説明

遊技機

【課題】遊技者が遊技に介入することができる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技球が流下する遊技領域を形成した遊技盤と、遊技球を排出する球排出装置と、を備えるパチンコ遊技機において、遊技盤には表示装置を備え、球排出装置が排出した遊技球を貯留する上皿48と、球排出装置から上皿へ排出する途中でオーバーフローした遊技球が案内される下皿81と、を当該遊技機の前面に備え、上皿の上面前方に遊技者が上方から操作可能な外部操作部75を設け、外部操作部は、遊技者が上方から下方へ押圧操作することにより当該外部操作部への操作を検出し、遊技者による操作の結果として、表示装置における表示態様を変更可能とし、下皿は、上方が開口した窪部内に遊技球を貯留できるように構成され、上皿の斜め下方に配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貸し球スイッチユニットの操作部を操作すると球排出装置が作動して球貯留部に遊技球が排出されるパチンコ機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機、例えばプリペイドカード式パチンコ遊技機においては、貸し球操作釦を上皿と呼ばれている球供給皿の一部に設け、遊技者は、球供給皿内の遊技球が不足したり、あるいは遊技を開始する際に、貸し球操作釦を操作することにより遊技球が球貯留皿に排出されるように構成されていた。
そして、貸し球操作釦は取付ベースに取り付けられ、この取付ベースを球供給皿にねじで止着する構成であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−15659号公報(図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、操作釦を操作しても、遊技者が遊技に介入することはできなかった。
【0005】
本発明は上記に鑑み提案されたもので、その目的は、遊技者が遊技に介入することができる遊技機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記に鑑み提案されたものであり、請求項1に記載のものは、遊技球が流下する遊技領域を形成した遊技盤と、遊技球を排出する球排出装置と、を備える遊技機において、
前記遊技盤には表示装置を備え、
前記球排出装置が排出した遊技球を貯留する上皿と、前記球排出装置から前記上皿へ排出する途中でオーバーフローした遊技球が案内される下皿と、を当該遊技機の前面に備え、
前記上皿は、該上皿の上面前方に、遊技者が上方から操作可能な外部操作部を設け、
遊技者による前記操作の結果として、前記表示装置における表示態様を変更可能とし、
前記下皿は、上方が開口した窪部内に遊技球を貯留できるように構成され、前記上皿の斜め下方に配設されていることを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技者は、外部操作部の操作により、遊技に介入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】パチンコ機の正面図である。
【図2】透明部材保持枠と開閉パネルを開放して遊技盤が遊技盤収納部から外れた状態におけるパチンコ機の斜視図である。
【図3】透明部材保持枠開放して遊技盤を遊技盤収納部に装着する直前の状態におけるパチンコ機の斜視図である。
【図4】透明部材保持枠開放して遊技盤を遊技盤収納部に装着した状態におけるパチンコ機の斜視図である。
【図5】パチンコ機の背面図である。
【図6】透明部材保持枠と開閉パネルを開放した状態におけるパチンコ機の下部の拡大斜視図である。
【図7】内枠を開いた状態におけるパチンコ機の斜視図である。
【図8】透明部材保持枠と上皿ユニットと下皿ユニットと内枠の分解斜視図である。
【図9】外枠の斜視図である。
【図10】外枠の分解斜視図である。
【図11】外枠の背面図である。
【図12】内枠の斜視図である。
【図13】内枠の背面図である。
【図14−1】内枠の分解斜視図である。
【図14−2】内枠の裏面に施錠ユニットを取り付ける状態を示す内枠の裏側から見た斜視図である。
【図14−3】施錠ユニットを透明部材保持枠用施錠ユニットと内枠用施錠ユニットに分けた状態における斜視図である。
【図15】内枠の後方から見た斜視図である。
【図16】(a)は流路形成部材の背面図、(b)は流路形成部材の後方からの斜視図である。
【図17】裏流路構成ユニットの前方からの斜視図である。
【図18】裏流路構成ユニットの後方からの斜視図である。
【図19】裏流路構成ユニットの前方から見た分解斜視図である。
【図20】裏流路構成ユニットの後方から見た分解斜視図である。
【図21】上皿ユニットの上皿球出口における断面図である。
【図22】制御装置アッセンブリーの分解斜視図である。
【図23】(a)は遊技盤係止手段の前方からの斜視図、(b)は遊技盤係止手段の後方からの斜視図である。
【図24】遊技盤係止手段を取り付ける状態を示す後方からの斜視図である。
【図25】遊技盤係止手段を取り付ける遊技盤収納部の前方からの斜視図である。
【図26】遊技盤係止手段を取り付けた遊技盤収納部の裏側から見た斜視図である。
【図27】遊技盤係止手段を取り付けた遊技盤収納部の内部の斜視図である。
【図28】遊技盤固定手段の遊技盤固定解除状態における斜視図である。
【図29】遊技盤固定手段の遊技盤固定状態における斜視図である。
【図30】遊技盤固定手段の分解斜視図である。
【図31】(a)は遊技盤固定手段の遊技盤固定状態における斜視図、(b)は遊技盤固定解除状態における斜視図である。
【図32】遊技盤固定手段の取り付けを示す斜視図である。
【図33】遊技盤固定手段を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図34】(a)は遊技盤係止手段を取り付けた部分の断面図、(b)は遊技盤係止手段を取り付けた部分の正面図である。
【図35】(a)は遊技盤係止手段に遊技盤の一側を引っ掛けた状態を示す断面図、(b)は遊技盤係止手段に遊技盤の一側を係止して後方に押圧した状態を示す断面図である。
【図36】遊技盤係止手段により遊技盤を係止した状態における断面図である。
【図37】透明部材保持枠の斜視図である。
【図38】透明部材保持枠の背面図である。
【図39】透明部材保持枠の分解斜視図である。
【図40】保持枠本体の後方から見た斜視図である。
【図41】透明部材保持枠の一側(左側)部分の断面図である。
【図42】貸し球スイッチユニットの正面図である。
【図43】貸し球スイッチユニットの斜視図である。
【図44】貸し球スイッチユニットの分解斜視図である。
【図45】(a)はケース本体の斜視図、(b)は裏蓋部材の斜視図、(c)はケース本体と裏蓋部材を組み付けた貸し球スイッチユニットの斜視図である。
【図46】(a)は裏蓋部材にケース本体を被せる直前の状態を示す説明図、(b)は裏蓋部材の係合部をケース本体の係合受部に係合した状態を示す説明図である。
【図47】(a)は裏蓋部材の係合部をケース本体の係合受部に係合して被せる状態を示す説明図、(b)は裏蓋部材にケース本体を組み付けた状態を示す説明図である。
【図48】保持枠本体に貸し球スイッチユニットを取り付けようとしている状態を示す斜視図である。
【図49】保持枠本体のユニット収納室内に貸し球スイッチユニットの一端を差し込んだ状態を示すユニット収納室近傍の斜視図である。
【図50】(a)は保持枠本体のユニット収納室内に貸し球スイッチユニットの一端を差し込んだ状態を示すユニット収納室近傍の正面図、(b)は(a)に示す状態の断面図である。
【図51】(a)は保持枠本体のユニット収納室内に貸し球スイッチユニットの一端を差し込んだ状態を示すユニット収納室近傍の正面図、(b)は保持枠本体のユニット収納室内に貸し球スイッチユニットの他端を押し入れる状態を示すユニット収納室近傍の正面図、(b)はユニット収納室内に貸し球スイッチユニットの他端を押し入れた状態を示すユニット収納室近傍の断面図である。
【図52】ユニット収納室内に貸し球スイッチユニットを組み込んだ状態を示す保持枠本体の下部の斜視図である。
【図53】上皿ユニットの斜視図である。
【図54】上皿ユニットの斜め前方から見た分解斜視図である。
【図55】上皿ユニットの斜め後方から見た分解斜視図である。
【図56】上皿ユニットの斜め後方から見た斜視図である。
【図57】外部操作部の分解斜視図である。
【図58】(a)押しボタンの裏側から見た斜視図、(b)は外部操作ベースの斜視図である。
【図59】下皿ユニットの斜め前方から見た分解斜視図である。
【図60】下皿ユニットの斜め後方から見た斜視図である。
【図61】球送り部材の球受入空部内に遊技球を受け入れた状態における球案内流路近傍の断面図である。
【図62】球送り部材の待機面に遊技球が当たって待機している状態における球案内流路近傍の断面図である。
【図63】発射装置の前方から見た斜視図である。
【図64】発射装置の前方から見た分解斜視図である。
【図65】発射装置の後方から見た分解斜視図である。
【図66】発射杵の杵先が遊技球発射位置から離隔した状態における発射装置及び球送り装置の正面図である。
【図67】図50に示す状態における発射装置の背面図である。
【図68】発射杵が遊技球を発射して球送り部材が次の遊技球を発射レール上に供給した状態における発射装置及び球送り装置の正面図である。
【図69】図52に示す状態における発射装置の背面図である。
【図70】球送り装置のカバー本体の前方からの斜視図である。
【図71】球送り装置のカバー本体の後方からの斜視図である。
【図72】球送り部材の前方からの斜視図である。
【図73】球送り部材の後方からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は代表的な遊技機であるカードユニット付パチンコ機の斜視図、図2はガラス枠及び上皿ユニットを開いた状態におけるパチンコ機の斜視図、図3は遊技盤を取り外した状態におけるパチンコ機の斜視図、図4は内枠を開いた状態におけるパチンコ機の斜視図、図5はパチンコ機の背面図である。
【0010】
本実施形態に示すパチンコ機1は、図1から図8に示すように、外枠(機枠あるいは本体枠)2に、大きな開口部を有する額縁状の内枠3(前面枠)の一側(図中左側)を開閉可能に取り付け、この内枠3の遊技盤収納部4内に遊技盤5を交換可能な状態で取り付け、遊技盤5の表面には、表示装置、大入賞口、一般入賞口、アウト口(図示せず)などを配設した遊技領域6をガイドレールなどの区画部材7により区画することで形成している。また、内枠3の前面には、一側(図中左側)が軸着された透明部材保持枠8(ガラス枠)を回動可能に設け、該透明部材保持枠8に透視可能な透明部材(ガラス板)を収納して、遊技領域6を前方から透視可能な状態で覆い、透明部材保持枠8の下方に上皿ユニット10と下皿ユニット11とを上下に並べて備え、上皿ユニット10と下皿ユニット11との間にスピーカーユニット12を配設している。そして、このパチンコ機1は、カードユニット9のカード挿入口9aにプリペイドカード等の記憶媒体(遊技価値が記憶されている)を挿入し、透明部材保持枠8の下部に設けられた球貸用操作釦801aを操作すると、パチンコ機1の内部に設けられた球排出装置が作動して遊技球が上皿ユニット10に排出されるとともに記憶媒体の記憶内容が書き換えられ、返却用操作釦801bを操作するとカードユニット9内の記憶媒体がカード挿入口9aから返却される。なお、貸し球用操作釦801a、返却用操作釦801bについては後で詳説する。
【0011】
外枠2は、図9から図11に示すように、上横材16aと左右の縦材16b,16cと下横材16dを組み合わせて前後が開放した縦長長方形の枠体とし、この枠体の前面開口下部に横長な幕板17を固定して補強し、また一側(左側)の上端と幕板17の一端に、ヒンジを一体に設けた補強金具(ヒンジ金具)18a,18bを取り付けるとともに、内側の四隅にも金属製補強金具19を取り付けて補強し、上記ヒンジとは反対側に位置する右縦材16cの内面には、内枠を施錠する際の受金具16e,16eを上下2箇所設けてある。なお、幕板17は、強固な木材17aの前面にプラスチック製の装飾板17bを添設することにより装飾性を高め、装飾板17bの上端に、上端が前方に屈曲した不正防止壁17cを立設するとともに、プラスチック製内枠3の下端に設けた金属製摺動金具20aが摺動する摺動面20bを形成してある。
【0012】
内枠3は、図12から図15に示すように、開口部を有する額縁状の内枠本体21の裏面側に、遊技盤収納部4を一体成型するとともに、遊技盤収納部4の下部に遊技盤載置台13を一体成型した大きな合成樹脂製の枠体であり、遊技盤載置台13の上面に遊技盤5を載置した状態で遊技盤収納部4内に収納し、遊技盤収納部4の壁に設けた止着金具である遊技盤係止手段301と遊技盤固定手段302とにより遊技盤5を着脱可能な状態で止着することができるように概略構成されている。そして、この内枠3の裏面の上部には、球排出系アッセンブリー23を、下部裏面には裏流路構成ユニット24を、該裏流路構成ユニット24の背面には制御装置アッセンブリー25をそれぞれ取り付け、最下位置には、ファール球回収口15から回収したファール球や球流下路の途中でオーバーフローした遊技球を下皿に向けて案内するシュート流路部材26などを取り付けてある。
【0013】
まず、内枠本体21について説明する。この内枠本体21は、横長な上横部材21aと縦長な左右の縦部材21b,21cと横長な下横部材21dとを四角形に一体成型した額縁状の枠体であり、透明部材保持枠8と上皿ユニット10を軸着する一側(左側)の縦部材21bの前面には透明部材保持枠8や上皿ユニット10を開動作したときの干渉を回避すると共にピアノ線等の不正部材の浸入を防止するために断面略円弧状の縦長な凹部303を形成し、他側(右側)の縦部材21cの前面には後述する施錠ユニット304の透明部材保持枠用フック305を貫通する開口部306を開設してある。
【0014】
また、内枠本体の一側(左側)の上端と下端に、内枠3を外枠2に軸着するためのヒンジ金具18a,18bを取り付け、上端のヒンジ金具18aの少し下方に透明部材保持枠8の上部を軸着するためのヒンジ金具307を取り付け、遊技盤載置台13の上端に形成した遊技盤載置面308よりも少し下方に透明部材保持枠8の下部と上皿ユニット10(開閉パネル)の上部を軸着するためのヒンジ金具309を取り付け、下横部材21dの上面と同様の高さに上皿ユニット10の下部を軸着するためのヒンジ金具310を取り付ける。
【0015】
なお、ヒンジ金具309とヒンジ金具310は、縦長な金属板の上端部分と下端部分をそれぞれ前方に屈曲することにより一体成形されている。そして、透明部材保持枠8や上皿ユニット10(開閉パネル)を軸着するための各ヒンジ金具の軸或いは軸孔の位置は、凹部303の円弧曲面の中心或いは中心よりも少し前方に位置させる。また、上横部材21aの前面には、透明部材保持枠8が開放されたことを検出するスイッチなどを設けるための凹部311が形成されている。さらにまた、上横部材21aの上端縁から上横部材21aの前面よりも突出した状態で不正防止壁312を突設するとともに、軸着側とは反対の自由端側(右側)の縦部材(右縦部材)21cの外側縁から縦部材21cの前面よりも突出した状態で不正防止壁313を突設し、透明部材保持枠8を閉じると透明部材保持枠8の上後端縁と右後端縁がいずれも不正防止壁312,313の内側に入り込むように構成してある。
【0016】
この様に構成すると、透明部材保持枠8の上端と内枠3との隙間や透明部材保持枠8の右端と内枠3との隙間からピアノ線等の不正部材の浸入を防止することができ、不正行為を未然に防止できる。また、内枠本体21の横部材21aや縦部材21cの前面に、その長手方向に溝314を形成し、透明部材保持枠8の裏側に不正防止壁を後方に向けて立設し、この不正防止壁を上記溝314内に嵌合するように構成すると、不正行為を一層確実に防止することができる。
【0017】
また、内枠本体21の他側(右側)の縦部材21cの裏面には、図14−1から図14−3に示すように、透明部材保持枠8を内枠3に対して閉じた状態で施錠する縦長な金属製透明部材保持枠用施錠ユニット304aを取り付けるとともに、この透明部材保持枠用施錠ユニット304aに重合した状態で、内枠3を外枠2に対して閉じた状態で施錠する縦長な金属製内枠用施錠ユニット304bを取り付ける。この施錠ユニット304は、内枠用施錠ユニット304bの下部にシリンダー錠315を固定し、該シリンダー錠315の先端面の鍵穴を内枠3の前面に露出し、このシリンダー錠315の鍵穴に鍵を差し込んで一方に回動すると、シリンダー錠315の後方に突出した回動部315aの偏心ピンが内枠用施錠ユニット304bの解錠操作伝達機構に作用し、これにより内枠用施錠ユニット304bの上部と下部に後向きに突設したフック316が先端を上昇する方向に回動して外枠2の受金具16eから外れて解錠することができる。一方、鍵を他方に回動すると、シリンダー錠315の後方に突出した回動部315aの偏心ピンが反対方向に回動して内枠用施錠ユニット304bの解錠操作伝達機構が解除レバー304cに作用し、この解除レバー304cの動き(解除動作力)を透明部材保持枠用施錠ユニット304aの解錠操作伝達機構に伝達し、これにより透明部材保持枠用施錠ユニット304aの上部2箇所と下部1箇所に前方に向けて突設したフック305が先端を下降する方向に回動して透明部材保持枠8の受金具8aから外れて解錠できる。なお、内枠3を開いた状態で透明部材保持枠8の解錠する場合には、透明部材保持枠用施錠ユニット304aから後方に突出した解除レバー304cを手動操作することによっても解錠することができる。
【0018】
そして、施錠する場合には、内枠3を外枠2側に手で押圧すると、傾斜摺動辺を有するフック316がスプリング(図示せず)の付勢に抗して回動して外枠2の受金具16eと係合して施錠でき、また、透明部材保持枠8を内枠3側に手で押圧すると、傾斜摺動辺を有するフック305がスプリング(図示せず)の付勢に抗して回動して透明部材保持枠8の受金具8aと係合して施錠できる。また、施錠ユニット304は金属製なので、合成樹脂製内枠3の補強材としても機能している。
【0019】
前記したように、内枠本体21の他側(右側)の縦部材21cの裏面に、透明部材保持枠用施錠ユニット304aと内枠用施錠ユニット304bとを重ねた状態で取り付けると、内枠3の裏側からの取付作業だけで済むので、従前のように、内枠の表側からの取付作業が不要である。したがって、施錠ユニットの取付作業の容易化を図ることができる。
【0020】
遊技盤収納部4は、内枠本体21と一体成型する。具体的には、内枠本体21の上横部材21aの下面、左右の縦部材21b,21cの内側の面をそれぞれ後方に向けて延出して上横部材21aに連続した上壁401を、左右の縦部材21b,21cに連続した側壁402,403を一体成型するとともに、左右の縦部材21b,21cの内側の面の下部及び下横材21dの上面の後退した位置に遊技盤載置台13を一体成型し、また、この遊技盤載置台13の上面に形成した遊技盤載置面308の後端と上記上壁401の後端と側壁402,403の後端のそれぞれから中央に延出して中央部分が開口した後壁404を形成し、これら上壁401と側壁402,403と後壁404と遊技盤載置面308により前面が開口した枠状の遊技盤収納部4を内枠本体21と一体成型する。そして、遊技盤収納部4の一側方(本実施形態では左側の側壁402)に遊技盤収納部4に収納された遊技盤の一側部を係止可能な遊技盤係止手段301を上下2箇所設けると共に、前記遊技盤収納部4の他側方(本実施形態では右側の側壁403)に遊技盤5の他側部を固定可能な遊技盤固定手段302を下部に1箇所設け、上壁401にも遊技盤固定手段302を設ける。なお、遊技盤係止手段301と遊技盤固定手段302については、後で詳述する。
【0021】
遊技盤載置台13は、内枠3の遊技盤収納部4の左右の側壁402,403の下部の間を接続するようにして前面壁部405を下横材21dの上面の後退した位置から起立した状態で一体成型すると共に、該前面壁部405の上端を後方に向けて遊技盤5の板厚と同様の前後幅を有する遊技盤載置面308を一体に形成したものである。そして、前記前面壁部405の上部一側(左側)寄りに上皿ユニット10へ遊技球を案内する接続樋34用の開口部406を開設し、該開口部406の下方に、球回収流路の底部となる棚部407を一側から他側に向けて下り傾斜させた状態で途中に段部を形成して左右幅のほぼ中央までの長さで一体に形成し、該棚部407の傾斜下端に臨む床面に球落下開口部408を開設し、前記前面壁部405の上部他側(右側)寄りに、他側から一側に向けて下り傾斜した棚部409を左右幅のほぼ中央までの長さで一体に形成し、この棚部409の下方に庇部410を突設し、この庇部410の下方に発射装置14を前面壁部405を貫通した状態で取り付ける発射装置取付開口部411を開設する(図14)。
【0022】
また、前面壁部405の左半に流路形成部材412を前方から取り付ける。この流路形成部材412は、図16に示すように、略台形の合成樹脂製板材であり、前面壁部405に対してほぼ平行に延在する板部413の一側(左側)寄りに前記接続樋34が挿入可能な接続樋用開口部414を開設し、この接続樋用開口部414の上方の裏面にこぼれ球受部となる棚部415を一側(左側)に向けて下り傾斜した状態で後方に向けて、当該流路形成部材412の左端部手前まで突設し、この棚部415の傾斜下端から下方に向けて壁部416を形成してある。また、前記棚部415の傾斜上端部分から他側に向けて下り傾斜した状態でファール球回収路の一部となる第1棚部417を後方に向けて板部413の裏面に突設し、この第1棚部417の傾斜下端から球径以上の間隔を空けて反対側(一側)に向けて下り傾斜した状態で、ファール球回収路の一部となる第2棚部418を後方に向けて突設してある。
【0023】
したがって、後方に向けて突設した取付爪419を遊技盤載置台13の前面壁部405に開設された取付孔内に係合して流路形成部材412を前面壁部405の所定位置に取り付けると、前記壁部416と前記棚部415と流路形成部材412の板部413とによりこぼれ球回収路420が区画形成でき、当該こぼれ球回収路420の下端出口が前記球回収流路421の棚部407の傾斜上端部分に臨んで球回収流路421に連通する。このため、上皿ユニット10を開いた際にこぼれた遊技球を棚部415上に受け止めて、こぼれ球回収路420を介して前記球回収流路421に回収することができ、この球回収流路421の遊技球は球落下開口部408から落下して下皿ユニット11に排出される。また、流路形成部材412を遊技盤載置台13の前面壁部405に取り付けると、第1棚部417の傾斜上端と発射レール101の傾斜上端との間がファール球回収口15となり、また、第2棚部418の傾斜下端が球回収流路421の底部の上方に球径以上の間隔を空けて位置する。したがって、ファール球回収口15にファール球が入ると、このファール球は、第1棚417部から第2棚部418上を流下し、球回収流路421内に流れ込んで、前記したこぼれ球と同様に下皿ユニット11の下皿に排出される。
【0024】
この様に、本実施形態では、遊技盤載置台13の前面壁部405に球回収流路421の底部となる棚部407を突設し、板材413の裏面に流路の底部となる棚部415,417,418を一体成型した流路形成部材412を前面壁部405に前方から取り付けるだけでファール球回収路やこぼれ球回収路420を簡単な構造で容易に形成することができる。
また、流路の底部となる棚部417,418を流路の下流側に下り傾斜した状態で形成するので、下皿球出口86から球落下開口部408を経て流路内を下流側から上流側に向けてピアノ線等が挿入された場合にも、ピアノ線等の先端は棚部417,418の下面を摺動しながら上昇するが、流路の途中で棚部417,418の傾斜上端で行く手を遮られてしまう。したがって、前記した棚部417,418が所謂忍び返しとして機能し、不正行為を有効に防止することができる。
【0025】
次に、遊技盤載置台13の裏側および遊技盤載置面308の構成について説明する。
遊技盤載置面308は、前後幅が遊技盤5の板厚とほぼ同じ面であり、左右一連の平面ではなくて途中に逃げ段差を形成し、また左右方向のほぼ中央に切欠部422を形成し、この切欠部422内に、裏流路構成ユニット24に設けたアウト球受部材430が配設できるように構成されている。
【0026】
遊技盤載置台13の裏面には、図13に示すように、発射装置14を取り付ける発射装置取付開口部411の上方に庇部431を一側に傾斜した状態で一体成型するとともに、発射装置取付開口部411の下方には発射操作ユニット(ハンドル)85の発射勢(飛距離)操作を発射装置14に伝達する機構をカバーするためのカバー部432を後方に膨出した状態で一体成型し、左右幅のほぼ中央上部には、前記した切欠部422の下方を横コ字状に囲むようにして補強リブを形成し、この補強リブの下方にも補強リブを形成し、該補強リブの下方に、後述するスピーカーユニット12に連通する放音孔433を前後方向に貫通させて複数開設し、また、所定の位置に、後述する裏流路構成ユニット24を取り付けるためのボス434を後方に向けて複数立設してある。なお、放音孔433は、遊技盤載置台13のみならず、内枠本体21の下横部材21dにも開設し、各放音孔433の間は補強リブを兼ねた仕切り材を孔の前端開口縁から後端開口縁まで形成してある。また、内枠本体21の下横部材21dの左右方向のほぼ中央には開口部435を開設し、この開口部435が後述する下皿ユニット11の下皿球出口86に連通するように構成してある。
【0027】
裏流路構成ユニット24は、球排出系アッセンブリー23の上部球流下路30aに連通して遊技球を上皿ユニット10に向けて案内する下部球流下路30b、該下部球流下路30bの途中の棚部31から分岐してオーバーフローした遊技球を下皿側に案内するオーバーフロー流路32の上流側部分、遊技盤5の遊技領域6から排出されたアウト球やセーフ球を流下してパチンコ機1の外部に排出するための使用球排出流路320などを形成したユニット部品であり、前記下部球流下路30bを球排出系アッセンブリー23の上部球流下路30aに接続した状態で遊技盤載置台13の背面に取り付けられる。なお、球排出系アッセンブリー23は、図5に示すように、略倒L字状の取付部材に球タンク27、球排出装置28、球タンク27から球排出装置28に遊技球を案内する案内流路29、球排出装置28から流下した遊技球を上皿に向けて案内する上部球流下路30a、案内流路のU字状部分に設けた球抜き口の球抜き弁321を開くことにより球タンク27内の遊技球をパチンコ機1の外部に抜き出す球抜き流路322などを設けたユニットである。なお、球抜き流路322の上流部分は、上部球流下路30aとほぼ平行に形成し、下端の出口が後述する裏流路構成ユニット24の球抜き流路322の下流部分と接続できるように構成してある。
【0028】
裏流路構成ユニット24の構成を具体的に説明すると、図17から図20に示すように、面板323の前面側と後面側に各種の流路形成区画壁を一体成型した流路構成本体324と、この流路構成本体324の前面側に取り付けて流路構成本体324の前面側に形成した流路形成区画壁間の開放部分を塞ぐ前面蓋材325と、流路構成本体324の後面側に取り付けて流路構成本体324の後面側に形成した流路形成区画壁間の開放部分を塞ぐ後面蓋材326とからなる三重構造(サンドイッチ構造)であり、遊技盤載置台13の背面に取り付けた状態で内枠3の軸着側となる一側端(図17中左側)にアップライト部327を上向きに立設してある。
【0029】
前面蓋材325は、流路構成本体324の前面側に取り付けて流路構成本体324の前面側に形成した流路形成区画壁間の開放部分を塞ぐ板材であり、流路構成本体324の開口部328に対応する位置に開口部329を開設し、また、上端にはアウト球受部材430を遊技盤載置面308の切欠部422に対応する位置に取り付けられている。このアウト球受部材430は、遊技領域6の最下位置に開設したアウト口にアウト球が落下したときに受け止めて後述する使用済み球回収口330に案内する部材であり、耐磨耗性と耐衝撃性に優れた合成樹脂製であって上面が使用済み球回収口330側に向けて僅かに下り傾斜している。なお、このアウト球受部材430は、万一損傷した場合に交換できるように、ねじで着脱可能な状態で取り付けられている。また、前面蓋材325を流路構成本体324の前面に取り付けるには、流路構成本体324から前方に向けて係止爪331が複数突設されているので、この係止爪331を係止孔332内に挿入することにより止着することができる。
【0030】
後面蓋材326は、流路構成本体324の後面側に取り付けて流路構成本体324の後面側に形成した流路形成区画壁間や側壁間の開放部分を塞ぐ板材であり、流路内を透視可能な透明な合成樹脂で作製されている。また、この後面蓋材326の一側には、制御装置アッセンブリー25を軸着するための金属製ヒンジ機構金具40が取り付けられている。なお、この後面蓋材326を流路構成本体324の後面に取り付けるには、ねじにより止着する。
【0031】
流路構成本体324は、面板323の左右側縁と下端縁に縁壁333を前面側に向けて立設し、アップライト部327の一部となる一側(図19中左側)寄りに開口部328を開設し、面板323の前面側には、上記開口部328に上半が直接連通して底面が開口下縁から少し下がった位置に配置されて底面と面板323との隅角部に略三角リブ状の流下方向変更部を複数並べて立設した短尺な樋334を前方に向けて一体成型し、この樋334の横から樋334の下方を通ってほぼ中央の下端縁まで緩やかに下り傾斜する状態で下流球抜き流路322用の区画壁335を球径よりも大きな間隔(約2倍)を空けて立設し、傾斜下端手前部分は下向きに形成し、傾斜下端は縁壁333を切り欠いて出口336を形成する。また、アップライト部327とは反対側の他側(図19中右側)の上端には、アウト球やセーフ球などの使用済みの遊技球を回収する使用済み球回収口330を形成し、この使用済み球回収口330の左右端部からその中央寄りに次第に下り傾斜した状態で形成した回収口底部337の傾斜下端から略クランク状に使用球排出流路320用の区画壁338を球径よりも大きな間隔(約3倍)を空けて立設し、両区画壁338の傾斜下端を上記球抜き流路322の下流部分の途中に接続して両流路が合流するように構成する。
【0032】
一方、流路構成本体324の背面(後面)には、アップライト部327に、一側端に球抜き流路322用の区画壁339を球径よりも大きな間隔で上端から高さのほぼ半分位の位置まで後向きに立設し、下端部分が面板323の側縁を斜め横巻き状に通って前面の前記下流球抜き流路322用の区画壁335に接続して一連の球抜き流路322となるように構成する。したがって、球抜き弁321を開いて流下する上タンク27からの遊技球は、裏流路構成ユニット24の球抜き流路322を流下する場合には、アップライト部327から少し下までは面板323の後面に形成した球抜き流路322内を流下し、途中から面板323の前面に形成した球抜き流路322内を流下して出口336から遊技機島内の球回収樋に排出されるなどしてパチンコ機1の外部に排出される。
【0033】
また、面板323の後面のアップライト部327には下部球流下路30bを区画形成する区画壁340を球径より少し大きな間隔で上端部分は垂直に、その下方は略コ字状の流下勢減衰部となり、下端の出口を前記開口部328の少し上方で開口部側に横を向いた状態で形成し、開口部328の開口下縁から後方に向けて棚部31を突設し、該棚部31の一側(下部球流下路30bの出口側)にオーバーフロー堰341を上向きに屈曲した状態で形成し、該オーバーフロー堰341の横の空部をオーバーフロー流路32の入口として、該入口の縁から屈曲した状態でオーバーフロー流路32用の区画壁342を球径よりも大きな間隔(約2個分位)を空けて他側に向けて下り傾斜した状態で立設するとともに傾斜下端部分を下方に向けて立設し、この下方に向けて方向を変換した部分の外側の区画壁342に切欠部343を形成し、この切欠部343に球圧受部材344を上端の支軸により揺動可能な状態で臨ませるとともに、この球圧受部材344が球圧で外側に向けて押圧された場合に信号を送出するスイッチ345を球圧受部材344に臨ませて設ける。
【0034】
したがって、球排出装置28から排出された遊技球が上部球流下路30a内から下部球流下路30b内を流下してコ字状の流下勢減衰部まで流下すると、この部分を流下するときに流下勢を弱めて横向きの出口から開口部328側に向けて排出され、棚部31上に落下して上皿ユニット10に排出することができる。そして、上皿ユニット10が満杯となり遊技球が開口部328から棚部31上まで溜まると、オーバーフロー堰341を乗り越えてオーバーフロー入口にオーバーフローしてオーバーフロー流路32内を流下して下皿ユニット11に排出することができる。また、下皿ユニット11が満杯となって下皿ユニット11に排出されない遊技球がオーバーフロー流路32内に溜まり、この溜まった遊技球が球圧受部材344を押圧すると、スイッチ345がオンとなって信号を送出し、この信号に基づいて発射装置14の作動を停止させることができる。
【0035】
なお、オーバーフロー流路32の入口となる棚部31は、図21に示すように、遊技盤5よりも後ろであって透明部材保持枠8の下端よりも高い位置に配置しているので、上皿ユニット10が満杯になっても棚部31から上皿ユニット10の間に、従来よりも多い遊技球を貯留することができ、上皿ユニット10自体の容量が少なくても十分な量の遊技球を実質的に貯留したこととなる。
【0036】
この様な構成からなる球排出系アッセンブリー23と裏流路構成ユニット24を内枠3の裏面所定位置に取り付ける場合には、裏流路構成ユニット24のアップライト部327に立設した嵌合突起346を球排出系アッセンブリー23の下端面に開設した嵌合孔内に嵌合して両者の位置を合わせ、これにより球流下路30及び球抜き流路322を段差なく連通させた状態で所定の位置に取り付ける。すると、裏流路構成ユニット24の前面に前方に向けて突出した球流下路30の下端出口33が遊技盤載置台13の貫通穴内に臨んで開口し、この貫通穴内に前方から挿入される接続樋34を介して上皿ユニット10側と連通する。したがって、球流下路30内を流下した遊技球は、接続樋34を介して上皿ユニット10に排出される。また、裏流路構成ユニット24の内部に形成したオーバーフロー流路32の出口が遊技盤載置台13の裏側下端に取り付けたシュート流路部材26を介して下皿ユニット11に連通し、また、球回収流路421の出口もシュート流路部材26を介して下皿ユニット11に連通する。したがって、オーバーフローした遊技球やファール球などはシュート流路部材26を介して下皿ユニット11に排出される。さらにアウト球受部材430が遊技盤載置面308の切欠部422内に位置して使用球排出流路320の使用済み球回収口330が遊技盤5のアウト口やセーフ球出口に連通可能な位置に配置される。したがって、セーフ球やアウト球は使用済みの遊技球として、シュート流路部材26内に別途形成した流路を介してパチンコ機1の裏側に排出される。なお、球抜き流路322内を流下した遊技球もシュート流路部材26内に別途形成した上記流路を介してパチンコ機1の裏側に排出される。
なお、裏流路構成ユニット24を遊技盤載置台13の背面に取り付ける場合、遊技盤載置台13の背面に立設したボス434を裏流路構成ユニット24に開口した穴347内に挿入し、裏流路構成ユニット24の後面側からねじにより止着する。
【0037】
この様にして裏流路構成ユニット24を遊技盤載置台13の背面に取り付けたならば、この裏流路構成ユニット24の背面に制御装置アッセンブリー25を取り付ける。制御装置アッセンブリー25は、図22に示すように、一側に設けたヒンジ機構40と他側に設けた止着具41とにより裏流路構成ユニット24の背面に開閉可能な状態で取り付けられ、本実施形態では、プラスチック製ベース板40aの前面に金属板製のノイズ防止板材42を添設するとともに、発射装置14のモータ103に対応する部分にノイズ防止板材42との導通を防止するプラスチック製の絶縁板42aを添設し、ベース板40aの背面には、球払い出し制御と発射制御とを行う制御装置43、及び電源を制御する電源装置44を並べて取り付けると共に、軸着側には各種の中継基板40b、コネクタ40cを取り付けて保護カバー40dを被せてある。そして、制御装置43,電源装置44をベース板40aに取り付けるには、ベース板40aの背面に、背面から所定の間隔を空けて舌片状の係止片40eを向かい合わせに対にして一体成形してあるので、制御装置43,電源装置44のケースの両側から突設してある引っ掛け片43a,44aを、係止片40eの上方の切欠部40f内を通してから下降し、係止片40eと前記背面との間に係止し、ベース板40aに形成してある外れ止め爪を掛けて着脱可能に装着する。したがって、ベース板40aの背面に制御装置43,電源装置44を簡単に装着できる。
【0038】
この様に、本実施形態における制御装置アッセンブリー25は、発射装置14の裏側に制御装置43を配置するものであるが、ノイズ防止板材42や絶縁板42aを間に介在するので、発射装置14のモーターからのノイズにより制御装置43が誤動作することを確実に防止することができる。また、ヒンジ機構40と止着具41とにより取り付ける構成なので、取付作業が簡単なだけでなく、簡単に開いて裏流路構成ユニット24内の流路の点検も行うことができ、さらには交換作業も容易である。
なお、制御装置アッセンブリー25に装備する制御装置はこれに限定されるものではなく、例えば、演出用の制御装置や遊技制御装置を取り付けても良いし、複数取り付けても良い。
【0039】
次に、遊技盤の遊技盤収納部4に対する取り付けについて説明する。
遊技盤収納部4内に収納した遊技盤5を止着するには、遊技盤収納部4の一側方の上部と下部に遊技盤5の一側部を係止可能な遊技盤係止手段301を設けると共に、前記遊技盤収納部4の他側方と上方他側部(上壁401)に遊技盤5の他側部を固定可能な遊技盤固定手段302を設ける。そして、遊技盤収納部4の一側壁には、図12に示すように、遊技盤5の一側面に当接して左右方向の位置決めをする位置決め部材440を設ける。本実施形態では、遊技盤収納部4の側壁402と後壁404とにより囲まれた隅角部に、前方に傾斜部を有するリブ状の位置決め部材440を遊技盤収納部4と一体成型し、遊技盤収納部4の一側方の遊技盤固定手段302の押圧部により遊技盤を位置決め部材440に押し付けると共に、遊技盤収納部4の上方他側部(上壁401)の遊技盤固定手段302の押圧部により遊技盤5を遊技盤載置台13の遊技盤載置面308に押し付ける。
【0040】
前記遊技盤係止手段301は、本実施形態では弾性を有する金属板を成形した止着金具であり、図23から図27に示すように、遊技盤収納部4の一側壁(左の側壁402)の外側面に当接する側当接面を有する縦長略四角形のベース部350と、このベース部350の前端部のほぼ中央から屈曲して遊技盤収納部4の他側方(右側)に所定長さ分略円弧状に延出し、内側にカールさせた先端部が遊技盤5の前面に前方から当接して遊技盤5を後方側へ押し付け可能な係合部351と、ベース部350の前端部の上部と下部からそれぞれ前方に延出する舌片状の前方延出部352と、前記ベース部350の後端部の上部と下部からそれぞれ遊技盤収納部4の他側方(右側)に向けてほぼ直角に屈曲し、遊技盤収納部4の後壁404の裏面に当接する後当接面を有すると共に、当該遊技盤係止手段301を止着するための止着孔358を形成した突片状の後壁当接部353と、を備えて構成されており、各後壁当接部353の対向する辺には切欠状の被係合部354が向かい合わせに形成されている。
【0041】
そして、上記した構成からなる遊技盤係止手段301(止着金具)を遊技盤収納部4に取り付けるために、図24に示すように、遊技盤収納部4の一側壁(左側の側壁402)に、前記係合部351を遊技盤収納部4の外側から内側に挿通するための挿通開口部355を略四角形に開設し、この挿通開口部355の上方と下方の内枠本体21寄りに、後方に開口して前記前方延出部352を差し込む溝あるいは薄い孔ないしスリット状の差込部356を形成し、また、挿通開口部355の上方と下方の後方に位置する前記遊技盤収納部4の後壁404から側壁402には、前記後壁当接部353が丁度収まって係合する段差凹部357を形成し、この段差凹部357に後壁当接部353の止着孔358に対応する位置にねじなどの止着部材359を止着するねじ孔などの止着部360を形成し、この止着部360の近傍の後壁404には前記被係合部354が係合する突起を後壁係合部361として設けてある。
【0042】
遊技盤係止手段301を遊技盤収納部4の側壁402に取り付けるには、図24に示すように、遊技盤収納部4の裏側から係合部351を挿通開口部355内に挿入しつつ前方延出部352を差込部356内に差し込み、後壁当接部353の後当接面を遊技盤収納部4の後壁404の裏面(外面)に当接するとともに、後壁係合部361を後当接面の被係合部354に係合し、この状態で止着部材359であるねじを止着孔359に挿入して止着部360に締め込んで固定する。この様にして遊技盤係止手段301を遊技盤収納部4の側壁402の所定位置に固定すると、図27に示すように、係合部351が遊技盤収納部4の内部の空間内に延びて、その先端と遊技盤収納部4の後壁404との間に遊技盤5の厚みよりも僅かに小さな間隔が空き、前方延出部352は、差込部356の内面により、両側の面が抑えられて厚み方向の動きが規制された状態になる。
【0043】
一方、遊技盤固定手段302は、本実施形態では金属板を成形して手で操作できるようにした固定金具であり、図28から図31に示すように、遊技盤収納部4に取り付けられる縦長略四角形の遊技盤固定ベース部材370と、この遊技盤固定ベース部材370に回動可能に取り付けられ、遊技盤前面に当接して遊技盤5を後方へ押し付けて固定する遊技盤固定状態(図29)と、遊技盤前面に当接しない遊技盤固定解除状態(図28)とに変換可能な回動固定部材371と、遊技盤固定解除状態を維持可能に前記回動固定部材371に係合する状態維持係合部材372と、から概略構成されている。
【0044】
遊技盤固定ベース部材370には、ほぼ中央に開口部373を開設するとともに、この開口部373を打ち抜く際に余剰となる部分の一部を、取付状態で前方となる側の開口部開口縁を基端にして遊技盤側となる方向に向けてほぼ直角に切り起し、すなわち屈曲して前面側起立片374を形成し、また、この前面側起立片374を形成した側の当該遊技盤固定ベース部材370の側縁に断面鉤形の反力受片となる前方延出部375を延設し、遊技盤収納部4の後壁404側となる一方の側縁部分を遊技盤側にほぼ直角に屈曲して後壁当接部となる後壁側起立片376を形成する。そして、前面側起立片374には、回動固定部材371を軸着する軸377を通す軸孔378を開設すると共に回動固定部材371のストッパとなる突起379を後壁側起立片376側に屈曲させて形成する。また、後壁側起立片376には、前面側起立片374の軸孔378に対応する位置に軸孔380を開設し、また、その長手方向の一端と他端に、遊技盤係止手段301と同様に、切欠状の被係合部381を形成し、両被係合部381の間に当該遊技盤固定手段302を止着するための止着孔382を形成する。
【0045】
回動固定部材371は、強固な金属板を成形したもので、図30に示すように、軸377を通す軸孔383が左右両脚片384に開設された断面横コ字状の基部385と、この基部385の一方の脚片384から延設され、遊技盤5の前面に当接するレバー状の遊技盤前面当接部386と、この遊技盤前面当接部386の自由端側(先端側)に屈曲形成され当該回動固定部材371を回動操作する操作部387と、柔軟な合成樹脂により成形され操作部387に被覆された操作部カバー388と、基部385の一端から断面L字状に屈曲形成されて遊技盤前面当接部386と同じ方向に延設されて回動固定部材371を遊技盤固定状態にしたときに遊技盤5の他側面に当接して遊技盤5を一側方に押圧する押圧部389とを備えている。なお、軸孔383に通した軸377の中心から基部385の外面(図30中の上面)までの寸法と、軸377の中心から遊技盤前面当接部386の後端(すなわち、軸377を挟んで当接部389とは反対側に位置する基部385の端部)までの寸法をほぼ同じ長さに設定することが望ましく、この長さは軸377の中心から基部385の上記端部までの長さよりも短い。
【0046】
この回動固定部材371を遊技盤固定ベース部材370に組み付けるには、遊技盤固定ベース部材370の前面側起立片374と後壁側起立片376との間に回動固定部材371の両脚片384を位置させて4つの軸孔378,380,383を同軸上に合わせてから軸377を挿通して回動可能に軸着する。また、遊技盤固定ベース部材370には、遊技盤固定解除状態を維持可能に前記回動固定部材371に係合する状態維持係合部材372を設ける。本実施形態における状態維持係合部材372は、図30に示すように、ばね鋼の板材の一端(図中の上端)を折り返すとともにその先端を小さく断面「く」字状に屈曲して保持部390とした取付基端部391と、この取付基端部391から他方に延出して他端を取付基端部391とは反対側に斜めに屈曲した途中保持部392と、この途中保持部392から先端部分を反対側に屈曲した圧接部393とを備えた板ばねから構成されている。この状態維持係合部材372を遊技盤固定ベース部材370に組み付けるには、図29及び図30に示すように、取付基端部391の折り返し部分を遊技盤固定ベース部材370の外側に位置させて取付基端部391で遊技盤固定ベース部材370を挟み付けると共に保持部390を遊技盤固定ベース部材370の横長孔394に係合して取付状態を保持し、取付基端部391から他端側に延びた延出部分を前面側起立片374と後壁側起立片376とが起立する側を通して遊技盤固定ベース部材370の開口部373まで延出し、この延出部分が可撓可能な状態で取り付ける。
【0047】
この様な状態維持係合部材372を備えると、途中保持部392が軸377に近い位置に位置して先端の圧接部393が軸377を越した位置に位置する。したがって、図28に示すように、回動固定部材371を操作部387が取付基端部391側に位置して遊技盤固定ベース部材370とほぼ平行になる姿勢にすると、状態維持係合部材372の圧接部393が軸377を越した位置で回動固定部材371の基部385の外面を押圧することとなり、操作部387が取付基端部391側に近づく方向に回動固定部材371を付勢する。したがって、回動固定部材371の先端が遊技盤固定ベース部材370に当接して停止した状態(後述する遊技盤固定解除状態)を維持する。
【0048】
この状態から操作部387を指でつまんで回動固定部材371を状態維持係合部材372の付勢力に抗して回動すると、圧接部393が回動固定部材371の基部385の外面を相対的に移動し、これに伴って状態維持係合部材372が撓み、遂には外面から外れて基部385の端部が状態維持係合部材372の延出部分を摺動する。この状態で回動固定部材371を遊技盤固定ベース部材370に対してほぼ45度まで回動すると、基部385の端部が「く」字状に屈曲した途中保持部392に圧接する。この状態になると、途中保持部392を越えて回動固定部材371を回動する際の抵抗力も、また戻り方向の抵抗力も増大する位置なので、操作部387から手を離しても回動固定部材371はこの状態、すなわち遊技盤固定ベース部材370に対してほぼ45度になった途中の状態で安定して状態を保持する。なお、この途中の状態では押圧部389が遊技盤5の側面を押圧しない寸法に各部が設定されている。
【0049】
また、上記途中保持状態から回動固定部材371を増大した抵抗力に抗して手で回動すると、基部385の端部が延出部分を取付基端部391に次第に近づく方向に摺動する。そして、回動固定部材371が遊技盤固定ベース部材370に対してほぼ直角になると、状態維持係合部材372の撓みが殆どなくなり、回動固定部材371に作用する押圧力が最低になる。すなわち、この状態から回動固定部材371を戻り回動しようとすると、抵抗が生じる。このため、回動固定部材371は遊技盤固定ベース部材370に対してほぼ直角に位置する状態を保持する。そして、この状態が、回動固定部材371の先端部分、すなわち遊技盤前面当接部386が遊技盤前面に当接して遊技盤5を後方へ押し付けて固定する遊技盤固定状態となる。
【0050】
上記した構成からなる遊技盤固定手段302としての固定金具を遊技盤収納部4に取り付けるには、遊技盤収納部4の他側壁(右側の側壁403)に、前記回動固定部材371を遊技盤収納部4の外側から内側に挿通するとともに回動固定部材371が回動した際に回動固定部材371の後端及び状態維持係合部材372が遊技盤収納部4との干渉を防止する空間を確保するための挿通開口部395を略四角形に開設し、この挿通開口部395の開口縁の内枠本体21寄りに、前記前方延出部375が当接する当接受部396を前記他側壁(右側の側壁403)の内面に形成し、また、挿通開口部395の上方と下方の後方に位置する前記遊技盤収納部4の後壁404には、前記後壁当接部(後壁側起立片376)が丁度収まって係合する段差凹部397を形成し、この段差凹部397に後壁当接部の止着孔382に対応する位置にねじなどの止着部材398を止着する止着部399(ねじ孔など)を形成し、この止着部399の近傍の後壁404には前記被係合部381が係合する突起を後壁係合部400として設けてある。
【0051】
遊技盤固定手段302を遊技盤収納部4の側壁403に取り付けるには、図32に示すように、遊技盤収納部4の裏側から回動固定部材371を挿通開口部395内に挿入してから前方延出部375を差し込んで当接受部396に当接可能な状態とし、後壁側起立片376の後当接面を段差凹部397内に嵌め込んで遊技盤収納部4の後壁404の裏面(外面)に当接するとともに、後壁係合部400を後当接面の被係合部381に係合し、この状態で止着部材398であるねじを止着孔382に挿通して止着部(ねじ孔)399に締め込んで固定する。この様にして遊技盤固定手段302を遊技盤収納部4の側壁403の所定位置に固定すると、操作部387が遊技盤収納部4の内部側から操作可能になり、この操作部387を指でつまんで回動固定部材371を回動することができる状態になる。
【0052】
前記した構成からなる遊技盤固定手段302は、遊技盤収納部4の側壁403の下半部分に一箇所取り付けるほかに、本実施形態では、遊技盤収納部4の上壁401にも取り付ける。なお、遊技盤収納部4の上壁401に取り付ける遊技盤固定手段302は、側壁403に取り付けるものと同じ構成である。また、この遊技盤固定手段302を取り付ける上壁401の取り付け部分の構成も、側壁403の構成と同様である。要するに、遊技盤収納部4の他側部に取り付けた遊技盤固定手段302により遊技盤5を一側に押圧しながら固定し、遊技盤収納部4の上壁401に取り付けた遊技盤固定手段302により遊技盤を下方に押圧しながら固定する構成である。
【0053】
次に、遊技盤5を遊技盤収納部4に取り付けたり、取り外したりする作業手順について説明する。
まず、図2に示すように、上皿ユニット10は閉じた状態でもよいが透明部材保持枠8を大きく開き、遊技盤固定手段302の回動固定部材371を遊技盤固定ベース部材370とほぼ平行な状態、すなわち遊技盤固定解除状態にしておく。この状態で、図2に示すように、遊技領域6を前方に向けた遊技盤5を遊技盤収納部4の前面の開口に臨ませ、この遊技盤5を後退させながら遊技盤収納部4内に前方から入れ始める。この時、遊技盤5の一側下端を遊技盤載置面308上に載せ、この状態で、図3に示すように、遊技盤載置面308上を摺動させながら遊技盤5の一側を遊技盤収納部4の一方の側壁(左側の側壁402)に取り付けられた遊技盤係止手段301の係合部351と遊技盤収納部4の後壁404との間に差し込み、次に、図35に示すように、遊技盤5の一側面を位置決め部材440に押し当てるようにしながら遊技盤5の他側を遊技盤収納部4内に押し入れて遊技盤の下端の全幅を遊技盤載置面308上に載せ、この状態で遊技盤5を十分に後退させて遊技盤5の背面を遊技盤収納部4の後壁404に当接する。
【0054】
この様にして遊技盤を遊技盤収納部4内に押し入れたならば、遊技盤固定手段302の操作部387を指でつまんで遊技盤固定解除状態にあった回動固定部材371を回動する。回動固定部材371を少し回動すると、遊技盤前面当接部386が遊技盤5の前面に当接し始め、更に回動すると、遊技盤前面当接部386が遊技盤5の他側の前面を後方に押し付けるとともに遊技盤係止手段301の係合部351が遊技盤5の一側の前面を後方に押し付けているので、当該遊技盤5の背面が後壁404に確実に押し付けられて前後位置が所定の前後位置になり、また、押圧部389が遊技盤5の他側面に当接する。この状態から回動固定部材371を更に回動して十分な角度(約90度)まで回動して遊技盤固定状態に変換すると、押圧部389により押圧された遊技盤5の一側面が位置決め部材440に当接して当該遊技盤を左右の所定位置に位置させた状態で固定することができる。
【0055】
なお、遊技盤固定手段302は、状態維持係合部材372を備えているので、遊技盤固定解除状態においても、また、遊技盤固定状態においても、振動等により回動固定部材371が勝手に回動することを防止できる。さらに、この状態維持係合部材372は、途中保持部392を有して回動固定部材371が状態を変換する途中であってもその途中の状態を維持することができる。したがって、遊技盤5を装着する作業中、遊技盤5を仮止めすることもできる。
【0056】
遊技盤係止手段301により遊技盤5を後方に押圧した場合に、その反力として遊技盤係止手段301には前方への力が作用するが、この時の反力は後壁当接部353が遊技盤収納部4の後壁404を押圧する力として受け止められるので、遊技盤係止手段301を止着している止着部材(ねじ)359には殆ど力が作用しない。したがって、ねじを締めこんだ遊技盤収納部4が合成樹脂製であっても必要且つ十分な強度を確保できる。また、遊技盤係止手段301のベース部350から係合部351が腕状に延出しているために係合部351を外側に向けて回動しようとする反力が発生するが、前方延出部352が遊技盤収納部4の差込部356に差し込まれているので、上記回動しようとする力を差込部356の内面で受けることができる。したがって、止着部材(ねじ)359には殆ど力が作用しない。さらに、遊技盤5を装着する作業中に遊技盤係止手段301に上記以外の力、例えば上下方向の力が作用したとしても、遊技盤収納部4の後壁404に上下2箇所突設した後壁係合部361と遊技盤係止手段301の後壁当接部353に向かい合わせに形成した被係合部354とが係合しているので、この係合により上記した力を受けることができ、止着部材(ねじ)359への負担を著しく軽減している。この様に、遊技盤係止手段301を止着している止着手段359にはほとんど力が掛からないため、止着対象である遊技盤収納部4が鉄板よりも強度の低い合成樹脂であっても支障がない。
【0057】
また、遊技盤固定手段302においては、回動固定部材371の遊技盤前面当接部386が遊技盤5の前面に当接して遊技盤5を後方に押圧した場合に、その反力として遊技盤固定手段302には前方への力が作用するが、この時の反力は後壁当接部(後壁側起立片376)が遊技盤収納部4の後壁404を押圧する力として受け止められるので、遊技盤固定手段302を止着している止着部材(ねじ)398には殆ど力が作用しない。
そして、押圧部389が遊技盤5を一側(遊技盤係止手段301側)に押圧した場合、その反力として遊技盤固定手段302には反対側への力が作用するが、前方延出部375が遊技盤収納部4の側壁403の内面に当接しているので、この力を側壁403の内面の当接受部396で受けることができる。さらには、遊技盤収納部4の後壁404に、上下2箇所突設した後壁係合部400と遊技盤固定手段302の後壁当接部(後壁起立片376)にそれぞれ反対側に向けて形成した被係合部381とが係合しているので、この係合により上記反作用の力を受けることができる。
【0058】
また、遊技盤固定手段302の遊技盤固定ベース部材370から回動固定部材371が腕状に延出しているために回動固定部材371を外側に向けて回動しようとする反力が発生するが、前方延出部375が遊技盤収納部4の側壁403の内面に当接しているので、上記回動しようとする力を側壁403の内面で受けることができる。したがって、遊技盤固定手段302においても、遊技盤係止手段301と同様に、止着部材(ねじ)398には殆ど力が作用しない。さらに、遊技盤5を装着する作業中に遊技盤係止手段301に上記以外の力、例えば上下方向の力が作用したとしても、遊技盤収納部4の後壁404に突設した後壁係合部400と遊技盤固定手段302の後壁当接部の被係合部381とが係合しているので、この係合により上記した力を受けることができ、止着部材への負担を軽減している。この様に、遊技盤固定手段302を止着している止着手段にはほとんど力が掛からないため、止着対象である遊技盤収納部4が鉄板よりも強度の低い合成樹脂であっても支障がない。
【0059】
なお、遊技盤収納部4の上壁401に装着した遊技盤固定手段302に関しても、遊技盤5を固定したときに反力を受けるが、遊技盤収納部4の右側の側壁403に装着した遊技盤固定手段302と同様に、止着部材であるねじへの負担は殆どないので、上壁401が合成樹脂製であっても必要且つ十分な強度を確保することができる。
また、遊技盤収納部4内に装着した遊技盤5を取り外す場合には、前記した操作とは逆の手順で行う。すなわち、遊技盤収納部4の側壁403および上壁401に取り付けられた遊技盤固定手段302の操作部をパチンコ機1前方から操作して回動固定部材371を戻り回動することにより遊技盤5の他側から外し、この状態で遊技盤5を先ずは遊技盤5の他側を先に手前に引き出し、次に、遊技盤収納部4の側壁402に取り付けられている遊技盤係止手段301の係合部351から遊技盤5の一側を外して遊技盤5を手前に引き出す。これにより、遊技盤5を容易に取り外すことができる。
【0060】
次に、透明部材保持枠8について説明する。
透明部材保持枠8は、図37から図40に示すように、遊技盤5の遊技領域6の全体が見える大きさの略円形の開口部802を開設し、装飾部材として機能する合成樹脂製の前面部材803と、この前面部材803の裏側に設けられ前記開口部802と重なる開口部804を開設した合成樹脂製の保持枠本体805と、保持枠本体805の裏側に設けられて透明ガラスなどの透明部材806(図41)を支持する支持部材807とから概略構成され、保持枠本体805の一側上下に設けたヒンジ金具307,309により内枠3の一側に開閉可能に軸着される。
【0061】
前面部材803は、その裏側に設けた発光装飾基板808のLEDなどの発光体の光を透過できるように透光性の合成樹脂により成形された背面開放の浅いカバー状の部材であり、一側(左側)の上下に補助装飾部材803a,803bを設け、開口部802の内周縁の左右にスピーカー装飾部材803c,803dを、また開口部802の内周縁の下部に、上縁が横一直線で下縁が円弧状の略三日月形のカバー部材809を設け、該カバー部材809のほぼ中央に開設した横長な開口部810に貸し球スイッチユニット811の貸し球用操作釦801aと返却用操作釦801bを配置できるように構成してある。なお、貸し球スイッチユニット811については、後で詳述する。
【0062】
この様な構成からなる前面部材803の裏側に設ける保持枠本体805は、左右幅よりも上下長さが少し長い略長方形の合成樹脂製枠体であり、前記スピーカー装飾部材803c,803dに対応する位置にスピーカー812a,812bを設け、前面には前記発光装飾基板808を取り付ける取付部を形成し、開口部804の下方の部分であって前記開口部810に対応する部位に、貸し球スイッチユニット811を前方から収納可能なユニット収納室813を形成してある。なお、この保持枠本体805は、前記前面部材803の背面の開口縁内に丁度嵌合する大きさに成形されており、前面部材803の背面に、後方から複数のネジにより固定される。そして、この保持枠本体805の裏面の開口部804の上方に横長な金属製補強材814をねじで固定するとともに、開口部804の一側(軸着側)に縦長な第1支持部材807aを、開口部804の他側(自由端側)に縦長な第2支持部材807bを、開口部804の下方に横長な第3支持部材807cを第1,第2支持部材807a,807bの下端に接続した状態でそれぞれねじで固定し、上記第1支持部材807aの外側にヒンジ金具307を上下に備えた金属製補強材815をねじで固定する。なお、第1,第2,第3支持部材807a,807b,807cは、それぞれ金属板製であり、保持枠本体805の補強材としても機能する。
【0063】
第1支持部材807aは、図41に示すように、金属板を断面略W字状に屈曲成形することにより、開口部804側に、板状透明部材806の縁を保持可能な一部溝状の透明部材保持部816を前後に2本形成してある。また、第2支持部材807bは、金属板を断面略W字状に屈曲成形することにより、開口部804側に、板状透明部材806の縁を保持可能な溝状の透明部材保持部816を前後に2本形成するとともに、開口部804側とは反対側の外側部分を延設して保持枠本体805の裏面に添付する縦長な補強面部817を形成し、該補強面部817の上部に2箇所、下部に1箇所受金具8aを形成し、補強面部817の外側縁を後方に向けて起立させて不正防止壁818を形成する。第3支持部材807cは、金属板を断面略W字状に屈曲成形することにより、開口部804側に、板状透明部材の縁を保持可能な溝状の透明部材保持部816を前後に2本形成するとともに、開口部804側とは反対側の下端左右部分を下方に向けて延設し、これにより保持枠本体805の裏面に添付する補強面部817を左右に2箇所形成し、両補強面部817の間に前記ユニット収納室813が入り込む様に構成する。
【0064】
前記した第1,第2,第3支持部材807a,807b,807cを保持枠本体805の裏面に取り付けると、保持枠本体805の裏面に前面透明部材(例えば、透明板ガラス806a)の左右縁部と下縁部を支持する透明部材保持部816が同一平面上に形成され、この透明部材保持部816の後方に内面透明部材(例えば、透明板ガラス806b)の左右縁部と下縁部を支持する透明部材保持部816が同一平面上に形成される。したがって、横向きコ字状に配置された前方の透明部材保持部816と、その後方に配置された透明部材保持部816内に、上方から前面透明部材806a、内面透明部材806bをそれぞれ差し込むことができる。
【0065】
また、本実施形態では、図39に示すように、第1支持部材807aの上端と第2支持部材807bの上端との間に、透明部材上昇防止部材819を架設してある。この透明部材上昇防止部材819は、左右端部に腕部819aを有する略門形、或いは横向きコ字状の部材であり、腕部819aにはその長手方向に長尺な長孔を有する。そして、この透明部材上昇防止部材819を取り付けるには、腕部819aの長孔内に、第1,第2支持部材807a,807bの上端部分に外向きに突設したピン状の嵌合突起をそれぞれ遊嵌した状態で取り付ける。この様にして取り付けると、透明部材上昇防止部材819は、腕部819aを縦にした状態では嵌合突起が長孔内を相対的に移動可能なストロークだけ上下動が可能であり、この状態では前面の透明部材806aを遊技者が手で押し上げようとしても、透明部材806aの上端が透明部材上昇防止部材819に当たってしまい、上記ストロークだけは上昇できてもそれ以上は上昇させることができない。したがって、遊技者が透明部材806aを手で押し上げても不正行為はできない。
【0066】
一方、透明部材上昇防止部材819は上昇させた状態で後方に回動することもでき、これにより第1,第2支持部材807a,807bの透明部材保持部816の上端縁を開放することができる。したがって、透明部材806を各支持部材807の透明部材保持部816内に差し込む時、あるいは抜き出す時には、透明部材上昇防止部材819を一端上昇させてから後方に回動して、透明部材保持部816の上方を開放した状態で作業することができる。また、透明部材806を支持部材807の透明部材保持部816内に差し込んだ状態で稼動する時(営業中)には、透明部材上昇防止部材819の腕部819aを縦にした状態で下降しておくと不正行為を防止することができる。
なお、図40中、符号807dは補強材、符号807eは裏面カバーである。
【0067】
次に、貸し球スイッチユニット811について説明する。
貸し球スイッチユニット811は、図42から図45に示すように、遊技者が操作する操作部(貸し球用操作釦801a,返却用操作釦801b)を設けたユニットケース820と、該ユニットケース820内に設けられ、前記操作部801の操作により作動するスイッチ821とを備えている。
【0068】
前記ユニットケース820は、横長な合成樹脂製の筐体であり、操作部としての貸し球用操作釦801aと返却用操作釦801bを前面に設けて裏側が開放した透光性合成樹脂製のケース本体822と、このケース本体822の裏側に組み付ける合成樹脂製の裏蓋部材823とからなる。そして、ユニットケース820の内部に配線基板824を設け、この配線基板824に、前記各操作釦801a,801bの操作によりオン・オフする2つのスイッチ821と、両スイッチ821の間に配置されて遊技価値をデジタル表示するセグメント表示器825と、作動中を発光表示する発光素子826を実装するとともに、これらの電気部品のためのプリント配線を施し、配線基板824の一端(左端)にコネクタ827を設けてある。
【0069】
ケース本体822は、横長長方形の前面板部のほぼ中央に、前方に膨出した横長な膨出部828を形成し、この膨出部828の前面に円形の釦用開口部829を2つ開設し、前面板部の上下の長辺の左右端部から後方に向けて壁部830をそれぞれ形成して左右の壁部830の間に切欠部831を形成し、一方(左側)の短辺の後方は開放したままだが、他方(右側)の短辺から後方に向けて側壁832を形成するとともに、該側壁832と長辺の右側に形成した上下の壁部830とを接続する。そして、長辺の一方(左側)に形成した前記壁部830の一端を延設して、先端がフック状に折り返されて一側方に向けて突出した係合腕833を上下一対形成し、各係合腕833のフック状折り返し部分の内側空部内に、裏蓋部材823の一端に形成する係合部834を係合可能とし、すなわち、一対の係合腕833の内側空部が係合受部を構成し、前記折り返し部分の外側を当該パチンコ機側に対する係止部835としてある。また、ケース本体822の他側に形成した側壁832の片半(上半)部分に、裏蓋部材823の他端に形成する係合爪部836が係合する係合爪受部837として開口を開設し、残部(下半)にユニット係合爪部838を形成する。このユニット係合爪部838は、貸し球スイッチユニット811をパチンコ機1側に対する係合ための爪部であり、側壁832にスリットを平行に形成するとともに両スリットの間の側壁832の後端からU字状に折り返し延設して爪部を形成してある。なお、この爪部は、外側の面(右側面)に、後方から前方に向けて厚みが増大するような斜面を形成し、厚みが最大になった部位から前方に段差を設けて板厚を斜面の基端の厚みに戻した形状に成形されている。
【0070】
この様な構成からなるケース本体822には2つの操作釦801a,801bを設けるが、両操作釦801a,801bは釦ベース839に取り付けた状態で設ける。なお、本実施形態では、左側の操作釦801aが貸し球用であり、右側の操作釦801bがプリペイドカード等の記憶媒体を返却するための操作釦である。
【0071】
釦ベース839は、ほぼ中央に開設した開口部840の両側に円形の釦穴841を開設した横長な板材であり、釦穴841の開口縁には操作釦801の後端が嵌合して操作釦801のストロークストッパとなる段差状の釦底受部842を形成するとともに、相対向する位置に切欠部状の爪受部847を形成し、配線基板824のコネクタ827とは反対側の端部に脚部843を後方に向けて立設し、長辺の一部分に突片844を上方と下方に延設し、背面の上部と下部からは配線基板824の押さえとなる突片845を上方のものは突出寸法を長く、下方のものは突出長さを短くして長手方向に沿って立設する。
【0072】
操作釦801は、底部を手前にして操作面とした有底円筒体状の部材であり、後端から係止爪846を後方に向けて突設するとともに係止爪846の基端から円筒部分の底部近傍に向けてスリットを形成して係止爪846の弾性を確保している。なお、係止爪846は傾斜面が外側に突出するように形成されている。この操作釦801を釦ベース839に組み付けるには、両係止爪846を内側に撓ませた状態で釦ベース839の前面側から後退させて係止爪846を釦穴841の爪受部847内に挿入する。この状態で押し入れると、係止爪846の傾斜面が釦穴841の開口縁に押圧されるので両係止爪846の間隔が更に減少し、さらに後退させて係止爪846が爪受部847の裏側を通過するまで挿入すると、係止爪846が弾性により戻って両係止爪846の間隔が広がり釦穴841から外れない状態になる。この状態になっても操作釦801の筒部の後端から釦底受部842までは数ミリの間隔があり、この間隔が当該操作釦801のストロークとなり、このストローク分だけ操作釦801が進退可能となる。なお、本実施形態では、釦ベース839を配線基板824などと組み付けると、スイッチ821の内部に設けられている戻りスプリングの付勢力により操作釦801が前方に押出されるように構成されている。また、操作釦801を十分に押し込むと操作釦801の筒部の後端が釦底受部842に当接して操作釦のストロークを規制している。すなわち、釦底受部842が操作釦801のストッパとして機能するので、スイッチ821を過剰に押圧することを防止することができる。
【0073】
裏蓋部材823は、横長な合成樹脂製の板材であり、一端(左端)に、全幅をクランク状に段差を設けることにより係合部834を形成し、この係合部834の前方に高くなった面に下方から上方に向かって次第に低くなる内起立壁848を立設し、他端にはケース本体822の係合爪受部837に対応する位置に係合爪部836を前方に向けて立設し、上下の長辺からはケース本体822の切欠部831内に嵌合する起立壁849を前方に向けて立設し、両起立壁849の先端に、釦ベース839の突片845が嵌合する切欠状の突片受部850を形成し、両起立壁849の間には、突出高さが低い壁状の基板受部851aを上方に、突出高さが高い基板受部851bを下方に配置して立設してある。したがって、内起立壁848と基板受部851aと基板受部851bとの上に配線基板824を載せると、配線基板824の上方が低くて下方が高い傾斜状態となり、これによりデジタル表示器825も傾斜するので、遊技者側から視認し易くなる。また、上記した係合爪部836は、ケース本体822の係合爪受部837に係合する先端断面がやじり状に成形された門形爪であり、内側の面に、先端から後端に向かって次第に厚さが増加する傾斜面を形成してある。また、基板受部851には、配線基板824に開設した位置決め孔852内に嵌合して配線基板824を位置決めする位置決め突起853を突設してある。
【0074】
次に、上記した各部品を組み付けて一体化する貸し球スイッチユニット811の組立手順について説明する。
先ず、裏蓋部材823の基板受部851a,851b上に、コネクタ827を一端(左側)に向けた状態で配線基板824を載せて位置決め孔852内に位置決め突起853を嵌合して配線基板824の位置決めを行う。次に、釦ベース839を配線基板824の上に被せる。この時、釦ベース839の突片844を裏蓋部材823の突片受部850内に嵌合して位置を合わせると、開口部840内に配線基板824のセグメント表示器825及び発光素子826が位置して見え、また、操作釦801の後端がスイッチ821の作用子に当接する。この状態で、図46(b)に示すように、ケース本体822の一端(左端)に形成してあるフック状係合腕833の係合受部854内に裏蓋部材823の一端の係合部834を斜めに係合し、この状態でケース本体822の他端を裏蓋部材823の他端側(右側)に被せる。すると、ケース本体822の側壁832の後端が裏蓋部材823の他端に立設してある係合爪部836の傾斜面に当接し、ケース本体822を裏蓋部材823側に押圧すると、係合爪部836が外側に撓み、図47(a)に示すように、さらに押圧すると、係合爪部836の傾斜面の後端の段差部分がケース本体822の係合爪受部837に係合し、図47(b)に示すように、貸し球スイッチユニット811の組立が終了する。
なお、この様にして貸し球スイッチユニット811を組み立てると、ユニット係合爪部838が係合爪部836よりも外側(右側)に突出するように各部の寸法が設定されている。
【0075】
次に、この貸し球スイッチユニット811を透明部材保持枠8に対する取付手順について説明する。
前記したように、保持枠本体805の前面には、貸し球スイッチユニット811を収納するユニット収納室813が奥に凹ませて前面が開口した状態で形成されており、このユニット収納室813は、図48及び図50に示すように、貸し球スイッチユニット811の左右幅よりも十分広い左右幅を有し、内部の一側(左側)に、上記開口の近傍に突起状の引っ掛け部材860を上下二箇所設け、該引っ掛け部材860の奥に、貸し球スイッチユニット811の一端に設けた係止部835が係止可能な係止開口部861を形成し、また、ユニット収納室813の他側(右側)の側壁862の前端部分から開口縁にかけての角部に係合爪受部863を形成する。この係合爪受部863は、貸し球スイッチユニット811の他端に設けたユニット係合爪部838が係合可能な部分であり、ユニット係合爪部838の自然状態における突出長さよりも短い寸法で開口したものである。
【0076】
このユニット収納室813内に貸し球スイッチユニット811を取り付けるには、図49及び図50に示すように、先ず、貸し球スイッチユニット811の一端をユニット収納室813内に斜めにした状態で差し込んで、係止部835の先端を引っ掛け部材860の後方の係止開口部861内に挿入する。このとき、ユニット収納室813の奥の壁面には逃げ開口部864が開設されているので、ユニット収納室813の奥行きが貸し球スイッチユニット811の奥行きとほぼ同じ寸法であっても、係止部835の後端が逃げ開口部864内に入って奥の壁面と干渉することなく係止開口部861内に挿入することができる。
【0077】
この様にして、貸し球スイッチユニット811の一端の係止部835をユニット収納室813の係止開口部861に係止したならば、貸し球スイッチユニット811の他端側を後退させ、ユニット係合爪部838をユニット収納室813の係合爪受部863に合わせ、さらに後退させる。すると、ユニット係合爪部838の傾斜面が係合爪受部863の縁に当接し、さらに後退させるとユニット係合爪部838が操作釦801側に押圧されて撓む。そして、十分に押圧すると、傾斜面が係合爪受部863の縁を通過して、通過した時点でユニット係合爪部838が弾性により復元して傾斜面の手前の段差部が係合爪受部863の縁に係合し、これにより貸し球スイッチユニット811が前方に外れない状態となる。
【0078】
この様に、本実施形態に係る貸し球スイッチユニット811は、ネジなどの止着部材やドライバーなどの工具を使用しなくても、簡単な操作で取り付けることができる。そして、貸し球スイッチユニット811を保持枠本体805の前面に取り付けたならば、保持枠本体805の前面にカバー部材809を被せて、カバー部材809に開設したある開口部内に、貸し球スイッチユニット811の膨出部828が裏側から嵌合され、パチンコ機1の前面から操作釦801a,801bを操作できる状態となり、また、遊技者側から遊技価値を表示するセグメント表示器825や発光素子826が見える。そして、本実施形態では、配線基板824の上端が後方に後退した傾斜状態でセグメント表示器825が設けられているので、遊技者からセグメント表示器825の表示が見やすい。
【0079】
なお、前記実施形態においては、裏蓋部材823の一端に係合部834を設け、ケース本体822の一端に係合受部854を設けたが、逆の配置、すなわち、裏蓋部材823の一端に係合受部を設け、ケース本体822の一端に係合部を設けてもよい。また、裏蓋部材823の他端に係合爪部836を設け、ケース本体822の他端に係合爪受部837を設けたが、裏蓋部材823の他端に係合爪受部を設け、ケース本体822の他端に係合爪部を設けてもよい。
【0080】
次に、上皿ユニット10と下皿ユニット11について説明する。
上皿ユニット10(本発明における貯留皿ユニットに相当)は、図53から図56に示すように、内枠3の軸着側縁部に設けられたヒンジ金具309,310(図12参照)へ開閉可能に軸着される開閉パネル47と、該開閉パネル47の前面側に設けられる上皿48(本発明における貯留皿に相当)と、該上皿48の前方および下方を覆う上皿カバー部材49(貯留皿カバー部材)と、開閉パネル47の裏面側に備えられた球止めユニット50とから概略構成されている。そして、内枠3に対して開閉可能な状態で取り付けられている。
【0081】
開閉パネル47は、上皿ユニット10のベースとなる部材であり、図54に示すように、装飾性を高めたフロントパネル47aと金属製のリアパネル47bとを重合し、フロントパネル47aの一側(図中左側)を軸着部(ヒンジ部)51により内枠3に軸着されている(図4参照)。そして、開閉パネル47は、フロントパネル47aの他側(図中右側)、すなわち軸着部側とは反対側に位置する開放側の端部には、上方へ付勢されながら上下にスライド可能な係止爪53を後方に延設して、内枠3に固定された下皿ユニット11の係止片54(図60参照)にこの係止爪53を下から係止することで、上皿ユニット10の閉状態を維持できるように構成されている。また、開閉パネル47は、係止爪53を下へ移動させる係止爪操作部55(係止部用操作部)を上部に備えて、係止爪53の係止状態を解除できるように構成されている。
【0082】
したがって、開閉パネル47は、透明部材保持枠8を開いて上皿ユニット10の上部に係止爪操作部55を出現させ、この係止爪操作部55を下方に押し込んで、係止爪53と係止片54との係止状態を解除すると、上皿ユニット10を閉状態から開状態への変換を許容することができる。
【0083】
また、開閉パネル47は、軸着部側寄り(一側寄り、図中左寄り)に球排出装置28から排出された遊技球が出てくるための上皿球出口47cを開設し、該上皿球出口47cから後方に内枠3の球流下路30と連通可能な接続樋34を延設している。さらに、この開閉パネル47は、上皿ユニット10の開放側寄り(他側寄り、図中右寄り)に貫通開口56を形成し、上皿48に貯留された遊技球を発射装置14へ供給するための球案内流路57(図61参照)を貫通開口56から後方に向けて形成している。
【0084】
そして、開閉パネル47は、下端中央周辺に下向きコ字状のパネル切欠部58を開設している。このパネル切欠部58は、上皿ユニット10の開閉時にスピーカーユニット12の上部が接触しない程度の空部を設けて形成されている。
【0085】
さらに、開閉パネル47は、透明部材保持枠8の下縁に合わせた形状となるようにフロントパネル47aおよびリアパネル47bの上縁を形成し、リアパネル47bの上縁からコ字状に不正防止壁59を透明部材保持枠8の下縁よりも上方へ延設し、この不正防止壁59により、開閉パネル47と透明部材保持枠8との間隙から針金等の不正部材が侵入するのを防止している。
【0086】
上皿48は、発射装置14へ供給する遊技球を一時貯留するためのものであり、開閉パネル47から前方へ延設された略半ラケット状の上皿本体により当該上皿48の前部、両側部および下部を構成し、開閉パネル47により当該上皿48の後部開放部分を塞いで遊技球を貯留できる上面開放の窪み状の球貯留部として構成されている。そして、この上皿48は、前後幅を次第に狭くして遊技球を1列に整列する球整列部60を形成し、この球整列部60の流下端部が開閉パネル47の貫通開口56に連通し、貫通開口56から球案内流路57を通って球送出口57を通過して発射装置14側へ流下できるように構成されている。
【0087】
なお、図61に示すように、貫通開口56の直前には、球抜きシャッター61をスライド可能に設け、上皿ユニット10の前面に設けた球抜き操作部62を操作すると球抜きシャッター61が移動して球整列部60の床面を開口し、ここから球抜き流路63を通って上皿48内の遊技球が下皿に流下できるように構成してある。
【0088】
また、上皿ユニット10側に設けた球案内流路57は、球送出口66が上皿ユニット10の裏側であって開放端寄りに開口している。この球案内流路57は、上皿48に貯留された遊技球を発射装置14へ案内するための通路であり、図61に示すように、上皿48から球止めユニット50を通って遊技球が丁度1列に整列できるように形成されている。なお、球止めユニット50については後述する。
【0089】
上皿カバー部材49は、上皿48および球案内流路57の前方を保護および装飾する中空の部材であり、開閉パネル47の前面から遊技者側へ突出(膨出)した形状で設けられている。この上皿カバー部材49は、スピーカーユニット12を収納するために、上皿48の下方に、下側および後側が開口された第1空間64を当該上皿カバー部材49の前面部分の裏側から開閉パネル47のパネル切欠部58に亘って区画形成し(図55参照)、スピーカーユニット12の上部が十分に収納できるように構成されている。また、上皿カバー部材49は、第1空間64の前方に円形状の透音カバー部材65を備えている。この透音カバー部材65は、下半部が上皿カバー部材49の下縁から下皿ユニット11の前面に向かって延設された状態で形成され、上皿ユニット10を閉じると、下皿ユニット11と上皿ユニット10とが透音カバー部材65とその近傍の部分で上下に連続しているようにデザインされている。
【0090】
球止めユニット50は、上皿ユニット10が開かれたときに、球案内流路57の球送出口66から上皿内の遊技球が開閉パネル47の後方へ流下するのを止めるためのものであり、図56及び図61に示すように、開閉パネル47の裏側に取り付けられる球止めベース70を設け、該球止めベース70の内部に球案内流路57を形成し、この球案内流路57の下流側開口(出口)を球送り装置への球送出口66としている。また、球送出口66は、開閉パネル47、すなわち上皿ユニット10を内枠3に対して閉じた状態で球送り装置71の球受入口72に連通するようにして設けられている。
【0091】
なお、上皿ユニット10(開閉パネル47)を閉じた場合に、開閉パネル47の裏面側に設けられた係合部35に係合する被係合部36を前記取付ベース部材100に設けてあるので、球案内流路57の球送出口66と球送り装置71の球受入口72とが円滑に連通し、球止まりが生じないように構成されている。なお、図面に示す係合部35は短い筒状であり、被係合部36は先端にテーパーを形成した短い筒状体として構成されて、テーパー部分がガイド部として機能し、円滑な係合ができるようにしてある。
【0092】
また、球止めユニット50は、球送出口66を開閉可能な略L字形状の球止め部材73を上皿ユニット10(あるいは開閉パネル47、球止めベース70)に対して回動可能に軸着している。この球止め部材73は、コイルばね等の付勢部材(図示せず)により、開状態から閉状態へ変換する方向に付勢されるように、すなわち、常態では球送出口66が閉状態となるように付勢されている。そして、球止め部材73は、球送り装置71の前面に突設された球止め部材変換部74(図6及び図63参照)と係合することにより、上皿ユニット10の開閉動作に伴って状態変換することができる。なお、球止め部材変換部74は、前端面を上皿ユニット10の開放側(図中右側)から軸着側(図中左側)へ向かって前方へ傾斜させて、当接した球止め部材73を摺動させる台形状のカム面となるように形成されている。
【0093】
このような構成により、上皿ユニット10を閉じる方向に回動すると、球止め部材変換部74が球止め部材73を摺接しながら付勢部材の付勢力に抗して右側に移動し、これにより球止め部材73は、パチンコ機1の正面から見て時計回りに回動させられて開状態に変換する。また、上皿ユニット10を開く方向に回動すると、球止め部材変換部74が球止め部材73を付勢部材の付勢力により左側に移動するのを許容し、これにより球止め部材73は、パチンコ機1の正面から見て反時計回りに回動して閉状態に変換する。
【0094】
また、前記上皿カバー部材49の上面部分のほぼ中央、具体的には上皿48の上面開口部の前後幅が急に小さくなる部分に外部操作部75を設けてある。この外部操作部75は、遊技者が遊技に技術介入する時に操作する操作部であり、例えば可変表示装置において行われる可変表示ゲームにおいて、リーチが成立したことを条件に操作し、この操作により、識別不能な速さで可変表示される識別情報の変換を停止させるものである。そして、この外部操作部75はどのような構成のスイッチでもよい。
【0095】
例えば、図57に示すように、押しボタン76と、ばね77と、押しボタン76の押し込み操作により信号を送出するスイッチ本体78と、これらを装着してユニット化する外部操作ベース79などにより構成してもよい。
具体的に説明すると、外部操作ベース79は、上皿カバー部材49の上面に形成した略三日月形の切欠部49aに下方から嵌合可能な略三日月形を呈する部材であり、外周下端には、上記切欠部49aに嵌合したときに上皿カバー部材49の内面に当接する鍔部79aを有し、上面のほぼ中央には、その長手方向に沿って略楕円形の開口部79bを開設し、この開口部79bの縁から下方に向けて下面開放の筒状部79cを形成し、この筒状部79cの下端開口部分に底蓋材79dを取り付けて塞いである。なお、筒状部79cの内面は、押しボタン76が昇降する際のガイド面として機能する。
【0096】
押しボタン76は、上記開口部79b内に遊嵌可能な大きさに形成した略楕円形のボタンベース76aと、このボタンベース76aの上面に被せる略楕円形のキャップ状ボタン部76bとからなり、ボタンベース76aの側面に形成した止め部76cとボタン部76bの側面に形成した受部76dとを係合することにより一体化される。そして、上記ボタンベース76aの外周部分から下方に向けてガイド片76eを4つ延設し、長径端部近傍にストローク規制片76fを下方に向けて2つ延設し、下面のほぼ中央にばね77の上端が嵌合可能なリング状のばね係合部76gを突設し、このばね係合部76gと上記ストローク規制片76fの間に、スイッチ作用部として機能する遮光片76hを下向きに突設してある。なお、本実施形態におけるばね77はコイルばねを使用しているので、ばね係合部76gは、コイルばねの上端が嵌合可能な短筒状に形成してある。
【0097】
スイッチ本体78は、発光部78aと受光部78bとを所定の間隔78cを開けて一体化し、発光部78aからの光を受光部78bで受光する状態でオフになり、非受光状態でオンになり、スイッチ基板78d上に取り付けられている。そして、このスイッチ基板78dは、底蓋材79d上に取り付けられ、底蓋材79dが外部操作ベース79の筒状部79cの下端に取り付けられると、筒状部79c内の中央よりも一方に寄った位置に、発光部78aと受光部78bとの間の間隔78cを上に開口した状態で配置される。なお、底蓋材79dを取り付ける場合には、底蓋材79dの一端に形成した段部79iを、外部操作ベース79の筒状部79cの底部に形成した受部(図示せず)に引っ掛け、底蓋材79dの他端に設けた取付片79jの孔内にねじを挿入し、このネジを外部操作ベース79のネジ孔にねじ込んで固定する。
【0098】
そして、ばね77の下端をスイッチ基板78d上に当接して上端を押しボタン76のばね係合部76gに係合した状態で押しボタン76を外部操作ベース79の開口部79b内に上方から挿入する。なお、挿入する時には、両ストローク規制片76fの下端を近づける方向に撓ませた状態で各ストローク規制片76fの下端に形成してある鏃状の係止部を、筒状部79cの内面に形成してあるストッパ部(図示せず)を通過させ、通過したならばストローク規制片76fの撓みをリリースする。
【0099】
この様にして、外部操作ベース79に押しボタン76とばね77などの部品を組み付けると、押しボタン76がばね77の弾性復元力により付勢されて上昇し、ストローク規制片76fの係止部がストッパに係止して最上位置で停止する。この最上位置で押しボタン76が停止すると、キャップ状のボタン部76bを外部操作ベース79の上面から比較的大きく突出させた状態となり、遮光片76hがスイッチ本体78の隙間78cから外れてオフとなる。
【0100】
そして、遊技者が押しボタン76をばね77の付勢力に抗して手で下方に押すと、押しボタン76が下降して遮光片76hがスイッチ本体78の間隔78c内に進入して発光部78aからの光を遮り、これによりスイッチ本体78がオンになる。なお、押しボタン76は、上から押圧されて下降する際に、ガイド片76eが筒状部79cの内面を摺動しながら案内するので、遊技者がボタン部76bの隅を押したり乱暴に操作しても傾くことなく円滑に下降し、ストッパに当接して最下位置に到達するまで下降する。
また、遊技者が押しボタンから手を離すと、ばね77の付勢力により押しボタン76が上昇して遮光片76hがスイッチ本体78の間隔78cから外れるのでオフに戻る。そして、ストローク規制片76fの係止部が筒状部内面のストッパに当たって最上位置で停止する。
【0101】
本実施形態ではスイッチ本体78として、非接触タイプのスイッチである光センサを用いるので、万一乱暴に操作されたとしてもトラブルの発生がない。
なお、外部操作部75が有効になる条件は、前記リーチに限定されるものではなく、また、操作の結果としては、可変表示を停止するだけではなく、遊技に技術介入できればどのような作用でもよい。
【0102】
次に、下皿ユニット11について説明する。
下皿ユニット11は、図59および図60に示すように、内枠3の下部に取り付けられる取付ベース80と、該取付ベース80の前面に設けられる下皿81と、該下皿81の前面、側面および下面を覆う下皿カバー部材82とから概略構成されている。そして、右側(上皿ユニット10の開放側、内枠3の開放側に位置する部分)には、延出部83を上縁が透明部材保持枠8の下縁まで延出された状態で設けて、全体の形状が略倒L字形状を呈している。そして、下皿ユニット11は、下皿81の左側(上皿ユニット10の軸着側)に灰皿84を備え、延出部83の前面側下部に、発射装置14の遊技球発射勢を調整するために遊技者が操作する発射操作ユニット85(発射操作ハンドル)を備えている。
【0103】
取付ベース80は、下皿ユニット11のベースとなる略倒L字状の部材であり、遊技球が下皿81に流入するための下皿球出口86を開設し、該下皿球出口86に、前記オーバーフロー流路32とファール球等の球回収流路421と上皿48からの球抜き流路63等を合流させて連通させている。
【0104】
また、この取付ベース80は、上縁を開閉パネル47の下縁やパネル切欠部58に合わせた形状に形成し、上皿ユニット10の開放端(図中右端)よりも外側には延出ベースを形成する。この延出ベースは、延出部83のベースとなる部分であり、透明部材保持枠8の開放側(図中右側)の下端まで延出されており、上皿ユニット10が閉じた状態で上皿ユニット10側の係止爪53が係止できるように金属製の係止片54が固定されている。
【0105】
そして、この取付ベース80は、上縁および延出ベースの裏側から不正防止壁87を開閉パネル47の下縁あるいは透明部材保持枠8の開放端側(図中右側)の下縁よりも上方に達する状態で延設し、この不正防止壁87により、下皿ユニット11と上皿ユニット10との間、および下皿ユニット11と透明部材保持枠8との間から針金等の不正部材が侵入するのを防止している。
【0106】
下皿81は、下皿本体と取付ベース80とで区画されたて上方が開放(開口)した窪部内に遊技球を貯留できるように構成され、上皿48の右斜め下方(発射操作ユニット85寄りの下方)に、下皿球出口86と連通した状態で配設されている。また、この下皿81は、底部に開閉可能な取出口を備えており、取出しレバー88を操作して開閉プレートの貫通孔と取出口とを連通させると下皿81から遊技球を下方に落下できるように構成されている。
【0107】
下皿カバー部材82は、取付ベース80の前面から遊技者側へ突出(膨出)した形状を呈しており、前面突出部を上皿カバー部材49の前面突出部と略同じ位置まで突出させている。さらに、延出ベースと重なる箇所に延出部83の前側部分となる延出カバー部材809を有する。このような構成を採ることにより、下皿カバー部材82は、下皿ユニット11と上皿ユニット10とが一体化しているかのように見えるデザインとすることができる。また、この下皿カバー部材82は、下皿81と灰皿84との間に第2空間89を区画形成し、該第2空間89内にスピーカーユニット12の下部を収納可能にしている。
【0108】
発射操作ユニット85は、図59に示すように、下皿ユニット11の延出部83に取り付ける支持部90と、該支持部90の前端に設けられて、遊技者が操作時に把持する把持部91と、支持部90と把持部91との間に回動可能に保持されて遊技球の発射勢を調整操作するための回動操作部92と、該回動操作部92から外側に突出した複数の指掛部93と、静電容量の変化を感知することで遊技者が把持部91に触れていることを検出するタッチセンサー部(タッチ検出手段)とにより概略構成されている。そして、発射操作ユニット85は、タッチセンサーで遊技者が触れていることを検出し、且つ回動操作部92を回動することで、発射装置14の発射バネの強さを調整して遊技球を発射するように構成されている。
【0109】
上記のような上皿ユニット10および下皿ユニット11を備えたパチンコ機1は、上皿ユニット10の下面部と下皿ユニット11の上面部とを近接させ、従来よりも上皿48の位置を低くしている。したがって、限られたサイズのパチンコ機1であっても、遊技盤5の上下寸法よりも透明部材保持枠8を大きくすることができ、上皿ユニット10を開かずに透明部材保持枠8を開いただけで遊技盤5の前面から交換作業を行うことができる。そして、下皿ユニット11は、上皿ユニット10の開放側端部の側方に発射操作ユニット85の取付箇所、すなわち延出部83を設けて、上皿ユニット10の下方および開放側端部の側方を囲むように配設されている。したがって、このパチンコ機1は、上皿ユニット10や下皿ユニット11の高さ寸法を低く抑えても、発射操作ユニット85を取り付ける領域を十分に確保することができる。このことからも、パチンコ機1のデザインの自由度を拡げて、遊技の興趣を高めることができる。
【0110】
次に、発射装置14について説明する。
発射装置14は、上皿48に貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域6に向けて1個ずつ発射可能な装置であり、図63に示すように、内枠3の遊技盤載置台13の前面壁部405に取り付け可能なマグネシューム鍛造製のプレート材からなる取付ベース部材100と、該取付ベース部材100に取り付けられて、遊技球の発射方向へ上り傾斜するように延設された発射レール101と、該発射レール101上の遊技球をばねの付勢力によって弾発する発射杵102と、該発射杵102を付勢力に抗して後退駆動するための発射駆動源と、発射杵102の動きと連動して上皿48に貯留された遊技球を発射レール101上に供給する球送り装置71とを一体的に構成している。なお、発射駆動源の発射モータ103をオン・オフする発射スイッチ(図示せず)は、発射操作ユニット85の内側に組み込まれており、発射操作ユニット85が遊技者によって操作されたことを検出して発射モータ103をオンにし、操作されていない常態では発射モータ103をオフにしている。
【0111】
発射レール101は、発射装置14から打ち出す遊技球を発射方向にガイドするための部材であり、取付ベース部材100の左寄りの前面側に、遊技球の発射方向となる左斜め上方向へ上り傾斜するように延設され、球送り装置71の下方に位置する傾斜下端部分に遊技球発射位置104を設定している。そして、この発射レール101は、傾斜上面に、断面略V字状の溝部105を発射レール101の長手方向(発射方向)に沿って形成し、該溝部105により球送り装置71から供給された遊技球や遊技球発射位置104から発射された遊技球が横方向へブレることなくガイドできるように構成されている。なお、上記した溝部105は、断面M字状に曲折したステンレス等の金属板101aを基部101bの上面に被せて形成してもよい。また、この金属板101aはメッキ処理して、遊技球が接する面の表面強度を高めてもよい。この場合、発射レール101の上面の傾斜下側の約半分にメッキを施し、遊技球発射位置104にはメッキを厚くして上方になるにつれて徐々に薄くしてもよい。
【0112】
発射杵102は、回動動作により遊技球発射位置104に供給された遊技球を弾発する略逆L字状の部材である。この発射杵102は、発射レール101の遊技球発射位置104よりも上方の位置に回動軸106を設け、該回動軸106により取付ベース部材100に対して回動自在な状態で軸着され、回動軸106の前端からアーム102aを下方に向けて延設し、該アーム102aの下端に杵先102bを発射レール101側へ向けて設けてある。このようにして発射杵102は、杵先102bを回動軸106の周りに回動(移動)自在とし、発射レール101の下端上方で時計回りに回動すると、杵先102bを発射方向へ移動して遊技球発射位置104に臨ませることができる。なお、杵先102bは、コイルばね等の弾性体により構成されている。
【0113】
そして、この発射杵102は、回動軸106よりも上方に延びた端部102cを、回動軸106を挟んで遊技球発射位置104とは反対側に配設された緩衝ゴム107に当接させて回動範囲を規制し、杵先102bが遊技球発射位置104よりも先方に移動しないように構成されている。
【0114】
また、発射杵102は、図65に示すように、取付ベース部材100の裏側であって回動軸106の後側端部にケーシング108を前後に分割した状態で接続し、該ケーシング108内に付勢部材として収納したばね109により遊技球発射位置104に向けて付勢されている。このばね109は、ねじりコイルばねであり、一端をケーシング108のうち取付ベース部材100側に位置する第1ケーシング部材108aに、他端を第1ケーシング部材108aと対向する第2ケーシング部材108bにそれぞれ係止している。
【0115】
第1ケーシング部材108aは、回動軸106に対して別個に回動自在な状態、すなわちフリーな状態で取り付けられており、外周面に形成した円弧状のケーシング回動ギア110を設け、このケーシング回動ギア110と発射操作ユニット85とを間に伝達機構を介して接続している。伝達機構は発射操作ユニット85の操作量に応じて第1ケーシング部材108aを回動することができればどのような構成でもよいが、本実施形態では取付ベース部材100の前面側に配設されて発射操作ユニット85の軸との間でカップリングとして機能する伝達部材111、伝達部材111と同軸の伝達ギア112、伝達ギア112とケーシング回動ギア110とに噛合した連結ギア113により構成されている。このような構成により第1ケーシング部材108aは、発射操作ユニット85からの操作回動量(操作入力)に対応してばね109との係止位置、すなわちばね109の端部を円周上に沿って移動させることができる。したがって、第1ケーシング部材108aは、ばね109の巻きを絞め込んだり緩めたりして操作し、この操作の程度に応じてばね109の復元力(弾性力)を変化させることになる。これにより発射杵102の打ち出し回動速度を変化させて、遊技球の飛距離調整を行うことができる。
【0116】
一方、第2ケーシング部材108bは、本発明の当接部材としても機能する略円盤状の部材であり、内側に回動軸106の後側端部を固定して、取付ベース部材100に対して発射杵102と一体になって回動できるように構成されている。また、第2ケーシング部材108bは、外周面から腕状のカムフォロワ114を延設し、該カムフォロワ114の先端に設けたローラ115を設け、このローラ115が発射モータ103によって回転する発射カム116に当接している。この発射カム116は、発射モータ103の回転軸に取り付けられて回動方向に沿ってカム面を徐々に高くした略曲球状であり、カム面にカムフォロワ114を当接したまま前方から見て時計回りに回転すると、カムフォロワ114とともに第2ケーシング部材108bを反時計回りに回動させて、発射杵102の杵先102bを遊技球発射位置104から後退させることができる。そして、カムフォロワ114がカム面の最高点に到達すると、回動する発射カム116は、このカムフォロワ114を一旦カム面から外し、ばね109の付勢力により第2ケーシング部材108bを戻り回動させ、これにより、発射杵102も併せて戻り回動し、杵先102bが遊技球発射位置104に突入する。このように発射カム116を発射モータ103で回動することで、発射杵102に、遊技球発射位置104から離隔する方向に杵先102bを移動して遊技球の発射動作を行わせることができる。なお、引き続き発射カム116が回動すると、この発射カム116は、戻り回動したカムフォロワ114を再び当接して回動させて、次の発射動作の準備を行うことができる。
【0117】
また、第2ケーシング108bは、カムフォロワ114とは反対側の外周面の一部を外方に延出してカム状の連動部117を形成してある。すなわち、当接部材としての第2ケーシング108bは略円盤状に形成され、連動部117は第2ケーシング108bの外周を外に延設した連動カムとして構成されている。この連動部117は、発射杵102の発射動作に連動して球送り装置71を作動させる連動装置の一部を構成するものである。
【0118】
連動装置は、発射杵102の回動軸106に取り付けられ発射カム116に当接する当接部材(本実施形態では第2ケーシング108b)に形成された連動部117と、この連動部117に当接し取付ベース部材100に回動可能に取り付けられた連動伝達部材118とから概略構成されている。
【0119】
連動伝達部材118は、略く字状に成形した厚板部材であり、一側(上端部分)に設けられる回動軸120と、他側(下端部分)に設けられて連動カム(連動部117)側に付勢する錘121と、回動軸120と錘121との間であってく字状の凹部側に設けられ連動カム117に当接するローラ式の連動カム当接部122とからなり、連動カム当接部122とは反対側のく字状凸部には取付ベース部材100側に向けて伝達軸123を突設してある。この伝達軸123は、取付ベース部材100に開設した連動穴124内を貫通して、後述する球送り装置71の球送り部材125に連繋し、発射杵102が遊技球発射位置104の遊技球を発射する位置に移動して連動カム当接部122が連動カム117から外れると、球送り部材125を球供給口側に回動して球供給口に遊技球を送出する軸である。
【0120】
次に、球送り装置71について説明する.
球送り装置71は、発射装置14の取付ベース部材100の前面にカバー部材130を設け、このカバー部材130の内部であって発射レール101の上方に位置するようにして配設されている。そして、この球送り装置71は、貯留皿(上皿48)から流下する遊技球を受け入れる球受入口72と、遊技球を遊技球発射位置104へ供給するための球供給口131と、球受入口72から受け入れた遊技球を前記球供給口131へ送出する球送り部材125とを備え、取付ベース部材100に形成された連動穴124を介して、球送り部材125が前記した連動伝達部材118と係合して作動するように構成されている。
【0121】
具体的に説明すると、図63に示すように、発射装置14の取付ベース部材100の前面であって、発射レール101の遊技球発射位置104にカバー部材130を設け、このカバー部材130の内部に、球受入口72から入った遊技球が転動する球転動面132を有する球転動部材133を取付ベース部材100の前面に突出した状態で設けるとともに、この球転動部材133の上方に球送り部材125を揺動可能な状態で軸着し、この球送り部材125を、取付ベース部材100の裏側に設けた前記連動伝達部材118に、連動穴124に貫通させた伝達軸123を介して連繋してなる。
【0122】
カバー部材130は、図64、図70、及び図71に示すように、取付ベース部材100に、天井部分と、天井部分の一端から下り傾斜した傾斜部分と、傾斜部分の傾斜下端から下方に延出した側壁部分とを立設して壁部134を形成し、この壁部134の先端縁に多角形板状のカバー本体135を、一側のヒンジ機構136,136により開閉可能に取り付けて構成されている。そして、カバー本体135には、遊技球が一列で通過する大きさの球受入口72を開設するとともに、前述した球止めユニット50の球止め部材変換部74が突設されている。したがって、上皿ユニット10を閉じると、上皿ユニット10側の球送出口66が球送り装置71側の球受入口72に近接対向して球案内流路57が球送り装置71内の流路に連通するとともに、球止め部材変換部74が球止めユニット50のL字状の球止め部材73を回動して閉じていた球送出口66を開いて上皿48内の遊技球を球送り装置71に流下する状態に変換することができる。このため、上皿ユニット10を閉じると、上皿48内の遊技球が球案内流路57を一列に整列した状態で球受入口72を通って球送り装置71の球転動部材133上に流下する。
【0123】
なお、本実施形態におけるカバー部材130はヒンジ機構136,136によりカバー本体135を開いてその状態で保持することができるので、例えば、球転動部材133の球転動面132など球送り装置71の内部を清掃する作業が容易である。
【0124】
球転動部材133は、図64に示すように、取付ベース部材100の前面に添設されて遊技球が当接する球当接面140を前面に有する板状の板状部141と、この板状部141の下端から前方に突出した突出台部142とを一体成型したプラスチック製の部材である。そして、突出台部142の上部に球転動面132を左右一側(発射レール101の傾斜上端側であり球供給口131側である左側)に向けて僅かに下り傾斜させて緩傾斜面(遊技球1個が載る面)を形成し、且つ傾斜途中から更に急な角度で下り傾斜させた急傾斜面を連続させた状態で形成し、下部には前記遊技球発射位置104に遊技球を止める球止め面143をオーバーハングした状態、すなわち上記球転動面132の急傾斜面の傾斜下端が発射方向に突出して、この突出先端から遊技球発射位置104に向けて斜めに後退しながら下り傾斜する状態で形成し、また、突出台部142前面には止着用の孔144を開設する。この球転動部材133を取付ベース部材100の前面の所定位置に、孔144に通したねじ145により固定すると、球転動面132の緩傾斜面が球案内流路57の床面の傾斜下端に連続し、球転動面132の急傾斜面の傾斜下端と壁部134の下端との間に遊技球の直径よりも少し大きな上下寸法を有する球供給口131が発射レール101に向けて開口して、且つ発射方向側に向いた状態で形成され、球止め面143の傾斜下端と発射レール101の上面との間の寸法が遊技球の直径より少し小さくなって、この部分に遊技球を停止可能となる。
【0125】
球送り部材125は、図72及び図73に示すように、遊技球の半径よりも厚くて直径より薄い比較的厚い板材を下向き略コ字状に形成した部材であり、下端には遊技球が丁度1つ収納できる大きさの倒U字状の球受入空部147をその両側の脚部148の間に形成し、上端部分には連動伝達部材118の伝達軸123が遊嵌する前後方向に長い係合穴149を開設し、該係合穴149と球受入空部147との間に支軸150を嵌合する支軸用孔151を開設してある。そして、球供給口131側に位置する一方の脚部148については球送り部材125の板厚のままであるが、他方の脚部148については取付ベース部材100とは反対側の部分、すなわち球受入口72に対向した側を欠截して板厚をほぼ半分とし、この欠截した部分の球受入口72側の面を待機面152とする。また、両脚部148の下部の裏面には、前記球当接面140に摺接する摺接面を有する摺接凸部153を後方(取付ベース部材側)に向けて突設する。なお、この球送り部材125の裏面側には、支軸用孔151のボス151´を先端が摺接凸部153の摺接面と同一平面となる突出長さに設定して形成してある。
【0126】
なお、球送り部材125に形成した待機面152は、球送り部材125が後述する受入状態から送出状態になり再び受入状態になるまでの回動中、次に球受入空部147に受け入れられる遊技球を受け止めて待機させておくための面である。また、前述した板状部141の球当接面140の大きさは、両脚部148,148の摺接面の回動範囲より大きく設定してあり、各脚部148が移動しても球当接面140から外れないように構成してある。
【0127】
この様な構成からなる球送り部材125を取付ベース部材100の前面に取り付けるには、取付ベース部材100の連動穴124内を挿通した伝達軸123の先端を係合穴149内に係合し、取付ベース部材100の所定位置に立設した支軸150を支軸用孔151内に挿入し、この孔から突出した支軸150の先端をカバー本体135の穴154内に嵌合し、これにより球送り部材125が外れないようにする。すると、球送り部材125のボス151´の先端と摺接面との最小限の面積だけが取付ベース部材100の前面及び球当接面140と接触することになる。したがって、球送り部材125が作動する際の摩擦抵抗を小さく抑えることができ、僅かな駆動力で確実に球送り作動を行わせることができる。
【0128】
また、この球送り部材125は、球送り動作の時に回動する範囲がストッパにより規制される。本実施形態においては、図71に示すように、カバー本体135からボスあるいは柱状のフロントストッパ155とバックストッパ156とを取付ベース部材100に向けて突設してある。したがって、カバー本体135を取付ベース部材100にねじ止めすると、両ストッパ155,156の先端が取付ベース部材100の表面に当接してカバー本体135と取付ベース部材100との間の間隔を所定寸法となるように確保するとともに、フロントストッパ155が球送り部材125の最前進位置を、バックストッパ156が最後退位置を規制する所定位置に配置される。なお、バックストッパ156は、球送り部材125が球受入部147内に遊技球を円滑に受け入れられる位置に合わせて停止させる位置決め部材440としても機能する。
【0129】
次に、この球送り装置71の作用を発射装置14の作動と共に説明する。なお、説明の都合上、球送り部材125の球受入空部147内には球案内流路57で1列に整列した遊技球列の最先の遊技球が1個受け入れられ、次の遊技球は最先の遊技球に当たった状態で待機しているものとする。
【0130】
発射カム116が図67中反時計方向に回転すると、当接部材である第2ケーシング108bのカムフォロワ114の発射カム116に対する接触位置が次第に発射カム116の先端に次第に近づく方向に回動し、これにより第2ケーシング108bがばね109の戻り力に抗して図51中時計方向に回動し、発射杵102が杵先102bを遊技球発射位置104から後退する方向に回動する。この様にして発射杵102が後退する間、連動伝達部材118は連動カム当接部122が第2ケーシング108bの連動部117に当接した状態を維持するので、図66に示すように、伝達軸123が係合穴149内の一端に位置する。したがって、球送り部材125は、下端がバックストッパ156に当たって球受入空部147内に遊技球を1個受け入れてほぼ垂直になった状態(受入状態)を維持する。
【0131】
発射カム116がさらに回転すると、発射カム116の先端近傍にカムフォロワ114が当接して発射杵102が最も後退する。この状態においても連動カム当接部122が第2ケーシング108bの連動部117に当接した状態を維持するので、球送り部材125は下端がバックストッパ156に当たってほぼ垂直に位置する状態を維持する。
【0132】
発射カム116がさらに回転するとカムフォロワ114が発射カム116の先端から外れるので、第2ケーシング108bがばね109の復元力により図69中反時計方向に戻り回動し、これにより発射杵102が杵先102bを遊技球発射位置104に近づける方向に戻り回動し、十分に戻り回動すると杵先102bが遊技球発射位置104に停止していた遊技球を発射する。
【0133】
カムフォロワ114が発射カム116の先端から外れた時点で連動カム当接部122は第2ケーシング108bの連動部117に当接したままなので球送り部材125はほぼ垂直に位置する状態のままだが、第2ケーシング108bが少し戻り回動すると連動カム当接部122が第2ケーシング108bの連動部117から外れる。すると、連動伝達部材118は、錘121の付勢により上端の回動軸120を中心にして下端を遊技球発射位置104に近づける方向(図69中時計方向)に戻り回動する。
【0134】
連動伝達部材118が戻り回動すると、伝達軸123も遊技球発射位置104側に移動するので、球送り部材125は、支軸150を中心にして下端を球供給口131側に近づける方向に回動し、これにより球受入空部147が前進して遊技球を上面の球転動面132上で転動させながら前方に進める。球送り部材125が十分に回動して送出状態に変換すると、球受入空部147内の遊技球が上面の球転動面132の緩傾斜面から急傾斜面上に移動する。この様にして、球送り部材125が送出状態に変換すると、図68に示すように、この遊技球が球受入空部147から外れて下り傾斜した球転動面132(急傾斜面)上を流下して球供給口131から発射レール101上に落下する。
【0135】
なお、球供給口131から遊技球が発射レール101上に落下する時点においては、発射された遊技球が球供給口131の下方を既に通過しているので、球供給口131から落下した遊技球と発射された遊技球とが衝突することはない。すなわち、カムフォロワ114が発射カム116から外れる時点よりも連動カム当接部122が連動部117から外れる時点を遅らせて連動部117の位置を設定してあるので、発射杵102が戻り回動して遊技球を発射した直後に球送り部材125が回動して遊技球を球供給口131から発射レール101上に供給することができる。
【0136】
また、球送り部材125が、球受入空部147内の遊技球を送り出す状態まで回動すると、図62に示すように、球案内流路57内の最先の遊技球は少し進んで球送り部材125の待機面152に当接した状態で停止して待機する。
【0137】
発射レール101上に落下した遊技球は、発射レール101の傾斜により遊技球発射位置104に向けて転動し、球止め面143に当接して遊技球発射位置104で停止する。
【0138】
遊技球が遊技球発射位置104に停止すると、その頃には、それまで継続して回転していた発射カム116が再度カムフォロワ114に当接し、発射カム116がさらに回転すると、カムフォロワ114が発射カム116に押圧されて第2ケーシング108bが図51中時計方向に回動し始める。すると、連動伝達部材118の連動カム当接部122が連動部に当接し、これにより連動伝達部材118が錘121の付勢に抗して戻り回動し、これに伴って伝達軸123が発射方向に前進する。したがって、球送り部材125は、伝達軸123の前進に伴って下端の球受入空部147を後退させる方向に戻り回動する。
【0139】
球送り部材125が戻り回動すると、待機面152に当接した状態で待機していた遊技球が待機面152から外れて、図61に示すように、球受入空部147内に受け入れられる。そして、球送り部材125はバックストッパ156に当接し、所定位置で確実に停止する。なお、球送り部材125が戻り回動しても、待機面152に当接して待機していた遊技球は、球供給口131とは反対側が流路の壁などの部材により移動が阻止されているので、球送り部材125の下端部分の後退に伴って後退することはない。
【0140】
この様にして、球送り部材125の球受入空部147内に遊技球が受け入れられると、図66に示す状態に戻り、さらに発射カム116が回転すると発射杵102が最も後退した位置に近づき、さらに発射カム116が回転するとカムフォロワ114が発射カム116から外れ、発射杵102がばね19の復元力により戻り回動して遊技球発射位置104にある遊技球を発射する。
【0141】
そして、球送り装置71と発射装置14は、上述した発射動作とこれに連動した球送り動作を繰り返すことにより遊技球を1個ずつ発射することができ、発射された遊技球は、発射レール101上を上昇し、その後、遊技盤5のガイドレールに案内されて打球案内流路57内を上昇して遊技領域6内に飛入し、遊技に供される。
【0142】
なお、図65に示すように、発射カム116のボスの外周面に鋸歯状の溝160を複数形成し、この溝160にラチェットレバー161の先端を係止し、ラチェットの原理を利用して発射カム116の逆転を防止している。したがって、1回の発射動作で球送り装置71が2個以上の遊技球を供給する不都合を防止している。
【0143】
上述した様に、球供給口131を発射レール101の直上に配置し、且つ遊技球を発射レール101の長手方向に送ると、球送り部材125の球受入空部147内の遊技球が球転動面132上を転動しながら球供給口131から発射レール101上に落下し、その後、発射レール101上を反対方向に転動して遊技球発射位置104で停止するまでの間、遊技球の回転方向(自転方向)は、発射レール101の長手方向を前進または後退する方向に回転(前後方向の回転)するだけであって、発射レール101の幅方向に移動する方向の回転(横方向の回転)は加えられない。また、その間、遊技球に対して発射レール101の幅方向の外力が加えられない。したがって、遊技球発射位置104に供給された遊技球は、暴れることなく遊技球発射位置104に速やかに停止する。このため、遊技球と発射杵102との衝接状態が安定して、発射球のむら飛びを防止できる。換言すると、遊技球発射位置104への遊技球の座りが良好なので、発射が安定する。
【0144】
上記した実施形態は、代表的な遊技機であるパチンコ機1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、遊技球を貯留可能な貯留皿を備えた遊技機であればどのような遊技機でもよい。例えば、内部に封入した遊技球を循環させる封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
【0145】
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。例えば、前記実施形態では透明部材保持枠の前面に形成したユニット取付部(ユニット収納室)に貸し球スイッチユニット811を設けたが、上皿にユニット取付部を設けて該ユニット取付部に設けても良い。具体的には、外部操作部75を設けた部分に貸し球スイッチユニット811を設けても良い。
【符号の説明】
【0146】
1 パチンコ機
5 遊技盤
6 遊技領域
8 透明部材保持枠
10 上皿ユニット(球貯留皿)
28 球排出装置
48 上皿
75 外部操作部
81 下皿
801 操作釦
801a 貸し球用操作釦
801b 返却用操作釦
805 保持枠本体
811 貸し球スイッチユニット
813 ユニット収納室
820 ユニットケース
821 スイッチ
822 ケース本体
823 裏蓋部材
824 配線基板
825 セグメント表示器
826 発光素子
827 コネクタ
833 係合腕
834 係合部
835 係止部
836 係止爪部
837 係止爪受部
838 ユニット係合爪部
839 釦ベース
854 係合受部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域を形成した遊技盤と、遊技球を排出する球排出装置と、を備える遊技機において、
前記遊技盤には表示装置を備え、
前記球排出装置が排出した遊技球を貯留する上皿と、前記球排出装置から前記上皿へ排出する途中でオーバーフローした遊技球が案内される下皿と、を当該遊技機の前面に備え、
前記上皿は、該上皿の上面前方に、遊技者が上方から操作可能な外部操作部を設け、
遊技者による前記操作の結果として、前記表示装置における表示態様を変更可能とし、
前記下皿は、上方が開口した窪部内に遊技球を貯留できるように構成され、前記上皿の斜め下方に配設されていることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図14−3】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【公開番号】特開2012−232200(P2012−232200A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−194949(P2012−194949)
【出願日】平成24年9月5日(2012.9.5)
【分割の表示】特願2009−143826(P2009−143826)の分割
【原出願日】平成15年12月26日(2003.12.26)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】