説明

遊技機

【課題】付与される抽選確率状態に応じて高確示唆演出による図柄変動ゲームが実行される回数を異ならせる場合であっても、高確率抽選状態であることに対する遊技者の期待感を十分に持続させること。
【解決手段】「通常変動(擬似2回)」においては、2回分の「通常変動(6.1秒)」を連続で実行させて1回の図柄変動ゲームとするようにした。このため、「通常変動(擬似2回)」による図柄変動ゲームは、内部制御において1回の図柄変動ゲームを、恰も2回の「通常変動(6.1秒)」による図柄変動ゲームが連続して行われているかのように擬似的に演出表現してなされる。その結果、遊技者は、「通常変動(擬似2回)」に基づく図柄変動ゲームにより、見た目上に確変期待モードの実行から実際に何回の図柄変動ゲームが実行されたかを認識し難くなる(図11参照)。これによっては、非確変状態であることを遊技者に確信させる場面を減らせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、当り抽選で当りとなる場合には、当り表示結果が導出された後に当り遊技が行われ、当り遊技の終了後に高確率抽選状態及び低確率抽選状態の何れかが付与される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機には、大当り遊技の終了後、大当り抽選の抽選確率状態を、低確率抽選状態から高確率抽選状態へ移行させる確率変動機能を備えたものがある。大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態(確変状態)である場合は、大当り抽選で大当りに当選し易くなることから、遊技者に有利な状態である。そして、通常、遊技者は、大当り抽選で大当りに当選し、大当り遊技を得たならば、その大当り遊技終了後の遊技状態として高確率抽選状態が付与されることを望んでいる。このため、大当り遊技終了後に高確率抽選状態とならず、低確率抽選状態になることが分かった時には、遊技者の興趣を低下させる虞があった。
【0003】
そこで、従来、大当り遊技終了後の遊技状態として高確率抽選状態が付与されているのか否かを遊技者が認識し得ない構成を採用するパチンコ遊技機が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1のパチンコ遊技機では、大当り遊技終了後、図柄変動ゲームが所定回実行されるまでの間、高確率抽選状態及び低確率抽選状態のいずれでも実行可能な潜伏画面からなる高確示唆演出を実行させることで、高確率抽選状態であるか否かを遊技者に認識させ得ない構成を採用している。そして、特許文献1のパチンコ遊技機では、大当り遊技終了後、潜伏画面による図柄変動ゲームが実行されている間(図柄変動ゲームが所定回実行されるまでの間)、高確率抽選状態であることに対する遊技者の期待感を持続させることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−271297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のようなパチンコ遊技機では、大当り遊技の種類(付与される抽選確率状態)に応じて、潜伏画面による図柄変動ゲームが実行される回数を異ならせることで、潜伏画面による図柄変動ゲームが実行された回数によって遊技状態が高確率抽選状態であるか否か遊技者に認識可能な仕様も考えられる。このような場合、潜伏画面の終了時、該潜伏画面によって図柄変動ゲームが実行された回数が、大当り遊技の終了後が高確率抽選状態となる場合に対応する回数でなければ、遊技者は、高確率抽選状態でないことを確信してしまい、その後の遊技の継続に対して消極的になってしまう。したがって、大当り遊技の種類に応じて、潜伏画面による図柄変動ゲームが実行される回数を異ならせる仕様においては、潜伏画面による図柄変動ゲームが実行された回数を遊技者に認識させてしまうことで、展開によっては高確率抽選状態であることに対する遊技者の期待感を十分に持続させているとは言い難かった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、付与される抽選確率状態に応じて高確示唆演出による図柄変動ゲームが実行される回数を異ならせる場合であっても、高確率抽選状態であることに対する遊技者の期待感を十分に持続させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームを行う表示手段と、遊技球の入球を検知することにより前記図柄変動ゲームの始動条件を付与する始動手段と、前記始動条件の成立を契機に当りとするか否かを抽選する当り抽選を実行する当り抽選手段と、当り抽選の抽選確率状態からなる遊技状態を高確率抽選状態及び低確率抽選状態の何れかで制御する抽選確率状態制御手段と、を備え、前記当り抽選で当りとなる場合には、当り表示結果が導出された後に当り遊技が行われ、前記当り遊技は該当り遊技中に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成され、前記当り遊技の終了後には前記高確率抽選状態及び低確率抽選状態の何れかが付与される遊技機において、前記当り抽選の抽選結果をもとに図柄変動ゲームの変動内容を決定する変動内容決定手段と、前記変動内容決定手段の決定した変動内容にしたがって前記図柄変動ゲームを表示手段に表示させる表示制御手段と、前記当り抽選に当選したことを契機に、その当り遊技の終了後、前記抽選確率状態が高確率抽選状態であることに対して期待を持つことができることを遊技者に示唆する高確示唆演出を所定回数の図柄変動ゲームに亘って実行させる演出実行制御手段と、を備え、前記図柄変動ゲームの変動内容には、図柄の変動開始から図柄の変動停止までを1回とする変動サイクルを含み、前記変動内容が1回の変動サイクルから構成される通常変動系の変動内容と前記変動内容が複数回の変動サイクルから構成される特殊変動系の変動内容とに分類され、前記通常変動系の変動内容には、前記当り抽選ではずれの場合にのみ選択可能であって、予め定めた変動時間で構成されるはずれ通常変動内容を含み、前記特殊変動系の変動内容には、前記当り抽選ではずれの場合にのみ選択可能であって、前記はずれ通常変動内容の複数回分を実行可能な変動時間で構成されるはずれ特殊変動内容を含み、前記演出実行制御手段は、前記高確率抽選状態が付与される場合に前記低確率抽選状態が付与される場合よりも前記所定回数として大きい回数を設定して前記高確示唆演出を実行させるようになっており、前記変動内容決定手段は、前記高確示唆演出の実行中である条件下で、前記当り抽選ではずれの場合、前記はずれ特殊変動内容を選択可能になっており、前記表示制御手段は、前記はずれ特殊変動内容に基づく図柄変動ゲームを実行させる場合、前記はずれ特殊変動内容を構成する複数回分の前記はずれ通常変動内容を連続で実行させて1回の図柄変動ゲームとすることを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記始動手段へ入球し、検知された遊技球を始動保留球として上限値まで記憶する保留記憶手段と、複数の演出装置の何れかに設置されているとともに、該演出装置における非設置部位と意匠上の一体性を有するように設置される前記始動保留球の記憶値を表示する保留表示手段とをさらに備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記高確示唆演出の実行中、該高確示唆演出が実行されてからの図柄変動ゲームの実行回数を、1回の図柄変動ゲームが実行される毎に更新して計数する回数計数手段をさらに備え、前記回数計数手段で計数された実行回数は、遊技者に認識させないように構成されたことを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機において、前記回数計数手段で計数された実行回数は、遊技者に非報知に構成されたことを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機において、前記当り遊技には、該当り遊技の終了後に前記抽選確率状態制御手段が制御する抽選確率状態と、該当り遊技の終了後に前記演出実行制御手段が制御する前記高確示唆演出での図柄変動ゲームを実行させる回数と、該当り遊技の終了後に前記変動内容決定手段が制御する前記図柄変動ゲームの変動内容の決定態様のそれぞれを定めた複数種類の当り種を含み、前記当り抽選に当選した場合に当り種を決定することで、前記抽選確率状態制御手段と、前記演出実行制御手段と、前記変動内容決定手段の制御内容を特定する当り種決定手段をさらに備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の遊技機において、前記変動内容決定手段は、前記高確示唆演出の実行中である条件下で、前記低確率抽選状態である場合に前記高確率抽選状態である場合よりも前記はずれ特殊変動内容を選択し易く構成されたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、付与される抽選確率状態に応じて高確示唆演出による図柄変動ゲームが実行される回数を異ならせる場合であっても、高確率抽選状態であることに対する遊技者の期待感を十分に持続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
【図2】遊技盤を示す拡大図。
【図3】大当り遊技の種類を説明する説明図。
【図4】第1の実施形態における演出モードを説明する説明図。
【図5】第1の実施形態における演出モードを説明する説明図。
【図6】(a)〜(c)は各演出モードの表示態様を説明する説明図。
【図7】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図8】変動パターンを説明する説明図。
【図9】(a)〜(d)は示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームが実行される態様を説明する説明図。
【図10】(a)〜(d)は示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームが実行される態様を説明する説明図。
【図11】内部的な回数と見た目の回数の関係を説明する説明図。
【図12】第2の実施形態における演出モードを説明する説明図。
【図13】第3の実施形態における演出モードを説明する説明図。
【図14】第3の実施形態における演出モードを説明する説明図。
【図15】第4の実施形態における演出モードを説明する説明図。
【図16】第4の実施形態における演出モードを説明する説明図。
【図17】別における変動パターンを説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。
【0015】
図1には、パチンコ遊技機10が略示されており、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。このため、中枠12は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口14aを有するとともに、該窓口14aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)15を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口14aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠12に装着される。また、前枠14には、窓口14aのほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う演出実行手段(演出装置)としての電飾表示部を構成する上側ランプ部16aと、左側ランプ部16bと、右側ランプ部16cとが配置されている。各ランプ部16a〜16cは、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズで覆って構成されている。
【0016】
前枠14には、窓口14aの左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う演出実行手段(演出装置)としての左スピーカ17aと、右スピーカ17bとが配置されている。左スピーカ17aと右スピーカ17bは、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ17a及び右スピーカ17bの装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
【0017】
中枠12の前面側であって前枠14の下部には、上皿15から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)18が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿18の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル19が装着されている。また、前枠14には、下皿18の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う演出実行手段(演出装置)としての下スピーカ17cが配置されている。下スピーカ17cは、中枠12に装着されている。
【0018】
上皿15には、その左方側に機内部から払出される遊技球の図示しない払出口が設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路15aが連設されており、さらに右方側に貯留通路15a内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿15に貯留された遊技球は、貯留通路15aにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル19の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿18には、上皿15から溢れ出て流下した遊技球の出口18aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部18bが遊技球の出口18aに連設されている。
【0019】
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール20が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール20によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路20aが形成されるとともに、誘導レール20の内側に遊技領域H1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール20の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。
【0020】
遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示装置や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)21が装着されている。表示枠体21の略中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出実行手段(演出装置)としての演出表示装置(表示手段)22をセット(装着)するためのセット口21aが、開口形成されている。演出表示装置22には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置22の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置22の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
【0021】
図2に示すように、表示枠体21の左下の遊技領域H1には、7セグメント型の特別図柄表示装置23が設けられている。特別図柄表示装置23では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、当りか否かの内部抽選(大当り抽選と小当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
【0022】
そして、特別図柄表示装置23では、図柄変動ゲームの開始により同時に特別図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特別図柄が確定停止表示される。また、演出表示装置22では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾り図柄の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾り図柄が一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾り図柄が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示装置に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特別図柄表示装置23と演出表示装置22では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
【0023】
本実施形態において特別図柄表示装置23には、複数種類(本実施形態では、105種類)の特別図柄の中から、当り抽選(大当り抽選又は小当り抽選)の抽選結果(大当り、小当り又ははずれ)に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。105種類の特別図柄は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果(当り表示結果))と、小当りを認識し得る図柄となる4種類の小当り図柄(小当り表示結果(当り表示結果))と、はずれを認識し得る図柄(はずれ表示結果)となる1種類のはずれ図柄とに分類される。そして、大当り抽選で大当りに当選した場合、図柄変動ゲームにおいて大当り図柄が確定停止表示された後、大当り遊技(当り遊技)が遊技者に付与される。また、小当り抽選で小当りに当選した場合、図柄変動ゲームにおいて小当り図柄が確定停止表示された後、小当り遊技(当り遊技)が遊技者に付与される。なお、本実施形態の大当り遊技及び小当り遊技については後で詳細に説明する。
【0024】
また、本実施形態において演出表示装置22には、各列毎に[0]、[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9]の10種類の数字が飾り図柄として表示されるようになっている。そして、本実施形態においては、演出表示装置22の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置23の表示領域よりも遥かに大きく形成し、演出表示装置22を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置23よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出が行われる演出表示装置22の表示内容に注目し、該演出表示装置22の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから当り(大当り又は小当り)又ははずれを認識することになる。演出表示装置22に停止表示された全列の図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置22に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、原則として、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。なお、飾り図柄の図柄組み合わせの中でも所定の図柄組み合わせ(例えば、[010])が表示された場合には、大当り及び小当りに当選したことを認識できる。この大当り及び小当りの何れかに当選したことを認識できる所定の図柄組み合わせが、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態となる確率変動状態(確変状態)が付与される可能性を示唆する確変示唆の図柄組み合わせとなる。なお、本実施形態では、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせの場合、確変状態が付与される一方で、確変示唆の図柄組み合わせの場合、確変状態及び非確変状態のいずれかが付与される。
【0025】
また、本実施形態において、演出表示装置22における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置22において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が一旦停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一図柄となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾り図柄を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾り図柄を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾り図柄を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
【0026】
また、演出表示装置22には、特別図柄表示装置23の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。特別図柄表示装置23に表示される特別図柄と、演出表示装置22に表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄と飾り図柄による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特別図柄表示装置23に大当り図柄が確定停止表示される場合には、原則として演出表示装置22にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。本実施形態では、特別図柄表示装置23に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置22に確変示唆の図柄組み合わせ(例えば、[010])が確定停止表示される場合もある。また、特別図柄表示装置23にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置22にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特別図柄表示装置23に小当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置22にも確変示唆の図柄組み合わせ(例えば、[010])が確定停止表示される。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の演出表示装置22では、図柄変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
【0027】
図2の説明に戻り、表示枠体21の左下の遊技領域H1であって、特別図柄表示装置23の左下方には、複数個(本実施形態では4個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留記憶表示装置(始動保留球数表示手段)Raが設けられている。そして、特別図柄保留記憶表示装置Raは、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体21の下方に配置される始動手段としての始動入賞口(上始動入賞口25と下始動入賞口26)へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を始動保留球として記憶し、その始動保留球の個数を特別図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。特別図柄用の保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特別図柄用の保留記憶数は、前記始動入賞口に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特別図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、特別図柄保留記憶表示装置Raは、特別図柄保留発光部の点灯個数により保留中の図柄変動ゲームの回数(始動保留球の個数)を遊技者に報知する構成となっている。
【0028】
また、表示枠体21の左下の遊技領域H1であって、特別図柄表示装置23の左方には、普通図柄表示装置24が配設されている。この普通図柄表示装置24では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲームが行われるようになっている。本実施形態において普通図柄表示装置24は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバー(図2では表面に「○(丸)」と「×(ばつ)」を装飾したもの)で覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置24では、当りか否かの当り抽選(大当り抽選又は小当り抽選)とは別に行う普図当りか否か(開閉羽根27の開動作により下始動入賞口26を開放するか否か)の内部抽選(普図当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普通図柄表示装置24では、普図当り抽選で普図当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなる普図当り用の図柄が確定停止表示(本実施形態では「○(丸)」側の普通図柄表示部が点灯)される。一方、本実施形態の普通図柄表示装置24では、普図当り抽選で普図はずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなる普図はずれ用の図柄が確定停止表示(本実施形態では「×(ばつ)」側の普通図柄表示部が点灯)される。
【0029】
また、表示枠体21の左下の遊技領域H1であって、特別図柄表示装置23と普通図柄表示装置24の間には、複数個(本実施形態では4個)の普通図柄保留発光部を備えた普通図柄保留記憶表示装置Rbが設けられている。そして、普通図柄保留記憶表示装置Rbは、機内部で記憶した普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体21の左方に配置される普通図柄作動ゲート30へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を始動保留球として記憶し、その始動保留球の個数を普通図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。普通図柄用の保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普通図柄用の保留記憶数は、普通図柄作動ゲート30に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート30へ遊技球が入球すると、普通図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、普通図柄保留記憶表示装置Rbは、普通図柄保留発光部の点灯個数により保留中の普通図柄変動ゲームの回数(始動保留球の個数)を遊技者に報知する構成となっている。
【0030】
また、図2に示すように、表示枠体21の下方の遊技領域H1には、遊技球の入球口25aを有する上始動入賞口25と遊技球の入球口26aを有する下始動入賞口26が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口25は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口25aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口26は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉手段としての開閉羽根27を備えており、開閉羽根27が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口26aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口26は、開閉羽根27が開動作して入球口26aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
【0031】
上始動入賞口25と下始動入賞口26の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1,SW2(図7に示す)が配設されている。上始動入賞口25と下始動入賞口26は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口26は開閉羽根27が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根27が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球の入球が不能となる状態とされる。
【0032】
また、図2に示すように、下始動入賞口26の下方の遊技領域H1には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉28を備えた入賞手段としての大入賞口(特別電動役物)29が配設されている。大入賞口29の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図7に示す)が配設されている。大入賞口29は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。そして、当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)が付与されると、大入賞口扉28の開動作によって大入賞口29が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この当り遊技は、内部抽選で当り(大当り又は小当り)が決定し、図柄変動ゲームにて当り図柄(大当り図柄又は小当り図柄を含む)が確定停止表示されることを契機に付与される。
【0033】
また、図2に示すように、表示枠体21の左方の遊技領域H1には、普通図柄作動ゲート30が配設されている。普通図柄作動ゲート30の奥方には、該普通図柄作動ゲート30へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図7に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート30は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件のみを付与し得る。
【0034】
また、遊技盤YBの遊技領域H1の最下方(大入賞口29よりも下方)には、遊技領域H1に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口31が形成されている。アウト球口31を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
【0035】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率状態を低確率抽選状態(本実施形態では4/1471)から高確率抽選状態(本実施形態では36/1471)に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。また、確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
【0036】
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)大当りが非確変大当りとなる。本実施形態のパチンコ遊技機10では、100種類の特別図柄の大当り図柄のうち、77種類の特別図柄が確変大当りとなる特別図柄(特定図柄)に設定されているとともに、23種類の特別図柄が非確変大当りとなる特別図柄(非特定図柄)に設定されている。
【0037】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート30の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率状態(普図当りの当選確率)が低確率抽選状態から高確率抽選状態に変動する変短状態を特典として付与する機能である。また、変短状態が付与されている場合と変短状態が付与されていない場合とで下始動入賞口26の開閉羽根27は、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、変短状態が付与されていない時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根27が第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば、300ms)経過するまで開放状態を維持するようになっている。一方、変短状態が付与されている時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根27が開放する回数が増加(例えば、3回)して第1回数よりも多い第2回数となり、1回の開放において開放してから第1開放時間よりも長い第2開放時間(例えば、1800ms)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根27は、変短状態が付与されている場合、変短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。変短状態中は、開閉羽根27が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの下始動入賞口26への遊技球の入球率が向上するので、変短状態は入球率向上状態となる。そして、変短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、変短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。
【0038】
本実施形態では、大当り遊技の終了後における開閉羽根27の単位時間あたりの開放時間を増加させる変短状態が、開放時間増加状態となる。一方、大当り遊技の終了後における開閉羽根27の単位時間あたりの開放時間を増加させない非変短状態が、開放時間非増加状態となる。なお、変短状態(開放時間増加状態)中は、1回の普図当りによって開閉羽根27が開放される時間の合計が、非変短状態時よりも増加する。
【0039】
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技及び小当り遊技について、図3をもとに詳しく説明する。
大当り遊技は、大当り抽選で大当りに当選し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口扉28の開動作により大入賞口29が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15回又は2回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口扉28の開動作により大入賞口29が開放されてから大入賞口扉28の閉動作により大入賞口29が閉鎖される迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口29は、入球上限個数(規定入球個数)の遊技球が入球するまでの間、又はラウンド遊技時間(規定上限時間)が経過するまでの間、開放される。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
【0040】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、4種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技の種類が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、4種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技を付与するかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において100種類の特別図柄の大当り図柄は、図3に示すように、図柄A、図柄B、図柄C、及び図柄Dの4種類に分類されている。なお、本実施形態では、図柄A,B,C,Dのそれぞれに複数種類の特別図柄を分類することで、特別図柄が図柄A,B,C,Dのいずれに分類されているかを遊技者に認識させ難くしている。
【0041】
そして、例えば、図柄Aには52種類の大当り図柄が、図柄Bには20種類の大当り図柄が、図柄Cには5種類の大当り図柄が、図柄Dには23種類の大当り図柄がそれぞれ属している。このように特別図柄を振分けた場合、図柄Aに基づく大当り遊技は大当り全体の52%(100分の52)となり、図柄Bに基づく大当り遊技は大当り全体の20%(100分の20)となる。また、図柄Cに基づく大当り遊技は大当り全体の5%(100分の5)となり、図柄Dに基づく大当り遊技は大当り全体の23%(100分の23)となる。そして、これら図柄A,B,C,Dには、所定個数ずつの大当り図柄がそれぞれ属している。各図柄A,B,C,Dに属する大当り図柄の割合により、各大当り遊技が付与される割合が定められる。
【0042】
図柄Aに基づく大当り遊技(当り種)は、規定ラウンド数を「15回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口29を「1回」開放させることにより、大当り遊技中に大入賞口29を「15回(1ラウンド×1回開放を15セット)」開放させるようになっている。また、図柄Aに基づく大当り遊技は、オープニング演出時間として「6秒(6000(ms))」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25秒(25000(ms))」が、エンディング演出時間として「15秒(15000(ms))」が設定されている。また、図柄Aに基づく大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。
【0043】
そして、図柄Aに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態(リミットなし(次回大当りまで))と、その確変状態の終了時まで変短状態が付与されるようになっている。なお、図3では、確変状態の終了時まで変短状態を付与する場合を「リミットなし」と表記している。以下、図柄Aに基づく大当り遊技を「15R確変大当り遊技」と示す場合もある。
【0044】
また、図柄B,C,Dに基づく大当り遊技(当り種)は、規定ラウンド数を「2回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口29を「1回」開放させることにより、大当り遊技中に大入賞口29を「2回(1ラウンド×1回開放を2セット)」開放させるようになっている。また、図柄Bに基づく大当り遊技は、オープニング演出時間として「0.02秒(20(ms))」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.3秒(300(ms))」が、エンディング演出時間として「4.5秒(4500(ms))」が設定されている。また、図柄Bに基づく大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。以下、図柄B,C,Dに基づく大当り遊技を纏めて「2R大当り遊技」と示す場合もある。
【0045】
そして、図柄Bに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に確変状態(リミットなし(次回大当りまで))とその確変状態の終了時まで変短状態が付与される場合と、大当り遊技終了後に確変状態のみが付与される場合とがある。以下、図柄Bに基づく大当り遊技を「2R確変大当り遊技」と示す場合もある。
【0046】
また、図柄Cに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に確変状態(リミットなし(次回大当りまで))と100回(最大値)の図柄変動ゲームを対象として変短状態が付与される場合と、大当り遊技終了後に確変状態のみが付与される場合とがある。以下、図柄Cに基づく大当り遊技を「2R特別確変大当り遊技」と示す場合もある。
【0047】
また、図柄Dに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に応じて、非確変状態と100回(最大値)の図柄変動ゲームを対象として変短状態が付与される場合と、大当り遊技終了後に非確変状態のみが付与される場合とがある。以下、図柄Dに基づく大当り遊技を「2R非確変大当り遊技」と示す場合もある。
【0048】
また、本実施形態において、これら2R大当り遊技は、大入賞口29の開閉動作態様や時間からその差異を遊技者が判別不能となっている。すなわち、遊技者は、2R大当り遊技の何れが付与されたのかを、大入賞口29の開閉動作や時間からは判別し得ない。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、これら2R大当り遊技の終了後に確変状態が付与されているか否か(高確率抽選状態であるか否か)を遊技者に推測させるゲーム性を作り出している。
【0049】
また、図柄Eによって付与される小当り遊技(当り種)は、規定ラウンド数を「1回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口29を「2回」開放させることにより、小当り遊技中に大入賞口29を「2回(1ラウンド×2回開放を1セット)」開放させるようになっている。また、小当り遊技は、オープニング演出時間として「0.02秒(20(ms))」が、1回のラウンド遊技中における大入賞口29の開放時間として「0.3秒(300(ms))」が、エンディング演出時間として「4.5秒(4500(ms))」が設定されている。また、小当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。
【0050】
また、小当りは、小当り遊技の終了後における遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている。すなわち、小当りでは、小当り抽選の当選時の遊技状態が確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が変短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を変短状態に継続させる。また、小当りでは、小当り抽選の当選時の遊技状態が非確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が非変短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非変短状態に継続させる。
【0051】
また、本実施形態では、小当りに当選した場合、その当選に伴って開始される図柄変動ゲームの変動停止から、小当り遊技(1R×2回開放)を経て次の図柄変動ゲームが開始する迄の時間が、2R大当りに当選した場合と同一時間に設定されている。そして、2R大当り遊技、及び小当り遊技は、同一の大入賞口29を開放させて行われる。したがって、本実施形態において、2R大当り遊技、及び小当り遊技は、大入賞口29の開閉動作態様や時間からその差異を遊技者が判別不能となっている。すなわち、遊技者は、2R大当り遊技、及び小当り遊技の何れが付与されたのかを、大入賞口29の開閉動作や時間からは判別し得ない。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、2R大当り遊技、及び小当り遊技の終了後に確変状態が付与されているか否か(高確率抽選状態であるか否か)を遊技者に推測させるゲーム性を作り出している。
【0052】
そして、本実施形態において、15R確変大当り遊技と2R大当り遊技は、大当り遊技を構成するラウンド遊技の上限回数(15回と2回)が異なるとともに1回のラウンド遊技時間の長短により、1回の大当り遊技で遊技者が獲得し得る賞球獲得数に差が生じ得る。具体的に言えば、本実施形態において15R大当り遊技は、2R大当り遊技よりも多量の賞球を獲得可能な大当り遊技とされている。
【0053】
なお、賞球とは、大入賞口29への1球の入球に対して遊技者に賞として付与される遊技球である。そして、前述した図柄Aに基づく大当り遊技との比較において賞球の獲得数が少量とは、大当り遊技の終了までに得られる総賞球獲得数を比較した場合の少量である。パチンコ遊技機10では、大入賞口29への1球の入球に対して、例えば「13球」の遊技球を賞球として払出すような設定がなされており、1回のラウンド遊技における入球上限個数を「8球」に設定し、「8球」の遊技球が大入賞口へ入球したならば遊技者には「104球」の遊技球が賞球として払出されていることになる。
【0054】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、図4に示すように、演出表示装置22で行われる演出として、大当り抽選の抽選確率状態(遊技状態)が高確率抽選状態(確変状態)であるのか、低確率抽選状態(非確変状態)であるのかを遊技者に示唆(報知)する複数(本実施形態では4つ)の演出モード(高確示唆演出)を実行可能に構成されている。具体的には、変短状態の付与中(遊技状態)の高確率抽選状態(確変状態)であることを遊技者に示唆する高確モードMKが演出表示装置22で実行可能に構成されている。また、変短状態の付与中(遊技状態)の高確率抽選状態(確変状態)であることに対して期待を持つことができることを遊技者に示唆する低確モードMSが演出表示装置22で実行可能に構成されている。また、非変短状態の付与中(遊技状態)の高確率抽選状態(確変状態)であることに対して期待を持つことができることを遊技者に示唆する確変期待モードMTが演出表示装置22で実行可能に構成されている。また、非変短状態の付与中(遊技状態)の低確率抽選状態(非確変状態)である可能性が高いこと(確変状態への期待が低いこと)を遊技者に示唆する通常モードMFが演出表示装置22で実行可能に構成されている。そして、本実施形態では、高確モードMKと、低確モードMSと、確変期待モードMTと、通常モードMFのいずれかの演出モードが行われるようになっている。また、本実施形態では、変短状態の付与中である条件下で、低確モードMS<高確モードMKの順に、確変状態である期待度が高い演出として位置付けられている。また、本実施形態では、非変短状態の付与中である条件下で、通常モードMF<確変期待モードMTの順に、確変状態である期待度が高い演出として位置付けられている。
【0055】
そして高確モードMKにおいて演出表示装置22では、図4に示すよう、高確モード用の背景画像GKのもと「高確モード」が画像表示される。また、低確モードMSにおいて演出表示装置22では、図4に示すように、低確モード用の背景画像GSのもと「低確モード」が画像表示される。また、確変期待モードMTにおいて演出表示装置22では、図4に示すように、背景画像GTのもと「確変期待モード」が画像表示される。また、通常モードMFにおいて演出表示装置22では、図4に示すように、背景画像GFのもと「通常モード」が画像表示される。
【0056】
そして、本実施形態において、演出表示装置22では、図柄変動ゲームに関連して画像表示される背景画像が画像表示され、当該背景画像に重なるように各列の飾り図柄が画像表示されて、これら飾り図柄が変動表示されることで図柄変動ゲームが実行されるようになっている。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置22に画像表示される背景画像により各種演出モードを実行させ、背景画像の種類から遊技者に現在滞在している演出モードの種類を遊技者に把握させるようになっている。本実施形態のパチンコ遊技機10における背景画像は、図柄変動ゲームで表示される図柄を除いて構成し得る画像であり、図柄変動ゲームで変動表示される飾り図柄毎に対応付けて画像表示されるものとは異なっている。
【0057】
次に、遊技の進行に伴う演出モードの移行態様について、図4に基づき説明する。また、図4では、図柄Aに基づく15R確変大当り遊技を「15R確変」、図柄Bに基づく2R確変大当り遊技を「2R確変」、図柄Cに基づく2R特別確変大当り遊技を「2R特別」、図柄Dに基づく2R非確変大当り遊技を「2R非確変」、図柄Eに基づく小当り遊技を「小当り」と示している。
【0058】
15R確変大当り遊技に当選した場合には、いずれの演出モードに滞在していたとしても変短状態と確変状態がともに「リミットなし」で付与され、高確モードMKに移行するようになっている。
【0059】
また、2R確変大当り遊技に当選した場合には、高確モード及び低確モードMSの滞在中であれば、2R確変大当り遊技の終了後に変短状態と確変状態が「リミットなし」で付与され、高確モードMKに移行するようになっている。また、2R確変大当り遊技に当選した場合には、通常モードMF及び確変期待モードMTの滞在中であれば、2R確変大当り遊技の終了後に変短状態が付与されないが確変状態が「リミットなし」で付与され、確変期待モードMTに移行するようになっている。
【0060】
また、2R特別確変大当り遊技に当選した場合には、高確モードMK及び低確モードMSの滞在中であれば、2R特別確変大当り遊技の終了後に100回の図柄変動ゲームを対象とする変短状態と「リミットなし」とする確変状態が付与され、低確モードMSに移行するようになっている。また、2R特別確変大当り遊技に当選した場合には、通常モードMF及び確変期待モードMTの滞在中であれば、2R特別確変大当り遊技の終了後に変短状態が付与されないが確変状態が「リミットなし」で付与され、確変期待モードMTに移行するようになっている。
【0061】
また、2R非確変大当り遊技に当選した場合には、高確モードMK及び低確モードMSの滞在中であれば、2R非確変大当り遊技の終了後に確変状態が付与されないで100回の図柄変動ゲームを対象とする変短状態が付与され、低確モードMSに移行するようになっている。また、2R非確変大当り遊技に当選した場合には、通常モードMF及び確変期待モードMTの滞在中であれば、2R非確変大当り遊技の終了後に変短状態と確変状態がともに付与されないで、確変期待モードMTに移行するようになっている。
【0062】
また、小当り遊技に当選した場合には、高確モードMKの滞在中であれば、小当り遊技の終了後に遊技状態が現状維持され、高確モードMKを継続させるようになっている。また、小当り遊技に当選した場合には、低確モードMSの滞在中であれば、小当り遊技の終了後に遊技状態が現状態維持され、低確モードMSを継続させるようになっている。また、小当り遊技に当選した場合には、通常モードMF及び確変期待モードMTの滞在中であれば、小当り遊技の終了後に遊技状態が現状維持され、確変期待モードMTに移行するようになっている。
【0063】
すなわち、高確モードMKの滞在中には、15R確変大当り遊技、2R確変大当り遊技、又は小当り遊技の終了後、高確モードMKを継続させることで、確変状態となることを確定させて遊技者に示唆(報知)する。また、高確モードMKの滞在中には、2R特別確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技の終了後、低確モードMSに移行させることで、確変状態又は非確変状態を確定させないで確変状態であるか否かを遊技者に推測させる。
【0064】
また、低確モードMSの滞在中には、15R確変大当り遊技又は2R確変大当り遊技の終了後、高確モードMKに移行させることで、確変状態となることを確定させて遊技者に示唆(報知)する。また、低確モードMSの滞在中には、2R特別確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技、又は小当り遊技の終了後、低確モードMSを継続させることで、確変状態又は非確変状態を確定させないで確変状態であるか否かを遊技者に推測させる。
【0065】
また、通常モードMFの滞在中には、15R確変大当り遊技の終了後、高確モードMKに移行させることで、確変状態となることを確定させて遊技者に示唆(報知)する。また、通常モードMFの滞在中には、2R確変大当り遊技、2R特別確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技、又は小当り遊技の終了後、確変期待モードMTに移行させることで、確変状態又は非確変状態を確定させないで確変状態であるか否かを遊技者に推測させる。
【0066】
また、確変期待モードMTの滞在中には、15R確変大当り遊技の終了後、高確モードMKに移行させることで、確変状態となることを確定させて遊技者に示唆(報知)する。また、確変期待モードMTの滞在中には、2R確変大当り遊技、2R特別確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技、又は小当り遊技の終了後、確変期待モードMTを継続させることで、確変状態又は非確変状態を確定させないで確変状態であるか否かを遊技者に推測させる。
【0067】
なお、高確モードMK、低確モードMS、又は確変期待モードMTは、各当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)の終了とともに開始(付与)され、各当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームが開始されるまでの間に実行が指示される。
【0068】
また、低確モードMSの滞在中には、該低確モードMSの開始から何れの大当り遊技(小当り遊技は除く)に当選することなく101回目の図柄変動ゲームで変短状態が継続しないこと、すなわち、変短状態の付与が終了されて変短状態から非変短状態となることを契機に、通常モードMFに移行するようになっている。なお、この場合に通常モードMFは、変短状態の終了後(100回目の図柄変動ゲームの終了後)、次の図柄変動ゲーム(101回目の図柄変動ゲーム)の開始とともに開始(付与)されるようになっている。
【0069】
また、確変期待モードMTの滞在中には、該確変期待モードMTの開始から何れの当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)に当選することなく滞在回数分の図柄変動ゲームが内部的に実行されることを契機に、通常モードMFに移行するようになっている。なお、この場合に通常モードMFは、滞在回数目の図柄変動ゲームの終了後、次の図柄変動ゲームの開始とともに開始(付与)されるようになっている。本実施形態において滞在回数とは、確変期待モードMTへの移行契機となった当り遊技毎に予め定めており、確変期待モードMTへの移行時(開始時であって継続される場面も含む)に移行契機となった当り遊技に応じて設定される。また、本実施形態において内部的に実行された回数とは、演出上での見た目の回数ではなくパチンコ遊技機10(主制御基板35)が内部的に実行を指示した図柄変動ゲームの回数であり、内部的に実行を指示した図柄変動ゲームの1回分が滞在回数の1回に相当している。
【0070】
次に、当り遊技と滞在回数の関係について図5に基づき説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図5に示すように、確変期待モードMTに移行可能な大当り遊技又は小当り遊技に関し、これら当り時の遊技状態に応じて、これら当り後に移行する演出モードが定められているとともに、確変期待モードMTに移行したときの滞在回数が定められている。
【0071】
そして、2R確変大当り遊技では、当選時に非変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、滞在回数を40回に定める確変期待モードMTへの移行を定めている。以下、滞在回数を40回に定める確変期待モードMTを確変期待モードMT(40)と示す場合もある。一方、2R確変大当り遊技では、当選時に変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、高確モードMKへの移行を定めている。
【0072】
また、2R特別確変大当り遊技では、当選時に非変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、滞在回数を20回に定める確変期待モードMTへの移行を定めている。以下、滞在回数を20回に定める確変期待モードMTを確変期待モードMT(20)と示す場合もある。一方、2R特別確変大当り遊技では、当選時に変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、低確モードMSへの移行を定めている。
【0073】
また、2R非確変大当り遊技では、当選時に非変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、滞在回数を20回に定める確変期待モードMT(確変期待モードMT(20))への移行を定めている。一方、2R非確変大当り遊技では、当選時に変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、低確モードMSへの移行を定めている。
【0074】
また、小当り遊技では、当選時に非変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、滞在回数を20回に定める確変期待モードMT(確変期待モードMT(20))への移行を定めている。一方、小当り遊技では、当選時に変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、当選時に滞在していた演出モードを継続させる(現状態維持させ)ことを定めている。
【0075】
このように本実施形態では、確変期待モードMTに移行する場合、移行によって確変状態となるときに確変期待モードMT(40)に移行し得る一方で、移行によって非確変状態となるときに確変期待モードMT(20)に移行し得る。このため、確変期待モードMTにおいては、この間に内部的に実行が指示された図柄変動ゲームの回数が多いと(本実施形態では、20回を超えると)、確変状態であることが確定する。一方、確変期待モードMTにおいては、この間に内部的に実行が指示された図柄変動ゲームの回数が少なくても(本実施形態では20回であっても)、確変状態又は非確変状態を確定させないで確変状態であるか否かを遊技者に推測させる。また、本実施形態では、確変期待モードMTの滞在中、確変期待モードMTに移行してから内部的に実行が指示された図柄変動ゲームの回数を演出表示装置22などの演出装置によって遊技者に報知しない(非報知とする)構成としている。このため、確変期待モードMTにおいては、見た目上に実行された回数が多いほど確変状態への期待が高いという感覚を遊技者に与え得る。
【0076】
ここで、演出表示装置22の画像表示部GHについて演出モード毎に図6(a)〜(c)を用いてさらに詳しく説明する。
図6(a)〜(c)に示すように、各演出モードにおける画像表示部GHには、飾り図柄を表示する図柄表示位置Z1,Z2,Z3が配置(形成)されている。図柄表示位置Z1,Z3は画像表示部GHの左右に分かれて配置されており、図柄表示位置Z1,Z3の間に図柄表示位置Z2が配置されている。そして、各図柄表示位置Z1〜Z3には、図柄変動ゲームにおいて各1つの飾り図柄が表示される。これにより、画像表示部GHでは、各図柄表示位置Z1〜Z3に各1つの図柄列が対応し、3列の飾り図柄からなる図柄組み合わせが表示されるようになっている。本実施形態において図柄表示位置Z1には図柄組み合わせを構成する左列の飾り図柄が表示されるとともに、図柄表示位置Z2には図柄組み合わせを構成する中列の飾り図柄が表示され、さらに図柄表示位置Z3には図柄組み合わせを構成する右列の飾り図柄が表示される。また、各図柄列の飾り図柄は、図柄表示位置Z1〜Z3内に対応した大きさで表示される。また、各演出モードにおける画像表示部GHには、特別図柄保留記憶表示装置Raに対応するように特別図柄用の保留記憶数を画像表示する保留表示手段としての保留記憶数画像表示領域Rcが形成されている。本実施形態において保留記憶数画像表示領域Rcには、特別図柄用の保留記憶数の個数を示すように保留記憶数画像表示領域Rcの表示態様が変化するようになっている。なお、図6(a)〜(c)では、特別図柄用の保留記憶数が「3個」である場合を示している。
【0077】
そして、図6(a)に示すように、高確モードMK及び低確モードMSにおける画像表示部GHには、図柄表示位置Z1〜Z3が同じ大きさで形成されている。これにより、高確モードMK及び低確モードMSでは、図柄表示位置Z1〜Z3で同じ大きさで各列の飾り図柄が画像表示される。
【0078】
また、高確モードMK及び低確モードMSにおける画像表示部GHには、保留表示キャラクタCa(本実施形態では、「△」)の数によって特別図柄用の保留記憶数を示す保留記憶数画像表示領域Rcが図柄表示位置Z1〜Z3の左下方に形成(設置)されている。図6(a)に示すように、保留記憶数画像表示領域Rcは、保留表示キャラクタCaの表示画像から、保留記憶数画像表示領域Rcであることを遊技者が認識可能に構成される意匠となっている。そして、本実施形態において特別図柄用の保留記憶数が1増加すると、保留記憶数画像表示領域Rcでは既に表示されている保留表示キャラクタCaの左側の画面位置の下側(矢印Ya)から出現する。このようにして保留記憶数画像表示領域Rcでは、既に表示されている最も左側に表示されることで保留表示キャラクタCaの数が1増加する(破線に示すキャラクタが増加する)ようにその変化途中を視認可能とする動きを伴って変化する。また、本実施形態において特別図柄用の保留記憶数が1減少すると、保留記憶数画像表示領域Rcでは既に表示されている保留表示キャラクタCaがキャラクタ1つ分だけ右方にシフトし、最も右側に表示されている保留表示キャラクタCaが画面中央の下側(矢印Yb)に見えなくなる。このようにして保留記憶数画像表示領域Rcでは、保留表示キャラクタCaの数が1減少するようにその変化途中を視認可能とする動きを伴って変化する。これにより、高確モードMK及び低確モードMSでは、保留記憶数画像表示領域Rcの保留表示キャラクタCbの動きとその数から特別図柄用の保留記憶数の変化と数を遊技者に認識させ得る。
【0079】
また、図6(b)に示すように、通常モードMFにおける画像表示部GHには、図柄表示位置Z1,Z3が同じ大きさで形成されるとともに、図柄表示位置Z1,Z3が図柄表示位置Z2よりも大きく形成されている。これにより、通常モードMFでは、図柄表示位置Z1,Z3で同じ大きさで左列及び右列の飾り図柄が画像表示されるとともに、図柄表示位置Z2で図柄表示位置Z1,Z3よりも小さく中列の飾り図柄が画像表示される。なお、通常モードMFと高確モードMK及び低確モードMSの比較においては、通常モードMFで高確モードMK及び低確モードMSよりも、図柄表示位置Z1,Z3が大きく図柄表示位置Z2が小さく形成されている。
【0080】
また、通常モードMFにおける画像表示部GHには、保留表示キャラクタCb(本実施形態では、「○」)の数によって特別図柄用の保留記憶数を示す保留記憶数画像表示領域Rcが図柄表示位置Z1〜Z3の右下方に形成されている。図6(b)に示すように、保留記憶数画像表示領域Rcは、保留表示キャラクタCbの表示画像から、保留記憶数画像表示領域Rcであることを遊技者が認識可能に構成される意匠となっている。そして、本実施形態において特別図柄用の保留記憶数が1増加すると、保留記憶数画像表示領域Rcでは既に表示されている保留表示キャラクタCbの右側の画面位置の下側(矢印Ya)から出現する。このようにして保留記憶数画像表示領域Rcでは、既に表示されている最も右側に表示されることで保留表示キャラクタCbの数が1増加する(破線に示すキャラクタが増加する)ようにその変化途中を視認可能とする動きを伴って変化する。また、本実施形態において特別図柄用の保留記憶数が1減少すると、保留記憶数画像表示領域Rcでは既に表示されている保留表示キャラクタCbがキャラクタ1つ分だけ左方にシフトし、最も左側に表示されている保留表示キャラクタCbが画面中央の下側(矢印Yb)に見えなくなる。このようにして保留記憶数画像表示領域Rcでは、保留表示キャラクタCbの数が1減少するようにその変化途中を視認可能とする動きを伴って変化する。これにより、通常モードMFでは、保留記憶数画像表示領域Rcの保留表示キャラクタCbの動きとその数から特別図柄用の保留記憶数の変化と数を遊技者に認識させ得る。
【0081】
また、図6(c)に示すように、確変期待モードMTにおける画像表示部GHには、図柄表示位置Z1,Z3が同じ大きさで形成されるとともに、図柄表示位置Z1,Z3が図柄表示位置Z2よりも非常に大きく形成されている。これにより、確変期待モードMTでは、図柄表示位置Z1,Z3で同じ大きさで左列及び右列の飾り図柄が画像表示されるとともに、図柄表示位置Z2で図柄表示位置Z1,Z3よりも非常に小さく中列の飾り図柄が画像表示される。なお、確変期待モードMTと他の演出モードの比較においては、確変期待モードMTで他の演出モードよりも、図柄表示位置Z1,Z3が最も大きく図柄表示位置Z2が最も小さく形成されている。このため、確変期待モードMTでは、他の演出モードよりも図柄表示位置Z1,Z3で左列及び右列の飾り図柄を最も大きく視認させ、図柄表示位置Z2での中列の飾り図柄を最も小さく視認させる。また、本実施形態において確変期待モードMTでは、図柄表示位置Z1,Z3での飾り図柄を大きくすることで他の演出モードにおける場合よりもこれらにて飾り図柄が一旦停止表示(ゆれ変動状態)されてもその状態を認識させ難くするような工夫がなされている。なお、図柄表示位置Z2での飾り図柄に関しては、図柄表示位置Z1,Z3よりも特に小さく他の演出モードに比較しても最も小さいので飾り図柄の一旦停止表示(ゆれ変動状態)を認識させ難くなっている。また、本実施形態において確変期待モードMTにおける画像表示部GHでは、右方向から左方向に向ってゆっくりと背景画像がスクロール移動して背景画像GTが動きを伴うようになっている。このため、背景画像GTが動きを伴うことで動きを伴わない場合よりもこれらにて飾り図柄が一旦停止表示(ゆれ変動状態)されてもその状態を認識させ難くするような工夫がなされている。
【0082】
また、確変期待モードMTにおける画像表示部GHには、保留表示キャラクタCc(本実施形態では、「桜」を模した形状、図6(c)では「●」で示している)の数によって特別図柄用の保留記憶数を示す保留記憶数画像表示領域Rcが図柄表示位置Z1〜Z3の右下方に形成されている。また、保留記憶数画像表示領域Rcは、保留表示キャラクタCcを遊技者が認識し難くなるように画像表示部GHでの飾り図柄など(他の表示画像)よりも小さく表示される。また、保留記憶数画像表示領域Rcは、遊技者が認識し難くなるようにパチンコ遊技機10の中心から右方にずらした位置に形成される。すなわち、遊技者は、保留記憶数画像表示領域Rcを視認するためには視線を画面中央から一旦はずして画像表示部GHの右下方(隅の方)に視線を向けなければいけないようになっている。図6(c)に示すように、保留記憶数画像表示領域Rcは、保留表示キャラクタCcと、保留記憶数画像表示領域Rcの非形成部位(非設置部位)を形成する表示画像と意匠上の一体性を有して構成される意匠となっている。具体的には、保留記憶数画像表示領域Rcの周辺(非形成部位)の所々に「桜」を模した形状の意匠キャラクタCd(表示画像)が動き(例えば、ゆれや回転)を伴って表示され、保留表示キャラクタCcの表示画像から、保留記憶数画像表示領域Rcであることを遊技者が認識し難いように構成される意匠となっている。すなわち、本実施形態では、保留記憶数画像表示領域Rcに画像表示させる保留表示キャラクタCcと周辺(非形成部位)に配される意匠キャラクタCd(表示画像)とを似た形状(ともに「桜」を模した形状)に構成することで、保留記憶数画像表示領域Rcとその非形成部位が意匠上の一体性を有するようにしている。なお、本実施形態では、実際のところ保留表示キャラクタCcと意匠キャラクタCdで大きさや表示色を異ならせており、完全同一の表示画像とはしていない。
【0083】
そして、本実施形態において特別図柄用の保留記憶数が1増加すると、保留記憶数画像表示領域Rcでは非表示となっている保留表示キャラクタCcが表示となり、既に表示されているものに加えて表示されることで保留表示キャラクタCcの数が1増加する(破線に示すキャラクタが増加する)ように変化する。また、本実施形態において特別図柄用の保留記憶数が1減少すると、保留記憶数画像表示領域Rcでは既に表示されている保留表示キャラクタCcのうち所定位置(数毎に予め定めた位置)が表示から非表示となることで保留表示キャラクタCcの数が1減少するように変化する。なお、保留記憶数画像表示領域Rcにおける保留表示キャラクタCcは、所定位置(数毎に予め定めた位置)で表示及び非表示が切替えられるのみで、特別図柄用の保留記憶数の変化に伴ってその変化途中を視認可能とする動きを伴わないようになっている。これにより、確変期待モードMTでは、保留記憶数画像表示領域Rcの保留表示キャラクタCcの表示内容から特別図柄用の保留記憶数の変化と数を遊技者に認識させ難くしている。
【0084】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、演出表示装置22で行われる1回の図柄変動ゲームの変動内容は、図柄(飾り図柄)の変動開始から図柄(飾り図柄)の変動停止までを1回とする変動サイクルを含んで構成されている。なお、1回の図柄変動ゲームは、図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動開始によって開始し、図柄の変動が停止した後に図柄が確定停止表示されることによって終了し、1球の始動保留球に対して実行される。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10において、演出表示装置22で行われる1回の図柄変動ゲームは、1回の変動サイクルから構成される通常変動系の変動内容、又は複数回の変動サイクルから構成される特殊変動系の変動内容で実行される。そして、特殊変動系の変動内容を伴う1回の図柄変動ゲームは、内部制御において1回の図柄変動ゲームを、恰も複数回の図柄変動ゲームが連続して行われているかのように擬似的に演出表現してなされるものである。以下の説明において、特殊変動系の変動内容で実行される図柄変動ゲームを「擬似連を伴う図柄変動ゲーム」と示す場合もある。
【0085】
そして、本実施形態において、擬似連を構成する変動サイクル数は、2回(最小回数)、3回、4回、及び5回(最大回数)の何れかに設定されており、最大回数の5回は特別図柄用の保留記憶数の上限数よりも大きい数となっている。
【0086】
擬似連を伴う図柄変動ゲームには、擬似連における変動サイクル中に複数回変動を示唆する特殊変動示唆演出が行われる示唆あり擬似連と、該特殊変動示唆演出が行われない示唆なし擬似連がある。この特殊変動示唆演出は、示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームでは勿論のこと擬似連を伴わない図柄変動ゲーム(変動サイクル)中には実行されず、示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲーム(変動サイクル)中に実行される専用演出である。このため、遊技者は、特殊変動示唆演出の有無により、図柄変動ゲームが、示唆あり擬似連を伴って行われているのか、又は示唆あり擬似連を伴わずに行われているのか判別し得る。一方、遊技者は、特殊変動示唆演出の無により、図柄変動ゲームが、示唆あり擬似連を伴わずに行われていることを認識し得るが、示唆なし擬似連を伴って行われているのか、又は示唆なし擬似連を伴わずに行われているのか判別し得ない。本実施形態において特殊変動示唆演出は、示唆あり擬似連における各変動サイクル中に演出表示装置22や各種ランプ部16a〜16cやスピーカ17a〜17cによって行われる。
【0087】
そして、示唆あり擬似連を伴う1回の図柄変動ゲームは、変動サイクルの実行回数によって大当り図柄(大当り表示結果)が導出されるか否かの可能性(大当り期待度)が変化する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り抽選に当選した場合、大当り抽選に当選していない場合に比して変動サイクルの実行回数が多い特殊変動系の変動内容で図柄変動ゲームが行われ易くなっている。このため、遊技者は、図柄(飾り図柄)の変動中に特殊変動示唆演出が行われるか否かによって図柄変動ゲームが示唆あり擬似連を伴って行われているのか、又は示唆あり擬似連を伴わずに行われているのかを判別し得る。そして、遊技者は、示唆あり擬似連を伴って行われている場合には特殊変動示唆演出を伴う変動サイクルが何回連続するかによって大当りへの期待感を変化させる。また、本実施形態において、示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲームでは、擬似連を構成する複数回の変動サイクルのうち最終回の変動サイクルでリーチが形成され、リーチ演出が行われるようになっている。すなわち、示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲームでは、最終回の変動サイクルでリーチが形成され、最終回の変動サイクルよりも前の変動サイクルでリーチが形成されないようになっている。そして、示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲームは、最終回以外の変動サイクルにおいて図柄を変動を開始してから図柄が一旦停止表示され、最終回の変動サイクルにおいて図柄の変動開始後にリーチが形成され、リーチ演出が行われる。なお、本実施形態において5回の変動サイクルを対象とする示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲームは、大当り抽選で大当りが決定されている場合にのみ出現する。
【0088】
また、示唆なし擬似連を伴う1回の図柄変動ゲームでは、変動サイクルの実行回数を2回のみに定め、実行する変動サイクルの全てで(1回目及び2回目(最終回)の変動サイクルで)、リーチが形成されないとともにリーチを形成しないはずれの図柄組み合わせが停止表示(一旦停止表示及び確定停止表示)されるようになっている。すなわち、本実施形態では、リーチ演出を伴わないはずれの場合に示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームを実行する。そして、示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームは、2回の変動サイクルを対象として1回目の変動サイクルにおいて図柄が変動を開始してから図柄が一旦停止表示されるとともに、続いて2回目の変動サイクルが行われる。また、本実施形態では、示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームの各変動サイクルで、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示される擬似連を伴わない図柄変動ゲームの場合と同じ内容の演出とする構成を採用している。このため、示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームによっては、リーチ演出を伴わないはずれとなる図柄変動ゲーム(擬似連を伴わないはずれのゲーム)が連続して行われているかのように擬似的に演出表現されるようになっている。このように本実施形態において示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームによる演出効果は、大当り期待度を変化させる示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲームによる演出効果と異なっている。
【0089】
一方、示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームであっても1回の図柄変動ゲームに対して実行される点や、変動サイクル毎に飾り図柄を一旦停止表示させる点では示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲームと同様の構成を採用している。しかしながら、遊技者は、特別図柄用の保留記憶数の数及びその数の変化や、変動サイクル毎の飾り図柄の一旦停止表示を遊技者に認識させ難い場面の条件下で、示唆なし擬似連を伴って行われているか、又は擬似連を伴わない図柄変動ゲームであるかどうか判別し得ない。このような条件下においては、示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームで、示唆なし擬似連を構成する変動サイクル分(本実施形態では、2回分)の擬似的な図柄変動ゲームが恰も行われた感覚を与え得る。
【0090】
そこで本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別図柄用の保留記憶数の数及びその数の変化を遊技者に認識させ難い場面となる確変期待モードMTで示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームを出現させる構成としている。これにより、確変期待モードMTにおいては、実際に行われているよりも多くの図柄変動ゲームが見た目上に実行されている感覚を遊技者に与え得る。なお、実際に行われている図柄変動ゲームとは、内部的に実行を指示した図柄変動ゲームのことである。
【0091】
そして、本実施形態では、示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲームを、大当り抽選及び小当り抽選ではずれ(リーチなし)となる図柄変動ゲームで出現させることで、実際に行われているよりも多くの図柄変動ゲームが見た目上に実行されている感覚を与え得る場面を出現させ易くなる。なお、大当り抽選及び小当り抽選ではずれ(リーチなし)は、大当り抽選及び小当り抽選ではずれが決定され易いことと、大当り抽選及び小当り抽選ではずれの場合にはずれリーチよりもはずれ(リーチなし)が決定され易いことから遊技中において出現頻度が最も高い。また、本実施形態では、図柄表示位置Z1,Z3での飾り図柄の一旦停止表示を認識させ難い場面となる確変期待モードMTで示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームを出現させる構成としている。これにより、確変期待モードMTにおいては、実際に行われているよりも多くの図柄変動ゲームが見た目上に実行されている感覚を遊技者に与え得る。また、本実施形態では、背景画像GTが動きを伴うことで飾り図柄の一旦停止表示を認識させ難い場面となる確変期待モードMTで示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームを出現させる構成としている。これにより、確変期待モードMTにおいては、実際に行われているよりも多くの図柄変動ゲームが見た目上に実行されている感覚を遊技者に与え得る。
【0092】
このように本実施形態では、確変状態である場合に非確変状態である場合よりも滞在回数として大きい回数(本実施形態では、確変状態で40回、非確変状態で20回)を定めて確変期待モードMTを実行させ、このような確変期待モードMTを対象として示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームを出現させるようにした。そして、確変期待モードMTにおいて示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームの出現によっては、確変期待モードMTに移行してから内部的に実行が指示された図柄変動ゲームが何回であるかを、遊技者に認識させ難くなる。
【0093】
具体的には、確変期待モードMTの滞在中、その滞在中に示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームが1回出現すると、見た目上に2回分の図柄変動ゲームが実行された感覚を遊技者に与え得る。このため、確変期待モードMTの滞在中、その滞在中に示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームが1回出現する場合には、出現毎に見た目上に1回余分に図柄変動ゲームが実行された感覚を遊技者に与え得る。したがって、確変期待モードMT(20)の滞在中には、内部的に実行が指示された図柄変動ゲームが20回に達していなくても、見た目上に20回の図柄変動ゲームが実行される場面が出現し得る。そして、このような場面では、見た目上に20回の図柄変動ゲームが実行された後も確変期待モードMTが継続される。その結果、遊技者は、見た目上に20回の図柄変動ゲームが実行された後も確変期待モードMTが継続すると、確変状態であることに対して大きな期待感を抱くことになり、内部的に実行が指示された(実際に実行された)図柄変動ゲームが20回に達するまでの間、その期待感を持続させることになる。また、確変期待モードMTでは、見た目上に実行された図柄変動ゲームの回数が多いほど確変状態への期待が高いという感覚を遊技者に与え得るので、こういった感覚が示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームの出現によって高め得る。
【0094】
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図7に基づき説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板35が装着されている。主制御基板35は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板36と、演出表示制御基板37と、音声・ランプ制御基板38が装着されている。本実施形態では、サブ統括制御基板36と、演出表示制御基板37と、音声・ランプ制御基板38によって副制御装置が構成されている。
【0095】
サブ統括制御基板36は、主制御基板35が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38を統括的に制御する。演出表示制御基板37は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置22の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板38は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ部16a〜16cの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ17a〜17cの音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
【0096】
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板35には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU35aと、主制御用CPU35aの制御プログラムを格納する主制御用ROM35bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM35cが設けられている。主制御用CPU35aには、主制御用ROM35bと主制御用RAM35cが接続されている。また、主制御用CPU35aには、上始動入賞口25に入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1と、下始動入賞口26に入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU35aには、大入賞口29に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3と、普通図柄作動ゲート30を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。
【0097】
また、主制御用CPU35aには、図柄表示基板39を介して、特別図柄表示装置23と特別図柄保留記憶表示装置Raが接続されている。また、主制御用CPU35aには、図柄表示基板39を介して、普通図柄表示装置24と普通図柄保留記憶表示装置Rbが接続されている。図柄表示基板39は、特別図柄表示装置23、特別図柄保留記憶表示装置Ra、普通図柄表示装置24及び普通図柄保留記憶表示装置Rbと対応する位置にそれぞれ装着されている。
【0098】
また、主制御用CPU35aは、当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM35cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、主制御用CPU35aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、主制御用CPU35aには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
【0099】
主制御用ROM35bには、パチンコ遊技機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM35bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、演出表示装置22及び特別図柄表示装置23において図柄の変動開始による図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置22及び特別図柄表示装置23において図柄が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了するまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特別図柄が変動開始してから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。そして、変動パターンは、当り演出用(大当り演出用(大当り変動用)又は小当り演出用(小当り変動用))、はずれリーチ演出用(はずれリーチ変動用)及びはずれ演出用(通常変動用)からなる変動内容毎に分類されている。
【0100】
当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に当りの図柄組み合わせ(大当りの図柄組み合わせ又は小当りの図柄組み合わせ)を確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置22の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせ)が導出される迄の間に行われる演出である。また、特別図柄表示装置23では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。
【0101】
また、主制御用ROM35bには、当り判定値(大当り判定値又は小当り判定値)が記憶されている。
大当り判定値は、大当りか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる判定値であり、特別図柄用の当り判定用乱数(大当り判定用乱数)の取り得る数値(0〜1470までの全1471通りの整数)の中から定められている。さらに、大当り判定値は、遊技状態が非確変状態(低確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、遊技状態が確変状態(高確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがある。そして、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では36個)は、非確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では4個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1471分の4(=367.75分の1)となり、確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1471分の36(=40.86分の1)となる。また、主制御用RAM35cには、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)時に使用する当り判定用乱数(大当り判定用乱数)が記憶されている。本実施形態において、大当り判定用乱数は、各始動入賞口25,26へ遊技球が入賞したことを契機に取得されるようになっている。また、主制御用RAM35cには、大当り決定時に大当り図柄となる特別図柄の種類を決定する際に用いる特図振分用乱数が記憶されている。各特別図柄(大当り図柄)には、この特図振分用乱数が所定個数(本実施形態では1個)ずつ振り分けられており、主制御用CPU35aは、大当りの決定時(大当り判定が肯定となった場合)、取得した特図振分用乱数に基づき大当り図柄を決定する。この特図振分用乱数は、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜「99」の全100通りの整数)の数値を取り得るように、主制御用CPU35aが所定の周期毎(2ms毎)に数値を1加算して更新するようになっている。そして、主制御用CPU35aは、更新後の値を特図振分用乱数の値として主制御用RAM35cに記憶し、既に記憶されている特図振分用乱数の値を書き換えることで特図振分用乱数の値を順次更新するようになっている。本実施形態において、特図振分用乱数は、各始動入賞口25,26へ遊技球が入賞したことを契機に取得されるようになっている。
【0102】
小当り判定値は、小当りか否かの小当り抽選(当り抽選)で用いる判定値であり、特別図柄用の当り判定用乱数(小当り判定用乱数)の取り得る数値(0〜1470の全1471通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、小当り判定値として「5」個の数値が、が定められている。このため、小当り抽選で小当りに当選する確率は、「1471分の5(=294.2分の1)」となる。なお、小当り判定値は、確変状態が付与されているか否か、及び変短状態が付与されているか否かによってその値が異なることはない(同じ値が定められている)。すなわち、小当り抽選で小当りに当選する確率は、遊技状態に関係なく、一定とされている。また、主制御用RAM35cには、小当り決定時に小当り図柄となる特別図柄の種類を決定する際に用いる小当り用の特図振分用乱数が記憶されている。各特別図柄(小当り図柄)には、この小当り用の特図振分用乱数が所定個数(本実施形態では1個)ずつ振り分けられており、主制御用CPU35aは、小当りの決定時(小当り判定が肯定となった場合)、取得した小当り用の特図振分用乱数に基づき小当り図柄を決定する。この小当り用の特図振分用乱数は、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜「3」の全4通りの整数)の数値を取り得るように、主制御用CPU35aが所定の周期毎(2ms毎)に数値を1加算して更新するようになっている。そして、主制御用CPU35aは、更新後の値を小当り用の特図振分用乱数の値として主制御用RAM35cに記憶し、既に記憶されている小当り用の特図振分用乱数の値を書き換えることで小当り用の特図振分用乱数の値を順次更新するようになっている。本実施形態において、小当り用の特図振分用乱数は、各始動入賞口25,26へ遊技球が入賞したことを契機に取得されるようになっている。
【0103】
本実施形態において特別図柄用の当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数であるとともに、大当り抽選に当選しなかった場合に小当りとするか否かの小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。
【0104】
また、主制御用ROM35bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、はずれを決定する場合にはずれリーチ演出を実行するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、リーチ演出を実行する判定結果よりもリーチ演出を実行しない判定結果を導出し易いようにリーチ判定値を定めている。また、主制御用RAM35cには、リーチ判定時に使用するリーチ判定用乱数が記憶されている。本実施形態において、リーチ判定用乱数は、リーチ判定時に取得されるようになっている。
【0105】
また、主制御用ROM35bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜106までの全107通りの整数)の中から定められている。なお、普図当り判定値は、変短状態が付与されているか否かでその数が異なっており、変短状態が付与されている時の普図当り判定値の数(本実施形態では106個)は、変短状態が付与されていない時の普図当り判定値の数(本実施形態では2個)よりも多く設定されている。また、主制御用RAM35cには、普図当り判定時に使用する普図当り判定用乱数が記憶されている。本実施形態において、普図当り判定用乱数は、普通図柄作動ゲート30を遊技球が通過したことを契機に取得されるようになっている。
【0106】
次に、主制御用ROM35bに記憶されている変動パターンについて図8に基づき詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、前回の当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)の当選時に特別図柄として決定した図柄(大当り図柄又は小当り図柄)の種類に基づく遊技状態に応じて、選択し得る変動パターンを定めている。具体的に言えば、変動パターンには、前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄C又は図柄Dが決定された且つ当り遊技の当選から100回の図柄変動ゲームが経過している場合に選択し得る変動パターンがある。また、変動パターンには、非変短状態での当り(大当り又は小当り)の当選であって図柄B、図柄C、図柄D、又は図柄Eが決定された且つ滞在回数の図柄変動ゲームが経過している場合に選択し得る変動パターンがある。このような変動パターンは、図4によれば通常モードMFの滞在中となる「低確+変短なし」及び「高確+変短なし」に対して選択可能に定められた通常用の変動パターンとなる。また、変動パターンには、前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄Aが決定された場合、変短状態での当り(大当り又は小当り)の当選であって図柄B、図柄C、図柄D、又は図柄Eが決定された且つ変短状態が継続している場合に選択し得る変動パターンがある。このような変動パターンは、図4によれば高確モードMK及び低確モードMSの滞在中となる「高確+変短あり」及び「低確+変短あり」に対して選択可能に定められた変短用の変動パターンとなる。また、変動パターンには、非変短状態での当りの当選であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄B、図柄C、図柄D、又は図柄Eが決定された場合に選択し得る変動パターンがある。このような変動パターンは、図4によれば確変期待モードMTの滞在中となる「低確+変短なし」及び「高確+変短なし」に対して選択可能に定められた確変期待用の変動パターンとなる。本実施形態において主制御用CPU35aは、当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)を付与すると該当り遊技がいずれの特別図柄(大当り図柄又は小当り図柄)に基づく当り遊技であったのかを特定するとともに、現在、選択可能な変動パターンを特定可能な種別情報(フラグなど)を主制御用RAM35cに記憶(設定)するようになっている。主制御用CPU35aは、種別情報により前回の大当り遊技の当選時に特別図柄として決定した図柄の種類を特定可能になる。
【0107】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、非変短状態での当りの当選であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄B、図柄C、図柄D、又は図柄Eが決定された場合、図柄の種類に応じて確変期待用の変動パターンが選択される期間(滞在回数)を異ならせている。そして、非変短状態での当りの当選であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄Bが決定された場合には、その当り遊技(2R確変大当り遊技)後、40回を滞在回数とする図柄変動ゲームが実行されるまでの間、確変期待用の変動パターンを選択する。そして、本実施形態では、非変短状態での当りの当選であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄Bが決定された場合、確変期待用の変動パターンを選択する期間(ここでは、40回の図柄変動ゲーム)に合わせて確変期待モードMT(40)を展開させる。これにより、滞在回数を40回とする確変期待用の変動パターンが選択される確変期待モードMTが実現される。また、非変短状態での当りの当選であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄C、図柄D又は図柄Eが決定された場合には、これら当り遊技(2R特別確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技、小当り遊技)後、20回を滞在回数とする図柄変動ゲームが実行されるまでの間、確変期待用の変動パターンを選択する。そして、本実施形態では、非変短状態での当りの当選であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄C、図柄D、又は図柄Eが決定された場合、確変期待用の変動パターンを選択する期間(ここでは、20回の図柄変動ゲーム)に合わせて確変期待モードMT(20)を展開させる。これにより、滞在回数を20回とする確変期待用の変動パターンが選択される確変期待モードMTが実現される。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変期待用の変動パターンを選択する場合、遊技状態のうち大当り抽選の抽選確率が確変状態であるか否かに応じてさらに変動パターンの選択態様を異ならせるようにもなっている。このように本実施形態では、確変期待用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームを実行する滞在回数が、図5に示す確変期待モードMTでの図柄変動ゲームを実行する滞在回数となっている。
【0108】
また、本実施形態では、確変期待用の変動パターンを選択する期間(滞在回数)の経過後、通常用の変動パターンを選択する。そして、本実施形態では、確変期待用の変動パターンを選択する期間(滞在回数)の経過後、通常用の変動パターンを選択する期間(ここでは、次に当り遊技に当選するまで)に合わせて通常モードMFを展開させる。また、前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄C又は図柄Dが決定された且つ当り遊技の当選から100回の図柄変動ゲームが経過している場合には、通常用の変動パターンを選択する。なお、100回の図柄変動ゲームが経過する途中には、各種状態が継続されることになる小当り遊技(図柄E)を挟む場合もある。そして、本実施形態では、前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄C又は図柄Dが決定された且つ当り遊技の当選から100回の図柄変動ゲームが経過している場合、通常用の変動パターンを選択する期間(ここでは、次に当り遊技に当選するまで)に合わせて通常モードMFを展開させる。これにより、通常用の変動パターンが選択される通常モードMFが実現される。
【0109】
また、前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄Aが決定された場合、変短状態での当り(大当り又は小当り)の当選であって図柄B、図柄C、図柄D、又は図柄Eが決定された且つ変短状態が継続している場合には、変短用の変動パターンを選択する。そして、本実施形態では、前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄Aが決定された場合、変短状態での当り(大当り又は小当り)の当選であって図柄B、図柄C、図柄D、又は図柄Eが決定された且つ変短状態が継続している場合、変短用の変動パターンを選択する期間(ここでは、変短状態が付与されている間)に合わせて高確モードMK又は低確モードMSが展開される。これにより、変短用の変動パターンが選択される高確モードMK又は低確モードMSが実現される。なお、変動状態時の当選であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄Eが決定された場合には、各種状態が現状維持されているのでさらに前回の当り遊技が図柄Cであれば、図柄Cの当選から100回の図柄変動ゲームの経過によって通常用の変動パターンを選択する。
【0110】
まず、通常用の変動パターンについて説明する。ここでは、図8に示す通常用の変動パターンとして、はずれ演出用の変動パターンHPf1〜HPf3と、はずれリーチ演出用の変動パターンHRPf1〜HRPf4と、当り演出用の変動パターンAPf1〜APf5を例に挙げて説明し、他の変動パターンの説明については省略する。なお、通常用の変動パターンには、示唆なし擬似連の変動内容を特定する変動パターンを含んでいない。
【0111】
変動パターンHPf1〜HPf3は、変動内容として擬似連を伴わないはずれ演出としての「通常変動」を特定する。なお、「通常変動」とは、はずれ演出用の変動パターンのうち擬似連を伴わない変動パターンで特定される変動内容であって、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させる変動内容である。変動パターンHPf1は、演出時間(変動時間)を「13000ms」とする「通常変動(13秒)」となっている。また、変動パターンHPf2は、演出時間(変動時間)を「6100ms」とする「通常変動(6.1秒)」となっている。また、変動パターンHPf3は、演出時間(変動時間)を「3000ms」とする「通常変動(3秒)」となっている。このため、「通常変動(6.1秒)」は、「通常変動(13秒)」よりも演出時間を短くする「短縮変動」となる。また、「通常変動(3秒)」は、「通常変動(13秒)」及び「通常変動(6.1秒)」よりも演出時間を短くする「超短縮変動」となる。本実施形態では、「通常変動(13秒)」は特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」及び「1」の場合に選択され、「通常変動(6.1秒)」は特別図柄用の保留記憶数が「2」の場合に選択され、「通常変動(3秒)」は特別図柄用の保留記憶数が「3」の場合に選択される。ここで示している特別図柄用の保留記憶数は、対象となる図柄変動ゲームの開始に伴う書き換え後の数となっている。
【0112】
また、変動パターンHRPf1〜HRPf4は、変動内容として擬似連(示唆あり)を伴う、又は擬似連を伴わない「はずれリーチ演出」を特定する。変動パターンHRPf1は、擬似連を伴わない「はずれリーチ演出」を特定する。また、変動パターンHRPf2は、変動サイクル数(実行回数)を2回とする擬似連(示唆あり)を伴う「はずれリーチ演出」を特定する。また、変動パターンHRPf3は、変動サイクル数(実行回数)を3回とする擬似連(示唆あり)を伴う「はずれリーチ演出」を特定する。また、変動パターンHRPf4は、変動サイクル数(実行回数)を4回とする擬似連(示唆あり)を伴う「はずれリーチ演出」を特定する。
【0113】
また、変動パターンAPf1〜APf5は、変動内容として擬似連(示唆あり)を伴う、又は擬似連を伴わない「当り演出」を特定する。変動パターンAPf1は、擬似連を伴わない「当り演出」を特定する。また、変動パターンAPf2は、変動サイクル数(実行回数)を2回とする擬似連(示唆あり)を伴う「当り演出」を特定する。また、変動パターンAPf3は、変動サイクル数(実行回数)を3回とする擬似連(示唆あり)を伴う「当り演出」を特定する。また、変動パターンAPf4は、変動サイクル数(実行回数)を4回とする擬似連(示唆あり)を伴う「当り演出」を特定する。また、変動パターンAPf5は、確変示唆の図柄組み合わせを導出する「当り演出」を特定する。
【0114】
通常用の変動パターンのうち擬似連を伴う変動内容となる変動パターンHRPf2〜HRPf4,APf2〜APf4では、示唆あり擬似連を伴う変動内容を特定するようになっている。また、擬似連としない変動パターン及び擬似連とする変動パターンでは、リーチ演出の演出内容を同一内容とする変動パターンを含んでおり、リーチ演出の演出内容毎に当り演出及びはずれリーチ演出、さらに擬似連(示唆あり)を伴う場合に関して言えば変動サイクル数(実行回数)毎にそれぞれを特定する変動パターンがある。なお、はずれリーチ演出用と当り演出用の変動パターンで同じ内容のリーチ演出を特定する変動パターンは、最終的な表示結果として導出する飾り図柄による図柄組み合わせが異なるパターンとなる。
【0115】
そして、変動サイクル数(実行回数)を「2回」とする変動パターンHRPf2,APf2の変動時間は、「通常変動(13秒)」を特定する変動パターン1回分と、擬似連を伴わない変動パターンのうち同一演出内容を特定する変動パターンに基づく演出を実行可能な演出時間から構成されている。そして、変動パターンHRPf2,APf2に基づく図柄変動ゲームでは、1回目の変動サイクルで「通常変動(13秒)」、2回目の変動サイクルで対応する演出内容のリーチ演出が実行される変動内容となっている。また、変動サイクル数(実行回数)を「3回」とする変動パターンHRPf3,APf3の変動時間は、「通常変動(13秒)」を特定する変動パターン2回分と、擬似連を伴わない変動パターンのうち同一演出内容を特定する変動パターンに基づく演出を実行可能な演出時間から構成されている。そして、変動パターンHRPf3,APf3に基づく図柄変動ゲームでは、1回目及び2回目の変動サイクルで「通常変動(13秒)」、3回目の変動サイクルで対応する演出内容のリーチ演出が実行される変動内容となっている。また、変動サイクル数(実行回数)を「4回」とする変動パターンHRPf4,APf4では、「通常変動(13秒)」を特定する変動パターン3回分と、擬似連を伴わない変動パターンのうち同一演出内容を特定する変動パターンに基づく演出を実行可能な演出時間から構成されている。そして、変動パターンHRPf4,APf4に基づく図柄変動ゲームでは、1回目〜3回目の変動サイクルで「通常変動(13秒)」、4回目の変動サイクルで対応する演出内容のリーチ演出が実行される変動内容となっている。また、示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲームで「通常変動(13秒)」が実行される場合には、変動サイクル単位ではずれの図柄組み合わせ(リーチを形成しない)が一旦停止表示される。そして、示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲームとして実行される「通常変動(13秒)」と、擬似連を伴う図柄変動ゲームとして実行される「通常変動(13秒)」では、特殊変動示唆演出が展開されるか否かのみが見た目上に異なる演出が実行される。
【0116】
次に、変短用の変動パターンについて説明する。ここでは、図8に示す変短用の変動パターンとして、はずれ演出用の変動パターンHPk1〜HPk3と、はずれリーチ演出用の変動パターンHRPk1と、当り演出用の変動パターンAPk1,APk2を例に挙げて説明し、他の変動パターンの説明については省略する。なお、変短用の変動パターンには、示唆なし擬似連の変動内容を特定する変動パターンを含んでいない。
【0117】
変動パターンHPk1〜HPk3は、変動内容として擬似連を伴わないはずれ演出としての「通常変動」を特定する。変動パターンHPk1は、演出時間(変動時間)を「13000ms」とする「通常変動(13秒)」となっている。また、変動パターンHPk2は、演出時間(変動時間)を「6000ms」とする「通常変動(6秒)」となっている。また、変動パターンHPk3は、演出時間(変動時間)を「2500ms」とする「通常変動(2.5秒)」となっている。このため、「通常変動(6秒)」は、「通常変動(13秒)」よりも演出時間を短くする変短用の「短縮変動」となる。また、「通常変動(2.5秒)」は、「通常変動(13秒)」及び「通常変動(6秒)」よりも演出時間を短くする変短用の「超短縮変動」となる。本実施形態では、「通常変動(13秒)」、「通常変動(6秒)」及び「通常変動(2.5秒)」は、特別図柄用の保留記憶数のいずれでも出現し得るようになっている。
【0118】
また、変動パターンHRPk1は、変動内容として擬似連を伴わない「はずれリーチ演出」を特定する。また、変動パターンAPk1,APk2は、変動内容として擬似連を伴わない「当り演出」を特定する。また、変動パターンAPk2は、確変示唆の図柄組み合わせを導出する「当り演出」を特定する。なお、はずれリーチ演出用と当り演出用の変動パターンで同じ内容のリーチ演出を特定する変動パターンは、最終的な表示結果として導出する飾り図柄による図柄組み合わせが異なるパターンとなっている。また、本実施形態において、変短用の変動パターンには、擬似連を伴う変動内容を特定する変動パターンを含まないように構成されている。
【0119】
次に、確変期待用の変動パターンについて説明する。ここでは、図8に示す確変期待用の変動パターンとして、はずれ演出用の変動パターンHPt1〜HPt3と、はずれリーチ演出用の変動パターンHRPt1〜HRPt4と、当り演出用の変動パターンAPt1〜APt6を例に挙げて説明する。
【0120】
変動パターンHPt1〜HPt3は、変動内容として擬似連(示唆なし)を伴う、又は擬似連を伴わないはずれ演出としての「通常変動」を特定する。変動パターンHPt1は、演出時間を「14560ms」とする変動サイクル数(実行回数)を2回とする擬似連(示唆なし)を伴う「通常変動(擬似2回)」を特定する。また、変動パターンHPt2は、演出時間を「6100ms」とする擬似連を伴わない「通常変動(6.1秒)」となっている。また、変動パターンHPt3は、演出時間(変動時間)を「3000ms」とする擬似連を伴わない「通常変動(3秒)」となっている。このため、「通常変動(6.1秒)」は、「通常変動(擬似2回)」よりも演出時間を短くする確変期待用の「短縮変動」となる。また、「通常変動(3秒)」は、「通常変動(擬似2回)」及び「通常変動(6.1秒)」よりも演出時間を短くする確変期待用の「超短縮変動」となる。また、本実施形態において確変期待用の変動パターンには、通常用及び変短用の変動パターンの「通常変動(13秒)」の代わりに「通常変動(擬似2回)」が含まれている。本実施形態では、「通常変動(擬似2回)」は特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」及び「1」(所定値(本実施形態では「2」未満))の場合に選択可能にされる。また、「通常変動(6.1秒)」は特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」及び「1」の場合に選択可能にされるとともに、特別図柄用の保留記憶数が「2」(所定値(本実施形態では「2」以上))の場合に選択される。すなわち、本実施形態では、特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」及び「1」の場合に「通常変動(擬似2回)」又は「通常変動(6.1秒)」が選択される。そして、本実施形態では、特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」及び「1」の場合に「通常変動(擬似2回)」又は「通常変動(6.1秒)」を、遊技状態のうち大当り抽選の抽選確率が非確変状態のときに確変状態のときよりも「通常変動(擬似2回)」を選択し易くなるように乱数を振分けた乱数抽選によって決定する。また、「通常変動(3秒)」は特別図柄用の保留記憶数が「3」(所定値(本実施形態では「2」以上))の場合に選択される。ここで示している特別図柄用の保留記憶数は、対象となる図柄変動ゲームの開始に伴う書き換え後の数となっている。
【0121】
本実施形態において確変期待用の変動パターンではずれ演出用の変動パターンのうち擬似連を伴う変動内容となる変動パターンHPt1では、示唆なし擬似連を伴う変動内容を特定するようになっている。そして、変動サイクル数(実行回数)を「2回」とする変動パターンHPt1の変動時間は、「通常変動(6.1秒)」を特定する変動パターンに基づく演出を2回分実行可能な演出時間(本実施形態では、「14560ms(14.56秒)」)から構成されている。なお、「14560ms」は、「通常変動(6.1秒)」の2回分の演出時間(12.2(秒))よりも十分に長い時間である。また、「14560ms」のうち「通常変動(6.1秒)」の2回分以外の「2360ms(14560(ms)−12200(ms))」は、調整時間として割り当てられ、変動サイクル間のインターバル時間などに割り当てられている。本実施形態では、この調整時間を十分に設けることで、変動サイクル間でのインターバル時間を十分に割り当てることができるようになっている。このため、本実施形態では、変動サイクル間で図柄の変動が実際には続いていることを遊技者に認識させ難くなる。そして、変動パターンHPt1に基づく図柄変動ゲームでは、1回目及び2回目の変動サイクルで「通常変動(6.1秒)」を連続して実行させる変動内容となっている。また、示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームで「通常変動(6.1秒)」が実行される場合には、変動サイクル単位ではずれの図柄組み合わせ(リーチを形成しない)が導出される。そして、示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームとして実行される「通常変動(6.1秒)」と、擬似連を伴う図柄変動ゲームとして実行される「通常変動(6.1秒)」では、見た目上に同じ演出が実行される。本実施形態では、変動パターンHPt1に基づく「通常変動(擬似2回)」がはずれ特殊変動となり、「通常変動(6.1秒)」がはずれ通常変動となる。
【0122】
このため、本実施形態において確変期待モードMTでは、特別図柄用の保留記憶数が「2」未満の場面で「通常変動(擬似2回)」が出現すると「通常変動(6.1秒)」が恰も連続して実行されているかのように演出表現してなされる。実際には、特別図柄用の保留記憶数が「2」未満であると、「通常変動(擬似2回)」が実行されるが、「通常変動(6.1秒)」が見た目上に2回実行されたかのような感覚を遊技者に与え得る。すなわち、はずれ演出を出現させる場面では、内部的に特別図柄用の保留記憶数によって選択可能な変動内容を異ならせているが、特別図柄用の保留記憶数が「3」以外の条件下で、「通常変動(6.1秒)」による図柄変動ゲームのみが実行される構成であるかのように演出表現してなされる。
【0123】
また、本実施形態では、「通常変動(擬似2回)」を特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」,「1」で出現可能にし、特別図柄用の保留記憶数がいくつであっても「通常変動(擬似2回)」を実行可能にしていないので、実際の図柄変動ゲームの回数と、見た目上の図柄変動ゲームの回数との差が大きくなってしまわない。このため、本実施形態において特別図柄用の保留記憶数が「2」,「3」(所定値以上)では、図柄変動ゲームを次から次へと実行させることで、実際のゲームを消化することで遊技効率を高めている。一方、本実施形態において特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」,「1」(所定値未満)では、実際に実行されているよりも多くの図柄変動ゲームが実行されているように見せつつ、その間に特別図柄用の保留記憶数を貯め易くすることで、遊技効率を高めている。
【0124】
また、本実施形態では、遊技状態のうち大当り抽選の抽選確率が非確変状態の場合に確変状態の場合よりも「通常変動(擬似2回)」を選択し易くすることで、確変期待モードMT(20)となるような(非確変状態の)場面に対して実際に実行されているよりも多くの図柄変動ゲームが実行されているように見せ易くなる。これにより、確変期待モードMTでは、見た目上に20回の図柄変動ゲームが実行された後も確変期待モードMTが継続することで、確変状態であることに対して大きな期待感を抱かせてその期待感を持続させる場面を到来させ易くなる。また、確変期待モードMTでは、見た目上に実行された図柄変動ゲームの回数が多いほど確変状態への期待が高いという感覚を高める得る場面を到来させ易くなる。
【0125】
また、変動パターンHRPt1〜HRPt4は、変動内容として擬似連(示唆あり)を伴う、又は擬似連を伴わない「はずれリーチ演出」を特定する。変動パターンHRPt1は、擬似連を伴わない「はずれリーチ演出」を特定する。また、変動パターンHRPt2は、変動サイクル数(実行回数)を2回とする擬似連(示唆あり)を伴う「はずれリーチ演出」を特定する。また、変動パターンHRPt3は、変動サイクル数(実行回数)を3回とする擬似連(示唆あり)を伴う「はずれリーチ演出」を特定する。また、変動パターンHRPt4は、変動サイクル数(実行回数)を4回とする擬似連(示唆あり)を伴う「はずれリーチ演出」を特定する。
【0126】
また、変動パターンAPt1〜APt6は、変動内容として擬似連(示唆あり)を伴う、又は擬似連を伴わない「当り演出」を特定する。変動パターンAPt1は、擬似連を伴わない「当り演出」を特定する。また、変動パターンAPt2は、変動サイクル数(実行回数)を2回とする擬似連(示唆あり)を伴う「当り演出」を特定する。また、変動パターンAPt3は、変動サイクル数(実行回数)を3回とする擬似連(示唆あり)を伴う「当り演出」を特定する。また、変動パターンAPt4は、変動サイクル数(実行回数)を4回とする擬似連(示唆あり)を伴う「当り演出」を特定する。また、変動パターンAPt5は、変動サイクル数(実行回数)を5回とする擬似連(示唆あり)を伴う「当り演出」を特定する。また、変動パターンAPt6は、確変示唆の図柄組み合わせを導出する「当り演出」を特定する。
【0127】
確変期待用の変動パターンのうち擬似連を伴う変動内容となるはずれリーチ演出用及び大当り演出用の変動パターンHRPt2〜HRPt4,APt2〜APt5では、示唆あり擬似連を伴う変動内容を特定するようになっている。また、擬似連としない変動パターン及び擬似連とする変動パターンでは、リーチ演出の演出内容を同一内容とする変動パターンを含んでおり、リーチ演出の演出内容毎に当り演出及びはずれリーチ演出、さらに擬似連(示唆あり)を伴う場合に関して言えば変動サイクル数(実行回数)毎にそれぞれを特定する変動パターンがある。なお、変動サイクル数(実行回数)が5回に関しては、当り演出用の変動パターンにのみ含まれており、これに対応するはずれリーチ演出用の変動パターンを設けていない。なお、はずれリーチ演出用と当り演出用の変動パターンで同じ内容のリーチ演出を特定する変動パターンは、最終的な表示結果として導出する飾り図柄による図柄組み合わせが異なるパターンとなっている。
【0128】
そして、変動サイクル数(実行回数)を「2回」とする変動パターンHRPt2,APt2の変動時間は、「通常変動(6.1秒)」を特定する変動パターン1回分と、擬似連を伴わない変動パターンのうち同一演出内容を特定する変動パターンに基づく演出を実行可能な演出時間から構成されている。そして、変動パターンHRPt2,APt2に基づく図柄変動ゲームでは、1回目の変動サイクルで「通常変動(6.1秒)」、2回目の変動サイクルで対応する演出内容のリーチ演出が実行される変動内容となっている。また、変動サイクル数(実行回数)を「3回」とする示唆あり擬似連を伴う変動内容を特定する変動パターンHRPt3,APt3の変動時間は、「通常変動(6.1秒)」を特定する変動パターン2回分と、擬似連を伴わない変動パターンのうち同一演出内容を特定する変動パターンに基づく演出を実行可能な演出時間から構成されている。そして、変動パターンHRPt3,APt3に基づく図柄変動ゲームでは、1回目及び2回目の変動サイクルで「通常変動(6.1秒)」、3回目の変動サイクルで対応するリーチ演出内容のリーチ演出が実行される変動内容となっている。また、変動サイクル数(実行回数)を「4回」とする示唆あり擬似連を伴う変動内容を特定する変動パターンHRPt4,APt4では、「通常変動(6.1秒)」を特定する変動パターン3回分と、擬似連を伴わない変動パターンのうち同一演出内容を特定する変動パターンに基づく演出を実行可能な演出時間から構成されている。そして、変動パターンHRPt4,APt4に基づく図柄変動ゲームでは、1回目〜3回目の変動サイクルで「通常変動(6.1秒)」、4回目の変動サイクルで対応するリーチ演出内容のリーチ演出が実行される変動内容となっている。なお、示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲームで「通常変動(6.1秒)」が実行される場合には、変動サイクル単位ではずれの図柄組み合わせ(リーチを形成しない)が一旦停止表示される。また、変動サイクル数(実行回数)を「5回」とする示唆あり擬似連を伴う変動内容を特定する変動パターンAPt5では、「通常変動(6.1秒)」を特定する変動パターン4回分と、擬似連を伴わない変動パターンのうち同一演出内容を特定する変動パターンに基づく演出を実行可能な演出時間から構成されている。そして、変動パターンAPt5に基づく図柄変動ゲームでは、1回目〜4回目の変動サイクルで「通常変動(6.1秒)」、5回目の変動サイクルで対応するリーチ演出内容のリーチ演出が実行される変動内容となっている。また、示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲームで「通常変動(6.1秒)」が実行される場合には、変動サイクル単位ではずれの図柄組み合わせ(リーチを形成しない)が一旦停止表示される。そして、示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲームとして実行される「通常変動(6.1秒)」と、擬似連を伴う図柄変動ゲームとして実行される「通常変動(6.1秒)」では、特殊変動示唆演出が展開されるか否かのみが見た目上に異なる演出が実行される。
【0129】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常用の変動パターンのうち示唆あり擬似連を特定する変動パターンの演出時間を、「通常変動(13秒)」の演出時間をもとに定める一方で、確変期待用の変動パターンのうち示唆あり擬似連を特定する変動パターンの演出時間を、「通常変動(6.1秒)」の演出時間をもとに定めている。例えば、確変期待用の変動パターンAPt5の演出時間を「通常変動(13秒)」をもとに定めると、5回目の変動サイクルの実行までに少なくとも「52秒(13秒の4回分)」を要することになって演出時間が長くなり過ぎてしまう。このため、確変期待用の変動パターンで示唆あり擬似連となる変動パターンの演出時間に関しては、「通常変動(6.1秒)」をもとに定めることで、変動サイクル数を5回とする場合にも演出時間が長くなり過ぎないようにしている。一方、変動サイクル数を5回とする変動内容を設定していない通常用の変動パターンに関しては、演出時間を「通常変動(13秒)」をもとに定めるようにすることで、擬似連による演出を遊技者に楽しませるようにしている。
【0130】
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU36aと、統括制御用CPU36aの統括制御プログラムを格納する統括制御用ROM36bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM36cが設けられている。統括制御用CPU36aには、統括制御用ROM36bと統括制御用RAM36cが接続されている。そして、統括制御用CPU36aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、統括制御用ROM36bには、統括制御プログラムに加え、各種演出を決定する際に参照する各種テーブルが記憶されている。なお、各種テーブルについての詳細は、後述する。
【0131】
次に、演出表示制御基板37について説明する。
演出表示制御基板37には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU37aと、表示制御用CPU37aの表示制御プログラムを格納する表示制御用ROM37bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM37cが設けられている。表示制御用CPU37aには、演出表示装置22が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU37aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、表示制御用ROM37bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
【0132】
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板35について説明する。本実施形態では、メイン制御プログラムに基づき以下の各種処理を実行する主制御基板35(主制御用CPU35a)が、当り抽選手段と、抽選確率状態制御手段と、変動内容決定手段と、回数計数手段と、当り種決定手段として機能する。また、主制御基板35(主制御用RAM35c)が保留記憶手段として機能する。
【0133】
まず、図柄変動ゲームの制御に係る処理について説明する。
主制御基板35の主制御用CPU35aは、上始動入賞口25又は下始動入賞口26へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM35cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。このとき、主制御用CPU35aは、1加算後の特別図柄用の保留記憶数を指定する保留コマンドを出力する。なお、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、保留コマンドにより特別図柄用の保留記憶数を把握し、保留記憶数画像表示領域Rcの表示内容の制御を指示する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。例えば、主制御用CPU35aは、書き換え後の特別図柄用の保留記憶数が「3」の場合、3つの保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU35aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値も取得しない。
【0134】
そして、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した当り判定用乱数の値を読み出し、該値と主制御用ROM35bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当り遊技を付与するか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。なお、大当り判定において主制御用CPU35aは、遊技状態が非確変状態(当選確率が低確)である場合には、低確率用の大当り判定値と当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が確変状態(当選確率が高確)である場合には、高確率用の大当り判定値と当り判定用乱数の値を比較する。大当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU35aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した特図振分用乱数の値を読み出し、該値に基づいて特別図柄表示装置23で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。特別図柄の大当り図柄は、前述したように大当り遊技の種類毎に設定されていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当り遊技の種類を決定したことになる。また、大当りを決定した主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU35aは、変動パターンの選択に際し、種別情報に応じて選択可能な変動パターンとして定められている変動パターンの中から取得した変動パターン振分用乱数の値をもとに1つの変動パターンを選択する。
【0135】
一方、主制御用CPU35aは、大当り判定の判定結果が否定(特別図柄用の当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、特別図柄用の当り判定用乱数の値と主制御用ROM35bに記憶されている小当り判定値を比較して、小当り遊技を付与するか否かの小当り判定(小当り抽選)を行う。小当り判定の判定結果が肯定(特別図柄用の当り判定用乱数の値と小当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU35aは、小当りを決定する。小当りを決定した主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した特図振分用乱数の値を読み出し、該値に基づいて特別図柄表示装置23で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として小当り図柄を決定する。また、小当りを決定した主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU35aは、変動パターンの選択に際し、種別情報に応じて選択可能な変動パターンとして定められている変動パターンの中から取得した変動パターン振分用乱数の値をもとに1つの変動パターンを選択する。
【0136】
また、主制御用CPU35aは、小当り判定の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と小当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄表示装置23で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU35aは、リーチ判定用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値と主制御用ROM35bに記憶されているリーチ判定値とを比較し、はずれリーチ演出を実行するか否かを決定するリーチ判定を実行する。
【0137】
そして、リーチ判定の判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU35aは、変動パターンの選択に際し、種別情報に応じて選択可能な変動パターンとして定められている変動パターンの中から取得した変動パターン振分用乱数の値をもとに1つの変動パターンを選択する。
【0138】
一方、リーチ判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU35aは、変動パターンの選択に際し、種別情報に応じて選択可能な変動パターンとして定められている変動パターンの中から取得した変動パターン振分用乱数の値をもとに1つの変動パターンを選択する。
【0139】
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU35aは、所定の制御コマンドを生成し、その生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、該変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを生成し、該停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU35aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを生成し、該図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
【0140】
また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。このとき、主制御用CPU35aは、1減算後の特別図柄用の保留記憶数を指定する保留コマンドを出力する。なお、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、保留コマンドにより特別図柄用の保留記憶数を把握し、保留記憶数画像表示領域Rcの表示内容の制御を指示する。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置23の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(当り図柄(大当り図柄又は小当り図柄)又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
【0141】
次に、当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)に係る処理について説明する。
主制御用CPU35aは、当り(大当り又は小当り)を決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)の制御を開始し、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
【0142】
15R確変大当り遊技の実行に際し、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力するとともに、オープニング時間(6000(ms))の計測を開始する。次に、主制御用CPU35aは、オープニング時間が経過すると、1ラウンド目のラウンド遊技を開始させるべく1ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力するとともに、ラウンド遊技時間(最大で25000(ms))の計測を開始し、さらに開放信号を出力する。これにより、パチンコ遊技機10では、1ラウンド目のラウンド遊技の開始に伴って大入賞口29の大入賞口扉28が開放される。そして、主制御用CPU35aは、1ラウンド目のラウンド遊技において終了条件が満たされると、閉鎖信号を出力する。これにより、パチンコ遊技機10では、1ラウンド目のラウンド遊技の終了に伴って大入賞口29の大入賞口扉28が閉鎖される。
【0143】
1ラウンド目のラウンド遊技を終了させた主制御用CPU35aは、2ラウンド目のラウンド遊技を開始させるために、1ラウンド目と2ラウンド目の間に設定されるラウンド間インターバルのインターバル時間(1000(ms))の経過後に、2ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力する。そして、主制御用CPU35aは、2ラウンド目のラウンド遊技で終了条件が満たされると、同様に2ラウンド目のラウンド遊技を終了する。以降同様に、主制御用CPU35aは、3ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技を制御する。そして、主制御用CPU35aは、最終ラウンドのラウンド遊技が終了すると、最終開放インターバル時間(1000(ms))の経過後にエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間(15000(ms))の計測を開始する。そして、主制御用CPU35aは、エンディング時間の経過後、大当り遊技を終了させる。
【0144】
その際、主制御用CPU35aは、15R確変大当り遊技を付与した場合、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定するとともに、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。この場合、主制御用CPU35aは、確変状態を付与することを示す確変コマンドを出力するとともに、変短状態を付与することを示す変短コマンドを出力する。ここで出力する変短コマンドは、図柄Aに基づく大当り遊技終了後であって、該大当り遊技終了後に変短用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる。これにより、この場合にサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、変短用の変動パターンが選択される期間となることを把握し、高確モードMKを展開させることになる。
【0145】
また、2R大当り遊技(2R確変大当り遊技、2R特別確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技)の実行に際し、主制御用CPU35aは、上述した所定の制御を実行することで大当り遊技を実行させる。
【0146】
そして、主制御用CPU35aは、2R確変大当り遊技を付与した場合には、確変フラグに「1」を設定する。そして、主制御用CPU35aは、変短状態中の2R確変大当り遊技であれば作動フラグに「1」を設定し、確変コマンドを出力するとともに、変短コマンドを出力する。ここで出力する変短コマンドは、図柄Bに基づく大当り遊技終了後であって、該大当り遊技終了後に変短用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる。これにより、この場合にサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、変短用の変動パターンが選択される期間となることを把握し、高確モードMKを展開させることになる。
【0147】
一方、主制御用CPU35aは、非変短状態中の2R確変大当り遊技であれば作動フラグに「0」を設定し、確変コマンドを出力するとともに、非変短コマンドを出力する。ここで出力する非変短コマンドは、図柄Bに基づく大当り遊技終了後であって、該大当り遊技終了後に確変期待用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる。これにより、この場合にサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、確変期待用の変動パターンが選択される期間となることを把握し、確変期待モードMTを展開させることになる。
【0148】
また、主制御用CPU35aは、2R特別確変大当り遊技を付与した場合には、確変フラグに「1」を設定する。そして、主制御用CPU35aは、変短状態中の2R特別確変大当り遊技であれば作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数に100回を設定し、確変コマンドを出力するとともに、変短コマンドを出力する。ここで出力する変短コマンドは、図柄Cに基づく大当り遊技終了後であって、該大当り遊技終了後に変短用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる。これにより、この場合にサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、変短用の変動パターンが選択される期間となることを把握し、低確モードMSを展開させることになる。
【0149】
また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームが実行される毎に作動回数を1減算し、作動回数が「0(零)」になると、変短状態を終了させ、確変状態における非変短状態を付与する。この場合、主制御用CPU35aは、非変短コマンドを出力する。一方、主制御用CPU35aは、非変短状態中の2R特別確変大当り遊技であれば作動フラグに「0」を設定し、確変コマンドを出力するとともに、非変短コマンドを出力する。ここで出力する非変短コマンドは、図柄Cに基づく大当り遊技終了後であって、該大当り遊技終了後に確変期待用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる。これにより、この場合にサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、確変期待用の変動パターンが選択される期間となることを把握し、確変期待モードMTを展開させることになる。
【0150】
また、主制御用CPU35aは、2R非確変大当り遊技を付与した場合には、確変フラグに「0(零)」を設定する。そして、主制御用CPU35aは、変短状態中の2R非確変大当り遊技であれば作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数に100回を設定し、非確変状態を付与することを示す非確変コマンドを出力するとともに、変短コマンドを出力する。ここで出力する変短コマンドは、図柄Dに基づく大当り遊技終了後であって、該大当り遊技終了後に変短用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる。これにより、この場合にサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、変短用の変動パターンが選択される期間となることを把握し、低確モードMSを展開させることになる。
【0151】
また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームが実行される毎に作動回数を1減算し、作動回数が「0(零)」になると、変短状態を終了させ、非確変状態における非変短状態を付与する。この場合、主制御用CPU35aは、非変短コマンドを出力する。一方、主制御用CPU35aは、非変短状態中の2R特別確変大当り遊技であれば作動フラグに「0」を設定し、確変コマンドを出力するとともに、非変短コマンドを出力する。ここで出力する非変短コマンドは、図柄Dに基づく大当り遊技終了後であって、該大当り遊技終了後に確変期待用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる。これにより、この場合にサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、確変期待用の変動パターンが選択される期間となることを把握し、確変期待モードMTを展開させることを把握する。
【0152】
また、主制御用CPU35aは、小当り遊技を付与した場合には、該小当り遊技の当選時に設定していた各種フラグ(確変フラグ及び作動フラグ)の内容を現状維持で保つようになっている。なお、主制御用CPU35aは、小当り遊技の当選に際しては遊技状態を現状維持させて変更させないので、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、非変短コマンドのいずれも出力しないが、図柄Eに基づく小当り遊技終了後であって、該小当り遊技終了後に確変期待用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる選択状態コマンドを出力する。これにより、この場合にサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、確変期待用の変動パターンが選択される期間となることを把握し、確変期待モードMTを展開させることになる。また、主制御用CPU35aは、小当り遊技の当選時に作動回数が設定されている場合にも該作動回数の内容も現状維持し、作動回数が「0(零)」になると、変短状態を終了させ、非変短コマンドを出力する。
【0153】
また、本実施形態において主制御用CPU35aは、確変期待用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる非変短コマンドや選択状態コマンドの出力後、場面毎(当り遊技毎)に定めた滞在回数の経過に伴って、通常用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる選択状態終了コマンドを出力する。これにより、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、通常用の変動パターンが選択される期間となることを把握し、通常モードMFを展開させることになる。また、本実施形態において主制御用CPU35aは、変短用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる変短コマンドの出力後、作動回数が「0(零)」になることに伴って非変短コマンドとして、通常用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる非変短コマンドを出力する。これにより、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、通常用の変動パターンが選択される期間となることを把握し、通常モードMFを展開させることになる。なお、ここで説明した変短コマンドや非変短コマンドは、変動パターンを選択する態様として同じ態様を特定し得ることになる場合においては同一コマンドとしてもよいし、特別図柄(当り図柄)毎に異ならせてもよい。
【0154】
また、各フラグは、大当り遊技が付与された場合にクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。この場合、主制御用CPU35aは、大当りが生起された場合、大当り遊技の開始に伴って確変状態及び変短状態を終了させる。一方、各フラグは、小当り遊技の付与によってはクリアされない(現状維持される)ようになっている。この場合、主制御用CPU35aは、小当りが生起された場合、小当り遊技中も当選時の遊技状態を現状維持させる。また、各フラグは、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。これら確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、及び非変短コマンドにより、統括制御用CPU36aは、現在、確変状態であるか非確変状態であるか、変短状態であるか非変短状態であるかを把握することができる。
【0155】
次に、普通図柄変動ゲームに係る処理について説明する。
主制御基板35の主制御用CPU35aは、普通図柄作動ゲート30へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した普通図柄変動スイッチSW4が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM35cに記憶されている普通図柄変動ゲームの保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの普図保留判定を行う。普図保留判定の判定結果が肯定(普図保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの保留記憶数を1加算(+1)し、普通図柄変動ゲームの保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、普図保留判定を肯定判定している場合、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した普図当り判定用乱数の値を普通図柄変動ゲームの保留記憶数に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU35aは、普図保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える普図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値を取得しない。
【0156】
そして、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した普図当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した普図当り判定用乱数の値と主制御用ROM35bに記憶されている普図当り判定値とを比較し、普図当りか否かの普図当り判定を行う。普図当り判定において主制御用CPU35aは、遊技状態として変短状態が付与されていない場合には低確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態として変短状態が付与されている場合には高確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する。
【0157】
普図当り判定の判定結果が肯定(普図当り判定用乱数の値と普図当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU35aは、普図当りを決定する。普図当りを決定した主制御用CPU35aは、普通図柄表示装置24で行われる普通図柄変動ゲームで確定停止表示させる普図当り用の図柄(普通図柄)を決定する。一方、普図当り判定の判定結果が否定(普図当り判定用乱数の値と普図当り判定値とが不一致)の場合、主制御用CPU35aは、普図はずれを決定する。普図はずれを決定した主制御用CPU35aは、普通図柄表示装置24で行われる普通図柄変動ゲームで確定停止表示させる普図はずれ用の図柄(普通図柄)を決定する。
【0158】
そして、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置24の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(普図当り用の図柄又は普図はずれ用の図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始時の遊技状態に応じて、普通図柄変動ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、変短状態が付与されていない場合には変動時間として「10000(ms)」を設定し、変短状態が付与されている場合には変動時間として変短状態が付与されていない場合よりも短い時間となる「1000(ms)」を設定する。これにより、変短状態が付与されている場合に行われる普通図柄変動ゲームの変動時間は、非変短状態時に行われる図柄変動ゲームの変動時間よりも短縮される。
【0159】
そして、主制御用CPU35aは、普図当りを決定した場合、決定した普図変動パターンに基づく普通図柄変動ゲームの終了後、普図当り遊技に関する制御を実行する。主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームが終了したとき、変短状態が付与されている場合には、開閉羽根27を3回開放させるとともに、各回の開放において開放してから1800(ms)が経過するまで開放状態を維持するように制御する。一方、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームが終了したとき、変短状態が付与されていない場合には、開閉羽根27を1回開放させ、開放してから300(ms)経過するまで開放状態を維持するように制御する。
【0160】
なお、主制御用CPU35aは、開放してから規定時間経過する前であっても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根27を閉鎖させるように制御する。同様に、主制御用CPU35aは、所定回数開放していなくても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根27を閉鎖させるように制御する。
【0161】
次に、サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。本実施形態では、統括制御プログラムに基づき以下の各種処理を実行するサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)が、表示制御手段と、演出実行制御手段と、回数計数手段として機能する。
【0162】
まず、図柄変動ゲームに係る処理について説明する。
サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37、音声・ランプ制御基板38に出力する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置22に確定停止表示させる飾り図柄を決定し、決定した飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板37に出力する。また、統括制御用CPU36aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37、音声・ランプ制御基板38に出力する。また、統括制御用CPU36aは、図柄変動ゲームの開始時などに保留コマンドを入力すると、保留記憶数画像表示領域Rcの表示内容の更新を指示する演出指示コマンドを演出表示制御基板37(表示制御用CPU37a)に出力する。なお、統括制御用CPU36aは、保留コマンドを入力すると図柄変動ゲームの実行中であるか否かにかかわず保留記憶数画像表示領域Rcの表示内容の更新を指示する演出指示コマンドを出力する。
【0163】
また、統括制御用CPU36aは、確変コマンドや変短コマンドを入力すると、確変状態や変短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を統括制御用RAM36cに設定する。そして、統括制御用CPU36aは、確変コマンドを入力すると確変状態が付与されることを統括制御用RAM36cに設定し、非確変コマンドを入力すると非確変状態が付与されることを統括制御用RAM36cに設定する。また、統括制御用CPU36aは、変短コマンドを入力すると変短状態が付与されることを統括制御用RAM36cに設定し、非変短コマンドを入力すると非変短状態が付与されることを統括制御用RAM36cに設定する。そして、統括制御用CPU36aは、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、及び非変短コマンドを入力するまで現在の設定内容を統括制御用RAM36cに記憶維持させる。統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cの前記設定内容によって、パチンコ遊技機10の遊技状態が確変状態であるか否か、変短状態であるか否かを把握している。また、統括制御用CPU36aは、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド及び非変短コマンドのこれらコマンドを入力すると、それぞれのコマンドを各制御基板37,38にそれぞれ出力する。
【0164】
また、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、それぞれで指定された変動パターン及び最終停止図柄(特別図柄)に基づき、演出表示装置22に表示させる飾り図柄による図柄組み合わせ(液晶図柄)を決定する。
【0165】
統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、大当り遊技に対応する大当り図柄(図柄A,B,C,D,E)の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、大当りを認識し得る図柄組み合わせを決定する。
【0166】
具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、停止図柄が15R確変大当り遊技に対応する場合、確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせとして、全列の図柄が同一図柄の図柄組み合わせ([111]など)を決定する。一方、統括制御用CPU36aは、停止図柄が2R大当り遊技(2R確変大当り遊技、2R特別確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技)又は小当り遊技に対応する場合、確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせとして、確変示唆の図柄組み合わせ([010])を決定する。
【0167】
また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、はずれ図柄の場合、はずれを認識し得る飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU36aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチを形成するはずれの図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御用CPU36aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチを形成しないはずれの図柄組み合わせを決定する。また、統括制御用CPU36aは、示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームである場合、擬似連を伴わない場合と同様にリーチを形成しないはずれの図柄組み合わせを決定する。
【0168】
本実施形態において、統括制御用CPU36aが飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指定する飾り図柄による図柄組み合わせは、遊技者に、当り(大当り又は小当り)及びはずれの何れかを認識させる最終停止図柄(確定停止表示図柄であって、擬似連を伴う場合には最終回の変動サイクルでの図柄組み合わせ)となっている。
【0169】
また、統括制御用CPU36aは、擬似連を伴う図柄変動ゲームに係る制御を実行する。
具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、擬似連を伴う図柄変動ゲームの実行を特定する変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドを入力すると、変動サイクル毎に停止表示(一旦停止表示又は確定停止表示)させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。また、統括制御用CPU36aは、所定のタイミングで各変動サイクルの実行を指示するようになっている。そして、統括制御用CPU36aは、擬似連を伴う図柄変動ゲームにおいて、各変動サイクルの開始に際して開始させる変動サイクルの演出態様(変動態様や停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせなど)を特定可能な変動サイクル指定コマンドを各制御基板37,38に出力することで各変動サイクルの演出の実行を指示するようになっている。なお、各制御基板37,38は、各変動サイクルの開始に際して変動サイクル指定コマンドを入力することで各変動サイクルの開始を把握し、各変動サイクルに応じた処理が実行可能となる。
【0170】
そして、本実施形態では、示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲームの最終回以外の変動サイクルで、一旦停止表示させる飾り図柄の組み合わせとしてはずれの図柄組み合わせのうち「チャンス目」を決定する。「チャンス目」とは、示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲームにおいて、変動サイクルが次回も継続するかもしれないことを遊技者に示唆する図柄組み合わせであり、中列及び右列の図柄が同一の飾り図柄で残りの左列が中列及び右列とは異なる飾り図柄で変動停止する場合としている。また、チャンス目は、画像表示部GHに画像表示されている各列の図柄において、大当り表示結果となる表示態様、及びリーチ状態を形成する表示態様とは異なった、所謂、「ズレ目」である。また、本実施形態では、示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームの最終回以外(1回目)の変動サイクルで、一旦停止表示させる飾り図柄の組み合わせとしてはずれ演出の場合と同様にしてリーチを形成しないはずれの図柄組み合わせを決定する。
【0171】
また、統括制御用CPU36aは、演出モードの移行に係る制御を実行する。
具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された当り図柄(特別図柄)の種類と、変短状態の作動/未作動に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、演出モードの移行態様を制御する。また、統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aで管理されている種別情報に対応するように演出モードの移行態様を制御する。本実施形態において統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aから種別情報を識別可能なコマンド(変短コマンド、非変短コマンド、選択状態コマンド、又は選択終了コマンド)を入力することで、主制御用CPU35aで管理されている種別情報に対応する演出モードの移行態様を制御する。なお、これに関して言えば、本実施形態において統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドと該コマンドを入力したときの変短状態の作動/未作動に応じて種別情報に対応する情報を統括制御用RAM36cに記憶(設定)することで、主制御用CPU35aで管理されている種別情報に対応する演出モードの移行態様を制御することもできる。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御用RAM36cに設定される。統括制御用CPU36aは、演出モードフラグを設定すると、滞在中の演出モードを指示する演出指示コマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に出力する。
【0172】
次に、大当り遊技に係る処理について説明する。
統括制御用CPU36aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、これらのコマンドに応じてオープニング演出の演出内容、ラウンド演出の演出内容、及びエンディング演出の演出内容を決定する。そして、統括制御用CPU36aは、決定した演出内容を指示する演出指示コマンドを演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。
【0173】
次に、演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。本実施形態では、表示制御プログラムに基づき以下の各種処理を実行する演出表示制御基板37(表示制御用CPU37a)が、表示制御手段と演出実行制御手段として機能する。
【0174】
まず、図柄変動ゲームに係る処理について説明する。
演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように演出表示装置22の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された飾り図柄を演出表示装置22に確定停止表示させるように表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに演出表示装置22に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
【0175】
また、表示制御用CPU37aは、擬似連を伴う図柄変動ゲームに係る制御を実行する。具体的に言えば、表示制御用CPU37aは、変動サイクル指定コマンドを入力して擬似連を伴う図柄変動ゲームの開始が指示されると、変動サイクル指定コマンドの入力に伴って指示される変動サイクルを、変動サイクル指定コマンドで指示される演出内容で実行させるように演出表示装置22の表示内容を制御する。そして、例えば、変動パターンHPt1に基づく「通常変動(擬似2回)」が実行される場合、演出表示装置22では、「通常変動(6.1秒)」の図柄変動ゲームが2回実行されたかのような演出が展開される。
【0176】
また、表示制御用CPU37aは、演出モードの移行に係る制御を実行する。具体的に言えば、表示制御用CPU37aは、滞在中の演出モードを指示する演出指示コマンドを入力すると、指示される演出モードで演出表示装置22の表示内容を制御する。そして、例えば、確変期待モードMTの滞在中である場合、演出表示装置22では、確変期待モードMTでの表示画像が表示される。
【0177】
次に、大当り遊技に係る処理について説明する。
表示制御用CPU37aは、統括制御用CPU36aにより大当り遊技に係るオープニング演出などの演出指示がされる場合に、演出指示された演出に対応する演出内容(オープニング演出、ラウンド遊技演出、エンディング演出といった演出)を選択し、該演出内容で大当り遊技中の演出を行わせるように演出表示装置22の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU37aは、演出指示された演出内容をもとに表示制御用ROM37bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。そして、表示制御用CPU37aは、各種演出の開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに演出表示装置22に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
【0178】
なお、音声・ランプ制御基板38は、各種コマンドを入力すると、各種ランプ部16a〜16cの発光態様、及びスピーカ17a〜17cの音声出力態様を制御する。すなわち、音声・ランプ制御基板38は、演出表示制御基板37と同様にこれらのコマンドで指示された演出内容に応じた演出を行わせるように制御を行う。
【0179】
次に、確変期待モードMTで擬似連を伴う図柄変動ゲームに係る制御が実行されることによる、演出表示装置22(画像表示部GH)での実行態様の一例を、図9及び図10に基づき説明する。なお、図9及び図10では、はずれ演出に基づく図柄変動ゲームが実行されることを前提としている。また、図9及び図10では、特別図柄用の保留記憶数が「3」で「通常変動(3秒)」、「2」で「通常変動(6.1秒)」、「1」で「通常変動(擬似2回)」に基づく図柄変動ゲームが実行されることを前提としている。また、図9及び図10では、図柄の変動中を「↓」で示している。
【0180】
図9(a)に示すように、「通常変動(3秒)」が実行されると、演出表示装置22では、保留記憶数画像表示領域Rcの保留表示キャラクタCcのうち3個が表示とされ、特別図柄保留記憶表示装置Raに対応した表示内容となる。しかしながら、遊技者は、演出表示装置22の表示内容(保留記憶数画像表示領域Rc)から特別図柄用の保留記憶数の変化を認識し難くなっている。そして、図9(b)に示すように、演出表示装置22では、はずれの図柄組み合わせ(飾り図柄)が確定停止表示されて「通常変動(3秒)」が終了される。この場合には、演出表示装置22での確定停止表示に合わせて特別図柄表示装置23にもはずれ図柄(特別図柄)が確定停止表示される。これにより、遊技者は、「通常変動(3秒)」が実行されたことを認識する。一方、遊技者は、特別図柄用の保留記憶数の変化を保留記憶数画像表示領域Rcの表示内容から認識する。
【0181】
続いて、図9(c)に示すように、「通常変動(6.1秒)」が実行されると、演出表示装置22では、保留記憶数画像表示領域Rcの保留表示キャラクタCcのうち2個が表示とされ、特別図柄保留記憶表示装置Raに対応した表示内容となる。しかしながら、遊技者は、演出表示装置22の表示内容(保留記憶数画像表示領域Rc)から特別図柄用の保留記憶数の変化を認識し難くなっている。そして、図9(d)に示すように、演出表示装置22では、はずれの図柄組み合わせ(飾り図柄)が確定停止表示されて「通常変動(6.1秒)」が終了される。この場合には、演出表示装置22での確定停止表示に合わせて特別図柄表示装置23にもはずれ図柄(特別図柄)が確定停止表示される。これにより、遊技者は、「通常変動(6.1秒)」が実行されたことを認識する。
【0182】
続いて、図10(a)に示すように、「通常変動(擬似2回)」の1回目の変動サイクルが実行されると、演出表示装置22では、保留記憶数画像表示領域Rcの保留表示キャラクタCcのうち1個が表示とされ、特別図柄保留記憶表示装置Raに対応した表示内容となる。しかしながら、遊技者は、演出表示装置22の表示内容(保留記憶数画像表示領域Rc)から特別図柄用の保留記憶数の変化を認識し難くなっている。そして、図10(b)に示すように、演出表示装置22では、「通常変動(6.1秒)」の変動に対応するタイミングではずれの図柄組み合わせ(飾り図柄)が一旦停止表示されて1回目の変動サイクル(「通常変動(6.1秒)」の1回分)が終了される。この場合には、演出表示装置22で一旦停止表示されても特別図柄表示装置23で特別図柄が変動されている。しかしながら、遊技者は、演出表示装置22の表示内容(飾り図柄が大きいことや背景画像がゆっくりとスクロールしている変動サイクル間のインターバルが十分にある)から各飾り図柄が一旦停止表示されていても確定停止表示されているかのような感覚を遊技者に与え得る。このため、遊技者は、「通常変動(擬似2回)」であることを認識し難くなっており、「通常変動(6.1秒)」が見た目上に恰も実行されたかのような感覚を持ち得る。
【0183】
続いて、図10(c)に示すように、「通常変動(擬似2回)」の2回目の変動サイクルが実行されると、演出表示装置22では、保留記憶数画像表示領域Rcの保留表示キャラクタCcの表示内容が変化することなく維持される。なお、この場合には、特別図柄保留記憶表示装置Raの表示内容も維持されている。しかしながら、遊技者は、演出表示装置22の表示内容(保留記憶数画像表示領域Rc)から特別図柄用の保留記憶数の変化を認識し難くなっている。そして、図10(d)に示すように、演出表示装置22では、「通常変動(6.1秒)」の変動に対応するタイミングではずれの図柄組み合わせ(飾り図柄)が確定停止表示されて2回目の変動サイクル(「通常変動(6.1秒)」の1回分)が終了されて「通常変動(擬似2回)」が終了される。この場合には、演出表示装置22での確定停止表示に合わせて特別図柄表示装置23ではずれ図柄(特別図柄)が確定停止表示される。これにより、遊技者は、「通常変動(6.1秒)」が見た目上に恰も連続して(2回)実行されたかのような感覚(見た目上の感覚)を持ち得る。
【0184】
図9及び図10示した実行態様において、内部的には、「通常変動(3秒)」と、「通常変動(6.1秒)」と、「通常変動(擬似2回)」の合計で3回分の図柄変動ゲームを実行させたこととしている。すなわち、内部的には、特別図柄用の保留記憶数の「4」、「3」、「2」に対応する3回分の図柄変動ゲームを実行させたこととしている。一方、図9及び図10に示した実行態様において、遊技者は、「通常変動(3秒)」と、「通常変動(6.1秒)」と、「通常変動(6.1秒)」の2回分(実際には「通常変動(擬似2回)」)の合計で4回分の図柄変動ゲームを見た目上に実行されたかのような感覚を持ち得る。
【0185】
続いて、図9及び図10(特に図10(a)〜(d))に示した実行態様による示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームが、実際に確変期待モードMTで出現した場合における、内部的に実行が指示された図柄変動ゲームの回数(内部的な回数)と見た目上に実行された図柄変動ゲームの回数(見た目の回数)の関係について図11に基づき説明する。
【0186】
なお、図11では、確変期待モードMTの移行後、内部的に実行が指示された図柄変動ゲームが15回実行されるまでの間に5回(ここでは、3回目、6回目、9回目、12回目、15回目の3回おきに)実行された場合を例に挙げて説明する。また、図11では、確変期待モードMTの移行後、内部的に実行が指示された図柄変動ゲームが15回の全部ではずれ演出(リーチなし)が出現する場合を前提としている。また、図11では、見た目の回数と内部的な回数の差((見た目の回数)−(内部的な回数))も示している。
【0187】
図11に示すように、内部的な回数の1回目及び2回目で擬似連を伴わないはずれ演出(「通常変動(3秒)」又は「通常変動(6.1秒)」)が展開されることで、内部的な回数と見た目の回数が共に2回となる。続いて、内部的な回数の3回目で示唆なし擬似連を伴うはずれ演出(「通常変動(擬似2回)」)が展開されることで、この図柄変動ゲームの終了時、内部的な回数が3回となる一方で、見た目上の回数が4回となる。この時点で見た目の回数は、示唆なし擬似連を伴うはずれ演出(「通常変動(擬似2回)」)の1回の出現によって、内部的な回数よりも1回分多くなる(差が「+1」)。これにより、遊技者は、確変期待モードMTの移行後に実行された図柄変動ゲームの回数を「4回」と認識し得る。
【0188】
また、以後の図柄変動ゲームでは、示唆なし擬似連を伴うはずれ演出(「通常変動(擬似2回)」)の1回の出現毎に、内部的な回数よりも見た目の回数が1回分ずつ多くなっていく。その結果、内部的な回数の6回目で示唆なし擬似連を伴うはずれ演出(「通常変動(擬似2回)」)が出現する場合、6回目の図柄変動ゲームの終了時点で、見た目の回数は、示唆なし擬似連を伴うはずれ演出(「通常変動(擬似2回)」)の2回の出現によって、内部的な回数よりも2回多くなる(差が「+2」)。これにより、この時点で遊技者は、確変期待モードMTの移行後に実行された図柄変動ゲームの回数を「8回」と認識し得る。
【0189】
また、内部的な回数の9回目で示唆なし擬似連を伴うはずれ演出(「通常変動(擬似2回)」)が出現する場合、9回目の図柄変動ゲームの終了時点で、見た目の回数は、示唆なし擬似連を伴うはずれ演出(「通常変動(擬似2回)」)の2回の出現によって、内部的な回数よりも3回多くなる(差が「+3」)。これにより、この時点で遊技者は、確変期待モードMTの移行後に実行された図柄変動ゲームの回数を「12回」と認識し得る。
【0190】
また、内部的な回数の12回目で示唆なし擬似連を伴うはずれ演出(「通常変動(擬似2回)」)が出現する場合、12回目の図柄変動ゲームの終了時点で、見た目の回数は、示唆なし擬似連を伴うはずれ演出(「通常変動(擬似2回)」)の4回の出現によって、内部的な回数よりも4回多くなる(差が「+4」)。これにより、この時点で遊技者は、確変期待モードMTの移行後に実行された図柄変動ゲームの回数を「16回」と認識し得る。
【0191】
また、内部的な回数の15回目で示唆なし擬似連を伴うはずれ演出(「通常変動(擬似2回)」)が出現する場合、15回目の図柄変動ゲームの終了時点で、見た目の回数は、示唆なし擬似連を伴うはずれ演出(「通常変動(擬似2回)」)の4回の出現によって、内部的な回数よりも5回多くなる(差が「+5」)。これにより、この時点で遊技者は、確変期待モードMTの移行後に実行された図柄変動ゲームの回数を「20回」と認識し得る。
【0192】
その結果、次に実行される内部的な回数の16回目の図柄変動ゲームでは、見た目の回数が「21回」となる。これにより、遊技者は、確変期待モードMTへの移行後、見た目の回数が「20回」を超えることで滞在回数が「20回」を超えたかのような感覚を得て、確変状態への期待感を高めることになる。そして、遊技者は、特に、確変期待モードMT(20)であればこの時点から内部的な回数が20回に達するまでの間において高めた期待感を持続させ得る。
【0193】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)当り遊技(本実施形態では、2R大当り遊技又は小当り遊技)の終了後には、高確示唆演出(本実施形態では、確変期待モードMT)を実行させ、高確率抽選状態(確変状態)である場合に低確率抽選状態(非確変状態)である場合よりも所定回数(滞在回数)として大きい回数(本実施形態では、40回)を設定して高確示唆演出(確変期待モードMT)を実行させるように構成した。そして、高確示唆演出(確変期待モードMT)の実行中には、はずれ特殊変動内容(本実施形態では、変動パターンHPt1に基づく「通常変動(擬似2回)」)を選択可能に構成した。また、はずれ特殊変動内容(「通常変動(擬似2回)」)においては、該はずれ特殊変動内容(「通常変動(擬似2回)」)を構成する複数回分(2回)のはずれ通常変動内容(「通常変動(6.1秒)」)を連続で実行させて1回の図柄変動ゲームとするようにした。このため、はずれ特殊変動内容(「通常変動(擬似2回)」)による図柄変動ゲームは、内部制御において1回の図柄変動ゲームを、恰も複数回(2回)のはずれ通常変動内容(「通常変動(6.1秒)」)による図柄変動ゲームが連続して行われているかのように擬似的に演出表現してなされる。その結果、遊技者は、高確示唆演出(確変期待モードMT)の実行中、はずれ特殊変動内容(「通常変動(擬似2回)」)に基づく図柄変動ゲームにより、見た目上に高確示唆演出(確変期待モードMT)の実行から実際に何回の図柄変動ゲームが実行されたかを認識し難くなる。これにより、図柄の変動開始から図柄の変動停止までの見た目の回数からは、高確示唆演出(確変期待モードMT)の実行中に低確率抽選状態(非確変状態)であることを遊技者に確信させる場面を減らして、高確率抽選状態(確変状態)への期待を持続させることができる。したがって、付与される抽選確率状態(確変状態又は非確変状態)に応じて高確示唆演出(確変期待モードMT)による図柄変動ゲームが実行される回数を異ならせる場合であっても、高確率抽選状態(確変状態)であることに対する遊技者の期待感を十分に持続させることができる。
【0194】
(2)保留表示手段(本実施形態では、確変期待モードMTにおける保留記憶数画像表示領域Rc)を非設置部位(非形成部位)と意匠上の一体性を有するように設置(形成)することで、高確示唆演出(確変期待モードMT)の実行中、始動保留球の記憶値(特別図柄用の保留記憶数)の変化を分かり難くすることで特殊変動系の変動内容(擬似連を伴う図柄変動ゲーム)であることを、遊技者に対して気付き難く(認識させ難く)することができる。その結果、はずれ特殊変動内容(「通常変動(擬似2回)」)による図柄変動ゲームであることを、遊技者に認識させ難くすることで、高確示唆演出(確変期待モードMT)の実行中に低確率抽選状態(非確変状態)であることを遊技者に確信させる場面を減らして、高確率抽選状態(確変状態)への期待を持続させることができる。
【0195】
(3)内部的には、高確示唆演出(確変期待モードMT)での図柄変動ゲームをいつまで継続させるかを把握するために高確示唆演出(確変期待モードMT)が実行されてからの図柄変動ゲームの回数が計数される。一方、遊技者に対しては、内部的に計数される高確示唆演出(確変期待モードMT)が実行されてからの図柄変動ゲームの回数を認識させないよう構成した。その結果、高確示唆演出(確変期待モードMT)での実際に実行された図柄変動ゲームの回数を遊技者に認識させないことで、高確示唆演出(確変期待モードMT)の実行中に低確率抽選状態(非確変状態)であることを遊技者に確信させる場面を減らして、高確率抽選状態(確変状態)への期待を持続させることができる。
【0196】
(4)遊技者に対しては、内部的に計数される高確示唆演出(確変期待モードMT)が実行されてからの図柄変動ゲームの回数を非報知とするようにした。すなわち、高確示唆演出(確変期待モードMT)での実際に実行された図柄変動ゲームの回数を遊技者が認識し得る手段を積極的に設けないように構成した。その結果、高確示唆演出(確変期待モードMT)での実行に実行された図柄変動ゲームの回数を遊技者に非報知とすることで、高確示唆演出(確変期待モードMT)の実行中に低確率抽選状態(非確変状態)であることを遊技者に確信させる場面を減らして、高確率抽選状態(確変状態)への期待を持続させることができる。
【0197】
(5)当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)では、当り種毎(特別図柄に基づく当り遊技の種類毎)に、抽選確率状態(確変状態を付与するか否か)、高確示唆演出(確変期待モードMT)での図柄変動ゲームを実行させる回数(滞在回数)、図柄変動ゲームの変動内容の決定態様(選択する変動パターンの種類やその振分け態様)のそれぞれを定めるようにした。そして、当り種決定手段(主制御基板35(主制御用CPU35a))が当り種(特別図柄)を決定することで、各手段(主制御基板35(主制御用CPU35a)やサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a))が制御する制御内容が特定されることになる。このため、はずれ特殊変動内容(「通常変動(擬似2回)」)による図柄変動ゲームは、高確示唆演出(確変期待モードMT)を実行させている場合に限り出現可能なように構成することができる。したがって、はずれ特殊変動内容(「通常変動(擬似2回)」)によって実際に実行されている図柄変動ゲームの回数を遊技者に把握させても興趣の低下に繋がらないような場面では、はずれ特殊変動内容(「通常変動(擬似2回)」)を出現させない構成を容易に実現できる。その結果、場面毎に予め想定される興趣に合った演出の実現を容易とし、高確示唆演出(確変期待モードMT)の実行中の高確率抽選状態(確変状態)への期待を持続させつつ他の場面における興趣も向上させることで、遊技全体の興趣を相乗的に向上させることができる。
【0198】
(6)また、本実施形態では、確変期待モードMTを非変短状態中に展開される演出モードとし、特別図柄によっては変短状態を付与するか否かの変短状態の付与態様も特定するようにした。このため、主制御基板35(主制御用CPU35a)は、確変期待用の変動パターンを選択する期間と変短状態の付与期間が一致させる必要がなく、演出モードを複雑化することなく違和感のない演出表現を容易に実現することができる。
【0199】
(7)内部的に始動保留球の記憶値(特別図柄用の保留記憶数)によって選択可能な変動内容を異ならせているが、見た目上には、始動保留球の記憶値(特別図柄用の保留記憶数)にかかわらず恰も同じような変動内容(ここでは、見た目上に「通常変動(6.1秒)」となる)の図柄変動ゲームが連続して実行されているかのように演出表現してなされる。そして、始動保留球の記憶値(特別図柄用の保留記憶数)がいくつであってもはずれ特殊変動内容(「通常変動(擬似2回)」)による図柄変動ゲームを実行可能にする場合には、実際のゲームの回数と、見た目上のゲームの回数との差が大きくなってしまう。その結果、遊技者は、見た目上にゲームが多く実行されているのになかなか大当り遊技が付与されないことで、却って退屈感を抱く可能性もある。このため、はずれ特殊変動内容(「通常変動(擬似2回)」)を適用する場合には、適用する場面を考慮する必要がある。そして、始動保留球(図柄変動ゲームの開始時に書き換え後の特別図柄用の保留記憶数)が所定値以上(「2」以上)で、保留されているゲームが上限値に近いような場面においては、図柄変動ゲームを次から次へと実行させることで、実際のゲームを消化することで遊技効率を高めつつ遊技者に与える退屈感を緩和させることができる。一方で、始動保留球(図柄変動ゲームの開始時に書き換え後の特別図柄用の保留記憶数)が所定値未満(「2」未満)で、保留されているゲームが存在しないに近いような場面においては、見た目上にゲームを多く実行させて、その間に始動保留球(特別図柄用の保留記憶数)を貯め易くすることで、遊技効率を高めつつ遊技者に与える退屈感を緩和させることができる。したがって、高確示唆演出(確変期待モードMT)の実行中における興趣を向上させることができる。
【0200】
(8)特殊変動系の変動内容(擬似連を伴う図柄変動ゲーム)には、複数回の変動サイクルが実行されることを遊技者に示唆する示唆あり特殊変動内容(示唆あり擬似連となる変動内容)を含むようにした。このため、はずれ特殊変動内容(「通常変動(擬似2回)」)による図柄変動ゲームでは、特別示唆演出が実行されないことで特殊変動系の変動内容(擬似連を伴う図柄変動ゲーム)であることを、遊技者に対して気付き難くすることができる。その結果、はずれ特殊変動内容(「通常変動(擬似2回)」)による図柄変動ゲームであることを、遊技者に気付き難くすることで、高確示唆演出(確変期待モードMT)の実行中に低確率抽選状態(非確変状態)であることを遊技者に確信させる場面を減らして、高確率抽選状態(確変状態)への期待を持続させることができる。
【0201】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。なお、第2の実施形態は、確変期待用の変動パターンを選択可能な期間(滞在回数)が第1の実施形態と異なっており、その他の点では第1の実施形態と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分については、同一符号を付すことにし、その重複説明を省略する。
【0202】
本実施形態の当り遊技と滞在回数の関係について図12に基づき説明する。
そして、2R確変大当り遊技では、当選時に非変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、リミットなし(ここでは、次回大当り又は小当りまで)を定める確変期待モードMTへの移行を定めている。以下、滞在回数をリミットなしとする確変期待モードMTを確変期待モードMT(リミットなし)と示す場合もある。一方、2R確変大当り遊技では、当選時に変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、高確モードMKへの移行を定めている。
【0203】
また、2R特別確変大当り遊技では、当選時に非変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、滞在回数を40回に定める確変期待モードMT(確変期待モードMT(40))への移行を定めている。一方、2R特別確変大当り遊技では、当選時に変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、低確モードMSへの移行を定めている。
【0204】
本実施形態において主制御基板35(主制御用CPU35a)は、非変短状態での当りの当選であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄B、図柄C、図柄D、又は図柄Eが決定された場合、定められた滞在回数の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、確変期待用の変動パターンを選択する。
【0205】
このように本実施形態では、確変期待モードMTに移行する場合、移行によって確変状態となるときに確変期待モードMT(リミットなし)又は確変期待モードMT(40)に移行する一方で、移行によって非確変状態となるときに確変期待モードMT(20)に移行する。このため、確変期待モードMTにおいては、この間に内部的に実行が指示された図柄変動ゲームの回数が多いと(本実施形態では、20回を超えると)、確変状態であることが確定する。一方、確変期待モードMTにおいては、小当り遊技を経由する場合、確変状態であっても滞在回数が20回となる場合もあるので、この間に内部的に実行が指示された図柄変動ゲームの回数が少なくても(本実施形態では20回であっても)、確変状態又は非確変状態を確定させないで確変状態であるか否かを遊技者に推測させる。なお、本実施形態では、小当り遊技を経由する場合に関し、小当り遊技を契機に確変状態になるわけではないので滞在回数を20回に定めている。
【0206】
また、本実施形態では、確変状態である場合に非確変状態である場合よりも滞在回数として大きい回数(本実施形態では、確変状態でリミットなし又は40回、非確変状態で20回(小当り遊技を経由する場合には20回))を定めて確変期待モードMTを実行させ、このような確変期待モードMTを対象として示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームを出現させるようにした。そして、確変期待モードMTにおいて示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームの出現によっては、確変期待モードMTに移行してから内部的に実行が指示された図柄変動ゲームが何回であるかを、遊技者に認識させ難くなる。
【0207】
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(8)に示す効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。なお、第3の実施形態は、確変期待用の変動パターンを選択可能な期間(滞在回数)が第1の実施形態と異なっており、その他の点では第1の実施形態と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分については、同一符号を付すことにし、その重複説明を省略する。
【0208】
本実施形態の遊技の進行に伴う各種演出モードの移行態様について、図13に基づき第1の実施形態(図4)と異なる点を中心に説明する。
そして、小当り遊技に当選した場合には、小当り遊技の終了後に遊技状態が現状維持され、当選時に選択し得る変動パターンを継続して選択するようになっている。すなわち、小当り遊技に当選した場合には、当選時に通常用の変動パターンを選択し得るとき継続して通常用の変動パターンを選択し得るし、当選時に変短用の変動パターンを選択し得るとき継続して変短用の変動パターンを選択し得るし、当選時に確変期待用の変動パターンを選択し得るとき継続して確変期待用の変動パターンを選択し得る。また、小当り遊技に当選した場合には、当選時に滞在中の演出モードを継続させるようになっている。すなわち、小当り遊技に当選した場合には、通常モードMFの滞在中であれば該通常モードMFを継続させ、高確モードMKの滞在中であれば該高確モードMKを継続させ、低確モードMSであれば該低確モードMSを継続させ、確変期待モードMTの滞在中であれば該確変期待モードMTを継続させる。
【0209】
このため、通常モードMFの滞在中には、2R確変大当り遊技、2R特別確変大当り遊技、又は2R非確変大当り遊技の終了後、確変期待モードMTに移行させる一方、小当り遊技の終了後、通常モードMFを継続させることで、確変状態又は非確変状態を確定させないで確変状態であるか否かを遊技者に推測させる。
【0210】
次に、本実施形態の当り遊技と滞在回数の関係について図14に基づき説明する。
そして、2R確変大当り遊技では、当選時に非変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、リミットなし(ここでは、次回大当り又は小当りまで)を定める確変期待モードMT(確変期待モードMT(リミットなし))への移行を定めている。一方、2R確変大当り遊技では、当選時に変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、高確モードMKへの移行を定めている。
【0211】
また、2R特別確変大当り遊技では、当選時に非変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、滞在回数を40回に定める確変期待モードMT(確変期待モードMT(40))への移行を定めている。一方、2R特別確変大当り遊技では、当選時に変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、低確モードMSへの移行を定めている。
【0212】
また、小当り遊技では、遊技状態にかかわらず、当選時に滞在中の演出モードを継続させる(現状維持させる)ことを定めている。すなわち、小当り遊技では、確変期待モードMTの滞在中であればその時点での滞在回数などが現状維持される。
【0213】
本実施形態において主制御基板35(主制御用CPU35a)は、非変短状態での当りの当選であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄B、図柄C、又は図柄Dが決定された場合、定められた滞在回数の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、確変期待用の変動パターンを選択する。また、主制御基板35(主制御用CPU35a)は、非変短状態での当りの当選であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄Eが決定された場合、その当選時に選択していた変動パターンと同じ種類用(通常用であれば通常用、確変期待用であれば確変期待用)の変動パターンを選択する。そして、主制御基板35(主制御用CPU35a)は、非変短状態での当りの当選であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄Eが決定された場合、その当選時に確変期待用の変動パターンが選択されていたとき、その時点での滞在回数の残り回数分の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、確変期待用の変動パターンを選択する。
【0214】
そして、主制御用CPU35aは、小当り遊技を付与した場合、各種コマンドを出力しないで、抽選確率状態及び変短状態は勿論のこと変動パターンの選択に関する態様も現状維持する。このため、この場合にサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、滞在中の演出モードを継続して展開させることを把握する。
【0215】
このように本実施形態では、確変期待モードMTに移行する場合、移行によって確変状態となるときに確変期待モードMT(リミットなし)又は確変期待モードMT(40)に移行する一方で、移行によって非確変状態となるときに確変期待モードMT(20)に移行する。このため、確変期待モードMTにおいては、この間に内部的に実行が指示された図柄変動ゲームの回数が多いと(本実施形態では、20回を超えると)、確変状態であることが確定する。一方、確変期待モードMTにおいては、小当り遊技を経由する場合、滞在中の演出モードを現状維持させるので、滞在回数がいつから引き継がれた回数であるかを把握させ難くして、確変状態又は非確変状態を確定させないで確変状態であるか否かを遊技者に推測させる。なお、本実施形態では、小当り遊技を経由する場合に関し、小当り遊技を契機に確変状態になるわけではないので現状維持を定めている。
【0216】
また、本実施形態では、確変状態である場合に非確変状態である場合よりも滞在回数として大きい回数(本実施形態では、確変状態でリミットなし又は40回、非確変状態で20回(小当り遊技を経由する場合には現状維持))を定めて確変期待モードMTを実行させ、このような確変期待モードMTを対象として示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームを出現させるようにした。そして、確変期待モードMTにおいて示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームの出現によっては、確変期待モードMTに移行してから内部的に実行が指示された図柄変動ゲームが何回であるかを、遊技者に認識させ難くなる。
【0217】
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(8)に示す効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。なお、第4の実施形態は、演出モードの種類と確変期待用の変動パターンを選択可能な期間(滞在回数)が第1の実施形態と異なっており、その他の点では第1の実施形態と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分については、同一符号を付すことにし、その重複説明を省略する。
【0218】
本実施形態の遊技の進行に伴う各種演出モードと演出モードの移行態様について、図15に基づき第1の実施形態(図4)と異なる点を中心に説明する。
そして、本実施形態では、図15に示すように、演出表示装置22で行われる演出として、大当り抽選の抽選確率状態(遊技状態)が高確率抽選状態(確変状態)であるのか、低確率抽選状態(非確変状態)であるのかを遊技者に示唆(報知)する複数(本実施形態では5つ)の演出モード(高確示唆演出)を実行可能に構成されている。具体的には、高確モードMK、低確モードMS、確変期待モードMT、及び通常モードMFに加えて、非変短状態の付与中(遊技状態)の高確率抽選状態(確変状態)であることに対して期待を持つことができることを遊技者に示唆する確変期待低モードMUが演出表示装置22で実行可能に構成されている。そして、本実施形態では、高確モードMKと、低確モードMSと、確変期待モードMTと、通常モードMFと、確変期待低モードMUのいずれかの演出モードが行われるようになっている。また、本実施形態では、非変短状態の付与中である条件下で、通常モードMF<確変期待低モードMU<確変期待モードMTの順に、確変状態である期待度が高い演出として位置付けられている。
【0219】
そして確変期待低モードMUにおいて演出表示装置22では、図15に示すよう、確変期待低モード用の背景画像GUのもと「確変期待低モード」が画像表示される。なお、確変期待低モードMUにおける演出表示装置22の画像表示部GHでは、図示しないが高確モードMKや低確モードMSや通常モードMTのように保留表示キャラクタの表示画像から、保留記憶数画像表示領域Rcであることを遊技者が認識可能に構成される意匠としている。そして、本実施形態において確変期待低モードMUでは、保留記憶数画像表示領域Rcの保留表示キャラクタの動きとその数から特別図柄用の保留記憶数の変化と数を遊技者に認識させ得るようになっている。
【0220】
次に、本実施形態の遊技の進行に伴う演出モードの移行態様について、図15に基づき説明する。なお、図15では、「2R特別」のうち、確変状態での2R特別確変大当り遊技を「2R特別(高)」と示し、非確変状態での2R特別確変大当り遊技を「2R特別(低)」と示し、確変状態での小当り遊技を「小当り(高)」と示し、非確変状態での小当り遊技を「小当り(低)」と示している。また、図15では、単に「2R特別」や「小当り」と示す場合、抽選確率状態にかかわらない2R確変大当り遊技や小当り遊技を示している。
【0221】
そして、通常モードMFの滞在中には、2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技の終了後、当選時が確変状態であるときの2R特別確変大当り遊技又は小当り遊技の終了後に確変期待モードMTに移行させることで、確変状態又は非確変状態を確定させないで確変状態であるか否かを遊技者に推測させる。また、通常モードMFの滞在中には、当選時が非確変状態であるときの2R特別確変大当り遊技又は小当り遊技の終了後に確変期待低モードMUに移行させることで、確変状態又は非確変状態を確定させないで確変状態であるか否かを遊技者に推測させる。
【0222】
また、確変期待モードMTの滞在中には、2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技の終了後、当選時が確変状態であるときの2R特別確変大当り遊技又は小当り遊技の終了後に確変期待モードMTを継続させることで、確変状態又は非確変状態を確定させないで確変状態であるか否かを遊技者に推測させる。また、確変期待モードMTの滞在中には、当選時が非確変状態であるときの2R特別確変大当り遊技又は小当り遊技の終了後に確変期待低モードMUに移行させることで、確変状態又は非確変状態を確定させないで確変状態であるか否かを遊技者に推測させる。
【0223】
なお、確変期待低モードMUは、各当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)の終了とともに開始(付与)され、各当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームが開始されるまでの間に実行が指示される。
【0224】
また、確変期待低モードMUの滞在中には、2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技の終了後、当選時が確変状態であるときの2R特別確変大当り遊技又は小当り遊技の終了後に確変期待モードMTへ移行させることで、確変状態又は非確変状態を確定させないで確変状態であるか否かを遊技者に推測させる。また、確変期待低モードMUの滞在中には、当選時が非確変状態であるときの2R特別確変大当り遊技又は小当り遊技の終了後に確変期待低モードMUを継続させることで、確変状態又は非確変状態を確定させないで確変状態であるか否かを遊技者に推測させる。
【0225】
また、確変期待低モードMUの滞在中には、該確変期待低モードMUへの移行後、実行された図柄変動ゲームが予め定めた回数(本実施形態では「10回」)に達すると、以後(10回目以後)の図柄変動ゲームの開始毎に、転落契機の到来とするか否かの転落抽選を実行する。なお、転落抽選では、「転落」の抽選結果とする場合に転落契機の到来として確変期待低モードMUから通常モードMFへ移行される。また、転落抽選では、「継続」の抽選結果とする場合に転落契機の非到来として確変期待低モードMUを継続させる。また、転落抽選「転落」の抽選結果が導出される場合には、対象となる図柄変動ゲームの終了を以て確変期待低モードMUを終了させる。転落抽選では、「転落」及び「継続」を決定する確率を所定の確率となるように乱数を振分けて乱数抽選が実行される。
【0226】
本実施形態において転落抽選は、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)が実行するようになっており、確変期待低モードMUから通常モードMFへの移行に関してはサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)が制御する。このため、主制御基板35(主制御用CPU35a)では、確変期待低モードMUから通常モードMFへの移行を把握することができない。したがって、本実施形態において主制御基板35(主制御用CPU35a)は、非変短状態且つ非確変状態での当り(大当り又は小当り)であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄C又は図柄Eが決定された場合には、通常用の変動パターンを選択する期間としている。こうすることで、演出モードが確変期待低モードMUから通常モードMFに移行する場合には、主制御基板(主制御用CPU35a)における変動パターンの決定態様が変化しない。このため、確変期待低モードMUの変動パターンの決定態様で通常モードMFが展開されるような、確変期待低モードMUと通常モードMFで変動パターンの決定態様を異ならせる構成による演出モードと変動パターンの選択の不整合の発生が防止される。なお、本実施形態では、非変短状態且つ非確変状態での当り(大当り又は小当り)であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄C又は図柄Eが決定された場合、通常用の変動パターンを選択する期間に合わせて確変期待低モードMUを展開させることで、通常用の変動パターンが選択される確変期待低モードMUが実現される。
【0227】
次に、本実施形態の当り遊技と滞在回数の関係について図16に基づき説明する。
そして、2R確変大当り遊技では、当選時に非変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、リミットなし(ここでは、次回大当り又は小当りまで)を定める確変期待モードMT(確変期待モードMT(リミットなし))への移行を定めている。一方、2R確変大当り遊技では、当選時に変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、高確モードMKへの移行を定めている。
【0228】
また、2R特別確変大当り遊技では、当選時に非変短状態である且つ確変状態である場合、リミットなしを定める確変期待モードMT(確変期待モードMT(リミットなし))への移行を定めている。また、2R特別確変大当り遊技では、当選時に非変短状態である且つ非確変状態である場合、確変期待低モードMUへの移行を定めている。一方、2R特別確変大当り遊技では、当選時に変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、低確モードMSへの移行を定めている。
【0229】
また、小当り遊技では、当選時に非変短状態である且つ確変状態である場合、リミットなしを定める確変期待モードMT(確変期待モードMT(リミットなし))への移行を定めている。また、小当り遊技では、当選時に非変短状態である且つ非確変状態である場合、確変期待低モードMUへの移行を定めている。一方、小当り遊技では、当選時に変短状態である場合(当選確率にかかわらず)、当選時に滞在中の演出モードを継続させる(現状維持させる)ことを定めている。
【0230】
本実施形態において主制御基板35(主制御用CPU35a)は、非変短状態且つ確変状態での当りの当選であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄B、図柄C、図柄D、又は図柄Eが決定された場合、定められた滞在回数の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、確変期待用の変動パターンを選択する。また、主制御基板35(主制御用CPU35a)は、非変短状態且つ非確変状態での当りの当選であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄B又は図柄Dが決定された場合、定められた滞在回数の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、確変期待用の変動パターンを選択する。
【0231】
そして、主制御用CPU35aは、非変短状態中の2R特別確変大当り遊技を付与した場合、確変状態での当りの当選であれば、確変期待用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる非変短コマンドを出力する。これにより、この場合にサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、確変期待用の変動パターンが選択される期間となることを把握し、確変期待モードMTを展開させることになる。また、主制御用CPU35aは、非変短状態中の2R特別確変大当り遊技を付与した場合、非確変状態での当りの当選であれば、通常用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる非変短コマンドを出力する。これにより、この場合にサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、通常用の変動パターンが選択される期間となることを把握し、確変期待低モードMUを展開させることになる。
【0232】
また、主制御用CPU35aは、非変短状態中の小当り遊技を付与した場合、確変状態での当りの当選であれば、確変期待用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる選択状態コマンドを出力する。これにより、この場合にサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、確変期待用の変動パターンが選択される期間となることを把握し、確変期待モードMTを展開させることになる。また、主制御用CPU35aは、非変短状態中の小当り遊技を付与した場合、非確変状態での当りの当選であれば、通常用の変動パターンを選択する態様とすることを示すことになる選択状態コマンドを出力する。これにより、この場合にサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、通常用の変動パターンが選択される期間となることを把握し、確変期待低モードMUを展開させることになる。
【0233】
このように本実施形態では、確変期待モードMTに移行する場合、移行によって確変状態となる(小当り遊技では確変状態である)ときに確変期待モードMT(リミットなし)に移行する一方で、移行によって非確変状態となるときに確変期待モードMT(20)に移行する。このため、確変期待モードMTにおいては、この間に内部的に実行が指示された図柄変動ゲームの回数が多いと(本実施形態では、20回を超えると)、確変状態であることが確定する。
【0234】
また、本実施形態では、確変状態である場合に非確変状態である場合よりも滞在回数として大きい回数(本実施形態では、確変状態でリミットなし(変短状態及び確変状態での小当り遊技でリミットなし)、非確変状態で20回)を定めて確変期待モードMTを実行させ、このような確変期待モードMTを対象として示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームを出現させるようにした。そして、確変期待モードMTにおいて示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームの出現によっては、確変期待モードMTに移行してから内部的に実行が指示された図柄変動ゲームが何回であるかを、遊技者に認識させ難くなる。
【0235】
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(8)に示す効果を得ることができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。なお、第5の実施形態は、演出モードの種類と確変期待用の変動パターンを選択可能な期間(滞在回数)が第1の実施形態と異なっており、その他の点では第1の実施形態と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分については、同一符号を付すことにし、その重複説明を省略する。
【0236】
そして、本実施形態では、当り遊技と滞在回数の関係について、確変期待モードMTへの移行契機となる当り遊技の当選を契機に滞在回数(40回又は20回)を、当り遊技後が確変状態となる場合に非確変状態となる場合よりも40回の滞在回数を選択し易く乱数を振分けた乱数抽選(滞在回数抽選)によって決定する。すなわち、本実施形態では、確変期待モードMTへの移行契機となる当り遊技毎に予め滞在回数を定めるのではなく、当り遊技の当選に伴ってその都度、滞在回数を滞在回数抽選によって決定する。
【0237】
本実施形態において主制御基板35(主制御用CPU35a)は、非変短状態での当りの当選であって前回の当り遊技の当選時に特別図柄として図柄B、図柄C、図柄D、又は図柄Eが決定された場合、滞在回数抽選によって決定された滞在回数の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、確変期待用の変動パターンを選択する。
【0238】
このように本実施形態では、確変期待モードMTに移行する場合、移行によって確変状態となるときに40回の滞在回数が決定され易く(滞在回数が多くなり易く)なっている。このため、確変期待モードMTにおいては、この間に内部的に実行が指示された図柄変動ゲームの回数が多いと(本実施形態では、20回を超えると)、確変状態である可能性が高まる。一方、確変期待モードMTにおいては、この間に内部的に実行が指示された図柄変動ゲームの回数が少なくても(本実施形態では20回であっても)、確変状態又は非確変状態を確定させないで確変状態であるか否かを遊技者に推測させる。
【0239】
また、本実施形態では、確変状態である場合に非確変状態である場合よりも滞在回数として大きい回数(本実施形態では、40回)を決定し易くして確変期待モードMTを実行させ、このような確変期待モードMTを対象として示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームを出現させるようにした。そして、確変期待モードMTにおいて示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームの出現によっては、確変期待モードMTに移行してから内部的に実行が指示された図柄変動ゲームが何回であるかを、遊技者に認識させ難くなる。
【0240】
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(8)に示す効果を得ることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
【0241】
・各実施形態は、変短状態である場合にも示唆なし擬似連を伴う変動内容(「通常変動(擬似2回)」)を選択可能に構成することもできる。
・各実施形態は、演出表示装置22(画像表示部GH)に保留記憶数画像表示領域Rcを設けないパチンコ遊技機に適用してもよい。また、保留表示手段を表示枠体21上に設けることもできる。この場合にも表示枠体21の保留表示手段の非設置部位と保留表示手段が意匠上の一体性を有することが好ましい。
【0242】
・各実施形態は、確変期待モードMTにおける保留記憶数画像表示領域Rcの構成を変更してもよく、例えば、遊技者が認識し難ければ非形成部位と意匠上の一体性を有していなくてもよい。
【0243】
・各実施形態では、示唆あり擬似連を伴う図柄変動ゲームを設けなくてもよく、例えば、全ての擬似連を伴う図柄変動ゲームでは特殊変動示唆演出を実行させなくてもよい。
・各実施形態では、確変期待モードMTで「通常変動(擬似2回)」を選択可能な特別図柄用の保留記憶数を変更することもでき、例えば、特別図柄用の保留記憶数にかかわらず「通常変動(擬似2回)」を選択可能にしたり、特別図柄用の保留記憶数が「1」の場合にのみ選択可能にしたりできる。また、「通常変動(擬似2回)」を特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合に選択しない場合には、保留が存在しない状態から見た目に複数回の変動が実行されることによる不自然さを解消できる。
【0244】
・各実施形態において、「通常変動(擬似2回)」の演出時間は、同じ場面(本実施形態では、同じ演出モード)で選択可能なはずれ演出用の変動パターンに基づく変動内容をもとに定めればよく、例えば、「通常変動(3秒)」をもとに定めてもよい。
【0245】
・各実施形態は、「通常変動(擬似2回)」として「通常変動(3秒)」の2回分を実行可能な演出時間を定めた変動パターンを追加することもできる。そして、これらが混ざって出現すると、演出表示装置22上の変動が擬似連を伴っているか否かが認識され難くなる。
【0246】
・各実施形態において、示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームの変動サイクル数は、複数回であれば3回以上に変更してもよい。また、例えば、図17に示すように、確変期待用の変動パターンには、変動サイクル数を3回とする擬似連(示唆なし)を伴う「通常変動(擬似3回)」を特定する変動パターンHPt4をさらに設定することもできる。この場合、変動パターンHPt4の変動時間は、「通常変動(6.1秒)」を特定する変動パターンに基づく3回分の演出時間(18.3秒)よりも十分に長い時間となる。そして、変動パターンHPt4に基づく図柄変動ゲームでは、1回目、2回目、及び3回目の変動サイクルで「通常変動(6.1秒)」を連続して実行させる変動内容となっている。また、図17に示すように、確変期待用の変動パターンには、変動サイクル数を4回とする擬似連(示唆なし)を伴う「通常変動(擬似4回)」を特定する変動パターンHPt5をさらに設定することもできる。この場合、変動パターンHPt5の変動時間は、「通常変動(6.1秒)」を特定する変動パターンに基づく4回分の演出時間(24.4秒)よりも十分に長い時間となる。そして、変動パターンHPt5に基づく図柄変動ゲームでは、1回目、2回目、3回目、及び4回目の変動サイクルで「通常変動(6.1秒)」を連続して実行させる変動内容となっている。なお、このような変動パターンHPt4,HPt5に関しては、特別図柄用の保留記憶数が少ない場面(「0(例)」や「1」など)で出現可能にするのが好ましい。また、このような変動パターンHPt4,HPt5に関しては、遊技状態が確変状態である場合よりも非確変状態である場合に変動パターンHPt1,HPt4,HPt5を選択し易くするのが好ましい。
【0247】
・各実施形態では、変動パターンによって変動内容を特定しているが、統括制御用CPU36aや表示制御用CPU37aが主制御用CPU35aの決定した変動パターンに基づいて具体的な表示演出内容を決定して特定する構成を採用することもできる。この場合、変動パターンは大当りとはずれで共通として演出内容を統括制御用CPU36aや表示制御用CPU37aで決定する構成にもできる。
【0248】
・各実施形態では、擬似連を伴う図柄変動ゲームで各変動サイクルで停止表示させる飾り図柄を、変動サイクル毎にランダムに決定してもよい。この場合、統括制御用CPU36aが擬似連を伴う図柄変動ゲームに関して実行している処理の一部又は全部を表示制御用CPU37aに行わせることもできる。
【0249】
・各実施形態において、示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲームの各変動サイクルでは、変動サイクル毎にもとにする変動内容を異ならせることもできる。
・各実施形態は、示唆なし擬似連を伴う変動内容を、大当り抽選ではずれの場合の変動パターン(はずれリーチ演出用の含む)に対応付けされていればよい。
【0250】
・各実施形態において、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの決定に関する各種乱数を、各始動入賞口25,26の入賞時に全て主制御用RAM35cから取得するようにしてもよい。
【0251】
・各実施形態では、「通常変動(擬似2回)」の選択に際し、確変状態であるか否かにかかわらず同じ態様の選択態様とすることもできるし、非確変状態である場合にのみ「通常変動(擬似2回)」を選択させる構成とすることもできる。すなわち、「通常変動(擬似2回)」は、確変状態である場合に非確変状態である場合よりも決定し易くなければよい。
【0252】
・各実施形態では、非変短状態において確変状態であるか否かを遊技者に推測させることができる仕様であればよく、例えば、2R確変大当り遊技及び2R特別確変大当り遊技のいずれかを設けない仕様とすることもできる。また、仕様としては、小当り遊技を設けない仕様とすることもできる。また、大当り遊技のラウンド数や当り遊技を通しての大入賞口29の合計開放回数は、変更することもでき、図柄B、図柄C、図柄D、図柄Eに対応する当り遊技でこれらを見た目上に認識し難ければラウンド数変更してもよい。また、全ての当り遊技でラウンド数や当り遊技を通しての大入賞口29の合計開放回数は、全ての当り遊技で一致させてもよい。
【0253】
・各実施形態では、特別図柄に遊技状態などを対応付けしなくてもよく、特別図柄の決定後、別途、遊技状態などを決定する構成を採用することもできる。
・各実施形態では、演出モードに関する規定をメイン側(主制御基板35(主制御用CPU35a)の特に変動パターンの決定態様)を主体に定めているが、サブ側(サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)や演出表示制御基板37(表示制御用CPU37a)の制御内容)を主体としてもよい。この場合には、主制御基板35(主制御用CPU35a)が決定した変動パターンに対して、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)や演出表示制御基板37(表示制御用CPU37a)が図柄変動ゲームの具体的な演出内容を決定する態様にするのは好ましい。
【0254】
・各実施形態では、確変期待モードMTにおいて内部的な回数(実際に実行が指示された図柄変動ゲームの回数)を遊技者に報知することもできる。また、この場合には、内部的な回数を遊技者に認識させ難い構成が好ましい。
【0255】
・各実施形態では、確変期待モードMTにおいて見た目の回数(見た目上に実行された図柄変動ゲームの回数)を遊技者に示唆することもできる。この場合には、例えば、キャラクタを画像表示させて見た目の回数に合わせてキャラクタが増えていくような態様が考えられる。また、この場合の示唆では、図柄変動ゲーム(見た目)の実行に合わせて何か変化していることを気付かせる程度の示唆でもよい。
【0256】
・各実施形態において、滞在回数は、少なくとも2種類あればよい。例えば、第5の実施形態においては、3種類や4種類の中から抽選によって滞在回数を決定することもできる。
【0257】
・各実施形態では、特別図柄の図柄Bと図柄Cで滞在回数の対応付けを入れ替えることもできる。また、第4の実施形態では、特別図柄の図柄Bと図柄Cで非変短状態における演出モードの移行態様も入れ替えることもできる。
【0258】
・各実施形態では、仕様上、確変期待モードMT(20)においては、見た目上に実行された図柄変動ゲームが40回を超えることはなく、見た目の回数が40回を超えないことで非確変状態であることが確定してしまう。このため、第1〜第3の実施形態では、大きい回数(「40回」)と小さい回数(「20回」)を近づけることで、小さい回数に基づく確変期待モードMTでも見た目の回数が大きい回数を超え得るようにし、非確変状態が確定する場面の出現を抑制できる。また、各実施形態では、示唆なし擬似連での見た目上の図柄変動ゲームの回数を増加させることで、非確変状態が確定する場面の出現を抑制できる。
【0259】
・第3の実施形態では、滞在回数の部分を変短状態を付与する回数に読み替えて、確変期待用の変動パターンを選択する期間と変短状態の付与期間を同期させる構成としてもよい。これは、第1〜第5の実施形態のうち第3の実施形態が小当り遊技を伴っては付与中の変短状態及び滞在中の演出モードを継続させるといった仕様であるので、読み替えすることができる。この場合には、2R大当り遊技に関して遊技状態にかかわらず変短状態を付与する構成とすることもできるし、非変短状態中の2R大当り遊技の当選時にのみ変短状態を付与する構成とすることもできる。そして、このような変短状態中に示唆なし擬似連を伴う図柄変動ゲーム(「通常変動(擬似2回)」)を出現させる場合には、2R大当り遊技又は小当り遊技の当選後、変短状態となるとき、変短状態となってから内部的に実行が指示された図柄変動ゲームが何回であるかを、遊技者に認識させ難くすることができる。この場合には、変短状態であるか否かによる開閉羽根27の動作態様が高確示唆演出となり、演出表示装置22での演出モードを設定しなくてもよい。
【0260】
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追加する。
(イ)前記始動手段へ入球し、検知された遊技球を始動保留球として上限値まで記憶する保留記憶手段を備え、前記変動内容決定手段は、前記高確示唆演出の実行中である条件下で、前記当り抽選ではずれである且つ前記始動保留球の記憶値が所定値以上の場合に前記はずれ通常変動内容を選択可能とし、前記当り抽選ではずれである且つ前記始動保留球の記憶値が所定値未満の場合、前記はずれ特殊変動内容を選択可能に構成され、前記はずれ特殊変動内容は、前記高確示唆演出の実行中である条件下で、前記当り抽選ではずれである且つ前記始動保留球の記憶値が所定値以上の場合に選択可能なはずれ通常変動内容の複数回分を実行可能な変動時間により構成される請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0261】
(ロ)前記特殊変動系の変動内容には、前記はずれ特殊変動内容では非実行とする複数回の変動サイクルが実行されることを遊技者に示唆する特殊変動示唆演出を変動サイクル毎に実行させる示唆あり特殊変動内容を含んでいる請求項2に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0262】
A,B,C,D,E…図柄(特別図柄)、GH…画像表示部、GF…通常モード、GK…高確モード、GS…低確モード、GT…確変期待モード、GU…確変期待低モード、SW1,SW2…始動口スイッチ、SW4…普通図柄変動スイッチ、10…パチンコ遊技機、22…演出表示装置、23…特別図柄表示装置、24…特別図柄保留記憶数表示装置、25…上始動入賞口、26…下始動入賞口、25a,26a…入球口、27…開閉羽根、28…大入賞口扉、29…大入賞口、30…普通図柄作動ゲート、35…主制御基板、35a…主制御用CPU、35b…主制御用ROM、35c…主制御用RAM、36…サブ統括制御基板、36a…統括制御用CPU、36b…統括制御用ROM、36c…統括制御用RAM、37…演出表示制御基板、37a…表示制御用CPU、37b…表示制御用ROM、37c…表示制御用RAM。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームを行う表示手段と、遊技球の入球を検知することにより前記図柄変動ゲームの始動条件を付与する始動手段と、前記始動条件の成立を契機に当りとするか否かを抽選する当り抽選を実行する当り抽選手段と、当り抽選の抽選確率状態からなる遊技状態を高確率抽選状態及び低確率抽選状態の何れかで制御する抽選確率状態制御手段と、を備え、前記当り抽選で当りとなる場合には、当り表示結果が導出された後に当り遊技が行われ、前記当り遊技は該当り遊技中に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成され、前記当り遊技の終了後には前記高確率抽選状態及び低確率抽選状態の何れかが付与される遊技機において、
前記当り抽選の抽選結果をもとに図柄変動ゲームの変動内容を決定する変動内容決定手段と、
前記変動内容決定手段の決定した変動内容にしたがって前記図柄変動ゲームを表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記当り抽選に当選したことを契機に、その当り遊技の終了後、前記抽選確率状態が高確率抽選状態であることに対して期待を持つことができることを遊技者に示唆する高確示唆演出を所定回数の図柄変動ゲームに亘って実行させる演出実行制御手段と、を備え、
前記図柄変動ゲームの変動内容には、図柄の変動開始から図柄の変動停止までを1回とする変動サイクルを含み、前記変動内容が1回の変動サイクルから構成される通常変動系の変動内容と前記変動内容が複数回の変動サイクルから構成される特殊変動系の変動内容とに分類され、
前記通常変動系の変動内容には、前記当り抽選ではずれの場合にのみ選択可能であって、予め定めた変動時間で構成されるはずれ通常変動内容を含み、
前記特殊変動系の変動内容には、前記当り抽選ではずれの場合にのみ選択可能であって、前記はずれ通常変動内容の複数回分を実行可能な変動時間で構成されるはずれ特殊変動内容を含み、
前記演出実行制御手段は、前記高確率抽選状態が付与される場合に前記低確率抽選状態が付与される場合よりも前記所定回数として大きい回数を設定して前記高確示唆演出を実行させるようになっており、
前記変動内容決定手段は、前記高確示唆演出の実行中である条件下で、前記当り抽選ではずれの場合、前記はずれ特殊変動内容を選択可能になっており、
前記表示制御手段は、前記はずれ特殊変動内容に基づく図柄変動ゲームを実行させる場合、前記はずれ特殊変動内容を構成する複数回分の前記はずれ通常変動内容を連続で実行させて1回の図柄変動ゲームとすることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記始動手段へ入球し、検知された遊技球を始動保留球として上限値まで記憶する保留記憶手段と、
複数の演出装置の何れかに設置されているとともに、該演出装置における非設置部位と意匠上の一体性を有するように設置される前記始動保留球の記憶値を表示する保留表示手段とをさらに備えた請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記高確示唆演出の実行中、該高確示唆演出が実行されてからの図柄変動ゲームの実行回数を、1回の図柄変動ゲームが実行される毎に更新して計数する回数計数手段をさらに備え、
前記回数計数手段で計数された実行回数は、遊技者に認識させないように構成された請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記回数計数手段で計数された実行回数は、遊技者に非報知に構成された請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記当り遊技には、該当り遊技の終了後に前記抽選確率状態制御手段が制御する抽選確率状態と、該当り遊技の終了後に前記演出実行制御手段が制御する前記高確示唆演出での図柄変動ゲームを実行させる回数と、該当り遊技の終了後に前記変動内容決定手段が制御する前記図柄変動ゲームの変動内容の決定態様のそれぞれを定めた複数種類の当り種を含み、
前記当り抽選に当選した場合に当り種を決定することで、前記抽選確率状態制御手段と、前記演出実行制御手段と、前記変動内容決定手段の制御内容を特定する当り種決定手段をさらに備えた請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記変動内容決定手段は、前記高確示唆演出の実行中である条件下で、前記低確率抽選状態である場合に前記高確率抽選状態である場合よりも前記はずれ特殊変動内容を選択し易く構成された請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate