遊技機
【課題】第1始動口と第2始動口を備え、これらへの入球が複数保留記憶された際に入賞順に消化する遊技機において、いずれの始動口への入球により発生した大当りであるかに遊技者が興味を抱くことができるようにする。
【解決手段】保留潜伏モードになると、第1特別図柄による保留記憶か第2特別図柄による保留記憶かが識別困難な第2保留図柄により保留数が表示され((b)参照)、遊技者はいずれの特別図柄により発生した大当りであるかに興味を抱くことができる。また、同モードでは、その保留図柄が第1特別図柄によるものか第2特別図柄によるものかを「?」「1?」「1!」にてその可能性を表示するので、第2特別図柄による保留記憶であってほしいなどと遊技者は期待をすることができる。
【解決手段】保留潜伏モードになると、第1特別図柄による保留記憶か第2特別図柄による保留記憶かが識別困難な第2保留図柄により保留数が表示され((b)参照)、遊技者はいずれの特別図柄により発生した大当りであるかに興味を抱くことができる。また、同モードでは、その保留図柄が第1特別図柄によるものか第2特別図柄によるものかを「?」「1?」「1!」にてその可能性を表示するので、第2特別図柄による保留記憶であってほしいなどと遊技者は期待をすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものであり、より詳しくは、遊技領域に2種類の始動口を備え、それぞれに対応する特別図柄の変動を行い、当った際に発生する大当りは、一方の始動入賞に起因して発生したものよりも他方の始動入賞に起因して発生したものの方が、遊技者にとって有利なものとして設定されている遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の遊技機は、遊技領域に2種類の始動口を備えたものがある(例えば特許文献1)。こうした遊技機では、各始動口に遊技球が入賞すると、それぞれ対応する特別図柄が変動し、所定の当り態様で停止すると、大当り遊技(単に大当りともいう)が発生する。こうした多くの遊技機では、一方の始動口(第1始動口)は常に入賞可能に構成され、他方の始動口(第2始動口)は、開閉可能な翼片を備えた普通電動役物として構成され、翼片が開放したときのみ入賞可能に構成されているものが主流である。それぞれの始動入賞にて発生する大当りとして、それぞれ複数の内容(例えばラウンド数や、期待できる出球数が異なる大当り)を持っている機種が多く、第1始動口への入賞により発生した大当りよりも、第2始動口への入賞により発生した大当りの方が、遊技者にとって有利な内容(ラウンド数が多い、期待できる出球数が多い等)のものが選択される確率が高く設定されている。しかも、大当りの終了後には、特別図柄が所定回数変動されるまで開放延長状態(第2始動口の翼片が開放状態となる時間・頻度が高まる状態)となる構成の機種が多く、開放延長状態においては第2始動口への入賞が極めて容易となる。これにより、大当りを得る前においては、遊技者にとって不利な大当りを得やすい状態で遊技が進行するが、ひとたび大当りを得ると、遊技者にとって有利な大当りを得やすい状態となるという、遊技者と遊技店との利益バランスを保ちつつ、メリハリのある遊技性を創出している。
【0003】
ただし、大当りを得た後であっても、第1始動口への入賞が発生し、これに対応する特別図柄の変動の結果、当選すると、遊技者にとって不利な大当りが発生する可能性がある。そこで、第1始動口へ入賞した際に発生される当否判定用の乱数などを記憶したもの(第1保留記憶という)と、また第2始動口へ入賞した際に発生される当否判定用の乱数などを記憶したもの(第2保留記憶という)の双方がある場合は、第2保留記憶に基づく特別図柄の変動を優先的に行い、第2保留記憶がなくなって初めて第1保留記憶に基づく特別図柄の変動を行なう構成(優先消化または優先変動という)とした遊技機が多い(例えば特許文献2)。このように構成すると、第2始動口に入賞させ続け、第2保留記憶が存在する限り、第1始動口に係る特別図柄の変動は行なわれず、従って、遊技者にとって不利な大当りが発生しにくくなるという効果がある。反面、第1保留記憶に基づく特別図柄の変動を行なわせないためには、第2保留記憶がある状態を維持する必要があるので、遊技を中断できなくなるという欠点がある。
【0004】
こうした課題に鑑み、優先変動を廃し、入賞が発生した順に保留記憶を消化するように構成し、保留記憶の表示も、第1始動口、第2始動口のいずれへの入球に起因したものであるかを識別困難となるモードを遊技機も提案されている(例えば特許文献3))。この遊技機では、有利な大当りが発生するか、不利な大当りが発生するかに遊技者の遊技上の興味を抱かせる機種となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−285022号公報
【特許文献2】特開2005−304932号公報
【特許文献3】特開2007−151814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年主流となっているのは前述した優先消化タイプの機種であり、入賞順消化の機種の人気を高めるには、新たな演出や遊技上の興趣を持たせることが必要となる。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、請求項1に記載の本発明は、第1始動口・第2始動口を備え、これらに入賞した順に保留記憶を消化する遊技機を、新たな遊技興趣を備えたものとすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明の請求項1記載の遊技機は、遊技領域に第1始動口および第2始動口を備え、前記第1始動口への入球に起因して発生された乱数値を複数記憶可能な第1保留手段と、前記第2始動口への入球に起因して発生された乱数値を複数記憶可能な第2保留手段と、前記各乱数値に基づいて、変動表示の後に確定表示する特別図柄を設定する特別図柄設定手段と、前記第1保留手段および前記第2保留手段に記憶されている乱数値を発生順に参照し、該各乱数値に基づいて前記特別図柄を前記変動表示させる特別図柄変動手段と、特別図柄変動手段による変動表示の後に確定表示された特別図柄が、予め当りと設定された特別図柄であった場合に大当り遊技を発生させるものであって、前記第1始動口への入球に起因して発生される大当り遊技は、前記第2始動口への入球に起因して発生される大当り遊技と比較して、遊技者にとって有利さが劣る大当り遊技を発生させる大当り遊技発生手段と、前記特別図柄の疑似図柄を表示するための演出図柄表示装置と、前記各保留手段に記憶されている個数を、前記演出図柄表示装置に出力する保留記憶数表示手段とを備えた遊技機において、前記保留記憶数表示手段は、前記各保留手段に記憶されている個数を、前記第1保留手段および前記第2保留手段の何れに記憶されているものかを識別可能に前記演出図柄表示装置に出力するための第1保留図柄と、前記第1保留手段および前記第2保留手段の何れに記憶されているものかを識別不能に前記演出図柄表示装置に出力するための第2保留図柄のいずれかを前記演出図柄表示装置に出力するものであり、前記保留記憶数表示手段が前記演出図柄表示装置に、前記第1保留図柄、前記第2保留図柄のいずれを表示するかを切り換える保留図柄切換手段と、前記始動口入賞に起因して発生された前記乱数値に基づき、該乱数値に対応して前記表示された前記第1保留図柄または前記第2保留図柄を用い、該乱数値の当否を示唆する先読み演出を行なう当否演出手段と、前記保留図柄切換手段によって前記第2保留図柄が前記演出図柄表示装置に表示される際に、該第2保留図柄が前記第1保留手段の記憶に対応するものか、前記第2保留手段の記憶に対応するものかを示唆する始動口示唆手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
ここで第1保留手段および第2保留手段に記憶される乱数値は、特別図柄設定手段が特別図柄を設定するためのものであるが、それ以外の乱数値(例えば開放パターンを決定するための乱数値や特別図柄以外の図柄を決定するための乱数値)を更に記憶しても構わない。なお、「乱数値を複数記憶可能」とは、特別図柄を設定するための乱数値を複数記憶できるという意味であり、特別図柄を設定するための乱数値と、開放パターンを決定するための乱数値とを記憶できること等を、ここでは「乱数値を複数記憶可能」とは呼ばないものとする。
【0009】
また、「前記第2保留図柄が前記演出図柄表示装置に出力される際に・・・示唆する」とは、第2保留図柄が演出図柄表示装置に出力される場合には「始動口示唆手段による前記示唆が必ず行なわれる」という意味ではなく、「始動口示唆手段による前記示唆が行なわれる場合がある」という意味である。もちろん、必ず前記示唆が行なわれるように構成しても構わない。
【0010】
なお、「有利さが劣る」例としては、その大当り遊技で期待できる出球数が少ない、大当り遊技の終了後に開放延長状態となる確率が低い、大当り遊技の終了後に高確率状態となる可能性が低いなどを挙げることができる。また「識別不能」とは、演出図柄表示装置における表示態様に関するものであり、他の表示装置を見ればどちらの保留記憶であるかが識別可能となっていてもよい。
【0011】
ここで、始動口示唆手段による前記示唆が行なわれている場合にも、当否演出手段が前記先読み演出を行なう構成とすると、第2保留図柄が演出図柄表示装置に出力されている際には、始動口示唆手段による前記示唆と、当否演出手段による先読み演出の双方が行なわれる場合があることになる。また、当否演出手段が行なう先読み演出は、第1保留図柄または第2保留図柄を用いたものであるが、どちらを用いるかについては、保留図柄切換手段が選択した方(単に保留図柄ともいう)となる。また、「先読み演出に保留図柄を用いる」とは、その保留図柄自体を用いる(例:通常とは異なる表示態様(色、形、向き、動き等)にする)、その保留図柄の近傍に別の図案(文字、キャラクタ、)を表示する等を挙げることができる。
【0012】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記始動口示唆手段による前記示唆が行なわれている際に前記大当り遊技発生手段が、大当り遊技を発生させると、該大当り遊技中の演出として、該大当り遊技が前記第1始動口への入球に起因したものか、前記第2始動口への入球に起因したものかを示唆する演出を行なう有利度示唆手段を備えたことを特徴とする。
この有利度示唆手段により行われる示唆は、どちらの始動口への入球に起因したものかを遊技者にはっきりと報知するものでもよい。
【0013】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または2に記載の遊技機において、前記第1始動口が、常に入球が可能なものであり、前記第2始動口が、前記第1始動口よりも入球が容易な開状態および前記第1始動口よりも入球が困難な閉状態に変化可能なものであり、前記大当り遊技発生手段によって発生された前記大当り遊技の終了後に、前記特別図柄が予め定められた回数、変動表示されるまで、前記第2始動口が開状態となる期間を延長する開状態発生手段を備え、前記保留図柄切換手段が前記演出図柄表示装置に表示する保留図柄を前記第2保留図柄に切り換えるのは、前記開状態発生手段により前記第2始動口が開状態となる期間を延長された場合であり、前記保留記憶数表示手段が、前記開状態発生手段による前記期間の延長が解除されると、表示する保留図柄を前記第1保留図柄に切り換えることを特徴とする。
ここで「第2始動口が開状態となる期間を延長する」とは、開状態が発生してから終了するまでの期間を延ばすという意味だけでなく、開状態となる回数を増やしたり、開状態となる確率を上昇させたりすることも含まれる。
【0014】
請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機において、前記遊技域に設けられた大入賞口と、該特別図柄変動手段による変動表示の後に確定表示された特別図柄が、前記当りと設定された特別図柄とは異なる小当り図柄であった場合に、前記大入賞口を開放させて小当り遊技を発生させる小当り遊技発生手段と、を備え、前記大当り遊技発生手段は、前記大入賞口の開放パターンが異なる複数種類の大当り遊技の中から抽選によりいずれかの大当り遊技を発生させるものであり、且つ該複数の開放パターンの中には前記小当り遊技の開放パターンと同じものが存在し、前記保留図柄切換手段は、前記小当り遊技発生手段により前記小当り遊技が発生されたこと、および前記大当り遊技発生手段により前記小当り遊技と同じ開放パターンの大当り遊技が発生されたことを契機として前記保留図柄を切り換えるものであることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の本発明は、請求項3に記載の遊技機において、前記遊技域に設けられた大入賞口と、該特別図柄変動手段による変動表示の後に確定表示された特別図柄が、前記当りと設定された特別図柄とは異なる小当り図柄であった場合に、前記大入賞口を開放させて小当り遊技を発生させる小当り遊技発生手段と、を備え、前記大当り遊技発生手段は、前記大入賞口の開放パターンが異なる複数種類の大当り遊技の中から抽選によりいずれかの大当り遊技を発生させるものであり、且つ該複数の開放パターンの中には前記小当り遊技の開放パターンと同じものが存在し、前記開状態発生手段は、前記小当り遊技と開放パターンが同じ大当り遊技である開放パターン共通遊技の終了後に、前記第2始動口が開状態となる期間を延長する場合があるものであり、前記保留図柄切換手段は、前記小当り遊技の後の状態が前記第2始動口が開状態となる期間が延長された状態である場合、および前記開放パターン共通遊技の終了後に前記開状態発生手段が作動する場合に、表示する保留図柄を前記第2保留図柄に切り換えるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の遊技機は、前記入賞順消化であり、第1始動口への入球に係る保留記憶である第1保留手段の記憶と、第2始動口への入球に係る保留記憶である第2保留手段の記憶との、いずれであるかを識別可能に演出図柄表示装置に表示する第1保留図柄と、識別不能に表示する第2保留図柄とを備えている。どちらの図柄を表示するかは保留図柄切換手段が切り換える。そして第2保留図柄が演出図柄表示装置に表示される際には、始動口示唆手段が、その第2保留図柄が第1保留手段の保留記憶に対応するものか、第2保留手段の保留記憶に対応するものかを示唆する。第2始動口への入球に起因して(つまり第2保留手段の保留記憶に基づいて)発生される大当り遊技は、第1始動口への入球に起因して(第1保留手段の保留記憶に基づいて)発生される大当り遊技と比較して、遊技者にとって有利さが優っているため、遊技者は、第2保留図柄の表示および始動口示唆手段による示唆から「どちらの保留手段に基づく大当り遊技が発生するか」という遊技上の興味を抱くことができる。
【0017】
また、当否演出手段が、始動口入賞に起因して発生された乱数値に基づき、該乱数値に対応して表示された第1保留図柄または第2保留図柄を用い、該乱数値の当否を示唆する先読み演出を行なう。このため、第1保留図柄が表示される際に、前記先読み演出が行なわれれば、第1保留記憶か第2保留記憶かという遊技上の関心を抱けない状況においても当否に対する関心を前記演出により遊技者に持たせることができる。また、第2保留図柄が表示される際に、前記先読み演出が行なわれれば、第1保留記憶か第2保留記憶かという遊技上の関心に加え、当否に対する関心も遊技者に抱かせることができる。具体的には「第2保留記憶である可能性が高い」という示唆と「それが当りである可能性が高い」という先読み演出が行なわれれば、遊技者にとって有利さに優る大当り遊技が発生する可能性が高いという期待感を遊技者に持たせることができる。また、「第1保留記憶である可能性が高い」という示唆と「それが当りである可能性は低い」という先読み演出が行なわれれば、有利さで劣る大当り遊技が発生しない可能性が高いという安心感を遊技者に与えることができる。更に、「第1保留記憶である可能性が高い」という示唆と「それが当りである可能性が高い」という先読み演出が行なわれれば、有利さで劣る大当り遊技が発生してしまうかもというスリルを遊技者に味わわせることができる。この場合に発生する大当り遊技は、第2保留図柄が表示されている状況で発生することになるので、「第1保留記憶だと思ったら実は第2保留記憶だった」という意外性も楽しめる可能性がある遊技機となる。
【0018】
請求項2に記載の遊技機では、始動口示唆手段による示唆が行なわれている際に、大当り遊技が発生すると、大当り遊技中の演出として、その大当り遊技が第1始動口への入球に起因したものか、第2始動口への入球に起因したものかを示唆する演出を有利度示唆手段が行なう。こうすると、この演出が行なわれるまで、いずれの始動口への入球に起因したものかという期待感や不安感を持続させることができる。また、前記有利さの違いが、出球数のように分かり易いものでない場合(例えば開放延長状態になる確率の違い)の場合に、いずれの始動口への入球に起因したものかを大当り遊技中に遊技者に告知すれば、遊技者に明確な達成感や無念さを味わわせることができる。
【0019】
請求項3に記載の遊技機では、第1始動口が常に入球可能、第2始動口が、第1始動口よりも入球が容易な開状態および第1始動口よりも入球が困難な閉状態に変化可能に構成されている。そして、開状態発生手段が、大当り遊技の終了後に、特別図柄が予め定められた回数、変動表示されるまで、第2始動口が開状態となる期間を延長する(これは前述の開放延長状態に対応する)。従って、入球は、開放延長状態でない状態では主に第1始動口に対して発生し、開放延長状態では第1始動口・第2始動口の双方に対して発生する(実際には第2始動口の方が多い)。つまり、開放延長状態においては第1保留記憶か第2保留記憶かを第2保留図柄により識別不能にする意味はあるが、非開放延長状態では保留記憶は多くの場合、第1保留記憶なので、第2保留図柄により識別不能にする意味が小さい。そこで、請求項4の保留図柄切換手段は、開放延長状態では、演出図柄表示装置に表示する保留図柄を第2保留図柄に切り換え、非開放延長状態では表示する保留図柄を第1保留図柄に切り換える。これにより、第1保留記憶か第2保留記憶かを識別不能にする第2保留図柄を有意義に活用することができる。なお、開放延長状態になっても、第1保留図柄から第2保留図柄に切り換えない場合があっても構わない。また、非開放延長状態になるのを待たずに第2保留図柄から第1保留図柄に切り換える場合があってもよい。
【0020】
請求項4に記載の遊技機では、小当り遊技が発生する場合があり、且つ小当り遊技における大入賞口の開放パターンと同じ開放パターンを有する大当り遊技(潜伏大当り遊技と呼ぶことにする)が存在する。つまり大入賞口の開放パターンを見る限り、この潜伏大当り遊技と小当り遊技とは区別がつかない。そして保留図柄切換手段は、小当り遊技が発生されたこと、および潜伏大当り遊技が発生されたことを契機として保留図柄を切り換える。つまり、第1保留図柄から第2保留図柄、あるいは第2保留図柄から第1保留図柄への切換が、小当り遊技の発生や潜伏大当り遊技の発生を契機として行われる。このように構成することにより、小当り遊技や潜伏大当り遊技に「保留図柄が切り換わる」という意味を付加することができる。なお、第2保留図柄が第1保留図柄に切り換わるのは、どちらの保留記憶かを知りたい遊技者にとって利点のあることであり、第1保留図柄が第2保留図柄に切り換わるのは、どちらの保留記憶か分からないスリルを味わいたい遊技者にとって利点がある。
【0021】
請求項5に記載の遊技機では、小当り遊技が発生し、更にその小当り遊技の終了後の遊技状態が開放延長状態であること、および潜伏大当り遊技が発生し、その潜伏大当り遊技の終了後に開状態発生手段が作動(つまり開放延長状態となること)を契機として保留図柄を第2保留図柄に切り換える。なお、もともと第2保留図柄が表示される状態である場合には、前記契機となる事象が発生しても第2保留図柄のままとなる。つまり開放延長状態が発生(または継続)する小当り遊技または潜伏大当り遊技を契機として第2保留図柄に切り換えるので、第2保留図柄により、第1保留記憶か第2保留記憶かを識別不能にする意味がある。このように構成すると、請求項5に記載の遊技機と同様、小当り遊技や潜伏大当り遊技に「(第2)保留図柄に切り換わる」という意味を付加するのに加え、請求項3に記載の遊技機と同様、第1保留記憶か第2保留記憶かを識別不能にする第2保留図柄を有意義に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施例のパチンコ機50の正面図
【図2】パチンコ機50の遊技盤1の正面図
【図3】パチンコ機50の背面図
【図4】パチンコ機50の電気構成図
【図5】パチンコ機50の主制御装置80で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート
【図6】主制御装置80が実行する始動入賞確認処理のフローチャート
【図7】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート1
【図8】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート2
【図9】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート3
【図10】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート4
【図11】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート1
【図12】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート2
【図13】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート3
【図14】主制御装置80が実行する小当り遊技処理のフローチャート1
【図15】主制御装置80が実行する小当り遊技処理のフローチャート2
【図16】主制御装置80が実行する大当り設定処理のフローチャート
【図17】主制御装置80が実行する小当り設定処理のフローチャート
【図18】主制御装置80が実行するハズレ設定処理のフローチャート
【図19】主制御装置80が実行する特典内容設定処理のフローチャート
【図20】サブ統合制御装置83が実行する大当り終了時処理のフローチャート
【図21】サブ統合制御装置83が実行する変動開始時処理のフローチャート
【図22】サブ統合制御装置83が実行する演出図柄確定処理のフローチャート
【図23】サブ統合制御装置83が実行する大当り開始処理のフローチャート
【図24】サブ統合制御装置83が実行する保留表示処理のフローチャート
【図25】(a)は第1保留図柄の表示例、(b)は第2保留図柄の表示例を示す説明図
【図26】当り保留報知大当たり演出設定処理を結果を示す説明図
【図27】特別図柄とそれにより発生する大当り遊技の内容と大当り遊技後の遊技状態を示すテーブルであり、(a)は第1特別図柄、(b)は第2特別図柄に関して示したテーブル
【図28】特別図柄と遊技状態とに応じ大当り遊技後に移行するモードを示すテーブルであり、(a)は第1特別図柄、(b)は第2特別図柄に関して示したテーブル
【図29】第2実施例の主制御装置80が実行する始動入賞確認処理のフローチャート
【図30】第2実施例の主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート2
【図31】第2実施例の主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート3の一部
【図32】第2実施例の主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート3の残りの部分
【図33】第2実施例の主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート3
【図34】第2実施例の主制御装置80が実行する特典内容設定処理のフローチャート
【図35】第2実施例の主制御装置80が実行する小当り設定処理のフローチャート
【図36】第2実施例の主制御装置80が実行するハズレ設定処理のフローチャート
【図37】第3実施例の主制御装置80が実行する小当り終了時処理のフローチャート
【図38】第3実施例の特別図柄と遊技状態とに応じ大当り遊技後に移行するモードを示すテーブルであり、(a)は第1特別図柄、(b)は第2特別図柄に関して示したテーブル
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
【0024】
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0025】
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0026】
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、この演出ボタン67は、周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっている。遊技者が所定期間中に、演出ボタン67やジョグダイヤル68を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。なお、演出ボタン67とジョグダイヤル68を総称して演出ユニット67,68ともいう。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0027】
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
【0028】
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが配置され、センターケース5の左方には、ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
【0029】
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
【0030】
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0031】
パチンコ機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0032】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0033】
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0034】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。
【0035】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
【0036】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0037】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0038】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0039】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0040】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0041】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0042】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0043】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
【0044】
メインルーチンを図5に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0045】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0046】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
【0047】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0048】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0049】
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。なお、通常確率状態時で大当りと判定される値の数は10で、値は「775」〜「777」「1775」〜「1777」「2774」〜「2777」であり、高確率状態時に大当りと判定される値の数は100で、値は「758」〜「777」「1314」〜「1333」「1758」〜「1777」「2758」〜「2777」「3314」〜「3333」である。大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0050】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は通常確率状態では31〜40、高確率状態では31〜996である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0051】
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
【0052】
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0053】
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0054】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続く不正監視処理(S60)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0055】
続いて画像出力処理等の各出力処理(S65)が実行される。各出力処理では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0056】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0057】
S50の入賞確認処理は図6に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
【0058】
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させる(S110)。そして続く第1先読み判定送信処理(S115)により、前記大当り決定用乱数を先読みし、その当否判定結果をサブ統合制御装置83に送信する。そしてS120にて保留数をサブ統合制御装置83に教示するための保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信してS125に移行する。既に4個の第1保留記憶があれば(S105:yes)S125へ直行する。
【0059】
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S100:no)もS125に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断(S125:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S130)。
【0060】
第2保留記憶が満杯でなければ(S130:no)、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を1増加させる(S135)。そして続く第2先読み判定送信処理(S135)により、前記大当り決定用乱数を先読みし、その当否判定結果をサブ統合制御装置83に送信する。そしてS145にて保留数をサブ統合制御装置83に教示するための保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して当処理を終了(リターン)する。既に4個の第2保留記憶があれば(S130:yes)、そのまま本処理を終了する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S125:no)も、本処理を終了する。
【0061】
図7〜10に示す当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図8のS250に移行し、保留記憶(上記、S110またはS135による保留記憶)があるか否かを判断する(S250)。
【0062】
この保留記憶があれば(S250:yes)、保留記憶数をデクリメントし(S255)、S270に進む。S270では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S270:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S275)。ここで当り値の数は100で、758〜777、1314〜1333、1758〜1777、2758〜2777、3314〜3333である。つまり当り確率は1/39.67となる。否定判断であれば(S270:no)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S280)。ここで当り値の数は10で、775〜777、1775〜1777、2774〜2777である。つまり当り確率は1/396.7となる。
【0063】
S275またはS280の判定に基づき、大当りか否かを判定し(S285)、肯定判定であれば(S285:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S290)。大当り図柄を図27に示す。図27(a)が第1特別図柄とそれが表示されたことにより発生する大当り遊技の遊技態様、表示されたことに起因して作動される機能を示すテーブルであり、図27(b)は第2特別図柄について同様の遊技態様および作動される機能を示すテーブルである。なお、これら各テーブルでは比較のために小当り図柄も示した。
【0064】
まず第1特別図柄について説明すると、図27(a)に示すように、大当り図柄は各4種類あり、特別図柄1_図柄1(以下、単に図柄1とも記す。なお、図中の「特図」とは特別図柄のことである)、図柄3が、大当り終了後に大当り確率が上昇する確率変動機能が作動する確変図柄であり、図柄2、図柄4が大当り終了後に確率変動機能が作動しない通常図柄となっている。また、図柄3、図柄4は、1ラウンドあたり0.6秒間の大入賞口14の開放を、8回繰り返す大当り遊技を発生させる図柄で、これは小当りの場合の開放パターンと同一にされている。一方、図柄1,2の開放パターンは、最初の4ラウンドは最長28秒、大入賞口14が開放し、続く4ラウンドは最長0.6秒、大入賞口14が開放するという開放パターンとなっている。これらの開放パターンは、高確率時に大当り図柄が表示された場合と、通常確率時に大当り図柄が表示された場合とで共通にされている。また、大当り遊技後の時間短縮機能(時短機能または単に時短ともいう)の作動・未作動に関しては、図柄1については、図柄1が表示された際の遊技状態に関わらず大当り遊技の終了後に時短機能が作動する。また図柄2については、図柄2が表示された際の遊技状態に関わらず、特別図柄(特別図柄1,2を問わない)が更に100回変動表示されるまで時短が大当り遊技後に作動する。図柄3については、時短が未作動時に図柄3が表示された場合には時短機能は作動せず、時短が作動時に図柄3が表示された場合には時短機能が作動する(高確率か否かは問わない)。図柄4については、時短が未作動時に図柄4が表示された場合には時短機能は作動せず、時短が作動時に図柄4が表示された場合には、特別図柄(特別図柄1,2を問わない)が更に100回変動表示されるまで時短機能が作動する(高確率か否かは問わない)。
【0065】
第2特別図柄について説明すると、図27(b)に示すように、大当り図柄は第1特別図柄と同様、4種類あり、特別図柄2_図柄1(以下、単に図柄1とも記す)、図柄3が、大当り終了後に大当り確率が上昇する確率変動機能が作動する確変図柄であり、図柄2、図柄4が大当り終了後に確率変動機能が作動しない通常図柄となっている。また、図柄3、図柄4は、通常確率時において表示された場合には第1特別図柄と同様、1ラウンドあたり0.6秒間の大入賞口14の開放を、8回繰り返す大当り遊技を発生させるが、高確率時において表示された場合には最初の4ラウンドは最長28秒、大入賞口14が開放し、続く4ラウンドは最長0.6秒、大入賞口14が開放する。一方、図柄1,2の開放パターンは、1ラウンドあたり最長28秒、大入賞口14が8回開放するという開放パターンとなっている。つまり第2特別図柄にて生起された大当り遊技は、第1特別図柄にて生起された大当り遊技に比べ、多くの出球が期待できる内容となっている。また、時間短縮機能(時短機能または単に時短ともいう)の作動・未作動に関しては、第1特別図柄とほぼ同様であるが、高確率時かつ時短機能未作動時であっても、図柄3で当った場合には時短機能が作動し、図柄3で当った場合には特別図柄(特別図柄1,2を問わない)が更に100回変動表示されるまで時短が大当り遊技後に作動する点が異なる。
【0066】
図8に戻る。こうして大当り図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S295)、大当り設定処理を行う(S300)。大当り設定処理の概要を図16に示す。当処理が起動されると大当り遊技のオープニング時間(S850)およびエンディング時間(S855)を設定する。続くS860では大当り遊技の態様を設定する。ここで、大当り遊技の態様とは、大当り遊技を構成するラウンド数や開放時間などを指す。続くS865にて、確変や時短などの大当り後に付与する特典内容を設定し、設定内容を主制御装置80の備えるRAMに記憶して(S870)、大当り設定処理を終了(リターン)する。
【0067】
図8に戻る。S285において外れと判定された場合は、小当りか否かを判定する(S305)。ここで大当り決定用乱数が、301〜361のときに小当りとする。つまり小当り確率は約1/65である。肯定判断であれば、小当り図柄を決定する(S310)。小当り図柄の決定は、第1始動口11または第2始動口12に入球したときに取得される小当り図柄決定用乱数によって行なわれる。この乱数は0〜9の値をとる。続いて変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S315)、小当り設定処理(S320)を行なう。小当り設定処理の概要を図17に示す。当処理が起動されると小当り遊技のオープニング時間(S900)およびエンディング時間(S905)を設定し、更に小当り遊技の態様を設定する(S910)。ここで、小当り遊技の態様とは、大入賞口14の開放時間などを指す。続くS915にて、設定内容を主制御装置80の備えるRAMに記憶し、S920で確変フラグが1か否かを判定する。肯定判断なら確変回数を1減らして(S925)、S930に移行する。否定判断なら(S920:no)S930に直行する。S930では時短フラグが1か否かを判定する。肯定判断(S930:yes)なら時短回数を1減らして(S935)、小当り設定処理を終了(リターン)する。否定判断なら(S930:no)そのまま小当り設定処理を終了する。
【0068】
図8に戻る。小当りも外れのときは(S305:no)、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定(S325)し、ハズレ設定処理を行なう(S330)。ハズレ設定処理の概要を図18に示す。当処理が起動されると、まずS950で確変フラグが1か否かを判定する。肯定判断なら確変回数を1減らして(S955)、S960に移行する。否定判断なら(S950:no)S960に直行する。S960では時短フラグが1か否かを判定する。肯定判断(S960:yes)なら確変回数を1減らして(S965)、ハズレ設定処理を終了(リターン)する。否定判断なら(S960:no)そのままハズレ設定処理を終了する。
【0069】
S300、S320、又はS330に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、小当り、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S335)、更に保留数指示コマンド送信処理(S340)を行なった後、特別遊技処理を行なう。なお、S335の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
【0070】
図7のS205において特別図柄が変動中(S205:yes)と判定された場合には、図9のS350に移行し、図柄変動時間(S295、S315,又はS325の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。否定判断(S350:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示処理(S355)を行なってから特別遊技処理を行う。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
【0071】
図7のS210において確定図柄を表示中と判定された場合には、図10のS400に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S400:no)は特別遊技処理を行う。肯定判定(S400:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S405)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S410)。肯定判断された場合(S410:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S415)。確変フラグが1であれば(S415:yes)、S420にて確変フラグを0にし、S425に移行する。確変フラグが1でなければ(S415:no)、そのままS425に移行する。S425では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S425:yes)、S430にて時短フラグを0にし、S435に移行する。時短フラグが1でなければ(S425:no)、そのままS435に移行する。
【0072】
S435では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS440にて役物連続作動装置を作動させ、S445にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
【0073】
S410で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S450にて確変フラグが1か否かを判定し、1であれば(S450:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S455)。確変回数が0であれば(S455:yes)、S460にて確変フラグを0にしてS465に進む。確変フラグが1でないとき(S450:no)又は確変回数が0ではないとき(S455:no)はそのままS465に移行する。S465では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S465:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S470)。時短回数が0であれば(S470:yes)、S475にて時短フラグを0にしてS480に進む。時短フラグが1でないとき(S465:no)又は時短回数が0ではないとき(S470:no)はそのままS480に移行する。
【0074】
S480では、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。なお、大当り時もこのタイミングで状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。続くS485では、確定表示させた特別図柄が小当りになる図柄か否かを判定する。小当りになる図柄であれば(S485:yes)、特別電動役物開始処理(S490)を行い、S495にて小当り開始演出処理を行なう。小当り開始演出処理では、小当り遊技を開始するコマンド及び小当り遊技に係る情報(小当りのオープニング時間、小当りのエンディング時間等)をサブ統合制御装置83に送信する。小当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を実行する。S485で、小当りになる図柄でないと判定された場合は(S485:no)、そのまま特別遊技処理を実行する。
【0075】
図11に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S505)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、大入賞口開放処理(S525)を行なって本処理を終了(リターン)する。
【0076】
S505で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図12のS550に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に10個入賞した場合(S550:yes)にはS560に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして大当りインターバル処理(S565)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞していない場合(S550:no)にはS555に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は28秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S555:yes)には、S560に合流し、終了していない場合(S555:no)は特別遊技処理を終了する。
【0077】
図11のS510でインターバル中であると判定された場合は、図12のS570に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S570:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S575)。最終ラウンドであれば(S575:yes)、大当り終了演出処理(S580)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S575:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S585)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S570:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
【0078】
図11のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図13のS600に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S600:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S605)、条件装置の作動を停止する(S610)。そして、確変設定フラグが1か否かを判定する(S615)。確変設定フラグが1の場合は大当り終了後に高確率状態(確変)に移行する。肯定判断の場合(S615:yes)は、確変回数を設定し(S620)、確変フラグを1に設定し(S625)、S630に移行する。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。確変に移行しない場合(S615:no)はそのままS630に移行する。
【0079】
S630では、時短設定フラグが1か否かを判定する。時短設定フラグが1の場合、大当り終了後に時短に移行する。肯定判断の場合(S630:yes)は、時短回数を設定し(S635)、時短フラグを1に設定し(S640)、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S645)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S650)を行なって特別遊技処理を終了する。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放延長機能をセットし、時短回数カウンタの値をセットする。時短に移行しない場合(S630:no)はS645に直行する。以上が特別遊技処理である。
【0080】
図11で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:no)には、図14に示す小当り遊技処理を実行する。本処理が起動すると、S700にて特別電動役物が作動中であるか判断し、作動中であれば(S700:yes)、大入賞口14が開放中か判断する(S705)。否定判断の場合(S705:no)は、小当り遊技間のインターバル中であるか判断する(S710)。小当り遊技間のインターバルではなく(S710:no)、小当り遊技の終了演出中でもない場合は(S715:no)、小当り遊技の開始演出に要する時間が経過するのを待ち(S720:yes)、大入賞口14を開放させ(S725)、本処理を終了する。なお、特別電動役物が作動していないか(S700:no)、または小当り開始演出に要する時間が経過していないと判定された場合(S720:no)には、そのまま本処理を終了する。
【0081】
図14のS705で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図15のS750に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。大入賞口14に10個入賞していないと判定された場合(S750:no)はS755に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、小当りの場合は各開放の最長時間は0.6秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S755:yes)には、S760にて大入賞口閉鎖処理を行う。そして小当りインターバル処理(S765)を行なって、小当り遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞した場合(S750:yes)にはS760に直行し、また大入賞口14の開放時間が終了していない場合(S755:no)は小当り遊技処理を終了する。
【0082】
図14のS710で小当りインターバル中であると判定された場合は、図15のS770に進み、小当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。小当りインターバル時間が経過している場合(S770:yes)にはS775にて大入賞口14が規定回数(ここでは8回)開放済みか又は10個入賞済みか否かを判定する。肯定判定の場合(S775:yes)は、小当り終了演出処理(S780)を行なって小当り遊技処理を終了する。否定判定の場合(S775:no)は、大入賞口開放処理(S785)により大入賞口14を0.6秒間、1回開放し、小当り遊技処理を終了する。つまり小当りでは、大入賞口14が基本的に0.6秒、8回開放されるが、1回の開放で10個以上の入賞があった場合は1回の開放のみで小当りが終了する。なお、実際には1回の開放で10個以上の入賞が発生することは殆どない。
【0083】
図14のS715で小当り終了演出中であると判定された場合は、図15のS790に進み、小当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。小当り終了演出時間が経過したと判定された場合(S790:yes)は、S795にて特別電動役物の作動を停止させ、小当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S800)して小当り遊技処理を終了する。小当り終了演出時間が経過していないと判定された場合(S790:no)は、そのまま小当り遊技処理を終了する。
【0084】
S865の特典内容設定処理の概要を図19に示す。当処理が起動されると大当り図柄を参照し(S1000)、続いて現在の遊技状態を参照する(S1005)。そして参照した大当り図柄に基づいて、確変を付与するか否かを判定し(S1010)、肯定判定なら確変設定フラグを1にする(S1015)。そしてS1020にて、参照した大当り図柄および遊技状態に基づき時短を付与するか否かを判定する(図27も参照)。肯定判断なら(S1020:yes)、時短設定フラグを1にし(S1025)、時短回数を10000に設定し(S1030)、当処理を終了(リターン)する。時短回数を10000に設定するのは、実質的に次回の大当りまで開放延長状態を維持することを意味している。時短を付与しない場合は(S1020:no)、そのまま当処理を終了する。S1010で確変を付与しないと判定された場合には、確変設定フラグを0にし(S1035)、参照した大当り図柄および遊技状態に基づいて、時短を付与するか否かを判定する。肯定判断なら(S1040:yes)、時短設定フラグを1にし(S1045)、時短回数を100に設定し(S1050)、当処理を終了する。時短を付与しない場合は(S1040:no)、そのまま当処理を終了する。このように特典内容設定処理では、大当り図柄および遊技状態に応じ、確変設定フラグおよび時短設定フラグの値を0か1かに決定することにより、大当り遊技の終了後の遊技状態を設定する。
【0085】
サブ統合制御装置83にて実行される大当り終了時処理の概要を図20に示す。当処理は主制御装置80から大当り終了コマンドを受信すると起動する。大当り終了コマンドは、特別遊技処理のS650にて送信されるものである(図13参照)。当処理が起動すると(S1100:yes)、大当り演出終了処理(S1105)を行い、モード設定表示処理(S1110)を行い、設定モードが保留潜伏モードに移行するか否かを判定する(S1115)。ここでモードの移行先について図28を用いて説明する。まず図28(a)に示すように、第1特別図柄として図柄1が表示された際には、大当り遊技の直前の遊技状態(単に遊技状態とも言う)の如何に関わらず大当り遊技の終了後は確変モードとなり、確変機能が作動し、時短機能が作動する。また図柄2が表示された際には、遊技状態の如何に関わらず大当り遊技の終了後は保留潜伏モード(後述)となる。図柄3で当った場合は、高確率か否かに関わらず、時短未作動の状態で発生した大当り遊技の終了後には時短未作動となり、小当りと区別が困難な潜伏モードとなる。また時短作動の状態(高確率か否かは問わない)で発生した大当り遊技の終了後には次回大当りまで継続する時短が作動する確変モードとなる。図柄4で当った場合は、時短未作動の状態(高確率か否かは問わない)で発生した大当り遊技の終了後には図柄3と同様、時短未作動となり、潜伏モードとなる。また時短作動の状態(高確率か否かは問わない)で発生した大当り遊技の終了後には保留潜伏モードとなる。
【0086】
第2特別図柄による当りを契機とするモード移行は、図28(b)のようになっており、第1特別図柄によるものと似ているが、高確率かつ時短が作動している状態で図柄4で大当りとなった場合に、潜伏モードではなく保留潜伏モードに移行する点のみが異なる。
【0087】
図20に戻る。S1115で設定モードが保留潜伏モードではないと判定された場合は、第1保留図柄の表示をする設定にし(S1135)、当処理を終了する。S1135の設定を行なうと、特別図柄(特図ともいう)の変動時には図25(a)のような画像が演出図柄表示装置6に表示される。この画像は、特別図柄の疑似図柄(本図では「246」)が画面6aの略中央に表示され、画面6aの下部に保留図柄が表示される。保留図画は1個の丸が1個の保留記憶に対応しており、「○」は第1特別図柄の保留、「●」は第2特別図柄の保留を表す。そして「○」の中に「☆」が表示されているものは、第1特別図柄の先読み演出を行なう図柄であり、「●」の中に「☆」が表示されているものは、第2特別図柄の先読み演出用の図柄である。つまり図25(a)では、第1特別図柄の保留が3個、第2特別図柄の保留が3個存在することを示しており、これらが左から古い順に第1特図、第2特図、第2特図、第1特図、第1特図、第1特図、第2特図と保留されており、最も新しい第1特図、第2特図には共に先読み演出として保留予告が為されている。なお、第1保留図柄とは、これらのように第1特別図柄の保留か第2特別図柄の保留かを識別可能に表示される保留図柄を言う。
【0088】
図20に戻る。S1115が肯定判断された場合は、保留潜伏フラグを1にし(S1120)、第2保留図柄の表示をする設定にする(S1125)。S1125の設定を行なうと、特別図柄の変動時には図25(b)のような画像が演出図柄表示装置6に表示される。この画像が、図25(a)に示した画像と異なるのは、画面6aの下部に表示された保留図柄である。この保留図柄は第1特別図柄の保留か第2特別図柄の保留かの区別は無く、○の中に表示された「?」「1?」「1!」がその保留が第1特別図柄である可能性の高さを表している。具体的には「1!」が第1特別図柄である可能性が高く、「1?」が第1特別図柄である可能性が低く、「?」は両者の中間の可能性となっている。つまり図25(b)の表示態様では、第1特別図柄か第2特別図柄かは不明だが、特別図柄の保留が合計6個存在していることを示している。また上部にキャラクタ(熊の達吉)が表示されている保留図柄は、当りの可能性(信頼度という)が高いことを示しており、先読み演出の一である。図20に戻る。こうして第2保留図柄を表示する設定にすると(S1125)、保留潜伏カウンタを50にし(S1130)、当処理を終了(リターン)する。
【0089】
サブ統合制御装置83にて実行される変動開始時処理の概要を図21に示す。当処理は主制御装置80から特別図柄変動開始コマンドを受信すると起動する。特別図柄変動開始コマンドは、当否判定処理のS335にて送信されるものである(図8参照)。当処理が起動すると(S1150:yes)、保留潜伏フラグが1か否かを判定する(S1155)。肯定判断なら(S1155:yes)、保留潜伏カウンタを1減らし(S1160)、S1165にて図柄演出開始処理を行い、当処理を終了(リターン)する。保留潜伏フラグが1ではないと判定された場合(S1155:no)は、S1165に直行し、第図柄演出開始処理を行なって当処理を終了する。
【0090】
サブ統合制御装置83にて実行される演出図柄確定処理の概要を図22に示す。当処理は主制御装置80から図柄確定コマンドを受信すると起動する。図柄確定コマンドは、当否判定処理のS355にて送信されるものである(図9参照)。当処理が起動すると(S1200:yes)、演出図柄確定表示処理(S1205)を行い、保留潜伏フラグが1か否かを判定する(S1210)。肯定判断なら(S1210:yes)、保留潜伏カウンタが0か否かを判定し(S1215)、肯定判断なら(S1215:yes)、保留潜伏フラグを0にし(S1220)、第1保留図柄の表示をする設定に切り替え(S1225)、当処理を終了(リターン)する。つまり、保留潜伏カウンタが0になると(S1215:yes)、第1保留図柄に切り換えて、図25(a)に示した画像となる。保留潜伏カウンタの初期値は50(S1130)であり、保留潜伏フラグが1である場合、サブ統合制御装置83が主制御装置80から特別図柄変動開始コマンドを受信する都度、デクリメント(S1160)されるから、第2保留図柄を表示するモード(図25(b)のような画像を表示するモード)は特別図柄が50回変動されると終了することになる。S1210にて保留潜伏フラグが1ではないと判定された場合、またはS1215にて、保留潜伏カウンタが0ではないと判断された場合は、そのまま当処理を終了する。
【0091】
サブ統合制御装置83にて実行される大当り開始処理の概要を図23に示す。当処理は主制御装置80から大当り開始演出コマンドを受信すると起動する。大当り開始演出コマンドは、当否判定処理のS445にて送信されるものである(図10参照)。当処理が起動すると(S1250:yes)、保留潜伏フラグが1か否かを判定する(S1255)。肯定判断なら(S1255:yes)、保留潜伏フラグを0にし(S1260)、大当りした保留は潜伏保留か(すなわち第2保留図柄として表示されていた保留記憶が当ったものか)否かを判定する(S1265)。肯定判断なら(S1265:yes)、更にS1270にて特別図柄1の図柄3、図柄4のいずれの当りでもないか否かを判定し、肯定判断なら(S1270:yes)、当り保留報知大当り演出設定処理(S1275)を行なって当処理を終了(リターン)する。当り保留報知大当り演出設定処理が実行されると、演出図柄表示装置6には図26に示したような画像が出力される。すなわち、大当り遊技が開始されると、その第1ラウンドで図26(a)のような、第1特別図柄の保留により発生した大当りか、第2特別図柄の保留により発生した大当りかを、遊技者に考えさせる画像が出力される。当り保留報知大当り演出設定処理は保留潜伏フラグが1の場合に実行される(S1255:yes)ものであるから、この大当り遊技が発生する直前まで、遊技者は図25(a)のような画面ではなく、図25(b)に示したような画面を見ていたことになる。すなわち、発生した大当り遊技が、第1特別図柄の保留記憶によるものか、第2特別図柄の保留記憶によるものかが、遊技者にとって分かりにくい状況で発生したことになる。
【0092】
その大当り遊技が第1特別図柄の保留記憶によって発生したものであれば、第2ラウンドに移行した際に図26(b)のような画像が表示される。これは、その大当り遊技が第1特別図柄の保留記憶によるものであることを告知する画像である。第1特別図柄の図柄1、図柄2による大当り遊技は、前述のように28秒開放されるラウンドが4ラウンドまでしかないので、キャラクタが「特図1の保留でした。」と残念そうな表情でいう。その大当り遊技が第2特別図柄の保留記憶によって発生したものであれば、第2ラウンドに移行した際に図26(c)のような画像が表示される。これは、その大当り遊技が第2特別図柄の保留記憶によるものであることを告知する画像であり、第2特別図柄の図柄1、図柄2による大当り遊技は、28秒開放されるラウンドが8ラウンドまで続くので、キャラクタが「特図2の保留でした!!チャンス!」と笑顔でいう。なお、図26に示すように大当り中の演出図柄表示装置6には、第1保留図柄も第2保留図柄も表示されない。
【0093】
図23に戻る。S1255にて保留潜伏フラグが1ではないと判定された場合、S1265にて大当りした保留は潜伏保留ではないと判定された場合、またはS1270にて特別図柄1の図柄3または図柄4による当りであると判断された場合は、S1280に移行して各種大当り演出設定処理を実行してから当処理を終了する。
【0094】
サブ統合制御装置83にて実行される保留表示処理の概要を図24に示す。当処理は主制御装置80から保留数指示コマンドを受信すると起動する。保留数指示コマンドは、始動入賞確認処理のS120,S145、及び当否判定処理のS340にて送信されるものである(図8参照)。当処理が起動すると(S1300:yes)、保留潜伏フラグが1か否かを判定する(S1305)。肯定判断なら(S1305:yes)、第2保留図柄の更新を行なって(S1310)、S1320に移行する。否定判断なら(S1305:no)、第1保留図柄の更新を行なって(S1315)、S1320に移行する。S1320では先読み判定コマンドを受信したか否かを判定し、受信していれば(S1320:yes)、先読み演出決定処理(S1325)を実行して当処理を終了する。図25(a)に示した☆付きの保留図柄や図25(b)に示したキャラクタは、S1325の処理により表示されるものである。先読み判定コマンドを受信していなければ(S1320:no)そのまま当処理を終了する。
【0095】
なお、本実施例では先読み判定コマンドと保留数指示コマンドを別体の構成で説明したが、コマンドとして一体のものでも構わない。その場合は、入賞の度に保留数の指定と先読み判定内容が送信されるようになる。また、先読み演出を行うと決定した際に、第2保留図柄の場合はキャラクタを示す例示を行ったが、先読み演出を行なうと決定したときだけ「?」「1?」「1!」といった可能性を表示する構成でも良い。この場合、先読み演出を行うと決定した場合、第1保留図柄では当否の可能性を示し、第2保留図柄の場合は第1特別図柄の保留か第2特別図柄の保留かの可能性を示すことになる。このようにすることで、第2保留図柄が表示されている期間では、基本的に第1特別図柄の保留か第2特別図柄の保留か分からないまま大当りを迎えることになるのだが、先読み演出を行うと決定した保留だけ可能性を示唆することにより、例えば第2保留図柄の可能性が高い保留(例:「2!」)でリーチが発生すると遊技者の期待度が著しく向上させることができる。
【0096】
また、第1保留記憶か第2保留記憶か、当りかハズレかの可能性を両方示す1つの先読み図柄を表示する構成でもよい。また、第1保留記憶か第2保留記憶かを示す方法として、演出ボタン67、ジョグダイヤル68を用いても良い。例えば、操作の上限回数を設けておき、これはと思った保留図柄に対して演出ボタン67、ジョグダイヤル68を操作することによりいずれの保留記憶であるかの可能性が表示される。先読みの図柄と合わせて搭載すれば、当選の可能性が示唆された保留に対して第1保留記憶か第2保留記憶かの可能性を確認することができ、推測の楽しみを与えることができる。
【0097】
以上のように構成されたパチンコ機50によれば、保留潜伏モードになると、第1特別図柄による保留記憶か第2特別図柄による保留記憶かが識別困難な第2保留図柄により保留数が表示され、これらの間には発生する大当り遊技により得られる遊技球数に差があるので、遊技者はいずれの特別図柄により発生した大当りであるかに興味を抱くことができる。また、保留潜伏モードでは、その保留図柄が第1特別図柄によるものか第2特別図柄によるものかを「?」「1?」「1!」にてその可能性を表示するので、例えば「1!」という、第1特別図柄による保留記憶である可能性が高い第2保留図柄で当ったにも拘らず第2特別図柄であったとか、「1?」が連続して表示されているから第2特別図柄で当る可能性が高いなどと遊技者は期待をすることができる。更に保留潜伏モードで大当りが発生すると、その当りが第1特別図柄の保留によるものか第2特別図柄の保留によるものかを大当り中に遊技者に報知するので、この報知が行なわれるまで、いずれの始動口への入球に起因したものかという期待感や不安感を持続させることができる。また、大当り中は第1保留図柄・第2保留図柄とも演出図柄表示装置6に表示されない(図26参照)ので、大当り前に第1保留図柄が表示されていたとしても、第1保留記憶、第2保留記憶の内のどちらが何個、どんな順番で記憶されていたかを遊技者が大当り中に忘れる可能性が高い。従って大当り遊技の終了後に第2保留図柄に切り換わると、遊技者は第1保留記憶、第2保留記憶のどちらかが分かりにくいという第2保留図柄による遊技興趣を楽しむことができる。
【0098】
なお、本実施例では保留潜伏モードを主制御装置80で決定する構成を示したが、サブ統合制御装置83が変動開始時処理(図21)の一環として行なっても良い。
【0099】
近年の遊技機は、遊技状態は変更しないが、演出上異なるイメージのものを複数用意しておき、抽選や変動回数に応じて表示内容を切り替えることを行なっている。こうすることにより、演出内容を見飽きた状態を防ぐとともに、大量の演出を1つの遊技機で見せることが可能になるのだが、その一環として、サブ統合制御装置83が判断して第2保留図柄が表示される演出(モードともいう)を選択する。
【0100】
先読み演出についても、同じ遊技状態でも先読み演出を行わないモードと行うモードを備えることにより、各モードの機能性の差別化を図ることも考えられ、その場合、先読み演出が行われるモードを複数備え、第1保留図柄で行われるモードと第2保留図柄で行われるモードを備えることが考えられる。このように限られたモード時のみ先読み演出が行われたり、保留図柄が潜伏表示されたりするので、多様な遊技性を遊技者に提供することができる。また、サブ統合制御装置83が判断してモードを切り替えるため、大当りを介する必要がなく(遊技状態の変更を要さない)、任意の出現率でモードを選択させることが可能となる。
【0101】
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。S110の処理が本発明の「第1保留手段」に相当し、S135の処理が本発明の「第2保留手段」に相当し、S290およびS310の処理が本発明の「特別図柄設定手段」に相当し、S335の処理が本発明の「特別図柄変動手段」に相当し、特別遊技処理が本発明の「大当り遊技発生手段」に相当し、S1310およびS1315が本発明の「保留記憶数表示手段」に相当し、S1210,S1255の処理が本発明の「保留図柄切換手段」に相当し、S1325の処理により図25(b)に第2保留図柄として「?」「1?」「1!」を表示している処理が本発明の「始動口示唆手段」に相当し、S1325の処理により図25(a)に第1保留図柄として「☆」付きの「○」や「●」を表示したり、図25(b)にキャラクタを表示したりしている処理が本発明の「当否演出手段」に相当し、S1275の処理により図26(b)、図26(c)に示したような画像を表示している処理が本発明の「有利度示唆手段」に相当し、S640の処理が本発明の「開状態発生手段」に相当し、小当り遊技処理が本発明の「小当り遊技発生手段」に相当する。
[実施例2]
【0102】
本発明の第2実施例について図29〜36を用いて説明する。なお、本実施例は第1実施例と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
まず、第2実施例のパチンコ機50における始動入賞確認処理は、図29のようになっている。第1実施例との主な違いは、第1先読み判定送信処理(S115)を実行した後に行なう保留数指示コマンドの送信を、保留潜伏フラグが1か否かに応じて切り換えている点である。具体的には、第1先読み判定送信処理(S115)を実行した後に保留潜伏フラグが1か否かを判定し(S1350)、否定判断(S1350:no)なら保留数指示コマンド1送信処理1(S1360)を行なってS125に移行し、肯定判断(S1350:yes)なら保留数指示コマンド1送信処理2(S1355)を行なってS125に移行する。
【0103】
保留数指示コマンド1送信処理1(S1360)とは、第1特別図柄にかかる第1保留図柄を、現在の保留記憶の数(第1特別図柄と第2特別図柄のトータル。以下同様)に応じて表示する旨を指示するコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理である。また、保留数指示コマンド1送信処理2(S1355)とは、第1特別図柄にかかる第2保留図柄を、現在の保留記憶の数に応じて表示する旨を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0104】
第2始動口12に関しても同様で、第2先読み判定送信処理(S140)を実行した後に保留潜伏フラグが1か否かを判定し(S1365)、肯定判断(S1365:yes)なら保留数指示コマンド2送信処理2(S1370)を行なって当処理を終了(リターン)し、否定判断(S1365:no)なら保留数指示コマンド2送信処理1(S1375)を行なって当処理を終了する。
【0105】
保留数指示コマンド1送信処理1(S1375)とは、第2特別図柄にかかる第1保留図柄を、現在の保留記憶の数に応じて表示する旨を指示するコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理である。また、保留数指示コマンド1送信処理2(S1370)とは、第2特別図柄にかかる第2保留図柄を、現在の保留記憶の数に応じて表示する旨を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0106】
当否判定処理における保留数指示コマンドの処理も始動入賞確認処理と同様に変化し、図30に示すように特図変動開始コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S335)すると、保留潜伏フラグが1か否かを判定し(S1380)、否定判断(S1380:no)なら保留数指示コマンド送信処理1(S1390)を行なって特別遊技処理に移行し、肯定判断(S1380:yes)なら保留数指示コマンド送信処理2(S1385)を行なって特別遊技処理に移行する。
【0107】
保留数指示コマンド送信処理1(S1390)とは、特別図柄の変動と共に第1保留図柄を更新(具体的には表示する第1保留図柄の内、最も古いものを画面6aから消去して表示位置を第1保留図柄1個分ずらす)する旨を指示するコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理である。また、保留数指示コマンド送信処理2(S1385)とは、特別図柄の変動と共に第2保留図柄を更新(具体的には表示する第2保留図柄の内、最も古いものを画面6aから消去して表示位置を第2保留図柄1個分ずらす)する旨を指示するコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0108】
更に、当否判定処理において確定表示された特別図柄が大当りになる図柄であると判定された場合(S410:yes)には、図31に示すように確変フラグおよび時短フラグを共に0にする(S420,S430)だけでなく、保留潜伏フラグも0にする。具体的には、S1393にて保留潜伏フラグが1か否かを判定し、肯定判断(S1393:yes)ならS1396にて保留潜伏フラグを0にしてからS435に移行する。否定判断(S1393:no)ならそのままS435に移行する。当否判定処理において確定表示された特別図柄が大当りになる図柄ではないと判定された場合(S410:no)は、図32に示すように確変フラグおよび時短フラグを、必要に応じ更新し、状態指定コマンド送信処理(S480)を行なった後、保留潜伏フラグが1か否かを判定し(S1400)、肯定判断(S1400:yes)なら更にS1405にて保留潜伏回数が0か否かを判定し、これも肯定された場合(S1405:yes)には保留潜伏フラグを0にし(S1410)、第1保留図柄表示信号をサブ統合制御装置83に送信(S1415)して、図31のS485に移行する。第1保留図柄表示信号送信処理(S1415)とは、確定図柄の表示時間の終了(図柄変動の終了)に起因して保留潜伏回数がゼロになった場合に、保留図柄を第1保留図柄に切り換える旨のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。保留潜伏フラグが1ではないと判定された場合(S1400:yes)または保留潜伏回数が0ではないと判定された場合(S1405:yes)は、そのままS485に移行する。
【0109】
第2実施例の特別遊技処理は図33のようになる。すなわち、確変設定フラグの値および時短設定フラグの値に応じて適宜、確変フラグおよび時短フラグを更新(S625,S640)等を行なった後、保留潜伏設定フラグが1か否かを判定する(S1450)。肯定判断(S1450:yes)なら保留潜伏回数設定処理(S1455)を行ない、保留潜伏フラグを1にし(S1460)、第2保留図柄表示信号送信処理(S1463)を実行してからS645に移行する。第2保留図柄表示信号送信処理(S1463)とは、大当り発生時の保留記憶に、大当り中に発生した始動入賞を適宜反映させた保留記憶を、第2保留図柄を用いて表示する旨のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。S1450で保留潜伏設定フラグが1ではないと判定された場合(S1450:no)は、第1保留図柄表示信号送信処理(S1465)を実行してからS645に移行する。第1保留図柄表示信号送信処理(S1465)とは、大当り発生時の保留記憶に、大当り中に発生した始動入賞を適宜反映させた保留記憶を、第1保留図柄を用いて表示する旨のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0110】
第2実施例の特典内容設定処理は図34のようになる。第1実施例との違いは、確変を付与しないと判定された場合(S1010)に、時短回数として100を設定(S1050)した後に保留潜伏設定フラグを1にし(S1500)、保留潜伏回数を50に設定(S1505)してから特典内容設定処理を終了(リターン)する点である。
【0111】
第2実施例の小当り設定処理は図35のようになる。第1実施例の小当り設定処理との違いは、必要に応じ時短回数をデクリメントした後(S935)、時短フラグの値に応じ、保留潜伏フラグが1か否かを判定(S1550)する点である。肯定判断(S1550:yes)なら保留潜伏回数をデクリメントし(S1555)、小当り設定処理を終了(リターン)する。否定判断(S1550:no)ならそのまま小当り設定処理を終了する。
【0112】
第2実施例のハズレ設定処理は図36のようになる。第1実施例との違いは、小当り設定処理と同様であり、必要に応じ時短回数をデクリメントした後(S965)、時短フラグの値に応じ、保留潜伏フラグが1か否かを判定(S1600)する点である。肯定判断(S1600:yes)なら保留潜伏回数をデクリメントし(S1605)、ハズレ設定処理を終了(リターン)する。否定判断(S1600:no)ならそのままハズレ設定処理を終了する。
【0113】
以上のように構成された遊技機によれば、第1保留図柄を用いた表示(図25(a)参照)にするか、第2保留図柄を用いた表示(図25(b)参照)にするかを、主制御装置80の処理により決定している。このような構成にしても第1実施例と同様の効果を有するパチンコ機50を構成することができる。
[実施例3]
【0114】
本発明の第3実施例について図37,38を用いて説明する。本実施例も実施例1と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
第3実施例では、図37に示すような小当り終了時処理をサブ統合制御装置83にて実行する。当処理は主制御装置80から小当り終了コマンドを受信すると起動する。小当り終了コマンドは、小当り遊技処理のS800にて送信されるものである(図15参照)。当処理が起動すると(S1700:yes)、小当り演出終了処理(S1705)を実行し、モード設定表示処理(S1710)を行なった後、設定モードが保留潜伏モードか否かを判定する(S1715)。ここで、小当りが発生した場合に保留潜伏モードが設定される場合とは、図38に示すように時短機能が作動している状態で小当りが発生した場合である。図38(a)に示す第1特別図柄、図38(b)に示す第2特別図柄とも、時短作動中に小当りが発生すると保留潜伏モードに移行する。肯定判断(S1715:yes)なら保留潜伏フラグを1にし(S1720)、第2保留図柄を表示する設定にし(S1725)、保留潜伏カウンタに50をセットして(S1730)、当処理を終了(リターン)する。否定判断(S1715:no)なら、第2保留図柄を表示する設定にし(S1735)、当処理を終了する。
【0115】
第1実施例および第2実施例では、小当りが発生しても、第1保留図柄を用いた表示となるか、第2保留図柄を用いた表示となるかには影響がなかった。これに対し第3実施例では、時短作動時に小当りが発生しても保留潜伏モードに移行し、第2保留図柄を用いた表示となる。
以上のように構成されたパチンコ機50によれば、遊技者は小当りが来たときも保留図柄が切り換わる可能性を抱くことができるので、大当りがなかなか来なくても遊技者に楽しみを与えることができる。なお、時短作動時に図柄3で大当りが発生した場合にも保留潜伏モードになるので(図38参照)、保留潜伏モードを用いた潜伏状態(確変状態か否かを遊技者が判別しにくい状態)も楽しむことができる。
[他の実施例]
【0116】
前記いずれの実施例においても第2保留図柄から第1保留図柄に切り換える際に、保留潜伏カウンタを用いていたが、保留潜伏カウンタを用いずに、開放延長状態の終了のみをもって第1保留図柄に切り換えてもよい。それ以外に、第2保留図柄に切り換えてから所定時間が経過したら第1保留図柄に戻しても良い。その他、保留記憶の個数がゼロになることを契機にしたり、切り換えるか否かの抽選を行なって切り換えても良い。切り換えるか否かの抽選としては、保留図柄の切換専用の抽選を行なってもよいし、所定のハズレ図柄が演出図柄表示装置6や特別図柄表示装置9、10に表示されたら切り換えるようにしてもよいし、所定の変動パターンが選択されたら切り換えるようにしてもよい。更に、これらと演出ボタン67の操作を組合せ、前記条件のいずれかが成立した上で、更に遊技者が特定のタイミングで演出ボタン67を操作すると、保留図柄が切り換わる構成としてもよい。
【0117】
また、何れの実施例においても、第2保留図柄に切り換わるタイミングは新たな保留記憶が発生した際(S120.S145)、および図柄が変動されたとき(S340)であったが、いずれか一方のみでも良い。また表示演出として複数のモードを備え、その所定のモードに変更された時に保留図柄が切り換わる構成としてもよい。
大当たり中
【符号の説明】
【0118】
1:遊技盤
6:演出図柄表示装置
6a:画面
11:第1始動口
11a:第1始動口スイッチ
12:第2始動口
12a:第2始動口スイッチ
14:大入賞口
17a:普通図柄作動スイッチ
18:第1特別図柄保留数表示装置
19:第2特別図柄保留数表示装置
50:パチンコ機
80:主制御装置
82:演出図柄制御装置
83:サブ統合制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものであり、より詳しくは、遊技領域に2種類の始動口を備え、それぞれに対応する特別図柄の変動を行い、当った際に発生する大当りは、一方の始動入賞に起因して発生したものよりも他方の始動入賞に起因して発生したものの方が、遊技者にとって有利なものとして設定されている遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の遊技機は、遊技領域に2種類の始動口を備えたものがある(例えば特許文献1)。こうした遊技機では、各始動口に遊技球が入賞すると、それぞれ対応する特別図柄が変動し、所定の当り態様で停止すると、大当り遊技(単に大当りともいう)が発生する。こうした多くの遊技機では、一方の始動口(第1始動口)は常に入賞可能に構成され、他方の始動口(第2始動口)は、開閉可能な翼片を備えた普通電動役物として構成され、翼片が開放したときのみ入賞可能に構成されているものが主流である。それぞれの始動入賞にて発生する大当りとして、それぞれ複数の内容(例えばラウンド数や、期待できる出球数が異なる大当り)を持っている機種が多く、第1始動口への入賞により発生した大当りよりも、第2始動口への入賞により発生した大当りの方が、遊技者にとって有利な内容(ラウンド数が多い、期待できる出球数が多い等)のものが選択される確率が高く設定されている。しかも、大当りの終了後には、特別図柄が所定回数変動されるまで開放延長状態(第2始動口の翼片が開放状態となる時間・頻度が高まる状態)となる構成の機種が多く、開放延長状態においては第2始動口への入賞が極めて容易となる。これにより、大当りを得る前においては、遊技者にとって不利な大当りを得やすい状態で遊技が進行するが、ひとたび大当りを得ると、遊技者にとって有利な大当りを得やすい状態となるという、遊技者と遊技店との利益バランスを保ちつつ、メリハリのある遊技性を創出している。
【0003】
ただし、大当りを得た後であっても、第1始動口への入賞が発生し、これに対応する特別図柄の変動の結果、当選すると、遊技者にとって不利な大当りが発生する可能性がある。そこで、第1始動口へ入賞した際に発生される当否判定用の乱数などを記憶したもの(第1保留記憶という)と、また第2始動口へ入賞した際に発生される当否判定用の乱数などを記憶したもの(第2保留記憶という)の双方がある場合は、第2保留記憶に基づく特別図柄の変動を優先的に行い、第2保留記憶がなくなって初めて第1保留記憶に基づく特別図柄の変動を行なう構成(優先消化または優先変動という)とした遊技機が多い(例えば特許文献2)。このように構成すると、第2始動口に入賞させ続け、第2保留記憶が存在する限り、第1始動口に係る特別図柄の変動は行なわれず、従って、遊技者にとって不利な大当りが発生しにくくなるという効果がある。反面、第1保留記憶に基づく特別図柄の変動を行なわせないためには、第2保留記憶がある状態を維持する必要があるので、遊技を中断できなくなるという欠点がある。
【0004】
こうした課題に鑑み、優先変動を廃し、入賞が発生した順に保留記憶を消化するように構成し、保留記憶の表示も、第1始動口、第2始動口のいずれへの入球に起因したものであるかを識別困難となるモードを遊技機も提案されている(例えば特許文献3))。この遊技機では、有利な大当りが発生するか、不利な大当りが発生するかに遊技者の遊技上の興味を抱かせる機種となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−285022号公報
【特許文献2】特開2005−304932号公報
【特許文献3】特開2007−151814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年主流となっているのは前述した優先消化タイプの機種であり、入賞順消化の機種の人気を高めるには、新たな演出や遊技上の興趣を持たせることが必要となる。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、請求項1に記載の本発明は、第1始動口・第2始動口を備え、これらに入賞した順に保留記憶を消化する遊技機を、新たな遊技興趣を備えたものとすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明の請求項1記載の遊技機は、遊技領域に第1始動口および第2始動口を備え、前記第1始動口への入球に起因して発生された乱数値を複数記憶可能な第1保留手段と、前記第2始動口への入球に起因して発生された乱数値を複数記憶可能な第2保留手段と、前記各乱数値に基づいて、変動表示の後に確定表示する特別図柄を設定する特別図柄設定手段と、前記第1保留手段および前記第2保留手段に記憶されている乱数値を発生順に参照し、該各乱数値に基づいて前記特別図柄を前記変動表示させる特別図柄変動手段と、特別図柄変動手段による変動表示の後に確定表示された特別図柄が、予め当りと設定された特別図柄であった場合に大当り遊技を発生させるものであって、前記第1始動口への入球に起因して発生される大当り遊技は、前記第2始動口への入球に起因して発生される大当り遊技と比較して、遊技者にとって有利さが劣る大当り遊技を発生させる大当り遊技発生手段と、前記特別図柄の疑似図柄を表示するための演出図柄表示装置と、前記各保留手段に記憶されている個数を、前記演出図柄表示装置に出力する保留記憶数表示手段とを備えた遊技機において、前記保留記憶数表示手段は、前記各保留手段に記憶されている個数を、前記第1保留手段および前記第2保留手段の何れに記憶されているものかを識別可能に前記演出図柄表示装置に出力するための第1保留図柄と、前記第1保留手段および前記第2保留手段の何れに記憶されているものかを識別不能に前記演出図柄表示装置に出力するための第2保留図柄のいずれかを前記演出図柄表示装置に出力するものであり、前記保留記憶数表示手段が前記演出図柄表示装置に、前記第1保留図柄、前記第2保留図柄のいずれを表示するかを切り換える保留図柄切換手段と、前記始動口入賞に起因して発生された前記乱数値に基づき、該乱数値に対応して前記表示された前記第1保留図柄または前記第2保留図柄を用い、該乱数値の当否を示唆する先読み演出を行なう当否演出手段と、前記保留図柄切換手段によって前記第2保留図柄が前記演出図柄表示装置に表示される際に、該第2保留図柄が前記第1保留手段の記憶に対応するものか、前記第2保留手段の記憶に対応するものかを示唆する始動口示唆手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
ここで第1保留手段および第2保留手段に記憶される乱数値は、特別図柄設定手段が特別図柄を設定するためのものであるが、それ以外の乱数値(例えば開放パターンを決定するための乱数値や特別図柄以外の図柄を決定するための乱数値)を更に記憶しても構わない。なお、「乱数値を複数記憶可能」とは、特別図柄を設定するための乱数値を複数記憶できるという意味であり、特別図柄を設定するための乱数値と、開放パターンを決定するための乱数値とを記憶できること等を、ここでは「乱数値を複数記憶可能」とは呼ばないものとする。
【0009】
また、「前記第2保留図柄が前記演出図柄表示装置に出力される際に・・・示唆する」とは、第2保留図柄が演出図柄表示装置に出力される場合には「始動口示唆手段による前記示唆が必ず行なわれる」という意味ではなく、「始動口示唆手段による前記示唆が行なわれる場合がある」という意味である。もちろん、必ず前記示唆が行なわれるように構成しても構わない。
【0010】
なお、「有利さが劣る」例としては、その大当り遊技で期待できる出球数が少ない、大当り遊技の終了後に開放延長状態となる確率が低い、大当り遊技の終了後に高確率状態となる可能性が低いなどを挙げることができる。また「識別不能」とは、演出図柄表示装置における表示態様に関するものであり、他の表示装置を見ればどちらの保留記憶であるかが識別可能となっていてもよい。
【0011】
ここで、始動口示唆手段による前記示唆が行なわれている場合にも、当否演出手段が前記先読み演出を行なう構成とすると、第2保留図柄が演出図柄表示装置に出力されている際には、始動口示唆手段による前記示唆と、当否演出手段による先読み演出の双方が行なわれる場合があることになる。また、当否演出手段が行なう先読み演出は、第1保留図柄または第2保留図柄を用いたものであるが、どちらを用いるかについては、保留図柄切換手段が選択した方(単に保留図柄ともいう)となる。また、「先読み演出に保留図柄を用いる」とは、その保留図柄自体を用いる(例:通常とは異なる表示態様(色、形、向き、動き等)にする)、その保留図柄の近傍に別の図案(文字、キャラクタ、)を表示する等を挙げることができる。
【0012】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記始動口示唆手段による前記示唆が行なわれている際に前記大当り遊技発生手段が、大当り遊技を発生させると、該大当り遊技中の演出として、該大当り遊技が前記第1始動口への入球に起因したものか、前記第2始動口への入球に起因したものかを示唆する演出を行なう有利度示唆手段を備えたことを特徴とする。
この有利度示唆手段により行われる示唆は、どちらの始動口への入球に起因したものかを遊技者にはっきりと報知するものでもよい。
【0013】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または2に記載の遊技機において、前記第1始動口が、常に入球が可能なものであり、前記第2始動口が、前記第1始動口よりも入球が容易な開状態および前記第1始動口よりも入球が困難な閉状態に変化可能なものであり、前記大当り遊技発生手段によって発生された前記大当り遊技の終了後に、前記特別図柄が予め定められた回数、変動表示されるまで、前記第2始動口が開状態となる期間を延長する開状態発生手段を備え、前記保留図柄切換手段が前記演出図柄表示装置に表示する保留図柄を前記第2保留図柄に切り換えるのは、前記開状態発生手段により前記第2始動口が開状態となる期間を延長された場合であり、前記保留記憶数表示手段が、前記開状態発生手段による前記期間の延長が解除されると、表示する保留図柄を前記第1保留図柄に切り換えることを特徴とする。
ここで「第2始動口が開状態となる期間を延長する」とは、開状態が発生してから終了するまでの期間を延ばすという意味だけでなく、開状態となる回数を増やしたり、開状態となる確率を上昇させたりすることも含まれる。
【0014】
請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機において、前記遊技域に設けられた大入賞口と、該特別図柄変動手段による変動表示の後に確定表示された特別図柄が、前記当りと設定された特別図柄とは異なる小当り図柄であった場合に、前記大入賞口を開放させて小当り遊技を発生させる小当り遊技発生手段と、を備え、前記大当り遊技発生手段は、前記大入賞口の開放パターンが異なる複数種類の大当り遊技の中から抽選によりいずれかの大当り遊技を発生させるものであり、且つ該複数の開放パターンの中には前記小当り遊技の開放パターンと同じものが存在し、前記保留図柄切換手段は、前記小当り遊技発生手段により前記小当り遊技が発生されたこと、および前記大当り遊技発生手段により前記小当り遊技と同じ開放パターンの大当り遊技が発生されたことを契機として前記保留図柄を切り換えるものであることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の本発明は、請求項3に記載の遊技機において、前記遊技域に設けられた大入賞口と、該特別図柄変動手段による変動表示の後に確定表示された特別図柄が、前記当りと設定された特別図柄とは異なる小当り図柄であった場合に、前記大入賞口を開放させて小当り遊技を発生させる小当り遊技発生手段と、を備え、前記大当り遊技発生手段は、前記大入賞口の開放パターンが異なる複数種類の大当り遊技の中から抽選によりいずれかの大当り遊技を発生させるものであり、且つ該複数の開放パターンの中には前記小当り遊技の開放パターンと同じものが存在し、前記開状態発生手段は、前記小当り遊技と開放パターンが同じ大当り遊技である開放パターン共通遊技の終了後に、前記第2始動口が開状態となる期間を延長する場合があるものであり、前記保留図柄切換手段は、前記小当り遊技の後の状態が前記第2始動口が開状態となる期間が延長された状態である場合、および前記開放パターン共通遊技の終了後に前記開状態発生手段が作動する場合に、表示する保留図柄を前記第2保留図柄に切り換えるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の遊技機は、前記入賞順消化であり、第1始動口への入球に係る保留記憶である第1保留手段の記憶と、第2始動口への入球に係る保留記憶である第2保留手段の記憶との、いずれであるかを識別可能に演出図柄表示装置に表示する第1保留図柄と、識別不能に表示する第2保留図柄とを備えている。どちらの図柄を表示するかは保留図柄切換手段が切り換える。そして第2保留図柄が演出図柄表示装置に表示される際には、始動口示唆手段が、その第2保留図柄が第1保留手段の保留記憶に対応するものか、第2保留手段の保留記憶に対応するものかを示唆する。第2始動口への入球に起因して(つまり第2保留手段の保留記憶に基づいて)発生される大当り遊技は、第1始動口への入球に起因して(第1保留手段の保留記憶に基づいて)発生される大当り遊技と比較して、遊技者にとって有利さが優っているため、遊技者は、第2保留図柄の表示および始動口示唆手段による示唆から「どちらの保留手段に基づく大当り遊技が発生するか」という遊技上の興味を抱くことができる。
【0017】
また、当否演出手段が、始動口入賞に起因して発生された乱数値に基づき、該乱数値に対応して表示された第1保留図柄または第2保留図柄を用い、該乱数値の当否を示唆する先読み演出を行なう。このため、第1保留図柄が表示される際に、前記先読み演出が行なわれれば、第1保留記憶か第2保留記憶かという遊技上の関心を抱けない状況においても当否に対する関心を前記演出により遊技者に持たせることができる。また、第2保留図柄が表示される際に、前記先読み演出が行なわれれば、第1保留記憶か第2保留記憶かという遊技上の関心に加え、当否に対する関心も遊技者に抱かせることができる。具体的には「第2保留記憶である可能性が高い」という示唆と「それが当りである可能性が高い」という先読み演出が行なわれれば、遊技者にとって有利さに優る大当り遊技が発生する可能性が高いという期待感を遊技者に持たせることができる。また、「第1保留記憶である可能性が高い」という示唆と「それが当りである可能性は低い」という先読み演出が行なわれれば、有利さで劣る大当り遊技が発生しない可能性が高いという安心感を遊技者に与えることができる。更に、「第1保留記憶である可能性が高い」という示唆と「それが当りである可能性が高い」という先読み演出が行なわれれば、有利さで劣る大当り遊技が発生してしまうかもというスリルを遊技者に味わわせることができる。この場合に発生する大当り遊技は、第2保留図柄が表示されている状況で発生することになるので、「第1保留記憶だと思ったら実は第2保留記憶だった」という意外性も楽しめる可能性がある遊技機となる。
【0018】
請求項2に記載の遊技機では、始動口示唆手段による示唆が行なわれている際に、大当り遊技が発生すると、大当り遊技中の演出として、その大当り遊技が第1始動口への入球に起因したものか、第2始動口への入球に起因したものかを示唆する演出を有利度示唆手段が行なう。こうすると、この演出が行なわれるまで、いずれの始動口への入球に起因したものかという期待感や不安感を持続させることができる。また、前記有利さの違いが、出球数のように分かり易いものでない場合(例えば開放延長状態になる確率の違い)の場合に、いずれの始動口への入球に起因したものかを大当り遊技中に遊技者に告知すれば、遊技者に明確な達成感や無念さを味わわせることができる。
【0019】
請求項3に記載の遊技機では、第1始動口が常に入球可能、第2始動口が、第1始動口よりも入球が容易な開状態および第1始動口よりも入球が困難な閉状態に変化可能に構成されている。そして、開状態発生手段が、大当り遊技の終了後に、特別図柄が予め定められた回数、変動表示されるまで、第2始動口が開状態となる期間を延長する(これは前述の開放延長状態に対応する)。従って、入球は、開放延長状態でない状態では主に第1始動口に対して発生し、開放延長状態では第1始動口・第2始動口の双方に対して発生する(実際には第2始動口の方が多い)。つまり、開放延長状態においては第1保留記憶か第2保留記憶かを第2保留図柄により識別不能にする意味はあるが、非開放延長状態では保留記憶は多くの場合、第1保留記憶なので、第2保留図柄により識別不能にする意味が小さい。そこで、請求項4の保留図柄切換手段は、開放延長状態では、演出図柄表示装置に表示する保留図柄を第2保留図柄に切り換え、非開放延長状態では表示する保留図柄を第1保留図柄に切り換える。これにより、第1保留記憶か第2保留記憶かを識別不能にする第2保留図柄を有意義に活用することができる。なお、開放延長状態になっても、第1保留図柄から第2保留図柄に切り換えない場合があっても構わない。また、非開放延長状態になるのを待たずに第2保留図柄から第1保留図柄に切り換える場合があってもよい。
【0020】
請求項4に記載の遊技機では、小当り遊技が発生する場合があり、且つ小当り遊技における大入賞口の開放パターンと同じ開放パターンを有する大当り遊技(潜伏大当り遊技と呼ぶことにする)が存在する。つまり大入賞口の開放パターンを見る限り、この潜伏大当り遊技と小当り遊技とは区別がつかない。そして保留図柄切換手段は、小当り遊技が発生されたこと、および潜伏大当り遊技が発生されたことを契機として保留図柄を切り換える。つまり、第1保留図柄から第2保留図柄、あるいは第2保留図柄から第1保留図柄への切換が、小当り遊技の発生や潜伏大当り遊技の発生を契機として行われる。このように構成することにより、小当り遊技や潜伏大当り遊技に「保留図柄が切り換わる」という意味を付加することができる。なお、第2保留図柄が第1保留図柄に切り換わるのは、どちらの保留記憶かを知りたい遊技者にとって利点のあることであり、第1保留図柄が第2保留図柄に切り換わるのは、どちらの保留記憶か分からないスリルを味わいたい遊技者にとって利点がある。
【0021】
請求項5に記載の遊技機では、小当り遊技が発生し、更にその小当り遊技の終了後の遊技状態が開放延長状態であること、および潜伏大当り遊技が発生し、その潜伏大当り遊技の終了後に開状態発生手段が作動(つまり開放延長状態となること)を契機として保留図柄を第2保留図柄に切り換える。なお、もともと第2保留図柄が表示される状態である場合には、前記契機となる事象が発生しても第2保留図柄のままとなる。つまり開放延長状態が発生(または継続)する小当り遊技または潜伏大当り遊技を契機として第2保留図柄に切り換えるので、第2保留図柄により、第1保留記憶か第2保留記憶かを識別不能にする意味がある。このように構成すると、請求項5に記載の遊技機と同様、小当り遊技や潜伏大当り遊技に「(第2)保留図柄に切り換わる」という意味を付加するのに加え、請求項3に記載の遊技機と同様、第1保留記憶か第2保留記憶かを識別不能にする第2保留図柄を有意義に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施例のパチンコ機50の正面図
【図2】パチンコ機50の遊技盤1の正面図
【図3】パチンコ機50の背面図
【図4】パチンコ機50の電気構成図
【図5】パチンコ機50の主制御装置80で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート
【図6】主制御装置80が実行する始動入賞確認処理のフローチャート
【図7】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート1
【図8】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート2
【図9】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート3
【図10】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート4
【図11】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート1
【図12】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート2
【図13】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート3
【図14】主制御装置80が実行する小当り遊技処理のフローチャート1
【図15】主制御装置80が実行する小当り遊技処理のフローチャート2
【図16】主制御装置80が実行する大当り設定処理のフローチャート
【図17】主制御装置80が実行する小当り設定処理のフローチャート
【図18】主制御装置80が実行するハズレ設定処理のフローチャート
【図19】主制御装置80が実行する特典内容設定処理のフローチャート
【図20】サブ統合制御装置83が実行する大当り終了時処理のフローチャート
【図21】サブ統合制御装置83が実行する変動開始時処理のフローチャート
【図22】サブ統合制御装置83が実行する演出図柄確定処理のフローチャート
【図23】サブ統合制御装置83が実行する大当り開始処理のフローチャート
【図24】サブ統合制御装置83が実行する保留表示処理のフローチャート
【図25】(a)は第1保留図柄の表示例、(b)は第2保留図柄の表示例を示す説明図
【図26】当り保留報知大当たり演出設定処理を結果を示す説明図
【図27】特別図柄とそれにより発生する大当り遊技の内容と大当り遊技後の遊技状態を示すテーブルであり、(a)は第1特別図柄、(b)は第2特別図柄に関して示したテーブル
【図28】特別図柄と遊技状態とに応じ大当り遊技後に移行するモードを示すテーブルであり、(a)は第1特別図柄、(b)は第2特別図柄に関して示したテーブル
【図29】第2実施例の主制御装置80が実行する始動入賞確認処理のフローチャート
【図30】第2実施例の主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート2
【図31】第2実施例の主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート3の一部
【図32】第2実施例の主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート3の残りの部分
【図33】第2実施例の主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート3
【図34】第2実施例の主制御装置80が実行する特典内容設定処理のフローチャート
【図35】第2実施例の主制御装置80が実行する小当り設定処理のフローチャート
【図36】第2実施例の主制御装置80が実行するハズレ設定処理のフローチャート
【図37】第3実施例の主制御装置80が実行する小当り終了時処理のフローチャート
【図38】第3実施例の特別図柄と遊技状態とに応じ大当り遊技後に移行するモードを示すテーブルであり、(a)は第1特別図柄、(b)は第2特別図柄に関して示したテーブル
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
【0024】
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0025】
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0026】
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、この演出ボタン67は、周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっている。遊技者が所定期間中に、演出ボタン67やジョグダイヤル68を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。なお、演出ボタン67とジョグダイヤル68を総称して演出ユニット67,68ともいう。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0027】
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
【0028】
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが配置され、センターケース5の左方には、ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
【0029】
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
【0030】
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0031】
パチンコ機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0032】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0033】
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0034】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。
【0035】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
【0036】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0037】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0038】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0039】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0040】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0041】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0042】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0043】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
【0044】
メインルーチンを図5に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0045】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0046】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
【0047】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0048】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0049】
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。なお、通常確率状態時で大当りと判定される値の数は10で、値は「775」〜「777」「1775」〜「1777」「2774」〜「2777」であり、高確率状態時に大当りと判定される値の数は100で、値は「758」〜「777」「1314」〜「1333」「1758」〜「1777」「2758」〜「2777」「3314」〜「3333」である。大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0050】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は通常確率状態では31〜40、高確率状態では31〜996である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0051】
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
【0052】
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0053】
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0054】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続く不正監視処理(S60)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0055】
続いて画像出力処理等の各出力処理(S65)が実行される。各出力処理では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0056】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0057】
S50の入賞確認処理は図6に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
【0058】
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させる(S110)。そして続く第1先読み判定送信処理(S115)により、前記大当り決定用乱数を先読みし、その当否判定結果をサブ統合制御装置83に送信する。そしてS120にて保留数をサブ統合制御装置83に教示するための保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信してS125に移行する。既に4個の第1保留記憶があれば(S105:yes)S125へ直行する。
【0059】
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S100:no)もS125に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断(S125:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S130)。
【0060】
第2保留記憶が満杯でなければ(S130:no)、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を1増加させる(S135)。そして続く第2先読み判定送信処理(S135)により、前記大当り決定用乱数を先読みし、その当否判定結果をサブ統合制御装置83に送信する。そしてS145にて保留数をサブ統合制御装置83に教示するための保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して当処理を終了(リターン)する。既に4個の第2保留記憶があれば(S130:yes)、そのまま本処理を終了する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S125:no)も、本処理を終了する。
【0061】
図7〜10に示す当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図8のS250に移行し、保留記憶(上記、S110またはS135による保留記憶)があるか否かを判断する(S250)。
【0062】
この保留記憶があれば(S250:yes)、保留記憶数をデクリメントし(S255)、S270に進む。S270では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S270:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S275)。ここで当り値の数は100で、758〜777、1314〜1333、1758〜1777、2758〜2777、3314〜3333である。つまり当り確率は1/39.67となる。否定判断であれば(S270:no)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S280)。ここで当り値の数は10で、775〜777、1775〜1777、2774〜2777である。つまり当り確率は1/396.7となる。
【0063】
S275またはS280の判定に基づき、大当りか否かを判定し(S285)、肯定判定であれば(S285:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S290)。大当り図柄を図27に示す。図27(a)が第1特別図柄とそれが表示されたことにより発生する大当り遊技の遊技態様、表示されたことに起因して作動される機能を示すテーブルであり、図27(b)は第2特別図柄について同様の遊技態様および作動される機能を示すテーブルである。なお、これら各テーブルでは比較のために小当り図柄も示した。
【0064】
まず第1特別図柄について説明すると、図27(a)に示すように、大当り図柄は各4種類あり、特別図柄1_図柄1(以下、単に図柄1とも記す。なお、図中の「特図」とは特別図柄のことである)、図柄3が、大当り終了後に大当り確率が上昇する確率変動機能が作動する確変図柄であり、図柄2、図柄4が大当り終了後に確率変動機能が作動しない通常図柄となっている。また、図柄3、図柄4は、1ラウンドあたり0.6秒間の大入賞口14の開放を、8回繰り返す大当り遊技を発生させる図柄で、これは小当りの場合の開放パターンと同一にされている。一方、図柄1,2の開放パターンは、最初の4ラウンドは最長28秒、大入賞口14が開放し、続く4ラウンドは最長0.6秒、大入賞口14が開放するという開放パターンとなっている。これらの開放パターンは、高確率時に大当り図柄が表示された場合と、通常確率時に大当り図柄が表示された場合とで共通にされている。また、大当り遊技後の時間短縮機能(時短機能または単に時短ともいう)の作動・未作動に関しては、図柄1については、図柄1が表示された際の遊技状態に関わらず大当り遊技の終了後に時短機能が作動する。また図柄2については、図柄2が表示された際の遊技状態に関わらず、特別図柄(特別図柄1,2を問わない)が更に100回変動表示されるまで時短が大当り遊技後に作動する。図柄3については、時短が未作動時に図柄3が表示された場合には時短機能は作動せず、時短が作動時に図柄3が表示された場合には時短機能が作動する(高確率か否かは問わない)。図柄4については、時短が未作動時に図柄4が表示された場合には時短機能は作動せず、時短が作動時に図柄4が表示された場合には、特別図柄(特別図柄1,2を問わない)が更に100回変動表示されるまで時短機能が作動する(高確率か否かは問わない)。
【0065】
第2特別図柄について説明すると、図27(b)に示すように、大当り図柄は第1特別図柄と同様、4種類あり、特別図柄2_図柄1(以下、単に図柄1とも記す)、図柄3が、大当り終了後に大当り確率が上昇する確率変動機能が作動する確変図柄であり、図柄2、図柄4が大当り終了後に確率変動機能が作動しない通常図柄となっている。また、図柄3、図柄4は、通常確率時において表示された場合には第1特別図柄と同様、1ラウンドあたり0.6秒間の大入賞口14の開放を、8回繰り返す大当り遊技を発生させるが、高確率時において表示された場合には最初の4ラウンドは最長28秒、大入賞口14が開放し、続く4ラウンドは最長0.6秒、大入賞口14が開放する。一方、図柄1,2の開放パターンは、1ラウンドあたり最長28秒、大入賞口14が8回開放するという開放パターンとなっている。つまり第2特別図柄にて生起された大当り遊技は、第1特別図柄にて生起された大当り遊技に比べ、多くの出球が期待できる内容となっている。また、時間短縮機能(時短機能または単に時短ともいう)の作動・未作動に関しては、第1特別図柄とほぼ同様であるが、高確率時かつ時短機能未作動時であっても、図柄3で当った場合には時短機能が作動し、図柄3で当った場合には特別図柄(特別図柄1,2を問わない)が更に100回変動表示されるまで時短が大当り遊技後に作動する点が異なる。
【0066】
図8に戻る。こうして大当り図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S295)、大当り設定処理を行う(S300)。大当り設定処理の概要を図16に示す。当処理が起動されると大当り遊技のオープニング時間(S850)およびエンディング時間(S855)を設定する。続くS860では大当り遊技の態様を設定する。ここで、大当り遊技の態様とは、大当り遊技を構成するラウンド数や開放時間などを指す。続くS865にて、確変や時短などの大当り後に付与する特典内容を設定し、設定内容を主制御装置80の備えるRAMに記憶して(S870)、大当り設定処理を終了(リターン)する。
【0067】
図8に戻る。S285において外れと判定された場合は、小当りか否かを判定する(S305)。ここで大当り決定用乱数が、301〜361のときに小当りとする。つまり小当り確率は約1/65である。肯定判断であれば、小当り図柄を決定する(S310)。小当り図柄の決定は、第1始動口11または第2始動口12に入球したときに取得される小当り図柄決定用乱数によって行なわれる。この乱数は0〜9の値をとる。続いて変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S315)、小当り設定処理(S320)を行なう。小当り設定処理の概要を図17に示す。当処理が起動されると小当り遊技のオープニング時間(S900)およびエンディング時間(S905)を設定し、更に小当り遊技の態様を設定する(S910)。ここで、小当り遊技の態様とは、大入賞口14の開放時間などを指す。続くS915にて、設定内容を主制御装置80の備えるRAMに記憶し、S920で確変フラグが1か否かを判定する。肯定判断なら確変回数を1減らして(S925)、S930に移行する。否定判断なら(S920:no)S930に直行する。S930では時短フラグが1か否かを判定する。肯定判断(S930:yes)なら時短回数を1減らして(S935)、小当り設定処理を終了(リターン)する。否定判断なら(S930:no)そのまま小当り設定処理を終了する。
【0068】
図8に戻る。小当りも外れのときは(S305:no)、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定(S325)し、ハズレ設定処理を行なう(S330)。ハズレ設定処理の概要を図18に示す。当処理が起動されると、まずS950で確変フラグが1か否かを判定する。肯定判断なら確変回数を1減らして(S955)、S960に移行する。否定判断なら(S950:no)S960に直行する。S960では時短フラグが1か否かを判定する。肯定判断(S960:yes)なら確変回数を1減らして(S965)、ハズレ設定処理を終了(リターン)する。否定判断なら(S960:no)そのままハズレ設定処理を終了する。
【0069】
S300、S320、又はS330に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、小当り、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S335)、更に保留数指示コマンド送信処理(S340)を行なった後、特別遊技処理を行なう。なお、S335の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
【0070】
図7のS205において特別図柄が変動中(S205:yes)と判定された場合には、図9のS350に移行し、図柄変動時間(S295、S315,又はS325の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。否定判断(S350:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示処理(S355)を行なってから特別遊技処理を行う。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
【0071】
図7のS210において確定図柄を表示中と判定された場合には、図10のS400に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S400:no)は特別遊技処理を行う。肯定判定(S400:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S405)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S410)。肯定判断された場合(S410:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S415)。確変フラグが1であれば(S415:yes)、S420にて確変フラグを0にし、S425に移行する。確変フラグが1でなければ(S415:no)、そのままS425に移行する。S425では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S425:yes)、S430にて時短フラグを0にし、S435に移行する。時短フラグが1でなければ(S425:no)、そのままS435に移行する。
【0072】
S435では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS440にて役物連続作動装置を作動させ、S445にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
【0073】
S410で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S450にて確変フラグが1か否かを判定し、1であれば(S450:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S455)。確変回数が0であれば(S455:yes)、S460にて確変フラグを0にしてS465に進む。確変フラグが1でないとき(S450:no)又は確変回数が0ではないとき(S455:no)はそのままS465に移行する。S465では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S465:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S470)。時短回数が0であれば(S470:yes)、S475にて時短フラグを0にしてS480に進む。時短フラグが1でないとき(S465:no)又は時短回数が0ではないとき(S470:no)はそのままS480に移行する。
【0074】
S480では、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。なお、大当り時もこのタイミングで状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。続くS485では、確定表示させた特別図柄が小当りになる図柄か否かを判定する。小当りになる図柄であれば(S485:yes)、特別電動役物開始処理(S490)を行い、S495にて小当り開始演出処理を行なう。小当り開始演出処理では、小当り遊技を開始するコマンド及び小当り遊技に係る情報(小当りのオープニング時間、小当りのエンディング時間等)をサブ統合制御装置83に送信する。小当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を実行する。S485で、小当りになる図柄でないと判定された場合は(S485:no)、そのまま特別遊技処理を実行する。
【0075】
図11に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S505)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、大入賞口開放処理(S525)を行なって本処理を終了(リターン)する。
【0076】
S505で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図12のS550に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に10個入賞した場合(S550:yes)にはS560に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして大当りインターバル処理(S565)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞していない場合(S550:no)にはS555に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は28秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S555:yes)には、S560に合流し、終了していない場合(S555:no)は特別遊技処理を終了する。
【0077】
図11のS510でインターバル中であると判定された場合は、図12のS570に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S570:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S575)。最終ラウンドであれば(S575:yes)、大当り終了演出処理(S580)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S575:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S585)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S570:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
【0078】
図11のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図13のS600に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S600:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S605)、条件装置の作動を停止する(S610)。そして、確変設定フラグが1か否かを判定する(S615)。確変設定フラグが1の場合は大当り終了後に高確率状態(確変)に移行する。肯定判断の場合(S615:yes)は、確変回数を設定し(S620)、確変フラグを1に設定し(S625)、S630に移行する。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。確変に移行しない場合(S615:no)はそのままS630に移行する。
【0079】
S630では、時短設定フラグが1か否かを判定する。時短設定フラグが1の場合、大当り終了後に時短に移行する。肯定判断の場合(S630:yes)は、時短回数を設定し(S635)、時短フラグを1に設定し(S640)、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S645)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S650)を行なって特別遊技処理を終了する。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放延長機能をセットし、時短回数カウンタの値をセットする。時短に移行しない場合(S630:no)はS645に直行する。以上が特別遊技処理である。
【0080】
図11で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:no)には、図14に示す小当り遊技処理を実行する。本処理が起動すると、S700にて特別電動役物が作動中であるか判断し、作動中であれば(S700:yes)、大入賞口14が開放中か判断する(S705)。否定判断の場合(S705:no)は、小当り遊技間のインターバル中であるか判断する(S710)。小当り遊技間のインターバルではなく(S710:no)、小当り遊技の終了演出中でもない場合は(S715:no)、小当り遊技の開始演出に要する時間が経過するのを待ち(S720:yes)、大入賞口14を開放させ(S725)、本処理を終了する。なお、特別電動役物が作動していないか(S700:no)、または小当り開始演出に要する時間が経過していないと判定された場合(S720:no)には、そのまま本処理を終了する。
【0081】
図14のS705で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図15のS750に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。大入賞口14に10個入賞していないと判定された場合(S750:no)はS755に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、小当りの場合は各開放の最長時間は0.6秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S755:yes)には、S760にて大入賞口閉鎖処理を行う。そして小当りインターバル処理(S765)を行なって、小当り遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞した場合(S750:yes)にはS760に直行し、また大入賞口14の開放時間が終了していない場合(S755:no)は小当り遊技処理を終了する。
【0082】
図14のS710で小当りインターバル中であると判定された場合は、図15のS770に進み、小当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。小当りインターバル時間が経過している場合(S770:yes)にはS775にて大入賞口14が規定回数(ここでは8回)開放済みか又は10個入賞済みか否かを判定する。肯定判定の場合(S775:yes)は、小当り終了演出処理(S780)を行なって小当り遊技処理を終了する。否定判定の場合(S775:no)は、大入賞口開放処理(S785)により大入賞口14を0.6秒間、1回開放し、小当り遊技処理を終了する。つまり小当りでは、大入賞口14が基本的に0.6秒、8回開放されるが、1回の開放で10個以上の入賞があった場合は1回の開放のみで小当りが終了する。なお、実際には1回の開放で10個以上の入賞が発生することは殆どない。
【0083】
図14のS715で小当り終了演出中であると判定された場合は、図15のS790に進み、小当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。小当り終了演出時間が経過したと判定された場合(S790:yes)は、S795にて特別電動役物の作動を停止させ、小当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S800)して小当り遊技処理を終了する。小当り終了演出時間が経過していないと判定された場合(S790:no)は、そのまま小当り遊技処理を終了する。
【0084】
S865の特典内容設定処理の概要を図19に示す。当処理が起動されると大当り図柄を参照し(S1000)、続いて現在の遊技状態を参照する(S1005)。そして参照した大当り図柄に基づいて、確変を付与するか否かを判定し(S1010)、肯定判定なら確変設定フラグを1にする(S1015)。そしてS1020にて、参照した大当り図柄および遊技状態に基づき時短を付与するか否かを判定する(図27も参照)。肯定判断なら(S1020:yes)、時短設定フラグを1にし(S1025)、時短回数を10000に設定し(S1030)、当処理を終了(リターン)する。時短回数を10000に設定するのは、実質的に次回の大当りまで開放延長状態を維持することを意味している。時短を付与しない場合は(S1020:no)、そのまま当処理を終了する。S1010で確変を付与しないと判定された場合には、確変設定フラグを0にし(S1035)、参照した大当り図柄および遊技状態に基づいて、時短を付与するか否かを判定する。肯定判断なら(S1040:yes)、時短設定フラグを1にし(S1045)、時短回数を100に設定し(S1050)、当処理を終了する。時短を付与しない場合は(S1040:no)、そのまま当処理を終了する。このように特典内容設定処理では、大当り図柄および遊技状態に応じ、確変設定フラグおよび時短設定フラグの値を0か1かに決定することにより、大当り遊技の終了後の遊技状態を設定する。
【0085】
サブ統合制御装置83にて実行される大当り終了時処理の概要を図20に示す。当処理は主制御装置80から大当り終了コマンドを受信すると起動する。大当り終了コマンドは、特別遊技処理のS650にて送信されるものである(図13参照)。当処理が起動すると(S1100:yes)、大当り演出終了処理(S1105)を行い、モード設定表示処理(S1110)を行い、設定モードが保留潜伏モードに移行するか否かを判定する(S1115)。ここでモードの移行先について図28を用いて説明する。まず図28(a)に示すように、第1特別図柄として図柄1が表示された際には、大当り遊技の直前の遊技状態(単に遊技状態とも言う)の如何に関わらず大当り遊技の終了後は確変モードとなり、確変機能が作動し、時短機能が作動する。また図柄2が表示された際には、遊技状態の如何に関わらず大当り遊技の終了後は保留潜伏モード(後述)となる。図柄3で当った場合は、高確率か否かに関わらず、時短未作動の状態で発生した大当り遊技の終了後には時短未作動となり、小当りと区別が困難な潜伏モードとなる。また時短作動の状態(高確率か否かは問わない)で発生した大当り遊技の終了後には次回大当りまで継続する時短が作動する確変モードとなる。図柄4で当った場合は、時短未作動の状態(高確率か否かは問わない)で発生した大当り遊技の終了後には図柄3と同様、時短未作動となり、潜伏モードとなる。また時短作動の状態(高確率か否かは問わない)で発生した大当り遊技の終了後には保留潜伏モードとなる。
【0086】
第2特別図柄による当りを契機とするモード移行は、図28(b)のようになっており、第1特別図柄によるものと似ているが、高確率かつ時短が作動している状態で図柄4で大当りとなった場合に、潜伏モードではなく保留潜伏モードに移行する点のみが異なる。
【0087】
図20に戻る。S1115で設定モードが保留潜伏モードではないと判定された場合は、第1保留図柄の表示をする設定にし(S1135)、当処理を終了する。S1135の設定を行なうと、特別図柄(特図ともいう)の変動時には図25(a)のような画像が演出図柄表示装置6に表示される。この画像は、特別図柄の疑似図柄(本図では「246」)が画面6aの略中央に表示され、画面6aの下部に保留図柄が表示される。保留図画は1個の丸が1個の保留記憶に対応しており、「○」は第1特別図柄の保留、「●」は第2特別図柄の保留を表す。そして「○」の中に「☆」が表示されているものは、第1特別図柄の先読み演出を行なう図柄であり、「●」の中に「☆」が表示されているものは、第2特別図柄の先読み演出用の図柄である。つまり図25(a)では、第1特別図柄の保留が3個、第2特別図柄の保留が3個存在することを示しており、これらが左から古い順に第1特図、第2特図、第2特図、第1特図、第1特図、第1特図、第2特図と保留されており、最も新しい第1特図、第2特図には共に先読み演出として保留予告が為されている。なお、第1保留図柄とは、これらのように第1特別図柄の保留か第2特別図柄の保留かを識別可能に表示される保留図柄を言う。
【0088】
図20に戻る。S1115が肯定判断された場合は、保留潜伏フラグを1にし(S1120)、第2保留図柄の表示をする設定にする(S1125)。S1125の設定を行なうと、特別図柄の変動時には図25(b)のような画像が演出図柄表示装置6に表示される。この画像が、図25(a)に示した画像と異なるのは、画面6aの下部に表示された保留図柄である。この保留図柄は第1特別図柄の保留か第2特別図柄の保留かの区別は無く、○の中に表示された「?」「1?」「1!」がその保留が第1特別図柄である可能性の高さを表している。具体的には「1!」が第1特別図柄である可能性が高く、「1?」が第1特別図柄である可能性が低く、「?」は両者の中間の可能性となっている。つまり図25(b)の表示態様では、第1特別図柄か第2特別図柄かは不明だが、特別図柄の保留が合計6個存在していることを示している。また上部にキャラクタ(熊の達吉)が表示されている保留図柄は、当りの可能性(信頼度という)が高いことを示しており、先読み演出の一である。図20に戻る。こうして第2保留図柄を表示する設定にすると(S1125)、保留潜伏カウンタを50にし(S1130)、当処理を終了(リターン)する。
【0089】
サブ統合制御装置83にて実行される変動開始時処理の概要を図21に示す。当処理は主制御装置80から特別図柄変動開始コマンドを受信すると起動する。特別図柄変動開始コマンドは、当否判定処理のS335にて送信されるものである(図8参照)。当処理が起動すると(S1150:yes)、保留潜伏フラグが1か否かを判定する(S1155)。肯定判断なら(S1155:yes)、保留潜伏カウンタを1減らし(S1160)、S1165にて図柄演出開始処理を行い、当処理を終了(リターン)する。保留潜伏フラグが1ではないと判定された場合(S1155:no)は、S1165に直行し、第図柄演出開始処理を行なって当処理を終了する。
【0090】
サブ統合制御装置83にて実行される演出図柄確定処理の概要を図22に示す。当処理は主制御装置80から図柄確定コマンドを受信すると起動する。図柄確定コマンドは、当否判定処理のS355にて送信されるものである(図9参照)。当処理が起動すると(S1200:yes)、演出図柄確定表示処理(S1205)を行い、保留潜伏フラグが1か否かを判定する(S1210)。肯定判断なら(S1210:yes)、保留潜伏カウンタが0か否かを判定し(S1215)、肯定判断なら(S1215:yes)、保留潜伏フラグを0にし(S1220)、第1保留図柄の表示をする設定に切り替え(S1225)、当処理を終了(リターン)する。つまり、保留潜伏カウンタが0になると(S1215:yes)、第1保留図柄に切り換えて、図25(a)に示した画像となる。保留潜伏カウンタの初期値は50(S1130)であり、保留潜伏フラグが1である場合、サブ統合制御装置83が主制御装置80から特別図柄変動開始コマンドを受信する都度、デクリメント(S1160)されるから、第2保留図柄を表示するモード(図25(b)のような画像を表示するモード)は特別図柄が50回変動されると終了することになる。S1210にて保留潜伏フラグが1ではないと判定された場合、またはS1215にて、保留潜伏カウンタが0ではないと判断された場合は、そのまま当処理を終了する。
【0091】
サブ統合制御装置83にて実行される大当り開始処理の概要を図23に示す。当処理は主制御装置80から大当り開始演出コマンドを受信すると起動する。大当り開始演出コマンドは、当否判定処理のS445にて送信されるものである(図10参照)。当処理が起動すると(S1250:yes)、保留潜伏フラグが1か否かを判定する(S1255)。肯定判断なら(S1255:yes)、保留潜伏フラグを0にし(S1260)、大当りした保留は潜伏保留か(すなわち第2保留図柄として表示されていた保留記憶が当ったものか)否かを判定する(S1265)。肯定判断なら(S1265:yes)、更にS1270にて特別図柄1の図柄3、図柄4のいずれの当りでもないか否かを判定し、肯定判断なら(S1270:yes)、当り保留報知大当り演出設定処理(S1275)を行なって当処理を終了(リターン)する。当り保留報知大当り演出設定処理が実行されると、演出図柄表示装置6には図26に示したような画像が出力される。すなわち、大当り遊技が開始されると、その第1ラウンドで図26(a)のような、第1特別図柄の保留により発生した大当りか、第2特別図柄の保留により発生した大当りかを、遊技者に考えさせる画像が出力される。当り保留報知大当り演出設定処理は保留潜伏フラグが1の場合に実行される(S1255:yes)ものであるから、この大当り遊技が発生する直前まで、遊技者は図25(a)のような画面ではなく、図25(b)に示したような画面を見ていたことになる。すなわち、発生した大当り遊技が、第1特別図柄の保留記憶によるものか、第2特別図柄の保留記憶によるものかが、遊技者にとって分かりにくい状況で発生したことになる。
【0092】
その大当り遊技が第1特別図柄の保留記憶によって発生したものであれば、第2ラウンドに移行した際に図26(b)のような画像が表示される。これは、その大当り遊技が第1特別図柄の保留記憶によるものであることを告知する画像である。第1特別図柄の図柄1、図柄2による大当り遊技は、前述のように28秒開放されるラウンドが4ラウンドまでしかないので、キャラクタが「特図1の保留でした。」と残念そうな表情でいう。その大当り遊技が第2特別図柄の保留記憶によって発生したものであれば、第2ラウンドに移行した際に図26(c)のような画像が表示される。これは、その大当り遊技が第2特別図柄の保留記憶によるものであることを告知する画像であり、第2特別図柄の図柄1、図柄2による大当り遊技は、28秒開放されるラウンドが8ラウンドまで続くので、キャラクタが「特図2の保留でした!!チャンス!」と笑顔でいう。なお、図26に示すように大当り中の演出図柄表示装置6には、第1保留図柄も第2保留図柄も表示されない。
【0093】
図23に戻る。S1255にて保留潜伏フラグが1ではないと判定された場合、S1265にて大当りした保留は潜伏保留ではないと判定された場合、またはS1270にて特別図柄1の図柄3または図柄4による当りであると判断された場合は、S1280に移行して各種大当り演出設定処理を実行してから当処理を終了する。
【0094】
サブ統合制御装置83にて実行される保留表示処理の概要を図24に示す。当処理は主制御装置80から保留数指示コマンドを受信すると起動する。保留数指示コマンドは、始動入賞確認処理のS120,S145、及び当否判定処理のS340にて送信されるものである(図8参照)。当処理が起動すると(S1300:yes)、保留潜伏フラグが1か否かを判定する(S1305)。肯定判断なら(S1305:yes)、第2保留図柄の更新を行なって(S1310)、S1320に移行する。否定判断なら(S1305:no)、第1保留図柄の更新を行なって(S1315)、S1320に移行する。S1320では先読み判定コマンドを受信したか否かを判定し、受信していれば(S1320:yes)、先読み演出決定処理(S1325)を実行して当処理を終了する。図25(a)に示した☆付きの保留図柄や図25(b)に示したキャラクタは、S1325の処理により表示されるものである。先読み判定コマンドを受信していなければ(S1320:no)そのまま当処理を終了する。
【0095】
なお、本実施例では先読み判定コマンドと保留数指示コマンドを別体の構成で説明したが、コマンドとして一体のものでも構わない。その場合は、入賞の度に保留数の指定と先読み判定内容が送信されるようになる。また、先読み演出を行うと決定した際に、第2保留図柄の場合はキャラクタを示す例示を行ったが、先読み演出を行なうと決定したときだけ「?」「1?」「1!」といった可能性を表示する構成でも良い。この場合、先読み演出を行うと決定した場合、第1保留図柄では当否の可能性を示し、第2保留図柄の場合は第1特別図柄の保留か第2特別図柄の保留かの可能性を示すことになる。このようにすることで、第2保留図柄が表示されている期間では、基本的に第1特別図柄の保留か第2特別図柄の保留か分からないまま大当りを迎えることになるのだが、先読み演出を行うと決定した保留だけ可能性を示唆することにより、例えば第2保留図柄の可能性が高い保留(例:「2!」)でリーチが発生すると遊技者の期待度が著しく向上させることができる。
【0096】
また、第1保留記憶か第2保留記憶か、当りかハズレかの可能性を両方示す1つの先読み図柄を表示する構成でもよい。また、第1保留記憶か第2保留記憶かを示す方法として、演出ボタン67、ジョグダイヤル68を用いても良い。例えば、操作の上限回数を設けておき、これはと思った保留図柄に対して演出ボタン67、ジョグダイヤル68を操作することによりいずれの保留記憶であるかの可能性が表示される。先読みの図柄と合わせて搭載すれば、当選の可能性が示唆された保留に対して第1保留記憶か第2保留記憶かの可能性を確認することができ、推測の楽しみを与えることができる。
【0097】
以上のように構成されたパチンコ機50によれば、保留潜伏モードになると、第1特別図柄による保留記憶か第2特別図柄による保留記憶かが識別困難な第2保留図柄により保留数が表示され、これらの間には発生する大当り遊技により得られる遊技球数に差があるので、遊技者はいずれの特別図柄により発生した大当りであるかに興味を抱くことができる。また、保留潜伏モードでは、その保留図柄が第1特別図柄によるものか第2特別図柄によるものかを「?」「1?」「1!」にてその可能性を表示するので、例えば「1!」という、第1特別図柄による保留記憶である可能性が高い第2保留図柄で当ったにも拘らず第2特別図柄であったとか、「1?」が連続して表示されているから第2特別図柄で当る可能性が高いなどと遊技者は期待をすることができる。更に保留潜伏モードで大当りが発生すると、その当りが第1特別図柄の保留によるものか第2特別図柄の保留によるものかを大当り中に遊技者に報知するので、この報知が行なわれるまで、いずれの始動口への入球に起因したものかという期待感や不安感を持続させることができる。また、大当り中は第1保留図柄・第2保留図柄とも演出図柄表示装置6に表示されない(図26参照)ので、大当り前に第1保留図柄が表示されていたとしても、第1保留記憶、第2保留記憶の内のどちらが何個、どんな順番で記憶されていたかを遊技者が大当り中に忘れる可能性が高い。従って大当り遊技の終了後に第2保留図柄に切り換わると、遊技者は第1保留記憶、第2保留記憶のどちらかが分かりにくいという第2保留図柄による遊技興趣を楽しむことができる。
【0098】
なお、本実施例では保留潜伏モードを主制御装置80で決定する構成を示したが、サブ統合制御装置83が変動開始時処理(図21)の一環として行なっても良い。
【0099】
近年の遊技機は、遊技状態は変更しないが、演出上異なるイメージのものを複数用意しておき、抽選や変動回数に応じて表示内容を切り替えることを行なっている。こうすることにより、演出内容を見飽きた状態を防ぐとともに、大量の演出を1つの遊技機で見せることが可能になるのだが、その一環として、サブ統合制御装置83が判断して第2保留図柄が表示される演出(モードともいう)を選択する。
【0100】
先読み演出についても、同じ遊技状態でも先読み演出を行わないモードと行うモードを備えることにより、各モードの機能性の差別化を図ることも考えられ、その場合、先読み演出が行われるモードを複数備え、第1保留図柄で行われるモードと第2保留図柄で行われるモードを備えることが考えられる。このように限られたモード時のみ先読み演出が行われたり、保留図柄が潜伏表示されたりするので、多様な遊技性を遊技者に提供することができる。また、サブ統合制御装置83が判断してモードを切り替えるため、大当りを介する必要がなく(遊技状態の変更を要さない)、任意の出現率でモードを選択させることが可能となる。
【0101】
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。S110の処理が本発明の「第1保留手段」に相当し、S135の処理が本発明の「第2保留手段」に相当し、S290およびS310の処理が本発明の「特別図柄設定手段」に相当し、S335の処理が本発明の「特別図柄変動手段」に相当し、特別遊技処理が本発明の「大当り遊技発生手段」に相当し、S1310およびS1315が本発明の「保留記憶数表示手段」に相当し、S1210,S1255の処理が本発明の「保留図柄切換手段」に相当し、S1325の処理により図25(b)に第2保留図柄として「?」「1?」「1!」を表示している処理が本発明の「始動口示唆手段」に相当し、S1325の処理により図25(a)に第1保留図柄として「☆」付きの「○」や「●」を表示したり、図25(b)にキャラクタを表示したりしている処理が本発明の「当否演出手段」に相当し、S1275の処理により図26(b)、図26(c)に示したような画像を表示している処理が本発明の「有利度示唆手段」に相当し、S640の処理が本発明の「開状態発生手段」に相当し、小当り遊技処理が本発明の「小当り遊技発生手段」に相当する。
[実施例2]
【0102】
本発明の第2実施例について図29〜36を用いて説明する。なお、本実施例は第1実施例と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
まず、第2実施例のパチンコ機50における始動入賞確認処理は、図29のようになっている。第1実施例との主な違いは、第1先読み判定送信処理(S115)を実行した後に行なう保留数指示コマンドの送信を、保留潜伏フラグが1か否かに応じて切り換えている点である。具体的には、第1先読み判定送信処理(S115)を実行した後に保留潜伏フラグが1か否かを判定し(S1350)、否定判断(S1350:no)なら保留数指示コマンド1送信処理1(S1360)を行なってS125に移行し、肯定判断(S1350:yes)なら保留数指示コマンド1送信処理2(S1355)を行なってS125に移行する。
【0103】
保留数指示コマンド1送信処理1(S1360)とは、第1特別図柄にかかる第1保留図柄を、現在の保留記憶の数(第1特別図柄と第2特別図柄のトータル。以下同様)に応じて表示する旨を指示するコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理である。また、保留数指示コマンド1送信処理2(S1355)とは、第1特別図柄にかかる第2保留図柄を、現在の保留記憶の数に応じて表示する旨を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0104】
第2始動口12に関しても同様で、第2先読み判定送信処理(S140)を実行した後に保留潜伏フラグが1か否かを判定し(S1365)、肯定判断(S1365:yes)なら保留数指示コマンド2送信処理2(S1370)を行なって当処理を終了(リターン)し、否定判断(S1365:no)なら保留数指示コマンド2送信処理1(S1375)を行なって当処理を終了する。
【0105】
保留数指示コマンド1送信処理1(S1375)とは、第2特別図柄にかかる第1保留図柄を、現在の保留記憶の数に応じて表示する旨を指示するコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理である。また、保留数指示コマンド1送信処理2(S1370)とは、第2特別図柄にかかる第2保留図柄を、現在の保留記憶の数に応じて表示する旨を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0106】
当否判定処理における保留数指示コマンドの処理も始動入賞確認処理と同様に変化し、図30に示すように特図変動開始コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S335)すると、保留潜伏フラグが1か否かを判定し(S1380)、否定判断(S1380:no)なら保留数指示コマンド送信処理1(S1390)を行なって特別遊技処理に移行し、肯定判断(S1380:yes)なら保留数指示コマンド送信処理2(S1385)を行なって特別遊技処理に移行する。
【0107】
保留数指示コマンド送信処理1(S1390)とは、特別図柄の変動と共に第1保留図柄を更新(具体的には表示する第1保留図柄の内、最も古いものを画面6aから消去して表示位置を第1保留図柄1個分ずらす)する旨を指示するコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理である。また、保留数指示コマンド送信処理2(S1385)とは、特別図柄の変動と共に第2保留図柄を更新(具体的には表示する第2保留図柄の内、最も古いものを画面6aから消去して表示位置を第2保留図柄1個分ずらす)する旨を指示するコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0108】
更に、当否判定処理において確定表示された特別図柄が大当りになる図柄であると判定された場合(S410:yes)には、図31に示すように確変フラグおよび時短フラグを共に0にする(S420,S430)だけでなく、保留潜伏フラグも0にする。具体的には、S1393にて保留潜伏フラグが1か否かを判定し、肯定判断(S1393:yes)ならS1396にて保留潜伏フラグを0にしてからS435に移行する。否定判断(S1393:no)ならそのままS435に移行する。当否判定処理において確定表示された特別図柄が大当りになる図柄ではないと判定された場合(S410:no)は、図32に示すように確変フラグおよび時短フラグを、必要に応じ更新し、状態指定コマンド送信処理(S480)を行なった後、保留潜伏フラグが1か否かを判定し(S1400)、肯定判断(S1400:yes)なら更にS1405にて保留潜伏回数が0か否かを判定し、これも肯定された場合(S1405:yes)には保留潜伏フラグを0にし(S1410)、第1保留図柄表示信号をサブ統合制御装置83に送信(S1415)して、図31のS485に移行する。第1保留図柄表示信号送信処理(S1415)とは、確定図柄の表示時間の終了(図柄変動の終了)に起因して保留潜伏回数がゼロになった場合に、保留図柄を第1保留図柄に切り換える旨のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。保留潜伏フラグが1ではないと判定された場合(S1400:yes)または保留潜伏回数が0ではないと判定された場合(S1405:yes)は、そのままS485に移行する。
【0109】
第2実施例の特別遊技処理は図33のようになる。すなわち、確変設定フラグの値および時短設定フラグの値に応じて適宜、確変フラグおよび時短フラグを更新(S625,S640)等を行なった後、保留潜伏設定フラグが1か否かを判定する(S1450)。肯定判断(S1450:yes)なら保留潜伏回数設定処理(S1455)を行ない、保留潜伏フラグを1にし(S1460)、第2保留図柄表示信号送信処理(S1463)を実行してからS645に移行する。第2保留図柄表示信号送信処理(S1463)とは、大当り発生時の保留記憶に、大当り中に発生した始動入賞を適宜反映させた保留記憶を、第2保留図柄を用いて表示する旨のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。S1450で保留潜伏設定フラグが1ではないと判定された場合(S1450:no)は、第1保留図柄表示信号送信処理(S1465)を実行してからS645に移行する。第1保留図柄表示信号送信処理(S1465)とは、大当り発生時の保留記憶に、大当り中に発生した始動入賞を適宜反映させた保留記憶を、第1保留図柄を用いて表示する旨のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0110】
第2実施例の特典内容設定処理は図34のようになる。第1実施例との違いは、確変を付与しないと判定された場合(S1010)に、時短回数として100を設定(S1050)した後に保留潜伏設定フラグを1にし(S1500)、保留潜伏回数を50に設定(S1505)してから特典内容設定処理を終了(リターン)する点である。
【0111】
第2実施例の小当り設定処理は図35のようになる。第1実施例の小当り設定処理との違いは、必要に応じ時短回数をデクリメントした後(S935)、時短フラグの値に応じ、保留潜伏フラグが1か否かを判定(S1550)する点である。肯定判断(S1550:yes)なら保留潜伏回数をデクリメントし(S1555)、小当り設定処理を終了(リターン)する。否定判断(S1550:no)ならそのまま小当り設定処理を終了する。
【0112】
第2実施例のハズレ設定処理は図36のようになる。第1実施例との違いは、小当り設定処理と同様であり、必要に応じ時短回数をデクリメントした後(S965)、時短フラグの値に応じ、保留潜伏フラグが1か否かを判定(S1600)する点である。肯定判断(S1600:yes)なら保留潜伏回数をデクリメントし(S1605)、ハズレ設定処理を終了(リターン)する。否定判断(S1600:no)ならそのままハズレ設定処理を終了する。
【0113】
以上のように構成された遊技機によれば、第1保留図柄を用いた表示(図25(a)参照)にするか、第2保留図柄を用いた表示(図25(b)参照)にするかを、主制御装置80の処理により決定している。このような構成にしても第1実施例と同様の効果を有するパチンコ機50を構成することができる。
[実施例3]
【0114】
本発明の第3実施例について図37,38を用いて説明する。本実施例も実施例1と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
第3実施例では、図37に示すような小当り終了時処理をサブ統合制御装置83にて実行する。当処理は主制御装置80から小当り終了コマンドを受信すると起動する。小当り終了コマンドは、小当り遊技処理のS800にて送信されるものである(図15参照)。当処理が起動すると(S1700:yes)、小当り演出終了処理(S1705)を実行し、モード設定表示処理(S1710)を行なった後、設定モードが保留潜伏モードか否かを判定する(S1715)。ここで、小当りが発生した場合に保留潜伏モードが設定される場合とは、図38に示すように時短機能が作動している状態で小当りが発生した場合である。図38(a)に示す第1特別図柄、図38(b)に示す第2特別図柄とも、時短作動中に小当りが発生すると保留潜伏モードに移行する。肯定判断(S1715:yes)なら保留潜伏フラグを1にし(S1720)、第2保留図柄を表示する設定にし(S1725)、保留潜伏カウンタに50をセットして(S1730)、当処理を終了(リターン)する。否定判断(S1715:no)なら、第2保留図柄を表示する設定にし(S1735)、当処理を終了する。
【0115】
第1実施例および第2実施例では、小当りが発生しても、第1保留図柄を用いた表示となるか、第2保留図柄を用いた表示となるかには影響がなかった。これに対し第3実施例では、時短作動時に小当りが発生しても保留潜伏モードに移行し、第2保留図柄を用いた表示となる。
以上のように構成されたパチンコ機50によれば、遊技者は小当りが来たときも保留図柄が切り換わる可能性を抱くことができるので、大当りがなかなか来なくても遊技者に楽しみを与えることができる。なお、時短作動時に図柄3で大当りが発生した場合にも保留潜伏モードになるので(図38参照)、保留潜伏モードを用いた潜伏状態(確変状態か否かを遊技者が判別しにくい状態)も楽しむことができる。
[他の実施例]
【0116】
前記いずれの実施例においても第2保留図柄から第1保留図柄に切り換える際に、保留潜伏カウンタを用いていたが、保留潜伏カウンタを用いずに、開放延長状態の終了のみをもって第1保留図柄に切り換えてもよい。それ以外に、第2保留図柄に切り換えてから所定時間が経過したら第1保留図柄に戻しても良い。その他、保留記憶の個数がゼロになることを契機にしたり、切り換えるか否かの抽選を行なって切り換えても良い。切り換えるか否かの抽選としては、保留図柄の切換専用の抽選を行なってもよいし、所定のハズレ図柄が演出図柄表示装置6や特別図柄表示装置9、10に表示されたら切り換えるようにしてもよいし、所定の変動パターンが選択されたら切り換えるようにしてもよい。更に、これらと演出ボタン67の操作を組合せ、前記条件のいずれかが成立した上で、更に遊技者が特定のタイミングで演出ボタン67を操作すると、保留図柄が切り換わる構成としてもよい。
【0117】
また、何れの実施例においても、第2保留図柄に切り換わるタイミングは新たな保留記憶が発生した際(S120.S145)、および図柄が変動されたとき(S340)であったが、いずれか一方のみでも良い。また表示演出として複数のモードを備え、その所定のモードに変更された時に保留図柄が切り換わる構成としてもよい。
大当たり中
【符号の説明】
【0118】
1:遊技盤
6:演出図柄表示装置
6a:画面
11:第1始動口
11a:第1始動口スイッチ
12:第2始動口
12a:第2始動口スイッチ
14:大入賞口
17a:普通図柄作動スイッチ
18:第1特別図柄保留数表示装置
19:第2特別図柄保留数表示装置
50:パチンコ機
80:主制御装置
82:演出図柄制御装置
83:サブ統合制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に第1始動口および第2始動口を備え、
前記第1始動口への入球に起因して発生された乱数値を複数記憶可能な第1保留手段と、
前記第2始動口への入球に起因して発生された乱数値を複数記憶可能な第2保留手段と、
前記各乱数値に基づいて、変動表示の後に確定表示する特別図柄を設定する特別図柄設定手段と、
前記第1保留手段および前記第2保留手段に記憶されている乱数値を発生順に参照し、該各乱数値に基づいて前記特別図柄を前記変動表示させる特別図柄変動手段と、
該特別図柄変動手段による変動表示の後に確定表示された特別図柄が、予め当りと設定された特別図柄であった場合に大当り遊技を発生させるものであって、前記第1始動口への入球に起因して発生される大当り遊技は、前記第2始動口への入球に起因して発生される大当り遊技と比較して、遊技者にとって有利さが劣る大当り遊技を発生させる大当り遊技発生手段と、
前記特別図柄の疑似図柄を表示するための演出図柄表示装置と、
前記各保留手段に記憶されている個数を、前記演出図柄表示装置に出力する保留記憶数表示手段と
を備えた遊技機において、
前記保留記憶数表示手段は、前記各保留手段に記憶されている個数を、前記第1保留手段および前記第2保留手段の何れに記憶されているものかを識別可能に前記演出図柄表示装置に出力するための第1保留図柄と、前記第1保留手段および前記第2保留手段の何れに記憶されているものかを識別不能に前記演出図柄表示装置に出力するための第2保留図柄のいずれかを前記演出図柄表示装置に出力するものであり、
前記保留記憶数表示手段が前記演出図柄表示装置に、前記第1保留図柄、前記第2保留図柄のいずれを表示するかを切り換える保留図柄切換手段と、
前記始動口入賞に起因して発生された前記乱数値に基づき、該乱数値に対応して前記表示された前記第1保留図柄または前記第2保留図柄を用い、該乱数値の当否を示唆する先読み演出を行なう当否演出手段と、
前記保留図柄切換手段によって前記第2保留図柄が前記演出図柄表示装置に表示される際に、該第2保留図柄が前記第1保留手段の記憶に対応するものか、前記第2保留手段の記憶に対応するものかを示唆する始動口示唆手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記始動口示唆手段による前記示唆が行なわれている際に前記大当り遊技発生手段が、大当り遊技を発生させると、該大当り遊技中の演出として、該大当り遊技が前記第1始動口への入球に起因したものか、前記第2始動口への入球に起因したものかを示唆する演出を行なう有利度示唆手段
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技機において、
前記第1始動口が、常に入球が可能なものであり、
前記第2始動口が、前記第1始動口よりも入球が容易な開状態および前記第1始動口よりも入球が困難な閉状態に変化可能なものであり、
前記大当り遊技発生手段によって発生された前記大当り遊技の終了後に、前記特別図柄が予め定められた回数、変動表示されるまで、前記第2始動口が開状態となる期間を延長する開状態発生手段
を備え、
前記保留図柄切換手段が前記演出図柄表示装置に表示する保留図柄を前記第2保留図柄に切り換えるのは、前記開状態発生手段により前記第2始動口が開状態となる期間を延長された場合であり、前記保留記憶数表示手段が、前記開状態発生手段による前記期間の延長が解除されると、表示する保留図柄を前記第1保留図柄に切り換えることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機において、
前記遊技域に設けられた大入賞口と、
該特別図柄変動手段による変動表示の後に確定表示された特別図柄が、前記当りと設定された特別図柄とは異なる小当り図柄であった場合に、前記大入賞口を開放させて小当り遊技を発生させる小当り遊技発生手段と、
を備え、
前記大当り遊技発生手段は、前記大入賞口の開放パターンが異なる複数種類の大当り遊技の中から抽選によりいずれかの大当り遊技を発生させるものであり、且つ該複数の開放パターンの中には前記小当り遊技の開放パターンと同じものが存在し、
前記保留図柄切換手段は、前記小当り遊技発生手段により前記小当り遊技が発生されたこと、および前記大当り遊技発生手段により前記小当り遊技と同じ開放パターンの大当り遊技が発生されたことを契機として前記保留図柄を切り換えるものであることを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項3に記載の遊技機において、
前記遊技域に設けられた大入賞口と、
該特別図柄変動手段による変動表示の後に確定表示された特別図柄が、前記当りと設定された特別図柄とは異なる小当り図柄であった場合に、前記大入賞口を開放させて小当り遊技を発生させる小当り遊技発生手段と、
を備え、
前記大当り遊技発生手段は、前記大入賞口の開放パターンが異なる複数種類の大当り遊技の中から抽選によりいずれかの大当り遊技を発生させるものであり、且つ該複数の開放パターンの中には前記小当り遊技の開放パターンと同じものが存在し、
前記開状態発生手段は、前記小当り遊技と開放パターンが同じ大当り遊技である開放パターン共通遊技の終了後に、前記第2始動口が開状態となる期間を延長する場合があるものであり、
前記保留図柄切換手段は、前記小当り遊技の後の状態が前記第2始動口が開状態となる期間が延長された状態である場合、および前記開放パターン共通遊技の終了後に前記開状態発生手段が作動する場合に、表示する保留図柄を前記第2保留図柄に切り換えるものであることを特徴とする遊技機。
【請求項1】
遊技領域に第1始動口および第2始動口を備え、
前記第1始動口への入球に起因して発生された乱数値を複数記憶可能な第1保留手段と、
前記第2始動口への入球に起因して発生された乱数値を複数記憶可能な第2保留手段と、
前記各乱数値に基づいて、変動表示の後に確定表示する特別図柄を設定する特別図柄設定手段と、
前記第1保留手段および前記第2保留手段に記憶されている乱数値を発生順に参照し、該各乱数値に基づいて前記特別図柄を前記変動表示させる特別図柄変動手段と、
該特別図柄変動手段による変動表示の後に確定表示された特別図柄が、予め当りと設定された特別図柄であった場合に大当り遊技を発生させるものであって、前記第1始動口への入球に起因して発生される大当り遊技は、前記第2始動口への入球に起因して発生される大当り遊技と比較して、遊技者にとって有利さが劣る大当り遊技を発生させる大当り遊技発生手段と、
前記特別図柄の疑似図柄を表示するための演出図柄表示装置と、
前記各保留手段に記憶されている個数を、前記演出図柄表示装置に出力する保留記憶数表示手段と
を備えた遊技機において、
前記保留記憶数表示手段は、前記各保留手段に記憶されている個数を、前記第1保留手段および前記第2保留手段の何れに記憶されているものかを識別可能に前記演出図柄表示装置に出力するための第1保留図柄と、前記第1保留手段および前記第2保留手段の何れに記憶されているものかを識別不能に前記演出図柄表示装置に出力するための第2保留図柄のいずれかを前記演出図柄表示装置に出力するものであり、
前記保留記憶数表示手段が前記演出図柄表示装置に、前記第1保留図柄、前記第2保留図柄のいずれを表示するかを切り換える保留図柄切換手段と、
前記始動口入賞に起因して発生された前記乱数値に基づき、該乱数値に対応して前記表示された前記第1保留図柄または前記第2保留図柄を用い、該乱数値の当否を示唆する先読み演出を行なう当否演出手段と、
前記保留図柄切換手段によって前記第2保留図柄が前記演出図柄表示装置に表示される際に、該第2保留図柄が前記第1保留手段の記憶に対応するものか、前記第2保留手段の記憶に対応するものかを示唆する始動口示唆手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記始動口示唆手段による前記示唆が行なわれている際に前記大当り遊技発生手段が、大当り遊技を発生させると、該大当り遊技中の演出として、該大当り遊技が前記第1始動口への入球に起因したものか、前記第2始動口への入球に起因したものかを示唆する演出を行なう有利度示唆手段
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技機において、
前記第1始動口が、常に入球が可能なものであり、
前記第2始動口が、前記第1始動口よりも入球が容易な開状態および前記第1始動口よりも入球が困難な閉状態に変化可能なものであり、
前記大当り遊技発生手段によって発生された前記大当り遊技の終了後に、前記特別図柄が予め定められた回数、変動表示されるまで、前記第2始動口が開状態となる期間を延長する開状態発生手段
を備え、
前記保留図柄切換手段が前記演出図柄表示装置に表示する保留図柄を前記第2保留図柄に切り換えるのは、前記開状態発生手段により前記第2始動口が開状態となる期間を延長された場合であり、前記保留記憶数表示手段が、前記開状態発生手段による前記期間の延長が解除されると、表示する保留図柄を前記第1保留図柄に切り換えることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機において、
前記遊技域に設けられた大入賞口と、
該特別図柄変動手段による変動表示の後に確定表示された特別図柄が、前記当りと設定された特別図柄とは異なる小当り図柄であった場合に、前記大入賞口を開放させて小当り遊技を発生させる小当り遊技発生手段と、
を備え、
前記大当り遊技発生手段は、前記大入賞口の開放パターンが異なる複数種類の大当り遊技の中から抽選によりいずれかの大当り遊技を発生させるものであり、且つ該複数の開放パターンの中には前記小当り遊技の開放パターンと同じものが存在し、
前記保留図柄切換手段は、前記小当り遊技発生手段により前記小当り遊技が発生されたこと、および前記大当り遊技発生手段により前記小当り遊技と同じ開放パターンの大当り遊技が発生されたことを契機として前記保留図柄を切り換えるものであることを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項3に記載の遊技機において、
前記遊技域に設けられた大入賞口と、
該特別図柄変動手段による変動表示の後に確定表示された特別図柄が、前記当りと設定された特別図柄とは異なる小当り図柄であった場合に、前記大入賞口を開放させて小当り遊技を発生させる小当り遊技発生手段と、
を備え、
前記大当り遊技発生手段は、前記大入賞口の開放パターンが異なる複数種類の大当り遊技の中から抽選によりいずれかの大当り遊技を発生させるものであり、且つ該複数の開放パターンの中には前記小当り遊技の開放パターンと同じものが存在し、
前記開状態発生手段は、前記小当り遊技と開放パターンが同じ大当り遊技である開放パターン共通遊技の終了後に、前記第2始動口が開状態となる期間を延長する場合があるものであり、
前記保留図柄切換手段は、前記小当り遊技の後の状態が前記第2始動口が開状態となる期間が延長された状態である場合、および前記開放パターン共通遊技の終了後に前記開状態発生手段が作動する場合に、表示する保留図柄を前記第2保留図柄に切り換えるものであることを特徴とする遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公開番号】特開2012−115552(P2012−115552A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269270(P2010−269270)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(395018239)株式会社高尾 (550)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(395018239)株式会社高尾 (550)
【Fターム(参考)】
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