説明

遊技機

【課題】 演出装置による演出を多様化する。
【解決手段】 本発明に係る遊技機1は、複数の入賞口201,220と、複数の入賞口210,220のそれぞれに入賞した遊技球を用いた演出を行うことが可能な演出装置600と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を用いた演出を行うことが可能な演出装置を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、始動入賞口に入賞した遊技球を保持部に保持して、この遊技球を用いた演出を行う演出装置を備える遊技機が知られている(特許文献1参照)。
この遊技機では、演出装置は、始動入賞口に入賞した遊技球を保持し、保持した遊技球を大当り抽選の結果に対応する位置に誘導する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−38789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技機では、演出装置による演出が単調となる恐れがある。
すなわち、従来の遊技機では、演出装置が一の始動入賞口に入賞した遊技球を用いた演出を行う構成となっているため、演出装置による演出が単調となる恐れがある。
本発明の課題は、演出装置による演出を多様化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第一の発明に係る遊技機は、複数の入賞口と、前記複数の入賞口のそれぞれに入賞した遊技球を用いた演出を行うことが可能な演出装置と、を備えることを特徴とする。
第一の発明に係る遊技機では、演出装置により、複数の入賞口のそれぞれに入賞した遊技球を用いた演出を行うことができる。
したがって、第一の発明に係る遊技機によれば、演出装置による演出を多様化することが可能となる。
ここで、複数の入賞口としては、例えば、後述する第一始動入賞口210及び第二始動入賞口220が該当する。演出装置としては、例えば、後述する演出装置600が該当する。
【0006】
また、第二の発明に係る遊技機は、第一の発明に係る遊技機において、前記演出装置は、前記複数の入賞口のそれぞれに入賞した遊技球を遊技者による視認が可能な状態で保持する保持部を有することを特徴とする。
第二の発明に係る遊技機では、複数の入賞口のそれぞれに入賞した遊技球が、遊技者による視認が可能な状態で保持されて演出が行われるため、遊技の興趣を向上することが可能となる。
ここで、保持部としては、例えば、後述する保持部678が該当する。
【0007】
また、第三の発明に係る遊技機は、第二の発明に係る遊技機において、前記演出装置は、回転軸による回転動作を行うことが可能な可動部を有し、前記保持部は、前記可動部に設けられていることを特徴とする。
第三の発明に係る遊技機では、可動部を回転動作させることによって、保持部に保持されている遊技球の位置を変化させることができる。
したがって、第三の発明に係る遊技機によれば、演出装置による演出をさらに多様化することが可能となる。
ここで、可動部としては、例えば、後述する可動部材670が該当する。
【0008】
また、第四の発明に係る遊技機は、第三の発明に係る遊技機において、前記可動部は、前記複数の入賞口のそれぞれに入賞した遊技球を前記保持部に誘導する誘導路を有し、前記誘導路は、前記複数の入賞口のそれぞれに入賞した遊技球を受け入れるための受入部を有し、前記受入部は、前記回転軸の延長線上に位置することを特徴とする。
第四の発明に係る遊技機では、受入部が可動部の回転軸の延長線上に配置されているため、可動部が可動しているか否かに関らず、また、可動部の位置に関らず、遊技球を誘導路に受け入れることができる。
【0009】
したがって、第四の発明に係る遊技機によれば、演出装置による演出をさらに多様化することが可能となる。
ここで、誘導路としては、例えば、後述する遊技球誘導路677が該当する。受入部としては、例えば、後述する受入部677aが該当する。回転軸としては、例えば、後述する回転軸664が該当する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、演出装置による演出を多様化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】遊技盤面の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
【図2】可動部材が初期位置に配置されている演出装置の正面図である。
【図3】図2に示す演出装置の平面図である。
【図4】図2に示すA−A線に沿う断面図である。
【図5】可動部材が第一排出位置に配置されている演出装置の正面図である。
【図6】図5に示すB−B線に沿う断面図である。
【図7】可動部材が第二排出位置に配置されている演出装置の正面図である。
【図8】図7に示すC−C線に沿う断面図である。
【図9】可動部材の斜視図である。
【図10】可動部材の平面図である。
【図11】可動部材の側面図である。
【図12】振分可動片が第一状態を形成している可動部材の正面図である。
【図13】図12に示すD−D線に沿う断面図である。
【図14】振分可動片が第二状態を形成している可動部材の正面図である。
【図15】図14に示すE−E線に沿う断面図である。
【図16】パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
【図17】特別図柄抽選処理を示すフローチャートである。
【図18】当たり判定処理を示すフローチャートである。
【図19】演出制御処理を示すフローチャートである。
【図20】始動入賞検出コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図21】特別図柄変動表示開始コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図22】検出信号受信処理を示すフローチャートである。
【図23】特別図柄変動表示終了コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、本発明に係る遊技機を、パチンコ機1に適用している。
(遊技盤面の構成)
まず、パチンコ機1における遊技盤面10の構成を説明する。
図1は、遊技盤面の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
図1に示すように、遊技盤面10には、遊技球の発射路20を構成する外レール21及び内レール22が設けられている。遊技盤面10では、外レール21及び内レール22によって囲まれた円形状の領域が、遊技球を転動させる遊技領域30となっている。
【0013】
遊技領域30の中央部には、役物装置100が配設されている。役物装置100の内側には、中央転動経路31が構成されている。また、遊技領域30では、役物装置100の左側に左側転動経路32が構成され、役物装置100の右側に右側転動経路33が構成されている。
役物装置100は、外周壁101と、外周壁101の内側に構成された中央転動経路31と、遊技球を中央転動経路31へ流入させる流入口102と、中央転動経路31を通過した遊技球を排出する排出口103と、を有している。
【0014】
流入口102は、左上方に向かって開口しており、常時、遊技球の流入が可能な状態を形成している。排出口103は、下方に向かって開口しており、常時、遊技球の排出が可能な状態を形成している。
役物装置100では、流入口102以外の部分からは、遊技球が中央転動経路31に流入することはない。また、役物装置100では、排出口103以外の部分からは、遊技球が排出されることはない。
中央転動経路31には、遊技球を搬送することが可能な2つの回転部材111,112と、遊技球を滞留させることが可能なステージ113と、排出口103における遊技球の排出位置を左右方向(図1に示す左右方向)に変化させることが可能な振分部材114と、が配設されている。
【0015】
そして、役物装置100では、流入口102から流入した遊技球は、回転部材111によって搬送され、ステージ113において不規則に転動し、さらに、回転部材112によって搬送された後、排出口103における振分部材114により誘導された排出位置から排出される。
役物装置100の下方には、第一始動入賞口210が配設されている。本実施形態では、第一始動入賞口210は、後述する演出装置600に設けられている。第一始動入賞口210は、上向きに開口した入賞口(いわゆるヘソ)であり、常時、遊技球の入賞が可能な状態を形成している。
【0016】
第一始動入賞口210に入賞した遊技球は、後述する第一始動入賞球誘導路N1に誘導される。第一始動入賞球誘導路N1には、第一始動入賞口スイッチ310a(図16参照)が配設されている。第一始動入賞口スイッチ310aは、第一始動入賞球誘導路N1を通過する遊技球を検出(第一始動入賞口210への遊技球の入賞を検出)する。そして、第一始動入賞口スイッチ310aは、遊技球の検出に応じて、検出信号を主制御装置400(図16参照)に対して出力する。主制御装置400は、第一始動入賞口スイッチ310aから検出信号が入力されたことに応じて、特別図柄抽選を実行する。また、主制御装置400は、第一始動入賞口スイッチ310aから検出信号が入力されたことに応じて、賞球を払い出すための処理を実行する。
【0017】
右側転動経路33における役物装置100の右方には、始動ゲート230が設けられている。始動ゲート230は、常時、遊技球の通過が可能な状態を形成している。始動ゲート230の内部には、始動ゲートスイッチ311(図16参照)が配設されている。始動ゲートスイッチ311は、始動ゲート230を通過した遊技球を検出する。そして、始動ゲートスイッチ311は、遊技球の検出に応じて、検出信号を主制御装置400に対して出力する。主制御装置400は、始動ゲートスイッチ311から検出信号が入力されたことに応じて、普通図柄抽選を実行する。
【0018】
右側転動経路33における始動ゲート230の下方には、第二始動入賞口220が配設されている。第二始動入賞口220は、開閉部材221を有する可変入賞口となっている。開閉部材221は、始動入賞口ソレノイド320(図16参照)によって開閉される。
第二始動入賞口220は、通常時は、開閉部材221が閉止状態とされることにより、遊技球の入賞が不可能な状態を形成する。そして、第二始動入賞口220は、普通図柄抽選に当選した場合に、開閉部材221が所定パターンで開放状態されることにより、遊技球の入賞が可能な状態を形成する。
【0019】
第二始動入賞口220に入賞した遊技球は、後述する第二始動入賞球誘導路N2に誘導される。第二始動入賞球誘導路N2には、第二始動入賞口スイッチ310b(図16参照)が配設されている。第二始動入賞口スイッチ310bは、第二始動入賞球誘導路N2を通過する遊技球を検出(第二始動入賞口220への遊技球の入賞を検出)する。そして、第二始動入賞口スイッチ310bは、遊技球の検出に応じて、検出信号を主制御装置400に対して出力する。主制御装置400は、第二始動入賞口スイッチ310bから検出信号が入力されたことに応じて、特別図柄抽選を実行する。また、主制御装置400は、第二始動入賞口スイッチ310bから検出信号が入力されたことに応じて、賞球を払い出すための処理を実行する。
【0020】
右側転動経路33における第二始動入賞口220の下方には、大入賞口240が配設されている。大入賞口240は、開閉部材241を有する可変入賞口となっている。開閉部材241は、大入賞口ソレノイド321(図16参照)によって開閉される。
大入賞口240は、通常時は、開閉部材241が閉止状態とされることにより、遊技球の入賞が不可能な状態を形成する。そして、大入賞口240は、特別図柄抽選に当選して特賞状態が生起された場合に、開閉部材241が所定パターンで開放状態とされることにより、遊技球の入賞が可能な状態を形成する。
【0021】
大入賞口240の内側には、大入賞口スイッチ313(図16参照)が配設されている。大入賞口スイッチ313は、大入賞口240に入賞した遊技球を検出する。そして、大入賞口スイッチ313は、遊技球の検出に応じて、検出信号を主制御装置400に対して出力する。主制御装置400は、大入賞口スイッチ313から検出信号が入力されたことに応じて、賞球を払い出すための処理を実行する。
【0022】
役物装置100の下方には、演出装置600が配設されている。演出装置600は、第一始動入賞口210及び第二始動入賞口220のそれぞれに入賞した遊技球を用いた演出を行うことが可能となっている。演出装置600の構成については、後述する。
演出装置600の左方には、左中一般入賞口250a及び左下一般入賞口250bが配設されている。また、演出装置600の右方には、右中一般入賞口260a及び右下一般入賞口260bが配設されている。各一般入賞口250a,250b,260a,260bは、上向きに開口した入賞口であり、常時、遊技球が入賞可能な状態を形成している。
【0023】
パチンコ機1には、左一般入賞口スイッチ314(図16参照)及び右一般入賞口スイッチ315(図16参照)が配設されている。左一般入賞口スイッチ314は、左中一般入賞口250a及び左下一般入賞口250bのそれぞれに入賞した遊技球を検出する。右一般入賞口スイッチ315は、右中一般入賞口260a及び右下一般入賞口260bのそれぞれに入賞した遊技球を検出する。そして、各一般入賞口スイッチ314,315は、遊技球の検出に応じて、検出信号を主制御装置400に対して出力する。主制御装置400は、各一般入賞口スイッチ314,315から検出信号が入力されたことに応じて、賞球を払い出すための処理を実行する。
【0024】
演出装置600の下方であって遊技領域30の最下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口270が設けられている。
役物装置100の左方には、パチンコ機1の遊技状態を表示する遊技状態表示装置280が配設されている。遊技状態表示装置280は、LEDランプ、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成される。遊技状態表示装置280は、特別図柄表示部281と、普通図柄表示部282と、を有している。
【0025】
特別図柄表示部281は、数字や図柄等からなる特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。特別図柄表示部281では、特別図柄抽選が実行された場合に、特別図柄の変動表示が行われ、その後、当該特別図柄抽選の結果に応じた態様による特別図柄の停止表示が行われる。
普通図柄表示部282は、数字や図柄等からなる普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。普通図柄表示部282では、普通図柄抽選が実行された場合に、普通図柄の変動表示が行われ、その後、当該普通図柄抽選の結果に応じた態様による普通図柄の停止表示が行われる。
【0026】
また、遊技状態表示装置280には、特賞状態が生起されていること、当該特賞状態のラウンド数等が表示される。
パチンコ機1には、遊技者による操作に応じて、遊技球を発射することが可能な発射装置(図示せず)が配設されている。そして、発射装置によって発射された遊技球は、発射路20を介して、遊技領域30に打ち出される。
遊技領域30に打ち出された遊技球は、中央転動経路31、左側転動経路32及び右側転動経路33のうちいずれかの転動経路を、下方に向かって転動する。
【0027】
ここで、第一始動入賞口210は、遊技領域30に打ち出された遊技球のうち、役物装置100の内側に構成された中央転動経路31を通過した遊技球のみが入賞することが可能となるように配設されている。また、第二入賞口220、始動ゲート230及び大入賞口240は、それぞれ、遊技領域30に打ち出された遊技球のうち、右側転動経路33を通過した遊技球のみが入賞又は通過することが可能となるように配設されている。
なお、遊技領域30には、第一始動入賞口210、第二始動入賞口220、始動ゲート230、大入賞口240等に向かって遊技球を導くように、複数の釘nが配設されている。
【0028】
(演出装置の構成)
次に、演出装置600の構成を説明する。
図2は、可動部材が初期位置に配置されている演出装置の正面図である。図3は、図2に示す演出装置の平面図である。図4は、図2に示すA−A線に沿う断面図である。図5は、可動部材が第一排出位置に配置されている演出装置の正面図である。図6は、図5に示すB−B線に沿う断面図である。図7は、可動部材が第二排出位置に配置されている演出装置の正面図である。図8は、図7に示すC−C線に沿う断面図である。
【0029】
図9は、可動部材の斜視図である。図10は、可動部材の平面図である。図11は、可動部材の側面図である。図12は、振分可動片が第一状態を形成している可動部材の正面図である。図13は、図12に示すD−D線に沿う断面図である。図14は、振分可動片が第二状態を形成している可動部材の正面図である。図15は、図14に示すE−E線に沿う断面図である。
【0030】
図2から図8に示すように、演出装置600は、入賞球誘導路形成ユニット610と、演出可動ユニット650と、を備えている。
図3、図4、図6及び図8に示すように、入賞球誘導路形成ユニット610は、装飾板620と、装飾板620の左右方向の中央部に取り付けられたカバー部材630と、カバー部材630の背面側に取り付けられた誘導路形成部材640と、を備えている。
【0031】
装飾板620は、平板状に形成されている。装飾板620の正面には、左中一般入賞口250a、左下一般入賞口250b、右中一般入賞口260a及び右下一般入賞口260bが設けられている。装飾板620の上部には、前後方向(図3に示す上下方向)に沿って延びる遊技球誘導路621が設けられている。遊技球誘導路621は、背面側に向かって傾斜している。
【0032】
カバー部材630は、第一カバー板631と、第一カバー板631の背面側に配設された第二カバー板632と、を有している。第一カバー板631及び第二カバー板632は、略並行となるように配設されている。また、第一カバー板631及び第二カバー板632は、透明な材料により形成されている。これにより、演出装置600では、第一カバー板631及び第二カバー板632を介して、後述する可動部材670を視認することが可能となっている。また、演出装置600では、第一カバー板631及び第二カバー板632を介して、後述する可動部材670の保持部678に保持された遊技球を視認することが可能となっている。
【0033】
第一カバー板631は、装飾板620の正面側に膨出するように形成されている。第一カバー板631の上部には、第一始動入賞口210が設けられている。また、第一カバー板631における第一始動入賞口210の左方には、はずれ表示部631aが設けられている。はずれ表示部631aは、「はずれ」の文字を点灯させることが可能に構成されている。また、第一カバー板631における第一始動入賞口210の右方には、当たり表示部631bが設けられている。当たり表示部631bは、「当たり」の文字を点灯させることが可能に構成されている。
【0034】
第一カバー板631と第二カバー板632との間には、第一区画壁633a及び第二区画壁633bが設けられている。第一区画壁633a及び第二区画壁633bは、それぞれ、第一カバー板631と第二カバー板632との間に形成された空間のうち所定領域を区画するように設けられている。そして、第一区画壁633aにより区画された領域(第一区画壁633aの内側の領域)が、第一排出路634aを構成している。また、第二区画壁633bにより区画された領域(第二区画壁633bの内側の領域)が、第二排出路634bを構成している。第一排出路634a及び第二排出路634bは、それぞれ、遊技球を左右方向の外側に向かって誘導した後、該遊技球を演出装置600の下方に排出する。
【0035】
第二カバー板632における第一区画壁633aの内側の位置には、第二カバー板632の背面側から第一排出路634aへ遊技球を流入させることが可能な第一流入孔635aが設けられている。また、第二カバー板632における第二区画壁633bの内側の位置には、第二カバー板632の背面側から第二排出路634bへ遊技球を流入させることが可能な第二流入孔635bが設けられている。
第二カバー板632の背面における第一流入孔635aと第二流入孔635bとの間の位置には、ストッパー636が設けられている。ストッパー636は、背面側に向かって立上る板状体により構成されている。
【0036】
誘導路形成部材640の上面には、前後方向に沿って延びる遊技球誘導路641が設けられている。遊技球誘導路641には、第一始動入賞口スイッチ310aが配設されている。また、図3に示すように、誘導路形成部材640の上面には、左右方向(図3に示す左右方向)沿って延びる遊技球誘導路642が設けられている。さらに、誘導路形成部材640の内部には、上下方向(図4に示す上下方向)に沿って延びる遊技球誘導路643が設けられている。
【0037】
遊技球誘導路641及び遊技球誘導路642は、それぞれ、遊技球誘導路643側に向かって傾斜している。そして、遊技球誘導路643は、遊技球誘導路641を通過してきた遊技球及び遊技球誘導路642を通過してきた遊技球を流入させるように設けられている。また、遊技球誘導路643は、可動部材の後述する回転軸664の延長線上(回転軸664の上端の上方)に設けられ、該延長線に沿って延びている。
【0038】
演出装置600では、装飾板620に設けられた遊技球誘導路621及び誘導路形成部材640に設けられた遊技球誘導路641によって、第一始動入賞球誘導路N1が形成されている。また、誘導路形成部材640に設けられた遊技球誘導路642が、第二始動入賞球誘導路N2の一部を形成する。ここで、第二始動入賞球誘導路N2における遊技球誘導路642を除く部分(第二始動入賞口220から遊技球誘導路642までの部分)については、図示を省略する。
【0039】
図3、図4、図6及び図8に示すように、演出可動ユニット650は、台座660と、台座660に対して回転することが可能に取り付けられた可動部材670と、を備えている。
台座660は、装飾板620の背面に取り付けられている。台座660は、板状体を折り曲げることによって形成されている。台座660は、水平方向に広がる第一設置面661と、第一設置面661の背面側の端部から上方に向かって延びる規制面662と、規制面662の上端部から背面側に向かって延びる第二設置面663と、を有している。
【0040】
第一設置面661には、可動部材670が取り付けられる回転軸664が設けられている。回転軸664は、上下方向に沿って延びている。第二設置面663には、可動部材670を駆動するモータ550が配設されている。本実施形態では、モータ550として、ステッピングモータが用いられている。モータ550の回転軸550aは、上下方向に沿って延びている。回転軸550aには、モータギア550bが取り付けられている。
【0041】
図9から図15に示すように、可動部材670は、回転板671と、回転板671に取り付けられた誘導路形成部材672、装飾部材673及び振分可動片674と、を備えている。また、可動部材670には、第一排出球検出スイッチ316a、第二排出球検出スイッチ316b及び可動片ソレノイド560が取り付けられている。
回転板671には、回転軸664が挿通される軸受け孔671aが設けられている。軸受け孔671aは、上下方向に沿って延びている。回転板671の背面における左右方向の中央部には、モータギア550bに嵌合するドライブギア671bが設けられている。また、回転板671の背面におけるドライブギア671bの両側方のそれぞれには、規制面675a,675bが形成されている。
【0042】
回転板671の内部には、遊技球を演出部材600の下方に排出する第三排出路676が設けられている。なお、台座660の第一設置面661には、第三排出路676から排出された遊技球を下方に排出するための排出孔(図示せず)が設けられている。第三排出路676は、振分可動片674の背面側に設けられている。
第三排出路676には、第一排出球検出スイッチ316aが配設されている。第一排出球検出スイッチ316aは、第三排出路676を通過する遊技球を検出(演出装置600からの遊技球の排出を検出)する。そして、第一排出球検出スイッチ316aは、遊技球の検出に応じて、検出信号を後述する副制御装置500に対して出力する。
【0043】
誘導路形成部材672は、回転板671の上面に取り付けられている。誘導路形成部材672には、前後方向に沿って延びる遊技球誘導路677が設けられている。遊技球誘導路677は、正面側に向かって傾斜している。遊技球誘導路677では、背面側の端部が、遊技球誘導路643を通過(落下)してきた遊技球を受け入れる受入部677aとなっている。そして、受入部677aは、回転軸664の延長線上(回転軸664の上端の上方)に位置している。遊技球誘導路677の正面側の端部には、遊技球を振分可動片674上に落下させるための落下孔677bが設けられている。
【0044】
装飾部材673は、回転板671の正面に配設されている。本実施形態では、装飾部材673は、誘導路形成部材672の正面に取り付けられている。装飾部材673は、所定のキャラクタ(本実施形態では、「猫」のキャラクタ)を模した部材である。装飾部材673の正面には、遊技球を保持することが可能な保持部678が配設されている。
保持部678は、正面側に向かって傾斜する保持面678aと、保持面678aの裏面側に配設された第二排出球検出スイッチ316bと、を有している。第二排出球検出スイッチ316bは、保持面678a上における磁界の変化を検出する非接触型のセンサである。第二排出球検出スイッチ316bは、保持面678a上における遊技球の存在を検出する。第二排出球検出スイッチ316bは、保持面678a上に遊技球が存在する場合には、Hiレベルの検出信号を副制御装置500に対して出力する。一方、第二排出球検出スイッチ316bは、保持面678a上に遊技球が存在しない場合には、Lowレベルの検出信号を副制御装置500に対して出力する。
【0045】
装飾部材673には、装飾部材673の背面側から保持面678aに遊技球を受け入れるための受入孔673aが設けられている。
振分可動片674は、左右方向に沿って延びる回転軸674aにより揺動するシーソー部材である。振分可動片674は、遊技球を誘導する誘導面674bを有している。振分可動片674は、誘導面674bが背面側に向かって傾斜する第一状態と、誘導面674bが正面側に向かって傾斜する第二状態と、を形成することが可能となっている。振分可動片674は、落下孔677bの下方であって、第三排出路676と受入孔673aとの間に配設されている。
【0046】
回転板671の下面には、振分可動片674を駆動する可動片ソレノイド560が取り付けられている。
振分可動片674は、可動片ソレノイド560の非通電時には、第一状態を形成する。そして、第一状態を形成している振分可動片674では、背面側に向かって傾斜する誘導面674bが、落下孔677bから落下してきた遊技球を、第三排出路676に誘導する。なお、振分可動片674が第一状態を形成している際には、遊技球が受入孔673aに進入することができない状態となっている。
【0047】
一方、振分可動片674は、可動片ソレノイド560の通電時には、第二状態を形成する。そして、第二状態を形成している振分可動片674では、正面側に向かって傾斜する誘導面674bが、落下孔677bから落下してきた遊技球を、受入孔673aに誘導する。そして、受入孔673aに誘導された遊技球は、保持部678の保持面678a上に保持される。
【0048】
また、演出可動ユニット650は、台座660に対する可動部材670の回転位置(回転角度)を制御するための原点検出センサ(図示せず)を備えている。本実施形態では、原点検出センサとして、フォトインタラプタを備えている。具体的には、可動部材670にフォトインタラプタを配設しているとともに、台座660に遮蔽板を配設している。そして、遮蔽板がフォトインタラプタの発光部と受光部との間に配置されたこと(発光部から受光部への光が、遮蔽板により遮蔽されたこと)を検出して、可動部材670が原点位置にあることを検出する。そして、可動部材670が原点位置にあることを検出した後、所定回数、所定周期のパルス信号をモータ550に与えることによって、可動部材670を所定の回転位置に制御する。
【0049】
次に、演出装置600の作用を説明する。
演出装置600では、第一始動入賞口210に入賞した遊技球が、第一始動入賞球誘導路N1(遊技球誘導路621及び遊技球誘導路641)を通過して、遊技球誘導路643の上端に流入する。また、第二始動入賞口220に入賞した遊技球が、第二始動入賞球誘導路N2(遊技球誘導路642)を通過して、遊技球誘導路643の上端に流入する。
【0050】
また、遊技球誘導路643の上端に流入した遊技球は、遊技球誘導路643によって下方に向かって誘導され、遊技球誘導路643の下端から流出(落下)する。そして、遊技球誘導路643の下端から流出した遊技球は、可動部材670に設けられた遊技球誘導路677の受入部677aに受容される。
ここで、受入部677aは、可動部材670の回転軸664の延長線上に位置している。これによって、可動部材670(遊技球誘導路677)は、自己が駆動中であるか否かに関らず、また、自己の回転位置に関らず、常時、第一始動入賞球誘導路N1及び第二始動入賞球誘導路N2から遊技球を受容する(流入させる)ことが可能となる。
【0051】
遊技球誘導路677の受入部677aに流入した遊技球は、遊技球誘導路677によって正面側に向かって誘導され、遊技球誘導路677の落下孔677bから流出(落下)する。そして、落下孔677bから流出した遊技球は、振分可動片674の誘導面674b上に落下する。
この際、振分可動片674が第一状態を形成している場合には、誘導面674b上に落下した遊技球は、第三排出路676に流入する。そして、第三排出路676に流入した遊技球は、第三排出路676によって誘導され、演出装置600の下方に排出される。
【0052】
一方、振分可動片674が第二状態を形成している場合には、誘導面674b上に落下した遊技球は、装飾部材673の受入孔673aを通過して、装飾部材673の保持部678の保持面678a上に流入する。ここで、後述するように、振分可動片674が第二状態を形成している際には、可動部材670は、初期位置に配置される。そして、可動部材670が初期位置に配置されている際には、保持部678が、第二カバー板631の背面に設けられたストッパー636の背面側に配置される。したがって、保持面678a上に流入した遊技球は、ストッパー636によって、正面側への転動が抑止され、保持面678a上に保持される。
【0053】
さらに、可動部材670が駆動されて第一排出位置に配置されると、保持部678が、第二カバー板631に設けられた第一流入孔635aの背面側に配置される。これにより、保持面678a上に保持されている遊技球は、第一流入孔635aを介して、第一排出路634aへ流入する。そして、第一排出路634aに流入した遊技球は、第一排出路634aによって誘導され、演出装置600の下方に排出される。
【0054】
一方、可動部材670が駆動されて第二排出位置に配置されると、保持部678が、第二カバー板631に設けられた第二流入孔635bの背面側に配置される。これにより、保持面678a上に保持されている遊技球は、第二流入孔635bを介して、第二排出路634bへ流入する。そして、第二排出路634bに流入した遊技球は、第二排出路634bによって誘導され、演出装置600の下方に排出される。
なお、第三排出路676、第一排出路634a及び第二排出路634bのそれぞれから排出された遊技球は、アウト口270から排出された遊技球と同様に、遊技機本体(図示せず)側に回収される。
【0055】
また、演出可動ユニット650では、台座660の規制面662及び可動部材670の規制面675a,675bによって、可動部材670の過度な回転を抑止するメカストッパーが構成されている。すなわち、可動部材670が初期位置から第一排出位置側に向かって回転する際には、可動部材670の規制面675aが台座660の規制面662に接触することによって、可動部材670の過度な回転が抑止される。一方、可動部材670が初期位置から第二排出位置側に向かって回転する際には、可動部材670の規制面675bが台座660の規制面662に接触することによって、可動部材670の過度な回転が抑止される。
【0056】
(制御系の構成)
次に、パチンコ機1における制御系の構成を説明する。
図16は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図16に示すように、パチンコ機1は、制御部として、主制御装置400と、副制御装置500と、を備えている。
不正行為防止等のため、主制御装置400及び副制御装置500は、それぞれ別々の基板に実装される。また、制御部では、主制御装置400から副制御装置500への一方向にのみデータの送信が可能となっている。
主制御装置400は、主として、始動入賞口スイッチ310a,310bからの検出信号の入力に応じて、各種の乱数カウンタから乱数を取得する(各種の抽選を実行する)。そして、主制御装置400は、取得した各種乱数に基づいて、制御コマンドの送信及び遊技全体の制御を行う。
【0057】
具体的には、主制御装置400は、始動入賞口スイッチ310a,310bからの検出信号の入力に応じて、特別図柄抽選を実行する。また、主制御装置400は、始動ゲートスイッチ311からの検出信号の入力に応じて、普通図柄抽選を実行する。
特別図柄抽選とは、大入賞口240の開閉部材241の開放動作が実行される特賞状態を生起させるか否かを決定するための抽選である。普通図柄抽選とは、第二始動入賞口220の開閉部材221を開放状態とする開放動作を実行するか否かを決定するための抽選である。
【0058】
また、主制御装置400は、遊技状態表示装置280、賞球払出制御装置350、始動入賞口ソレノイド320、大入賞口ソレノイド321、役物装置100(回転部材111,112及び振分部材114)等を直接制御する。
主制御装置400は、CPU410と、ROM420と、RAM430と、入力ポート440と、出力ポート450と、を備える。
入力ポート440は、始動入賞口スイッチ310a,310b、始動ゲートスイッチ311、大入賞口スイッチ313及び一般入賞口スイッチ314,315のそれぞれから入力された検出信号をCPU410に対して出力する。
【0059】
出力ポート450は、副制御装置500、遊技状態表示装置280及び賞球払出制御装置350のそれぞれに対して制御コマンドを出力するとともに、始動入賞口ソレノイド320、大入賞口ソレノイド321及び役物装置100のそれぞれに対して制御信号を出力する。また、出力ポート450は、パチンコ機1の出玉情報や異常信号等をホールコンピュータ800に対して出力する。また、主制御装置400には、電源供給を行うための電源回路900が接続されている。
【0060】
ROM420には、主制御装置400で実行されるパチンコ機1を制御するためのプログラム、遊技制御用のデータ等が記憶されている。
RAM430は、主制御装置400に入力されたデータ、主制御装置400から出力されるデータ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等を一時的に記憶する。
【0061】
副制御装置500は、主制御装置400と同様に、CPU、ROM、RAM、入力ポート及び出力ポートを備える。
副制御装置500のROMには、演出を制御するためのプログラム、各種データ等が記憶されている。特に、副制御装置500のROMには、演出装置600(モータ550、可動片ソレノイド560及び表示部631a,631b)による演出動作を制御するためのプログラムが記憶されている。
【0062】
副制御装置500のRAMには、主制御装置400から入力された制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。副制御装置500のCPUは、主制御装置400から受信した制御コマンドに応じて、ROMに記憶されたプログラムにしたがった処理を実行する。これにより、副制御装置500のCPUは、ランプ530(表示部631a,631b)の点灯、点滅の制御、スピーカ540からの効果音の出力の制御、モータ550の制御、可動片ソレノイド560の制御等を行う。
【0063】
(遊技制御処理)
次に、主制御装置400で実行される特別図柄抽選処理を説明する。
主制御装置400のCPU410は、所定の動作クロック(例えば、4[ms])で1サイクルを実行可能な遊技制御処理(プログラム)を繰り返し実行する。
そして、特別図柄抽選処理は、遊技制御処理に含まれる処理である。
図17は、特別図柄抽選処理を示すフローチャートである。
図17に示すように、特別図柄抽選処理が実行されると、まず、ステップS100に移行する。
【0064】
ステップS100では、始動入賞口スイッチ310a,310bから検出信号が入力された否かを判定し、検出信号が入力されたと判定した場合(Yes)は、ステップS102に移行する。一方、検出信号が入力されていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS102では、始動入賞検出コマンド送信処理を実行し、ステップS104に移行する。
【0065】
始動入賞検出コマンド送信処理では、始動入賞検出コマンドを副制御装置500に対して送信する。ここで、始動入賞検出コマンドは、第一始動入賞口210又は第二始動入賞口220への遊技球の入賞を検出したことを指示する制御コマンドである。
ステップS104では、特別図柄の変動表示中か否かを判定し、特別図柄の変動表示中でないと判定した場合(No)は、ステップS106に移行する。一方、特別図柄の変動表示中であると判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0066】
ステップS106では、始動情報更新処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
始動情報更新処理では、始動情報を取得する。具体的には、特別図柄抽選乱数値、変動時間抽選乱数値及び停止図柄抽選乱数値のそれぞれを、対応の乱数カウンタから取得する。そして、取得した特別図柄抽選乱数値、変動時間抽選乱数値及び停止図柄抽選乱数値を、始動情報として、RAM430の始動情報記憶領域に記憶する。
【0067】
なお、本実施形態では、始動情報記憶領域では、始動情報を1組のみ記憶することが可能となっている(保留なし)。しかしながら、始動情報記憶領域において、複数組の始動情報を記憶することが可能としても構わない(保留あり)。この場合、始動情報記憶領域に記憶されている複数組の始動情報については、所定の順番により、後述する当たり判定処理等が実行される。
【0068】
次に、主制御装置400で実行される当たり判定処理を説明する。
当たり判定処理は、上述した遊技制御処理に含まれる処理である。
図18は、当たり判定処理を示すフローチャートである。
図18に示すように、当たり判定処理が実行されると、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、特別図柄の変動表示中か否かを判定し、特別図柄の変動表示中でないと判定した場合(No)は、ステップS202に移行する。一方、特別図柄の変動表示中であると判定した場合(Yes)は、ステップS212に移行する。
【0069】
ステップS202では、RAM430の始動情報記憶領域に始動情報が記憶されているか否かを判定し、始動情報が記憶されていると判定した場合(Yes)は、ステップS204に移行する。一方、始動情報が記憶されていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0070】
ステップS204では、RAM430の始動情報記憶領域に記憶されている特別図柄抽選乱数値が当たり値と一致しているか否かを判定し、当たり値と一致していると判定した場合(Yes)は、ステップS206に移行する。一方、当たり値と一致していないと判定した場合(No)は、ステップS210に移行する。
ここで、ROM420には、特別図柄抽選乱数値と当たり値との対応が登録された特別図柄抽選テーブルが格納されている。そして、主制御装置400は、特別図柄抽選テーブルに基づいて、特別図柄抽選乱数値が当たり値と一致しているか否かを判定する。
【0071】
ステップS206では、当たり時表示設定処理を実行し、ステップS208に移行する。
当たり時表示設定処理では、特別図柄の変動時間を決定するとともに、停止図柄を決定する。
ここで、ROM420には、変動時間抽選乱数値と変動時間との対応が登録された当たり時変動時間抽選テーブルが格納されている。そして、主制御装置210は、始動情報記憶領域に記憶されている変動時間抽選乱数値及び当り時変動時間抽選テーブルに基づいて、特別図柄の変動時間を決定する。
【0072】
また、ROM420には、停止図柄抽選乱数値と停止図柄との対応が登録された当たり時停止図柄抽選テーブルが格納されている。そして、主制御装置210は、始動情報記憶領域に記憶されている停止図柄抽選乱数値及び当たり時停止図柄抽選テーブルに基づいて、特別図柄の停止図柄を決定する。
ステップS208では、特別図柄変動表示開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
特別図柄変動表示開始処理では、特別図柄変動時間タイマにおいて、ステップS206又は後述するステップS210で決定した変動時間を設定する。そして、特別図柄表示部281において特別図柄の変動表示を開始するとともに、設定したタイマによる変動時間の計測を開始する。
【0073】
また、特別図柄変動表示開始処理では、特別図柄変動表示開始コマンドを副制御装置500に対して送信する。ここで、特別図柄変動表示開始コマンドは、特別図柄の変動表示を開始したことを指示する制御コマンドである。
この際、主制御装置400は、ステップS204における判定結果に基づいて、特別図柄抽選の結果に対応する特別図柄変動表示開始コマンドを副制御装置500に対して送信する。すなわち、特別図柄変動表示開始コマンドには、特別図柄の抽選の結果が「当たり」又は「はずれ」であることを指定する情報が含まれている。
【0074】
一方、ステップS210では、はずれ時表示設定処理を実行し、ステップS208に移行する。
はずれ時表示設定処理では、特別図柄の変動時間を決定するとともに、停止図柄を決定する。
ここで、ROM420には、変動時間抽選乱数値と変動時間との対応が登録されたはずれ時変動時間抽選テーブルが格納されている。そして、主制御装置400は、始動情報記憶領域に記憶されている変動時間抽選乱数値及びはずれ時変動時間抽選テーブルに基づいて、特別図柄の変動時間を決定する。
【0075】
また、ROM420には、停止図柄抽選乱数値と停止図柄との対応が登録されたはずれ時停止図柄抽選テーブルが格納されている。そして、主制御装置400は、始動情報記憶領域に記憶されている停止図柄抽選乱数値及びはずれ時停止図柄抽選テーブルに基づいて、特別図柄の停止図柄を決定する。
【0076】
一方、ステップS212では、ステップS208で特別図柄変動時間タイマに設定した変動時間が経過したか否かを判定し、変動時間が経過したと判定した場合(Yes)は、ステップS214に移行する。一方、変動時間を経過していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS214では、停止表示処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0077】
停止表示処理では、特別図柄表示部281において、特別図柄の停止表示を行う。この際、ステップS206又はステップS210で決定した停止図柄によって、特別図柄の停止表示を行う。
また、停止表示処理では、特別図柄変動表示終了コマンドを副制御装置500に対して送信する。ここで、特別図柄変動表示終了コマンドは、特別図柄の変動表示を終了したことを指示する制御コマンドである。
【0078】
(演出制御処理)
次に、副制御装置500で実行される処理を説明する。
副制御装置500のCPUは、所定の動作クロック(例えば、4[ms])で1サイクルを実行可能な演出制御処理(プログラム)を繰り返し実行する。
図19は、演出制御処理を示すフローチャートである。
演出制御処理は、副制御装置500のCPUにおいて実行されると、図19に示すように、まず、ステップS300に移行する。
【0079】
ステップS300では、始動入賞検出コマンド受信処理を実行し、ステップS302に移行する。始動入賞検出コマンド受信処理については、後述する。
ステップS302では、特別図柄変動表示開始コマンド受信処理を実行し、ステップS304に移行する。特別図柄変動表示開始コマンド受信処理については、後述する。
ステップS304では、検出信号受信処理を実行し、ステップS306に移行する。検出振動受信処理については、後述する。
ステップS306では、特別図柄変動表示終了コマンド受信処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。特別図柄変動表示終了コマンド受信処理については、後述する。
【0080】
次に、ステップS300の始動入賞検出コマンド受信処理を説明する。
図20は、始動入賞検出コマンド受信処理を示すフローチャートである。
始動入賞検出コマンド受信処理では、ステップS300において実行されると、図20に示すように、まず、ステップS400に移行する。
ステップS400では、始動入賞検出コマンドを受信したか否かを判定し、始動入賞検出コマンドを受信したと判定した場合(Yes)は、ステップS402に移行する。一方、始動入賞検出コマンドを受信していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS402では、流入球数カウンタ更新処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0081】
ここで、副制御装置500のRAMの所定領域には、演出装置600に流入した遊技球の数をカウントするための流入球数カウンタが格納されている。流入球数カウンタは、第一始動入賞口210又は第二始動入賞口220を介して演出装置600に流入した遊技球の数をカウントする。
流入球数カウンタ更新処理では、流入球数カウンタのカウント値kiを更新する。具体的には、現在のカウント値kiに1を加算した値を、新たに、カウント値kiとして設定する。
【0082】
次に、ステップS302の特別図柄変動表示開始コマンド受信処理を説明する。
図21は、特別図柄変動表示開始コマンド受信処理を示すフローチャートである。
特別図柄変動表示開始コマンド受信処理では、ステップS302において実行されると、図21に示すように、まず、ステップS500に移行する。
ステップS500では、特別図柄変動表示開始コマンドを受信したか否かを判定し、特別図柄変動表示開始コマンドを受信したと判定した場合(Yes)は、ステップS502に移行する。一方、特別図柄変動表示開始コマンドを受信していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0083】
ステップS502では、ステップS500において受信した特別図柄変動表示開始コマンドが「当たり」(特別図柄抽選の結果が「当たり」)を指定するものであるか否かを判定し、「当たり」を指定するものであると判定した場合(Yes)は、ステップS504に移行する。一方、「当たり」を指定するものではない(「はずれ」を指定するものである)と判定した場合(No)は、ステップS506に移行する。
ステップS504では、当たりフラグ設定処理を実行し、ステップS506に移行する。
当たりフラグ設定処理では、副制御装置500のRAMの所定領域において、当たりフラグを設定(記憶)する。
【0084】
ステップS506では、変動表示中動作開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
変動表示中動作開始処理では、演出装置600による変動表示中動作を開始する。ここで、変動表示中動作開始処理は、第二排出球検出スイッチ316bから入力されている検出信号がHiレベルとなった後に開始される。
具体的には、副制御装置500は、変動表示中動作として、演出装置600の可動部材670が初期位置で左右方向に揺動するように、モータ550に対して制御信号を出力する。また、副制御装置500は、変動表示中動作として、演出装置600のはずれ表示部631aと当たり表示部631bとが交互に点灯するように、ランプ530を制御する。
【0085】
次に、ステップS304の検出信号受信処理を説明する。
図22は、検出信号受信処理を示すフローチャートである。
検出信号受信処理では、ステップS304において実行されると、図22に示すように、まず、ステップS600に移行する。
ステップS600では、第一排出球検出スイッチ316aから検出信号が入力されたか否かを判定し、検出信号が入力されたと判定した場合(Yes)は、ステップS602に移行する。一方、検出信号が入力されていないと判定した場合(No)は、ステップS604に移行する。
ステップS602では、排出球数カウンタ更新処理を実行し、ステップS604に移行する。
【0086】
ここで、副制御装置500のRAMの所定領域には、演出装置600から排出された遊技球の数をカウントするための排出球数カウンタが格納されている。排出球数カウンタは、第一排出路634a、第二排出路634b又は第三排出路676を介して演出装置600から排出された遊技球の数をカウントする。
排出球数カウンタ更新処理では、排出球数カウンタのカウント値koを更新する。具体的には、現在のカウント値koに1を加算した値を、新たに、カウント値koとして設定する。
【0087】
ステップS604では、第二排出球検出スイッチ316bから入力されている検出信号がHiレベルとなっているか否かを判定し、検出信号がHiレベルとなっていると判定した場合(Yes)は、ステップS606に移行する。一方、検出信号がHiレベルとなっていない(Lowレベルとなっている)と判定した場合(No)は、ステップS614に移行する。
ステップS606では、第一振分可動片制御処理を実行し、ステップS608に移行する。
【0088】
第一振分可動片制御処理では、可動片ソレノイド560への通電を停止して、振分可動片674を第一状態とする。
ステップS608では、遊技球保持フラグが設定されているか否かを判定し、遊技球保持フラグが設定されていないと判定した場合(No)は、ステップS610に移行する。一方、遊技球保持フラグが設定されていると判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0089】
ステップS610では、排出球数カウンタ更新処理を実行し、ステップS612に移行する。
ステップS610の排出球数カウンタ更新処理では、ステップS602の排出球数カウンタ更新処理と同様に、排出球数カウンタのカウント値koを更新する。具体的には、現在のカウント値koに1を加算した値を、新たに、カウント値koとして設定する。
ステップS612では、遊技球保持フラグ設定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
遊技球保持フラグ設定処理では、副制御装置500のRAMの所定領域において、遊技球保持フラグを設定(記憶)する。
【0090】
一方、ステップS614では、第二振分可動片制御処理を実行し、ステップS616に移行する。
第二振分可動片制御処理では、可動片ソレノイド560への通電を開始して、振分可動片674を第二状態とする。
ステップS616では、遊技球保持フラグが設定されているか否かを判定し、遊技球保持フラグが設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS618に移行する。一方、遊技球保持フラグが設定されていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS618では、遊技球保持フラグ解除処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
遊技球保持フラグ解除処理では、副制御装置500のRAMの所定領域における遊技球保持フラグの設定を解除(消去)する。
【0091】
次に、ステップS306の特別図柄変動表示終了コマンド受信処理を説明する。
図23は、特別図柄変動表示終了コマンド受信処理を示すフローチャートである。
特別図柄変動表示終了コマンド受信処理では、ステップS306において実行されると、図23に示すように、まず、ステップS700に移行する。
ステップS700では、特別図柄変動表示終了コマンドを受信したか否かを判定し、特別図柄変動表示終了コマンドを受信したと判定した場合(Yes)は、ステップS702に移行する。一方、特別図柄変動表示終了コマンドを受信していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0092】
ステップS702では、当たりフラグが設定されているか否かを判定し、当たりフラグが設定されていないと判定した場合(No)は、ステップS704に移行する。一方、当たりフラグが設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS710に移行する。
ステップS704では、第一排出動作開始処理を実行し、ステップS706に移行する。
【0093】
第一排出動作開始処理では、演出装置600による第一排出動作を開始する。
具体的には、副制御装置500は、第一排出動作として、演出装置600の可動部材670が第一排出位置に配置された後、初期位置に配置されるように、モータ550に対して制御信号を出力する。また、副制御装置500は、第一排出動作として、はずれ表示部631aが点灯するように、ランプ530を制御する。
【0094】
ステップS706では、流入球数カウンタのカウント値kiと排出球数カウンタのカウント値koとが一致しているか否かを判定し、カウント値kiとカウント値koとが一致していると判定した場合(Yes)は、ステップS708に移行する。一方、カウント値kiとカウント値koとが一致していないと判定した場合(No)は、ステップS712に移行する。
ステップS708では、カウンタリセット処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
カウンタリセット処理では、流入球数カウンタのカウント値ki及び排出球数カウンタのカウント値koをリセット(「0」にする)する。
【0095】
一方、ステップS710では、第二排出動作開始処理を実行し、ステップS706に移行する。
第二排出動作開始処理では、演出装置600による第二排出動作を開始する。
具体的には、副制御装置500は、第二排出動作として、演出装置600の可動部材670が第二排出位置に配置された後、初期位置に配置されるように、モータ550に対して制御信号を出力する。また、副制御装置500は、第二排出動作として、当たり表示部631bが点灯するように、ランプ530を制御する。
【0096】
一方、ステップS712では、エラー報知処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
エラー報知処理では、ランプ530及びスピーカ540によるエラー報知を実行する。具体的には、ランプ530を所定のパターンで点滅させるとともに、スピーカ540よりエラー報知用の警告音を出力する。
【0097】
(パチンコ機1の動作)
次に、パチンコ機1の動作を説明する。
なお、以下の説明では、パチンコ機1の稼働中において特別図柄の変動表示が行われていない状態(保持部678に遊技球が保持されていない状態)を初期状態と定義する。
初期状態の演出装置600では、図2に示すように、可動部材670が初期位置に配置されているとともに、図15に示すように、振分可動片674が第二状態を形成している。
【0098】
発射装置によって発射された遊技球は、発射路20を介して、遊技領域30に打ち出される。そして、遊技領域30に打ち出された遊技球は、中央転動経路31、左側転動経路32及び右側転動経路33のうちいずれかの転動経路を下方に向かって転動する。
第一始動入賞口210又は第二始動入賞口220に遊技球が入賞すると、特別図柄抽選が実行され、特別図柄表示部281において、特別図柄の変動表示が開始される。
【0099】
また、第一始動入賞口210に入賞した遊技球及び第二始動入賞口220に入賞した遊技球は、演出装置600に誘導される。
具体的には、第一始動入賞口210に入賞した遊技球は、遊技球誘導路621及び遊技球誘導路641を通過して、遊技球誘導路643の上端に流入する。
また、第二始動入賞口220に入賞した遊技球は、遊技球誘導路642を通過して、遊技球誘導路643の上端に流入する。
【0100】
そして、遊技球誘導路643の上端に流入した遊技球は、遊技球誘導路643によって下方に向かって誘導され、遊技球誘導路643の下端から落下して、可動部材670に設けられた遊技球誘導路677の受入部677aに受容される。これによって、入賞球誘導路形成ユニット610から可動部材670に遊技球が受け渡される。
ここで、受入部677aは、可動部材670の回転軸664の延長線上に位置している。これによって、可動部材670(遊技球誘導路677)は、自己が駆動中であるか否かに関らず、また、自己の回転位置に関らず、常時、始動入賞口210,220に入賞した遊技球を受容する(流入させる)ことが可能となる。
【0101】
また、遊技球誘導路677の受入部677aに流入した遊技球は、遊技球誘導路677によって正面側に向かって誘導され、遊技球誘導路677の落下孔677bから振分可動片674の誘導面674b上に落下する。
そして、誘導面674b上に落下した遊技球は、装飾部材673の保持部678の保持面678a上に流入する。この際、保持面678a上に流入した遊技球は、第二カバー板631の背面に設けられたストッパー636によって正面側への転動が抑止され、保持面678a上に保持される。なお、演出装置600では、保持部678に保持された遊技球を視認することが可能となっている。
【0102】
また、装飾部材673の保持部678(保持面678a上)に遊技球が保持されると、図13に示すように、振分可動片674が第二状態から第一状態に切り換わる。
これによって、その後、演出装置600に流入した遊技球(振分可動片674の誘導面674b上に落下した遊技球)は、第三排出路676に流入する。そして、第三排出路676に流入した遊技球は、第三排出路676によって誘導され、演出装置600の下方に排出される。
【0103】
また、装飾部材673の保持部678に遊技球が保持されると、演出装置600による変動表示中動作が開始される。なお、特別図柄表示部281において特別図柄の変動表示が開始されるタイミングと、演出装置600による変動表示中動作が開始されるタイミングとは、ほぼ一致している。具体的には、変動表示中動作として、可動部材670が初期位置で左右方向に揺動するとともに、はずれ表示部631aと当たり表示部631bとが交互に点灯する。変動表示動作は、特別図柄表示部281において、特別図柄の停止表示が行われるまで継続する。
【0104】
特別図柄の変動表示を開始してから設定された変動時間が経過すると、特別図柄表示部281において、当該特別図柄抽選の結果に対応する態様による特別図柄の停止表示が行われる。
この際、特別図柄抽選の結果が「はずれ」である場合には、演出装置600による第一排出動作が開始される。具体的には、第一排出動作として、図5に示すように、可動部材670が第一排出位置に配置されるとともに、はずれ表示部631aが点灯する。
【0105】
そして、可動部材670が第一排出位置に配置されると、保持部678に保持されている遊技球は、第二カバー板631に設けられた第一流入孔635aを介して、第一排出路634aへ流入する。さらに、第一排出路634aに流入した遊技球は、第一排出路634aによって誘導され、演出装置600の下方に排出される。
【0106】
一方、特別図柄抽選の結果が「当たり」である場合には、演出装置600による第二排出動作が開始される。具体的には、第二排出動作として、図7に示すように、可動部材670が第二排出位置に配置されるとともに、当たり表示部631bが点灯する。
そして、可動部材670が第二排出位置に配置されると、保持部678に保持されている遊技球は、第二カバー板631に設けられた第二流入孔635bを介して、第二排出路634bへ流入する。そして、第二排出路634bに流入した遊技球は、第二排出路634bによって誘導され、演出装置600の下方に排出される。
【0107】
さらに、装飾部材673の保持部678に保持されていた遊技球が第一流入孔635a又は第二流入孔635bに流入すると、図15に示すように、振分可動片674が第一状態から第二状態に切り換わる。
これによって、その後、演出装置600に流入した遊技球(振分可動片674の誘導面674b上に落下した遊技球)は、装飾部材673の保持部678の保持面678a上に流入する。
【0108】
また、パチンコ機1では、特別図柄の停止表示が行われた際に、演出装置600に流入した遊技球の数と演出装置600から排出された遊技球の数とが一致しているか否かが判定される。そして、演出装置600に流入した遊技球の数と演出装置600から排出された遊技球の数とが一致していないと判定された場合には、エラー報知処理が実行される。
これにより、演出装置600における玉詰まり等を検出することが可能となる。
以上のように、パチンコ機1では、演出装置600により、複数の入賞口(第一始動入賞口210及び第二始動入賞口220)のそれぞれに入賞した遊技球を用いた演出を行うことができる。したがって、パチンコ機1によれば、演出装置600による演出を多様化することが可能となる。
【0109】
また、パチンコ機1では、複数の入賞口(第一始動入賞口210及び第二始動入賞口220)のそれぞれに入賞した遊技球が、保持部678において、遊技者による視認が可能な状態で保持される。したがって、パチンコ機1によれば、遊技者の特別図柄抽選に当選することへの期待感を向上することができ、遊技の興趣を向上することが可能となる。
また、パチンコ機1では、演出装置600において、可動部材670を回転動作させることによって、保持部678に保持されている遊技球の位置を変化させることができる。したがって、パチンコ機1によれば、演出装置600による演出をさらに多様化することが可能となる。
【0110】
さらに、パチンコ機1では、受入部677aが可動部材670の回転軸の延長線上に配置されているため、可動部材670は、自己が可動しているか否かに関らず、また、可動部材670の位置に関らず、遊技球を受け入れることができる。したがって、パチンコ機1によれば、演出装置600による演出をさらに多様化することが可能となる。
【0111】
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記実施形態では、第一始動入賞口210への遊技球の入賞及び第二始動入賞口220への遊技球の入賞に応じて、特別図柄抽選を実行している。しかしながら、第一始動入賞口210への遊技球の入賞に応じて実行される特別図柄抽選と、第二始動入賞口220への遊技球の入賞に応じて実行される特別図柄抽選と、を異なるものとしても構わない。
【0112】
また、上記実施形態では、始動情報記憶領域では、始動情報を1組のみ記憶することが可能となっている(保留なし)。しかしながら、始動情報記憶領域において、複数組の始動情報を記憶することが可能としても構わない(保留あり)。すなわち、最大保留数の範囲内で、始動情報を記憶する構成としても構わない。
【0113】
この場合には、演出装置600の保持部670において、最大保留数と同一の数(以下、最大保持数とする)の遊技球を保持することが可能となるように構成する。そして、保持部670に保持されている遊技球の数が最大保持数に達していない場合には、振分可動片674が、遊技球を保持部670に誘導するように構成する。一方、保持部670に保持されている遊技球の数が最大保持数に達している場合には、振分可動片674が、遊技球を第三排出路676に誘導するように構成する。
また、上記実施形態においては、本発明をパチンコ機1に適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他のアミューズメントゲーム機等の遊技機にも適用可能である。
【符号の説明】
【0114】
1 パチンコ機
10 遊技盤面
30 遊技領域
100 役物装置
210 第一始動入賞口
220 第二始動入賞口
230 始動ゲート
240 大入賞口
280 遊技状態表示装置
281 特別図柄表示部
282 普通図柄表示部
310a 第一始動入賞口スイッチ
310b 第二始動入賞口スイッチ
311 始動ゲートスイッチ
313 大入賞口スイッチ
316a 第一排出球検出スイッチ
316b 第二排出球検出スイッチ
320 始動入賞口ソレノイド
321 大入賞口ソレノイド
400 主制御装置
500 副制御装置
530 ランプ
540 スピーカ
550 モータ
550a 回転軸
550b モータギア
560 可動片ソレノイド
N1 第一始動入賞球誘導路
N2 第二始動入賞球誘導路
600 演出装置
610 入賞球誘導路形成ユニット
620 装飾板
621 遊技球誘導路
630 カバー部材
631 第一カバー板
631a はずれ表示部
631b 当たり表示部
632 第二カバー板
633a 第一区画壁
633b 第二区画壁
634a 第一排出路
634b 第二排出路
635a 第一流入孔
635b 第二流入孔
636 ストッパー
640 誘導路形成部材
641 遊技球誘導路
642 遊技球誘導路
643 遊技球誘導路
664 回転軸
650 演出可動ユニット
660 台座
661 第一設置面
662 規制面
663 第二設置面
670 可動部材
671 回転板
671a 軸受け孔
671b ドライブギア
672 誘導路形成部材
673 装飾部材
673a 受入孔
674 振分可動片
674a 回転軸
674b 誘導面
675a 規制面
675b 規制面
676 第三排出路
677 遊技球誘導路
677a 受入部
678 保持部
678a 保持面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入賞口と、
前記複数の入賞口のそれぞれに入賞した遊技球を用いた演出を行うことが可能な演出装置と、を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出装置は、前記複数の入賞口のそれぞれに入賞した遊技球を遊技者による視認が可能な状態で保持する保持部を有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出装置は、回転軸による回転動作を行うことが可能な可動部を有し、
前記保持部は、前記可動部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記可動部は、前記複数の入賞口のそれぞれに入賞した遊技球を前記保持部に誘導する誘導路を有し、
前記誘導路は、前記複数の入賞口のそれぞれに入賞した遊技球を受け入れるための受入部を有し、
前記受入部は、前記回転軸の延長線上に位置することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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