
を含む処理と、この処理後に残余時間がある場合に実行される、前記当否抽選に用いる初
期値乱数発生手段での第3乱数値と第2乱数発生手段での第2乱数値との少なくとも一方
を更新する残余処理とを備えている。したがって、真正の主制御手段と偽の主制御手段と
で残余処理の更新状況に差を生じさせることができる。つまり、真正の主制御手段と偽の
主制御手段とで、初期値乱数発生手段での第3乱数値や第2乱数発生手段での第2乱数値
に関して差を生じさせることができる。真正の主制御手段からの出力指令と偽の主制御手
段からの出力指令との相違(時期的や内容的に相違)を生じさせ易くできる。つまり、状
態報知手段による主制御手段の変動表示に関する状態報知と、表示手段での変動表示との
時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッチ)を発生させ易くでき、不正行為をより容易
に発見できる。
【0025】
なお、本明細書中で言う「第1処理における、当否抽選および変動パターン決定を含む
処理」は処理ルーチンを含み、「残余処理」は残余処理ルーチンを含む。
【0026】
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
【0027】
(1) 請求項1に記載の遊技機において、
前記状態報知手段は、前記主制御手段の変動表示の開始、終了あるいは変動表示中の報
知を行う
ことを特徴とする遊技機。
【0028】
前記(1)に記載の発明によれば、状態報知手段は、主制御手段の変動表示の開始、終
了あるいは変動表示中の報知を行うので、真正の主制御手段からの出力指令と偽の主制御
手段からの出力指令とが相違している場合に、状態報知手段による主制御手段の変動表示
の開始、終了あるいは変動表示中の報知と、表示手段での変動表示の開始、終了あるいは
変動表示中との時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッチ)を示すことができ、その不
整合の有無に基づいて不正行為の有無を確認でき、不正行為を容易に発見できる。
【0029】
(2) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)に記載の遊技機において、
前記主制御手段は、遊技者に遊技を提供し得る通常の遊技状態に関する処理であって一
定時間に設定された第1処理を、繰返し実行するものであり、
前記第1処理は、前記当否抽選および変動パターン決定を含む処理と、この処理後に残
余時間がある場合に実行される、前記当否抽選に用いる乱数値と変動パターン決定に用い
る乱数値との少なくとも一方を更新する残余処理とを備えている
ことを特徴とする遊技機。
【0030】
前記(2)に記載の発明によれば、主制御手段は、遊技者に遊技を提供し得る通常の遊
技状態に関する処理であって一定時間に設定された第1処理を、繰返し実行する。第1処
理は、当否抽選および変動パターン決定を含む処理と、この処理後に残余時間がある場合
に実行される、当否抽選に用いる乱数値と変動パターン決定に用いる乱数値との少なくと
も一方を更新する残余処理とを備えている。したがって、真正の主制御手段と偽の主制御
手段とで残余処理の更新状況に差を生じさせることができ、真正の主制御手段からの出力
指令と偽の主制御手段からの出力指令との相違(時期的や内容的に相違)を生じさせ易く
できる。つまり、状態報知手段による主制御手段の変動表示に関する状態報知と、表示手
段での変動表示との時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッチ)を発生させ易くでき、
不正行為をより容易に発見できる。
【0031】
なお、本明細書で言う「主制御手段の通常処理」とは、電源投入時(停電や瞬停後にお
ける復電時を含む)の初期化処理や、電源断(営業時間終了後の電源オフまたは停電や瞬
停による電源オフ)発生時のバックアップ処理を除く処理であって、遊技者に遊技を提供
し得る通常の遊技状態に関する処理である。
【0032】
(3) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)または(2)に記載の遊技機に
おいて、
前記副制御手段は、前記主制御手段の前記指令出力手段からの出力指令に基づいて、前
記主制御手段の変動表示に関する状態を報知するサブ側状態報知手段を備えていることを
特徴とする遊技機。
【0033】
前記(3)に記載の発明によれば、サブ側状態報知手段は、主制御手段の指令出力手段
からの出力指令に基づいて、主制御手段の変動表示に関する状態を報知するので、主制御
手段の状態報知手段とサブ側状態報知手段とでの報知態様を比較確認でき、両者の報知態
様についての時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッチ)を見つけ易くでき、不正行為
をより容易に発見できる。
【0034】
(4) 前記(3)に記載の遊技機において、
前記主制御手段と前記副制御手段とは、前記状態報知手段と前記サブ側状態報知手段と
が当該遊技機の同一面側から視認可能なように配置されていることを特徴とする遊技機。
【0035】
前記(4)に記載の発明によれば、主制御手段と副制御手段とは、状態報知手段とサブ
側状態報知手段とが当該遊技機の同一面側から視認可能なように配置されている。したが
って、主制御手段の状態報知手段およびサブ側状態報知手段の報知態様を同一方向視した
状態で比較確認でき、両者の報知態様についての時期的あるいは時間的な不整合(ミスマ
ッチ)を見つけ易くでき、不正行為をより容易に発見できる。
【0036】
(5) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)または(2)に記載の遊技機に
おいて、
前記状態報知手段は、識別情報の変動表示毎に状態報知態様を変更することを特徴とす
る遊技機。
【0037】
前記(5)に記載の発明によれば、状態報知手段は、識別情報の変動表示毎に状態報知
態様を変更するので、次の識別情報の変動表示への切り替わりがわかり易く、識別情報の
変動表示が連続するような場合でも、状態報知手段の状態報知と表示手段の変動表示とに
ついての時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッチ)を見つけ易くでき、不正行為をよ
り容易に発見できる。
【0038】
(6) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)または(2)に記載の遊技機に
おいて、
前記状態報知手段は、複数個の報知部を備え、使用する前記報知部を識別情報の変動表
示毎に切り替えることを特徴とする遊技機。
【0039】
前記(6)に記載の発明によれば、状態報知手段は、複数個の報知部を備え、使用する
報知部を識別情報の変動表示毎に切り替えるので、次の識別情報の変動表示への切り替わ
りがわかり易く、識別情報の変動表示が連続するような場合でも、状態報知手段の状態報
知と表示手段の変動表示とについての時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッチ)を見
つけ易くでき、不正行為をより容易に発見できる。
【0040】
(7) 前記(3)または(4)に記載の遊技機において、
前記状態報知手段および前記サブ側状態報知手段は、識別情報の変動表示毎に状態報知
態様を変更することを特徴とする遊技機。
【0041】
前記(7)に記載の発明によれば、状態報知手段およびサブ側状態報知手段は、識別情
報の変動表示毎に状態報知態様を変更するので、次の識別情報の変動表示への切り替わり
がわかり易く、識別情報の変動表示が連続するような場合でも、状態報知手段の状態報知
とサブ側状態報知手段の状態報知とについての時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッ
チ)を見つけ易くでき、不正行為をより容易に発見できる。
【0042】
(8) 前記(3)または(4)に記載の遊技機において、
前記状態報知手段および前記サブ側状態報知手段は、複数個の報知部を備え、使用する
前記報知部を識別情報の変動表示毎に切り替えることを特徴とする遊技機。
【0043】
前記(8)に記載の発明によれば、状態報知手段およびサブ側状態報知手段は、複数個
の報知部を備え、使用する報知部を識別情報の変動表示毎に切り替えるので、次の識別情
報の変動表示への切り替わりがわかり易く、識別情報の変動表示が連続するような場合で
も、状態報知手段の状態報知とサブ側状態報知手段の状態報知とについての時期的あるい
は時間的な不整合(ミスマッチ)を見つけ易くでき、不正行為をより容易に発見できる。
【0044】
(9) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれか一つに記
載の遊技機において、
前記状態報知手段は、前記主制御手段の状態を表示または音声によって報知する
ことを特徴とする遊技機。
【0045】
前記(9)に記載の発明によれば、状態報知手段は、主制御手段の状態を表示または音
声によって報知するので、主制御手段の状態報知と表示手段の変動表示とを目や耳で監視
(モニタ)することができ、主制御手段の状態報知と表示手段の変動表示とを比較視した
りその音声を比較して聞いたりすることで不正行為の有無を確認できる。
【0046】
(10) 前記(9)に記載の遊技機において、
前記サブ側状態報知手段は、前記主制御手段の状態を表示または音声によって報知する
ことを特徴とする遊技機。
【0047】
前記(10)に記載の発明によれば、サブ側状態報知手段は、主制御手段の状態を表示
または音声によって報知するので、主制御手段の状態報知とサブ側状態報知手段の状態報
知とを目や耳で監視(モニタ)することができ、主制御手段の状態報知とサブ側状態報知
手段の状態報知とを比較視したりその音声を比較して聞いたりすることで不正行為の有無
を確認できる。
【0048】
(11) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(10)のいずれか一つ
に記載の遊技機において、
前記状態報知手段は、前記指令出力手段からの出力指令に同期して前記主制御手段の変
動表示に関する状態を報知する
ことを特徴とする遊技機。
【0049】
前記(11)に記載の発明によれば、状態報知手段は、指令出力手段からの出力指令に
同期して主制御手段の変動表示に関する状態を報知するので、出力指令に同期した状態報
知と、出力指令に基づく表示手段での識別情報変動表示との関係性から、主制御手段に対
する不正行為の有無を確認でき、不正行為を容易に発見できる。
【0050】
(12) 前記(11)に記載の遊技機において、
前記サブ側状態報知手段は、前記主制御手段の前記指令出力手段からの出力指令に同期
して前記主制御手段の変動表示に関する状態を報知する
ことを特徴とする遊技機。
【0051】
前記(12)に記載の発明によれば、サブ側状態報知手段は、主制御手段の指令出力手
段からの出力指令に同期して主制御手段の変動表示に関する状態を報知するので、主制御
手段の状態報知手段での状態報知と、副制御手段のサブ側状態報知手段での状態報知との
関係性から、主制御手段に対する不正行為の有無を確認でき、不正行為を容易に発見でき
る。
【0052】
(13) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(12)のいずれか一つ
に記載の遊技機において、
前記状態報知手段は、前記主制御手段に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0053】
前記(13)に記載の発明によれば、状態報知手段は主制御手段に設けられているので
、主制御手段の状態報知手段での状態報知によって、主制御手段に対する不正行為の有無
を確認でき、不正行為を容易に発見できる。
【0054】
(14) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(13)のいずれか一つ
に記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0055】
前記(14)に記載の遊技機によれば、不正行為を容易に発見できるパチンコ機を提供
できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの
操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の
位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、
表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止される
ものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設さ
れた可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞
個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)
が付与されるものが挙げられる。
【発明の効果】
【0056】
この発明に係る遊技機によれば、偽の主制御手段が隠れた場所(例えば真正の主制御手
段の背後に隠れた場所等)に設置され、偽の主制御手段の存在に気付き難いようにしてい
るだけでなく、真正の主制御手段が他の制御装置と正しく接続されているように見せかけ
た状態とし、実際には真正の主制御手段と偽の主制御手段との両方に所定入力信号線が不
正に分配接続され、真正の主制御手段の出力信号線を不正に切断して偽の主制御手段の出
力信号線が副制御手段(例えば表示制御手段)に接続されている状態とする場合では、真
正の主制御手段からの出力指令と偽の主制御手段からの出力指令とが相違(時期的や内容
的に相違)することがあり、状態報知手段は主制御手段の変動表示に関する状態報知を行
うので、前記両者の出力指令が相違している場合に、状態報知手段による主制御手段の変
動表示に関する状態報知と、表示手段での変動表示との時期的あるいは時間的な不整合(
ミスマッチ)を示すことができ、その不整合の有無に基づいて不正行為の有無を確認でき
、不正行為を容易に発見できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。
【図2】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図3】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図4】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】第3図柄表示装置の表示内容を示す説明図である。
【図6】遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。
【図7】主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。
【図8】通常処理を示すフローチャートである。
【図9】第1図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図10】変動開始処理を示すフローチャートである。
【図11】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図12】始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図13】NMI割込み処理を示すフローチャートである。
【図14】払出制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。
【図15】払出制御処理を示すフローチャートである。
【図16】賞球制御処理を示すフローチャートである。
【図17】貸球制御処理を示すフローチャートである。
【図18】サブ制御装置のCPUにより実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】サブ制御装置のCPUにより実行される通常処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】実施例1のパチンコ機についての要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図21】実施例1の主制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図22】(a)は正常接続状態の主制御装置およびサブ制御装置の変動モニタ等のタイムチャートを示す図であり、(b)は不正接続状態の主制御装置およびサブ制御装置の変動モニタ等のタイムチャートを示す図である。
【図23】不正に偽の主制御装置が組み込まれた場合の電気的構成を示すブロック図である。
【図24】不正接続の場合の変動モニタおよびサブ側の変動モニタの発光態様などを示す図である。
【図25】主制御装置の変動モニタとサブ制御装置のサブ側変動モニタとを示す概略正面図である。
【図26】(a)〜(d)は、実施例2の変動モニタおよびサブ側変動モニタの点灯態様の推移を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の各種の実施の形態を、図
面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0059】
実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正
面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、パチンコ機
10の裏面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図
5は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
【0060】
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホ
ール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側
部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の
一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として内枠12に対して開閉自在に取り付け
られる前面枠セット14とを備えている。
【0061】
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱
可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11
の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸
480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより
構成されていてもよい。
【0062】
図1に示すように、内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニッ
ト13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸
を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、外形が矩形状の樹脂ベース
(図示省略)に着脱自在に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。
【0063】
図1に示すように、下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定
されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球
発射ハンドル18と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユ
ニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15
内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのもの
であり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の
所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通し
て下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手
前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、
遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっ
ている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図
4参照)などで構成されている。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設
けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
【0064】
また、前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付け
られており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸
を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
【0065】
図1に示すように、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技
球の受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一
旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である
。また、前面枠セット14には、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを
外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは
、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状
となっている略楕円形状で中央が空洞とした枠体であり、その枠体の空洞部分に略楕円形
状のガラス板137が取り付けられたものである。このガラス板137は二重ガラス構造
としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137
もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず
、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
【0066】
また、前面枠セット14は、図1に示すように、上皿19の左下側の箇所に、遊技者に
よる操作指示(例えば、押下指示)を受ける枠ボタン20(演出ボタン)を備えている。
図4に示すように、枠ボタン20はサブ制御装置262に接続されている。例えば、所定
の操作有効条件成立時には、当該枠ボタン20の操作が有効となり、枠ボタン20を押下
するなどにより、第3図柄表示装置42の画面表示が変化したり、出力音を変更したり、
ランプ表示を変更したりするなど、遊技者が遊技に積極的に参加できるようになっている

【0067】
加えて、前面枠セット14は、その前面側で窓部101の周囲(例えばコーナー部分)
に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリ
ーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊
技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LE
D等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102
の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央
電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりラ
ンプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを
報知する。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ラン
プ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また
、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の
一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の
所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、
小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
【0068】
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120に
は球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。
パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣
やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球
の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基
づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおい
て貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカ
ード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示す
るものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸
し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球
操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カ
ードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
【0069】
遊技盤30は、図2に示すように、四角形状の合板よりなり、その周縁部が内枠12の
樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面
側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略円形状の図1に示した窓部101(
ガラス板137)を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
【0070】
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、可
変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口3
4(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入
賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第
2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30に
おける、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面
側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32お
よび第1の始動口33a,33bに遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(
入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの
出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。なお、
前述したように、上部側の第1の始動口33aには作動口スイッチ(通過検出スイッチ)
が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその作動口スイッチにより検出されるよ
うになっている。また、下部側の第1の始動口33bにも作動口スイッチ(通過検出スイ
ッチ)が設けられ、この第1の始動口33bへの入球をその作動口スイッチにより検出さ
れるようになっている。すなわち、上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または
下部側の第1の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であ
ることに変わりは無い。なお、上部側の第1の始動口33aと下部側の第1の始動口33
bとは、図2示すように、単一の始動入賞装置33で構成されている。
【0071】
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入
賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へ
と案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等
するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設さ
れている。
【0072】
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、
識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、
第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第
2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第3図柄
(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
【0073】
第1図柄表示装置40は、例えば、複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのL
ED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保
留数を示す保留ランプ40cとを備えている。このLED40a,40bは、例えば、赤
色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの
発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発
光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光
状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発
光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが互
いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
【0074】
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの
単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図
柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特
定当り)を示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を
示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。なお、上
述した第1図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当する。
【0075】
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと
、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有
し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図
柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第1の始動
口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第
2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41
cにて点灯表示されるようになっている。なお、表示部41a,41bは、その内部にL
ED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切
り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置4
1が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
【0076】
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装
置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図5に
示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L
,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M
,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示されるようになっ
ている。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、9
.3インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、
第3図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、
上述した第3図柄表示装置42が本発明における装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相
当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
【0077】
図2に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い
閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰
り返し作動されるものである。このように、大当たりの際に可変入賞装置32が開状態と
通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特別遊技状態(例えば、大当り状態)と呼
ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技
球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
【0078】
より詳しくは、第1の始動口33a,33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装
置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,
40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特別遊技状態が発生する。
例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合に
は、確変大当り(特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a
,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り
)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色
の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特別遊技状態に落選したこと)を
示す。
【0079】
そして、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が
入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状
態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32
の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口
33a,33bを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40
cにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ40cは、第3図柄表示装置
42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
【0080】
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射
された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられてお
り、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50の
後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。
レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形
されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール5
2とを有する。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(
主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。か
かる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール
51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路4
9が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、す
なわち手前側を開放した溝状に形成されている。
【0081】
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。
これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の
上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止さ
れるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置
(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されてい
る。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返され
るようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとす
るべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯
としての摺動プレート55が取着されている。
【0082】
また、レールユニット50の外周部には、正面視した状態で周囲外方へ張り出した円弧
状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成
する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフラン
ジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿
通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
【0083】
さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直
線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部にお
いてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の
拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域30aの拡張が図られるようになっている。
【0084】
内レール51及び外レール52間の球案内通路49の入口には、当該球案内通路49の
一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51か
らレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域30aまで至らず
球案内通路49内を逆流してくるファール球を内枠12に設けられたファール球通路(図
示省略)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙(
例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1,S2)やプレートを貼着す
るためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切
欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(
図2のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることがで
きる。
【0085】
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示す
ように、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されてお
り、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが従来
よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点か
ら遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール
52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも
50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位
置までの間の距離は418mmとなっている。
【0086】
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51
及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である
誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘
導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52に
よってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右
側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は
遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レ
ール52によって特定される。
【0087】
従って、本実施の形態では、遊技領域30aの幅(左右方向の最大幅)は、418mm
であり、遊技領域30aの高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
【0088】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側
の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
【0089】
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機
10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が
上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さら
に、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー
等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載
して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊
技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、後述する図4に示した主制御装置
261とサブ制御装置262とを一方の取付台(図示省略)に搭載してユニット化すると
共に、後述する図4に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置31
3を他方の取付台(図示省略)に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者の
ユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユ
ニット202」と称することとする。
【0090】
また、払出機構部352及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に
樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニッ
ト203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
【0091】
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット20
3は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれ
に加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成と
なっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されて
も、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
【0092】
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感
知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する
位置には入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチが設けられ
ている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口
33a,33bに対応する位置には作動口スイッチがそれぞれ設けられ、第1の始動口3
3a,33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチで検出される。第2の始動口34に
対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第2の始動口34への遊技球の通過を当該
作動口スイッチで検出される。ている。なお、上述した作動口スイッチが本発明における
入賞検出手段に相当する。
【0093】
入賞口スイッチ及びゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図
示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基
板261a(図4参照)に接続されている。また、カウントスイッチは大入賞口中継端子
基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主
制御基板261aに接続されている。これに対し、作動口スイッチは中継基板を介さずに
直接に主制御基板261aに接続されている。
【0094】
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大
入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第1の始動口33bには、電動役物を開放するた
めの作動口ソレノイドが設けられている。
【0095】
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制
御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払
出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御
基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口
に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1
つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実
施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が
直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故
に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
【0096】
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台
に主制御装置261とサブ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置26
1は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶した
ROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器
との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略
)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)
などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料
等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容(例えば内包)されて構成されている
。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベース(図示省略)と該ボック
スベースの開口部を覆うボックスカバー(図示省略)とを備えている。これらボックスベ
ースとボックスカバーとは封印ユニット(図示省略)によって開封不能に連結され、これ
により基板ボックス263が封印されている。
【0097】
封印手段としての封印ユニットはボックスベース(図示省略)とボックスカバー(図示
省略)とを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、本実施例では、
例えば5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿
入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになってい
る。封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開
封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開
封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット
(図示省略)を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止
爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板261aの不
具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と
他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔
に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス2
63に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に
発見できる。
【0098】
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの
指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、そ
の他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサ
ブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりな
る基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電
源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの
電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262および表示制御装置45に出力さ
れるようになっている。
【0099】
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台
に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基
板(図示省略)が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、そ
の他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312
は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制
御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射
制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従
い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種
制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は
、発射ソレノイド(図示省略)への通電/非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略
)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用しているが、それ以外の
発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけ
て発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発
射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板(図示省略)は、
パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的
に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出
力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球
が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
【0100】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接
続基板(図示省略)は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)にそれぞれ収
容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と
同様、基板ボックス(被包手段)を構成するボックスベース(図示省略)とボックスカバ
ー(図示省略)とが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより
基板ボックス263が封印されている。
【0101】
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払
出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が
押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消
(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
【0102】
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチ
ンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を
保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が
記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッ
チ323を押しながら電源を投入することとしている。
【0103】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に
示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化した
ものである。
【0104】
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられてお
り、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐
次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向け
て緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下
流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部
には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要
個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は
払出通路(図示省略)等を通じて前記上皿19に供給される。
【0105】
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイ
ブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタ
ンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ
360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触す
るようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356
に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際
、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
【0106】
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を
中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むため
の電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器
を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により
電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0107】
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性
を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてア
ースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっ
ている。
【0108】
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれ
たことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、
内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるよ
うになっている。
【0109】
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。本パチンコ機
10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御
装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これら
の装置を個別に詳細に説明する。
【0110】
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのC
PU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種
の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶
される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリで
あるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵さ
れている。
【0111】
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバック
アップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM
503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
【0112】
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のC
PU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電
発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持す
るだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるこ
とができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理
の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバッ
クアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(
ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路
542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生によ
り、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0113】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及び
データバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている
。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置31
1、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装
置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261
は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41におけ
る第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
【0114】
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行
うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御
プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用され
るRAM513とを備えている。
【0115】
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同
様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が
供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、
各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
【0116】
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時
にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関す
る情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理(図
13参照)と払出制御処理の後半部分のステップS1015,S1016(図15参照)
とによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復
電処理において実行される。
【0117】
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及び
データバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている
。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358
aなどがそれぞれ接続されている。
【0118】
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可
又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可さ
れる。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接
続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力され
る信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力される
タッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるた
めの発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との
全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
【0119】
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、
発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、
主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間にお
いて、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パ
ルス信号)と、発射レール401に遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制
御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出
力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発
射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発
射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベ
ル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置3
12に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
【0120】
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示
を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラム
ROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM5
25と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスラ
イン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の
出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM5
23、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバ
スライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出
力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
【0121】
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御
装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42で
の装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の
制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、
CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的
に記憶するためのメモリである。
【0122】
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するため
のメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示
装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に
表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コント
ローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタ
イミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶され
る表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表
示装置42に表示させるものである。
【0123】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541
とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払
出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源
部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ
等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバ
ックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を
主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312
に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給
される。
【0124】
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263
内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261b
とを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回
路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543
とを備えている。
【0125】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU5
01及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するた
めの回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し
、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源
断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力
する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、
停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
【0126】
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満とな
った時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間
、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よ
って、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了する
ことができる。
【0127】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込
み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装
置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消
去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S
2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチ
ンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261に
おいてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261から
の初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
【0128】
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図5に示すように、左・中・
右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図
柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では
、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄
からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZ
が表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列
L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZ
が上から下へと変動表示されるようになっている。
【0129】
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装
飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては
、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表
示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が
停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL
1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで
主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組
合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
【0130】
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
【0131】
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、役物作動に係る乱数と、遊
技の用に供するその他の乱数とを用いて、第1図柄表示装置40の抽選(大当たり抽選:
第1図柄の大当たり抽選)や図柄表示の設定や、第2図柄表示装置41の抽選(第2図柄
の当たり抽選)や図柄表示の設定や、第3図柄表示装置42の装飾図柄(第3図柄)の変
動表示に関する抽選やその設定を行うこととしている。
【0132】
具体的には、本実施例のパチンコ機10では、役物作動に係る乱数として、図6に示す
ように、第1図柄表示装置40の大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と
、第1図柄表示装置40の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、第
2図柄表示装置41の当たりの抽選に使用する第2図柄乱数カウンタC4と、第2図柄乱
数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値第2図柄乱数カウンタCINI2と、を用
いている。
【0133】
また、このパチンコ機10では、遊技の用に供するその他の乱数として、図6に示すよ
うに、第3図柄表示装置42の装飾図柄の変動パターン選択に際して大まかにその変動パ
ターンの種類を特定するための停止パターンの選択に使用する停止パターン選択カウンタ
C3と、第3図柄表示装置42の装飾図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウン
タCS1,CS2,CS3と、第2図柄表示装置41の外れ図柄選択に使用する第2図柄
外れ図柄カウンタC5と、を用いている。上述した各カウンタは、CPU501で実行さ
れるプログラムにより構成されている。
【0134】
例えば、「停止パターン0」は複数種類の完全外れ変動パターンからなる完全外れ変動
パターン群を示すものであり、「停止パターン1」は複数種類の前後外れリーチ変動パタ
ーンからなる前後外れリーチ変動パターン群を示すものであり、「停止パターン2」は複
数種類の前後外れ以外リーチ変動パターンからなる前後外れ以外リーチ変動パターン群を
示すものであり、「停止パターン3」は複数種類の通常大当たり変動パターンからなる通
常大当たり変動パターン群を示すものであり、「停止パターン4」は複数種類の確変大当
たり変動パターンからなる確変大当たり変動パターン群を示すものである。
【0135】
これら全てのカウンタC1〜C5,CINI1〜CINI2,CS1〜CS3は、その
更新の都度、前回値に「1」が加算され(以下、「更新」という)、最大値に達した後「
0」に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値が
図6に示すRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜それぞれ格納
される。また、RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第
4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1
の始動口33a,33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、
大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値が時系列的に格納さ
れるようになっている。
【0136】
上述した各カウンタについて図6を用いて以下に詳細に説明する。大当たり乱数カウン
タC1は、例えば「0」〜「738」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「
738」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が
1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウン
タC1の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり
乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜738)、後述するタイマ割
込み(図11参照)毎に1回更新されるとともに、後述する通常処理(図8参照)の残余
時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態では
後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33a
,33bに入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
【0137】
大当たり乱数カウンタC1の当り値、つまり、大当たりとなる乱数の値の数は、低確率
時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は2
個で、その値は「350,700」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は
14個で、その値は 「50,101,160,209,257,310,361,41
8,480,517,578,635,677,730」である。なお、高確率時とは、
例えば予め定められた確率変動図柄によって大当たりになり、付加価値としてその後の大
当たり確率がアップした状態、いわゆる「確変」の時をいい、通常時(低確率時)とはそ
のような確変状態でない時をいう。
【0138】
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際における、第1図柄表示装置40(2個の
LED40a,40bからなる)の変動停止時の図柄(本実施例では2個のLED40a
,40bの変動表示後の最終発光状態)を決定するものである。本実施例では、大当たり
図柄カウンタC2は、例えば「0」〜「4」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つ
まり「4」)に達した後「0」に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は、
前述の大当たり乱数カウンタC1の場合と同様に、定期的に(後述するタイマ割込み(図
11参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33a,33bに入賞したタイミ
ングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。なお、前述の大当たり乱数カウン
タC1が当りで、かつ、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」,「4」の場合には、第
1図柄表示装置40の両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止し、低確率時大
当たり、いわゆる通常大当り(非特定当り)を示す。また、前述の大当たり乱数カウンタ
C1が当りで、かつ、大当たり図柄カウンタC2の値が「1」〜「3」の場合には、第1
図柄表示装置40の両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止し、高確率時大当
たり、いわゆる確変大当り(特定当り)を示す。なお、大当たり乱数カウンタC1が外れ
の場合には、大当たり図柄カウンタC2の値に関わらず、第1図柄表示装置40の両方の
LED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止し、外れを示す。
【0139】
また、停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0」〜「238」の範囲内で順に1
ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後「0」に戻る構成となっている。本実
施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置42での装飾
図柄のリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後に1つだけずれて停止
する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄
の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽
選することとしている。例えば、C3=0〜201が完全外れに該当し、C3=202〜
208が前後外れリーチに該当し、C3=209〜238が前後外れ以外リーチに該当す
る。なお、停止パターン選択カウンタC3の抽選(リーチの抽通)内容は、パチンコ機1
0が低確率時であるか高確率であるか、第1図柄表示装置40の変動時間短縮機能が未作
動であるか作動であるか、第1図柄の変動開始時の作動保留球数が何個であるか等に応じ
て各々個別に設定されるものであっても良い。停止パターン選択カウンタC3は、定期的
に(後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口3
3a,33bに入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
【0140】
また、3つの変動種別カウンタCS1〜CS3のうち、変動種別カウンタCS1は、例
えば「0〜198」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「198」)に達し
た後「0」に戻る構成となっており、変動種別カウンタCS2は、例えば「0〜240」
の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「240」)に達した後「0」に戻る構
成となっており、変動種別カウンタCS3は、例えば「0〜162」の範囲内で順に1ず
つ加算され、最大値(つまり「162」)に達した後「0」に戻る構成となっている。以
下の説明では、変動種別カウンタCS1を「第1変動種別カウンタ」、変動種別カウンタ
CS2を「第2変動種別カウンタ」、変動種別カウンタCS3を「第3変動種別カウンタ
」とも適宜に呼ぶこととする。
【0141】
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プ
レミアムリーチ等のように装飾図柄(第3図柄)のリーチ種別や、完全外れの種別など、
大まかな装飾図柄の変動パターン群が決定される。ここでは、例えば、停止パターン選択
カウンタC3が「停止パターン1」を示す値(つまり、前後外れリーチ変動パターン群を
示す値)のものであったとし、前後外れリーチ変動パターン群の中でも第1変動種別カウ
ンタCS1によってノーマルリーチ群(種類の異なる複数個のノーマルリーチからなる)
の変動パターンが決定されたとする。
【0142】
続いて、このように第1変動種別カウンタCS1で決定された変動パターン群の中から
さらに一の変動パターンが、第2変動種別カウンタCS2によって決定される。ここでは
、例えばノーマルリーチ群の中から一の種類のノーマルリーチが第2変動種別カウンタC
S2によって決定されたとする。なお、種類の異なる複数個のノーマルリーチとしては、
リーチ発生後に最終停止装飾図柄(本実施の形態では例えば中装飾図柄)が停止するまで
の経過時間が異なる等の違いを持たせることで実現することが挙げられる。
【0143】
さらに続いて、このように第2変動種別カウンタCS2で決定された一の変動パターン
において変動時間加算を何れの時間とするかが、第3変動種別カウンタCS3によって決
定される。例えば、この加算時間としては、第3図柄表示装置42での中装飾図柄列の装
飾図柄(第3図柄)が滑り停止するなどの場合には、当該中装飾図柄列の装飾図柄が滑り
その後に停止表示されるまでの時間である附加時間が挙げられる。このように、変動種別
カウンタCS1〜CS3によって、より細かな装飾図柄変動態様を決定することができる
。つまり、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パター
ンの多種多様化を容易に実現できる。
【0144】
なお、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カ
ウンタCS1と第2変動種別カウンタCS2だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動
種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したり、第1
変動種別カウンタCS1および第2変動種別カウンタCS2と停止図柄との組み合わせで
同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
【0145】
変動種別カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新
され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示装置
40による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタC
S1〜CS3のバッファ値が取得される。したがって、図6に示すように、変動種別カウ
ンタCS1〜CS3は、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動開始時に取得するこ
ととしているので、保留球格納エリアに保存しておく必要はなく、カウンタ用バッファに
逐次更新記憶しておくだけでよい。
【0146】
なお、上述した各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大
当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1〜C
S3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが
望ましい。
【0147】
また、図6に示すように、第2図柄表示装置41の第2図柄の抽選には、第2図柄乱数
カウンタC4が用いられる。第2図柄乱数カウンタC4は、例えば「0」〜「250」の
範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後「0」に戻るループカ
ウンタとして構成されている。第2図柄乱数カウンタC4は、定期的に(後述するタイマ
割込み(図11参照)毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2の始動口34を通
過した時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149個あり、その範囲は「
5〜153」である。
【0148】
特に、第2図柄乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の初期値第2図柄乱数カウ
ンタCINI2の値が当該第2図柄乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお
、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2は、第2図柄乱数カウンタC4と同様のループ
カウンタであり(値=0〜250)、後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回更新
されるとともに、後述する通常処理(図8参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第
2図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態では後述するタイマ割込み(図11参
照)毎に1回)更新され、遊技球が第2の始動口34を通過したタイミングでRAM50
3の第2図柄保留格納エリアに格納される。
【0149】
つまり、RAM503には、保留球格納エリアとは別のエリアたる第2図柄保留格納エ
リアも有しており、1つの第2図柄用の実行エリアと4つの第2図柄用の保留エリア(第
2図柄用保留第1〜第4エリア)とからなる第2図柄保留格納エリアが設けられており、
これらの各エリアには、第2の始動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、第2図柄乱
数カウンタC4の各値が時系列的に格納されるようになっている。
【0150】
また、第2図柄外れ図柄カウンタC5は、後述する図8での通常処理の第2図柄制御処
理が1回実行される毎に1回更新され、その値がカウンタ用バッファの第2図柄外れ図柄
バッファに更新取得され、第2図柄乱数カウンタC4の第2図柄保留球格納エリアへの記
憶の際に、この第2図柄外れ図柄バッファに更新取得された第2図柄外れ図柄カウンタC
5も第2図柄保留球格納エリアに記憶される。したがって、図6に示すように、第2図柄
乱数カウンタC4の値が落選の場合には、第2図柄保留球格納エリアの第2図柄外れ図柄
カウンタC5の値に基づいて、「×」が描かれた表示部41bの点灯表示される。なお、
第2図柄外れ図柄カウンタC5を備えず、第2図柄乱数カウンタC4のみに基づいて第2
図柄変動表示結果を行うようにしてもよい。つまり、第2図柄乱数カウンタC4が当選な
ら「○」が描かれた表示部41aを点灯表示し、落選なら「×」が描かれた表示部41b
の点灯表示するごとくである。
【0151】
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を図7〜図1
7のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別し
て、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周
期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号
の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ
割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
【0152】
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261
のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
【0153】
図11において、先ずステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行
する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去ス
イッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報
(入賞検知情報)を保存する。
【0154】
その後、ステップS602では、初期値乱数カウンタCINI1と初期値第2図柄乱数
カウンタCINI2との更新を実行する。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1を
1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「738」)
に達した際「0」にクリアし、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2を1インクリメン
トすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「250」)に達した後の1
インクリメントの際に「0」にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1の更
新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する(図6参照)。
【0155】
また、図11に示すように、続くステップS603では、大当たり乱数カウンタC1、
大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の更新を実行する。具体的
には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウ
ンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施
の形態ではそれぞれ、「738」,「4」,「250」)に達した後の1インクリメント
の際にそれぞれ「0」にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM
503の該当するバッファ領域に格納する(図6参照)。
【0156】
その後、図11に示すように、ステップS604では、第1の始動口33a,33bへ
の入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図12のフローチャートによ
り説明すると、ステップS701では、遊技球が第1の始動口33a,33bに入賞した
か否かを作動口スイッチの検出情報により判別する。遊技球が第1の始動口33a,33
bに入賞したと判別されると、続くステップS702では、第1図柄表示装置40の作動
保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。第1の始動口
33a,33bへの入賞があり、かつ作動保留球数N<4であることを条件にステップS
703に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。
【0157】
また、続くステップS704では、第1図柄の当落に関わる乱数を取得する。具体的に
は、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタ
C2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、図6に示したRAM503の保留球格
納エリアの空き記憶エリアのうちの最初のエリアに格納する。
【0158】
また、図11に示すように、続くステップS605では、発射制御処理を実行する。具
体的には、発射制御処理では、主制御装置261のCPU501は、図4に示すように、
発射制御装置312からの発射許可信号S7がONである場合に、発射制御信号S8及び
球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力し、発射装置229による遊技球発射制
御が行われる。このように発射制御処理をした後、CPU501は本タイマ割込処理を一
旦終了する。
【0159】
図13は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置26
1のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。こ
のNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアッ
プエリアに記憶される。
【0160】
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が
停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。
すると、CPU501は実行中の制御を中断して図13のNMI割込み処理を開始する。
図13のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電
信号S1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電
源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行され
る。
【0161】
図13のNMI割込み処理において、ステップS801では、電源断の発生情報をバッ
クアップエリアに設定する。本実施例では、電源断の発生情報のフラグを立ててバックア
ップエリアに記憶させる。
【0162】
次に、メイン処理について説明する。
図7は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示す
フローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0163】
先ず、ステップS101では、主制御装置261のCPU501は、電源投入に伴う初
期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定す
る。また、ステップS102では、主制御装置261のCPU501は、サブ側の制御装
置(サブ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つため
に例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。続くステップS103では、主制御装置2
61のCPU501は、RAMアクセスを許可する。
【0164】
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する
。つまり、ステップS104では、主制御装置261のCPU501は、電源監視基板2
61bに設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、オ
フであればステップS105に進み、オンであればステップS113に進む。続くステッ
プS105では、主制御装置261のCPU501は、RAM503のバックアップエリ
アに電源断の発生情報が設定されているか否か(電源断の発生情報のフラグが立っている
か否か)を判別する。また、ステップS106では、主制御装置261のCPU501は
、RAM判定値を算出し、続くステップS107では、主制御装置261のCPU501
は、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバ
ックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレ
スにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキ
ーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可
能である。
【0165】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時
に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される
。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAM503の初期化処理(
ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、
RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に
、使用RAM領域をクリアおよびRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移
行する。つまり、ステップS113では、主制御装置261のCPU501は、RAM5
03の使用領域を「0」にクリアし、RAM503の初期化処理を実行する。
【0166】
続くステップS114では、主制御装置261のCPU501は、払出初期化コマンド
を送信する。このように、払出初期化コマンドは、主制御装置261が初期化された時に
払出制御装置311に出力される。
【0167】
また、ステップS115では、主制御装置261のCPU501は、電源投入時のコマ
ンドをサブ制御基板262aに送信する。この電源投入時のコマンドは、パチンコ機の機
種を判別するためのコマンドを含むものであり、サブ制御基板262aや表示制御装置4
5などのサブ側で当該コマンド内容に基づいて機種を判別することができるようになって
いる。
【0168】
また、ステップS116では、主制御装置261のCPU501は、CTC(Counter
/Timer Circuit)の初期設定を実行する。ステップS117では、主制御装置261の
CPU501は、割込み許可を設定し、後述する通常処理(図8参照)に移行する。
【0169】
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定
されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復
電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断
の発生情報をクリアする。ステップS109では、主制御装置261のCPU501は、
払出復帰コマンドを払出制御装置311に送信し、払出制御開始を払出制御装置311に
指示する。詳細は後述するが、払出制御装置311は、主制御装置261から払出復帰コ
マンドを受信すると、復帰し、払出制御を開始する。
【0170】
ステップS110では、主制御装置261のCPU501は、サブ側の制御装置を電源
断時の遊技状態に複帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、主制御装
置261のCPU501は、CTC(Counter/Timer Circuit)の初期設定を実行する。
さらに、ステップS112では、割込み許可を設定し、それから後述する通常処理(図8
参照)に移行する。例えば、通常処理の途中で電源断が発生したとしても、当該通常処理
の最後のステップ(図8に示す「RAMアクセス禁止」のステップ)まで実行してから電
源断状態となるので、復電後は通常処理の最初のステップたるステップS201から実行
されることになる。
【0171】
次に、通常処理の流れを図8のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理
では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処
理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS210,S2
11のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0172】
図8において、先ずステップS201では、主制御装置261のCPU501は、前回
の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信するという外部
出力処理を行う。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出
制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第
1図柄表示装置40の第1図柄変動表示(2個のLED40a,40bの変動表示)に連
動して第3図柄表示装置42による装飾図柄(第3図柄)の変動表示も行われるのである
が、第1図柄表示装置40の第1図柄の変動表示に際して変動パターン指定コマンド、装
飾図柄指定コマンド、全停止コマンド(確定コマンド)等を外部出力処理においてサブ制
御装置262に送信する。
【0173】
なお、このパチンコ機10では、第1図柄の変動開始時において、変動パターン指定コ
マンド→演出コマンド(変動時間の変更等を指定するためのコマンド)→装飾図柄指定コ
マンドの順で通常処理の外部出力処理の都度所定個数(例えば3つ)ずつ(すなわち、4
msec毎に3つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで全停止コマン
ドが送出されるようになっている。また、第1図柄の変動開始後において、変動パターン
指定コマンド→演出コマンド→装飾図柄指定コマンドの順で通常処理の外部出力処理の都
度所定個数(例えば3つ)ずつ(すなわち、4msec毎に3つずつ)コマンドが送出さ
れ、変動時間経過のタイミングで全停止コマンドが送出されるようにしてもよい。
【0174】
変動パターン指定コマンドは、第3図柄表示装置42で変動表示される装飾図柄(第3
図柄)の変動パターンを指定するためのコマンドである。変動パターン指定コマンドは、
主制御装置261からサブ制御装置262に送信され、サブ制御装置262から表示制御
装置45に送信される。表示制御装置45は、送信されてきた変動パターン指定コマンド
に基づいて、装飾図柄の変動パターンを表示実行するように第3図柄表示装置42を制御
する。
【0175】
装飾図柄指定コマンドは、第3図柄表示装置42での装飾図柄(第3図柄)の変動表示
演出が、確変大当り(特定当り)、通常大当り(非特定当り)、外れの何れとなるかを指
定するためのコマンドである。装飾図柄指定コマンドは、主制御装置261からサブ制御
装置262に送信され、サブ制御装置262から表示制御装置45に送信される。表示制
御装置45は、装飾図柄の変動パターンの表示結果を、送信されてきた装飾図柄指定コマ
ンドに応じた結果(確変大当り(特定当り)、通常大当り(非特定当り)あるいは外れ)
となるように第3図柄表示装置42を表示制御する。
【0176】
全停止コマンドは、第3図柄表示装置42で変動表示される装飾図柄(第3図柄)の変
動パターンの停止を指示するためのコマンドである。全停止コマンドは、主制御装置26
1からサブ制御装置262に送信され、サブ制御装置262から表示制御装置45に送信
される。表示制御装置45は、送信されてきた全停止コマンドに基づいて、装飾図柄の変
動パターンを停止表示するように第3図柄表示装置42を制御する。
【0177】
また、主制御装置261のCPU501は、通常処理の外部出力処理(ステップS20
1)にて、変動パターン指定コマンドと演出コマンド(変動時間の変更等を指定するため
のコマンド)とをサブ制御装置262に送信することがある。つまり、変動種別カウンタ
CS3の値に基づいて変動時間加算(前述した装飾図柄の滑り演出による附加時間)を何
れの時間とするかが決定され、このような加算時間を適切にサブ制御装置262に指示す
るために、演出コマンドが用いられるのである。したがって、第1図柄の変動開始後にお
いて、変動パターン指定コマンド→演出コマンド→装飾図柄指定コマンドの順で通常処理
の外部出力処理の都度所定個数(例えば3つ)ずつ(すなわち、4msec毎に3つずつ
)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで全停止コマンドが送出されることが
ある。
【0178】
次に、ステップS202では、主制御装置261のCPU501は、変動種別カウンタ
CS1〜CS3の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3をそれ
ぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では19
8,240,162)に達した後の1インクリメントの際にそれぞれ「0」にクリアする
。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値を、RAM503の該当する図6に
示すバッファ領域に格納する。
【0179】
続く図8のステップS203では、主制御装置261のCPU501は、払出制御装置
311より受信した賞球計数信号や払出異常信号や下皿満タン信号を読み込む。その後、
ステップS204では、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動表示を行うための第
1図柄変動処理を実行する。この第1図柄変動処理により、大当たり判定や第1図柄の変
動パターンの設定などが行われる。但し、第1図柄変動処理の詳細は後述する。
【0180】
その後、ステップS205では、主制御装置261のCPU501は、大当たり状態で
ある場合において可変入賞装置32の大入賞口32aを開放又は閉鎖するための大入賞口
開閉処理を実行する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口32aを開放し、
そのラウンド毎に、大入賞口32aの最大開放時間が経過したか、又は大入賞口32aに
遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立するとそ
のラウンドにおける大入賞口32aの開放を止めて閉鎖し、残りのラウンドがある場合に
は、大入賞口32aの開放を残りラウンド数繰り返し実行する。
【0181】
また、ステップS206では、主制御装置261のCPU501は、第2図柄表示装置
41による第2図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第2の始動口3
4を通過したことを条件に、その都度の第2図柄乱数カウンタC4が取得されると共に第
2図柄表示装置41の表示部41a,41bにて第2図柄の変動表示が実施される。そし
て、第2図柄乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり
状態になると、主制御装置261のCPU501は、ステップS207に示すように、下
部側の第1の始動口33bを所定時間開放するという第1の始動口33bの開放処理を行
う。なお説明は省略したが、第2図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、
大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3と同様に、図11に示すタ
イマ割込処理にて更新されるようになっている。
【0182】
また、ステップS208では、主制御装置261のCPU501は、RAM503のバ
ックアップエリアに電源断の発生情報が設定されているか否か(電源断の発生情報のフラ
グが立っているか否か)を判別する。電源断の発生情報が設定されていない場合には、ス
テップS209に進み、電源断の発生情報が設定されている場合には、ステップS212
に進む。
【0183】
その後、ステップS209では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すな
わち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否
かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において
、初期値乱数カウンタCINI1、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2及び変動種別
カウンタCS1〜CS3の更新を繰り返し実行する(ステップS210,S211)。つ
まり、ステップS210では、初期値乱数カウンタCINI1及び初期値第2図柄乱数カ
ウンタCINI2の更新を実行する。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1を1イ
ンクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「738」)に達
した後の1インクリメントの際に「0」にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCI
NI1の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。これと同様に、初
期値第2図柄乱数カウンタCINI2を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が
最大値(本実施の形態では「250」)に達した後の1インクリメントの際に「0」にク
リアする。そして、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM503の
該当するバッファ領域に格納する。
【0184】
また、ステップS211では、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を実行する(前
記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3を1インク
リメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「198」,「2
40」,「162」)に達した後の1インクリメントの際にそれぞれ「0」にクリアする
。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値を、RAM503の該当するバッフ
ァ領域に格納する。
【0185】
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化す
るため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故
に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1,初期値第2図柄乱数カウ
ンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1(
すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)及び初期値第2図柄乱数カウンタCIN
I2(すなわち、第2図柄乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ
るようになる。
【0186】
また、ステップS208において、電源断の発生情報が設定されていて、ステップS2
12に進んだ場合には、主制御装置261のCPU501は、割込み禁止を設定する。続
いて、ステップS213では、主制御装置261のCPU501は、電源が速断されたこ
とを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。続いて、ステップS21
4では、主制御装置261のCPU501は、制御信号の出力を停止する。続いて、ステ
ップS215では、主制御装置261のCPU501は、RAM判定値を算出し、バック
アップエリアに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスに
おけるチェックサム値である。続いて、ステップS216では、主制御装置261のCP
U501は、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行で
きなくなるのに備え、無限ループに入る。
【0187】
次に、前記ステップS205の第1図柄変動処理を図9のフローチャートを参照して説
明する。
【0188】
図9において、ステップS401では、主制御装置261のCPU501は、今現在大
当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たりの際に第3図柄表示
装置42で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。
続くステップS402では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄表示装置40
による第1図柄の変動表示中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに
第1図柄の変動表示中でもない場合、ステップS403に進み、主制御装置261のCP
U501は、第1図柄表示装置40の作動保留球数Nが「0」よりも大きいか否かを判別
する。このとき、大当たり中であるか、又は作動保留球数Nが「0」である場合、そのま
ま本処理を終了する。
【0189】
また、大当たり中、第1図柄の変動表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N>0であ
れば、ステップS404に進む。ステップS404では、主制御装置261のCPU50
1は、作動保留球数Nを「1」減算する。ステップS405では、保留球格納エリアに格
納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エ
リアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる
処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第
3エリア→保留第2ユリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内
のデータがシフトされる。
【0190】
その後、ステップS406では、主制御装置261のCPU501は、変動開始処理を
実行する。ここで、図10のフローチャートを用いて変動開始処理を詳細に説明すると、
ステップS501では、主制御装置261のCPU501は、保留球格納エリアの実行エ
リアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別す
る。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモード(
確変状態であるのか通常状態であるのか)との関係に基づいて判別され、前述した通り通
常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値「0」〜「738」のうち「350,
700」が当たり値(2個)であり、高確率時には「50,101,160,209,2
57,310,361,418,480,517,578,635,677,730」が
当たり値(14個)である。
【0191】
主制御装置261のCPU501は、大当たりであると判別した場合、ステップS50
2では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値
に対応する大当たり図柄、すなわち、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40
bで表示される、確変大当り(特定当り)としての両LED40a,40bを赤色点灯表
示または通常大当り(非特定当り)としての両LED40a,40bを青色点灯表示の何
れかとする停止図柄(停止表示)を求める。つまり、大当たり図柄カウンタC2の値と図
柄との対応関係を表すテーブル(図示省略)に基づいて、大当たり図柄カウンタC2の値
に対応する大当たり図柄(「特定当り図柄」または「非特定当り図柄」)を求める。
【0192】
次に、ステップS503では、主制御装置261のCPU501は、大当たり時におけ
る変動パターン(大当たり演出パターン)を決定する。具体的には、主制御装置261の
CPU501は、停止パターン選択カウンタC3を用いることなく、RAM503のカウ
ンタ用バッファに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値及び変動種別カウンタC
S1,CS2の値をその順に確認し、変動パターンを決定する。
【0193】
つまり、大当たり図柄カウンタC2の値に基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図
柄を通常大当り(非特定当り)の「停止パターン3」で表示するのか、又は第3図柄表示
装置42での装飾図柄を確変大当り(特定当り)の「停止パターン4」で表示するのかを
決定する。このように決定した「停止パターン3」または「停止パターン4」の種別をさ
らに第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて決定する。つまり、ノーマルリーチ、ス
ーパーリーチ、プレミアムリーチ等のように装飾図柄(第3図柄)のリーチ種別など、大
まかな装飾図柄の変動パターン群を決定する。続いて、このように決定した大まかな装飾
図柄の変動パターン群の中から、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、一の変動
パターンを決定する。例えば、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、リーチ発生
後に最終停止装飾図柄(本実施の形態では中装飾図柄)が停止するまでの経過時間を所定
時間にする等、より細かな装飾図柄変動態様を決定する。なお、大当たりの場合における
次の各関係、つまり、大当たり図柄カウンタC2の数値と停止パターンとの関係、第1変
動種別カウンタCS1の数値と変動パターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数
値と停止図柄時間との関係は、それぞれに大当たり用のテーブル等により予め規定されて
いる。
【0194】
一方、ステップS501で大当たりではないと判別された場合には、ステップS504
において、主制御装置261のCPU501は、外れ図柄、すなわち第1図柄表示装置4
0の2個のLED40a,40bにて色違いで停止表示させるという停止図柄に設定する

【0195】
次に、ステップS505では、主制御装置261のCPU501は、外れ時における変
動パターン(外れ演出パターン)を決定し、当該外れ変動パターンを変動パターン指定コ
マンドに設定する。具体的には、主制御装置261のCPU501は、RAM503の保
留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3及び変動種
別カウンタCS1,CS2の値をその順に確認し、変動パターンを決定する。
【0196】
つまり、停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置42での装
飾図柄のリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後に1つだけずれて停
止する「前後外れリーチ」である「停止パターン1」と、同じくリーチ発生した後最終停
止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」である「停止
パターン2」と、リーチ発生しない「完全外れ」である「停止パターン0」との何れの停
止パターンにするかを決定する。例えば、この決定した停止パターンが例えば前後外れリ
ーチとなる「停止パターン1」である場合には、第1変動種別カウンタCS1の値に基づ
いて、前後外れリーチ変動パターン群の中からノーマルリーチ、スーパーリーチ等のよう
な装飾図柄(第3図柄)のリーチ種別が特定された変動パターンが決定されるなど、大ま
かな装飾図柄の変動パターン群を決定する。なおここではノーマルリーチが決定されたと
する。続いて、このように決定した大まかな装飾図柄のノーマルリーチ変動パターン群の
中から、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、さらに一の変動パターンを決定す
る。例えば、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、リーチ発生後に最終停止装飾
図柄(本実施の形態では中装飾図柄)が停止するまでの経過時間を所定時間にする等、よ
り細かな装飾図柄変動態様を決定する。なお、外れの場合における次の各関係、つまり、
停止パターン選択カウンタC3の数値と停止パターンとの関係、第1変動種別カウンタC
S1の数値と変動パターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間
との関係は、それぞれに外れ用のテーブル等により予め規定されている。
【0197】
本実施の形態では、上述の外れ用のテーブルのうちの一つとしては、例えば、低確率時
で、第1図柄表示装置40の変動時間短縮機能の状態で、第1図柄の変動開始時の当該第
1図柄の作動保留数が「0」の場合に採用されるものがあり、停止パターン選択カウンタ
C3の値が「0〜201」の場合にはリーチなし(完全外れ)に該当し、「202〜20
8」が前後外れリーチに該当し、「209〜238」が前後外れ以外リーチに該当するも
のが挙げられる。
【0198】
続いて、ステップS506では、主制御装置261のCPU501は、演出時間加算の
決定、つまり、ステップS503で決定された大当たり変動パターンまたはステップS5
05で決定された外れ変動パターンの演出時間の加算の決定を行う。より具体的には、変
動種別カウンタCS3の値に基づいて、第3図柄表示装置42での中装飾図柄列の装飾図
柄(第3図柄)が滑り停止するなどによる演出時間の増加(当該中装飾図柄列の装飾図柄
が滑りそれが停止表示されるまでの時間の増加)を含む変動パターンが決定される。
【0199】
また、ステップS507では、主制御装置261のCPU501は、ステップS503
で決定された大当たり変動パターンに対応する変動パターン指定コマンド、または、ステ
ップS505で決定された外れ変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを設定
する。
【0200】
続いて、ステップS508では、主制御装置261のCPU501は、ステップS50
2,S503を経てきた場合には、ステップS502で決定された第1図柄表示装置40
の大当たり図柄(「特定当り図柄」または「非特定当り図柄」)に対応する装飾図柄指定
コマンドを設定し、ステップS504,S505を経てきた場合には、ステップS504
で決定された第1図柄表示装置40の外れ図柄に対応する装飾図柄指定コマンドを設定す
る。
【0201】
続いて、ステップS509では、主制御装置261のCPU501は、ステップS50
6で決定された演出時間加算に対応する演出時間加算指定コマンドを設定し、本処理を終
了する。
【0202】
図9の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち第1図柄の変動表示中である
場合には、ステップS407に進み、主制御装置261のCPU501は、第1図柄の変
動時間が経過したか否かを判別する。この第1図柄の変動時間は、図10を用いて前述し
たように決定された変動パターン及び演出時間加算に基づいて決められており、つまり、
第1図柄の変動パターンに応じて当該第1図柄の変動時間が決められており、この変動時
間が経過した時にステップS407が肯定判別される。変動時間が経過していなければス
テップS408に進み、変動時間が経過していればステップS409に進む。
【0203】
そして、ステップS408では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄表示装
置40での第1図柄の変動表示を更新する。つまり、第1図柄表示装置40の2個のLE
D40a,40bの変動表示を継続し、本処理を終了する。
【0204】
一方、ステップS409では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄の変動表
示を停止し、第1図柄の停止図柄を表示図柄へ設定する。つまり、図10のステップS5
02で大当たり図柄(確変大当り)に決定された場合には、第1図柄表示装置40の2個
のLED40a,40bの変動表示後に、この両LED40a,40bを赤色点灯表示し
、確変大当り(特定当り)を示し、図10のステップS502で大当たり図柄(通常大当
り)に決定された場合には、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bの変動
表示後に、この両LED40a,40bを青色点灯表示し、通常大当り(非特定当り)を
示し、図10のステップS504で外れ図柄に決定された場合には、第1図柄表示装置4
0の2個のLED40a,40bの変動表示後に、この両LED40a,40bを色違い
で点灯表示し、外れを示す。
【0205】
続いて、ステップS410では、主制御装置261のCPU501は、第3図柄表示装
置42で変動表示される装飾図柄(第3図柄)の変動パターンの停止を指示するための全
停止コマンドを設定し、その後本処理を終了する。
【0206】
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明す
る。図14は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイ
ン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0207】
先ず、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、
払出制御装置311のCPU511は、スタックアドレスと割込みモードを設定する。ま
た、ステップS902では、払出制御装置311のCPU511はRAMアクセスを許可
し、ステップS903では、払出制御装置311のCPU511は外部割込みベクタの設
定を行う。
【0208】
その後、ステップS904では、払出制御装置311のCPU511は、RAM513
のバックアップエリアに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ス
テップS905では、払出制御装置311のCPU511は、RAM判定値を算出し、続
くステップS906では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致す
るか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM5
13の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエ
リアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効
性を判断することも可能である。
【0209】
続いて、ステップS907では、払出制御装置311のCPU511は、復電時のRA
M513の初期設定を行う。具体的には、主制御装置261が初期化されるとこの主制御
装置261から払出初期化コマンドが払出制御装置311に送信され、払出制御装置31
1のCPU511は、主制御装置261からの払出初期化コマンドを受けると、このステ
ップS907で復電時のRAM513の初期設定を行う。つまり、RAM領域の初期化を
行い、遊技球の払出しの制御を開始する。
【0210】
したがって、電源投入時にRAM消去スイッチ323が押下(ON)されている場合に
は、主制御装置261が初期化されるとともに、この主制御装置261から払出制御装置
311に払出初期化コマンドが送信されることになり、払出制御装置311のCPU51
1は、主制御装置261からの払出初期化コマンドに基づいて、RAM513の初期化処
理が行われる。
【0211】
続いて、ステップS908では、払出制御装置311のCPU511は、当該CPU5
11の周辺デバイスの初期設定を行う。具体的には、CPU周辺デバイスとは、CTC(
Counter/Timer Circuit)と呼ばれるタイマ制御デバイスであり、このCTCを所定値に
設定してタイマ割込みを2ミリ秒(ms)毎に発生させる。
【0212】
続いて、ステップS909では、払出制御装置311のCPU511は、割込み許可設
定し、後述する払出制御処理に移行する。
【0213】
一方、ステップS904にて電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS
906にてRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場
合も同様に、払出制御装置311のCPU511はRAM513の全領域を「0」にクリ
ア(ステップS910)し、初期化処理を行う(ステップS911)。
【0214】
次に、払出制御処理の流れを図15のフローチャートを参照しながら説明する。
【0215】
図15において、ステップS1001では、払出制御装置311のCPU511は、主
制御装置261からのコマンドを取得し記憶する。ここで、この記憶するコマンドとして
は、15種類の賞球コマンド(1個〜15個の払出しを指示するための15種類の賞球コ
マンド)や、払出制御装置311への払出制御開始を指示するための払出復帰コマンドや
、払出制御装置311への払出初期化を指示するための払出初期化コマンドの合わせて1
7種類のコマンドが挙げられる。
【0216】
ステップS1002では、払出制御装置311のCPU511は、払出許可を受信済み
か否かを判別する。つまり、払出復帰コマンドや賞球コマンドを受けたか否かを判別する
。また、ステップS1003では、払出制御装置311のCPU511は、状態復帰スイ
ッチ(図示省略)をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実
行する。
【0217】
その後、ステップS1004では、払出制御装置311のCPU511は、下皿15の
状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち
、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンにな
った時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状
態の設定を実行する。
【0218】
また、ステップS1005では、払出制御装置311のCPU511は、タンク球の状
態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわ
ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しに
なった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無
し解除状態の設定を実行する。
【0219】
その後、ステップS1006では、払出制御装置311のCPU511は、報知する状
態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメン
トLEDにより報知する。
【0220】
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の
払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が「0」でなけ
れば(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球
制御処理(後述する図16)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が
0であれば(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移
行する。
【0221】
その後、ステップS1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合
、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば
(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球
制御処理(後述する図17)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求
を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続のバ
イブモータ制御(ステップS1013)を実行する。
【0222】
ステップS1013では、払出制御装置311のCPU511は、バイブレータ360
(図3参照)の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、ステップS1014では
、払出制御装置311のCPU511は、停電発生か否かを判別する。停電発生であれば
ステップS1015に進み、そうでなければステップS1001に戻る。ステップS10
15では、払出制御装置311のCPU511は、電源断の発生情報を設定し、ステップ
S1016では、RAM判定値を作成する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行
できなくなるのに備え、無限ループに入る。
【0223】
ここで、図16に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ3
58aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ3
58aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ3
58aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動
させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、
図15の払出制御処理に戻る。
【0224】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球
のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別す
る。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358
aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、
その後、図15の払出制御処理に戻る。
【0225】
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウント
スイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別す
る。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行
し、その後、図15の払出制御処理に戻る。
【0226】
また、図17に示す貸球制御処理において、ステップS1201では、払出モータ35
8aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ35
8aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ35
8aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動さ
せてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図
15の払出制御処理に戻る。
【0227】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球
のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別す
る。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358
aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、
その後、図15の払出制御処理に戻る。
【0228】
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウント
スイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了した
か否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの
停止処理を実行し、その後、図15の払出制御処理に戻る。
【0229】
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNM
I割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM51
3のバックアップエリアに記憶される。停電信号S1が出力された後所定時間は、払出制
御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同
様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信
号S1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出
力され、CPU511は実行中の制御を中断して図13のNMI割込み処理を開始する。
その内容は図13で説明した通りである。
【0230】
次に、サブ制御装置262のメイン処理と通常処理とについて図18及び図19を用い
て説明する。図18は、サブ制御装置262のCPU551により実行されるメイン処理
の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動
される。図19は、サブ制御装置262のCPU551により実行される通常処理の一例
を示すフローチャートである。
【0231】
先ず、ステップS1301では、サブ制御装置262のCPU551は、電源投入に伴
う初期設定処理を実行する。具体的には、ポートの設定(ポートI/O切り替えおよび初
期値出力)と、タイマの設定(1ミリ秒インターバルタイマ、液晶コマンドストローブ出
力タイマ)と、割込み設定(サブコマンドストローブ割込み)とを行う。
【0232】
また、ステップS1302では、サブ制御装置262のCPU551は、電源断処理が
未完了か否かを判別する。具体的には、パチンコ機10の前面枠セット14の各種ランプ
(環状電飾部102や中央電飾部103等)が全消灯しており、かつ、スピーカが消音状
態となっているか否かを判別する。そして、電源断処理が未完了であればステップS13
04に進み、そうでなければステップS1303に進む。
【0233】
続いて、ステップS1303では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装
置262のRAMが破壊されているか否かを判別し、破壊されていればステップS130
4に進み、そうでなければステップS1307に進む。ステップS1304では、サブ制
御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAM領域読み書きチェックを行
う。そして、ステップS1305では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御
装置262のRAMは正常か否かを判別する。サブ制御装置262のRAMが正常であれ
ばステップS1306に進み、異常であればステップS1311に進む。ステップS13
06では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM553のエリア毎にRAM破壊
チェック用のデータを書き込み、その読み出し異常があれば破壊されていると判別するた
めのRAM破壊チェックデータの設定を行う。
【0234】
そして、ステップS1307では、サブ制御装置262のCPU551は、電源断後の
電源投入であるのか否かを判別する。電源断後の電源投入であればステップS1308に
進み、そうでなければステップS1309に進む。
【0235】
ステップS1308では、サブ制御装置262のCPU551は、未処理化RAM領域
以外のRAM領域をクリアする。具体的には、未処理化RAM領域は、データをクリアす
るとシステム上問題となる情報を保存する領域であり、RAM領域破壊時以外は残したい
情報のエリアのことである。例えば、サブコマンド受信バッファや電源投入情報などが挙
げられる。主制御装置261が電源断して、サブ制御装置262がリセットした場合(主
制御装置261から電源断通知コマンドを受信した場合)に、未処理化RAM領域以外の
RAM領域をクリアする。
【0236】
ステップS1309では、サブ制御装置262のCPU551は、割込み許可を設定す
る。ステップS1310では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置26
2のRAMの初期値設定を行い、図19に示す通常処理に移行する。
【0237】
なお、ステップS1311では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM異常報
知を行い、無限ループに入る。例えば、所定のランプを無条件で点灯させるなどの報知を
行うことが挙げられる。
【0238】
図19に示すように、ステップS1401では、サブ制御装置262のCPU551は
、通常処理開始時から1ms以上経過したか否かを判別する。1ms以上経過していれば
、ステップS1402に進み、経過していなければステップS1410に進む。
【0239】
ステップS1402では、サブ制御装置262のCPU551は、ランプ出力処理を行
う。具体的には、第3図柄表示装置42での装飾図柄(第3図柄)の変動パターン演出に
合わせたランプ出力を行う。
【0240】
ステップS1403では、サブ制御装置262のCPU551は、電源投入報知を行う
。具体的には、電源投入コマンドによる30秒間の報知を行う。
【0241】
ステップS1404では、サブ制御装置262のCPU551は、客待ち演出を行う。
具体的には、タイトル/静止画の切り替えを行う。つまり、いわゆるデモ画面表示を行う

【0242】
ステップS1405では、サブ制御装置262のCPU551は、第1図柄変動の保留
個数表示更新処理を行う。具体的には、この保留個数表示更新処理は、第1図柄表示装置
40の保留ランプ40cに対応した表示を第3図柄表示装置42でも行うための処理であ
るため、第1図柄表示装置40の保留ランプ40cのみで表示するパチンコ機の場合には
本処理は不要となる。
【0243】
ステップS1406では、サブ制御装置262のCPU551は、枠ボタン入力監視・
演出処理を行う。具体的には、この枠ボタン入力監視・演出処理は、遊技者が押下可能な
枠ボタン20を備えたパチンコ機において、枠ボタン20の押下による機種別の演出を行
うためのものである。したがって、このような枠ボタン20を備えないパチンコ機におい
ては、本処理は不要である。
【0244】
ステップS1407では、サブ制御装置262のCPU551は、ランプ編集処理を行
う。具体的には、第3図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出に対応(同期)
したランプ点灯パターンを編集するという処理を行う。
【0245】
ステップS1408では、サブ制御装置262のCPU551は、音編集・出力処理を
行う。具体的には、第3図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出に対応(同期
)した音を鳴動させるという処理を行う。
【0246】
ステップS1409では、サブ制御装置262のCPU551は、液晶演出実行管理処
理を行う。具体的には、ランプと音声と液晶演出(第3図柄表示装置42での装飾図柄の
変動パターン演出)とを同期させる時間管理等を行う。
【0247】
ステップS1410では、サブ制御装置262のCPU551は、第3図柄表示装置4
2で行うべき装飾図柄の変動パターンおよび音声ランプの演出を決定するための乱数の値
を更新する処理を行う。具体的には、この乱数は例えば「0」〜「32767」の値をと
るものであって、上限値「37268」に達すると「0」に戻るものが挙げられる。
【0248】
ステップS1411では、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261か
らコマンドを受信した場合に、各コマンドに対応した処理を行う。
【0249】
具体的には、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの変動パタ
ーン指定コマンドを受信した場合に、この変動パターン指定コマンドをコマンド変換して
表示制御装置45に送信する。なお、変動パターン指定コマンドをそのままスルー出力す
るようにしてもよい。また、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261か
らの装飾特別図柄指定コマンドを受信した場合に、この装飾特別図柄指定コマンドと予告
演出コマンドとを表示制御装置45に送信する。この予告コマンドとしては、予告として
の例えば魚群の出現の有無が挙げられる。また、サブ制御装置262のCPU551は、
主制御装置261からの全停止コマンド(確定コマンド)を受信した場合に、この全停止
コマンドをそのまま表示制御装置45に送信する。
【0250】
ステップS1412では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262
のRAMが破壊されているか否かを判別する。RAM破壊されていなければステップS1
401に戻り、破壊されていれば無限ループに入る。
【0251】
なお、表示制御装置45では、サブ制御装置262からの各コマンド(変動パターン指
定コマンド、装飾特別図柄指定コマンド、予告演出コマンド、全停止コマンド)に基づい
て、第3図柄表示装置42で行うべき装飾図柄の変動パターンの画像生成制御を行う。具
体的には、表示制御装置45は、第3図柄表示装置42での装飾図柄変動パターンについ
ての画像生成処理を実行し、例えばフレームレート30(1秒間に30枚の画像)で画像
生成し、それらの生成画像をビデオRAM524(例えばフレームバッファ)に記憶し、
それを適宜に第3図柄表示装置42に表示するようにすることで、第3図柄表示装置42
での装飾図柄変動表示が実現されている。
【0252】
次に、本発明のパチンコ機10のさらなる特徴部分の構成について、図20〜図24を
用いて説明する。図20は、実施例1のパチンコ機10についての要部の電気的構成を示
すブロック図である。図21は実施例1の主制御装置261の要部構成を示すブロック図
である。図22(a)は、正常接続状態の主制御装置261およびサブ制御装置262の
変動モニタ430等のタイムチャートを示す図であり、図22(b)は、不正接続状態の
主制御装置261およびサブ制御装置262の変動モニタ等のタイムチャートを示す図で
ある。図23は、不正に偽の主制御装置490が組み込まれた場合の電気的構成を示すブ
ロック図である。図24は、不正接続の場合の変動モニタ430およびサブ側の変動モニ
タの発光態様などを示す図である。
【0253】
前述したように、パチンコ機10は、図20に示すように、主制御装置261とサブ制
御装置262と表示制御装置45と第3図柄表示装置42と第1図柄表示装置40と第1
の始動口33a,33bと可変入賞装置32とを備えている。なお、第3図柄表示装置4
2は、図5に示すように、遊技者にとって有利な特別遊技状態の発生の有無を知らせる第
3図柄(識別情報:本実施例1では装飾図柄)の変動表示を行うものである。
【0254】
主制御装置261は、遊技の利益に関する制御を所定の制御プログラムに従って行うも
のであり、具体的には前述のメイン処理(図7参照)や通常処理(図8参照)やタイマ割
込み処理(図11参照)やNMI割り込み処理(図13参照)を行う。
【0255】
サブ制御装置262は、図20に示すように、主制御装置261からの指令(コマンド
:変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、確定コマンドなど)に基づいて、
所定の装飾図柄(第3図柄)の変動表示を第3図柄表示装置42に表示させるように表示
制御装置45を制御する。また、サブ制御装置262は、図20に示すように、主制御装
置261からの指令に基づいて、遊技内容に応じた音声などをスピーカから出力するよう
に制御したり、遊技内容や遊技状態に応じて各種ランプ(図1に示した環状電飾部102
,中央電飾部103,賞球ランプ105,エラー表示ランプ106)を点灯制御したりし
ている。
【0256】
さらに、パチンコ機10は、図20に示すように、遊技者による遊技球の発射操作を受
ける遊技球発射ハンドル18と、遊技球の発射を制御する発射制御装置312と、遊技球
を発射する発射装置229とを備えている。
【0257】
発射装置229は、図2に示した遊技盤30の遊技領域30aに遊技球を発射するもの
であり、具体的には、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)と、この発射ソレノ
イドに遊技球を1個ずつ供給する球送りソレノイド(図示省略)とを備えている。
【0258】
また、このパチンコ機10は、図20に示すように、主制御装置261やサブ制御装置
262や発射制御装置312など各種の制御部品などに電源電圧を供給する電源装置31
3と、遊技球の払い出しを制御する払出制御装置311と、遊技球を払い出す払出モータ
358aとを備えている。
【0259】
ここで、図21を用いて、主制御装置261の要部構成について説明する。
【0260】
主制御装置261は、図21に示すように、当否抽選部400と変動パターン決定部4
10と指令出力部420とを備えている。
【0261】
当否抽選部400は、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入賞(変動開始条件成
立)に基づいて、特別遊技状態(大当たり状態)の発生の当否抽選を行うものである。
【0262】
具体的には、当否抽選部400は、図21に示すように、始値(本実施例では前述した
「0」)から終値(本実施例では前述した「738」)までの複数個(739個)の第1
乱数値(大当たり乱数カウンタC1の値)をその大きさ順に一つずつ更新発生させ、終値
(「738」)に至ると初期値に戻ってそれを繰り返す第1乱数発生部402(図6に示
す大当たり乱数カウンタC1)と、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入賞を検出
した際における第1乱数発生部402(大当たり乱数カウンタC1)での乱数値(第1乱
数)を記憶する第1乱数記憶部404(図6に示すRAM503の一部)と、この第1乱
数記憶部404(RAM503)に記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が当り値で
あるか否かを判定する第1乱数判定部406とを備えている。
【0263】
変動パターン決定部410は、変動表示時間の異なる複数種類の変動パターンの中から
、当否抽選部400での当否抽選結果を踏まえた一の変動パターンを決定するものである

【0264】
なお、この複数種類の変動パターンは、大当たり変動パターンと外れ変動パターンとに
大別される。
【0265】
まず、大当たり変動パターンは、プレミアムリーチパターン、スペシャルリーチパター
ン、スーパーリーチパターン、ノーマルリーチパターンのいずれかを経て大当たり図柄表
示で確定されるという各種の変動パターンが挙げられる。つまり、大当たりプレミアムリ
ーチ変動パターン、大当たりスペシャルリーチ変動パターン、大当たりスーパーリーチ変
動パターン、大当たりノーマルリーチ変動パターンが挙げられる。
【0266】
また、外れ変動パターンは、スペシャルリーチパターン、スーパーリーチパターン、ノ
ーマルリーチパターンのいずれかを経て外れ図柄表示で確定される変動パターンや、リー
チにもならずに外れ図柄表示で確定される変動パターンが挙げられる。つまり、外れスペ
シャルリーチ変動パターン、外れスーパーリーチ変動パターン、外れノーマルリーチ変動
パターン、単なる外れ変動パターンが挙げられる。
【0267】
また、プレミアムリーチ変動パターン、スペシャルリーチ変動パターン、スーパーリー
チ変動パターン、ノーマルリーチ変動パターン、単なる外れ変動パターンの順に、変動表
示時間が短くなっている。また、プレミアムリーチ変動パターン、スペシャルリーチ変動
パターン、スーパーリーチ変動パターン、ノーマルリーチ変動パターンについては、大当
たり、外れのどちらも変動時間は同じである。
【0268】
変動パターン決定部410は、変動パターンの決定に使用されるカウンタ(変動種別カ
ウンタCS1〜CS3)を備え、このカウンタ(変動種別カウンタCS1〜CS3)は、
所定の範囲内で所定数ずつそのカウント値を更新するものである。さらに、主制御装置2
61は、定期的に特定処理(図8に示すステップS201からS209)を実行し、次回
の特定処理が実行されるまでの残余時間(図8に示すステップS210,S211)に、
カウンタ(変動種別カウンタCS1〜CS3)のカウント値を繰り返し更新する。
【0269】
具体的には、変動パターン決定部410は、図21に示すように、始値から終値までの
複数個の第2乱数値を大きさ順に一つずつ更新発生させ、終値に至ると始値に戻ってそれ
を繰り返す第2乱数発生部412と、第1の始動口33a,33bでの入賞の際や変動処
理実行の際における第2乱数発生部412での第2乱数を記憶する第2乱数記憶部414
(図6に示すRAM503の一部)と、この第2乱数記憶部414に記憶された第2乱数
に基づいて変動パターンを判定する第2乱数判定部416とを備えている。
【0270】
具体的には、第2乱数発生部412は、停止パターン選択カウンタC3と変動種別カウ
ンタCS1〜CS3とからなるものである。つまり、停止パターン選択カウンタC3は、
始値「0」から終値「238」までの複数個(239個)の停止パターン選択カウンタC
3の値をその大きさ順に一つずつ更新発生させ、終値「238」に至ると始値「0」に戻
ってそれを繰り返すものである。変動種別カウンタCS1は、始値「0」から終値「19
8」までの複数個(199個)の変動種別カウンタCS1の値をその大きさ順に一つずつ
更新発生させ、終値「198」に至ると始値「0」に戻ってそれを繰り返すものである。
変動種別カウンタCS2は、始値「0」から終値「240」までの複数個(241個)の
変動種別カウンタCS2の値をその大きさ順に一つずつ更新発生させ、終値「240」に
至ると始値「0」に戻ってそれを繰り返すものである。変動種別カウンタCS3は、始値
「0」から終値「162」までの複数個(163個)の変動種別カウンタCS3の値をそ
の大きさ順に一つずつ更新発生させ、終値「162」に至ると始値「0」に戻ってそれを
繰り返すものである。なお、第2乱数発生部412を単一の乱数カウンタで構成するよう
にしてもよい。
【0271】
なお本実施例では、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の3個で第3図柄表示装
置42の装飾図柄の変動パターンを選択(決定)しているが、1個または2個あるいは4
個以上のカウンタで変動パターンを選択(決定)するようにしてもよい。
【0272】
そして、第2乱数記憶部414(図6に示すRAM503の一部)は、第1の始動口3
3a,33bでの入賞の際に停止パターン選択カウンタC3の値を記憶するとともに、変
動種別カウンタCS1〜CS3が更新されるごとにその更新後の値を上書き記憶するもの
である。
【0273】
第2乱数判定部416は、第2乱数記憶部414(図6に示すRAM503の一部)に
記憶された停止パターン選択カウンタC3の値と、第2乱数記憶部414(図6に示すR
AM503のカウンタ用バッファの一部)に逐次更新記憶されている変動種別カウンタC
S1〜CS3の各値(第1図柄表示装置40による第1図柄の変動開始を実行する際に図
6に示すカウンタ用バッファに記憶されている各値)とに基づいて、対応する一の変動パ
ターンを特定(決定)する。
【0274】
指令出力部420は、変動パターン決定部410で決定された変動パターンを示す変動
パターン指令(変動パターン指定コマンド)をサブ制御装置262に出力するとともに、
その変動表示終了の際に変動停止指令(確定コマンド)をサブ制御装置262に出力する
ものである。
【0275】
さらに、主制御装置261は、始値(本実施例では前述した「0」)から終値(本実施
例では前述した「738」)までの複数個(739個)の第3乱数値(初期値乱数カウン
タCINI1の値)をその大きさ順に一つずつ更新発生させた値を第1乱数発生部402
(大当たり乱数カウンタC1)での前述の初期値とし、終値「738」に至ると始値「0
」に戻ってそれを繰り返す、第1乱数発生部402とは別の初期値乱数発生部408(初
期値乱数カウンタCINI1)を備えている。
【0276】
主制御装置261は、図7に示すメイン処理後に、図8に示すように、遊技者に遊技を
提供し得る通常の遊技状態に関する処理であって一定時間に設定された第1処理(図8に
示す通常処理)を、例えば4ms毎に繰返し実行するようになっている。
【0277】
第1処理(図8に示す通常処理)は、図8に示すように、当否抽選部400による当否
抽選(図10に示すステップS501)および変動パターン決定部410による変動パタ
ーン決定(図10に示すステップS503,S505)を含む処理ルーチン(図8に示す
ステップS201からS209)と、この処理ルーチン後に残余時間がある場合に実行さ
れる、前記当否抽選に用いる初期値乱数発生部408(初期値乱数カウンタCINI1)
での第3乱数値(初期値乱数カウンタCINI1の値)と第2乱数発生部412(変動種
別カウンタCS1〜CS3)での第2乱数値(変動種別カウンタCS1〜CS3の各値)
との少なくとも一方を更新する残余処理ルーチン(図8に示すステップS210,S21
1)とを備えている。
【0278】
また、主制御装置261は、図21に示すように、第1図柄の変動表示の停止時間(第
3図柄の変動表示の停止時間も同じ)を計時する変動停止時間カウンタ418(タイムカ
ウンタ)を備えている。つまり、主制御装置261は、前述したように一の変動パターン
を決定しており、この変動パターンによる変動時間を記憶テーブル(図示省略)から知り
得る構造となっており、変動停止時間カウンタ418(タイムカウンタ)がその変動パタ
ーンの変動開始と同時にカウントを始め、記憶テーブル(図示省略)から知った(特定さ
れた)終了時刻を示すカウント値になると、確定コマンドをサブ制御装置262に出力す
る構成となっている。
【0279】
本実施例では、サブ制御装置262は、主制御装置261からの確定コマンド(変動停
止指令)に基づいて、変動表示を確定させる制御を行っているが、主制御装置261から
の確定コマンド(変動停止指令)に依らずに、自立的に変動パターンの時間経過を判断し
て、その変動表示を確定させるようにしてもよい。
【0280】
さらに、主制御装置261は、図21に示すように、指令出力部420からの出力指令
(変動パターン指定コマンドや確定コマンド)に基づいて、主制御装置261の変動表示
に関する状態を報知する変動モニタ430とを備えている。
【0281】
また、変動モニタ430は、図20,図21に示すように、主制御装置261の変動表
示の開始からその終了まで(変動表示中)をLED発光表示による報知を行うものである
。具体的には、変動モニタ430は、指令出力部420からの出力指令に同期して主制御
装置261の変動表示に関する状態を報知する。つまり、この実施例1では、変動モニタ
430は、主制御装置261の変動表示の開始に同期(変動パターン指定コマンドの出力
に同期)して発光点灯し、変動表示中は発光点灯を維持し、その変動表示の終了に同期(
確定コマンドの出力に同期)して消灯する。
【0282】
また、サブ制御装置262は、主制御装置261の指令出力部420からの出力指令に
基づいて、主制御装置261の変動表示の開始からその終了まで(変動表示中)をLED
発光表示によって報知するサブ側変動モニタ440を備えている。この実施例1では、サ
ブ側変動モニタ440は、主制御装置261の変動表示の開始に同期(変動パターン指定
コマンドの出力に同期)して発光点灯し、変動表示中は発光点灯を維持し、その変動表示
の終了に同期(確定コマンドの出力に同期)して消灯する。
【0283】
また、主制御装置261とサブ制御装置262とは、変動モニタ430とサブ側変動モ
ニタ440とが当該パチンコ機10の同一面側(本実施例1では例えば裏面側)から視認
可能なように配置されている。つまり、このパチンコ機10を裏面視した状態において、
主制御装置261の変動モニタ430と、サブ制御装置262のサブ側変動モニタ440
とが、同時に見える状態(並列視できる状態)となっている。
【0284】
なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における表示手段に相当し、上述した主
制御装置261が本発明における主制御手段に相当し、上述したサブ制御装置262が本
発明における副制御手段に相当し、上述した当否抽選部400が本発明における当否抽選
手段に相当し、上述した変動パターン決定部410が本発明における変動パターン決定手
段に相当し、上述した指令出力部420が本発明における指令出力手段に相当し、上述し
た変動モニタ430が本発明における状態報知手段に相当し、上述した第1の始動口33
a,33bが本発明における入賞検出手段に相当し、上述した第1乱数発生部402が本
発明における第1乱数発生手段に相当し、上述した第1乱数記憶部404が本発明におけ
る第1乱数記憶手段に相当し、上述した第1乱数判定部406が本発明における第1乱数
判定手段に相当し、上述した第2乱数発生部412が本発明における第2乱数発生手段に
相当し、上述した第2乱数記憶部414が本発明における第2乱数記憶手段に相当し、上
述した第2乱数判定部416が本発明における第2乱数判定手段に相当し、上述した初期
値乱数発生部408が本発明における初期値乱数発生手段に相当し、上述したサブ側変動
モニタ440が本発明におけるサブ側状態報知手段に相当する。
【0285】
ここで、真正の主制御装置261が正しくパチンコ機10に設置(接続)されている場
合における、主制御装置261での各種コマンドや変動モニタ430と、サブ制御装置2
62でのサブ側変動モニタ440とについて説明する。
【0286】
前述したように真正の主制御装置261は、始動入賞信号が入力される(第1の始動口
33a,33bに遊技球が入賞しその検出信号が入力される)と、当否抽選部400で当
否抽選され、変動パターン決定部410で変動パターンが決定され、その決定された変動
パターンに対応する変動パターン指定コマンドを決定する。
【0287】
主制御装置261の指令出力部420は、図22(a)に示すように、変動パターン指
定コマンドを出力する。
【0288】
また、図22(a)に示すように、主制御装置261の変動モニタ430は、指令出力
部420からの変動パターン指定コマンドに同期して点灯表示する。これと同様に、サブ
制御装置262のサブ側変動モニタ440も、図22(a)に示すように、指令出力部4
20からの変動パターン指定コマンドに同期して点灯表示する。また、当然に、表示制御
装置45は、サブ制御装置262からの指令に基づいて第3図柄表示装置42での変動表
示を開始している。
【0289】
つまり、主制御装置261の変動モニタ430での点灯開始と、サブ制御装置262の
サブ側変動モニタ440での点灯開始と、第3図柄表示装置42での変動表示開始とが、
同期して行われている。
【0290】
そして、主制御装置261の変動停止時間カウンタ418(タイムカウンタ)は、第1
図柄の変動表示の停止時間(第3図柄の変動表示の停止時間も同じ)を計時(タイムカウ
ント)し、その変動表示の終了時刻を示すカウント値になると、図22(a)に示すよう
に、確定コマンドをサブ制御装置262に出力する
【0291】
主制御装置261の変動モニタ430は、指令出力部420からの確定コマンドに同期
して点灯表示から消灯表示に切り替わる。これと同様に、サブ制御装置262のサブ側変
動モニタ440も、図22(a)に示すように、指令出力部420からの確定コマンドに
同期して点灯表示から消灯表示に切り替わる。また、当然に、表示制御装置45は、サブ
制御装置262からの指令に基づいて第3図柄表示装置42での変動表示を停止している

【0292】
つまり、主制御装置261の変動モニタ430での消灯と、サブ制御装置262のサブ
側変動モニタ440での消灯と、第3図柄表示装置42での変動表示停止とが、同期して
行われている。
【0293】
このように真正の主制御装置261が正しくパチンコ機10に設置(接続)されている
場合、つまり、偽の主制御装置490が設置されていない正規な状態の場合には、主制御
装置261の変動モニタ430とサブ制御装置262のサブ側変動モニタ440との発光
表示と第3図柄表示装置42での変動表示とが同期しており、変動モニタ430とサブ側
変動モニタ440との同期した発光表示態様や、変動モニタ430と第3図柄表示装置4
2との同期した表示態様から正規接続が確認できる。
【0294】
ここで、図23に示す不正行為があった場合の動作について説明する。この不正行為と
は、図23に示すように、偽の主制御装置490が隠れた場所(例えば真正の主制御装置
261の背後に隠れた場所等)に設置され、偽の主制御装置490の存在に気付き難いよ
うにしているだけでなく、真正の主制御装置261が他の制御装置(サブ制御装置262
や払出制御装置311や発射制御装置312)や第1図柄表示装置40などと正しく接続
されているように見せかけた状態とし、実際には真正の主制御装置261と偽の主制御装
置490との両方に第1の始動口33a,33bの検出入力信号線が不正に分配接続され
、真正の主制御装置261の出力信号線を不正に切断して偽の主制御装置490の出力信
号線が他の制御装置(サブ制御装置262や払出制御装置311や発射制御装置312)
に正しく接続されているように接続ケーブルを引きまわして見せかけた状態とする場合の
ことである。
【0295】
具体的には、偽の主制御装置490は、図23に黒線矢印で示すように、サブ制御装置
262や発射制御装置312や払出制御装置311や電源装置313や第1図柄表示装置
40や第1の始動口33a,33bや可変入賞装置32と不正に接続されている。なお、
図23に示すように、真正の主制御装置261は電源装置313と接続されており、一応
電源が投入された状態であることから、電源のオンオフを見ただけでは他のサブ制御装置
262や発射制御装置312などと縁切り状態となっていることがわからない。また、真
正の主制御装置261は第1の始動口33a,33bとも不正分配されて接続されており
、始動入賞が検出される状態でもあり、内部的に各種の処理を実行しているだけで、真正
の主制御装置261の処理内容がサブ制御基板262などに反映されない状態となってい
る。
【0296】
本実施例1のパチンコ機10では、図23に示す不正行為を一見して発見(確認)する
ことができる。つまり、図22(b)に示すように、真正の主制御装置261は、始動入
賞信号が入力される(第1の始動口33a,33bに遊技球が入賞しその検出信号が入力
される)と、当否抽選部400で当否抽選され、変動パターン決定部410で変動パター
ンが決定され、その決定された変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを決定
する。
【0297】
真正の主制御装置261の指令出力部420は、図22(b)に示すように、変動パタ
ーン指定コマンドを出力する(時刻t1)。ただし、この変動パターン指定コマンドは、
図23に示すように実際にはサブ制御装置262に出力されていない。また、図22(b
)に示すように、主制御装置261の変動モニタ430は、指令出力部420からの変動
パターン指定コマンドに同期して点灯表示開始する(時刻t1)。
【0298】
しかしながら、偽の主制御装置490での当否抽選および変動パターン決定が、真正の
主制御装置261でのそれ時間的および内容的に相違することがある。つまり、図23(
b)に示すように、偽の主制御装置490での当否抽選および変動パターン決定が時刻t
1より遅れた時刻t2でなされて変動パターン指定コマンドが出力されることがある。
【0299】
サブ制御装置262は偽の主制御装置490によって制御されているため、サブ制御装
置262のサブ側変動モニタ440は、図22(b)に示すように、偽の主制御装置49
0からの変動パターン指定コマンドに同期して点灯表示開始する(時刻t2)。また、第
3図柄表示装置42での変動表示も時刻t2から開始されることになる。
【0300】
このように、真正の主制御装置261での変動モニタ430の点灯開始タイミング(時
刻t1)と、サブ制御装置262でのサブ側変動モニタ440の点灯開始タイミング(時
刻t2)または第3図柄表示装置42での変動表示開始タイミング(時刻t2)との時期
的ずれから不正を確認できる。
【0301】
続いて、真正の主制御装置261の変動モニタ430は、図22(b)に示すように、
真正の主制御装置261の確定コマンドの出力に同期して消灯する(時刻t3)。ここで
、真正の主制御装置261の変動パターン指示コマンドの内容が例えばノーマルリーチで
あったとし、偽の主制御装置490の変動パターン指示コマンドの内容が例えばスーパー
リーチであったとすると、偽の主制御装置490の方が変動表示時間が長くなるため、偽
の主制御装置490からの確定コマンドの出力が遅くなり時刻t4で出力されることにな
り、サブ制御装置262のサブ側変動モニタ440は、図22(b)に示すように、偽の
主制御装置490からの確定コマンドに同期して消灯する(時刻t4)。また、第3図柄
表示装置42での変動表示も時刻t4で停止する。
【0302】
このように、真正の主制御装置261での変動モニタ430の消灯タイミング(時刻t
3)と、サブ制御装置262でのサブ側変動モニタ440の消灯タイミング(時刻t4)
または第3図柄表示装置42での変動表示停止タイミング(時刻t4)との時期的ずれか
らも不正を確認できる。
【0303】
なお、図24に示すように、仮に、真正の主制御装置261と偽の主制御装置490の
両方とも途中まで(例えば2回目まで)は同一の変動パターンを決定し、真正の主制御装
置261の変動モニタ430とサブ側変動モニタ440との発光表示が一致することがあ
る(時刻t11〜t13までは一致)。しかし、偽の主制御装置490は当り易くした不
正品であることから、スーパーリーチなどの変動時間の長い変動パターンが決定され易く
、早い段階(図24では3回目の変動)で両者の変動パターンに差が現れ、時刻t14と
時刻t15との時期的なずれを目視確認することで不正を発見(確認)できる。
【0304】
上述したように、パチンコ機10によれば、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当
たり状態)の発生の有無を知らせる第3図柄の変動表示を行う第3図柄表示装置42と、
遊技の利益に関する制御を行う主制御装置261と、この主制御装置261からの指令
(変動パターン指示コマンドや確定コマンド)に基づいて、所定の第3図柄の変動表示を
第3図柄表示装置42に表示するように制御するサブ制御装置262と、を備え、主制御
装置261は、変動開始条件成立(始動入賞)に基づいて特別遊技状態の発生の当否抽選
を行う当否抽選部400と、変動表示時間の異なる複数種類の変動パターンの中から、前
記当否抽選結果を踏まえた一の変動パターンを決定する変動パターン決定部410と、そ
の決定された変動パターンを示す変動パターン指示コマンドをサブ制御装置262に出力
するとともに、その変動表示終了の際に確定コマンドをサブ制御装置262に出力する指
令出力部420と、この指令出力部420からの出力指令に基づいて、主制御装置261
の変動表示に関する状態を報知する変動モニタ430とを備えている。
【0305】
したがって、不正事案たる「偽の主制御装置490が隠れた場所(例えば真正の主制御
装置261の背後に隠れた場所等)に設置され、偽の主制御装置490の存在に気付き難
いようにしているだけでなく、真正の主制御装置261が他の制御装置(サブ制御装置2
62など)と正しく接続されているように見せかけた状態とし、実際には真正の主制御装
置261と偽の主制御装置490との両方に所定入力信号線(例えば第1の始動口33a
,33b)が不正に分配接続され、真正の主制御装置261の出力信号線を不正に切断し
て偽の主制御装置490の出力信号線がサブ制御装置262に接続されている状態とする
場合」に対して、以下の効果を有する。
【0306】
すなわち、この不正事案の場合では、真正の主制御装置261に始動入賞検出信号が入
力されて動作し、正しく動作しているように見えるが、真正の主制御装置261の出力側
は縁が切られておりその出力指令はサブ制御装置262などに反映されておらず、実際に
は隠れた偽の主制御装置490からの出力指令でサブ制御装置262などが動作している
。つまり、真正の主制御装置261からの出力指令と偽の主制御装置490からの出力指
令とが相違(時期的や内容的に相違)することがある。本発明によれば、変動モニタ43
0は主制御装置261の変動表示に関する状態報知を行うので、前記両者の出力指令が相
違している場合に、変動モニタ430による主制御装置261の変動表示に関する状態報
知と、第3図柄表示装置42での変動表示との時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッ
チ)を示すことができ、その不整合の有無に基づいて不正行為の有無を確認でき、不正行
為を容易に発見できる。
【0307】
また、当否抽選部400は、始値「0」から終値「738」までの複数個(739個)
の大当たり乱数カウンタC1の値をその大きさ順に一つずつ更新発生させ、終値「738
」に至ると初期値に戻ってそれを繰り返す第1乱数発生部402(大当たり乱数カウンタ
C1)と、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入賞を検出した際における第1乱数
発生部402(大当たり乱数カウンタC1)での乱数値を記憶する第1乱数記憶部404
(RAM503の一部)と、この第1乱数記憶部404に記憶された大当たり乱数カウン
タC1の値が当り値であるか否かを判定する第1乱数判定部406とを備え、変動パター
ン決定部410は、始値から終値までの複数個の第2乱数値を大きさ順に一つずつ更新発
生させ、終値に至ると始値に戻ってそれを繰り返す第2乱数発生部412と、第1の始動
口33a,33bでの入賞の際や変動処理実行の際における第2乱数発生部412での第
2乱数を記憶する第2乱数記憶部414(RAM503の一部)と、この第2乱数記憶部
414に記憶された第2乱数に基づいて変動パターンを判定する第2乱数判定部416と
を備え、主制御装置261は、始値「0」から終値「738」までの複数個(739個)
の初期値乱数カウンタCINI1の値をその大きさ順に一つずつ更新発生させた値を第1
乱数発生部402(大当たり乱数カウンタC1)での前述の初期値とし、終値「738」
に至ると始値「0」に戻ってそれを繰り返す、第1乱数発生部402とは別の初期値乱数
発生部408(初期値乱数カウンタCINI1)を備え、主制御装置261は、メイン処
理後に、遊技者に遊技を提供し得る通常の遊技状態に関する処理であって一定時間に設定
された第1処理(通常処理)を繰返し実行し、第1処理(通常処理)は、当否抽選部40
0による当否抽選および変動パターン決定部410による変動パターン決定を含む処理ル
ーチンと、この処理ルーチン後に残余時間がある場合に実行される、前記当否抽選に用い
る初期値乱数発生部408(初期値乱数カウンタCINI1)での第3乱数値(初期値乱
数カウンタCINI1の値)と第2乱数発生部412(変動種別カウンタCS1〜CS3
)での第2乱数値(変動種別カウンタCS1〜CS3の各値)との少なくとも一方を更新
する残余処理ルーチンとを備えている。
【0308】
したがって、真正の主制御装置261と偽の主制御装置490とで残余処理ルーチンの
更新状況に差を生じさせることができる。つまり、真正の主制御装置261と偽の主制御
装置490とで、初期値乱数発生部408での第3乱数値や第2乱数発生部412での第
2乱数値に関して差を生じさせることができる。真正の主制御装置261からの出力指令
と偽の主制御装置490からの出力指令との相違(時期的や内容的に相違)を生じさせ易
くできる。つまり、変動モニタ430による主制御装置261の変動表示に関する状態報
知と、第3図柄表示装置42での変動表示との時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッ
チ)を発生させ易くでき、不正行為をより容易に発見できる。
【0309】
また、変動モニタ430は、主制御装置261の変動表示の報知を行うので、真正の主
制御装置261からの出力指令と偽の主制御装置490からの出力指令とが相違している
場合に、変動モニタ430による主制御装置261の変動表示の報知と、第3図柄表示装
置42での変動表示の変動表示との時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッチ)を示す
ことができ、その不整合の有無に基づいて不正行為の有無を確認でき、不正行為を容易に
発見できる。
【0310】
また、サブ側変動モニタ440は、主制御装置261の指令出力部420からの出力指
令に基づいて、主制御装置261の変動表示に関する状態を報知するので、主制御装置2
61の変動モニタ430とサブ側変動モニタ440とでの報知態様を比較確認でき、両者
の報知態様についての時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッチ)を見つけ易くでき、
不正行為をより容易に発見できる。
【0311】
また、主制御装置261とサブ制御装置262とは、変動モニタ430とサブ側変動モ
ニタ440とが当該パチンコ機の同一面側から視認可能なように配置されているので、主
制御装置261の変動モニタ430およびサブ側変動モニタ440の報知態様を同一方向
視した状態で比較確認でき、両者の報知態様についての時期的あるいは時間的な不整合(
ミスマッチ)を見つけ易くでき、不正行為をより容易に発見できる。
【0312】
また、変動モニタ430は、主制御装置261の状態を表示によって報知するので、主
制御装置261の状態報知と第3図柄表示装置42の変動表示とを目で監視(モニタ)す
ることができ、主制御装置261の状態報知と第3図柄表示装置42の変動表示とを比較
視することで不正行為の有無を確認できる。
【0313】
また、サブ側変動モニタ440は、主制御装置261の状態を表示によって報知するの
で、主制御装置261の状態報知とサブ側変動モニタ440の状態報知とを目で監視(モ
ニタ)することができ、主制御装置261の状態報知とサブ側変動モニタ440の状態報
知とを比較視することで不正行為の有無を確認できる。
【0314】
また、変動モニタ430は、指令出力部420からの出力指令に同期して主制御装置2
61の変動表示に関する状態を報知するので、出力指令に同期した状態報知と、出力指令
に基づく第3図柄表示装置42での第3図柄変動表示との関係性から、主制御装置261
に対する不正行為の有無を確認でき、不正行為を容易に発見できる。
【0315】
また、サブ側変動モニタ440は、主制御装置261の指令出力部420からの出力指
令に同期して主制御装置261の変動表示に関する状態を報知するので、主制御装置26
1の変動モニタ430での状態報知と、サブ制御装置262のサブ側変動モニタ440で
の状態報知との関係性から、主制御装置261に対する不正行為の有無を確認でき、不正
行為を容易に発見できる。
【実施例2】
【0316】
次に、実施例2のパチンコ機10について図25,図26を用いて説明する。図25は
、実施例2の主制御装置261の変動モニタ430とサブ制御装置262のサブ側変動モ
ニタ440とを示す概略正面図である。図26(a)〜(d)は、実施例2の変動モニタ
430およびサブ側変動モニタ440の点灯態様の推移を示す説明図である。
【0317】
実施例2では、主制御装置261の変動モニタ430とサブ制御装置262のサブ側変
動モニタ440とは、それぞれ複数個の報知部としての表示部431,441を備えてい
る点が、前述した実施例1とは異なっている。なお、前述の実施例1と同様の内容につい
ては説明を省略し、以下に、本実施例2での主制御装置261の変動モニタ430とサブ
制御装置262のサブ側変動モニタ440とについて詳細に説明することとする。
【0318】
主制御装置261の変動モニタ430は、図25に示すように、複数個(図25では5
個)の表示部431を備え、使用する表示部431を第3図柄の変動表示毎に切り替える
ものとしている。
【0319】
サブ制御装置262のサブ側変動モニタ440は、図25に示すように、複数個(図2
5では5個)の表示部441を備え、使用する表示部441を第3図柄の変動表示毎に切
り替えるものとしている。
【0320】
ここで、実施例2の主制御装置261の変動モニタ430とサブ制御装置262のサブ
側変動モニタ440とによるモニタ比較によって不正検出することについて、図26を用
いて説明する。
【0321】
なお、真正の主制御装置261および偽の主制御装置261が前述の図24に示したよ
うに変動パターンを決定したものとして以下に説明する。つまり、1回目,2回目の変動
に関しては、真正の主制御装置261および偽の主制御装置261の両方とも同じ変動パ
ターンを決定し、3回目の変動で両者の変動パターンが違っている。
【0322】
図26(a)に示すように、1回目の変動表示開始時に、主制御装置261の変動モニ
タ430での1個目の表示部431と、サブ制御装置262のサブ側変動モニタ440で
の1個目の表示部441とが同時に点灯開始し、その変動終了のときに同時に消灯する。
【0323】
図26(b)に示すように、2回目の変動表示開始時に、主制御装置261の変動モニ
タ430での2個目の表示部431とサブ制御装置262のサブ側変動モニタ440での
2個目の表示部441とが同時に点灯開始し、その変動終了のときに同時に消灯する。こ
こまでは、主制御装置261の変動モニタ430の表示態様と、サブ制御装置262のサ
ブ側変動モニタ440の表示態様とに相違点がない。
【0324】
図24に示すように、3回目の変動表示として、真正の主制御装置261はノーマルリ
ーチの変動パターンを決定し、偽の主制御装置490はスーパーリーチの変動パターンを
決定している。図26(c)に示すように、3回目の変動表示開始時に、真正の主制御装
置261の変動モニタ430での3個目の表示部431とサブ制御装置262のサブ側変
動モニタ440での3個目の表示部441とが同時に点灯開始する。
【0325】
図24に示すように、真正の主制御装置261は、ノーマルリーチの変動パターン終了
時にその変動モニタ430での3個目の表示部431を消灯させているが、偽の主制御装
置490は、スーパーリーチの変動パターンを実行しているため、そのノーマルリーチの
変動パターン終了時点でまだスーパーリーチの変動パターン実行中である(図24の時刻
t14参照)。
【0326】
図26(d)に示すように、真正の主制御装置261は4回目の変動表示に移行してそ
の変動モニタ430での4個目の表示部431の点灯を開始するが、偽の主制御装置49
0はまだ3回目の変動表示実行中であり、サブ制御装置262のサブ側変動モニタ440
は3個目の表示部441が点灯を継続したままである。
【0327】
このように、真正の主制御装置261の変動モニタ430とサブ制御装置262のサブ
側変動モニタ440とで、何個目の表示部431,441が点灯しているかの相違からも
不正を確認できる。
【0328】
上述したように、本実施例2のパチンコ機10によれば、変動モニタ430は、複数個
の表示部431を備え、使用する表示部431を第3図柄の変動表示毎に切り替えるので
、次の第3図柄の変動表示への切り替わりがわかり易く、第3図柄の変動表示が連続する
ような場合でも、変動モニタ430の状態報知と第3図柄表示装置42の変動表示とにつ
いての時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッチ)を見つけ易くでき、不正行為をより
容易に発見できる。
【0329】
また、変動モニタ430およびサブ側変動モニタ440は、複数個の表示部431,4
41を備え、使用する表示部431,441を第3図柄の変動表示毎に切り替えるので、
次の第3図柄の変動表示への切り替わりがわかり易く、第3図柄の変動表示が連続するよ
うな場合でも、変動モニタ430の状態報知とサブ側変動モニタ440の状態報知とにつ
いての時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッチ)を見つけ易くでき、不正行為をより
容易に発見できる。
【0330】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することがで
きる。
【0331】
(1)上述した各実施例では、変動モニタ430(状態報知手段)は点灯/消灯とする
ものとしているが、識別情報(第3図柄あるいは第1図柄)の変動表示毎に状態報知態様
を変更するようにしてもよい。つまり、変動モニタ430として、複数色発光タイプの発
光表示手段や、複数種類の音声出力する音声出力手段を採用することなどが挙げられる。
例えば、変動モニタ430として複数色発光タイプの発光表示手段を採用した場合には、
1回目の変動を赤色で発光表示させ、次の変動表示時には緑色、その次の変動表示時には
青色などのように変動表示毎に状態報知態様を変更することが挙げられる。
【0332】
この場合には、次の識別情報(第3図柄あるいは第1図柄)の変動表示への切り替わり
がわかり易く、識別情報の変動表示が連続するような場合でも、変動モニタ430の状態
報知と表示手段(第1図柄表示装置40や第3図柄表示装置42)の変動表示とについて
の時期的あるいは時間的な不整合(ミスマッチ)を見つけ易くでき、不正行為をより容易
に発見できる。
【0333】
また、サブ側変動モニタ440についても上記と同様に変更可能である。
【0334】
(2)上述した各実施例では、変動モニタ430やサブ側変動モニタ440は主制御装
置261の変動表示を発光表示(LED表示)によって報知しているが、音声によって報
知するようにしてもよい。
【0335】
(3)上述した各実施例では、副制御手段としてのサブ制御装置262は、主制御装置
261の指令出力部420からの出力指令(変動停止指令)に基づいて、主制御装置26
1の変動表示に関する状態を報知するサブ側変動モニタ440を備えているが、サブ制御
装置262は、変動停止指令に依らずに、自立的に変動パターンの時間経過を判断(検出
)し、サブ制御装置262での前記判断(検出)に基づいて主制御装置261の変動表示
に関する状態を報知するサブ側変動モニタを採用してもよい。
【0336】
(4)上述した各実施例では、副制御手段としてサブ制御装置262を採用しているが
、表示制御装置45を採用してもよい。
【0337】
(5)変動モニタ430やサブ側変動モニタ440は変動表示中に発光表示するもので
あるが、変動開始時の所定期間だけ点灯(あるいは消灯)したり、変動停止時の所定期間
だけ点灯(あるいは消灯)したりするようにしてもよい。
【0338】
(6)上述した各実施例では、主制御装置261はサブ制御装置262に確定コマンド
(変動停止指令)を出力しているが、この出力とともに確定コマンドをホール内(パチン
コ店内)用コンピュータへ出力したり、あるいはホール用コンピュータのみに出力したり
するようにしてもよい。
【0339】
(7)上述した各実施例では、サブ制御装置262は、主制御装置261からの変動パ
ターン指定コマンドに基づいて変動開始制御しているが、主制御装置261からの変動開
始を示す開始指令(開始コマンド)に基づいて変動開始し、変動パターン指定コマンドに
基づいてその変動パターンの内容で変動制御する構成としてもよい。具体的には、主制御
装置261は、変動パターン決定部410で決定された変動パターンによる識別情報変動
表示の開始を示す開始指令(開始コマンド)を出力する開始指令出力部(開始指令出力手
段)を備える構成が挙げられる。また、この場合には、変動モニタ430は、開始指令出
力部からの開始指令に同期して点灯表示開始する。
【0340】
(8)本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記
実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると
、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待
値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として
実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されるこ
とを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所
定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、
パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロット
マシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0341】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄
からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打
出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)
に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始
され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより
、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必
要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に
多量の球が払い出されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0342】
以上のように、この発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に適している。
【符号の説明】
【0343】
30 …遊技盤
30a…遊技領域
42 …第3図柄表示装置(表示手段)
261 …主制御装置(主制御手段)
262 …サブ制御装置(副制御手段)
400 …当否抽選部(当否抽選手段)
410 …変動パターン決定部(変動パターン決定手段)
420 …指示出力部(指示出力手段)
430 …変動モニタ(状態報知手段)
440 …サブ側変動モニタ(サブ側状態報知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者にとって有利な特別遊技状態の発生の有無を知らせる識別情報変動表示を行う表
示手段を備えた遊技機において、
遊技の利益に関する制御を行う主制御手段と、
前記主制御手段からの指令に基づいて、所定の識別情報変動表示を前記表示手段に表示
するように制御する副制御手段と、
を備え、
前記主制御手段は、変動開始条件成立に基づいて特別遊技状態の発生の当否抽選を行う
当否抽選手段と、変動表示時間の異なる複数種類の変動パターンの中から、前記当否抽選
結果を踏まえた一の変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、前記変動パターン
決定手段で決定された変動パターンによる識別情報変動表示の開始を示す開始指令を出力
する開始指令出力手段と、決定された変動パターンを示す変動パターン指令を前記副制御
手段に出力するとともに、その変動表示終了の際に変動停止指令を前記副制御手段または
当該遊技機に対して外部接続された外部機器に出力する指令出力手段と、前記開始指令出
力手段からの開始指令または前記指令出力手段からの出力指令に基づいて、前記主制御手
段の変動表示に関する状態を動作態様が変化することで報知する状態報知手段を備えてい

ことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−177527(P2011−177527A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97144(P2011−97144)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【分割の表示】特願2006−74504(P2006−74504)の分割
【原出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】